説明

注入装置

【課題】簡単にドアのハウジングからの取外及び交換が可能な、医療用注入装置用の蠕動ポンプ・ユニットの提供。
【解決手段】蠕動ポンプ・ユニットは、ハウジングおよびドアが、が少なくとも1つのジャーナル又はヒンジ・ピン、および相補的軸受構成により連結され、軸受構成がジャーナル又はヒンジ・ピン用の軸受面内で終端する開放端の横方向のスロットを有する第1の部分、及び第1の部分に対して可動の第2の部分を備え、第1の位置では横方向のスロットが露出されてジャーナル又はヒンジ・ピンがスロットを横方向に通過して軸受面と協働することができるようになり、第2の部分が第2の位置に可動であり、第2の位置では第2の部分が横方向のスロットを塞ぎ、ジャーナル又はヒンジ・ピンと協働するさらなる軸受面が提供され、第2の部分は、第1の位置と第2の位置と間で第2の部分を移動させるための操作レバーを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者への薬液の非経口注入のための注入装置に関する。
【0002】
本発明は、より詳細には、こうした注入装置用の注入ポンプ・ユニットに関する。このユニットは、蠕動ポンプを備える蠕動ポンピング機構を含み、蠕動ポンピング機構には、患者に薬液を送達するための流体送達管路の一部を形成する可撓性弾性管が、一方のたとえば変位可能なフィンガのアレイなど蠕動アセンブリと他方の対向面又はアンビルとの間に配置され、装置を使用する際に、前記管が所定のシーケンスで可撓性弾性管に沿った様々な位置で前記蠕動アセンブリによってアンビル又は対向面に対して繰り返し押し付けられて、周知の方法で蠕動ポンピング動作が行われるようになされている。
【背景技術】
【0003】
こうした装置の周知の一タイプでは、実用的理由から、複数の変位可能なフィンガを駆動して所望のポンピング動作を行う機構、及び典型的には様々な種類の監視又は感知デバイスがポンプ・ユニットのハウジング内に組み込まれ、前記アンビル又は対向面に前記ハウジングにヒンジ式に連結されたドア又はカバーが設けられており、その構成は、ドアの開位置では前記アンビル又は対向面が圧力要素から間隔をおいて配置されて、こうした可撓性弾性管が組み込まれた薬液管路を導入する通路が前記ハウジングに渡ってあけられ、前記管路の一部を形成する前記可撓性弾性管が蠕動アセンブリに渡って延在し、その後ドアが閉位置に旋回することができるようになり、閉位置では、前記可撓性弾性管が蠕動アセンブリとアンビル又は対向面との間に配置され、前記可撓性弾性管の上下にある医療用注入管路の一部がポンプ・ユニットから、かつ前記ハウジングと前記ドアの間から自由に延在し、前記ドアの反対側の端部で、ドアが前記閉位置で解放可能に固定可能であり、前記可撓性弾性管を定位置に保持するようになされている。
【0004】
上記の種類の注入装置及び上記の種類のポンプ・ユニットを本明細書で「特定の種類」と呼ぶ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特定の種類の注入装置では、一般に、たとえばハウジング及び/又はドア全体の洗浄を可能にするために、時折、ドアをハウジングから非破壊的に取り外し、再び取り付けることができるようにすることが望ましい。本発明の一目的は、簡単な方法でこうしたドアのこうしたハウジングからの取外し及び交換が可能な構成を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様により、特定の種類の注入装置を提供する。この装置では、前記ドアが、たとえば洗浄のために簡単に非破壊的に取外し可能かつ交換可能であり、ハウジングが少なくとも1つのジャーナルを担持し、ドアが相補的軸受構成を担持し、前記軸受構成が前記ジャーナル用の軸受面内で終端する開放端の横方向のスロットを有する第1の部分、及び前記第1の部分に対して可動の第2の部分を備え、第1の位置では前記横方向のスロットが露出されて前記ジャーナルが前記スロットを横方向に通過して前記軸受面と協働することができるようになり、前記第2の部分が第2の位置に可動であり、第2の位置では、前記第2の部分がこうした横方向のスロットを遮り、前記ジャーナルと協働するさらなる軸受面が提供される。好ましくは、前記第1の部分及び前記第2の部分がそれぞれ軸受面内で終端する開放端の横方向のスロットを有し、第2の部分は、横方向のスロットが位置合せされて前記ジャーナルが前記軸受面と協働するように横方向に通過することができるようになる位置と、前記第2の部分がジャーナルの前記第1の部分から外への移動を妨げる第2の位置との間で回転可能である。
【0007】
この特定の種類の注入装置では、忙しい看護職員が時に、ポンプ・ユニットの注入管路を意図された方向と反対の方向に、すなわち蠕動ポンプの動作で流体が意図された方向ではなく患者から薬液源に向けてポンピングされるように配置しようとしてしまうさらなる問題が起こる。看護職員がこの間違いを犯す可能性を最小限に抑えるためのさまざまな手段が過去に提案されてきたが、こうした手段は完全に成功してはいない。本発明の他の態様の一目的は、こうした間違いに対する改善された予防手段を提供することである。
【0008】
本発明のこの態様により、特定の種類の注入装置を提供する。この装置では、注入管路が前記可撓性弾性管の上流及び下流に沿って間隔をあけて配置された第1及び第2の色分けされた管継手を有し、ポンプ・ユニットの前記ハウジングの領域であり、その領域を横切って注入管路が延在すべき領域が、前記管継手用の対応して色分けされた支持手段を有し、蠕動アセンブリの上方及び下方に対応して間隔をあけて設けられる。
【0009】
