説明

注文システム、方法、及び、プログラム

【課題】 納品後、速やかに稼動状態に移行できるように情報設定を要する商品を注文させることができる注文システムを提供する。
【解決手段】 本発明は、構成要素が所定情報の設定によって稼働可能な状態となる商品の、通信ネットワークを介した注文を受け付ける注文システムに関する。注文を受け付けて注文管理データベースに注文データを登録する注文管理手段と、所定情報の設定が稼働可能状態への移行条件となっている構成要素と、必要な設定情報とを少なくとも格納している機器設定データベースと、注文管理データベースに登録した注文データの商品に係る構成要素が所定情報の設定が必要なものか否かを、機器設定データベースの格納内容に基づいて判断し、所定情報の設定が必要な構成要素については情報を取り込み、構成要素に投入できる形式の設定データを自動生成する機器設定情報生成手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文システム、方法、及び、プログラムに関し、例えば、ホームページ上で、交換機システム等の構成要素を選択可能な商品、商品群を注文させる場合に適用し得るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、顧客が、自分の好みのデザイン、サイズ、特性価格等の必要な商品情報を得た上で、自ら情報端末機を用いて、手軽にかつ安心してオリジナル商品を注文し購入することができる、特許文献1に記載のオリジナル商品注文システムであった。
【特許文献1】特開2002−133201
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、顧客が、複数の商品から自分が必要な構成要素を選択してシステムを構築するようなシステム商品も存在する。例えば、交換機システムの場合、PBX(構内交換機)だけを選択して購入する場合もあれば、PBXに加え、電話機、FAX、テレビ電話機、基地局装置、無線電話端末などの他の構成要素から任意のものを同時に購入することがある。また例えば、コンピュータシステムの場合、パソコンだけを選択して購入する場合もあれば、パソコンに加え、プリンタ、マウス、LAN接続機器、キーボードなどの他の構成要素から任意のものを同時に購入することがある。
【0004】
上述のような交換機システムやコンピュータシステムなどのシステム商品においても、特許文献1に記載の上述した従来の注文システムは適用可能である。
【0005】
しかしながら、交換機システムやコンピュータシステムなどのシステム商品の中には、複数の構成要素を動作させるために、1又は複数の構成要素に対して情報を設定することを要するものがある。例えば、交換機システムでは、PBXに対して、どの内線端末(電話機など)にどの内線番号を割り当てたかを設定することを要する。また例えば、コンピュータシステムでは、パソコンに対して、接続するプリンタの機種名(若しくは能力)を設定することを要する。
【0006】
従来の注文システムで情報を設定することを要するシステム商品を注文しても、設定を要する情報は、システム商品の納入後において、顧客が設定しなければならず、購入されたシステム商品を稼動し得る状態にするために煩わしい作業を必要とし、設定に不慣れな顧客が設定を行うので設定ミスの可能性も大きい。
【0007】
そのため、納品時において、メーカーの者や納入業者が設定をすることも考えられる。しかし、宅配便などで納入する場合にはかかる解決方法を適用できない。また、納品時に顧客から聞き出さなければならない情報が設定情報の場合には、納品時に多くの作業が必要となってしまう。
【0008】
そのため、納品後、速やかに稼動状態に移行できるように、情報設定を要する商品を注文させることができる注文システム、方法、及び、プログラムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の本発明は、一部又は全ての構成要素が所定情報の設定によって稼働可能な状態となる商品の、通信ネットワークを介した注文を受け付ける注文システムにおいて、(1)受け付けた注文のデータを記憶する注文管理データベースと、(2)注文を受け付けて上記注文管理データベースに注文データを登録する注文管理手段と、(3)所定情報の設定が稼働可能状態への移行条件となっている構成要素と、必要な設定情報とを少なくとも格納している機器設定データベースと、(4)上記注文管理手段が受け付けて上記注文管理データベースに登録した注文データの商品に係る構成要素が所定情報の設定が必要なものか否かを、上記機器設定データベースの格納内容に基づいて判断し、所定情報の設定が必要な構成要素については情報を取り込み、上記構成要素に投入できる形式の設定データを自動生成する機器設定情報生成手段とを有することを特徴とする。
