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洗浄水給水システム
説明

洗浄水給水システム

【課題】上水の使用量を削減することを可能としながらも、コストの高騰と便器の衛生環境の悪化を抑制することができる洗浄水給水システムを提供する。
【解決手段】洗浄水給水システム1は洋風便器3に連結された給水管14,15と上水給水部16と浴槽内水給水部17とを備えている。上水給水部16は上水管20と開閉弁21,22とバキュームブレーカ23,24を備えている。開閉弁21,22及びバキュームブレーカ23,24は上水管20と給水管14,15との間に設けられ、バキュームブレーカ23,24は開閉弁21,22よりも洋風便器3側に設けられている。浴槽内水給水部17は給水管14,15に連結しかつ浴槽2内の水を給水管14,15等を介して洋風便器3に給水する。浴槽内水給水部17が上水給水部16の開閉弁21,22及びバキュームブレーカ23,24よりも給水管14,15の洋風便器3側に連結している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器に洗浄水を給水する洗浄水給水システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から便器に洗浄水を給水する洗浄水給水システムとして、浴槽内の入浴後の残り湯や雨水を給水する洗浄水給水システム(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)が用いられている。これらの特許文献1及び特許文献2に示された洗浄水給水システムは、浴槽内の残り湯や雨水を一旦貯水する貯水槽と、前記貯水槽と前記便器とを連結した配管と、前記配管等に設けられかつ前記貯水槽内の水を前記便器に送り出すポンプを備えている。
【0003】
洗浄水給水システムは、前記貯水槽内の残り湯や雨水などをポンプが便器に送り出すことで、便器に洗浄水としての残り湯や雨水などを給水する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭61−155475号公報
【特許文献2】特開2000−104302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1及び特許文献2に記載されている洗浄水給水システムは、洗浄水として、入浴後の残り湯や雨水を用いて、上水(じょうすい)の使用量を削減することを可能としている。しかしながら、これら従来の洗浄水給水システムは、洗浄水としての入浴後の残り湯や雨水を一旦貯水槽内に溜める。このために、洗浄水として用いられる残り湯や雨水が、長期に亘って貯水槽内に溜められることとなって、貯水槽内で雑菌などを繁殖させてしまう虞があった。このために、特に、特許文献2に示された洗浄水給水システムでは、貯水槽内での雑菌などの繁殖を抑制するために、貯水槽内を上水により定期的に洗浄している。
【0006】
一方、特許文献2に記載されている洗浄水給水システムにおいて、貯水槽内を上水により定期的に洗浄しないと、洗浄水内に雑菌などが繁殖して、便器の衛生環境を悪化させてしまう。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、上水の使用量を削減することを可能としながらも、便器の衛生環境の悪化を抑制することができる洗浄水給水システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る洗浄水給水システムは、便器に洗浄水を給水する洗浄水給水システムであって、前記便器に連結されかつ前記洗浄水を前記便器に給水する給水管と、前記給水管に連結しかつ前記洗浄水としての上水を前記給水管を介して前記便器に給水する上水給水部と、前記給水管に連結しかつ前記洗浄水としての浴槽内の水を前記給水管を介して前記便器に給水する浴槽内水給水部と、を備え、前記浴槽内水給水部が、前記上水給水部よりも前記給水管の前記便器側に連結していることを特徴とする。
【0009】
前記洗浄水給水システムでは、浴槽内の水を便器に給水する浴槽内水給水部を備えているので、浴槽内の入浴後の残り湯などを便器の洗浄水として用いることができる。また、前記洗浄水給水システムでは、浴槽内水給水部と上水を便器に給水する上水給水部とを備えているので、浴槽内に残り湯などが溜まっている場合には、洗浄水として浴槽内の水を用いることができ、浴槽内に残り湯などが溜まっていない場合には、洗浄水として上水を用いることができる。さらに、浴槽内水給水部が上水給水部よりも給水管の便器側に連結しているので、浴槽内水給水部が、洗浄水としての浴槽内の水を直接便器に洗浄水として給水することができる。したがって、洗浄水として用いる残り湯などの浴槽内の水を長期に亘って溜めておくことを抑制することができて、雑菌が繁殖することを抑制することができる。したがって、貯水槽内の洗浄を行うことなく、上水の使用量を削減することを可能としながらも、コストの高騰と便器の衛生環境の悪化を抑制することができる。
