説明

注入液体熱交換器用エアトラップ

【課題】注入が行われる間に患者の身体内に注入される液体温度を増加する液体加熱システムの改善に関する。
【解決手段】液体注入を受ける患者の身体内に空気の導入を防止するため、注入システム内の空気の改良された監視103、105を提供する。また、多量の注入必要量および注入目的量に役立つ可変流速を提供するシステムポンプを提供する。使い捨て可能なカートリッジ100は、患者の身体内に注入される液体への有効な熱エネルギー伝達を許容する。カートリッジは、さらに、有害量の空気が患者の身体内に導入されないことを確実にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上昇温度に曝すことにより液体を害することがなく、患者の身体に注入する液体を暖め、並びに患者の身体内への空気の導入を妨げることに向けられる。
【背景技術】
【0002】
患者を治療する場合に必要な液体は、度々、患者の身体温度に対して低温ないし冷たくして貯蔵しなければならない。この度々の冷却貯蔵は、液体の機能および完全さが維持される状態で液体を保存するために必要である。血液や他の体液のような液体は、典型的には2℃°から20℃の範囲の低温度で貯蔵される。それ故、液体を患者の身体に導入する時、患者の身体温度の急速な低下を防止するのみならず、また、導入される液体が必要であるように機能できることを確実にする適切な温度に液体を加熱することが必要である。患者の身体内への冷却液体の注入は、患者内での伝達熱損失の主要な原因を生じることになり、度々、急速に、または、生理学的な害を生じる温度に冷却することにより、患者を一層の危険に置くことになることが知られている。
【0003】
しかしながら、液体の加熱または加温において、加熱自体は、さらなる複雑化を生じないことを確実にすることに注意をしなければならない。例えば、血液が45℃以上の温度に露呈されて、溶血となれば,血液細胞の破壊または激しい崩壊が起こることになる。同様に、液体が加熱され過ぎ、それから、患者の身体に導入されると、焼成または他のやけどのような過激な温度に曝されることから生じる生理的な害が起こることになる。バルク形状で液体を加熱する場合、通常、任意のレベルの時間効率で全体の液体を加熱するために、激しすぎる熱源の印加が必要となる。同様に、長期間に亘り液体を加熱すると、汚染の危険を生じる環境に材料を一層曝すことになる。
【0004】
液体を患者に入れる時に、必要に応じて液体の適切な量が患者に提供されるような調整可能な流れが必要である。液体送出手段を、液体の適切で有効な加熱と組合せることは、患者への液体の適切な送出にとって重大なことである。従来技術は、液体が患者に注入される時に液体を加温するシステムを含む。液体がこれらのシステム内で加熱される仕方は変化し、対流または伝導を経て達成できる。臨床的な問題を提起する例は、水のような加熱される液体へ曝して患者に送出される液体を加熱する。そのようなシステムは、通常、煩わしく、度々、洗浄が必要であり、追加の物質―加熱液体の導入を通して臨床環境を汚染することになる。そのようなシステムは、度々、導管を水のような液体中に設置し、それから、水はが熱され、患者へ送出される液体は導管を通して引き出され、それにより、送出される液体の温度を増加する。そのようなシステムは、殺菌環境にとって有害であり、適切に輸送できない。さらに、これらのシステムは、また、大きい質量を有するので、質量を加熱するための十分な熱源が必要となり、冷たい質量(冷却液のバッグのようなもの)が導入される時に、所定温度を達成するのに長時間を要したり血行停止を達成する時間を与える。
【0005】
さらに、多少の液体注入の間、暖房機か冷房機で患者の身体の温度を調整することは有利である。そのように、調整可能なインライン液体加温システムを有することは極度に有利であり、適切な温度に調整できる。多量の液体損失または緊急の液体損失の例では、度々、極度に多量の液体を患者の身体内に注入する必要がある。そのような例では、伝統的な液体加熱システムは、液体は急速に加熱されなければならないので、液体を害する温度に曝すことにより、度々、液体を危険に置く。そのような問題は、従来技術では解決されずに残り、より良いインライン液体注入の必要性が大きい。
【0006】
液体を患者の身体内に注入する時、さらに、空気が患者の身体内に導入されないことが重大である。身体内への空気または気泡の導入は極度に有害な結果を生じる。患者の血液流内の空気の蓄積が心臓不整脈、発作または肺梗塞を生じれば、空気塞栓症が起こる。これらの潜在的な病気は生命の脅威になり、身体の液体の大容量が注入される状況で最少にする必要がある。それ故、身体の液体の注入中での注入システム内の空気の監視は、患者の身体内への空気の導入を防止するために極度に重要である。
【0007】
身体内に注入する液体を加温することを探求する先行技術の装置は、度々、非常に特殊な問題を抱えている。例えば、アンダーソン他に発行された米国特許第3590215号に説明される加熱システムは、液体がシステムを進行するにつれて液体が出会う異なる加熱範囲を使用する。特に、アンダーソン他の特許で記載された加熱要素は、液体が熱交換器に入る最も高い温度から、液体が熱交換器を出る最も冷たい温度へ、液体を加温する材料内で加熱を減少する。そのような構成は、流量が変化するにつれて液体の温度を調整することが困難となるのみならず、また、液体が露呈されるべき以上の温度に液体を露呈しなければならない危険を冒し、液体を害する危険を冒す。
【0008】
同様に、アンダーソン他の特許で記載された曲がりくねる液体流路は、たいていの熱交換器システム内で見られる典型的な層流を作る。例えば、フォード他の米国特許第5245693号は、幅に比べて長く、深さに比べて幅が広い、曲りくねる流れパターンを説明している。この型式の流れは非乱流層流路と一致する。非乱流流路は、液体システムの温度を所要の温度に均一に増加するために、液体システム内に導入される追加の熱エネルギーを必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第3590215号
