説明

洗濯水処理装置および当該処理装置付洗濯機

【課題】泡沫分離法を用いて洗濯水の処理を行った後、処理後の洗濯水をさらに浄化する機構を備えた洗濯水処理装置が望まれていた。
【解決手段】泡を用いて水処理を行う泡沫分離装置2および処理水に空気を供給するエゼクタ44を用い、洗濯水の泡沫分離を行う洗濯水処理装置とする。泡沫分離装置2は、処理槽4と、処理槽4内の下方に設けられた気液混合槽5と、処理槽4内に設けられた排水管6と、処理槽4の上部に連通された泡沫槽とを備える。泡沫分離装置2で洗剤成分が泡として分離された後、洗濯水は貯水槽100に戻され、浄化装置としての電極70を用いて電気分解による浄化が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、洗いに使用された後の洗濯水やすすぎに使用された後の洗濯水等の洗濯水を処理するための装置、および、かかる水処理装置を備えた洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、洗濯液から泡を作成する泡作成手段と、泡作成手段にて作成された泡を液から分離する泡分離手段とを設け、泡が分離された洗濯液を洗濯槽に戻すようにして、すすぎ時間を短縮、少回数にした洗濯機が提案されている。
また、洗濯水から洗剤成分である界面活性剤を分離するために、泡沫分離法が利用できることが、上記特許文献1および特許文献2に開示されている。
【0003】
さらに、洗いに使用された洗濯水から、泡沫分離によって分離された洗剤成分を含む泡を破泡して、破泡によって界面活性剤混入液を得るための破泡装置が、特許文献3に開示されている。
また、特許文献4および5には、洗濯水に対して凝集剤を供給することにより、洗濯水を浄化するようにした洗濯機が提案されている。
【特許文献1】特開平11−19392号公報
【特許文献2】特公昭54−8022号公報
【特許文献3】特許第3144912号公報
【特許文献4】特開2002−66191号公報
【特許文献5】特開2001−149690号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の洗濯機は、その構成上、泡沫分離が良好に行えるか否かの点で疑問がある。仮に泡沫分離が良好に行えたとしても、特許文献1に記載の洗濯機では、すすぎ性能が改善されるだけで、洗いに使用された洗濯水が十分に浄化されるものではない。
特許文献2には、泡沫分離の構成が示されているが、洗濯機への利用については教示されていない。
【0005】
特許文献3は、洗濯液から界面活性剤混合液を分離する装置が提案されているが、洗濯機の構成中に有機的にこの装置を組み込むことは教示されていない。また、洗濯機において、洗濯水を浄化することについては何ら記載がない。
特許文献4,5に記載の洗濯機は、凝集剤を用いて洗濯水を浄化するものであるが、凝集剤だけでは洗濯水の浄化は完全に行うことはできない。
【0006】
この発明は、このような背景のもとになされたもので、泡沫分離法を用いて洗濯水の処理を行う洗濯水処理装置を提供することを主たる目的とする。
また、この発明は、泡沫分離法を用いて洗濯水の処理を行った後、処理後の洗濯水をさらに浄化する機構を備えた洗濯水処理装置を提供することを他の目的とする。
さらにこの発明は、すすぎに用いた洗濯水を処理して浄化する構成を備えた実用的な洗濯機を提供することをさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、洗濯水中の洗剤成分を泡を用いて分離するための泡沫分離装置と、前記泡沫分離装置によって洗剤成分が分離された後の洗濯水を浄化するための浄化装置と、を含むことを特徴とする洗濯水処理装置である。
請求項2記載の発明は、前記浄化装置は、浄化する洗濯水を溜めるための貯水槽を有し、貯水槽に溜められた洗濯水を浄化することを特徴とする、請求項1記載の洗濯水処理装置である。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記貯水槽は、処理前の洗濯水を溜めるための槽を兼ねており、貯水槽と前記泡沫分離装置との間を洗濯水を循環させる循環装置を有することを特徴とする、請求項2記載の洗濯水処理装置である。
請求項4記載の発明は、前記循環装置は、貯水槽の洗濯水を泡沫分離装置へ導く供給用水路と、供給用水路に挿入され、洗濯水に空気を混合するエゼクタと、供給用水路に挿入されたポンプと、泡沫分離装置で処理された洗濯水を貯水槽へ導く還元用水路とを含むことを特徴とする、請求項3記載の洗濯水処理装置である。
【0009】
請求項5記載の発明は、前記泡沫分離装置で泡沫分離を行わせるため、一定時間前記ポンプを駆動させ、その後、前記浄化装置を駆動させて、貯水槽の水の浄化処理を行わせるバッチ式制御手段を含むことを特徴とする請求項4記載の洗濯水処理装置である。
請求項6記載の発明は、前記浄化装置は、貯水槽に溜められた洗濯水中の汚れ成分を凝集させることにより浄化を行うことを特徴とする請求項2〜5のいずれか記載の洗濯水処理装置である。