【0010】
前記洗浄水給水システムでは、前記上水給水部は、前記上水が給水される上水管と、前記上水管と前記給水管との間に設けられかつ前記上水管から前記給水管に亘る流路を開閉する開閉弁とを備え、前記浴槽内水給水部が、前記開閉弁よりも前記給水管の前記便器側に連結していることが好ましい。この洗浄水給水システムでは、上水給水部の上水管と給水管とに亘る流路を開閉可能な開閉弁よりも給水管の便器側に浴槽内水給水部が連結しているので、開閉弁により、上水給水部の上水管と浴槽内水給水部とを確実に分離することができる。
【0011】
前記洗浄水給水システムでは、前記上水給水部は、前記上水管と前記給水管との間でかつ前記開閉弁よりも前記便器寄りに設けられた開放弁を備え、前記浴槽内水給水部が、前記開放弁よりも前記給水管の前記便器側に連結していることが好ましい。この洗浄水給水システムでは、開閉弁の便器側に設けられた開放弁よりも更に給水管の便器側に浴槽内水給水部が連結しているので、開放弁により、上水給水部の上水管などが負圧となっても、開放弁を超えて、浴槽内の水が上水管などに逆流することを防止できる。
【0012】
前記洗浄水給水システムでは、前記上水給水部は、前記上水を溜めるとともに底部の排水口に前記給水管が連結した洗浄タンクと、前記排水口を開閉自在な弁体と、前記洗浄タンクに変位自在に取り付けられかつ前記洗浄タンクに対して変位されると前記弁体に前記排水口を開閉させる操作部材と、を備え、前記浴槽内水給水部が、前記排水口よりも前記給水管の前記便器側に連結していることが好ましい。この洗浄水給水システムでは、上水給水部の洗浄タンクの排水口よりも給水管の便器側に浴槽内水給水部が連結しているので、排水口を開閉する弁体により、上水給水部の上水管と浴槽内水給水部とを確実に分離することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る吐水装置は、浴槽内水給水部が洗浄水としての浴槽内の水を直接便器に洗浄水として給水することができるので、上水の使用量を削減することを可能としながらも、コストの高騰と便器の衛生環境の悪化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、実施形態1に係る洗浄水給水システムの構成を示す説明図である。
【図2】図2は、実施形態1に係る洗浄水給水システムの制御装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【図3】図3は、実施形態1に係る洗浄水給水システムの動作の一例を示すタイムチャートである。
【図4】図4は、実施形態2に係る洗浄水給水システムの構成を示す説明図である。
【図5】図5は、実施形態2に係る洗浄水給水システムの動作の一例を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る吐水装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態1]
【0016】
図1は、実施形態1に係る洗浄水給水システムの構成を示す説明図、図2は、実施形態1に係る洗浄水給水システムの制御装置の処理の一例を示すフローチャート、図3は、実施形態1に係る洗浄水給水システムの動作の一例を示すタイムチャートである。
【0017】
図1、図2などに示す実施形態の洗浄水給水システム1は、典型的には、住宅などに設置される浴槽2内の残り湯などの水を、水洗式の便器としての洋風便器3に洗浄水として給水して、洋風便器3内から汚物を排出するシステムである。
【0018】
洋風便器3は、陶磁器で構成され、かつ、図1に示すように、便鉢4と、リム5と、便鉢4と排水口6とを連通したトラップ部7とを一体に備えている。リム5は、便鉢4の上縁の内面に設けられている。
【0019】
トラップ部7は、一端が便鉢4の底部の上方に開口しかつ他端が排水口6に連通した通路である。トラップ部7は、便鉢4の底部の上方に開口しかつ一端から他端に向かうにしたがって徐々に上方に向かう上昇域部7aと、上昇域部7aから下方に向かい排水口6に連通した下降域部7bとを一体に備えて、洋風便器3を所謂サイホン洗い落とし形式の便器としている。また、トラップ部7の一端と相対する便鉢4の底面には、トラップ部7の上昇域部7aに向けて洗浄水を流出させるジェット孔8が設けられている。
