説明

洗剤を添加せずに洗濯する方法及びその洗濯機

使用者による洗剤添加の必要がない洗濯機及び洗濯方法である。その洗濯方法として、洗濯液のPH値、表面張力、電気伝導率及び硬度を一定の範囲にバラス良く設定し、高PH値の電解水と共に調質液を利用し、普通の全自動洗濯機で洗濯を実施する。その内、前述の洗濯液のPH値は8.5-11、洗濯液の電気伝導率は261us/cm875us/cm、表面張力は25−40 mN/m、洗濯硬度は5−400ppmであり、必要に応じて、0.2-3.0グラム/回の調質液を添加できる。上記の洗濯環境に於いて、本発明に記述した方法を使用すると、無洗剤の洗濯を実現することにより、洗剤費用を節約するだけではなく、洗剤による汚染を避けると同時に、洗濯水の調質を行う為、編物の硬化を免れ、最適な洗濯環境を獲得し得る。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯機の使用環境に関連する。具体的に説明すると、本発明は、使用者が洗剤を添加せずに、洗浄比を最低基準に満足させる洗濯法及びその洗濯法を実現する為の洗濯機に関連する。
【背景技術】
【0002】
目下、洗濯機は使用者が大量の洗剤を投入し着物を洗濯するものであり、洗濯後、着物の中に一部の洗剤が残留するので、人体の皮膚を刺激するだけではなく、洗濯液に分解不能の分子を含んでいるので、環境を汚染してしまう。
【0003】
近年来、電解水を洗濯又は殺菌消毒に使用した洗濯機が誕生し、洗剤を使わずに洗濯を行うことができる。洗濯効果を高める為、一般的に、電解率を高めることにより、高PH値の強アルカリ水を発生させて洗濯効果を強化するので、着物への腐食性は大きくなってしまう。
【0004】
電解水、調質液による洗濯補助、ひいては洗剤の少量使用或は不使用を主張している対比文献は下記である。
【0005】
CN99248529には、水電離装置付きの洗濯機が公開されている。水電離装置の両側にバルブを付帯するカチオン水の出水管とアニオン水の出水管をつなぎ、それぞれドラムに接続する。それらは汚染軽減・用水節約の役割を果す。
【0006】
CN00110127には電気化学洗濯機と電気化学洗剤が公開されている。電気泳動と電解作用により、水質を軟化させ、油垢の乳化、分解、色染み除去、殺菌消毒、除去された汚れの再付着及び柔軟化、のり付けに於ける時間・費用の更なる節約を実現した。専用電気化学洗剤は製造原価が低く、使用量が少なく、環境への汚染が軽い。
【0007】
CN01139901には家庭用水浄化システム及びそれを実際に応用した洗濯機が公開されている。それにより、洗濯用水に含んでいる硬度成分、有機物と汚染物を分離し、除去する。
【0008】
CN02106217には一種の電動洗濯機が公開されている。その電動洗濯機は電解水で洗濯を行う。具体的に説明すると、電解装置に電気を通して、空気ポンプで電解槽に空気を供給し、水を流動させることにより、水電解の効率を高めて、生成した電解水の洗濯性能を向上させている。
【0009】
CN99800057には洗濯法と洗濯装置が公開されている。炭酸イオンか重炭酸イオン及びアルカリ金属イオンを含んでいる洗濯液を軟化させながら、洗濯物を洗濯する。軟化前の洗濯液は重炭酸ソーダ水溶液の電解により発生し、PH値9.5以上で、電気伝導率150ms/m以上であるが、軟化後の洗濯液の全体硬度は40ppm以下になる。但し、その方案は誘導体が必要であるし、その硬度による影響は本発明の研究者による試験に於いて必要な指標ではない。
【0010】
特許番号96243576.7の中国特許文献には一種の電解装置が公開されている。その装置はケース、フィルター、電解槽、交流・直流電源変換機、制御ボタン、スイッチ、廃水槽、制御回路などから構成されている。文献の説明書に開示された内容によると、その電解装置は直接的に水道に脱着でき、貯水槽を付帯している両用電解整水装置である。
【0011】
特許番号99211396.2の中国特許文献には着物に附着している病菌を殺菌可能な洗濯機が公開されている。それは、普通洗濯機の外部ケースの裏に直流電解装置と直流安定化電源が取付けられて、安定化直流電源が洗濯機の電源につながっている。洗濯機の稼動の際、直流電流は安定化直流電源から直流電解装置に入る。洗濯機の給水管から直流電解装置に水が入ると、水に含まれる塩素イオンにより電解が発生し、殺菌作用のある次亜塩素酸(HClO)ができて、それが洗濯機に入ることにより着物に付着している病菌を殺菌する。この製品は効き目が良く、構造が簡単で、コストが安い。
【0012】
給水の途中で電解を発生する電解装置については、電解効率を満足させるために必要な電源ボードの電力が大きいため、電源ボードは熱くなってしまう。
【0013】
近年来、電解水が洗濯又は殺菌消毒に使用されている。この場合、電解装置を洗濯用外筒の内壁に取付ける。例えば、中国特許番号02106218.8に公開された電動洗濯機は、電解装置を洗濯用外筒内に取付ける。その欠点は、外筒が洗濯中に水流の回転に伴い振れるので、外部に突出している電解装置が破損し易いことである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記の技術背景によると、従来の電解水発生装置は全て洗濯機の外部ケースの外筒に取付けられている。使用者の軽量化・小型化・薄型化及び高機能化への要求が高まるなかで、本発明の発明者は設計中に、洗濯機の外筒と外部ケースの間に上記の部品を収納すると、洗濯機内部に利用可能なスペースが限られるし、ラインアウト回路の設計は困難であることを感じた。洗濯機のスペースを十分に利用すると共に、上記の要求に満足できる新型の洗濯機を如何に設計するかは、本発明の設計者が解決せねばならないキーポイントである。
【0015】
従来のデュアルパワー洗濯機に電解水と調質液を入れるという考案なら、再度立上げ、アウトライン設計を行い、電解装置と調質液供給装置を洗濯機の内部に取付けなければならない。そうすると、時間と手間がかかるし、製造コストが高くなるなどの欠陥があるので、従来の洗濯機の改造に不利である。
【0016】
上記の状況があるので、本発明の設計者は一番目の技術問題の解決案への探求にとりかかると同時に、二番目の技術問題を如何に解決するか、簡単且つ便利で、洗剤を使用しない洗濯機を如何に設計するかを考え始めた。