【0010】
請求項7記載の発明は、前記浄化装置は、前記貯水槽内に配置された電極対を含み、電極対に電圧が印加されることにより溜められた水を浄化する電気分解装置を含むことを特徴とする、請求項2〜5のいずれか記載の洗濯水処理装置である。
請求項8記載の発明は、前記浄化装置の電極対は、一方の電極が溶解性金属電極であり、他方の電極が不溶解性電極であることを特徴とする、請求項7記載の洗濯水処理装置である。
【0011】
請求項9記載の発明は、前記不溶解性電極は、塩素発生電極またはオゾン発生電極を含むことを特徴とする、請求項8記載の洗濯水処理装置である。
請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の洗濯水処理装置が組み込まれていることを特徴とする洗濯機である。
請求項11記載の発明は、洗濯水が溜められる洗濯槽と、泡を用いて洗濯水の処理を行う泡沫分離装置であって、洗濯水が溜められる上下に長手の処理槽、前記処理槽内の下方に配置され、処理槽外へ突出した入口を有し、この入口から入る洗濯水および空気を処理槽内で上方へ向けて出す導入手段、前記処理槽内の下方に流入口を有し、流入口から流入する処理後の洗濯水を処理槽から排出するための排水管、ならびに前記処理槽の上部に連通され、上方に向かって逆ホッパー形状をし、その上端から泡を排出するための泡沫槽、を備える泡沫分離装置と、前記導入手段の入口から入る洗濯水に空気を流入させるためのエゼクタと、前記洗濯槽および前記導入手段の入口の間を、前記エゼクタを介して接続している水路と、前記水路内に挿入された洗濯水供給用のポンプと、を含むことを特徴とする洗濯水処理装置付洗濯機である。
【0012】
請求項12記載の発明は、前記排水管の出口から排出される処理後の洗濯水の流量を調整するための流量調整バルブを有することを特徴とする、請求項11記載の洗濯水処理装置付洗濯機である。
請求項13記載の発明は、前記処理槽内に設けられ、処理槽に溜められた洗濯水を電気分解するための少なくとも一対の電極と、前記電極へ電圧を印加し、かつ、印加する電圧の極性を反転させることのできる電圧印加制御手段と、を含むことを特徴とする、請求項11または12記載の洗濯水処理装置付洗濯機である。
【0013】
請求項14記載の発明は、前記ポンプおよび前記導入管入口間の水路に挿入され、水路を通る洗濯水を電気分解するための少なくとも一対の電極と、前記一対の電極に対して電圧を印加し、かつ、印加する電圧の極性を反転させることのできる電圧印加制御手段と、を含むことを特徴とする、請求項11または12記載の洗濯水処理装置付洗濯機である。 請求項15記載の発明は、前記電極は、一方電極が溶解性の金属電極を含むことを特徴とする、請求項13または14記載の洗濯水処理装置付洗濯機である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、洗濯水を処理するにあたり、泡沫分離装置を用いて洗濯水中の洗剤成分を分離するという処理と、浄化装置を用いて、洗剤成分が分離された後の洗濯水を浄化するという処理とに分かれているため、洗濯水を最適に浄化処理でき、洗濯水の再利用を図れる。浄化装置で浄化を行う際、洗濯水から予め洗剤成分が取り除かれているから、浄化時の負荷が小さく、浄化に必要なたとえばアルミニウムイオンなどの金属イオンや凝集剤等が少なくてすむ。さらにまた、洗濯水を環境に放出する際にも、洗濯水がきれいにされて放出されるから、環境に与える負荷が少ない。
【0015】
このように、この発明は、洗濯水中の洗剤成分を分離するという第1の処理を行い、その第1の処理の後に洗濯水を浄化するという第2の処理を行っている点が特徴であり、これにより、洗濯水を効率良く浄化することができる。
請求項2の発明では、浄化装置は貯水槽を含んでおり、浄化すべき洗濯水は貯水槽に溜められて浄化される。それゆえ、浄化処理の仕方として、種々の処理方法を用いることができる。たとえば、電気分解処理により水を浄化する方法を用いることができる。あるいは、凝集剤を注入することにより水を浄化する方法を用いることができる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、洗濯水を浄化する貯水槽は、処理前の洗濯水を溜めるための槽を兼ねているから、洗濯排水を貯水槽に溜め、貯水槽に溜められた洗濯排水を循環させることによって、洗濯排水から、泡沫分離装置によってまず洗剤成分を効率良く分離させることができる。このように、洗濯排水に含まれる洗剤成分がまず泡沫分離装置で除去され、洗剤成分が除去された後の洗濯排水が浄化装置で除去されるようにすると、浄化が良好に行える。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、供給用水路にエゼクタを挿入することにより、泡沫分離装置を、それ自身にエアポンプ等の空気供給装置を備えない構成を採用することができる。つまり、空気は水路に挿入されたエゼクタを介して泡沫分離装置へ与えられるから、泡沫分離装置の構成を、駆動要素のない、故障の少ない構成とすることができる。
