説明

洗濯液中のリント除去装置、及び同方法

【課題】洗濯機におけるリント除去技術を改良して、除去したリントを自動的に排出できるようにする。
【解決手段】スクリーンを円錐筒状に形成した円錐筒状スクリーン1を回転駆動ローラ3によってX軸周りに回転させながら、洗濯液供給管7の洗濯液供給孔8から「リントを含む洗濯液」を送入する。送入された洗濯液は洗濯液拡散板10に案内されてウエッジフイルタ6を通過し、リントを濾別される。濾別されたリントは互いに絡み合ってリント玉16となり、円錐筒状スクリーン1の回転に因る遠心力とスクリーンの傾斜角θとの作用で図の右方へ送られ、矢印aのように排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続洗濯機の洗濯液中に含まれているリントを容易に、かつ自動的に除去する技術に関するものである。
ただし本発明において洗濯液とは、予洗水やすすぎ液を含めて、洗濯に用いられる液体を総称する意である。
【背景技術】
【0002】
連続洗濯機は一般に、繊維製品である被洗濯物を洗濯液の中で撹拌するので、洗濯作業の進行に伴って、洗濯液中にリント(糸くず)が混入する。
従来、このリントを除去する技術は種々工夫されてきたが、要するにスクリーン(フィルタ)で濾過するものである。
従来技術におけるスクリーンは静止部材であって、リントを含む液が流動して上記のスクリーンを透過する際、含んでいたリントを濾別されるようになっていて、該スクリーンにリントが堆積するようになっていた。
【0003】
例えば特開平10−033882号公報には、開口部を斜め上方に向けて設置するというリント捕集装置が提案されている。
また、特開平9−299685号公報には、洗濯物との干渉を避けてフィルタを設置する技術が提案されている。
さらに、特開平7−088309号公報には、フィルタ布の織りかたを工夫した改良マーキゼット編みが提案されている。
最も新しい公知技術として特開2005−192920号公知には、櫛歯状の部材でリントを除去する技術が開示されている。
未公知の先行技術として、回転する円筒状スクリーンによってリントを漉し取ってスクリーンの内壁面に堆積させ、堆積したリントを洗濯液流で剥がし取る技術が開発されている。
この未公知の先行技術に係る発明は、本発明者らによって創作され、本出願人によって別途出願中のもの(特許願2005−149996号・以下、未公知の先願という)である。
【特許文献1】特開平10−033882号公報
【特許文献2】特開平9−299685号公報
【特許文献3】特開平7−088309号公報
【特許文献4】特開2005−192920号公報
【特許文献5】特願2005−149996(未公知の先願)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来リントの除去については、如何にして効率よくリントを濾別するか種々の工夫が為されているが、洗濯作業の進行に伴い、濾別されたリントがスクリーンに堆積して流通抵抗が増加してゆく。
スクリーンに堆積したリントの除去は専ら手作業に頼っていた。このため多大の時間と労力とを費やしていた。
【0005】
本発明は以上に述べた事情に鑑みて為されたものであって、その目的とするところは、スクリーン面に堆積したリントを自動的に除去し、かつ自動的に排出し得る新規な技術を提供するにある。
これにより当然に、洗濯作業の自動化やメンテナンスの省人化に貢献することが期待される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために創作した本発明の基本的な原理について、その1実施形態に対応する図1を参照して略述すると次の通りである。
リント除去用の主たる構成部材は円錐筒状スクリーン1であって、回転駆動ローラ3によって軸心X周りに回転せしめられている。