【0020】
浴槽2は、図1に示すように、ジェットバスユニット9が設けられている。ジェットバスユニット9は、浴槽2の下端部に開口した吸込口10と、浴槽2の上端部に開口した噴出口11と、吸込口10と噴出口11とを連結した連結配管12と、連結配管12に設けられたポンプ13とを備えている。ポンプ13は、吸込口10から吸い込んだ浴槽2内の水を噴出口11から噴出する。ポンプ13は、図示しないジェットバスユニット9用の操作装置や後述する制御装置19により、オンオフが切り替えられる。
【0021】
洗浄水給水システム1は、図1に示すように、給水管としてのジェット用給水管14と、給水管としてのリム用給水管15と、上水給水部16と、浴槽内水給水部17と、スイッチ装置18と、制御装置19とを備えている。
【0022】
ジェット用給水管14は、一端が洋風便器3のジェット孔8に連結されて、洋風便器3に連結されている。ジェット用給水管14は、上水給水部16及び浴槽内水給水部17から給水される洗浄水をジェット孔8に導いて、洋風便器3に給水する。リム用給水管15は、一端が洋風便器3のリム5に連結されて、洋風便器3に連結されている。リム用給水管15は、上水給水部16及び浴槽内水給水部17から給水される洗浄水をリム5の内面に導いて、洋風便器3に給水する。
【0023】
上水給水部16は、上水管20と、開閉弁としてのリム用開閉弁21と、開閉弁としてのジェット用開閉弁22と、開放弁としてのリム用バキュームブレーカ23と、開放弁としてのジェット用バキュームブレーカ24と、リム側連結配管25と、ジェット側連結配管26と、を備えている。
【0024】
上水管20は、上水道からの上水が給水される。上水管20は、途中で二つに分岐して、一方の先端がリム用開閉弁21に連結しかつ他方の先端がジェット用開閉弁22に連結している。こうして、上水管20は、上水道からの上水を、洗浄水として、開閉弁21,22、連結配管25,26、バキュームブレーカ23,24及び給水管14,15を介して、洋風便器3に給水する。
【0025】
リム用開閉弁21は、上水管20と、リム側連結配管25の一端とが連結されて、上水管20とリム用給水管15との間に設けられている。リム用開閉弁21は、上水管20からリム側連結配管25を介してリム用給水管15に亘る上水の流路を開閉する。
【0026】
ジェット用開閉弁22は、上水管20と、ジェット側連結配管26の一端とが連結されて、上水管20とジェット用給水管14との間に設けられている。ジェット用開閉弁22は、上水管20からジェット側連結配管26を介してジェット用給水管14に亘る上水の流路を開閉する。
【0027】
リム用バキュームブレーカ23は、リム側連結配管25の他端と、リム用給水管15の他端とが連結されている。こうして、リム用バキュームブレーカ23は、上水管20とリム用給水管15との間でかつリム用開閉弁21よりも洋風便器3側に設けられている。リム用バキュームブレーカ23は、リム側連結配管25内の上水の圧力がリム用給水管15内の水の圧力よりも低下しても即ちリム側連結配管25や上水管20側が負圧となっても、リム用給水管15内の水がリム側連結配管25や上水管20側に逆流することを防止する。
【0028】
ジェット用バキュームブレーカ24は、ジェット側連結配管26の他端と、ジェット用給水管14の他端とが連結されている。こうして、ジェット用バキュームブレーカ24は、上水管20とジェット用給水管14との間でかつジェット用開閉弁22よりも洋風便器3側に設けられている。ジェット用バキュームブレーカ24は、ジェット側連結配管26内の上水の圧力がジェット用給水管14内の水の圧力よりも低下しても即ちジェット側連結配管26や上水管20側が負圧となっても、ジェット用給水管14内の水がジェット側連結配管26や上水管20側に逆流することを防止する。
【0029】
リム側連結配管25は、一端がリム用開閉弁21に連結し他端がリム用バキュームブレーカ23に連結されている。ジェット側連結配管26は、一端がジェット用開閉弁22に連結し他端がジェット用バキュームブレーカ24に連結されている。
【0030】
上水給水部16は、リム用開閉弁21が開きジェット用開閉弁22が閉じると、上水管20からの上水をリム側連結配管25、リム用バキュームブレーカ23及びリム用給水管15を介して、洋風便器3のリム5の内面から洋風便器3の周方向に給水する。上水給水部16は、洋風便器3の便鉢4の内面において、上水を周方向に流して、上水により洋風便器3の便鉢4の内面を洗浄する。
【0031】
