説明

注文データ処理システム、ラベルプリンタ、注文データ処理方法、及びプログラム

【課題】貼付ラベルの発行にかかる手間を減らし、もって店頭担当者に商品が渡るタイミングの遅延を防止すること。
【解決手段】注文データ処理システムであって、一の取引において注文された1又は複数の商品を示す一取引分注文データを取得する一取引分注文データ取得部12と、一取引分注文データ取得部12により取得された一取引分注文データに基づき、該一取引分注文データにより示される前記1又は複数の商品の少なくとも一部についての調理を指示するための調理指示情報が印字された調理指示ラベルと、該一取引分注文データに応じた枚数の前記各商品に貼付するための貼付ラベルと、を発行するラベル発行部21と、を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、注文データ処理システム、ラベルプリンタ、注文データ処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ファーストフード店や弁当屋には、店頭にPOSレジスタを、厨房に計量機能付プリンタを、それぞれ備えておき、これらを利用する次のようなオペレーションにより持ち帰り食品を製造・販売するようにしているものがある(例えば特許文献1)。
【0003】
すなわち、店頭担当者は、お客様の注文を受け付け、POSレジスタに入力する。POSレジスタは、注文された食品の調理を指示するための調理指示情報を一取引ごとに生成し、厨房の計量機能付プリンタに対して送信する。計量機能付プリンタは、入力された調理指示情報をセットされているレシート用紙に印字する。
【0004】
調理担当者は、こうして印字された調理指示情報に従って商品を製造する(調理を行う)。ここで、調理担当者は、予想される注文数等に基づき、手の空いたときにカセットをレシート用紙専用のカセットからラベル用紙専用のカセットに入れ替えて、上記計量機能付きプリンタを用い、例えば商品コードを入力したり、あるいは商品の選択操作をして適宜貼付ラベルを発行している。貼付ラベルは製造日(加工日)などの所定の情報が印字されたラベルであり、調理担当者は、製造した商品にこの貼付ラベルを貼り付けた上で、該商品を店頭担当者に手渡す。店頭担当者は、手渡された商品をお客様に手渡す。
【特許文献1】特開2005−149286号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記背景技術では、調理担当者による貼付ラベルの発行にかかる手間が大きく、場合によっては、当該商品の調理の後に、上記カセットの入れ替え作業を行って貼付ラベルの発行作業を行わなければならないことによって、店頭担当者に商品が渡るタイミングが遅れてしまうことがあった。
【0006】
従って、本発明の課題の一つは、貼付ラベルの発行にかかる手間を減らし、もって店頭担当者に商品が渡るタイミングの遅延を防止できる注文データ処理システム、ラベルプリンタ、注文データ処理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1に記載の発明は、一の取引において注文された1又は複数の商品を示す一取引分注文データを取得する一取引分注文データ取得手段と、前記一取引分注文データ取得手段により取得された一取引分注文データに基づき、該一取引分注文データにより示される前記1又は複数の商品の少なくとも一部についての調理を指示するための調理指示情報が印字された調理指示ラベルと、該一取引分注文データに応じた枚数の前記各商品に貼付するための貼付ラベルと、を発行するラベル発行手段と、を含むことを特徴とする注文データ処理システムである。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の注文データ処理システムにおいて、商品を示す商品情報と、該商品が調理指示を要する商品であるか否かを示すデータと、を対応付けて記憶する記憶手段と、前記一取引分注文データ取得手段により取得された一取引分注文データに関して前記記憶手段により記憶される前記データに基づいて、1又は複数の商品を特定した前記調理指示情報を生成する調理指示情報生成手段と、を含み、前記ラベル発行手段は、前記調理指示情報に応じた枚数の前記貼付ラベルを発行する、ことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の注文データ処理システムにおいて、前記一取引分注文データ取得手段は、前記一取引分注文データを順次取得し、当該注文処理システムは、順次取得される前記各一取引分注文データを互いに識別するための識別情報を生成する識別情報生成手段と、店頭に設置され、前記一取引分注文データにより示される1又は複数の買い上げられる商品の精算の際に、該一取引分注文データの識別情報が印字されたシートを発行するシート発行手段と、を含み、前記ラベル発行手段は厨房に設置され、前記一取引分注文データ取得手段により取得された一取引分注文データに基づき、該一取引分注文データについて生成された前記識別情報を含む前記調理指示ラベルを発行する、ことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から3までのいずれかに記載の注文データ処理システムにおいて、前記一取引分注文データ取得手段は、前記一取引分注文データを順次取得し、前記貼付ラベルには所定の情報が印字され、前記ラベル発行手段は、前記一取引分注文データごとに、前記調理指示情報と、前記所定の情報と、が同一の台紙上に貼り付けられたラベルに印字された該調理指示ラベル及び該各貼付ラベルを発行する、ことを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の注文データ処理システムにおいて、前記台紙を切断する台紙切断手段と、前記調理指示ラベル及び前記各貼付ラベルが印字された場合に、該調理指示ラベル及び該各貼付ラベルが印字された部分と他の部分と、を切り離すよう、前記台紙切断手段を制御する制御手段と、を含むことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1から5までのいずれかに記載の注文データ処理システムにおいて、当該注文データ処理システムは、注文された1又は複数の商品を示す注文データの入力を順次受け付ける注文入力受付手段、を含み、前記一取引分注文データ取得手段は、操作者による締め操作を受け付け、該締め操作に応じて、それまでに前記注文入力受付手段により受け付けられた1又は複数の前記注文データに基づき、前記一取引分注文注文データを取得し、前記調理指示ラベルと、前記貼付ラベルと、の発行を指示する、ことを特徴とする。