請求項5記載の発明では、バッチ式制御手段によって、泡沫分離処理および浄化処理が、それぞれ時間的に前後して行われ、洗濯水の浄化処理をスムーズに達成できる。
【0018】
請求項6記載の発明によれば、浄化装置は、汚れ成分を凝集させ、凝集した汚れ成分を浮上分離させるから、汚れ成分の除去が良好に行える。かかる汚れ成分の凝集には、たとえば電気分解処理により生成したアルミニウムイオンなどの溶解性金属イオンを利用することができる。また、電気分解処理以外に、凝集剤を洗濯水に注入することにより、汚れ成分を凝集させることもできる。金属イオンや凝集剤が洗濯水に混入された後、凝集を促進するため、撹拌装置が用いられてもよい。また、凝集した汚れ成分を浮上分離させることを促進するため、マイクロバブルにより浮上分離を補助してもよい。あるいは、洗濯水をヒーターで温め、浮上分離を促進させてもよい。
【0019】
請求項7記載の発明によれば、浄化装置を、洗濯槽内に配置された電極対を含む構成とすることにより、汚れ成分の凝集分離を電気的な制御を用いて良好に行うことができる。 請求項8記載の発明では、浄化装置が電気分解式の浄化装置の場合において、バッチ処理によって電極への通電が行われるとともに、極性転換が図れるので、電極面の不動態化を防止でき、経年劣化の少ない処理を行うことができる。
【0020】
また、請求項9記載の発明では、電気分解により金属性イオンによる水の浄化だけではなく、塩素やオゾンによる水の除菌を行うことのできる洗濯水処理装置とすることができる。
請求項10記載の発明によれば、洗濯排水を浄化でき、洗濯排水の再利用や洗剤の再利用を図ることができる洗濯機を提供することができる。
【0021】
請求項11記載の発明では、洗濯槽で使用された洗濯水、特にすすぎ後の洗濯水から洗剤成分を泡沫分離装置を用いて除去し、すすぎ水を浄化する機能を有する洗濯機とすることができる。泡沫分離装置は、処理槽の上部に連通された逆ホッパー形状の泡沫槽を有しているため、泡を用いて洗濯水中の洗剤成分を良好に分離することができる。つまり、逆ホッパー形状の泡沫槽は、処理槽に溜められた洗濯水の水面から湧き上がる泡(洗剤成分の泡)をスムーズに上方へ導き、洗濯水から洗剤成分を分離させることができる。また、泡沫分離装置はポンプ等の駆動機構を有さないシンプルな構成であり、故障の少ない装置とすることができる。
【0022】
請求項12記載の発明によれば、泡沫分離装置で洗剤成分が分離された後の処理後の洗濯水(処理後のすすぎ水)は、流量調整バルブが調整されることによって、必要な量を洗濯槽へ還流させることができる。
請求項13記載の発明では、泡沫分離装置の処理槽内に、電気分解のための構成が備えられている。従って、処理槽内の洗濯水は、泡沫分離に加えて電気分解による浄化処理がされる。よって洗濯水をよりきれいにすることができる。
【0023】
請求項14記載の発明では、泡沫分離装置に供給する前の洗濯水に対して、電気分解処理による浄化を行うことができる。
請求項15記載の発明では、電気分解時に溶解した金属イオンにより洗濯水の浄化が図られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について模式的な図を参照しながら具体的に説明をする。
図1は、この発明の第1実施形態に係る洗濯水処理装置の概略図である。この実施形態に係る洗濯水処理装置には、貯水槽100と、泡沫分離装置2と、破泡装置3とが含まれている。
【0025】
貯水槽100には、たとえばホース101およびポンプ102を介して図示しない洗濯機から使用済の洗濯水が与えられ、溜められる。この明細書において、使用済の「洗濯水」とは、洗いに用いられた洗剤成分を多く含んだ洗濯水、および、すすぎに用いられた洗剤成分の少なくなった洗濯水の両方を含む用語として用いる。
泡沫分離装置2は、泡を用いて、洗濯水中の洗剤成分を分離するための装置である。泡沫分離装置2には、上下方向に長手の処理槽4と、処理槽4内の下方に配置された気液混合槽5と、処理槽4内を上下に延びている排水管6と、処理槽4の上部に連通されている泡沫槽7と、処理槽4内の水位を測定する液面計8とを含んでいる。
【0026】
処理槽4は、上下に長手の円筒状をした周面板9と、周面板9の下部端面を塞いでいる底面板10と、周面板9の上部端面を塞いでいる上面板11とを有し、その内部に洗濯水が溜められる。
気液混合槽5は、その一部が処理槽4の周面壁9から側方に突出した入口12を形成している。入口12から気液混合槽5内へ洗濯水が進入可能である。気液混合槽5内に入った洗濯水が、空気(気泡)を含む洗濯水の場合、気液混合槽5内において洗濯水と空気とが撹拌されるようにたとえば螺旋状に流動される。このため洗濯水に含まれる空気は、細かく分割された微細な泡(気泡)となる。気液混合槽5の上面には噴出口13が形成されていて、噴出口13から洗濯水が処理槽4内へ流れ出るとともに、処理槽4に洗濯水が溜まっている場合、噴出口13から細かな気泡が上方へと湧き上がる。
