説明

流体ナノチューブおよび装置

流体ナノチューブ装置について示した。親水性の非カーボン系ナノチューブは、リザーバと連通するように結合された端部を有する。ソースおよびドレイン接続部は、ナノチューブの反対側の端部、あるいはナノチューブの開口近傍の各リザーバの内部に接続される。(ソース−ドレイン、イオンまたはこれらの組み合わせの)電流を測定することにより、分子種の通過が検知される。チューブの内面は、固定化分子の設置によって官能基化されており、電流変化を検出することで異なる分子種が検知される。ナノチューブは、半導体であっても良く、例えば管状トランジスタを構成する。ゲート電極は、ソースとドレインの間に設置され、電流の流れおよびイオンの移動を制御する。一例として、MEMsスイッチと一体化された電気泳動配列について示した。例えば、ナノポア、ナノキャピラリ装置、ナノ電気泳動、DNA配列検出器、免疫センサ、熱電装置、フォトニック装置、ナノスケール流体生物分離器、結像装置等の各種用途が提案される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般に流体装置に関し、特に流体ナノチューブおよびそれから製作された装置に関する。
【背景技術】
【0002】
新しいナノ構造材料および新しい機構を利用したセンサは、国の安全、医療、環境、エネルギー、食の安全性および生産の幅広い用途に対して大きな影響を及ぼす。新規なミクロおよびナノ技術は、センサの寸法、重量およびコストならびにセンサ配列の数量を抑制し、空間および時間分解能ならびに精度を向上させる。現在、民用および軍用の新しいセンサおよび検知システムに対する以下のニーズがある。(1)新たな有毒化学物質、爆発物および生物兵器に対する応答性、(2)感度、選択性、速度、信頼性および誤動作に対する不応答性の向上、(3)異常複雑環境での、機能性、自立性(NSF03−512)である。この点において、機能的ナノ構造材料の設計と合成、および新しい検知機構の開発は、効率的な化学、生物センサの開発過程に重要な役割を果たす。
【0003】
一般に、典型的なナノ構造材料は、ある程度のポロシティ/高表面積を有し、機械、化学、電気、クロマトグラフ、生物、流体、光学および質量検出のような、各種検出原理が利用され、検体との相互反応が検知される。
【0004】
1991年のカーボンナノチューブの発見以来、各種固体のナノチューブに対する数々の研究成果が得られている。一般に管状ナノ構造の形成には、層状または異方性結晶構造が必要となる。カーボンナノチューブまたは多孔質膜の型材を用いて、あるいは薄膜圧延法によって、シリカ、アルミナ、シリコンおよび金属等の、非緻密層状結晶構造のナノチューブを形成することに関する報告がある。しかしながら、そのようなナノチューブは、アモルファス状か多結晶状であり、あるいは超真空環境でのみ存在する。
【0005】
中空の無機ナノチューブは、生物解析および触媒反応の基本的用途や潜在的な用途において大きな魅力を持つ。これらの中で、シリカナノチューブは、親水性であり、コロイド状懸濁液の製作が容易であり、内外壁の両方の表面官能基化が可能であるため、特に関心が持たれている。そのような改質シリカナノチューブおよびナノチューブ膜は、生物分離および生物触媒に対して潜在的な用途がある。近年、ゾルゲル型合成シリカナノチューブから、明るい可視光ルミネッセンスが観測されている。また現在、無機ナノチューブ内への分子またはイオン閉じ込めの物理的化学的性質について研究が進められている。
【0006】
通常シリカナノチューブは、ゾルゲルコーティング技術を用いて、多孔質アルミナ膜の型材のポア内で合成される。アルミナ型材を溶解させて、単一シリカナノチューブを遊離させることができる。そのようなナノチューブは、低温で調製され、多孔質壁を有し、比較的脆い。一旦型材が除去されると、シリカナノチューブは、徐々に束状化し、配向性が弱まる。別の型材を用いた低温調製シリカナノチューブも同様である。
【0007】
過去数年来、化学/生物センサ、診断および予防のユーティリティ用の各種分子検出技術が開発されている。多くの場合、感度、特定能、操作容易性、コスト、速度および誤判断に対する不反応性のバランスによって、効率が定まる。量子ドット、フォトニック結晶、ナノワイヤ、カーボンナノチューブ、多孔質薄膜、多孔質シリコンおよび生物分子に取り込まれたゾルゲルマトリクスのような、新しい機能材料は、各種検出機構を有するセンサ素子として使用される。例えば、量子ドットは、従来の有機色素に対していくつかの利点を有する蛍光生物ラベルとして利用できる。金属ナノ粒子は、大きな感度および特異性を有する各種生物検知に利用することができる。多孔質シリコンの高解像度のファブリーペロー端を表示することができるという特徴は、生物センサに利用することができ、生物センサ用の分子押印ゾルゲル処理が近年開発されている。さらに、活性構成体として可膨張性フォトニック結晶を用いた、新しい検知方式が開発されている。
【0008】
またこれらの成果に加えて、最近、一次元ナノ構造(ナノチューブおよびナノワイヤ)によって、小型化学生物センサ素子の実現可能性が高まっている。カーボンナノチューブ、官能基化シリコンナノワイヤおよび金属ナノワイヤに関する最近の報告では、これらの構造の体積に対する高い表面積比は、表面吸着種に対する電気特性の感度を高める。
【0009】
興味深いことに、化学生物ナノセンサは、生体内またはマイクロチップ上で用いられる程微小な基盤上の生物分子または汚染物が、極めて低濃度であっても、検出できる。例えば、最近紹介された室温光化学NOセンサは、個々の単結晶酸化物ナノワイヤおよびナノリボンを基本部分としている。ナノチューブまたはナノワイヤ形態とは無関係に、一般にこれらの研究に用いられる検知機構は、検体(液体または気体)とナノ構造間での電子輸送過程であり、従って導電率の変化を伴う。金属ナノワイヤ検知の場合、金属ナノワイヤに異なる機構が利用される。通常これらの一次元ナノ構造は、優れた感度を提供し、体積比に対して大きな固有の表面積比を有する。しかしながら、これらの構造の検出感度は、多くの場合、特定受容体の表面官能基化によって改善されるものの、理論値よりも低くなる。
【0010】
化学/検知システムでは、シリカおよび金の管状膜を用いて研究が行われている。これらの膜は、分子篩の新しい分類に属し、分子寸法に基づいて、あるいはチューブ表面官能基との相互作用に基づいて、分離および電気化学的検知が行われる。これらの研究ではほとんどの場合、2種類の塩水を分離するように無機ナノ薄膜(ポリカーボネートまたは多孔質アルミナ)が構成され、一定の膜間電位が印加され、膜間電流が測定される。チューブ径と同等の寸法の検体を一方の溶液に加えた場合、分子による電流遮断によって膜間電流の低下が生じ、これが検知される。そのような方式を用いて、異なるイオンおよび分子の極微量の移動が検出される。しかしながらこれらの実験では、薄膜全体をセンサ素子として使用する必要がある。単一のナノチューブで検知を行うことには、小型化の上で限界はあるものの、いかなる顕著な労力も不要である。
【0011】
最近開発された人工ナノポアは、ソフト写真転写法またはイオンエッチング法を用いて製作され、個々のナノチューブを用いて分子検出を行うことができる。これらの処理方法は、スケールアップまたはポアサイズの寸法(例えばPDMS法では200nm)の点で限界があるという問題を有する。このようなナノ流体検出に対して、カーボンナノチューブの使用が提案される。しかしながら、これらをナノチューブ流体の検出素子に利用するには、多くの技術的課題を克服する必要がある。例えば課題として、表面官能基化(内部および外部の両方)の困難性、半導体チューブに対する金属チューブの制御の困難性がある。
【0012】
キャピラリ電気泳動(CE)法は、ゲル電気泳動法に類似の技術であり、少量の試料消費量(<10nL)、自動化、高速解析、オンライン検出システムとの一体化ができるという利点を有する。キャピラリ体積に対する高表面積比によって、高電圧の印加が可能となり、効率的な放熱をともなう高速分離によって、バンド広幅効果を抑制することができる。キャピラリの先端は、電解質が充填されたリザーバと接しており、電位は非反応性電極を介して印加することができる。オンラインのUV吸収、レーザー誘起蛍光電気化学検出(例えば電位差測定)を用いて、CEでの分離分子検出を行うことができる。CEの利用によって、腫瘍の指標となる血清中のシアル酸を検出することが研究されている。CEの1回あたりの作動コストは低いものの、計測器および検出システムの初期コストは、極めて高額である。
【0013】
図1および図2には、αHLイオンチャンネルを横断する120mVのバイアスを示す。これにより、≒120pAのイオン電流が生じる。単一ポリヌクレオチドストランドがチャンネルを通過した際、15乃至50pAの電流降下が生じる。電流降下の大きさおよびその時間は、ヌクレオチドの種類に依存して変化する。
【0014】
単一分子検出に基づくナノチューブポアに関する従来の研究は、大きく2種類のカテゴリーに分類される:(i)非官能基化ナノポア、(ii)官能基化ナノポアである。従来の研究のほとんどは、イオン溶液が満たされた2つの部屋を分離する浮遊膜に埋設された、膜間プロテインイオンチャンネルα溶血素(αHL)を含む。上(シス)側の入口は、約2.6nmの径であり、底部端(トランス)に近い側の膜を通る狭小のチャンネルは、1.4nm径である。イオンチャンネルに120mVの電圧バイアスが印加された際、イオン濃度が1MのKClの場合、約120pAのイオン電流が生じる(抵抗は約10Ω)。
【0015】
単一ストランドのポリヌクレオチドが、一方の部屋に導入された場合、それらは電気泳動的にイオンチャンネルを流れる。これによりイオン電流が遮断され、図2に示すように、イオン電流は、15乃至50pAの値にまで低下する。これらのポリヌクレオチドの滞留時間は、その長さに対して比例的に変化し、印加電圧に対して反比例する。異なるヌクレオチドは、異なる遮蔽性(滞留時間または電流降下の大きさのいずれか)を有すると推定され、直接、迅速にssDNAを解読することができる。過去10年来、これについては多くの研究がなされ、異なる基部を識別することに、一部成功している。例えばポリCsは、イオン電流に短時間の深い(低電流の)減少を生じさせ、ポリAsは、長時間の浅い減少を生じさせる。しかしながら、ヘアピンDNA分子は、単一のヌクレオチド分解能で検出することはできるものの、直接的で迅速なssDNA解読には、未だ成功しておらず、課題が残っている。
【0016】
直接解読の一つの問題は、単一基部のナノポアに滞留する時間は極めて短いため、これを遮蔽するイオンの数は少なく(すなわち約100)、バックグラウンドのノイズを越える信号を検出することが難しいことである。ポリヌクレオチドの低速化は、直接解読の機会を提供するが、課題も多い。また最近、無機材料で製作することができる人工ナノポアが紹介され、これは、ssDNAが通過した際のイオン電流の遮蔽と同様の挙動を示す。しかしながら、この方法に利用されるこれらの人工ナノポアの平行化処理は、極めて難しく、ssDNAの直接解読については、報告されていない。
【0017】
非官能基化ナノポアを用いた生物分子の特定は極めて難しいが、官能基化αHLナノポアを用いた近年の研究は、期待できる。ナノポアは、シス入口で、ジスルフィド鎖を介してαHLプロテインのシステイン残留部に付着したssDNAプローブを用いて官能基化される。
【0018】
図3Aおよび図3Bには、ジスルフィド鎖を介して、図3Aおよび図3Bの上部に概略的に示すように、αHLナノポアプロテインのシス開口において、システイン残留部に取り付けられたプローブssDNAが示されている。図3Aおよび図3Bの下側半分には、ナノポアを通過するイオン電流の時間変化を示す。図3Aに示すように、補完的ターゲットのssDNAがナノポアを通過する場合、これはプローブストランドで拘束され、イオン電流は約50mSに低下する。しかしながら、図3Bのように単一塩基対ミスマッチが生じた場合、拘束寿命は、約1mSに低下する。
【0019】
次にターゲットssDNA配列が移動することによって、ターゲットは完全に補完され、低下したイオン電流の時間によって定まるそのナノポアでの滞留時間は、単一塩基対ミスマッチが生じた場合(≒1mS)よりも十分に長くなる(≒50mS)。このことから、固定化反応の速度が定量化される。またαHLプロテインナノポアは、別の分子によっても官能基化されるため、プロテイン、プロテインを有するイオン等の小さな分子の各種分子との相互作用の反応速度が評価できる。このような装置の製作には多くの困難性があるものの、生物分子解析用の官能基化ナノポアを用いることによって、多くの利益が得られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
従って、流体検知などを容易に実行することのできる、ナノ流体装置およびナノチューブ構造に対するニーズがある。本発明は、これらのおよび他のニーズに合致し、従来のナノチューブ装置およびナノ構造に固有の欠点を解消することができる。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は、流体ナノチューブおよび流体ナノチューブから製作される装置に関する。配向した、信頼性のあるナノチューブ配列の製作は、ナノスケールの流体生物分離、センサ、触媒などに利用することができる。新しいナノチューブ構造材料および新しい機構を用いたセンサは、国の安全、医療、環境、エネルギー、食の安全、生産など幅広い用途に利用できるという利点がある。新しいミクロおよびナノ技術では、センサの寸法、重量およびコストを低減することができ、センサ配列の数を減少させ、空間および時間解像度さらには精度を高めることができる。
【0022】
過去数年来、化学/生物センサ、診断および予防のユーティリティ用の各種分子検出技術が開発され、評価されている。ほとんどの場合、感度、特定能、操作容易性、コスト、速度および低誤作動率のバランスによって、効率が定まる。量子ドット、フォトニック結晶、ナノワイヤ、カーボンナノチューブ、多孔質薄膜、多孔質シリコンおよび生物分子に取り込まれたゾルゲルマトリクスのような、新しい機能材料は、各種検出機構を有するセンサ素子として使用される。また、ナノチューブの成長技術は、ナノスケールの電子、光電子、生物化学的なセンサに利用できるという利点がある。
【0023】
流体ナノチューブで製作される装置の基本部分が、ナノチューブそのものであることは明らかである。ナノチューブは、各種方法で製作することができ、各種材料組成を有するが、本発明の態様では、ナノチューブは、犠牲コアを用いて製作される。この処理では、ナノチューブがコアの周囲に形成されてから、コアが除去される。
【0024】
本発明の別の態様では、非カーボン系の流体ナノチューブの製作に関する。流体装置は、カーボン系のナノチューブを用いて製作されるが、通常そのようなナノチューブは、撥水性であり、改質しなければ流体用途には適さない。本発明の別の態様は、非カーボン系のナノチューブの製作に関し、このナノチューブは、非多孔質で(例えば継ぎ目のないチューブ壁)、流体用に使用される。
【0025】
本発明のある態様では、単結晶ナノチューブを合成する「エピタキシャル成形」法に関する。ある実施例では、内径30乃至200nmで、壁厚が5乃至50nmのナノチューブが、薄膜GaN層のエピタキシャル成長の型材として、六方晶ZnOナノワイヤを用いた化学蒸着法で製作される。ZnOナノワイヤ型材は、その後、単純な熱収縮法および気化法によって除去され、基板上に整列されたGaNナノチューブの配列が得られる。別の実施例では、単一のナノチューブで、またはランダムな試料で形成され、整列配列されたナノチューブが形成される。ナノチューブ材料としてGaNの他に、他の半導体材料を用いることも可能であり、例えばSi、GaAs、CdSe、GaP、InP、GeおよびInAsがある。ナノワイヤ材料は、II、III、IV、V、VI族等から選択することができ、4元系、3元系であっても良く、酸化物であっても良い。
