説明

活性エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物

【課題】透明性及び耐熱性に優れ、且つ収縮率が低く、樹脂製金型、特にポリカーボネート製金型からの離型性が良好な硬化物が得られる活性エネルギー線硬化性組成物を提供する。
【解決手段】エポキシ(メタ)アクリレート(A)、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、ラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート及びアルキレンオキサイド変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種のヒドロキシピバリン酸系ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート(B)並びに光重合開始剤(C)を含有する活性エネルギー線硬化性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明性及び耐熱性に優れ、且つ収縮率が低く、樹脂製金型、特にポリカーボネート製金型からの離型性が良好な硬化物を得ることが可能な活性エネルギー線硬化性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
活性エネルギー線硬化性組成物は、紫外線、電子線等の活性エネルギー線を照射することにより短時間で硬化し、その硬化物に強靭性、柔軟性、耐擦傷性、耐候性、耐薬品性等の優れた特性を付与できる。このことから、活性エネルギー線硬化性組成物は、木工、塩ビ床材、プラスチック成型品、プラスチックフィルム、光ファイバー被覆材、光記録媒体被覆材、注型等の多くの産業用途に使用されている。
【0003】
特に光記録媒体分野では、例えば、記録面の保護コーティング材、読み取り面の傷付き防止ハードコート材、デジタルバーサタイルディスク(以下、「DVD」という)の接着剤、レーベル面の印刷インキ等の各種用途向けに活性エネルギー線硬化性組成物が多く利用されている。
【0004】
近年、DVDを越える大容量の光記録媒体として、基材、記録膜、透明カバー層を設けて透明カバー層側から青色レーザーにより情報を読み取り又は書き込むタイプの光記録媒体が開発されている(例えば、特許文献1)。
【0005】
更に、高密度の光記録媒体として、記録層を多層化したタイプの光記録媒体の開発が進められている(例えば、特許文献2)。
【0006】
このような多層光記録媒体では、半透明記録層と他の記録層を一定厚みで隔てる透明な中間層が必要である。この中間層の製造方法としては、例えば、信号に対応した微小な溝又はピット等を有する透明スタンパと基材の間に活性エネルギー線硬化性組成物を所望の一定膜厚となるように注入して硬化させた後に透明スタンパを剥離することにより得る方法が挙げられる(例えば、特許文献3及び4)。
【0007】
また、情報を記録すべき信号に対応する微小な凹凸を形成するために開発された、離型性及び耐熱性に優れる硬化性組成物も知られている(例えば、特許文献5及び6)。これら組成物の硬化物は離型性と耐熱性に優れているが、特許文献5に記載の組成物は、耐熱性に優れるものの、硬化収縮が大きいため光記録媒体の反りが大きくなるという課題があった。また、特許文献6に記載の組成物の硬化物は、ニッケル等の金属製のスタンパからの離型性には優れるが、ポリカーボネート等の樹脂製のスタンパを利用する場合には離型性が十分ではないという課題があった。
【特許文献1】特開平11−66618号公報
【特許文献2】特開2003−16701号公報
【特許文献3】特開2002−334490号公報
【特許文献4】特開2003−203402号公報
【特許文献5】特開昭62−88156号公報
【特許文献6】特開平5−59139号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、透明性及び耐熱性に優れる硬化物が得られ、且つ収縮率が低く、樹脂製金型、特にポリカーボネート製金型からの離型性が良好な硬化物を得ることが可能な硬化性組成物を提供すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、エポキシ(メタ)アクリレート(A)、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、ラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート及びアルキレンオキサイド変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種のヒドロキシピバリン酸系ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート(B)並びに光重合開始剤(C)を含有する活性エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物にある。
【0010】
また、本発明は、上記組成物にその他の(メタ)アクリル酸エステル(D)を含有する活性エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物にある。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、透明性及び耐熱性に優れる硬化物が得られ、且つ収縮率が低く、樹脂製金型、特にポリカーボネート製金型からの離型性が良好な硬化物を得ることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明について、詳細に説明する。尚、本発明において「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸又はメタクリル酸」を、「(メタ)アクリロイル基」は「アクリロイル基又はメタクリロイル基」を、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタクリレート」、「(メタ)アクリルアミド」は「アクリルアミド又はメタクリルアミド」をそれぞれ意味する。