【0027】
気液混合槽5の外縁と処理槽4の内周壁9との間は隙間がある。従って、この隙間を通って気液混合槽5の下方の処理槽4内にも当然洗濯水が溜まる。処理槽4内で、洗濯水は、気液混合槽5の噴出口13から上方へ噴出され、処理槽4の内周壁9沿いに下方へ循環するので、処理槽4の下方には、泡沫分離により洗剤成分が分離された後の洗濯水が流れ込む。
【0028】
なお、この実施形態では、処理槽4に洗濯水および空気を導入する導入手段として気液混合槽5を設けているが、気液混合槽5は省略して、入口12から取り込まれた洗濯水および空気が、処理槽4内で下方から上方に向けて噴出されるような導入管(たとえば単なるL字状の管)を導入手段として用いた構成とすることもできる。すなわち、エゼクタ44で洗濯水に空気が混合されると、混合された空気は洗濯水に溶け込み、比較的小さな泡となって処理槽4中へ流入する。従って、気液混合槽5を省略し、単なる管(導入管)を用いても、洗濯水および気泡を、処理槽4内で下方から上方に向けて噴出することは可能である。
【0029】
気液混合槽5を設けると、処理槽4内で湧き上がる気泡がさらに細かくなるという利点があるので、この実施形態では気液混合槽5を採用している。
排水管6は、その下端が流入口14を形成しており、流入口14は底面板10近傍に臨んでいる。排水管6は処理槽4の中心を、上下方向に延びていて、上方でほぼ直角に曲がり、処理槽4の周面板9の上方から側方へと突出して、その先端が出口15となっている。従って、排水管6は、処理槽4内の洗濯水(処理後の洗濯水)を下方の流入口14から吸い込み、上方の出口15から処理槽4外へ排水することができる。
【0030】
処理槽4内には、通常、排水管6の上部よりも上方まで洗濯水が溜められ、洗濯水の水面(水位)16は、上面板11よりも所定の寸法だけ下方になるように調整される。
上面板11の中央には、円形の孔があけられ、そこにメッシュ状の仕切り板17が設けられている。この孔を囲うように、上面板11の上方には泡沫槽7が備えられている。泡沫槽7は、上下に延びる円筒部18と、円筒部18の上部に備えられた円錐部19とを含んでいる。泡沫槽7は、上方に向かって、すなわち泡の進行方向に向かって、その内径が次第に小さくなる形状(いわゆる逆ホッパー形状)であり、泡を良好にかつスムーズに案内することができる。泡沫槽7は、円錐部19の上端が泡出口となっている。
【0031】
液面計8は、処理槽4内に溜まった洗濯水の水位16を検出する。液面計8の上端は、上面板11の上に突出し、出力端20となっている。液面計8は、静電容量式のものを用いるのが望ましい。静電容量式のものでは、泡の影響を受けることなく水面16の位置を検知することができるからである。
破泡装置3には、円筒状の容器21と、容器21内に略水平方向に配置された円板状の回転羽根22と、回転羽根22の下方に設けられたモータ23とが含まれている。容器21の上面板24中央には、入口流路25が設けられていて、入口流路25から泡が落下可能になっている。入口流路25には、泡沫槽7の泡出口から泡流路60を通って泡が与えられる。
【0032】
容器21内に落下する泡は、回転羽根22の上面中央に落下する。回転羽根22の上面には、放射状に複数のガイド突起26が形成されている。モータ23により回転羽根22は高速で回転される。そのため、回転羽根22の上面中央に落下した泡は、回転羽根22の生じる遠心力により、ガイド突起26で案内されながら、放射状に外方へ飛ばされて、容器21の内壁面27とぶつかる。ぶつかった泡は潰れ、溶液28となって内壁27を伝って下方へ流れ落ちる。そして容器21の底面29に溜まる。底面29には排出口30が形成されており、排出口30から下方へ溶液は流れ落ちる。流れ落ちた溶液は、泡沫分離濃縮水として、回収容器31に回収される。
【0033】
貯水槽100および泡沫分離装置2間は、洗濯水導入流路40でつながれており、貯水槽100の洗濯水が泡沫分離装置2へ導入される。洗濯水導入流路40は、貯水槽100の底面の排水口41および泡沫分離装置2の気液混合槽5入口12間を接続する水路42a,42b,42c,42d,42eと、水路42cおよび42d間に挿入された循環ポンプ43と、水路42dおよび42e間に挿入されたエゼクタ44とを含んでいる。さらに、水路42aおよび42b間にはバルブ45が設けられ、水路42bおよび42c間にはフィルタ46が挿入されている。
【0034】
バルブ45が開かれ、循環ポンプ43が駆動されることにより、貯水槽100内の洗濯水は水路42a、42bを通って汲み出され、フィルタ46により糸くずや塵挨が濾過され、さらに水路42c、循環ポンプ43、水路42dを通り、エゼクタ44を介して水路42eを通り、入口12から気液混合槽5および処理槽4内へ導入される。
