注出可能な食品の密封容器のための閉塞部材及び当該閉塞部材の製造方法
注出可能な食品の密封容器のための閉塞部材であって、カバー部(15)によって外側から閉塞される注ぎ開口部(3)を形成している注ぎ口(2)と、取り外し可能な形態で前記注ぎ開口部(3)に取り付けられるキャップ(4)と、キャップ(4)と前記注ぎ口(2)のカバー部(15)との間に介装されており且つ前記カバー部(15)に結合されている開封部材(16)と、前記カバー部(15)を首部(6)から分離し且つ閉塞部材(1)がユーザーによって最初に開封されたときに前記注ぎ開口部(3)を開放させるために前記キャップ(4)を前記注ぎ口(2)から取り外したときに開封部材(16)と係合し且つ当該開封部材を横切る方向(A)に沿って引っ張るために、前記キャップ(4)によって担持されている駆動手段(9,35,41)とを備えている閉塞部材(1)が開示されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注出可能な食品の密封容器のための閉塞部材及び当該閉塞部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、フルーツジュース、ミルク、トマトソース及び一般的な飲料は、多層のプラスチック及び/又は紙を基材とする積層材若しくはいわゆる多層板紙材によって作られた平行六面体形状のパッケージ、広口コップ形状のプラスチックのパッケージ、吹き込み成形ボトル又はガラス、金属薄板若しくはアルミニウムの容器のような広範囲の種々のタイプ及び大きさの容器で販売されている。
【0003】
これらの容器には、全て、閉塞部材が取り付けられており、当該閉塞部材は、食品を飲料容器へ注ぐか又は容器から直接飲むために消費者がアクセスできるようにするために開けることができる。
【0004】
ねじ込みキャップ閉塞部材は一般的にはボトル型の容器に使用され、一方、多層板紙材料によって作られた容器には、単に切り取り標識が設けられているか又は容器に形成され且つプルタブによって覆われた注入口が設けられている場合が多い。
【0005】
多層板紙材によって作られた容器はまた、パッケージ材を貫通して形成された開口部の周囲に当該容器上に直接射出成形されたプラスチック製の閉塞部材が備え付けられて前記開口部が完全に閉塞され且つ密封されることも知られている。この種の閉塞部材は、通常は、例えばねじ込みキャップ又はスナップキャップを取り付けることができる容器の注出口を規定している。
【0006】
射出成形された閉塞部材は、登録商標“テトラトップ(Tetra Top)”として知られている容器の場合のように、種々のサイズとすることができ且つその頂部は特許出願EP−A−0965531(特許文献1)に示されている。
【0007】
射出成形容器の頂部は、精確な品質の高い成形を可能にするけれども、例えばビタミン補給フルーツジュースを包装する場合に必要とされるような気体遮蔽材の層を頂部に一体化することを不可能にしている。
【0008】
例えば特許EP−B−1197438(特許文献2)及び特許出願WO 03/061940(特許文献3)に記載されているように、プラスチック製の容器の頂部はまた、プラスチック製の筒状のプリフォームを吹き込み成形することによって製造されることも知られており、当該プリフォームは、気体及び光の遮蔽材料の層を含んでいても良い。
【0009】
商標“テトラ・アプティバ(Tetra Aptiva)”として知られている容器は、この技術を使用して形成された、すなわち、多層板紙材によって作られた主要底部と、プラスチック製の筒状プリフォームを吹き込み成形によって作られた容器内に液体又は注入可能な製品を注ぐための頂部とを備えている容器の一例である。
【0010】
この技術は、特に注ぎ口に関して高度の精密成形を提供するけれども、特定目的のための設備の使用を必要とするという欠点を有している。
【0011】
多層板紙材からなる容器部分に取り付けられるプラスチック製の頂部又は閉塞部材を製造するために、近年、熱成形及び射出成形を含むが吹き込み成形は含まない方法が考案されて来た。
【0012】
この方法の一つの例が特許出願WO 2005/044538(特許文献4)に記載されており、例えばEVOHのような気体遮蔽材料を有するシート本体を熱成形するステップを含んでいる。当該本体は、最終的に容器の板紙からなる底部に取り付けられる環状の基部と、当該基部の内側端縁から突出しており且つ当該基部と共に筒状の食品を注ぎ出すための注ぎ口を規定している首部とによって一体に形成されている。熱成形はプラスチック材料のシートを開始材料として行われ、前記基部と反対側で前記首部が閉塞されている。容器のための注ぎ口を形成するために、キャップをねじ込むための側方ねじを備えているプラスチック材料からなる外側の保護層がシート本体上に射出成形される。
【0013】
上記の動作の後で且つキャップを取り付ける前に、注ぎ口を塞いでいる材料は除去される。
【0014】
容器に充填した後に最終的な注ぎ口の気密閉塞を行うために、当該注ぎ口の頂部端縁にアルミニウム箔が融着される。この動作の後に、最終的にキャップが前記注ぎ口にねじ込まれる。
【0015】
結合された板紙−プラスチック容器のためのプラスチック製の頂部又は閉塞部材を形成するための上記の方法は、主として、多量の時間、作業及び高価な材料の浪費を含むという欠点を含んでいる。
【0016】
実際には、熱成形作業の後に注ぎ口を閉塞し且つキャップを取り付ける前に除去される材料の部分は、通常は、開始材料の約15〜20%に達し、更に、気体遮蔽層を含んでいるので、ポリエチレン又はポリプロピレンのような一般的に使用されるプラスチック材料とは異なり、費用がかなり高い。
【0017】
更に、気密閉塞を達成するために注ぎ口の頂部端縁に融着されるアルミニウム箔は、キャップが容器に取り付けられる前に形成され且つ取り付けられなければならない費用の高い付加的な部材を構成している。
【0018】
更に、最終的な閉塞部材は、第一の開封を達成するためには、ユーザーによる不快な二段階動作を必要とする。実際には、最初にキャップを捻って注ぎ口から外し、次いで内容物に到達するために注ぎ口を覆っているアルミニウム箔を切り取ることが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特許出願EP−A−0965531
【特許文献2】特許EP−B−1197438
【特許文献3】特許出願WO 03/061940
【特許文献4】特許出願WO 2005/044538
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、簡単且つコストがかからない方法で上記した欠点を排除するように設計されている注出可能な食品の密封容器のための閉塞部材を提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、効果的な気体及び/又は光のバリアーを確保することができ且つ製造過程中における高価な材料の消費を減らすことを可能にすると共に単一動作による信頼性が高く且つ容易な方法で且つユーザーによる労力が少ない状態での最初の開封を達成することを可能にする注出可能な食品の密封容器のための閉塞部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
これらの目的のうちの少なくとも一つは、特許請求の範囲の請求項1に記載されている注出可能な食品の密封容器のための閉塞部材によって達成できる。
【0023】
本発明はまた、特許請求の範囲の請求項23に記載されている注出可能な食品の密封容器のための閉塞部材を製造する方法に関するものでもある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、注出可能な食品の密封容器のための本発明による閉塞部材の垂直断面図である。
【図2】図2は、図1の閉塞部材の開封後の垂直断面図である。
【図3】図3は、本発明による方法における種々の段階における図1の断面図である。
【図4】図4は、本発明による方法における種々の段階における図1の断面図である。
【図5】図5は、本発明による方法の可能な変形例における所定の段階での図1の閉塞部材の細部の拡大垂直断面図である。
【図6】図6は、本発明による方法の別の可能な変形例における所定の段階での図1の閉塞部材の垂直断面図である。
【図7】図7は、図1の閉塞部材の可能な変形例の垂直断面図である。
【図8】図8は、図1の閉塞部材の可能な変形例の垂直断面図である。
【図9】図9は、図1の閉塞部材の可能な変形例の垂直断面図である。
【図10】図10は、図1の閉塞部材の可能な変形例の垂直断面図である。
【図11】図11は、図1の閉塞部材の可能な変形例の垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい多くの非限定的な実施形態を、添付図面を参照しつつ例示的に説明する。
【実施例1】
【0026】
図1〜4において、符号1は、以下の説明において単に例示的に参照している一体の板紙−プラスチック容器のためのプラスチック製の閉塞部材のような液体又は注出可能な食品の容器のための閉塞部材全体を示している。
【0027】
閉塞部材1は、長手軸線Aを有しており且つ基本的に注ぎ口2を備えている。当該注ぎ口2は、少なくとも、例えばEVOHのような気体及び/又は光の遮蔽材料の層を含んでおり且つ容器から食品を注ぐための注ぎ開口部3と取り外し可能な形態で注ぎ口2に取り付けられている筒状のキャップ4とを形成している。
【0028】
更に特定すると、注ぎ口2は、図示されている例においては、容器の内方へと窪んでいる環状の基部5と、当該基部5の内側径方向端縁7から突出しており且つ基部5と共に注ぎ開口部3を規定している実質的に円筒管状の首部6とを備えている。
【0029】
図示されていない可能な代替例によると、注ぎ口2の基部はまた、容器の完全な頂部又は端壁を一体的に形成する構造とされていても良い。
【0030】
キャップ4は、単一部品として製造され且つ首部6の外側側面に設けられている対応するねじ部10と係合するための1以上の始まり部分を備えた内ねじ部9を備えている円筒形の横壁8及び使用時に注ぎ口2の頂部を覆うための円板形状の頂壁11によって実質的に形成されている。
【0031】
図示されていない代替的な実施形態においては、キャップ4の横壁8の内側には、首部6上に設けられた対応する突出部と係合するのに適している複数のカム突出部が設けられていても良い。
【0032】
いずれの場合にも、実際には、キャップ4は、軸線Aに平行な並進要素と当該軸線を中心とする回転要素とを有する一回の行程によって、注ぎ口2に取り付けることができ且つ取り外すことができる。
【0033】
キャップ4は、通常の方法で、1つの環状の切り取り可能なブリッジ又は多数の径方向の切り取り可能なブリッジのような切り取り可能な結合手段14によって、横壁8の底部端縁13に同心状に結合されている対応するいたずら防止リング12と一体成形される。