【0013】
また、以下、エポキシ(メタ)アクリレート(A)を「(A)成分」、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、ラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート及びアルキレンオキサイド変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種のヒドロキシピバリン酸系ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート(B)を「(B)成分」、光重合開始剤(C)を「(C)成分」並びにその他の(メタ)アクリル酸エステル(D)を「(D)成分」という。
【0014】
<(A)成分>
本発明において、(A)成分は、活性エネルギー線硬化性組成物(以下、「本発明の組成物」という)の硬化物に低収縮性と適度な可撓性を付与し、樹脂製金型、特にポリカーボネート製金型からの離型性を向上させる成分である。
【0015】
本発明の組成物中の(A)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量%中、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。また、90質量%以下であることが好ましく、85質量%以下であることがより好ましい。(A)成分が5質量%以上の場合には本発明の組成物の硬化収縮率が低減し、且つ硬化物の可撓性が良好となる傾向にある。また、90質量%以下の場合には組成物の液粘度が低くなる傾向にある。
【0016】
(A)成分は、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ポリグリコールジグリシジルエーテル、モノグリシジルエーテル、フルオレン系エポキシ樹脂、多官能脂肪族エポキシ化合物等のグリシジルエーテル化合物に(メタ)アクリル酸又はその誘導体を反応させて得ることができる。
【0017】
具体例としては、エピクロルヒドリンとビスフェノールAの共重合体に(メタ)アクリル酸を付加した化合物、エピクロルヒドリンと水添ビスフェノールAの共重合体に(メタ)アクリル酸を付加した化合物、エピクロルヒドリンとビスフェノールFの共重合体に(メタ)アクリル酸を付加した化合物、エピクロルヒドリンと臭素化ビスフェノールAの共重合体に(メタ)アクリル酸を付加した化合物、グリシジルエーテル化フェノールノボラックに(メタ)アクリル酸を付加した化合物、グリシジルエーテル化o−クレゾールノボラックに(メタ)アクリル酸を付加した化合物、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル等の多官能脂肪族エポキシ樹脂に(メタ)アクリル酸を付加した化合物、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールジグリシジルエーテルに(メタ)アクリル酸を付加した化合物、ビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテルに(メタ)アクリル酸を付加した化合物、ビスフェノキシエタノールフルオレンジグリシジルエーテルに(メタ)アクリル酸を付加した化合物等が挙げられる。これらは一種単独で又は二種以上を併用して用いることができる。
【0018】
それらの中でも、組成物の粘度が低く硬化物の耐熱性が良好であることから、エピクロルヒドリンとビスフェノールAの共重合体に(メタ)アクリル酸を付加した化合物が好ましい
(A)成分の合成方法としては、公知の合成方法を適宜選択することができる。例えば、酸触媒の存在下で上記エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸又はその誘導体を反応させることで製造することができる。
【0019】
(A)成分を構成する(メタ)アクリル酸又はその誘導体は、エポキシ樹脂のグリシジル基に対してモル当量で超えない範囲で適宜用いることができる。尚、ここでいうモル当量とは、合成に使用する化合物のモル数と合成反応に関与する分子内の官能基数とを乗じた数を指す。
【0020】
<(B)成分>
本発明において、(B)成分は本発明の組成物の粘度を低下させ、硬化物の耐熱性を付与し、且つ硬化物の金型からの離型性も良好とする成分である。中でも、樹脂製の金型、特にポリカーボネート製の金型に対して極めて優れた離型性を付与することができる。
【0021】
本発明の組成物中の(B)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量%中、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましい。また、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることがより好ましい。10質量%以上の場合には硬化物の表面硬度が良好となる傾向にあり、95質量%以下の場合には組成物の粘度が低減する傾向にある。
【0022】
