説明

注射針キャップ着脱装置

【課題】 注射針キャップの着脱を片手で安全に、かつ確実に行うことが可能な注射針キャップ着脱装置の提供。
【解決手段】 拡径部と縮径部の外周面をテーパー面によって繋いで形成した内コレットと、該内コレットの縮径部を内挿する内周面を有する外コレットと、該外コレットを内径・外径方向に収縮・拡張自在とする弾性部材とを備え、注射針キャップを該内コレットに嵌入し、該内コレットのテーパ面と該外コレットの内周面との当接によって、該キャップ把持部で注射針キャップの側面を把持して、注射針キャップが脱着された状態での注射器の引き抜きを可能とし、さらに、該キャップ把持部に把持された注射針キャップに注射器を戻し、該内コレットの該テーパー面と該外コレットの内周面との当接が解除されることにより、該キャップ把持部と注射針キャップの側面との間に空隙を形成して、注射針キャップが装着された状態での注射器の引き抜きを可能に構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注射針キャップの着脱をワンタッチで行うことができる、注射針キャップ着脱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、病院や製薬研究所等の医療関係機関において、注射針キャップの着脱という作業が日常的に行われているが、誤って自らの手や指に注射針を突き刺すという針刺し事故が後をたたない。
そして、このような針刺し事故は、特に使い捨てタイプのディスポ注射器におけるリキャップ時に多発している。また、感染性使用済み注射針による針刺し事故は、医療関係機関における職業感染の大きな原因の一つともなっている。
しかしながら、従来、針刺し事故は個人的な不注意として処理され、具体的な事故防止対策については講じられてこなかった。
【0003】
かかる状況下、医療関係機関の従事者の間では、針刺し事故を予防可能な安全機器の開発が切望されており、このような機器を提供するものとしては、例えば、特許文献1の技術が従来知られている。該特許文献1では、注射針キャップの挿脱を片手で行うことを課題として、下部が相手部材に支持可能に形成され、上部に開口を有する支持体と、開口端が前記開口に連通した状態で該支持体内に設けられ、奥部がキャップ当接面になった筒状案内体と、該筒状案内体の開口端部に設けられた、押圧力により拡開可能な略V字形の挟持面を有するキャップ保持体とから構成された注射針キャップ用保持具が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−127766
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1によれば、筒状案内体に挿入した注射針キャップを、キャップ先端を支点にして下方に押し下げ、キャップ保持体の弾性挟持面を拡開させて拘持することによって注射針キャップの脱着を行い、一方で、キャップ保持体に拘持されているキャップに注射器を係着し、キャップの先端を支点にして注射器を回転させるように一体に持ち上げて、キャップを弾性挟持面から離脱することによって注射針キャップの装着を行うようにしたものであるため、注射針キャップの着脱を確実に行うことが困難であり、操作性の点でも問題があった。
【0006】
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、注射針キャップの着脱を片手で安全に、かつ確実に行うことが可能な注射針キャップ着脱装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、請求項1記載の把持固定装置は、棒状の対象物を把持固定するための装置であって、
拡径部と縮径部の外周面をテーパー面によって繋いで形成し、対象物を該拡径部側の端部から嵌入可能とされ、対象物の側面を把持可能な把持部を内周面に有する内コレットと、
該内コレットの縮径部を内挿する内周面を有する外コレットと、
該外コレットを内径・外径方向にそれぞれ収縮・拡張自在とする弾性部材とを備え、
対象物を嵌入された該内コレットを軸方向の縮径部の向きへと移動し、
該内コレットを所定の位置で停止させるとともに、該内コレットのテーパー面と該外コレットの内周面とが当接し、該弾性部材の弾性力によって該内コレットの該把持部が内径方向に変位し、
該把持部で対象物の側面を把持するようにしたことを要旨とする。
【0008】
また、請求項2記載の把持固定装置は、棒状の対象物を把持固定するための装置であって、
外周面にテーパー面が形成され、対象物を挿通可能な内周面を有するアンクランパーと、
該アンクランパー及び対象物を一方の端部から嵌入可能とされ、該アンクランパーの該テーパー面と当接し、該端部に向かってしだいに拡径されるテーパー面と、対象物の側面を把持可能な把持部を内周面に有するコレットと、
該コレットを内径・外径方向にそれぞれ収縮・拡張自在とする弾性部材とを備え、
対象物を嵌入された該コレットを軸方向の該アンクランパーとは逆の向きに移動し、
該コレットを所定の位置で停止させるとともに、該アンクランパーの該テーパー面と該コレットの該テーパー面との当接が解除されて、該弾性部材の弾性力によって、該コレットの該把持部が内径方向に変位し、
該把持部で対象物の側面を把持するようにしたことを要旨とする。
【0009】
また、請求項3記載の注射針キャップ着脱装置は、拡径部と縮径部の外周面をテーパー面によって繋いで形成し、注射針キャップを該拡径部側の端部から嵌入可能とされ、注射針キャップの側面を把持可能なキャップ把持部を内周面に有する内コレットと、
該内コレットの縮径部を内挿する内周面を有する外コレットと、
該外コレットを内径・外径方向にそれぞれ収縮・拡張自在とする弾性部材とを備え、
注射針キャップを装着した注射器の注射針キャップを、該内コレットに嵌入し、
該内コレットを軸方向の縮径部の向きへと移動し、
該内コレットを所定の位置で停止させるとともに、該内コレットのテーパー面と該外コレットの内周面とが当接し、該弾性部材の弾性力によって該内コレットの該キャップ把持部が内径方向に変位し、
該キャップ把持部で注射針キャップの側面を把持して、注射針キャップが脱着された状態での注射器の引き抜きを可能とし、