【0013】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1から6までのいずれかに記載の注文データ処理システムにおいて、当該注文データ処理システムは、店内での飲食を示す店内飲食データの入力を受け付ける店内飲食データ受付手段、を含み、前記ラベル発行手段は、前記店内飲食データ受付手段により前記店内飲食データが受け付けられた場合、前記各貼付ラベルの発行を非発行とする制御手段を有する、ことを特徴とする。
【0014】
また、請求項8に記載の発明は、一の取引において注文された1又は複数の商品を示す一取引分注文データを受信する受信手段と、前記受信手段により受信された前記一取引分注文データに基づき、該一取引分注文データにより示される前記1又は複数の商品の少なくとも一部についての調理を指示するための調理指示情報が印字された調理指示ラベルと、該一取引分注文データに応じた枚数の、前記各商品に貼付するための貼付ラベルと、を発行するラベル発行手段と、を含むことを特徴とするラベルプリンタである。
【0015】
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のラベルプリンタにおいて、前記ラベル発行手段は、順次取得される一連の一取引分注文データに基づき、該各一取引分注文データを互いに識別するための識別情報を含む前記調理指示ラベルを発行する、ことを特徴とするラベルプリンタである。
【0016】
また、請求項10に記載の発明は、一の取引において注文された1又は複数の商品を示す一取引分注文データを取得する一取引分注文データ取得ステップと、ラベル発行手段が、前記一取引分注文データ取得ステップにおいて取得された一取引分注文データに基づき、該一取引分注文データにより示される前記1又は複数の商品の少なくとも一部についての調理を指示するための調理指示情報が印字された調理指示ラベルと、該一取引分注文データに応じた枚数の、前記各商品に貼付するための貼付ラベルと、を発行するラベル発行ステップと、を含むことを特徴とする注文データ処理方法である。
【0017】
また、請求項11に記載の発明は、コンピュータを、一の取引において注文された1又は複数の商品を示す一取引分注文データに基づき、該一取引分注文データにより示される前記1又は複数の商品の少なくとも一部についての調理を指示するための調理指示情報が印字された調理指示ラベルと、該一取引分注文データに応じた枚数の、前記各商品に貼付するための貼付ラベルと、を発行するラベル発行手段、として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0018】
請求項1,8,10,11にかかる発明によれば、ラベル発行手段が貼付ラベルの発行も行うので、貼付ラベルの発行にかかる手間を減らし、もって店頭担当者に商品が渡るタイミングの遅延を防止できる。
【0019】
請求項2にかかる発明によれば、商品ごとに貼付ラベルの貼り付けが必要であるか否かを示すデータを記憶しているので、注文があった場合に、調理担当者の指示によらず、必要枚数の貼付ラベルを適切に発行することができる。
【0020】
請求項3,9にかかる発明によれば、例えば調理担当者が店頭担当者に対して商品を手渡す際、調理指示ラベルとともに商品を手渡すこととし、かつ店頭担当者は、発行された上記シートをお客様に渡しておくこととすれば、店頭担当者がお客様に商品を渡す際、識別情報により、お客様と商品とを対応付けることができるようになる。
【0021】
請求項4にかかる発明によれば、調理指示ラベルと各貼付ラベルとが同一の台紙というまとまった状態で印字されるので、調理担当者がこれらの対応関係を認識しやすくなる。
【0022】
請求項5にかかる発明によれば、取引ごとに台紙が切り離されるので、調理担当者が調理指示ラベルと各貼付ラベルの対応関係をより認識しやすくなる。
【0023】
請求項6にかかる発明によれば、店頭担当者による締め操作という通常の操作のみで、ラベル発行のための処理を開始することができるので、ラベル発行をさせるための特別な操作が不要になり、操作性が良くなる。
【0024】
請求項7にかかる発明によれば、店頭担当者は、お客様が店内で飲食する場合に、貼付ラベルの発行が行われないようにすることができるので、必要のないラベル発行をなくすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0026】
図1は、本実施の形態にかかる注文データ処理システム1のシステム構成を示す図である。同図に示すように、注文データ処理システム1は、POSレジスタ10と、ラベルプリンタ20と、商品DB30と、を含んで構成されており、これらはLAN40により互いに通信接続されている。LAN40に代えて赤外線通信やBluetooth等の他の通信手段を用いてもよい。
【0027】
注文データ処理システム1は、例えばファーストフード店や弁当屋など、持ち帰り食品を製造・販売する店舗に設置されるものであり、ここではPOSレジスタ10が店頭に、ラベルプリンタ20が厨房に設置されているものとして説明する。
【0028】
図2は、POSレジスタ10の外観を示す図である。図2(a)は正面図、図2(b)は側面図である。また、図3は、POSレジスタ10の内部構成を示すブロック図である。各図に示すように、POSレジスタ10は、CPU100、ハードディスク部101、RAM102、液晶タッチパネル103、キー操作部104、客側表示部105、レシート印字部106、スキャナ部107、通信部108、バスライン109を含んで構成される。
【0029】
CPU100、ハードディスク部101、RAM102、液晶タッチパネル103、キー操作部104、客側表示部105、レシート印字部106、スキャナ部107、通信部108の各部は、バスライン109により互いに通信接続される。
【0030】
CPU100は、POSレジスタ10の各部を制御するとともに、ハードディスク部101及びRAM102に記憶されるプログラムを読み出して実行する。
【0031】
ハードディスク部101は読み書き可能な大容量記憶手段であり、、POSレジスタ10の各機能を実現するためのプログラムを記憶する。まだ、ハードディスク部101は、後述する商品ファイルや当該POSレジスタ10において入力された注文の実績(履歴)を示す実績データなどの各種データを記憶する。