(B)成分は、例えば、市販品として入手可能なヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルを直接、又はラクトン変性後若しくはアルキレンオキサイド変性後に、アクリル酸エステル化することにより合成することができる。
【0023】
具体例としては、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、γ−ブチロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、δ−バレロラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、α−メチル−γ−ブチロラクトン変性ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、β−プロピオラクトン変性ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、ブチレンオキサイド変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは一種単独で又は二種以上を併用して用いることができる。
【0024】
それらの中でも、組成物の粘度が低く硬化物の耐熱性が良好であることから、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0025】
<(C)成分>
本発明において、(C)成分は、本発明の組成物の重合を促進し効率よく硬化物を得るための成分である。
【0026】
本発明の組成物中の(C)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分、又は後述する(D)成分を配合する場合は(D)成分も加えたものの合計量100質量部に対して、下限値が0.001質量部以上であることが好ましく、0.01質量部以上であることがより好ましい。また、上限値が5質量部以下であることが好ましく、3質量部以下であることがより好ましい。0.001質量部以上の場合には、本発明の組成物の硬化性促進効果が十分に発現される傾向にあり、5質量部以下の場合には、本発明の組成物の深部硬化性が良好となり、且つ耐黄変性が良好な硬化物が得られる傾向にある。
【0027】
(C)成分の具体例としては、ベンゾフェノン、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、メチルフェニルグリオキシレート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−メチル−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、メチルベンゾイルホルメート等が挙げられる。これらは一種単独で又は二種以上を併用して用いることができる。
【0028】
本発明の組成物を光学物品用組成物として用いる場合、特にその中でも、読み取り及び又は書き込みに使用するレーザーが、青色レーザーである光記録媒体のカバー層や中間層として使用する際には、硬化物の青色レーザー透過率が良好となることから、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン及びメチルフェニルグリオキシレートを、一種単独で又は二種以上を併用して用いることが好ましい。
【0029】
<(D)成分>
本発明の組成物には、組成物の粘度と架橋密度を調整する目的で、更に、(A)成分及び(B)成分以外の(D)成分を含有することができる。
【0030】
(D)成分は本発明の組成物中に任意の割合で含有させることができる。注型作業性の観点から、(D)成分の含有量は(A)、(B)及び(D)成分の合計量100質量%中に、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましい。また、その含有量は80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましい。(D)成分の含有量が10質量%以上の場合には、得られる硬化物の表面硬度が良好となる傾向にあり、その含有量が80質量%以下の場合には、得られる組成物の粘度が低減する傾向にある。
【0031】
本発明の組成物中に(D)成分を含む場合、(A)、(B)及び(D)成分の合計量100質量%中に、(A)成分の含有量は7質量%以上であることが好ましく、12質量%以上であることがより好ましい。また、その含有量は77質量%以下であることが好ましく、67質量%以下であることがより好ましい。(B)成分の含有量は13質量%以上であることが好ましく、18質量%以上であることがより好ましい。また、その含有量は83質量%以下であることが好ましく、73質量%以下であることがより好ましい。
【0032】
(D)成分の具体例としては、分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(以下「(d1)成分」という)、分子内に2個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(以下「(d2)成分」という)及び分子内に1個の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸エステル(以下「(d3)成分」という)等が挙げられる。
【0033】