また、上水給水部16は、ジェット用開閉弁22が開きリム用開閉弁21が閉じると、上水管20からの上水をジェット側連結配管26、ジェット用バキュームブレーカ24及びジェット用給水管14を介して、洋風便器3のジェット孔8からトラップ部7に向けて上水を噴出させる。上水給水部16は、トラップ部7に強制的にサイホン作用を生じさせて、上水により洋風便器3の便鉢4内の汚物を排水口6から排出する。
【0032】
こうして、上水給水部16は、給水管14,15に連結して、洗浄水としての上水を給水管14,15等を介して洋風便器3に給水する。このように、本実施形態の洋風便器3は、上水道からの上水を一旦タンクなどに溜めることのない、所謂、タンクレス洋風便器となっている。
【0033】
浴槽内水給水部17は、前述したジェットバスユニット9のポンプ13と、第1切替弁27と、配管28と、流量検出手段としての流量計29と、第2切替弁30と、リム側給水配管31と、ジェット側給水配管32とを備えている。
【0034】
第1切替弁27は、ジェットバスユニット9の連結配管12に設けられ、かつポンプ13よりも噴出口11寄りに設けられている。また、第1切替弁27には、配管28の一端が連結している。第1切替弁27は、連結配管12と配管28とを連通する状態と、連結配管12と噴出口11とを連通する状態とが切り替え自在となっている。こうして、第1切替弁27は、吸込口10からポンプ13により吸い込んだ浴槽2内の水を、配管28、第2切替弁30、給水配管31,32を介して、給水管14,15即ち洋風便器3に給水する状態と、噴出口11から浴槽2内に噴出する状態とが切り替え自在となっている。即ち、第1切替弁27は、浴槽2内の水を洋風便器3に導く状態と、再度浴槽2内に噴出する状態とが切り替え自在となっている。
【0035】
配管28は、一端が第1切替弁27に連結し、他端が第2切替弁30に連結している。流量計29は、配管28の中央部に設けられ、配管28内を流れる水により回転される羽根車などを備えて、配管28内の水の流量を検出する。流量計29は、検出した配管28内の水の流量を示す信号を制御装置19に向かって出力する。
【0036】
第2切替弁30は、配管28の他端が連結しているとともに、リム側給水配管31の一端とジェット側給水配管32の他端とが連結している。第2切替弁30は、配管28とリム側給水配管31とを連通して配管28とジェット側給水配管32とを連通しない状態と、配管28とジェット側給水配管32とを連通して配管28とリム側給水配管31とを連通ない状態とが切り替え自在となっている。
【0037】
リム側給水配管31は、一端が第2切替弁30に連結し、他端がリム用給水管15の中央部に連結している。ジェット側給水配管32は、一端が第2切替弁30に連結し、他端がジェット用給水管14の中央部に連結している。このように、給水配管31,32が給水管14,15の中央部に連結することで、浴槽内水給水部17は、上水給水部16の開閉弁21,22及びバキュームブレーカ23,24よりも給水管14,15の洋風便器3側に連結している。
【0038】
浴槽内水給水部17は、第1切替弁27が連結配管12と配管28とを連通する状態となり、かつ第2切替弁30が配管28とリム側給水配管31とを連通させると、浴槽2内の水を、ジェットバスユニット9の連結配管12、配管28及びリム側給水配管31を介して、リム用給水管15即ち洋風便器3のリム5の内面に導く。また、浴槽内水給水部17は、第1切替弁27が連結配管12と配管28とを連通する状態となり、かつ第2切替弁30が配管28とジェット側給水配管32とを連通させると、浴槽2内の水を、ジェットバスユニット9の連結配管12、配管28及びジェット側給水配管32を介して、ジェット用給水管14即ち洋風便器3のジェット孔8に導く。こうして、浴槽内水給水部17は、給水管14,15に連結して、洗浄水としての浴槽2内の水を給水管14,15等を介して洋風便器3に給水する。
【0039】
スイッチ装置18は、洋風便器3の便鉢4の側方や住宅の内壁面などに設けられ、洗浄水を洋風便器3内を洗浄する動作を開始するために用いられる。
【0040】
制御装置19は、図示しないRAM、ROM、CPU、入出力ポートなどを備えた演算装置である。制御装置19の入力ポートには、少なくとも流量計29及びスイッチ装置18が接続している。制御装置19の出力ポートには、少なくとも開閉弁21,22、バキュームブレーカ23,24、切替弁27,30及びポンプ13が接続している。制御装置19は、スイッチ装置18から洗浄する動作を開始するための信号が入力すると、流量計29が検出した配管28内を流れる水の流量を示す情報などに基づいて、上水給水部16による洋風便器3への給水と、浴槽内水給水部17による洋風便器3への給水とを切り替えて、洗浄水給水システム1全体の制御をつかさどる。
