説明

注意喚起装置、注意喚起方法、及びプログラム

【課題】一見危険ではないが、実際は危険が潜んでいる場所において、ユーザに確実に注意を喚起させ得る、注意喚起装置、注意喚起方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】注意喚起装置10は、複数の人物それぞれの携帯端末20から収集した、各人物の位置を特定する位置情報と、各人物の動作を特定する動作情報とを記憶する行動データ記憶部1と、設定されたエリア及び時間帯に基づいて、行動データ記憶部1から、対応する動作情報を抽出するデータ抽出部3と、抽出された動作情報に基づいて、各人物の特徴的な動作パターンを示す動作特徴量を算出する動作特徴量算出部4と、算出された動作特徴量に基づいて、設定されたエリアにおいて注意すべき事柄を示す注意喚起情報を生成する注意喚起情報生成部5とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注意喚起装置、注意喚起方法、及びこれらを実現するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
目的地までの経路案内サービスなどを中心に、地図情報を用いたサービスが普及している。地図情報の利用目的の1つは、ユーザがこれから訪れる場所に関する情報を得ることである。しかしながら、地図から得られる情報には限りがあるため、地図を用いて調べた場所であっても、実際にその場所を訪れたとき、ユーザは事前に予測できなかった問題に直面する。
【0003】
例えば、地図上では比較的大きな道に見える場所が、実際には道幅が狭いなどの理由で通行が困難であったり、徒歩に向かない悪路であったり、老人や車椅子利用者にとって通行の困難な段差又は傾斜が存在したり、といった場合である。そこで、例えば、特許文献1は、傾斜や階段、段差などの有無に関する情報を取得し、詳細な地図を作成する方法を開示している。
【0004】
具体的には、特許文献1は、ユーザの動作情報を用いて、ある場所に関する詳細な情報を収集するシステムを開示している。特許文献1に開示されたシステムは、ユーザが装着した動作センサから、ユーザの躓き及び転倒といった異常動作、階段を検出する。そして、当該システムは、GPSなどを利用して異常動作が起きた位置情報を取得し、同時に、取得した位置情報を用いて異常動作の発生を地図情報に付与する。
【0005】
このようにして、特許文献1に開示されたシステムは、異常動作情報を位置情報に対応づけて蓄積することで、異常動作が頻発する場所を地図情報に付与することができる。また、特許文献1に開示されたシステムは、得られた地図情報を用いた経路案内サービスなどを想定し、車椅子や高齢者といったユーザの移動属性情報を考慮した経路を生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−297611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されたシステムでは、注意の喚起に限界があり、老人及び車椅子利用者に対して十分な情報を提供できる地図を作成することは困難である。これは、特許文献1に開示されたシステムでは、異常動作に関する情報だけを用いて地図情報を詳細化するが、通行に注意を要する場所で、異常動作が必ず起きるとは限らないからである。
【0008】
例えば、非常に混雑している場所では、通行者の動作は、「ゆっくりとした歩行」及び「立ち止まり」が大半を占める。このようなとき、「ゆっくりとした歩行」動作、及び「立ち止まり」動作は、異常な行動ではない。しかし、このような動作が行われている状況は、混雑による通行のしにくさ、及び将棋倒しになる危険性など、多くの点で通行人は注意を払うべき状況と言える。よって、非常に混雑している場所は異常動作が必ず起きる場所ではないが、注意を喚起すべき場所であると言える。
【0009】
[発明の目的]
本発明の目的の一例は、上記問題を解消し、一見危険ではないが、実際は危険が潜んでいる場所において、ユーザに確実に注意を喚起させ得る、注意喚起装置、注意喚起方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の一側面における注意喚起装置は、複数の人物それぞれの携帯端末から収集した、前記複数の人物それぞれの位置を特定する位置情報と、前記複数の人物それぞれの動作を特定する動作情報と、を記憶する行動データ記憶部と、
設定されたエリア及び時間帯に基づいて、前記行動データ記憶部から、対応する前記動作情報を抽出する、データ抽出部と、
抽出された前記動作情報に基づいて、前記複数の人物の特徴的な動作パターンを示す動作特徴量を算出する、動作特徴量算出部と、
算出された前記動作特徴量に基づいて、設定されたエリアにおいて注意すべき事柄を示す注意喚起情報を生成する、注意喚起情報生成部と、
を備えていることを特徴とする。
【0011】
また、上記目的を達成するため、本発明の一側面における注意喚起方法は、
(a)複数の人物それぞれの携帯端末から収集した、前記複数の人物それぞれの位置を特定する位置情報と、前記複数の人物それぞれの動作を特定する動作情報と、を記憶する、ステップと、
(b)設定されたエリア及び時間帯に基づいて、前記(a)のステップで記憶されている前記動作情報から、対応する前記動作情報を抽出する、ステップと、
(c)前記(b)のステップで抽出された前記動作情報に基づいて、前記複数の人物の特徴的な動作パターンを示す動作特徴量を算出する、ステップと、
(d)前記(c)のステップで算出された前記動作特徴量に基づいて、設定されたエリアにおいて注意すべき事柄を示す注意喚起情報を生成する、ステップと、
を有することを特徴とする。
【0012】
更に、上記目的を達成するため、本発明の一側面におけるプログラムは、コンピュータに、
(a)複数の人物それぞれの携帯端末から収集した、前記複数の人物それぞれの位置を特定する位置情報と、前記複数の人物それぞれの動作を特定する動作情報と、を記憶する、ステップと、
(b)設定されたエリア及び時間帯に基づいて、前記(a)のステップで記憶されている前記動作情報から、対応する前記動作情報を抽出する、ステップと、
(c)前記(b)のステップで抽出された前記動作情報に基づいて、前記複数の人物の特徴的な動作パターンを示す動作特徴量を算出する、ステップと、
(d)前記(c)のステップで算出された前記動作特徴量に基づいて、設定されたエリアにおいて注意すべき事柄を示す注意喚起情報を生成する、ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明における注意喚起装置、注意喚起方法、及びプログラムによれば、一見危険ではないが、実際は危険が潜んでいる場所において、ユーザに確実に注意を喚起させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の実施形態1における注意喚起装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態1において用いられる行動情報の一例を示す図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態1において注意喚起情報として用いられるラッシュ注意喚起情報の算出方法を示す図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態1において注意喚起情報として用いられるバリア注意喚起情報の算出方法を示す図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態1における注意喚起情報の出力例を示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態1において注意喚起情報として用いられる混雑注意情報の算出方法を示す説明図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態1における注意喚起装置の動作を示す流れ図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態2における注意喚起装置の構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態2における注意喚起装置の動作を示す流れ図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態3における注意喚起装置の構成を示すブロック図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態3において注意喚起情報として用いられるラッシュ注意喚起情報の算出方法を示す図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態3において注意喚起情報として用いられるバリア注意喚起情報の算出方法を示す図である。
【図13】図13は、本発明の実施の形態3における注意喚起装置の動作を示す流れ図である。
【図14】図14は、本発明の実施の形態1〜3における注意喚起装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における、注意喚起装置、注意喚起方法、及ぶプログラムについて図1〜図7を参照して詳細に説明する。
【0016】
[装置構成]
最初に、本実施の形態1における注意喚起装置の構成について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態1における注意喚起装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
図1に示す本実施の形態1における注意喚起装置10は、ユーザに対して、特定のエリアにおいて注意すべき事柄を示す情報(以下、「注意喚起情報」という。)を提示する装置である。図1に示すように、注意喚起装置10は、行動データ記憶部1と、データ抽出部3と、動作特徴量算出部4と、注意喚起情報生成部5とを備えている。
