洗剤ディスペンサ
本発明は、洗剤溶液を形成するために固形洗剤の一部を液体溶剤、特に水、の中に溶かすことによって一定量の固形洗剤を調合して、この洗剤溶液を洗剤放出口に供給する洗剤ディスペンサに関するものである。本ディスペンサは、壁面取り付け又はこれに類似したもの用のシャーシ2を有するハウジング1と、固形洗剤貯蔵器3とを具備している。固形洗剤貯蔵器3は、固形洗剤を保持する洗剤コンパートメント4と、溶剤塗布コンパートメント7と、液体溶剤分配手段9と、溶剤分配手段9に通じる溶剤供給管路10と、洗剤溶液収集手段11と、洗剤溶液収集手段11に接続された溶液管路12にして、洗剤溶液を洗剤放出口に移送する溶液管路12とを具備している。固形洗剤貯蔵器3が、ハウジング1から容易に分離可能なモジュラー型ユニットとして構築されているため、本発明は特に便利である。複数の異なるタイプの固形洗剤用の異なる固形洗剤貯蔵器3が提供される場合には、これらは、洗剤コンパートメント4及び/又は溶剤塗布コンパートメント7及び/又は液体溶剤分配手段9において異なってはいても、形態及び取付箇所に関する限りは、ハウジング1に対して完全な互換性を有している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗剤溶液を形成するために、固形洗剤の一部を液体溶剤、具体的には水の中に溶かすことによって一定量の固形洗剤を調合して、この洗剤溶液を洗剤放出口及び最終的には利用場所に供給する洗剤ディスペンサに関するものである。具体的には、請求項1の前文の特徴を有する洗剤ディスペンサが本発明の主題である。
【背景技術】
【0002】
洗剤溶液を得るために洗剤貯蔵器から洗剤を調合する方式は、広く受け入れられている方式である。貯蔵材料である固形洗剤の一部を溶かすことにより、すぐに使用できる洗剤溶液を供給する方式は、最初から液体洗剤を使用する場合と比べていくつかの利点を有している。本発明の背景と、特に洗剤ディスペンサ内における固形洗剤の使用の背景については、米国特許第5549875A号を参照されたい。この内容は、引用により本出願に包含される。貯蔵材料である固形洗剤の使用に関連した製品安全性、有効期限、容積、及び費用の各側面が存在している。
【0003】
固形洗剤の調合に関係する更なる従来技術の1つが、本出願人の所有に属する欧州特許第0229038A(米国特許第4964185A及び米国特許第4858449A)号である。本引用により、この従来技術の文献の内容も本出願に包含される。
【0004】
本発明の範囲内における「固形洗剤」という用語は、粉や粒のようなばらばらの材料、並びに粉の加圧、成型、或いは場合によっては押出しやその他の製造方法によって生産可能な固形ブロック状の材料を意味している。但し、本発明の範囲内における固形洗剤は、液体溶剤によって部分的に予め溶解されない限りその独自の動きによって固形洗剤貯蔵器から流出することのない高粘度を有するゲルのような準固形材料をも同様に含んでいる。
【0005】
「液体溶剤」という用語は、固形洗剤製品と共に溶液を形成可能な任意の種類の液体を含んでいる。但し液体溶剤は主には水となろう。水は、室温における水に限定されるものではなく、例えば40〜80℃の湯などの高温の水であってもよい。
【0006】
本特許出願における「洗剤」という用語は、食器の洗浄、洗濯物の洗濯、すすぎ、又は浄化用の任意の種類の洗浄のための製品を意味している。但し、本洗剤ディスペンサは、主として大規模な産業用の食器洗浄装置、及び更には洗濯物の洗濯装置に使用されるべく適合されている。
【0007】
本発明の出発点を形成している特定の従来技術(本特許出願の出願人の所有に属する欧州特許第0781110B1号)は、産業用の食器洗浄機内で使用される一定量の固形洗剤を調合する洗剤ディスペンサについて開示している。洗剤溶液を形成するために、液体溶剤、即ち水又は湯の中に固形洗剤の一部を溶かすことによって必要な量の固形洗剤を調合して、洗剤溶液を洗剤放出口、及び最終的には利用場所、即ち食器洗浄機に供給している。
【0008】
この従来技術による洗剤ディスペンサは、壁面取り付け用のシャーシを有するハウジングを具備している。シャーシはハウジングの一部である。ハウジングの全ての部分は、溶接又はねじ接続によって互いに接続されている。又、ハウジングの一部は、固形洗剤を保持する洗剤コンパートメントと、この洗剤コンパートメントの下に位置する溶剤塗布コンパートメントとを形成する固形洗剤貯蔵器である。2つのコンパートメントは、凸状のスクリーンによって分離されている。溶剤塗布コンパートメント内には、1つ又は複数のスプレーノズルの形態の液体溶剤分配手段が配置されており、溶剤供給管路が溶剤供給ラインからこの溶剤分配手段に通じている。洗剤溶液収集手段が、溶剤塗布コンパートメントの円錐部によりその底部に形成されている。スクリーンから滴り落ちる洗剤溶液を移送するために溶液管路が収集手段から下向きに洗剤放出口に向かって延びている。
【0009】
液体溶剤分配手段の上流には、外部液体溶剤供給ライン(水道の本線)内の圧力が降下した場合に、この外部供給ライン内への液体の逆流を防止するべく機能する逆流防止装置が提供されている。この逆流防止装置は、ハウジング内に固定された状態で取り付けられており、且つ液体溶剤分配手段と電動液体溶剤供給弁の間においてねじ接続手段によって水力学的に接続されている。
【0010】
この従来技術による洗剤ディスペンサの動作は電子制御ユニットによって実行されているが、これについては本明細書においては詳細な説明を省略する。
【0011】
この従来技術による文献に開示されている洗剤ディスペンサは、袋の中に収容されたばらばらの材料(粉)として提供される固形洗剤を使用するべく構築されている。ハウジング内の固形洗剤貯蔵器の洗剤コンパートメントは、下から袋を開くための先のとがった刃を備えている。空の袋を除去し、ばらばらの材料が充填された新しいバッグを挿入するために、洗剤コンパートメントは、最上部において開口していると共に、この洗剤ディスペンサに使用される袋の横断面に適合した横断面を有している。
【0012】
固形洗剤を調合する洗剤ディスペンサは、いずれも結局のところは多かれ少なかれ同一の技術的要件を満足しなければならないという事実にも拘わらず、固形洗剤のそれぞれのタイプごとに異なる洗剤ディスペンサが市販されている。この結果、生産量が小規模になり、在庫に伴う費用が上昇している。更には、例えば、袋に収容されたばらばらの粉状材料用の従来技術による洗剤ディスペンサを使用している顧客が、最新技術であるジオ押出し固形ブロック状材料の使用を所望した場合には、彼は洗剤ディスペンサ全体を交換しなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
要すれば、本発明の目的は、製造、柔軟性、及び費用の観点において利点を提供する全般的に前述の洗剤ディスペンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、請求項1の特徴部分に記載された特徴によって更に規定された請求項1の前文の特徴を有する洗剤ディスペンサによって前述の問題を解決している。
【0015】
本発明による洗剤ディスペンサにおいては、固形洗剤貯蔵器は、ハウジングと一体化された部分ではなく、ハウジングから容易に分離可能なモジュラー型ユニットとして構築されている。複数の異なるタイプの固形洗剤用の固形洗剤貯蔵器が提供される場合には、それらは異なるものであってよいが、異なってよいのは、洗剤コンパートメントと、任意選択的に、溶剤塗布コンパートメント及び/又は液体溶剤分配手段のみである。そして、それ以外の部分においては、それらは、ハウジングに対して完全な互換性を有しており、必要に応じて相互に交換可能である。顧客は、袋内のばらばらの粉状材料用の貯蔵器を固形ブロック材料用の異なる貯蔵器に簡単に交換可能であり、或いは、粉を加圧することによって生成された固形ブロック状材料用の貯蔵器を、例えば押出しブロック状材料(ジオ材料)に適合された異なる横断面を有する異なる貯蔵器に交換することも可能である。実際に、あらゆるタイプの固形洗剤用に1つのタイプの洗剤ディスペンサしか存在しないのである。洗剤ディスペンサのハウジングに対して脱着可能な異なる洗剤貯蔵器に起因し、それぞれのタイプの固形洗剤が適切に取り扱われることになる。
【0016】
本発明の基本的な概念は、更なる改善のための多数の選択肢を提供している。従って、好適な実施態様が従属請求項の主題である。
【0017】
一般に本発明は主には食器洗浄機の主洗浄サイクルにおいて液体溶剤としての水又は湯と固形洗剤の使用を伴う1つ又は複数の産業用の食器洗浄機における使用を意図している。しかしながら、一般的にこの概念は、例えば洗濯物の洗濯機やその他の物品を洗浄又は殺菌する洗浄機などの任意の種類の洗剤ディスペンサに対して適用可能である。
【0018】
また前述のように固形洗剤は、粉袋に収容された成型された粉として対応するコンテナ内に収容された粒として、或いは場合によっては準固形洗剤として、即ち好適には適切なコンテナ内に収容された高粘度を有するジェルとして提供することも可能である。但し、本明細書に記述されている実施例においては、固形洗剤は、主として固形ブロックとして提供されており、これは多くの場合に適切なコンテナ又はプラスチックカバーに収容されている。
【0019】
一般に、固形洗剤貯蔵器から固形洗剤を溶解させる方法については、前述の従来技術において周知である。この方法においては、液体溶剤を固形洗剤貯蔵器内の固形洗剤に向かってスプレーして、固形洗剤の下部表面領域のほぼ全体に衝突させる。洗剤溶液が貯蔵器内の固形洗剤の下部表面から滴り落ち、これを利用場所に向かって更に供給するべく収集している。洗剤溶液は重力により利用場所に対して供給可能である。但し、これは供給ポンプによって実行することも可能である。
【0020】
以下、添付の図面を詳細に説明すると共に、本発明の洗剤ディスペンサについて説明することとする。以下においては、従属請求項に記述されている全ての実施例についても同様に詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
添付の図面は、本発明の好適な実施例である洗剤ディスペンサを一例として図示及び説明していおり、前記洗剤ディスペンサは、洗剤溶液を形成するために、液体溶剤、具体的には水又は湯の中に固形洗剤の一部を溶かすことによって一定量の固形洗剤を調合し、次いでこの洗剤溶液を洗剤放出口及び最終的には利用場所に供給する。この利用場所は、具体的には産業用の食器洗浄機であってよいが、洗濯物の洗濯機や洗浄装置などのその他の洗浄装置又は殺菌装置であってもよい。
【0022】
図1及び図2は2つの異なる実施例を示しており、図1には、ばらばらの材料、即ち粉状の洗剤材料用の洗剤ディスペンサが示されており、図2には、この代わりに固形成型洗剤材料用の洗剤ディスペンサが示されている。図1及び図2から、この洗剤ディスペンサは、両方のタイプの固形洗剤について同一であり、洗剤ディスペンサのハウジングの最上部を形成している固形洗剤貯蔵器だけが異なっていることがわかる。
【0023】
以下、図1〜図6を参照して詳細な説明を更に提供することとする。
【0024】
本発明による洗剤ディスペンサは、洗剤ディスペンサを壁面に取り付けるための、又はその他の取り付け選択肢のためのシャーシ2を有するハウジング1を示している。本ディスペンサは、固形洗剤貯蔵器3を更に具備している。固形洗剤貯蔵器3は、固形洗剤を、ばらばらの材料の場合にはコンテナ5内に、或いは代わりに固形ブロック状材料の場合には図2に示されているカートリッジ6内に保持する洗剤コンパートメント4を具備している。ブロック状の固形洗剤材料は、薄いプラスチックカバー内の成型材料として、或いはカバーを有していない押出し材料(ジオブロック)として入手することも可能である。当然のことながら、固形洗剤貯蔵器3は、欧州特許0781110B1号の従来技術と同様に、ばらばらの材料を収容しているバッグを開くための刃を備えることも可能である。