さらに、
該キャップ把持部に把持された注射針キャップに注射器を戻し、
該内コレットを軸方向の拡径部の向きへと移動し、
該内コレットを所定の位置で停止させるともに、該内コレットの該テーパー面と該外コレットの内周面との当接が解除され、該内コレットの該キャップ把持部が外径方向に変位し、
該キャップ把持部と注射針キャップの側面との間に空隙を形成して、注射針キャップが装着された状態での注射器の引き抜きを可能としたことを要旨とする。
【0010】
また、請求項4記載の注射針キャップ着脱装置は、拡径部と縮径部の外周面をテーパー面によって繋いで形成し、注射針キャップを該拡径部側の端部から嵌入可能とされ、注射針キャップの先端を当接可能なキャップ当接部と、注射針キャップの側面を把持可能なキャップ把持部とを内周面に有する内コレットと、
該内コレットの縮径部を内挿する内周面を有する外コレットと、
該外コレットの外周面に巻着される弾性リングと、
該内コレットと接続され、ばねを内蔵したプッシュラッチ機構とを備え、
注射針キャップを装着した注射器の注射針キャップを該キャップ当接部に当接させながら押圧する外力が加えられると、
軸方向の押圧される向きに、該内コレットが軸方向移動し、
該プッシュラッチ機構によって該内コレットが所定の位置で停止するとともに、該内コレットの該テーパー面と該外コレットの該内周面とが当接し、該弾性リングの弾性力によって、該内コレットの該キャップ把持部が内径方向に変位し、
該キャップ把持部で注射針キャップの側面を把持して、注射針キャップが脱着された状態での注射器の引き抜きを可能とし、
さらに、
該キャップ把持部に把持された注射針キャップに注射器を戻して、注射針キャップを該キャップ当接部に当接させながら押圧する外力が加えられると、
該プッシュラッチ機構に内蔵されたばねに付勢されて、軸方向の押圧された向きとは逆の向きに該内コレットが軸方向移動し、
該プッシュラッチ機構によって該内コレットが所定の位置で停止するとともに、該内コレットの該テーパー面と該外コレットの該内周面との当接が解除され、該内コレットの該キャップ把持部が外径方向に変位し、
該キャップ把持部と注射針キャップの側面との間に空隙を形成して、注射針キャップが装着された状態での注射器の引き抜きを可能としたことを要旨とする。
【0011】
また、請求項5記載の注射針キャップ着脱装置は、請求項4記載の構成において、該キャップ把持部による注射針キャップの側面の把持が完了した状態において、
該内コレットにおける、該拡径部側の、該テーパー面の端部の位置と、
該外コレットにおける、該内コレットの該拡径部側の、該内周面の端部の位置とを、
一致させるようにしたことを要旨とする。
【0012】
また、請求項6記載の注射針キャップ着脱装置は、請求項3乃至5の何れかに記載の構成において、載置面への吸着固定手段を備えたことを要旨とする。
【0013】
また、請求項7記載の注射針キャップ着脱装置は、外周面にテーパー面が形成され、注射針キャップを挿通可能な内周面を有するアンクランパーと、
該アンクランパー及び注射針キャップを一方の端部から嵌入可能とされ、該アンクランパーの該テーパー面と当接し、該端部に向かってしだいに拡径されるテーパー面と、注射針キャップの側面を把持可能なキャップ把持部を内周面に有するコレットと、
該コレットを内径・外径方向にそれぞれ収縮・拡張自在とする弾性部材とを備え、
注射針キャップを装着した注射器の注射針キャップを、該コレットに嵌入し、
該コレットを軸方向の該アンクランパーとは逆の向きに移動し、
該コレットを所定の位置で停止させるとともに、該アンクランパーの該テーパー面と該コレットの該テーパー面との当接が解除されて、該弾性部材の弾性力によって、該コレットの該キャップ把持部が内径方向に変位し、
該キャップ把持部で注射針キャップの側面を把持して、注射針キャップが脱着された状態での注射器の引き抜きを可能とし、
さらに、
該キャップ把持部に把持された注射針キャップに注射器を戻し、
該コレットを軸方向の該アンクランパーの向きへと移動し、
該コレットを所定の位置で停止させるとともに、該アンクランパーの該テーパー面と該コレットの該テーパー面とが当接し、該コレットの該キャップ把持部が外径方向に変位し、
該キャップ把持部と注射針キャップとの間に空隙を形成して、注射針キャップが装着された状態での注射器の引き抜きを可能としたことを要旨とする。
【0014】
また、請求項8記載の注射針キャップ着脱装置は、外周面にテーパー面が形成され、注射針キャップを挿通可能な内周面を有するアンクランパーと、
該アンクランパー及び注射針キャップを一方の端部から嵌入可能とされ、該アンクランパーのテーパー面と当接し、該端部に向かってしだいに拡径されるテーパー面と、注射針キャップの先端を当接可能なキャップ当接部と、注射針キャップの側面を把持可能なキャップ把持部とを内周面に有するコレットと、
該コレットの外周に巻着される弾性リングと、
該コレットと接続され、ばねを内蔵したプッシュラッチ機構とを備え、
注射針キャップを装着した注射器の注射針キャップを該キャップ当接部に当接させながら押圧する外力が加えられると、
軸方向の押圧される向きに、該コレットが軸方向移動し、
該プッシュラッチ機構によって該コレットが所定の位置で停止するとともに、該アンクランパーの該テーパー面と該コレットの該テーパー面との当接が解除されて、該弾性リングの弾性力によって、該コレットの該キャップ把持部が内径方向に変位し、
該キャップ把持部で注射針キャップの側面を把持して、注射針キャップが脱着された状態での注射器の引き抜きを可能とし、
さらに、
該キャップ把持部に恥じされた注射針キャップに注射器を戻して、注射針キャップを該キャップ把持部に当接させながら押圧する外力が加えられると、
該プッシュラッチ機構に内蔵されたばねに付勢されて、軸方向の押圧された向きとは逆の向きに該コレットが軸方向移動し、
該プッシュラッチ機構によって該コレットが所定の位置で停止するとともに、該アンクランパーの該テーパー面と該コレットの該テーパー面とが当接し、該コレットの該キャップ把持部が外径方向に変位し、
該キャップ把持部と注射針キャップとの間に空隙を形成して、注射針キャップが装着された状態での注射器の引き抜きを可能としたことを要旨とする。