【0032】
RAM102は読み書き可能な記憶手段であり、CPU100の処理において利用される各種のフラグ情報やレジスタ情報を記憶する記憶エリアと、1又は複数の商品(弁当など)が注文されたことを示す一取引分注文データなどの各種データを一時的に記憶する記憶エリアと、を含んで構成される。
【0033】
液晶タッチパネル103は、表示画面に触れることにより、店頭担当者が様々な入力を行うことができるよう構成される。ここでは特に、液晶タッチパネル103は、CPU100の指示に従い、その表示画面上に、商品の種類を示すアイコンを複数表示する。店頭担当者が各アイコンをタッチすると、液晶タッチパネル103は、タッチされたアイコンにより示される商品の種類を示す商品種類情報をCPU100に出力する。
【0034】
キー操作部104は、複数のキーを含んで構成される。ここでは特に、ファンクションキー、テンキー、小計キー、現計キー、店内飲食キーを含んで構成される。店頭担当者が各キーを押下すると、キー操作部104は、押下されたキーを示す押下キー情報をCPU100に出力する。
【0035】
客側表示部105は、CPU100の指示に従い、注文を受け付けた商品や、その値段及び合計金額などを表示する表示画面を備える。この表示画面は、お客様が視認しやすいよう構成される。
【0036】
レシート印字部106は印字手段を備え、CPU100の指示に従い、所定のレシート用紙上に注文の明細を印字する。この印字手段は、インクを使用するものであってもよいし、感熱紙を利用するもの等インクを使用しないものであってもよい。
【0037】
スキャナ部107はバーコードスキャナであり、商品に付されているバーコードを読み取ることができるよう、構成される。店頭担当者がスキャナ部107に商品に付されているバーコードをかざすと、スキャナ部107はそのバーコードを読み取り、読み取った情報をCPU100に出力する。
【0038】
通信部108は、ここではLANインターフェイスであり、CPU100の指示に従い、通信データをLAN40に送出する処理や、LAN40上に流れる通信データを受信してCPU100に出力する処理を行う。
【0039】
図4は、ラベルプリンタ20の外観正面図を示す図である。また、図5は、ラベルプリンタ20の内部構成を示すブロック図である。各図に示すように、ラベルプリンタ20は、CPU200、表示操作部201、テンキー部202、印字部203、ROM204、RAM205、ギャップセンサ206、通信部207、バスライン208、台紙切断部209を含んで構成される。
【0040】
CPU200、表示操作部201、テンキー部202、印字部203、ROM204、RAM205、ギャップセンサ206、通信部207の各部は、バスライン208により互いに通信接続される。
【0041】
CPU200は、ラベルプリンタ20の各部を制御するとともに、ROM204及びRAM1205に記憶されるプログラムを読み出して実行する。ここでは特に、表示操作部201やテンキー部202を用いて調理担当者が入力する各種入力データを処理する入力処理、種々のデータを表示操作部201へ出力し、その表示画面に表示させる表示処理、印字データを生成する印字データ作成処理、及び生成した印字データを印字部203に出力して印字させる印字処理などの各処理を行う。
【0042】
表示操作部201は、表示画面に触れることにより、調理担当者が様々な入力を行うことができるよう構成される。一例では、表示操作部201は、CPU200の指示に従い、その表示画面上に、商品の種類を示すアイコンを複数表示する。調理担当者が各アイコンをタッチすると、表示操作部201は、タッチされたアイコンにより示される商品の種類を示す情報をCPU200に出力する。
【0043】
テンキー部202は、0から9までの数字を示すテンキーと、品番キー、ラベル発行キーを含んで構成される。調理担当者が各キーを押下すると、テンキー部202は、押下されたキーの種類を示す情報をCPU200に出力する。
【0044】
印字部203は、プラテンローラ及びサーマルヘッドを備えており、その間をインクリボン及びラベル用紙が、重なった状態で通過することができるよう構成される。印字部203は、ラベル用紙が紙送り手段によりプラテンローラとサーマルヘッドの間を通過する際、上記印字データに応じてサーマルヘッドのヒーターラインに通電する。通電したとき、インクリボンに付着していたインクがラベル用紙に移動する。印字部203は、CPU200の指示に従ってこれらの処理を行い、印字を行う。
【0045】
ROM204は読み込み専用の記憶手段であり、CPU200により読み出される各種プログラムやデータを記憶している。
【0046】
RAM205は読み書き可能な記憶手段であり、CPU200により読み出される各種プログラムやデータを記憶している。ここでは特に、CPU200の処理において利用される各種のフラグ情報やレジスタ情報を記憶する記憶エリアと、商品ファイルや印字フォーマットファイルなどの各種ファイルデータを記憶する記憶エリアと、を含んで構成される。なお、RAM205は、ラベルプリンタ20の電源を落としても記憶しているデータが失われないように構成されている。
【0047】
ギャップセンサ206はフォトセンサを含んで構成される。本実施形態にかかるラベル用紙は、台紙に複数のラベル片がその長手方向に整列して仮着されたロール状のものであり、ギャップセンサ206は、ラベル片間の隙間(ギャップ)を検出し、該ギャップの位置に応じた所定の位置にラベル用紙をセットする。
【0048】
通信部207は、ここではLANインターフェイスであり、CPU200の指示に従い、通信データをLAN40に送出する処理や、LAN40上に流れる通信データを受信してCPU200に出力する処理を行う。
【0049】
台紙切断部209はカッターを備えており、印字部203によって印字が施された上記ロール状の台紙を、上記ギャップ部分において短手方向に切断する。
【0050】
商品DB30は、特に図示していないが、CPU、メモリ、ハードディスクを備えたサーバコンピュータにより構成されるデータベースである。
【0051】
以下、注文データ処理システム1の機能について、その機能ブロック図を参照しながら詳細に説明する。
【0052】