(d1)成分の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等のジイソシアネートと、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール、アミドジオール等のポリアルコール類と、トリメチロールプロパンジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとを反応させたウレタンポリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、トリスエトキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステル、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリル酸エステル、エトキシレーテッドペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリル酸エステル、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、炭素数2〜5の脂肪族炭化水素変性トリメチロールプロパントリアクリレート、炭素数2〜5の脂肪族炭化水素変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、炭素数2〜5の脂肪族炭化水素変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の分子内に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
【0034】
(d2)成分の具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート等ジイソシアネートとポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール、アミドジオール等のポリアルコール類と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートやそれらのカプロラクトン付加体等の水酸基を有する(メタ)アクリレートとを反応させたウレタンジ(メタ)アクリレート;ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジメタノール、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル酸シクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドシクロヘキサンジメタノール、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドシクロヘキサンジメタノール、ビスフェノキシフルオレンエタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ジシクロペンタンジオールのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッドビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッドビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸水添ビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリエトキシレーテッド水添ビスフェノールA、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロポキシレーテッド水添ビスフェノールA、ビスフェノールAのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル、水添ビスフェノールAのカプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられる。
【0035】
(d3)成分の具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ノルボルニル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルオロ、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸テトラシクロドデカニル、シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、トリメチロールプロパンホルマール(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは一種単独で又は二種以上を併用して用いることができる。
【0036】
これらの中でも、本発明の組成物の粘度や架橋密度を適宜調整することができ、更に樹脂製金型、特にポリカーボネート製金型から剥離性がよい組成物となることから、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリル酸エステル、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリル酸エステル、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジメタノール、(メタ)アクリル酸ノルボルニルを用いることが好ましい。
【0037】
また、本発明の組成物を注型用として用いる場合には、金型に対する離型性の観点から、金型を溶解しない成分を用いることが好ましい。具体的には、例えばポリカーボネート樹脂製の金型を用いる場合には、本発明の組成物中にポリカーボネート樹脂に対する溶解性が高い(メタ)アクリル酸エステルを含まないことが好ましい。そのようなポリカーボネート樹脂に対する溶解性が高い(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、分子量400以下のポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、3−メチルペンタンジオール、2,4−ジエチルペンタンジオール等の炭素数10以下のアルカンジオールのジ(メタ)アクリル酸エステル類、カルビトール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0038】