【0034】
キャップ4は、最初は、完全に閉塞されるか密封された位置(図1)において注ぎ口2に取り付けられており、この位置では、キャップは、首部6上に完全にねじ込まれており、この状態では、底部端縁13といたずら防止リング12とは、依然として相互に結合されており且つ軸線Aに関してねじ部10より下方位置において首部6のねじ部10の底部の両側又は首部上に延びている環状リブに当接している。
【0035】
キャップ4は、ひとたび開封されると、捩られて注ぎ口2から取り外された開放位置(図2)と、注ぎ開口部3を再度密封するために注ぎ口上に完全に締め込まれた再閉塞位置との間を動くことができる。
【0036】
以下において更に詳細に説明するように、注ぎ口2は、製造され且つ容器に取り付けられて閉塞形態とされ、当該閉塞形態においては首部6と一体の円板形状のカバー部15は、使用時にキャップ4が最初に注ぎ口2から取り外されたときに容器に面している側と反対側の首部6の面において注ぎ開口部3を閉塞しており、すなわち、容器が最初にユーザーによって開封されたときにキャップ4が動くことによって、カバー部15が首部6から取り外され、従って、注ぎ開口部3が開放状態となる。
【0037】
カバー部15上でのキャップ4のこのような動作は、円板形状の開封部材16によって行われるのが好ましく、当該円板形状の開封部材16は、例えば溶着によってカバー部15に係合されており、注ぎ口2から取り外す際に、ねじ部9の上方部分又はその他の適切なキャップ4の駆動手段と係合せしめられ且つ当該駆動手段によって軸線Aに沿って引っ張られる。
【0038】
特に、開封部材16は、カバー部に結合されるときにキャップ4の頂壁11とカバー部15との間に介装され且つキャップ4とのあらゆる回転結合を有していない。
【0039】
開封部材16は注ぎ口2の頂面に関して径方向に突出している外側端縁17を備えており、当該外側端縁17は、キャップ4が緩められて首部6からとりはずされるときに、ねじ部9の上方部分、すなわち、ねじ部9におけるこのような外側端縁と隣接する部分と係合するようになされており且つ首部6の頂部端縁18を覆って延びるように丸味を付けられ且つ首部の方へ湾曲せしめられている。
【0040】
特に図2及び3において明確に見ることができるように、キャップ4の頂壁11、ねじ部9の上方部分及び当該キャップの横壁8におけるこれらの間に制限されている部分は、開封部材16が当該キャップから不意に外れるのを防止するために、開封部材16のための保持座20を規定している。
【0041】
開封部材16の外側端縁17の特定の形状によって、駆動手段との係合及びキャップ4の保持座内への挿入が容易化されている。
【0042】
特に、開封部材16は、軸線Aを中心として自由に回転できるように且つ頂壁11とキャップのねじ部9の上方部分との間でこの軸線に沿って移動させるために、径方向及び軸線方向に所定の遊びを有してキャップ4の座20内に保持されている。
【0043】
図1、2及び4に示されているように、開封部材16は第一の環状の突条21であって当該開封部材が当該第一の環状の突条21に沿って注ぎ口2のカバー部15に融着される前記第一の環状の突条21と、当該環状の突条21と外側端縁17との間に延びており且つ容器の最初の開封の後においてさえ閉塞部材1の再密封を確保するために、キャップの完全な閉塞位置と再閉塞位置とにおいて首部6の頂部端縁18と協働する接触部分を規定している。
【0044】
閉塞部材1は、以下に説明する方法で作られる。
【0045】
最初に、気体及び/又は光の遮蔽材料例えばEVOHの層を含んでいる多層プラスチックシート材において成形好ましくは熱成形又は熱間成形作業が行われる。
【0046】
当該成形作業によって、中空のほぼ帽子形状の本体25が形成され、当該本体は、最終的に取り付けられる容器に面している側が開口しており且つ反対側が閉塞されている。
【0047】
更に特定すると、本体25は、基部5を一体に形成している環状の底部と、当該底部の内側径方向端縁から径方向に突出している逆円筒形カップ形状の頂部26とを備えている。頂部26は、首部6の内側従って横方向に結合している注ぎ開口部3を規定している横壁と、注ぎ開口部3を閉塞している円板形状の頂壁とを備えている。
【0048】
別の方法として、本体25は、圧縮成形又は射出成形のような他の適当な成形技術によって作ることもできる。
【0049】
本体25はまた、気体及び/又は光の遮蔽特性を有していないプラスチック材料によって作ることもでき、気体及び/又は光の遮蔽材料の層は表面コーティングによって付与することができる。
【0050】
次に、これらの部品に十分な厚み及び剛性を付与するために、ポリエチレン又はポリプロピレンのようなプラスチック材料が、本体25の頂部26の外側上に圧縮によってオーバーモールドされてねじ部10及びその他の首部構造が形成される。
【0051】
これらの動作は、全て、図3に示されている構造における注ぎ口2を得ることを可能にする。
【0052】
圧縮成形又は射出成形によって注ぎ口2が形成される際にオーバーモールディングステップは必要とされず、実際には、圧縮成形又は射出成形は、単一のステップでの本体25及びねじ部10のような首部構造の全ての成形を可能にする。
【0053】
上記した作業の結果として、首部6とカバー部15とは、これらが溶着又は接着によって結合される必要なく成形作業のみによってもたらされるという意味で、注ぎ口2の一体部品を規定している。
【0054】
これと同時に、キャップ4と開封部材16とが公知の技術によって各々単独に形成され、次いで、相互に組み立てられる。特に、開封部材16は、キャップ4の保持座20内に圧入され且つねじ部9によって定位置に保持される。
【0055】
この時点で、キャップ4と開封部材16とによって形成された組立体が注ぎ口2に取り付けられ(図4)、ねじ部9及び10は相互に係合し、キャップ4の頂壁11は、開封部材16を環状の突条21及び22において注ぎ口2の頂面に押し付けられる。
【0056】
この更なる組立動作の後に、開封部材16は、突条21において注ぎ口2のカバー部15上に溶着例えば熱シールされる。
【0057】
閉塞部材1の最初の開封の際におけるカバー部の首部6からの取り外しを容易化するために、カバー部の外周に沿って脆弱な外周線27も形成される。
【0058】
当該弱化された線27は、切れ目すなわちカバー部15の注ぎ開口部3に面しているか又は同じようにしてキャップ4の頂壁11から離れる方向に面している側27a上に形成された部分的な切れ目として形成されるのが好ましい(図4)。切れ目の形成作業は、例えば高温若しくは低温の刃によって又は超音波装置若しくはレーザー装置によって行われる。
【0059】
図4に示されている例においては、溶着動作及び弱化線27の形成は超音波装置28によって同時に行われ、当該超音波装置は、実質的に、本体25の頂壁と協働する環状の作用面30及び超音波発生ユニット(図示せず)を備えているほぼ円筒形の加圧部材29と、加圧部材29と反対側においてキャップ4の頂壁と協働する裏当て部材31と、超音波発生中に所望の圧縮力を得るために加圧部材29を裏当て部材31へと動かしたり当該裏当て部材から動かすためのガイド手段(図示せず)とを備えている。
【0060】
加圧部材29の外周は、カバー部15に作用して弱化線27を形成する切断部材32に適合させることができる。
【0061】
注ぎ口2、キャップ4及び開封部材16は、異なる材料によって作ることができる。
【実施例2】
【0062】
例えば超音波又はレーザー装置、加熱工具等を使用することによって且つカバー部15の外周全体に亘って加熱状態で弱化作業を行っている図5に示されている可能な代替例によれば、開封部材16の下方の材料の完全な切断部23だけでなく切断領域の周囲においてカバー部15の頂面の開封部材への溶着部24をも達成することができる。実際には、切断領域の周囲の材料に対する溶融作用によって、弱化動作は、このような領域内の重なっている部品の同時結合を形成する。
【0063】
上記の動作の終了時に、カバー部15は、キャップ4の気体及び/又は光の遮蔽材料の層、すなわち、注出可能な食品のパッケージにおいてこの層が一般的に呼ばれている“ライナー”を形成する。
【実施例3】
【0064】
図6に示されている別の可能な代替例によれば、弱化線27は、カバー部15の使用時にキャップ4の頂壁11に面する側27b上に形成された切れ目として得ることができる。
【0065】
この場合には、弱化作業は、ねじ部10及びその他の構造のオーバーモールド処理において、例えば、カバー部15の側27bに型内でまだ軟らかい材料内に押し込まれるべき環状の突条33又は刃を使用し且つカバー部の反対側27bに作用する裏当て部材34を使用して所望の対比する力を形成することによって直接行っても良い。この結果、注ぎ口2をキャップ4及び開封部材16に組み付けた後に行なわなければならないのは、溶着作業のみである。
【0066】
別の方法として、当該弱化作業を別のステーションにおけるオーバーモールディングの後に行っても良い。
【0067】
いずれの場合にも、注ぎ口2に対する弱化作業は、注ぎ口に開封部材16及びキャップ4が組み付けられる前に行う必要がある。
【実施例4】
【0068】
図示されていない更に別の可能な代替例によると、弱化作業はまた、カバー部15の両側27a,27b上に各々の切れ目ラインを形成することによって行っても良い。
【実施例5】
【0069】
図示されていない更に別の可能な代替例によれば、開封部材16を注ぎ口2のカバー部15上に取り付け且つ溶着させ、次いで、キャップ4を注ぎ口2及び開封部材によって形成された組立体に取り付けても良い。
【0070】
この代替例は、弱化作業が行われるカバー部15のいずれの例にも当てはまる。
【0071】
当該容器の最初の開封は、キャップ4を緩めて注ぎ口2から取り外すことからなる単一のステップで行うことができる。
【0072】
図1において、キャップ4が軸線Aを中心に反時計方向に回されると、相互に噛み合っているねじ部9及び10は、キャップ4を注ぎ口2から外れる方向へ同時に動かして結合手段14を破壊する。この作用の結果、いたずら防止リング12は首部6のねじ部10の底部に対して軸線方向に当接したままとされる。
【0073】
この段階で、開封部材16は、キャップ4との如何なる回転結合がなく、依然として当該開封部材が溶着されているカバー部15の頂面に押し付けられたままである。
【0074】
キャップ4の軸線Aに沿った必然的な並進を伴う更なる回転により、ねじ部9の上方部分が開封部材16の外側端縁17と係合し、当該キャップを更に回転させると、開封部材16に垂直方向の力が発生されて開封部材が軸線Aに沿って引っ張り上げられ、この時点で、開封部材16はキャップ4と共に軸線Aに動き、このようにして、弱化線27に破壊作用を発生させてカバー部15が注ぎ口2の首部6から分離せしめられて注ぎ開口部3が開放される。実際には、開封部材16はキャップ4による軸線Aに沿った完全な並進動作で駆動され、一方、キャップは回転並進動作をする。