【0010】
第2の本発明は、一部又は全ての構成要素が所定情報の設定によって稼働可能な状態となる商品の、通信ネットワークを介した注文を受け付ける注文方法において、(1)受け付けた注文のデータを記憶する注文管理データベースと、所定情報の設定が稼働可能状態への移行条件となっている構成要素と、必要な設定情報とを少なくとも格納している機器設定データベースとが設けられており、(2)注文管理手段は、注文を受け付けて上記注文管理データベースに注文データを登録し、(3)機器設定情報生成手段は、上記注文管理手段が受け付けて上記注文管理データベースに登録した注文データの商品に係る構成要素が所定情報の設定が必要なものか否かを、上記機器設定データベースの格納内容に基づいて判断し、所定情報の設定が必要な構成要素については情報を取り込み、上記構成要素に投入できる形式の設定データを自動生成することを特徴とする。
【0011】
第3の本発明の注文プログラムは、一部又は全ての構成要素が所定情報の設定によって稼働可能な状態となる商品の、通信ネットワークを介した注文を受け付ける注文システムを構築するコンピュータを、(1)受け付けた注文のデータを記憶する注文管理データベースと、(2)注文を受け付けて上記注文管理データベースに注文データを登録する注文管理手段と、(3)所定情報の設定が稼働可能状態への移行条件となっている構成要素と、必要な設定情報とを少なくとも格納している機器設定データベースと、(4)上記注文管理手段が受け付けて上記注文管理データベースに登録した注文データの商品に係る構成要素が所定情報の設定が必要なものか否かを、上記機器設定データベースの格納内容に基づいて判断し、所定情報の設定が必要な構成要素については情報を取り込み、上記構成要素に投入できる形式の設定データを自動生成する機器設定情報生成手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、納品後、速やかに稼動状態に移行できるように、情報設定を要する商品を注文させることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(A)実施形態
以下、本発明による注文システム、方法、及び、プログラムを、注文対象のシステム商品が交換機システムであるWebページを利用したWeb注文システムに適用した一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0014】
(A−1)実施形態の構成
図1は、実施形態に係るWeb注文システムの機能的構成を示すブロック図である。このWeb注文システムは、データベースとなる大容量記憶装置を有するサーバに対して、注文プログラムを搭載することにより構築されるものであるが、機能的には、図1で表すことができる。ここで、注文プログラムを搭載するサーバは1台に限定されず、複数のサーバに分散して搭載し、分散処理によって、Web注文システムの機能を実現するものであっても良い。
【0015】
Web注文システム1は、事業者が、交換機システムを購入者(顧客)に販売するための注文システムであって、サーバクライアントシステムのサーバとして機能するものである。Web注文システム1のクライアントとなる顧客PC(パソコン)10と、Web注文システム1とは、インターネット12を介して、互いにデータ通信可能に接続されている。なお、図1においては、クライアントである顧客PC10は2つしか描かれていないが、インターネット12に接続された全てのコンピュータがクライアントとなり得る。
【0016】
Web注文システム1は、通信部2、Web注文管理部3、機器設定情報生成部4、データベース管理部5、注文管理データベース6、顧客管理データベース7、商品情報データベース8及び機器設定データベース9を有する。
【0017】
通信部2は、インターネット12に準拠したプロトコルで、顧客PC10とデータの送受信を行うためのものである。
【0018】
Web注文管理部3は、HTML(Hyper Text Markup Language)で記述されたWebページのインターネット12を介したHTTP(Hyper Text Transfer Protocol)による送受信を行い、注文の受付管理を行うものである。Web注文管理部3は、インターネット12を介して通信部2からHTTPに基づいてWebページを提供し、商品の注文の受付、顧客情報の受付、受注管理を行うものである。