【0025】
固形洗剤貯蔵器3は、洗剤コンパートメント4の下に溶剤塗布コンパートメント7を更に具備している。図5及び図6に示されている本実施例においては、洗剤コンパートメント4と溶剤塗布コンパートメント7はスクリーン又は篩8によって分離されている。但し、固形ブロック状材料又は特定のコンテナ又はカートリッジを使用する場合には、このスクリーン8を除去可能である。
【0026】
溶剤塗布コンパートメント7には、液体溶剤分配手段9が液体スプレーノズルの形態で備えられている。このノズルから液体溶剤、即ちこの場合には水又は湯が、固形洗剤貯蔵器3の洗剤コンパートメント4内の固形洗剤に向かってスプレーされ、固形洗剤の下部表面領域のほぼ全体に衝突し、この表面から滴り落ちる洗剤溶液を形成することができる。
【0027】
溶剤供給管路10が溶剤分配手段9に通じている。漏斗の形態の洗剤溶液収集手段11が溶剤塗布コンパートメント7の底部に示されており、固形洗剤から滴り落ちた洗剤溶液を洗剤放出口13に向かって移送するべく、溶液管路12が溶液収集手段11に接続されている。
【0028】
本実施例においては、固形洗剤貯蔵器3は、ハウジング1から容易に分離可能なモジュラー型ユニットとして構築されている。これは、図1、図2、及び図4を比較することによってわかるであろう。当然のことながら固形洗剤貯蔵器3は、後述する水力学的接続を取り外すと共に、恐らくは貯蔵器3及びハウジング1の間の隠蔽された又は露出したロックを解除した後に、図4に示されているように、ハウジング1から簡単に持ち上げることができる。
【0029】
複数の異なるタイプの固形洗剤用の固形洗剤貯蔵器3が提供される場合には、それらが異なっているのは、洗剤コンパートメント4と、任意選択的に溶剤塗布コンパートメント7及び/又は液体溶剤分配手段9のみである。これ以外の部分においては、これらの異なる固形洗剤貯蔵器3は、同一であり、特にハウジング1並びにその内部の液圧コネクタ及び全ての取付箇所に対して完全な互換性を有している。本発明は、固形洗剤貯蔵器3を除いた全てのタイプの固形洗剤について同一の基本的な洗剤ディスペンサと、特に固形洗剤材料の異なる構造及び形状で異なるタイプの固形洗剤のためのその場その場で異なっている固形洗剤貯蔵器3とを有する二要素システムを提供する。
【0030】
このモジュラー型設計によれば、在庫を要するものが異なる洗剤貯蔵器3のみであり、同一のベースユニットを全てのタイプの洗剤ディスペンサに使用可能であるため、在庫の維持費用が低減される。又、固形洗剤貯蔵器3の交換のみにより、異なるタイプの固形洗剤の選択肢を使用可能であるため、顧客にとっての柔軟性が大幅に向上する。費用が大幅に低減されて生産性が向上することになる。
【0031】
さらに、この固形洗剤貯蔵器用のモジュラー型設計、及びこのモジュラー型のユニットがハウジング1から容易に分離可能であるという事実は、貯蔵器3が通常の食器洗浄プロセスにおいて洗浄されるように食器洗浄機内に配置可能であるということをも意味している。
【0032】
次に図2で見られるように、交換可能なコンテナ5又はカートリッジ6内のブロック材料用の又はばらばらの材料用の洗剤コンパートメント4は、最上部において開口しており、且つ任意選択的に特定のブロック、コンテナ5、又はカートリッジ6の横断面に適合した横断面を有している。
【0033】
これとは対照的に、図1に見られるように、この実施例においては、ばらばらの材料(粉、粒、又は準固形材料)用の固形洗剤貯蔵器3の洗剤コンパートメント4は、最上部に蓋14を有するコンテナ5を具備している。ここでは、蓋14は、粉又は粒をコンテナ5内に投入した後にコンテナ5を閉鎖できるように、ヒンジ15においてヒンジ接続されている。任意選択的に且つ後程詳述するように、蓋14は、蓋14が開いたら特に水の供給を即座に停止する安全スイッチによって制御され得る。これは特に粉の形態の固形洗剤用の安全対策である。
【0034】
洗剤溶液収集手段11には、溢出ドレイン16が設けられていることが図5に非常に明瞭に示されている。この溢出ドレイン16も安全対策の手段である。
【0035】
図1〜図6の右側の後面が通常は建物の壁面に取り付けられるという点を考慮すれば、この好適な実施例においては、溶液管路12がハウジング1の後部の近傍に配置されること、及び/又は溢出ドレイン16が、ハウジング1の後部の近傍に配置されることが役に立つ。図3、図5、及び図6に示されている生成物供給ライン17を壁上の利用場所に向かって少なくとも壁の近くを通すことが可能であり、その結果この生成物供給ライン17の損傷が防止される。
【0036】
次に、図4〜図6は、選択肢として提供可能な追加機能を具備した特定の実施例を示している。少なくとも洗剤ディスペンサが相当の期間にわたって使用されない場合に溶液管路12又は生成物供給ライン17を詰らせる傾向を有する固形洗剤をしばしば使用しなければならない。従って、洗剤溶液の利用場所、具体的には食器洗浄機の中への投与が完了した後に本システム全体を洗い流すことが役に立つ。この選択肢を有する洗剤ディスペンサが提供される場合には、分配サイクルの後に、溶剤塗布コンパートメント7の全体又は一部、並びに溶液管路12及び生成物供給ライン17を清浄な液体溶剤、具体的には清浄な水によって洗い流すために、第1のものとは別個の第2の液体溶剤分配手段18及び第2の溶剤供給管路19が固形洗剤貯蔵器3に備えられる。当然のことながら、特に水、或いは好適には湯のためのこの第2の液体溶剤分配手段18は、液体を固形洗剤に向かってスプレーするのではなく、洗剤溶液収集手段11、溶液管路12、及び生成物供給ライン17のみを洗い流すことによって固形洗剤の残留物を除去する。
【0037】
図3〜図6に示されているように、それぞれの溶剤供給管路10、19、及び溶液管路12には、それぞれを溶剤供給ライン22及び生成物供給ライン17に接続するための液圧コネクタ20、21が設けられている。コネクタ20を有するそれぞれの溶剤供給ライン22は、ハウジング内に固定的に配置されて、水の供給源からそれぞれの管路10、19に延びている。液圧コネクタ21を有する生成物供給ライン17は、例えばクイックネジ又は差込み接続である。
【0038】
次に、図4は、図7との組み合わせにおいて、ハウジング1が、スナップイン接続23’及び/又は隠蔽されたキーレスロック手段によってシャーシ2に接続されている前面カバー23を具備する本発明の更なる実施例を示している。隠蔽されたキーレスロック手段を解除できるのは、このシステムに習熟した人物のみである。これは、従来のキーロックシステムを置換するものであり、費用を更に低減させる。
【0039】
添付図面中の図4、図5、及び図7から、本発明の好適な実施例の更に別の特定の特徴が明らかである。本発明の洗剤ディスペンサの誤用を防止するべく、ここでは、貯蔵器3がシャーシ2から既に分離されている場合にのみ前面カバー23が除去可能となるようにされたインターロック手段24が固形洗剤貯蔵器3及びハウジング1の前面カバー23に備えられている。好適な実施例においては、これらのインターロック手段24は、舌部/溝接続として、及び前面カバー22上のブロックウィング24として実現されている。当然のことながら、これはインターロック手段の単純で費用効率の優れた一例に過ぎないものである。
【0040】
これまで、固形洗剤貯蔵器3がハウジング1から容易に分離可能なモジュラー型のユニットにどのようになっているか、及びこの固形洗剤貯蔵器3がどのように構築されるかについて詳細に説明した。
【0041】
但し、添付図面中の更なる図から得られる本発明の好適な実施例においては、本ディスペンサの全体が、その大部分においてモジュラー型ユニットを有するように構築されている。具体的には、モジュラー型ユニットの大部分又は全てが、スナップインコネクタ又はプラグインコネクタによってシャーシ2及び/又は別のモジュラー型ユニットに接続されていることが好ましい。様々なモジュラー型ユニット用の特定のスナップインコネクタ又はプラグインコネクタについては、後程適宜詳述することとする。
【0042】
これまでは、前面カバー23用のスナップイン接続23’のみについて説明している。これは、図4と図7の比較からわかるように、加圧することによってこの接続23’を解除できる指先加圧プレートを有している。
【0043】
次に、添付図面中の図8及び図9を参照し、本発明の興味深い更なる実施例について説明する。ここでは、シャーシ2は壁面取り付け又はこれに類似したものに適合された別個の取り付けプレート25を備えており、シャーシ2は好適にはスナップイン接続26、および好適には事前位置決め構成体27によって取り付けプレート25に接続される。オプションの取り付けプレート25は、多数の貫通穴28を有しており、これらのいくつかは長円形の穴として設計されている。この種の取り付けプレート25により、洗剤ディスペンサは、様々な種類の場所の大部分に取り付け可能であると共に、容易に交換可能なシャーシ2用の基礎を形成可能である。壁面又はこれに類似したものに対する洗剤ディスペンサの取り付けは、完成した重たいディスペンサシステムを保持及び調節する必要性を伴うことなしに、取り付けプレート25のみによって実行可能である。事前位置決め構成体27は、この観点においても同様に有用である。
【0044】
本発明の洗剤ディスペンサの各部品の取り付け及び取り外しの更なる単純化は、液圧コネクタの大部分又は全てがプラグインコネクタ又はスナップインコネクタとして提供されると共に、好適にはそれぞれのモジュラー型ユニット上のロック構成体29又は別個のロック部30によってロックされるという更なる設計上の選択肢を伴っている。図3は、別個のロック部30をハウジング1の底部においてガイドレール上で横方向に押し込み、ロック部30によってロック構成体29を形成することにより、溶剤供給管路10及び第2の溶剤供給管路19用の液圧プラグインコネクタ20が下方に移動することを防止可能であることを示している。但し、図3に示されているように、ロック部30が取り除かれた場合には、液圧コネクタ20を対応する管路10、19から容易に引き抜くことが可能である。従ってこの場合には、本発明者らは、一方においては単純な取り付け及び取り外し機能を、他方においてはロック部30が定位置にある場合には安全な水力学的接続を有している。
【0045】
後述するように、類似のシステムが洗剤ディスペンサのその他のモジュール型ユニット内において見出される。
【0046】
次に、更なる好適な実施例においては、電子モジュラー型ユニット31内に電子制御手段が備えられる。本実施例においては、電子モジュラー型ユニットは、ディスプレイを有するか又は有していない一つのプリント基板又は多数の基板を有することが可能である。本実施例においては、図10に示されているように、電子モジュラー型ユニット31のベースにスナップ取付けされる前面カバー34内にLCDディスプレイ32と操作キーが存在している。この観点において、洗剤ディスペンサのモジュラー型設計が強化されている。この結果前面カバー34は、ハウジング1の前面カバー23によってカバーされており、前記前面カバー23は貯蔵器3とインターロックされている。従って電子モジュラー型ユニット31は、いたずらから保護された状態でハウジング1内に安全に配置される。
【0047】
本発明の好適な実施例の更なる設計上の特徴として、本ディスペンサの電気又は電子物品の大部分又は全ては、シャーシ2に又はこの内部に配置されており、固形洗剤貯蔵器3には又はこの内部には、ほとんど又は全く備えられていない。図2の実施例においては、貯蔵器3内にはなにも備えられていない。図1の実施例では、蓋14の開放用のセンサが存在する場合には、このセンサのみが貯蔵器3内に位置する。