洗濯液供給管7で送られて洗濯液供給孔8から送出される洗濯液は、円錐筒状スクリーンの側壁を構成しているフイルタ6で漉し取られる。
漉し取られたリントは円錐筒状スクリーンの内壁面に堆積し、円錐筒状スクリーンと一緒に回転する。該リントは、遠心力によって円錐筒状スクリーンの大径側(図において右方)へ移動し、リント排出口2から矢印aのように排出される(リントは、回転する円錐筒状スクリーン内で転がされてリント玉16になっている)。
【0007】
上述の原理に基づく具体的な構成として請求項1の発明に係る洗濯液中のリント除去は、(図1参照)リントを含む洗濯液の中からリントを自動的に除去する方法において、
底部が開放された円錐筒状のスクリーン1を、中心線X周りに回転させつつ、 上記円錐筒状スクリーン内の、円錐頂点寄りの箇所に洗濯液を供給し、
供給された洗濯液を円錐筒状スクリーンの回転方向に「つれ周り」させることにより、該洗濯液に遠心力を与え、スクリーンの円錐筒壁を通過させてリントを漉し取り、
円錐筒状スクリーンの内側面に堆積したリントを、遠心力により円錐の底部方向へ移動せしめて、
開放されている底部からリントを自動的に排出させることを特徴とする。
【0008】
請求項2の発明に係る洗濯液中のリント除去方法の構成は、前記請求項1の発明方法の構成要件に加えて、
(図1参照)円錐筒状スクリーン1内の、洗濯液を供給する箇所8よりも円錐の底部側に位置せしめて、洗濯液拡散板10を配置し、洗濯液の流れを該洗濯液拡散板により拡散せしめて円筒壁に向かわせることを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明に係る洗濯液中のリント除去方法の構成は、前記請求項1または請求項2の発明方法の構成要件に加えて、
(図1参照)円錐筒状スクリーン1の大径側の端部に円柱面をなすローラ転動面4を設けて、これに回転駆動ローラ3を接触させるとともに、
該円錐筒状スクリーンの小径側の端部に、前記ローラ転動面と同径の受動プーリ5を取り付け、回転駆動ローラ3を接触させることにより、前記円錐筒状スクリーンを回転させることを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明に係る洗濯液中のリント除去方法の構成は、前記請求項1ないし請求項3の発明方法の構成要件に加えて、
(図2(A)参照)前記円錐筒状スクリーン1の筒壁を、ウエッジフイルタ6によって構成するとともに、該ウエッジフイルタのウエッジワイヤが「円筒面上の点Pを通る円周」と成す角φを、
0度≦φ<90度
ならしめ、
若しくは、(図3(C)参照)円錐筒状スクリーンの筒壁に多数の小孔群15を穿つことを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明に係る洗濯液中のリント除去装置の構成は、
(図1参照)リントを含む洗濯液の中からリントを自動的に除去する装置において、
側面をフイルタ6で構成され、底部を開放された円錐筒状スクリーン1と、
上記の円錐筒状スクリーンを軸心周りに回転駆動する手段3と、
該円錐筒状スクリーン内部の、小径側寄りに設けられた洗濯液供給孔8と、を具備していることを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明に係る洗濯液中のリント除去装置の構成は、前記請求項5の発明装置の構成要件に加えて、
(図1参照)前記円錐筒状スクリーン1の内部に、洗濯液供給孔8よりも底部寄りに位置せしめて、該円錐筒状スクリーンの軸心にほぼ直交する洗濯液拡散板1)が設けられていることを特徴とする。
【0013】
請求項7の発明に係る洗濯液中のリント除去装置の構成は、前記請求項6の発明装置の構成要件に加えて、
(図1参照)円錐筒状スクリーン1の円錐頂点付近が切り欠かれた形になっていて、鏡板9で塞がれていて、