<本発明の組成物>
本発明の組成物には、その性能を損なわない範囲で、必要に応じて、例えば熱可塑性高分子、スリップ剤、レベリング剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機フィラー、有機フィラー、表面有機化処理した無機フィラー等、公知の添加剤等を適宜配合して用いてもよい。
【0039】
例えば、本発明の組成物の貯蔵安定性向上や、硬化物の黄変や変質を避ける目的で、酸化防止剤や光安定剤を添加することが好ましい。それらの具体例としては、住友化学(株)製のスミライザーBHT、スミライザーS、スミライザーBP−76、スミライザーMDP−S、スミライザーGM、スミライザーBBM−S、スミライザーWX−R、スミライザーNW、スミライザーBP−179、スミライザーBP−101、スミライザーGA−80、スミライザーTNP、スミライザーTPP−R、スミライザーP−16;旭電化工業(株)製のアデカスタブAO−20、アデカスタブAO−30、アデカスタブAO−40、アデカスタブAO−50、アデカスタブAO−60、アデカスタブAO−70、アデカスタブAO−80、アデカスタブAO−330、アデカスタブPEP−4C、アデカスタブPEP−8、アデカスタブPEP−24G、アデカスタブPEP−36、アデカスタブHP−10、アデカスタブ2112、アデカスタブ260、アデカスタブ522A、アデカスタブ329K、アデカスタブ1500、アデカスタブC、アデカスタブ135A、アデカスタブ3010;チバスペシャリティーケミカルズ(株)製のチヌビン770、チヌビン765、チヌビン144、チヌビン622、チヌビン111、チヌビン123、チヌビン292;日立化成工業(株)製のファンクリルFA−711M、FA−712HM等が挙げられる。
【0040】
これらの酸化防止剤や光安定剤の添加量は(A)、(B)及び(D)成分の合計量100質量部に対して、0.001〜5質量部が好ましく、0.01〜3質量部がより好ましい。
【0041】
本発明の組成物の粘度は用途や塗工方法等に応じて適宜選択できるが、一般に25℃において10〜10000mPa・sであることが好ましい。この粘度範囲であれば、基材上に厚さ3〜100μm程度の硬化物を容易に形成することができる。例えば本発明の組成物を光学物品、多層記録型光記録媒体中間層及び注型等の用途に用いる場合には、注型作業性や消泡性の観点から25℃において10〜3000mPa・s程度の粘度であることが好ましい。
【0042】
活性エネルギー線の種類としては、例えばα、β及びγ線等の公知の活性エネルギー線を用いることができる。この活性エネルギー線を照射する雰囲気下は、空気中でもよいし、窒素、アルゴン等の不活性ガス中でもよい。
【0043】
本発明の組成物は、必要に応じ、活性エネルギー線の照射に加え、熱硬化も併用することができる。
【0044】
<硬化物>
本発明の組成物の硬化物は、透明性及び耐熱性に優れ、且つ低収縮性に優れることから、特に寸法精度が要求される光学物品の成形用材料や光学物品被覆用材料として好適である。また、そのような特性に加え、樹脂製金型、特にポリカーボネート製金型からの良好な離型性も兼ね備えることから、特に転写性が要求されるフレネルレンズ、プリズムシート等の注型法等で得られる光学物品成形用材料や光記録媒体の被覆用又は中間層形成用材料として極めて好適である。
【0045】
本発明の組成物の硬化物のガラス転移温度(以下「Tg」という)は、多層記録型光記録媒体の透明中間層として利用する場合には、スタンパ形状を転写した硬化物の凹凸上に金属薄膜等を形成する際の熱でその凹凸形状が変形しないように、100℃以上であることが好ましく、より好ましくは105℃以上である。
【0046】
光記録媒体が読み取り専用ディスクの場合、中間層の上層と下層は例えばアルミニウムや銀等の金属反射膜で構成される。書き込み可能なディスクの場合、中間層の上層と下層は例えば反射膜、誘電体膜、記録膜、誘電体膜が順に積層された光学記録層で構成される。
【0047】
本発明の組成物を注型して硬化させる方法としては、例えば特開2003−16701号公報、特開2002−334490号公報、特開2003−203402号公報に記載の方法が挙げられる。
【実施例】
【0048】
以下、本発明について実施例を用いて詳細に説明する。尚、実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
【0049】
尚、実施例中、硬化性組成物及び光記録媒体についての各種評価方法及び評価基準は、下記の通りである。
【0050】
(1)粘度(単位:mPa・s)
硬化性組成物の粘度は、25℃における粘度をE型粘度計(東機産業(株)製、TVE−20)を用いて測定した。
【0051】
(2)光線透過率(単位:%)
硬化物試験片について、日立製作所(株)製分光光度計U−3400を用いて、その硬化塗膜の波長400nmにおける光線透過率を測定し、下記基準に基づき評価した。
【0052】
○:光線透過率が80%以上
×:光線透過率が80%未満
(3)耐熱性(単位:℃)
硬化物試験片について、(株)東洋ボールドウィン製レオバイブロンDDV−II−EPを用い、昇温速度3℃/分、周波数3.5Hzの条件で、動的粘弾性挙動を測定し、tanδのピーク値をTgと規定し、得られたTgにより耐熱性として下記基準に基づき評価した。
【0053】
○:Tgが100℃以上
×:Tgが100℃未満
(4)離型性