エゼクタ44は、水路42dに接続された入口47および水路42eに接続された出口48に加え、空気が導入される空気取入口49を有している。空気取入口49から空気が供給されることにより、あるいは空気取入口49が大気に開放されることにより、エゼクタ44はその中を流れる洗濯水の流れに基づいて発生する負圧を利用して空気を取り込む。そして、取り込まれた空気は洗濯水と一緒に入口12から気液混合槽5へ入る。
【0035】
気液混合槽5では、前述したように、洗濯水および空気が撹拌混合され、空気は細かく砕かれた微細気泡となって、噴出口13から湧き上がる。この湧き上がる微細気泡を、洗濯水に含まれる洗剤成分(界面活性剤)が取り囲み、界面活性剤が微細気泡を潰さないように、微細気泡の周囲に付着する。そして洗剤成分は、微細気泡とともに上昇する。つまり、湧き上がる微細気泡に処理槽4内に溜められた洗濯水に含まれる洗剤成分(界面活性剤)が吸着する。そして水面16から洗剤成分が付着した泡が湧き出て、その泡は仕切り板17を通って泡沫槽7へ入る。
【0036】
排水管6の出口15および貯水槽100間には、洗濯水還元流路50が備えられている。洗濯水還元流路50は、水路51a,51b,51cを有しており、水路51aと51bとの間には流量調整バルブ52が設けられ、水路52bと51cとの間にはフィルタ53が設けられている。水路51aの一端は出口15につながり、出口15から排出される洗濯水は、水路51a,51b,51cを通って貯水槽100へ還元される。
【0037】
流量調整バルブ52は、出口15から流れ出す洗濯水(処理済の洗濯水)の流量を調整することにより、処理槽4内の洗濯水の水位(水面)16が予め定める位置に保たれるように調整するためのものである。洗濯水導入流路40により処理槽4へ導入される洗濯水の量に基づき、流量調整バルブ52が調整されて、水面16の位置が一定に保たれる。制御上は、液面計8で検出された水面16の位置変化に基づき、流量調整バルブ52の通過流量が調整される。
【0038】
以上のような構成であるから、循環ポンプ43を駆動することにより、貯水槽100に溜められた洗濯水(洗濯排水)は、洗濯水導入流路40を介して泡沫分離装置2に与えられ、泡沫分離処理がされる。すなわち洗濯水から、泡を用いて洗剤成分が分離される。
この際、エゼクタ44の空気取入口49に空気の供給を開始するタイミングは、液面計8により処理槽4内に予め定める水位16まで洗濯水が溜まった後とするのが好ましい。処理槽4内に溜められた洗濯水の水位が安定してからエゼクタ4により空気が洗濯水に混入されることにより、安定した泡沫分離処理が行えるからである。
【0039】
泡沫分離装置2で処理された後の洗濯水は、洗濯水還元流路50を通って貯水槽100に戻される。このように、貯水槽100の洗濯水は、洗濯水導入流路40→泡沫分離装置2→洗濯水還元流路50の間を循環される。これにより、洗濯水中の洗剤成分が取り除かれる。
取り除かれた洗剤成分の泡は、破泡装置3で洗剤成分の溶液にされ、前述したように泡沫分離濃縮水として回収容器31に回収される。
【0040】
図2は、図1に示す貯水槽100に複数の浄化装置が備えられた構成が図解的に示されている。
図1に示す洗濯水処理装置において、洗濯水が循環されることによって、貯水槽100に溜まった洗濯水は、洗剤成分がほぼ取り除かれた水になる。図2の構成では、この水をさらに浄化するための装置が組み込まれている。
【0041】
すなわち、貯水槽100には、極性反転機構(図示せず)を有する少なくとも一対の電極70および撹拌装置71が備えられている。電極70は、アノード側電極(正電極)にアルミニウムまたは鉄のいずれかを含有する電極が用いられ、外部の直流電源(図示せず)に接続されている。なお、アノード側電極は、アルミニウムまたは鉄以外の、電気分解により溶解性のある金属電極であってもよい。
【0042】
貯水槽100では、泡沫分離処理された後の水が、撹拌装置71で撹拌され、電極70に直流電流が印加されることにより、電気分解処理が行われる。アノード側電極にアルミニウムが含有されている場合、アルミニウムイオンがクーロン量に比例して溶出する。溶出したアルミニウムイオンは水中の水酸化物イオンと反応して、水酸化アルミニウムとなる。この物質は不溶性で白色のゲル状物質であり、水中懸濁物のSS成分やコロイド分を凝集する効果がある。一方、カソード側電極からは水素イオンが微細気泡として発生する。
【0043】
電極70を用いた電気分解が停止されると、電気分解により発生した水素ガス等の微細気泡は、貯水槽100内で水酸化アルミニウムの凝集物を抱いて上昇し、浮上分離させる。このとき、貯水槽100の下部から水道水などの水を少量補給することによって、浮上分離している水酸化アルミニウムの凝集物を、貯水槽100の上部に設けた排出口103から排出分離することができる。
【0044】
なお、アノード側電極は、長期間の使用で電極面が不動態化して溶出が抑えられることがあるため、定期的に電極の極性反転を行うことが望ましい。
