洗濯機の包装装置
【課題】重量を有するドラム式洗濯機等の包装状態での上下寸法を低減すること。
【解決手段】ドラム式洗濯機１１の周囲を覆う段ボール材の外カバー１３と、前記ドラム式洗濯機１１を載置する発砲スチロール材の台座１２と、前記ドラム式洗濯機１１の底面に上下動可能に構成した脚部１６とを備え、前記脚部の下端の脚ゴム部１８は径大に形成し、前記台座１２の脚部１６対応する位置には、前記脚ゴム部１８を挿入する上方が開放した凹部１９を有する合成樹脂で形成された補強部材２０を装着したもので、発泡スチロール材の台座１２の高さ寸法を削減でき、包装高さ寸法は大きく低減が可能となり、輸送コストや在庫費用の削減を図ることが可能となる。
【解決手段】ドラム式洗濯機１１の周囲を覆う段ボール材の外カバー１３と、前記ドラム式洗濯機１１を載置する発砲スチロール材の台座１２と、前記ドラム式洗濯機１１の底面に上下動可能に構成した脚部１６とを備え、前記脚部の下端の脚ゴム部１８は径大に形成し、前記台座１２の脚部１６対応する位置には、前記脚ゴム部１８を挿入する上方が開放した凹部１９を有する合成樹脂で形成された補強部材２０を装着したもので、発泡スチロール材の台座１２の高さ寸法を削減でき、包装高さ寸法は大きく低減が可能となり、輸送コストや在庫費用の削減を図ることが可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ドラム式洗濯機等の重量のある洗濯機の包装構成に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、この種のドラム式洗濯機の包装構成では、発泡スチロール樹脂による第１緩衝材と、中空構造部を有する段ボール材による第２緩衝材とで、製品の上部４隅、下部４隅の８か所を支持して段ボール材の外カバーに密着状態に保持するものが提案されている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
図５は、特許文献１に記載された従来の包装装置の包装用緩衝材の外観図を示すものである。図５に示すように、包装用緩衝材１は、包装対象物に接触し荷重を受ける荷重受け部２を有した第１緩衝材３と、この第１緩衝材３の外面に沿う内面形状と外カバー（図示せず）の内面に沿う外面形状とを備え、第１緩衝材３を保持し外カバーに密着状態で挿入される第２緩衝材４とで構成されている。
【０００４】
第１緩衝材３は、発泡スチロール樹脂よりなり、互いに垂直な方向の３つの壁部３ａ、３ｂ、３ｃを有し、これら各壁部３ａ、３ｂ、３ｃの内面が荷重受け部２となっている。
【０００５】
第２緩衝材４は、段ボール材よりなり、上下方向の荷重を受ける前記壁部３ａの外底面に密着する矩形平板状の底板部５と、前記発泡スチロール樹脂の第１緩衝材３の壁部３ａ、３ｂの外面に密着する中空構造部６、７とを有している。
【０００６】
中空構造部６は、底板部５より外周側に底板部５と一体に形成された矩形部分６ａを折り曲げることで形成されている。中空構造部７も同様に底板部５と一体に形成された矩形部分７ａを折り曲げることで形成されている。
【０００７】
以上の構成により、荷重を受ける発泡スチロール樹脂製の第１緩衝材３を、中空構造部を持った段ボール材の第２緩衝材によって保持する構成とすることで、中空構造部６、７に緩衝効果を発揮させ、第１緩衝材３を小型して発泡スチロール樹脂の使用量を削減するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００８】
【特許文献１】特開２００２−３０２１６１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
しかしながら、前記従来の構成では、発泡スチロールの使用量を低減するといった点では効果があるが、その使用量低減は、主として包装される製品の左右方向の緩衝を段ボール材である第２緩衝材で補うことでなされているが、製品での上下方向すなわち底板部５側の第１緩衝材３は、発泡スチロールである壁部３ａで上下荷重や衝撃を緩衝しなければならない。従って、包装状態での上下方向の包装寸法を低減することはできない。