評価用の光記録媒体用基板の作製時における光ディスク用ポリカーボネート製スタンパからの硬化物層(Y1)の離型性について、下記基準に基づき評価した。
【0054】
○:樹脂製スタンパと硬化物層(Y1)との間で容易に離型
△:樹脂製スタンパと硬化物層(Y1)との間で離型可能だが、硬化物層(Y1)の剥離面にクラックが発生
×:樹脂製スタンパと硬化物層(Y1)とが強固に接着し、離型不可
(5)反り角(単位:度)
光記録媒体について、ジャパンイーエム(株)製DLD−3000光ディスク光学機械特性測定装置を用い、20℃、相対湿度50%環境下にて初期反り角θ1を測定した。次いで、得られた光記録媒体を80℃、相対湿度85%の環境下に100時間放置し、更に、20℃、相対湿度50%環境下に100時間放置した後、反り角θ2を測定した。それぞれの反り角の程度について下記基準に基づき評価した。尚、実施例中の反り角とは、光記録媒体最外周における半径方向の最大反り角を意味する。ここで正(+)の値の場合は硬化物層側へ反ったことを意味し、負(−)の場合は硬化物層とは反対側に反ったことを意味する。
【0055】
○:±0.3度以内
×:±0.3度を超える
<合成例1>ウレタンアクリレート(UA1)の製造
攪拌機、温度調節器、温度計及び凝縮器を備えた内容積5リットルの三つ口フラスコに、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン1324g及びジブチル錫ジラウレート0.5gを仕込んでウオーターバスでフラスコ内温が40℃になるように加熱した。
【0056】
ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業(株)製プラクセル205;平均分子量:530)1219gを側管付きの滴下ロートに仕込んだ。フラスコ中の内容物を撹拌しながらフラスコ内温を35〜45℃に保ち、この滴下ロート内の液を4時間で等速滴下し、同温度で更に2時間反応を継続させた。
【0057】
次いで、フラスコ内容物の温度を60℃に昇温後、別の滴下ロートに仕込んだ2−ヒドロキシエチルアクリレート626gと2,6−ジ−ターシャリブチル−4−メチルフェノール1.5gを均一に混合溶解させた液を、フラスコの内温を55〜65℃に保ちながら2時間で等速滴下した。フラスコ内容物の温度を70〜80℃に保って4時間反応させてウレタンアクリレートを製造した。尚、この反応の終点は残存イソシアネート当量の測定により判断し、反応率99%以上であることを確認し、これをウレタンアクリレート(UA1)とした。
【0058】
<合成例2>ウレタンアクリレート(UA2)の製造
合成例1の場合と同様の4つ口フラスコに、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン1324g、及びジブチル錫ジラウレート0.5gを仕込んで、ウオーターバスでフラスコの内温が70℃になるよう加熱した。
【0059】
N−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシブタナミド161gとポリブチレングリコール(繰返し単位数n=12;平均分子量:850)1063gを側管付きの滴下ロートに仕込んだ。フラスコ中の内容物を撹拌しながら、フラスコの内温を65〜75℃に保ち、この滴下ロート内の液を4時間で等速滴下し、同温度で更に2時間反応を継続させた。
【0060】
次いで、フラスコ内容物の温度を60℃に下げた後、別の滴下ロートに仕込んだ2−ヒドロキシエチルアクリレート639gとハイドロキノンモノメチルエーテル1.5gを均一に混合溶解させた液を、フラスコ内温を55〜65℃に保ちながら2時間で等速滴下した。フラスコ内容物の温度を75〜85℃に保って4時間反応させてウレタンアクリレートを製造した。尚、この反応の終点は残存イソシアネート当量の測定により反応率99%以上であることを確認し、これをウレタンアクリレート(UA2)とした。
【0061】
<合成例3>金属膜保護用組成物の製造
ビスフェノールA型エポキシアクリレート40部、ジシクロペンタニルアクリレート30部、テトラヒドロフルフリルアクリレート20部、ネオペンチルグリコールジアクリレート10部及び1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン3部を配合して得られた組成物を金属膜保護用組成物とした。
【0062】
<合成例4>カバー層用硬化性組成物の製造
合成例2で得られたUA2を65部、テトラヒドロフルフリルアクリレート35部及び1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン3部を配合して得られた組成物をカバー層用硬化性組成物とした。
【0063】
<実施例1>
(1)硬化性組成物の製造
(A)成分としてUK−6105(三菱レイヨン(株)製)30部、(B)成分としてヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレート40部、(C)成分として1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン3部、(D)成分としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレート30部を混合溶解し、硬化性組成物を得た。この組成物は、粘度が25℃において1200mPa・sであり、透明な液体であった。
【0064】
(2)硬化物の製造
硬化性組成物をガラス基板上にスピンコート法で塗布して塗膜を形成し、この塗膜に紫外線を照射(フュージョンDバルブ使用、紫外線照射量:1000mJ/cm)し、平均膜厚20μmの硬化物層を形成した。
【0065】
