洗浄機器用の濾過装置
【課題】鉄錆などの種々の大きさの不純物の濾過に適用できるとともに、簡易な構成で安価な濾材で構成できる洗浄機器用の濾過装置を提供する。
【解決手段】洗浄機器に外部水源からの水を供給する給水経路中に設けた濾過装置である。該濾過装置は、一端に水の流入口、他端に流出口を有する濾過ケースと、該濾過ケース内に収容され周壁に複数の透孔を有する筒状のコア部材と、該コア部材に保持され布生地を筒状に巻いた濾材と該濾材を覆うように前記コア部材の一端に支持され、前記流入口からの水の流入方向と直角に対向する表面を有する保持板とを具備した構成とし、前記流入口からの水を、前記保持板で受けた後、前記濾材の外周面側から中心側に向けて水を通すことで濾過する。
【解決手段】洗浄機器に外部水源からの水を供給する給水経路中に設けた濾過装置である。該濾過装置は、一端に水の流入口、他端に流出口を有する濾過ケースと、該濾過ケース内に収容され周壁に複数の透孔を有する筒状のコア部材と、該コア部材に保持され布生地を筒状に巻いた濾材と該濾材を覆うように前記コア部材の一端に支持され、前記流入口からの水の流入方向と直角に対向する表面を有する保持板とを具備した構成とし、前記流入口からの水を、前記保持板で受けた後、前記濾材の外周面側から中心側に向けて水を通すことで濾過する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、水中の不純物を濾過する洗浄機器用の濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗浄機器として洗濯機や食器洗浄機などでは、例えば電磁式の給水弁を備え、該給水弁の入水口側を外部の水源(例えば水道水)と接続している。一般に、この種給水弁の入水口側には金属製のフィルタが装着され、例えば1インチ当たり60メッシュ、目開き0.24mm程度のメッシュ仕様のフィルタ構成としていて不純物の浸入を防止している。ところで、水源たる水道水にあっても不純物が混入する場合がある。例えば、水道の配管や貯水タンクなどの給水設備を有する場合では、その老朽化に基づき鉄錆(赤錆)が発生することがあり、これが混入して水道水が赤色に濁る場合(赤水)がある。
【0003】
このような、鉄錆を含む水使用は当然被洗浄物の汚れや変色或は洗浄用の槽体や通水経路の発錆を誘発するなどのおそれがあり、更には給水弁内部に堆積すれば動作不良を招くおそれもある。また、鉄錆の大きさは種々混在しており、例えば微細な数μm程度のものも多分に混入しており、上記した給水弁が有する一般的なフィルタ機能では、この種の微細な不純物を濾過できないのが現状である。
【0004】
そこで、例えば洗濯機が有する給水弁よりも上流側に、シート状の生地からなる濾材を有する濾過装置を設けた提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、一般的に水を通し濾過する濾材は、シート状の生地を一枚(一重)とするのを基本としているため、濾材の固定手段が簡易にできるとか通水性が良いことが考えられますが、その反面特に微細な不純物を通過させやすい。また、使用する生地材料に特定されるメッシュ相当となり、不純物の濾過性能が生地材料に限られた単調なものとなり、つまりその都度メッシュが変化して安定化しないとか、更には早期に目詰まり状態となるおそれがある。
【0005】
一方、外部水源として風呂水などの貯水源を利用すべく、給水ポンプを利用して給水し洗濯水として活用している。この風呂水利用は、節水および温水による良好な洗浄効果が期待できることから、この種給水ポンプを活用可能とする洗濯機も広く普及している。そして、風呂水の濾過手段として、例えばサイクロン式分離器を活用するなどして不純物を除去する提案がなされている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
また、給水ポンプ活用の給水経路の先端部にはフィルタ付の吸水口体を備え、これを浴槽内に投入する構成としている。しかしながら、該フィルタは一般的に早期に目詰まりしないように疎目の構成にあって、濾過性能としては十分とはいえないばかりか、風呂水が含む不純物は大きなものから微細なものまで多種多様であることから、安定した濾過機能が得がたく、しかも風呂水の使用では洗濯物の黄ばみや不快な臭いの要因である雑菌が発生し易く、洗濯水として使用するには更なる信頼性の向上が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−92330号公報
【特許文献2】特開2005−152212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、鉄錆などの種々の大きさの不純物の濾過に適用できるとともに、簡易な構成で安価な濾材で構成できる洗浄機器用の濾過装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施形態の洗浄機器用の濾過装置は、洗浄機器に外部水源からの水を供給する給水経路中に設けた濾過装置である。該濾過装置は、一端に水の流入口、他端に流出口を有する濾過ケースと、該濾過ケース内に収容され周壁に複数の透孔を有する筒状のコア部材と、該コア部材に保持され布生地を筒状に巻いた濾材と該濾材を覆うように前記コア部材の一端に支持され、前記流入口からの水の流入方向と直角に対向する表面を有する保持板とを具備した構成とし、前記流入口からの水を、前記保持板で受けた後、前記濾材の外周面側から中心側に向けて水を通すことで濾過する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態による濾過装置のセット状態を示す上半部の構成(a)、および使用状態(b)を示す全体構成の縦断面図
【図2】第1の実施形態による濾過装置を洗濯機に適用した状態を示す外観斜視図
【図3】第1の実施形態による濾過装置を含む給水経路の構成を示す分解斜視図
【図4】第1の実施形態による濾過装置の分解斜視図
【図5】第1の実施形態による濾材の巻き重ね手順(a)、(b)を示す図
【図6】第1の実施形態による保持板の変形例を示す外観斜視図(a)と、縦断面図(b)
【図7】同上の異なる変形例を示す図6(a)、(b)相当図
【図8】第2の実施形態による図1(b)相当図
【図9】第2の実施形態による図4相当図
【図10】その他の実施形態による図1(b)相当図
【図11】異なるその他の実施形態を示す図1(b)相当図
【図12】第3の実施形態による濾過装置と除菌装置の縦断面図
【図13】第3の実施形態による濾過装置と除菌装置を給水ポンプ内蔵の洗濯機に適用した状態を示す外観斜視図
【図14】第3の実施形態による図4相当図
【図15】第3の実施形態による除菌装置の分解斜視図
【図16】第3の実施形態による洗濯機内蔵の給水ポンプの周辺部分を拡大して示す部分断面図
【図17】第3の実施形態による電気的構成を示すブロック図
【図18】第3の実施形態による変形例を示す図15相当図
【図19】第4の実施形態による図12相当図
【図20】第4の実施形態による図13相当図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
以下、洗浄機器として洗濯機に適用し外部水源として水道水を利用する第1の実施形態について、まず図1〜図5を参照して説明する。
【0012】
そのうち図2は、洗濯機に適用した濾過装置の使用状態を示す外観斜視図で、該図面に示された洗濯機などの全般の構成について概述する。洗濯機1の外郭を形成する本体2は、大略矩形箱状の外箱3と、その上面側を覆うように被着されたトップカバー4とから構成されている。このトップカバー4には、前方に位置して操作パネル5を備え、ほぼ中央部には洗濯物の投入口(図示せず)を開閉する蓋6が設けられ、内部の図示しない槽体への洗濯物の出し入れを可能とし、更に後部には槽体に給水するための給水口7(詳細は後述する)が上方に突出して設けられている。
【0013】
なお、上記槽体としては一般的な構成として撹拌体と回転可能な多孔状の回転槽と、その周りに貯水可能に配置された水槽とから構成される。このような槽体を備えた洗濯機1は、基本的に洗い、すすぎ、脱水の各行程を自動的に運転する機能を備えている。そこで、前記給水口7には、外部水源たる水道栓8(通称「蛇口」という)からの水を供給するために、ホース継手9、可撓性の給水ホース10、および後述する水中の不純物を濾過する濾過装置11が連通接続され、所謂外部水源から給水口7に至る給水経路中に設けられた構成としている。
【0014】
図3は、上記給水経路中における一部構成をより具体的に示す分解斜視図で、特には濾過装置11を有する給水経路の連結構成について開示しており、以下具体的に説明する。まず前記給水口7について説明すると、該給水口7はトップカバー4から突出した円筒状をなし、その外周部には雄ねじ部7aを一体に形成しており、内周部には金属製のフィルタ12を装着し不純物の浸入を防止している。なお、外周部の基部には弾性を有する環状のパッキン13が介挿されていて、後述する濾過装置11との連結部における水漏れを防止する。この給水口7は、トップカバー4の裏面側に設けられた図示しない給水弁の入水口側と直結し、或は一体に形成されており、この給水口7と連通する給水弁を介して、その出水口側より槽体内に通じる内部給水経路を経て給水可能としている。
【0015】
そして、このような給水口7と前記給水ホース10との間に濾過装置11が連結されている。その濾過装置11は、外観形状が径大な円筒状をなす濾過ケース14と、該ケース14の上部に径小の円筒状をなす流入口15と、下部に同形状の流出口16とを備えている。そのうち、濾過装置11の下部側における連結構成としては、上記流出口16と給水口7とが連結される。例えば本実施形態では、流出口16の筒状内周面に雌ねじ部16aが形成され、これは給水口7側の雄ねじ部7aと噛合する構成としている。よって、この両ねじ部16a、7aにより締結され、パッキン13が挟圧されて水密に連結される。
【0016】
一方、濾過装置11の上部側においては、流入口15の外周面に雄ねじ部15aが形成されている。これに対し、給水ホース10の下端部にはナット部材17が装着されており、このナット部材17は筒状の開口部を兼ねた雌ねじ部17aと、これと一体の摘み部17bを回動可能に設けた構成としており、該雌ねじ部17aは濾過装置11の上部の雄ねじ部15aと噛合する構成にある。よって、濾過装置11を洗濯機1に連結固定した状態において、可撓性の給水ホース10により位置合わせしたナット部材17にて雄ねじ部15aと締結する。この場合も、流入口15の外周部の基部に介挿された弾性を有する環状のパッキン18が挟圧され、水密状態のもとに連結される。従って、各部所におけるねじ結合部分において、水密で着脱可能な連結構成をなしている。
【0017】
次いで、上記のように給水経路中に連結された濾過装置11の具体構成について、図1に示す濾過装置11の縦断面図、および図4に示す同分解斜視図に基づき説明する。そのうち、図1(a)は、濾過装置11をセットした使用前の状態における上半部を示し、同図(b)は、濾過装置11の使用状態を示す全体図で、ここでは全体の構成として同図(b)を参照して説明し、使用状態などの作用説明は後述する。まず、前記濾過ケース14について述べると、有底筒状で円筒容器状でもあるケース本体19と、その上面を覆うように設けたキャップ20のいずれも樹脂成形された二つの部材から構成されており、少なくともケース本体19は透明な樹脂材料(例えば、アクリルニトリルスチレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂など)で形成され、内部を透視可能としている。
【0018】
そのケース本体19は、その底部中央に一体に突設した前記流出口16を有するとともに、該流出口16の反対側である内方(図示上方)に突出する例えば円筒状の筒状壁部21を同心位置に一体に形成している。この筒状壁部21は、上記流出口16より径小であるため、その境界部に径方向の段部が形成されるので、該段部を利用して弾性を有する前記パッキン13が介挿されている。よって、パッキン13は前記給水口7(図3参照)と締結される際、該給水口7の先端部と上記段部との間で挟圧される構成としている。なお、ケース本体19の上部には、例えば円筒状開口端の内周面に雌ねじ部19aが一体に形成されている。
【0019】
これに対し前記キャップ20は、逆皿形状をなし中央部に外方(図示上方)に突設した前記流入口15を有するとともに、外周端面には前記ケース本体19の雌ねじ部19aに噛合する雄ねじ部20aを形成しており、これらをパッキン22を介して締結することで水密に連結し、且つ着脱可能な構成としている。
【0020】
このように構成された濾過ケース14内には、図1(b)および図4に示すようにケース本体19の底部中央に立設状態に支持された円筒状のコア部材23と、該コア部材23の外側に保持され水に含まれる不純物を除去するための濾材24と、これらコア部材23と濾材24の上面を覆うように装着された円盤状の保持板25が組み込まれ収容されている。
【0021】
具体的には、コア部材23は周壁のほぼ全面にわたって例えば格子状の複数の透孔23aを形成していて、通水性良好な構成としている。この円筒形状は、ケース本体19の底部中央に突設された筒状壁部21よりも若干径大に形成されていて、これに該コア部材23を嵌合することで立設状態に支持可能としている。もって、筒状壁部21はコア部材23を所定位置に着脱可能に立設支持するもので、所謂位置決め部材としても機能する。
【0022】
次いで、濾材24について述べると、これは上記コア部材23の外周側に巻き重ねが可能な布生地であればよく、例えば本実施形態では、古着、不要となったシャツや肌着、ストッキング、タオルなどの生地を総称して布生地といい、そのうち例えば比較的薄手の布生地をコア部材23の長さ寸法(図示高さ寸法)と同等の大きさに切り出して、これをコア部材23に多層に(例えば9層程度)巻き重ねるようにしたものである。
【0023】
この状態を図5(a)、(b)の濾材24の巻き重ね手順を示す図を参照して述べると、同図(a)に示すように濾材24となる布生地をコア部材23の長さ(高さ)寸法に沿う大きさ、および巻き重ねに必要な全長に合わせて切断するなどして、これを平坦状の適宜の台面上に広げた状態に用意する。この布生地の始端側にコア部材23を配置し、その外周面を布生地で包み込むように図中矢印方向に回動しつつ巻き付けていき、巻き付けた布生地の上に幾重にも巻き重ねて多層状に巻装する。所定長の布生地を巻き終えた状態を同図(b)に示すように、濾材24は布生地同士を巻き重ねて形成されているので容易に剥がれることがなく、結果としてコア部材23は、該コア部材23を心材として、その周りに布生地からなる濾材24を多層に巻装した状態に保持する。この巻き重ねを行なう場合、布生地の一部がコア部材23の上下端部から突出しないように、端面が揃った巻き重ね状態とするのが好ましい。
【0024】
このように、濾材24を多層に巻き重ねた状態に保持したコア部材23を、図4の分解図に示すようにキャップ20を取り外し上面を開放したケース本体19内に収容する。具体的には、前記したようにコア部材24の下端部を筒状壁部21に嵌合し保持する。この嵌合状態は、図1(b)に示すように若干の隙間S1を有する状態で容易に嵌め込むことができるようにしており、つまり容易な着脱性が得られるとともに嵌合支持できるように、例えば嵌合したコア部材24が容易に外れて倒れない高さの筒状壁部21としている。
【0025】
この結果、濾材24を含むコア部材23の所定の収容位置に立設状態に保持される。この場合、濾材24の大きさ(直径)は、該濾材24の円筒状外周面とケース本体19の内周面との間に十分な空間を確保できる大きさとしている。また、筒状壁部21の外周壁面とコア部材23の下端部の内周面との間には上記した隙間S1を生じるが、濾材24を含めた重量によりコア部材23の下端面がケース本体19の内底面上に密接した状態となり、上記隙間S1がコア部材23の下端部にわたり連続して外方に延びることはない。
【0026】
このように、濾材24とコア部材23との構成体がケース本体19内に収容された状態から前記保持板25が装着される。まず、この保持板25の構成について述べると、該保持板25は表面たる上面が平坦で円盤状をなす主体部26と、その裏面側の中央部に例えば円筒状或は円柱状でも可とする円環状の支持突部27とを一体に備えた構成を基本的構成としている。この円環状の支持突部27は、前記した底部側における筒状壁部21とコア部材23の下端部との隙間S1を有する嵌合状態と同様に、コア部材23の上端部内周面とは若干の隙間S1を介して嵌合し支持される形態としている。ただし、隙間S1は径方向の隙間であるため、実際には片方に偏った場合の隙間は大きくなる。このような支持形態において、保持板25(主体部26)の裏面側がコア部材23の一端たる上端面と当接した正規の組み込み状態では、該保持板25は水平状態に支持される(図1(b)参照)。