【0015】
また、請求項9記載の注射針キャップ着脱装置は、請求項7又は8に記載の構成において、載置面への吸着固定手段を備えたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る注射針キャップ着脱装置は、内コレットと外コレット、あるいはアンクランパーとコレットという二つの部材の形状・配置関係等を工夫し、注射針キャップを嵌入した内コレットあるいはコレットを軸方向移動・停止させ、内コレットあるいはコレットを収縮・拡張させることによって、注射針キャップに対する把持力を発生・解除させるものであるため、注射針キャップの着脱をきわめて簡単・安全に、しかも確実に行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明に係る注射針キャップ着脱装置は、内コレットと外コレット、あるいはコレットとアンクランパーという二つの部材をそれぞれセットで用いるものであり、これら二つの部材の形状・配置に工夫を凝らすことで、注射針キャップの着脱をきわめて簡単に、かつ確実に行えるようにしたものである。
本発明における「アンクランパー」とは、注射針キャップを把持することなく挿通させ、コレットとの相互作用で注射針キャップの着脱を行うために用いる部材である。
二つの部材の一方(内コレットあるいはコレット)は、注射針キャップを嵌入して軸方向移動可能とするが、他方(外コレットあるいはアンクランパー)は移動不能に固設して構成する。
【0018】
コレット(又は内コレット、外コレット)としては、外径・内径方向への拡張・収縮を自在とするために弾性を有する素材を用いる。従来、コレットといえば金属製で形成されていたが、本発明ではアンクランパーを含めて上記部材はいずれも樹脂製で形成する。例えば、ポリアセタールやベークライトを用いれば、薄くしても折れにくいため好ましい。
また、上記二つの部材には、両部材間の滑動性を考慮して、堅さの異なる異質の素材(例えばポリアセタールとベークライト)を用いることが好ましく、さらに注射針キャップを嵌入する一方の部材を、注射針キャップと同質の柔らかい素材(ポリプロピレン等)で形成すれば、注射針キャップと馴染みやすく、注射器を押し込む力が軽減されて好ましい。
【0019】
注射器の種類・サイズは種々多様であるが、特にディスポ注射器の注射針キャップは一定寸法(外径5.8mm程度)で量産されており、本発明によって、種々のサイズの注射器に対応可能な装置を提供することが可能である。
コレット(又は内コレット、外コレット)には、外径・内径方向への拡張・収縮を容易にするためのすり割りを複数周設する。動きのしなやかさ、耐久性、弾力性等の観点、ならびに注射針キャップの外径寸法との兼ね合いから、すり割りは計8箇所設けることが最良である。すり割りは、注射針キャップを把持する力を均等とするためには軸心に対称に設けることが好ましいが、必ずしも対称でなくともよい。
【0020】
本発明における「プッシュラッチ機構」は、従来、キャビネットの扉の開閉部分等に、マグネットと組み合わせて常用されているものと同様の機構のものである。この機構は、一般に良く知られたものであるが、例えば実用新案出願公告平3−8774等に開示されているごとくのプッシュラッチ機構である。
すなわち、該プッシュラッチ機構は、プッシュラッチ機構から出没自在とされるラッチと、該ラッチに当接するコイルばねと、ストッパーピンとを内蔵し、該ストッパーピンの一端が、該ラッチに設けられる特殊形状の溝に折り曲げ係合され、一方で該ストッパーピンの他端が、抜け出し防止のために外部で折り曲げ固定されたものである。そして、該ラッチを該コイルばねの弾力に抗して押し込むと、該ストッパーピンの一端が該ラッチの溝内を移動し、所定の位置で停止することによって、該ラッチが押し込まれた状態で停止し、次いで、その状態で該ラッチを軽く押し込むと、該コイルばねの付勢力に従って、さらに該ストッパーピンの一端が該ラッチの溝内を移動し、所定の位置で停止することによって、該ラッチが元の位置に戻って停止するというものである。
【0021】
また、上記のプッシュラッチ機構に替えて、例えばモーターや電動によって、注射針キャップを嵌入された部材(内コレットあるいはコレット)を軸方向移動させるための駆動手段、その軸方向移動を所定の位置で停止させるための停止手段を備えるように構成してもよい。
【0022】
本発明に係る装置は、内コレットと外コレット、あるいはコレットとアンクランパーとをそれぞれ一対として、一本の注射器用の着脱装置を形成することとする他、これらを複数対設けて、複数本の注射器用の着脱装置を形成することとしてもよいことはもちろんである。
また、本発明に係る装置は、主として持ち運び自在に形成され、ワゴン等に載置しての使用が想定されるものであるが、例えばワゴン自体に埋め込んで形成する等、本発明に係る注射針キャップの着脱の仕組みを利用する限りにおいて、様々な形態の装置として提供することが可能である。
【0023】
本発明に係る装置は、注射針キャップのように比較的柔らかく、過度に強い力で把持すると破壊されるおそれのある棒状の対象物を一時的に把持固定可能なものであるため、注射針キャップのみならず、例えば樹脂やガラス製の中空部材からなる医療器具・実験器具等を嵌入して把持固定するための把持固定装置として提供することとしてもよい。
【実施例1】
【0024】
本発明の第1の実施例を図1〜図5に基づいて説明する。本実施例は、一対の内コレットと外コレットとを用いて形成した注射針キャップ着脱装置に関する。
本実施例に係る注射針キャップ着脱装置は、図1に示すように、上部に着脱孔(57)を有するドーム形状をなしたものである。
【0025】
内コレット(5)は、図2に示すように、途中から径寸法が変化する円筒状で、軸(A)方向に平行な外周面(8)(9)をそれぞれ有する拡径部(6)と縮径部(7)が形成され、それらがテーパー面(10)によって連続して繋がれている。図2、図4に示すように、内コレット(5)には、拡径部(6)から縮径部(7)へ向かって延びる、軸(A)方向に平行なすり割り(11)が計8箇所周設されている。