【0048】
更に安全性を向上させるべく、本ディスペンサの電気/電子システムは、低電圧システムであってよく、好適には24V又は12Vの電源を有しており、幹線給電部はディスペンサから離れたところに配置されている。本発明の好適な実施例においては、電源装置には、高度な防水規格(例えば、IP65)を満足するハウジング内に収容された外部幹線給電部240V(AC)/24V(AC)を備えている。欧州規格にも準拠することになろう。
【0049】
次に、添付図面中の図8及び図11〜図13を更に参照されたい。これらの図面から、更なる安全面における特徴を得ることができる。ここでは、固形洗剤貯蔵器3及び/又はコンテナ5、カートリッジ6、又は固形洗剤ブロックがシャーシ2から取り除かれたら即座に電気と液体溶剤の供給を遮断するために、安全スイッチ手段35がシャーシ2に備えられている。この安全スイッチ手段35は、特定の電気機械的なスイッチによるか、又は電子センサ(近接センサ又は接触センサ又は光学検知手段)によって提供可能である。但し、本実施例においては電気機械的システムを使用している。ここでは、安全スイッチ手段35はスプリング負荷レバー36を備えており、このスプリング負荷レバーは、シャーシ2上に取り付けられており、固形洗剤貯蔵器3がシャーシ2に装着された際に、これによるスプリング負荷に対して作動可能なものである。具体的には、図11及び図12に示されている安全スイッチ手段35のスプリング負荷レバー36は、スプリング負荷レバー36によって作動するスイッチレバー38を備える電気機械的スイッチ37と協働する(図11と図12を比較されたい)。但し、スイッチ37は非接触スイッチ、特に光スイッチであってよい。
【0050】
あらゆる種類の固形洗剤貯蔵器3及び固形洗剤のタイプに使用可能なこの安全装置の解決法を提供するべく、本発明は特定の構造を有する。本好適な実施例においては、ブロック又はコンテナ/カートリッジが固形洗剤貯蔵器3から取り除かれただけの場合にも、シャーシ2上のスプリング負荷レバー36と協働してスプリング負荷レバー36を「オフ」位置(図11)に解放するフォロアレバー39がブロック材料又はコンテナ/カートリッジ用の固形洗剤貯蔵器3に提供されている。要すれば、この実施例における安全スイッチ手段35のスプリング負荷レバー36は、コンテナ5若しくはカートリッジ6によって又は固形洗剤ブロックによって固形洗剤が充填された固形洗剤貯蔵器3が存在している場合にのみ、安全スイッチ37を「オン」位置に作動させる。そうでなければ、水の供給と好適には電気とが遮断される。
【0051】
しばしば、洗剤ディスペンサに別個のポンプ手段を提供することが必要又は有用である。ディスペンサを汎用的なものにするべく、電気駆動モーター42によって駆動される別個のポンプユニット41の任意選択設備のためのレセプタクル40をシャーシ2に提供可能である。この参照符号は、図9と、特に電気モジュラー型ユニット31が取り外された状態のシャーシ2を示している図13とから得ることができる。このレセプタクル40は、蠕動ポンプに特に好適であるが、例えばダイヤフラムポンプなどの異なるポンプに提供することも可能である。図13は、電気モジュラー型ユニット31の背後のシャーシ2内の自由空間内に延在している電気駆動モーター42を示している。
【0052】
このポンプユニットは、前述の洗剤ディスペンサの液圧システムの一部であってもよい。但し食器洗浄機の場合には、このようなポンプユニット41は、液体添加剤、特に液体すすぎ添加剤用として主に使用される。この液体添加剤は、通常、利用場所における別の場所にポンプ移送されなければならない。従って好適な実施例においては、ポンプユニット41は、液体添加剤、特に液体すすぎ添加剤を利用場所にポンプ移送するための別個の供給ライン用の別個の液圧コネクタが備えられている。
【0053】
いずれにしても、本実施例においては、洗剤ディスペンサのハウジング1は、別個のポンプユニット41を使用するための準備が整っている。
【0054】
次に、図13及びこれに後続する図14〜図16は、本発明の好適な実施例の更に興味深い詳細を示している。これらの図面からシャーシの詳細を得ることができる。
【0055】
まず、図13及び図14に開示されているこの好適な実施例においては、シャーシ2には、電動の液体溶剤供給弁44用のレセプタクル43が備えられている。供給弁44は、プラグイン接続43’及び/又は好適にはスナップイン接続によりレセプタクル43内に保持されている。好適な実施例においては、液体溶剤供給弁44は、非常に低速で作動する弁本体を有するようにモーターによって作動する2/2方向制御弁である。これは、水供給システム内における鋭い圧力ピークのリスクを除去する。ソレノイドによって作動するオン/オフ弁も同様に適用可能であろうが、このような弁はなんらかの減衰手段も装備する必要がある。
【0056】
本実施例においては、レセプタクルには、プラグイン接続43’と、更にはこの場合には隠蔽されたスナップイン接続とが提供されている。又、シャーシ2上のロック構成体44’は、供給弁44がレセプタクル43内に配置された場合に即座に液圧プラグインコネクタ44’’を固定する。これは、前述の液圧コネクタ20に対するロック部30と類似した状況にある。
【0057】
供給弁44の下端にスナップインホースコネクタ44’’’を見ることができる。このホースコネクタ44’’’は、水の本線供給ライン又はホースを本洗剤ディスペンサそれ自体に接続するように機能している。
【0058】
当然のことながら、供給弁44は、動作要件に従って液体溶剤の供給を開閉するべく、電子モジュラー型ユニット31によって制御される。
【0059】
図13及び図14では、本明細書に記述されている好適な実施例の更なる具体的な特徴を見ることができる。ここでは、シャーシ2に、電動の3/2方向制御弁46用のレセプタクル45が備えられており、供給弁44の下流に配置されている3/2弁46は、液体溶剤を液体溶剤分配手段9又は第2の液体溶剤分配手段18に供給するように働く。この更なる弁46は、第1の溶剤供給管路10及び第2の溶剤供給管路19が設けられている場合にのみ必要である。この最後に言及した供給が存在していない場合にはこの弁は不要である。この弁は、液体溶剤、具体的には水をそれぞれの供給ラインに切り換えるように働く。
【0060】
国際的な規格は、多くの場合にディスペンサから水の本線への逆流を防止することを要求している。本明細書に示されている本発明の特定の実施例においては、逆流防止装置48用のレセプタクル47がシャーシ2に提供されており、この逆流防止装置48は、供給弁44の下流に配置されて、外部液体溶剤供給ライン(水の本線)内の圧力が降下した場合にその外部液体溶剤供給ライン内への液体の逆流を防止するように働く。逆流防止装置48は、解放開口部49を有しており、この解放開口部は、圧力の降下が発生した場合に、空気のみが水の供給ラインに吸入されて化学物質がこのラインに入らないように即座に開放される。このような逆流防止装置48は、欧州特許第0781110B1号にも開示されている。
【0061】
本実施例においては、逆流防止装置48は、供給弁44の下流であるが任意選択的に備えられた方向制御弁46の上流に配置されている。
【0062】
図15及び図16の比較から、この場合にも、液圧コネクタ49’は、レセプタクル47上の対応するロック構成体49’’によってそれぞれその動作位置に固定されている単純なプラグインコネクタであることがわかる。逆流防止装置48自体は、レセプタクル47内においてスナップイン接続49’’’によって固定されている。供給弁44、46、並びに逆流防止装置48は、異なる形態の既製部品として存在しており、また様々な供給者から提供される液圧部品である。
【0063】
請求項1に記述されている基本的な概念とは無関係な本発明の特定の概念に従うと、供給弁44用のレセプタクル43及び/又は方向制御弁46用のレセプタクル45及び/又は逆流防止装置48用のレセプタクル47は、シャーシ2又はその他のモジュラー型ユニットから容易に分離可能なモジュラー型ユニットとして構築されており、これらの異なるタイプの弁又は異なるタイプの逆流防止装置用のレセプタクル43、45、47は、形態と取付箇所に関する限り、シャーシ2又はモジュラー型ユニットに対して完全な互換性を有している。従ってこの手段により、対象のレセプタクルは、ハウジング1のシャーシ2から容易に分離可能なモジュラー型ユニットになっている。例えば、異なる逆流防止装置48を使用する場合に、その新しい逆流防止装置38の異なる形状に本システムを適合させるべく変更を要するのは、レセプタクル47のみである。そのとき、レセプタクル47及び逆流防止装置48のユニットをシャーシ2内において交換することができる。
【0064】
本発明においては、液体溶剤管路50が液体溶剤供給システムの様々な部分を接続している。
【0065】
好適な実施例においては、モジュラー型のレセプタクルユニット43、45、47は、シャーシ2又は別のモジュラー型ユニットに対してスナップインコネクタによって接続されている。
【0066】
最後に、本発明による洗剤ディスペンサの部品、特にシャーシ2及びその他のモジュラー型ユニットを好適にはポリプロピレンからなるプラスチック部品として提供することは好適な選択肢である。
【0067】
本発明のシステムは、モジュラー型の設計に起因して複雑性が低減される。合計費用及びサービス作業が大幅に低減される。モジュラー型の設計とプラグイン及びスナップイン接続に起因して本ディスペンサの全ての部品は容易に交換可能である。この結果、それぞれのモジュールを洗浄可能であるため、洗浄が簡単且つ効率的である。在庫管理が単純化されて費用が低減される。プラグイン及びスナップイン接続に起因してプラスチック、電子、及び金属部品を容易に分離可能であるためリサイクルが容易である。生成物に対するユーザーによる接触を防止可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】ばらばらの材料と共に使用される本発明による洗剤ディスペンサの斜視図である。
【図2】ブロック状の成型材料と共に使用される本発明による洗剤ディスペンサの斜視図である。
【図3】空の固形洗剤貯蔵器を有する本発明による洗剤ディスペンサの斜視図である。
【図4】洗剤貯蔵器が取り外され状態の図3の洗剤ディスペンサの斜視図である。
【図5】図4による洗剤ディスペンサの固形洗剤貯蔵器の側面部分断面図である。
【図6】固形洗剤貯蔵器を有しているが、その内部に固形洗剤カートリッジ又はコンテナを有していない本発明の好適な実施例による洗剤ディスペンサのシャーシの完全な断面図である。
【図7】固形洗剤貯蔵器が取り外されると共に、ハウジングの前面カバーも取り外された状態における本発明による洗剤ディスペンサを示す図である。
【図8】図7の洗剤ディスペンサのシャーシの拡大図である。
【図9】別個の取り付けプレート上に取り付けられるように意図された図8のシャーシを示す図である。
【図10】電子制御ユニット用のカバーが取り外された状態におけるシャーシの斜視図である。
【図11】洗剤貯蔵器が取り付けられているが、その内部に固形洗剤カートリッジ又はコンテナが存在していない状態における安全スイッチ手段の拡大断面図である。
【図12】図11と同一の断面を示しているが、この場合には、固形洗剤カートリッジ又はコンテナが固形洗剤貯蔵器内に配置された際の状態を示す図である。
【図13】電子制御ユニットが取り外された状態における洗剤ディスペンサの好適な実施例のシャーシを示す図である。
【図14】図13のシャーシの右下の領域の拡大図である。