【0026】
本発明の別の態様では、ナノチューブは、熱酸化およびエッチングによって製作される。ある実施例では、シリコンナノワイヤ配列が型材として用いられる。この処理では、まず最初にSiナノワイヤ配列の熱酸化が行われ、薄いSiナノワイヤの配列上に二酸化珪素の厚い層が形成される。次にこの酸化されたナノワイヤ配列は、XeFで選択的にエッチングされ、シリコンナノワイヤのコアが除去され、内径が制御可能な状態で、整列された二酸化珪素のナノチューブ配列が得られる。内径は、初期のシリコンナノワイヤの径と、熱酸化処理によって制御される。別の実施例では、単一のナノチューブで、またはランダムな試料で形成されたナノチューブの配列が形成される。これに限定されるものではないが、GaO、InO、他の酸化物および絶縁体材料を含む、別の組成のナノチューブも、同様に製作することができる。
【0027】
多くのナノ流体装置は、従来のナノチューブから製作されるように示されているが、本発明の態様によって製作されたナノチューブ構造から製作されることがより好ましい。例えば、これに限定されるものではないが、流体ナノチューブから製作された装置の分類は、ソースとドレインの接続部、およびナノチューブの長手方向に沿った追加のゲート電極を有する半導体ナノチューブから製作された、ナノ流体トランジスタを含む。例えば、流体ナノチューブから製作された装置の別の分類では、装置は、官能基化され、絶縁体またはナノチューブの開口端部に近接したリザーバ内にソースとドレイン電極を有する、半導体ナノチューブで形成された電気泳動装置を含む。
【0028】
流体装置のこれらの分類とは別に、あるいはこれらを組み合わせて、多くの流体装置を用いることができ、例えば、これに限定されるものではないが、ナノキャピラリ装置、電界効果トランジスタ、ナノ電気泳動装置、検出器、DNA配列検出器、免疫センサ、管状電界効果トランジスタ、マイクロ流体ウェハ、ナノキャピラリウェハ、電極ウェハ、MEMSスイッチチップ、トランジスタ、センサ、熱電装置、フォトニック装置、ナノ電気機械アクチュエータ、ナノ電気機械センサおよび撮像装置がある。ここに示した装置には、通常流体ナノチューブが基本部分として用いられることは明らかである。すなわちこれらの製作では、特定の組成のナノチューブを基本部分とする必要はなく、流体ナノチューブを基本部分としていれば良い。
【0029】
例えば、記載された本発明の態様には、高特定能で高感度(単分子レベル以下)の化学生物センサの基盤として、ナノキャピラリの電気泳動配列法(NEAT)および管状電界効果トランジスタ(TFET)が含まれる。
【0030】
ある実施例では、NEAT/TFETには、径が5乃至20nmで、二酸化珪素(SiO)または半導体窒化ガリウム(GaN)製のナノキャピラリが基本部分として使用される。これらのナノキャピラリの内表面は、プローブ/受容体配位子によって官能基化される。イオン溶液中の生物分子の混合物は、ナノキャピラリを介して電気泳動的に移動し、半導体チューブのイオン電流または導電率がモニタリングされる。ターゲット配位子が、壁に付着したプローブ分子に拘束されると、拘束されない分子がそこを通過する時間に比べて、ナノキャピラリ内の配位子が残留する時間が長くなる。ナノキャピラリは、分子寸法程度の寸法(5乃至50nm径)であるため、イオン電流は、拘束された配位子の存否および分子寸法によって変化する。また、検体と半導体GaNナノチューブとの間に、いかなる電荷移動も生じない場合、チューブの導電性が変化し、これをモニターすることができる。検出のため、多重電気信号(イオン電流とソース−ドレイン電流)および光信号を、同時に用いても良い。またナノキャピラリ配列の平行化処理および一体化処理は、多重化化学生物検出用のナノ流体チップの製作に利用することができる。本発明は、高速応答、高感度、高特定能で誤動作の少ない化学生物センサの製作に関する。
【0031】
一般に本発明の実施例は、流体ナノチューブに関し、このナノチューブは、非カーボンの親水性材料(絶縁性または半導体材料)からなる管状薄膜を有し、ナノチューブは、電気装置の基本構造部となる。管状薄膜(ナノチューブ)は、第1および第2の端部と、前記第1および第2の端部の間に、継ぎ目のないことが好ましい非多孔質ポア内壁とを有する。基本構造部は、以下に示すいかなるナノキャピラリ装置であっても良い:電界効果トランジスタ、ナノ電気泳動装置、検出器、DNA配列検出器、免疫検出器、管状電界効果トランジスタ、マイクロ流体ウェハ、ナノキャピラリウェハ、電極ウェハ、MEMSスイッチチップ、センサ、熱電装置、フォトニック装置、ナノ電気機械アクチュエータ、撮像装置、およびこれらの組み合わせである。
【0032】
ある実施例では、ナノチューブは、犠牲除去処理によって形成され、単結晶であることが好ましいナノチューブ材料のシースが、ナノワイヤ上に成膜されてから、コア材料が除去される。コア材料は、実質的に酸化亜鉛(ZnO)、シリコン(Si)窒化ガリウム(GaN)ゲルマニウム(Ge)、銀(Ag)、金(Au)、II−IV族材料、III−V族材料、IV群元素材料および金属からなる材料群から選択される、いかなる材料で構成されても良い。ナノチューブシースを構成する材料は、実質的にGaN、Si、GaAs、CdSe、GaP、InP、Ge、InAs、4元系、3元系を含むII、III、IV、VおよびVI族材料、酸化物、SiO、GaO、InOならびに他の絶縁材料、金属および高分子からなる材料群から選択される。ナノチューブ材料に選定される材料は、コア材料に選定される材料と十分に近い結晶構造および格子定数を有し、コア材料上でのナノチューブ材料の成長が可能である。
【0033】
本発明は、通常、管状電界効果トランジスタ(TFET)と呼ばれる実施例を有し、これは、(a)少なくとも一つの半導体ナノチューブ、(b)ナノチューブの端部と相互に連通するように結合されたリザーバ、(c)ナノチューブの第1の端部に設置されたソース電極、および(d)ナノチューブの第2の端部に設置されたドレイン電極を有し、(e)分子種のナノチューブの通過によって、ソースからドレインに流れる電流が変化する。
【0034】
さらにTFET装置は、ナノチューブ内に保持され、選択分子種を捕獲または減速させる捕獲分子を有する。またTFETは、ナノチューブの中央部に設置された、ナノチューブを通るイオンの移動を制御するゲート電極を有しても良い。
【0035】
本発明は、一般にナノキャピラリ電気泳動装置と呼ばれる別の実施例を有し、これは、(a)少なくとも一つの親水性ナノチューブ、(b)ナノチューブ内に保持され、選択分子種を捕獲または減速させる複数の捕獲分子、(c)ナノチューブの端部と相互に連通するように結合されたリザーバ、(d)ナノチューブの第1の端部近傍に設置されたソース電極、および(e)ナノチューブの第2の端部近傍に設置されたドレイン電極を有し、(f)前記分子種のナノチューブの通過によって、イオン電流の流れが変化する。
【0036】
電気泳動装置での移動の電気的検知は、従来の検出能を高め、誤動作率を低減する。従ってある実施例には、(a)ナノチューブを通る分子に応答して、光検出信号を発生するように配置された、光単一分子検出および同定システム、および(b)イオン電流の流れと光検出信号が一致した際に、一致分子検出信号を発生するように配置された同時回路とが含まれる。
【0037】
電気泳動装置は、電気泳動装置配列内にセルとして構成されても良く、ある分類の装置は、ナノキャピラリ電気泳動配列技術(NEAT)として実施される。通常、NEAT装置の実施例は、(a)親水性ナノチューブ、(b)ナノチューブ内に保持され、選択分子種を捕獲または減速させる複数の捕獲分子、(c)ナノチューブの端部と相互に連通するように結合されたリザーバ、(d)ナノチューブの第1の端部近傍に結合されたソース電極、(e)ナノチューブの第2の端部近傍に結合されたドレイン電極とを有し、(f)前記ナノチューブの分子種の通過によって、イオン電流の流れに変化が生じ、(g)前述の構造は、電気泳動セル、(h)前記電気泳動セルの配列、(i)前記各電気泳動セルからの電流を検出する手段を有する。
【0038】
検出手段は、例えば(a)配列内の1または2以上の電気泳動セルを選択するように構成された、複数のスイッチ素子、(b)アナログ増幅器のような、各電気泳動セルから受信した信号を調整する回路を有する。ある実施例では、スイッチ素子は、MEMsスイッチを有し、オフ状態での電流リークが有効に抑制される。電気泳動セルの二次元配列の実施例では、スイッチ装置は、行列状に配置され、いかなるセルのI−Vも測定評価することができる。
【0039】
従って本発明には、これに限定されるものではないが、以下に示すような多くの新しい態様がある。
【0040】
本発明のある態様では、流体測定制御システムの装置が提供される。
【0041】
本発明の別の態様では、流体検知制御装置に用いられるナノチューブが提供される。
【0042】
本発明の別の態様では、径が20nm以下で長さが1乃至10μmのSiOナノキャピラリを備える装置が提供される。
【0043】
本発明の別の態様では、ナノキャピラリが、マイクロ流体システム内部に統合され、両側から流体を接触させることの可能な装置が提供される。
【0044】
本発明の別の態様では、ナノキャピラリに電圧バイアス(0.1乃至1V)を印加し、1pA程度までの微小なイオン電流を測定することの可能な電子制御が提供される。
【0045】
本発明の別の態様では、化学生物種を高感度で定量的に特定することの可能な装置が提供される。
【0046】
本発明の別の態様では、受容体生物分子を内表面に共有結合させ、固定化することによって、官能基化ナノキャピラリが提供される。
【0047】
本発明の別の態様では、ナノチューブを基本構造とする装置内でイオン電流およびソース−ドレイン電流の検出が可能となり、イオン電流の変化をモニターすることによって、特定の受容体−配位子固定化を高感度で評価することが可能となる。
【0048】
本発明の別の態様では、検体濃度、検体暴露時間、周囲条件(温度およびpH)の関数として、イオン電流(NEAT)およびソース−ドレイン電流(TFET)の定量測定が可能となる。
【0049】
本発明の別の態様では、個々のナノチューブ流体システム内での単分子レベルの光学的結像が可能となる。
【0050】
本発明の別の態様では、ナノキャピラリ配列の平行化処理および統合化の手段が提供され、多重化学生物検知が可能となる。
【0051】
本発明の別の態様では、化学、工学、半導体プロセス工学、統計物理学および電子工学の間の学際的な相互連携を通じて、有効な分子検出や分子挙動把握を可能にする、革新技術を開発するためのNSF−センサネットワークが示される。
【0052】
本発明の別の態様では、化学生物分子の分子解析に対する新しいパラダイム(NEAT/TFET)が提供される。
【0053】
本発明の別の態様は、シリコンウェハにモノリシックに統合された、ナノキャピラリ配列を製作する処理方法に関する。
【0054】
本発明の別の態様は、官能化用のマイクロ流体および個々のナノキャピラリのI/Oを含むチップの構造に関する。
【0055】
本発明の別の態様は、対向電極ウェハの構造に関する。
【0056】
本発明の別の態様は、ナノチューブ電気泳動配列チップを製作するための、多層化ウェハ(すなわち3ウェハ)の一体化に関する。
【0057】
本発明の別の態様は、NEATチップに接続されるMEMSスイッチチップの製作に関する。
【0058】
本発明のさらに別の態様は、各種化学生物分子を含む、ナノキャピラリ電気泳動データベースの構築に関する。
【0059】
本発明の別の態様では、高感度、高特定能、低コストでユーザーフレンドリーな健康、環境および戦場用の、共通検知基盤が提供される。
【0060】
本発明のさらに別の態様は、以降に示されているが、詳細な説明は、本発明の好適実施例を示す目的で示されるものであり、本発明を限定するものではない。
【0061】
本発明は、例示目的で示された以下図面を参照することによって、さらに理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
本発明の例示のための図面を参照して、図4Aから図55に示す装置が実施される。本装置は、ここに示された基本概念から逸脱しないで、配置を変更したり、部品の一部を変更したりしても良いこと、また本方法は、特定のステップを変更しても良いことは明らかである。
【0063】
多くの電子機器が、特に流体ナノチューブのようなナノチューブ構造を利用して構成される。例えば管状電界効果トランジスタおよびナノキャピラリ電気泳動装置は、多くの分野に多くの利点を提供する。まず、これらのナノチューブ装置に用いることができる、ナノチューブの新しい製作方法について示す。
【0064】
本発明では、ナノチューブは、ナノワイヤ型材の周囲に、少なくとも1つのシース層を形成することによって形成することができる。ナノワイヤ型材は、犠牲コアとして機能し、後に除去されることにより、ナノチューブを貫通する中央開口が形成される。一旦犠牲コアが除去されると、ナノチューブは、いかなる従来方法で利用することも可能となる。
【0065】
一例として、これに限定されるものではないが、本発明による犠牲コアを用いたナノチューブの製作方法として、2つの実施例を示す。ただし本発明は、ナノチューブ製作の型材として犠牲コアを用いる、いかなる方法も含有することは明らかである。第1の実施例では、窒化ガリウム(GaN)のような材料の層が、酸化亜鉛(ZnO)のようなナノワイヤのコアの外部にエピタキシャル成長し、その後ナノワイヤのコアが除去される。第2の実施例では、シリコン(Si)のようなナノワイヤのコアが酸化されて、SiOシース層が形成された後、ナノワイヤのコアが除去され、酸化シースが残留する。
(エピタキシャル成形法)
図4Aから図4Cには、「エピタキシャル成形」法と称する方法の通常のステップを示す。図4Aには基板10が示されており、その上には、単結晶であることが好ましいナノワイヤ12が形成する。図4Bには、好ましくは単結晶のシース14が示されており、このシースは、ナノワイヤ12の上に成膜される。図4Cでは、ナノワイヤ型材(コア)12を除去することによって、ナノチューブ14’が形成される。
【0066】
ある実施例では、GaNのような材料の管状成膜用型材として、予め製作された六方晶の単結晶ナノワイヤ(ZnOが好ましい)12が使用される。ZnOおよびGaNは、ウルツ鉱型結晶構造を有し、格子定数が近い(ZnO:a=3.249Å、c=5.207Å;GaN:a=3.189Å、c=5.185Å)ため、GaNは、これらのZnOナノシリンダの{110}側にエピタキシャル成長することができ、単結晶状の薄いGaN層が形成される。結晶構造および格子定数がほぼ等しい、多くの材料の組み合わせによって、ナノワイヤ材料上でシース材料のエピタキシャル成長が可能となることは明らかである。
【0067】
図4BにおいてZnOナノシリンダが薄膜GaNシース14で覆われた後、熱処理等によって型12(図4A)が実質的に除去され、GaNナノチューブ14’が残る。例えば、これに限定されるものではないが、ZnO型材の除去の方法として、2つのことが考えられる。
【0068】
一つの方法は、高温でZnOをアンモニア(NH)により化学的にエッチングするものである。GaNコーティング試料のアンモニア(NH)中での長時間加熱により、図4CのようなGaNのナノチューブが容易に得られる。
【0069】
別の方法では、高温(例えば600℃、水素ガス雰囲気中)での収縮処理が利用される。単結晶ウルツ鉱型GaNナノチューブは、理論的に予想される準安定グラファイト構造のGaNナノチューブとは基本構造が異なっている。
(実施例1)
本発明に利用されるナノワイヤのコアは、従来のいかなる方法で形成されても良い。例えば、(110)サファイヤウェハのような基板材料上に、真空蒸着法を用いて、酸化亜鉛(ZnO)ナノワイヤの配列を成長させる。これらのZnOナノワイヤ配列は、GaN化学蒸着の場合、反応炉(すなわちMOCVD反応炉)内に設置される。トリメチルガリウムとアンモニアを前駆体として使用し、系内にアルゴンと窒素のキャリアガスを供給する。成膜温度は、600℃から700℃とすることが好ましい。