図3、図4に示すように、内コレット(5)は、拡径部(6)側の端部(25)から注射針キャップ(2)を嵌入可能に内周面(26)が形成され、注射針キャップ(2)を嵌入した際に、注射針キャップ(2)側面との間に所要の空隙(28)が介設されるようにキャップ把持部(27)が形成されている。また、注射針キャップ(2)を嵌入した際に、注射針キャップ(2)先端の縁部と当接するようにキャップ当接部(29)が設けられている。
さらに、注射針キャップ(2)の嵌入を容易にするために、拡径部(6)側の端部(25)に向かって内コレット(5)の内周面(26)をしだいに拡径するべく、キャップ把持部(27)に連続してテーパー面(30)が形成されている。
【0026】
外コレット(15)は、図2に示すように、途中から径寸法が変化する円筒状で、軸(A)方向に平行な外周面(18)(19)をそれぞれ有する拡径部(16)と縮径部(17)が形成され、それらがテーパー面(20)によって連続して繋がれている。図3、図4に示すように、外コレット(15)には、拡径部(16)から縮径部(17)へ向かって延びる、軸(A)方向に平行なすり割り(21)が計8箇所周設されている。
図3、図4に示すように、外コレット(15)は、外コレット(15)の拡径部(16)の端部(37)から内コレット(5)を内挿可能に内周面(35)が形成され、内コレット(5)を内挿した際に、外コレット(15)の内周面(35)と内コレット(5)の縮径部(7)の外周面(9)との間に所要の空隙(36)が介設されるようになされている。本実施例では、外コレット(15)の拡径部(16)の端部(37)近傍の内周面(35’)は、内コレット(5)のテーパー面(10)との干渉を避けるために、より広径に形成されている。
さらに、図2、図3(a)に示すように、外コレット(15)の拡径部(16)の外周面(18)には、弾性リング(40)を安定的に巻着するためのリング溝(38)が凹設されている。
なお、本実施例においては、内コレット(5)はポリアセタールにより、外コレット(15)はベークライトにより、それぞれ形成している。
【0027】
上記のように構成された内コレット(5)、外コレット(15)は、図3(a)に示すように、内コレット(5)の縮径部(7)を外コレット(15)の拡径部(16)側の端部(37)から内挿して配設されるが、注射針キャップ(2)を嵌入した直後の状態(図3(a))において、内コレット(5)のテーパー面(10)が外コレット(15)の内周面(35)と接触しないようにして配設される。さらに、外コレット(15)のリング溝(38)には、合成ゴム等により形成された弾性部材である弾性リング(40)が巻着されるが、このとき内コレットのテーパー面(10)が外コレットの内周面(35’)と接触しないように配設される。
図5に示すように、内コレット(5)の縮径部(17)側の端部(25a)は、プレート(45)を介してプッシュラッチ機構(50)のラッチ(51)と接続される。プレート(45)は折り曲げ加工されて両端にブラケット(46)(47)を形成され、内コレット(5)とラッチ(51)とが該ブラケット(46)(47)にそれぞれ螺子(48)(49)で留められている。外コレット(15)及びプッシュラッチ機構(50)は、それぞれブロック(53)とフレーム(54)(54’)によって固定され、外コレット(15)はブロック(53)に螺子(53’)で留められている。一方で、内コレット(5)は軸(A)方向移動可能に構成され、ラッチ(51)も内コレット(5)の軸(A)方向と平行な方向に移動可能とされている。これにより、内コレット(5)とラッチ(51)のみが、プレート(45)を介して同一方向に一体的に可動するようになされているものである。本実施例では、プッシュラッチ機構(50)を内コレット(5)の横に隣接して設けているが、内コレット(5)とプッシュラッチ機構(50)との配置関係は任意に設定可能である。
そして、内コレット(5)の拡径部(6)側の端部(25)に相当する位置に注射針キャップ(2)を出し入れ自在とする着脱孔(57)を設けられたケース(56)がフレーム(54’)に固定され、図1に示すごとくの外観の注射針キャップ着脱装置(1)が形成されている。
なお、装置底面には、ワゴン等載置面への吸着固定手段としての吸盤(58)がフレーム(54)に固設されている。このような吸着固定手段を設けることとすれば、装置(1)が安定し、装置(1)全体を非常に軽量に形成した場合であっても、片手で容易・簡単、かつ安全に注射針キャップ(2)の着脱を行うことが可能となる。
【0028】
次に、上記のごとく構成された注射針キャップ着脱装置(1)において、図3を用いて、注射針キャップ(2)の着脱を行う仕組みについて説明する。
図3(a)は、注射針を有する注射器(3)に注射針キャップ(2)が装着された状態での、注射針キャップ(2)を嵌入した直後の状況を示す図であるが、この状態から注射器(3)を軸(A)方向に押圧すると、注射針キャップ(2)の先端がキャップ当接部(29)に当接しながら、内コレット(5)を軸(A)方向の押圧される向きへと移動させる外力が生じる。
そして、この外力の働きによって、図3(b)に示すように、プッシュラッチ機構(50)によるそれ以上の移動が不能とされる位置(最大変位点)に達するまで、内コレット(5)は、プッシュラッチ機構(50)に内蔵されたばね(図示せず)の弾性力に抗して軸(A)方向移動する。内コレット(5)が軸(A)方向移動すると、内コレット(5)のテーパー面(10)と外コレット(15)の内周面(35)とが当接を開始し、当接を続けながら内コレット(5)が軸(A)方向の押圧される向きへと摺動される。このとき、内コレット(5)のテーパー面(10)の作用により、外コレット(15)の内周面(35)には外径方向に外コレット(15)を拡張しようとする力が生じるが、外コレット(15)の外周面(18)に巻着された弾性リング(40)の弾性力によって、内コレット(5)のテーパー面(10)には内径方向に内コレット(5)を収縮しようとする力が逆に生じる。このようにして、内コレット(5)のキャップ把持部(27)が内径方向に変位し、注射針キャップ(2)の側面を把持する力が発生することとなる。