図6は、注文データ処理システム1の機能ブロックを示す図である。同図に示すように、注文データ処理システム1は、POSレジスタ10に注文入力受付部11、一取引分注文データ取得部12、調理指示情報生成部13、引き換え番号生成部15、レシート発行部16を含み、ラベルプリンタ20にラベル発行部21を含み、商品DB30に商品情報記憶部31を含んで構成される。なお、図6には、理解を助けるため、図3及び図5に示した構成のうちの一部についても記載している。
【0053】
ラベル発行部21はその内部に商品情報取得部22及び印字フォーマットファイル取得部23を含んで構成される。
【0054】
商品情報記憶部31は、複数の商品それぞれについて、商品ファイルを記憶する。各商品ファイルには、商品を示す1又は複数の商品情報と、貼付ラベルの貼り付けが必要であるか否かを示す指示データと、が含まれ、商品ファイル内において商品情報と指示データとが対応付けられている。以下、1つの商品にかかる商品情報及び指示データの組み合わせを、商品データと称する。
【0055】
図7は、商品情報記憶部31により記憶される商品ファイルの具体的な例を示す図である。同図に示すように、商品情報は商品コード、品名、価格等の要素から構成されている。また、指示データは、「1」又は「0」のいずれかの値をとるフラグ情報である。ここで、指示データ「0」は調理指示を要しない商品であることを示す。例えば、予め調理され、パック詰めされて準備されているような商品がこれに該当する。なお、このような商品には貼付ラベルが予め貼付されるので、調理段階では貼付ラベルの発行が不要となる。一方、指示データ「1」は調理指示を要する商品であることを示す。例えば、お弁当のように注文があった後に調理を始める商品が該当する。このような商品については予め貼付ラベルを貼付しておくことができないため、調理段階で貼付ラベルの貼り付けが必要となる。これらの情報は、例えばフランチャイズ方式の弁当店におけるフランチャイズ本部の担当者により、予め商品情報記憶部31に書き込まれるものである。
【0056】
商品情報記憶部31により記憶される商品ファイルは、更新される都度又は定期的に、POSレジスタ10のハードディスク部101及びラベルプリンタ20のRAM205にダウンロードされる。
【0057】
注文入力受付部11は、液晶タッチパネル103から入力される商品種類情報や、キー操作部104から入力される押下キー情報に基づき、注文された1又は複数の商品を示す注文データの入力を順次受け付ける。この入力を受け付けた注文入力受付部11は、受け付けた注文データに基づき、ハードディスク部101から商品データを読み出す。具体的には、受け付けた注文データにより示される1又は複数の商品についての商品データを読み出す。そして、読み出した商品データを、該商品の注文数を示す注文数データと対応付けて、RAM102に一時記憶させる。
【0058】
一取引分注文データ取得部12は、一の取引において注文された1又は複数の商品を示す一取引分注文データを取得する。具体的には、キー操作部104から入力される押下キー情報に基づき、店頭担当者が現計キーを押下したことを検出する。一取引分注文データ取得部12は、この検出がなされたことをもって店頭担当者による特定の締め操作を受け付け、該締め操作に応じて、それまでに注文入力受付部11により受け付けられた1又は複数の注文データに基づき、一取引分注文データを取得する。具体的には、RAM102に一時記憶されている商品データ及び注文数データを、一取引分注文データとして取得する。こうして取得される一取引分注文データは、1又は複数の注文データにより示される1又は複数の商品を示している。
【0059】
調理指示情報生成部13は、一取引分注文データ取得部12により取得された一取引分注文データに関して商品情報記憶部31により記憶される指示データ(すなわち、一取引分注文データ取得部12により取得された一取引分注文データにより示される1又は複数の商品をそれぞれ示す1又は複数の商品情報のそれぞれと対応付けて商品情報記憶部31により記憶される指示データ)を取得する。具体的には、RAM102に一時記憶されている商品データから、各商品についての指示データを取得する。そして、取得した指示データに基づいて、1又は複数の商品を特定する調理指示情報を生成する。具体的な例では、調理指示情報生成部13は、取得した指示データが1である1又は複数の商品を特定し、調理指示情報を生成する。
【0060】
図8は、調理指示情報の具体的なフォーマットの例を示す図である。同図に示すように、調理指示情報は、調理指示ラベル印字指示エリア、貼付ラベル印字指示エリア、引き換え番号エリアを含み、さらに複数の商品コードエリアと、各商品コードエリアに対応する数量エリアと、を含んで構成される。また、調理指示情報には、必要に応じて貼付ラベル非印字指示エリアが含まれる。
【0061】
調理指示情報生成部13は、特定した商品の種類ごとに商品コードエリアを設け、さらに該商品コードエリアに対応する数量エリアに該商品種類の数量を含める。また、調理指示情報生成部13は、ラベルプリンタ20に対して調理指示ラベル印字を指示するための所定のコマンド(調理指示ラベル印字コマンド)を調理指示ラベル印字指示エリアに含め、同じくラベルプリンタ20に対して貼付ラベル印字を指示するための所定のコマンド(貼付ラベル印字コマンド)を貼付ラベル印字指示エリアに含める。ここで、この貼付ラベル印字指示エリアには、発行すべき貼付ラベルの枚数を含めてもよい。この場合、調理指示情報生成部13は、上述のようにして特定した商品の数(商品の種類ごとの注文数の合計)を、発行すべき貼付ラベルの枚数とする。
【0062】
また、調理指示情報生成部13は、キー操作部104から入力される押下キー情報に基づき、店頭担当者が店内飲食キーを押下したことを検出する。調理指示情報生成部13は、この検出がなされたことをもって店頭担当者による店内飲食データの入力を受け付け、該店内飲食データが受け付けられた場合に、貼付ラベルの発行を行わないこととする。具体的には、生成する調理指示情報に、貼付ラベルを発行しないことを指示するための所定のコマンド(貼付ラベル非印字コマンド)を含む貼付ラベル非印字指示エリアを設ける。客が、購入した商品を店内で飲食する場合、当日内に商品が消費されることは明らかであるので、貼付ラベルによって商品に加工日を明示し、もって客に対し消費期限を告知する必要性が乏しいからである。
【0063】