【0027】
ただし、本実施形態では上記保持板25の基本的構成に加えて、特に図4に明示するように保持板25の主体部26の水平な表面である上面に、その中心部から放射状に延びる複数の突起部28を設けている。この突起部28は、前記キャップ20の流入口15の開口と対向する中心部位を除き放射状に形成され、且つ板状に突出した形状としている。なお、この放射状の突起部28は、詳細な作用説明は後述するが上記流入口15から流入した水を受けて、その水の流れを外周方向に均等に分散することにあることから、該突起部28は板状に限らず、例えば断面山形状としてもよいし、或は連続した突起部形状でなくてもよいなど、種々変形して実施可能である。
【0028】
上記構成の保持板25をコア部材23に嵌合支持しケース本体19内に収容した後、ケース本体19の上面開口にキャップ20を被着する。具体的には、両者間にパッキン22を介挿した状態で、雄ねじ部20aと雌ねじ部19aとを締結することで、該連結部を水密とする中空容器状の濾過ケース14が構成され、もって内部に濾材24などの濾過機能を備えた濾過装置11が構成され、該濾過装置11を介して前記したように水道栓8から洗濯機1の給水口7に至る給水経路が構成される(図2参照)。
【0029】
なお、図2中に示す符号43は、本体2内蔵の給水ポンプ44に直結されたポンプ用の給水口で、詳細な説明は後述する。このポンプ用の給水口43は、トップカバー4の後部において前記給水口7と対峙する位置に設けられており、他方の給水口7は所謂水道(水)用の給水口に相当すると言える。
【0030】
次に、上記構成の洗濯機1に適用した濾過装置11の作用を述べる。
水源たる水道栓8を開放し、操作パネル5を操作して所望する運転コースを設定して運転をスタートすることで、図示しない制御装置により制御され例えば洗い行程やすすぎ行程、および脱水行程などの運転が自動的に実行される。そのうちの洗い行程における給水動作について述べると、洗濯機1が有する図示しない給水弁が開放動作し、水道栓8からの水道水は給水ホース10、濾過装置11、および上記給水弁の上流側に位置する給水口7等を経て本体2内の槽体(図示せず)に給水される。
【0031】
以下、上記給水動作における濾過装置11の作用について、詳細に述べる。
まず、濾過装置11の使用状態を示す図1(b)を参照して説明すると、水道栓8から給水ホース10に流れた水道水は、濾過装置11の流入口15から濾過ケース14内に流入する。この流入した水は、その流入方向(図中、矢印Aで示す)と直角に対向する表面を有する保持板25にて受けられることから、その流れは変換されて水平(横)方向の外周側(矢印Bで示す)に向けて流れる。この場合、本実施形態では保持板25の表面には中心側から外周側に延びる放射状の突起部28を有するので、該突起部28により矢印Bで示す周方向の水の流れは、均等に分散する作用を受けて流れる。しかも、保持板25は濾材24の上端部を覆うように装着され、且つ流入する水の圧力を受けて裏面側のコア部材23および濾材24を上方から押圧する作用も相俟って、該濾材24の端面側からの水の流入を確実に阻止する。
【0032】
そして、水は保持板25の外周端から濾過ケース14の内周面に沿って下方に流下する。この濾過ケース14内に流下した水は、濾材24の下方部分を浸漬した状態とするが、濾材24の内部構成が布生地を多層に巻き重ね密着した状態にあるから、水が該濾材24の内部を直ちに通り抜けることはなく、そのうちに水は濾過ケース14内の余白空間を埋めるように供給され(矢印Cで示す)、該濾過ケース14内を急速に満水状態とする。
【0033】
この結果、濾過ケース14内には水道水圧が加わり、水を通すことが可能な濾材24を通して流れるようになる。具体的には、水は濾材24の外周囲から内部のコア部材23の透孔23aを経て中心側に流出し(矢印Dで示す)、濾過ケース14底部の壁部筒状21および流出口16を経て(矢印Eで示す)、図1、2に示す洗濯機1の給水口7に供給され、図示しない給水弁を介して槽体内への給水が行なわれる。このように、給水の全てが濾材24を通して濾過されるので、給水弁の入水口側たる給水口7が通常有するフィルタ12では除去できない不純物はもとより、水道水に微細な鉄錆(赤錆)が混入している場合でも有効に除去でき、下流側における給水弁や槽体内に不純物を濾過した清浄な水を送ることができる。
【0034】
また、保持板25は、上記したように濾材24の上端部である円筒状の端面からの水の流入を阻止するとともに、流入する水の矢印A方向の流れを矢印B方向に直角に変換して、下流側の濾材24の外周側に流下するよう案内し、延いては濾材24の円筒状の外周側から内方に向けて濾過するに有効な水の流れを得るなど、濾過装置11にとって有効な作用を発揮する。のみならず、更にそれ以外にも濾材24の上端部を押下する作用を有し、例えば布生地の巻き重ねが不揃いな濾材24における不具合を解消する利便性を有している。
【0035】
以下、その一例につき具体的に説明すると、不揃いな原因として濾材24を構成する布生地を図5(b)に示すようにコア部材23に正確に巻き重ねができない場合が考えられる。例えば、布生地をコア部材23の長さ(高さ)に揃えた大きさにしてあっても、手作業では多層に巻き重ね円筒状に巻装した状態の途中の一部が突出する場合が考えられる。図1(a)は、このような布生地の一部が上方に突出した状態にて濾過装置11としてセットされた使用前(給水動作前)の一例を示している。すなわち、円筒状をなす濾材24の上端部が突出した不揃いの状態では、保持板25を正規の位置より持ち上げた状態とし、該保持板25の裏面と本来密着状態に接合するコア部材23の上端面との間に、上下方向の隙間S2を生じることとなる。
【0036】
この結果、この隙間S2は前記支持突部27との間の隙間S1と連通した状態となる。また、濾材24の上端面と保持板25との間にも、本来実質的に上下方向の隙間は生じないのに不規則(含む不連続)な隙間S3が形成されることがある。そして、このような状態のまま(図1(a)参照)給水動作が開始された場合、濾過ケース14内が水で満たされると、前記したように本来ならば水道水圧を受けて濾材24の外周面側から水を通して全ての水が有効に濾過されるところ、このケースでは隙間S3を生じた状態にあり、更にその先には隙間S2、S1に連なるため、これら隙間を通しての通水抵抗は弱く、その外側から水が流入し始める(図中矢印Gで示す)。この場合、上記隙間S3の分布は横広がりした状態になり易く、この場合には矢印Gで示す流入通路は周方向に広がった態様となる。
【0037】
この矢印G方向に流入した水は、水道水圧を受けて突出した布生地の一部を変形しながら流れ込み、当初不連続な隙間S3であっても強制的に連続した隙間通路が形成される。そして、その内方側における連続した隙間S2、S1と連通した状態に至り、これら連通した隙間経路を介して水が流入し、コア部材23の中空部を経て流出することになる。つまり、隙間経路を介して流れる水に対しては鉄錆などの不純物を除去する本来の濾過作用が機能せず、水源の水がそのまま給水弁を経て洗濯機1に供給されるおそれがある。
【0038】
ところが、本実施形態の保持板25の主体部26は、矢印A方向と対向する表面を有することから、水道水圧に基づく同矢印A方向の流動的な水圧を直に受けて該保持板25には押下する方向の圧力が作用する。このことは、布生地(濾材24)の突出した一部を押圧する作用を奏し、その上下方向の隙間S3はもとより、併せて前記隙間S2に対しても隙間寸法を縮小する方向に作用し、延いてはこれら隙間S3、S2を解消することが可能である。
【0039】
よって、その後は図1(b)に基づき説明したように水の濾過作用が有効に行なわれる。そして、その鉄錆(赤錆)などの不純物による濾材24の汚れ具合は、透明なケース本体19の外部から目視でき、濾材24の交換時期を容易に判別することができる。なお、布生地の巻き重ねによる濾材24の端面が不揃いになることは下端部でも同様に生じるが、この場合は濾材24のほぼ全重量が一部突出した部位に加わることで、濾過ケース14内の所定位置に収容されることで隙間を生じることなく適切な状態にセットすることができる。
【0040】
これに対し、図6および図7は上記実施形態で延べた保持板25に関する変形例を示すもので、上記実施形態と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる点につき詳細に述べる。
【0041】
まず、図6(a)には保持板25の外観斜視図、同図(b)には保持板25の断面図を示すように、該変形例は基本的構成とする保持板25であることは上記実施形態のものと実質的に共通で、ただこれに凹状部29を設けた点で異なるものである。従って、その余の濾過装置11の組立構成などは全て上記実施形態と共通である。そこで凹状部29について詳述すると、これは主体部26の平坦面をなす表面中央部で円形状に窪んだ形状にあって、裏面側の支持突部27に対応した同心位置に形成している。よって、該凹状部29は濾過ケース14内に組み込まれた状態(例えば、図1(a)、(b)参照)では、流入口15に対向した位置にあって、要は流入口15から流入した水を直接受ける部位に形成してあればよい。
【0042】
斯かる構成によれば、流入口15から流入した水を保持板25の平坦面で受けた場合は、直ちに横方向に分散するが、凹状部29で水を受けた場合は、該凹状部29の内周壁部が抵抗となって水を受け止める作用が助長され、このため水道水圧に基づく保持板25が受ける水圧を高めることができる。つまり、保持板25を押下する作用が助長され、該保持板25とコア部材23との嵌合支持を確実にするとともに、濾材24の上端部を押圧して、前記した発生し易い隙間S3(図1(a)参照)を抑えるのに一層有効に作用する。
【0043】
これに対し、図7(a)、(b)は異なる変形例を示す上記図6(a)、(b)相当図で、これは基本的構成の保持板25に対し、主体部26の外周囲に上方に起立した立壁部30を形成することで、表面全体に凹状部31を形成したものである。この場合、上記実施形態における放射状の突起部28を取り除いた構成としている。
【0044】
斯かる構成によれば、上記変形例と同様に凹状部31で水を受け、その外周部の立壁部30が水の分散の抵抗となって水を受け止める作用が助長されることから、水道水圧に基づく保持板25が受ける水圧が高まる。よって、保持板25の押下作用を受けて該保持板25とコア部材23との嵌合支持を確実にするとともに、濾材24の上端部を押圧して、前記した発生し易い隙間S3(図1(a)参照)を抑えるのに一層有効に作用する。なお、この変形例では主体部26のほぼ全表面に及ぶ径大な凹状部31であることから、偏った押下作用でなく保持板25全体による安定した押下作用が期待できる点で有利である。また、凹状部31の内容積が大きいことから、水道水圧に加えて多量の水を受け止めようとすることによる重量的負荷に基づき保持板25を押下する作用が一層助長されることが期待できる。
【0045】
以上説明したように、洗濯機1の濾過装置11に適用した第1の実施形態によれば、次のような効果が期待できる。
通常洗濯機1が有する給水弁の上流側に、鉄錆(赤錆)などの不純物を除去する濾過装置11を設けたので、不純物による給水弁の動作不良や錆の誘発などの憂いを回避でき、洗濯物への汚れや変色(黄ばみ)などの問題も解消できる。加えて、水道水等の水源に対する使用可能な自由度が増し、使用地域の水事情の制約を受けることなく洗濯水として有効利用できる。
【0046】
そして、前記濾過装置11は、その濾過ケース14内にコア部材23に保持され布生地を筒状に巻き重ねてなる濾材24を収容するとともに、コア部材23の上部に支持され濾材24の上端面を覆うように円盤状の保持板25を設けた。この保持板25は、濾過ケース14内に流入した水を直接受けて外周方向に流れを変換し分散することで、前記濾材24の外周面側から中心側に向けて水を通し、効果的な濾過機能を促進するに有効である。しかも、保持板25は濾材24を覆うようにしているので、濾材24の上端面側から短絡的に水が流入するのを防止している。
【0047】
よって、濾材24は布生地を多層に巻き重ねることができるので、その濾過範囲を広げるとともに、鉄錆など微細な不純物を効果的に除去できる。また、巻き重ねることで布生地の種類としても広く活用できるとともに、その巻き重ね量も自由裁量で採用できることから、例えばシャツの古着などの衣類全般、ストッキング、タオルなど、各家庭で自由に選択利用できるので、例えばイオン交換樹脂のような高価で入手困難なことはなく濾材24は容易に入手できるとともに、当然安価に実施運用できるなど簡易的で利便性に優れた濾過装置11を提供できる。
【0048】
また、保持板25は、その主体部26が図1中に示す矢印A方向と対向する表面を有することから、水道水圧に基づく同矢印A方向の流動的な水圧を直に受けて該保持板25には下流側へ押下する方向の圧力が作用する。これにより、コア部材23による保持板25の嵌合状態を維持するに有効であるとともに、濾材24を覆うように設けた保持板25は、濾材24の端面に布生地(濾材24)の巻き重ねの一部が突出していても、これを押さえ込むように押圧して、図中隙間S3で示す空隙を縮小し、延いてはなくすことが可能となり、隙間S3からの水の流れを防止できる。このことは、濾材24の筒状の外周面側から中心側に向かって流れる濾過するに有効な水の流れが得られ、濾材24全体を有効活用できる。
【0049】
このように、濾過ケース14内への流入する水を直接受ける保持板25は、その平坦状をなす主体部26の表面に中心側から外方に放射状に延びる突起部28を設けたので、水を外周方向(横方向)に均等に分散して流すことができ、該保持板25にかかる水圧や水流の偏りを抑制でき、渦流などを生じないスムーズな水の流れが期待できる。
【0050】
一方、前記濾材24を収容する濾過ケース14は、本実施形態では円筒容器状のケース本体19とキャップ20とをねじ結合による着脱容易な締結手段を用いていること、および濾材24や保持板25を所定位置に収容し保持するコア部材23も、ケース本体19底部の筒状壁部21に隙間S1を介して嵌合支持する構成で、やはり着脱容易な支持手段としている。よって、使用者による濾材24を交換する場合等の脱着操作は簡単で使い勝手が良い。
【0051】
しかも、その濾材24の交換時期を判別する手段として、ケース本体19を透明な樹脂材料で形成し、鉄錆(赤錆)などの不純物による濾材24の汚れ具合を外部から容易に確認できるようにした。従って、地域の水事情による汚れ具合に応じて、その交換時期を逸することなく交換できて適正な給水動作および不純物に対する有効な濾過作用が期待できる。ただし、透明とする構成はケース本体19のみに限らず、例えば濾過ケース14全体を透明としてもよいし、或は内部を透視できる部分的な透明範囲を設ける構成であってもよい。
【0052】
これに対し、図6および図7に示す異なる変形例にあっては、いずれも濾過ケース14内に流入する水を受ける保持板25において、水がすぐさま外周方向(横方向)に分散しようとする流れの抵抗となる凹状部29、31を夫々設けたもので、この水を受け止めようとする作用が助長され、保持板25が受ける水圧を高めることが可能となる。これにより、保持板25を押下する作用が助長され、該保持板25とコア部材23との嵌合支持を確実にするとともに、濾材24の上端部を押圧して隙間S3(図1(a)参照)を抑えるなど、濾過するに有効な水の流れを得ることができる。そのうち、図7の変形例では保持板25全体に安定した押下作用が得られるとともに、水を受け止めようとする内容積が大きいことから重量による押下作用が一層助長されることが期待できる。
【0053】
なお、上記実施形態では保持板25とコア部材23とは別部材として組み込む構成としたが、これに限らず、例えば保持板とコア部材を一体化して、その脱着操作を簡便に行なえるようにすることも可能である。
【0054】
(第2の実施形態)
上記に対し、図8、9は第2の実施形態を示すもので、その図8は図1(b)相当図、図9は図4相当図である。以下、上記第1の実施形態と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0055】
本実施形態の濾過装置38は、上記実施形態のものが濾材24をコア部材23の外部に保持した構成であるのに対し、濾材32をコア部材33の内部に保持した構成とする点で相違する。このため、コア部材33および保持板34は、以下に述べる構成を特徴としている。