【0019】
機器設定情報生成部4は、注文された交換機システムの構成に応じた、顧客によって入力された機器設定情報を有する設定ファイルを生成するものである。また、機器設定情報生成部4は、生成した設定ファイルを、インターネット12を介して、顧客PC10からダウンロードできるように提供するものである。
【0020】
データベース管理部5は、注文管理データベース6、顧客管理データベース7、商品情報データベース8又は機器設定情報データベース9から、必要なデータを抽出したり、各データベース6、7、8、9の書き換えを制御したりするものである。
【0021】
注文管理データベース6は、顧客からの注文状況に関する情報を格納しているものである。注文管理データベース6は、例えば、図2に示すように、各注文番号と、注文日、品番、発送の有無などの注文に関する情報とを関連付けて格納しているものである。新たに交換機システムの注文があった場合などには、データベース管理部5により、注文に関する情報が注文番号に関連付けられて注文管理データベース6に追加登録される。
【0022】
顧客管理データベース7は、過去に注文歴がある顧客に関する情報を格納しているものである。顧客管理データベース7は、例えば、図3に示すように、過去に注文のあった顧客の識別子となるIDに、パスワード、氏名、年齢、性別、住所などの当該顧客に関する情報を関連付けて格納している。過去に注文したことのない新規の顧客による注文があった場合には、データベース管理部5により、新規の顧客IDに顧客の情報が関連付けられて顧客管理データベース7に追加登録される。なお、顧客管理データベース7に記憶される顧客の情報として、過去に購入した商品(交換機システム)の機器構成を含む情報を加えるようにしても良い。
【0023】
商品情報データベース8は、図4に示すように、品番、品名、商品説明、販売価格、仕様など商品に関する情報を関連付けて格納しているものである。
【0024】
機器設定情報データベース9は、交換機システムの構成要素となり得る機器の、設定ファイル(コンフィグファイル)に含める項目やパラメータが該当する機器設定情報を格納している。すなわち、機器設定データベース9は、各機器毎に設定が必要な項目やパラメータの情報を格納している(後述する図6〜図11参照)。また、機器設定情報データベース9は、注文処理時には、入力された機器設定情報を一時的にバッファリングするものである。さらに、機器設定情報データベース9は、入力された機器設定情報から、その情報を含む設定ファイルを生成させるための情報(例えばテンプレート)を格納している。
【0025】
なお、購入者(顧客)の顧客PC10には、Web閲覧ソフトウェアであるWebブラウザ11がインストールされていることを要する。
【0026】
(A−2)実施形態の動作
(A−2−1)注文動作の概要
次に、以上の構成を有する実施形態のWeb注文システムにおける動作(注文方法)の概要を、図5のフローチャートを参照しながら説明する。
【0027】
ここで、予め、販売する交換機システムの構成要素となり得る機器に関する情報(品番、品名、価格など)が商品情報データベース8に格納され、販売する交換機システムの構成要素となり得る機器の設定に関する情報が機器設定データベース9に格納されていることとする。
【0028】
ステップS100:顧客がWeb注文システム1に係るURLを入力して検索ボタンをクリックすると、顧客PC10のWebブラウザ11に、IDやパスワードを入力するためのページが表示され、顧客は、このIDやパスワードを入力させるためのページに、IDとパスワードを入力し、入力後、ログインボタンをクリックする。これにより、IDとパスワードに関するデータが顧客PC10からWeb注文システム1に送信される。
【0029】
ステップS101:Web注文システム1において、顧客PC10から受信したIDとパスワードに関するデータと顧客管理データベース7に格納されているIDと該IDに関連付けられているパスワードを基に、入力されたパスワードが正しいか否かを判断する。IDとパスワードが正しいと判断された場合は、ステップS102に進む。IDとパスワードが誤りと判断された場合は、ステップS100に戻る。
【0030】
ステップS102:Web注文管理部3は、顧客が認証できると、データベース管理部5を介して、商品情報データベース8から購入可能な商品の情報を取得し、商品選択画面を生成し、その画面を、インターネット12を経由して、顧客PC10のWebブラウザ11に表示させる。