内コレット(5)が最大変位点に達した後は、図3(c)に示すように、プッシュラッチ機構(50)によって内コレット(5)が軸(A)方向の押圧される向きとは逆の向きへと若干(本実施例では約2mm)押し戻されて停止するが、内コレット(5)のテーパー面(10)と外コレット(15)の内周面(35)との当接はなお維持されて、注射針キャップ(2)は把持されたままとなる。そして、この状態で、注射器(3)を引き抜けば、注射針キャップ(2)の脱着が完了する。
【0029】
なお、本実施例においては、図3(a)→図3(b)→図3(c)へと状態が変化するに応じて、内コレット(5)の最大径はφ16→φ14.7→φ14.7、外コレット(15)の最大径はφ22→φ23.1→φ22.9となるように設計した。
特に本実施例においては、内コレット(5)を押し込む力を軽減するために、図3(c)の把持完了時の状態において、内コレット(5)のテーパー面(10)の拡径部(6)側の端部(10a)と外コレット(15)の内周面(35)の拡径部(16)側の端部(35a)の位置とが一致するように、内コレット(5)と外コレット(15)の寸法設計の工夫を行っている。このようにすることで、図3(a)から図3(b)の状態に内コレット(5)を移動させる過程において、内コレット(5)のテーパー面(10)の拡径部(6)側の端部(10a)が外コレット(15)の内周面(35)の拡径部(16)側の端部(35a)の位置を通過してから内コレット(5)が最大変位点に達するまでの間の、押し込みに必要な外力の増加が不要となる。
【0030】
注射器(3)に注射針キャップ(2)を戻す際には、上記と逆の手順をふめばよい。
すなわち、図3(c)に示すごとく把持された注射針キャップ(2)に注射器(3)を戻し、注射器(3)を軸(A)方向に押圧する。すると、注射針キャップ(2)の先端がキャップ当接部(29)に当接しながら、内コレット(5)を軸(A)方向の押圧された向きへと移動させる外力が生じる。
そして、この外力の働きによって、図3(b)に示すように、最大変位点に達するまで、内コレット(5)は軸(A)方向移動する。
内コレット(5)が最大変位点に達した後は、プッシュラッチ機構(50)に内蔵されたばねの付勢力によって、内コレット(5)が軸(A)方向の押圧された向きとは逆の向きに押し戻され、図3(a)に示すように、内コレット(5)が当初の位置と同位置で停止する。
このとき、内コレット(5)のテーパー面(10)と外コレット(15)の内周面(35)との当接が解除されるため、内コレット(5)のテーパー面(10)に生じていた内径方向に内コレット(5)を収縮しようとする力も解除され、内コレット(5)のキャップ把持部(27)が外径方向に変位する。その結果、キャップ把持部(27)と注射針キャップ(2)側面との間には空隙(28)が再び形成されることとなって、内コレット(5)のキャップ把持部(27)に発生していた把持力が除去されることなる。そして、この状態で注射器(3)を引き抜けば、注射針キャップ(2)の装着が完了する。
【0031】
本実施例に係る注射針キャップ着脱装置(1)は、上述したごとくの着脱の仕組みにより、きわめて簡単な操作で用いることができる。すなわち、注射針キャップ(2)を装着した状態の注射器(3)を着脱孔(57)へ挿入して押し込むことで、注射針キャップ(2)の脱着を行い、さらに、注射針キャップ(2)を脱着された状態の注射器(3)を、同じく着脱孔(57)へ挿入して押し込むことで、注射針キャップ(2)の装着を行うことができるものである。
【0032】
本実施例に係る注射針キャップ着脱装置によれば、プッシュラッチ機構(50)との連動で内コレット(5)のテーパー面(10)と外コレット(15)の内周面(35)とが相互に作用し、内コレット(5)が内径・外径方向にそれぞれ収縮・拡張変位して、内コレット(5)のキャップ把持部(27)に注射針キャップ(2)側面を把持する力を発生・除去させるものであるため、きわめて簡単な操作で、しかも確実に注射針キャップ(2)の着脱を行うことが可能となる。
【実施例2】
【0033】
本発明の第2の実施例を図6〜図10に基づいて説明する。本実施例は、一対のアンクランパーとコレットとを用いて形成した注射針キャップ着脱装置に関する。
本実施例に係る注射針キャップ着脱装置は、図6に示すように、上部に着脱孔(57)を有するほぼ直方体状をなしたものである。
【0034】
図7に示すように、アンクランパー(70)は、一端から他端に向かって徐々に径寸法が小さくなるように外周面にテーパー面(71)を有する円筒状で、一端に固定用のフランジ(72)を備えたものである。
図8に示すように、アンクランパー(70)は、フランジ(72)を備えた一方の端部(85)から注射針キャップ(2)を挿通可能に、かつ注射針キャップ(2)を挿通した際に、注射針キャップ(2)側面との間に所要の空隙(87)が介設されるように内周面(86)が形成されている。
【0035】
図7に示すように、コレット(75)は、途中から径寸法が変化する円筒状で、軸(B)方向に平行な外周面(78)(79)をそれぞれ有する拡径部(76)と縮径部(77)が形成されている。図7、図9に示すように、コレット(75)には拡径部(76)から縮径部(77)に向かって延びる、軸(B)方向に平行なすり割り(81)が計8箇所周設されている。
図8に示すように、コレット(75)の拡径部(76)の内周面(90)には、拡径部(76)側の端部(92)に向かって内周面(90)をしだいに拡径するべく、アンクランパー(70)のテーパー面(71)に対応した形状のテーパー面(91)が形成されて、コレット(75)の拡径部(76)側の端部(92)からアンクランパー(70)を嵌入可能に構成されている。さらに、コレット(75)の縮径部(77)には、拡径部(76)側から注射針キャップ(2)を嵌入可能に内周面(90)が形成され、注射針キャップ(2)を嵌入した際に、注射針キャップ(2)側面との間に所要の空隙(94)が介設されるようにキャップ把持部(93)が形成されている。また、注射針キャップ(2)を嵌入した際に、注射針キャップ(2)先端の縁部と当接するようにキャップ当接部(95)が設けられている。
さらに、図7、図8(a)に示すように、コレット(75)の拡径部(76)の外周面(78)には、弾性リング(97)を安定的に巻着するためのリング溝(96)が凹設されている。