【特許文献2】米国特許第5245693号
【発明の概要】
【0010】
本発明は、注入が起こっている間、患者の身体内に注入される液体の温度を増加するシステムである。そのような加熱システムは、また、インライン加熱注入システムと称される。本発明は、また、液体注入を受ける患者の身体内への空気の導入を防止するように、注入システム内で空気の完了された監視を提供する。本発明は、また、多量の注入必要量および目的に役立つ可変流速を提供するポンプシステムを提供する。
【0011】
本発明による使い捨て可能なカートリッジは、患者の身体内に導入される液体に対する熱エネルギーの有効な伝達を許容する。
カートリッジは有害量の空気が患者の身体内に注入されないことを確実にする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による使い捨て可能なカートリッジの内部要素の正面図である。
【図2a】本発明による使い捨て可能なカートリッジの異なる方位を示す(除去された使い捨て可能なカートリッジのカバー近く)。
【図2b】ポンプハウジングに隣接する本発明の一実施例の使い捨て可能なカートリッジの側部を示す。
【図2c】本発明の1形状部を具体化する露出プラテンを備えたポンプハウジングを示す。
【図3】熱交換器の一方の半体を示す。一方の多数のフィン。
【図4】本発明の一実施例による液体流路を示す人為的に中空である熱交換器の断面図である。
【図5】本発明によるエアトラップの外観図である。
【図6】本発明によるエアトラップの断面図である。
【図7】本発明による熱交換器を満たす液体形状を示す。
【図8】本発明の一実施例による捨て可能なカートリッジを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、患者の身体内の液体注入に使用する使い捨て可能な熱交換器カートリッジを企図するものである。使い捨て可能な熱交換器カートリッジは注入ポンプ装置と取外し可能に接続され、注入ポンプ装置は注入される液体に熱を伝達するために必要とされるエネルギーまたは動力を提供するのみならず、また、液体注入システムの特別な状況を監視および調整するための流れ発生ポンプおよび機構を提供する。発明のこの詳細な説明において、図1乃至図8で示される実施例が参照され、全体を通して類似の番号は類似の部分を示す。図1および図2a乃至図2cは、この発明の現在の好ましい実施例を説明し、制限的なものとして考察してはならない。
【0014】
本発明の一実施例は上下の方位部を有する熱交換器と、第1および第2の複数の重合フィンにより定められ、実質的に均一な流路深さを作る内部熱交換区域とから成る使い捨て可能な液体注入カートッリジであり、各フィンは、少なくとも1:2の幅に対する高さの比を有し、それにより、液体は下方ポートを介して熱交換器の下方方位部に入り、熱交換区域を通って流れ、熱交換器の上方方位部から流出する前に、熱交換区域の幅に亘り下方流空洞を満たす。
【0015】
この使い捨て可能な液体注入カートッリジは、さらに、上下方位部を有するエアトラップと、熱交換器からの液体を受ける内表面とを備え、さらに、液体流中断部と、エアトラップから空気を除き、空気がエアトラップを越えて通過するのを防止する除気機構とを備える。この実施例の使い捨て可能なカートッリジは、約1:2から1:50、好ましくは、約1:4から1:25、最も好ましくは、約1:5から1:10のフィンの幅に対するフィンの高さの比を有することができる。この実施例のフィンの高さは、約0.25インチから約1インチにできる。
【0016】
この実施例の使い捨て可能な流体注入カートリッジは、約0.01から約1:1のフィンの高さに対する流路深さの比を有する。この実施態様の熱交換区域の流路は、約0.01インチから約0.25インチの深さを有することができる。さらに、同じ複数のフィン内の第1フィンと第2フィンとの間の間隔は、約0.25インチから約0.5インチにできる。また、本発明の熱交換器は共に固定される2つの対称的なユニットと、単一ユニットとから構成でき、または、少なくとも、共に固定される2つのユニットから構成できる。
【0017】
使い捨て可能な注入システムのこの実施例のエアトラップは、円筒にでき、エアトラップの高さは幅より大きい。この実施例のエアトラップは、さらに、エアトラップの下方方位部の内表面から延びる液体流れ中断部を備える。さらに、除気機構はエアトラップ内の液体体積を監視するために超音波検出機構を利用する。
同様に、この実施例の除気機構は、液体出口ポートでの弁と、エアトラップ内の液体の体積が所定レベルに増加するにつれて、空気を空気出口ポーとから押出すため、連絡し合って作用する空気出口ポートでの弁とを利用できる。この実施例のエアトラップは、垂直軸線から離れて45°まで運動される時に有効に除去できる。
【0018】
本発明の他の実施例において、使い捨て可能な注入カートリッジは、線形の流れ長さの短い部分を含み、熱交換器の内表面に対する増加された露呈のために、線形流れ長さの部分の長さより幅が大きい液体リボンを作り、非層流を介して液体内の熱伝導を増加するために液体を混合することから成る熱交換器を構成できる。
【0019】
この実施例の使い捨て可能な注入カートリッジは、さらに、上方方位部と下方方位部から成る使い捨て可能なカートリッジから空気を除去するための円筒エアトラップを備え、さらに、液体入口ポートと、液体出口ポートと、空気出口ポートと、液体流れ中断部とを備え、エアトラップは液体の渦を作り、液体流れ中断部はエアトラップから液体を引き出すための液体出口ポートでの圧力差を生じる。
【0020】
この実施例のカートリッジは、約1:2から1:50、好ましくは、約1:4から1:25、最も好ましくは、約1:5から1.10の流路幅に対する曲りくねり流路の短い部分の長さの比を持つことができる。この実施例では、曲りくねり流路の短い部分の長さは、約0.25インチから約1インチの長さにできる。同様に、曲りくねり流路の深さは、約0.01から1:1、約0.01インチから約0.25インチ特別な深さでの流れ長さの短い部分の長さに対する深さの比を有する。