以上のように、調理指示情報生成部13は、調理指示情報に貼付ラベル印字を指示するための所定のコマンドを含めることにより、ラベルプリンタ20に対し、一取引分注文データに応じた枚数の貼付ラベルの発行と、特定した1又は複数の商品を示す調理指示ラベルの発行と、を指示する。
【0064】
引き換え番号エリアについて説明する。一取引分注文データ取得部12は、複数の一取引分注文データを順次取得する。引き換え番号生成部15は、各一取引分注文データを互いに識別するための識別情報である引き換え番号を生成する。具体的な例では、引き換え番号は、当日の一取引分注文データに付与される通番である。調理指示情報生成部13は、引き換え番号生成部15から一取引分注文データの引き換え番号を取得し、調理指示情報の引き換え番号エリアに含める。これにより、調理指示情報生成部13は、上記調理指示ラベルの印字の指示に併せて、対応する一取引分注文データについて生成された引き換え番号の該調理指示ラベル上への印字も指示する。
【0065】
調理指示情報生成部13は、以上のようにして生成した調理指示情報を、ラベルプリンタ20に対して送信する。
【0066】
レシート発行部16は、一取引分注文データ取得部12により取得された一取引分注文データにより示される1又は複数の商品の精算の際に、各商品をそれぞれ示す1又は複数の商品情報を含むレシートと、該一取引分注文データについて生成された上記引き換え番号が印字されたシートと、を発行する。具体的には、レシート印字部106に対し、各レシートの印字を指示する。レシート印字部106は、この印字指示に従い、所定のレシート用紙に各レシート及び各シートを印字する。
【0067】
図9は、レシート印字部106により印字されるレシート及びシートの具体的な例を示す図である。同図に示すように、レシート印字部106は、一取引分注文データにより示される1又は複数の商品を、その種類ごとに、単価、数量、商品ごと小計とともに、レシート上に印字する。また、レシート印字部106は、さらに各商品についての小計の合計である小計と、該小計に税金を加えてなる合計と、を印字する。なお、図9では合計と小計とが同一であるが、これは内税となっているためである。また、レシート印字部106は、レシートの下に、上記シートを印字する。
【0068】
なお、上記レシートと上記シートとは、必ずしも同一のレシート用紙上に印字されなくともよく、分離された個々のレシート用紙上に印字されることとしてもよい。
【0069】
ラベル発行部21は、調理指示情報生成部13がラベルプリンタ20に対して送信した調理指示情報を受信することにより一取引分注文データを受信し、RAM205に書き込む。そして、調理指示情報に含まれる調理指示ラベル印字コマンドに応じて、該調理指示情報に含まれる1又は複数の商品(対応する一取引分注文データにより示される1又は複数の商品のうち、調理指示情報生成部13により特定された商品)についての調理を指示するための調理指示情報が印字された調理指示ラベルを発行する。具体的な例では、商品情報取得部22は、RAM205にダウンロードされている商品ファイルから、調理指示情報に含まれる各商品についての商品情報を取得する。ラベル発行部21は、調理指示情報に含まれる調理指示ラベル印字コマンドに応じて、商品情報取得部22により取得された1又は複数の商品情報の少なくとも一部と、調理指示情報の数量エリアに含まれる各商品の数と、を含む調理指示ラベルの印字を指示する。
【0070】
なお、ラベル発行部21は、調理指示ラベルの印字の指示に併せて、対応する一取引分注文データについて生成された引き換え番号(調理指示情報に含まれる引き換え番号)の該調理指示ラベル上への印字も指示することとしてもよい。
【0071】
次に、ラベル発行部21は、調理指示情報に含まれる貼付ラベル印字コマンドに応じて、対応する一取引注文データに応じた枚数の、各商品に貼付するための貼付ラベルを発行する。具体的な例では、調理指示情報に含まれる1又は複数の商品についての貼付ラベルの印字を指示する。より具体的には、調理指示情報の貼付ラベル印字指示エリアに発行すべき貼付ラベルの枚数が含まれている場合には、この枚数の貼付ラベルの印字を指示する。一方、含まれていない場合には、調理指示情報に含まれる各商品コードエリア及び各数量エリアに基づいて必要な枚数を判定し、該枚数の貼付ラベルの印字を指示する。
【0072】
この場合において、ラベル発行部21は、商品情報取得部22により取得された商品情報を、各貼付ラベルの印字内容(所定の情報)に含めることとしてもよい。また、ラベル発行部21は、現在の日付を取得し、貼付ラベルの印字の指示に併せて、取得した現在の日付(加工日)の該貼付ラベル上への印字も指示することとしてもよい。この場合において、賞味期限や加工時刻の印字を指示することとしてもよい。ただし、ラベル発行部21は、調理指示情報に貼付ラベル非印字コマンドが含まれている場合(すなわち、店頭担当者が、注文データ入力の際、店内飲食キーを押下した場合)には、ラベル発行部21は貼付ラベルの発行を非発行とする制御手段を有する。
【0073】
印字の具体的なフォーマットについて説明する。印字フォーマットファイル取得部23は、ラベル用紙上の印字位置や印字文字の大きさなどを規定する印字フォーマットファイルを取得する。なお、この場合において、商品DB30に印字フォーマットファイルを記憶しておき、印字フォーマットファイル取得部23は商品DB30から印字フォーマットファイルを取得することとしてもよいし、予めROM204やRAM205に記憶しておき、そこから取り出すことにより取得することとしてもよい。ラベル発行部21は、こうして取得された印字フォーマットファイルに従って印字の位置決めを行った上で、印字部203に対して印字指示を行う。具体的な例では、ラベル発行部21は、一取引分注文データごと(調理指示情報ごと)に、調理指示情報(調理指示ラベルに印字されるべき情報)と、各貼付ラベルに印字されるべき情報と、が同一の台紙上に印字されるよう、印字部203に対して印字指示を行う。より具体的には、調理指示ラベルと各貼付ラベルとが、台紙の長手方向に整列して印字されるよう、印字部203に対して印字指示を行う。
【0074】
印字部203は、ラベル発行部21によりなされた印字指示に従い、各ラベルの印字を行う。
【0075】
ラベル発行部21は、上記印字指示を行う際、該印字指示に応じて調理指示ラベル及び各貼付ラベルが印字された場合に、該調理指示ラベル及び該各貼付ラベルが印字された部分と、他の部分と、を切り離すよう、台紙切断部209を制御する。台紙切断部209は、この制御に応じて台紙の切断を行う。
【0076】