【0018】
行動データ記憶部1は、複数の人物それぞれの携帯端末30から収集した、複数の人物それぞれの位置を特定する位置情報と、複数の人物それぞれの動作を特定する動作情報と、を記憶している。携帯端末30としては、携帯電話、スマートフォンが挙げられる。
【0019】
データ抽出部3は、注意喚起情報の生成対象として設定されたエリア及び時間帯に基づいて、行動データ記憶部1から、対応する動作情報を抽出する。本実施の形態では、後述するように、生成対象となるエリア及び時間帯は、注意環境情報を利用するユーザによって、その端末20を介して設定されている。
【0020】
動作特徴量算出部4は、データ抽出部3によって抽出された動作情報に基づいて、複数の人物の特徴的な動作パターンを示す動作特徴量を算出する。注意喚起情報生成部5は、動作特徴量算出部4によって算出された動作特徴量に基づいて、設定されたエリアにおいて注意すべき事柄を示す注意喚起情報を生成する。
【0021】
このような構成により、注意喚起装置10によれば、一見危険ではないが、実際は危険が潜んでいる場所において、ユーザに確実に注意を喚起させることができる。以下、その理由について説明する。
【0022】
まず、注意を要するエリアでは、人物の動作には、特徴的なパターンが現れる。つまり、注意を要するエリアでは、転倒及び躓きのような異常な動作パターンが発生しやすいが、それだけでなく、例えば歩行及び停止といった異常ではない行動において、速度、継続時間、発生回数などに特徴的なパターンが現れる。例えば、混雑しているエリアでは、通行者の動作は、「ゆっくりとした歩行」又は「立ち止まり」などになり易く、「ゆっくりとした歩行」動作の継続時間、「立ち止まり」動作の発生回数は、混雑していない他の場所と比較して非常に大きな値となる。
【0023】
このように、本実施の形態1では、必ずしも異常とは言えない動作であっても、その発生パターンの特徴に注目できるので、上述したように、一見危険ではないが、実際は危険が潜んでいる場所において、ユーザに注意を喚起させることができる。
【0024】
ここで、図1に加えて図2〜図6を用いて、注意喚起装置10の構成について更に具体的に説明する。図1に示すように、注意喚起装置10は、更に、行動データ収集部21と、出力部6とを備えている。また、注意喚起装置10には、インターネット等のネットワークを介して、注意喚起情報を利用するユーザの端末20が接続される。なお、ユーザの端末20としては、パーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン等が挙げられる。
【0025】
行動データ記憶部1は、行動データ収集部が複数の人物から収集した動作情報と位置情報とを対応づけ、これらを記憶している。「動作情報」とは、人物の動作を特定する情報であり、例えば、「停止」及び「歩行」といった動作名、その他、「歩行」であれば、その速度及び歩幅などのメタ情報を含む。「位置情報」とは、人物の位置を特定する情報であり、例えば、ユーザが存在している位置の緯度、経度、高度などといった座標情報、ある特定の位置座標を中心とした距離で表す場所情報(例えば、中心から半径何m以内の場所)を含む。
【0026】
また、以降の説明では、少なくとも動作情報と位置情報との両方を含むユーザの情報を、「行動情報」と呼ぶ。さらに、行動情報には、上に述べた動作情報と位置情報の他に、ユーザを区別するID情報、データを取得した時刻を表す時刻情報、そのエリアを1回訪問するたびに割り振られる訪問ID情報なども含まれ、これらの情報も動作情報及び位置情報に対応付けられて記憶される場合が考えられる。
【0027】
ここで、行動データ記憶部1に記憶されている行動情報の一例を、図2に示す。図2は、本発明の実施の形態1において用いられる行動情報の一例を示す図である。図2の例では、行動情報は、時間毎の各人物における、経度、緯度、高度、動作、訪問IDから成る。訪問IDは、ユーザがあるエリアを訪れてから、そのエリアを離れるまでの間に対して割り振られるIDで、あるエリアに注目したときの、ユーザの訪問を区別する。また、このうち、経度、緯度、及び高度が位置情報に該当し、動作が動作情報に該当する。
【0028】
また、複数の人物から動作情報と位置情報とを収集する方法としては、例えば、加速度センサとGPSとが搭載された携帯端末30を用いる方法が挙げられる。この方法では、まず、携帯端末30は、それが備える加速度センサが出力したデータを用いて動作を推定し、その後、推定結果を、動作情報として、GPSから得られた位置情報に対応付ける。そして、携帯端末30は、動作情報と位置情報とを、これらを対応付けた状態で、携帯電話の通信網等を通じて、注意喚起装置(具体的には、注意喚起装置を実装したサーバ)に送信する。また、携帯端末30において、加速度センサが出力したデータからの動作の推定は、既存の方法によって行うことができる。
【0029】
また、本実施の形態1では、端末20は、生成対象設定部21を備えている。生成対象設定部21は、注意喚起情報の生成対象となるエリア及び時間帯などを設定し、設定したエリア及び時間帯をデータ抽出部3に送信する。生成対象となるエリア及び時間帯は、例えば、注意喚起情報を利用するユーザによって指定される。ユーザは、これから訪問する場所及び訪問する時間を、直接指定しても良いし、特定の建物周辺又は市全体といった任意の広さをもったエリア全体を指定しても良い。
【0030】
また、生成対象設定部21は、全てのエリアを対象に、一定期間ごとに注意喚起情報の再生成又は更新が可能となるようにするため、一定期間ごとに生成対象を再設定することもできる。更に、生成対象設定部21は、このようにして設定した、注意喚起情報の生成対象となる情報を、データ抽出部3に送信する。
【0031】
データ抽出部3は、生成対象設定部21によって設定されたエリア及び時間帯を受け付け、これらに対応する動作情報を、行動データ記憶部1から抽出する。そして、データ抽出部3は、抽出した動作情報を、動作特徴量算出部4に与える。
【0032】
動作特徴量算出部4は、与えられた動作情報に基づいて、設定された時間帯における設定されたエリアでの、複数の人物の特徴的な動作パターンを示す特徴量(以下「動作特徴量」とする。)を算出する。例えば、動作特徴量算出部4は、設定されたエリアにおける「停止」、「歩行」、「走行」といった動作の発生回数、各動作の継続時間、各動作の速度等を求める。そして、動作特徴量算出部4は、求めた値について統計処理を行い、例えば、求めた値の1ユーザあたりの平均値及び分散値、求めた値の単位時間あたりの平均値及び分散値、といった特徴量を算出する。動作特徴量算出部4は、算出した特徴量を、注意喚起情報生成部5に与える。
【0033】
注意喚起情報生成部5は、与えられた動作特徴量を用いて注意喚起情報を生成する。ここで図3及び図4を用いて注意喚起情報の生成方法について説明する。図3は、本発明の実施の形態1において注意喚起情報として用いられるラッシュ注意喚起情報の算出方法を示す図である。図4は、本発明の実施の形態1において注意喚起情報として用いられるバリア注意喚起情報の算出方法を示す図である。
【0034】
例えば、図3に示す算出式を用いて、注意喚起情報生成部5は、注意喚起情報として、ラッシュ注意喚起情報Rを算出する。ラッシュ注意喚起情報Rは、設定されたエリアにおける混雑状況の指標であり、急ぎ足で歩いている人物が多い場所を表している。また、ラッシュ注意喚起情報Rは、注意の程度を0から100までの数値で表現する。
【0035】
更に、図4に示す算出式を用いて、注意喚起情報生成部5は、注意喚起情報として、バリア注意喚起情報Bを算出する。バリア注意喚起情報Bは、設定されたエリアに存在する高低差の存在状況の指標であり、段差、階段、又は両方が多い場所を表している。バリア注意喚起情報Bも、注意の程度を0から100までの値で表現する。また、注意喚起情報生成部5は、生成した注意喚起情報を、出力部6に与える。
【0036】
出力部6は、設定されたエリアを含む地図データ上に、注意喚起情報生成部5から与えられた注意喚起情報を重ね合わせ、注意喚起情報が重ね合わされた地図データを出力する。例えば、出力部6は、図5に示す地図データを出力する。図5は、本発明の実施の形態1における注意喚起情報の出力例を示す図である。図5の例では、注意喚起情報が、地図上に、文字及び図径等によって重畳的に表示されている。また、出力部6は、地図データを端末20に出力する。これにより、端末20の画面上には、注意喚起情報が重ね合わされた地図が表示される。
【0037】
また、本実施の形態1において、注意喚起情報生成部5が生成し、出力部6が出力する、注意喚起情報の種類は1種類とは限られない。例えば、本実施の形態1は、注意喚起情報生成部5が、図3及び図4に示す各ルール(算出式)を同時に用いて、一度に複数種類の注意喚起情報を生成し、これらを同時に出力する態様であっても良い。
【0038】
さらに、本実施の形態1は、注意喚起情報生成部5が、複数種類の注意喚起情報を出力する際において、ユーザに対して、注目している注意喚起情報だけをユーザ自身によって選択させ、選択された注意喚起情報だけを表示する態様であっても良い。また、本実施の形態1は、注意喚起情報生成部5が、生成した複数種類の注意喚起情報の中から、最も値の大きい注意喚起情報だけを自動的に選択し、選択した注意喚起情報を強調して表示する態様であっても良い。
【0039】
また、本実施の形態1では、生成する注意喚起情報の具体例として、「ラッシュ注意喚起情報」及び「バリア注意喚起情報」を挙げたが、生成される注意喚起情報の例は、この2種類に限定されるものではない。注意喚起情報の他の例を、図6を用いて説明する。
【0040】
図6は、本発明の実施の形態1において注意喚起情報として用いられる混雑注意喚起情報の算出方法を示す説明図である。図6の算出式が用いられる場合、動作特徴量算出部4は、動作情報を用いて、設定されたエリアにおける、動作情報の収集元となった人物の数(滞在人数)を動作特徴量として算出する。