【0021】
本発明の熱交換器は、少なくとも一方の多数のフィンを介して曲りくねり流路を作ることができる。多数のフィン内で、第1フィンと第2フィンとの間の間隔は約0.25インチから約0.5インチにできる。
【0022】
この実施例のエアトラップの液体流れ中断部は、エアトラップの内表面から延長できる。さらに、除気機構は液体高さを監視する超音波検出機構を利用できる。同様に、除気機構は液体出口ポートの弁と、エアトラップ内の液体の体積が増加するにつれて、空気を空気出口ポーとから押出すために連絡し合う作用をする空気出口ポートでの弁とを利用できる。また、除気機構の弁はカートリッジと反対に取付け可能なポンプハウジング内に含まれる監視機構により制御できる。
【0023】
この注入カートリッジの追加の実施例において、装置は、使い捨て可能なカートリッジ内の液体圧力を監視する1つの圧力監視装置並びに使い捨て可能なカートリッジを通過する液体内の気泡の存在を監視する気泡監視装置を備えることができる。
【実施例】
【0024】
図1で描かれるように、熱交換器101は使い捨て可能なカートリッジ100内に含まれる。使い捨て可能なカートリッジは、処理が完了すれば使い捨て可能なカートリッジは取り外され、捨てられるようにポンプシステムに取外し可能に取付けられる。使い捨て可能なカートリッジは、それだけで完備したものであり、ポンプシステムに取付けられると、調整されたり、または、操作をされる必要はない。液体は液体源から液体を引く主流入管102を通り使い捨て可能なカートリッジに入る。液体は主流入管102内に引かれ、流入圧力監視装置103として役立つ第1t−継手を通過して進む。流入圧力監視装置103は第1空気室151と流体連結される。流入圧力監視装置103は、液体流が、液体流の適切な調整を許容するためにポンプループ104に入るところの液体流の圧力を決定する。ポンプループ104はローリングまたはその他の取付け可能なポンプシステムと相互に作用する。ポンプシステムと相互に作用する時にポンプループ104は、使い捨て可能なカートリッジ100を通して液体を押す。液体がポンプループ104を去る時、液体は流出圧力監視装置105として役立つ第2t−継手を通り流れる。流出圧力監視装置105は液体がポンプループ104を出る際の液体の圧力を決定し、使い捨て可能なカートリッジ100を通る液体流は調整できる。
【0025】
それから、液体は熱交換器の最下方個所の熱交換器入口ポート106を経て熱交換器101内に入る液体が熱交換器101により確立される激しい環境を通過後に、液体は、熱交換器101の上方個所の入口106と反対の位置に配置される熱交換器出口ポート107を経て出る。この個所で、分散液は、その加温に耐え、所望の温度に達する。
【0026】
液体は熱交換器出口ポート107を経て熱交換器101を出て、それから、エアトラップ110の縦軸線に沿って、ほぼ中間個所でエアトラップに入る。
液体はエアトラップ110および流出気泡検出器112として役立つ第3t−継手を通り流出する。流出気泡検出器112は、過剰量の空気が系統に浸透しているかどうかを検出する。液体が流出気泡検出器112を通過するにつれて、空気の認容できないレベルが液体内に残っていれば、このシステムは、患者の人体内に液体の注入を許容しないであろう。液体が空気を含まないか、または、認容できるような空気の最少量であれば、液体は流出気泡検出器を通過して、主流出管111を経て患者内に入る。
【0027】
熱交換器101の詳細な説明は図3、図4の参照が必要である。 熱交換器101は、各々が多数のフィンを含み同じモールドから鋳造される2つの半体により製造できる。第1半体301は熱交換器入口ポート106と連続する離間フィン302から成る多数のフィンとから構成される。特別寸法の流れフィン303を除き、各フィン302の寸法は同一であり、相互に均等に離間される。液体は熱交換器入口ポート106を通り熱交換器101に入るので、液体は、熱交換器の内壁と流れフィン303とにより定められる流れ空洞304を満たす。作用の時に、入口ポートが配置される下方個所と、出口ポートが配置される上方個所が、熱交換器を通り、重力に対して上方へ液体を流すことを強いる垂直形状で整列されるように、熱交換器は整列される。流れフィン303に与えられる特別形状であるので、熱交換器101を通って進行する前に、液体は流れ空洞304を満たす。
【0028】
熱交換器101を通る液体の流れを説明するために図4を使用すると、液体は熱交換器入口ポートを経て流れ空洞304に入る。異なる寸法の流れフィン303のために、第1フィンを越えて上がる前に、液体は最初に流れ空洞304を満たす。この予備的な充填は、液体が熱交換器の幅を満たし、長いが狭い導管を通る層流に対してフィンを横断する液体の幅広いリボンとして流れることを許容する。流れフィン303は、流れフィン303と矩形形状の多数のフィンの内の第1フィンとの間で薄い流れ隙間305を作ることにより、液体の適切な広がりを達成する。それから、液体は熱交換器入口ポートと熱交換器出口ポートとの間で熱交換器101の長さを流出する。液体が上昇するにつれて、液体は、液体の浅いが幅広いリボンとして波形で進む。熱交換器により作られる幅広い流れ、短い線形トラック流れパターンは、液体内で増加される分子循環を引き起こす乱流を生じる。管のような典型的な導管内の層流は、導管の中央部分内で高分子「折り返し」に会う一方、熱交換器101内の乱流は熱交換器の内面に一層多くの分子を露呈させ、それにより、一層効率的で有効なエネルギー伝達を容易にする。
【0029】
図3に戻ると、熱交換器の他の半体301は同じモールドから作ることができ、熱交換器入口ポート106は熱交換器出口ポートとなる。成形されると直ちに、2つの半体は、ボルト、ねじ、または他の機械的手段、並びに、膠、セメントまたは他の化学的な手段を含むが、それらに限定されない周知な技術を使用して共に装着される。機械的手段が使用されるのであれば、固定タブ306は固定装置を収容するために使用できる。