図10は、印字部203により印字される各ラベルの具体的な例を示す図である。同図に示すように、本実施形態で使用する台紙には、複数のラベル片がその長手方向に整列して仮着されており、印字部203は、一取引分注文データごとに、各ラベル片に、調理指示ラベル、貼付ラベルの順で印字を行う。同図に示すように、印字部203は、調理指示ラベルであることを示す情報(<調理指示>)と、商品の種類及びその数量を示す情報と、引き換え番号と、を調理指示ラベル上に印字する。また、お客様向けコメント(「本日中にお召し上がりください。」)と、商品の加工日(貼付ラベルを印字した日の日付)を貼付ラベル上に印字する。印字部203はさらに、担当者の指示に応じ、商品ごとの商品情報、店舗のロゴマークを貼付ラベルに印字する。台紙切断部209は、1つの一取引分注文データ(調理指示情報)について、最後の貼付ラベルが印字されたラベル片と、その次のラベル片と、の間で台紙の切断を行う。
【0077】
調理担当者は、以上のようにして発行された調理指示ラベルに従って商品の製造を行うとともに、以上のようにして発行された貼付ラベルを、製造した商品に貼り付けて、店頭担当者に手渡す。この場合において、例えば商品が弁当であり、その容器が蓋と本体とに分かれている場合、調理担当者は、蓋と本体との間に貼付ラベルを貼り付けることより、蓋と本体とが分離しにくいようにするためのシールとして貼付ラベルを利用することができる。
【0078】
以上説明した注文データ処理システム1の各処理について、POSレジスタ10及びラベルプリンタ20の処理フローを参照しながら、再度より詳細に説明する。なお、以下の説明では、図9に示す各商品が注文されたとして説明する。
【0079】
図11は、POSレジスタ10の処理フローを示す図である。同図に示すように、POSレジスタ10はまず、店頭担当者による注文データの入力を受け付け(S1)、受け付けた注文データに基づき、商品DB30から商品データを取得して一時記憶する(S2)。POSレジスタ10は、S1及びS2の処理を小計キーが押下されるまで繰り返す(S3)。小計キーが押されると、POSレジスタ10は、それまでに入力された注文データ(1個の弁当を示す注文データ、2個のB弁当を示す注文データ、1個の枝豆を示す注文データ)に基づいて一取引分注文データを取得し(S4)、該一取引分注文データにかかる商品(A弁当1、B弁当2、枝豆1)の合計金額を算出し、表示する(S5)。次に、POSレジスタ10は、店頭担当者による入金額の入力を受け付ける(S6)。そして、現計キーが押下されると(S7)、POSレジスタ10は、釣銭を算出して表示する(S8)とともに引き換え番号を発行し(S9)、該引き換え番号の印字された図9に示すレシートを発行する(S10)。続いて、POSレジスタ10は、一取引分注文データにかかる1又は複数の商品(A弁当1、B弁当2、枝豆1)のそれぞれについて一時記憶している各商品データに含まれる指示データを取得し(S11)、該指示データに基づき、調理を指示すべき1又は複数の商品を特定する(S12)。ここでは、1個のA弁当と2個のB弁当が特定される。そして、これらの商品を特定する調理指示情報を生成し、ラベルプリンタ20に対して送信する(S13)。
【0080】
図12は、ラベルプリンタ20の処理フローを示す図である。同図に示すように、ラベルプリンタ20は、調理指示情報の受信を契機として以下の処理を行う(S21)。ラベルプリンタ20は、調理指示情報を受信すると、調理指示情報により調理すべきことが指示される1又は複数の商品(A弁当1、B弁当2)について、商品DB30から商品情報及び印字フォーマットファイルを取得する(S22)。そして、取得した商品情報に基づき、印字フォーマットファイルに従って、図10に示されるように、調理指示ラベルを印字する(S23)。また、ラベルプリンタ20は、調理指示情報に貼付ラベル非印字指示が含まれていたか否かを判定し(S24)、含まれていなかった場合には、印字フォーマットファイルに従って、図10に示されるように、調理を指示された商品個数分(3個分)の貼付ラベルを印字する(S25)。貼付ラベル非印字指示が含まれていた場合には、ラベルプリンタ20は、貼付ラベルの印字を行わない。以上の印字が終了すると、ラベルプリンタ20は、台紙を切断し、処理を終了する(S26)。
【0081】
以上説明したように、注文データ処理システム1によれば、ラベル発行部21が貼付ラベルの発行も行うので、貼付ラベルの発行にかかる手間を減らし、もって店頭担当者に商品が渡るタイミングの遅延を防止できる。ひいては、お客様の待ち時間を短縮することが可能になる。
【0082】
また、例えば調理担当者が店頭担当者に対して商品を手渡す際、調理指示ラベルとともに商品を手渡すこととし、かつ店頭担当者は、発行された上記シートをお客様に渡しておくこととすれば、店頭担当者がお客様に商品を渡す際、識別情報により、お客様と商品とを対応付けることができるようになる。なお、例えば枝豆など、予め調理され、店頭の冷蔵庫等に補完されている商品については、店頭担当者が冷蔵庫等から取り出し、調理担当者から渡された商品に足して、お客様に渡すことになる。
【0083】
さらに、調理指示ラベルと各貼付ラベルとがまとまった状態で印字されるので、調理担当者がこれらの対応関係を認識しやすくなる。しかも、注文ごとに台紙が切り離されるので、調理担当者が調理指示ラベルと各貼付ラベルの対応関係をより認識しやすくなる。
【0084】
また、POSレジスタ10は、店頭担当者による締め操作(現計キー押下)に応じて、ラベル発行のための処理を開始することができる。すなわち、店頭担当者による通常のレジ操作のみにより、POSレジスタ10は、調理指示情報をラベルプリンタ20へ送信することができるようになる。
【0085】
他にも、店頭担当者は、お客様が店内で飲食する場合に、貼付ラベルの発行が行われないようにすることができる。これにより、不要な貼付ラベルの発行を抑制することができる。
【0086】
なお、注文データ処理システム1の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、上記各処理を行ってもよい。
【0087】
ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、この「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