特定の種類の注入装置の操作に関して起こる他の問題は以下のとおりである。治療では、たとえば集中治療施設で患者に同時に幾つかの異なる薬液をそれぞれ異なるレートなどで注入する必要がある場合がある。さらに、たとえば集中治療室施設で、1つの病室又は病棟に容態の似た患者が数人いることがある。通常、それぞれこうした患者は投与される薬液ごとの特定の種類の注入装置を有することができる。最新の特定の種類の注入装置には、一般に、注入プロセスに何か不都合が生じたときに感知し、これが生じたときに警報装置を起動するセンサが組み込まれている。通常、警報装置は可聴警報、及びたとえば関係するポンプ・ユニットのハウジング上の警報灯を備え、その警報灯が光って警報状態に関連したポンプ・ユニットを示す。通常、こうした警報状態が発生した場合、ポンプ・ユニットは看護師呼出しも起動する(すなわち適切な通信チャネルで信号を送信して看護師の注意を喚起する)。
【0010】
本発明の他の態様により、特定の種類の注入装置の複数の注入ポンプを支持するドッキング・ステーションを提供する。前記注入ポンプはそれぞれ出力信号コネクタを有し、前記ドッキング・ステーションは前記出力信号コネクタから信号を受信する電子処理手段を備え、さらに視覚的警報信号手段及び情報表示手段を備え、複数のこうした注入ポンプがこうしたドッキング・ステーション上に取り付けられ、前記処理手段に接続され、前記注入ポンプの1つが警報信号を生成した場合に、対応する出力信号が前記処理手段に送られ、処理手段が前記警報手段を起動させ、ドッキング・ステーション上に取り付けられたどのポンプ・ユニットが警報を生成しているかに関する表示を前記表示手段上に提示するようにさせる。
【0011】
本発明の他の態様により、特定の種類のポンプ・ユニットを提供する。このポンプ・ユニットでは、少なくとも1つのセンサ及びそれぞれ注入管路の一部を支持するためのブラケット構成が装置の残りの部分に迅速に嵌合されるように設計されたモジュールに組み込まれる。この構成では、多様なサイズ及びタイプの注入装置の製造業者が、たとえば、こうした多様な装置が標準モジュールを受け、それによって装置の製造及び修理を簡単にすることができるように設計することができる。
【0012】
本発明の一実施例を以下に一例として添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】取外し可能なドアを取り外した状態の、本発明を示す注入ポンプ・ユニットを示す斜視図である。
【図2】取外し可能なドアが定位置かつ開位置にある状態の図1のユニットを示し、さらに定位置にある注入管路の一部を示す、対応する斜視図である。
【図3】ドアが備えられているが、ドアは注入管路がユニット内に保持されている閉位置に存在する状態の、図2のポンプ・ユニットを示す斜視図である。
【図4】必要に応じて図1から3のポンプ・ユニットのドアを迅速に取り外すことができるようにするヒンジ構成の一部を示す、図1から3と比較して拡大された部分斜視図である。
【図4a】ヒンジ構成の詳細を示す断面図である。
【図5】それぞれヒンジ構成を示すドアの一部を示す部分斜視図である。
【図6】それぞれヒンジ構成を示すドアの一部を示す部分斜視図である。
【図7】それぞれヒンジ構成を示すドアの一部を示す部分斜視図である。
【図8】ポンプ・ユニットの脚を示す斜視図である。
【図9】ポンプ・ユニットの脚を示す斜視図である。
【図10】ポンプ・ユニットの回路基板上に実装されたSmart Media(登録商標)カードを示すポンプ・ユニットの内部の一部を示す部分斜視図である。
【図11】幾つかのポンプ・ユニットを支持するドッキング・ステーションを示す斜視図である。
【図11a】ドッキング・ステーションの処理ユニットの回路を示す概略図である。
【図12】ポンプ・ユニット上に設けられたRS232コネクタを示すポンプ・ユニットの背後を示す正面図である。
【図13】ポンプ・ユニットを示す底部平面図である。
【図14】図13の線XIV―XIVに沿って切り取られた垂直断面の部分図である。
【実施例】
【0014】
先ず図面の図1から3を参照すると、薬液を患者に非経口注入するための注入システムはポンプ・ユニット10を備え、ポンプ・ユニット10の大部分はハウジング12を含み、ハウジング12は、蠕動ポンピング機構の複数のフィンガを制御するカム機構、前記カム機構を駆動する電動モータ及び関連する歯車装置を収容し、さらにこうしたモータを制御しユニット上に設けられた圧力センサなどからの信号を処理するための電子制御装置及び処理回路を周知の方法で収容する。図で示したように、ポンプ・ユニットは、電気的に操作される表示装置14、警報灯16、入力キーボード18、又は他の手動で操作される制御装置を全て周知の方法で備えることもできる。ハウジング12の後側には(図12を参照)、たとえばドッキング・ステーション126の取付けレール又は柱124(図11)など取付けレール又は柱を受けるためのチャネル17が設けられており、ポンプ・ユニットをこうしたドッキング・ステーションに簡単に嵌合し、又はそれから取り外すことができる。図12で示したように、ポンプ・ユニットの背後には、クランプねじ158を有する下方に旋回するブラケット156も設けられており、それによってユニットをこうした垂直のレール又は柱に締めつけることができる。ユニットの後側には、(たとえばドッキング・ステーションの)水平支持レール上に嵌合する水平チャネル150も設けられ、こうした水平レールを水平チャネル150内に固定するための回転可能な固定部材152を有する。ユニット10の背後には同様に、相補的電源コネクタを受けるためのコネクタ、データ及び警報出力信号を提供し入力信号を受信するための電子通信インターフェーシング・コネクタなどを含む様々なコネクタを設けることができる。
【0015】