【0041】
そして、注意喚起情報生成部5は、図6に示す算出式に、動作特徴量として算出した人物の数を当てはめ、混雑注意喚起情報を生成する。また、注意喚起情報生成部5は、図6に示す混雑注意喚起情報を出力する際、動作情報の収集元となった人物の数(人数)、その動作情報が収集された期間(いつ頃からいつ頃まで)、などを同時に出力することもできる。これにより、生成された混雑注意喚起情報の信頼性が、ユーザに示されることになる。
【0042】
[装置動作]
次に、本発明の実施の形態1における注意喚起装置10の動作について図7を用いて説明する。図7は、図7は、本発明の実施の形態1における注意喚起装置の動作を示す流れ図である。以下の説明においては、適宜図1を参酌する。また、本実施の形態1では、注意喚起装置10を動作させることによって、注意喚起方法が実施される。よって、本実施の形態1における注意喚起方法の説明は、以下の注意喚起装置10の動作説明に代える。
【0043】
前提として、行動データ収集部2は、多数の携帯端末30を介して、多くの人物の動作情報と位置情報とを収集し、これを行動データ記憶部1に送っている。このため、行動データ記憶部1には、多くのユーザの携帯電話30から収集された動作情報と位置情報とが予め記憶されているとする。
【0044】
先ず、注意喚起情報を利用するユーザが、端末20において、生成対象となるエリア及び時間帯を指定すると、生成対象設定部21は、注意喚起情報を生成するエリア及び時間帯を設定し、これらを注意喚起装置10に送信する。これにより、図7に示すように、データ抽出部3は、注意喚起情報を生成するエリア及び時間帯の設定を受け付ける(ステップA1)。
【0045】
次に、データ抽出部3は、設定された生成対象であるエリア及び時間帯において収集された、ユーザの動作情報を、行動データ記憶部1から抽出し、動作特徴量算出部4に与える(ステップA2)。
【0046】
次に、動作特徴量算出部4は、与えられた動作情報を用いて、動作特徴量を算出し、注意喚起情報生成部5に与える(ステップA3)。
【0047】
次に、注意喚起情報生成部5は、与えられた動作特徴量を用いて、注意喚起情報を生成する(ステップA4)。生成された注意喚起情報は、出力部6に与えられる。
【0048】
その後、出力部6は、与えられた注意喚起情報が重ね合わされた地図データを端末20に送信する(ステップA5)。これにより、端末20の画面には、注意喚起情報が重畳的に表示された地図が表示されるので、利用者にとって便利となる。
【0049】
本発明の実施の形態1におけるプログラムは、コンピュータ、具体的には、サーバコンピュータに、図7に示すステップA1〜A5を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態1における注意喚起装置10と注意喚起方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)は、行動データ収集部2、データ抽出部3、動作特徴量算出部4、注意喚起情報生成部5及び出力部6として機能し、処理を行なう。また、本実施の形態では、コンピュータに備えられたハードディスク等の記憶装置が、行動データ記憶部1として機能する。
【0050】
また、本実施の形態1においては、注意喚起装置10は、複数のコンピュータによって構築されていても良い。例えば、本実施の形態1は、データ抽出部3、動作特徴量算出部4、注意喚起情報生成部5、及び出力部6が1つのコンピュータで構築され、行動データ記憶部1と行動データ収集部2とが別のコンピュータで構築されている態様であっても良い。
【0051】
更に、本実施の形態1においては、動作特徴量算出部4による動作特徴量の算出と、注意喚起情報生成部5による注意喚起情報の生成とが、注意喚起情報の生成対象として予想される全てのエリアに対して、予め行われていても良い。この場合、注意喚起装置10は、予め生成された注意喚起情報を記憶する記憶部を備えているのが好ましい。この場合は、ユーザから注意喚起情報の利用が求められたときに、記憶部から必要な情報を抽出する処理のみが行われるため、ユーザは、迅速に注意喚起情報を受け取ることができる。
【0052】
[実施の形態1における効果]
以上のように、本実施の形態1では、ユーザの異常ではない動作にも着目することにより、網羅的で詳細な注意喚起情報が地図上に付与される。つまり、本実施の形態1では、多くのユーザから収集した動作情報から、歩行ペースを用いて生成される「ラッシュ注意喚起情報」、及び、段差昇降の発生回数を用いて生成される「バリア注意喚起情報」などが得られる。これらの情報は、必ずしも異常ではない動作に着目して生成されている。このため、本実施の形態1によれば、一見危険ではないが、実際は危険が潜んでいる場所において、確実にユーザに注意を喚起することができる。
【0053】
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2における、注意喚起装置、注意喚起方法、及びプログラムについて、図8及び図9を参照しながら説明する。
【0054】
[装置構成]
最初に、本実施の形態2における注意喚起装置11の構成について、図8を用いて説明する。図8は、本発明の実施形態2における注意喚起装置の構成を示すブロック図である。
【0055】
図8に示すように、本実施の形態2における注意喚起装置11は、図1に示した実施の形態1における注意喚起装置10の構成に加え、更に、注意喚起情報統合部7を備えている。注意喚起装置11は、この点で、実施の形態1における注意喚起装置10と異なっている。以下、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0056】
実施の形態1における注意喚起装置10においては、注意喚起情報生成部5が、生成した注意喚起情報を、直接、出力部6に入力する。これに対して、本実施の形態2では、注意喚起情報生成部5が、同時に2種類以上の注意喚起情報を生成した場合に、注意喚起情報統合部7が、生成された2種類以上の注意喚起情報を統合し、統合した注意喚起情報を出力部6に入力する。
【0057】
ここで、注意喚起情報統合部による統合の具体的な方法について説明する。例えば、図3及び図4に示した例のように、注意喚起情報が注意の程度を数値で表現する場合であれば、算出された全ての注意喚起情報の値の和を求め、これを統合された注意喚起情報とする方法が挙げられる。
【0058】
また、その他に、例えば、注意喚起情報の時間変化の大きさに注目して統合する方法も挙げられる。例えば、動作特徴量算出部4が、データ抽出部3から与えられた行動情報を、直近の1日で得られた行動情報と、直近の1日以前に得られた行動情報との2つに分け、両者について別々に動作特徴量を算出する場合を想定する。この場合において、直近の1日で得られた行動データから算出した動作特徴量を「最新特徴量」と呼び、直近の1日以前に得られた行動情報から算出した動作特徴量を「過去特徴量」と呼ぶこととする。
【0059】
そして、注意喚起情報生成部5は、最新特徴量と過去特徴量とを用いて、それぞれ別々に注意喚起情報を生成し、各注意喚起情報を注意喚起情報統合部7に与える。即ち、生成された注意喚起情報が、「ラッシュ注意喚起情報」および「バリア注意喚起情報」の2種類であったとき、注意喚起情報生成部5は、「最新ラッシュ注意喚起情報」と「過去ラッシュ注意喚起情報」、および「最新バリア注意喚起情報」と「過去バリア注意喚起情報」、の4種類の注意喚起情報を生成する。
【0060】
このとき、注意喚起情報統合部7は、最新ラッシュ注意喚起情報と過去ラッシュ注意喚起情報を比較するとともに、最新バリア注意喚起情報と過去バリア注意喚起情報も比較する。そして、注意喚起情報統合部7は、それぞれについて、最新注意喚起情報と過去注意喚起情報との差分値を算出する。
【0061】
ところで、最新注意喚起情報が過去注意喚起情報を大きく上回っているときは、その場所で何らかの注意を要する変化が起きたと考えることができる。そのため、注意喚起情報統合部7は、算出した差分値に基づいて、「ラッシュ注意喚起情報」と「バリア注意喚起情報」とのうち、最新の注意喚起情報の値が過去の注意喚起情報の値を上回っている度合が大きいものを選択し、選択した注意喚起情報のみを出力部6に与える。この態様では、より重要な情報のみをユーザに提示することができる。
【0062】
更に、注意喚起情報の時間変化の大きさに注目した統合方法以外にも、空間変化の大きさに注目して統合する方法も挙げられる。例えば、データ抽出部3が、生成対象設定部21で設定された生成対象のエリアに対し、周囲の隣接する複数のエリアに関する行動情報を同時に抽出する場合を考える。この場合、注意喚起情報生成部5は、生成対象のエリアと、それに隣接する複数エリアとのそれぞれについて、「ラッシュ注意喚起情報」と「バリア注意喚起情報」とを生成する。
【0063】
また、注意喚起情報統合部7は、上に示した時間変化に注目する例と同様に、「ラッシュ注意喚起情報」及び「バリア注意喚起情報」それぞれについて、生成対象のエリアの注意喚起情報と、隣接エリアの注意喚起情報とを比較し、両者の差分値を算出する。
【0064】
そして、生成対象のエリアの注意喚起情報が、隣接エリアの注意喚起情報を大きく上回っているときは、その場所が周囲と比較して、より注意を要すると考えることができる。そのため、注意喚起情報統合部7は、算出した差分値に基づいて、「ラッシュ注意喚起情報」と「バリア注意喚起情報」とのうち、生成対象のエリアの注意喚起情報の値が、隣接エリアの注意喚起情報の値を上回っている度合が大きいものを選択し、選択した注意喚起情報のみを出力部6に与える。この態様では、より重要なエリアにおいて、より重要な情報のみをユーザに提示することができる。
【0065】
[装置動作]
次に、本発明の実施の形態2における注意喚起装置11の動作について図9を用いて説明する。図9は、本発明の実施の形態2における注意喚起装置の動作を示す流れ図である。以下の説明においては、適宜図8を参酌する。また、本実施の形態2では、注意喚起装置11を動作させることによって、注意喚起方法が実施される。よって、本実施の形態2における注意喚起方法の説明は、以下の注意喚起装置11の動作説明に代える。