【0041】
制御装置19は、図2に一例が示されるフローチャートを繰り返し実行している。なお、ステップS1では、制御装置19は、スイッチ装置18から洗浄する動作を開始するための信号が入力したか否かを判定し、入力していないとステップS1を繰り返し、入力するとステップS2に進む。こうして、制御装置19は、スイッチ装置18から洗浄する動作を開始するための信号が入力するまでステップS1を繰り返す。
【0042】
ステップS2では、制御装置19は、第1切替弁27を連結配管12と配管28とを連通する状態に切り替え、第2切替弁30を配管28とリム側給水配管31とを連通する状態に切り替えて、ポンプ13を駆動して、吸込口10を通して浴槽2内の水を吸い込む。そして、制御装置19は、浴槽2内の水をリム5の内面から洋風便器3の周方向に給水する即ち洋風便器3の便鉢4の内面を浴槽2内の水により洗浄する。制御装置19は、ステップS2では、流量計29が検出した配管28内の水の流量を示す信号に基いて、予め定められかつ洋風便器3のリム5に便鉢4の内面を洗浄するのに十分な量の洗浄水としての浴槽2内の水が給水されたと判断すると、第2切替弁30を配管28とジェット側給水配管32とを連通する状態に切り替えて、浴槽2内の水をジェット孔8から洋風便器3のトラップ部7に給水する即ち洋風便器3の便鉢4内の汚物をトラップ部7から排水口6を通して排出する。そして、制御装置19は、ステップS3に進む。
【0043】
ステップS3では、制御装置19は、流量計29が検出した配管28内の水の流量を示す信号に基いて、流量計29が配管28内の水の流れを検出しているか否か即ち浴槽2内の水が洋風便器3に給水されているか否かを判定し、水の流れを検出しているとステップS4に進み、水の流れを検出していないとステップS5に進む。ステップS4では、制御装置19は、流量計29が検出した配管28内の水の流量を示す信号に基いて、リム5に便鉢4の内面を洗浄するのに十分でかつ汚物をトラップ部7から排水口6を通して排出するのに十分な所定量の洗浄水としての浴槽2内の水が給水されたか否かを判定する。所定量の浴槽2内の水が給水されていないとステップS2に戻り、所定量の浴槽2内の水が給水されるとステップS9に進む。こうして、制御装置19は、所定量の浴槽2内の水が給水されるまで、即ち、リム5への給水による便鉢4の内面の洗浄と汚物のトラップ部7からの排出が完了するまで、ステップS2からステップS4を繰り返す。
【0044】
ステップS5は、制御装置19は、ステップS2からステップS4を繰り返している間に浴槽2内の水が洋風便器3に給水されなくなったと判定して、第1切替弁27を連結配管12と噴出口11とを連通した状態に切り替えてポンプ13を停止し、開閉弁21,22のうち一方を開き他方を閉じて、上水道からの上水をリム5の内面又はジェット孔8を通して洋風便器3に給水する。制御装置19は、ステップS2からステップS4を繰り返している間にリム5の内面からの給水からジェット孔8からの給水に切り替えられていれば、ジェット用開閉弁22を開きリム用開閉弁21を閉じて上水をジェット孔8から給水し、切り替えられていなければ、ジェット用開閉弁22を閉じリム用開閉弁21を開いて、上水をリム5の内面に給水する。そして、制御装置19は、ステップS2からステップS4を繰り返している間にリム5の内面からの給水からジェット孔8からの給水に切り替えられていなければ、リム5の内面からの給水が完了した後、リム用開閉弁21を閉じかつジェット用開閉弁22を開いて上水をジェット孔8から給水して、ステップS6に進む。
【0045】
ステップS6では、制御装置19は、浴槽2内の水と上水とを合わせて前述して所定量の洗浄水が洋風便器3に給水されたか否かを判定する。合わせて所定量の洗浄水が給水されていないとステップS5に戻り、合わせて所定量の洗浄水が給水されるとステップS7に進む。こうして、制御装置19は、合わせて所定量の洗浄水が給水されるまで、即ち、リム5への給水による便鉢4の内面の洗浄と汚物のトラップ部7からの排出が完了するまで、ステップS5及びステップS6を繰り返す。
【0046】