該鏡板に対して洗濯液供給管7が、相対的回転可能に貫通しており、
上記洗濯液供給管7の先端部付近に、前記の洗濯液供給孔8が穿たれていることを特徴とする。
【0014】
請求項8の発明に係る洗濯液中のリント除去装置の構成は、前記請求項5ないし請求項7の発明装置の構成要件に加えて、
(図1参照)前記の円錐筒状スクリーンを軸心周りに回転駆動する手段が、
該円錐筒状スクリーン1の大径側の端部の外周に設けられた、円柱面状のローラ転動面4と、
上記円錐筒状スクリーン1の小径側の端部付近に設置された、前記ローラ転動面と等径の受動プーリ5と、
上記ローラ転動面と受動プーリとのそれぞれに接触する回転駆動ローラ3と、を具備していることを特徴とする。
【0015】
請求項9の発明に係る洗濯液中のリント除去装置用の円錐筒状スクリーンの構成は、(図2(A)参照)円錐面状の側壁を有するとともに、円錐底部に開口を有し、かつ上記側壁がフイルタ部材で形成され、
かつ、上記フイルタ部材がウエッジフイルタ6、もしくは小孔群15によって構成されていること、
または、円錐に類似した形状の枠状構造体12と、上記枠状構造体の開口部に嵌め合わせて取り付けられた複数個のスクリーンセグメント13とによって構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の発明に係る洗濯液中のリント除去方法を適用すると、洗濯液中のリントが自動的に捕捉され、かつ自動的に排出されるので、人手を要せずにリント用のスクリーンを常に清浄に保つことができる。
従って、洗濯液中のリント量を極めて少なく押さえることができ、被洗濯物にリントが付着したり、リントに因る故障を生じたりする虞れが無い。
【0017】
請求項2の発明に係る洗濯液中のリント除去方法を前記請求項2の発明方法に併せて適用すると、洗濯液が効率よくフイルタを通過し、高能率でリントが除去される。従って、比較的小形軽量の機器を用いて、実用上完全なリント除去を経済的に遂行することができる。
【0018】
請求項3の発明に係る洗濯液中のリント除去方法を前記請求項1または請求項2の発明方法に併せて適用すると、簡単で安価な機器を用いて、円錐形状のスクリーンを安定に回転させることができる。
【0019】
請求項4の発明に係る洗濯液中のリント除去方法を前記請求項1ないし請求項3の発明方法に併せて適用すると、洗濯液中のリントをスクリーンによって効率よく捕捉することができる。
しかも多種類のフイルタを選択する自由度が大きく、洗濯条件に対応して適正なリント除去を行なうことができる。
【0020】
請求項5の発明に係る洗濯液中のリント除去装置を適用すると、
洗濯液中のリントが自動的に捕捉され、かつ自動的に排出されるので、人手を要せずにリント用のスクリーンを常に清浄に保つことができる。
従って、洗濯液中のリント量を極めて少なく押さえることができ、被洗濯物にリントが付着したり、リントに因る故障を生じたりする虞れが無い。
【0021】
請求項6の発明に係る洗濯液中のリント除去装置を、前記請求項5の発明装置に併せて適用すると、洗濯液拡散板を設けるという簡単な安価な手段により、洗濯液が効率よくフイルタを通過し、高能率でリントが除去される。
【0022】
請求項7の発明に係る洗濯液中のリント除去装置を、前記請求項6の発明装置に併せて適用すると、円錐筒状スクリーンの回転を妨げることなく洗濯液を該円錐筒状スクリーンの中へ安定に供給し得るのみでなく、洗濯液供給管によって円錐筒状スクリーンを支承することもでき、円滑な稼働を維持することができる。
【0023】
請求項8の発明に係る洗濯液中のリント除去装置を、前記請求項5ないし請求項7の発明装置に併せて適用すると、円錐形状の円錐筒状スクリーンを安定に支承して、無理なく回転させることができる。その上、回転部材同士の摩擦伝動を利用しているので、回転駆動ローラに触れることなく円錐筒状スクリーンを迅速容易に着脱することができてメンティナンス性が良い。