【0031】
ステップS103:顧客は、顧客PC10のWebブラウザ11に表示された商品選択画面において、購入する交換機システムの構成を入力する。例えば、商品選択画面において、購入する機器(構成要素)の品名の脇に設けられている数量フィールドに購入する数量を入力する。
【0032】
ステップS104:顧客が選択した機器(構成要素)と数量の情報を、Web注文システム1のWeb注文管理部3が受信し、データベース管理部5を介して注文管理データベース6へ保存する。但し、このときのデータは注文が確定していない仮注文としてデータを保存する。
【0033】
ステップS105:顧客が注文する全ての商品の選択が完了していない場合には、再度ステップS103に戻り、商品選択画面を顧客PC10のWebブラウザ11に表示させる。顧客が、注文する全ての商品の選択が完了した場合は、商品選択画面上の注文完了を示すボタンをクリックし、このとき、ステップS106に進む。
【0034】
ステップS106:Web注文管理部3は、注文完了を示すボタンがクリックされると、顧客が選択した機器と数量の一覧をWebブラウザ11に表示させて、間違いがないか否かの確認を行う。Web注文管理部3より、データベース管理部5を介して、注文管理データベース6のデータの中で仮注文の状態にあるものを取り出すことにより、顧客PC10のWebブラウザ11に顧客が選択した機器と数量とを表示させる。
【0035】
ステップS107:顧客PC10のWebブラウザ11上に、注文商品(交換機システム)の配送先の住所や連絡先、代金の支払い方法(決済方法)を入力する画面を表示し、顧客はこれらの情報を入力する。入力されたデータは、Web注文管理部3で受信され、データベース管理部5を介して注文管理データベース6に保存される。
【0036】
以上までのステップS101〜S107の処理は、Webページを利用した多くの注文システムと同様な処理である。この実施形態のWeb注文システム1は、以下のステップS108〜S112の処理を実行することに特徴を有している。
【0037】
ステップS108:注文した機器の機器設定情報を含む設定ファイルを自動生成する否かを、顧客PC10のWebブラウザ11上の画面で、顧客に選択させる。「自動生成しない」が選択された場合には、この注文処理を完了する。このとき、仮注文は本注文に切り替わる。一方、「自動生成する」が選択された場合には、ステップS109に進む。
【0038】
ステップS109:機器設定情報生成部4は、注文管理データベース6から選択された機器の情報を得た上で、機器設定データベース9をアクセスして選択された機器に応じて定まる、ネットワーク情報(NW情報)、番号情報などの機器設定情報の項目やパラメータを取り出し、インターネット12を介して顧客PC10のWebブラウザ11に、選択された機器に応じて定まる機器設定情報を入力する画面を表示させる。顧客は、機器を設置するネットワークの情報(IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイなど)の情報や番号情報(外線電話番号、内線電話番号など)などの機器設定情報を表示画面から入力する。ここで、入力する必要がある機器設定情報は、後述するように、注文する機器によって異なる。入力された機器設定情報は、機器設定情報生成部4で受信され、データベース管理部5を介して機器設定データベース9に保存される。
【0039】
ステップS110:顧客が全てのNW情報、番号情報などの機器設定情報の入力を完了していない場合には、ステップS109に戻り、再度必要な機器設定情報を入力させる。全ての情報の入力が完了した場合には、ステップS111に進む。
【0040】
ステップS111:機器設定情報生成部4は、データベース管理部5を介して、機器設定データベース9より、顧客が入力したNW情報、番号情報などの機器設定情報を取得し(選択された機器の情報だけを含むので、注文された商品(交換機システム)の機器構成を把握できる)、全て又は一部の機器に設定する設定ファイル(コンフィグファイル)を生成する。
【0041】
ステップS112:顧客は、顧客PC10のWebブラウザ11により、インターネット12を介してステップS111で生成した設定ファイル(コンフィグファイル)をダウンロードする。このようなダウンロードが終了した際にも、仮注文が確定注文に変更される。
【0042】