図1及び2で示したように、ハウジングの前部には面又はデック20が設けられ、このデック20上に注入管路の一部を形成する相補的管継手38用の上部取付け具又はブラケット22、こうした注入管路の一部を形成する相補的管継手40用の下部取付け具又はブラケット24、及び蠕動アセンブリ26が露出されており、蠕動アセンブリ26は、実際は蠕動ポンピング機構の動作可能な端部であり、原理上は上記のカム機構によってそれぞれ面又はデック20の内側かつ外側に可動のフィンガの自由端でもよい。無菌状態をより維持しやすくするため、デック20に対してフィンガの縁部で封鎖される薄い可撓性膜(図示せず)でこれらのフィンガを覆うことができる。図2及び3で示したように、通常はドア30がハウジング12に嵌められ、ドア30を図2で示した開位置と図3で示した閉位置の間で枢軸Aの周りで旋回させることができる。ポンプ・ユニットで使用するための薬液注入管路は、それぞれ透明なプラスチック管の上部セクション32と下部セクション34、たとえばシリコーン・ゴムなど弾性的圧縮性管の中間セクション36、及び上部管継手38と下部管継手40を備えており、上部管継手38及び下部管継手40を介して管セクション36がそれぞれ上部管路32及び下部管路34に連結される。使用の際は、上部管路32が投与すべき薬液源まで上方に延び、下部管路34が注入ポンプから患者の体内に挿入される注入針などにまで延びる。使用の際は図2で示したように、注入管路はポンプ・ユニットの面又はデック20を横切って延びて、管継手30及び40がそれぞれブラケット22及び24内に受けられ、管セクション36が蠕動アセンブリ26上に延びるようになされている。図2で示したように、注入管路はこの方法で定位置に嵌合され、ドア30は開位置に存在する。注入管路がそのように嵌合された後、ドア30は図3で示した閉位置に移動され、キャッチ37によって固定される。キャッチ37は、ドア30の外側縁部(すなわち、ドアが閉位置に存在する場合にポンプ・ユニットの側面に位置する縁部)上に取り付けられたレバーを備え、ドアの前記外側縁部に対して全般的に垂直であってドアの前面に対して水平の軸37aの周りで旋回するようになされている。キャッチ37は、下方に延びドアの前部を部分的に横切るハンドル部分37bを有し、ポンプに隣接する側面でポンプ・ハウジングの前部にある相補的凹部39内に嵌合されるように適合されたカム部分37cを有する。このカム部分37cはカム面37d(図7を参照)を有しており、カム面37dは、ポンプ・ドア30が閉鎖され、ハンドル部分37bがドアから前方かつ外側に突き出た位置からドアの前面に接触して横たわる(図3で示した)位置まで下方かつ後方に旋回された場合に、(ポンプ・ハウジングから凹部39内に横方向に突き出た)ボス41の下に係合するように構成されている。
【0016】
ポンプ・ハウジングは、頂部上に旋回可能に取り付けられた手提げ用ハンドル(図示せず)を有することができる。
【0017】
本明細書では、用語「上部」及び「下部」は便宜上使用されており、装置を図1から3で示した方向付けで使用しなければならないことを指していると理解されるべきではない。当然、このユニットは流体を任意の方向に完全に良好にポンピングするものである。
【0018】
ポンプを操作する際は、周知の方法で、蠕動アセンブリ26のフィンガが可撓性弾性管を対向面又はアンビルに対し定期的に押し付けて、注入管路内の流体を管路に沿って前進させる。図で示したポンプでは、蠕動アセンブリは、注入管路の長手方向に比較的限定された長さの上部フィンガ26a及び下部フィンガ26b、並びに上部フィンガと下部フィンガの間の中間フィンガ又はパッド26cを備え、このフィンガ26cは注入管路の長手方向に延ばされ、又は延長されている。操作の際は、図1から3で見えるように、流体が注入管路に沿って下方に前進されると仮定して、蠕動アセンブリは反復サイクルを実行する。この反復サイクルでは、中間パッド26cが対向面から間隔をあけた状態で、上部フィンガが可撓性管を対向面又はアンビルに押し付けて、管を上部フィンガ26aの位置で閉鎖し、次いで、下部フィンガが対向面から引き込められて管を下部フィンガ26bの位置で開放し、次いで中間パッド又はフィンガ26cが対向面に向けて移動されて中間パッド26cに隣接する管内の流体を管に沿って下方に移動させ、次いで管が下部フィンガ26bと対向面との間で再び挟まれて閉鎖され、次いで上部フィンガ26aが対向面から引き込められ、中間フィンガ26cが対向面から引き込められて、新鮮な流体が中間フィンガ26cに隣接する管の部分内に引き込まれる。
【0019】
たとえば、ハウジング12又はドア30の迅速な洗浄を可能にするため、或いはドア30が損傷した場合にドア30の迅速な交換を可能にするために、本発明による手段を提供して、必要な場合にドア30を簡単に取り外すことができるようにする。図4から7で示したように、ドアは、ドアの上端及び下端に横方向に延びるアーム50を有し、アーム50はそれぞれアームの端部で、ハウジングの上端及び下端に隣接するケーシング内に固定されたヒンジ・ピン又はジャーナル52用の軸受構成を担持する。ドアは、(図5から7で部分的に示した)内部を含み、上記の対向面又はアンビル、及び内部の外側に固定された外側シェル(図5から7では図を簡単にするために省略されているが、図2、3、4、及び4aで見ることができる)を提供する。アーム50に合体されたドアの内部の部分を図5、6、及び7で50aと呼び、以下ではアーム50aと呼ぶ。図4は、ドアの内部からドア30の上部を示す部分斜視図であり、ハウジング12が取り除かれているが、ドアに対して定位置にあるユニット52aを示しており、ユニット52aは実際はハウジング12内に固定され、上部ヒンジ・ピン又はジャーナル52を提供する。(ハウジング12内に固定された対応するユニットが下部ヒンジ・ピン又はジャーナル52を同様に提供する)。
【0020】