【0030】
図4の熱交換器の断面図は、さらに、シールシート401を示し、シールシートは、Oリングのような熱交換器の液体不浸透性を増加するために、熱交換器の周辺でシールを設置するための空間を提供する。この実施例の熱交換器は2つの同一の半体から形成されるものとして説明されているが、熱交換器は単一部品または2つ以上の部品として形成できる。しかしながら、製造の容易さのために、ここで説明された2つの半体は、少ない費用により適切な結果を許容する。
【0031】
本発明の熱交換器は、任意数の材料、すなわち、鋳造で陽極処理されたアルミニュウム、銅、金等から形成できる。本発明の熱交換器での使用のために選択された物質は、表面に亘り適切な熱分布を確実にし、並びに、暖められることを要求される液体に対して熱伝達を確実にするために、十分に熱伝導ができ、熱伝達ができなければならない。質量1g当たり、物質の温度を1℃変化するために必要とされる熱エネルギー量である同一比熱を持つ2つに物質にとって、大きい方の質量を持つ物質は小さい方の質量を持つ物質に対して、より効率的に熱を伝達するであろうと、熱力学は教えている。この効率のレベルは、度々、熱容量として理解され、エネルギーの望ましくない損失なしに、第2物質の温度を大きく増加するために十分に、隣接する物質へエネルギー伝達をする間、大きい熱容量(すなわち、質量)を持つ物質は、一層、熱を保持する。例により、熱交換器と注入液と間で生じる熱交換を類推すれば、1.5kgの質量を持つ物質は60℃に加熱され、温度40℃で質量0.5kgを持つ物質と接近して直接接触される。加熱が完了すると、両方の物質は55℃の温度を達成するであろう。増加された質量を介して、より熱い部材により蓄積されるエネルギーは、2つの物質間で熱エネルギーのより良い交換を許容する。本発明の特別な要求を与えられる物質の選択は、それ故、物質の質量並びに、その物質の熱力学特性の考慮を必要とする。
【0032】
図5は、エアトラップ110と、その連結導管の拡大図を示す。エアトラップは特定の形状に関して説明されるが、エアトラップの液体出口ポートでの液体流れ方向の逆を許容する任意の形状であれば、カートリッジ系統からの空気の監視および除去を許容することは、当業者にとって明らかであろう。エアトラップは、ドーム形の頂部501と平坦な底部502とを備えた形状で、全体的に円筒である。液体は、エアトラップの長手軸線に沿ってほぼ中央に配置されるエアトラップ取入ポート503でエアトラップ110に入る。液体は、液体内でトラップされ、または、導入された任意の空気を除去するために、熱交換器からエアトラップ110に入る。除去されるべき空気は、本発明に液体源を導入する前に、液体源から空気を一掃することに失敗したことから生じる。また、液体の加熱は、患者の体に入ることを許容するならば、有害か、または、致命的にさえ成り得る結合ガス生成気泡の解放を引き起こす。液体は、エアトラップの底部502に配置される液体出口ポート505を通してエアトラップ110を出る。
【0033】
図6はエアトラップ110の断面を描写する。この図において、エアトラップとインターフェイスするエアトラップ取入ポート503を見ることができる。エアトラップ取入ポート503はエアトラップの内側壁に対して平らにされ、エアトラップの長手軸線の中間線を離れて配置される。エアトラップの長手軸線の中間線に関するエアトラップ取入ポート503のこの位置は、液体がエアトラップを満たし、入り続けるので、時計方向でエアトラップの円筒形の回りで流れて、液体がエアトラップに導入されることを引き起こす。この流れパターンは、空気を液体出口ポートの方で下方へ引くエアトラップ内で渦を作る。エアトラップの底部502には、液体出口ポート505に隣接して配置される流れ中断部601が配置される。流れ中断部はエアトラップの内壁またはエアトラップの底部502から延びることができる。エアトラップの回りで時計方向へ進む液体が流れ中断部601を横切って流れるので、液体出口ポート505での圧力差は、エアトラップから液体を引き出すようにして、空気または気泡がエアトラップの長手軸線に沿って上方へ流れることを許容する。
【0034】
図5に戻ると、エアトラップ内の液体のレベは、注入装置が操作されている間、連続的に監視される。エアトラップ110内の液体レベルが下方レベルセンサ506以下に低下する時、液体出口ポート505に配置され、または、液体出口ポートの回りに配置される弁が閉じる。液体出口ポート505に配置され、または、液体出口ポートの回りに配置される弁が閉じるのとほぼ同時に、空気出口ポート504に配置され、または、空気出口ポートの回りに配置される弁が開く。液体出口ポート505が閉じられるので、エアトラップ110に入る液体は、エアトラップ内に存在する任意の空気をエアトラップの長手軸線で押し上げる。空気出口ポート504が開いているので、エアトラップ内の任意の空気はエアトラップから押出され、図1で示される空気出口管108に入る。エアトラップ110内の液体レベルが上方レベルセンサ507以上に上昇する時、空気出口ポート504での弁は閉じる。空気出口ポート504での弁が閉じるのとほぼ同時に、液体出口ポート505は再び開く。液体出口ポート505は開いているので、主流出管111を経て患者への液体流が復興される。
【0035】
本発明により具体化されるエアトラップは、変化する傾向や方向において機能できる。
エアトラップにより形成されるシリンダは高さが3インチと10インチの間、好ましくは、3.5インチと7インチの間であり、最も好ましくは4インチと6インチの間である。エアトラップシリンダの直径は、0.5インチと2インチの間、好ましくは、0.625インチと1.5インチの間、最も好ましくは0.75インチと1.25インチの間である。エアトラップは、たとえ、垂直軸線から45°まで傾斜されていても、液体が通過するにつれて、エアトラップは液体から空気を適切に除去できる。
【0036】