例えば、PBXなどの機器は、電源がオンされた立ち上がり時に、当該PBXの初期設定モードに入る。この初期設定モードでは、自己又は接続機器の機器設定情報を入力されるステップがあり、この実施形態に係るPBXや機器では、その入力方法の一つとして、設定ファイルからの選択が設けられている。上述したダウンロードされた設定ファイルを所定の記録媒体に記録させ、その記録媒体を介して設定対象に入力させたり、ダウンロードされた設定ファイルを顧客PC10に記憶させ、顧客PC10と設定対象とをケーブル接続させて設定ファイルを転送させて設定対象に入力させたりする。また、設定対象がインターネットを経由して、Web注文システムに保存されている顧客の設定ファイルを、直接ダウンロードし設定することも可能である。
【0043】
(A−2−2)機器設定情報の入力動作の詳細
次に、ステップS109の機器設定情報の入力動作を、図6〜図11をも参照しながら説明する。以下では、購入された機器(交換機システムの構成要素)が、1台のIP−PBX及び3台の電話端末であるとして説明を行う。また、以下の動作を実行する主体は、機器設定情報生成部4である。
【0044】
図6〜図11に示すように、機器設定情報の入力用画面は、大きくは、購入した機器(図面では「装置」と表記)を表示する部分20と、設定項目を表示する部分21と、具体的な設定情報を入力する部分22とでなっている。
【0045】
購入した機器を表示する部分20には、購入された機器の名称を記載したアイコンが表示される。図6〜図11では、3台の電話端末を区別することなく、1個の「電話端末」アイコンを表示するものを示したが、「電話端末1」、「電話端末2」、「電話端末3」のように区別して表示させるようにしても良い。また、機器名の表示順序は、顧客が購入する機器を入力した順であっても良く、また、機器設定データベース9に、表示順序を決定できる値を、予め各機器に付与しておき、その値の大小に基づいて表示順序を定めるようにしても良い。例えば、後者の場合、「ある機器」の設定情報が、「他の機器」の設定情報の項目に影響を与える場合には、「ある機器」の機器名のアイコンを、先に選択がなされやすい左側の位置に表示されるように、表示順序の値を付与するようにすれば良い。顧客は、機器設定情報を入力しようとするいずれかの機器名アイコンをクリックする。
【0046】
設定項目を表示する部分21には、クリックされた機器名アイコンに係る機器の設定項目の種類が表示される。いずれの機器名アイコンもクリックされていないときには、設定項目を表示する部分21は空白であっても良く、デフォルトの機器(例えば最も左側の機器名アイコンに係る機器)の設定項目の種類を表示するようにしても良い。図6〜図8は、IP−PBXの機器名アイコンがクリックされた場合を示しており、「本体設定」、「番号計画設定」、「端末登録設定」の3種類の設定項目アイコンが表示される場合を示している。ここで、同一の機器名アイコンがクリックされた場合においては常に設定項目の表示を同じにするようにしても良く、同一の機器名アイコンがクリックされても、具体的な機器に応じて(品番によって区別できる)表示する設定項目を取り出すようにしても良い。顧客は、選択する設定項目アイコンをクリックする。図6は、「本体設定」アイコンがクリックされた場合を示し、図7は、「番号計画設定」アイコンがクリックされた場合を示し、図8は、「端末登録設定」アイコンがクリックされた場合を示している。
【0047】
設定情報を入力する部分22は、クリックされた設定項目のアイコンに応じた設定情報の表示入力フィールドなどが表示される。いずれの設定項目のアイコンもクリックされていないときには、設定項目を表示する部分21は空白であっても良く、デフォルトの設定項目(例えば最も上側の設定項目アイコンに係る設定項目)の表示入力フィールドなどを表示するようにしても良い。今回の注文について、当該設定項目アイコンのクリックが始めてなされた場合には、表示入力フィールドを未入力状態で表示する。一方、既に入力がなされたが更新のために、当該設定項目アイコンのクリックがなされた場合には、表示入力フィールドには既入力の値を表示させる。顧客は、表示入力フィールドに対して、具体的な値を入力することになる。
【0048】
図6は、上述したように、「本体設定」アイコンがクリックされた場合である。この場合には、機器「IP−PBX」の本体に関係する設定情報である、「本体のIPアドレス」、「サブネットマスク(のIPアドレス)」、「DNSサーバ(のIPアドレス)」、「ゲートウェイ(のIPアドレス)」の表示入力フィールドが表示され、顧客は、これら表示入力フィールドに該当する値を入力し、「保存」アイコンを操作することになる。「保存」アイコンの操作により、機器設定データベース9にこれらの入力情報が格納されることになる。また、「保存」アイコンが操作されたときには、設定項目を表示する部分21における「本体設定」アイコンは、例えば、入力済みであることを表示するように反転表示がなされる。