図5で最もよく見ることができるように、それぞれ前記アーム50a(図では1つしか示されていないが、他は鏡像である)は一端にそれぞれアームの端部まで延在するスロット56を有し、スロットの内部端はヒンジ・ピン又はジャーナル52の軸受面の曲率に相当する曲率の半円筒形である。保持レバー60は、それぞれアーム50aの端部上に回転可能に取り付けられて、スロット56の半円筒形端面の軸の周りで回転し、そのハブ部分62には同様にハブ部分の周囲に開放されたスロット57が設けられ、このスロットの内部端は同様にスロット56の半円筒形表面と同軸の半円筒形表面であり同じ曲率である。図で示した構成では、図1から3で見えるように、上部アーム50a上のレバー60はアーム50aの頂部上に位置する(逆に下部アーム50a(図示せず)用の対応するレバー60は下部アーム50aの下に位置する)。各レバー60は、それぞれアーム50aと外側シェルの一部の対向する側壁51との間で保持され、外側シェルはそれぞれドアのアーム50内に位置し、レバー60のハブ62は、アーム50aに面した側面に部分的に円筒形のボスを有し、このボスはアーム50aの接合側の対応する部分的に円筒形の凹部内に受けられ、こうしたボス及び凹部はやはりレバー60のスロット56及びスロット57の内部端の半円筒形表面と同軸であり、それによってレバー60がアーム50a上に回転可能に取り付けられる。ドアが取り除かれた場合、レバー60は、以下に記載するようにアーム50aと前記側壁51の間で定位置に保持される。図5で示した(ドア及びアーム50aに対する)レバー60の位置では、アーム50a及びレバー・ハブ62の横方向のスロット56、57が位置合わせされて単一の開放スロットを画定し、ドアがケーシングに与えられた場合に、それぞれヒンジ・ピン又はジャーナル52を受けることができる。次いでレバー60を図6で示した位置まで90°旋回させることができ、その場合ハブ62内のスロット57がスロット56に対して約90°変位されて、それぞれこのスロットの半円筒形端部がそれぞれヒンジ・ピン52の半円筒形部の部分と協働するようになされ、ハブ62内のスロットの一側壁がスロット56を塞ぎ、ヒンジ・ピン52と係合するための軸受面が提供され、同様にスロット56の一側壁56がハブ62内のスロット57を塞いで、アーム50aとレバー60の組合せでヒンジ・ピン52がしっかりと保持されるが、ヒンジ・ピン52の周りで回転可能になされる。その場合、図6で示したように、レバー60の閉位置で、レバー60がアーム50aにきっちり接触するように位置する。より詳細には、レバー60のレバー・アームは、図で示したように、レバー・アームの動作面に位置する壁又はストリップの形態の大きい部分63を備えることができ、さらに、前記部分63に対して直角に延在し、前記レバーの閉位置でドアの内部のそれぞれアーム50a内の対応する凹部内に位置するタブ部分65を備えることができる。このレバーの閉位置では、部分63はアーム50aと外側シェルの壁51の間でアーム50aにきっちり接触するように位置する。ドアを取り外す場合、ドア内で両方のレバー60が図5で示した位置に旋回され、次いでドアがポンプ・ハウジング及びヒンジ・ピンから引き離される。ドアを元に戻すのはこの手順の逆に行われ、レバー60が最後に図6で示した位置に旋回されてドアがヒンジ・ピン52上で保持される。
【0021】
図4aは、上部アーム50aを有するドアの部分を示し、ヒンジ・ピン52を提供するユニット52aも示し、ユニット52aが固定されたハウジング12の一部を示す部分断面図である。図4aの断面はヒンジ・ピン52の軸Aを通る平面で切り取られたものであり、ドアの大部分の表面に対して全般的に平行であり、レバー60が図4及び6で示した位置にあり、それぞれヒンジ・ピン52がアーム50a内に閉じ込められている。したがって、図4aの断面の平面はアーム50a内のスロット56に沿ってスロット56の開放端を通り、レバー60内のスロット57を横切るように位置する。
【0022】
作業員によるドアの迅速な取外し及び交換を可能にしながらも、看護職員などによるドアの不用意又は不必要な取外しを防止するため、レバー60をドア内部にねじ込まれたねじ70によって閉位置に保持することができる。ねじ70の頭部は凹部内のタブ部分65の上に重なる。レバー60を開位置に旋回できるようにするには、このねじを解放しなければならない。ドアの取付けを簡単にするため、ねじ70の損失に備えた「予備」として、レバー60及びアーム50aにたとえば移動止め及び協働する凹部の形態の一体型相補的保持手段を設けることができ、又は(それより好ましくないが)レバー60が、それぞれ壁51に面する側面上に、部分63に面する壁51上の相補的凹部又は移動止めと協働する移動止め又は凹部を有することができる。
【0023】
図1及び2を参照すると、ブラケット22及び24は面20から前方に幾分突き出ており、それぞれ注入管路の管継手38及び40を受けるための凹部を画定する弾性クリップを提供し、又は組み込んでおり、こうした凹部は管継手40がブラケット22の凹部内に嵌合されず、また管継手38がブラケット24の凹部に嵌合されないことをできる限り保証する形状になされている。同様に、管継手38、40、及びブラケット22、24は、それぞれ逆の位置にあるブラケット内に嵌合されないように形状付けられている。しかし、こうした手段にもかかわらず、看護職員が特定のポンプ・ユニットに慣れていない場合、蠕動ポンプ・ユニットの注入管路の正しい方向及び位置付けを決定するのに試行錯誤を繰り返してかなり時間がかかることが多い。当然、医療緊急事態では時間が非常に貴重である。したがって本発明によれば、看護職員がポンプ・ユニットの注入管路の正しい方向及び位置付けを迅速に決定する助けをするために色分けが使用される。したがって、ブラケット22及び管継手38は、残りのポンプ・ユニット及び注入管路とは異なる視覚的に目立つ同じ色からなり、ブラケット24及び管継手40は互いに視覚的に目立つ同じ色であるがブラケット22及び管継手38の色とは対照的であり、やはり残りのポンプ・ユニット又は注入管路とは異なる色からなる。たとえば、ブラケット22及び管継手38が青色でもよく、ブラケット24及び管継手40がオレンジ色でもよい。