【図15】逆流防止装置がそのレセプタクル内に取り付けられた状態における図13のシャーシの右上の領域を示す図である。
【図16】逆流防止装置がそのレセプタクルから取り外された状態における図13のシャーシの右上の領域を示している。
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗剤溶液を形成するために、固形洗剤の一部を液体溶剤、具体的には水の中に溶かすことによって一定量の固形洗剤を調合して、この洗剤溶液を洗剤放出口及び最終的には利用場所に供給する洗剤ディスペンサに関するものである。具体的には、請求項1の前文の特徴を有する洗剤ディスペンサが本発明の主題である。
【背景技術】
【0002】
洗剤溶液を得るために洗剤貯蔵器から洗剤を調合する方式は、広く受け入れられている方式である。貯蔵材料である固形洗剤の一部を溶かすことにより、すぐに使用できる洗剤溶液を供給する方式は、最初から液体洗剤を使用する場合と比べていくつかの利点を有している。本発明の背景と、特に洗剤ディスペンサ内における固形洗剤の使用の背景については、米国特許第5549875A号を参照されたい。この内容は、引用により本出願に包含される。貯蔵材料である固形洗剤の使用に関連した製品安全性、有効期限、容積、及び費用の各側面が存在している。
【0003】
固形洗剤の調合に関係する更なる従来技術の1つが、本出願人の所有に属する欧州特許第0229038A(米国特許第4964185A及び米国特許第4858449A)号である。本引用により、この従来技術の文献の内容も本出願に包含される。
【0004】
本発明の範囲内における「固形洗剤」という用語は、粉や粒のようなばらばらの材料、並びに粉の加圧、成型、或いは場合によっては押出しやその他の製造方法によって生産可能な固形ブロック状の材料を意味している。但し、本発明の範囲内における固形洗剤は、液体溶剤によって部分的に予め溶解されない限りその独自の動きによって固形洗剤貯蔵器から流出することのない高粘度を有するゲルのような準固形材料をも同様に含んでいる。
【0005】
「液体溶剤」という用語は、固形洗剤製品と共に溶液を形成可能な任意の種類の液体を含んでいる。但し液体溶剤は主には水となろう。水は、室温における水に限定されるものではなく、例えば40〜80℃の湯などの高温の水であってもよい。
【0006】
本特許出願における「洗剤」という用語は、食器の洗浄、洗濯物の洗濯、すすぎ、又は浄化用の任意の種類の洗浄のための製品を意味している。但し、本洗剤ディスペンサは、主として大規模な産業用の食器洗浄装置、及び更には洗濯物の洗濯装置に使用されるべく適合されている。
【0007】
本発明の出発点を形成している特定の従来技術(本特許出願の出願人の所有に属する欧州特許第0781110B1号)は、産業用の食器洗浄機内で使用される一定量の固形洗剤を調合する洗剤ディスペンサについて開示している。洗剤溶液を形成するために、液体溶剤、即ち水又は湯の中に固形洗剤の一部を溶かすことによって必要な量の固形洗剤を調合して、洗剤溶液を洗剤放出口、及び最終的には利用場所、即ち食器洗浄機に供給している。
【0008】
この従来技術による洗剤ディスペンサは、壁面取り付け用のシャーシを有するハウジングを具備している。シャーシはハウジングの一部である。ハウジングの全ての部分は、溶接又はねじ接続によって互いに接続されている。又、ハウジングの一部は、固形洗剤を保持する洗剤コンパートメントと、この洗剤コンパートメントの下に位置する溶剤塗布コンパートメントとを形成する固形洗剤貯蔵器である。2つのコンパートメントは、凸状のスクリーンによって分離されている。溶剤塗布コンパートメント内には、1つ又は複数のスプレーノズルの形態の液体溶剤分配手段が配置されており、溶剤供給管路が溶剤供給ラインからこの溶剤分配手段に通じている。洗剤溶液収集手段が、溶剤塗布コンパートメントの円錐部によりその底部に形成されている。スクリーンから滴り落ちる洗剤溶液を移送するために溶液管路が収集手段から下向きに洗剤放出口に向かって延びている。
【0009】
液体溶剤分配手段の上流には、外部液体溶剤供給ライン(水道の本線)内の圧力が降下した場合に、この外部供給ライン内への液体の逆流を防止するべく機能する逆流防止装置が提供されている。この逆流防止装置は、ハウジング内に固定された状態で取り付けられており、且つ液体溶剤分配手段と電動液体溶剤供給弁の間においてねじ接続手段によって水力学的に接続されている。
【0010】
この従来技術による洗剤ディスペンサの動作は電子制御ユニットによって実行されているが、これについては本明細書においては詳細な説明を省略する。
【0011】
この従来技術による文献に開示されている洗剤ディスペンサは、袋の中に収容されたばらばらの材料(粉)として提供される固形洗剤を使用するべく構築されている。ハウジング内の固形洗剤貯蔵器の洗剤コンパートメントは、下から袋を開くための先のとがった刃を備えている。空の袋を除去し、ばらばらの材料が充填された新しいバッグを挿入するために、洗剤コンパートメントは、最上部において開口していると共に、この洗剤ディスペンサに使用される袋の横断面に適合した横断面を有している。
【0012】
固形洗剤を調合する洗剤ディスペンサは、いずれも結局のところは多かれ少なかれ同一の技術的要件を満足しなければならないという事実にも拘わらず、固形洗剤のそれぞれのタイプごとに異なる洗剤ディスペンサが市販されている。この結果、生産量が小規模になり、在庫に伴う費用が上昇している。更には、例えば、袋に収容されたばらばらの粉状材料用の従来技術による洗剤ディスペンサを使用している顧客が、最新技術であるジオ押出し固形ブロック状材料の使用を所望した場合には、彼は洗剤ディスペンサ全体を交換しなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
要すれば、本発明の目的は、製造、柔軟性、及び費用の観点において利点を提供する全般的に前述の洗剤ディスペンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、請求項1の特徴部分に記載された特徴によって更に規定された請求項1の前文の特徴を有する洗剤ディスペンサによって前述の問題を解決している。
【0015】
本発明による洗剤ディスペンサにおいては、固形洗剤貯蔵器は、ハウジングと一体化された部分ではなく、ハウジングから容易に分離可能なモジュラー型ユニットとして構築されている。複数の異なるタイプの固形洗剤用の固形洗剤貯蔵器が提供される場合には、それらは異なるものであってよいが、異なってよいのは、洗剤コンパートメントと、任意選択的に、溶剤塗布コンパートメント及び/又は液体溶剤分配手段のみである。そして、それ以外の部分においては、それらは、ハウジングに対して完全な互換性を有しており、必要に応じて相互に交換可能である。顧客は、袋内のばらばらの粉状材料用の貯蔵器を固形ブロック材料用の異なる貯蔵器に簡単に交換可能であり、或いは、粉を加圧することによって生成された固形ブロック状材料用の貯蔵器を、例えば押出しブロック状材料(ジオ材料)に適合された異なる横断面を有する異なる貯蔵器に交換することも可能である。実際に、あらゆるタイプの固形洗剤用に1つのタイプの洗剤ディスペンサしか存在しないのである。洗剤ディスペンサのハウジングに対して脱着可能な異なる洗剤貯蔵器に起因し、それぞれのタイプの固形洗剤が適切に取り扱われることになる。
【0016】
本発明の基本的な概念は、更なる改善のための多数の選択肢を提供している。従って、好適な実施態様が従属請求項の主題である。
【0017】
一般に本発明は主には食器洗浄機の主洗浄サイクルにおいて液体溶剤としての水又は湯と固形洗剤の使用を伴う1つ又は複数の産業用の食器洗浄機における使用を意図している。しかしながら、一般的にこの概念は、例えば洗濯物の洗濯機やその他の物品を洗浄又は殺菌する洗浄機などの任意の種類の洗剤ディスペンサに対して適用可能である。
【0018】
また前述のように固形洗剤は、粉袋に収容された成型された粉として対応するコンテナ内に収容された粒として、或いは場合によっては準固形洗剤として、即ち好適には適切なコンテナ内に収容された高粘度を有するジェルとして提供することも可能である。但し、本明細書に記述されている実施例においては、固形洗剤は、主として固形ブロックとして提供されており、これは多くの場合に適切なコンテナ又はプラスチックカバーに収容されている。
【0019】
一般に、固形洗剤貯蔵器から固形洗剤を溶解させる方法については、前述の従来技術において周知である。この方法においては、液体溶剤を固形洗剤貯蔵器内の固形洗剤に向かってスプレーして、固形洗剤の下部表面領域のほぼ全体に衝突させる。洗剤溶液が貯蔵器内の固形洗剤の下部表面から滴り落ち、これを利用場所に向かって更に供給するべく収集している。洗剤溶液は重力により利用場所に対して供給可能である。但し、これは供給ポンプによって実行することも可能である。
【0020】
以下、添付の図面を詳細に説明すると共に、本発明の洗剤ディスペンサについて説明することとする。以下においては、従属請求項に記述されている全ての実施例についても同様に詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
添付の図面は、本発明の好適な実施例である洗剤ディスペンサを一例として図示及び説明していおり、前記洗剤ディスペンサは、洗剤溶液を形成するために、液体溶剤、具体的には水又は湯の中に固形洗剤の一部を溶かすことによって一定量の固形洗剤を調合し、次いでこの洗剤溶液を洗剤放出口及び最終的には利用場所に供給する。この利用場所は、具体的には産業用の食器洗浄機であってよいが、洗濯物の洗濯機や洗浄装置などのその他の洗浄装置又は殺菌装置であってもよい。
【0022】
図1及び図2は2つの異なる実施例を示しており、図1には、ばらばらの材料、即ち粉状の洗剤材料用の洗剤ディスペンサが示されており、図2には、この代わりに固形成型洗剤材料用の洗剤ディスペンサが示されている。図1及び図2から、この洗剤ディスペンサは、両方のタイプの固形洗剤について同一であり、洗剤ディスペンサのハウジングの最上部を形成している固形洗剤貯蔵器だけが異なっていることがわかる。
【0023】
以下、図1〜図6を参照して詳細な説明を更に提供することとする。
【0024】
本発明による洗剤ディスペンサは、洗剤ディスペンサを壁面に取り付けるための、又はその他の取り付け選択肢のためのシャーシ2を有するハウジング1を示している。本ディスペンサは、固形洗剤貯蔵器3を更に具備している。固形洗剤貯蔵器3は、固形洗剤を、ばらばらの材料の場合にはコンテナ5内に、或いは代わりに固形ブロック状材料の場合には図2に示されているカートリッジ6内に保持する洗剤コンパートメント4を具備している。ブロック状の固形洗剤材料は、薄いプラスチックカバー内の成型材料として、或いはカバーを有していない押出し材料(ジオブロック)として入手することも可能である。当然のことながら、固形洗剤貯蔵器3は、欧州特許0781110B1号の従来技術と同様に、ばらばらの材料を収容しているバッグを開くための刃を備えることも可能である。
【0025】
固形洗剤貯蔵器3は、洗剤コンパートメント4の下に溶剤塗布コンパートメント7を更に具備している。図5及び図6に示されている本実施例においては、洗剤コンパートメント4と溶剤塗布コンパートメント7はスクリーン又は篩8によって分離されている。但し、固形ブロック状材料又は特定のコンテナ又はカートリッジを使用する場合には、このスクリーン8を除去可能である。
【0026】
溶剤塗布コンパートメント7には、液体溶剤分配手段9が液体スプレーノズルの形態で備えられている。このノズルから液体溶剤、即ちこの場合には水又は湯が、固形洗剤貯蔵器3の洗剤コンパートメント4内の固形洗剤に向かってスプレーされ、固形洗剤の下部表面領域のほぼ全体に衝突し、この表面から滴り落ちる洗剤溶液を形成することができる。