【0049】
図7は、上述したように、「番号計画設定」アイコンがクリックされた場合である。なお、図6に示す「本体設定」に係る表示入力フィールドに対する入力がなされた後、「保存」アイコンが操作された際にも、図7に示すような「番号計画設定」アイコンがクリックされた場合と同様な入力用画面を表示するようにしても良い。「番号計画設定」では、設定内容に係る表示入力フィールドとその設定値に係る表示入力フィールドとの対が複数対、設定情報を入力する部分22に表示される。設定内容に係る表示入力フィールドは、プルダウンメニュー方式を採用しており、内線端末への発呼に係る「内線呼び」、外線発信を指示する番号である「局線発信」、回線の閉塞を設定する番号である「閉塞設定」、閉塞設定を解除する番号である「閉塞解除」などから選択させる。顧客は、「内線呼び」には内線特番と桁数を入力し、「局線発信」には外線発信特番を入力し、「閉塞設定」には閉塞設定する内線特番を入力し、「閉塞解除」には閉塞設定する内線特番を入力し、「保存」アイコンを操作することになる。「保存」アイコンの操作により、機器設定データベース9にこれらの入力情報が格納されることになる。また、「保存」アイコンが操作されたときには、設定項目を表示する部分21における「番号計画設定」アイコンは、例えば、入力済みであることを表示するように反転表示がなされる。
【0050】
図8は、上述したように、「端末登録設定」アイコンがクリックされた場合である。なお、図7に示す「番号計画設定」に係る表示入力フィールドに対する入力がなされた後、「保存」アイコンが操作された際にも、図8に示すような「端末登録設定」アイコンがクリックされた場合と同様な入力用画面を表示するようにしても良い。端末登録設定では、設定情報を入力する部分22において、番号計画設定で設定した内線特番及び桁数に基づき、内線電話の番号を入力させる表示入力フィールドを表示させて該当する番号を入力させる。なお、番号計画設定に対する入力がなされていない状態では、「端末登録設定」アイコンのクリックを無効としたり、番号計画設定に対する入力がなされる前には、「端末登録設定」アイコンを表示させないようにしても良い。「保存」アイコンの操作により、機器設定データベース9に内線電話番号が格納されることになる。また、「保存」アイコンが操作されたときには、設定項目を表示する部分21における「端末登録設定」アイコンは、例えば、入力済みであることを表すように反転表示がなされる。なお、今回の購入に係る電話端末は3台であるが、顧客が既に電話端末を所有していることもあるので、4台以上の内線電話端末の番号入力を認めている。
【0051】
例えば、図6〜図8に示す入力用画面に対する入力情報を適用した場合には、ステップS111の処理により、IP−PBXに関する設定ファイルとして、以下のものが自動生成される。すなわち、IP−PBX本体のネットワーク(NW)に係る設定情報として、「IP−PBX本体のIPアドレス」が「192.168.1.100」、「IP−PBX本体のネットマスク」が「255.255.255.0」、「IP−PBXが利用するDNSサーバのIPアドレス」が「192.168.1.2」、「IP−PBXが利用するデフォルトゲートウェイのIPアドレス」が「192.168.1.100」を含むと共に、さらに、IP−PBX本体の局データに係る設定情報として、「内線特番20番で5桁の内線番号」、「内線特番21番で5桁の内線番号」、「局線発信特番0番」、「内線特番20番の内線番号を閉塞しない」、「内線特番21番の内線番号を閉塞する」を含む設定ファイルが自動生成される。なお、ネットワーク(NW)に係る設定と、局データに係る設定とで別個の設定ファイルを生成するようにしても良い。
【0052】
図9〜図11は、「電話端末」の機器名アイコンがクリックされた場合を示している。IP−PBXについての設定情報の入力が全て終わったとき(例えば、図8の表示状態で「保存」アイコンがクリックされたとき)には、自動的に、電話端末についての設定情報の入力用画面(例えば、図9)に切り替えるようにしても良い。
【0053】