【0017】
既存技術の電解方式で洗濯し、特に、いわゆる無洗剤の状態で洗濯する場合、下記の欠陥がある。(1)電化効率を高める為、洗濯用水に塩化ナトリウムなどの触媒を誘導体として添加する。上記の誘導体の添加により、電解効率を高めたが、水質の変化により、編物が固くなる可能性がある。それに、人工添加の為、添加しない場合、効果は低くなる。(2)洗浄率を高める為、洗濯用水に気泡を注いだ。この方法では構造の複雑化及びコスト増大になることは明らかである。(3)一部の文献には二次洗濯方法が提出されたが、この方法を用いることは洗濯時間の増加を意味する。
【0018】
また、既存技術に関する対比文献によると、洗濯の最良効果、最良洗濯環境について、業界内においても洗濯機の研究の方向と目標は提示されていない。よって、本発明の設計者は上記の技術上の欠陥と不足に対して、洗濯機の洗濯環境からとりかかり、数多くの試験、測定を通じて、最終的に洗濯機の洗濯環境・最良効果に関する洗濯方法を獲得した。
【0019】
本発明は前述の欠陥を克服するものである。
【0020】
前述の従来技術の欠陥に対して、本発明の目的は、如何に電解水を利用して洗濯するかにより、最良の洗濯環境を獲得する方法を提供するのである。本方法による洗濯の際、使用者は少量或は微量の洗剤を添加しても良いが、全く洗剤及びその他の洗濯助剤を添加しなくても良い。
【0021】
本発明の目的は、従来の洗濯機構造のままで、構造が簡単で且つ取り付けに便利な洗濯補助装置の外付により、従来の洗濯機を、洗剤添加の必要がない洗濯機に改造することである。
【0022】
本発明のもう一つの目的は、構造が簡単で且つ取り付けに便利な新型の洗濯補助装置を付帯し、使用者による洗剤添加の必要がない洗濯機を提供することである。
【0023】
本発明の研究者は下記のように考えている。硬度による汚れ除去への影響は、主に洗濯液に溶かしている洗剤の化学構造、洗剤分子と汚れ分子の間の相互作用に影響を及ぼすことにより発生するので、本発明の環境で、このような影響は殆んどない。よって、水の硬度は実際の汚れ除去に対して特別なマイナス影響はない。本発明の研究者は硬度による洗濯率への決定的な影響がないと考えているにもかかわらず、測定の結果として、本発明の環境に於いて、洗濯液の硬度を5−400ppmに抑える。この硬度は電解過程と調質剤による共同作用のもとに得たのである。
【0024】
上記の発明目的を実現する為、本発明に採用された技術方案には水道水に対する電解が含まれている(又は、同時に一定量の調質剤を添加する)。電解水のPH値は8.5-11であり、電解後の洗濯液(添加可能な調質剤を含む)は電気伝導率が261uS/cm875uS/cm、表面張力が25−40 mN/mである。この方法で、洗濯液は電解水(或は調質剤を添加した)の混合液を採用し、洗濯時の水温は5℃50℃であるが、10℃30℃の場合、最適である。
【0025】
上記のPH値は9.0-11が好ましいが、PH値9.8が最適である。
【0026】
上記の洗濯方法はGB4288基準の測定により、その洗浄率が0.1-0.5である。
【0027】
洗濯液のPH値は8.5以下の場合、電解水に適当な洗剤を添加する。洗剤の添加量は洗濯用水量の0.2%を超えない。
【0028】
既存技術についての分析どおり、洗濯環境は複雑なので、一つの要素を変えても、なかなか現実的な洗濯の要求に満足し難い。よって、選択性の発明にせよ、創造性の発明にせよ、本発明の主な貢献は、多種類の要素をある範囲に抑え、その範囲内の洗濯液を使用して着物を洗濯すると、その総合指標は始終的に標準的な範囲内にある。
【0029】
電解槽に入った水道水の電解を行うと、酸性イオン水と塩基性イオン水が発生し、塩基性イオン水は洗濯ドラムに入る。水温が設定水温、PH値が設定値の状態で、塩基性イオン水は設定水位に達してから、調質液供給装置により塩基性イオン水を活性化させ、正常な洗濯を開始する。
【0030】
前述の方法は、水道水の電解槽への給水、電解槽に於ける酸性イオン水と塩基性イオン水の発生、塩基性イオン水の洗濯ドラムへの給水、酸性イオン水の貯蓄を含んでいる。調質液の供給装置により調質剤を添加し、活性化させた塩基性イオン水が入り、設定水位になると、正常な洗濯を開始する。そして、二回目の給水により濯ぎ、或は適量の酸性イオン水を洗濯ドラムに排出し濯ぐと同時に、設定水位まで水道水を入れて、洗濯の全過程を完成させる。
【0031】
前述の方法は、水道水の電解槽への給水、電解槽に於ける酸性イオン水と塩基性イオン水の発生、塩基性イオン水の洗濯ドラムへの給水、酸性イオン水の廃棄を含んでいる。調質液の供給装置により調質剤を添加し、活性化させた塩基性イオン水が入り、設定水位になると、正常な洗濯を開始する。そして、二回目の給水により濯ぎ、電解槽の電解極性を変えて、電解により電解槽において酸性イオン水と塩基性イオン水を発生させ、酸性イオン水が洗濯ドラムに入り、塩基性イオンは廃棄すると同時に、設定水位まで水道水を入れて、濯ぎの全過程を完成させる。
【0032】
前述の方法は、水道水の電解槽への給水、電解槽に於ける酸性イオンと塩基性イオンの発生、塩基性イオン水の洗濯ドラムへの給水、酸性イオン水の廃棄を含んでいる。調質液の供給装置により調質剤を添加し、活性化させた塩基性イオン水が入り、設定水位になると、正常な洗濯を開始する。そして、二回目の給水により濯ぎ、電解槽の電解極性を変えて、電解により電解槽において酸性イオン水と塩基性イオン水を発生させ、酸性イオン水は洗濯ドラムに入り、塩基性イオン水は廃棄すると同時に、酸性イオン水は設定水位に達して、濯ぎの全過程を完成させる。
【課題を解決するための手段】
【0033】
前述の方法を実現する為の手段として、本発明では一種の洗濯機を提供する。その洗濯機は洗濯機の外部ケース、洗濯物を入れる洗濯ドラム、洗濯ドラムを収納する外筒、洗濯ドラムへ給水する給水装置、電解給水装置に供給された水の電解水発生装置、外筒の水位検出用の検出装置を含む。その給水装置には洗濯ドラムへの調質液を供給する調質液供給装置が直列連結される。前述の電解水発生装置より洗濯ドラムへ電解水を供給する。洗濯の際、前述の電解水発生装置はPH値8.5以上の電解水を発生し、調質供給装置により使用者の必要に応じて洗濯ドラムに定量の調質液を添加する。