ステップS7では、制御装置19は、ジェット用開閉弁22を閉じかつリム用開閉弁21を開いて、上水をリム5の内面即ち洋風便器3に給水する。こうして、制御装置19は、汚物のトラップ部7からの排出が完了した後に、リム5の内面即ち洋風便器3に給水して、上水を洋風便器3の底部に溜めて、所謂封水Hを形成する。そして、ステップS8に進み、制御装置19は、このステップS8において、封水Hに十分な第2の所定量の上水が給水されたか否かを判定し、給水されていないとステップS7に戻り、給水されているとリム用開閉弁21も閉じて、ステップS1に戻る。こうして、制御装置19は、封水Hに十分な第2の所定量の上水が給水されるまでステップS7及びステップS8を繰り返して、リム5の内面から上水を洋風便器3に給水する。こうして、制御装置19は、初めのリム5の内面への給水又はジェット孔8への給水の途中で、浴槽2から洋風便器3に浴槽2内の水が給水されなくなると、上水の給水に切り替える。
【0047】
ステップS9では、制御装置19は、洗浄水として浴槽2内の水の給水により便鉢4の内面の洗浄と汚物のトラップ部7からの排出が完了したと判定し、第1切替弁27を連結配管12と噴出口11とを連通した状態に切り替えてポンプ13を停止し、リム用開閉弁21を開きかつジェット用開閉弁22を閉じて、上水をリム5の内面即ち洋風便器3に給水する。こうして、制御装置19は、汚物のトラップ部7からの排出が完了した後に、リム5の内面即ち洋風便器3に給水して、上水を洋風便器3の底部に溜めて、所謂封水Hを形成する。そして、ステップS10に進み、制御装置19は、このステップS10において、封水Hに十分な第2の所定量の上水が給水されたか否かを判定し、給水されていないとステップS9に戻り、給水されているとリム用開閉弁21も閉じて、ステップS1に戻る。こうして、制御装置19は、封水Hに十分な第2の所定量の上水が給水されるまでステップS9及びステップS10を繰り返して、リム5の内面から上水を洋風便器3に給水する。こうして、制御装置19は、初めのリム5の内面への浴槽2内の水の給水及びジェット孔8への浴槽2内の水の給水が完了すると、上水による封水Hを形成する。
【0048】
本実施形態の洗浄水給水システム1は、スイッチ装置18が操作されて、洋風便器3の洗浄が開始されると、図3に示すように、開閉弁21,22を閉じた状態で、第1切替弁27を連結配管12と配管28とを連通した状態とし、第2切替弁30が配管28とリム側給水配管31とを連通させて、ポンプ13を駆動して、浴槽2内の水をリム5の内面に給水して、便鉢4の内面の洗浄を行なう。そして、便鉢4の内面の洗浄が完了すると、図3に示すように、第2切替弁30が配管28とジェット側給水配管32とを連通させて、浴槽2内の水をジェット孔8に給水して、強制的にサイホン効果を生じさせて、便鉢4内から汚物をトラップ部7を介して排水口6から排出する。そして、汚物の排出が完了すると、図3に示すように、第1切替弁27を連結配管12と噴出口11とが連通した状態に切り替え、ポンプ13を停止し、リム用開閉弁21を開いて、上水をリム5の内面から洋風便器3に給水して、上水による封水Hを形成する。なお、図3に示す例は、汚物の排出が完了するまで、浴槽2内の水が洋風便器3に給水され続ける場合を示している。
【0049】
本実施形態の洗浄水給水システム1では、浴槽2内の水を洋風便器3に給水する浴槽内水給水部17を備えているので、浴槽2内の入浴後の残り湯などを洋風便器3の洗浄水として用いることができる。また、洗浄水給水システム1では、浴槽内水給水部17と上水を洋風便器3に給水する上水給水部16とを備えているので、浴槽2内に残り湯などが溜まっている場合には、洗浄水として浴槽2内の水を用いることができ、浴槽2内に残り湯などが溜まっていない場合には、洗浄水として上水を用いることができる。さらに、浴槽内水給水部17が上水給水部16よりも給水管14,15の洋風便器3側に連結しているので、浴槽内水給水部17が、洗浄水としての浴槽2内の水を直接洋風便器3に洗浄水として給水することができる。したがって、洗浄水として用いる残り湯などの浴槽2内の水を長期に亘って溜めておくことを抑制することができて、雑菌が繁殖することを抑制することができる。したがって、上水の使用量を削減することを可能としながらも、コストの高騰と洋風便器3の衛生環境の悪化を抑制することができる。
また、上水給水部16と浴槽内水給水部17とが互いに別体に設けられているために、制御装置19などからの制御により、上水と残り湯などの浴槽2内の水とを使い分けることができる。
【0050】
洗浄水給水システム1では、上水給水部16の上水管20と給水管14,15とに亘る流路を開閉可能な開閉弁21,22よりも給水管14,15の洋風便器3側に浴槽内水給水部17が連結しているので、開閉弁21,22により、上水給水部16の上水管20と浴槽内水給水部17とを確実に分離することができる。
【0051】