【0056】
まず、コア部材33は径大で有底円筒状の形態をなしている。その周壁には格子状の透孔33aを複数形成し、底壁には中央部に円形状の穴部33bを形成している。この穴部33bは、ケース本体19底部の筒状壁部36に着脱可能に嵌合している。なお、筒状壁部36は、上記実施形態でいう筒状壁部21に対し、筒状に突出する高さを低くした点で相違するのみである。その理由は本実施形態では、上記コア部材33は径大とする広い底部で倒れることなく支持される。従って、コア部材33の所定位置に載置支持すべく穴部33bと筒状壁部36とが嵌合した状態(位置ずれ防止の状態)にあればよいことから、筒状壁部36はコア部材33の底部の厚さ程度で十分であり、該筒状壁部36はコア部材33を所定の収容位置で支持する位置決め部材として機能する意義が高い。
【0057】
そして、保持板34は上記コア部材33の筒状の一端たる上端部で嵌合支持されるように、円盤状の主体部37の外周端部において、下方に突出した円環状の支持突部35を一体に形成している。すなわち、支持突部35はコア部材33の外径より若干径大な内径形状とし、例えば上記実施形態で述べたと同様の隙間S1を有し、もって着脱容易に嵌合支持される構成としている。
【0058】
一方、濾材32は布生地自体を巻き重ねた形態で、上記実施形態で述べた布生地と共通であるが、できるだけ長い(長尺)のが好ましい。ただし、短い布生地であっても補充しながら巻き重ねて多層にし、所望の径大の円筒状に構成することは可能であるとともに、コア部材33の内部にできるだけ余白を生じない筒状の大きさ(径大)とするのが好ましい。
【0059】
なお、図8中に示す矢印A〜Eは水の流れ方向を示しており、上記実施形態の図1(b)に同一符号で示す水の流れと実質的に同じであることを示している。ただ、本実施形態では、経路としてコア部材33から内部の濾材32を経て流れる点でのみ上記実施形態と異なる。また、濾材32の中心部は巻き始め端部であって、布生地同士の重なり具合(密着度)が少ないことから、この中心部から水は下方に流れる傾向を生じ(矢印Dで示す)、下方の流出口16からスムーズに流出する(矢印Eで示す)。
【0060】
このように本実施形態によれば、コア部材33の内部に濾材32を収容保持したことに基づき、第1の実施形態と若干異なる形状とする構成にあるが、濾材32による濾過機能をはじめ、保持板34やコア部材33等においても共通の機能を有するなど、濾過装置38としての全般の機能も実質的に第1の実施形態と共通である。ただ、濾材32の上端面は保持板34で覆われ、外側面はコア部材33で包囲された形態にあるため、巻き重ねた濾材32が解かれて乱れるようなことはない。なお、図9では濾過装置11の個々の構成部品を分解して示しているが、濾材32などを濾過ケース14内に使用可能なセット状態にする場合には、例えばコア部材33内に予め濾材32を収容し保持した状態で、ケース本体19内に収容し組み込むようにすれば一層容易に行なえる。
【0061】
(その他の実施形態)
上記した各実施形態では、いずれも濾材をコア部材に保持した構成としているが、この実施形態ではコア部材の保持を不要とするなど、次のように変形または拡張することができる。なお、上記各実施形態と同一部分には同一符号を付すとともに、異なる部分につき詳細に述べる。
【0062】
まず、図10はその他の実施形態を示す図1(b)相当図で、この濾過装置39は、例えば第2の実施形態(図8参照)で述べた濾材32と実質的に共通で、つまり布生地のみを巻き重ねてなる濾材32にあって、これをケース本体19内に直接載置し収容したものである。この場合、布生地を巻き重ねた円筒状のまま設置した状態にあるが、濾材32の多層に巻き重ねたことによる重量を利用し載置した立設状態に支持可能としている。従って、濾材32を載置するケース本体19の底部は、中央部に下方の流出口16に連通する通水孔19bのみが開口したフラットな底面をなしている。
【0063】
この濾材32の上端部を覆うように設けた平盤状の保持板40は、その平坦状の裏面を濾材32の上端面に接合した状態に載置され支持されている。なお、該実施形態では保持板40の裏面の中心部に、僅かに下方に突出する凸部41を形成していて、これを濾材32の巻き始めである中心部の隙間などを利用して挿入することで、濾材32に対する保持板40の位置ずれを防ぐようにしている。その余の濾過ケース14の構成など、上記各実施形態と共通の構成にある。
【0064】
斯かる構成によれば、給水動作時には保持板40は流入口15からの水を受けて(矢印Aで示す)、矢印Bで示す横方向に水の流れを変換し、以下矢印C、D、Eの順に流れ、濾材32による濾過作用は上記各実施形態と実質的に同様に良好に行なわれる。また保持板40は、矢印A方向に流入する水圧を受けて濾材32の上端面と接合状態に確実に支持され、保持板40としての機能を発揮できる。また、濾材32を支持するコア部材などを省略できるので、最もシンプルで安価な濾過装置39を提供できる。なお、布生地の種類などにより濾材32の巻き終わりの端部が剥がれるおそれがある場合には、例えば濾材32の周方向に紐類(糸や輪ゴムなど)を宛がい結束するようにしてもよい。
【0065】
一方、図11は異なるその他の実施形態を示す図1(b)相当図で、この濾過装置42は、ケース本体19内底部の外周部に突設され、載置収容された濾材32の下部外側部を保持する環状の突段部19cを設けている。また、濾材32の上部を覆う保持板34は第2の実施形態(図8参照)のものと実質的に共通としている。
【0066】
斯かる構成によれば、上記図10に示す実施形態に対して、濾材32が移動しようとした場合に突段部19cにより阻止できる点で優れている。なお、図中水の流れを示す矢印A〜Eは省略するが、上記各実施形態と同様で良好な濾過機能を発揮する。また、保持板34は上記図10の実施形態に示す保持板40との間において互に転用して実施可能であるなど、該保持板34の形態は他にも種々展開可能である。
【0067】
上記各実施形態では、外部水源として水道水を利用した給水経路に設けた濾過装置について述べたが、図12〜図20は第3および第4の実施形態を示し、いずれも外部水源として風呂水(浴槽にも相当)などの貯水源に対し給水ポンプを利用した給水経路に設けた濾過装置に関するもので、上記各実施形態と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分につき詳細に説明する。
【0068】
(第3の実施形態)
そのうち図12〜図18は、第3の実施形態およびその変形例を示すもので、まず図13に示す濾過装置と除菌装置をポンプ内蔵の洗濯機に適用した状態を示す外観斜視図に基づき、全般の構成について概述する。この図13では、洗濯機1のトップカバー4に内蔵の給水ポンプ44(図中、破線で示す)を利用してポンプ用の給水口43(図中、破線で示す)から本体2内部の図示しない槽体に給水可能な状態を示しており、上記給水口43にはポンプ用としての給水ホース45の一端が接続され、他端たる先端部は外部給水源である図示しない例えば浴槽(風呂水)などの貯水源にまで延びた、所謂給水経路を構成している。
【0069】
まず上記給水ホース45の概略構成につき述べると、その先端部は浴槽内(風呂水中)に投入される吸水口体46を備え、該吸水口体46の吸水部位には図示しないが通常疎目のフィルタ機能を備えている。そして、この給水ホース45の途中部位に連通接続された後述する浄水化ユニット47を介して分断されていて、具体的には先端に上記吸水口体46を有する側を第1のホース45aとし、および他方の洗濯機1側でもあるポンプ用の給水口43に接続される側を第2のホース45bとして述べる。
【0070】
次いで、前記した給水ポンプ44の周辺部分を拡大して示す図16に基づき説明すると、給水ポンプ44は周知のようにポンプ用モータおよびポンプ用羽根車(いずれも図示せず)を具備してなり、該給水ポンプ44の吐出側には槽体に通ずる内部給水ホース48が接続されている。一方、該給水ポンプ44の吸入側には前記給水口43が一体的に設けられ、その筒状の上端部がトップカバー4の上面から突出している。なお、図16中に示す実線矢印は、給水ポンプ44の稼動により給水経路内の水の流れ方向を示しており、先の図13中に示す実線矢印も同様である。
【0071】
更に、同図16に基づき既述の給水ホース45の具体構成等につき述べる。まず給水ホース45の第2のホース45bと、給水口43との接続手段につき述べると、第2のホース45bの先端部には樹脂製による接続部材49が設けられ、該接続部材49は円筒状の嵌合筒部49aと、抜け止めレバー部49bとを一体に備えている。この抜け止めレバー部49bは、嵌合筒部49aとの連接部をヒンジ機能としてシーソー運動可能なレバー形状をなしており、その一端たる下端部を爪状に形成している。
【0072】
従って、嵌合筒部49aを給水口43に挿入することで、パッキン50を介して水密状態に嵌合され、この嵌合状態を保持すべく、抜け止めレバー部49bの爪状下端部がトップカバー4の係合孔4aに挿入され係合する。これにより、抜け止めレバー部49bの動きは拘束されて該状態に保持され、もって接続部材49(嵌合筒部49a)と給水口43との接続状態が保持される。なお、抜け止めレバー部49bの上端部を押圧すれば、下端部が回動して係合状態が外され、嵌合筒部49aを給水口43から容易に離脱することができ、もって挿脱自在に嵌合接続される構成としている。
【0073】
そして、上記接続部材49と第2のホース45bとは、第1のコネクタ部材51を介して通水可能に連通接続されている。そこで、第1のコネクタ部材51について述べる前に、まず第2のホース45bの具体構成につき述べると、当該給水ホース45は樹脂製で全体に蛇腹状に形成され、弾力性および可撓性を有するホース構成としている。そのうち第2のホース45bは、その蛇腹形状を維持すべく弾性力を強化するように、内面側の螺旋状に沿って芯部材52が一体的に溶着されている。
【0074】
このため芯部材52は、硬質な金属線であるとともに導電性を有する導線53を芯に、その周りを樹脂製の絶縁性被膜54で覆った構成とし、該絶縁性被膜54を介して第2のホース45bと溶着により固着され、よって芯部材52(導線53)は後述するように電線ケーブルとしても機能するものである。
【0075】
ここで、前記第1のコネクタ部材51につき詳述すると、該コネクタ部材51の一端は前記導線53と電気的に接続され、他端はトップカバー4側に設けられたソケット部材55と着脱可能に接続され、同時に電気的にも接続可能としている。すなわち、このソケット部材55は、後述する洗濯機1から電源が供給されるように接続され、該洗濯機1の制御回路72(図17参照)に接続されて洗濯機1の運転に伴い自動的に通断電制御される構成としている。
【0076】
これに対し、この第2のホース45bの他端は、図13に示すように前記浄水化ユニット47と通水可能に連通接続され、且つ電気的にも接続されるが、その詳細は後述する。また、他方の第1のホース45aの一端も浄水化ユニット47と通水可能に連通接続される。そこで、次いで浄水化ユニット47の構成につき述べると、これは図12の縦断面図に示すように、濾過装置11と、除菌装置56とを具備し、これらをユニットケース57で囲ったユニット構成としている。
【0077】
しかるに、上記濾過装置11は、先の第1の実施形態(図1および図4参照)で述べたものと基本的に共通とするものであるが、例えば本実施形態を示す図12および図14の分解斜視図(図4相当図)と対比した場合、本実施形態に示す保持板25は、上面に放射状の突起部28を有しない基本的構成を示している。なお、突起部28は必要に応じて適宜に採用すればよいものであり、また上下部に設けた筒状の流入口15、流出口16には結合用のねじ部を有しない構成としているが、このねじによる結合手段は内部の濾過機能と何ら影響がないなど、実質的に同一の構成に相当することから、本実施形態においても上記濾過装置11と共通とするものであり、よって図12中には主たる構成部分に同一符号を付して説明は省略する。
【0078】
この濾過装置11に隣接して除菌装置56が配置され、該除菌装置56は中空円筒状の
除菌タンク58内の中心部に紫外線ランプ59を設けた構成からなり、更に本実施形態では除菌タンク58の上部に該タンク58内の水位を検出する水位センサ71を備えている。除菌装置56は、具体的には図15の分解斜視図に示すように有底筒状で円筒容器状でもあるタンク本体60と、その上面を覆うように水密に接合された蓋体61とで上記除菌タンク58を構成し、一方紫外線ランプ59は内部の発光管59aを覆う石英ガラス管59bからなるもので、該紫外線ランプ59は上記除菌タンク58と水密状態に組み込まれ、内方上部から垂下した状態に設けられている。そして、除菌タンク58の上部たる蓋体61には、上方に延びる筒状の流出口62を備え、下部の底部近傍には側方に延びる筒状の流入口63を備えている。
【0079】
更には、同図12に示すように上記濾過装置11と除菌装置56は、その下部において通水可能に連通接続されている。具体的には、濾過装置11の底部の流出口16と除菌装置56の底部の流入口63とは、例えばT字状の継手部材64を介して連通している。例えばこの継手部材64は、T字状に沿って三叉路となす水路を有し、そのうちの一つの水路は水抜き用の管路としての水抜き管65に接続され、水抜き栓66を経てユニットケース57の外方に排水可能としている。
【0080】
一方、ユニットケース57は、同図12に示すように上記濾過装置11と除菌装置56を包含する容器状をなし、その底面にて平坦状の床面に設置可能としている(図13参照)。このユニットケース57の上部では、濾材24の交換ができるようにキャップ20より径大な取出口67を設け、該取出口67を覆うように着脱可能に弾性的に被着された着脱蓋68を備え、該着脱蓋68の中央には、上記流入口15が貫通して上方に突出している。なお、この突出した流入口15には、図13で開示したポンプ用の給水ホース45を構成する第1のホース45aが挿脱可能に嵌合され接続されている。
【0081】
他方、ユニットケース57の除菌装置56側における上部にあっては、流出口62が貫通して上方に突出しているが、これを除き覆われた構成としている。なお、この突出した流出口62には、図13で開示した給水ホース45を構成する第2のホース45bが連通接続されている。
【0082】
この場合、第2のホース45bの接続とともに電気的な接続も可能としている。すなわち、該ホース45bの基端部には、図12に示すように芯部材52の導線53(図16参照)と電気的に接続された第2のコネクタ69が一体的に設けられ、ユニットケース57側に設けられた第2のソケット部材70と電気的に接続されるようにしている。このソケット部材70からユニットケース57内に導入された導線は(図示せず)、前記紫外線ランプ59および水位センサ71と電気的に接続され電源を供給可能としている。なお、図13中には、第2のホース45b内に螺旋状に配設された上記芯部材52を1本の破線で示している。
【0083】
そして、図17には本実施形態の電気的構成を主な機能ブロックの組み合わせにより示したもので、制御回路72はマイクロコンピュータを主体に構成されたもので、洗濯機1の作動全般を制御する制御プログラムを有している。この制御回路72の入力ポートには、操作パネル5の各種スイッチの操作部5aからの操作信号、図示しない槽体内の洗濯水位を検出する水位センサ73からの水位検出信号、回転速度から洗濯物量を測定するため、運転開始初期におけるモータ74の回転速度を検出する回転センサ75からの回転速度信号等が与えられるようにしている。
【0084】
これに対し、出力ポートには、洗い、すすぎ、脱水運転等の駆動源であるモータ74、水道水を供給するための給水弁76、槽体内の水を排出する排水弁77、前記した風呂水を供給するための給水ポンプ44等が接続されている。
【0085】
更に、本実施形態では前記したように洗濯機1外の給水経路たる給水ホース45の通水路中に設けた除菌装置56は、その第2のホース45bに沿う芯部材52(導線53)を通じて洗濯機1側と電気的に接続可能な構成としている。例えば、同図17に示すように除菌装置56の紫外線ランプ59、および水位センサ71はコネクタ51等を介して制御回路72に接続され、その動作を洗濯機1の運転に伴い制御可能としている。
なお、上記した図17中に示す符号5a、72〜77は、当該図17を説明するためのみに付した符号である。
【0086】