【0075】
キャップ4が注ぎ口2から完全に取り外されると、開封部材16及びカバー部15は、キャップから不意に外れないようにねじ部9によって座20内に浮遊状態で保持される。
【0076】
カバー部15は、廃棄状態とは対照的に、溶着によって開封部材16に結合されたままである。
【0077】
容器は、キャップ4を注ぎ口2上へと単に付け戻すことによって再び密閉することができる。この状態で、閉塞部材1の再密封は、再密封位置においてキャップ4によって注ぎ口2にかけられる圧力による首部6の頂部端縁18と突条22との協働によって確保される。
【実施例6】
【0078】
図7の変形例は、開封部材16と係合し且つ当該開封部材16を軸線A方向に引っ張るためのキャップ4の駆動手段の異なる形状に関する。
【0079】
この場合には、当該駆動手段は、横壁8の内側面から伸長しており且つ図示されている例においては軸線A方向においてねじ部9の上方部分よりも高い位置に配置されている環状の突出部35を含んでいる。当該突出部35はまた、軸線Aを中心として角度方向に隔置され且つ当該軸線に関して同じ高さ又は異なる高さに配置された種々の部材によって構成されても良い。
【0080】
当該駆動手段はまた、図7に示されているタイプの突出部であるが軸線Aを中心として全周に亘っては延びていない突出部とねじ部9の上方部分とによって形成することもでき、これらは両方とも開封部材16の外側端縁17と協働してキャップ4の回転並進動作中に当該キャップを軸線Aに沿って上方へ引っ張り上げる。
【実施例7】
【0081】
図8及び9の変形例は、キャップ4を注ぎ口2から最初に取り外した後にキャップの座20の内側で開封部材16を正しく中心合わせすること、従って、容器を再び閉塞するときに注ぎ口に関して正しく中心合わせすることに関する。中心合わせを維持することによって、閉塞部材1の正しい再密封が保証される。
【0082】
図8の実施形態においては、開封部材16は、その外周に沿って、キャップ4の横壁8の内側面と協働する薄い突出伸長部36を備えていて、この部分とキャップ4との組立を損なうことなく、開封部材を座20内の中心位置に保つ補助としている。
【実施例8】
【0083】
図9の実施形態においては、開封部材16及びキャップ4の頂壁11は、各々、相互に係合してキャップが完全に閉塞された状態及び再閉塞された状態でキャップに対する開封部材の中心合わせ位置を規定する突出部37及びこれと相補形状の凹部38を備えている。突出部37及びこれと相補形状の凹部38の各々はまた、注ぎ口2上へのキャップのねじ込み動作の最終段階中に、これらが相互に係合するのを容易にするために、頂壁11の内側へと向いたテーパー構造をも備えていても良い。
【0084】
突出部37はまた、キャップの頂壁11及び開封部材16上の相補形状の凹部38上に設けられても良い。
【実施例9】
【0085】
図10の変形例は、注ぎ口2の異なる解決方法に関し、当該注ぎ口の頂部端縁18は、食品を容器から直接取り出す際に、ユーザーの口に対する確かな感覚を生じさせることができる丸味が付けられた環状の突条40を備えている。
【0086】
この場合には、丸味が付けられた突条40により、開封部材16の形状が改造されており、特に、開封部材16の突条21は、カバー部15に溶着されるように、上記の方法と比較すると高さが高く、外側端縁17によって境界を定められ、環状の座39は、注ぎ口2の丸味が付けられた端縁40を所定の遊びをもって受け入れるためのU字形状部分を有している。
【0087】
再閉塞は、開封部材16の突条22と注ぎ口2の丸味が付けられた突条40との協働によって達成される。
【実施例10】
【0088】
図示されていない更に別の可能な変形例によると、閉塞部材1の再閉塞はまた、座39を、注ぎ口2の丸味が付けられた端縁40のものと正確に相補な形状を有する構造とすることによっても達成することができ、この場合には、突条22は必要でないかも知れない。その上、この構造はまた、注ぎ口2に関して開封部材16の正しい中心合わせを確保する補助とすることもできる。
【実施例11】
【0089】
図11の変形例においては、閉塞部材1の最初の開封の後の再密封は、キャップ4の注ぎ口2からの最初の取り外しの際に開封部材16と係合し且つ当該開封部材を軸線Aに沿って引っ張るための駆動手段をも規定しているキャップ4の突出リップ部41によって確保される。
【0090】
特に、この場合には、開封部材16は、閉塞部材1の最初の開封中にキャップ4から垂直方向の力を受け且つ受けた力をカバー部15に伝えて、カバー部15を注ぎ口2の残りの部分から分離させる機能を果たすだけである。
【0091】
更に特定すると、閉塞部材1を再密封させる機能と開封部材16をそのプルアップ動作へと駆動する機能との両方の機能を果たすために、キャップ4の頂壁11は、円形の帯43を介して横壁8に外部から係合せしめられ且つ内側に突出リップ部41が設けられた開口した端縁42を備えた逆円筒形カップ形状を有している。
【0092】
更に詳述すると、キャップ4の頂壁11は、注ぎ開口部3の直径よりも大きい直径を有し且つ軸線Aに関して円形の帯43よりも高い位置に伸長してする円板形状の主要部分44と、当該主要部分44を円形の帯43に結合させ且つ当該円形の帯43との交差位置に端縁42を形成している横円筒部分45とを備えている。
【0093】
突出リップ部41は、横円筒部分45から径方向に突出するために、各々、端縁42から注ぎ口2の頂面に向かって及び軸線Aの方向に向かって伸長している。
【0094】
キャップ4が注ぎ口2上に完全にねじ込まれると、突出リップ部41は、首部6の頂部端縁17に押し付けられて閉塞部材1の再密封が確保される。
【0095】
この場合には、開封部材16は、閉塞部材1の最初の開封の際に、突出リップ部41と係合し且つ当該リップ部41によって軸線Aの方向に引っ張られるようにするために、横円筒形部分45の方へ突出している切頭円錐形状の外側端縁46を備えている。
【0096】
突出リップ部41と外側端縁46との間の係合はまた、開封部材16のキャップ4に対する正しい中心合わせをも確保する。
【0097】
当該閉塞部材及びその製造方法の利点は以下の説明から明らかになるであろう。
【0098】
注ぎ口2の注ぎ側の密封が、単に注ぎ口を製造するための形成作業によって得られるカバー部15によって形成されるという事実により、特に、材料が気体及び/又は光の遮蔽材料であり従って極めて高価である場合に材料の浪費が排除される。この場合には、実際には、容器の最初の開封中に、最初に注ぎ口の嵌合部の端部から取り外し、次いで、注ぎ口に溶着され且つ最初の使用の際に再度取り外される別の部材と置き換える代わりに、容器の最初の開封の際にカバー部15を注ぎ口から取り外すために単に開封部材16に溶着するだけで良い。
【0099】
更に、注ぎ口2のカバー部15に溶着される開封部材を使用することによって、閉塞部材1の最初の開封が、ユーザーの単一の動作により且つ負担が少ない状態で達成することができる。
【0100】
実際には、キャップ4を回す間に、開封部材16は、軸線A方向の純粋な並進動作で当該キャップによって駆動され、それによる引っ張り力によって、首部6からのカバー部15の同時取り外しがなされる。
【0101】
当該出願人は、注ぎ口のカバー部に対してかけられるこの種の応力は、除去される材料の全輪郭にかけられる剪断応力と比較した場合に、ユーザーの負担が少ない状態で、容器の最初の開封を達成することが可能になることに注目した。全く同じ方法で、ユーザーが許容可能な開封トルクによって容器を最初に開封することができるようにするために、引っ張り応力の使用は、破断領域を弱化する必要性に対する影響力が剪断応力を使用する場合と比較して少ない。
【0102】
当該出願人は、実際には、後者の場合(剪断応力を使用する場合)に、破断領域を十分に弱化させるためには、切断部に残っている材料(すなわち、連続して分離されるべき2つの部分を結合している材料)は、数百分の1ミリの精度で数百分の1ミリ程度に薄いことが必要である。このことは、実際には極めて実現困難であり得る。
【0103】
本発明の場合には、当該出願人は、破断領域を弱化させる必要性が約一桁少なくなると予測している。
【0104】
更に、特定の位置で開封部材16の外側端縁17との係合を開始させ且つキャップが回されるにつれて係合領域を徐々に増すために、キャップ4上の駆動手段(例えば、ねじ部9の上方部分及び/又は突出部35)を軸線A方向の種々の高さに配置することによって、弱化の必要度が更に減じられるかも知れない。この場合、実際には、ユーザーに要求されるトルクの負担は、全てが軸線A方向の同じ高さに配置されている駆動手段の場合より小さい。
【0105】
更に、開封部材16がキャップ4との如何なる回転結合も有しないという事実により、カバー部15の破断を開始させる前のキャップの回転角度は、例えば、いたずら防止リング12をキャップにつなげている結合手段14を破断させるのに必要とされる回転角度をより大きくするように調整することができる。このことは、開封部材16とキャップ4の受け座20との間の軸線A方向の遊びの値を適当に設定することによって行うことができる。
【0106】
しかしながら、特許請求の範囲に規定されている範囲から逸脱することなく、ここに記載され且つ図示されている閉塞部材1及び方法に変更を加えても良いことは明らかである。
【符号の説明】
【0107】
1 閉塞部材
A 長手軸線
2 注ぎ口
3 注ぎ開口部
4 キャップ
5 基部
6 首部
7 内側径方向端縁
8 横壁
9 ねじ部
10 ねじ部
11 頂壁
12 いたずら防止リング
13 底部端縁
14 結合手段
15 カバー部
16 開封部材
17 外側端縁
18 頂部端縁
20 座
21、22 突条
25 本体
26 頂部
27 弱化線
28 超音波装置
29 管状部材
30 作用面
31 裏当て部材
33 突条
34 裏当て部材
35 突出部
37 突出部
38 凹部
39 座
40 突条
41 突出リップ部
42 開口した端縁
43 円形の帯
44 主要部分
45 横円筒部分
46 外側端縁
【技術分野】
【0001】
本発明は、注出可能な食品の密封容器のための閉塞部材及び当該閉塞部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、フルーツジュース、ミルク、トマトソース及び一般的な飲料は、多層のプラスチック及び/又は紙を基材とする積層材若しくはいわゆる多層板紙材によって作られた平行六面体形状のパッケージ、広口コップ形状のプラスチックのパッケージ、吹き込み成形ボトル又はガラス、金属薄板若しくはアルミニウムの容器のような広範囲の種々のタイプ及び大きさの容器で販売されている。