また、一方の電極にアルミニウムを含有する溶解性電極を用い、他方の電極に不溶解性電極(DSA)を用い、溶解性電極をアノード、不溶解性電極(DSA)をカソードとして一定時間通電した後に極性転換し、溶解性電極をカソード、不溶解性電極(DSA)をアノードとして一定時間通電させることによって、極性転換後は、アルミニウムイオンを溶出させることなく、微細気泡のみを貯水槽100内に供給することができる。これにより、水酸化アルミニウムの凝集物の浮上分離を促進できるという利点がある。
【0045】
さらに、極性反転後は、不溶解性電極(DSA)を塩素発生電極またはオゾン発生電極とすれば、これら電極がアノードとして一定時間通電されることによって、塩素またはオゾンが発生し、貯水槽100内の水を除菌することができるという効果がある。そのため、貯水槽100内の浄化された水を洗濯に再利用する場合は、より衛生的である。
また、貯水槽100の底面にヒータ72を配置することによって、貯水槽100内の水を加熱してもよい。これにより、貯水槽100内の水の溶存気体が析出して微細気泡になる効果により、水酸化アルミニウムの凝集物の浮上分離を促進することができる。この場合も、貯水槽100の下部から水道水などを少量補給することにより、浮上分離された水酸化アルミニウムの凝集物を、排出口103から排出分離することができる。
【0046】
さらに、貯水槽100の下方部にはマイクロバルブ発生装置73が備えられていてもよい。マイクロバルブ発生装置は、電気分解停止後に動作される。そして、マイクロバルブ発生装置73により発生されるマイクロバルブを貯水槽100内の水に供給することにより、マイクロバルブによる浮上分離効果と、水位上昇が同時に起こり、水酸化アルミニウムの凝集物の排出をより短時間で行うことができる。
【0047】
さらに、凝集剤貯蔵槽74を設け、たとえば電気分解によって生成した凝集剤(金属イオン等を含む凝集剤)を、ポンプ75によって貯水槽100内に供給する構成を追加してもよい。かかる構成により、貯水槽100内に供給される凝集剤により、貯水槽100に溜められた水の中のSS成分やコロイド成分が凝集され、それら凝集物は浮上分離によって除去される。
【0048】
以上の構成によって、泡沫分離装置2で洗濯水中の洗剤成分が除去された後の洗濯水から、コロイド状汚れ成分やSS成分が浮上分離される。それゆえ、浄化後の水の濁度を水道水レベルまで低下させることができる。よって、浄化処理後の水は、再び、洗濯の洗い水やすすぎ水として再利用することができる。その結果、洗濯にかかる年間使用水量を大幅に減らすことができ、経済的メリットも高い。
【0049】
なお、この実施形態では、凝集物を浮上分離させる例を説明しているが、凝集物を浮上分離ではなく、沈殿分離させる構成とすることもできる。
また、回収容器31に回収された泡沫分離濃縮水は、洗剤として再利用できる。また、界面活性剤等を含む洗剤成分の環境中への放出を大幅に削減できる。
さらに、貯水槽100に溜められた洗濯水を泡沫分離装置2で処理するため循環させる制御と、泡沫分離処理後の洗濯水を、図2に示すように浄化装置で浄化する制御とは、経時的に前後に分けたバッチ処理方式で行っている。これにより、洗濯水から、まず、洗剤成分を分離することができる。
【0050】
通常、洗濯水を、たとえば電気分解によりアルミニウムイオンなどの金属イオン等を発生させて凝集分離しようとした場合、洗剤成分が多く含まれていると、金属イオンの量も多く必要で、アルミニウム電極等の金属電極の消耗が激しく、しかも、凝集後の汚れ成分の汚泥も多く発生する。そこでこの発明のように、洗濯水から、泡沫分離装置を用いてまず洗剤成分を分離することにすれば、分離した洗剤成分は再利用することも可能となる。そして、洗剤成分が分離後の洗濯水は、電気分解により生じる金属イオン等を用いて汚れ成分を良好に凝集分離することが可能となる。
【0051】
この実施形態では、まず、貯水槽100と泡沫分離装置2との間を洗濯水を循環させ、その循環によって泡沫分離装置で洗濯水中の洗剤成分を分離するという処理を最初に行い、次いで、洗剤成分が分離された後の洗濯水を、浄化装置で浄化するという処理を行う。このように、バッチ処理方式で行うのが、全体としての制御の効率、洗濯水の浄化の効率を上げられ、望ましい。
【0052】
図3は、この発明の第2の実施形態に係る洗濯水処理装置付洗濯機の模式的な構成図である。
図3において、1は洗濯槽であり、洗いおよびすすぎのための洗濯水が溜められる。図3に示す洗濯機に備えられた洗濯水処理装置は、基本的には図1で説明した洗濯水処理装置と同じ構成であり、同一部分には同一番号を付して、重複した説明は省略する。
【0053】
図3に示す洗濯機の特徴は、洗濯槽1に溜められたすすぎ水が泡沫分離装置2を巡るように循環されることである。また、泡沫分離装置2の処理槽4内には、少なくとも一対のアルミニウム電極80が備えられていることである。