【0034】
一種の方式では、前述の給水装置は、水道水管に接続している給水用元パイプ1本、給水バルブ1台、洗濯ドラムの上部にある給水箱、給水バルブと給水箱を接続している第一給水パイプ1本、給水バルブの出力側に接続している第二水道給水パイプ1本を含む。前述の電解水発生装置と調質液の供給装置は第二水道給水パイプの排出側に設置する。前述の電解水発生装置は、仕切式の電解槽1式、洗濯機の交流電源を直流電源に変えて電解槽へ直流電源を提供する電源転換装置を含む。前述の電解槽の給水口は給水バルブの出力側にある第二水道給水パイプに接続する。電解槽の陰極室と陽極室には、それぞれ洗濯ドラムへ電解液を供給する第一排水通路、排水管に繋がっている第二排水通路を接続する。前述の調質液供給装置は、貯蓄液用箱1台以上、貯蓄液用箱の底部に設置している改質液の定量供給装置1台を含む。前述の定量供給装置の進入側は、貯蓄液用箱の底部にある排液パイプに接続する。前述の定量供給装置の排出の片側は電解槽の第一排水通路に接続し、もう片側は排除管経由で排水管、第二排水通路に接続する。
【0035】
もう一種の方式では、前述の給水装置は、水道水管に接続している給水用元パイプ1本、給水バルブ1台、洗濯ドラムの上部にある給水箱、給水バルブと給水箱を接続している第一給水パイプ1本、給水バルブの出力側に接続している第二水道給水パイプ1本、給水バルブの出力側に接続している第三水道給水パイプ1本を含む。前述の電解水発生装置は第二水道給水パイプの排出側に設置し、前述調質液の供給装置は第三水道給水パイプの排出側に設置する。前述の電解水発生装置は、仕切式の電解槽1式、洗濯機の交流電源を直流電源に変えて電解槽へ直流電源を提供する電源転換装置を含む。前述の電解槽の給水口は給水バルブの出力側にある第二水道給水パイプに接続する。電解槽の陰極室と陽極室には、それぞれ洗濯ドラムへ電解液を供給する第一排水通路、排水管に繋がっている第二排水通路が接続される。前述の調質液供給装置は、貯蓄液用箱1台以上、貯蓄液の底部に設置している改質液の定量供給装置1台を含む。前述の定量供給装置の進入の片側は、貯蓄液用箱の底部にある排液パイプに接続し、もう片側は給水バルブの出力側の第三水道給水パイプに接続する。前述の定量供給装置の排出の片側は洗濯ドラムの上部にある給水箱に接続し、もう片側は排除管経由で排水管、第二排水通路に接続する。
【0036】
前述の定量供給装置は容積計量バルブ、電磁弁又は電動弁のいずれかにする。
【0037】
前述の計量バルブは容積計量バルブにする場合、それはバルブセンターにある一定容量のバッファールーム1室を含む。バッファールームには添加剤用の供給口があり、その供給口の反対側には給水口がある。そして、そのバルブには出水口を設けて、上記の給水口と出水口経由でバルブを水道の電解水路側に接続する。前述の給水口に供給口/給水口のオープン/クローズを交替に制御する給水/供給バルブを設ける。バッファールームの出口にバッファールーム内の液体を排出する為の排出バルブを設ける。前述のバッファールームの低部に排除バルブを設置する。
【0038】
従来の洗濯機の構造を変更しないことを前提とし、洗濯機の外部ケースの裏壁の上部に電解水用の給水管を通す為の第一穴を開け、洗濯機の外部ケースの裏壁の下部に第二排水通路を通し、排水管に接続する第二穴を開ける。
【0039】
前述の電解水発生装置の電解槽あるいは調質液供給装置の貯液箱を洗濯機の外部ケースに外付、固定する。広義の角度から見ると、電解槽あるいは貯液箱を洗濯機の周り、即ち前面板、左側、右側と裏面板に外付、固定できるが、洗濯機の外観から見ると、洗濯機の前面板、左側、右側に外付けする場合、洗濯機の全体観に害する。そして、洗濯機の羽根車はいつも時計廻り或は反逆時計廻りに回転しているので、羽根車の回転起動時又は回転停止時に、その起動点と停止点は一般的に洗濯機の前部或は後部にあり、高速回転点は洗濯機の左側或は右側にある。周知の通り、洗濯機の回転は加速度から開始し、加速度に停止するので、起動点と停止点だけにその回転力が最小になる。即ち、羽根車が回転時、前面板と裏板に与えた回転力による影響は左側・右側より小さい。特に外部ケースに一定重量の電解槽あるいは貯液箱を取付ける場合、電解槽あるいは貯液箱自体が下向きの重力を受けるので、それを羽根車の回転力による影響の大きい左側又は右側に設置すると、羽根車は回転の際、順調な回転に影響を与え、羽根車シャフトを破損させ、機体を左右に振れさせる可能性がある。好ましい方式として、前述の電解槽あるいは貯液箱を洗濯機の外部ケースの裏壁の外側に外付・固定する。
【0040】
固定方式は一般的に、一番簡単且つ便利な方法を採用する。電解槽あるいは貯液箱を洗濯機の外部ケースの裏壁の外側にネジで固定し、電解槽あるいは貯液箱を外付けしている洗濯機の外部ケースの裏壁の外側にカバープレートをかける。
【0041】
前述の外付型の電解槽あるいは貯液箱の厚みは洗濯機厚みの1/4を超えず、その幅と高さは洗濯機本体の幅・高さ以下である。前述の外付型の電解槽あるいは貯液箱の好ましい厚みは洗濯機の厚みの1/10とする。
【0042】
前述の洗濯機はデュアルパワー式、羽根車式あるいは攪拌式回転ドラム式を採用できる。
【発明の効果】
【0043】
本発明を利用することで下記の有益な効果が得られる。
【0044】
本発明では、電解後の水道水に調質を行うことにより、洗濯液のPH値を911の範囲に調整して、それぞれの付加手順で測定し、大量のデータを入手した。そのデータによると、本発明の方法を採用すれば、無洗剤の洗濯を実現し、洗剤費を節約するだけではなく、洗剤による汚染を避ける。同時に、洗濯用水の調質を行うので、編物の硬化を免れ、最適な洗濯環境を獲得する。
【0045】
本発明は構造が簡単で、組立、保守、解体などの作業も容易である。従来洗濯機の内部構造を変えないままで、電解水発生装置の電解槽と調質液供給装置、貯液箱を洗濯機の外部ケースの裏壁に外付・固定し、電解水による洗濯、調質液添加などの機能を増加するので、適応性が強化され、コストが節約される。
【実施例】
【0046】
次は具体的な実施例と添付図により、本発明について詳細に説明する。