【0024】
請求項9の発明に係る洗濯液中のリント除去装置用円錐筒状スクリーンは、リント除去性能に優れ、しかも1個の補給部品として市場流通性を有し、ユーザーにとっても非常に便利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は本発明に係る洗濯液中のリント除去装置の1実施形態の1部を破断して模式的に描いた外観斜視図である。
符号1を付して示したのは主要構成部材の円錐筒状スクリーンである。この部材は概要的に円錐形状をなし、中空であって底面が無い。円錐形の頂点は切り欠かれて、鏡板9で塞がれている。
要するに裁頂無底の円錐筒であって、その側面はウエッジフイルタ6で形成されている。後述するように、無底の箇所はリント排出口2として機能する。
【0026】
円錐の大径側の端部付近に、円柱面状のローラ転動面4が形成されるとともに、該円錐の小径側の端部付近に受動プーリ5が設置されている。上記のローラ転動面4と受動プーリ5とは、その直径寸法を揃えることが望ましい。
上記ローラ転動面4と受動プーリ5とのそれぞれに対して回転駆動ローラ3が接触し、摩擦伝動によ流動によって前記の円錐筒状スクリーン1を回転させる。回転方向はどちらでも良い。
【0027】
円錐筒状スクリーン1の中心線X−Xと同心に洗濯液供給管7が配置され、前記鏡板9を貫通している。該洗濯液供給管7の先端には洗濯液供給孔8が穿たれている。この洗濯液供給孔の位置は、円錐筒状スクリーン内の小径側寄りに設定される。
上記洗濯液供給管7の先端に、X軸に直角な洗濯液拡散板10が取り付けられている。
この洗濯液拡散板10の外周と前記円錐筒状スクリーン1の内面との間には適宜の間隔を設けてある。該洗濯液拡散板10の形状は、必ずしも円板であることを要せず、洗濯液供給孔8から流出した洗濯液の流れをウエッジフイルタ6に向けて案内し得る形状であれば良い。
【0028】
次に、上述のように構成された装置を用いて洗濯液中のリントを除去する操作とその作用とについて説明する。
回転駆動ローラ3によって円錐筒状スクリーン1を回転させながら、リントを含む洗濯液を洗濯液供給管7から供給する。
洗濯液供給孔8から送出された洗濯液は洗濯液拡散板10によってウエッジフイルタ6へ接近する方向に案内される。
【0029】
洗濯液はウエッジフイルタ6を流通して、含んでいたリントを漉し取られる。
濾別されたリントは、差し当たってウエッジフイルタの内周面に堆積する。
このウエッジフイルタの内周面付近には、洗濯液の複雑な流動が有る。
イ.洗濯液供給孔8から送入されて、無底部の開口2へ向かう動き、
ロ.洗濯液供給孔8から送入されて、ウエッジフイルタ6を通り抜ける動き、
ハ.洗濯液とウエッジフイルタ6との間の流動摩擦によって、円錐筒状スクリーンと一緒に回されようとする動き(いわゆる、つれ回り)。
上記の動きが総合されて、ウエッジフイルタ内周面付近の洗濯液はフイルタ面に沿って螺旋状に流動する。
【0030】
ウエッジフイルタ6の内面に濾別されたリントは、洗濯液の螺旋状の動きにより、円錐筒状スクリーン1内周面(ウエッジフイルタ6に内周面と同意)を螺旋状軌跡を描いて底部開口2に向かう。
多数のリントが互いに絡み合ってリントの毛玉(リント玉)になる。
リント玉が螺旋運動するので、遠心力Fを受ける。その方向は中心線Xから遠ざかる方向である。
【0031】
円錐筒状スクリーン1の内周面が円錐であるため、FSinθの分力に相当する力が、X軸と平行に開口2に向けて働く。
リント玉は洗濯液流に乗りながら、上記の分力の作用を受け、螺旋状の軌跡を描いて転がりながらリント排出口2に向かい、矢印aのように排出される。符号16を付して示したのは、排出されたリント玉である。