【0070】
GaN成膜後、試料は高温水素雰囲気、例えば10%Hを含むアルゴン中、600℃で処理され、ZnOナノワイヤ型材が除去される。(ある例では、好ましくない場合もあるが)他の方法および材料を用いて、ナノワイヤを形成し、ナノワイヤをナノチューブ材料で被覆しても良いことは明らかであり、その後ナノワイヤ材料は、犠牲除去される(本発明の除去すべきナノワイヤ材料の一部のみを選択的に使用しても良い)。
【0071】
図5Aには、ZnOナノワイヤ配列型材の走査型電子顕微鏡(SEM)像を示す。この図から、ナノワイヤは、2乃至5μmの範囲の均一な長さを有し、ナノワイヤ配列内に30乃至200nmの範囲の均一な径を有することがわかる。ナノワイヤは、図5Aの挿入図に示すように、六角形断面のファセット面を有し、両側は{110}面を示す。GaN成膜およびナノチューブを形成するための型材の除去の後、試料の色は白色から黄色またはより暗い色に変化する。
【0072】
図5Bには、初期ナノワイヤ配列の形態がナノチューブに維持されている画像の例を示す。この図では、得られるナノ構造の径は、増大している。このナノチューブ構造では、元のZnOナノワイヤ型材に比べてファセット面が少ない。最終生成物の組成分析では、Znの信号は比較的小さかった。
【0073】
図6には、試料のX線回折(XRD)結果を示すが、GaNコーティングのエピタキシャル/微細構造を表すウルツ鉱型GaNの(001)回折ピークのみが認められる。
【0074】
図7Aから図7Cには、別の構造解析のため、透過型電子顕微鏡(TEM)での、図5BのGaNナノチューブ試料の分散像を示す。図7Aに見られるように、ナノ構造のほとんどは、均一な壁厚の環状構造を有する。これらのナノチューブは、内径がZnOナノワイヤ配列とほぼ等しく、30nmから200nmの範囲にあり、壁厚は、5nmから50nmの間にある。
【0075】
ナノチューブのほとんどは、一端のみが開口しているが、両端が開口しているチューブも認められた。これらの観察結果は、SEMの結果と一致し、GaNコーティング後には、図5Bに示すような、丸い形状のファセットの少ない端部が認められた。以上の結果から、ナノチューブの開口端は、元来GaNと基板の界面に位置しており、TEM試料の調製中に開口したものと思われる。実際に、図5Bの挿入図に示すように、我々はしばしば、基板表面でこれらの開口端を、対応するナノチューブとともに観測している。またTEM観察の結果、ナノチューブの内側断面には、型材の除去後に、擬似六方形状が残留していることが示されている。
【0076】
これらのGaNナノチューブで得られた電子回折(ED)は、これらのチューブが単結晶であることを示している。図7Eに戻ると、挿入図から、一つのEDパターンは
【0077】
【数1】


領域軸に沿っていることがわかる。ナノチューブがウルツ鉱型GaN構造のc軸に配向していることは、容易に判断される。これは、(001)ピークのみが観察されたXRDデータと一致する。チューブ軸に沿って、ウルツ鉱型構造の(001)面に対して0.51nmの間隔の格子が、チューブ表面の図8Aおよびチューブ内面の図8Bの両高解像TEM像で、容易に判断することができる。
【0078】
図9には、エネルギー分散X線分光分析法(EDX)によって得られた組成ラインプロファイルを示すが、チューブ壁を横断するガリウムおよび窒素の信号の関係から、成膜時に化学量論的なGaNが形成されたことが示唆される。またこの結果は、これらのナノチューブで測定された電子エネルギー損失スペクトル(EELS)にも反映され、図12に示すように窒素の大きな信号が得られている。GaN層とZnOナノワイヤ型材の間の相互拡散は、GaNチューブ壁内に組み込まれたZnまたはOの量が少ないことから、顕著ではないことに留意する必要がある。
【0079】
図10は、いくつかのGaNナノチューブを正面から見た透過型電子顕微鏡像である。この像から、少なくとも2つの重要な特徴が観測される:(1)チューブの内側断面は、擬似六角形状である、(2)ナノチューブは、基部で多孔質GaN層と接続されており、この層は、熱/化学エッチング中に、亜鉛種と酸素種が除去される際の初期経路となることが予想される。
【0080】
図11には、単結晶GaNナノチューブの透過型電子顕微鏡画像を示すが、ナノチューブは、極めて平滑な内表面と外表面を有する。
【0081】
図12には、図11のGaNナノチューブに収集された、窒素のK殻電子エネルギー損失スペクトルを示す。
【0082】
以上のことから、サファイヤ基板に形成されたGaNナノチューブのような、単結晶ナノチューブの緻密配列が調製できることは明らかである。前述のGaNナノチューブの形成過程は、無機ナノチューブに関する従来の研究とは大きく異なることを指摘しておく必要がある。
【0083】
無機ナノチューブに関する従来の研究は、層状構造の材料の開発に注力されている(例えばVO、MoS、NiCl、BN)。これらの研究材料では、構造異方性を示さないため、通常(多孔質アルミナ)型材法が用いられ、アモルファスまたは多結晶質のチューブが得られる。アモルファスまたは多結晶質のチューブと、本発明によって製作されることが好ましい単結晶チューブの差異は、当業者には容易に認識できる。
【0084】
図13A、図13B、図14および図15には、単結晶ナノチューブ内部のナノワイヤ型材を除去する方法を詳細に示す。本発明の「エピタキシャル成形」法は、TEMの評価によって検証されている。図13Aには、ZnOナノワイヤ型材が部分的に除去された状態の、GaNナノチューブの配列を示す。これらのナノチューブの底部には、多孔質GaN薄膜が存在することに留意する必要がある。またZnOナノワイヤ型材の残留物は、密閉GaNナノチューブの上部に残留している。これらの2つの観察結果から、亜鉛種と酸素種(熱化学エッチング処理中に生じる)は、底部の多孔質GaN層を通って(図10に示すように)、主にGaNナノチューブから除去されることがわかる。
【0085】
図13Bには、ナノチューブの充填部(上側矢印)と中空部(下側矢印)の間の界面で、型材が部分的に除去されたナノチューブの詳細図を示す。図13Bの挿入図に示す、ナノチューブの充填部と中空部での電子回折は、チューブとコア−シース領域の両方で等しい回折パターン組を示しており、ウルツ鉱型GaNがエピタキシャル成長していることが示されている。
【0086】
コア−シースナノ構造は、ウルツ鉱型GaN/ZnO構造の継ぎ目のない単一体であると解される。また、図14に示す(下側矢印で揃えられた)GaNナノチューブを横断するEDXラインプロファイルと、図13に示す上側矢印で揃えられた、ZnO−GaNコア−シース構造との比較から、ZnOナノワイヤ型材上にGaNナノチューブが成長する機構が支持される。ZnOナノシリンダが除去された後、単結晶GaNチューブが得られる。ここに示されたこれらの単結晶GaNナノチューブの形成法には、特に、通常これらの多結晶質ナノチューブでは不規則な形状になり易いことから、多結晶質ナノチューブを越える多くの利点がある。またZnOの微細構造のチューブは、選択的化学溶解処理を用いて、溶液中で調製することができることに留意する必要がある。
【0087】
重要なことは、これらの単結晶GaNナノチューブの電気および光特性は、ZnO基板にエピタキシャル成長させた高品質GaNおよびGaNナノワイヤと同等であることである。
【0088】
図16には、励起源としてYAGレーザー(266nm)の4高調波出力を用いて測定された、製作直後のナノチューブの低温光ルミネッセンス(PL)スペクトルを示す。中間ギャップの黄色放射が得られていないことに留意する必要がある。これらのナノチューブ試料において観測されるバンド端放射は、375nmと360nmの間にあり、チューブ膜厚が薄くなると、放射波長は短くなる。この僅かな青色放射シフトは、量子閉じ込め効果に寄与する。あるナノチューブは、GaNの励起ボアー径よりも小さな5nm程度の薄い壁を有するからである。
【0089】
図から光ルミネッセンススペクトルは、10KでGaNナノチューブに収集される。試料は、266nmのパルス形Nd:YAGレーザー(例えばスペクトルフィジックス(登録商標))によって励起される。光ルミネッセンス信号は、光ファイバによって0.3mの結像モノクロメータに伝送され、ゲートモードで作動する増幅CCDによって検出される。薄い壁(<10nm)のGaNナノチューブに収集されたスペクトルに対応する、左に示されたスペクトルを有するバンド端放射のみが観測され、右側に示されたスペクトルは、厚い壁(≧10nm)のGaNナノチューブに収集されたスペクトルに対応する。試験試料のチューブ壁の厚さの広い分布のため、薄膜チューブの放射スペクトルが比較的ブロードとなることは明らかである。
【0090】
図17には、これらのナノチューブの抵抗を表す、電子輸送測定の例を示す。測定値は、室温では10MΩのオーダーであり、高品質GaNナノワイヤと同様に、温度の低下とともに増大する。図には、単結晶GaNナノチューブのI−V曲線の温度依存性が示されている。電気的測定用の電極(20nmのチタン、および80nmの金)は、電子ビーム転写法および熱蒸発法を用いて加工されるが、別の方法を利用しても良い。安定な接触を得るため、450℃で約30秒の急速熱処理が実施されるが、接触の確保には、従来のいかなる方法が用いられても良い。
【0091】
本発明のエピタキシャル成形法を利用した、一連の単結晶GaNナノキャピラリの調製によって、ナノチューブ/ナノキャピラリ、特に、非層状結晶構造を示す無機固体の単結晶ナノチューブ/ナノキャピラリの調製が可能となる。この新しい分類の半導体ナノチューブ/ナノキャピラリは、ナノスケールの電子機器、光電子機器および流体システムとともに使用される化学の分野等、多くの技術に利用することができるという利点がある。本発明は、均一な内径と、容易に官能基化される内壁を有する、信頼性のある半導体ナノチューブを提供し、ナノチューブの両端は、流体を流すことに利用できる。
(酸化とエッチングの方法)
図18Aから図18Gには、本発明による犠牲型材を用いてナノチューブを製作するための第2の方法が示されている。ここではこの方法を、「酸化エッチング」法と呼ぶ。この方法では、垂直ナノワイヤ配列が酸化ナノチューブ配列に変化し、ロバスト性のあるナノチューブ配列が形成されるからである。ある実施例では、ナノチューブコア(型材)は、金属キャップ(例えば金)を有するシリコン(Si)ナノワイヤで構成され、通常の熱酸化とエッチングによって製作される。次にSiナノワイヤ配列が熱酸化され、二酸化珪素(SiO)の厚い層によって被覆された薄いSiナノワイヤ配列が得られる。この酸化されたナノワイヤ配列は、フッ化キセノン(XeF)などによって、選択的にエッチングされ、シリコンナノワイヤコアが除去され、内径の制御が可能な、整列された二酸化珪素ナノチューブの配列が得られる。内径は、シリコンナノワイヤの初期径および熱酸化処理条件によって制御される。ナノチューブの内径は、ほぼ10nmから200nmの範囲にある。
【0092】
配列内にナノチューブを形成する代わりに、単一のナノチューブ、またはランダムな試料を形成することができることに留意する必要がある。
同様の方法で、これに限定されるものではないが、GaO、InOおよび他の酸化物および絶縁性材料等の、別の組成のナノチューブを製作することも可能である。以下に、本発明の製作工程の実施例を詳しく示す。
(実施例2)
図18には、シリコン源として四塩化珪素(SiCl、Aldrich製99.99%)を用いた、化学蒸着(CVD)エピタキシャル成長法によって調製されたシリコンナノワイヤ配列を示す。水素(アルゴン希釈10%水素)を用いて、高温(900℃から950℃)でSiClを還元する。金(Au)の薄膜をSi(111)基板30に設置し、気体−液体−固体成長機構によって、シリコンナノワイヤ32の成長を開始する。金は、キャップ34としてSiナノワイヤ上に残留する。この方法は、Siナノワイヤの成長法として開発され、垂直Si/SiGe超格子ナノワイヤ配列の合成のため、発明者によって利用される。シリコンナノワイヤ配列試料は、管状炉に設置され、純酸素(O)流通環境下で800から1000℃で1時間加熱される。
【0093】
図18Bには、均一に酸化された後のナノワイヤ32を示す。内部に一体シリコンコアを有するSiOシース36が得られる。酸化中、ナノワイヤ先端34は、酸化されることが好ましく、これにより各垂直ワイヤに酸化キャップ34’が得られ、シリコンコアの選択エッチングの際に、ナノワイヤがエッチングされることを防止できる。従って熱酸化後の第1のステップでは、Si/SiOコア−シースナノワイヤから、SiOキャップ34’が選択的に除去される。
【0094】
図18Cには、SiOキャップの除去後の好適な状態を示す。高分子38が、ナノワイヤ間の空間を満たすように設置され、SiO側壁36は、耐エッチング材料として作用するマトリクス高分子によって保護される。この例では、パリレン二量体(ジ−パラ−キシレン、(−C H−Ph−CH−))が160℃で熱蒸発され、約650℃で分解し、Si/SiOコア−シースナノワイヤ配列試料上に成膜され、約5時間後にパリレン(ポリーパラ−キシレン、(−CH−Ph−C H−))高分子のコーティングが得られる。このパリレン成膜では、まずナノワイヤの表面に、等角に薄膜層をコーティングされ、次にナノワイヤ間の空間の全てが充填される。この処理では、ピンホールまたはクラックの生じない、ナノワイヤの等角被覆が可能となる。コア−シースナノワイヤは、特に被処理ナノワイヤが、非配列状に、あるいは別々に処理される場合、高分子に埋没させずに処理しても良いことは明らかである。
【0095】
図18Dには、Si/SiOナノワイヤの先端を露出させるため、パリレンのような高分子充填材38の表面を酸素プラズマエッチングした後の、コア−シース配列を示す。
【0096】
図18Eには、バッファフッ酸溶液に約2分浸漬し、SiOキャップ34’を選択除去し、シリコンコア32を露出させた、コア−シース配列を示す。
【0097】
図18Fには、XeFガスのようなエッチャントによって、シリコンナノワイヤコア32を除去した後の、シース配列を示す。材料の一部が除去されても、耐エッチング材料層38’は、バルクのナノチューブ壁を保護していることに留意する必要がある。エッチングは、XeFエッチング室にコア−シース配列を設置し、例えばエッチング室温度を40℃に調節して実施することが好ましい。窒素ガスでのパージおよびフラッシング後、窒素ガスとともにXeF蒸気が導入され(XeF:N=4:5)、全圧約9トールの状態で30秒間エッチングが実施される。その後エッチング室が真空化され、窒素ガスでフラッシングされてから、2回目のエッチングが行われる。本実施例では、8回のエッチングによってシリコンコアが完全に除去された。
【0098】
上記の処理では、パリレン膜38に埋没されたシリカナノチューブ配列が得られるが、連続ポアが、高分子膜を貫通するように通っている。
【0099】
図18Gには、30分間の高出力酸素プラズマ処理等によって、パリレンマトリクスをエッチング除去後に得られる、ナノチューブ配列36’を示す。基板30に垂直配向され、信頼性のあるシリカナノチューブマトリクスが基板30上に得られる。
(実施例3)
図19Aから図19Dには、本発明によって形成されたナノチューブの走査型電子顕微鏡写真(SEM)を示す。図19Aに示されているシリコンナノワイヤ配列は、垂直配向されたSiナノワイヤを有し、実質的に完全な配列を構成する。シリコンナノワイヤの通常の寸法は、50から200nmであり、全長は約8μmである。各ナノワイヤの上部には、気体−液体−固体成長を示唆する光った金の先端が見える。
【0100】