【0003】
これらの容器には、全て、閉塞部材が取り付けられており、当該閉塞部材は、食品を飲料容器へ注ぐか又は容器から直接飲むために消費者がアクセスできるようにするために開けることができる。
【0004】
ねじ込みキャップ閉塞部材は一般的にはボトル型の容器に使用され、一方、多層板紙材料によって作られた容器には、単に切り取り標識が設けられているか又は容器に形成され且つプルタブによって覆われた注入口が設けられている場合が多い。
【0005】
多層板紙材によって作られた容器はまた、パッケージ材を貫通して形成された開口部の周囲に当該容器上に直接射出成形されたプラスチック製の閉塞部材が備え付けられて前記開口部が完全に閉塞され且つ密封されることも知られている。この種の閉塞部材は、通常は、例えばねじ込みキャップ又はスナップキャップを取り付けることができる容器の注出口を規定している。
【0006】
射出成形された閉塞部材は、登録商標“テトラトップ(Tetra Top)”として知られている容器の場合のように、種々のサイズとすることができ且つその頂部は特許出願EP−A−0965531(特許文献1)に示されている。
【0007】
射出成形容器の頂部は、精確な品質の高い成形を可能にするけれども、例えばビタミン補給フルーツジュースを包装する場合に必要とされるような気体遮蔽材の層を頂部に一体化することを不可能にしている。
【0008】
例えば特許EP−B−1197438(特許文献2)及び特許出願WO 03/061940(特許文献3)に記載されているように、プラスチック製の容器の頂部はまた、プラスチック製の筒状のプリフォームを吹き込み成形することによって製造されることも知られており、当該プリフォームは、気体及び光の遮蔽材料の層を含んでいても良い。
【0009】
商標“テトラ・アプティバ(Tetra Aptiva)”として知られている容器は、この技術を使用して形成された、すなわち、多層板紙材によって作られた主要底部と、プラスチック製の筒状プリフォームを吹き込み成形によって作られた容器内に液体又は注入可能な製品を注ぐための頂部とを備えている容器の一例である。
【0010】
この技術は、特に注ぎ口に関して高度の精密成形を提供するけれども、特定目的のための設備の使用を必要とするという欠点を有している。
【0011】
多層板紙材からなる容器部分に取り付けられるプラスチック製の頂部又は閉塞部材を製造するために、近年、熱成形及び射出成形を含むが吹き込み成形は含まない方法が考案されて来た。
【0012】
この方法の一つの例が特許出願WO 2005/044538(特許文献4)に記載されており、例えばEVOHのような気体遮蔽材料を有するシート本体を熱成形するステップを含んでいる。当該本体は、最終的に容器の板紙からなる底部に取り付けられる環状の基部と、当該基部の内側端縁から突出しており且つ当該基部と共に筒状の食品を注ぎ出すための注ぎ口を規定している首部とによって一体に形成されている。熱成形はプラスチック材料のシートを開始材料として行われ、前記基部と反対側で前記首部が閉塞されている。容器のための注ぎ口を形成するために、キャップをねじ込むための側方ねじを備えているプラスチック材料からなる外側の保護層がシート本体上に射出成形される。
【0013】
上記の動作の後で且つキャップを取り付ける前に、注ぎ口を塞いでいる材料は除去される。
【0014】
容器に充填した後に最終的な注ぎ口の気密閉塞を行うために、当該注ぎ口の頂部端縁にアルミニウム箔が融着される。この動作の後に、最終的にキャップが前記注ぎ口にねじ込まれる。
【0015】
結合された板紙−プラスチック容器のためのプラスチック製の頂部又は閉塞部材を形成するための上記の方法は、主として、多量の時間、作業及び高価な材料の浪費を含むという欠点を含んでいる。
【0016】
実際には、熱成形作業の後に注ぎ口を閉塞し且つキャップを取り付ける前に除去される材料の部分は、通常は、開始材料の約15〜20%に達し、更に、気体遮蔽層を含んでいるので、ポリエチレン又はポリプロピレンのような一般的に使用されるプラスチック材料とは異なり、費用がかなり高い。
【0017】
更に、気密閉塞を達成するために注ぎ口の頂部端縁に融着されるアルミニウム箔は、キャップが容器に取り付けられる前に形成され且つ取り付けられなければならない費用の高い付加的な部材を構成している。
【0018】
更に、最終的な閉塞部材は、第一の開封を達成するためには、ユーザーによる不快な二段階動作を必要とする。実際には、最初にキャップを捻って注ぎ口から外し、次いで内容物に到達するために注ぎ口を覆っているアルミニウム箔を切り取ることが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】特許出願EP−A−0965531
【特許文献2】特許EP−B−1197438
【特許文献3】特許出願WO 03/061940
【特許文献4】特許出願WO 2005/044538
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、簡単且つコストがかからない方法で上記した欠点を排除するように設計されている注出可能な食品の密封容器のための閉塞部材を提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、効果的な気体及び/又は光のバリアーを確保することができ且つ製造過程中における高価な材料の消費を減らすことを可能にすると共に単一動作による信頼性が高く且つ容易な方法で且つユーザーによる労力が少ない状態での最初の開封を達成することを可能にする注出可能な食品の密封容器のための閉塞部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
これらの目的のうちの少なくとも一つは、特許請求の範囲の請求項1に記載されている注出可能な食品の密封容器のための閉塞部材によって達成できる。
【0023】
本発明はまた、特許請求の範囲の請求項23に記載されている注出可能な食品の密封容器のための閉塞部材を製造する方法に関するものでもある。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、注出可能な食品の密封容器のための本発明による閉塞部材の垂直断面図である。
【図2】図2は、図1の閉塞部材の開封後の垂直断面図である。
【図3】図3は、本発明による方法における種々の段階における図1の断面図である。
【図4】図4は、本発明による方法における種々の段階における図1の断面図である。
【図5】図5は、本発明による方法の可能な変形例における所定の段階での図1の閉塞部材の細部の拡大垂直断面図である。
【図6】図6は、本発明による方法の別の可能な変形例における所定の段階での図1の閉塞部材の垂直断面図である。
【図7】図7は、図1の閉塞部材の可能な変形例の垂直断面図である。
【図8】図8は、図1の閉塞部材の可能な変形例の垂直断面図である。
【図9】図9は、図1の閉塞部材の可能な変形例の垂直断面図である。
【図10】図10は、図1の閉塞部材の可能な変形例の垂直断面図である。
【図11】図11は、図1の閉塞部材の可能な変形例の垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の好ましい多くの非限定的な実施形態を、添付図面を参照しつつ例示的に説明する。
【実施例1】
【0026】
図1〜4において、符号1は、以下の説明において単に例示的に参照している一体の板紙−プラスチック容器のためのプラスチック製の閉塞部材のような液体又は注出可能な食品の容器のための閉塞部材全体を示している。
【0027】
閉塞部材1は、長手軸線Aを有しており且つ基本的に注ぎ口2を備えている。当該注ぎ口2は、少なくとも、例えばEVOHのような気体及び/又は光の遮蔽材料の層を含んでおり且つ容器から食品を注ぐための注ぎ開口部3と取り外し可能な形態で注ぎ口2に取り付けられている筒状のキャップ4とを形成している。
【0028】
更に特定すると、注ぎ口2は、図示されている例においては、容器の内方へと窪んでいる環状の基部5と、当該基部5の内側径方向端縁7から突出しており且つ基部5と共に注ぎ開口部3を規定している実質的に円筒管状の首部6とを備えている。
【0029】
図示されていない可能な代替例によると、注ぎ口2の基部はまた、容器の完全な頂部又は端壁を一体的に形成する構造とされていても良い。
【0030】
キャップ4は、単一部品として製造され且つ首部6の外側側面に設けられている対応するねじ部10と係合するための1以上の始まり部分を備えた内ねじ部9を備えている円筒形の横壁8及び使用時に注ぎ口2の頂部を覆うための円板形状の頂壁11によって実質的に形成されている。
【0031】
図示されていない代替的な実施形態においては、キャップ4の横壁8の内側には、首部6上に設けられた対応する突出部と係合するのに適している複数のカム突出部が設けられていても良い。
【0032】
いずれの場合にも、実際には、キャップ4は、軸線Aに平行な並進要素と当該軸線を中心とする回転要素とを有する一回の行程によって、注ぎ口2に取り付けることができ且つ取り外すことができる。
【0033】
キャップ4は、通常の方法で、1つの環状の切り取り可能なブリッジ又は多数の径方向の切り取り可能なブリッジのような切り取り可能な結合手段14によって、横壁8の底部端縁13に同心状に結合されている対応するいたずら防止リング12と一体成形される。
【0034】
キャップ4は、最初は、完全に閉塞されるか密封された位置(図1)において注ぎ口2に取り付けられており、この位置では、キャップは、首部6上に完全にねじ込まれており、この状態では、底部端縁13といたずら防止リング12とは、依然として相互に結合されており且つ軸線Aに関してねじ部10より下方位置において首部6のねじ部10の底部の両側又は首部上に延びている環状リブに当接している。
【0035】
キャップ4は、ひとたび開封されると、捩られて注ぎ口2から取り外された開放位置(図2)と、注ぎ開口部3を再度密封するために注ぎ口上に完全に締め込まれた再閉塞位置との間を動くことができる。
【0036】
以下において更に詳細に説明するように、注ぎ口2は、製造され且つ容器に取り付けられて閉塞形態とされ、当該閉塞形態においては首部6と一体の円板形状のカバー部15は、使用時にキャップ4が最初に注ぎ口2から取り外されたときに容器に面している側と反対側の首部6の面において注ぎ開口部3を閉塞しており、すなわち、容器が最初にユーザーによって開封されたときにキャップ4が動くことによって、カバー部15が首部6から取り外され、従って、注ぎ開口部3が開放状態となる。
【0037】
カバー部15上でのキャップ4のこのような動作は、円板形状の開封部材16によって行われるのが好ましく、当該円板形状の開封部材16は、例えば溶着によってカバー部15に係合されており、注ぎ口2から取り外す際に、ねじ部9の上方部分又はその他の適切なキャップ4の駆動手段と係合せしめられ且つ当該駆動手段によって軸線Aに沿って引っ張られる。