【0066】
前提として、本実施の形態2においても、行動データ収集部2は、多数の携帯端末30を介して、多くの人物の動作情報と位置情報とを収集し、これを行動データ記憶部1に送っている。このため、実施の形態1と同様に、行動データ記憶部1には、多くのユーザの携帯電話30から収集した動作情報と位置情報とが予め記憶されているとする。
【0067】
先ず、注意喚起情報を利用するユーザが、端末20を介して、生成対象となるエリア及び時間帯を指定すると、生成対象設定部21は、注意喚起情報を生成するエリア及び時間帯を設定し、これらを注意喚起装置11に送信する。これにより、図9に示すように、データ抽出部3は、注意喚起情報を生成するエリア及び時間帯の設定を受け付ける(ステップA11)。ステップA11は、実施の形態1において図7に示したステップA1と同様のステップである。
【0068】
次に、データ抽出部3は、設定された生成対象であるエリア及び時間帯に収集されたユーザの行動情報を、行動データ記憶部1から抽出し、動作特徴量算出部4に与える(ステップA12)。ステップA12は、実施の形態1において図7に示したステップA2と同様のステップである。
【0069】
次に、動作特徴量算出部4は、与えられた行動情報に含まれる動作情報を用いて、動作特徴量を算出し、注意喚起情報生成部5に与える(ステップA13)。ステップA13は、実施の形態1において図7に示したステップA3と同様のステップである。
【0070】
次に、注意喚起情報生成部5は、与えられた動作特徴量を用いて、注意喚起情報を生成する(ステップA14)。ステップA14は、実施の形態1において図7に示したステップA4とは異なるステップである。但し、ステップA14では、生成された注意喚起情報は、2種類以上であり、注意喚起情報統合部7に与えられる。
【0071】
次に、注意喚起情報統合部7は、与えられた2種類以上の注意喚起情報を統合し、統合した注意喚起情報を出力部6に与える。(ステップA15)
【0072】
その後、出力部6は、与えられた注意喚起情報が重ね合わされた地図データを端末20に送信する(ステップA16)。これにより、端末20の画面には、注意喚起情報が重畳的に表示された地図が表示されるので、本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、利用者にとって便利となる。
【0073】
本発明の実施の形態2におけるプログラムは、コンピュータ、具体的には、サーバコンピュータに、図9に示すステップA11〜A16を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態2における注意喚起装置11と注意喚起方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのCPUは、行動データ収集部2、データ抽出部3、動作特徴量算出部4、注意喚起情報生成部5、注意喚起情報統合部7、及び出力部6として機能し、処理を行なう。また、本実施の形態では、コンピュータに備えられたハードディスク等の記憶装置が、行動データ記憶部1として機能する。
【0074】
また、本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、注意喚起装置11は、複数のコンピュータによって構築されていても良い。例えば、本実施の形態2は、データ抽出部3、動作特徴量算出部4、注意喚起情報生成部5、注意喚起情報統合部7、及び出力部6が1つのコンピュータで構築され、行動データ記憶部1と行動データ収集部2とが別のコンピュータで構築されている態様であっても良い。
【0075】
更に、本実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、動作特徴量算出部4による動作特徴量の算出と、注意喚起情報生成部5による注意喚起情報の生成とが、注意喚起情報の生成対象として予想される全てのエリアに対して、予め行われていても良い。この場合、注意喚起装置11は、予め生成された注意喚起情報を記憶する記憶部を備えているのが好ましい。この場合は、ユーザから注意喚起情報の利用が求められたときに、記憶部から必要な情報を抽出する処理のみが行われるため、ユーザは、迅速に注意喚起情報を受け取ることができる。
【0076】
[実施の形態2における効果]
以上のように、本実施の形態2では、複数種類の注意喚起情報が生成された場合でも、それらが直接出力部6に出力される、実施の形態1と異なり、複数種類の注意喚起情報が統合され、統合された注意喚起情報が出力部6に出力される。このため、本実施の形態2によれば、個別の注意喚起情報を出力する実施の形態1に比べ、優先的に提供するべき詳細な注意喚起情報を、よりユーザに理解し易い形で提供することができる。
【0077】
(実施の形態3)
次に本発明の実施の形態3における、注意喚起装置、注意喚起方法、及びプログラムについて、図10〜図13を参照しながら説明する。
【0078】
[装置構成]
最初に、本実施の形態3における注意喚起装置12の構成について、図10〜図12を用いて説明する。図10は、本発明の実施形態3における注意喚起装置の構成を示すブロック図である。
【0079】
図10に示すように、本実施の形態3においては、注意喚起情報を利用するユーザの端末20が、パラメータ入力部22を備えている。パラメータ入力部22は、ユーザによって指定される基準エリア及び基準時間帯の入力を受け、これらをパラメータとして注意喚起装置12に送信する。
【0080】
また、注意喚起装置12は、図1に示した実施の形態1における注意喚起装置10と同様の構成を備えているが、注意喚起情報生成部5における処理の点で、注意喚起装置10と異なっている。本実施の形態3では、注意喚起情報生成部5は、実施の形態1と異なり、端末20から送信されたパラメータを用いて、注意喚起情報を生成する。以下、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0081】
パラメータ入力部22が入力を受け付ける「基準エリア」としては、ユーザ自身がよく知っているエリア(自宅周辺等)が挙げられる。また、パラメータ入力部22が入力を受け付ける「基準時間帯」としては、ユーザの出勤又は帰宅の時間帯等、ユーザにとって重要な時間帯が挙げられる。また、生成対象設定部21が設定したエリアと同じエリアが、基準エリアとして入力されても良く、この場合は、基準時間帯として、生成対象部21が設定した時間帯と異なる時間帯が入力される。
【0082】
更に、本実施の形態3では、ユーザは、その他、注意喚起情報を利用するユーザが高齢者又は妊婦であることを示す「個人属性」等も、パラメータとして、パラメータ入力部22に入力することができる。また、パラメータ入力部22は、予め、基準エリア及び基準時間帯を保持していても良く、この場合は、端末20は、自動的にパラメータを注意喚起装置12に送信する。
【0083】
本実施の形態3では、注意喚起情報生成部5は、パラメータ入力部22から、パラメータとして基準エリア及び基準時間帯を受け付けると、受け付けた基準エリア及び基準時間帯に基づいて、行動データ記憶部から、対応する動作情報を抽出する。更に、注意喚起情報生成部5は、抽出した動作情報に基づいて、基準時間帯における基準エリアでの動作特徴量(以下「基準動作特徴量」という。)を算出する。
【0084】
ここで、図11及び図12を用いて、本実施の形態3における注意喚起情報の算出について説明する。図11は、本発明の実施の形態3において注意喚起情報として用いられるラッシュ注意喚起情報の算出方法を示す図である。図12は、本発明の実施の形態3において注意喚起情報として用いられるバリア注意喚起情報の算出方法を示す図である。
【0085】
まず、注意喚起情報を利用するユーザが、端末20を介して、生成対象となるエリア及び時間帯に加えて、基準エリア及び基準時間帯を指定する。これにより、パラメータ入力部22は、基準エリア及び基準時間帯を注意喚起装置12に送信する。注意喚起装置12において、注意喚起情報生成部5は、行動データ記憶部1から行動情報を抽出する。
【0086】
そして、注意喚起情報生成部5は、図11及び図12に示された算出式を用いるため、抽出した行動情報を用いて、基準エリアの基準時間帯における、歩行ペースの平均値、歩行ペースの最小値、昇降動作の発生回数の平均値、及び昇降動作の発生回数の最大値を算出する。
【0087】
その後、注意喚起情報生成部5は、図11に示す算出式を用いて、急ぎ足で歩いている人物が多い場所を表すラッシュ注意喚起情報を算出する。また、注意喚起情報生成部5は、図12に示す算出式を用いて、段差及び階段が多い場所を表すバリア注意喚起情報を算出する。
【0088】
[装置動作]
次に、本発明の実施の形態3における注意喚起装置12の動作について図13を用いて説明する。図13は、本発明の実施の形態3における注意喚起装置の動作を示す流れ図である。以下の説明においては、適宜図10〜図12を参酌する。また、本実施の形態3では、注意喚起装置12を動作させることによって、注意喚起方法が実施される。よって、本実施の形態3における注意喚起方法の説明は、以下の注意喚起装置12の動作説明に代える。
【0089】
前提として、本実施の形態3においても、行動データ収集部2は、多数の携帯端末30を介して、多くの人物の動作情報と位置情報とを収集し、これを行動データ記憶部1に送っている。このため、実施の形態1と同様に、行動データ記憶部1には、多くのユーザの携帯電話30から収集した動作情報と位置情報とが予め記憶されているとする。
【0090】
先ず、注意喚起情報を利用するユーザが、端末20を介して、生成対象となるエリア及び時間帯と、基準エリア及び基準時間帯とを指定する。これにより、生成対象設定部21は、注意喚起情報を生成するエリア及び時間帯を設定し、これを注意喚起装置12に送信する。また、パラメータ入力部22は、基準エリア及び基準時間帯を、注意喚起装置12に送信する。