次に、上記構成の給水ポンプ44を備えた洗濯機1において、給水動作時における浄水化ユニット47の作用を主に述べる。ただし、浄水化ユニット47を構成するうちの濾過装置11については、既述の第1の実施形態の作用説明と実質的に同一であるため簡略的に述べる。この実施形態では、洗濯機1が内蔵する給水ポンプ44を利用した運転が実行される。この場合、図13に示されるように給水ホース45はポンプ用の給水口43(詳細は図16参照)に接続され、同時にそのうちの第2のホース45b内に螺旋状に沿って設けられた芯部材52(導線53)を通じて、除菌装置56と洗濯機1側(制御回路72)とは電気的に接続される。
【0087】
この状態で、図示しない洗濯物を槽体内に投入し洗濯運転の準備が整ったならば、操作パネル5の操作部5a(図17のみ示す)を操作し、給水ポンプ44を利用した洗濯運転コース等を設定し、運転をスタートさせる。図17に示す回転センサ75は、運転初期のモータ74の回転数を検出し、その検出信号を入力した制御回路72は洗濯物の重量および必要な水位を決定する。所定水位まで給水されると、これを水位センサ73が検出して給水ポンプ44を消勢して給水動作を完了し、洗濯物を洗浄する洗濯運転が開始される。
【0088】
このように、本実施形態では上記給水動作は給水ポンプ44を利用しているので、例えば外部水源としての風呂水を給水利用する場合につき具体的に説明する。図13に示すように、給水ポンプ44が駆動することで、浴槽内に投入された吸水口体46から風呂水が吸入され、給水ホース45を介して実線矢印方向に送水される。この給水途中で、浄水化ユニット47を経て風呂水は浄水化され、そして図16に示す給水口43、給水ポンプ44、および内部給水ホース48を介して槽体内に供給される(同図中、実線矢印方向で示す)。
【0089】
そこで、図12に基づき上記浄水化ユニット47の作用について述べると、風呂水は最初に第1のホース45aから濾過装置11内に取り込まれる。同図中の実線矢印で示すように、水は保持板25でガイドされ拡散するように外周方向に流れ、円筒状に巻装された濾材24の側方から内方に向けて貫通して流れ、その間に各種の不純物が濾過されて除かれる。この不純物が濾過された風呂水は、下方に流下し継手部材64を介して除菌装置56側に流入する。当然ながら、水抜き栓66は閉鎖状態(手動操作)にあって水抜き管65側への水路は閉ざされた状態にある。
【0090】
除菌装置56の下部から流入した水(風呂水)は、除菌タンク58内の下方から上昇し、やがて紫外線ランプ59のほぼ全体を浸漬する高水位に達すると、これを水位センサ71が検出する。この検出信号を受けた制御回路72は、図17に示すように紫外線ランプ59(発光管59a)を点灯制御し、除菌タンク58内の通水に対して紫外線を照射する。紫外線ランプ59は、その全体がほぼ水中にあって紫外線の照射を開始するので、水中の雑菌に対する殺菌作用は無駄なく効果的に行なわれる。
【0091】
更に、給水ポンプ44による給水動作が継続し、浄水化した水は除菌タンク58の上部の流出口62から第2のホース45bを経て洗濯機1に取り込まれる。具体的には、図16に示すようにポンプ用の給水口43から給水ポンプ44内に吸入され、該ポンプ44の吐出側に接続された内部給水ホース48から槽体内に供給される。この給水動作が進み、やがて所定水位まで供給されると、これを槽体側に設けられた水位センサ73(図17のみ示す)が検出する。この検出信号に基づき制御回路72は、給水ポンプ44の駆動を停止し給水動作を終えるとともに、紫外線ランプ59への通電も断ち消勢する。
【0092】
以降は、通常に行なわれる洗濯運転プログラムと同様に制御され、すなわち槽体内に設けた例えば撹拌体の駆動による洗剤洗い、すすぎ、および回転槽の回転による脱水の各運転が自動的に実行される。なお、洗濯水としての風呂水は、浄水化ユニット47を経て不純物の除去および雑菌の殺菌作用を受けて浄水化されるので、すすぎ洗いの水としても使用可能である。ただし、これに限らず、例えば最終すすぎに限って水道水を使用する運転プログラムとすることも容易で、この場合には水道水を供給する給水口7(図13参照)にも予め水道用の給水ホースを接続した状態とすることで可能であり、勿論第1の実施形態(図2参照)で開示したように濾過装置11を介在した給水手段としても良いことは言うまでもない。
【0093】
このように、上記した第3の実施形態によれば、洗濯機1に外部水源たる貯水源からの水を供給する給水ポンプ44を備えた構成では、その給水経路中に設けた濾過装置11の他に除菌装置56を経由する構成とした。従って、貯水源として風呂水を洗濯に活用する場合には、該風呂水は濾過装置11で第1の実施形態と同様に各種の不純物が効率よく濾過され、一方除菌装置56では雑菌類を殺菌することで洗濯物の黄ばみや不快な臭いの要因が排除され、よってこの浄水化された風呂水を、節水或は洗浄効果の向上を図るべく有効活用できる。
【0094】
また、除菌装置56は、通水中の水に紫外線を照射する紫外線ランプ59を、通水可能な除菌タンク58内に備えた構成とし、該紫外線ランプ59は洗濯機1の制御回路72に電気的に接続されて制御可能とした。つまり、給水ポンプ44の動作は洗濯機1の運転プログラムに基づき自動的に制御され、洗濯作業を煩雑にすることなく容易に実行できる。
【0095】
なお、上記紫外線ランプ59と洗濯機1側との電気的接続は、本実施形態では図12、図16等に示したように給水ホース45の第2のホース45b内に一体的に設けられ、該ホース45bの補強と合わせて電線ケーブルとしても機能する芯部材52(導線53)を介して接続するようにしたので、この第2のホース45bを必要部位に接続する際、同時にコネクタ51,69等を介して電気的接続が行なわれ、操作は簡便に行うことができるとともに、この電線ケーブルとしての機能は、補強された第2のホース45b自体にて保護される。
【0096】
更に、本実施形態では図12に示すように、除菌タンク58内の上部の水位を検出可能とする水位センサ71を設けるとともに、この検出信号を受けて制御回路72は紫外線ランプ59の動作を制御可能とした。これにより、水中に紫外線を照射する紫外線ランプ59を好適位置に配置でき、有効な紫外線照射が期待できる。しかも、水は除菌タンク58内の下部から流入し、上部に流出する構成なので該タンク58内を満水状態とするのに好都合であり、且つ除菌タンク58はその前後の給水経路より広い空間を有するので、該タンク58内では水流の勢いは弱まり、通水に対する紫外線の照射が効果的に行なえる。
【0097】
そして、濾過装置11および除菌装置56の下部には、水抜き用の管路としての水抜き管65や水抜き栓66を設けたので、運転終了後、或はしばらく給水ポンプ44による給水動作を行なわない場合には、水抜き栓66を開放操作して濾過ケース14および除菌タンク58内に残留した水を外部に抜くことができ、衛生的であり且つ冬季などに凍結するなどの不具合を回避できる。
【0098】
(変形例)
図18は、変形例を示す図15相当図である。このものは、除菌装置56として更に光触媒78を付加したもので、紫外線ランプ59周りの除菌タンク58(タンク本体60)内の空間を埋めるように円筒状をなす光触媒78を配設したものである。この光触媒78は、セラミック製で多孔質(連続気泡)に形成した基体に、二酸化チタンのコーティングを施してなるもので、該光触媒78の外周面と除菌タンク58の内周面とが密接する状態に挿入されている。
【0099】
上記構成によれば、紫外線ランプ59による殺菌作用に加えて、光触媒78は紫外線による光が当たると、強力な酸化力を有するOHラジカルを生成する。このOHラジカルは、風呂水中の雑菌類や有機物質を酸化分解して浄水化するに有効である。従って、紫外線ランプ59による相乗作用を活用して効率よく浄水化でき、簡易な構成にて、より清潔で衛生的な水が得られ用途も拡大できるなどの利点を有する。
【0100】
(第4の実施形態)
図19および図20は、第4の実施形態を示す図12相当図および図13相当図である。上記各実施形態の洗濯機1は、給水ポンプ44を内蔵した構成であったのに対し、本実施形態の洗濯機79は、図20に示すように給水ポンプ手段を具備しないものである。すなわち、該洗濯機79のトップカバー4には上記実施形態と同様に図示しない給水弁に直結し水道水を供給するための給水口7のみを有する。従って、本実施形態では給水ポンプ80を機外に設け、浄水化ユニット47を介して洗濯機79に給水可能とするものである。
【0101】
まず、図20に示す給水ポンプ80を利用した給水状態につき述べると、これは蛇腹状の給水ホース81の一端たる先端部に給水ポンプ80を備え、給水時には貯水源としての例えば図示しない浴槽(風呂水)内に投入される。一方、該給水ホース81の他端は途中に浄水化ユニット47を介して洗濯機79につながれている。ただし、該洗濯機79には給水弁に直結した給水口7以外は備えていないので、ここでは蓋6を一旦開放して給水ホース81の開口端部を内部の槽体内に向けて配置し、再び蓋6を該給水ホース81の上部から閉鎖した状態を示している。
【0102】
上記給水ホース81は、具体的には浄水化ユニット47を介在することで給水ポンプ80を直結した第1のホース81aと、洗濯機79内部に投入される第2のホース81bとから構成されるとともに、第1のホース81aには給水ポンプ80と電気的に接続する電線ケーブルとして機能する芯部材52(図20中、1本の破線で示す)を備えている。なお、浄水化ユニット47には電源供給のための電源コード82が設けられ、詳細は後述するが上記芯部材52を介して給水ポンプ80への電源供給、および浄水化ユニット47内の除菌装置56(図19参照)への電源供給を可能としている。
【0103】
そこで、図19に基づき更に詳細に述べると、浄水化ユニット47は上記第3の実施形態(図12参照)で述べた構成と共通であるとともに、当然ながら実線矢印で示す水(風呂水)の流れ方向も共通である。そのうちの濾過装置11の流入口15には、上記第1のホース81aが接続され、その先端部の給水ポンプ80と連通接続されている。一方、除菌装置56の流出口62には、上記第2のホース81bが接続され、その他端部は洗濯機79の槽体内に向けて開口連通している。
【0104】
そのうち、第1のホース81aには上記の如く芯部材52が設けられているが、該芯部材52は上記実施形態(例えば、図16参照)と同様の構成にあって、すなわち硬質な金属線で導電性を有する導線53を芯に、その周りを樹脂製の絶縁性被膜54で覆った構成とするものである。そして、第1のホース81aの螺旋状内面に溶着により一体化されることで、該ホース81aの補強と電線ケーブルとしても機能するようにしたものである。
【0105】
上記電線ケーブルとして機能する点につき述べると、第1のホース81aに施された芯部材52(導線53)は、該ホース81aが嵌合する基端部に連接して設けられ、着脱可能なコネクタ部材83とソケット部材84を介して、上記電源コード82(図20参照)と電気的に接続されている。また、除菌装置56については紫外線ランプ59および水位センサ71が電源コード82と接続され(図示せず)、室内などの図示しない外部のコンセントに接続された電源コード82を介して電源の供給を可能としている。なお、除菌タンク58上部の流出口62には、第2のホース81bの基端部が嵌合により接続され、その他端部は既述の如く洗濯機79まで延出されている。
【0106】
上記構成の第4の実施形態によれば、給水ポンプ手段を具備しない洗濯機79にあっても、外部水源の貯水源たる風呂水を洗濯機79に供給し洗濯水として活用できる。すなわち、給水ポンプ80は機外の給水経路中に配置され、使用状態では浴槽(風呂水)内に投入されて吸水動作する。その給水ポンプ80は、濾過装置11および除菌装置56とともに電源コード82が外部電源のコンセントに接続されることで、該給水ポンプ80の運転による給水動作を可能としたものである。
【0107】
つまり、本実施形態の給水ポンプ80は、洗濯機79とは別に単独運転が可能であり、また給水ホース81の第2のホース81bを洗濯機79の槽体内に導入しておけば、洗濯水として浄水化ユニット47を経て不純物の除去や雑菌類が殺菌された風呂水の供給ができ、上記第3の実施形態と同様の効果が期待できる。従って、本実施形態では給水ポンプ手段を具備しない洗濯機79にも活用でき、節水や洗浄効果の向上も期待できる利点を有する。一方、本実施形態では給水ポンプ80を停止するには、コンセントから電源コード82を抜けばよいが、実施に際しては、例えばオンオフ用のスイッチとかタイマースイッチを設けるなど、種々展開して実施可能である。
【0108】
なお、上記各実施形態では洗濯機に適用した濾過装置として説明したが、これに限らず、例えば食器洗浄機など水を利用した洗浄機器用の濾過装置として広く展開して実施可能である。また、濾材は薄手の布生地を採用の場合には、多層に巻き重ねることで有効活用できることを述べたが、これに限らず、例えば厚手の布生地などでは多層にすることなく濾過機能が期待できる場合には、筒状に巻いた状態の濾材とすることでよい。
【0109】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略,置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0110】
図面中、1,79は洗濯機(洗浄機器)、4はトップカバー、7,43は給水口、8は水道栓(水源)、11,38,39,42は濾過装置、14は濾過ケース、15,63は流入口、16,62は流出口、19はケース本体、20はキャップ、23,33はコア部材、24,32は濾材、25,34,40は保持板、28は突起部、29,31は凹状部、44,80は給水ポンプ、45,81は給水ホース(給水経路)、46は吸水口体、47は浄水化ユニット、52は芯部材(電線ケーブル)、56は除菌装置、58は除菌タンク、59は紫外線ランプ、71は水位センサ、78は光触媒、および82は電源コードを示す。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、水中の不純物を濾過する洗浄機器用の濾過装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗浄機器として洗濯機や食器洗浄機などでは、例えば電磁式の給水弁を備え、該給水弁の入水口側を外部の水源(例えば水道水)と接続している。一般に、この種給水弁の入水口側には金属製のフィルタが装着され、例えば1インチ当たり60メッシュ、目開き0.24mm程度のメッシュ仕様のフィルタ構成としていて不純物の浸入を防止している。ところで、水源たる水道水にあっても不純物が混入する場合がある。例えば、水道の配管や貯水タンクなどの給水設備を有する場合では、その老朽化に基づき鉄錆(赤錆)が発生することがあり、これが混入して水道水が赤色に濁る場合(赤水)がある。
【0003】
このような、鉄錆を含む水使用は当然被洗浄物の汚れや変色或は洗浄用の槽体や通水経路の発錆を誘発するなどのおそれがあり、更には給水弁内部に堆積すれば動作不良を招くおそれもある。また、鉄錆の大きさは種々混在しており、例えば微細な数μm程度のものも多分に混入しており、上記した給水弁が有する一般的なフィルタ機能では、この種の微細な不純物を濾過できないのが現状である。
【0004】
そこで、例えば洗濯機が有する給水弁よりも上流側に、シート状の生地からなる濾材を有する濾過装置を設けた提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、一般的に水を通し濾過する濾材は、シート状の生地を一枚(一重)とするのを基本としているため、濾材の固定手段が簡易にできるとか通水性が良いことが考えられますが、その反面特に微細な不純物を通過させやすい。また、使用する生地材料に特定されるメッシュ相当となり、不純物の濾過性能が生地材料に限られた単調なものとなり、つまりその都度メッシュが変化して安定化しないとか、更には早期に目詰まり状態となるおそれがある。
【0005】
一方、外部水源として風呂水などの貯水源を利用すべく、給水ポンプを利用して給水し洗濯水として活用している。この風呂水利用は、節水および温水による良好な洗浄効果が期待できることから、この種給水ポンプを活用可能とする洗濯機も広く普及している。そして、風呂水の濾過手段として、例えばサイクロン式分離器を活用するなどして不純物を除去する提案がなされている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