【0047】
図1-図4は、使用者による洗剤添加の必要がない洗濯機である。それは、洗濯機の外部ケース11、洗濯ドラムの収納用外筒1、洗濯ドラムの給水装置2、電解給水装置より供給された水の電解水発生装置3を含む。前述の給水装置2には電解水発生装置3が直接連結される。その電解水発生装置3より洗濯ドラムへ電解水を供給する。洗濯の際、前述の電解水発生装置3はPH値8.5以上の電解水を発生する。給水装置2には洗濯ドラムへの調質液を供給する調質液供給装置4が接続される。洗濯の際、調質供給装置4で使用者の必要により洗濯ドラムに定量の調質液を添加する。
【0048】
一種の方式では、(図1-図6に示されたように)前述の給水装置2は、水道水管と接続している給水用元パイプ20の1本、給水バルブ21の1台、洗濯ドラムの上部にある給水箱22、給水バルブ21と給水箱22を接続している第一給水パイプ221の1本、給水バルブ21の出力側に接続している第二水道給水パイプ23の1本を含む。前述の電解水発生装置3と調質液の供給装置4は第二水道給水パイプ23の排出側に設置する。前述の給水バルブ21は洗濯機外筒1の上部にあり、1本の吸気口と3本の排気口を持つマニホルドの設計を採用している。洗濯ドラムの上部にある給水箱22は給水バルブ21と給水箱22の間の給水パイプ221に繋がっている。前述の電解水発生装置3は、仕切式の電解槽31の1式、洗濯機の交流電源を直流電源に変えて電解槽へ直流電源を提供する電源転換装置(図略)を含む。前述の電解槽の給水口4010は給水バルブ21の出力側にある第二水道給水パイプに接続する。電解槽の陰極室と陽極室には、それぞれ洗濯ドラムへ電解液を供給する第一排水通路34、排水管に繋がっている第二排水通路35を接続する。前述の調質液供給装置4は、貯蓄液用箱41の1台以上を含む。貯蓄液用箱41の底部に設置している排液パイプ42は貯蓄液用箱の底部にある改質液の定量供給装置(図略)経由で第一排水通路34に繋がっている。貯蓄液用箱41のトップにエアインバルブ或はエアバルブ44を設ける(その内、前述の定量供給装置は計量弁を採用できる。具体的に説明すると、それは容積計量弁で、その構造は図6に示されている)。前述の定量供給装置の進入側は、貯蓄液用箱の底部にある排液パイプ42に接続する。前述の定量供給装置の排出の片側は電解槽の第一排水通路34に接続し、もう片側は排除管経由で排水管、第二排水通路35に接続する。
【0049】
図6に示されたように、前述の計量バルブ6は容積計量バルブとし、バルブセンターに定額容積のバッファールーム61を含む。バッファールーム61には添加剤供給用の改質液バルブ62、給水バルブ65、出水バルブ66及び排除バルブ67がある。その改質バルブ62は供給口でもあり、給水バルブ65は給水口である。その出水バルブ66は出水口でもある。前述の給水口と出水口経由でそのバルブを水道の電解水路側に繋がる。前述の給水バルブ65、出水バルブ66はそれぞれ、給水口と出水口のクローズ/オープンを制御する。前述の出水バルブ66は出水にも使用されるし、バッファールーム61に入った改質液の排出にも使用される。前述のバッファールームの底部に排除バルブ67を設置する。
【0050】
図5に示されたように、仕切式の電解槽を例とし、五つの陰極室311と四つの陽極室312があり、それぞれ、八つのイオン透過性仕切物313により仕切される。前述の電解槽も七つの陰極室311と六つの陽極室312があり、12個の透過性仕切物313に仕切される。前述の電解槽の陰極室311と陽極室312の通路の断面積比は10:1―2:1とし、前述の好ましい電解槽の陰極室311と陽極室312の通路断面積比は6:1―3:1とする。
【0051】
もう一種の方式では(構造図略)、前述の給水装置は水道水管に接続している給水用元パイプ1本、給水バルブ1台、洗濯ドラムの上部にある給水箱、給水バルブと給水箱を接続している第一給水パイプ1本、給水バルブの出力側に接続している第二水道給水パイプ1本、給水バルブの出力側に接続している第三水道給水パイプ1本を含む。前述の電解水発生装置は第二水道給水パイプの排出側に設置し、前述調質液の供給装置は第三水道給水パイプの排出側に設置する。前述の電解水発生装置は、仕切式の電解槽1式、洗濯機の交流電源を直流電源に変えて電解槽へ直流電源を提供する電源転換装置を含む。前述の電解槽の給水口は給水バルブの出力側にある第二水道給水パイプに接続する。電解槽の陰極室と陽極室には、それぞれ洗濯ドラムへ電解液を供給する第一排水通路、排水管に繋がっている第二排水通路を接続する。前述の調質液供給装置は、貯蓄液用箱1台以上、貯蓄液の底部に設置している改質液の定量供給装置1台を含む。前述の定量供給装置の進入の片側は、貯蓄液用箱の底部にある排液パイプに接続し、もう片側は給水バルブの出力側の第三水道給水パイプに接続する。前述の定量供給装置の排出の片側は洗濯ドラムの上部にある給水箱の排出側に接続し、もう片側は排除管経由で排水管、第二排水通路に接続する。
【0052】
図5は仕切式の電解槽の構造略図であり、電解槽31の詳細構造を示した。電解槽31は仕切物313に仕切された三つの陰極室311と二つの陽極室312があり、それぞれ陽極電極314と陰極電極315を設置する。本発明の電解槽の陰極室311と陽極室312の通路断面積比は4:1とし、電解槽31の陰極室311と陽極室312はそれぞれ洗濯ドラムへ電解液を提供する第一排水通路34、排水管に繋がっている第二排水通路35に接続する。
【0053】
また、電源転換装置の放熱効果を改善する為、前述の電源転換装置内部に放熱片を設けて(図には示されてない)、放熱片の隣に冷却水の胴体(図には示されていない)を設ける。前述の電解槽31の給水パイプはその冷却水胴体に繋がり、電解槽31の水道水は電源転換装置32の箱内の冷却水の胴体経由で電解槽31に入り、電解を行う。
【0054】
電解槽に残っている電解水は水道水の圧力により、洗濯ドラムに入る。
【0055】