【0024】
図1及び2を再び参照すると、ブラケット24は注入管路の管継手40と協働して管継手40を保持する働きをする他に、ブラケット24には、薬液が患者に投与される点での圧力を測定するための周知のタイプの圧力センサ(図示せず)及びやはり周知の気泡検出器など様々なセンサが組み込まれている。上記の機能を実行し、こうしたセンサが組み込まれたブラケットが、当該の特徴を有する任意の様々な注入ポンプに必要とされる可能性が高い。本発明の好ましい一実施例では、ブラケット24、上記のセンサ、及びドア30を開放したときに注入管路を摘む機構など可能な他の設備が全てモジュールに組み込まれ、このモジュールを製造中にポンプに簡単に嵌めることができ、たとえばそれを簡単に「プラグイン」することができる。製造業者が広範なモデルのポンプ・ユニットを製造する場合、様々なモデルが同じ設計のモジュールを受けるように設計されることが好ましく、それによって製造がある程度合理化され、製造コスト及び予備品の貯蔵要件が最低限に抑えられる。
【0025】
ポンプ・ユニット・ハウジングには、ユニットをたとえばレールに締めつけずに、平坦な表面上で支持すべき場合に使用するためのたとえば弾性材料の脚100、102が設けられている。従来の注入ポンプ・ユニットでは、脚がポンプ・ハウジングの底部に単に接着剤で付着されており、この脚が外れてしまう傾向があった。こうした脚をハウジングの底部にねじで取り付けても、こうしたねじがときに組み立て中に過剰に締めつけられてハウジングに亀裂が生じることがある点で不満足であることが分かった。本発明の好ましい実施例では、使用される脚は、図8又は図9で示したような単体弾性部品であり、ハウジングの底部にある穴を通して挿入される。したがって、図で示した各脚は、ポンプ・ケーシングから延びる下部104、その穴を通って脚が延びるポンプ・ケーシングの壁にある穴の縁部を受ける周方向の溝又はリベート106、及びポンプ・ハウジングの内部と係合して脚が穴から取り外されないように保持する溝106の上の(脚100用の)拡大された保持部分108又は(脚102用の)110を有する。本発明の好ましい実施例では、ポンプ・ユニットは、ポンプ・ハウジングの下方に突き出た部分113内の穴に嵌合される2本の後脚100を有し(図13及び14を参照)、この脚はそれぞれポンプ・ハウジングの底部にある穴を通して押し込む際に助けをするテーパを付けた壁を有する上方の内部108を有する。好ましい実施例では、ポンプ・ハウジングは2つの部分に形成されており、1つはハウジングの前部パネル、並びに頂部、底部、及び側部の壁の前方部分を提供し、他方の部分は、後部、並びに側壁、頂部壁、及び底部壁の後方部分を提供する。前脚102が嵌合される穴で前後のハウジング部の間の接合部が交わり、ハウジングの後部はその前縁部の底部にそれぞれ脚102用の穴の後部に対応する2つの切欠きを有し、この切欠き内に脚102の(溝106によって画定された)比較的細い部分を嵌合してから、その後縁部の底部に対応する切欠きを有する前部ハウジング部分を後部ハウジング部分に与えることができ、それによって最後に述べた切欠きの縁部分が溝106内に係合し、したがって脚102を取り囲む穴が完成する。こうすると、前脚102が後脚100と同様に定位置にしっかりと安定して保持される。
【0026】
上述のように、ポンプ・ユニットは、蠕動アセンブリ26を駆動するモータの動作の制御、圧力その他のセンサからの信号の受信、ポンプ・ユニットの前にあるキーパッドからの入力の受信、警報手段及び表示装置の制御などを行う電子処理手段を備える。この電子処理手段は、ポンプ・ユニット内の電気メモリに格納されたプログラムを実行するCPU(中央処理装置)を周知の方法で備える。本発明の好ましい実施例では、このメモリ又はメモリの一部は、たとえばポンプ・ユニット内の相補的ソケット内に受けられる「Smart Media(登録商標)」カード、「Compact Flash」カード、「SDM」カードなど市販の簡単に交換可能な不揮発性メモリ・カードで持ち運ばれ、それによって、単にポンプ・ユニット・ハウジングを開けてカードを交換するだけで、CPUの動作プログラム、又はその幾つかのアスペクト、或いはこうしたプログラムで使用される事前設定データを簡単に変更して、たとえば様々な投薬計画、若しくは改善された制御アルゴリズムを提供することができる。図10は、ポンプ・ユニット10内の回路板116上に実装されたソケット114内にあるこうした「Smart Media(登録商標)」カード112を示す。
【0027】
図12で示したように、ケーシングの背後に電源コネクタ118及びデータ・コネクタを含む多様な電気コネクタが設けられている。好ましい実施例では、こうしたデータ・コネクタの1つは、RS232コネクタ120など複数のピン・コネクタでもよく、データ通信に使用されないピンが看護師呼出し機能用に取っておかれる。通常、ポンプ警報装置が看護師呼出しを起動させる。
【0028】
図11を参照すると、複数のポンプ・ユニット10をドッキング・ステーション126上に取り付けることができ、ドッキング・ステーション126を患者のベッドの傍らに位置付け、それぞれ薬液をドッキング・ステーション上に取り付けたポンプ10を介して注入することができる。ドッキング・ステーションは、ドッキング・ステーションのユニット128内に収容された電子処理手段127(図11a)を備え、ユニット128は、ランプ又はビーコン130及びユニット128内の電子処理手段によって制御される情報表示手段132など視覚的警報信号手段を担持する。それぞれポンプ・ユニットの出力信号コネクタは、それぞれユニット128の入力部134a、134b、134cに接続される。操作の際、ドッキング・ステーション上の注入ポンプの1つが警報信号を生成した場合、対応する出力信号がそれぞれ入力部134を介して処理手段127に送られ、処理手段127に警報手段130を起動させ、ドッキング・ステーション上に取り付けられたどのポンプ・ユニットが警報を生成しているかに関する表示を表示手段132上に表す。したがって、警報によって注意を喚起された看護師は直ちに迅速にどのドッキング・ステーション126が警報状態に関連したポンプ10を有するかを決定することができる。