洗浄水給水システム1では、開閉弁21,22の洋風便器3側に設けられたバキュームブレーカ23,24よりも更に給水管14,15の洋風便器3側に浴槽内水給水部17が連結しているので、バキュームブレーカ23,24により、上水給水部16の上水管20などが負圧となっても、バキュームブレーカ23,24を超えて、浴槽2内の水が上水管20などに逆流することを防止できる。
【0052】
また、本実施形態の洗浄水給水システム1では、洋風便器3が上水道からの上水を一旦タンクなどに溜めることのない所謂タンクレス洋風便器となっており、浴槽内水給水部17が、洗浄水としての浴槽2内の水を直接洋風便器3に洗浄水として給水することができるので、タンク内での雑菌の繁殖を確実に防止することができ、洋風便器3の衛生環境の悪化を確実に抑制することができる。
【0053】
なお、前述した実施形態では、リム5の内面への給水、ジェット孔8への給水、リム5の内面への給水を順に行なっているが、本発明は、これに限定されない。例えば、洋風便器3にジェット孔8を設けずに、リム5の内面への給水のみより、便鉢4の内面の洗浄、汚物の排出、封水Hを行なうようにしても良い。
[実施形態2]
【0054】
以下、実施形態2に係る洗浄水給水システム1について説明する。なお、前述した実施形態1と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。図4は、実施形態2に係る洗浄水給水システムの構成を示す説明図、図5は、実施形態2に係る洗浄水給水システムの動作の一例を示すタイムチャートである。
【0055】
実施形態2では、洋風便器3は、リム5の内面のみから洗浄水が給水される。このため、実施形態2では、リム用給水管15のみが設けられ、リム側給水配管31がリム用給水管15の中央部に連結して、浴槽内水給水部17が上水給水部16の排水口38よりもリム用給水管15の洋風便器3側に連結している。
【0056】
また、実施形態2では、上水給水部16は、図4に示すように、洗浄タンク33と、弁体としてのゴムフロート34と、操作部材としてのレバー35と、ボールタップ機構36と、モータ37を備えている。洗浄タンク33は、上水管20により上水道からの上水が給水されて、上水を溜める容器である。洗浄タンク33の底部には、リム用給水管15が連結した排水口38が開口している。ゴムフロート34は、洗浄タンク33の底部に接離自在に設けられて、排水口38を開閉自在である。ゴムフロート34は、洗浄タンク33の底部に接することで排水口38を閉じ、洗浄タンク33の底部から離間することで排水口38を開く。
【0057】
レバー35は、一端部を中心として回転自在に洗浄タンク33の上部に取り付けられている。レバー35は、一端部を中心として回転自在に洗浄タンク33に取り付けられていることで、洗浄タンク33に変位自在に取り付けられている。レバー35は、鎖などを備えたリンク機構39によりゴムフロート34と連結されている。レバー35は、一端部を中心として回転されると即ち洗浄タンク33に対して変位されると、ゴムフロート34に排水口38を開閉させる。
【0058】
ボールタップ機構36は、洗浄タンク33内の上水に浮く浮き玉40と、洗浄タンク33に取り付けられかつ上水管20の端に取り付けられて上水管20を開閉するボールタップ41と、浮き玉40とボールタップ41に連結したアーム42などを備えている。ボールタップ機構36は、洗浄タンク33内の上水の液面が低下して、浮き玉40が降下すると、アーム42が浮き玉40の降下とともに揺動して、ボールタップ41が開いて、上水を洗浄タンク33内に給水する。また、ボールタップ機構36は、上水の液面が所定の高さとなると、浮き玉40及びアーム42によりボールタップ41が閉じて、上水の洗浄タンク33への給水を停止する。
【0059】
モータ37は、制御装置19に接続しており、制御装置19からの命令により、洗浄タンク33に対して操作レバー35を一端部を中心として回転させる。
【0060】
また、実施形態2の制御装置19は、前述した実施形態1と略同様に動作する。本実施形態の洗浄水給水システム1は、スイッチ装置18が操作されて、洋風便器3の洗浄が開始されると、図5に示すように、排水口38がゴムフロート34により閉じた状態即ちモータ37がオフとされた状態で、第1切替弁27が連結配管12と配管28とを連通した状態に切り替え、ポンプ13を駆動して、浴槽2内の水をリム5の内面に給水して、便鉢4の内面を洗浄するとともに、サイホン効果を生じさせて、便鉢4から汚物をトラップ部7を介して排水口6から排出する。そして、汚物の排出が完了すると、図5に示すように、第1切替弁27を連結配管12と噴出口11とを連通した状態に切り替え、ポンプ13を停止し、制御装置19がモータ37をオンにして、排水口38がゴムフロート34により開かれて、上水をリム5の内面から洋風便器3に給水して、上水による封水Hを形成する。なお、図5に示す例は、汚物の排出が完了するまで、浴槽2内の水が洋風便器3に給水され続ける場合を示している。