上記のように、加熱要素から激しく熱せられる液体への熱の効率的移動は、本発明に影響を与える。本発明において使用される幅広い流れ、短い線形進路流れパターンは、極度に大きい接触面積による一層の乱流を許容する。上記の接触面積は、熱交換器と通過する液体との間の境界面積である。液体リボンとして説明したので、本発明によりなされた熱交換器を通り進む液体は、線形距離の短い部分に沿って非常に短い線形距離で流れるが、代わりに、比較的に幅広く流れるであろう。実際、熱交換器を通る液体流れのために作られる凹所は、長さより幅が広く、深さよりも長く、それで、通過する液体のための捩りリボン形状を作る。図7は、熱交換器100を通り流れる液体の描写である。図7の液体流れは、最初に入口液体701として熱交換器入口ポートを満たすものとして示される。流体は次に空洞流として、流体空洞を満たす。それから、液体は、最初に第1の限定流れ703として示される流れフィンにより作られる小さい隙間を通り熱交換器を上昇して流れる。フィンの高さにより定まり、流れ長さの短い部分を描写する線形流れ距離λは、流れ幅ωより小さいことに注目すべきである。線形流れ距離λと流れ幅ωとの間の比は、約1:2から1:50、好ましくは1:4から1:25、最も好ましくは1:5から1:10である。図7で図示されるリボン状流れパターンを作るのは、線形流れ距離と流れ幅との間の比である。そのような短い線形流れを持つことにより、液体は、典型的な長い線形流れくねる進路以上の乱流で熱交換器を通って流れる。液体内の乱流の導入は、そのような曲りくねり進路を作る層型式の流れを回避する。境界面での分子より早く変化する境界面に向けられて配置されない分子である液体流れの中央部分内で、分子だけに対向されるので、本発明により作られる乱流は増強される熱伝達を許容し、境界に対して、より多くの液体分子を露呈する。同様に、この乱流は、熱交換器を通り流れる液体内の分子間での一層の接触を行う。液体内の分子間での一層の接触により、一層の熱交換および熱伝達は、患者に送られる液体のために交換器からの熱の有効な交換を駆動して発生できる。
【0037】
本発明により製造された熱交換器は、この乱流路を作り、液体がフィンを介して流れるにつれて乱流路を維持する。図3で描かれるように、フィンは従う液体のための流路1/2を作る。熱交換器の同一側でフィンは均等に寸法決めされ、離間され、すなわち、第1フィン307と第2フィン308との間の間隔は、熱交換器の全長に亘って同一である。
熱交換器内で流れる液体の含む熱伝達のために、同一の複数の第1フィンと第2フィンとの間の間隔は、0.25インチから0.5インチ、好ましくは0.35インチから0.45インチ、最も好ましくは0.37インチから0.43インチである。熱交換器の半体のフィンの長さは、線形流れ距離である。フィンの長さは、約0.25インチから1.0インチ、好ましくは0.5インチから0.8インチ、最も好ましくは0.6インチから0.7インチにできる。流路は、また、第1の複数フィン内のフィンの頂部の間の離間間隔と、第2の複数フィン内の2つのフィンとの間の谷により作られる深さ要素を含む。流路は約0.01インチから0.25インチ、好ましくは0.03ンチから0.125インチ、最も好ましくは0.04インチから0.110インチの深さを有することができる。フィンの幅は3インチから6インチ、好ましくは3.5ンチから5インチ、最も好ましくは4インチから4.5インチにできる。
【0038】
熱交換器への熱エネルギーの伝達は、熱交換器の露出部分で起こり、その部分は使い捨て可能なカートリッジ内でカバーされず、または、含まれない部分である。熱交換器の平坦板801は使い捨て可能なカートリッジ100のハウジング802から露出されて図8で見える。使い捨て可能なカートリッジ100は、第1取付け区域803と第2取付け区域804を介してポンプシステムに取外し可能に固定される。取付け区域は、使い捨て可能なカートリッジがポンプシステムに確実に堅く取付けられることを許容する。熱交換器の平坦部分801は、加熱要素または加熱板にできる限り接近して配置されることが特に重要である。熱交換器の平坦板801が加熱要素または加熱プラテンに均一に密接することを確実にすることは、等しく重要であり、難しいことである。周知な平滑な材料であっても、固体を扱う時、顕微鏡レベルで考慮すると、決して完全には接触しない。それ故、平坦板801は加熱要素または加熱プラテンに接触する十分な表面積を達成するために、できる限り適度に均一で平滑でなければならない。加熱要素または加熱プラテンに接触する平坦板801の表面積は、約20平方インチから約100平方インチ、好ましくは約25平方インチから約50平方インチ、最も好ましくは約30平方インチから約45平方インチにできる。同様に、平坦板801を加熱要素または加熱プラテンに密接接触して保持するため、使い捨て可能なカートリッジ100に及ぼされる圧力は、平坦板801および加熱要素または加熱プラテンの表面が平滑でなければ、増加しなければならない。平坦板801および加熱要素または加熱プラテンが相互に直接に隣接して配置されるならば、空気界面が2つの表面間に存在すると考えられる。表面が極度に接近している一方、2つの表面を押すために平坦板801に圧力が及ぼされるので、表面間の隙間が残るであろう。それ故、使用される適度な接触圧力をさらに許容する空気より良好な熱伝導体である材料で、表面間の空所に適合して満たす熱パッドにより、熱交換器の平坦板801に接触する加熱要素または加熱プラテンを被覆することで、これらの隙間を減少できる。空気が熱交換器の平坦板801の表面と、加熱要素または加熱プラテンの表面との間の界面となっているならば、熱エネルギーの有効な伝達を達成するために、より大きい圧力を及ぼさなけ
ればならない。隙間を満たし、空気より良好な熱導体を使用すれば、表面の界面に印加される、より小さく適度な圧力により、このシステムを確立できる。
【0039】