【００１０】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、包装状態での上下寸法を低減することで、たとえばコンテナ輸送時に積み上げ段数を増やすことや、在庫時の倉庫への積み上げ台数を増加させることで、大幅な輸送コストや在庫費用の削減を図る包装構成を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
前記従来の課題を解決する為に、本発明の洗濯機の包装装置は、洗濯機の周囲を覆う段ボール材の外カバーと、前記洗濯機を載置する発砲スチロール材の台座と、前記洗濯機の底面に上下動可能に構成した脚部とを備え、前記脚部の下端の脚ゴム部は前記脚部よりも径大に形成し、前記台座の前記脚部に対応する位置には、前記脚ゴム部を挿入する上方が開放した凹部を有する補強部材を装着したものである。
【００１２】
これにより、発泡スチロール材の台座の高さ寸法を削減でき、包装高さ寸法は大きく低減が可能となり、輸送コストや在庫費用の削減を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【００１３】
本発明の洗濯機の包装装置は、包装状態での上下寸法を低減することにより、輸送コストや在庫費用の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の実施の形態における包装装構成の完成状態の断面図
【図２】同包装構成の分解斜視図
【図３】同包装構成の要部断面図
【図４】同包装構成の要部断面動作図
【図５】従来の包装用緩衝材の外観図
【発明を実施するための形態】
【００１５】
第１の発明は、洗濯機の周囲を覆う段ボール材の外カバーと、前記洗濯機を載置する発砲スチロール材の台座と、前記洗濯機の底面に上下動可能に構成した脚部とを備え、前記脚部の下端の脚ゴム部は前記脚部よりも径大に形成し、前記台座の前記脚部に対応する位置には、前記脚ゴム部を挿入する上方が開放した凹部を有する補強部材を装着したことにより、発泡スチロール材の台座の高さ寸法を削減できるので、包装高さ寸法は、大きく低減が可能となり、コンテナ輸送時に積み上げ段数を増やすことや、在庫時の倉庫への積み上げ台数を増加させることで、大幅な輸送コストや在庫費用の削減が可能となる。
【００１６】
第２の発明は、特に、第１の発明の補強部材を、補強部材は、断面形状が上方にいくにつれて径大に変化する皿状部を有したことにより、包装作業時のドラム式洗濯機の台座への下降作業時の挿入ガイドとなり、若干の位置ずれを補正しつつ脚ゴム部が円滑に補強部材の凹部に滑り込むように導かれるので、包装作業の品質向上と作業生産性たとえば自動化が容易にできる等の効果が得られる。
【００１７】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。また、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【００１８】
（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態１における包装構成の完成状態の断面図を示すもので、図２は、同包装構成の分解斜視図を示すものである。
【００１９】
また、図３は、同包装構成の要部断面図、図４は同包装構成の要部動作図を示すものである。
【００２０】
図１に示すように、ドラム式洗濯機（洗濯機）１１は、段ボール材の外カバー１３で覆われ、材質が発泡スチロール材の台座１２に載置し、上方は上部緩衝材１４で外部上方からの衝撃を緩和するように包装される。
【００２１】
前記台座１２は、ドラム式洗濯機１１を載置し、その底部１５の外周部１５ａ部で位置規制しつつ被覆すると共に、ドラム式洗濯機１１の脚部１６を支持する構成である。
【００２２】
以上のように、ドラム式洗濯機１１を上部緩衝材１４および台座１２で上下より挟み込んだ状態で外カバー１３を被覆し、バンド（図示せず）等で周囲を巻装して包装が完了するもので、輸送時、在庫時の包装高さ寸法はＨとなる。
【００２３】
図２の分解斜視図は、包装作業での要領を示し、まず台座１２に上方よりドラム式洗濯機１１を載置し、略立方体に形成した段ボール材の外カバー１３を被覆し、さらに上方より上緩衝材１４をドラム式洗濯機１１の上部辺に挿入積載し、外カバー１３の上辺を折り曲げ可能に一体形成している上蓋１８を内側に折り曲げて上面を被覆し、さらにバンド３０を上下巻きに巻装する。
【００２４】