【0027】
溶剤供給管路10が溶剤分配手段9に通じている。漏斗の形態の洗剤溶液収集手段11が溶剤塗布コンパートメント7の底部に示されており、固形洗剤から滴り落ちた洗剤溶液を洗剤放出口13に向かって移送するべく、溶液管路12が溶液収集手段11に接続されている。
【0028】
本実施例においては、固形洗剤貯蔵器3は、ハウジング1から容易に分離可能なモジュラー型ユニットとして構築されている。これは、図1、図2、及び図4を比較することによってわかるであろう。当然のことながら固形洗剤貯蔵器3は、後述する水力学的接続を取り外すと共に、恐らくは貯蔵器3及びハウジング1の間の隠蔽された又は露出したロックを解除した後に、図4に示されているように、ハウジング1から簡単に持ち上げることができる。
【0029】
複数の異なるタイプの固形洗剤用の固形洗剤貯蔵器3が提供される場合には、それらが異なっているのは、洗剤コンパートメント4と、任意選択的に溶剤塗布コンパートメント7及び/又は液体溶剤分配手段9のみである。これ以外の部分においては、これらの異なる固形洗剤貯蔵器3は、同一であり、特にハウジング1並びにその内部の液圧コネクタ及び全ての取付箇所に対して完全な互換性を有している。本発明は、固形洗剤貯蔵器3を除いた全てのタイプの固形洗剤について同一の基本的な洗剤ディスペンサと、特に固形洗剤材料の異なる構造及び形状で異なるタイプの固形洗剤のためのその場その場で異なっている固形洗剤貯蔵器3とを有する二要素システムを提供する。
【0030】
このモジュラー型設計によれば、在庫を要するものが異なる洗剤貯蔵器3のみであり、同一のベースユニットを全てのタイプの洗剤ディスペンサに使用可能であるため、在庫の維持費用が低減される。又、固形洗剤貯蔵器3の交換のみにより、異なるタイプの固形洗剤の選択肢を使用可能であるため、顧客にとっての柔軟性が大幅に向上する。費用が大幅に低減されて生産性が向上することになる。
【0031】
さらに、この固形洗剤貯蔵器用のモジュラー型設計、及びこのモジュラー型のユニットがハウジング1から容易に分離可能であるという事実は、貯蔵器3が通常の食器洗浄プロセスにおいて洗浄されるように食器洗浄機内に配置可能であるということをも意味している。
【0032】
次に図2で見られるように、交換可能なコンテナ5又はカートリッジ6内のブロック材料用の又はばらばらの材料用の洗剤コンパートメント4は、最上部において開口しており、且つ任意選択的に特定のブロック、コンテナ5、又はカートリッジ6の横断面に適合した横断面を有している。
【0033】
これとは対照的に、図1に見られるように、この実施例においては、ばらばらの材料(粉、粒、又は準固形材料)用の固形洗剤貯蔵器3の洗剤コンパートメント4は、最上部に蓋14を有するコンテナ5を具備している。ここでは、蓋14は、粉又は粒をコンテナ5内に投入した後にコンテナ5を閉鎖できるように、ヒンジ15においてヒンジ接続されている。任意選択的に且つ後程詳述するように、蓋14は、蓋14が開いたら特に水の供給を即座に停止する安全スイッチによって制御され得る。これは特に粉の形態の固形洗剤用の安全対策である。
【0034】
洗剤溶液収集手段11には、溢出ドレイン16が設けられていることが図5に非常に明瞭に示されている。この溢出ドレイン16も安全対策の手段である。
【0035】
図1〜図6の右側の後面が通常は建物の壁面に取り付けられるという点を考慮すれば、この好適な実施例においては、溶液管路12がハウジング1の後部の近傍に配置されること、及び/又は溢出ドレイン16が、ハウジング1の後部の近傍に配置されることが役に立つ。図3、図5、及び図6に示されている生成物供給ライン17を壁上の利用場所に向かって少なくとも壁の近くを通すことが可能であり、その結果この生成物供給ライン17の損傷が防止される。
【0036】
次に、図4〜図6は、選択肢として提供可能な追加機能を具備した特定の実施例を示している。少なくとも洗剤ディスペンサが相当の期間にわたって使用されない場合に溶液管路12又は生成物供給ライン17を詰らせる傾向を有する固形洗剤をしばしば使用しなければならない。従って、洗剤溶液の利用場所、具体的には食器洗浄機の中への投与が完了した後に本システム全体を洗い流すことが役に立つ。この選択肢を有する洗剤ディスペンサが提供される場合には、分配サイクルの後に、溶剤塗布コンパートメント7の全体又は一部、並びに溶液管路12及び生成物供給ライン17を清浄な液体溶剤、具体的には清浄な水によって洗い流すために、第1のものとは別個の第2の液体溶剤分配手段18及び第2の溶剤供給管路19が固形洗剤貯蔵器3に備えられる。当然のことながら、特に水、或いは好適には湯のためのこの第2の液体溶剤分配手段18は、液体を固形洗剤に向かってスプレーするのではなく、洗剤溶液収集手段11、溶液管路12、及び生成物供給ライン17のみを洗い流すことによって固形洗剤の残留物を除去する。
【0037】
図3〜図6に示されているように、それぞれの溶剤供給管路10、19、及び溶液管路12には、それぞれを溶剤供給ライン22及び生成物供給ライン17に接続するための液圧コネクタ20、21が設けられている。コネクタ20を有するそれぞれの溶剤供給ライン22は、ハウジング内に固定的に配置されて、水の供給源からそれぞれの管路10、19に延びている。液圧コネクタ21を有する生成物供給ライン17は、例えばクイックネジ又は差込み接続である。
【0038】
次に、図4は、図7との組み合わせにおいて、ハウジング1が、スナップイン接続23’及び/又は隠蔽されたキーレスロック手段によってシャーシ2に接続されている前面カバー23を具備する本発明の更なる実施例を示している。隠蔽されたキーレスロック手段を解除できるのは、このシステムに習熟した人物のみである。これは、従来のキーロックシステムを置換するものであり、費用を更に低減させる。
【0039】
添付図面中の図4、図5、及び図7から、本発明の好適な実施例の更に別の特定の特徴が明らかである。本発明の洗剤ディスペンサの誤用を防止するべく、ここでは、貯蔵器3がシャーシ2から既に分離されている場合にのみ前面カバー23が除去可能となるようにされたインターロック手段24が固形洗剤貯蔵器3及びハウジング1の前面カバー23に備えられている。好適な実施例においては、これらのインターロック手段24は、舌部/溝接続として、及び前面カバー22上のブロックウィング24として実現されている。当然のことながら、これはインターロック手段の単純で費用効率の優れた一例に過ぎないものである。
【0040】
これまで、固形洗剤貯蔵器3がハウジング1から容易に分離可能なモジュラー型のユニットにどのようになっているか、及びこの固形洗剤貯蔵器3がどのように構築されるかについて詳細に説明した。
【0041】
但し、添付図面中の更なる図から得られる本発明の好適な実施例においては、本ディスペンサの全体が、その大部分においてモジュラー型ユニットを有するように構築されている。具体的には、モジュラー型ユニットの大部分又は全てが、スナップインコネクタ又はプラグインコネクタによってシャーシ2及び/又は別のモジュラー型ユニットに接続されていることが好ましい。様々なモジュラー型ユニット用の特定のスナップインコネクタ又はプラグインコネクタについては、後程適宜詳述することとする。
【0042】
これまでは、前面カバー23用のスナップイン接続23’のみについて説明している。これは、図4と図7の比較からわかるように、加圧することによってこの接続23’を解除できる指先加圧プレートを有している。
【0043】
次に、添付図面中の図8及び図9を参照し、本発明の興味深い更なる実施例について説明する。ここでは、シャーシ2は壁面取り付け又はこれに類似したものに適合された別個の取り付けプレート25を備えており、シャーシ2は好適にはスナップイン接続26、および好適には事前位置決め構成体27によって取り付けプレート25に接続される。オプションの取り付けプレート25は、多数の貫通穴28を有しており、これらのいくつかは長円形の穴として設計されている。この種の取り付けプレート25により、洗剤ディスペンサは、様々な種類の場所の大部分に取り付け可能であると共に、容易に交換可能なシャーシ2用の基礎を形成可能である。壁面又はこれに類似したものに対する洗剤ディスペンサの取り付けは、完成した重たいディスペンサシステムを保持及び調節する必要性を伴うことなしに、取り付けプレート25のみによって実行可能である。事前位置決め構成体27は、この観点においても同様に有用である。
【0044】
本発明の洗剤ディスペンサの各部品の取り付け及び取り外しの更なる単純化は、液圧コネクタの大部分又は全てがプラグインコネクタ又はスナップインコネクタとして提供されると共に、好適にはそれぞれのモジュラー型ユニット上のロック構成体29又は別個のロック部30によってロックされるという更なる設計上の選択肢を伴っている。図3は、別個のロック部30をハウジング1の底部においてガイドレール上で横方向に押し込み、ロック部30によってロック構成体29を形成することにより、溶剤供給管路10及び第2の溶剤供給管路19用の液圧プラグインコネクタ20が下方に移動することを防止可能であることを示している。但し、図3に示されているように、ロック部30が取り除かれた場合には、液圧コネクタ20を対応する管路10、19から容易に引き抜くことが可能である。従ってこの場合には、本発明者らは、一方においては単純な取り付け及び取り外し機能を、他方においてはロック部30が定位置にある場合には安全な水力学的接続を有している。
【0045】
後述するように、類似のシステムが洗剤ディスペンサのその他のモジュール型ユニット内において見出される。
【0046】
次に、更なる好適な実施例においては、電子モジュラー型ユニット31内に電子制御手段が備えられる。本実施例においては、電子モジュラー型ユニットは、ディスプレイを有するか又は有していない一つのプリント基板又は多数の基板を有することが可能である。本実施例においては、図10に示されているように、電子モジュラー型ユニット31のベースにスナップ取付けされる前面カバー34内にLCDディスプレイ32と操作キーが存在している。この観点において、洗剤ディスペンサのモジュラー型設計が強化されている。この結果前面カバー34は、ハウジング1の前面カバー23によってカバーされており、前記前面カバー23は貯蔵器3とインターロックされている。従って電子モジュラー型ユニット31は、いたずらから保護された状態でハウジング1内に安全に配置される。
【0047】
本発明の好適な実施例の更なる設計上の特徴として、本ディスペンサの電気又は電子物品の大部分又は全ては、シャーシ2に又はこの内部に配置されており、固形洗剤貯蔵器3には又はこの内部には、ほとんど又は全く備えられていない。図2の実施例においては、貯蔵器3内にはなにも備えられていない。図1の実施例では、蓋14の開放用のセンサが存在する場合には、このセンサのみが貯蔵器3内に位置する。
【0048】
更に安全性を向上させるべく、本ディスペンサの電気/電子システムは、低電圧システムであってよく、好適には24V又は12Vの電源を有しており、幹線給電部はディスペンサから離れたところに配置されている。本発明の好適な実施例においては、電源装置には、高度な防水規格(例えば、IP65)を満足するハウジング内に収容された外部幹線給電部240V(AC)/24V(AC)を備えている。欧州規格にも準拠することになろう。
【0049】