また、給水ポンプ活用の給水経路の先端部にはフィルタ付の吸水口体を備え、これを浴槽内に投入する構成としている。しかしながら、該フィルタは一般的に早期に目詰まりしないように疎目の構成にあって、濾過性能としては十分とはいえないばかりか、風呂水が含む不純物は大きなものから微細なものまで多種多様であることから、安定した濾過機能が得がたく、しかも風呂水の使用では洗濯物の黄ばみや不快な臭いの要因である雑菌が発生し易く、洗濯水として使用するには更なる信頼性の向上が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−92330号公報
【特許文献2】特開2005−152212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、鉄錆などの種々の大きさの不純物の濾過に適用できるとともに、簡易な構成で安価な濾材で構成できる洗浄機器用の濾過装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施形態の洗浄機器用の濾過装置は、洗浄機器に外部水源からの水を供給する給水経路中に設けた濾過装置である。該濾過装置は、一端に水の流入口、他端に流出口を有する濾過ケースと、該濾過ケース内に収容され周壁に複数の透孔を有する筒状のコア部材と、該コア部材に保持され布生地を筒状に巻いた濾材と該濾材を覆うように前記コア部材の一端に支持され、前記流入口からの水の流入方向と直角に対向する表面を有する保持板とを具備した構成とし、前記流入口からの水を、前記保持板で受けた後、前記濾材の外周面側から中心側に向けて水を通すことで濾過する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態による濾過装置のセット状態を示す上半部の構成(a)、および使用状態(b)を示す全体構成の縦断面図
【図2】第1の実施形態による濾過装置を洗濯機に適用した状態を示す外観斜視図
【図3】第1の実施形態による濾過装置を含む給水経路の構成を示す分解斜視図
【図4】第1の実施形態による濾過装置の分解斜視図
【図5】第1の実施形態による濾材の巻き重ね手順(a)、(b)を示す図
【図6】第1の実施形態による保持板の変形例を示す外観斜視図(a)と、縦断面図(b)
【図7】同上の異なる変形例を示す図6(a)、(b)相当図
【図8】第2の実施形態による図1(b)相当図
【図9】第2の実施形態による図4相当図
【図10】その他の実施形態による図1(b)相当図
【図11】異なるその他の実施形態を示す図1(b)相当図
【図12】第3の実施形態による濾過装置と除菌装置の縦断面図
【図13】第3の実施形態による濾過装置と除菌装置を給水ポンプ内蔵の洗濯機に適用した状態を示す外観斜視図
【図14】第3の実施形態による図4相当図
【図15】第3の実施形態による除菌装置の分解斜視図
【図16】第3の実施形態による洗濯機内蔵の給水ポンプの周辺部分を拡大して示す部分断面図
【図17】第3の実施形態による電気的構成を示すブロック図
【図18】第3の実施形態による変形例を示す図15相当図
【図19】第4の実施形態による図12相当図
【図20】第4の実施形態による図13相当図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
以下、洗浄機器として洗濯機に適用し外部水源として水道水を利用する第1の実施形態について、まず図1〜図5を参照して説明する。
【0012】
そのうち図2は、洗濯機に適用した濾過装置の使用状態を示す外観斜視図で、該図面に示された洗濯機などの全般の構成について概述する。洗濯機1の外郭を形成する本体2は、大略矩形箱状の外箱3と、その上面側を覆うように被着されたトップカバー4とから構成されている。このトップカバー4には、前方に位置して操作パネル5を備え、ほぼ中央部には洗濯物の投入口(図示せず)を開閉する蓋6が設けられ、内部の図示しない槽体への洗濯物の出し入れを可能とし、更に後部には槽体に給水するための給水口7(詳細は後述する)が上方に突出して設けられている。
【0013】
なお、上記槽体としては一般的な構成として撹拌体と回転可能な多孔状の回転槽と、その周りに貯水可能に配置された水槽とから構成される。このような槽体を備えた洗濯機1は、基本的に洗い、すすぎ、脱水の各行程を自動的に運転する機能を備えている。そこで、前記給水口7には、外部水源たる水道栓8(通称「蛇口」という)からの水を供給するために、ホース継手9、可撓性の給水ホース10、および後述する水中の不純物を濾過する濾過装置11が連通接続され、所謂外部水源から給水口7に至る給水経路中に設けられた構成としている。
【0014】
図3は、上記給水経路中における一部構成をより具体的に示す分解斜視図で、特には濾過装置11を有する給水経路の連結構成について開示しており、以下具体的に説明する。まず前記給水口7について説明すると、該給水口7はトップカバー4から突出した円筒状をなし、その外周部には雄ねじ部7aを一体に形成しており、内周部には金属製のフィルタ12を装着し不純物の浸入を防止している。なお、外周部の基部には弾性を有する環状のパッキン13が介挿されていて、後述する濾過装置11との連結部における水漏れを防止する。この給水口7は、トップカバー4の裏面側に設けられた図示しない給水弁の入水口側と直結し、或は一体に形成されており、この給水口7と連通する給水弁を介して、その出水口側より槽体内に通じる内部給水経路を経て給水可能としている。
【0015】
そして、このような給水口7と前記給水ホース10との間に濾過装置11が連結されている。その濾過装置11は、外観形状が径大な円筒状をなす濾過ケース14と、該ケース14の上部に径小の円筒状をなす流入口15と、下部に同形状の流出口16とを備えている。そのうち、濾過装置11の下部側における連結構成としては、上記流出口16と給水口7とが連結される。例えば本実施形態では、流出口16の筒状内周面に雌ねじ部16aが形成され、これは給水口7側の雄ねじ部7aと噛合する構成としている。よって、この両ねじ部16a、7aにより締結され、パッキン13が挟圧されて水密に連結される。
【0016】
一方、濾過装置11の上部側においては、流入口15の外周面に雄ねじ部15aが形成されている。これに対し、給水ホース10の下端部にはナット部材17が装着されており、このナット部材17は筒状の開口部を兼ねた雌ねじ部17aと、これと一体の摘み部17bを回動可能に設けた構成としており、該雌ねじ部17aは濾過装置11の上部の雄ねじ部15aと噛合する構成にある。よって、濾過装置11を洗濯機1に連結固定した状態において、可撓性の給水ホース10により位置合わせしたナット部材17にて雄ねじ部15aと締結する。この場合も、流入口15の外周部の基部に介挿された弾性を有する環状のパッキン18が挟圧され、水密状態のもとに連結される。従って、各部所におけるねじ結合部分において、水密で着脱可能な連結構成をなしている。
【0017】
次いで、上記のように給水経路中に連結された濾過装置11の具体構成について、図1に示す濾過装置11の縦断面図、および図4に示す同分解斜視図に基づき説明する。そのうち、図1(a)は、濾過装置11をセットした使用前の状態における上半部を示し、同図(b)は、濾過装置11の使用状態を示す全体図で、ここでは全体の構成として同図(b)を参照して説明し、使用状態などの作用説明は後述する。まず、前記濾過ケース14について述べると、有底筒状で円筒容器状でもあるケース本体19と、その上面を覆うように設けたキャップ20のいずれも樹脂成形された二つの部材から構成されており、少なくともケース本体19は透明な樹脂材料(例えば、アクリルニトリルスチレン樹脂、ポリカーボネイト樹脂、アクリル樹脂など)で形成され、内部を透視可能としている。
【0018】
そのケース本体19は、その底部中央に一体に突設した前記流出口16を有するとともに、該流出口16の反対側である内方(図示上方)に突出する例えば円筒状の筒状壁部21を同心位置に一体に形成している。この筒状壁部21は、上記流出口16より径小であるため、その境界部に径方向の段部が形成されるので、該段部を利用して弾性を有する前記パッキン13が介挿されている。よって、パッキン13は前記給水口7(図3参照)と締結される際、該給水口7の先端部と上記段部との間で挟圧される構成としている。なお、ケース本体19の上部には、例えば円筒状開口端の内周面に雌ねじ部19aが一体に形成されている。
【0019】
これに対し前記キャップ20は、逆皿形状をなし中央部に外方(図示上方)に突設した前記流入口15を有するとともに、外周端面には前記ケース本体19の雌ねじ部19aに噛合する雄ねじ部20aを形成しており、これらをパッキン22を介して締結することで水密に連結し、且つ着脱可能な構成としている。
【0020】
このように構成された濾過ケース14内には、図1(b)および図4に示すようにケース本体19の底部中央に立設状態に支持された円筒状のコア部材23と、該コア部材23の外側に保持され水に含まれる不純物を除去するための濾材24と、これらコア部材23と濾材24の上面を覆うように装着された円盤状の保持板25が組み込まれ収容されている。
【0021】
具体的には、コア部材23は周壁のほぼ全面にわたって例えば格子状の複数の透孔23aを形成していて、通水性良好な構成としている。この円筒形状は、ケース本体19の底部中央に突設された筒状壁部21よりも若干径大に形成されていて、これに該コア部材23を嵌合することで立設状態に支持可能としている。もって、筒状壁部21はコア部材23を所定位置に着脱可能に立設支持するもので、所謂位置決め部材としても機能する。
【0022】
次いで、濾材24について述べると、これは上記コア部材23の外周側に巻き重ねが可能な布生地であればよく、例えば本実施形態では、古着、不要となったシャツや肌着、ストッキング、タオルなどの生地を総称して布生地といい、そのうち例えば比較的薄手の布生地をコア部材23の長さ寸法(図示高さ寸法)と同等の大きさに切り出して、これをコア部材23に多層に(例えば9層程度)巻き重ねるようにしたものである。
【0023】
この状態を図5(a)、(b)の濾材24の巻き重ね手順を示す図を参照して述べると、同図(a)に示すように濾材24となる布生地をコア部材23の長さ(高さ)寸法に沿う大きさ、および巻き重ねに必要な全長に合わせて切断するなどして、これを平坦状の適宜の台面上に広げた状態に用意する。この布生地の始端側にコア部材23を配置し、その外周面を布生地で包み込むように図中矢印方向に回動しつつ巻き付けていき、巻き付けた布生地の上に幾重にも巻き重ねて多層状に巻装する。所定長の布生地を巻き終えた状態を同図(b)に示すように、濾材24は布生地同士を巻き重ねて形成されているので容易に剥がれることがなく、結果としてコア部材23は、該コア部材23を心材として、その周りに布生地からなる濾材24を多層に巻装した状態に保持する。この巻き重ねを行なう場合、布生地の一部がコア部材23の上下端部から突出しないように、端面が揃った巻き重ね状態とするのが好ましい。
【0024】
このように、濾材24を多層に巻き重ねた状態に保持したコア部材23を、図4の分解図に示すようにキャップ20を取り外し上面を開放したケース本体19内に収容する。具体的には、前記したようにコア部材24の下端部を筒状壁部21に嵌合し保持する。この嵌合状態は、図1(b)に示すように若干の隙間S1を有する状態で容易に嵌め込むことができるようにしており、つまり容易な着脱性が得られるとともに嵌合支持できるように、例えば嵌合したコア部材24が容易に外れて倒れない高さの筒状壁部21としている。
【0025】
この結果、濾材24を含むコア部材23の所定の収容位置に立設状態に保持される。この場合、濾材24の大きさ(直径)は、該濾材24の円筒状外周面とケース本体19の内周面との間に十分な空間を確保できる大きさとしている。また、筒状壁部21の外周壁面とコア部材23の下端部の内周面との間には上記した隙間S1を生じるが、濾材24を含めた重量によりコア部材23の下端面がケース本体19の内底面上に密接した状態となり、上記隙間S1がコア部材23の下端部にわたり連続して外方に延びることはない。
【0026】
このように、濾材24とコア部材23との構成体がケース本体19内に収容された状態から前記保持板25が装着される。まず、この保持板25の構成について述べると、該保持板25は表面たる上面が平坦で円盤状をなす主体部26と、その裏面側の中央部に例えば円筒状或は円柱状でも可とする円環状の支持突部27とを一体に備えた構成を基本的構成としている。この円環状の支持突部27は、前記した底部側における筒状壁部21とコア部材23の下端部との隙間S1を有する嵌合状態と同様に、コア部材23の上端部内周面とは若干の隙間S1を介して嵌合し支持される形態としている。ただし、隙間S1は径方向の隙間であるため、実際には片方に偏った場合の隙間は大きくなる。このような支持形態において、保持板25(主体部26)の裏面側がコア部材23の一端たる上端面と当接した正規の組み込み状態では、該保持板25は水平状態に支持される(図1(b)参照)。
【0027】
ただし、本実施形態では上記保持板25の基本的構成に加えて、特に図4に明示するように保持板25の主体部26の水平な表面である上面に、その中心部から放射状に延びる複数の突起部28を設けている。この突起部28は、前記キャップ20の流入口15の開口と対向する中心部位を除き放射状に形成され、且つ板状に突出した形状としている。なお、この放射状の突起部28は、詳細な作用説明は後述するが上記流入口15から流入した水を受けて、その水の流れを外周方向に均等に分散することにあることから、該突起部28は板状に限らず、例えば断面山形状としてもよいし、或は連続した突起部形状でなくてもよいなど、種々変形して実施可能である。
【0028】
上記構成の保持板25をコア部材23に嵌合支持しケース本体19内に収容した後、ケース本体19の上面開口にキャップ20を被着する。具体的には、両者間にパッキン22を介挿した状態で、雄ねじ部20aと雌ねじ部19aとを締結することで、該連結部を水密とする中空容器状の濾過ケース14が構成され、もって内部に濾材24などの濾過機能を備えた濾過装置11が構成され、該濾過装置11を介して前記したように水道栓8から洗濯機1の給水口7に至る給水経路が構成される(図2参照)。
【0029】
なお、図2中に示す符号43は、本体2内蔵の給水ポンプ44に直結されたポンプ用の給水口で、詳細な説明は後述する。このポンプ用の給水口43は、トップカバー4の後部において前記給水口7と対峙する位置に設けられており、他方の給水口7は所謂水道(水)用の給水口に相当すると言える。
【0030】
次に、上記構成の洗濯機1に適用した濾過装置11の作用を述べる。
水源たる水道栓8を開放し、操作パネル5を操作して所望する運転コースを設定して運転をスタートすることで、図示しない制御装置により制御され例えば洗い行程やすすぎ行程、および脱水行程などの運転が自動的に実行される。そのうちの洗い行程における給水動作について述べると、洗濯機1が有する図示しない給水弁が開放動作し、水道栓8からの水道水は給水ホース10、濾過装置11、および上記給水弁の上流側に位置する給水口7等を経て本体2内の槽体(図示せず)に給水される。
【0031】
以下、上記給水動作における濾過装置11の作用について、詳細に述べる。
まず、濾過装置11の使用状態を示す図1(b)を参照して説明すると、水道栓8から給水ホース10に流れた水道水は、濾過装置11の流入口15から濾過ケース14内に流入する。この流入した水は、その流入方向(図中、矢印Aで示す)と直角に対向する表面を有する保持板25にて受けられることから、その流れは変換されて水平(横)方向の外周側(矢印Bで示す)に向けて流れる。この場合、本実施形態では保持板25の表面には中心側から外周側に延びる放射状の突起部28を有するので、該突起部28により矢印Bで示す周方向の水の流れは、均等に分散する作用を受けて流れる。しかも、保持板25は濾材24の上端部を覆うように装着され、且つ流入する水の圧力を受けて裏面側のコア部材23および濾材24を上方から押圧する作用も相俟って、該濾材24の端面側からの水の流入を確実に阻止する。
【0032】
そして、水は保持板25の外周端から濾過ケース14の内周面に沿って下方に流下する。この濾過ケース14内に流下した水は、濾材24の下方部分を浸漬した状態とするが、濾材24の内部構成が布生地を多層に巻き重ね密着した状態にあるから、水が該濾材24の内部を直ちに通り抜けることはなく、そのうちに水は濾過ケース14内の余白空間を埋めるように供給され(矢印Cで示す)、該濾過ケース14内を急速に満水状態とする。
【0033】