一対のアルミニウム電極80は、図示しない外部の直流電源に接続されている。泡沫分離装置2において、処理槽4内で泡沫分離処理が行われている最中に、アルミニウム電極80に直流電流が印加される。このとき、アノード側電極にアルミニウムが含有されている場合、アルミニウムイオンがクーロン量に比例して溶出する。溶出したアルミニウムイオンは水中の水酸化イオンと反応して、水酸化アルミニウムとなる。この物質は不溶性で白色のゲル状物質であり、水中の懸濁物のSS成分やコロイド成分を凝集する効果がある。処理槽4内で、水酸化アルミニウムの凝集物は、洗剤成分を含んだ泡とともに上昇し、泡沫槽7に押し上げられる。従って凝集された汚れ成分も、洗剤成分の泡と共に破泡装置3へ送られ、回収容器31に泡沫分離濃縮水として回収される。
【0054】
処理槽4におけるアルミニウム電極80への通電は、長期の使用で電極面が不動態化して溶出が抑えられることがある。このため、定期的に、アルミニウム電極80への極性反転を行うことが望ましい。
流量調整バルブ52は、図1に示す実施例と同様、液面計8の出力に基づいて、水面16が一定位置に保たれるように開度が調整される。かかる調整に加え、処理槽4内にアルミニウム電極80が設けられているから、アルミニウム電極80に流す電流値に応じて、流量調整バルブ52の開度を調整してもよい。
【0055】
すなわち、アルミニウム電極80は、処理槽4内に上下方向に延びる長手の電極とする。そして、電極の上端部が水面16の位置と等しい位置になるように配置しておく。これにより、アルミニウム電極80に流れる電流値は、貯水槽4内の水位が電極の上端よりも下がれば、変化する。従って、アルミニウム電極80を流れる電流値に基づき、水位を測定できるから、アルミニウム電極80に流れる電流値に基づいて、流量調整バルブ52の開度を調整することもできる。
【0056】
かかる構成を採用した場合、液面計8は省略することが可能である。
この実施形態に係る洗浄水処理装置は、洗濯槽1ですすぎが行われる場合の、すすぎ水に対しての処理に用いられる。洗濯槽1に溜められたすすぎ水を、泡沫分離装置2を通すように循環させることによって、すすぎ水中の洗剤成分が除去されるとともに、濁度を大幅に低下させることができる。従って、すすぎ時間の短縮が図れ、あるいはすすぎ回数を減らすことができる。
【0057】
なお、アルミニウム電極80は、電解に伴って溶融して消耗するため、アルミニウム電極80に流す電流値が下限値を下回った場合、電極の交換時期を知らせるように報知するのが望ましい。
図4は、この発明の第3実施形態に係る洗濯水処理装置付洗濯機の概略構成であり、洗濯水処理装置の変形例が示されている。
【0058】
図4の洗濯水処理装置は、図3の装置に加え、凝集剤注入手段が備えられた構成を示している。凝集剤注入手段は、凝集剤貯蔵槽(電解槽)83および定量ポンプ84を含んでいる。凝集剤貯蔵槽83は、ポリ塩化アルミニウムなどの凝集剤を蓄えた貯蔵槽であってもよいし、アルミニウムを含有する電極を有し、電気分解によりアルミニウムイオンなどを生成する電解液生成のための電解槽であってもよい。凝集剤または電解液は、定量ポンプ84で水路42eへ与えられる。
【0059】
泡沫分離装置2へ導入されるすすぎ水に、エゼクタ44により空気が加えられるのみでなく、凝集剤または電解液が加えられることにより、泡沫分離装置2の処理槽4内において、洗剤成分が泡として分離されるとともに、前述したアルミニウム電極80によって電解液が作成されるのに加えて、凝集剤や電解液が加えられているので、すすぎ水中の懸濁物であるSS成分やコロイド成分の凝集がより促進されるという効果がある。
【0060】
その他の構成および作用効果は、図3の構成と同様であり、ここでの説明については省略する。
図5は、この発明の第4実施形態に係る洗濯水処理装置付洗濯機の概略構成図である。図5に示す構成が、図3に示す構成と異なる点は、泡沫分離装置2の処理槽4内にアルミニウム電極が設けられる構成に代えて、エゼクタ44から気液混合槽5の入口12に至る水路42eに、電解槽86が挿入されていることである。電解槽86内には、少なくとも一対のアルミニウム電極87が設けられていて、図示しない外部の直流電源に接続されている。このように、電気分解を行うために、洗濯水導入流路40内に電解槽を挿入し、その電解槽内にアルミニウム電極を設けて、循環されるすすぎ水を電気分解し、すすぎ水中の不溶性で白色のゲル状物質や、水中懸濁物のSS成分やコロイド成分を凝集させ、それを泡沫分離装置2において、洗剤成分の泡と共に分離する構成としてもよい。
【0061】
図3〜図5に示す実施例において、アルミニウム電極80,87は、鉄電極であってもよい。あるいは、アルミニウムや鉄以外の、たとえばマグネシウム等の溶解性金属電極であってもよい。
この発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】この発明の第1実施形態に係る洗濯水処理装置の概略図である。
【図2】図1に示す貯水槽100に複数の浄化装置が備えられた構成を図解的な示す図である。
【図3】この発明の第2実施形態に係る洗濯水処理装置付洗濯機の模式的な構成図である。