次に、添付図面中の図8及び図11〜図13を更に参照されたい。これらの図面から、更なる安全面における特徴を得ることができる。ここでは、固形洗剤貯蔵器3及び/又はコンテナ5、カートリッジ6、又は固形洗剤ブロックがシャーシ2から取り除かれたら即座に電気と液体溶剤の供給を遮断するために、安全スイッチ手段35がシャーシ2に備えられている。この安全スイッチ手段35は、特定の電気機械的なスイッチによるか、又は電子センサ(近接センサ又は接触センサ又は光学検知手段)によって提供可能である。但し、本実施例においては電気機械的システムを使用している。ここでは、安全スイッチ手段35はスプリング負荷レバー36を備えており、このスプリング負荷レバーは、シャーシ2上に取り付けられており、固形洗剤貯蔵器3がシャーシ2に装着された際に、これによるスプリング負荷に対して作動可能なものである。具体的には、図11及び図12に示されている安全スイッチ手段35のスプリング負荷レバー36は、スプリング負荷レバー36によって作動するスイッチレバー38を備える電気機械的スイッチ37と協働する(図11と図12を比較されたい)。但し、スイッチ37は非接触スイッチ、特に光スイッチであってよい。
【0050】
あらゆる種類の固形洗剤貯蔵器3及び固形洗剤のタイプに使用可能なこの安全装置の解決法を提供するべく、本発明は特定の構造を有する。本好適な実施例においては、ブロック又はコンテナ/カートリッジが固形洗剤貯蔵器3から取り除かれただけの場合にも、シャーシ2上のスプリング負荷レバー36と協働してスプリング負荷レバー36を「オフ」位置(図11)に解放するフォロアレバー39がブロック材料又はコンテナ/カートリッジ用の固形洗剤貯蔵器3に提供されている。要すれば、この実施例における安全スイッチ手段35のスプリング負荷レバー36は、コンテナ5若しくはカートリッジ6によって又は固形洗剤ブロックによって固形洗剤が充填された固形洗剤貯蔵器3が存在している場合にのみ、安全スイッチ37を「オン」位置に作動させる。そうでなければ、水の供給と好適には電気とが遮断される。
【0051】
しばしば、洗剤ディスペンサに別個のポンプ手段を提供することが必要又は有用である。ディスペンサを汎用的なものにするべく、電気駆動モーター42によって駆動される別個のポンプユニット41の任意選択設備のためのレセプタクル40をシャーシ2に提供可能である。この参照符号は、図9と、特に電気モジュラー型ユニット31が取り外された状態のシャーシ2を示している図13とから得ることができる。このレセプタクル40は、蠕動ポンプに特に好適であるが、例えばダイヤフラムポンプなどの異なるポンプに提供することも可能である。図13は、電気モジュラー型ユニット31の背後のシャーシ2内の自由空間内に延在している電気駆動モーター42を示している。
【0052】
このポンプユニットは、前述の洗剤ディスペンサの液圧システムの一部であってもよい。但し食器洗浄機の場合には、このようなポンプユニット41は、液体添加剤、特に液体すすぎ添加剤用として主に使用される。この液体添加剤は、通常、利用場所における別の場所にポンプ移送されなければならない。従って好適な実施例においては、ポンプユニット41は、液体添加剤、特に液体すすぎ添加剤を利用場所にポンプ移送するための別個の供給ライン用の別個の液圧コネクタが備えられている。
【0053】
いずれにしても、本実施例においては、洗剤ディスペンサのハウジング1は、別個のポンプユニット41を使用するための準備が整っている。
【0054】
次に、図13及びこれに後続する図14〜図16は、本発明の好適な実施例の更に興味深い詳細を示している。これらの図面からシャーシの詳細を得ることができる。
【0055】
まず、図13及び図14に開示されているこの好適な実施例においては、シャーシ2には、電動の液体溶剤供給弁44用のレセプタクル43が備えられている。供給弁44は、プラグイン接続43’及び/又は好適にはスナップイン接続によりレセプタクル43内に保持されている。好適な実施例においては、液体溶剤供給弁44は、非常に低速で作動する弁本体を有するようにモーターによって作動する2/2方向制御弁である。これは、水供給システム内における鋭い圧力ピークのリスクを除去する。ソレノイドによって作動するオン/オフ弁も同様に適用可能であろうが、このような弁はなんらかの減衰手段も装備する必要がある。
【0056】
本実施例においては、レセプタクルには、プラグイン接続43’と、更にはこの場合には隠蔽されたスナップイン接続とが提供されている。又、シャーシ2上のロック構成体44’は、供給弁44がレセプタクル43内に配置された場合に即座に液圧プラグインコネクタ44’’を固定する。これは、前述の液圧コネクタ20に対するロック部30と類似した状況にある。
【0057】
供給弁44の下端にスナップインホースコネクタ44’’’を見ることができる。このホースコネクタ44’’’は、水の本線供給ライン又はホースを本洗剤ディスペンサそれ自体に接続するように機能している。
【0058】
当然のことながら、供給弁44は、動作要件に従って液体溶剤の供給を開閉するべく、電子モジュラー型ユニット31によって制御される。
【0059】
図13及び図14では、本明細書に記述されている好適な実施例の更なる具体的な特徴を見ることができる。ここでは、シャーシ2に、電動の3/2方向制御弁46用のレセプタクル45が備えられており、供給弁44の下流に配置されている3/2弁46は、液体溶剤を液体溶剤分配手段9又は第2の液体溶剤分配手段18に供給するように働く。この更なる弁46は、第1の溶剤供給管路10及び第2の溶剤供給管路19が設けられている場合にのみ必要である。この最後に言及した供給が存在していない場合にはこの弁は不要である。この弁は、液体溶剤、具体的には水をそれぞれの供給ラインに切り換えるように働く。
【0060】
国際的な規格は、多くの場合にディスペンサから水の本線への逆流を防止することを要求している。本明細書に示されている本発明の特定の実施例においては、逆流防止装置48用のレセプタクル47がシャーシ2に提供されており、この逆流防止装置48は、供給弁44の下流に配置されて、外部液体溶剤供給ライン(水の本線)内の圧力が降下した場合にその外部液体溶剤供給ライン内への液体の逆流を防止するように働く。逆流防止装置48は、解放開口部49を有しており、この解放開口部は、圧力の降下が発生した場合に、空気のみが水の供給ラインに吸入されて化学物質がこのラインに入らないように即座に開放される。このような逆流防止装置48は、欧州特許第0781110B1号にも開示されている。
【0061】
本実施例においては、逆流防止装置48は、供給弁44の下流であるが任意選択的に備えられた方向制御弁46の上流に配置されている。
【0062】
図15及び図16の比較から、この場合にも、液圧コネクタ49’は、レセプタクル47上の対応するロック構成体49’’によってそれぞれその動作位置に固定されている単純なプラグインコネクタであることがわかる。逆流防止装置48自体は、レセプタクル47内においてスナップイン接続49’’’によって固定されている。供給弁44、46、並びに逆流防止装置48は、異なる形態の既製部品として存在しており、また様々な供給者から提供される液圧部品である。
【0063】
請求項1に記述されている基本的な概念とは無関係な本発明の特定の概念に従うと、供給弁44用のレセプタクル43及び/又は方向制御弁46用のレセプタクル45及び/又は逆流防止装置48用のレセプタクル47は、シャーシ2又はその他のモジュラー型ユニットから容易に分離可能なモジュラー型ユニットとして構築されており、これらの異なるタイプの弁又は異なるタイプの逆流防止装置用のレセプタクル43、45、47は、形態と取付箇所に関する限り、シャーシ2又はモジュラー型ユニットに対して完全な互換性を有している。従ってこの手段により、対象のレセプタクルは、ハウジング1のシャーシ2から容易に分離可能なモジュラー型ユニットになっている。例えば、異なる逆流防止装置48を使用する場合に、その新しい逆流防止装置38の異なる形状に本システムを適合させるべく変更を要するのは、レセプタクル47のみである。そのとき、レセプタクル47及び逆流防止装置48のユニットをシャーシ2内において交換することができる。
【0064】
本発明においては、液体溶剤管路50が液体溶剤供給システムの様々な部分を接続している。
【0065】
好適な実施例においては、モジュラー型のレセプタクルユニット43、45、47は、シャーシ2又は別のモジュラー型ユニットに対してスナップインコネクタによって接続されている。
【0066】
最後に、本発明による洗剤ディスペンサの部品、特にシャーシ2及びその他のモジュラー型ユニットを好適にはポリプロピレンからなるプラスチック部品として提供することは好適な選択肢である。
【0067】
本発明のシステムは、モジュラー型の設計に起因して複雑性が低減される。合計費用及びサービス作業が大幅に低減される。モジュラー型の設計とプラグイン及びスナップイン接続に起因して本ディスペンサの全ての部品は容易に交換可能である。この結果、それぞれのモジュールを洗浄可能であるため、洗浄が簡単且つ効率的である。在庫管理が単純化されて費用が低減される。プラグイン及びスナップイン接続に起因してプラスチック、電子、及び金属部品を容易に分離可能であるためリサイクルが容易である。生成物に対するユーザーによる接触を防止可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】ばらばらの材料と共に使用される本発明による洗剤ディスペンサの斜視図である。
【図2】ブロック状の成型材料と共に使用される本発明による洗剤ディスペンサの斜視図である。
【図3】空の固形洗剤貯蔵器を有する本発明による洗剤ディスペンサの斜視図である。
【図4】洗剤貯蔵器が取り外され状態の図3の洗剤ディスペンサの斜視図である。
【図5】図4による洗剤ディスペンサの固形洗剤貯蔵器の側面部分断面図である。
【図6】固形洗剤貯蔵器を有しているが、その内部に固形洗剤カートリッジ又はコンテナを有していない本発明の好適な実施例による洗剤ディスペンサのシャーシの完全な断面図である。
【図7】固形洗剤貯蔵器が取り外されると共に、ハウジングの前面カバーも取り外された状態における本発明による洗剤ディスペンサを示す図である。
【図8】図7の洗剤ディスペンサのシャーシの拡大図である。
【図9】別個の取り付けプレート上に取り付けられるように意図された図8のシャーシを示す図である。
【図10】電子制御ユニット用のカバーが取り外された状態におけるシャーシの斜視図である。
【図11】洗剤貯蔵器が取り付けられているが、その内部に固形洗剤カートリッジ又はコンテナが存在していない状態における安全スイッチ手段の拡大断面図である。
【図12】図11と同一の断面を示しているが、この場合には、固形洗剤カートリッジ又はコンテナが固形洗剤貯蔵器内に配置された際の状態を示す図である。
【図13】電子制御ユニットが取り外された状態における洗剤ディスペンサの好適な実施例のシャーシを示す図である。
【図14】図13のシャーシの右下の領域の拡大図である。
【図15】逆流防止装置がそのレセプタクル内に取り付けられた状態における図13のシャーシの右上の領域を示す図である。
【図16】逆流防止装置がそのレセプタクルから取り外された状態における図13のシャーシの右上の領域を示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗剤溶液を形成するために固形洗剤の一部を液体溶剤、特に水、の中に溶かすことによって一定量の前記固形洗剤を調合して、前記洗剤溶液を洗剤放出口に供給する洗剤ディスペンサであって、
壁面取り付け又はこれに類似したもの用のシャーシ(2)を具備するハウジング(1)と、固形洗剤貯蔵器(3)とを具備しており、