この結果、濾過ケース14内には水道水圧が加わり、水を通すことが可能な濾材24を通して流れるようになる。具体的には、水は濾材24の外周囲から内部のコア部材23の透孔23aを経て中心側に流出し(矢印Dで示す)、濾過ケース14底部の壁部筒状21および流出口16を経て(矢印Eで示す)、図1、2に示す洗濯機1の給水口7に供給され、図示しない給水弁を介して槽体内への給水が行なわれる。このように、給水の全てが濾材24を通して濾過されるので、給水弁の入水口側たる給水口7が通常有するフィルタ12では除去できない不純物はもとより、水道水に微細な鉄錆(赤錆)が混入している場合でも有効に除去でき、下流側における給水弁や槽体内に不純物を濾過した清浄な水を送ることができる。
【0034】
また、保持板25は、上記したように濾材24の上端部である円筒状の端面からの水の流入を阻止するとともに、流入する水の矢印A方向の流れを矢印B方向に直角に変換して、下流側の濾材24の外周側に流下するよう案内し、延いては濾材24の円筒状の外周側から内方に向けて濾過するに有効な水の流れを得るなど、濾過装置11にとって有効な作用を発揮する。のみならず、更にそれ以外にも濾材24の上端部を押下する作用を有し、例えば布生地の巻き重ねが不揃いな濾材24における不具合を解消する利便性を有している。
【0035】
以下、その一例につき具体的に説明すると、不揃いな原因として濾材24を構成する布生地を図5(b)に示すようにコア部材23に正確に巻き重ねができない場合が考えられる。例えば、布生地をコア部材23の長さ(高さ)に揃えた大きさにしてあっても、手作業では多層に巻き重ね円筒状に巻装した状態の途中の一部が突出する場合が考えられる。図1(a)は、このような布生地の一部が上方に突出した状態にて濾過装置11としてセットされた使用前(給水動作前)の一例を示している。すなわち、円筒状をなす濾材24の上端部が突出した不揃いの状態では、保持板25を正規の位置より持ち上げた状態とし、該保持板25の裏面と本来密着状態に接合するコア部材23の上端面との間に、上下方向の隙間S2を生じることとなる。
【0036】
この結果、この隙間S2は前記支持突部27との間の隙間S1と連通した状態となる。また、濾材24の上端面と保持板25との間にも、本来実質的に上下方向の隙間は生じないのに不規則(含む不連続)な隙間S3が形成されることがある。そして、このような状態のまま(図1(a)参照)給水動作が開始された場合、濾過ケース14内が水で満たされると、前記したように本来ならば水道水圧を受けて濾材24の外周面側から水を通して全ての水が有効に濾過されるところ、このケースでは隙間S3を生じた状態にあり、更にその先には隙間S2、S1に連なるため、これら隙間を通しての通水抵抗は弱く、その外側から水が流入し始める(図中矢印Gで示す)。この場合、上記隙間S3の分布は横広がりした状態になり易く、この場合には矢印Gで示す流入通路は周方向に広がった態様となる。
【0037】
この矢印G方向に流入した水は、水道水圧を受けて突出した布生地の一部を変形しながら流れ込み、当初不連続な隙間S3であっても強制的に連続した隙間通路が形成される。そして、その内方側における連続した隙間S2、S1と連通した状態に至り、これら連通した隙間経路を介して水が流入し、コア部材23の中空部を経て流出することになる。つまり、隙間経路を介して流れる水に対しては鉄錆などの不純物を除去する本来の濾過作用が機能せず、水源の水がそのまま給水弁を経て洗濯機1に供給されるおそれがある。
【0038】
ところが、本実施形態の保持板25の主体部26は、矢印A方向と対向する表面を有することから、水道水圧に基づく同矢印A方向の流動的な水圧を直に受けて該保持板25には押下する方向の圧力が作用する。このことは、布生地(濾材24)の突出した一部を押圧する作用を奏し、その上下方向の隙間S3はもとより、併せて前記隙間S2に対しても隙間寸法を縮小する方向に作用し、延いてはこれら隙間S3、S2を解消することが可能である。
【0039】
よって、その後は図1(b)に基づき説明したように水の濾過作用が有効に行なわれる。そして、その鉄錆(赤錆)などの不純物による濾材24の汚れ具合は、透明なケース本体19の外部から目視でき、濾材24の交換時期を容易に判別することができる。なお、布生地の巻き重ねによる濾材24の端面が不揃いになることは下端部でも同様に生じるが、この場合は濾材24のほぼ全重量が一部突出した部位に加わることで、濾過ケース14内の所定位置に収容されることで隙間を生じることなく適切な状態にセットすることができる。
【0040】
これに対し、図6および図7は上記実施形態で延べた保持板25に関する変形例を示すもので、上記実施形態と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる点につき詳細に述べる。
【0041】
まず、図6(a)には保持板25の外観斜視図、同図(b)には保持板25の断面図を示すように、該変形例は基本的構成とする保持板25であることは上記実施形態のものと実質的に共通で、ただこれに凹状部29を設けた点で異なるものである。従って、その余の濾過装置11の組立構成などは全て上記実施形態と共通である。そこで凹状部29について詳述すると、これは主体部26の平坦面をなす表面中央部で円形状に窪んだ形状にあって、裏面側の支持突部27に対応した同心位置に形成している。よって、該凹状部29は濾過ケース14内に組み込まれた状態(例えば、図1(a)、(b)参照)では、流入口15に対向した位置にあって、要は流入口15から流入した水を直接受ける部位に形成してあればよい。
【0042】
斯かる構成によれば、流入口15から流入した水を保持板25の平坦面で受けた場合は、直ちに横方向に分散するが、凹状部29で水を受けた場合は、該凹状部29の内周壁部が抵抗となって水を受け止める作用が助長され、このため水道水圧に基づく保持板25が受ける水圧を高めることができる。つまり、保持板25を押下する作用が助長され、該保持板25とコア部材23との嵌合支持を確実にするとともに、濾材24の上端部を押圧して、前記した発生し易い隙間S3(図1(a)参照)を抑えるのに一層有効に作用する。
【0043】
これに対し、図7(a)、(b)は異なる変形例を示す上記図6(a)、(b)相当図で、これは基本的構成の保持板25に対し、主体部26の外周囲に上方に起立した立壁部30を形成することで、表面全体に凹状部31を形成したものである。この場合、上記実施形態における放射状の突起部28を取り除いた構成としている。
【0044】
斯かる構成によれば、上記変形例と同様に凹状部31で水を受け、その外周部の立壁部30が水の分散の抵抗となって水を受け止める作用が助長されることから、水道水圧に基づく保持板25が受ける水圧が高まる。よって、保持板25の押下作用を受けて該保持板25とコア部材23との嵌合支持を確実にするとともに、濾材24の上端部を押圧して、前記した発生し易い隙間S3(図1(a)参照)を抑えるのに一層有効に作用する。なお、この変形例では主体部26のほぼ全表面に及ぶ径大な凹状部31であることから、偏った押下作用でなく保持板25全体による安定した押下作用が期待できる点で有利である。また、凹状部31の内容積が大きいことから、水道水圧に加えて多量の水を受け止めようとすることによる重量的負荷に基づき保持板25を押下する作用が一層助長されることが期待できる。
【0045】
以上説明したように、洗濯機1の濾過装置11に適用した第1の実施形態によれば、次のような効果が期待できる。
通常洗濯機1が有する給水弁の上流側に、鉄錆(赤錆)などの不純物を除去する濾過装置11を設けたので、不純物による給水弁の動作不良や錆の誘発などの憂いを回避でき、洗濯物への汚れや変色(黄ばみ)などの問題も解消できる。加えて、水道水等の水源に対する使用可能な自由度が増し、使用地域の水事情の制約を受けることなく洗濯水として有効利用できる。
【0046】
そして、前記濾過装置11は、その濾過ケース14内にコア部材23に保持され布生地を筒状に巻き重ねてなる濾材24を収容するとともに、コア部材23の上部に支持され濾材24の上端面を覆うように円盤状の保持板25を設けた。この保持板25は、濾過ケース14内に流入した水を直接受けて外周方向に流れを変換し分散することで、前記濾材24の外周面側から中心側に向けて水を通し、効果的な濾過機能を促進するに有効である。しかも、保持板25は濾材24を覆うようにしているので、濾材24の上端面側から短絡的に水が流入するのを防止している。
【0047】
よって、濾材24は布生地を多層に巻き重ねることができるので、その濾過範囲を広げるとともに、鉄錆など微細な不純物を効果的に除去できる。また、巻き重ねることで布生地の種類としても広く活用できるとともに、その巻き重ね量も自由裁量で採用できることから、例えばシャツの古着などの衣類全般、ストッキング、タオルなど、各家庭で自由に選択利用できるので、例えばイオン交換樹脂のような高価で入手困難なことはなく濾材24は容易に入手できるとともに、当然安価に実施運用できるなど簡易的で利便性に優れた濾過装置11を提供できる。
【0048】
また、保持板25は、その主体部26が図1中に示す矢印A方向と対向する表面を有することから、水道水圧に基づく同矢印A方向の流動的な水圧を直に受けて該保持板25には下流側へ押下する方向の圧力が作用する。これにより、コア部材23による保持板25の嵌合状態を維持するに有効であるとともに、濾材24を覆うように設けた保持板25は、濾材24の端面に布生地(濾材24)の巻き重ねの一部が突出していても、これを押さえ込むように押圧して、図中隙間S3で示す空隙を縮小し、延いてはなくすことが可能となり、隙間S3からの水の流れを防止できる。このことは、濾材24の筒状の外周面側から中心側に向かって流れる濾過するに有効な水の流れが得られ、濾材24全体を有効活用できる。
【0049】
このように、濾過ケース14内への流入する水を直接受ける保持板25は、その平坦状をなす主体部26の表面に中心側から外方に放射状に延びる突起部28を設けたので、水を外周方向(横方向)に均等に分散して流すことができ、該保持板25にかかる水圧や水流の偏りを抑制でき、渦流などを生じないスムーズな水の流れが期待できる。
【0050】
一方、前記濾材24を収容する濾過ケース14は、本実施形態では円筒容器状のケース本体19とキャップ20とをねじ結合による着脱容易な締結手段を用いていること、および濾材24や保持板25を所定位置に収容し保持するコア部材23も、ケース本体19底部の筒状壁部21に隙間S1を介して嵌合支持する構成で、やはり着脱容易な支持手段としている。よって、使用者による濾材24を交換する場合等の脱着操作は簡単で使い勝手が良い。
【0051】
しかも、その濾材24の交換時期を判別する手段として、ケース本体19を透明な樹脂材料で形成し、鉄錆(赤錆)などの不純物による濾材24の汚れ具合を外部から容易に確認できるようにした。従って、地域の水事情による汚れ具合に応じて、その交換時期を逸することなく交換できて適正な給水動作および不純物に対する有効な濾過作用が期待できる。ただし、透明とする構成はケース本体19のみに限らず、例えば濾過ケース14全体を透明としてもよいし、或は内部を透視できる部分的な透明範囲を設ける構成であってもよい。
【0052】
これに対し、図6および図7に示す異なる変形例にあっては、いずれも濾過ケース14内に流入する水を受ける保持板25において、水がすぐさま外周方向(横方向)に分散しようとする流れの抵抗となる凹状部29、31を夫々設けたもので、この水を受け止めようとする作用が助長され、保持板25が受ける水圧を高めることが可能となる。これにより、保持板25を押下する作用が助長され、該保持板25とコア部材23との嵌合支持を確実にするとともに、濾材24の上端部を押圧して隙間S3(図1(a)参照)を抑えるなど、濾過するに有効な水の流れを得ることができる。そのうち、図7の変形例では保持板25全体に安定した押下作用が得られるとともに、水を受け止めようとする内容積が大きいことから重量による押下作用が一層助長されることが期待できる。
【0053】
なお、上記実施形態では保持板25とコア部材23とは別部材として組み込む構成としたが、これに限らず、例えば保持板とコア部材を一体化して、その脱着操作を簡便に行なえるようにすることも可能である。
【0054】
(第2の実施形態)
上記に対し、図8、9は第2の実施形態を示すもので、その図8は図1(b)相当図、図9は図4相当図である。以下、上記第1の実施形態と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
【0055】
本実施形態の濾過装置38は、上記実施形態のものが濾材24をコア部材23の外部に保持した構成であるのに対し、濾材32をコア部材33の内部に保持した構成とする点で相違する。このため、コア部材33および保持板34は、以下に述べる構成を特徴としている。
【0056】
まず、コア部材33は径大で有底円筒状の形態をなしている。その周壁には格子状の透孔33aを複数形成し、底壁には中央部に円形状の穴部33bを形成している。この穴部33bは、ケース本体19底部の筒状壁部36に着脱可能に嵌合している。なお、筒状壁部36は、上記実施形態でいう筒状壁部21に対し、筒状に突出する高さを低くした点で相違するのみである。その理由は本実施形態では、上記コア部材33は径大とする広い底部で倒れることなく支持される。従って、コア部材33の所定位置に載置支持すべく穴部33bと筒状壁部36とが嵌合した状態(位置ずれ防止の状態)にあればよいことから、筒状壁部36はコア部材33の底部の厚さ程度で十分であり、該筒状壁部36はコア部材33を所定の収容位置で支持する位置決め部材として機能する意義が高い。
【0057】
そして、保持板34は上記コア部材33の筒状の一端たる上端部で嵌合支持されるように、円盤状の主体部37の外周端部において、下方に突出した円環状の支持突部35を一体に形成している。すなわち、支持突部35はコア部材33の外径より若干径大な内径形状とし、例えば上記実施形態で述べたと同様の隙間S1を有し、もって着脱容易に嵌合支持される構成としている。
【0058】
一方、濾材32は布生地自体を巻き重ねた形態で、上記実施形態で述べた布生地と共通であるが、できるだけ長い(長尺)のが好ましい。ただし、短い布生地であっても補充しながら巻き重ねて多層にし、所望の径大の円筒状に構成することは可能であるとともに、コア部材33の内部にできるだけ余白を生じない筒状の大きさ(径大)とするのが好ましい。
【0059】
なお、図8中に示す矢印A〜Eは水の流れ方向を示しており、上記実施形態の図1(b)に同一符号で示す水の流れと実質的に同じであることを示している。ただ、本実施形態では、経路としてコア部材33から内部の濾材32を経て流れる点でのみ上記実施形態と異なる。また、濾材32の中心部は巻き始め端部であって、布生地同士の重なり具合(密着度)が少ないことから、この中心部から水は下方に流れる傾向を生じ(矢印Dで示す)、下方の流出口16からスムーズに流出する(矢印Eで示す)。
【0060】
このように本実施形態によれば、コア部材33の内部に濾材32を収容保持したことに基づき、第1の実施形態と若干異なる形状とする構成にあるが、濾材32による濾過機能をはじめ、保持板34やコア部材33等においても共通の機能を有するなど、濾過装置38としての全般の機能も実質的に第1の実施形態と共通である。ただ、濾材32の上端面は保持板34で覆われ、外側面はコア部材33で包囲された形態にあるため、巻き重ねた濾材32が解かれて乱れるようなことはない。なお、図9では濾過装置11の個々の構成部品を分解して示しているが、濾材32などを濾過ケース14内に使用可能なセット状態にする場合には、例えばコア部材33内に予め濾材32を収容し保持した状態で、ケース本体19内に収容し組み込むようにすれば一層容易に行なえる。
【0061】
(その他の実施形態)
上記した各実施形態では、いずれも濾材をコア部材に保持した構成としているが、この実施形態ではコア部材の保持を不要とするなど、次のように変形または拡張することができる。なお、上記各実施形態と同一部分には同一符号を付すとともに、異なる部分につき詳細に述べる。
【0062】
まず、図10はその他の実施形態を示す図1(b)相当図で、この濾過装置39は、例えば第2の実施形態(図8参照)で述べた濾材32と実質的に共通で、つまり布生地のみを巻き重ねてなる濾材32にあって、これをケース本体19内に直接載置し収容したものである。この場合、布生地を巻き重ねた円筒状のまま設置した状態にあるが、濾材32の多層に巻き重ねたことによる重量を利用し載置した立設状態に支持可能としている。従って、濾材32を載置するケース本体19の底部は、中央部に下方の流出口16に連通する通水孔19bのみが開口したフラットな底面をなしている。
【0063】