本発明による注入系統は、図2a乃至図2cで示される。使い捨て可能なカートリッジは、図2aにおいて除去された外カバーの半体で示される。整列のために、エアトラップ110は図の右手部分で外カバー201から延びて見ることができる。使い捨て可能なカートリッジの外カバーは頑丈な高分子材料から製造される。図2bは図2cで示されるポンプハウジング250と接触する使い捨て可能なカートリッジの側部を示す。再び、整列のために、エアトラップは、図2bにおいて外カバーから延びて左手部分で示される。ポンプシステムのプラテンと接触する熱交換器101の露出表面225は、図2bで示される。図2cは、ポンプループ104と相互作用をするための回転ポンプを含むポンプハウジングを示す。図2cは、また、使い捨てカートリッジ内に含まれる熱交換器に熱エネルギーを与えるプラテン275を示す。この実施例の全要素は相互の液体で連結される。
【0040】
係合ハンドル280は、プラテン275の回りに配置されるロックハウジング285から延びるクランプ機構またはロック機構により、使い捨てカートリッジ100をポンプハウジング250に可逆的に使用者が取付けることを許容する。係合ハンドル280が操作されると、ロックハウジング285内に含まれるクランプ機構またはロック機構は延びて、熱交換器101の露出表面225の回りに配置される取付け点で使い捨てカートリッジ210に係合する。係合する時、熱交換器101の露出表面225をプラテン275に接続するために提供される力は、約170ポンドから230ポンドであり、通常の力は約200ポンドである。露出表面225とプラテン275との間で、プラテンと熱交換器との間の極度の接近および均一な接触を許容する伝熱材料またはsilpad(シルパッド)が配置される。シルパッドとして選択される材料は、マサチューセッツ州、Woburn在のChomerics社により供給されるシリコン基パッド、Chomerics T500(登録商標)である。シルパッドは、空気のインターフェースより良好に、プラテン275から熱交換器101への良好な熱伝達を許容する。この実施例では、シルパッドは厚さが約0.02インチであり、0.005インチ位であり、全プラテンをカバーする。さらに、この実施例では、加熱要素または加熱プラテンに接触する平坦板801の表面積は、約35平方インチである。
【0041】
実施例のために、患者内に注入される液体は血液である。この例で実施されるポンプシステムに入る液体は20℃である。注入が行われる割合は1000ミリリットル/分である。この例でポンプハウジング内に含まれるポンプは10ミリリットル/時間から1200ミリリットル/時間の割合で液体をポンプ送りできる。
【0042】
カートリッジが係合されると直ちに、ポンプハウジング内の回転ポンプはポンプ圧をポンプループ104にかけ、カートリッジを通る液体源から1000ミリリットル/分で注入するための十分である液体を流す。再び、図1を参照すると、血液は主流入管102内に引かれ、流入圧力監視装置103として役立つ第1t継手を通過して進む。流入圧力監視装置103は第1空気室151と流体連結する。流入圧力監視装置103は血液流の適切な調整を許容するため、ポンプループ104に入るように血液流の圧力を決める。
【0043】
流入圧力監視装置103は、液体が使い捨て可能なカートリッジ内にン残っているが、患者の方へ流れない場合の負圧を監視する。液体源バッグがつぶれ、さらに、液体がカートリッジ内に残るならば、そのような状況が起こるであろう。流入圧力監視装置103での圧力が1mm水銀中以下に低下すれば、ポンプはポンプ送りを停止する。
【0044】
血液はポンプループ104を去ると、流出監視装置105として役立つ第2t継手を通って流れる。流出監視装置105は、血液がポンプループ104を出る血液の圧力を決定し、使い捨て可能なカートリッジ100を通る血液に流れが調整される。流出監視装置はカートリッジを通って進む液体の圧力を測定する。ここで、この圧力は流れ妨害を監視して、圧力が500mm水銀中を越えると、ポンプは損傷を避けるために停止されるであろう。
【0045】
それから、血液は熱交換器入口ポート106を経て熱交換器101内に入る。この例の熱交換器101は図3で描かれる2つの半体から作られる。2つの半体は同一のモールドから作られ、一方のモールドを逆にして、2つのモールドを共に固定して、熱交換器を作る。この例の熱交換器の製作で使用される材料はアルマイトであった。この材料の使用は、熱交換器と暖められる液体、血液との間の大きい質量差を作ることにより、本発明の目標を達成する。アルマイトの熱伝導性能は、熱交換器を横切る熱エネルギーの優れた散逸を許容する。アルミニュウムの陽極処理された表面は、血液または他の液体が横切って通過する間、生体試料との反応、または、生体試料の吸収を妨げるように、生体不活性表面を作る。この例では、血液を処理すると、試料の表面に対するタンパク質吸収は、凝固カスケードに対するトリガーを発生できる。熱交換器の内表面に吸収されたタンパク質は、それらが、たとえ、凝固カスケードをトリガーしなくても、分解され、分離できる。熱交換器の表面から分離されると直ちに、分解されまたは分離されたタンパク質は、他のタンパク質または有害な仕方で血液中に含まれる細胞と反応できる。それで、熱交換器の陽極処理された不活性表面は、血液が熱交換器を通過するにつれて、血液に生じる損傷を妨げる。
【0046】
本発明によるカートリッジは使用される時に、熱交換器から注入される液体への熱の有効な交換は、液体を45℃または、それ以上の温度に露呈することなく、液体の温度の適切な上昇を達成する。血液または液体が露呈される変化される温度範囲を有する代わりに、熱交換器の一定温度は、血液に対して熱エネルギーのより有効な伝達を許容する。1000ml/分の流速で、37℃の液体出口温度を達成することは、注入される液体に対して有害となる45℃の温度に血液を決して曝さないことを意味する。実際、アルマイトを使用すると、17℃の温度上昇を生じるために十分な血液に対する熱エネルギーを伝達する効率は95%−96%であった。
【0047】