図３の要部断面図において、脚部１６は、ドラム式洗濯機１１の底部１５より下方に突出して構成され、上部に脚部１６が上下動して高さ調節可能にねじ部１７を有し、下部は脚部よりも径大の脚ゴム部１８を構成する。
【００２５】
台座１２には、前記脚部１６の下部の径大の脚ゴム部１８が包装時に挿入される上方が開放した凹部１９を有する補強部材２０が装着されている。前記補強部材２０は、摩擦係数が低く、比較的強度を有する合成樹脂成型品で製作され、その上部は、断面形状が上方に径大に変化する皿状部２１を形成する。
【００２６】
包装時には、ドラム式洗濯機１１の重量は、脚部１６の脚ゴム部１８より補強部材２０で支持されると共に、左右方向の荷重も凹部１９にて支えられる。
【００２７】
図４の要部断面動作図は、ドラム式洗濯機１１が台座１２に装着される前の、図２で示した包装作業時の動作断面を示しており、補強部材２０は、予め前以て台座１２に装着されている。
【００２８】
包装作業時、脚部１６が、上方より補強部材２０に装着されるよう矢印Ａのように略垂直の下降作業が行われる。
【００２９】
なお、脚部１６は、ドラム式洗濯機１１が使用場所に設置される際、床面の状態が水平面ではない場合に水平設置できるように、高さ調整可能にドラム式洗濯機１１の外周部１５底面に形成した雌ねじ部２２に螺合するねじ部１７と、下部の脚ゴム部１８を、周囲に摩擦係数が高くかつ振動吸収するゴム材質のキャップ部２３をアウトサートした、ねじ部１７と一体の金属材の円板部２４とで構成される。
【００３０】
以上のように構成した洗濯機について、その動作、作用を説明する。
【００３１】
ドラム式洗濯機１１の垂直方向の荷重を、脚部１６の脚ゴム部１８を挿入する補強部材２０の凹部１９、および皿状部２１にて面積を広く支持しているので、発泡スチロール材の台座１２への応力集中が緩和され、台座１２の底部高さ、即ちドラム式洗濯機１１の底面から台座１２の底面Ｃまでの厚さＢ）（図３）は、低くすることが可能となる。
【００３２】
従って、図１で示した包装状態での包装高さ寸法Ｈは、大きく低減が可能となり、特に、ドラム式洗濯機の様な重量のある製品の包装ではその効果が大きくなる。
【００３３】
よって、包装状態の上下寸法を低減することで、たとえばコンテナ輸送時に積み上げ段数を増やすことや、在庫時の倉庫への積み上げ台数を増加させることができ、大幅な輸送コストや在庫費用の削減が可能となる。
【００３４】
さらに、図２で示した分解斜視図の包装作業において、図４の矢印Ａで示したドラム式洗濯機１１の下降作業の際、脚ゴム部１８と凹部１９との位置は正確に合致した作業は困難で、若干の位置ずれが生じた状態で行われる事が生じても、この時、補強部材２０の上方に断面形状が径大に変化する皿状部２１が挿入ガイドとなり、若干の位置ずれを補正しつつ脚ゴム部１８が円滑に凹部１９に滑り込むように導かれる。
【００３５】
脚ゴム部１８のゴムキャップ部２３は、製品の設置運転時の横滑り防止のため摩擦係数が高く設定されており、発泡スチロール材のような比較的摩擦係数の高い部材と接すると作業性が低下するだけでなく、発泡スチロール材を摩擦力にて削りとったり、部分的に欠落させたりする不具合がある。
【００３６】
しかし、本実施例では、補強部材２０は、摩擦係数が低く、比較的強度を有する合成樹脂成型品で製作されているので、前記不具合が解消され、包装作業の品質向上と作業生産性たとえば自動化が容易にできる等の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【００３７】
以上のように、本発明にかかる洗濯機の包装装置は、包装状態での上下寸法を低減することにより、輸送コストや在庫費用の削減を図ることが可能となるので、ドラム式洗濯機に限らず重量のある製品の包装構成として有用である。
【符号の説明】
【００３８】
１１ ドラム式洗濯機（洗濯機）
１２ 台座
１３ 外カバー
１６ 脚部
１７ ねじ部
１８ 脚ゴム部
１９ 凹部
２０ 補強部材
２１ 皿状部
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ドラム式洗濯機等の重量のある洗濯機の包装構成に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来、この種のドラム式洗濯機の包装構成では、発泡スチロール樹脂による第１緩衝材と、中空構造部を有する段ボール材による第２緩衝材とで、製品の上部４隅、下部４隅の８か所を支持して段ボール材の外カバーに密着状態に保持するものが提案されている（例えば、特許文献１参照）。