図19Bには、パリレンを設置しSiOキャップを除去し、シリコンコアのエッチング後のナノチューブを示す。パリレン膜に埋没したシリカナノチューブ配列が形成されている。高分子表面には、ポアのあることが容易に観察される。画像の光っているスポットは、金のナノ粒子先端部に対応しており、ほぼ半球状に見える。膜は、比較的平坦な表面を有する。図19Bの挿入図には、パリレン膜に埋没された、2つのシリカナノチューブの高解像図を示す。シリカ壁を有する中空ポアが明確に認められる。
【0101】
図19Cおよび図19Dには、それぞれ、パリレンの酸素プラズマエッチング後のナノチューブ配列の透視図および上面図を示す。自立式シリカナノチューブ配列が得られている。ナノチューブは、整列配置され、シリコンナノワイヤ型材の当初の垂直配向を保持した状態であることがわかる。図19Cの挿入図には、高倍率SEM像におけるナノチューブの拡大図を示す。垂直ナノチューブ配列の形態が明確に観察される。この像から、Siナノワイヤは、配列内で垂直配向され、約50nmから200nmの範囲の均一径を有し、全長は最大8μmであり、平均長さは、約5μmである。得られるシリカナノチューブの平均径は、熱酸化によって構造体が膨張したため、シリコンナノワイヤ型材の径よりも大きくなる。図19Dの挿入図には、拡大上面図を示すが、六角形のチューブの形状が認められる。図19A、19B、19Cのスケールバーは、それぞれ、10μm、1μm、10μmである。ナノチューブのシリカ壁は、元のSiナノワイヤの<111>配向を示す六角形状を有し、面内エッチング状態は、異方性を有する。
【0102】
図20Aおよび20Bには、透過型電子顕微鏡(TEM)像を示す。高品質シリカナノチューブが示されている。図20Aには、全般にナノチューブの全長に沿って延びる、均一内径が示されている。ナノチューブのポアサイズは、約10nmから200nmの範囲にあり、内壁と外壁は平滑である。
【0103】
ナノチューブの厚さは、ナノチューブのポアサイズの範囲に関わらず、1000℃の熱処理の場合、約70nmとなる。シリコンの高温酸化は、自己抑制過程であり、熱処理条件が同じ場合、酸化層厚さはナノワイヤと等しいと予想されるため、この結果は妥当であると考えられる。この自己抑制過程には、チューブ寸法と壁厚を、熱処理温度等の熱処理条件を調節することによって制御できるという利点がある。
【0104】
ナノチューブ特性を制御する際、例えば、試料を900℃で酸化すると、通常壁厚は約55から65nmとなり、約800℃の場合、壁厚は約30から35nmとなる。図20Bに示すナノチューブは、ポアサイズが約20nmであるが、図からわかるように、均一で平滑な内壁を有する。時折、分岐したナノチューブが形成されるが、これらのナノチューブは、ナノ流体および電子機器に用いる場合に有意であることは明らかである。
【0105】
シリコンナノワイヤ配列からシリカナノチューブ配列型材を製作する方法は、ポアサイズおよび配列高さを制御することのできる多目的工程であり、得られるナノチューブは、内壁および外壁を、容易に別の表面に改質することができる。内壁および外壁の各表面改質は、生物分離や迅速分子輸送の用途には有益である。またこれらのナノチューブの壁は、ピンホールのない緻密な熱酸化物で構成され、機械的信頼性および流体安定性の点で有意である。
【0106】
このように本発明による、この新しい分類の半導体ナノチューブは、機械的信頼性があり、電気的および光学的に活性となる。従って、これらのナノチューブは、ナノキャピラリ電気泳動、ナノ流体生化学検出、ナノスケール電子および光電子機器等の、更なる基礎研究の機会および技術的利用の機会を提供する。この「エピタキシャル成形」法による単結晶GaNナノチューブの調製によって、非層状結晶構造の無機固体の単結晶ナノチューブの調製ができることは明らかである。
【0107】
またここに示した方法は、複数のシース層を形成することにも適用できることは明らかである。これらのシース層の各々は、異なる材料で構成され、あるいは異なるドーピング成分または量であっても良い。また、ナノチューブの長手方向の一部(セグメント)は、別個に処理され、ナノチューブ構造の各セグメント間で、または多層化ナノチューブ構造間で、異なる特性を有するようにしても良い。以下に示すナノチューブ構造は、一例であってこれに限定されるものではない。
【0108】
図21には、(除去前の)犠牲ZnOナノワイヤ12を含む多層化ナノチューブ50を示す。窒化ガリウム(GaN)のシース54が、窒化アルミニウム(AlN)の2つのシース52、56の間に設置される。犠牲ナノワイヤは、少なくとも第1のシース層がナノワイヤ上に設置された以降、いかなるときに除去しても良く、最後のシース層が成膜された後に除去しても良いことは明らかである。
【0109】
図22および図23には、別のドープ材料60を構成するシースが示されている。図22では、ZnOのような(除去前の)犠牲コア12上に設置されたPドープGaN62、およびこのPドープ材料上に設置されたNドープGaN材料64が示されている。同様に、図19を反転した図23では、(除去前の)シースコア12の上に設置されたNドープ材料72上に設置された、Pドープ材料74が示されている。本方法によって、ダイオード、光エミッタ、光検出器、電子伝達装置(例えば、バイポーラトランジスタ、FET、絶縁ゲートFET等)およびこれらの組み合わせのような、多くの回路が製作されることは明らかである。装置に接続する層は、コアから提供され、あるいは外周接続されるが、接続部は、材料層に埋没しても良い。前述の処理方法によって、所与のナノチューブ内にいかなる所望の数のシースを形成しても良い。
【0110】
図24および図25には、本発明によって製作された、セグメント化されたナノチューブシースを示す。異なる材料、異なるドーパント、異なるドープ量、またはこれらの組み合わせによる、異なるセグメントが形成される。これらのシースは、従来のいかなる方法で、セグメント毎に製作されても良く、従来のマスキング技術などを用いて製作される。
【0111】
図24には、犠牲コア82上の長手方向に設置された、異なるシース材料84、86からなる2つのセグメントを有するナノチューブ80を示す。図25には、異なる材料、異なるドープ材料または異なる特性を示すように配置された材料からなる、3以上の長手方向のセグメントで構成されるナノチューブ90を示す。またナノチューブは、少なくとも2つのシース材料を有するように示されている。
【0112】
コア92の除去前の状態が示されており、ナノチューブは、上部内側シース94、上部外側シース96、中間部内側シース98、中間部外側シース100、底部内側シース102、および底部外側シース104を有する。いかなる所望の数のシース層を設置しても良く、ナノチューブは、長手方向にいかなる数のセグメントを有しても良いことに留意する必要がある。またシース層上の絶縁体および電気接続部を、異なるシースセグメントの一部に形成しても良いことは明らかである。さらに、ナノチューブのコアを除去した部分には、流体を流したり、または別の層(例えば導電性接続層)を形成するため、金属のような材料を設置しても良い。
【0113】
図26には、一例として、バイポーラトランジスタを形成する、シース層110の断面図を示す。中空部12’は、犠牲ナノワイヤコアが除去されたことを示す。中空部12’の内側には、金属接続部112が設置されている。3つのシースが、図に示されている。Pドープ半導体内側シース114が示されている。Nドープ半導体の分離中間部シース116、118は、中央絶縁リング120の間に設置されており、内側シース114を覆っている。導電性外側シースは、絶縁性シースセグメント126によって分離された、上部導電体122と低部導電体124とを有する。ナノチューブ長に沿って、バイポーラNPNトランジスタを構成する例が示されており、このトランジスタは、外部エミッタ接続部122と、コレクタ接続部124と、中空コア12’に設置された、ベース接続部112とを有する。層の厚さは、所望の電気特性を得るため、または外部シースセグメント122、124、126の剛性を高めるため、変化させても良い。
【0114】
トランジスタは、一例として示されたものであり、本発明によって、装置の幅広い組み合わせが可能となる。各種材料および電気特性を発現させるため、本発明の方法を利用しても良いことは明らかである。また本発明によって、ダイオード、発光ダイオード、レーザー、トランジスタ、電界効果トランジスタ等のような各種電子装置を形成しても良い。
【0115】
従って本発明の実施例には、犠牲コア上にシースを形成し、その後コアを除去してナノチューブを製作する方法が含まれる。2つの一般的な方法がある:(i)エピタキシャル成形法、および(ii)酸化およびエッチング法である。また特定のナノチューブ構造の例としては、エピタキシャル成形方法を用いた、(ZnOシース上の)GaNナノチューブ、および酸化とエッチング処理法を用いた(Siシース上の)SiOナノチューブがある。ただしこれに限定されるものではないが、コア材料として、GaN、Ge、Ag、II−VI族、II−V族、IV族元素(例えばSi、Ge)および金属を含む、別の材料を用いても良い。またこれに限定されるものではないが、II−VI族、II−V族、IV族元素、金属、上記の酸化物、高分子を、シース材料としても良い。全てのシースは形成段階で、ドープさせても良いことに留意する必要がある。
(ナノ流体装置)
本願の以下には、通常、ナノチューブから製作され、より好ましくは、本発明によって製作されたナノチューブ構造から製作される、多くの装置が示される。ここではシリカナノチューブの例を示すが、他の形態の流体ナノチューブを用いても良く、例えばナノチューブは、GaAs、CdSe、GaP、InP、Ge、InAs、GaO、InO等で構成される。
【0116】
例えば、ナノキャピラリ電気泳動配列式(NEAT)装置に沿って、管状電界効果トランジスタ(TFET)が形成され、これは、電子検出システム内で分子を分離し、同定することができる。
【0117】
図27には、GaN等で構成された半導体ナノチューブ132上に形成された、ナノ流体トランジスタ130の概略図を示す。ナノチューブは、イオン溶液134で満たされ、両端は流体リザーバに結合される。流体リザーバ140、142内には、それぞれソース電極136とドレイン電極138がある。別の実施例では、ソースおよびドレイン電極は、リザーバ内にあり、ナノチューブの端部と接し、別の実施例では、ソースおよびドレイン接続部は、ナノチューブの外部に誘導されて、両端近傍に設置され、ナノチューブの半導体壁を通って電流が流れる。
【0118】
ソース136とドレイン138の間の電圧バイアス144の印加によって、ナノチューブ132を介して、ソース136とドレイン138の間に、電流が生じる。導電板(ゲート)146は、ナノチューブ132の長手方向の一部を被覆する。ゲート146にバイアスされる電圧は、イオン輸送を遮蔽し、ソースとドレインの間のバルブのように振舞う。通常は帯電している生化学分子が、ナノチューブに導入された場合、これらは、ゲートにバイアス化された電圧によって操作される。複数のゲートを用いた場合、イオンおよび生物分子を空間的に操作することができる。
【0119】
ソフト転写法またはイオンエッチング法によって製作された人工ナノポアに比べて、本願に示した無機チューブでは、剥離およびポアサイズの限界という問題を解消することができる。シリカおよびGaNナノチューブは、シリカを絶縁体とし、GaNを半導体とした検知システムとして示されているが、これは、ナノ流体装置に用いられる2つの検知機構(NEATとTFET)に特に適している。NEATの実施例では、絶縁性シリカチューブまたは他の流体用ナノチューブが使用され、個々のナノチューブのイオン導電性をモニターすることによって、大きな分子がナノ流体システムに存在するかどうかが検知される。
【0120】
TFETの実施例では、例えば図27に示すように、基本ナノ流体検知素子として半導体単結晶GaNナノチューブが用いられる。ナノチューブの導電性をモニターすることによって、検体/チューブ界面で電子輸送が生じたかどうかが検知される。このTFET構成は、生物−および化学−電界効果トランジスタと似ており、ナノチューブ内に内部化学ゲートを有する。
【0121】
前述のキャピラリ電気泳動に比べて、本発明のNEAT(ナノキャピラリ電気泳動配列技術)では、配位子−受容体固定化によって分子を分離、同定することが可能であり、低コストのオンチップ電子検出システムに利用することができる。
【0122】
官能基化ナノポアは、感度限界(単分子)で生物分子を同定(単一塩基対ミスマッチ)する生物分子解析に用いられる最良の方法である。理論上、そのようなバイオセンサを配列化することで、生物分子の混合物を多重方式で同時に解析することができる。本発明の態様は、官能基化人工ナノキャピラリの製作によって、安定化膜での単一チャンネルの確保という問題を克服する。
【0123】
本課題の目標の一つは、高感度(単分子レベル以下)で高特定能の化学生物センサの基盤として、ナノキャピラリ電気泳動配列法(NEAT)および管状電界効果トランジスタ(TFET)を開発することである。NEAT/TFETの心臓部には、径が5から20nmで、二酸化珪素(SiO)または半導体GaNで構成されたナノキャピラリが用いられる。
【0124】
図28には、ナノキャピラリ電気泳動装置150の実施例を示す。本実施例では、SiOまたはGaNからなる単一ナノキャピラリ152は、いずれかの側が流体室154(上部)、およびウェハ材料158内に構成された156(底部)に結合される。ナノキャピラリは、ある種類の受容体分子160で官能基化される。電極164(−)、166(+)を介して、ナノキャピラリ152にバイアス電圧V162を印加することにより、各種生物分子168およびイオン170は、上部室154から底部室156に電気泳動によって移動する。電流計172でイオン電流が測定される。ナノキャピラリ152から上部までの流体室154の深さは、距離174で与えられ、本実施例では、約1乃至10μmである。本実施例では、ナノキャピラリ152の径176は、約5乃至20nmである。バイアス電圧を印加しなくても、圧力差または他の力に応じて、イオン電流が、ソース電極とドレイン電極の間に生じ得ることに留意する必要がある。
【0125】
図29には、電流計172で測定される、装置150の予想イオン電流を示す。第1の曲線180は、拘束のない状態で分子が通過する際のバックグラウンド応答を示す。第2の曲線182は、ナノキャピラリ152内部の特定の配位子−受容体固定化によって、実質的に大きな電流低下を示す。生物分子が特定の固定化を受けずに通過する場合に比べて、イオン電流は、大きく低下することに留意する必要がある。
【0126】
本実施例では、これらのナノキャピラリの内面は、プローブ/受容体配位子によって官能基化される。イオン電流または半導体チューブの導電性がモニターされている間、イオン溶液中の生物分子の混合物が、電気泳動によってナノキャピラリを介して移動する。ターゲット配位子が、壁に付着しているプローブ分子に固定化された場合、ナノキャピラリ内部の配位子の残留時間は、分子が固定化されずにチューブを通過する場合に比べて長くなる。ナノキャピラリは、分子寸法(5から20nm径)とほぼ同等の寸法であるため、分子寸法と同等の寸法の特定の固定化配位子の有無によって、イオン電流は変化する。また、検体と半導体GaNナノチューブの間にいかなる電荷移動が生じても、チューブの導電性は変化するため、これをモニターすることができる。
【0127】
NEATの概念は、従来のゲルまたはキャピラリ電気泳動法とは実質的に異なる。これらの従来法は、質量および電荷に基づく分子の空間分離によるものであり、光学的な指標を提供するラベルが必要となる。この分野の最近の研究から、膜間プロテインイオンチャンネルによって形成される官能基化ナノポア(内径1.5から4nm)を横断するイオン電流のモニターによって、DNAの単一塩基対ミスマッチを特定して、単分子固定現象を検出できることが示されている。これは、感度(単分子)および特定能(単一塩基対ミスマッチ)の限界でのラベルの不要な検定を可能にするが、2層脂質膜および膜貫通型イオンチャンネルを使用することは、数千のそのような装置を含む多重解析用の配列を製作する上で問題がある。