なお、電話端末についての設定情報の入力用画面に切り替える際に、IP−PBXに関して既に入力した情報を流用可能な表示入力フィールドについては、デフォルト値として、その値を入力して表示させるようにしても良い。IP−PBXに関するどの表示入力フィールドが、電話端末に関するどの表示入力フィールドに対応するかの情報も、予め機器設定データベース9に格納するようにしておけば良い。
【0054】
購入された電話端末が3台であるので、設定項目を表示する部分21には、項目名として「端末設定」が表示された上で、選択肢として「端末1」、「端末2」、「端末3」の3種類のアイコンが表示される。「端末1」、「端末2」又は「端末3」のいずれのアイコンが操作された場合にも、設定情報を入力する部分22には、「端末のIPアドレス」、「サブネットマスク」、「DNSサーバ」、「ゲートウェイ」、「IP−PBXのIPアドレス」、「端末の内線番号」の表示入力フィールドが表示され、顧客は、これら表示入力フィールドに該当する値を入力する。各端末についての入力毎に「保存」アイコンを操作し、この「保存」アイコンの操作により、機器設定データベース9にこれらの入力情報が格納される。また、「保存」アイコンが操作されたときには、設定項目を表示する部分21における、入力が終了した端末についての「端末1」、「端末2」又は「端末3」アイコンは、入力済みであることを表すように反転表示がなされる。
【0055】
例えば、図9〜図11に示す入力用画面に対する入力情報を適用した場合には、ステップS111の処理により、電話端末に関する設定ファイルとして、以下のものが自動生成される。すなわち、電話端末1のネットワーク(NW)に係る設定情報として、「電話端末1のIPアドレス」が「192.168.1.110」、「IP−PBX本体のIPアドレス」が「192.168.1.100」、「電話端末1の内線番号」が「2000001」とを含む「電話端末1」に関する設定ファイルと、電話端末2のネットワーク(NW)に係る設定情報として、「電話端末2のIPアドレス」が「192.168.1.111」、「IP−PBX本体のIPアドレス」が「192.168.1.100」、「電話端末2の内線番号」が「2000002」とを含む「電話端末2」に関する設定ファイルと、電話端末3のネットワーク(NW)に係る設定情報として、「電話端末1のIPアドレス」が「192.168.1.112」、「IP−PBX本体のIPアドレス」が「192.168.1.100」、「電話端末3の内線番号」が「2100001」とを含む「電話端末3」に関する設定ファイルとが自動で生成される。
【0056】
(A−3)実施形態の効果
上記実施形態によれば、顧客が顧客PC10を使用し、インターネットを介し、Web注文システム1で交換機システムを注文して購入する際に、購入する交換機システムの構成に従って、必要となる設定情報を入力させて設定ファイルを自動的に生成し、顧客が顧客PC10に設定ファイルをダウンロードできるようにしたので、顧客は、購入した交換機システムが納品されたときに、納品された交換機システムの所定の要素に、ダウンロードした設定ファイルを投入するだけで、直ちに、納品された交換機システムを利用可能とすることができる。
【0057】
(B)他の実施形態
上記実施形態では、注文可能な商品が交換機システムの場合を説明したが、本発明はこれに限定されず、全て又は一部の構成要素の機器の中に情報を設定する必要がある機器があるものであれば、他の商品にも本発明を適用することができる。
【0058】
また、上記実施形態では、自動生成した設定ファイルを、顧客がダウンロードして商品に投入する形態を説明したが、商品を製造又は出荷する際に、この設定ファイルを設定し、設定済みの商品を顧客に出荷するようにしても良い。
【0059】
さらに、上記実施形態では、顧客が全ての入力操作を行うWeb注文システムに本発明を適用したものを示したが、注文用のコールセンタシステムを用いる場合にも、本発明の技術思想を適用することができる。例えば、音声ガイダンスに従って、注文商品に係る設定情報を顧客に入力させるようにしても良い。また例えば、コールセンタのオペレータが自己のオペレータ端末に表示された入力用画面(図6〜図11参照)の表示入力フィールドに、顧客から聞き出した設定情報を入力して設定ファイルを自動生成するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】実施形態に係るWeb注文システムの機能的構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態における注文管理データベースの構成を示す説明図である。