【0091】
そして、図13に示すように、先ず、データ抽出部3が、注意喚起情報を生成するエリア及び時間帯の設定を受け付ける(ステップA21)。ステップA21は、実施の形態1において図7に示したステップA1と同様のステップである。
【0092】
次に、データ抽出部3は、設定された生成対象であるエリア及び時間帯に収集されたユーザの行動情報を、行動データ記憶部1から抽出し、動作特徴量算出部4に与える(ステップA22)。ステップA12は、実施の形態1において図7に示したステップA2と同様のステップである。
【0093】
次に、動作特徴量算出部4は、与えられた行動情報に含まれる動作情報を用いて、動作特徴量を算出し、注意喚起情報生成部5に与える。(ステップA23)ステップA23は、実施の形態1において図7に示したステップA3と同様のステップである。
【0094】
次に、注意喚起情報生成部5は、パラメータ入力部22から送信されたパラメータ(基準エリア及び基準時間帯)に基づいて、行動データ記憶部1から行動情報を抽出し、抽出した行動情報を用いて、基準動作特徴量を算出する(ステップA24)。
【0095】
次に、注意喚起情報生成部5は、ステップA23で与えられた動作特徴量と、算出した基準動作特徴量とを用いて、注意喚起情報を生成する(ステップA25)。また、注意喚起情報生成部5は、生成した注意喚起情報を、出力部6に与える。
【0096】
その後、出力部6は、与えられた注意喚起情報が重ね合わされた地図データを端末20に出力する(ステップA26)。これにより、端末20の画面には、注意喚起情報が重畳的に表示された地図が表示され、本実施の形態3においても、実施の形態1と同様に、利用者にとって便利となる。
【0097】
本発明の実施の形態3におけるプログラムは、コンピュータ、具体的には、サーバコンピュータに、図13に示すステップA21〜A26を実行させるプログラムであれば良い。このプログラムをコンピュータにインストールし、実行することによって、本実施の形態3における注意喚起装置12と注意喚起方法とを実現することができる。この場合、コンピュータのCPUは、行動データ収集部2、データ抽出部3、動作特徴量算出部4、注意喚起情報生成部5、及び出力部6として機能し、処理を行なう。また、本実施の形態では、コンピュータに備えられたハードディスク等の記憶装置が、行動データ記憶部1として機能する。
【0098】
また、本実施の形態3においても、実施の形態1と同様に、注意喚起装置12は、複数のコンピュータによって構築されていても良い。例えば、本実施の形態3は、データ抽出部3、動作特徴量算出部4、注意喚起情報生成部5、及び出力部6が1つのコンピュータで構築され、行動データ記憶部1と行動データ収集部2とが別のコンピュータで構築されている態様であっても良い。
【0099】
更に、本実施の形態3においても、実施の形態1と同様に、動作特徴量算出部4による動作特徴量の算出と、注意喚起情報生成部5による注意喚起情報の生成とが、注意喚起情報の生成対象として予想される全てのエリアに対して、予め行われていても良い。この場合、注意喚起装置12は、予め生成された注意喚起情報を記憶する記憶部を備えているのが好ましい。この場合は、ユーザから注意喚起情報の利用が求められたときに、記憶部から必要な情報を抽出する処理のみが行われるため、ユーザは、迅速に注意喚起情報を受け取ることができる。
【0100】
[実施の形態3における効果]
以上のように、本実施の形態3では、例えば、注意喚起情報の基準となるエリア、時間帯、更には、注意喚起情報を利用するユーザの属性情報などが、利用される。このため、本実施の形態3によれば、主観の占める割合の大きい注意喚起において、ユーザに対して比較対象を伴った分かりやすい提示、個人差を考慮した細やかな調整を行うことができる。また、本実施の形態3は、上述した実施の形態2と組み合わされていても良い。
【0101】
[コンピュータの構成]
ここで、実施の形態1〜3におけるプログラムを実行することによって、注意喚起装置を実現するコンピュータについて図14を用いて説明する。図14は、本発明の実施の形態1〜3における注意喚起装置を実現するコンピュータの一例を示すブロック図である。
【0102】
図14に示すように、コンピュータ110は、CPU111と、メインメモリ112と、記憶装置113と、入力インターフェイス114と、表示コントローラ115と、データリーダ/ライタ116と、通信インターフェイス117とを備える。これらの各部は、バス121を介して、互いにデータ通信可能に接続される。
【0103】
CPU111は、記憶装置113に格納された、本実施の形態におけるプログラム(コード)をメインメモリ112に展開し、これらを所定順序で実行することにより、各種の演算を実施する。メインメモリ112は、典型的には、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の揮発性の記憶装置である。また、本実施の形態におけるプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体120に格納された状態で提供される。なお、本実施の形態におけるプログラムは、通信インターフェイス117を介して接続されたインターネット上で流通するものであっても良い。
【0104】
また、記憶装置113の具体例としては、ハードディスクの他、フラッシュメモリ等の半導体記憶装置が挙げられる。入力インターフェイス114は、CPU111と、キーボード及びマウスといった入力機器118との間のデータ伝送を仲介する。表示コントローラ115は、ディスプレイ装置119と接続され、ディスプレイ装置119での表示を制御する。データリーダ/ライタ116は、CPU111と記録媒体120との間のデータ伝送を仲介し、記録媒体120からのプログラムの読み出し、及びコンピュータ110における処理結果の記録媒体120への書き込みを実行する。通信インターフェイス117は、CPU111と、他のコンピュータとの間のデータ伝送を仲介する。
【0105】
また、記録媒体120の具体例としては、CF(Compact Flash)及びSD(Secure Digital)等の汎用的な半導体記憶デバイス、フレキシブルディスク(Flexible Disk)等の磁気記憶媒体、又はCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)などの光学記憶媒体が挙げられる。
【実施例1】
【0106】
次に、本発明の実施例1を、先に示した図1〜図7を参照して詳細に説明する。実施例1は、実施の形態1に対応する。実施例1において、行動データ記憶部1、データ抽出部3、動作特徴量算出部4、注意喚起情報生成部5、及び出力部6は、サーバコンピュータによって構築されている。生成対象設定部21は、ユーザが操作する端末20に構築されている。
【0107】
行動データ記憶部1には、多くのユーザから収集した動作情報と位置情報が記憶されている。本実施例1において、ユーザからの動作情報と位置情報との収集は、例えば、各ユーザが所有する、加速度センサとGPSとが搭載され携帯電話を用いて行われている。そして、携帯電話内部の処理によって、加速度センサデータを用いた動作推定が行われ、推定結果は、GPSを用いて得られた位置情報に対応付けられて、本実施例1における注意喚起装置(サーバコンピュータ)10に送信される。注意喚起装置10は、受信した推定結果を、動作情報として、位置情報と関連付けて行動データ記憶部1で記憶する。具体的には、行動データ記憶部1は、例えば図2に示した形で動作情報及び位置情報を記憶している。
【0108】
また、端末20においては、生成対象設定部21が、ユーザの指示に応じて、注意喚起情報の生成対象となるエリア及び時間帯などを設定し、設定した情報をデータ抽出部3に送信する。本実施例1では、例えば、ユーザが端末20を操作し、注意喚起情報の生成対象となるエリアとして、このユーザの目的地であるA駅周辺のエリアを指定すると、生成対象設定部21は、指定されたエリアを生成対象として設定する。また、ユーザは、端末20に備えられたディスプレイ装置の画面に表示された地図の上で、マウス、タッチパネルといった入力デバイスを用いて、A駅を指定することができる。
【0109】
データ抽出部3は、生成対象として設定されたA駅を中心に、例えば、周囲100m以内のエリアで収集されている全ての動作情報を、行動データ記憶部1から抽出する。また、データ抽出部3は、抽出した動作情報を、動作特徴量算出部4に与える。
【0110】
動作特徴量算出部4は、与えられた動作情報を用いて、動作特徴量を算出する。本実施例1では、動作特徴量算出部4は、図3に示した「ラッシュ注意喚起情報」の元となる歩行ペースの平均値と、図4に示した「バリア注意喚起情報」の元となる昇降動作の発生回数の平均値とを算出する。
【0111】
具体的には、動作特徴量算出部4は、動作特徴量として、A駅周辺エリアにおいて発生した全歩行動作の歩行ペース(msec/1歩)の平均値を算出する。また、動作特徴量算出部4は、動作特徴量として、A駅周辺エリアにおける段差及び階段で発生した昇降動作の発生回数(回/1人)の平均値も算出する。なお、本実施例1において、歩行ペースの平均値の値は700(msec/1歩)、昇降動作の発生回数は12(回/1人)であったとする。また、動作特徴量算出部4は、算出した動作特徴量を、注意喚起情報生成部5に与える。
【0112】
注意喚起情報生成部5は、与えられた動作特徴量を用いて、注意喚起情報を生成する。本実施例1では、注意喚起情報生成部5は、予め用意された算出式(ルール)を用いて注意喚起情報を生成する。具体的には、注意喚起情報生成部5は、例えば、図3に示す算出式を用いて、急ぎ足で歩いている人物が多い場所を表す「ラッシュ注意喚起情報」を算出する。また、注意喚起情報生成部5は、図4に示す算出式を用いて、段差及び階段が多い場所を表す「バリア注意喚起情報」を算出する。
【0113】