本発明の好ましい方案として、電解水発生装置の電解槽31あるいは調質液添加装置の貯液用箱41を洗濯機外部ケースの裏壁に外付けし、その他の部品は洗濯機の外筒と外部ケースの間に設置できる。もっと詳細に説明すると、従来洗濯機の外部ケースに穴111、112を開ければ、給水パイプ23は上穴111を通して電解槽31、貯液用箱41に接続し、電解排液パイプ24は下穴112を通し、洗濯ドラム給水パイプ25に接続する(それぞれ図3、図4の洗濯機の裏面、側面を参照)。電解発生装置しか採用していない洗濯機の場合、電解槽だけを洗濯機の外部ケースに固定する。外付けの容器の関連部品サイズ、重量などを考慮にいれて、前述の電解槽あるいは貯液用箱の厚みは洗濯機の1/4以下とし、好ましい厚みは1/10であり、その幅と高さは洗濯機の幅と高さ以下とする。
【0056】
洗濯機外部ケース裏壁に固定した電解槽31あるいは貯液用箱41の外にカバープレート5をかけ、カバープレート5がネジ51で外部ケースに固定する。
【0057】
洗濯機内に電解水発生装置と調質液添加装置を設け、洗濯機の給水回路の給水口にT型バルブを設置し、排水口、排液口に排水バルブ、排液バルブを設置する。本発明申請者は2003年11月に提出した一連の申請で詳細な説明を記載してある。申請番号200320121902.8、発明名称「添加剤供給措置」と申請番号200320121903.2、発明名称「電解水給水回路」及び申請番号200320121901.3、発明名称「電解装置を付帯する洗濯機」と申請番号200310113629.9、発明名称「洗濯機及び洗濯方法」などの文献の関連内容を背景文書と詳細な技術の公開文献として引用されるので、詳細な説明は省略する。
【0058】
使用の際、その給水バルブ3の入口は水道管につながる。出口は三つあり、それぞれ洗濯ドラムの主給水口、軟化剤入れに接続された給水口と電解水装置に接続された電解水給水口につながる。制御コンピュータの基板には普通の洗濯プログラムと、洗剤の代わり電解水を使用するプログラムがある。
【0059】
使用者が無洗剤のプログラムを選択した場合、電解水発生装置は稼動する。給水の時、水道水は給水バルブ3の電解水バルブを流れ、流量が抑えられ、1.0〜10L/minの範囲内にする。3.5〜6.0L/minの範囲であれば最適な電解効果を保証できる。水道水は電解槽31に入り、電解を行う。陽極、陰極の電解により塩基性水と酸性水が発生するが、仕切物により分けている。塩基性水は第一排水通路34経由で内筒に入り、着物の洗濯を行う。同時に電解により発生した酸性水は第二排水通路35の排水管経由で排出され、殺菌消毒をする。電解槽の陰極室311と陽極室312の通路断面積比は4:1であるので、塩基性水の流量は酸性水の流量より大きく、塩基性水と酸性水は一定の割合で流出する。塩基性水と酸性水の流量比が3:1〜6:1の場合、浪費を少なくし、電解効果を確保できて、合理的なPH値を実現し、そして、電解時発生した塩基性水のPHは9.8±1.2に達する。
【0060】
本発明の電解水装置で逆方向の電解を行う場合、陰極室から酸性水を流出する。この場合、陰極室311と陽極室312の通路断面積比が設定されたので、第二排出通路35に排出された塩基性水は第一排水通路34から洗濯ドラムに入った酸性水より少なく、濯ぎに適用し、消毒殺菌の効果がある。
【0061】
今までの特許などの技術で、無洗剤の洗濯機と選択方法が提出され、引いては、直接に電解水による洗濯方式が提出された。
【0062】
然し、今までの技術では基本的に概念だけが提出され、即ち、電解を利用した洗濯用水のPH値を高めた。高PH値の洗濯用水による洗浄率向上も今までの技術に於ける概念である。どんなPH値があるか、つまり電解コスト、洗濯時間と洗濯物へ不損害に対するバランス取り方法について、具体的な説明がない。もっと重要なのは、いわゆる洗剤の不使用が、どの標準によるものかということである。比較用の標準はなければ、上記の提出内容は無意味に帰してしまう。実際は、比較標準がない場合、単純な水洗濯でも一定の洗浄比を実現できる。特に灰が主要な汚れの場合、洗浄比は相当の水準を実現できる。
【0063】
上記によって、本発明では、まず、比較用標準が導入され、洗濯機に関する国家標準の全てを導入し、本発明内容の一部とする。具体的に説明すると、洗濯性能試験方法を導入する。その標準では、詳細に洗濯性能の試験方法を紹介した。本発明の創造性を裏付けるには必要な全てのデータはこの標準に基づき入手した。
【0064】
本発明は、水質が異なる場合、洗剤を添加するかどうかについて、一定の水温、一定の容量、同じ手順から着手し、洗濯効果(洗浄率、PH値、電気伝導率、表面張力など)の総合試験を実施し、最適な洗濯環境に於ける洗濯方法の獲得方法を探究する。
【0065】
表1、表2には、本発明の試験過程と試験条件を記載してある。詳細は表1、表2による。
【0066】
表1 設定水温10℃、容量100%の場合の実験データ

【0067】
表1の比較試験に於けるその他の条件は下記である。
(1)負荷5.2Kg
(2)手順は標準手順とする
(3)実験条件の数値は実際水温9.2℃15.1℃の時、何回も試験を実施した範囲値である。
(4)試験用機はデュアルパワー洗濯機(デュアルパワー洗濯機について、CN02110035、CN02110368などを参照。今まで本申請者により公開されたデュアルパワー洗濯機に関する技術方案は背景として導入される)。
【0068】
上表のデータによると、設定温度、設定容量、実行の洗濯手順などが同じ場合、水環境を改善した電解水(以下、活性化電解水と称する)を使用して洗濯をすれば、平均洗浄率は0.265、平均PH値は10.57、平均表面張力は32mN/m、平均電気伝導率は261.5 us/cmとなる。単なる電解水を使用して洗濯すれば、平均洗浄率は0.16、平均PH値は10.6、平均表面張力は66mN/m、平均電気伝導率は604.5 us/cmとなる。0.2%の洗剤を添加した電解水を使用して洗濯すれば、洗浄率0.2768、PH値は10.656、表面張力は30mN/m、平均電気伝導率は283 us/cmとなる。水道水を使用して洗濯すれば、平均洗浄率は0.108、平均PH値は7.473、平均表面張力は69mN/m、平均電気伝導率は222 us/cmとなる。0.2%洗剤を添加いた水道水を使用して洗濯すれば、平均洗浄率は0.2803、平均PH値は7.473、平均表面張力は30mN/m、平均電気伝導率は222 us/cmとなる。
【0069】