【０００３】
図５は、特許文献１に記載された従来の包装装置の包装用緩衝材の外観図を示すものである。図５に示すように、包装用緩衝材１は、包装対象物に接触し荷重を受ける荷重受け部２を有した第１緩衝材３と、この第１緩衝材３の外面に沿う内面形状と外カバー（図示せず）の内面に沿う外面形状とを備え、第１緩衝材３を保持し外カバーに密着状態で挿入される第２緩衝材４とで構成されている。
【０００４】
第１緩衝材３は、発泡スチロール樹脂よりなり、互いに垂直な方向の３つの壁部３ａ、３ｂ、３ｃを有し、これら各壁部３ａ、３ｂ、３ｃの内面が荷重受け部２となっている。
【０００５】
第２緩衝材４は、段ボール材よりなり、上下方向の荷重を受ける前記壁部３ａの外底面に密着する矩形平板状の底板部５と、前記発泡スチロール樹脂の第１緩衝材３の壁部３ａ、３ｂの外面に密着する中空構造部６、７とを有している。
【０００６】
中空構造部６は、底板部５より外周側に底板部５と一体に形成された矩形部分６ａを折り曲げることで形成されている。中空構造部７も同様に底板部５と一体に形成された矩形部分７ａを折り曲げることで形成されている。
【０００７】
以上の構成により、荷重を受ける発泡スチロール樹脂製の第１緩衝材３を、中空構造部を持った段ボール材の第２緩衝材によって保持する構成とすることで、中空構造部６、７に緩衝効果を発揮させ、第１緩衝材３を小型して発泡スチロール樹脂の使用量を削減するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００８】
【特許文献１】特開２００２−３０２１６１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００９】
しかしながら、前記従来の構成では、発泡スチロールの使用量を低減するといった点では効果があるが、その使用量低減は、主として包装される製品の左右方向の緩衝を段ボール材である第２緩衝材で補うことでなされているが、製品での上下方向すなわち底板部５側の第１緩衝材３は、発泡スチロールである壁部３ａで上下荷重や衝撃を緩衝しなければならない。従って、包装状態での上下方向の包装寸法を低減することはできない。
【００１０】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、包装状態での上下寸法を低減することで、たとえばコンテナ輸送時に積み上げ段数を増やすことや、在庫時の倉庫への積み上げ台数を増加させることで、大幅な輸送コストや在庫費用の削減を図る包装構成を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【００１１】
前記従来の課題を解決する為に、本発明の洗濯機の包装装置は、洗濯機の周囲を覆う段ボール材の外カバーと、前記洗濯機を載置する発砲スチロール材の台座と、前記洗濯機の底面に上下動可能に構成した脚部とを備え、前記脚部の下端の脚ゴム部は前記脚部よりも径大に形成し、前記台座の前記脚部に対応する位置には、前記脚ゴム部を挿入する上方が開放した凹部を有する補強部材を装着したものである。
【００１２】
これにより、発泡スチロール材の台座の高さ寸法を削減でき、包装高さ寸法は大きく低減が可能となり、輸送コストや在庫費用の削減を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【００１３】
本発明の洗濯機の包装装置は、包装状態での上下寸法を低減することにより、輸送コストや在庫費用の削減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明の実施の形態における包装装構成の完成状態の断面図
【図２】同包装構成の分解斜視図
【図３】同包装構成の要部断面図
【図４】同包装構成の要部断面動作図
【図５】従来の包装用緩衝材の外観図
【発明を実施するための形態】
【００１５】