【0088】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0089】
さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0090】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
【0091】
さらに、上記プログラムは、上述した各機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した各機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0092】
なお、本発明は以上説明した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更を加えたものも本発明の技術的範囲に含まれる。一例では、上記実施形態では商品DB30を用意し、商品ファイルを記憶させたが、POSレジスタ10及びラベルプリンタ20がそれぞれ商品ファイルを記憶しておくこととしてもよい。また、上記実施形態では、POSレジスタ10が、指示データに基づいて貼付ラベルを印字すべき商品を特定する処理を行っているが、ラベルプリンタ20がこの処理を行うこととしてもよい。さらに、上記実施形態では、注文データ取得部12は現計キーが押下されたことをもって締め操作を検出しているが、現計キー以外のキー(専用キーなど)が押下されたことをもって締め操作を検出することとしてもよい。また、図10に示した例では調理指示ラベルを1つのラベル片に印字しているが、印字量が多くなる場合には、複数のラベル片に跨って印字することとしてもよい。
【0093】
また、上記実施形態では、調理が必要な商品を示す商品情報のみを調理指示情報に含めたが、例えば厨房に枝豆保管用の冷蔵庫を設置する場合などには、一取引分注文データにかかる全ての商品分の商品情報を調理指示情報に含めるようにすることが好適である。この場合、調理指示ラベル上に枝豆を示す商品情報も印字されることとなり、調理担当者は、調理指示ラベルに応じて冷蔵庫から枝豆を取り出す。さらに、枝豆分の貼付ラベルも発行されるので、調理担当者は、他の商品と同様に貼付ラベルを貼り付けた上で、店頭に渡す。
【0094】
さらに、例えば図13に示すように、台紙に印字内容を印字して送り出すためのラベル発行口Aと、予め印字内容が印字されている台紙を送り出すためのラベル発行口Bと、を備えるラベルプリンタを、上記実施形態の変形例として用いることもできる。このラベルプリンタに備えられるラベル発行部(不図示)は、ラベル発行口Aを用いて調理指示ラベルを発行し、ラベル発行部Bを用いて貼付ラベルを発行する。この場合、ラベル発行口Bから発行される貼付ラベル上に新たな印字を施すことはできないので、貼付ラベルに加工日や商品情報を印字することはできないものの、店のロゴマークなどの情報を印字しておくことはできるので、例えば貼付ラベルを単に上述のようなシールとして使用する場合には、十分対応できる。
【0095】
他にも、上記実施形態では台紙を有するラベル用紙を用いたが、台紙のないラベル用紙を用いることとしてもよい。この場合、ラベルプリンタ20として、特許3365307号公報や特許3329246号公報に開示される台紙レスラベルプリンタを用いることが好適である。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の実施の形態にかかる注文データ処理システムのシステム構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態にかかるPOSレジスタの外観を示す図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図3】本発明の実施の形態にかかるPOSレジスタの内部構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態にかかるラベルプリンタの外観正面図を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態にかかるラベルプリンタの内部構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態にかかる注文データ処理システムの機能ブロックを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態にかかる商品情報記憶部により記憶される商品ファイルの具体的な例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態にかかる調理指示情報の具体的なフォーマットの例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態にかかるレシート印字部により印字されるレシートの具体的な例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態にかかる印字部により印字される各ラベルの具体的な例を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態にかかるPOSレジスタの処理フローを示す図である。
【図12】本発明の実施の形態にかかるラベルプリンタの処理フローを示す図である。
【図13】本発明の実施の形態の変形例にかかるラベルプリンタの説明図である。
【符号の説明】
【0097】
1 注文データ処理システム、
10 POSレジスタ、
11 注文入力受付部、
12 一取引分注文データ取得部、
13 調理指示情報生成部、
15 引き換え番号生成部、
16 レシート発行部、
20 ラベルプリンタ、
21 ラベル発行部、
22 商品情報取得部、
23 印字フォーマットファイル取得部、
30 商品DB、
31 商品情報記憶部、
100,200 CPU、
101 ハードディスク部、
102,205 RAM、
103 液晶タッチパネル、
104 キー操作部、
105 客側表示部、
106 レシート印字部、
107 スキャナ部、
108,207 通信部、
109 バスライン、
201 表示操作部、
202 テンキー部、
203 印字部、
204 ROM、
206 ギャップセンサ、
208 バスライン、
209 台紙切断部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一の取引において注文された1又は複数の商品を示す一取引分注文データを取得する一取引分注文データ取得手段と、