血液が熱交換器に入ると直ぐに、熱交換器の全体を横切る前に、血液は流れ空洞を満たす。流れ空洞を定める流れフィンにより作られる狭い流動面積のために、血液は最初に流れ空洞を満たす。図7で描かれるように、第1フィンを介して流れる小さい流路を作ることにより、幅広いリボン形状である熱交換器のフィンを越えて流動パターンを作る流れ空洞を満たす前に、血液は熱交換器の長手軸線を横切らないであろう。
【0048】
図2a乃至図2cで描写された熱交換器で使用されるフィンは、約0.4インチ離間される。2つの複数のフィンの分離により作られる流路の深さは、約0.08インチである。フィンは約4.3インチ幅で、高さは0.62インチである。このことは、約1:7の幅に対する線形流れ間隔の比を生じる。図3で分かるように、流れフィン303は、熱交換器を横断する残りのフィンより幅が広い。流れフィン303の増加された幅は、熱交換器の2つの半体が連結される時、フィンでの狭い流路を作る。この例では、流れフィン303により作られる流路幅は約0.03インチである。この例で、熱交換器を通して流れる血液が、最少抵抗の路に沿って進むことになると、血液が流れフィン303を過ぎて進む前に、流れ空洞304は充満するであろう。それから、血液が熱交換器を通って進むにつれて、血液は、血液のための乱流パターンを作るフィンを経て進む。この乱流は、熱交換器に対する血液流体内での多くの分子の増加される露呈を確保し、それにより、熱エネルギーの有効な伝達を増加する。
【0049】
血液流は熱交換器の頂部に到達すると直ちに、血液流は熱交換器101の熱交換器入口ポート106と反対の位置に配置される熱交換器出口ポート107を経て出る。この個所で注入液はウオーミングを受け、所要に温度に到達する。それから、血液はエアトラップ110の長手軸線の頂部と底部との間のほぼ中間の位置で、エアトラップ110に入る。この例では、エアトラップは、その長い垂直軸線に沿って約4.2インチであり、直径は約1インチである。エアトラップ取入口ポート505はエアトラップの底部から約2.1インチに配置される(図6を参照)。血液がエアトラップ取入口ポートを通過するにつれて、血液は、血液がエアトラップを満たすように時計方向へ進む。血液のこの時計方向の流れは、エアトラップ内で渦を生じる。この例では、エアトラップの底部の内面から約0.5インチ延びる液体流中断部601は、血液を引引き出し、任意のトラップされた空気を出さないために、液体出口ポート505で十分な圧力差を生じる。
【0050】
この例では、空気は、いくつかの機構を経て血液内でトラップできる。血液が注入のためにポンプ系統に付されるにつれて、血液を傷付けることにより、本質的に系統への付属の前に血液源を適切に浄化し損なう。また、液体自体の加熱は患者に導入されるならば、有害である血液内の貯蔵空気の解放を生じることができる。
【0051】
エアトラップ110内の空気量が増加するにつれて、この例では、血液にレベルはエアトラップ内で低下する。血液は、この例では、超音波センサである下方のレベルセンサ以下になると、液体出口ポート505での弁は閉鎖する。液体出口ポート505での弁は閉鎖されると、エアトラップの頂部に配置される空気出口ポート504の弁は開く。これは、空気出口ポート504から空気を押出してエアトラップ内の血液体積を増加する。超音波センサはポンプハウジング250内に配置される。超音波センサは、エアトラップ内の液体レベルを有効に監視するため、下方レベルセンサ506と上方レベルセンサ507でエアトラップに取付けられるシリコンボタンを利用する。血液のレベルが上方レベルセンサ507、また、超音波センサ以上に上昇すると、空気出口ポート504での弁は閉鎖する。空気出口ポートの弁が閉鎖するほぼ同時に、液体出口ポート505の弁は開き、血液はエアトラップに出て、患者の方へ進む。
【0052】
この例では、それから、カートリッジ内の全ての流れを液体の圧力に基づいて制御する第3監視装置を通過する。滞留があり、圧力が上昇し始めるならば、この圧力監視装置は100mmHgと300mmHgの間にできる容認範囲内で圧力を保持しようとするであろう。この圧力監視装置での圧力が500mmHg以上に上昇すれば、ポンプは停止するであろう。
【0053】
この例では、しかしながら、血液は患者に達する前に、血液は流出気泡検出器112を通過する(図1を参照)。流出泡検出器は、エアトラップが系統から有害な空気を潜在的に除去されたことを決定するために、患者への途中で血液を分析する。この例の気泡検出器は、管を介して信号を送る超音波センサを使用する。系統内に存在する任意の気泡は信号を弱めるであろう。30μL乃至50μLのように小さい気泡が検出されるならば、この系統はポンプを停止するであろう。この系統は最大流速1200mL/分で、この寸法の気泡を検出できる。
【符号の説明】
【0054】
100 使い捨て可能なカ−トリッジ
101 熱交換器
102 主流入管
103 流入圧力監視装置
104 ポンプループ
105 流出出力監視装置
106 熱交換器入口ポート
107 熱交換器出口ポート
110 エアトラップ
111 主流出管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.上方方位部と下方方位部と、実質的に均一な流路深さを作る第1および第2の複数の重合フィンで定められる内部熱交換区域とを含む熱交換器において、各フィンは少なくとも1:2の幅に対する高さの比を有し、それにより、液体は、下方ポートを介して熱交換器の下方方位部に入り、熱交換区域を通して流れ、熱交換器の上方方位部での上方ポートから出る前に、熱交換区域の幅を横切る下方流れ空洞を満たす前記熱交換器と、
b.上方方位部と下方方位部と、液体流れ中断部を含む熱交換器からの液体を受ける内表面とを含むエアトラップと、エアトラップから空気を除去し、空気がエアトラップを越えて通過することを防止する除気機構と、
から成る使い捨て可能な液体注入カートリッジ。
【請求項2】
フィンの幅に対するフィンの高さの比は約1:2から1:50である請求項1のカートリッジ。
【請求項3】