上記のデータにより下記の結論が得られる。活性化電解水、単なる電解水又は洗剤を添加した電解水による洗濯は、単なる電解水、水道水又は洗剤を添加した水道水による洗濯と比較すれば、洗剤を使わない場合、最適な洗濯環境を獲得し得る。その平均洗浄率は0.265、平均PH値は10.57、平均表面張力は32mN/m、平均電気伝導率は261262us/cmとなる。
【0070】
表2 設定水温30℃、容量80%の場合の実験データ

【0071】
表2の比較試験に於けるその他の条件は下記である。
(1)負荷5.2Kg
(2)手順は標準手順とする
(3)実験条件の数値は実際水温30℃32℃の時、何回も試験を実施した範囲値である。
(4)試験用機はデュアルパワー洗濯機。
【0072】
上表のデータによると、設定温度、設定容量、実行の洗濯手順などが同じ場合、電解水を使用して洗濯をすれば、平均洗浄率は0.326、平均PH値は10.19、平均表面張力は31mN/m、平均電気伝導率は575.5 us/cmとなる。0.2%の洗剤を添加した電解水を使用して洗濯すれば、洗浄率0.36、PH値は10.158、表面張力は67mN/m、平均電気伝導率は318 us/cmとなる。水道水を使用して洗濯すれば、平均洗浄率は0.1949、平均PH値は7.547、平均表面張力は70mN/m、平均電気伝導率は203 us/cm uとなる。0.2%洗剤を添加いた水道水を使用して洗濯すれば、平均洗浄率は0.326、平均PH値は7.708、平均表面張力は30mN/m、平均電気伝導率は214 us/cmとなる。
【0073】
電解水又は洗剤を添加した電解水による洗濯は、水道水又は洗剤を添加した水道水による洗濯と比較すれば、洗剤を使わない場合、最適な洗濯環境を獲得し得る。その平均洗浄率は0.326、平均PH値は10.19、平均表面張力は31mN/mとなり、但し、平均電気伝導率は比較的高い。
【0074】
上記のデータによると、電解水を使用する場合、洗剤を添加すれば、洗濯効果を高め、電解水使用時のPH値は水道水より業界の基準値に近く、そして、電解水使用時の表面張力は水道水より大分低く、高い洗浄効果が得られる。
【0075】
上記の二つの表に基づき総合的に考えると、容量の大・小、洗剤の添加・無添加を無視して、洗濯環境が同じの場合、30℃時の水温環境は10℃時より洗濯に有利で、良い洗濯効果を獲得し得る。
【0076】
実施例一
設定水温10℃、容量100%、活性化電解水、標準手順による洗濯の場合
実際の洗濯中に、水温は9.2℃で、水道水は電解槽に入り、電解槽に於いてPH値が安定した塩基性イオン水と酸性イオン水を発生させ、塩基性イオン水は調質液供給装置により水質調節を行い、塩基性水を活性化させてから洗濯ドラムに入り、酸性イオン水は廃棄される。この時、ドラム内のPH値は10.57で、洗濯に最適な値である。塩基性イオン水は設定水位になると、正常な洗濯を開始する。標準手順を15分間以上実施し、洗濯を完成させる。表面張力は31mN/m、電気伝導率は261us/cm、洗浄率は0.2258である。活性化された、PH値が安定した塩基性イオン水の役割は洗剤に等しいので、本方法では洗剤を要しない。
【0077】
実施例二
設定水温10℃、容量60%、活性化電解水、標準手順による洗濯の場合
第1組に於いて、実際の洗濯中に、実際水温は11.5℃で、水道水は電解槽で電解を行い、電解槽に於いてPH値が安定した塩基性イオン水と酸性イオン水を発生させ、塩基性水は洗濯ドラムに入り、酸性イオン水は貯蔵される。次に、一定量の調質剤を添加する。この時、ドラム内のPH値は10.405で、洗濯に適切な値である。塩基性イオン水は設定水位になると、8分間の洗濯を実施し、洗濯用水の表面張力は34mN/m、電気伝導率は486us/cm、洗浄率は0.2015となる。上記のデータで解かるように、電気伝導率は比較的高い。また、二回目の給水により濯ぎを行い、この時、貯蓄された酸性イオン水は洗濯ドラムに排出され、そして、設定水位に達するよう一部の水道水は入る。この時、ドラム内の濯ぎ用水は一定濃度のある酸性イオン水であり、濯ぎ中に清潔消毒の効果がある。
【0078】
第2組に於いて、実際の洗濯中に、実際水温は9.7℃で、水道水は電解槽で電解を行い、電解槽に於いてPH値が安定した塩基性イオン水と酸性イオン水を発生させ、塩基性水は洗濯ドラムに入り、酸性イオン水は貯蔵される。次に、一定量の調質剤を添加する。この時、ドラム内のPH値は10.625である。塩基性イオン水は設定水位になると、25分間の洗濯を実施してから、2回目濯ぎを行い、合計で57分間洗濯後、洗濯用水の表面張力は32mN/m、電気伝導率は273us/cm、洗浄率は0.255となる。
【0079】
第1、第2組の試験データによると、水温低下の代わり、洗濯時間増加の場合、洗濯効果が良い。
【0080】
第3組に於いて、実際の洗濯中に、実際水温は12.2℃で、水道水は電解槽で電解を行い、電解槽に於いてPH値が安定した塩基性イオン水と酸性イオン水を発生させ、塩基性水は洗濯ドラムに入り、酸性イオン水は貯蔵される。次に、一定量の調質剤を添加する。この時、ドラム内のPH値は10.468である。塩基性イオン水は設定水位になると、10水位の「ジーンズ」手順にし、25分間の洗濯を実施してから、洗濯用水の表面張力は30mN/m、電気伝導率は246us/cm、洗浄率は0.2586となる。
【0081】
第4組に於いて、実際の洗濯中に、水温は9.8℃で、水道水は電解槽で電解を行い、電解槽に於いてPH値が安定した塩基性イオン水と酸性イオン水を発生させ、塩基性水は洗濯ドラムに入り、酸性イオン水は貯蔵される。次に、一定量の調質剤を添加し、軟化させる。この時、ドラム内のPH値は10.625である。塩基性イオン水は設定水位になると、10水位の「ジーンズ」手順、標準手順にし、25分間の洗濯を実施してから、一回目の酸性水濯ぎを行い、合計で57分間洗濯後、洗濯用水の表面張力は30mN/m、電気伝導率は273us/cm、洗浄率は0.27となる。
【0082】
第3、第4組の試験データによると、水温低下の代わり、洗濯時間増加、洗濯水流の強化の場合、酸性水の濯ぎ手順による洗濯効果は単なる洗濯手順による洗濯効果より良い
実施例三
設定水温30℃、容量60%、電解水、標準手順による洗濯の場合