この濾材32の上端部を覆うように設けた平盤状の保持板40は、その平坦状の裏面を濾材32の上端面に接合した状態に載置され支持されている。なお、該実施形態では保持板40の裏面の中心部に、僅かに下方に突出する凸部41を形成していて、これを濾材32の巻き始めである中心部の隙間などを利用して挿入することで、濾材32に対する保持板40の位置ずれを防ぐようにしている。その余の濾過ケース14の構成など、上記各実施形態と共通の構成にある。
【0064】
斯かる構成によれば、給水動作時には保持板40は流入口15からの水を受けて(矢印Aで示す)、矢印Bで示す横方向に水の流れを変換し、以下矢印C、D、Eの順に流れ、濾材32による濾過作用は上記各実施形態と実質的に同様に良好に行なわれる。また保持板40は、矢印A方向に流入する水圧を受けて濾材32の上端面と接合状態に確実に支持され、保持板40としての機能を発揮できる。また、濾材32を支持するコア部材などを省略できるので、最もシンプルで安価な濾過装置39を提供できる。なお、布生地の種類などにより濾材32の巻き終わりの端部が剥がれるおそれがある場合には、例えば濾材32の周方向に紐類(糸や輪ゴムなど)を宛がい結束するようにしてもよい。
【0065】
一方、図11は異なるその他の実施形態を示す図1(b)相当図で、この濾過装置42は、ケース本体19内底部の外周部に突設され、載置収容された濾材32の下部外側部を保持する環状の突段部19cを設けている。また、濾材32の上部を覆う保持板34は第2の実施形態(図8参照)のものと実質的に共通としている。
【0066】
斯かる構成によれば、上記図10に示す実施形態に対して、濾材32が移動しようとした場合に突段部19cにより阻止できる点で優れている。なお、図中水の流れを示す矢印A〜Eは省略するが、上記各実施形態と同様で良好な濾過機能を発揮する。また、保持板34は上記図10の実施形態に示す保持板40との間において互に転用して実施可能であるなど、該保持板34の形態は他にも種々展開可能である。
【0067】
上記各実施形態では、外部水源として水道水を利用した給水経路に設けた濾過装置について述べたが、図12〜図20は第3および第4の実施形態を示し、いずれも外部水源として風呂水(浴槽にも相当)などの貯水源に対し給水ポンプを利用した給水経路に設けた濾過装置に関するもので、上記各実施形態と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分につき詳細に説明する。
【0068】
(第3の実施形態)
そのうち図12〜図18は、第3の実施形態およびその変形例を示すもので、まず図13に示す濾過装置と除菌装置をポンプ内蔵の洗濯機に適用した状態を示す外観斜視図に基づき、全般の構成について概述する。この図13では、洗濯機1のトップカバー4に内蔵の給水ポンプ44(図中、破線で示す)を利用してポンプ用の給水口43(図中、破線で示す)から本体2内部の図示しない槽体に給水可能な状態を示しており、上記給水口43にはポンプ用としての給水ホース45の一端が接続され、他端たる先端部は外部給水源である図示しない例えば浴槽(風呂水)などの貯水源にまで延びた、所謂給水経路を構成している。
【0069】
まず上記給水ホース45の概略構成につき述べると、その先端部は浴槽内(風呂水中)に投入される吸水口体46を備え、該吸水口体46の吸水部位には図示しないが通常疎目のフィルタ機能を備えている。そして、この給水ホース45の途中部位に連通接続された後述する浄水化ユニット47を介して分断されていて、具体的には先端に上記吸水口体46を有する側を第1のホース45aとし、および他方の洗濯機1側でもあるポンプ用の給水口43に接続される側を第2のホース45bとして述べる。
【0070】
次いで、前記した給水ポンプ44の周辺部分を拡大して示す図16に基づき説明すると、給水ポンプ44は周知のようにポンプ用モータおよびポンプ用羽根車(いずれも図示せず)を具備してなり、該給水ポンプ44の吐出側には槽体に通ずる内部給水ホース48が接続されている。一方、該給水ポンプ44の吸入側には前記給水口43が一体的に設けられ、その筒状の上端部がトップカバー4の上面から突出している。なお、図16中に示す実線矢印は、給水ポンプ44の稼動により給水経路内の水の流れ方向を示しており、先の図13中に示す実線矢印も同様である。
【0071】
更に、同図16に基づき既述の給水ホース45の具体構成等につき述べる。まず給水ホース45の第2のホース45bと、給水口43との接続手段につき述べると、第2のホース45bの先端部には樹脂製による接続部材49が設けられ、該接続部材49は円筒状の嵌合筒部49aと、抜け止めレバー部49bとを一体に備えている。この抜け止めレバー部49bは、嵌合筒部49aとの連接部をヒンジ機能としてシーソー運動可能なレバー形状をなしており、その一端たる下端部を爪状に形成している。
【0072】
従って、嵌合筒部49aを給水口43に挿入することで、パッキン50を介して水密状態に嵌合され、この嵌合状態を保持すべく、抜け止めレバー部49bの爪状下端部がトップカバー4の係合孔4aに挿入され係合する。これにより、抜け止めレバー部49bの動きは拘束されて該状態に保持され、もって接続部材49(嵌合筒部49a)と給水口43との接続状態が保持される。なお、抜け止めレバー部49bの上端部を押圧すれば、下端部が回動して係合状態が外され、嵌合筒部49aを給水口43から容易に離脱することができ、もって挿脱自在に嵌合接続される構成としている。
【0073】
そして、上記接続部材49と第2のホース45bとは、第1のコネクタ部材51を介して通水可能に連通接続されている。そこで、第1のコネクタ部材51について述べる前に、まず第2のホース45bの具体構成につき述べると、当該給水ホース45は樹脂製で全体に蛇腹状に形成され、弾力性および可撓性を有するホース構成としている。そのうち第2のホース45bは、その蛇腹形状を維持すべく弾性力を強化するように、内面側の螺旋状に沿って芯部材52が一体的に溶着されている。
【0074】
このため芯部材52は、硬質な金属線であるとともに導電性を有する導線53を芯に、その周りを樹脂製の絶縁性被膜54で覆った構成とし、該絶縁性被膜54を介して第2のホース45bと溶着により固着され、よって芯部材52(導線53)は後述するように電線ケーブルとしても機能するものである。
【0075】
ここで、前記第1のコネクタ部材51につき詳述すると、該コネクタ部材51の一端は前記導線53と電気的に接続され、他端はトップカバー4側に設けられたソケット部材55と着脱可能に接続され、同時に電気的にも接続可能としている。すなわち、このソケット部材55は、後述する洗濯機1から電源が供給されるように接続され、該洗濯機1の制御回路72(図17参照)に接続されて洗濯機1の運転に伴い自動的に通断電制御される構成としている。
【0076】
これに対し、この第2のホース45bの他端は、図13に示すように前記浄水化ユニット47と通水可能に連通接続され、且つ電気的にも接続されるが、その詳細は後述する。また、他方の第1のホース45aの一端も浄水化ユニット47と通水可能に連通接続される。そこで、次いで浄水化ユニット47の構成につき述べると、これは図12の縦断面図に示すように、濾過装置11と、除菌装置56とを具備し、これらをユニットケース57で囲ったユニット構成としている。
【0077】
しかるに、上記濾過装置11は、先の第1の実施形態(図1および図4参照)で述べたものと基本的に共通とするものであるが、例えば本実施形態を示す図12および図14の分解斜視図(図4相当図)と対比した場合、本実施形態に示す保持板25は、上面に放射状の突起部28を有しない基本的構成を示している。なお、突起部28は必要に応じて適宜に採用すればよいものであり、また上下部に設けた筒状の流入口15、流出口16には結合用のねじ部を有しない構成としているが、このねじによる結合手段は内部の濾過機能と何ら影響がないなど、実質的に同一の構成に相当することから、本実施形態においても上記濾過装置11と共通とするものであり、よって図12中には主たる構成部分に同一符号を付して説明は省略する。
【0078】
この濾過装置11に隣接して除菌装置56が配置され、該除菌装置56は中空円筒状の
除菌タンク58内の中心部に紫外線ランプ59を設けた構成からなり、更に本実施形態では除菌タンク58の上部に該タンク58内の水位を検出する水位センサ71を備えている。除菌装置56は、具体的には図15の分解斜視図に示すように有底筒状で円筒容器状でもあるタンク本体60と、その上面を覆うように水密に接合された蓋体61とで上記除菌タンク58を構成し、一方紫外線ランプ59は内部の発光管59aを覆う石英ガラス管59bからなるもので、該紫外線ランプ59は上記除菌タンク58と水密状態に組み込まれ、内方上部から垂下した状態に設けられている。そして、除菌タンク58の上部たる蓋体61には、上方に延びる筒状の流出口62を備え、下部の底部近傍には側方に延びる筒状の流入口63を備えている。
【0079】
更には、同図12に示すように上記濾過装置11と除菌装置56は、その下部において通水可能に連通接続されている。具体的には、濾過装置11の底部の流出口16と除菌装置56の底部の流入口63とは、例えばT字状の継手部材64を介して連通している。例えばこの継手部材64は、T字状に沿って三叉路となす水路を有し、そのうちの一つの水路は水抜き用の管路としての水抜き管65に接続され、水抜き栓66を経てユニットケース57の外方に排水可能としている。
【0080】
一方、ユニットケース57は、同図12に示すように上記濾過装置11と除菌装置56を包含する容器状をなし、その底面にて平坦状の床面に設置可能としている(図13参照)。このユニットケース57の上部では、濾材24の交換ができるようにキャップ20より径大な取出口67を設け、該取出口67を覆うように着脱可能に弾性的に被着された着脱蓋68を備え、該着脱蓋68の中央には、上記流入口15が貫通して上方に突出している。なお、この突出した流入口15には、図13で開示したポンプ用の給水ホース45を構成する第1のホース45aが挿脱可能に嵌合され接続されている。
【0081】
他方、ユニットケース57の除菌装置56側における上部にあっては、流出口62が貫通して上方に突出しているが、これを除き覆われた構成としている。なお、この突出した流出口62には、図13で開示した給水ホース45を構成する第2のホース45bが連通接続されている。
【0082】
この場合、第2のホース45bの接続とともに電気的な接続も可能としている。すなわち、該ホース45bの基端部には、図12に示すように芯部材52の導線53(図16参照)と電気的に接続された第2のコネクタ69が一体的に設けられ、ユニットケース57側に設けられた第2のソケット部材70と電気的に接続されるようにしている。このソケット部材70からユニットケース57内に導入された導線は(図示せず)、前記紫外線ランプ59および水位センサ71と電気的に接続され電源を供給可能としている。なお、図13中には、第2のホース45b内に螺旋状に配設された上記芯部材52を1本の破線で示している。
【0083】
そして、図17には本実施形態の電気的構成を主な機能ブロックの組み合わせにより示したもので、制御回路72はマイクロコンピュータを主体に構成されたもので、洗濯機1の作動全般を制御する制御プログラムを有している。この制御回路72の入力ポートには、操作パネル5の各種スイッチの操作部5aからの操作信号、図示しない槽体内の洗濯水位を検出する水位センサ73からの水位検出信号、回転速度から洗濯物量を測定するため、運転開始初期におけるモータ74の回転速度を検出する回転センサ75からの回転速度信号等が与えられるようにしている。
【0084】
これに対し、出力ポートには、洗い、すすぎ、脱水運転等の駆動源であるモータ74、水道水を供給するための給水弁76、槽体内の水を排出する排水弁77、前記した風呂水を供給するための給水ポンプ44等が接続されている。
【0085】
更に、本実施形態では前記したように洗濯機1外の給水経路たる給水ホース45の通水路中に設けた除菌装置56は、その第2のホース45bに沿う芯部材52(導線53)を通じて洗濯機1側と電気的に接続可能な構成としている。例えば、同図17に示すように除菌装置56の紫外線ランプ59、および水位センサ71はコネクタ51等を介して制御回路72に接続され、その動作を洗濯機1の運転に伴い制御可能としている。
なお、上記した図17中に示す符号5a、72〜77は、当該図17を説明するためのみに付した符号である。
【0086】
次に、上記構成の給水ポンプ44を備えた洗濯機1において、給水動作時における浄水化ユニット47の作用を主に述べる。ただし、浄水化ユニット47を構成するうちの濾過装置11については、既述の第1の実施形態の作用説明と実質的に同一であるため簡略的に述べる。この実施形態では、洗濯機1が内蔵する給水ポンプ44を利用した運転が実行される。この場合、図13に示されるように給水ホース45はポンプ用の給水口43(詳細は図16参照)に接続され、同時にそのうちの第2のホース45b内に螺旋状に沿って設けられた芯部材52(導線53)を通じて、除菌装置56と洗濯機1側(制御回路72)とは電気的に接続される。
【0087】
この状態で、図示しない洗濯物を槽体内に投入し洗濯運転の準備が整ったならば、操作パネル5の操作部5a(図17のみ示す)を操作し、給水ポンプ44を利用した洗濯運転コース等を設定し、運転をスタートさせる。図17に示す回転センサ75は、運転初期のモータ74の回転数を検出し、その検出信号を入力した制御回路72は洗濯物の重量および必要な水位を決定する。所定水位まで給水されると、これを水位センサ73が検出して給水ポンプ44を消勢して給水動作を完了し、洗濯物を洗浄する洗濯運転が開始される。
【0088】
このように、本実施形態では上記給水動作は給水ポンプ44を利用しているので、例えば外部水源としての風呂水を給水利用する場合につき具体的に説明する。図13に示すように、給水ポンプ44が駆動することで、浴槽内に投入された吸水口体46から風呂水が吸入され、給水ホース45を介して実線矢印方向に送水される。この給水途中で、浄水化ユニット47を経て風呂水は浄水化され、そして図16に示す給水口43、給水ポンプ44、および内部給水ホース48を介して槽体内に供給される(同図中、実線矢印方向で示す)。
【0089】
そこで、図12に基づき上記浄水化ユニット47の作用について述べると、風呂水は最初に第1のホース45aから濾過装置11内に取り込まれる。同図中の実線矢印で示すように、水は保持板25でガイドされ拡散するように外周方向に流れ、円筒状に巻装された濾材24の側方から内方に向けて貫通して流れ、その間に各種の不純物が濾過されて除かれる。この不純物が濾過された風呂水は、下方に流下し継手部材64を介して除菌装置56側に流入する。当然ながら、水抜き栓66は閉鎖状態(手動操作)にあって水抜き管65側への水路は閉ざされた状態にある。
【0090】
除菌装置56の下部から流入した水(風呂水)は、除菌タンク58内の下方から上昇し、やがて紫外線ランプ59のほぼ全体を浸漬する高水位に達すると、これを水位センサ71が検出する。この検出信号を受けた制御回路72は、図17に示すように紫外線ランプ59(発光管59a)を点灯制御し、除菌タンク58内の通水に対して紫外線を照射する。紫外線ランプ59は、その全体がほぼ水中にあって紫外線の照射を開始するので、水中の雑菌に対する殺菌作用は無駄なく効果的に行なわれる。
【0091】
更に、給水ポンプ44による給水動作が継続し、浄水化した水は除菌タンク58の上部の流出口62から第2のホース45bを経て洗濯機1に取り込まれる。具体的には、図16に示すようにポンプ用の給水口43から給水ポンプ44内に吸入され、該ポンプ44の吐出側に接続された内部給水ホース48から槽体内に供給される。この給水動作が進み、やがて所定水位まで供給されると、これを槽体側に設けられた水位センサ73(図17のみ示す)が検出する。この検出信号に基づき制御回路72は、給水ポンプ44の駆動を停止し給水動作を終えるとともに、紫外線ランプ59への通電も断ち消勢する。
【0092】
以降は、通常に行なわれる洗濯運転プログラムと同様に制御され、すなわち槽体内に設けた例えば撹拌体の駆動による洗剤洗い、すすぎ、および回転槽の回転による脱水の各運転が自動的に実行される。なお、洗濯水としての風呂水は、浄水化ユニット47を経て不純物の除去および雑菌の殺菌作用を受けて浄水化されるので、すすぎ洗いの水としても使用可能である。ただし、これに限らず、例えば最終すすぎに限って水道水を使用する運転プログラムとすることも容易で、この場合には水道水を供給する給水口7(図13参照)にも予め水道用の給水ホースを接続した状態とすることで可能であり、勿論第1の実施形態(図2参照)で開示したように濾過装置11を介在した給水手段としても良いことは言うまでもない。