【0029】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、用語「備える」及び「含む」並びにその変形は、特定の特徴、ステップ、又は全体が含まれることを指す。この用語が他の特徴、ステップ、又は構成要素の存在を除外すると解釈すべきではない。
【0030】
上記の説明、又は添付の特許請求の範囲、或いは添付の図面で開示した特徴は、その特定の形態、又は開示した機能を実行する手段、若しくは開示した結果を得るための方法又はプロセスで表したものであり、多様な形で本発明を実現するために、必要に応じて別々に、或いはこうした特徴を任意に組み合わせて使用することができる。
【0031】
本発明の特徴を以下に示す。
(1)医療用注入装置のための蠕動ポンプ・ユニットであって、蠕動アセンブリと、前記蠕動アセンブリに面する対向面又はアンビルと、薬液送達管路の一部を形成する可撓性弾性管を前記蠕動アセンブリと前記対向面又はアンビルとの間で支持するための支持部と、前記蠕動アセンブリを駆動して前記可撓性管を前記アンビル又は対向面に対して前記可撓性弾性管に沿った様々な位置で摘むように動作可能な駆動機構とを備え、前記蠕動アセンブリ及び前記機構がハウジング内に組み込まれており、前記アンビル又は対向面が前記ハウジングにヒンジ式に連結されたドア又はカバーによって設けられて、前記ドア又はカバーの開位置では前記アンビル又は対向面が前記蠕動アセンブリから間隔をあけて配置されて、前記可撓性弾性管を前記蠕動アセンブリを横切って導入することができるようになり、又は前記可撓性弾性管を前記ユニットから取り外すことができるようになり、前記ドア又はカバーの閉位置では前記蠕動アセンブリを横切って延在する前記可撓性弾性管が前記蠕動アセンブリと前記アンビル又は対向面との間に位置付けられるようになされ、たとえば洗浄のために前記ドアが簡単に非破壊的に取外し可能かつ交換可能であり、前記ハウジングが少なくとも1つのジャーナル又はヒンジ・ピンを担持し、前記ドアが相補的軸受構成を担持し、(又は前記ドアが少なくとも1つのジャーナル又はヒンジ・ピンを担持し、前記ハウジングが相補的軸受構成を担持し)、前記軸受構成が前記ジャーナル用の軸受面内で終端する開放端の横方向のスロットを有する第1の部分、及び前記第1の部分に対して可動の第2の部分を備え、第1の位置では前記横方向のスロットが露出されて前記ジャーナルが前記スロットを横方向に通過して前記軸受面と協働することができるようになり、前記第2の部分が第2の位置に可動であり、前記第2の位置では前記第2の部分が前記横方向のスロットを塞ぎ、前記ジャーナルと協働するさらなる軸受面が提供されることを特徴とする蠕動ポンプ・ユニット。
(2)前記第1の部分及び前記第2の部分がそれぞれ前記軸受面内で終端する開放端の横方向のスロットを有し、前記第2の部分が、前記横方向のスロットが位置合せされ前記ジャーナルが横方向に通過して前記軸受面と協働することができるようになる位置と、前記第2の部分が前記ジャーナルの前記第1の部分から外への移動を妨げる第2の位置との間で回転可能である、(1)に記載のポンプ・ユニット。
(3)前記第1の部分が前記ドアに対して固定され、前記第1の部分の前記軸受面が前記ドアに対して固定された軸の周りで弓形であり、前記第2の部分が前記軸の周りで前記ドアに対して回転可能であり、前記ジャーナル又はヒンジ・ピンが前記ハウジングによって担持され、前記ドアが前記ハウジング上の定位置に存在する場合に前記軸受面と同軸である、(2)に記載のポンプ・ユニット。
(4)前記第1の部分が前記ハウジングに対して固定され、前記第1の部分の前記軸受面が前記ハウジングに対して固定された軸の周りで弓形であり、前記第2の部分が前記軸の周りで前記ハウジングに対して回転可能であり、前記ジャーナル又はヒンジ・ピンが前記ドアによって担持され、前記ドアが前記ハウジング上の定位置に存在する場合に前記軸受面と同軸である、(2)に記載のポンプ・ユニット。
(5)前記第2の部分が前記軸の周りの円筒形のボスを有し、前記第2の部分内の前記スロットによる遮断とは別に、前記ボスが前記第1の部分の面内に設けられた凹部内でジャーナル軸受けされ、前記第1の部分内の前記スロットによる遮断とは別に、前記凹部も前記軸の周りで円筒形である、(3)又は(4)に記載のポンプ・ユニット。
(6)前記第1の部分が前記ドアのベース構造を備え、前記円筒形凹部を提供する前記面が前記ベース構造の縁部にあり、前記ベース構造に固定されたカバー・プレート又はトリムが前記第2の部分上に、前記円筒形凹部から遠い前記第2の部分の側面上に少なくとも部分的に延びる壁又はフランジを有し、前記第2の部分が前記ベース構造と前記壁又はフランジの間に閉じ込められる、(5)に記載のポンプ・ユニット。
(7)前記第2の部分が前記第2の部分を前記第1と前記第2の位置の間で移動させるための操作レバーを有し、前記第1の部分に解放可能に固定された締結部が通常前記レバーに作用して前記レバーを前記第2の部分が前記第1の部分に対して前記第2の位置に存在する位置に維持する、(1)から(6)までのいずれかに記載のポンプ・ユニット。