【0038】
特に、開封部材16は、カバー部に結合されるときにキャップ4の頂壁11とカバー部15との間に介装され且つキャップ4とのあらゆる回転結合を有していない。
【0039】
開封部材16は注ぎ口2の頂面に関して径方向に突出している外側端縁17を備えており、当該外側端縁17は、キャップ4が緩められて首部6からとりはずされるときに、ねじ部9の上方部分、すなわち、ねじ部9におけるこのような外側端縁と隣接する部分と係合するようになされており且つ首部6の頂部端縁18を覆って延びるように丸味を付けられ且つ首部の方へ湾曲せしめられている。
【0040】
特に図2及び3において明確に見ることができるように、キャップ4の頂壁11、ねじ部9の上方部分及び当該キャップの横壁8におけるこれらの間に制限されている部分は、開封部材16が当該キャップから不意に外れるのを防止するために、開封部材16のための保持座20を規定している。
【0041】
開封部材16の外側端縁17の特定の形状によって、駆動手段との係合及びキャップ4の保持座内への挿入が容易化されている。
【0042】
特に、開封部材16は、軸線Aを中心として自由に回転できるように且つ頂壁11とキャップのねじ部9の上方部分との間でこの軸線に沿って移動させるために、径方向及び軸線方向に所定の遊びを有してキャップ4の座20内に保持されている。
【0043】
図1、2及び4に示されているように、開封部材16は第一の環状の突条21であって当該開封部材が当該第一の環状の突条21に沿って注ぎ口2のカバー部15に融着される前記第一の環状の突条21と、当該環状の突条21と外側端縁17との間に延びており且つ容器の最初の開封の後においてさえ閉塞部材1の再密封を確保するために、キャップの完全な閉塞位置と再閉塞位置とにおいて首部6の頂部端縁18と協働する接触部分を規定している。
【0044】
閉塞部材1は、以下に説明する方法で作られる。
【0045】
最初に、気体及び/又は光の遮蔽材料例えばEVOHの層を含んでいる多層プラスチックシート材において成形好ましくは熱成形又は熱間成形作業が行われる。
【0046】
当該成形作業によって、中空のほぼ帽子形状の本体25が形成され、当該本体は、最終的に取り付けられる容器に面している側が開口しており且つ反対側が閉塞されている。
【0047】
更に特定すると、本体25は、基部5を一体に形成している環状の底部と、当該底部の内側径方向端縁から径方向に突出している逆円筒形カップ形状の頂部26とを備えている。頂部26は、首部6の内側従って横方向に結合している注ぎ開口部3を規定している横壁と、注ぎ開口部3を閉塞している円板形状の頂壁とを備えている。
【0048】
別の方法として、本体25は、圧縮成形又は射出成形のような他の適当な成形技術によって作ることもできる。
【0049】
本体25はまた、気体及び/又は光の遮蔽特性を有していないプラスチック材料によって作ることもでき、気体及び/又は光の遮蔽材料の層は表面コーティングによって付与することができる。
【0050】
次に、これらの部品に十分な厚み及び剛性を付与するために、ポリエチレン又はポリプロピレンのようなプラスチック材料が、本体25の頂部26の外側上に圧縮によってオーバーモールドされてねじ部10及びその他の首部構造が形成される。
【0051】
これらの動作は、全て、図3に示されている構造における注ぎ口2を得ることを可能にする。
【0052】
圧縮成形又は射出成形によって注ぎ口2が形成される際にオーバーモールディングステップは必要とされず、実際には、圧縮成形又は射出成形は、単一のステップでの本体25及びねじ部10のような首部構造の全ての成形を可能にする。
【0053】
上記した作業の結果として、首部6とカバー部15とは、これらが溶着又は接着によって結合される必要なく成形作業のみによってもたらされるという意味で、注ぎ口2の一体部品を規定している。
【0054】
これと同時に、キャップ4と開封部材16とが公知の技術によって各々単独に形成され、次いで、相互に組み立てられる。特に、開封部材16は、キャップ4の保持座20内に圧入され且つねじ部9によって定位置に保持される。
【0055】
この時点で、キャップ4と開封部材16とによって形成された組立体が注ぎ口2に取り付けられ(図4)、ねじ部9及び10は相互に係合し、キャップ4の頂壁11は、開封部材16を環状の突条21及び22において注ぎ口2の頂面に押し付けられる。
【0056】
この更なる組立動作の後に、開封部材16は、突条21において注ぎ口2のカバー部15上に溶着例えば熱シールされる。
【0057】
閉塞部材1の最初の開封の際におけるカバー部の首部6からの取り外しを容易化するために、カバー部の外周に沿って脆弱な外周線27も形成される。
【0058】
当該弱化された線27は、切れ目すなわちカバー部15の注ぎ開口部3に面しているか又は同じようにしてキャップ4の頂壁11から離れる方向に面している側27a上に形成された部分的な切れ目として形成されるのが好ましい(図4)。切れ目の形成作業は、例えば高温若しくは低温の刃によって又は超音波装置若しくはレーザー装置によって行われる。
【0059】
図4に示されている例においては、溶着動作及び弱化線27の形成は超音波装置28によって同時に行われ、当該超音波装置は、実質的に、本体25の頂壁と協働する環状の作用面30及び超音波発生ユニット(図示せず)を備えているほぼ円筒形の加圧部材29と、加圧部材29と反対側においてキャップ4の頂壁と協働する裏当て部材31と、超音波発生中に所望の圧縮力を得るために加圧部材29を裏当て部材31へと動かしたり当該裏当て部材から動かすためのガイド手段(図示せず)とを備えている。
【0060】
加圧部材29の外周は、カバー部15に作用して弱化線27を形成する切断部材32に適合させることができる。
【0061】
注ぎ口2、キャップ4及び開封部材16は、異なる材料によって作ることができる。
【実施例2】
【0062】
例えば超音波又はレーザー装置、加熱工具等を使用することによって且つカバー部15の外周全体に亘って加熱状態で弱化作業を行っている図5に示されている可能な代替例によれば、開封部材16の下方の材料の完全な切断部23だけでなく切断領域の周囲においてカバー部15の頂面の開封部材への溶着部24をも達成することができる。実際には、切断領域の周囲の材料に対する溶融作用によって、弱化動作は、このような領域内の重なっている部品の同時結合を形成する。
【0063】
上記の動作の終了時に、カバー部15は、キャップ4の気体及び/又は光の遮蔽材料の層、すなわち、注出可能な食品のパッケージにおいてこの層が一般的に呼ばれている“ライナー”を形成する。
【実施例3】
【0064】
図6に示されている別の可能な代替例によれば、弱化線27は、カバー部15の使用時にキャップ4の頂壁11に面する側27b上に形成された切れ目として得ることができる。
【0065】
この場合には、弱化作業は、ねじ部10及びその他の構造のオーバーモールド処理において、例えば、カバー部15の側27bに型内でまだ軟らかい材料内に押し込まれるべき環状の突条33又は刃を使用し且つカバー部の反対側27bに作用する裏当て部材34を使用して所望の対比する力を形成することによって直接行っても良い。この結果、注ぎ口2をキャップ4及び開封部材16に組み付けた後に行なわなければならないのは、溶着作業のみである。
【0066】
別の方法として、当該弱化作業を別のステーションにおけるオーバーモールディングの後に行っても良い。
【0067】
いずれの場合にも、注ぎ口2に対する弱化作業は、注ぎ口に開封部材16及びキャップ4が組み付けられる前に行う必要がある。
【実施例4】
【0068】
図示されていない更に別の可能な代替例によると、弱化作業はまた、カバー部15の両側27a,27b上に各々の切れ目ラインを形成することによって行っても良い。
【実施例5】
【0069】
図示されていない更に別の可能な代替例によれば、開封部材16を注ぎ口2のカバー部15上に取り付け且つ溶着させ、次いで、キャップ4を注ぎ口2及び開封部材によって形成された組立体に取り付けても良い。
【0070】
この代替例は、弱化作業が行われるカバー部15のいずれの例にも当てはまる。
【0071】
当該容器の最初の開封は、キャップ4を緩めて注ぎ口2から取り外すことからなる単一のステップで行うことができる。
【0072】
図1において、キャップ4が軸線Aを中心に反時計方向に回されると、相互に噛み合っているねじ部9及び10は、キャップ4を注ぎ口2から外れる方向へ同時に動かして結合手段14を破壊する。この作用の結果、いたずら防止リング12は首部6のねじ部10の底部に対して軸線方向に当接したままとされる。
【0073】
この段階で、開封部材16は、キャップ4との如何なる回転結合がなく、依然として当該開封部材が溶着されているカバー部15の頂面に押し付けられたままである。
【0074】
キャップ4の軸線Aに沿った必然的な並進を伴う更なる回転により、ねじ部9の上方部分が開封部材16の外側端縁17と係合し、当該キャップを更に回転させると、開封部材16に垂直方向の力が発生されて開封部材が軸線Aに沿って引っ張り上げられ、この時点で、開封部材16はキャップ4と共に軸線Aに動き、このようにして、弱化線27に破壊作用を発生させてカバー部15が注ぎ口2の首部6から分離せしめられて注ぎ開口部3が開放される。実際には、開封部材16はキャップ4による軸線Aに沿った完全な並進動作で駆動され、一方、キャップは回転並進動作をする。
【0075】
キャップ4が注ぎ口2から完全に取り外されると、開封部材16及びカバー部15は、キャップから不意に外れないようにねじ部9によって座20内に浮遊状態で保持される。
【0076】
カバー部15は、廃棄状態とは対照的に、溶着によって開封部材16に結合されたままである。
【0077】
容器は、キャップ4を注ぎ口2上へと単に付け戻すことによって再び密閉することができる。この状態で、閉塞部材1の再密封は、再密封位置においてキャップ4によって注ぎ口2にかけられる圧力による首部6の頂部端縁18と突条22との協働によって確保される。
【実施例6】
【0078】
図7の変形例は、開封部材16と係合し且つ当該開封部材16を軸線A方向に引っ張るためのキャップ4の駆動手段の異なる形状に関する。
【0079】
この場合には、当該駆動手段は、横壁8の内側面から伸長しており且つ図示されている例においては軸線A方向においてねじ部9の上方部分よりも高い位置に配置されている環状の突出部35を含んでいる。当該突出部35はまた、軸線Aを中心として角度方向に隔置され且つ当該軸線に関して同じ高さ又は異なる高さに配置された種々の部材によって構成されても良い。
【0080】