前記固形洗剤貯蔵器(3)が、前記固形洗剤を保持する洗剤コンパートメント(4)と、好適には前記洗剤コンパートメント(4)の下に位置する溶剤塗布コンパートメント(7)と、好適には前記溶剤塗布コンパートメント(7)に又はこの内部に位置する液体溶剤分配手段(9)と、前記溶剤分配手段(9)に通じる溶剤供給管路(10)と、好適には前記溶剤塗布コンパートメント(7)の底部に位置する洗剤溶液収集手段(11)と、前記洗剤溶液収集手段(11)に接続された溶液管路(12)にして、前記洗剤溶液を洗剤放出口に向かって移送する溶液管路(12)と、を具備する洗剤ディスペンサにおいて、
前記固形洗剤貯蔵器(3)は、前記ハウジング(1)から容易に分離可能なモジュラーユニットとして構築されており、
複数の異なるタイプの固形洗剤用の異なる固形洗剤貯蔵器(3)が提供される場合に、前記異なる固形洗剤貯蔵器(3)は、前記洗剤コンパートメント(4)及び/又は前記溶剤塗布コンパートメント(7)及び/又は前記液体溶剤分配手段(9)が異なっていても、形態及び取付箇所に関する限りは、前記ハウジング(1)に対して完全な互換性を有していることを特徴とする洗剤ディスペンサ。
【請求項2】
交換可能なコンテナ(5)又はカートリッジ(6)内に収容されたブロック材料のための又はばらばらの材料のための前記洗剤コンパートメント(4)は、最上部が開口しており、且つ前記特定のブロック、コンテナ(5)、又はカートリッジ(6)の横断面に適合した横断面を任意選択的に有することを特徴とする請求項1に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項3】
ばらばらの材料(粉、粒、又は準固形材料)用の固形洗剤貯蔵器(3)の前記洗剤コンパートメント(4)は、最上部に蓋(14)を有するコンテナ(5)を具備していることを特徴とする請求項1に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項4】
前記洗剤溶液収集手段(11)が、溢出ドレイン(16)を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項5】
前記溶液管路(12)が、前記ハウジング(1)の後部の近傍に配置されていること、及び/又は前記溢出ドレイン(16)が、前記ハウジング(1)の後部の近傍に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項6】
前記固形洗剤貯蔵器(3)は、前記溶剤塗布コンパートメント(7)の全体又は一部、並びに前記溶液管路(12)及び生成物供給ライン(17)を清浄な液体溶剤、具体的には水によって分配サイクルの後に洗い流す前記第1のものとは別個の第2の液体溶剤分配手段(18)及び第2の溶剤供給管路(19)を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項7】
前記(各)溶剤供給管路(10、19)及び前記溶液管路(12)には、それ自身を溶剤供給ライン(22)及び生成物供給ライン(17)に対して接続するための液圧コネクタ(22、21)がそれぞれ備えられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項8】
前記ハウジング(1)は、スナップイン接続(23’)及び/又は隠蔽された解放可能なキーレスロック手段によって前記シャーシ(2)に接続されている前面カバー(23)を具備することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項9】
前記固形洗剤貯蔵器(3)及び前記ハウジング(1)の前記前面カバー(23)は、前記貯蔵器(3)が前記シャーシ(2)から既に分離されている場合にのみ前記前面カバー(23)を取り除けるようにされたインターロック手段(24)を備えることを特徴とする請求項8に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項10】
該洗剤ディスペンサの全体は、大部分においてモジュラー型ユニットを有するように構築されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項11】
前記モジュラー形ユニットの大部分又は全ては、スナップインコネクタ又はプラグインコネクタによって前記シャーシ(2)及び/又は別のモジュラー型ユニットに接続されていることを特徴とする請求項10に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項12】
前記シャーシ(2)は、壁面取り付け又はこれに類似したもの用に適合した別個の取り付けプレート(25)を備えており、この結果前記シャーシ(2)は、好適にはスナップイン接続(26)及び好適には事前位置決め構成体(27)によって前記取り付けプレート(25)に接続されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項13】
前記液圧コネクタの大部分又は全ては、プラグインコネクタ又はスナップインコネクタとして提供されて、好適にはそれぞれのモジュラー型ユニット上のロック構成体(20)又は別個のロック部(30)によってロックされていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項14】
電子モジュラー型ユニット(31)内に電子制御手段を備えることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項15】
該洗剤ディスペンサの電気及び電子物品の大部分又は全ては、シャーシ(2)に又はこの内部に配置されているのに対して、前記固形洗剤貯蔵器(3)には又はこの内部には、わずかなものしか又は何も備えられていないことを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項16】
該洗剤ディスペンサの前記電気/電子システムは、低電圧システムであって、好適には24V又は12Vの電源を有しており、該洗剤ディスペンサから離れて配置された幹線給電部を有することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項17】
前記シャーシ(2)は、前記固形洗剤貯蔵器(3)及び/又は固形洗剤のコンテナ(5)、カートリッジ(6)、又はブロックが前記シャーシ(2)から取り除かれた場合に電気及び前記液体溶剤の供給を即座に遮断するために、安全スイッチ手段(35)を備えることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項18】
前記安全スイッチ手段(35)は、前記シャーシ(2)上に取り付けられたスプリング負荷レバー(36)を備え、前記スプリング負荷レバー(36)は、前記固形洗剤貯蔵器(3)が前記シャーシ(2)に取り付けられた際に、前記固形洗剤貯蔵器(3)によるスプリング負荷に対して作動可能であることを特徴とする請求項17に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項19】
ブロック材料又はコンテナ/カートリッジ用の前記固形洗剤貯蔵器(3)がフォロアレバー(39)を備え、前記フォロアレバー(39)は、前記ブロック又はコンテナ/カートリッジが前記固形洗剤貯蔵器(3)から取り除かれた場合にのみ、前記シャーシ(2)上のスプリング負荷レバー(36)と協働して前記スプリング負荷レバー(36)を「オフ」位置に解放することを特徴とする請求項18に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項20】
前記シャーシ(2)は、電気駆動モーター(42)によって駆動される別個のポンプユニット(41)である任意選択設備のためのレセプタクル(40)を備えることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項21】
前記ポンプユニット(41)は、液体添加剤、特に液体すすぎ添加剤、を利用場所までポンプ移送するための別個の供給ライン用の別個の液圧コネクタを備えることを特徴とする請求項20に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項22】
前記シャーシ(2)は、電動の液体溶剤供給弁(44)用のレセプタクル(43)を備え、前記供給弁(44)は、プラグイン接続(43’)及び/又は好適にはスナップイン接続により前記レセプタクル内で保持されていることを特徴とする請求項1〜21のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項23】
前記シャーシ(2)は、電動の3/2方向制御弁(46)用のレセプタクル(45)を備え、前記3/2方向制御弁(46)は、前記供給弁(44)の下流に配置されて、液体溶剤を前記液体溶剤分配手段(9)又は前記第2の液体溶剤分配手段(18)に供給するように働くことを特徴とする請求項1〜22のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項24】
前記シャーシ(2)が逆流防止装置(48)用のレセプタクル(47)を備えることを特徴とする請求項1〜23のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサであって、前記逆流防止装置(48)は、前記供給弁(44)の下流に配置されて、外部液体溶剤供給ライン内の圧力が降下した場合に前記外部液体溶剤供給ライン内への液体の逆流を防止するように働く、洗剤ディスペンサ。
【請求項25】
請求項22〜24のいずれか一項の特徴部分に記載されたレセプタクルを有する特に請求項22〜24のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサであって、
前記供給弁(44)用の前記レセプタクル(43)及び/又は前記方向制御弁(46)用の前記レセプタクル(45)及び/又は前記逆流防止装置(48)用の前記レセプタクル(47)は、前記シャーシ(2)又は別のモジュラー型ユニットから容易に分離可能なモジュラー型ユニットとして構築されており、
異なるタイプの弁用の又は異なるタイプの逆流防止装置用の前記レセプタクル(43、45、47)が、形態及び取付箇所に関する限り前記シャーシ(2)又はモジュラー型ユニットに対して完全な互換性を有することを特徴とする、洗剤ディスペンサ。
【請求項26】
前記モジュラー型レセプタクルユニット(43、45、47)は、スナップイン接続によって前記シャーシ(2)又は別のモジュラー型ユニットに結合されることを特徴とする請求項25に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項27】
該洗剤ディスペンサの前記シャーシ(2)及びその他のモジュラー型ユニットは、大部分がプラスチック材料、特にポリプロピレン材料から製造されていることを特徴とする請求項1〜26のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項1】
洗剤溶液を形成するために固形洗剤の一部を液体溶剤、特に水、の中に溶かすことによって一定量の前記固形洗剤を調合して、前記洗剤溶液を洗剤放出口に供給する洗剤ディスペンサであって、
壁面取り付け又はこれに類似したもの用のシャーシ(2)を具備するハウジング(1)と、固形洗剤貯蔵器(3)とを具備しており、
前記固形洗剤貯蔵器(3)が、前記固形洗剤を保持する洗剤コンパートメント(4)と、好適には前記洗剤コンパートメント(4)の下に位置する溶剤塗布コンパートメント(7)と、好適には前記溶剤塗布コンパートメント(7)に又はこの内部に位置する液体溶剤分配手段(9)と、前記溶剤分配手段(9)に通じる溶剤供給管路(10)と、好適には前記溶剤塗布コンパートメント(7)の底部に位置する洗剤溶液収集手段(11)と、前記洗剤溶液収集手段(11)に接続された溶液管路(12)にして、前記洗剤溶液を洗剤放出口に向かって移送する溶液管路(12)と、を具備する洗剤ディスペンサにおいて、