(8)医療用注入装置のための蠕動ポンプ・ユニットであって、蠕動アセンブリと、前記蠕動アセンブリに面する対向面又はアンビルと、薬液送達管路の一部を形成する可撓性弾性管を前記蠕動アセンブリと前記対向面又はアンビルとの間で支持するための支持部と、前記蠕動アセンブリを駆動して前記可撓性管を前記アンビル又は対向面に対して前記可撓性弾性管に沿った様々な位置で摘むように動作可能な駆動機構とを備え、前記蠕動アセンブリ及び前記機構が前記ユニットのハウジング内に組み込まれており、前記薬液送達管路が前記可撓性弾性管の上流及び下流に沿って間隔をあけて配置された第1及び第2の色分けされた管継手を有し、前記ポンプ・ユニットの前記ハウジングの領域でありその領域を横切って前記注入管路が延在すべき領域が、前記管継手用の対応して色分けされた支持手段を有し、前記蠕動アセンブリの上方及び下方に対応する間隔をあけて設けられる、ポンプ・ユニット。
(9)前記第1の色分けされた管継手が前記ハウジング上に設けられた前記対応して色分けされた支持手段内の相補的形態の溝又は凹部内に係合するように構成された第1の概ね円筒形の形態を有し、前記第2の色分けされた管継手が前記ハウジング上に設けられた対応して色分けされた支持手段内の相補的形態の溝又は凹部内に係合するように構成された第2の概ね円筒形の形態を有し、前記色分けされた支持手段が、それぞれ色分けされた管継手を包含するように構成された弾性クリップの形態であり、前記色分けされた管継手及び前記支持手段内の前記溝の形が前記第1の色分けされた管継手が前記第2の支持手段内の溝内に嵌合されるのを阻止し、前記第2の色分けされた管継手が前記第1の支持手段内の前記溝内に嵌合されるのを阻止するように選択される、(8)に記載のポンプ・ユニット。
(10)少なくとも1つのセンサ及びそれぞれ注入管路の一部を支持するためのブラケット構成が前記装置の残りに簡単に嵌合されるように設計されたモジュールに組み込まれる、(1)から(9)までのいずれかに記載のポンプ・ユニット。
(11)医療用注入装置のための蠕動ポンプ・ユニットであって、蠕動アセンブリと、前記蠕動アセンブリに面する対向面又はアンビルと、薬液送達管路の一部を形成する可撓性弾性管を前記蠕動アセンブリと前記対向面又はアンビルとの間で支持するための支持部と、前記蠕動アセンブリを駆動して前記可撓性管を前記アンビル又は対向面に対して前記可撓性弾性管に沿った様々な位置で摘むように動作可能な駆動機構とを備え、前記蠕動アセンブリ及び前記機構が前記ユニットのハウジング内に組み込まれており、前記ハウジングが前記蠕動アセンブリを横切って延びる前記可撓性管の相補的部分を支持するための支持ブラケットを前記蠕動アセンブリから間隔をあけて蠕動アセンブリに沿って担持し、前記ブラケットが1つ又は複数の前記可撓性管内の流体の圧力を感知するための圧力センサ及び前記可撓性管内の気泡を検出するための気泡検出器を組み込んだ交換可能なモジュールの形態である蠕動ポンプ・ユニット。
(12)薬液を患者に注入するための注入ポンプであって、外部ケーシングのベース部分にそれぞれ脚を受ける複数のアパーチャが設けられた所定の厚さのシェルの形態の外部ケーシングを備え、
各前記脚が、それぞれ前記アパーチャの縁部分を受ける周方向の溝又はリベート、前記周方向の溝又はリベートの下にあり前記ケーシングから延びる下部、及び前記ケーシング内の前記周方向の溝又はリベートの上の上部を有する本体を備え、前記上部及び下部がそれぞれ前記アパーチャよりも大きく、前記脚が前記ケーシングから外れないように保持される、注入ポンプ。
(13)前記ケーシングが、前記ポンプが組み立てられた状態でそれぞれ対合する縁部を有する第1の部分及び第2の部分を備え、前記脚を受ける前記アパーチャの少なくとも1つがそれぞれ前記ケーシングの前記第1の部分と第2の部分の前記縁部内の協働する切欠きによって共同して画定される、(12)に記載の注入ポンプ。
(14)前記脚が弾性材料からなる、(12)又は(13)に記載の注入ポンプ。
(15)それぞれ出力信号コネクタを有する複数の医療用注入装置を支持するためのドッキング・ステーションであって、前記ドッキング・ステーションが前記出力信号コネクタから信号を受信する電子処理手段を備え、視覚的警報信号手段及び情報表示手段をさらに備えて、複数の前記注入ポンプ・ユニットが前記ドッキング・ステーション上に取り付けられ前記処理手段に接続され、前記注入ポンプ・ユニットの1つが警報信号を生成した場合に、対応する出力信号が前記処理手段に提供され、前記処理手段が前記警報手段を起動させ、前記ドッキング・ステーションに取り付けられた前記ポンプ・ユニットのいずれが警報を生成しているかに関する表示を前記表示手段上に提示するようにさせる、ドッキング・ステーション。
(16)医療用注入装置のための蠕動ポンプ・ユニットであって、蠕動アセンブリと、前記蠕動アセンブリに面する対向面又はアンビルと、薬液送達管路の一部を形成する可撓性弾性管を前記蠕動アセンブリと前記対向面又はアンビルとの間で支持するための支持部と、前記蠕動アセンブリを駆動して前記可撓性管を前記アンビル又は対向面に対して可撓性弾性管に沿った様々な位置で摘むように動作可能な駆動機構とを備え、前記蠕動アセンブリ及び前記機構が前記ユニットのハウジング内に組み込まれており、前記ハウジングが前記蠕動アセンブリを駆動する電動モータを収容し、前記流体送達管路に沿って送達される流体の圧力を感知する少なくとも1つの圧力センサ及び前記ポンプ・ユニットを設定するための入力デバイスを担持し、前記ポンプ・ユニットは、蠕動アセンブリを駆動するモータの動作を制御し前記圧力センサから信号を受信する電子処理手段を備え、前記電子処理手段は、前記ポンプ・ユニット内の電気メモリに格納されたプログラムを実行する中央処理装置を備え、前記メモリの少なくとも一部が前記ポンプ・ユニット内の相補的ソケット内に受けられる簡単に交換可能な不揮発性メモリ・カードで持ち運ばれ、前記メモリ・カードを他のものと交換することによって中央処理装置の動作プログラムを簡単に変更してたとえば様々な投薬計画又は改善された制御アルゴリズムを提供することができる、蠕動ポンプ・ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用注入装置のための蠕動ポンプ・ユニットであって、