当該駆動手段はまた、図7に示されているタイプの突出部であるが軸線Aを中心として全周に亘っては延びていない突出部とねじ部9の上方部分とによって形成することもでき、これらは両方とも開封部材16の外側端縁17と協働してキャップ4の回転並進動作中に当該キャップを軸線Aに沿って上方へ引っ張り上げる。
【実施例7】
【0081】
図8及び9の変形例は、キャップ4を注ぎ口2から最初に取り外した後にキャップの座20の内側で開封部材16を正しく中心合わせすること、従って、容器を再び閉塞するときに注ぎ口に関して正しく中心合わせすることに関する。中心合わせを維持することによって、閉塞部材1の正しい再密封が保証される。
【0082】
図8の実施形態においては、開封部材16は、その外周に沿って、キャップ4の横壁8の内側面と協働する薄い突出伸長部36を備えていて、この部分とキャップ4との組立を損なうことなく、開封部材を座20内の中心位置に保つ補助としている。
【実施例8】
【0083】
図9の実施形態においては、開封部材16及びキャップ4の頂壁11は、各々、相互に係合してキャップが完全に閉塞された状態及び再閉塞された状態でキャップに対する開封部材の中心合わせ位置を規定する突出部37及びこれと相補形状の凹部38を備えている。突出部37及びこれと相補形状の凹部38の各々はまた、注ぎ口2上へのキャップのねじ込み動作の最終段階中に、これらが相互に係合するのを容易にするために、頂壁11の内側へと向いたテーパー構造をも備えていても良い。
【0084】
突出部37はまた、キャップの頂壁11及び開封部材16上の相補形状の凹部38上に設けられても良い。
【実施例9】
【0085】
図10の変形例は、注ぎ口2の異なる解決方法に関し、当該注ぎ口の頂部端縁18は、食品を容器から直接取り出す際に、ユーザーの口に対する確かな感覚を生じさせることができる丸味が付けられた環状の突条40を備えている。
【0086】
この場合には、丸味が付けられた突条40により、開封部材16の形状が改造されており、特に、開封部材16の突条21は、カバー部15に溶着されるように、上記の方法と比較すると高さが高く、外側端縁17によって境界を定められ、環状の座39は、注ぎ口2の丸味が付けられた端縁40を所定の遊びをもって受け入れるためのU字形状部分を有している。
【0087】
再閉塞は、開封部材16の突条22と注ぎ口2の丸味が付けられた突条40との協働によって達成される。
【実施例10】
【0088】
図示されていない更に別の可能な変形例によると、閉塞部材1の再閉塞はまた、座39を、注ぎ口2の丸味が付けられた端縁40のものと正確に相補な形状を有する構造とすることによっても達成することができ、この場合には、突条22は必要でないかも知れない。その上、この構造はまた、注ぎ口2に関して開封部材16の正しい中心合わせを確保する補助とすることもできる。
【実施例11】
【0089】
図11の変形例においては、閉塞部材1の最初の開封の後の再密封は、キャップ4の注ぎ口2からの最初の取り外しの際に開封部材16と係合し且つ当該開封部材を軸線Aに沿って引っ張るための駆動手段をも規定しているキャップ4の突出リップ部41によって確保される。
【0090】
特に、この場合には、開封部材16は、閉塞部材1の最初の開封中にキャップ4から垂直方向の力を受け且つ受けた力をカバー部15に伝えて、カバー部15を注ぎ口2の残りの部分から分離させる機能を果たすだけである。
【0091】
更に特定すると、閉塞部材1を再密封させる機能と開封部材16をそのプルアップ動作へと駆動する機能との両方の機能を果たすために、キャップ4の頂壁11は、円形の帯43を介して横壁8に外部から係合せしめられ且つ内側に突出リップ部41が設けられた開口した端縁42を備えた逆円筒形カップ形状を有している。
【0092】
更に詳述すると、キャップ4の頂壁11は、注ぎ開口部3の直径よりも大きい直径を有し且つ軸線Aに関して円形の帯43よりも高い位置に伸長してする円板形状の主要部分44と、当該主要部分44を円形の帯43に結合させ且つ当該円形の帯43との交差位置に端縁42を形成している横円筒部分45とを備えている。
【0093】
突出リップ部41は、横円筒部分45から径方向に突出するために、各々、端縁42から注ぎ口2の頂面に向かって及び軸線Aの方向に向かって伸長している。
【0094】
キャップ4が注ぎ口2上に完全にねじ込まれると、突出リップ部41は、首部6の頂部端縁17に押し付けられて閉塞部材1の再密封が確保される。
【0095】
この場合には、開封部材16は、閉塞部材1の最初の開封の際に、突出リップ部41と係合し且つ当該リップ部41によって軸線Aの方向に引っ張られるようにするために、横円筒形部分45の方へ突出している切頭円錐形状の外側端縁46を備えている。
【0096】
突出リップ部41と外側端縁46との間の係合はまた、開封部材16のキャップ4に対する正しい中心合わせをも確保する。
【0097】
当該閉塞部材及びその製造方法の利点は以下の説明から明らかになるであろう。
【0098】
注ぎ口2の注ぎ側の密封が、単に注ぎ口を製造するための形成作業によって得られるカバー部15によって形成されるという事実により、特に、材料が気体及び/又は光の遮蔽材料であり従って極めて高価である場合に材料の浪費が排除される。この場合には、実際には、容器の最初の開封中に、最初に注ぎ口の嵌合部の端部から取り外し、次いで、注ぎ口に溶着され且つ最初の使用の際に再度取り外される別の部材と置き換える代わりに、容器の最初の開封の際にカバー部15を注ぎ口から取り外すために単に開封部材16に溶着するだけで良い。
【0099】
更に、注ぎ口2のカバー部15に溶着される開封部材を使用することによって、閉塞部材1の最初の開封が、ユーザーの単一の動作により且つ負担が少ない状態で達成することができる。
【0100】
実際には、キャップ4を回す間に、開封部材16は、軸線A方向の純粋な並進動作で当該キャップによって駆動され、それによる引っ張り力によって、首部6からのカバー部15の同時取り外しがなされる。
【0101】
当該出願人は、注ぎ口のカバー部に対してかけられるこの種の応力は、除去される材料の全輪郭にかけられる剪断応力と比較した場合に、ユーザーの負担が少ない状態で、容器の最初の開封を達成することが可能になることに注目した。全く同じ方法で、ユーザーが許容可能な開封トルクによって容器を最初に開封することができるようにするために、引っ張り応力の使用は、破断領域を弱化する必要性に対する影響力が剪断応力を使用する場合と比較して少ない。
【0102】
当該出願人は、実際には、後者の場合(剪断応力を使用する場合)に、破断領域を十分に弱化させるためには、切断部に残っている材料(すなわち、連続して分離されるべき2つの部分を結合している材料)は、数百分の1ミリの精度で数百分の1ミリ程度に薄いことが必要である。このことは、実際には極めて実現困難であり得る。
【0103】
本発明の場合には、当該出願人は、破断領域を弱化させる必要性が約一桁少なくなると予測している。
【0104】
更に、特定の位置で開封部材16の外側端縁17との係合を開始させ且つキャップが回されるにつれて係合領域を徐々に増すために、キャップ4上の駆動手段(例えば、ねじ部9の上方部分及び/又は突出部35)を軸線A方向の種々の高さに配置することによって、弱化の必要度が更に減じられるかも知れない。この場合、実際には、ユーザーに要求されるトルクの負担は、全てが軸線A方向の同じ高さに配置されている駆動手段の場合より小さい。
【0105】
更に、開封部材16がキャップ4との如何なる回転結合も有しないという事実により、カバー部15の破断を開始させる前のキャップの回転角度は、例えば、いたずら防止リング12をキャップにつなげている結合手段14を破断させるのに必要とされる回転角度をより大きくするように調整することができる。このことは、開封部材16とキャップ4の受け座20との間の軸線A方向の遊びの値を適当に設定することによって行うことができる。
【0106】
しかしながら、特許請求の範囲に規定されている範囲から逸脱することなく、ここに記載され且つ図示されている閉塞部材1及び方法に変更を加えても良いことは明らかである。
【符号の説明】
【0107】
1 閉塞部材
A 長手軸線
2 注ぎ口
3 注ぎ開口部
4 キャップ
5 基部
6 首部
7 内側径方向端縁
8 横壁
9 ねじ部
10 ねじ部
11 頂壁
12 いたずら防止リング
13 底部端縁
14 結合手段
15 カバー部
16 開封部材
17 外側端縁
18 頂部端縁
20 座
21、22 突条
25 本体
26 頂部
27 弱化線
28 超音波装置
29 管状部材
30 作用面
31 裏当て部材
33 突条
34 裏当て部材
35 突出部
37 突出部
38 凹部
39 座
40 突条
41 突出リップ部
42 開口した端縁
43 円形の帯
44 主要部分
45 横円筒部分
46 外側端縁
【特許請求の範囲】
【請求項1】
注出可能な食品の密封容器のための閉塞部材(1)であり、
注ぎ開口部(3)を規定するための首部(6)と、使用中に前記容器と対向している側と反対側において注ぎ開口部(3)を閉塞しているカバー部(15)とを備えている注ぎ口(2)と、
前記注ぎ口(2)に取り付けたり取り外したりすることができるキャップ(4)と、を備え、
前記キャップ(4)と前記注ぎ口(2)のカバー部(15)との間に介装され且つ前記カバー部(15)に結合されている開封部材(16)を更に備えており、
当該閉塞部材(1)がユーザーによって開封されるときに、前記カバー部(15)を前記首部(6)から分離させ且つ前記注ぎ開口部(3)を開放させるために、前記キャップ(4)が前記注ぎ口(2)から取り外されたときに、前記開封部材(16)を、当該開封部材と係合し且つ当該開封部材を横切る軸線A方向に引っ張るために、キャップ(4)によって担持されている駆動手段(9,35,41)と、を備えたことを特徴とする閉塞部材。
【請求項2】
前記注ぎ口(2)が、少なくとも1つの気体及び/又は光の遮蔽材料の層を備えていることを特徴とする請求項1に記載の閉塞部材。
【請求項3】
前記キャップ(4)が、前記軸線(A)に平行な少なくとも1つの構成要素を含む行程によって前記注ぎ口(2)から取り外すことができることを特徴とする請求項1又は2に記載の閉塞部材。
【請求項4】
前記注ぎ口(2)に対してなされるキャップ(4)の行程が前記軸線(A)を中心とする回転要素を含み、前記キャップ(4)が前記開封部材(16)に関して前記軸線(A)を中心として自由に回転させることができることを特徴とする請求項3に記載の閉塞部材。
【請求項5】
前記注ぎ口(2)の前記カバー部(15)が、当該閉塞部材(1)の最初の開封の際における前記首部(6)からの前記カバー部(15)の分離を容易化するために、その外周に沿って弱化部分(27)を備えていることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一の項に記載の閉塞部材。
【請求項6】