第5組に於いて、実際の洗濯中に、実際水温は39.0℃で、水道水は電解槽で電解を行い、電解槽に於いてPH値が安定した塩基性イオン水と酸性イオン水を発生させ、塩基性水は洗濯ドラムに入り、酸性イオン水は貯蔵される。次に、一定量の調質剤を添加する。この時、ドラム内のPH値は10.103である。塩基性イオン水は設定水位になると、6水位の洗濯、10水位の「標準」手順にし、それぞれ25分間の洗濯を実施してから、合計で57分間洗濯後、洗濯用水の表面張力は30mN/m、電気伝導率は571us/cm、洗浄率は0.3631となる。
【0083】
第6組に於いて、実際の洗濯中に、実際水温は37.9℃で、水道水は電解槽で電解を行い、電解槽に於いてPH値が安定した塩基性イオン水と酸性イオン水を発生させ、塩基性水は洗濯ドラムに入り、酸性イオン水は貯蔵される。次に、一定量の調質剤を添加し、軟化させる。この時、ドラム内のPH値は9.946である。塩基性イオン水は設定水位になると、標準手順にし、洗濯を実施してから、洗濯用水の表面張力は33mN/m、電気伝導率は463us/cm、洗浄率は0.3402となる。
【0084】
第5、第6組の試験データによると、水温30℃以上の場合、温度とPH値が高ければ高いほど、洗浄率が高い。
【0085】
本発明の調質液又は調質剤とは、洗濯の際、表面の活性を強化し、且つ、設定の洗濯環境指標に達するよう洗濯液の調節に役立つ液体を指す。それは表面の張力、硬度、電気伝導率などの要素の調節を含み、そして、酸性環境において分解できない。この調質液又は調質剤は一種の洗濯液でも良いし、多種の洗濯液の混合物でも良い。APG:カチオンアルキルポリグルコシド(非イオン型表面活性剤であり、環境保護型表面活性剤でもある)はその例である。
【0086】
CN02141004の成分Cの中の表面活性剤とCN01123249の中のレモン酸トリアルキルアミド表面活性剤は優良な洗濯助剤だけではなく、電気伝導率調節剤と表面張力調節剤でもあるので、最終的な洗濯環境を実現する手段として、本発明に採用される。実際に、既存技術で、本発明に要求した洗濯環境パラメータに達する為の洗濯液調節用の適切な表面活性剤が大量的に存在し、それらは本発明の調節液の全部或は一部として採用できる。一種を使用するか混合して使用するか、混合の比例がどうなるかについて、本分野の技術者は本発明の技術内容を理解した上、簡単な方式で獲得できる。
【0087】
本発明に記述した調質剤の添加量は0.2-3.0グラム/回とする。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本発明による全自動洗濯機の実施例の断面図
【図2】図1に示された洗濯機の外部ケース裏壁のカバープレートオープン状態の構造略図
【図3】図1の側面図
【図4】図1の背面図
【図5】本発明による電解槽実施例の構造略図
【図6】本発明による調質液供給装置の定量供給装置実施例の構造略図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者による洗剤添加の必要がない洗濯機であり、その洗濯機は洗濯機の外部ケース、洗濯物を入れる洗濯ドラム、洗濯ドラムを収納する外筒、洗濯ドラムへ給水する給水装置、電解給水装置に供給された水の電解水発生装置、外筒の水位検出用の検出装置を含む。その特徴として、前述の給水装置には洗濯ドラムへの調質液を供給する調質液供給装置が直列連結される。前述の電解水発生装置は前述の給水装置に直列連結られ、そこから洗濯ドラムへ電解水を供給する。洗濯の際、前述の電解水発生装置はPH値8.5以上の電解水を発生させ、実際使用している洗濯液PH値を8.5-11、洗濯液の電気伝導率を261us/cm875us/cm、表面張力を25−40 mN/mにする。
【請求項2】
請求項1に記述した洗濯機の特徴として、前述の洗濯液の硬度を5−400ppmに抑え、調質液を0.2-3グラム/回添加する。
【請求項3】
請求項1に記述した洗濯機の特徴として、前述の給水装置は、水道管と接続している給水用元パイプ1本、給水バルブ1台、洗濯ドラムの上部にある給水箱、給水バルブと給水箱を接続している第一給水パイプ1本、給水バルブの出力側に接続している第二水道給水パイプ1本を含む。前述の電解水発生装置と調質液の供給装置は第二水道給水パイプの排出側に設置する。前述の電解水発生装置は、仕切式の電解槽1式、洗濯機の交流電源を直流電源に変えて電解槽へ直流電源を提供する電源転換装置を含む。前述の電解槽の給水口は給水バルブの出力側にある第二水道給水パイプに接続する。電解槽の陰極室と陽極室には、それぞれ洗濯ドラムへ電解液を供給する第一排水通路、排水管に繋がっている第二排水通路を接続する。前述の調質液供給装置は、貯蓄液用箱1台以上、貯蓄液用箱の底部に設置している改質液の定量供給装置1台を含む。前述の定量供給装置の進入側は、貯蓄液用箱の底部にある排液パイプに接続する。前述の定量供給装置の排出の片側は電解槽の第一排水通路に接続し、もう片側は排除管経由で排水管、第二排水通路に接続する。
【請求項4】
請求項1に記述した洗濯機の特徴として、前述の給水装置は、水道管と接続している給水用元パイプ1本、給水バルブ1台、洗濯ドラムの上部にある給水箱、給水バルブと給水箱を接続している第一給水パイプ1本、給水バルブの出力側に接続している第二水道給水パイプ1本、給水バルブの出力側に接続している第三水道給水パイプ1本を含む。前述の電解水発生装置は第二水道給水パイプの排出側に設置し、前述調質液の供給装置は第三水道給水パイプの排出側に設置する。前述の電解水発生装置は、仕切式の電解槽1式、洗濯機の交流電源を直流電源に変えて電解槽へ直流電源を提供する電源転換装置を含む。前述の電解槽の給水口は給水バルブの出力側にある第二水道給水パイプに接続する。電解槽の陰極室と陽極室には、それぞれ洗濯ドラムへ電解液を供給する第一排水通路と、排水管に繋がっている第二排水通路を接続する。前述の調質液供給装置は、貯蓄液用箱1台以上、貯蓄液の底部に設置している改質液の定量供給装置1台を含む。前述の定量供給装置の進入の片側は、貯蓄液用箱の底部にある排液パイプに接続し、もう片側は給水バルブの出力側の第三水道給水パイプに接続する。前述の定量供給装置の排出の片側は洗濯ドラムの上部にある給水箱に接続し、もう片側は排除管経由で排水管、第二排水通路に接続する。