第１の発明は、洗濯機の周囲を覆う段ボール材の外カバーと、前記洗濯機を載置する発砲スチロール材の台座と、前記洗濯機の底面に上下動可能に構成した脚部とを備え、前記脚部の下端の脚ゴム部は前記脚部よりも径大に形成し、前記台座の前記脚部に対応する位置には、前記脚ゴム部を挿入する上方が開放した凹部を有する補強部材を装着したことにより、発泡スチロール材の台座の高さ寸法を削減できるので、包装高さ寸法は、大きく低減が可能となり、コンテナ輸送時に積み上げ段数を増やすことや、在庫時の倉庫への積み上げ台数を増加させることで、大幅な輸送コストや在庫費用の削減が可能となる。
【００１６】
第２の発明は、特に、第１の発明の補強部材を、補強部材は、断面形状が上方にいくにつれて径大に変化する皿状部を有したことにより、包装作業時のドラム式洗濯機の台座への下降作業時の挿入ガイドとなり、若干の位置ずれを補正しつつ脚ゴム部が円滑に補強部材の凹部に滑り込むように導かれるので、包装作業の品質向上と作業生産性たとえば自動化が容易にできる等の効果が得られる。
【００１７】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。また、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【００１８】
（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態１における包装構成の完成状態の断面図を示すもので、図２は、同包装構成の分解斜視図を示すものである。
【００１９】
また、図３は、同包装構成の要部断面図、図４は同包装構成の要部動作図を示すものである。
【００２０】
図１に示すように、ドラム式洗濯機（洗濯機）１１は、段ボール材の外カバー１３で覆われ、材質が発泡スチロール材の台座１２に載置し、上方は上部緩衝材１４で外部上方からの衝撃を緩和するように包装される。
【００２１】
前記台座１２は、ドラム式洗濯機１１を載置し、その底部１５の外周部１５ａ部で位置規制しつつ被覆すると共に、ドラム式洗濯機１１の脚部１６を支持する構成である。
【００２２】
以上のように、ドラム式洗濯機１１を上部緩衝材１４および台座１２で上下より挟み込んだ状態で外カバー１３を被覆し、バンド（図示せず）等で周囲を巻装して包装が完了するもので、輸送時、在庫時の包装高さ寸法はＨとなる。
【００２３】
図２の分解斜視図は、包装作業での要領を示し、まず台座１２に上方よりドラム式洗濯機１１を載置し、略立方体に形成した段ボール材の外カバー１３を被覆し、さらに上方より上緩衝材１４をドラム式洗濯機１１の上部辺に挿入積載し、外カバー１３の上辺を折り曲げ可能に一体形成している上蓋１８を内側に折り曲げて上面を被覆し、さらにバンド３０を上下巻きに巻装する。
【００２４】
図３の要部断面図において、脚部１６は、ドラム式洗濯機１１の底部１５より下方に突出して構成され、上部に脚部１６が上下動して高さ調節可能にねじ部１７を有し、下部は脚部よりも径大の脚ゴム部１８を構成する。
【００２５】
台座１２には、前記脚部１６の下部の径大の脚ゴム部１８が包装時に挿入される上方が開放した凹部１９を有する補強部材２０が装着されている。前記補強部材２０は、摩擦係数が低く、比較的強度を有する合成樹脂成型品で製作され、その上部は、断面形状が上方に径大に変化する皿状部２１を形成する。
【００２６】
包装時には、ドラム式洗濯機１１の重量は、脚部１６の脚ゴム部１８より補強部材２０で支持されると共に、左右方向の荷重も凹部１９にて支えられる。
【００２７】
図４の要部断面動作図は、ドラム式洗濯機１１が台座１２に装着される前の、図２で示した包装作業時の動作断面を示しており、補強部材２０は、予め前以て台座１２に装着されている。
【００２８】
包装作業時、脚部１６が、上方より補強部材２０に装着されるよう矢印Ａのように略垂直の下降作業が行われる。
【００２９】
なお、脚部１６は、ドラム式洗濯機１１が使用場所に設置される際、床面の状態が水平面ではない場合に水平設置できるように、高さ調整可能にドラム式洗濯機１１の外周部１５底面に形成した雌ねじ部２２に螺合するねじ部１７と、下部の脚ゴム部１８を、周囲に摩擦係数が高くかつ振動吸収するゴム材質のキャップ部２３をアウトサートした、ねじ部１７と一体の金属材の円板部２４とで構成される。
【００３０】
以上のように構成した洗濯機について、その動作、作用を説明する。
【００３１】