前記弱化部分(27)が、前記カバー部(15)における前記キャップ(4)から離れる方向に面している側(27a)に形成された刻み目を備えていることを特徴とする請求項5に記載の閉塞部材。
【請求項7】
前記弱化部分が、前記カバー部(15)における前記キャップ(4)に対向している側(27b)に形成された刻み目を備えていることを特徴とする請求項5に記載の閉塞部材。
【請求項8】
前記弱化部分(27)が、前記カバー部(15)の両側(27a,27b)に形成された刻み目を備えていることを特徴とする請求項5に記載の閉塞部材。
【請求項9】
前記弱化部分が、前記カバー部(15)全体に亘って切れ目(23)を備えており、前記カバー部(15)と、前記切れ目(23)に沿って延びている開封部材(16)との間に溶着領域(24)を備えていることを特徴とする請求項5に記載の閉塞部材。
【請求項10】
前記キャップ(4)の頂部(11,8)と前記駆動手段(9,35,41)とが、前記開封部材(16)が前記キャップ(4)から不意に外れるのを防止するために、前記開封部材(16)のための保持座(20)を形成していることを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか一の項に記載の閉塞部材。
【請求項11】
前記開封部材(16)が、前記キャップ(4)の保持座(20)内に自由に回転可能な形態で保持されることを特徴とする請求項10に記載の閉塞部材。
【請求項12】
前記開封部材(16)が、前記軸線(A)方向に所定の遊びを有した状態で前記キャップ(4)の保持座(20)の内側に包含されていることを特徴とする請求項10又は11に記載の閉塞部材。
【請求項13】
前記開封部材(16)を、前記キャップ(4)の保持座(20)内で中心合わせされた状態で保持するための中心合わせ手段(36;37,38)を更に備えていることを特徴とする請求項10〜12のうちのいずれか一の項に記載の閉塞部材。
【請求項14】
前記中心合わせ手段が、前記キャップ(4)と前記開封部材(16)とに設けられた相互に係合する突出部と凹部(37,38)とを含んでいることを特徴とする請求項13に記載の閉塞部材。
【請求項15】
前記首部(6)とキャップ(4)とが、前記行程を規定するために、各々の係合ねじ部(10,9)を備えていることを特徴とする請求項2〜14のうちのいずれか一の項に記載の閉塞部材。
【請求項16】
前記駆動手段が、前記開封部材(16)に隣接した位置に前記キャップ(4)のねじ部(9)の一部分を含んでいることを特徴とする請求項15に記載の閉塞部材。
【請求項17】
前記駆動手段が、前記キャップ(4)の横壁(8)から前記注ぎ口(2)の首部(6)まで延びている少なくとも1つの部材(35)を備えていることを特徴とする請求項1〜16のうちのいずれか一の項に記載の閉塞部材。
【請求項18】
前記駆動手段が、前記軸線(A)方向の種々の高さに配置された多数の前記部材(35)を備えていることを特徴とする請求項17に記載の閉塞部材。
【請求項19】
前記開封部材(16)が、当該閉塞部材の最初の開封後においてさえ当該閉塞部材の再密封を確保するために、前記注ぎ開口部(3)の周りに、前記注ぎ口(2)の領域(18)と協働するための接触部分(22)を備えていることを特徴とする請求項1〜18のうちのいずれか一の項に記載の閉塞部材。
【請求項20】
前記開封部材(16)が、当該閉塞部材の最初の開封後においてさえ当該閉塞部材の再密封を確保するために、前記注ぎ開口部(3)の周りに、前記注ぎ口(2)の領域(18)と協働するための接触部分(41)を備えていることを特徴とする請求項1〜19のうちのいずれか一の項に記載の閉塞部材。
【請求項21】
前記キャップ(4)の接触部分(41)が、前記注ぎ口(2)からの前記キャップ(4)の最初の取り外し中に、前記開封部材(16)と係合し且つ当該開封部材(16)を引っ張るための駆動手段としても機能する突出リップ部(41)であることを特徴とする請求項20に記載の閉塞部材。
【請求項22】
前記容器の完全な端部壁を一体的に形成する構造とされていることを特徴とする請求項1〜21のうちのいずれか一の項に記載の閉塞部材。
【請求項23】
請求項1〜22のうちのいずれか一の項に記載の閉塞部材を製造する方法であり、
カバー部(15)が注ぎ開口部(3)を閉塞する閉塞位置に注ぎ口(2)を形成するステップと、
前記注ぎ口(2)に取り外し可能な形態で取り付けられるキャップ(4)を形成するステップとを含み、更に、
開封部材(16)を形成するステップと、
当該開封部材(16)を前記注ぎ口(2)のカバー部(15)に結合させて、使用中に、前記キャップ(4)と前記カバー部(15)との間に介装されるようにするステップとを含んでいる方法。
【請求項24】
前記注ぎ口(2)を形成する前記ステップが、
使用の際に、前記容器に面する側が開口しており且つ反対側が閉塞されている本体(25)を形成するステップと、
前記注ぎ口(2)を仕上げるために、前記本体(25)における前記注ぎ開口部(3)の境界を定めている側と反対側にプラスチック材料をオーバーモールドするステップとを含んでいることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記オーバーモールドステップが、前記キャップ(4)のねじ部(9)と係合するためのねじ部(10)を前記本体(25)上に形成するステップを含んでいることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記本体を形成するステップが、気体及び/又は光の遮蔽層を有するプラスチック材料によってなされることを特徴とする請求項24又は25に記載の方法。
【請求項27】
気体及び/又は光の遮蔽材料の層が、前記本体(25)の表面コーティングによって設けられることを特徴とする請求項24又は25に記載の方法。
【請求項28】
前記閉塞部材(1)の最初の開封の際に、前記首部(6)からの前記カバー部(15)の分離を容易化するために、前記カバー部(15)の周囲に沿って弱化部分(27)を形成するステップを更に含んでいることを特徴とする請求項23〜27のうちのいずれか一の項に記載の方法。
【請求項29】
前記弱化部分(27)が、前記カバー部(15)の少なくとも刻み目として形成されることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記弱化部分(27)を形成するステップが、前記カバー部(15)の前記キャップ(4)から離れる方向に面している側(27a)においてなされることを特徴とする請求項28又は29に記載の方法。
【請求項31】
前記開封部材(16)を前記注ぎ口(2)のカバー部(15)に結合させるステップ及び弱化部分(27)を形成するステップが、前記開封部材(16)を前記注ぎ口(2)上に取り付けた後に行われることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記開封部材(16)を前記注ぎ口(2)のカバー部(15)に結合させるステップ及び弱化部分(27)を形成するステップが、同時に行われることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記弱化部分を形成するステップが、前記開封部材(16)の下方に材料の完全な切断部を形成し且つ当該切断領域の周囲全体に亘って高温状態で行われることを特徴とする請求項28又は29に記載の方法。
【請求項34】
前記弱化部分(27)を形成するステップが、使用時に、前記カバー部(15)における前記キャップ(4)に面している側(27b)においてなされることを特徴とする請求項28又は29に記載の方法。
【請求項35】
前記弱化部分(27)を形成するステップが、前記オーバーモールドするステップ中に行われることを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記弱化部分(27)を形成するステップが、前記オーバーモールドするステップ後に行われることを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記弱化部分(27)を形成するステップが、前記開封部材(16)を前記カバー部(15)に結合させるステップの前に行われることを特徴とする請求項34〜36のうちのいずれか一の項に記載の方法。
【請求項38】
前記弱化部分(27)を形成するステップが、前記カバー部(15)の両側で行われることを特徴とする請求項28又は29に記載の方法。
【請求項39】
前記開封部材(16)を前記注ぎ口(2)のカバー部(15)に結合させるステップが、前記キャップ(4)と前記開封部材(16)とが組み立てられ且つ前記注ぎ口(2)に取り付けられた後に行われることを特徴とする請求項23〜38のうちのいずれか一の項に記載の方法。
【請求項40】
前記開封部材(16)を前記注ぎ口(2)のカバー部(15)に結合させるステップが、前記キャップ(4)が前記開封部材(16)と組み立てられ且つ前記注ぎ口(2)上に取り付けられる前に行われることを特徴とする請求項23〜38のうちのいずれか一の項に記載の方法。
【請求項41】
前記開封部材(16)を前記注ぎ口(2)のカバー部(15)に結合させるステップが溶着ステップであることを特徴とする請求項23〜40のうちのいずれか一の項に記載の方法。
【請求項1】
注出可能な食品の密封容器のための閉塞部材(1)であり、
注ぎ開口部(3)を規定するための首部(6)と、使用中に前記容器と対向している側と反対側において注ぎ開口部(3)を閉塞しているカバー部(15)とを備えている注ぎ口(2)と、
前記注ぎ口(2)に取り付けたり取り外したりすることができるキャップ(4)と、を備え、
前記キャップ(4)と前記注ぎ口(2)のカバー部(15)との間に介装され且つ前記カバー部(15)に結合されている開封部材(16)を更に備えており、
当該閉塞部材(1)がユーザーによって開封されるときに、前記カバー部(15)を前記首部(6)から分離させ且つ前記注ぎ開口部(3)を開放させるために、前記キャップ(4)が前記注ぎ口(2)から取り外されたときに、前記開封部材(16)を、当該開封部材と係合し且つ当該開封部材を横切る軸線A方向に引っ張るために、キャップ(4)によって担持されている駆動手段(9,35,41)と、を備えたことを特徴とする閉塞部材。
【請求項2】
前記注ぎ口(2)が、少なくとも1つの気体及び/又は光の遮蔽材料の層を備えていることを特徴とする請求項1に記載の閉塞部材。
【請求項3】
前記キャップ(4)が、前記軸線(A)に平行な少なくとも1つの構成要素を含む行程によって前記注ぎ口(2)から取り外すことができることを特徴とする請求項1又は2に記載の閉塞部材。
【請求項4】
前記注ぎ口(2)に対してなされるキャップ(4)の行程が前記軸線(A)を中心とする回転要素を含み、前記キャップ(4)が前記開封部材(16)に関して前記軸線(A)を中心として自由に回転させることができることを特徴とする請求項3に記載の閉塞部材。