【0128】
プロテインイオンチャンネルと前述のナノキャピラリの間のポアサイズの同等性から、ナノキャピラリを通るイオン電流は、特定の配位子−受容体固定化の有無によって変化する。この特徴は、配位子−受容体固定化の定量的な検出を可能にし、癌診断およびモニターが、十分に高特定能、高感度で行える。本発明の別の重要な特徴は、本発明の実施例は、2cm×2cmのシリコンチップ内に100×100ナノキャピラリ以上の大面積配列の製作を可能にし、各ナノキャピラリは、異なる分子で官能基化され、検体を配給する独自のマイクロ流体および電子入力/出力システムを有し、イオン電流およびソースドレイン電流を検出することができる。そのようなチップを利用することによって、数千の生物分子を同時に定量分析することが可能となる。
(ナノチューブ合成/製作)
内径が均一で、ロバスト性のある非多孔質ナノチューブは、ナノスケールの電子、光電子、生化学検知の用途にとって有益である。
【0129】
ナノチューブを製作する上で、いくつかの所望の設計指針がある:(1)内径を1から100nmに制御すること、(2)構造上のロバスト性、連続性を有し、非多孔質および継ぎ目のないこと、(3)内表面と外表面の官能基化が用意であること、(4)化学的に安定であること、(5)長さを変更することができること、(6)電気特性(絶縁性から半導体性)。カーボンナノチューブおよび他の管状構造(BN、硫化物)は、いくつかの仕様に合致せず、理論上この目的に適さない。最近、少なくとも一つの研究グループが、溶液型材処理(型材として多孔質アルミナを使用)で調製される管状構造を、生物学的分離の目的に使用している。この方法は、ある目的には合致するが、この方法で調製されるナノチューブは、ロバスト性が悪く、単一ナノキャピラリとしての使用には問題がある。本発明の態様では、所望のナノチューブを製作する新しい処理方法が提供され、このナノチューブは、ナノチューブ流体検知用の前述の仕様を満たし、この処理方法は、他のナノチューブおよびナノ流体用途にも用いられる。この新しい処理方法は、ナノチューブ形成時の型材として使用される、半導体ナノワイヤに用いられる。
(気体−液体−固体ナノワイヤ成長)
ナノワイヤのような微細ナノ構造は、基礎研究的および工業的に重要である。全ての化学的手法の中で、単結晶構造を有する多量のナノワイヤの形成には、気体−液体−固体(VLS)処理が最も適している。この処理は、70年代には、ミクロン寸法のウィスカーを製作する際に用いられ、近年は、各種組成のナノスケールのワイヤおよびロッドを製作する際に使用される。まず最初に、気体反応体がナノサイズの触媒金属液滴に溶解され、次に、単結晶ワイヤまたはロッドの核発生と核成長が行われる。触媒は、平衡状態図の解析に基づいて容易に選択することができる。この方法は、多目的に利用することができ、他のIII−V族およびII−VI族の材料の単結晶ナノワイヤの合成に、容易に適用することができる。本実施例では、ナノチューブの成長用の型材として、Siナノワイヤ配列およびZnOナノワイヤ配列を選定する。
(エピタキシャル成形法)
内径が30から200nmで、壁厚が5から50nmの単結晶ナノキャピラリの合成には、この方法が用いられる。このエピタキシャル成形処理では、化学蒸着法で薄膜GaN層をエピタキシャル成長させる際に、六方晶ZnOナノワイヤが型材として用いられる。ZnOナノワイヤ型材は、その後、熱収縮、エッチングおよび気化することで除去され、基板上には、GaNナノキャピラリの整列配列が得られる。ZnOのナノワイヤ配列は、発明者によって開発された、実験室での蒸着法によって、(110)サファイヤウェハ上に成長する。これらのZnOナノワイヤ配列は、MOCVD反応炉に設置され、GaN化学蒸着が行われる。トリメチルガリウムとアンモニアを前駆体とし、アルゴンおよび窒素をキャリアガスとして、系内に供給する。成膜温度は、600から700℃であることが好ましい。GaN成膜後に、試料は、約600℃の10%Hを含むアルゴン中で処理され、ZnOナノワイヤの型材が除去される。
【0130】
最初のZnOナノワイヤ配列は、約2乃至5μmの均一長さと、約30乃至200nmの径を有する。これらは、六面体断面を有するようにファセット化され、側面が(110)面を示す。GaNの成膜後に、型材が除去されると、試料の色は白色から黄色または暗い色に変化する。得られるナノ構造の径が増大していることを除き、初期ナノワイヤ配列の形態が維持される。
【0131】
ナノ構造の大部分は、壁厚が均一な管状である。ナノキャピラリは、内径が約30から200nmであり、ZnOナノワイヤ配列と同様であり、壁厚は、5から50nmの範囲にある。チューブのほとんどは、一端のみが開放されているが、両端が開口されているものも観察された。
【0132】
型材の除去処理は、図4A、4Bおよび4Cに順に示されている。図4Aでは、ナノワイヤが型材に用いられ、図4Bに示すように、その上に、別の材料のコーティングが成長する。次にナノワイヤはエッチングされ、図4Cに示すナノキャピラリが得られる。ZnOナノワイヤのエッチングによって得られた、GaNナノキャピラリ配列の走査型電子顕微鏡像は、図5Bと図7Aに示されている。GaNナノチューブの透過型電子顕微鏡像から、内径は約30から200nmであり、壁厚は5から50nm、全長は2から5μmであることがわかる。
【0133】
これらの観測結果は、SEMの結果と一致し、GaNコーティングには、丸い形状およびファセットが少ない端部が観測された。従って、これらのナノキャピラリの開口端は、元来GaNと基板の界面にあり、TEM試料の調製時に開口したものと予想される。TEM観察の結果、ナノキャピラリの内側断面には、型材の除去後にも擬似六方晶が残存する。
【0134】
この「エピタキシャル成形」法を用いた単結晶GaNナノキャピラリの調製は、非層状結晶構造を有する、無機固体の単結晶ナノキャピラリの調製が可能であることを示唆している。この新しい分類の半導体ナノチューブ/ナノキャピラリは、更なる基礎研究、およびナノスケール電子機器や光電子機器の工業的用途の機会を提供する。この分類の装置を製作する上で、特に重要となるのは:(1)これらの半導体ナノチューブのロバスト性、(2)内径の均一性、(3)官能基化の容易な内壁、および定量測定用の流体リザーバに近接して設置することのできるチューブ両端である。
(熱酸化およびエッチング法)
別の方法では、シリコンナノワイヤを型材として使用する。まず最初に、Siナノワイヤが熱酸化され、薄いSiナノワイヤの配列が、二酸化珪素の厚い層で被覆される。次に、この酸化されたナノワイヤ配列が、XeFによって選択的にエッチングされ、シリコンナノワイヤコアが除去され、内径が制御された、二酸化珪素ナノチューブの整列配列が残留する。この内径は、シリコンナノワイヤの初期内径および熱酸化処理条件によって制御される。
【0135】
ナノキャピラリ合成の一つの方法は、図18Aから図18Gに順に示されている。一般に、ナノキャピラリは、Siナノワイヤ配列を酸化して、SiO被覆層を形成し、その後Siの内部コアを除去することによって、SiOナノキャピラリが残されるように形成される。シリカナノチューブ配列のSEM像は、図19Dに示され、透過型電子顕微鏡像は、図20Aと図20Bに示されており、SiOナノキャピラリの径は、5から50nmであり、内径は5から20nmで、全長は約1から10μmである。
【0136】
酸化およびエッチング処理について別の最適化や制御によって、内径が5nm以下のナノキャピラリを形成することができる。多孔質アルミナ型材の上に調製される、これらのナノキャピラリの利点は、シリカ壁が、ゾルゲル化学法を用いた場合に通常得られる多孔質シリカではなく、緻密なシリカによって構成されることである。また、本シリカナノキャピラリの内面は、極めて平滑であって、その寸法は、1から100nmに調整され、本用途に特に適している。さらにシリカ表面の化学的性質によって、ナノキャピラリの内壁は、所望の受容体と、容易に共有結合することができる。従って、GaNおよびシリカチューブは、ナノ流体検知用途に必要な全ての仕様を満たす。
(シリカナノチューブを用いたNEAT装置の製作)
所与のナノキャピラリ長さLと径dに対する、印加バイアス電圧Vの関数として、イオン電流を予測することは重要である。これには、ナノキャピラリ内の電気泳動流体移動をモデル化する理論が必要となる。しかしながら、これは難しい問題であり、現在、大きな研究テーマとなっている。親水性表面と水の間の分子間の相互作用を制御する力は、水和、静電、およびファンデルワールスの力である。水和力は、水の極性面との水素結合によって生じる立体相互作用によるものであり、通常は1から2nmの間で生じる。静電力は、帯電表面近傍の対イオンの浸透圧によって生じ、通常1から50nm(デバイ長さ)の範囲であって、バルクイオン濃度に依存する。またファンデルワールス力は、1から50nmの範囲である。従って、径が5から20nmのナノキャピラリでは、これらの表面範囲および分子間力内に含まれることは、明らかである。従って、流体移動の連続体理論は、これらの長さの領域では用いることができない。ナノポア内の平衡イオン分布を定めるポワソン−ボルツマン式の解は、精度が悪い。また5から20nmの長さ領域では、分子動力学シミュレーションを用いることは難しい(通常1から5nmで利用される)。従って一般には、モンテカルロシミュレーションまたはブラウン動力学に基づく統計的力学モデルが用いられ、移動モデルが検討される。現在のところ、ナノキャピラリ形状の関数として、I−V(電流−電圧)特性を予測する設計法則はない。従ってここでは、以下に示す単一の論拠を用いて、ナノキャピラリ設計上の一般的なまたは「経験則的」な指針を得ることとする。
【0137】
過去のナノポアの実験から、αHLナノポアの電気抵抗は、約10Ωであることが明らかとなっている。この抵抗値は、全長Lが約10nm、径dが約1.4nmの、αHLナノポアの狭窄形状によるものである。1MKClまたは他の1価イオン中で、多くの実験が行われている。多くの一般的なイオンの移動度は、表1に示されている。
【0138】
【表1】

バルク水の電気伝導度σは、
【0139】
【数2】


で表される。
【0140】
ここでηは、イオン濃度であり、μおよびμは、それぞれカチオンおよびアニオンの移動度であり、zは価数、eは電子の電荷である。1MKCl溶液の場合、電気伝導度は、15.5Ω−1−1であると予想される。この値をナノポアのバルクの電気伝導度であると仮定すると、ナノポアの電気抵抗は、
【0141】
【数3】


で表される。
【0142】
この値は、測定値に比べて3倍小さいが、仮定の下でも、オーダー的には正しく見積もられている。
【0143】
そのような方法は、ナノポアの正確な設計に用いることはできないものの、この方法を指標または「経験則」として用いることは可能である。例えば、1MKCl溶液を用い、電気抵抗が10Ωで、径dが20nmのナノキャピラリを設計する場合、(2)式からその全長として、L≒6μmが得られる。従って1Vのバイアスでは、そのようなナノキャピラリに、1nAのイオン電流が生じる。
【0144】
図30には、試験システム190の概略図を示す。SiOナノキャピラリ192は、溶液中に懸濁され、シリコンウェハ194の上部に広がる(スピンコート)。ナノキャピラリは、上記の方法で製作されることが好ましい。光学式または電子顕微鏡206によって、個々のナノキャピラリの位置を判断した後、撥水性高分子196(例えばSU8またはPDMSのようなフォトレジスト)を表面に、好ましくは回転成形によって塗布し、ナノキャピラリ192の一方の端部に、2つのマイクロ流体井戸を設置するようにパターン化する。そのような方法(回転成形および転写パターン接続)は、我々のグループで十分に研究されており、ナノワイヤとナノチューブには電気的接続が得られる。イオン溶液202は、マイクロ流体井戸の一方に導入され、他方の井戸には、脱イオン水204が導入される。電圧(V)208は、ナノキャピラリを横断するように印加され、電極210と電極212の間で電流(I)が測定される。I−V特性を測定することによって、前述の計算法を用いて、ナノキャピラリの径を見積もることができる。次にナノキャピラリは、電気泳動的に希釈イオン溶液で洗浄され、加熱によってナノキャピラリ内から水が除去される。
(ナノキャピラリの官能基化)
以降の実施例は、ナノ流体システム内の抗体−抗原の相互作用モデルを用いて行われる。捕獲分子の固定化は、これらの3つの実験の重要な現象であり、以下の条件を満たす必要がある:(i)分子は、ナノキャピラリの内表面に優先吸着する、(ii)その受容体領域(エピトープ)は、固定化を生じさせるため露出される、(iii)それらは、洗浄除去または固定化の段階で除去されないよう、ナノキャピラリ表面と強固に吸着する。
【0145】
ナノキャピラリの内表面に抗体を固定化し、核酸を捕獲する手順の例を以下に示す。ナノキャピラリ装置電源を切断後、キャピラリ力によって、水溶液が吸い込まれる。既に水和している場合、以下に示す水洗および洗浄ステップは、マイクロ流体I/O井戸に新しい溶液を導入し、溶液を電気泳動によってナノキャピラリに輸送することによって行われる。通常の表面官能基化操作は、(i)ナノキャピラリのSiOの内表面を、純メタノール中のアミノプロピルトリメトキシシラン(APS)希釈溶液と反応させ、(ii)メタノール洗浄によって、余分なAPSを除去し、ヘテロ二官能価の架橋と反応させ、表面にチオール化DNAを付着させることによって行われる。
【0146】
プロテインの場合、以降の一般的なステップは:(i)ナノキャピラリのSiO内表面を、純メタノール中のメルカプロプロピルトリメトキシシラン(MPS)と反応させ、(ii)メタノール洗浄によって、余分なMPSを除去し、(iii)プロテインを分離し、サルフォ(Sulfo)SMCCまたはSulfo−GMBS等のような、ヘテロ二官能価の架橋と反応させ、寸法排除コラムを用いて余分な架橋を除去し、(iv)改質プロテインをシラン化SiOと反応させ、未反応プロテインを洗浄除去することによって行われる。
【0147】
ナノキャピラリが架橋分子によって官能基化された後、捕獲分子214の溶液が、マイクロ流体井戸の一方に導入され、ナノキャピラリ192に電気泳動供給され、一定時間後に共有結合が生じる。表面官能基化は、通常多くの他の化学および生物系に適用され、所望のナノ流体システムを用いた検知用のデータベースを、容易に構築することができることに留意する必要がある。これは、無機ナノチューブは、カーボンナノチューブとは異なり、単一の化学種によって、容易に官能基化されることによるものである。
(電気測定システム)
受容体分子214によって、一旦ナノキャピラリ192が官能基化されると、マイクロ流体井戸198、200の一方への検体溶液の導入によって、固定化試験が行われる。直流電圧バイアスVdcが、ナノキャピラリ192に印加され、電極210と212の間の電流Idcが、時間の関数として測定される。ナノキャピラリ192を通るイオン202は、捕獲分子216に拘束され、ナノキャピラリを流れる電流が変化する。
【0148】
図31には、ナノキャピラリイオン電流測定用の単一電子回路230を示す。抵抗がナノキャピラリ192よりも小さな抵抗体Rを横断する電圧は、コンピュータ(図示されていない)によって増幅処理され、I−tプロット234が得られる。
【0149】
抵抗がナノキャピラリ192よりも小さな抵抗体Rを横断する電圧低下は、プリアンプ/ロックインアンプによって増幅される。高精度の測定を行うため、システム内の信号対ノイズ比を高める必要がある。システム内には3つの基本ノイズ源がある:ジョンソンノイズ、ナノキャピラリのショットノイズおよびプリアンプ232のノイズ(1/f、ジョンソン、ショット)である。直流測定は単純ではあるが、1/fノイズと高周波数バンド幅(通常>1kHz)のため、ノイズの影響を受けやすい。例えば1乃至10mSの範囲で、ある固定化事象が生じた場合、バンド幅は、例えば0.1から1MHzのオーダーとなり、これらの事象が収集される。ノイズ電圧Vは、バンド幅とともに