なお、本実施例においては、アンクランパー(70)はポリアセタールにより、コレット(75)はベークライトにより、それぞれ形成されている。
【0036】
上記のように構成されたアンクランパー(70)、コレット(75)は、図8(a)に示すように、アンクランパー(70)をコレット(75)の拡径部(76)側の端部(92)から嵌入して配設されるが、注射針キャップ(2)を嵌入した直後の状態(図8(a))において、アンクランパー(70)の外周のテーパー面(71)が、コレット(75)の内周のテーパー面(91)と当接するように配設される。さらに、コレット(75)のリング溝(96)には弾性リング(97)が巻着される。このとき、コレット(75)の拡径部(76)は、アンクランパー(70)のテーパー面(71)との当接が解除されれば、弾性リング(97)の弾性力により内径方向に収縮可能に保持され、尚且つキャップ把持部(93)と注射針キャップ(2)側面との間には所要の空隙(94)が介設されるようになされている。
図10に示すように、コレット(75)の縮径部(77)側の端部(92a)は、前実施例と同様、プレート(45)を介してプッシュラッチ機構(50)のラッチ(51)と接続されている。アンクランパー(70)及びプッシュラッチ機構(50)は、それぞれケース(104)に螺子(101)(100)で留められている。
コレット(75)は軸(B)方向に移動可能に構成され、ラッチ(51)もコレット(75)の軸(B)方向と平行な方向に移動可能とされており、前実施例と同様、コレット(75)とラッチ(51)のみがプレート(45)を介して同一方向に一体的に可動するようになされている。
そして、アンクランパー(70)の一方の端部(85)に相当する位置に注射針キャップ(2)を出し入れ自在とする着脱孔(57)を設けられたケース(104)がフレーム(102)に固定され、図6に示すごとくの外観の注射針キャップ着脱装置(1)が形成されている。
なお、装置底面には、ワゴン等載置面への吸着固定手段としての吸盤(58)がフレーム(102)に固設されている。
【0037】
次に、上記のごとく構成された注射針キャップ着脱装置(1)において、図8を用いて、注射針キャップ(2)の着脱を行う仕組みについて説明する。
図8(a)は、注射針キャップ(2)を装着した状態の注射器(3)の注射針キャップ(2)を嵌入した直後の状況を示す図であるが、この状態から注射器(3)を軸(B)方向に押圧すると、注射針キャップ(2)の先端がキャップ当接部(95)に当接しながら、コレット(75)を軸(B)方向の押圧される向きへと移動させる外力が生じる。
そして、この外力の働きによって、図8(b)に示すように、プッシュラッチ機構(50)によるそれ以上の移動が不能とされる位置(最大変位点)に達するまで、コレット(75)はプッシュラッチ機構(50)に内蔵されたばね(図示せず)の弾性力に抗して軸(B)方向移動する。コレット(75)が軸(B)方向移動すると、アンクランパー(70)のテーパー面(71)とコレット(75)のテーパー面(91)との当接が解除され、弾性リング(97)の弾性力により、コレット(75)を内径方向に収縮しようとする力が生じる。このようにして、コレット(75)のキャップ把持部(93)が内径方向に変位し、注射針キャップ(2)の側面を把持する力が発生することとなる。
コレット(75)が最大変位点に達した後は、図8(c)に示すように、プッシュラッチ機構(50)によってコレット(75)が軸(B)方向の押圧される向きとは逆の向きへと若干(本実施例では約2mm)押し戻されて停止するが、コレット(75)のキャップ把持部(93)に生じる把持力はなお維持されて、注射針キャップ(2)は把持されたままとなる。そして、この状態で、注射器(3)を引き抜けば、注射針キャップ(2)の脱着が完了する。
なお、本実施例においては、図8(a)→図8(b)→図8(c)へと状態が変化するに応じて、コレット(75)の最大径はφ23→φ22→φ22となるように設計されている。
【0038】
注射針キャップ(2)に注射器(3)を戻す際には、上記と逆の手順をふめばよい。
すなわち、図8(c)に示すごとく把持された注射針キャップ(2)に注射器(3)を戻し、注射器(3)を軸(B)方向に押圧すると、注射針キャップ(2)の先端がキャップ当接部(95)に当接しながらコレット(75)を軸(B)方向の押圧された向きへと移動させる外力が生じる。
そして、この外力の働きによって、図8(b)に示すように、最大変位点に達するまで、コレット(75)は軸(B)方向移動する。
コレット(75)が最大変位点に達した後は、プッシュラッチ機構(50)に内蔵されたばねの付勢力によって、コレット(75)が軸(B)方向の押圧された向きとは逆の向きに押し戻され、やがてアンクランパー(70)のテーパー面(71)とコレット(75)のテーパー面(91)とが当接を開始し、当接を続けながらコレット(75)が軸(B)方向に摺動して、当初の位置と同位置で停止する。
このとき、アンクランパー(70)のテーパー面(71)の作用により、コレット(75)のテーパー面(91)には、弾性リング(97)の弾性力に抗して外径方向にコレット(75)を拡張しようとする力が生じ、コレット(75)のキャップ把持部(93)が外径方向に変位する。
その結果、キャップ把持部(93)と注射針キャップ(2)側面との間には空隙(94)が再び形成されることとなって、コレット(75)のキャップ把持部(93)に発生していた把持力が除去されることなる。そして、この状態で注射器(3)を引き抜けば、注射針キャップ(2)の装着が完了する。
【0039】
本実施例に係る注射針キャップ着脱装置(1)は、上述したごとくの着脱の仕組みにより、前実施例と同様にきわめて簡単な操作で用いることができる。すなわち、注射針キャップ(2)を装着した状態の注射器(3)を着脱孔(57)へ挿入して押し込むことで、注射針キャップ(2)の脱着を行い、さらに、注射針キャップ(2)を脱着された状態の注射器(3)を、同じく着脱孔(57)へ挿入して押し込むことで、注射針キャップ(2)の装着を行うことができるものである。
【0040】