例えば、与えられた歩行ペースの平均値の値が、700(msec/1歩)、段差及び階段で発生した昇降動作の発生回数が、12(回/1人)であったとする。この場合、図3に示した算出式および図4に示した算出式それぞれから、「ラッシュ注意喚起情報」の値は50となり、「バリア注意喚起情報」の値は70となる。また、注意喚起情報生成部5は、生成した注意喚起情報を、出力部6に与える。
【0114】
出力部6は、注意喚起情報生成部5から与えられた注意喚起情報を、ユーザが操作する端末20に送信する。例えば、図5に示すように、ユーザの端末20のディスプレイ装置の画面には、「ラッシュ注意喚起情報」および「バリア注意喚起情報」が、地図上に重畳表示される。このように表示された地図情報と注意喚起情報から、ユーザは、行き先である駅周辺が、どのような注意を要する場所であるかを知ることができる。
【実施例2】
【0115】
次に、本発明の実施例2を、先に示した図8及び図9を参照して詳細に説明する。実施例2は実施の形態2に対応する。実施例2においても、実施例1と同様に、行動データ記憶部1、データ抽出部3、動作特徴量算出部4、注意喚起情報生成部5、注意喚起情報統合部7、及び出力部6は、サーバコンピュータによって構築されている。生成対象設定部21は、ユーザが操作する端末20に構築されている。
【0116】
行動データ記憶部1には、実施例1と同様に、多くのユーザから収集した動作情報と位置情報が記憶されている。本実施例2においても、ユーザからの動作情報と位置情報との収集は、例えば、各ユーザが所有する、加速度センサとGPSとが搭載され携帯電話を用いて行われている。
【0117】
また、端末20においては、生成対象設定部21が、ユーザの指示に応じて、注意喚起情報の生成対象となるエリア及び時間帯などを設定し、設定した情報をデータ抽出部3に送信する。本実施例2においても、実施例1と同様に、例えばユーザが端末20を操作して、ユーザの目的地であるA駅周辺のエリアを指定すると、生成対象設定部21は、指定されたエリアを生成対象として設定する。
【0118】
データ抽出部3は、生成対象として設定されたA駅を中心に、例えば周囲100m以内のエリアで収集されている全ての行動情報を、行動データ記憶部1から抽出する。このとき、実施例2では、実施例1と異なり、データ抽出部3は、得られた行動情報を、直近の1日で得られた行動情報と、直近の1日以前に得られた行動情報とに分けて、動作特徴量算出部4に与える。以下において、直近の1日で得られた行動情報を「最新行動情報」と呼び、直近の1日以前に得られた行動情報を「過去行動情報」と呼ぶこととする。
【0119】
動作特徴量算出部4は、与えられた動作情報を用いて、動作特徴量を算出する。本実施例2でも、動作特徴量算出部4は、実施例1と同様に、図3に示した「ラッシュ注意喚起情報」の元となる歩行ペースの平均値と、図4に示した「バリア注意喚起情報」の元となる昇降動作の発生回数とを算出する。
【0120】
具体的には、動作特徴量算出部4は、動作特徴量として、A駅周辺エリアにおいて発生した、全歩行動作の歩行ペース(msec/1歩)の平均値を算出する。また、動作特徴量算出部4は、動作特徴量として、駅周辺エリアにおける段差及び階段で発生した昇降動作の発生回数(回/1人)の平均値も算出する。
【0121】
但し、本実施例2では、データ抽出部3からは最新行動情報と過去行動情報とが与えられている。従って、動作特徴量算出部4は、最新行動情報を用いた歩行ペースの平均値と昇降動作の発生回数との算出を行い、更に、過去行動情報を用いた歩行ペースの平均値と昇降動作の発生回数との算出も行う。ここで、以下において、最新行動情報を用いて算出された動作特徴量を「最新動作特徴量」と呼び、過去行動情報を用いて算出された動作特徴量を「過去動作特徴量」と呼ぶこととする。
【0122】
そして、本実施例2において、得られた最新の歩行ペースの平均値の値が、700(msec/1歩)であり、最新の昇降動作の発生回数が、12(回/1人)であるとする。また、過去の歩行ペース平均値の値が、550(msec/1歩)であり、過去の昇降動作の発生回数が、9(回/1人)であるとする。動作特徴量算出部4は、算出した各動作特徴量を、注意喚起情報生成部5に与える。
【0123】
注意喚起情報生成部5は、与えられた動作特徴量を用いて、注意喚起情報を生成する。本実施例2においても、実施例1と同様に、注意喚起情報生成部5は、予め用意された算出式(ルール)を用いて注意喚起情報を生成する。具体的には、注意喚起情報生成部5は、例えば図3に示す算出式を用いて、急ぎ足で歩いている人物が多い場所を表す「ラッシュ注意喚起情報」を算出する。また、注意喚起情報生成部5は、図4に示す算出式を用いて、段差及び階段が多い場所を表す「バリア注意喚起情報」を算出する。
【0124】
本実施例2では、動作特徴量算出部4から最新動作特徴量と過去動作特徴量が与えられている。よって、注意喚起情報生成部5は、最新動作特徴量を用いて、「最新ラッシュ注意喚起情報」と「最新バリア注意喚起情報」とを生成する。また、注意喚起情報生成部5は、過去動作特徴量を用いて、「過去ラッシュ注意喚起情報」と「過去バリア注意喚起情報」とを生成する。
【0125】
いま、与えられた最新の歩行ペースの平均値の値が700(msec/1歩)、最新の昇降動作の発生回数が12(回/1人)、過去の歩行ペース平均値の値が550(msec/1歩)、過去の昇降動作の発生回数が9(回/1人)であるとする。従って、図3及び図4に示した算出式から生成される、「最新のラッシュ注意喚起情報」の値が50、「最新のバリア注意喚起情報」の値が70となる。同様に、「過去ラッシュ注意喚起情報」の値が65、「過去バリア注意喚起情報」の値が40となる。注意喚起情報生成部5は、生成した各注意喚起情報を、注意喚起情報統合部7に与える。
【0126】
次に、注意喚起情報統合部7は、与えられた注意喚起情報を統合する。本実施例2では、統合方法としては、実施の形態2において説明した「注意喚起情報の時間変化に着目する方法」が採用される。
【0127】
具体的には、注意喚起情報統合部7は、「最新ラッシュ注意喚起情報」の値から「過去ラッシュ注意喚起情報」の値を減算して、「ラッシュ注意喚起情報変化度」を算出する。また、注意喚起情報統合部7は、「最新バリア注意喚起情報」の値から「過去バリア注意喚起情報」の値を減算して、「バリア注意喚起情報変化度」を算出する。結果、「ラッシュ注意喚起情報変化度」の値は、50-65 = -15となり、「バリア注意喚起情報変化度」の値は、70-40 = -30となる。
【0128】
そして、注意喚起情報統合部7は、「ラッシュ注意喚起情報変化度」と「バリア注意喚起情報変化度」とを比較する。ここで、「注意情報変化度」の値が大きい方において、最近このA駅のエリアで、何らかの注意を要する変化が起きたと推測することができる。従って、注意喚起情報統合部7は、「注意情報変化度」の値が大きかった「バリア注意喚起情報」を選択し、その最新の結果である「最新バリア注意喚起情報」の値を、統合結果として、出力部6に与える。
【0129】
出力部6は、注意喚起情報統合部7から与えられた注意喚起情報の統合結果を、ユーザが操作する端末20に送信する。この結果、実施例1と同様に、ユーザの端末20のディスプレイ装置の画面では、図5に示した例と同様に、地図上に注意喚起情報の統合結果が重畳表示される。
【実施例3】
【0130】
次に、本発明の実施例3を、先に示した図10〜図13を参照して詳細に説明する。実施例3は実施の形態3に対応する。実施例3においても、実施例1と同様に、行動データ記憶部1、データ抽出部3、動作特徴量算出部4、注意喚起情報生成部5、出力部6は、サーバコンピュータによって構築されている。生成対象設定部21、およびパラメータ入力部22は、ユーザが操作する端末20に構築されている。
【0131】
行動データ記憶部1には、実施例1と同様に、多くのユーザから収集した動作情報と位置情報とが記憶されている。本実施例3においても、ユーザからの動作情報と位置情報との収集は、例えば、各ユーザが所有する、加速度センサとGPSとが搭載され携帯電話を用いて行われている。
【0132】
また、端末20においては、生成対象設定部21が、ユーザの指示に応じて、注意喚起情報の生成対象となるエリアや時間帯などを設定し、設定した情報をデータ抽出部3に送信する。本実施例3でも、ユーザが端末20を操作して、ユーザの目的地であるA駅周辺のエリアを指定すると、生成対象設定部21は、指定されたエリアを生成対象として設定する。
【0133】
更に、端末20においては、パラメータ入力部22は、ユーザの指示に応じて、パラメータとして基準エリア及び基準時間帯を、注意喚起情報生成部5に送信する。本実施例3では、注意喚起情報を利用するユーザは、基準エリアとして、自宅付近を入力している。
【0134】
データ抽出部3は、生成対象として設定されたA駅を中心に、例えば周囲100m以内のエリアで収集された全ての行動情報を、行動データ記憶部1から抽出する。また、データ抽出部3は、抽出した動作情報を、動作特徴量算出部4に与える。
【0135】
動作特徴量算出部4は、与えられた動作情報を用いて、動作特徴量を算出する。また、本実施例3では、注意喚起情報生成部5が、図11に示した算出式を用いて「ラッシュ注意喚起情報」を算出し、図12に示した算出式を用いて「バリア注意喚起情報」を算出する。従って、動作特徴量算出部4は、A駅周辺エリアにおいて発生した、全歩行動作の歩行ペース(msec/1歩)の平均値と、駅周辺エリアにおける段差及び階段で発生した昇降動作の発生回数(回/1人)の平均値とを、動作特徴量として算出する。
【0136】
なお、本実施例3において、歩行ペースの平均値の値は700(msec/1歩)、昇降動作の発生回数は12(回/1人)であったとする。また、動作特徴量算出部4は、算出した動作特徴量を注意喚起情報生成部5に与える。
【0137】
また、注意喚起情報生成部5は、先ず、パラメータ入力部8が送信したパラメータに基づき、行動データ記憶部1から、動作情報を抽出する。具体的には、注意喚起情報生成部5は、基準エリアが自宅付近のエリアであることから、自宅付近の動作情報を抽出する。