【0150】
【数4】


に従って増大し、高バンド幅では、低信号対ノイズ比となる。
【0151】
プリアンプ232の内部でプログラム化されることが好ましいローパスフィルタは、最小周波数が約200Hzよりも大きくなった場合、1/fノイズを除去する。それでも信号対ノイズ比が不十分な場合、直流バイアスVdcに、周波数fで小さな交流バイアス電圧Vacが重畳される。このステップによって、ロックインアンプ232は、fで変調された電流Iacに固定され、バンド幅Δfが十分に小さな値に減少し、ノイズが抑制される。周波数fは、1/fが支配的となるように、十分に大きな値として選択され、これにより測定結果は、ショットおよびジョンソンノイズのみに影響されるようになる。
(個々のナノチューブ内の単一分子像)
前述のように、試験装置(図30)では、透明フォトレジスト196を用いて、マイクロ流体井戸を定形する。これにより、光がナノキャピラリに到達し、ナノキャピラリを撮像することが可能となる。蛍光ラベル化プローブ分子(ssDNA配列または抗体の捕獲)の使用は、ナノキャピラリに侵入した受容体を表面に拘束された状態に維持することができるため有益である。一旦プローブ分子が、ナノキャピラリの内表面を被覆すると、高レーザー出力等によって、蛍光プローブが漂白され、好ましくないバックグラウンドが抑制される。また、受容体に固定される配位子用の異なる色の蛍光ラベル、およびバックグラウンド分子用の第3の色の蛍光ラベルを使用することは、有意である。これらの蛍光ラベルは、受容体、配位子および非拘束分子の移動を視覚化することによって、ナノキャピラリ内部で生じる過程を分離することができる。
【0152】
本試験装置には、単一分子種の検出、同定および分光が高速で行えるという利点があり、室温溶液中の最新の光検出感度を用いて、個々の分子からのレーザー誘起蛍光(LIF)特性から、化学種の正確な同定ができる。単分子検出(SMD)による分子特性には、スペクトル(色)、量子収量(蛍光強度)、励起状態寿命、および異方性が含まれる。
【0153】
また、試料分子の2または3以上の光特性の組み合わせによって、光同定精度が向上し、化学種の高感度光検知が可能となる。本発明の一態様は、光単一分子検出および同定と、NEAT技術の統合である。全体としての感度は、単分子レベルに至ると予想される。また、真の正誤率のようなシステム特性は、分光指標を用いた電気信号の分子寸法の補正によって大きく向上する。
【0154】
図32および図33には、一体化NEAT−SMDシステム250を示す。図33は、光励起検出装置の拡大図である。電子的測定と光学的測定を組み合わせることによって、単一分子(SM)顕微鏡252が得られる。NEAT試料254は、ナノキャピラリ256を有し、基板上の2つのリザーバ258、260の間に保持される。ソース配線262と、ドレイン配線264は、ナノキャピラリ256に接合される。NEAT試料254の基板(例えばガラス)は、アクチュエータ268に結合された可動式ステージ266に固定される。図の都合上、ステージは、NEAT基板の下部に示されているが、これは、顕微鏡対物レンズ270の上部に設置されることが好ましい。例えば、コンピュータ制御の圧電式ステージを用いて、サブナノメートルの空間分解能を提供しても良い。NEATステージ組立部は、対物レンズ270に結合されることが好ましく、対物レンズは、例えば油浸、高開口数(N.A.)対物レンズであって、通常N.A.=1.4である。励起レーザービーム272は、ダイクロイックミラーによって誘導され、対物レンズ270を介して試料に焦点化される。蛍光光子は、同じ対物レンズによって収集され、スペクトルフィルタ処理され、アバランシェ高感度光ダイオード(APD)276に再度焦点化される。本発明のある実施例では、コンピュータが、NEATユニットを見出すため、光検出とステージの動きを同期化させ、ナノチューブ256に沿った適当な位置に、約300nmの径282の励起/検出焦点領域280(図33)が設置される。これにより、単一発色団ラベルの抗原−抗体錯体276が、焦点領域を通過した際に、光子の励起が検出され、図34に示すように、SM時間変化が得られる。
【0155】
色素−生物分子共役の拡散によって、通常測定されるSM変化を図34に示すが、〜0.55秒で生じた光子の励起は、焦点領域を拡散する、単一BSA色素共役(BSA=ウシ血清アルブミン)に対応する。〜5500cps(カウント毎秒)のバックグラウンドは、主として焦点領域(〜π×(100nm)×(1μm))での、水のラマン散乱によって生じる。NEAT検出では、ラマンバックグラウンドは、著しく抑制された励起領域によって、〜10乃至20に抑制される(ナノキャピラリの径によって定まり、(〜π×(100nm)×(100nm)))。本発明のNEAT−SMDは、マイクロ流体技術およびマイクロキャピラリ検出技術を超える、優れた検知法を提供する。
【0156】
ある実施例では、NEAT−SMD装置を用いて、電流低下および蛍光光子の流入が同時に生じた場合に限り、単一分子の真陽性事象が同定される。そのような同時検出法は、NEATまたはSMDの一方を検出源として使用した場合に生じ易い、偽陽性同定率を実質的に減少させる。例えば、図34に示す、時折生じる光子「ショット」ノイズ(2000cpsに至る鋭いスパイク)は、SMDを別個に使用した場合、誤判断につながる。そのような偽陽性指示は、同時検出を用いることによって抑制することができる。
【0157】
図35には、理想的なNRA T−電気およびSMD光同時検知の実施例を示す。AとCで示される真陽性事象は、正確なTOFおよび同時光信号によって同定される。BとDは、実際の使用を想定した偽陽性事象を表す。前者は、生物分子のある不特定凝集体によるものであり、蛍光マーカーが生じないことで識別される。後者は、ターゲット生物分子と共役していない蛍光プローブによるものであり、TOF信号が正しくないことによって識別できる。以下に、NEAT−SMDの感度、ダイナミックレンジ、効率、特定能を評価した結果を示す。
(DNA配列検出)
図36には、励起/検出焦点領域280内でのナノキャピラリ256内のNRA T−SMD DNA配列検出法を示す。初期の頃の悪性DNA配列の検出は、癌のような発生した病気の末期診断や予後診断用であった。最近、ゲル電気泳動法と単分子結像法によって、未増幅DNA試料の定量化が、〜10複製/試料の感度、および〜10ダイナミックレンジで可能となっている。この点では、本発明のNEAT−SMD検知方式は、単一複製レベルでの特定のDNA配列を同定することに対する用途がある。図から、リザーバ292は:(1)ターゲット配列294と他の配列296の両方のDNA部分、(2)ターゲットDNAに対する相補配列298を含むDNAヘアピン分子標識、(3)他の生物分子300、を有する。SMDの励起/検出領域は、楕円状に示されている。
【0158】
この用途の初期の特徴は、分子標識を用いて実施され、悪性配列に対する相補的検知ループは、ヘアピン状の2つの短い相補配列のステム間に挟まれる。また発色団および消光剤は、それぞれ、ヘアピンのいずれかの端部でラベル化される。この方法では、分子標識は、閉じた状態302では「暗く」見え、ターゲットDNA配列が相補されたときは、広がった状態となり、「明るく」なる。バックグラウンドカウントを最小限にするため、ヘアピン構造は、平衡状態で主要指標が閉じた状態となるように設計される。前述のように、非ターゲット配列、他の生物分子または非相補分子標識を含む電位遮蔽剤は、前述の同時NEAT−SMD検出方式によって識別され、これにより電位偽陽性同定が抑制される。
【0159】
(5’−CACAACAAAGAGCATACATAGGG−3’)のようなBRCA1捕獲プローブ遺伝子配列が、試験ターゲットに利用される。相補プライマを含む分子標識は、市販の材料から得ることができる。初期の段階では、試験ターゲット遺伝子および分子標識が含まれ、単一ヌクレオチド変異に対するNEAT−SMDの感度が評価される。イオン強度および金属イオン濃度のような溶媒条件を体系的に変化させ、検出条件を最適化する。後段の開発では、BSAのような傍観生物分子とともに、必ずしも必要ではないDNA部分を加える。本発明では、NEATが受けるノイズ(1/f、ジョンソン、ショット)と、SMDが受けるノイズ(ポワソン、ショット)のノイズ源の異なる性質のため、高速のウェーブレット変換に基づくコンピュータアルゴリズムが開発され、同時事象の正確な認識が行われる。
(免疫検知)
プロテオミクスのNEAT−SMD概念の確証のため、抗体−プロテイン識別試験を行った。単クローン性のマウス抗体D1.3を蛍光プローブでラベル化し、ニワトリ卵リゾチームの認識剤として使用した。試験の最初の段階では、純化抗体およびリゾチームを使用する。前述のDNA評価方法と同様に、pHおよびイオン強度のような溶液条件を体系的に変化させ、検知パラメータを最適化した。第2段階では、実際の用途のため、BSAのような必ずしも必要ではないプロテインを偽状態に加え、天然の生物抽出物を検知リザーバに直接設置した。好ましくない状態に制御した試験では、蛍光ラベル化した抗BSAを用いて、卵リゾチームとBSAの両方を含む溶液を検出する。BSAと卵リゾチームの相対濃度を体系的に変化させ、統計的に定量性を確認する。これは、本NEAT−SMDの臨床利用に向けての重要なステップであり、特に実証医療には重要である。電位印加の場合、ウイルスプロテインの高速かつ定量的な検出に加えて、本NEAT−SMD概念の全細胞プロテオミクスを支援し、単一細胞の特定プロテインの分子数を、分子毎に正確に定めることが可能となる。
(単一装置デモ:GaNナノチューブを用いるTFET)
これらの単結晶GaNナノチューブの電気および光特性は、ZnO基板にエピタキシャル成長した高品質GaN、およびGaNナノワイヤのものと同等である。これらのナノチューブの低温光ルミネッセンス(PL)スペクトルは、励起源としてYAGレーザー(266nm)の第4高調波出力を用いて測定された。中間黄色放射は、観測されていない。これらのナノチューブ試料には、375nmと360nmの範囲でバンド端放射が観測され、チューブが薄くなる程、短い波長の放射が生じた。この放射の僅かな青色シフトは、量子閉じ込め効果に寄与する。あるナノチューブは、壁厚が5nmと薄く、GaNの励起子ボアー径よりも小さいからである。これらのナノチューブの抵抗を表す電子輸送測定は、室温で10MΩのオーダーであり、高品質GaNナノワイヤと同様、温度の低下とともに増大する。図17には、異なる温度での単結晶GaNナノチューブのI−V測定結果を示す。
【0160】
図37には、TFET装置310の実施例を示すが、この装置は、収容されたナノ流体システムとなるナノキャピラリの内表面を用いる。官能基化ナノキャピラリ312は、ソース314とドレイン316とを有し、これらはリザーバ318、320に結合される。本発明の前には、化学生物電界効果トランジスタ用に、半導体薄膜が注力して研究されてきたことは明らかである。本願のGaNのようなナノチューブの実施例は、そのような用途に適した多くの特徴を有し、例えば:機械的なロバスト性、電気光活性、極めて高い内表面および外表面を有する。第2の方法では、これらの特徴を用いて、管状電界効果トランジスタ(TFET)内での化学生物検知が行われる。マイクロ流体およびリザーバの設計に応じた官能基化界面を有するTFETは、前述のNEATに酷似している。TFET装置とNEAT装置の差異は、TFETの場合、NEAT装置でモニターされるイオン電流の代わりに、ソース−ドレイン電流がモニターされることである。異なる表面電荷/電位を得るための、あるいは多くの場合、電子輸送時の、ナノチューブ表面の分子種が異なることは一般的であることを認識する必要がある。いずれの因子も、半導体GaNナノチューブ内に電気伝導度の変化を生じさせる。さらに重要なことは、検知のための活性相互作用領域に、内表面と外表面が利用されることである。これにより、TFET装置の感度が著しく増大する。
【0161】
本発明のTFET(またはNEAT)の別の態様では、必要であれば、ソース−ドレイン電流とイオン電流を同時に測定できる。この多重電気信号の同時フィードバックと、前述の単分子光信号との組み合わせによって、高感度、高特定能で、低い誤動作率の化学生物検知が可能となる。
(装置の一体化と並行処理)
ここでは、本発明によるナノキャピラリ配列チップの設計および製作の例を示す。配列チップと装置の一体化は、並行流体処理を提供する上で重要である。
【0162】
NEATチップの実施例は、N×Nのセル配列で構成され、各セルは、片側に2つのマイクロ流体室を有する単一ナノキャピラリと、各セルからの電流を検出する電子システムとを有する。前述のように、これらのチップは、相互に一体化された複数のウェハで構成される。本実施例は、相互に一体化された3つのウェハを含む:(i)ナノキャピラリを含む第1のウェハ、(ii)マイクロ流体および電子グラウンドプレーンを含む第2のウェハ、(iii)対極を有する第3のウェハである。次にこれらのチップは、MEMSスイッチチップに接続され、その後信号処理のため設置されたCMOS電子チップに接続される。同形状で同じ電気泳動挙動を示す、N×Mのナノキャピラリを製作することは困難であるため、本実施例では、照合非固定化分子(例えばBSA)の存在する各セルのI−V特性が測定される。この方法では、各ナノキャピラリの特性に対する照合信号が提供され、新しい分子種に対する応答が、特徴化データに応じて規格化される。さらに、被ターゲット化学生物種の配列の固定化検定を行うことにより、I−V特性のデータベースが構築される。データベースは、特定の装置とは無関係に、配列内のセルを特徴づけ、または仮想参照装置の特徴に基づいて定められる(実際のI−V情報が規格化される)。データベースの実施例では、ある検体濃度に対応した特徴が提供され、これにより、定量検定の基礎が構成される。
【0163】
図38には、単一NEATセル330の実施例を示すが、このセルは、ナノキャピラリ332と、マイクロ流体I/O334と、リザーバ336と、電極338とを有する。この特定の実施例では、配列内の各セルは、寸法が約200μmであって、2cm×2cmの配列内に100×100セルを設置することができる。ただしセルは、異なる用途に適した形状に製作しても良い。NEATチップのこの実施例は、3つのウェハ:マイクロ流体340、ナノキャピラリ342、および電極344のウェハの一体化に基づく。これらの各ウェハは、個々に製作されることが好ましく、その後接着剤または他の低温結合方法で組み立てられ、NEAT配列チップが形成される。
【0164】
図39には、各セル330をアドレス化し、抵抗体Rijで示すナノキャピラリのI−V測定を行う電子システム350の実施例を示す。3ウェハNEATチップが一体化された後(または一体化中に)、この一体化物は、スイッチマトリクス352、および検知回路356に接続される。例えば、スイッチマトリクスは、MEMSスイッチチップ352であっても良く、このチップは、行スイッチ(またはドライバ)354×1、354×2、354×3…354×nと、列スイッチ354y1、354y2、354y3…354ynを有する。検知回路装置356は、例えば複数のアナログ増幅器358y1、358y2、358y3…358ynを有するCMOS電子機器で構成されても良く、増幅器によって調整された信号のような、列(または行)からの電圧が取り込まれる。電子層は、さらに多重D/A変換器を有しても良く、あるいは他のインターフェース回路を有し、マイクロプロセッサ系の回路組立体内での装置のホスト回路との接続を容易にする。
【0165】
MEMSスイッチチップ352は、流体から保護され、別の電極層(マイクロ流体ウェハ)または外部電子機器に適切に組み込まれる限り、電極ウェハのような1または3以上のウェハ内に製作され得ることは明らかである。MEMSおよびCMOSチップの目的は、以下に示す。示されたシステムでは、セルの全行を同時に測定することができる。NEATチップの本実施例のウェハは、以下のように製作される。