【0093】
このように、上記した第3の実施形態によれば、洗濯機1に外部水源たる貯水源からの水を供給する給水ポンプ44を備えた構成では、その給水経路中に設けた濾過装置11の他に除菌装置56を経由する構成とした。従って、貯水源として風呂水を洗濯に活用する場合には、該風呂水は濾過装置11で第1の実施形態と同様に各種の不純物が効率よく濾過され、一方除菌装置56では雑菌類を殺菌することで洗濯物の黄ばみや不快な臭いの要因が排除され、よってこの浄水化された風呂水を、節水或は洗浄効果の向上を図るべく有効活用できる。
【0094】
また、除菌装置56は、通水中の水に紫外線を照射する紫外線ランプ59を、通水可能な除菌タンク58内に備えた構成とし、該紫外線ランプ59は洗濯機1の制御回路72に電気的に接続されて制御可能とした。つまり、給水ポンプ44の動作は洗濯機1の運転プログラムに基づき自動的に制御され、洗濯作業を煩雑にすることなく容易に実行できる。
【0095】
なお、上記紫外線ランプ59と洗濯機1側との電気的接続は、本実施形態では図12、図16等に示したように給水ホース45の第2のホース45b内に一体的に設けられ、該ホース45bの補強と合わせて電線ケーブルとしても機能する芯部材52(導線53)を介して接続するようにしたので、この第2のホース45bを必要部位に接続する際、同時にコネクタ51,69等を介して電気的接続が行なわれ、操作は簡便に行うことができるとともに、この電線ケーブルとしての機能は、補強された第2のホース45b自体にて保護される。
【0096】
更に、本実施形態では図12に示すように、除菌タンク58内の上部の水位を検出可能とする水位センサ71を設けるとともに、この検出信号を受けて制御回路72は紫外線ランプ59の動作を制御可能とした。これにより、水中に紫外線を照射する紫外線ランプ59を好適位置に配置でき、有効な紫外線照射が期待できる。しかも、水は除菌タンク58内の下部から流入し、上部に流出する構成なので該タンク58内を満水状態とするのに好都合であり、且つ除菌タンク58はその前後の給水経路より広い空間を有するので、該タンク58内では水流の勢いは弱まり、通水に対する紫外線の照射が効果的に行なえる。
【0097】
そして、濾過装置11および除菌装置56の下部には、水抜き用の管路としての水抜き管65や水抜き栓66を設けたので、運転終了後、或はしばらく給水ポンプ44による給水動作を行なわない場合には、水抜き栓66を開放操作して濾過ケース14および除菌タンク58内に残留した水を外部に抜くことができ、衛生的であり且つ冬季などに凍結するなどの不具合を回避できる。
【0098】
(変形例)
図18は、変形例を示す図15相当図である。このものは、除菌装置56として更に光触媒78を付加したもので、紫外線ランプ59周りの除菌タンク58(タンク本体60)内の空間を埋めるように円筒状をなす光触媒78を配設したものである。この光触媒78は、セラミック製で多孔質(連続気泡)に形成した基体に、二酸化チタンのコーティングを施してなるもので、該光触媒78の外周面と除菌タンク58の内周面とが密接する状態に挿入されている。
【0099】
上記構成によれば、紫外線ランプ59による殺菌作用に加えて、光触媒78は紫外線による光が当たると、強力な酸化力を有するOHラジカルを生成する。このOHラジカルは、風呂水中の雑菌類や有機物質を酸化分解して浄水化するに有効である。従って、紫外線ランプ59による相乗作用を活用して効率よく浄水化でき、簡易な構成にて、より清潔で衛生的な水が得られ用途も拡大できるなどの利点を有する。
【0100】
(第4の実施形態)
図19および図20は、第4の実施形態を示す図12相当図および図13相当図である。上記各実施形態の洗濯機1は、給水ポンプ44を内蔵した構成であったのに対し、本実施形態の洗濯機79は、図20に示すように給水ポンプ手段を具備しないものである。すなわち、該洗濯機79のトップカバー4には上記実施形態と同様に図示しない給水弁に直結し水道水を供給するための給水口7のみを有する。従って、本実施形態では給水ポンプ80を機外に設け、浄水化ユニット47を介して洗濯機79に給水可能とするものである。
【0101】
まず、図20に示す給水ポンプ80を利用した給水状態につき述べると、これは蛇腹状の給水ホース81の一端たる先端部に給水ポンプ80を備え、給水時には貯水源としての例えば図示しない浴槽(風呂水)内に投入される。一方、該給水ホース81の他端は途中に浄水化ユニット47を介して洗濯機79につながれている。ただし、該洗濯機79には給水弁に直結した給水口7以外は備えていないので、ここでは蓋6を一旦開放して給水ホース81の開口端部を内部の槽体内に向けて配置し、再び蓋6を該給水ホース81の上部から閉鎖した状態を示している。
【0102】
上記給水ホース81は、具体的には浄水化ユニット47を介在することで給水ポンプ80を直結した第1のホース81aと、洗濯機79内部に投入される第2のホース81bとから構成されるとともに、第1のホース81aには給水ポンプ80と電気的に接続する電線ケーブルとして機能する芯部材52(図20中、1本の破線で示す)を備えている。なお、浄水化ユニット47には電源供給のための電源コード82が設けられ、詳細は後述するが上記芯部材52を介して給水ポンプ80への電源供給、および浄水化ユニット47内の除菌装置56(図19参照)への電源供給を可能としている。
【0103】
そこで、図19に基づき更に詳細に述べると、浄水化ユニット47は上記第3の実施形態(図12参照)で述べた構成と共通であるとともに、当然ながら実線矢印で示す水(風呂水)の流れ方向も共通である。そのうちの濾過装置11の流入口15には、上記第1のホース81aが接続され、その先端部の給水ポンプ80と連通接続されている。一方、除菌装置56の流出口62には、上記第2のホース81bが接続され、その他端部は洗濯機79の槽体内に向けて開口連通している。
【0104】
そのうち、第1のホース81aには上記の如く芯部材52が設けられているが、該芯部材52は上記実施形態(例えば、図16参照)と同様の構成にあって、すなわち硬質な金属線で導電性を有する導線53を芯に、その周りを樹脂製の絶縁性被膜54で覆った構成とするものである。そして、第1のホース81aの螺旋状内面に溶着により一体化されることで、該ホース81aの補強と電線ケーブルとしても機能するようにしたものである。
【0105】
上記電線ケーブルとして機能する点につき述べると、第1のホース81aに施された芯部材52(導線53)は、該ホース81aが嵌合する基端部に連接して設けられ、着脱可能なコネクタ部材83とソケット部材84を介して、上記電源コード82(図20参照)と電気的に接続されている。また、除菌装置56については紫外線ランプ59および水位センサ71が電源コード82と接続され(図示せず)、室内などの図示しない外部のコンセントに接続された電源コード82を介して電源の供給を可能としている。なお、除菌タンク58上部の流出口62には、第2のホース81bの基端部が嵌合により接続され、その他端部は既述の如く洗濯機79まで延出されている。
【0106】
上記構成の第4の実施形態によれば、給水ポンプ手段を具備しない洗濯機79にあっても、外部水源の貯水源たる風呂水を洗濯機79に供給し洗濯水として活用できる。すなわち、給水ポンプ80は機外の給水経路中に配置され、使用状態では浴槽(風呂水)内に投入されて吸水動作する。その給水ポンプ80は、濾過装置11および除菌装置56とともに電源コード82が外部電源のコンセントに接続されることで、該給水ポンプ80の運転による給水動作を可能としたものである。
【0107】
つまり、本実施形態の給水ポンプ80は、洗濯機79とは別に単独運転が可能であり、また給水ホース81の第2のホース81bを洗濯機79の槽体内に導入しておけば、洗濯水として浄水化ユニット47を経て不純物の除去や雑菌類が殺菌された風呂水の供給ができ、上記第3の実施形態と同様の効果が期待できる。従って、本実施形態では給水ポンプ手段を具備しない洗濯機79にも活用でき、節水や洗浄効果の向上も期待できる利点を有する。一方、本実施形態では給水ポンプ80を停止するには、コンセントから電源コード82を抜けばよいが、実施に際しては、例えばオンオフ用のスイッチとかタイマースイッチを設けるなど、種々展開して実施可能である。
【0108】
なお、上記各実施形態では洗濯機に適用した濾過装置として説明したが、これに限らず、例えば食器洗浄機など水を利用した洗浄機器用の濾過装置として広く展開して実施可能である。また、濾材は薄手の布生地を採用の場合には、多層に巻き重ねることで有効活用できることを述べたが、これに限らず、例えば厚手の布生地などでは多層にすることなく濾過機能が期待できる場合には、筒状に巻いた状態の濾材とすることでよい。
【0109】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略,置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0110】
図面中、1,79は洗濯機(洗浄機器)、4はトップカバー、7,43は給水口、8は水道栓(水源)、11,38,39,42は濾過装置、14は濾過ケース、15,63は流入口、16,62は流出口、19はケース本体、20はキャップ、23,33はコア部材、24,32は濾材、25,34,40は保持板、28は突起部、29,31は凹状部、44,80は給水ポンプ、45,81は給水ホース(給水経路)、46は吸水口体、47は浄水化ユニット、52は芯部材(電線ケーブル)、56は除菌装置、58は除菌タンク、59は紫外線ランプ、71は水位センサ、78は光触媒、および82は電源コードを示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄機器に外部水源からの水を供給する給水経路中に設けた濾過装置において、
前記濾過装置は、
一端に水の流入口を有し、他端に水の流出口を有する容器状の濾過ケースと、
前記濾過ケース内に、前記流入口と流出口との間に位置して収容されるとともに、筒状をなす周壁に複数の透孔を有するコア部材と、
前記コア部材に保持され布生地を筒状に巻いた濾材と、
前記濾材を覆うように前記コア部材の一端に支持され、前記濾過ケースの流入口からの水の流入方向と直角に対向する表面を有する保持板と、
を具備した構成とし、
前記流入口からの水を前記保持板で受けた後、前記濾材の外周面側から中心側に向けて水を通し濾過するようにしたことを特徴とする洗浄機器用の濾過装置。
【請求項2】
保持板の表面には、濾過ケースの流入口から水が流入する中心側から放射状に延びる突起部を設けたことを特徴とする請求項1記載の洗浄機器用の濾過装置。
【請求項3】
保持板の表面には、濾過ケースの流入口からの水を受ける凹状部を形成したことを特徴とする請求項1記載の洗浄機器用の濾過装置。
【請求項4】
筒状のコア部材の内部空間に、布生地を筒状に巻いた濾材を収容し保持するようにしたことを特徴とする請求項1記載の洗浄機器用の濾過装置。
【請求項5】
洗浄機器と外部水源たる貯水源との間に設けられた給水ポンプと、
前記給水ポンプにより貯水源からの水を洗浄機器に供給する給水経路中に設けた濾過装置と、
前記濾過装置と通水可能に連通接続され、通水中の水に紫外線を照射し殺菌作用をなす除菌装置とを備え、
前記濾過装置は、
一端に水の流入口を有し、他端に水の流出口を有する容器状の濾過ケースと、
前記濾過ケース内に、前記流入口と流出口との間に位置して収容されるとともに、筒状をなす周壁に複数の透孔を有するコア部材と、
前記コア部材に保持され布生地を筒状に巻いた濾材と、
前記濾材を覆うように前記コア部材の一端に支持され、前記濾過ケースの流入口からの水の流入方向と直角に対向する表面を有する保持板と、
を具備した構成とし、
前記流入口からの水を前記保持板で受けた後、前記濾材の外周面側から中心側に向けて水を通し濾過するようにしたことを特徴とする洗浄機器用の濾過装置。
【請求項6】
除菌装置は、濾過装置と通水可能な除菌タンク内に紫外線ランプを備えた構成とし、該紫外線ランプは洗浄機器が有する制御回路に電気的に接続され、紫外線ランプの動作を制御可能としたことを特徴とする請求項5記載の洗浄機器用の濾過装置。
【請求項7】
除菌タンクには、該タンク内の上部の水位を検出可能とする水位センサを設けるとともに、洗浄機器が有する制御回路に電気的に接続され、該水位センサの水位検出信号に基づき紫外線ランプの動作を制御可能としたことを特徴とする請求項6記載の洗浄機器用の濾過装置。
【請求項8】
濾過装置および除菌装置の下部には、水抜き用の管路を設けたことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の洗浄機器用の濾過装置。
【請求項9】
給水ポンプは、給水経路中に配置され、除菌装置とともに外部電源に接続され、単独に運転可能としたことを特徴とする請求項5記載の洗浄機器用の濾過装置。
【請求項1】
洗浄機器に外部水源からの水を供給する給水経路中に設けた濾過装置において、
前記濾過装置は、
一端に水の流入口を有し、他端に水の流出口を有する容器状の濾過ケースと、
前記濾過ケース内に、前記流入口と流出口との間に位置して収容されるとともに、筒状をなす周壁に複数の透孔を有するコア部材と、
前記コア部材に保持され布生地を筒状に巻いた濾材と、
前記濾材を覆うように前記コア部材の一端に支持され、前記濾過ケースの流入口からの水の流入方向と直角に対向する表面を有する保持板と、
を具備した構成とし、
前記流入口からの水を前記保持板で受けた後、前記濾材の外周面側から中心側に向けて水を通し濾過するようにしたことを特徴とする洗浄機器用の濾過装置。
【請求項2】
保持板の表面には、濾過ケースの流入口から水が流入する中心側から放射状に延びる突起部を設けたことを特徴とする請求項1記載の洗浄機器用の濾過装置。
【請求項3】
保持板の表面には、濾過ケースの流入口からの水を受ける凹状部を形成したことを特徴とする請求項1記載の洗浄機器用の濾過装置。
【請求項4】
筒状のコア部材の内部空間に、布生地を筒状に巻いた濾材を収容し保持するようにしたことを特徴とする請求項1記載の洗浄機器用の濾過装置。
【請求項5】
洗浄機器と外部水源たる貯水源との間に設けられた給水ポンプと、
前記給水ポンプにより貯水源からの水を洗浄機器に供給する給水経路中に設けた濾過装置と、
前記濾過装置と通水可能に連通接続され、通水中の水に紫外線を照射し殺菌作用をなす除菌装置とを備え、
前記濾過装置は、
一端に水の流入口を有し、他端に水の流出口を有する容器状の濾過ケースと、
前記濾過ケース内に、前記流入口と流出口との間に位置して収容されるとともに、筒状をなす周壁に複数の透孔を有するコア部材と、
前記コア部材に保持され布生地を筒状に巻いた濾材と、
前記濾材を覆うように前記コア部材の一端に支持され、前記濾過ケースの流入口からの水の流入方向と直角に対向する表面を有する保持板と、
を具備した構成とし、
前記流入口からの水を前記保持板で受けた後、前記濾材の外周面側から中心側に向けて水を通し濾過するようにしたことを特徴とする洗浄機器用の濾過装置。
【請求項6】
除菌装置は、濾過装置と通水可能な除菌タンク内に紫外線ランプを備えた構成とし、該紫外線ランプは洗浄機器が有する制御回路に電気的に接続され、紫外線ランプの動作を制御可能としたことを特徴とする請求項5記載の洗浄機器用の濾過装置。
【請求項7】
除菌タンクには、該タンク内の上部の水位を検出可能とする水位センサを設けるとともに、洗浄機器が有する制御回路に電気的に接続され、該水位センサの水位検出信号に基づき紫外線ランプの動作を制御可能としたことを特徴とする請求項6記載の洗浄機器用の濾過装置。
【請求項8】
濾過装置および除菌装置の下部には、水抜き用の管路を設けたことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の洗浄機器用の濾過装置。
【請求項9】
給水ポンプは、給水経路中に配置され、除菌装置とともに外部電源に接続され、単独に運転可能としたことを特徴とする請求項5記載の洗浄機器用の濾過装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−81733(P2013−81733A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−235009(P2011−235009)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】
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