【図3】実施形態における顧客管理データベースの構成を示す説明図である。
【図4】実施形態における商品情報データベースの構成を示す説明図である。
【図5】実施形態に係るWeb注文システムの動作の概要を示すフローチャートである。
【図6】実施形態における機器設定情報の入力画面例(その1)を示す説明図である。
【図7】実施形態における機器設定情報の入力画面例(その2)を示す説明図である。
【図8】実施形態における機器設定情報の入力画面例(その3)を示す説明図である。
【図9】実施形態における機器設定情報の入力画面例(その4)を示す説明図である。
【図10】実施形態における機器設定情報の入力画面例(その5)を示す説明図である。
【図11】実施形態における機器設定情報の入力画面例(その6)を示す説明図である。
【符号の説明】
【0061】
1…Web注文システム、2…通信部、3…Web注文管理部、4…機器設定情報生成部、5…データベース管理部、6…注文管理データベース、7…顧客管理データベース、8…商品情報データベース、9…機器設定データベース、10…顧客PC、11…Webブラウザ、12…インターネット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一部又は全ての構成要素が所定情報の設定によって稼働可能な状態となる商品の、通信ネットワークを介した注文を受け付ける注文システムにおいて、
受け付けた注文のデータを記憶する注文管理データベースと、
注文を受け付けて上記注文管理データベースに注文データを登録する注文管理手段と、
所定情報の設定が稼働可能状態への移行条件となっている構成要素と、必要な設定情報とを少なくとも格納している機器設定データベースと、
上記注文管理手段が受け付けて上記注文管理データベースに登録した注文データの商品に係る構成要素が所定情報の設定が必要なものか否かを、上記機器設定データベースの格納内容に基づいて判断し、所定情報の設定が必要な構成要素については情報を取り込み、上記構成要素に投入できる形式の設定データを自動生成する機器設定情報生成手段と
を有することを特徴とする注文システム。
【請求項2】
上記機器設定情報生成手段は、自動生成した設定データを、注文者に係る端末にダウンロード可能にしていることを特徴とする請求項1に記載の注文システム。
【請求項3】
一部又は全ての構成要素が所定情報の設定によって稼働可能な状態となる商品の、通信ネットワークを介した注文を受け付ける注文方法において、
受け付けた注文のデータを記憶する注文管理データベースと、
所定情報の設定が稼働可能状態への移行条件となっている構成要素と、必要な設定情報とを少なくとも格納している機器設定データベースとが設けられており、
注文管理手段は、注文を受け付けて上記注文管理データベースに注文データを登録し、
機器設定情報生成手段は、上記注文管理手段が受け付けて上記注文管理データベースに登録した注文データの商品に係る構成要素が所定情報の設定が必要なものか否かを、上記機器設定データベースの格納内容に基づいて判断し、所定情報の設定が必要な構成要素については情報を取り込み、上記構成要素に投入できる形式の設定データを自動生成する
ことを特徴とする注文方法。
【請求項4】
一部又は全ての構成要素が所定情報の設定によって稼働可能な状態となる商品の、通信ネットワークを介した注文を受け付ける注文システムを構築するコンピュータを、
受け付けた注文のデータを記憶する注文管理データベースと、
注文を受け付けて上記注文管理データベースに注文データを登録する注文管理手段と、
所定情報の設定が稼働可能状態への移行条件となっている構成要素と、必要な設定情報とを少なくとも格納している機器設定データベースと、
上記注文管理手段が受け付けて上記注文管理データベースに登録した注文データの商品に係る構成要素が所定情報の設定が必要なものか否かを、上記機器設定データベースの格納内容に基づいて判断し、所定情報の設定が必要な構成要素については情報を取り込み、上記構成要素に投入できる形式の設定データを自動生成する機器設定情報生成手段として機能させる
ことを特徴とする注文プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−79679(P2010−79679A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248457(P2008−248457)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】