本実施例に係る注射針キャップ着脱装置によれば、プッシュラッチ機構(50)との連動でアンクランパー(70)のテーパー面(71)とコレット(75)のテーパー面(91)とが相互に作用し、コレット(75)が内径・外径方向にそれぞれ収縮・拡張変位して、コレット(75)のキャップ把持部(93)に注射針キャップ(2)側面を把持する力を発生・除去させるものであるため、きわめて簡単な操作で、しかも確実に注射針キャップ(2)の着脱を行うことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、医療現場等で頻繁に行われている注射針キャップの着脱作業を、片手で安全に、かつ確実に行うことを可能とする注射針キャップ着脱装置を提供するものであり、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】第1の実施例に係る注射針キャップ着脱装置の斜視図である。
【図2】第1の実施例に係る注射針キャップ着脱装置を構成する内コレット及び外コレットの側面図である。
【図3】第1の実施例に係る注射針キャップ着脱装置の要部縦断面図である。
【図4】第1の実施例に係る注射針キャップ着脱装置の要部横断面(X〜X’)図である。
【図5】第1の実施例に係る注射針キャップ着脱装置の縦断面図である。
【図6】第2の実施例に係る注射針キャップ着脱装置の斜視図である。
【図7】第2の実施例に係る注射針キャップ着脱装置の内部側面図である。
【図8】第2の実施例に係る注射針キャップ着脱装置を構成するアンクランパー及びコレットの側面図である。
【図9】第2の実施例に係る注射針キャップ着脱装置の要部縦断面図である。
【図10】第2の実施例に係る注射針キャップ着脱装置の要部横断面図(Y〜Y’)である。
【符号の説明】
【0043】
1 注射針キャップ着脱装置
2 注射針キャップ
3 注射器
5 内コレット
6 拡径部
7 縮径部
8 外周面
9 外周面
10 テーパ面
10a 端部
11 すり割り
15 外コレット
16 拡径部
17 縮径部
18 外周面
19 外周面
20 テーパ面
21 すり割り
25 端部
26 内周面
27 キャップ把持部
28 空隙
29 キャップ当接部
30 テーパ面
35、35’ 内周面
35a 端部
36 空隙
37、37a 端部
38 リング溝
40 弾性リング
45 プレート
46、47 ブラケット
48、49 螺子
50 プッシュラッチ機構
51 ラッチ
52 螺子
53 ブロック
53’螺子
54、54’ フレーム
55 螺子
56 ケース
57 着脱孔
58 吸盤
70 アンクランパー
71 テーパ面
72 フランジ
75 コレット
76 拡径部
77 縮径部
78、79 外周面
80 テーパ面
81 すり割り
85 端部
86 内周面
87 空隙
90 内周面
91 テーパ面
92、92a 端部
93 キャップ把持部
94 空隙
95 キャップ当接部
96 リング溝
97 弾性リング
100、101 螺子
102 フレーム
103 螺子
104 ケース
A、B 軸



【特許請求の範囲】
【請求項1】
棒状の対象物を把持固定するための装置であって、
拡径部と縮径部の外周面をテーパー面によって繋いで形成し、対象物を該拡径部側の端部から嵌入可能とされ、対象物の側面を把持可能な把持部を内周面に有する内コレットと、
該内コレットの縮径部を内挿する内周面を有する外コレットと、
該外コレットを内径・外径方向にそれぞれ収縮・拡張自在とする弾性部材とを備え、
対象物を嵌入された該内コレットを軸方向の縮径部の向きへと移動し、
該内コレットを所定の位置で停止させるとともに、該内コレットのテーパー面と該外コレットの内周面とが当接し、該弾性部材の弾性力によって該内コレットの該把持部が内径方向に変位し、
該把持部で対象物の側面を把持するようにした把持固定装置。
【請求項2】
棒状の対象物を把持固定するための装置であって、
外周面にテーパー面が形成され、対象物を挿通可能な内周面を有するアンクランパーと、
該アンクランパー及び対象物を一方の端部から嵌入可能とされ、該アンクランパーの該テーパー面と当接し、該端部に向かってしだいに拡径されるテーパー面と、対象物の側面を把持可能な把持部を内周面に有するコレットと、
該コレットを内径・外径方向にそれぞれ収縮・拡張自在とする弾性部材とを備え、
対象物を嵌入された該コレットを軸方向の該アンクランパーとは逆の向きに移動し、
該コレットを所定の位置で停止させるとともに、該アンクランパーの該テーパー面と該コレットの該テーパー面との当接が解除されて、該弾性部材の弾性力によって、該コレットの該把持部が内径方向に変位し、
該把持部で対象物の側面を把持するようにした把持固定装置。
【請求項3】
拡径部と縮径部の外周面をテーパー面によって繋いで形成し、注射針キャップを該拡径部側の端部から嵌入可能とされ、注射針キャップの側面を把持可能なキャップ把持部を内周面に有する内コレットと、
該内コレットの縮径部を内挿する内周面を有する外コレットと、
該外コレットを内径・外径方向にそれぞれ収縮・拡張自在とする弾性部材とを備え、
注射針キャップを装着した注射器の注射針キャップを、該内コレットに嵌入し、
該内コレットを軸方向の縮径部の向きへと移動し、
該内コレットを所定の位置で停止させるとともに、該内コレットのテーパー面と該外コレットの内周面とが当接し、該弾性部材の弾性力によって該内コレットの該キャップ把持部が内径方向に変位し、
該キャップ把持部で注射針キャップの側面を把持して、注射針キャップが脱着された状態での注射器の引き抜きを可能とし、
さらに、
該キャップ把持部に把持された注射針キャップに注射器を戻し、
該内コレットを軸方向の拡径部の向きへと移動し、
該内コレットを所定の位置で停止させるともに、該内コレットの該テーパー面と該外コレットの内周面との当接が解除され、該内コレットの該キャップ把持部が外径方向に変位し、
該キャップ把持部と注射針キャップの側面との間に空隙を形成して、注射針キャップが装着された状態での注射器の引き抜きを可能とした注射針キャップ着脱装置。
【請求項4】
拡径部と縮径部の外周面をテーパー面によって繋いで形成し、注射針キャップを該拡径部側の端部から嵌入可能とされ、注射針キャップの先端を当接可能なキャップ当接部と、注射針キャップの側面を把持可能なキャップ把持部とを内周面に有する内コレットと、