ドラム式洗濯機１１の垂直方向の荷重を、脚部１６の脚ゴム部１８を挿入する補強部材２０の凹部１９、および皿状部２１にて面積を広く支持しているので、発泡スチロール材の台座１２への応力集中が緩和され、台座１２の底部高さ、即ちドラム式洗濯機１１の底面から台座１２の底面Ｃまでの厚さＢ）（図３）は、低くすることが可能となる。
【００３２】
従って、図１で示した包装状態での包装高さ寸法Ｈは、大きく低減が可能となり、特に、ドラム式洗濯機の様な重量のある製品の包装ではその効果が大きくなる。
【００３３】
よって、包装状態の上下寸法を低減することで、たとえばコンテナ輸送時に積み上げ段数を増やすことや、在庫時の倉庫への積み上げ台数を増加させることができ、大幅な輸送コストや在庫費用の削減が可能となる。
【００３４】
さらに、図２で示した分解斜視図の包装作業において、図４の矢印Ａで示したドラム式洗濯機１１の下降作業の際、脚ゴム部１８と凹部１９との位置は正確に合致した作業は困難で、若干の位置ずれが生じた状態で行われる事が生じても、この時、補強部材２０の上方に断面形状が径大に変化する皿状部２１が挿入ガイドとなり、若干の位置ずれを補正しつつ脚ゴム部１８が円滑に凹部１９に滑り込むように導かれる。
【００３５】
脚ゴム部１８のゴムキャップ部２３は、製品の設置運転時の横滑り防止のため摩擦係数が高く設定されており、発泡スチロール材のような比較的摩擦係数の高い部材と接すると作業性が低下するだけでなく、発泡スチロール材を摩擦力にて削りとったり、部分的に欠落させたりする不具合がある。
【００３６】
しかし、本実施例では、補強部材２０は、摩擦係数が低く、比較的強度を有する合成樹脂成型品で製作されているので、前記不具合が解消され、包装作業の品質向上と作業生産性たとえば自動化が容易にできる等の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【００３７】
以上のように、本発明にかかる洗濯機の包装装置は、包装状態での上下寸法を低減することにより、輸送コストや在庫費用の削減を図ることが可能となるので、ドラム式洗濯機に限らず重量のある製品の包装構成として有用である。
【符号の説明】
【００３８】
１１ ドラム式洗濯機（洗濯機）
１２ 台座
１３ 外カバー
１６ 脚部
１７ ねじ部
１８ 脚ゴム部
１９ 凹部
２０ 補強部材
２１ 皿状部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
洗濯機の周囲を覆う段ボール材の外カバーと、前記洗濯機を載置する発砲スチロール材の台座と、前記洗濯機の底面に上下動可能に構成した脚部とを備え、前記脚部の下端の脚ゴム部は前記脚部よりも径大に形成し、前記台座の前記脚部に対応する位置には、前記脚ゴム部を挿入する上方が開放した凹部を有する補強部材を装着した洗濯機の包装装置。
【請求項２】
補強部材は、断面形状が上方にいくにつれて径大に変化する皿状部を有した請求項１記載の洗濯機の包装装置。
【請求項１】
洗濯機の周囲を覆う段ボール材の外カバーと、前記洗濯機を載置する発砲スチロール材の台座と、前記洗濯機の底面に上下動可能に構成した脚部とを備え、前記脚部の下端の脚ゴム部は前記脚部よりも径大に形成し、前記台座の前記脚部に対応する位置には、前記脚ゴム部を挿入する上方が開放した凹部を有する補強部材を装着した洗濯機の包装装置。
【請求項２】
補強部材は、断面形状が上方にいくにつれて径大に変化する皿状部を有した請求項１記載の洗濯機の包装装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２０１２−１６６８３０（Ｐ２０１２−１６６８３０Ａ）
【公開日】平成２４年９月６日（２０１２．９．６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−３０４８８（Ｐ２０１１−３０４８８）
【出願日】平成２３年２月１６日（２０１１．２．１６）
【出願人】（０００００５８２１）パナソニック株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年９月６日（２０１２．９．６）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年２月１６日（２０１１．２．１６）
【出願人】（０００００５８２１）パナソニック株式会社 (73,050)
【Ｆターム（参考）】
[ Back to top ]