フィンの幅に対するフィンの高さの比は約1:4から1:25である請求項1のカートリッジ。
【請求項4】
フィンの幅に対するフィンの高さの比は約1:5から1:10である請求項1のカートリッジ。
【請求項5】
フィンの高さは、約0.25インチから約1インチの範囲である請求項1のカートリッジ。
【請求項6】
フィンの高さに対する流路深さの比は、約0.01から1:1である請求項1のカートリッジ。
【請求項7】
熱交換区域の流路は、約0.01インチから約0.25インチの深さを有する請求項1のカートリッジ。
【請求項8】
同一の複数のフィン内の第1フィンと第2フィンとの間の間隔は、約0.25インチから約1インチである請求項1のカートリッジ。
【請求項9】
熱交換器は、共に固定される2つの対称ユニットから構成される請求項1のカートリッジ。
【請求項10】
熱交換器は、単一ユニットから構成される請求項1のカートリッジ。
【請求項11】
熱交換器は、共に固定される少なくとも2つのニットから構成される請求項1のカートリッジ。
【請求項12】
エアトラップは円筒形である請求項1のカートリッジ。
【請求項13】
エアトラップは幅より高い請求項12のカートリッジ。
【請求項14】
液体流れ中断部は、エアトラップの下方方位部の内表面から延びる請求項1のカートリッジ。
【請求項15】
除気機構は、エアトラップ内の液体体積を監視するために、超音波検出機構を利用する請求項1のカートリッジ。
【請求項16】
除気機構は、エアトラップ内の液体の体積が所定のレベルまで増加するにつれて、空気を空気出口ポートから押出すために連携して作用する、液体出口ポートでの弁と空気出口ポートでの弁とを使用する請求項15のカートリッジ。
【請求項17】
エアトラップは、45°まで垂直軸線を離れて運動する時に、有効に空気を除去できる請求項1のカートリッジ。
【請求項18】
熱交換器は、加熱要素に露呈される約30平方インチから約45平方インチである表面積を有する請求項1のカートリッジ。
【請求項19】
表面積は、前記表面積に亘り実質的に平坦である請求項18のカートリッジ。
【請求項20】
a.線形の流れ長さの短い部分を含み、熱交換器の内表面に対する露出を増加するため、線形流れ長さの部分より幅が大きい液体のリボンを作る包囲される均一な曲りくねる流路を含む熱交換器と、
b.上方方位部と下方方位部を含み、さらに、上方液体入口ポートと、下方液体出口ポートと、上方空気出口ポートと、エアトラップが液体の渦を作る液体流れ中断部とを含み、液体流れ中断部がエアトラップから液体を引き出すために液体出口ポートでの圧力差を作り、液体から空気を除去するための円筒エアトラップと、
から成る使い捨て可能な注入カートリッジ。
【請求項21】
流路幅に対する曲りくねり流路の短い部分の長さの比は、約1:2から約1:50である請求項20のカートリッジ。
【請求項22】
流路幅に対する曲りくねり流路の短い部分の長さの比は、約1:4から約1:25である請求項20のカートリッジ。
【請求項23】
流路幅に対する曲りくねり流路の短い部分の長さの比は、約1:5から約1:10である請求項20のカートリッジ。
【請求項24】
曲りくねり流路の短い部分の長さは、約0.25インチから約1インチの長さである請求項20のカートリッジ。
【請求項25】
曲りくねり流路の深さは、短い部分の長さに対する深さの比は約0.01から1:1である請求項20のカートリッジ。
【請求項26】
熱交換区域の曲りくねり流路は、約0.01インチから約0.25インチの深さを有する請求項20のカートリッジ。
【請求項27】
曲りくねり流路は少なくとも一方の複数のフィンを介して作られる請求項20のカートリッジ。
【請求項28】
複数のフィン内の第1フィンおよび第2フィンは、約0.25インチから約0.5インチの間の間隔である請求項20のカートリッジ。
【請求項29】
液体流れ中断部はエアトラップの内表面から延びる請求項20のカートリッジ。
【請求項30】
除気機構は液体高さを監視するために、超音波検出機構を利用する請求項20のカートリッジ。
【請求項31】
除気機構は、エアトラップ内の液体の体積が所定のレベルまで増加するにつれて、空気を空気出口ポートから押出すために連携して作用する、液体出口ポートでの弁と空気出口ポートでの弁とを使用する請求項30のカートリッジ。
【請求項32】
除気機構の弁は、カートリッジに可逆的に取付けできるポンプハウジング内に含まれる監視機構により制御される請求項31のカートリッジ。
【請求項33】
エアトラップは、45°まで軸線から運動される時に空気を有効に除去できる請求項20のカートリッジ。
【請求項34】
熱交換器は、約30平方センチから約45平方センチである加熱要素に露呈される表面積を有する請求項20のカートリッジ。
【請求項35】
表面積は、前記表面積に亘り実質的に平坦である請求項20のカートリッジ。
【請求項36】
さらに、使い捨て可能なカートリッジ内の液体圧力を監視するために、少なくとも1つの圧力監視装置を備える請求項20のカートリッジ。
【請求項37】
さらに、使い捨て可能なカートリッジを通過する液体内の気泡圧力を監視するために、少なくとも気泡検出器を備える請求項20のカートリッジ。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−172708(P2010−172708A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−44209(P2010−44209)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【分割の表示】特願2008−501914(P2008−501914)の分割
【原出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(507310123)スミソン−カートリッジ バイオメディカル エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】