前記一取引分注文データ取得手段により取得された一取引分注文データに基づき、該一取引分注文データにより示される前記1又は複数の商品の少なくとも一部についての調理を指示するための調理指示情報が印字された調理指示ラベルと、該一取引分注文データに応じた枚数の前記各商品に貼付するための貼付ラベルと、を発行するラベル発行手段と、
を含むことを特徴とする注文データ処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の注文データ処理システムにおいて、
商品を示す商品情報と、該商品が調理指示を要する商品であるか否かを示すデータと、を対応付けて記憶する記憶手段と、
前記一取引分注文データ取得手段により取得された一取引分注文データに関して前記記憶手段により記憶される前記データに基づいて、1又は複数の商品を特定した前記調理指示情報を生成する調理指示情報生成手段と、
を含み、
前記ラベル発行手段は、前記調理指示情報に応じた枚数の前記貼付ラベルを発行する、
ことを特徴とする注文データ処理システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の注文データ処理システムにおいて、
前記一取引分注文データ取得手段は、前記一取引分注文データを順次取得し、
当該注文処理システムは、
順次取得される前記各一取引分注文データを互いに識別するための識別情報を生成する識別情報生成手段と、
店頭に設置され、前記一取引分注文データにより示される1又は複数の買い上げられる商品の精算の際に、該一取引分注文データの識別情報が印字されたシートを発行するシート発行手段と、
を含み、
前記ラベル発行手段は厨房に設置され、前記一取引分注文データ取得手段により取得された一取引分注文データに基づき、該一取引分注文データについて生成された前記識別情報を含む前記調理指示ラベルを発行する、
ことを特徴とする注文データ処理システム。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれかに記載の注文データ処理システムにおいて、
前記一取引分注文データ取得手段は、前記一取引分注文データを順次取得し、
前記貼付ラベルには所定の情報が印字され、
前記ラベル発行手段は、前記一取引分注文データごとに、前記調理指示情報と、前記所定の情報と、が同一の台紙上に貼り付けられたラベルに印字された該調理指示ラベル及び該各貼付ラベルを発行する、
ことを特徴とする注文データ処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の注文データ処理システムにおいて、
前記台紙を切断する台紙切断手段と、
前記調理指示ラベル及び前記各貼付ラベルが印字された場合に、該調理指示ラベル及び該各貼付ラベルが印字された部分と他の部分と、を切り離すよう、前記台紙切断手段を制御する制御手段と、
を含むことを特徴とする注文データ処理システム。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれかに記載の注文データ処理システムにおいて、
当該注文データ処理システムは、
注文された1又は複数の商品を示す注文データの入力を順次受け付ける注文入力受付手段、
を含み、
前記一取引分注文データ取得手段は、操作者による締め操作を受け付け、該締め操作に応じて、それまでに前記注文入力受付手段により受け付けられた1又は複数の前記注文データに基づき、前記一取引分注文注文データを取得し、前記調理指示ラベルと、前記貼付ラベルと、の発行を指示する、
ことを特徴とする注文データ処理システム。
【請求項7】
請求項1から6までの注文データ処理システムにおいて、
当該注文データ処理システムは、
店内での飲食を示す店内飲食データの入力を受け付ける店内飲食データ受付手段、
を含み、
前記ラベル発行手段は、前記店内飲食データ受付手段により前記店内飲食データが受け付けられた場合、前記各貼付ラベルの発行を非発行とする制御手段を有する、
ことを特徴とする注文データ処理システム。
【請求項8】
一の取引において注文された1又は複数の商品を示す一取引分注文データを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記一取引分注文データに基づき、該一取引分注文データにより示される前記1又は複数の商品の少なくとも一部についての調理を指示するための調理指示情報が印字された調理指示ラベルと、該一取引分注文データに応じた枚数の、前記各商品に貼付するための貼付ラベルと、を発行するラベル発行手段と、
を含むことを特徴とするラベルプリンタ。
【請求項9】
請求項8のラベルプリンタにおいて、
前記ラベル発行手段は、順次取得される一連の一取引分注文データに基づき、該各一取引分注文データを互いに識別するための識別情報を含む前記調理指示ラベルを発行する、
ことを特徴とするラベルプリンタ。
【請求項10】
一の取引において注文された1又は複数の商品を示す一取引分注文データを取得する一取引分注文データ取得ステップと、
ラベル発行手段が、前記一取引分注文データ取得ステップにおいて取得された一取引分注文データに基づき、該一取引分注文データにより示される前記1又は複数の商品の少なくとも一部についての調理を指示するための調理指示情報が印字された調理指示ラベルと、該一取引分注文データに応じた枚数の、前記各商品に貼付するための貼付ラベルと、を発行するラベル発行ステップと、
を含むことを特徴とする注文データ処理方法。
【請求項11】
コンピュータを、
一の取引において注文された1又は複数の商品を示す一取引分注文データに基づき、該一取引分注文データにより示される前記1又は複数の商品の少なくとも一部についての調理を指示するための調理指示情報が印字された調理指示ラベルと、該一取引分注文データに応じた枚数の、前記各商品に貼付するための貼付ラベルと、を発行するラベル発行手段、
として機能させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2008−102695(P2008−102695A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−284034(P2006−284034)
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】