【0138】
更に、注意喚起情報生成部5は、図11に示す算出式を用いるため、抽出した動作情報を用いて、自宅付近のエリアで発生した全歩行動作の歩行ペース(msec/1歩)の平均値と、全歩行動作の歩行ペース(msec/1歩)の最小値とを、基準動作特徴量として算出する。
【0139】
同様に、注意喚起情報生成部5は、図12に示す算出式を用いるため、自宅付近における段差及び階段で発生した昇降動作の発生回数(回/1人・1秒)の平均値と、自宅付近における段差及び階段で発生した昇降動作の発生回数(回/1人・1秒)の最大値とを算出する。
【0140】
本実施例3において、自宅付近のエリアで発生した全歩行動作の歩行ペースの平均値が800(msec/1歩)、全歩行動作の歩行ペースの最小値が300(msec/1歩)であったとする。同様に、自宅付近における段差及び階段で発生した昇降動作の発生回数の平均値が4(回/1人・1秒)、自宅付近における段差及び階段で発生した昇降動作の発生回数の最大値が6(回/1人・1秒)であったとする。
【0141】
次に、注意喚起情報生成部5は、動作特徴量算出部4から与えられた動作特徴量と、算出した基準動作特徴量とを、図11に示す算出式と図12に示す算出式とに当てはめて、注意喚起情報として、「ラッシュ注意喚起情報」及び「バリア注意喚起情報」を生成する。なお、本実施例3において、動作特徴量算出部4から与えられた動作特徴量の値は、歩行ペースの平均値の値が700(msec/1歩)、昇降動作の発生回数が12(回/1人)であるとする。
【0142】
従って、図11に示す算出式から、「ラッシュ注意喚起情報」の値は20と算出され、図12に示す算出式から、「バリア注意喚起情報」の値は100と算出される。また、注意喚起情報生成部5は、生成した注意喚起情報を、出力部6に与える。
【0143】
出力部6は、注意喚起情報生成部5から与えられた注意喚起情報を、ユーザが操作する端末20に送信する。この結果、実施例2と同様に、ユーザの端末20のディスプレイ装置の画面では、図5に示した例と同様に、地図上に注意喚起情報の統合結果が重畳表示される。
【0144】
上述した実施の形態及び実施例の一部又は全部は、以下に記載する(付記1)〜(付記18)によって表現することができるが、以下の記載に限定されるものではない。
【0145】
(付記1)
複数の人物それぞれの携帯端末から収集した、前記複数の人物それぞれの位置を特定する位置情報と、前記複数の人物それぞれの動作を特定する動作情報と、を記憶する行動データ記憶部と、
設定されたエリア及び時間帯に基づいて、前記行動データ記憶部から、対応する前記動作情報を抽出する、データ抽出部と、
抽出された前記動作情報に基づいて、前記複数の人物の特徴的な動作パターンを示す動作特徴量を算出する、動作特徴量算出部と、
算出された前記動作特徴量に基づいて、設定されたエリアにおいて注意すべき事柄を示す注意喚起情報を生成する、注意喚起情報生成部と、
を備えていることを特徴とする注意喚起装置。
【0146】
(付記2)
前記動作特徴量算出部が、抽出された前記動作情報を用いて、前記動作情報が特定する動作の速度、前記動作情報が特定する動作の発生回数、前記動作情報が特定する動作の継続時間、のうちいずれかを求め、統計処理を行うことによって、前記動作特徴量を算出する、付記1に記載の注意喚起装置。
【0147】
(付記3)
前記動作特徴量算出部が、前記動作特徴量として、設定されたエリアに存在する前記人物の歩行速度の平均値を算出し、
前記注意喚起情報生成部が、前記歩行速度の平均値に基づいて、設定されたエリアにおける混雑状況の指標となる注意喚起情報を生成する、
付記2に記載の注意喚起装置。
【0148】
(付記4)
前記動作特徴量算出部が、前記動作特徴量として、設定されたエリアに存在する前記人物において昇降動作が発生した回数の平均値を算出し、
前記注意喚起情報生成部が、前記昇降動作が発生した回数の平均値に基づいて、設定されたエリアに存在する高低差の存在状況の指標となる注意喚起情報を生成する、
付記2に記載の注意喚起装置。
【0149】
(付記5)
前記動作特徴量算出部が、抽出された前記動作情報を用いて、設定されたエリアにおける、前記動作情報の収集元となった人物の数を、動作特徴量として算出し、
前記注意喚起情報生成部が、設定されたエリアにおける、前記動作情報の収集元となった人物の数に基づいて、設定されたエリアにおける混雑状況の指標となる注意喚起情報を生成する、
付記2に記載の注意喚起装置。
【0150】
(付記6)
設定されたエリアを含む地図データ上に、前記注意喚起情報を重ね合わせ、前記注意喚起情報が重ね合わされた地図データを外部に出力する、出力部を更に備えている、付記1〜5のいずれかに記載の注意喚起装置。
【0151】
(付記7)
前記注意喚起情報生成部が、注意の程度を数値で表現する注意喚起情報を2種類以上生成する場合に、各注意喚起情報の値の合算値、各注意喚起情報の時間的変化の度合い、及び各注意喚起情報の空間的変化の度合い、のいずれかを用いて、前記2種類以上の注意喚起情報を統合する、注意喚起情報統合部を更に備えている、
付記1〜6のいずれかに記載の注意喚起装置。
【0152】
(付記8)
前記注意喚起情報生成部が、
外部から、前記注意喚起情報を利用するユーザが指定する基準エリア及び基準時間帯の入力を受け付け、
受け付けた基準エリア及び基準時間帯に基づいて、前記行動データ記憶部から、対応する前記動作情報を抽出し、更に、
抽出した前記動作情報に基づいて、前記基準時間帯における前記基準エリアでの前記動作特徴量を、基準動作特徴量として算出し、そして、
前記動作特徴量算出部が算出した前記動作特徴量と、前記基準動作特徴量とを用いて、前記注意喚起情報を生成する、付記1〜7のいずれかに記載の注意喚起装置。
【0153】
(付記9)
(a)複数の人物それぞれの携帯端末から収集した、前記複数の人物それぞれの位置を特定する位置情報と、前記複数の人物それぞれの動作を特定する動作情報と、を記憶する、ステップと、
(b)設定されたエリア及び時間帯に基づいて、前記(a)のステップで記憶されている前記動作情報から、対応する前記動作情報を抽出する、ステップと、
(c)前記(b)のステップで抽出された前記動作情報に基づいて、前記複数の人物の特徴的な動作パターンを示す動作特徴量を算出する、ステップと、
(d)前記(c)のステップで算出された前記動作特徴量に基づいて、設定されたエリアにおいて注意すべき事柄を示す注意喚起情報を生成する、ステップと、
を有することを特徴とする注意喚起方法。
【0154】
(付記10)
前記(c)のステップにおいて、前記(b)のステップで抽出された前記動作情報を用いて、前記動作情報が特定する動作の速度、前記動作情報が特定する動作の発生回数、前記動作情報が特定する動作の継続時間、のうちいずれかを求め、統計処理を行うことによって、前記動作特徴量を算出する、付記9に記載の注意喚起装置。
【0155】
(付記11)
前記(c)のステップにおいて、前記動作特徴量として、設定されたエリアに存在する前記人物の歩行速度の平均値を算出し、
前記(d)のステップにおいて、前記歩行速度の平均値に基づいて、設定されたエリアにおける混雑状況の指標となる注意喚起情報を生成する、
付記10に記載の注意喚起方法。
【0156】
(付記12)
前記(c)のステップにおいて、前記動作特徴量として、設定されたエリアに存在する前記人物において昇降動作が発生した回数の平均値を算出し、
前記(d)のステップにおいて、前記昇降動作が発生した回数の平均値に基づいて、設定されたエリアに存在する高低差の存在状況の指標となる注意喚起情報を生成する、
付記10に記載の注意喚起方法。
【0157】
(付記13)
前記(c)のステップにおいて、前記(b)のステップで抽出された前記動作情報を用いて、設定されたエリアにおける、前記動作情報の収集元となった人物の数を、動作特徴量として算出し、
前記(d)のステップにおいて、設定されたエリアにおける、前記動作情報の収集元となった人物の数に基づいて、設定されたエリアにおける混雑状況の指標となる注意喚起情報を生成する、
付記10に記載の注意喚起方法。
【0158】
(付記14)
(e)設定されたエリアを含む地図データ上に、前記注意喚起情報を重ね合わせ、前記注意喚起情報が重ね合わされた地図データを外部に出力する、ステップを更に有する、
付記9〜13のいずれかに記載の注意喚起方法。
【0159】
(付記15)
(f)前記(d)のステップで、注意の程度を数値で表現する注意喚起情報を2種類以上生成する場合に、各注意喚起情報の値の合算値、各注意喚起情報の時間的変化の度合い、及び各注意喚起情報の空間的変化の度合い、のいずれかを用いて、前記2種類以上の注意喚起情報を統合する、ステップを更に有する、
付記9〜14のいずれかに記載の注意喚起方法。
【0160】
(付記16)
(g)外部から、前記注意喚起情報を利用するユーザが指定する基準エリア及び基準時間帯の入力を受け付ける、ステップと、
(h)前記(g)のステップで受け付けた基準エリア及び基準時間帯に基づいて、前記(a)のステップで記憶されている前記動作情報から、対応する前記動作情報を抽出する、ステップと、
(i)前記(h)のステップで抽出した前記動作情報に基づいて、前記基準時間帯における前記基準エリアでの前記動作特徴量を、基準動作特徴量として算出する、ステップと、
を更に有し、
前記(d)のステップにおいて、前記(c)のステップで算出した前記動作特徴量と、前記(i)のステップで算出した前記基準動作特徴量とを用いて、前記注意喚起情報を生成する、付記9〜15のいずれかに記載の注意喚起方法。
【0161】
(付記17)
コンピュータに、
(a)複数の人物それぞれの携帯端末から収集した、前記複数の人物それぞれの位置を特定する位置情報と、前記複数の人物それぞれの動作を特定する動作情報と、を記憶する、ステップと、
(b)設定されたエリア及び時間帯に基づいて、前記(a)のステップで記憶されている前記動作情報から、対応する前記動作情報を抽出する、ステップと、