該内コレットの縮径部を内挿する内周面を有する外コレットと、
該外コレットの外周面に巻着される弾性リングと、
該内コレットと接続され、ばねを内蔵したプッシュラッチ機構とを備え、
注射針キャップを装着した注射器の注射針キャップを該キャップ当接部に当接させながら押圧する外力が加えられると、
軸方向の押圧される向きに、該内コレットが軸方向移動し、
該プッシュラッチ機構によって該内コレットが所定の位置で停止するとともに、該内コレットの該テーパー面と該外コレットの該内周面とが当接し、該弾性リングの弾性力によって、該内コレットの該キャップ把持部が内径方向に変位し、
該キャップ把持部で注射針キャップの側面を把持して、注射針キャップが脱着された状態での注射器の引き抜きを可能とし、
さらに、
該キャップ把持部に把持された注射針キャップに注射器を戻して、注射針キャップを該キャップ当接部に当接させながら押圧する外力が加えられると、
該プッシュラッチ機構に内蔵されたばねに付勢されて、軸方向の押圧された向きとは逆の向きに該内コレットが軸方向移動し、
該プッシュラッチ機構によって該内コレットが所定の位置で停止するとともに、該内コレットの該テーパー面と該外コレットの該内周面との当接が解除され、該内コレットの該キャップ把持部が外径方向に変位し、
該キャップ把持部と注射針キャップの側面との間に空隙を形成して、注射針キャップが装着された状態での注射器の引き抜きを可能とした注射針キャップ着脱装置。
【請求項5】
該キャップ把持部による注射針キャップの側面の把持が完了した状態において、
該内コレットにおける、該拡径部側の、該テーパー面の端部の位置と、
該外コレットにおける、該内コレットの該拡径部側の、該内周面の端部の位置とを、
一致させるようにしたことを特徴とする請求項4記載の注射針キャップ着脱装置。
【請求項6】
載置面への吸着固定手段を備えたことを特徴とする請求項3乃至5の何れかに記載の注射針キャップ着脱装置。
【請求項7】
外周面にテーパー面が形成され、注射針キャップを挿通可能な内周面を有するアンクランパーと、
該アンクランパー及び注射針キャップを一方の端部から嵌入可能とされ、該アンクランパーの該テーパー面と当接し、該端部に向かってしだいに拡径されるテーパー面と、注射針キャップの側面を把持可能なキャップ把持部を内周面に有するコレットと、
該コレットを内径・外径方向にそれぞれ収縮・拡張自在とする弾性部材とを備え、
注射針キャップを装着した注射器の注射針キャップを、該コレットに嵌入し、
該コレットを軸方向の該アンクランパーとは逆の向きに移動し、
該コレットを所定の位置で停止させるとともに、該アンクランパーの該テーパー面と該コレットの該テーパー面との当接が解除されて、該弾性部材の弾性力によって、該コレットの該キャップ把持部が内径方向に変位し、
該キャップ把持部で注射針キャップの側面を把持して、注射針キャップが脱着された状態での注射器の引き抜きを可能とし、
さらに、
該キャップ把持部に把持された注射針キャップに注射器を戻し、
該コレットを軸方向の該アンクランパーの向きへと移動し、
該コレットを所定の位置で停止させるとともに、該アンクランパーの該テーパー面と該コレットの該テーパー面とが当接し、該コレットの該キャップ把持部が外径方向に変位し、
該キャップ把持部と注射針キャップとの間に空隙を形成して、注射針キャップが装着された状態での注射器の引き抜きを可能とした注射針キャップ着脱装置。
【請求項8】
外周面にテーパー面が形成され、注射針キャップを挿通可能な内周面を有するアンクランパーと、
該アンクランパー及び注射針キャップを一方の端部から嵌入可能とされ、該アンクランパーのテーパー面と当接し、該端部に向かってしだいに拡径されるテーパー面と、注射針キャップの先端を当接可能なキャップ当接部と、注射針キャップの側面を把持可能なキャップ把持部とを内周面に有するコレットと、
該コレットの外周に巻着される弾性リングと、
該コレットと接続され、ばねを内蔵したプッシュラッチ機構とを備え、
注射針キャップを装着した注射器の注射針キャップを該キャップ当接部に当接させながら押圧する外力が加えられると、
軸方向の押圧される向きに、該コレットが軸方向移動し、
該プッシュラッチ機構によって該コレットが所定の位置で停止するとともに、該アンクランパーの該テーパー面と該コレットの該テーパー面との当接が解除されて、該弾性リングの弾性力によって、該コレットの該キャップ把持部が内径方向に変位し、
該キャップ把持部で注射針キャップの側面を把持して、注射針キャップが脱着された状態での注射器の引き抜きを可能とし、
さらに、
該キャップ把持部に恥じされた注射針キャップに注射器を戻して、注射針キャップを該キャップ把持部に当接させながら押圧する外力が加えられると、
該プッシュラッチ機構に内蔵されたばねに付勢されて、軸方向の押圧された向きとは逆の向きに該コレットが軸方向移動し、
該プッシュラッチ機構によって該コレットが所定の位置で停止するとともに、該アンクランパーの該テーパー面と該コレットの該テーパー面とが当接し、該コレットの該キャップ把持部が外径方向に変位し、
該キャップ把持部と注射針キャップとの間に空隙を形成して、注射針キャップが装着された状態での注射器の引き抜きを可能とした注射針キャップ着脱装置。
【請求項9】
載置面への吸着固定手段を備えたことを特徴とする請求項7又は8に記載の注射針キャップ着脱装置。



【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図1】
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【公開番号】特開2006−141570(P2006−141570A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−333723(P2004−333723)
【出願日】平成16年11月17日(2004.11.17)
【出願人】(503234838)藤沢設備サービス株式会社 (2)
【出願人】(304055858)株式会社ケイ・エム・シー (2)
【Fターム(参考)】