以上のようにして、洗濯液中のリントは自動的に濾別され、自動的に排出されるので、スクリーン清掃の人手を要しない。
【0032】
次に、円錐筒状スクリーンに関する各種の実施形態を説明する。
図2(A)は、前掲の図1に描かれていた円錐筒状スクリーン1を抽出して描いた単品の外観斜視図である。
側面(円錐面)うえに任意の点Pをとる。
Sは、点Pを通りX軸に直角な仮想の面による切口の円である。直線t−tは、点Pにおける円Sの接線である。
【0033】
直線T−Tは、上記の点Pにおけるウエッジフイルタ6の素線の方向を表している。
素線の方向T−Tと、円錐面の接線t−tとの成す角φを極限的に小さくすると、ウエッジフイルタ6は1本の長いウエッジワイヤを密巻きしたものとなる。ただし、前記のピッチ角φを完全に0にすることは好ましくない(不可能ではないが、高価になるに見合ったメリットが無い)。
図示を省略するが、前記のピッチ角φを90度にすると、多数のウエッジワイヤが縦に並んだ構造となる。このような構造も不可能ではないが、ワイヤ間隔を規制することが非常に難しい。
本発明を実施する場合、前記のピッチ角φは、0度〜90度の間で適宜に設定することができる。
【0034】
図2(B)は、円錐状ウエッジフイルタ6の技術的な困難を解消し、製造コストを低減するように創作された実施形態に係る円錐筒状スクリーン11の外観斜視図である。
概要的に円錐状を成す枠状構造体12を構成し、枠の間の開口部にフイルタセグメント13を嵌め合わせる。
このよなセグメント構造にすると、1個のフイルタセグメント13は平面状もしくはこれに類似する部材であっても、枠状構造体12に支えられて全体的に円錐筒状のスクリーン11が形成される。
【0035】
図2(C)は更に異なる実施形態の外観斜視図である。この円錐筒状スクリーン14は、円錐面に多数の小孔群15を穿ってある。つまりパンチングプレートを板金加工して円錐筒を形成してある。
このように構成しても、リントを含む洗濯液の濾過と、遠心力によるリント玉の移動という円錐筒状スクリーンの役目を果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明に係る洗濯液中のリント除去装置の1実施形態を示し、部分的に破断して描いた模式的な斜視図
【図2】本発明に係る円錐筒状スクリーンの各種実施形態を示し、(A)はウエッジワイヤを巻き付けた構造のフイルタを備えた例、(B)は複数のフイルタセグメントを枠状構造体に嵌め合わせた構造の例、(C)は多数の小孔群を穿ったパンチングプレートを板金加工して構成した例
【符号の説明】
【0037】
1…円錐筒状スクリーン
2…リント排出口
3…回転駆動ローラ
4…ローラ転動面
5…受動プーリ
6…ウエッジフイルタ
7…洗濯液供給管
8…洗濯液供給孔
9…鏡板
10…洗濯液拡散板
11…円錐筒状スクリーン
12…枠状構造体
13…フイルタセグメント
14…円錐筒状スクリーン
15…小孔群
16…リント玉
a…リント玉の排出を示す矢印
P…円錐面上の任意の点
S…点Sを通る切口円
t…点Pにおける円Sの接線
T…点Pにおけるウエッジワイヤの方向を表す線
θ…円錐面の傾斜角
φ…ウエッジワイヤのピッチ角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リントを含む洗濯液の中からリントを自動的に除去する方法において、
底部が開放された円錐筒状のスクリーン(1)を、中心線(X)周りに回転させつつ、
上記円錐筒状スクリーン内の、円錐頂点寄りの箇所に洗濯液を供給し、
供給された洗濯液を円錐筒状スクリーンの回転方向に「つれ周り」させることにより、
該洗濯液に遠心力を与え、スクリーンの円錐筒壁を通過させてリントを漉し取り、
円錐筒状スクリーンの内側面に堆積したリントを、遠心力により円錐の底部方向へ移動せしめて、