(マイクロ流体ウェハ)
図40Aから40Eには、NEAT装置330の配列内にマイクロ流体ウェハ340(図38)を製作する際に用いられる製作工程を示す。図40Aでは、まずシリコン(Si)ウェハ370の第1の側372および第2の側374に、窒化珪素(SiN)がコーティングされる。次にウェハは、第2の側376等においてパターン処理される。図40Bでは、深反応性イオンエッチング(DRIE)によって、パターン376を利用して、単位セルあたり2つの貫通孔378が形成される。本実施例の他の側のSiN膜は、エッチング停止膜として利用されることが好ましい。図40Cでは、金属膜(Pt)380がSiN上に設置され、パターン処理によって、電気接続配線(1、2、3…N)が形成され、図39の行列スイッチ352に結合される。図40Dでは、フォトレジスト(例えばSU8フォトレジスト)の厚い膜382が、金属膜上に設置され、パターン化後に、Siウェハの孔378に揃えられた孔384が形成される。図40Eでは、SiNがエッチング除去され、マイクロ流体I/Oの貫通孔386が形成される。
(ナノキャピラリウェハ)
図41Aから41Hには、NEAT装置330(配列)のナノキャピラリウェハ342(図38)の形成に用いられる製作工程を示す。図41Aでは、シリコン絶縁体(SOI)ウェハの両側にSiNがコーティングされ、その後両側がパターン処理される。図41Bでは、金の薄膜が成膜後パターン396化され、SiNで区画された小さな箱(〜1μm×1μm)内にのみ保持される。これにより、加熱時に金が拡散することを防止することができる。図41Cには、前述の化学蒸着処理によって形成成長したSiナノワイヤ398が示されている。図41Dには、Siナノワイヤ398と、Siの露出した上面および底面が、熱酸化され、SiOナノワイヤにSiコア400が残留する。図41Eでは、上部SiOが反応性イオンエッチングによって除去され、底部SiOがバッファHF中での湿式エッチングによって除去される。その後ウェハは、XeFによってSiOナノワイヤ内のSiコアを含む、露出したSiをエッチングされ、SiOナノキャピラリ402が残留する。図41Fでは、露出Si404の残りの部分が、Siを選択的にエッチングするTMAH中でエッチングされる。図41Gでは、SiO層が底面側からエッチングされ、貫通孔406が形成され、ナノキャピラリ402に開口408が形成される。図41Hには、図41Gまでの製作ステップ完了後のウェハの、このセルに対応する上面図を示す。
(電極ウェハ)
マイクロ流体およびナノキャピラリウェハに比べて、電極ウェハは、極めて単純である。電極ウェハは、ガラスまたはSiウェハ上に製作された、M(1’、2’、3’…M)の配線パターンのみを有する。その製作工程についてはここでは説明しないが、当業者は、本願の内容を参照してこれを製作することができる。
(MEMSスイッチチップ)
図39から、マイクロ流体ウェハ(1、2、3、…N)および電極ウェハ(1’、2’、3’…M)上の各配線または電極は、スイッチに接続されている。1組の入力スイッチは、特定の行を活性にし、列上のスイッチが選択的に活性化され、各NEATセルの特性が読み出される。従ってナノキャピラリR23をアドレス指定するには、スイッチ354x2および354y3をオンにする。この配置では、各セルをここにアドレス指定することができる。配列内にN×Mのセルが存在する場合、回路には、(N×M)のスイッチではなく、(N+M)のスイッチしか必要ではないことに留意する必要がある。NとMの値が大きい場合、例えばN、M≒100のような場合、これは、NEATのスケールアップ化の方法が実質的に異なることを意味することは明らかである。
【0166】
本実施例では、MEMSスイッチに、従来のデジタル電子機器に利用される標準的な電子スイッチよりも高性能のものを使用することが好ましい。一般に本実施例では、MEMsスイッチには、オフ状態でも電流がリークする、金属−酸化物−半導体(MOS)トランジスタ(現在の技術では配線幅0.25μmで製作される)から製作される電子スイッチよりも、オフ状態で低リーク電流を示すものが好ましい。オフ状態でMOSトランジスタスイッチを流れるリーク電流(ソースからドレインへの電流)は、ソース−ドレイン電圧がVds≒2.2Vの場合、ゲート長さ1μmあたり約50pAである。約1Vの電圧印加で、リーク電流は、ゲート長さあたり約10乃至20pA/μmに低下する。しかしながら、通常のゲート長さは、1から10μmのオーダーであり、リーク電流は10乃至200pAとなり、ナノキャピラリが機能せず、あるいはアドレス指定されない場合であっても、偽陽性信号が生じる。従って、従来の電子スイッチは、これらが、オフ状態で著しく小さなリーク電流(例えばVds≒2.2Vの場合、1μmのゲート長さあたり<5pA)を示すように製作されない限り、全般に本実施例での使用には好ましくない。スイッチ抵抗は、オフ状態では無限大(R→∞)に近づき、オン状態ではR≪1GΩとなることが好ましい。今のところ、これがMEMS型のスイッチ配置を用いて得られる最適値である。
【0167】
図42Aおよび図42Bには、MEMSスイッチ430の一例を示す。図42Aはオフ状態、図42Bはオン状態に対応する。基板432は、2つの別個の信号接続部434、436と、絶縁された活性化電極438とを有する。スプリング梁440は、活性化電極領域と分離信号接続部を有する基板432の上部に広がっている。活性化電位442がスプリング梁440および絶縁活性化電極438に印加されると、スプリング梁440は、活性化電極438の方向に歪み、スプリング梁に沿って接触点が構成され、信号接続部434と信号接続部436の間が接続される。オフ状態では、2つの電極A、B間は接触されておらず、直流作動下では、R→∞となる。オン状態では、Ptスプリングとスイッチ電極(中央)の間のバイアスによって、信号接続部434が信号接続部436と接触する。
【0168】
図43Aから図43Eには、本発明の配列内に使用される前述のMEMsスイッチ装置の製作工程を示す。図43Aでは、Pt膜434、436が基板432上に成膜、パターン化され、第1および第2の信号接続部が形成される。図43Bでは、スイッチ電極438が成膜、パターン化され、その後絶縁膜(例えば高分子)で被覆され、さらにこの膜がパターン化される。図43Cでは、犠牲層444(例えば高分子)が成膜、エッチングされ、スプリングアンカーと接触突起が定形される。図43Dでは、好ましくはPtの金属膜446が、成膜、パターン化され、スプリング構造が定形される。図43Eでは、犠牲層がエッチングされ、超臨界CO中において装置が乾燥された後、スプリングが開放され、信号接続部434および436の間の電気接続が可能となる。MEMSスイッチは、湿度によって機械素子が固着する等、信頼性に問題があることに留意する必要がある。しかしながら、小さな接触突起または凸部を取り付け、接触力を弱めることで、この固着の問題が解消される。
【0169】
マイクロ流体および電極ウェハのN+M電極は、MEMsスイッチ配列を有するMEMSチップにワイヤ結合され、その後CMOSアナログ増幅器チップまたは他の形態の信号処理回路にワイヤ結合される。アナログ増幅器または他の形態の信号処理回路の詳細は、ここでは説明しない。これらの機能は従来技術に属するからである。電流(10から1000pA)が増幅され、10から1000mVの電圧に変換されると、デジタル電子機器を用いてこの信号を処理し、コンピュータに接続して処理が行えることに留意する必要がある。これにより、各個々のチャンネル(1’、2’、3’…M)からのデータの保管が可能となり、ユーザーには、Mのチャンネルがリアルタイムで同時に読み出されているように認識される。
【0170】
ナノ流体配列は、異なるターゲット配位子によって選択的に官能基化され、電気的および光学的に独立にアドレス指定され得るため、この複ステップ統合処理では、多重化学生物検知の実施が可能となる。さらにこの一体化ナノ流体チップは、短い時間フレームでの各種化学生物検知用の、ナノキャピラリ電気泳動大規模データベース(プロテインDNA、他の化学生物有害分子)の構築を可能にする。
(試験装置)
更なる改良を進めるため、前述の実施例を各種方法で評価した。図44から図55には、実用化の際の構造および実際の装置予想図を示す。
【0171】
図44には、Si上のSiOのような絶縁基板148上に製作されたTFETを示す。この例は図27と同様ではあるが、金属ゲート146の少なくとも一部、あるいは好ましくは全てが、ナノチューブ132の中央部を取り囲んでいる。
【0172】
図45Aから45Fには、シリカナノチューブを用いて製作されたTFETの実施例を示す。図45Aでは、コア454とシェル452を有するコア−シェルナノワイヤが、石英のような基板450上に延伸している。図45Bでは、Crのような金属層456が成膜され、これがフォトレジスト458で被覆される。図45Cでは、フォトレジスト458がパターン化され、金属456が選択除去され、ドレイン接続460、ソース接続462およびゲート接続464が残存する。図45Dでは、厚いフォトレジスト層466が設置される。図45Eでは、フォトレジストが選択的に除去され、隆起部470が残留し、これは壁468によって区画された流体井戸を分離する。また図45Fでは、コア−シースのSiコア454がエッチング等によって除去され、ゲートTFET装置が製作される。ナノチューブ452の内面は、必要に応じて官能基化される。
【0173】
図46から55には、本発明の実施例によって製作されたTFETの画像を示す。図46では、ガラス基板上のCrゲートは、ナノワイヤ(図には見えない)全体を横断するように、ネック部が狭小化している。厚いフォトレジストは、ゲートを被覆し、上部井戸と底部井戸を分離することは明らかである。図47では、ナノチューブを有するゲート接続部が拡大されており、フォトレジストの隆起が観測される。図48には、図47に示すゲートを横断する線に沿って分離され、フォトレジストのような絶縁層で被覆されたソースとドレインの金属化状態を示す。図49、50には、ソースとドレインリザーバの間に延び、ゲート電極およびフォトレジスト材の隆起によって被覆されたシリカナノチューブを示す。図51には、シリカナノチューブ上のゲートおよび絶縁体の別の方向からの像を示す。図52には、リザーバの周囲の隆起領域の低倍率図を示す。ナノチューブは、ソースとドレインリザーバの間を横断している。
【0174】
図53には、リザーバ間のナノチューブの低倍率図を示す。ナノチューブは、ゲート電極と隆起絶縁体によって被覆されている。この図では、フォトレジストの隆起が明確に認められる。ナノチューブの端部近傍では、ドレインとソース接続は、ゲートのそれぞれの側と接続している。これらの接続部は、端部の方向に設置されていることは明らかである(必ずしも端部である必要はないが、ナノチューブの全長に沿って相互に分離されている必要がある)。これらの接続は、ソースおよびドレイン電極上部の絶縁体薄膜層内の貫通孔を介して行われ、ナノチューブは、ソースおよびドレイン層、ならびに金属化層に向かって下側に形成され、ナノチューブが底部導電体に接続される。ナノチューブ(コア除去前)の密閉端部を図54に示す。また図55には、ナノチューブと底部ソース/ドレイン導体の間の接続部を示す。
(研究の及ぼす広範な影響と社会の利益)
本発明は、化学生物検知に対する新しいパラダイムを示し、化学、工学、半導体プロセス工学、統計物理学、電子工学の間の学際的な相互連携を通じて、有効な分子検出や分子挙動把握を可能にする、革新技術を開発するためのNSF−センサネットワークを示している。NEAT/TFET装置は、化学生物分子の解析の新しいパラダイムを示している。本技術は、健康、環境、戦場用の共通の検知基盤を提供し、高感度、高特定能、低コストでユーザーフレンドリーである。新しい技術は、市民および本土の保安のため、そのような技術の利便性を高める。
【0175】
前述のように多くの詳細例を説明したが、これらは、本発明の範囲を限定するものではなく、単に現段階での本発明の好適実施例を示すための例示に過ぎない。従って、本発明の範囲は、当業者にとって明らかな他の実施例を網羅することは明らかである。また本発明の範囲は、請求項の記載内容以外のものには限定されない。「一つのまたは一つだけの」という言葉は、特に言及がない限り、単一の素子を表すことに限定されず、「1または2以上の」という意味を含む。当業者にとって公知の、前述の好適実施例の素子と構成上、化学的におよび機能上等価な全ての物は、本願に含まれ、添付の請求項は、これらを網羅する。また、本発明によって解決される各課題に対処する装置または方法は、本発明の特許請求の範囲に含まれる。また、本願の素子、構成物または方法のステップは、素子、構成物または方法のステップが、特許請求の範囲に明確に記載されているかどうかに関わらず、公知であることを意図するものではない。本願に記載されていない素子は、その素子が、「手段」という表現を用いて明確に記載されていなくても、米国特許法(35USC)112条、第6項に基づいて解釈される。
【0176】
本願は、2003年4月8日に出願され、その全体が参照文献として取り入れられている米国仮出願第60/461,346号、2003年3月11日に出願され、その全体が参照文献として取り入れられている米国仮出願第60/454,038号、および2002年12月9日に出願され、その全体が参照文献として取り入れられている米国仮出願第60/432,104号の優先権を主張し、参照文献として本願に取り入れられている12/08/2003に出願された米国特許出願第10/731,745号の継続出願である。
【0177】
本願は、さらに2003年4月8日に出願され、その全体が参照文献として取り入れられている米国仮出願第60/461,346号に基づく優先権主張出願である。
【0178】
本発明は、エネルギー省第DE−AC−03−76SF00098号の政府支援および国立科学財団による第DMR−0092086号の下でなされたものである。政府は本発明について一定の権利を有する。
【0179】
本特許文献の資料の一部は、米国および他国の著作権法に基づく著作権による保護の対象である。著作権者は、米国特許商標公開資料および記録等の特許資料または特許公開資料の、他人のファクシミリによる複製以外に関しては、全ての著作権を享受する。著作権者は、米国特許法施行規則(37 CFR§1.14)による権利の制約を受けず、さらに本願の秘密性を維持するいかなる権利も放棄しない。
【図面の簡単な説明】
【0180】
【図1】2部屋を分離する浮遊薄膜に埋没された、従来のαHLイオンチャンネルの概略図である。
【図2】図1のイオンチャンネルを通るポリヌクレオチドストランドに応じて流れる電流のプロット図である。
【図3A】αHLナノポアプロテインの開口において、ジサルフィド鎖を介してシステイン残留物に設置された、従来のssDNAプローブの概略図である。
【図3B】αHLナノポアプロテインの開口において、ジサルフィド鎖を介してシステイン残留物に設置された、従来のssDNAプローブの概略図である。
【図4A】本発明の実施例によるナノチューブを製作する際のエピタキシャル成形法において、ZnOナノワイヤ上に形成されたGaNナノチューブを示す断面図である。
【図4B】本発明の実施例によるナノチューブを製作する際のエピタキシャル成形法において、ZnOナノワイヤ上に形成されたGaNナノチューブを示す断面図である。
【図4C】本発明の実施例によるナノチューブを製作する際のエピタキシャル成形法において、ZnOナノワイヤ上に形成されたGaNナノチューブを示す断面図である。
【図5A】ZnOから形成されたナノワイヤ配列の断面を示す、本発明の態様によるナノワイヤ型材配列の画像である。
【図5B】GaNから形成された本発明の態様による図5Aの犠牲ナノワイヤ配列上に形成されたナノチューブ配列の画像であって、GaNナノチューブと基板の間の破面を示した図である。
【図6】本発明の態様による図5BのGaNナノチューブ配列の回折図であって、ナノチューブ組成を示す図である。