得られた硬化物層をガラス基板からカッターナイフを用いて剥離して硬化物試験片を得た。
【0066】
(3)評価用の光記録媒体用基板の製造
ポリカーボネートを射出成型して得た、中心にスピンドル保持用の穴を有する光ディスク用基板(直径12cm、板厚1.1mm、反り角0度)の信号面に、スパッタリング法を用いて膜厚0.05μmの銀合金薄膜(X1)を形成した。これとは別に、ポリカーボネートを射出成型して得た光ディスク用樹脂製スタンパ(直径12cm、板厚1.1mm、反り角0度)の信号面に、硬化性組成物をスピンコート法により塗布して塗膜を形成し、その塗膜に紫外線を照射(フュージョンDバルブを使用、紫外線照射量:1000mJ/cm)し、平均膜厚20μmの硬化物層(Y1)を形成した。
【0067】
次いで、銀合金薄膜(X1)面と硬化物層(Y1)面とを合成例3で得られた金属膜保護用組成物を用いて貼り合わせ、スタンパ側からスタンパを介して紫外線を照射(フュージョンDバルブ使用、紫外線照射量:1000mJ/cm)し、膜厚5μmの金属膜保護コート層を形成した。尚、この金属膜保護コート層の波長400nmにおける光線透過率は88%であった。その後、硬化物層(Y1)から光記録媒体用の樹脂製スタンパを中心の穴から引き剥がすようにして剥離し、評価用の光記録媒体用基板を得た。
【0068】
(4)光記録媒体の製造
上記評価用の光記録媒体用基板中の硬化物層(Y1)上に、スパッタリング法を用いて膜厚0.02μmの銀合金薄膜(X2)を形成した。更に、この銀合金薄膜(X2)上に合成例4で調製したカバー層用硬化性組成物をスピンコート法により塗布して塗膜を形成した。これに紫外線を照射(フュージョンDバルブを使用、紫外線照射量:1000mJ/cm)してカバー層用硬化性組成物を硬化させて、銀合金薄膜(X2)上に平均膜厚75μmのカバー層を有する光記録媒体を得た。表1の各種評価結果から明らかなように、透明性、耐熱性、剥離性、低収縮性に優れた硬化性組成物を形成することができた。
【0069】
<実施例2〜7及び比較例1〜5>
表1及び表2に示す硬化性組成物を用いること以外は実施例1と同様にして硬化物、評価用光記録媒体用基板及び光記録媒体を得た。各種評価結果を表1及び表2に示す。
【0070】
実施例2〜7では、透明性、耐熱性、剥離性、低収縮性に優れた硬化性組成物を形成することができた。一方、比較例1〜3では、(A)成分を組成物中に含んでいないために硬化時の収縮率が大きくなり、反り角が大きくなってしまった。また、比較例4及び5では(A)成分及び(B)成分を組成物中に含んでいないためにポリカーボネートスタンパからの剥離性が悪くて剥離できず、反り角は測定できなかった。
【表1】

【0071】
尚、表中の略号は以下の通りである。
【0072】
b−1:ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレート
b−2:ε−カプロラクトン2モル変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレート
b−3:エチレンオキサイド4モル変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジアクリレート
HCPK:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリル酸エステル
TAIC:トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート
TCDDA:ジアクリル酸トリシクロデカンジメタノール
IBXA:アクリル酸イソボルニル
THFA:アクリル酸テトラヒドロフルオロ
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
エポキシ(メタ)アクリレート(A)、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート、ラクトン変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート及びアルキレンオキサイド変性ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1種のヒドロキシピバリン酸系ネオペンチルグリコールエステルジ(メタ)アクリレート(B)並びに光重合開始剤(C)を含有する活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項2】
請求項1において、更にその他の(メタ)アクリル酸エステル(D)を含有する活性エネルギー線硬化性組成物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の硬化性組成物の硬化物。
【請求項4】
光学物品用である請求項3に記載の硬化物。
【請求項5】
光記録媒体の中間層樹脂用である請求項3に記載の硬化物。
【請求項6】
注型用である請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
【請求項7】
樹脂製金型への注型用である請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
【請求項8】
樹脂製金型がポリカーボネート製である請求項7に記載の硬化性組成物。

【公開番号】特開2007−224057(P2007−224057A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−16008(P2006−16008)
【出願日】平成18年1月25日(2006.1.25)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】