(c)前記(b)のステップで抽出された前記動作情報に基づいて、前記複数の人物の特徴的な動作パターンを示す動作特徴量を算出する、ステップと、
(d)前記(c)のステップで算出された前記動作特徴量に基づいて、設定されたエリアにおいて注意すべき事柄を示す注意喚起情報を生成する、ステップと、
を実行させるプログラム。
【0162】
(付記18)
前記(c)のステップにおいて、前記(b)のステップで抽出された前記動作情報を用いて、前記動作情報が特定する動作の速度、前記動作情報が特定する動作の発生回数、前記動作情報が特定する動作の継続時間、のうちいずれかを求め、統計処理を行うことによって、前記動作特徴量を算出する、付記17に記載のプログラム。
【0163】
(付記19)
前記(c)のステップにおいて、前記動作特徴量として、設定されたエリアに存在する前記人物の歩行速度の平均値を算出し、
前記(d)のステップにおいて、前記歩行速度の平均値に基づいて、設定されたエリアにおける混雑状況の指標となる注意喚起情報を生成する、
付記18に記載のプログラム。
【0164】
(付記20)
前記(c)のステップにおいて、前記動作特徴量として、設定されたエリアに存在する前記人物において昇降動作が発生した回数の平均値を算出し、
前記(d)のステップにおいて、前記昇降動作が発生した回数の平均値に基づいて、設定されたエリアに存在する高低差の存在状況の指標となる注意喚起情報を生成する、
付記18に記載のプログラム。
【0165】
(付記21)
前記(c)のステップにおいて、前記(b)のステップで抽出された前記動作情報を用いて、設定されたエリアにおける、前記動作情報の収集元となった人物の数を、動作特徴量として算出し、
前記(d)のステップにおいて、設定されたエリアにおける、前記動作情報の収集元となった人物の数に基づいて、設定されたエリアにおける混雑状況の指標となる注意喚起情報を生成する、
付記18に記載のプログラム。
【0166】
(付記22)
(e)設定されたエリアを含む地図データ上に、前記注意喚起情報を重ね合わせ、前記注意喚起情報が重ね合わされた地図データを外部に出力する、ステップを更に前記コンピュータに実行させる、
付記17〜21のいずれかに記載のプログラム。
【0167】
(付記23)
(f)前記(d)のステップで、注意の程度を数値で表現する注意喚起情報を2種類以上生成する場合に、各注意喚起情報の値の合算値、各注意喚起情報の時間的変化の度合い、及び各注意喚起情報の空間的変化の度合い、のいずれかを用いて、前記2種類以上の注意喚起情報を統合する、ステップを前記コンピュータに更に実行させる、
付記17〜22のいずれかに記載のプログラム。
【0168】
(付記24)
(g)外部から、前記注意喚起情報を利用するユーザが指定する基準エリア及び基準時間帯の入力を受け付ける、ステップと、
(h)前記(g)のステップで受け付けた基準エリア及び基準時間帯に基づいて、前記(a)のステップで記憶されている前記動作情報から、対応する前記動作情報を抽出する、ステップと、
(i)前記(h)のステップで抽出した前記動作情報に基づいて、前記基準時間帯における前記基準エリアでの前記動作特徴量を、基準動作特徴量として算出する、ステップと、
を更に前記コンピュータに実行させ、
前記(d)のステップにおいて、前記(c)のステップで算出した前記動作特徴量と、前記(i)のステップで算出した前記基準動作特徴量とを用いて、前記注意喚起情報を生成する、付記17〜23のいずれかに記載のプログラム。
【産業上の利用可能性】
【0169】
本発明によれば、ユーザは、例えば外出前に行き先の注意喚起情報を得ることができる。よって、ユーザは、実際にその場所を訪れたときに、想定外の問題に直面しないで済むように準備することができ、また、問題がありそうな場合は行き先を変更することなどができる。そして、本発明を、例えば、ナビゲーションシステムに適用すれば、提示された複数のルートの中から、ルート上のエリアの注意喚起情報の値が小さいルートを、優先的に選択したり、提示したりすることができ、ユーザにより適したルートを提示できる。
【符号の説明】
【0170】
1 行動データ記憶部
2 行動データ収集部
3 データ抽出部
4 動作特徴量算出部
5 注意喚起情報生成部
6 出力部
7 注意喚起情報統合部
10 注意喚起装置(実施の形態1)
11 注意喚起装置(実施の形態2)
12 注意喚起装置(実施の形態3)
20 端末
21 生成対象設定部
22 パラメータ入力部
30 携帯端末


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の人物それぞれの携帯端末から収集した、前記複数の人物それぞれの位置を特定する位置情報と、前記複数の人物それぞれの動作を特定する動作情報と、を記憶する行動データ記憶部と、
設定されたエリア及び時間帯に基づいて、前記行動データ記憶部から、対応する前記動作情報を抽出する、データ抽出部と、
抽出された前記動作情報に基づいて、前記複数の人物の特徴的な動作パターンを示す動作特徴量を算出する、動作特徴量算出部と、
算出された前記動作特徴量に基づいて、設定されたエリアにおいて注意すべき事柄を示す注意喚起情報を生成する、注意喚起情報生成部と、
を備えていることを特徴とする注意喚起装置。
【請求項2】
前記動作特徴量算出部が、抽出された前記動作情報を用いて、前記動作情報が特定する動作の速度、前記動作情報が特定する動作の発生回数、前記動作情報が特定する動作の継続時間、のうちいずれかを求め、統計処理を行うことによって、前記動作特徴量を算出する、請求項1に記載の注意喚起装置。
【請求項3】
前記動作特徴量算出部が、前記動作特徴量として、設定されたエリアに存在する前記人物の歩行速度の平均値を算出し、
前記注意喚起情報生成部が、前記歩行速度の平均値に基づいて、設定されたエリアにおける混雑状況の指標となる注意喚起情報を生成する、
請求項2に記載の注意喚起装置。
【請求項4】
前記動作特徴量算出部が、前記動作特徴量として、設定されたエリアに存在する前記人物において昇降動作が発生した回数の平均値を算出し、
前記注意喚起情報生成部が、前記昇降動作が発生した回数の平均値に基づいて、設定されたエリアに存在する高低差の存在状況の指標となる注意喚起情報を生成する、
請求項2に記載の注意喚起装置。
【請求項5】
前記動作特徴量算出部が、抽出された前記動作情報を用いて、設定されたエリアにおける、前記動作情報の収集元となった人物の数を、動作特徴量として算出し、
前記注意喚起情報生成部が、設定されたエリアにおける、前記動作情報の収集元となった人物の数に基づいて、設定されたエリアにおける混雑状況の指標となる注意喚起情報を生成する、
請求項2に記載の注意喚起装置。
【請求項6】
設定されたエリアを含む地図データ上に、前記注意喚起情報を重ね合わせ、前記注意喚起情報が重ね合わされた地図データを外部に出力する、出力部を更に備えている、請求項1〜5のいずれかに記載の注意喚起装置。
【請求項7】
前記注意喚起情報生成部が、注意の程度を数値で表現する注意喚起情報を2種類以上生成する場合に、各注意喚起情報の値の合算値、各注意喚起情報の時間的変化の度合い、及び各注意喚起情報の空間的変化の度合い、のいずれかを用いて、前記2種類以上の注意喚起情報を統合する、注意喚起情報統合部を更に備えている、
請求項1〜6のいずれかに記載の注意喚起装置。
【請求項8】
前記注意喚起情報生成部が、
外部から、前記注意喚起情報を利用するユーザが指定する基準エリア及び基準時間帯の入力を受け付け、
受け付けた基準エリア及び基準時間帯に基づいて、前記行動データ記憶部から、対応する前記動作情報を抽出し、更に、
抽出した前記動作情報に基づいて、前記基準時間帯における前記基準エリアでの前記動作特徴量を、基準動作特徴量として算出し、そして、
前記動作特徴量算出部が算出した前記動作特徴量と、前記基準動作特徴量とを用いて、前記注意喚起情報を生成する、請求項1〜7のいずれかに記載の注意喚起装置。
【請求項9】
(a)複数の人物それぞれの携帯端末から収集した、前記複数の人物それぞれの位置を特定する位置情報と、前記複数の人物それぞれの動作を特定する動作情報と、を記憶する、ステップと、
(b)設定されたエリア及び時間帯に基づいて、前記(a)のステップで記憶されている前記動作情報から、対応する前記動作情報を抽出する、ステップと、
(c)前記(b)のステップで抽出された前記動作情報に基づいて、前記複数の人物の特徴的な動作パターンを示す動作特徴量を算出する、ステップと、
(d)前記(c)のステップで算出された前記動作特徴量に基づいて、設定されたエリアにおいて注意すべき事柄を示す注意喚起情報を生成する、ステップと、
を有することを特徴とする注意喚起方法。
【請求項10】
コンピュータに、
(a)複数の人物それぞれの携帯端末から収集した、前記複数の人物それぞれの位置を特定する位置情報と、前記複数の人物それぞれの動作を特定する動作情報と、を記憶する、ステップと、
(b)設定されたエリア及び時間帯に基づいて、前記(a)のステップで記憶されている前記動作情報から、対応する前記動作情報を抽出する、ステップと、
(c)前記(b)のステップで抽出された前記動作情報に基づいて、前記複数の人物の特徴的な動作パターンを示す動作特徴量を算出する、ステップと、
(d)前記(c)のステップで算出された前記動作特徴量に基づいて、設定されたエリアにおいて注意すべき事柄を示す注意喚起情報を生成する、ステップと、
を実行させるプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−173782(P2012−173782A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−32175(P2011−32175)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.COMPACTFLASH
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】