前記固形洗剤貯蔵器(3)は、前記ハウジング(1)から容易に分離可能なモジュラーユニットとして構築されており、
複数の異なるタイプの固形洗剤用の異なる固形洗剤貯蔵器(3)が提供される場合に、前記異なる固形洗剤貯蔵器(3)は、前記洗剤コンパートメント(4)及び/又は前記溶剤塗布コンパートメント(7)及び/又は前記液体溶剤分配手段(9)が異なっていても、形態及び取付箇所に関する限りは、前記ハウジング(1)に対して完全な互換性を有していることを特徴とする洗剤ディスペンサ。
【請求項2】
交換可能なコンテナ(5)又はカートリッジ(6)内に収容されたブロック材料のための又はばらばらの材料のための前記洗剤コンパートメント(4)は、最上部が開口しており、且つ前記特定のブロック、コンテナ(5)、又はカートリッジ(6)の横断面に適合した横断面を任意選択的に有することを特徴とする請求項1に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項3】
ばらばらの材料(粉、粒、又は準固形材料)用の固形洗剤貯蔵器(3)の前記洗剤コンパートメント(4)は、最上部に蓋(14)を有するコンテナ(5)を具備していることを特徴とする請求項1に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項4】
前記洗剤溶液収集手段(11)が、溢出ドレイン(16)を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項5】
前記溶液管路(12)が、前記ハウジング(1)の後部の近傍に配置されていること、及び/又は前記溢出ドレイン(16)が、前記ハウジング(1)の後部の近傍に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項6】
前記固形洗剤貯蔵器(3)は、前記溶剤塗布コンパートメント(7)の全体又は一部、並びに前記溶液管路(12)及び生成物供給ライン(17)を清浄な液体溶剤、具体的には水によって分配サイクルの後に洗い流す前記第1のものとは別個の第2の液体溶剤分配手段(18)及び第2の溶剤供給管路(19)を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項7】
前記(各)溶剤供給管路(10、19)及び前記溶液管路(12)には、それ自身を溶剤供給ライン(22)及び生成物供給ライン(17)に対して接続するための液圧コネクタ(22、21)がそれぞれ備えられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項8】
前記ハウジング(1)は、スナップイン接続(23’)及び/又は隠蔽された解放可能なキーレスロック手段によって前記シャーシ(2)に接続されている前面カバー(23)を具備することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項9】
前記固形洗剤貯蔵器(3)及び前記ハウジング(1)の前記前面カバー(23)は、前記貯蔵器(3)が前記シャーシ(2)から既に分離されている場合にのみ前記前面カバー(23)を取り除けるようにされたインターロック手段(24)を備えることを特徴とする請求項8に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項10】
該洗剤ディスペンサの全体は、大部分においてモジュラー型ユニットを有するように構築されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項11】
前記モジュラー形ユニットの大部分又は全ては、スナップインコネクタ又はプラグインコネクタによって前記シャーシ(2)及び/又は別のモジュラー型ユニットに接続されていることを特徴とする請求項10に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項12】
前記シャーシ(2)は、壁面取り付け又はこれに類似したもの用に適合した別個の取り付けプレート(25)を備えており、この結果前記シャーシ(2)は、好適にはスナップイン接続(26)及び好適には事前位置決め構成体(27)によって前記取り付けプレート(25)に接続されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項13】
前記液圧コネクタの大部分又は全ては、プラグインコネクタ又はスナップインコネクタとして提供されて、好適にはそれぞれのモジュラー型ユニット上のロック構成体(20)又は別個のロック部(30)によってロックされていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項14】
電子モジュラー型ユニット(31)内に電子制御手段を備えることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項15】
該洗剤ディスペンサの電気及び電子物品の大部分又は全ては、シャーシ(2)に又はこの内部に配置されているのに対して、前記固形洗剤貯蔵器(3)には又はこの内部には、わずかなものしか又は何も備えられていないことを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項16】
該洗剤ディスペンサの前記電気/電子システムは、低電圧システムであって、好適には24V又は12Vの電源を有しており、該洗剤ディスペンサから離れて配置された幹線給電部を有することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項17】
前記シャーシ(2)は、前記固形洗剤貯蔵器(3)及び/又は固形洗剤のコンテナ(5)、カートリッジ(6)、又はブロックが前記シャーシ(2)から取り除かれた場合に電気及び前記液体溶剤の供給を即座に遮断するために、安全スイッチ手段(35)を備えることを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項18】
前記安全スイッチ手段(35)は、前記シャーシ(2)上に取り付けられたスプリング負荷レバー(36)を備え、前記スプリング負荷レバー(36)は、前記固形洗剤貯蔵器(3)が前記シャーシ(2)に取り付けられた際に、前記固形洗剤貯蔵器(3)によるスプリング負荷に対して作動可能であることを特徴とする請求項17に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項19】
ブロック材料又はコンテナ/カートリッジ用の前記固形洗剤貯蔵器(3)がフォロアレバー(39)を備え、前記フォロアレバー(39)は、前記ブロック又はコンテナ/カートリッジが前記固形洗剤貯蔵器(3)から取り除かれた場合にのみ、前記シャーシ(2)上のスプリング負荷レバー(36)と協働して前記スプリング負荷レバー(36)を「オフ」位置に解放することを特徴とする請求項18に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項20】
前記シャーシ(2)は、電気駆動モーター(42)によって駆動される別個のポンプユニット(41)である任意選択設備のためのレセプタクル(40)を備えることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項21】
前記ポンプユニット(41)は、液体添加剤、特に液体すすぎ添加剤、を利用場所までポンプ移送するための別個の供給ライン用の別個の液圧コネクタを備えることを特徴とする請求項20に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項22】
前記シャーシ(2)は、電動の液体溶剤供給弁(44)用のレセプタクル(43)を備え、前記供給弁(44)は、プラグイン接続(43’)及び/又は好適にはスナップイン接続により前記レセプタクル内で保持されていることを特徴とする請求項1〜21のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項23】
前記シャーシ(2)は、電動の3/2方向制御弁(46)用のレセプタクル(45)を備え、前記3/2方向制御弁(46)は、前記供給弁(44)の下流に配置されて、液体溶剤を前記液体溶剤分配手段(9)又は前記第2の液体溶剤分配手段(18)に供給するように働くことを特徴とする請求項1〜22のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項24】
前記シャーシ(2)が逆流防止装置(48)用のレセプタクル(47)を備えることを特徴とする請求項1〜23のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサであって、前記逆流防止装置(48)は、前記供給弁(44)の下流に配置されて、外部液体溶剤供給ライン内の圧力が降下した場合に前記外部液体溶剤供給ライン内への液体の逆流を防止するように働く、洗剤ディスペンサ。
【請求項25】
請求項22〜24のいずれか一項の特徴部分に記載されたレセプタクルを有する特に請求項22〜24のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサであって、
前記供給弁(44)用の前記レセプタクル(43)及び/又は前記方向制御弁(46)用の前記レセプタクル(45)及び/又は前記逆流防止装置(48)用の前記レセプタクル(47)は、前記シャーシ(2)又は別のモジュラー型ユニットから容易に分離可能なモジュラー型ユニットとして構築されており、
異なるタイプの弁用の又は異なるタイプの逆流防止装置用の前記レセプタクル(43、45、47)が、形態及び取付箇所に関する限り前記シャーシ(2)又はモジュラー型ユニットに対して完全な互換性を有することを特徴とする、洗剤ディスペンサ。
【請求項26】
前記モジュラー型レセプタクルユニット(43、45、47)は、スナップイン接続によって前記シャーシ(2)又は別のモジュラー型ユニットに結合されることを特徴とする請求項25に記載の洗剤ディスペンサ。
【請求項27】
該洗剤ディスペンサの前記シャーシ(2)及びその他のモジュラー型ユニットは、大部分がプラスチック材料、特にポリプロピレン材料から製造されていることを特徴とする請求項1〜26のいずれか一項に記載の洗剤ディスペンサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
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【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2008−522681(P2008−522681A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−544741(P2007−544741)
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014028
【国際公開番号】WO2006/061041
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014028
【国際公開番号】WO2006/061041
【国際公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)
【Fターム(参考)】
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