蠕動アセンブリと、
前記蠕動アセンブリに面する対向面又はアンビルと、
薬液送達管路の一部を形成する可撓性弾性管を前記蠕動アセンブリと前記対向面又はアンビルとの間で支持するための支持部と、
前記蠕動アセンブリを駆動して前記可撓性管を前記アンビル又は対向面に対して前記可撓性弾性管に沿った様々な位置で摘むように動作可能な駆動機構と
を備え、
前記蠕動アセンブリ及び前記機構がハウジング内に組み込まれており、前記アンビル又は対向面が前記ハウジングにヒンジ式に連結されたドア又はカバーによって設けられて、前記ドア又はカバーの開位置では前記アンビル又は対向面が前記蠕動アセンブリから間隔をあけて配置されて、前記可撓性弾性管を前記蠕動アセンブリを横切って導入することができるようになり、又は前記可撓性弾性管を前記ユニットから取り外すことができるようになり、前記ドア又はカバーの閉位置では前記蠕動アセンブリを横切って延在する前記可撓性弾性管が前記蠕動アセンブリと前記アンビル又は対向面との間に位置付けられるようになされ、
前記ドアが簡単に非破壊的に取外し可能かつ交換可能であり、前記ハウジングおよび前記ドアが、が少なくとも1つのジャーナル又はヒンジ・ピン、および相補的軸受構成により連結され、前記軸受構成が前記ジャーナル又はヒンジ・ピン用の軸受面内で終端する開放端の横方向のスロットを有する第1の部分、及び前記第1の部分に対して可動の第2の部分を備え、第1の位置では前記横方向のスロットが露出されて前記ジャーナル又はヒンジ・ピンが前記スロットを横方向に通過して前記軸受面と協働することができるようになり、前記第2の部分が第2の位置に可動であり、前記第2の位置では前記第2の部分が前記横方向のスロットを塞ぎ、前記ジャーナル又はヒンジ・ピンと協働するさらなる軸受面が提供され、
前記第2の部分は、前記第1の位置と前記第2の位置と間で前記第2の部分を移動させるための操作レバーを有することを特徴とする蠕動ポンプ・ユニット。
【請求項2】
前記第1の部分及び前記第2の部分がそれぞれ前記軸受面内で終端する開放端の横方向のスロットを有し、前記第2の部分が、前記横方向のスロットが位置合せされ前記ジャーナルが横方向に通過して前記軸受面と協働することができるようになる位置と、前記第2の部分が前記ジャーナル又はヒンジ・ピンの前記第1の部分から外への移動を妨げる第2の位置との間で回転可能である、請求項1に記載のポンプ・ユニット。
【請求項3】
前記第1の部分が前記ドアに対して固定され、前記第1の部分の前記軸受面が前記ドアに対して固定された軸の周りで弓形であり、前記第2の部分が前記軸の周りで前記ドアに対して回転可能であり、前記ジャーナル又はヒンジ・ピンが前記ハウジングによって担持され、前記ドアが前記ハウジング上の定位置に存在する場合に前記軸受面と同軸である、請求項2に記載のポンプ・ユニット。
【請求項4】
前記第1の部分が前記ハウジングに対して固定され、前記第1の部分の前記軸受面が前記ハウジングに対して固定された軸の周りで弓形であり、前記第2の部分が前記軸の周りで前記ハウジングに対して回転可能であり、前記ジャーナル又はヒンジ・ピンが前記ドアによって担持され、前記ドアが前記ハウジング上の定位置に存在する場合に前記軸受面と同軸である、請求項2に記載のポンプ・ユニット。
【請求項5】
前記第2の部分が前記軸の周りの円筒形のボスを有し、前記第2の部分内の前記スロットによる遮断とは別に、前記ボスが前記第1の部分の面内に設けられた凹部内でジャーナル軸受けされ、前記第1の部分内の前記スロットによる遮断とは別に、前記凹部も前記軸の周りで円筒形である、請求項3又は4に記載のポンプ・ユニット。
【請求項6】
前記第1の部分が前記ドアのベース構造を備え、前記円筒形凹部を提供する前記面が前記ベース構造の縁部にあり、前記ベース構造に固定されたカバー・プレート又はトリムが前記第2の部分上に、前記円筒形凹部から遠い前記第2の部分の側面上に少なくとも部分的に延びる壁又はフランジを有し、前記第2の部分が前記ベース構造と前記壁又はフランジの間に閉じ込められる、請求項5に記載のポンプ・ユニット。
【請求項7】
前記第1の部分に解放可能に固定された締結部が通常前記操作レバーに作用して前記操作レバーを前記第2の部分が前記第1の部分に対して前記第2の位置に存在する位置に維持する、請求項1から6までのいずれかに記載のポンプ・ユニット。
【請求項8】
前記ハウジングが少なくとも1つのジャーナル又はヒンジ・ピンを担持し、前記ドアが相補的軸受構成を担持する、請求項1に記載のポンプ・ユニット。
【請求項9】
前記ドアが少なくとも1つのジャーナル又はヒンジ・ピンを担持し、前記ハウジングが相補的軸受構成を担持する、請求項1に記載のポンプ・ユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図4a】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図11a】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2011−172956(P2011−172956A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98007(P2011−98007)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【分割の表示】特願2007−520889(P2007−520889)の分割
【原出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.COMPACTFLASH
【出願人】(505403186)ケアフュージョン 303、インコーポレイテッド (69)
【Fターム(参考)】