【請求項5】
前記注ぎ口(2)の前記カバー部(15)が、当該閉塞部材(1)の最初の開封の際における前記首部(6)からの前記カバー部(15)の分離を容易化するために、その外周に沿って弱化部分(27)を備えていることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一の項に記載の閉塞部材。
【請求項6】
前記弱化部分(27)が、前記カバー部(15)における前記キャップ(4)から離れる方向に面している側(27a)に形成された刻み目を備えていることを特徴とする請求項5に記載の閉塞部材。
【請求項7】
前記弱化部分が、前記カバー部(15)における前記キャップ(4)に対向している側(27b)に形成された刻み目を備えていることを特徴とする請求項5に記載の閉塞部材。
【請求項8】
前記弱化部分(27)が、前記カバー部(15)の両側(27a,27b)に形成された刻み目を備えていることを特徴とする請求項5に記載の閉塞部材。
【請求項9】
前記弱化部分が、前記カバー部(15)全体に亘って切れ目(23)を備えており、前記カバー部(15)と、前記切れ目(23)に沿って延びている開封部材(16)との間に溶着領域(24)を備えていることを特徴とする請求項5に記載の閉塞部材。
【請求項10】
前記キャップ(4)の頂部(11,8)と前記駆動手段(9,35,41)とが、前記開封部材(16)が前記キャップ(4)から不意に外れるのを防止するために、前記開封部材(16)のための保持座(20)を形成していることを特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか一の項に記載の閉塞部材。
【請求項11】
前記開封部材(16)が、前記キャップ(4)の保持座(20)内に自由に回転可能な形態で保持されることを特徴とする請求項10に記載の閉塞部材。
【請求項12】
前記開封部材(16)が、前記軸線(A)方向に所定の遊びを有した状態で前記キャップ(4)の保持座(20)の内側に包含されていることを特徴とする請求項10又は11に記載の閉塞部材。
【請求項13】
前記開封部材(16)を、前記キャップ(4)の保持座(20)内で中心合わせされた状態で保持するための中心合わせ手段(36;37,38)を更に備えていることを特徴とする請求項10〜12のうちのいずれか一の項に記載の閉塞部材。
【請求項14】
前記中心合わせ手段が、前記キャップ(4)と前記開封部材(16)とに設けられた相互に係合する突出部と凹部(37,38)とを含んでいることを特徴とする請求項13に記載の閉塞部材。
【請求項15】
前記首部(6)とキャップ(4)とが、前記行程を規定するために、各々の係合ねじ部(10,9)を備えていることを特徴とする請求項2〜14のうちのいずれか一の項に記載の閉塞部材。
【請求項16】
前記駆動手段が、前記開封部材(16)に隣接した位置に前記キャップ(4)のねじ部(9)の一部分を含んでいることを特徴とする請求項15に記載の閉塞部材。
【請求項17】
前記駆動手段が、前記キャップ(4)の横壁(8)から前記注ぎ口(2)の首部(6)まで延びている少なくとも1つの部材(35)を備えていることを特徴とする請求項1〜16のうちのいずれか一の項に記載の閉塞部材。
【請求項18】
前記駆動手段が、前記軸線(A)方向の種々の高さに配置された多数の前記部材(35)を備えていることを特徴とする請求項17に記載の閉塞部材。
【請求項19】
前記開封部材(16)が、当該閉塞部材の最初の開封後においてさえ当該閉塞部材の再密封を確保するために、前記注ぎ開口部(3)の周りに、前記注ぎ口(2)の領域(18)と協働するための接触部分(22)を備えていることを特徴とする請求項1〜18のうちのいずれか一の項に記載の閉塞部材。
【請求項20】
前記開封部材(16)が、当該閉塞部材の最初の開封後においてさえ当該閉塞部材の再密封を確保するために、前記注ぎ開口部(3)の周りに、前記注ぎ口(2)の領域(18)と協働するための接触部分(41)を備えていることを特徴とする請求項1〜19のうちのいずれか一の項に記載の閉塞部材。
【請求項21】
前記キャップ(4)の接触部分(41)が、前記注ぎ口(2)からの前記キャップ(4)の最初の取り外し中に、前記開封部材(16)と係合し且つ当該開封部材(16)を引っ張るための駆動手段としても機能する突出リップ部(41)であることを特徴とする請求項20に記載の閉塞部材。
【請求項22】
前記容器の完全な端部壁を一体的に形成する構造とされていることを特徴とする請求項1〜21のうちのいずれか一の項に記載の閉塞部材。
【請求項23】
請求項1〜22のうちのいずれか一の項に記載の閉塞部材を製造する方法であり、
カバー部(15)が注ぎ開口部(3)を閉塞する閉塞位置に注ぎ口(2)を形成するステップと、
前記注ぎ口(2)に取り外し可能な形態で取り付けられるキャップ(4)を形成するステップとを含み、更に、
開封部材(16)を形成するステップと、
当該開封部材(16)を前記注ぎ口(2)のカバー部(15)に結合させて、使用中に、前記キャップ(4)と前記カバー部(15)との間に介装されるようにするステップとを含んでいる方法。
【請求項24】
前記注ぎ口(2)を形成する前記ステップが、
使用の際に、前記容器に面する側が開口しており且つ反対側が閉塞されている本体(25)を形成するステップと、
前記注ぎ口(2)を仕上げるために、前記本体(25)における前記注ぎ開口部(3)の境界を定めている側と反対側にプラスチック材料をオーバーモールドするステップとを含んでいることを特徴とする請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記オーバーモールドステップが、前記キャップ(4)のねじ部(9)と係合するためのねじ部(10)を前記本体(25)上に形成するステップを含んでいることを特徴とする請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記本体を形成するステップが、気体及び/又は光の遮蔽層を有するプラスチック材料によってなされることを特徴とする請求項24又は25に記載の方法。
【請求項27】
気体及び/又は光の遮蔽材料の層が、前記本体(25)の表面コーティングによって設けられることを特徴とする請求項24又は25に記載の方法。
【請求項28】
前記閉塞部材(1)の最初の開封の際に、前記首部(6)からの前記カバー部(15)の分離を容易化するために、前記カバー部(15)の周囲に沿って弱化部分(27)を形成するステップを更に含んでいることを特徴とする請求項23〜27のうちのいずれか一の項に記載の方法。
【請求項29】
前記弱化部分(27)が、前記カバー部(15)の少なくとも刻み目として形成されることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記弱化部分(27)を形成するステップが、前記カバー部(15)の前記キャップ(4)から離れる方向に面している側(27a)においてなされることを特徴とする請求項28又は29に記載の方法。
【請求項31】
前記開封部材(16)を前記注ぎ口(2)のカバー部(15)に結合させるステップ及び弱化部分(27)を形成するステップが、前記開封部材(16)を前記注ぎ口(2)上に取り付けた後に行われることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記開封部材(16)を前記注ぎ口(2)のカバー部(15)に結合させるステップ及び弱化部分(27)を形成するステップが、同時に行われることを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記弱化部分を形成するステップが、前記開封部材(16)の下方に材料の完全な切断部を形成し且つ当該切断領域の周囲全体に亘って高温状態で行われることを特徴とする請求項28又は29に記載の方法。
【請求項34】
前記弱化部分(27)を形成するステップが、使用時に、前記カバー部(15)における前記キャップ(4)に面している側(27b)においてなされることを特徴とする請求項28又は29に記載の方法。
【請求項35】
前記弱化部分(27)を形成するステップが、前記オーバーモールドするステップ中に行われることを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記弱化部分(27)を形成するステップが、前記オーバーモールドするステップ後に行われることを特徴とする請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記弱化部分(27)を形成するステップが、前記開封部材(16)を前記カバー部(15)に結合させるステップの前に行われることを特徴とする請求項34〜36のうちのいずれか一の項に記載の方法。
【請求項38】
前記弱化部分(27)を形成するステップが、前記カバー部(15)の両側で行われることを特徴とする請求項28又は29に記載の方法。
【請求項39】
前記開封部材(16)を前記注ぎ口(2)のカバー部(15)に結合させるステップが、前記キャップ(4)と前記開封部材(16)とが組み立てられ且つ前記注ぎ口(2)に取り付けられた後に行われることを特徴とする請求項23〜38のうちのいずれか一の項に記載の方法。
【請求項40】
前記開封部材(16)を前記注ぎ口(2)のカバー部(15)に結合させるステップが、前記キャップ(4)が前記開封部材(16)と組み立てられ且つ前記注ぎ口(2)上に取り付けられる前に行われることを特徴とする請求項23〜38のうちのいずれか一の項に記載の方法。
【請求項41】
前記開封部材(16)を前記注ぎ口(2)のカバー部(15)に結合させるステップが溶着ステップであることを特徴とする請求項23〜40のうちのいずれか一の項に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2010−528947(P2010−528947A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−510793(P2010−510793)
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【国際出願番号】PCT/EP2008/056945
【国際公開番号】WO2008/148823
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月4日(2008.6.4)
【国際出願番号】PCT/EP2008/056945
【国際公開番号】WO2008/148823
【国際公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)
【Fターム(参考)】
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