開放されている底部からリントを自動的に排出させることを特徴とする、洗濯液中のリント除去方法。
【請求項2】
円錐筒状スクリーン(1)内の、洗濯液を供給する箇所(8)よりも円錐の底部側に位置せしめて、洗濯液拡散板(10)を配置し、洗濯液の流れを該洗濯液拡散板により拡散せしめて円筒壁に向かわせることを特徴とする、請求項1に記載した洗濯液中のリント除去方法。
【請求項3】
円錐筒状スクリーン(1)の大径側の端部に円柱面をなすローラ転動面(4)を設け、回転駆動ローラ(3)を接触させるとともに、
該円錐筒状スクリーンの小径側の端部に、前記ローラ転動面と同径の受動プーリ(5)を取り付け、回転駆動ローラ(3)を接触させることにより、前記円錐筒状スクリーンを回転させることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載した洗濯液中のリント除去方法。
【請求項4】
前記円錐筒状スクリーン(1)の筒壁を、ウエッジフイルタ(6)によって構成するとともに、該ウエッジフイルタのウエッジワイヤが「円筒面上の点Pを通る円周」と成す角φを、
0度≦φ<90度
ならしめ、
若しくは、該円錐筒状スクリーンの筒壁に多数の小孔群(15)を穿つことを特徴とする、請求項1ないし請求項3の何れかに記載した洗濯液中のリント除去方法。
【請求項5】
リントを含む洗濯液の中からリントを自動的に除去する装置において、
側面をフイルタ(6)で構成され、底部を開放された円錐筒状スクリーン(1)と、
上記の円錐筒状スクリーンを軸心周りに回転駆動する手段(3)と、
該円錐筒状スクリーン内部の、小径側寄りに設けられた洗濯液供給孔(8)と、を具備していることを特徴とする、洗濯液中のリント除去装置。
【請求項6】
前記円錐筒状スクリーン(1)の内部に、洗濯液供給孔(8)よりも底部寄りに位置せしめて、該円錐筒状スクリーンの軸心にほぼ直交する洗濯液拡散板(10)が設けられていることを特徴とする、請求項5に記載した洗濯液中のリント除去装置。
【請求項7】
円錐筒状スクリーン(1)の円錐頂点付近が切り欠かれた形になっていて、鏡板(9)で塞がれていて、
該鏡板に対して洗濯液供給管(7)が、相対的回転可能に貫通しており、
上記洗濯液供給管(7)の先端部に前記洗濯液供給孔(8)が穿たれていることを特徴とする、請求項6に記載した洗濯液中のリント除去装置。
【請求項8】
前記の円錐筒状スクリーンを軸心周りに回転駆動する手段が、
該円錐筒状スクリーン(1)の大径側の端部の外周に設けられた、円柱面状のローラ転動面(4)と、
上記円錐筒状スクリーン(1)の小径側の端部付近に設置された、前記ローラ転動面と等径の受動プーリ(5)と、
上記ローラ転動面と受動プーリとのそれぞれに接触する回転駆動ローラ(3)と、を具備していることを特徴とする、請求項5ないし請求項7の何れかに記載した洗濯液中のリント除去装置。
【請求項9】
円錐面状の側壁を有し、円錐底部に開口を有し、上記側壁がフイルタ部材で形成さるとともに、
上記フイルタ部材がウエッジフイルタ(6)、もしくは小孔群(15)によって構成されており、
または、円錐に類似した形状の枠状構造体(12)と、上記枠状構造体の開口部に嵌合されたスクリーンセグメント(13)とによって構成されていることを特徴とする、洗濯液中のリント除去装置用の円錐筒状スクリーン。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−130381(P2007−130381A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−328685(P2005−328685)
【出願日】平成17年11月14日(2005.11.14)
【出願人】(390027421)株式会社東京洗染機械製作所 (47)
【Fターム(参考)】