【請求項5】
請求項3-4に記述した洗濯機の特徴として、前述の定量供給装置は容積計量バルブ、電磁弁又は電動弁のいずれかである。
【請求項6】
使用者による洗剤添加の必要がない洗濯機の特徴として、前述の電解水発生装置の電解槽あるいは調質液供給装置の貯液箱を洗濯機の外部ケースに外付、固定する。
【請求項7】
請求項6に記述した洗濯機の特徴として、前述の電解槽または貯液箱を洗濯機の外部ケースの裏壁の外側に外付・固定する。
【請求項8】
請求項6に記述した洗濯機の特徴として、洗濯機の外部ケースの裏壁の上部に電解水用の給水管を通す為の第一穴を開け、洗濯機の外部ケースの裏壁の下部に第二排水通路を通し、排水管に接続する第二穴を開ける。
【請求項9】
請求項6に記述した洗濯機の特徴として、前述の電解槽あるいは貯液用箱の厚みは洗濯機の1/4を越えず、好ましい厚みは1/10であり、その幅と高さは洗濯機の幅と高さ以下とする。
【請求項10】
請求項9に記述した洗濯機の特徴として、前述の外付型の電解槽あるいは貯液箱の好ましい厚みは洗濯機の厚みの1/10とする。
【請求項11】
請求項6-10に記載した何れかの洗濯機の特徴として、電解槽あるいは貯液箱を外付けしている洗濯機の外部ケースの裏壁の外側にカバープレートをかける。
【請求項12】
請求項1-11に記載した何れかの洗濯機の特徴として、前述の洗濯機はデュアルパワー式、羽根車式或は攪拌式、回転ドラム式を採用できる。
【請求項13】
一種の洗濯方法であり、水道水の電解を行いながら、調質剤を添加することにより、洗濯環境を改善する。その特徴として、前述の方法による洗濯用の電解水のPH値は8.5-11、洗濯液の電気伝導率は261us/cm875us/cm、表面張力は25−40 mN/mである。
【請求項14】
請求項13に記述した洗濯方法の特徴として、この方法で採用した洗濯液は調質剤と電解水の混合液であり、洗濯際の水温は5℃50℃であるが、10℃40℃であれば、最適である。
【請求項15】
請求項13-14に記述した洗濯方法の特徴として、前述のPH値が911であることが好ましいが、前述のPH値が9.8であることが最適である。
【請求項16】
請求項13-14に記述した洗濯方法の特徴として、前述の洗濯の洗浄率は0.1-0.5である。
【請求項17】
請求項13-14に記述した洗濯方法の特徴として、洗浄液のPH値が8.5以下の場合、電解水に適量の洗剤を入れる。
【請求項18】
請求項17に記述した洗濯方法の特徴として、洗剤の添加量は洗濯用水量の0.2%を超えない。
【請求項19】
請求項13-14に記述した洗濯方法の特徴として、電解槽に入った水道水の電解を行い、酸性イオン水と塩基性イオン水を発生させ、塩基性イオン水は洗濯ドラムに入る。水温、PH値は設定値の時、塩基性イオン水が設定水位になると、調質液供給装置により塩基性イオン水を活性化させてから、正常な洗濯を行う。
【請求項20】
請求項19に記述した洗濯方法の特徴として、前述の方法では、水道水は電解槽に入り、電解により電解槽に於いて酸性イオン水と塩基性イオン水を発生させ、塩基性イオン水は洗濯ドラムに入り、酸性イオン水は貯蔵される。調質液供給装置により活性化された塩基性イオン水が入って、設定水位になると、正常な洗濯を行う。二回目の給水により濯ぎを行い、或は、適量の酸性イオン水を洗濯ドラムに入れて、濯ぎ、そして、設定水位に達するよう一部の水道水をいれてから、洗濯の全過程を完成させる。
【請求項21】
請求項19に記述した洗濯方法の特徴として、前述の方法では、水道水は電解槽に入り、電解により電解槽に於いて酸性イオン水と塩基性イオン水を発生させ、塩基性イオン水は洗濯ドラムに入る。酸性イオン水は物品又はパイプなどに殺菌消毒を実施し、空間浄化をする。調質液供給装置により活性化された塩基性イオン水が入って、設定水位になると、正常な洗濯を行う。二回目の給水により濯ぎを行い、電解槽の電解極性を変え、電解槽に於いて塩基性イオン水と酸性イオン水を発生させ、酸性イオン水は洗濯ドラムに入る。塩基性イオン水は物品又はパイプなどに殺菌消毒を実施し、空間浄化をする。設定水位に達するよう一部の水道水をいれてから、濯ぎの全過程を完成させる。
【請求項22】
請求項19に記述した洗濯方法の特徴として、前述の方法では、水道水は電解槽に入り、電解により電解槽に於いて酸性イオン水と塩基性イオン水を発生させ、塩基性イオン水は洗濯ドラムに入る。酸性イオン水は物品又はパイプなどに殺菌消毒を実施し、空間浄化をする。調質液供給装置により活性化された塩基性イオン水が入って、設定水位になると、正常な洗濯を行う。二回目の給水により濯ぎを行い、電解槽の電解極性を変え、電解槽に於いて塩基性イオン水と酸性イオン水を発生させ、酸性イオン水は洗濯ドラムに入る。塩基性イオン水は物品又はパイプなどに殺菌消毒を実施し、空間浄化をする。酸性イオン水は設定水位になってから、濯ぎの全過程を完成させる。
【請求項23】
請求項の13-22に記述した何れかの方法の特徴として、前述の方法で,洗濯液の硬度は5−400ppmに抑え、調質液の添加量は0.2-3グラム/回とする。
【請求項24】
請求項の13-22に記述した何れかの方法の特徴として、前述の方法で、添加する調質剤はカチオンアルキルポリグルコシド、レモン酸トリアルキルアミド或はこの二種の混合物を採用する。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−500524(P2007−500524A)
【公表日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521372(P2006−521372)
【出願日】平成16年7月13日(2004.7.13)
【国際出願番号】PCT/CN2004/000797
【国際公開番号】WO2005/010268
【国際公開日】平成17年2月3日(2005.2.3)
【出願人】(506032439)ハイアー グループ コーポレイション (3)
【出願人】(506032451)キンダオ ハイアー ウォッシング マシーン カンパニー,リミティッド (1)
【Fターム(参考)】