【図4】この発明の第3実施形態に係る洗濯水処理装置付洗濯機の模式的な構成図である。
【図5】この発明の第4実施形態に係る洗濯水処理装置付洗濯機の模式的な構成図である。
【符号の説明】
【0063】
1 洗濯槽
2 泡沫分離装置
3 破泡装置
4 処理槽
5 気液分離槽
6 排水管
7 泡沫槽
40 洗濯水導入流路
43 循環ポンプ
44 エゼクタ
50 洗濯水還元流路
52 流量調整バルブ
70 電極
80,87 アルミニウム電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯水中の洗剤成分を泡を用いて分離するための泡沫分離装置と、
前記泡沫分離装置によって洗剤成分が分離された後の洗濯水を浄化するための浄化装置と、
を含むことを特徴とする洗濯水処理装置。
【請求項2】
前記浄化装置は、浄化する洗濯水を溜めるための貯水槽を有し、貯水槽に溜められた洗濯水を浄化することを特徴とする、請求項1記載の洗濯水処理装置。
【請求項3】
前記貯水槽は、処理前の洗濯水を溜めるための槽を兼ねており、
貯水槽と前記泡沫分離装置との間を洗濯水を循環させる循環装置を有することを特徴とする、請求項2記載の洗濯水処理装置。
【請求項4】
前記循環装置は、貯水槽の洗濯水を泡沫分離装置へ導く供給用水路と、
供給用水路に挿入され、洗濯水に空気を混合するエゼクタと、
供給用水路に挿入されたポンプと、
泡沫分離装置で処理された洗濯水を貯水槽へ導く還元用水路と
を含むことを特徴とする、請求項3記載の洗濯水処理装置。
【請求項5】
前記泡沫分離装置で泡沫分離を行わせるため、一定時間前記ポンプを駆動させ、その後、前記浄化装置を駆動させて、貯水槽の水の浄化処理を行わせるバッチ式制御手段を含むことを特徴とする請求項4記載の洗濯水処理装置。
【請求項6】
前記浄化装置は、貯水槽に溜められた洗濯水中の汚れ成分を凝集させることにより浄化を行うことを特徴とする請求項2〜5のいずれか記載の洗濯水処理装置。
【請求項7】
前記浄化装置は、前記貯水槽内に配置された電極対を含み、電極対に電圧が印加されることにより溜められた水を浄化する電気分解装置を含むことを特徴とする、請求項2〜5のいずれか記載の洗濯水処理装置。
【請求項8】
前記浄化装置の電極対は、一方の電極が溶解性金属電極であり、他方の電極が不溶解性電極であることを特徴とする、請求項7記載の洗濯水処理装置。
【請求項9】
前記不溶解性電極は、塩素発生電極またはオゾン発生電極を含むことを特徴とする、請求項8記載の洗濯水処理装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載の洗濯水処理装置が組み込まれていることを特徴とする洗濯機。
【請求項11】
洗濯水が溜められる洗濯槽と、
泡を用いて洗濯水の処理を行う泡沫分離装置であって、
洗濯水が溜められる上下に長手の処理槽、
前記処理槽内の下方に配置され、処理槽外へ突出した入口を有し、この入口から入る洗濯水および空気を処理槽内で上方へ向けて出す導入手段、
前記処理槽内の下方に流入口を有し、流入口から流入する処理後の洗濯水を処理槽から排出するための排水管、ならびに
前記処理槽の上部に連通され、上方に向かって逆ホッパー形状をし、その上端から泡を排出するための泡沫槽、
を備える泡沫分離装置と、
前記導入手段の入口から入る洗濯水に空気を流入させるためのエゼクタと、
前記洗濯槽および前記導入手段の入口の間を、前記エゼクタを介して接続している水路と、
前記水路内に挿入された洗濯水供給用のポンプと、
を含むことを特徴とする洗濯水処理装置付洗濯機。
【請求項12】
前記排水管の出口から排出される処理後の洗濯水の流量を調整するための流量調整バルブを有することを特徴とする、請求項11記載の洗濯水処理装置付洗濯機。
【請求項13】
前記処理槽内に設けられ、処理槽に溜められた洗濯水を電気分解するための少なくとも一対の電極と、
前記電極へ電圧を印加し、かつ、印加する電圧の極性を反転させることのできる電圧印加制御手段と、
を含むことを特徴とする、請求項11または12記載の洗濯水処理装置付洗濯機。
【請求項14】
前記ポンプおよび前記導入管入口間の水路に挿入され、水路を通る洗濯水を電気分解するための少なくとも一対の電極と、
前記一対の電極に対して電圧を印加し、かつ、印加する電圧の極性を反転させることのできる電圧印加制御手段と、
を含むことを特徴とする、請求項11または12記載の洗濯水処理装置付洗濯機。
【請求項15】
前記電極は、一方電極が溶解性の金属電極を含むことを特徴とする、請求項13または14記載の洗濯水処理装置付洗濯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−14867(P2007−14867A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−198119(P2005−198119)
【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】