【0061】
実施形態2の洗浄水給水システム1では、前述した実施形態1と同様に、上水の使用量を削減することを可能としながらも、コストの高騰と洋風便器3の衛生環境の悪化を抑制することができる。また、実施形態2の洗浄水給水システム1では、上水給水部16の洗浄タンク33の排水口38よりもリム用給水管15の洋風便器3側に浴槽内水給水部17が連結しているので、排水口6を開閉するゴムフロート34により、上水給水部16の上水管20と浴槽内水給水部17とを確実に分離することができる。
【0062】
前述した実施形態では、上水により封水Hを行なっているが、本発明は、これに限定されない。即ち、本発明では、浴槽2内の水により封水Hを行なっても良い。また、実施形態1では、ジェット用給水管14及びリム用給水管15のそれぞれに、ジェット側給水配管32及びリム側給水配管31を連結したが、本発明では、ジェット用給水管14及びリム用給水管15の少なくとも一方に浴槽1内の水を導く給水配管31,32を連結すれば良い。さらに、前述した実施形態では、流量計29を用いたが、本発明では、流量計29の代わりに浴槽2内の水の水位を検知する圧力センサを用いて、浴槽2内の水の給水と上水の給水とを切り替えても良い。
【0063】
また、前述した実施形態の図2に示されたフローチャート、図3及び図5に示されたタイムチャートは一例を示すものであって、本発明は、これらのフローチャート及びタイムチャートに限定されるものではない。
【0064】
さらに、本発明では、ジェットバスユニット9以外のポンプなどの駆動源を用いて、浴槽2内の水を洋風便器3に給水しても良い。
【0065】
なお、上述した本発明の実施形態に係る洗浄水給水システム1は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0066】
1 洗浄水給水システム
2 浴槽
3 洋風便器(便器)
14 ジェット用給水管(給水管)
15 リム用給水管(給水管)
16 上水給水部
17 浴槽内水給水部
20 上水管
21 リム用開閉弁(開閉弁)
22 ジェット用開閉弁(開閉弁)
23 リム用バキュームブレーカ(開放弁)
24 ジェット用バキュームブレーカ(開放弁)
33 洗浄タンク
34 ゴムフロート(弁体)
35 レバー(操作部材)
38 排水口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器に洗浄水を給水する洗浄水給水システムであって、
前記便器に連結されかつ前記洗浄水を前記便器に給水する給水管と、
前記給水管に連結しかつ前記洗浄水としての上水を前記給水管を介して前記便器に給水する上水給水部と、
前記給水管に連結しかつ前記洗浄水としての浴槽内の水を前記給水管を介して前記便器に給水する浴槽内水給水部と、を備え、
前記浴槽内水給水部が、前記上水給水部よりも前記給水管の前記便器側に連結していることを特徴とする、
洗浄水給水システム。
【請求項2】
前記上水給水部は、
前記上水が給水される上水管と、前記上水管と前記給水管との間に設けられかつ前記上水管から前記給水管に亘る流路を開閉する開閉弁とを備え、
前記浴槽内水給水部が、前記開閉弁よりも前記給水管の前記便器側に連結していることを特徴とする、
請求項1記載の洗浄水給水システム。
【請求項3】
前記上水給水部は、
前記上水管と前記給水管との間でかつ前記開閉弁よりも前記便器側に設けられた開放弁を備え、
前記浴槽内水給水部が、前記開放弁よりも前記給水管の前記便器側に連結していることを特徴とする、
請求項2記載の洗浄水給水システム。
【請求項4】
前記上水給水部は、
前記上水を溜めるとともに底部の排水口に前記給水管が連結した洗浄タンクと、
前記排水口を開閉自在な弁体と、
前記洗浄タンクに変位自在に取り付けられかつ前記洗浄タンクに対して変位されると前記弁体に前記排水口を開閉させる操作部材と、を備え、
前記浴槽内水給水部が、前記排水口よりも前記給水管の前記便器側に連結していることを特徴とする、
請求項1記載の洗浄水給水システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−104206(P2013−104206A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247865(P2011−247865)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【Fターム(参考)】