【図7A】本発明の態様による図5Bのナノチューブの画像であって、径と壁厚の均一性を示す図である。
【図7B】本発明の態様による図5Bのナノチューブの画像であって、径と壁厚の均一性を示す図である。
【図7C】本発明の態様による図5Bのナノチューブの画像であって、径と壁厚の均一性を示す図である。
【図8A】本発明の態様による図5BのGaNナノチューブの外壁構造の高解像画像である。
【図8B】本発明の態様による図5BのGaNナノチューブの内壁構造の高解像画像であって、
【数5】


ゾーン軸に沿ったナノチューブで得られた電子回折パターンを示す図である。
【図9】エネルギー分散X線分光分析法によって得られた、本発明の態様によるナノチューブ径方向に沿ったナノチューブ組成の図である。
【図10】本発明の実施例によって形成されたナノチューブの正面画像である。
【図11】本発明の実施例によって形成された単結晶GaNナノチューブの平滑な性状を示す画像である。
【図12】図11のGaNナノチューブに収集された電子エネルギーの損失スペクトル図である。
【図13A】本発明の実施例によって形成されたナノチューブ配列の画像であって、ナノワイヤ型材が部分的に除去されたところを示す図である。
【図13B】ナノワイヤ型材が部分的に除去された本発明の実施例によって形成されたナノチューブの画像であって、コア−シース、および
【数6】


ゾーン軸に沿ったチューブ領域で得られた電子回折パターンを示す図である。
【図14】図13Bの上部矢印位置でのナノチューブのコア−シースの、GaおよびZn信号のラインプロファイル図である。
【図15】図13Bの下部矢印位置でのナノチューブのコア−シースの、GaおよびZn信号のラインプロファイル図である。
【図16】本発明の態様によるGaNナノチューブに収集された光ルミネッセンススペクトル図であって、薄い壁および厚い壁のナノチューブからの両スペクトルを示す図である。
【図17】本発明の態様による単結晶GaNナノチューブの温度依存曲線である。
【図18A】本発明の実施例によるSiOナノチューブの形成ステップであって、エッチング中のパリレン成膜段階を示す図である。
【図18B】本発明の実施例によるSiOナノチューブの形成ステップであって、エッチング中のパリレン成膜段階を示す図である。
【図18C】本発明の実施例によるSiOナノチューブの形成ステップであって、エッチング中のパリレン成膜段階を示す図である。
【図18D】本発明の実施例によるSiOナノチューブの形成ステップであって、エッチング中のパリレン成膜段階を示す図である。
【図18E】本発明の実施例によるSiOナノチューブの形成ステップであって、エッチング中のパリレン成膜段階を示す図である。
【図18F】本発明の実施例によるSiOナノチューブの形成ステップであって、エッチング中のパリレン成膜段階を示す図である。
【図18G】本発明の実施例によるSiOナノチューブの形成ステップであって、エッチング中のパリレン成膜段階を示す図である。
【図19A】本発明の態様によるシリコンナノチューブ配列の画像である。
【図19B】本発明の態様によるシリコンナノチューブ配列の画像である。
【図19C】本発明の態様によるシリコンナノチューブ配列の画像である。
【図19D】本発明の態様によるシリコンナノチューブ配列の画像である。
【図20A】本発明の態様によるシリカナノチューブの画像である。
【図20B】本発明の態様によるシリカナノチューブの画像である。
【図21】本発明の態様による多層化ナノチューブの断面図であって、絶縁性窒化アルミニウム層間に設置された窒化ガリウムシースを示す図である。
【図22】本発明の態様による多層化ナノチューブの断面図であって、犠牲コアを覆うNドープシース上のPドープシースを示す図である。
【図23】本発明の態様による多層化ナノチューブの断面図であって、犠牲コアを覆うPドープシース上のNドープシースを示す図である。
【図24】本発明の態様による、長手方向に2つのナノチューブセグメントを有する、緻密シースで被覆された犠牲コアを示す図である。
【図25】本発明の態様による、長手方向に複数のナノチューブセグメントを有する、複数のシースで被覆された犠牲コアを示す図である。
【図26】本発明の態様による、中空コアNPNトランジスタからなるナノチューブ装置の断面図である。
【図27】イオン溶液のリザーバと端部で結合されたナノチューブセグメントと電気的に接続されたソース、ドレインおよびゲートを有する、本発明の実施例によるナノ流体トランジスタの透視図である。
【図28】いずれかの側を流体室によって仕切られ、選定受容体分子で官能基化された、本発明の実施例によるナノキャピラリ(すなわちSiOまたはGaN)の概略図である。
【図29】固定化状態と非固定化状態での、図28の装置の装置電流を示す図である。
【図30】本発明の実施例によるシリコンウェハ上に設置されたナノキャピラリの概略図であって、検体が電気泳動的にナノキャピラリを通り、マイクロ流体井戸を移動するところを示す図である。
【図31】本発明の実施例によるナノキャピラリ中のイオン電流を測定する電子機器配置の概略図である。
【図32】単分子顕微鏡での観察に用いられる、本発明の態様による一体化NEAT−SMDシステムの概略図である。
【図33】図32のシステムの詳細図であって、単分子顕微鏡の焦点領域を通る抗原/抗体錯体を示す図である。
【図34】図32、33のシステムの通常のSM軌道を示す図である。
【図35】擬陽性を低下させる、本発明の態様による同時検出を示す波形図である。
【図36】本発明の態様によるNEAT−SMD DNA配列検出の概略図であって、配列検出器を構成するナノキャピラリを通る前の、リザーバ内のターゲットおよび非ターゲット配列を示す図である。
【図37】密閉ナノ流体システムの内表面のみを使用する、本発明の実施例によるTFET装置の概略図である。
【図38】本発明の実施例によるナノキャピラリ配列チップの各セルの概略図であって、3ウェハ製作過程の側面図である。
【図39】本発明の態様によるナノキャピラリセル配列の電気アドレス方法を示し、各セルの駆動法および各ナノキャピラリ接合のI−V応答測定法を示す図である。
【図40A】本発明の態様によるマイクロ流体ウェハの製作過程の断面図である。
【図40B】本発明の態様によるマイクロ流体ウェハの製作過程の断面図である。
【図40C】本発明の態様によるマイクロ流体ウェハの製作過程の断面図である。
【図40D】本発明の態様によるマイクロ流体ウェハの製作過程の断面図である。
【図40E】本発明の態様によるマイクロ流体ウェハの製作過程の断面図である。
【図41A】本発明の態様によるナノキャピラリウェハの製作過程の断面図である。
【図41B】本発明の態様によるナノキャピラリウェハの製作過程の断面図である。
【図41C】本発明の態様によるナノキャピラリウェハの製作過程の断面図である。
【図41D】本発明の態様によるナノキャピラリウェハの製作過程の断面図である。
【図41E】本発明の態様によるナノキャピラリウェハの製作過程の断面図である。
【図41F】本発明の態様によるナノキャピラリウェハの製作過程の断面図である。
【図41G】本発明の態様によるナノキャピラリウェハの製作過程の断面図である。
【図41H】図41A乃至41Gのナノキャピラリウェハの上面図である。
【図42A】本発明の態様によるMEMsスイッチの断面図であって、配線AおよびB間の非接続状態を示す図である。
【図42B】本発明の態様によるMEMsスイッチの断面図であって、配線AおよびB間の接続状態を示す図である。
【図43A】図42A、42BのMEMsスイッチの製作段階の断面図である。
【図43B】図42A、42BのMEMsスイッチの製作段階の断面図である。
【図43C】図42A、42BのMEMsスイッチの製作段階の断面図である。
【図43D】図42A、42BのMEMsスイッチの製作段階の断面図である。
【図43E】図42A、42BのMEMsスイッチの製作段階の断面図である。
【図44】基板上に製作された、本発明の実施例によるTFETの側面図である。
【図45A】本発明の態様によるTFET製作時の断面図である。
【図45B】本発明の態様によるTFET製作時の断面図である。
【図45C】本発明の態様によるTFET製作時の断面図である。
【図45D】本発明の態様によるTFET製作時の断面図である。
【図45E】本発明の態様によるTFET製作時の断面図である。
【図45F】本発明の態様によるTFET製作時の断面図である。
【図46】本発明の実施例によって製作されたTFETの画像である。
【図47】本発明の実施例によって製作されたTFETの画像である。
【図48】本発明の実施例によって製作されたTFETの画像である。
【図49】本発明の実施例によって製作されたTFETの画像である。
【図50】本発明の実施例によって製作されたTFETの画像である。
【図51】本発明の実施例によって製作されたTFETの画像である。
【図52】本発明の実施例によって製作されたTFETの画像である。
【図53】本発明の実施例によって製作されたTFETの画像である。
【図54】本発明の実施例によって製作されたTFETの画像である。
【図55】本発明の実施例によって製作されたTFETの画像である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1および第2の端部を有する管状膜と、前記第1および第2の端部の間の内口穴とを有する流体ナノチューブであって、
前記管状膜は、非多孔質内壁を有し、
前記管状膜は、非炭素系の親水性材料で構成され、
当該ナノチューブは、実質的にナノキャピラリ装置、電界効果トランジスタ、ナノ電気泳動装置、検出器、DNA配列検出器、免疫センサ、管状電界効果トランジスタ、マイクロ流体ウェハ、ナノキャピラリウェハ、電極ウェハ、MEMSスイッチチップ、トランジスタ、センサ、熱電装置、フォトニック装置、ナノ電気機械アクチュエータ、ナノ電気機械センサ、ナノスケール流体生物分離器および結像装置からなる装置群から選定される装置の機能部品であることを特徴とする流体ナノチューブ。
【請求項2】
第1および第2の端部を有する管状膜と、前記第1および第2の端部の間の内口穴とを有する流体ナノチューブであって、
前記管状膜は、継ぎ目のない内壁を有し、
前記管状膜は、非炭素系の親水性材料で構成され、
当該ナノチューブは、実質的にナノキャピラリ装置、電界効果トランジスタ、ナノ電気泳動装置、検出器、DNA配列検出器、免疫センサ、管状電界効果トランジスタ、マイクロ流体ウェハ、ナノキャピラリウェハ、電極ウェハ、MEMSスイッチチップ、トランジスタ、センサ、熱電装置、フォトニック装置、ナノ電気機械アクチュエータ、ナノ電気機械センサ、ナノスケール流体生物分離器および結像装置からなる装置群から選定される装置の機能部品であることを特徴とする流体ナノチューブ。
【請求項3】
第1および第2の端部を有する管状膜と、前記第1および第2の端部の間の内口穴とを有する流体ナノチューブであって、
前記管状膜は、非多孔質内壁を有し、
前記管状膜は、非炭素系の材料で構成され、
前記管状膜は、親水性材料で構成され、
当該ナノチューブは、実質的にナノキャピラリ装置、電界効果トランジスタ、ナノ電気泳動装置、検出器、DNA配列検出器、免疫センサ、管状電界効果トランジスタ、マイクロ流体ウェハ、ナノキャピラリウェハ、電極ウェハ、MEMSスイッチチップ、トランジスタ、センサ、熱電装置、フォトニック装置、ナノ電気機械アクチュエータ、ナノ電気機械センサ、ナノスケール流体生物分離器および結像装置からなる装置群から選定される装置の機能部品であることを特徴とする流体ナノチューブ。
【請求項4】
第1および第2の端部を有する管状膜と、前記第1および第2の端部の間の内口穴とを有する流体ナノチューブであって、
前記管状膜は、継ぎ目のない内壁を有し、
前記管状膜は、非炭素系の材料で構成され、
前記管状膜は、非炭素系の親水性材料で構成され、
当該ナノチューブは、実質的にナノキャピラリ装置、電界効果トランジスタ、ナノ電気泳動装置、検出器、DNA配列検出器、免疫センサ、管状電界効果トランジスタ、マイクロ流体ウェハ、ナノキャピラリウェハ、電極ウェハ、MEMSスイッチチップ、トランジスタ、センサ、熱電装置、フォトニック装置、ナノ電気機械アクチュエータ、ナノ電気機械センサ、ナノスケール流体生物分離器および結像装置からなる装置群から選定される装置の機能部品であることを特徴とする流体ナノチューブ。
【請求項5】
当該ナノチューブは、
コア材料を構成するステップと、
前記コア材料上にナノチューブ材料を設置するステップと、
前記コア材料を除去するステップと、
で構成される方法によって形成されることを特徴とする請求項1、2、3または4のいずれかに記載のナノチューブ。
【請求項6】
前記コア材料は、前記除去ステップの間に除去されることを特徴とする請求項5に記載のナノチューブ。
【請求項7】
前記コア材料は、当該ナノチューブ用の犠牲型を構成することを特徴とする請求項5に記載のナノチューブ。
【請求項8】
前記コア材料は、端部および側面を有し、前記ナノチューブ材料は、前記側面上に設置され、前記コア材料に沿って延びる円筒状シースを構成することを特徴とする請求項5に記載のナノチューブ。
【請求項9】
前記コア材料は、単結晶であることを特徴とする請求項5に記載のナノチューブ。
【請求項10】
前記ナノチューブ材料は単結晶であることを特徴とする請求項5に記載のナノチューブ。
【請求項11】
前記コア材料は、実質的に、酸化亜鉛(ZnO)、シリコン(Si)、窒化ガリウム(GaN)、ゲルマニウム(Ge)、銀(Ag)、金(Au)、II−VI族材料、III−V族材料、IV族元素材料および金属からなる群から選択される材料で構成されることを特徴とする請求項5に記載のナノチューブ。
【請求項12】
前記ナノチューブ材料は、実質的に、GaN、Si、GaAs、CdSe、GaP、InP、Ge、InAs、4元系と3元系を含むII、III、IV、VおよびVI族材料、SiO、GaO、InOのような酸化物および他の絶縁材料、金属元素ならびに高分子からなる群から選択される材料で構成されることを特徴とする請求項11に記載のナノチューブ。
【請求項13】
前記ナノチューブ材料として選定された材料は、前記コア材料として選定された材料と十分に近い結晶構造および格子定数を有し、前記ナノチューブ材料は、前記コア材料上でエピタキシャル成長が可能であることを特徴とする請求項12に記載のナノチューブ。
【請求項14】
前記管状膜は、長手方向に単一のセグメントで構成されることを特徴とする請求項1、2、3または4に記載のナノチューブ。
【請求項15】
前記管状膜は、長手方向に複数のセグメントで構成されることを特徴とする請求項1、2、3または4に記載のナノチューブ。
【請求項16】
当該ナノチューブは、
ナノワイヤを形成するステップと、
前記ナノワイヤ上に、少なくとも一つのシース材料を成膜するステップと、
前記ナノワイヤを除去するステップと、
で構成される方法によって形成され、
残留シース材料は、当該ナノチューブを構成することを特徴とする請求項1、2、3または4に記載のナノチューブ。
【請求項17】
前記ナノワイヤは、前記除去するステップ中に、除去されることを特徴とする請求項16に記載のナノチューブ。
【請求項18】
前記ナノワイヤは、当該ナノチューブ用の犠牲型を構成することを特徴とする請求項16に記載のナノチューブ。
【請求項19】
前記ナノワイヤは、端部および側面を有し、
前記シース材料は、前記側面上に設置され、前記ナノワイヤに沿って延びる円筒状シースを構成することを特徴とする請求項16に記載のナノチューブ。
【請求項20】
前記ナノワイヤは、単結晶であることを特徴とする請求項16に記載のナノチューブ。
【請求項21】
前記シース材料は、単結晶であることを特徴とする請求項16に記載のナノチューブ。
【請求項22】
前記ナノワイヤは、実質的に、酸化亜鉛(ZnO)、シリコン(Si)、窒化ガリウム(GaN)、ゲルマニウム(Ge)、銀(Ag)、金(Au)、II−VI族材料、III−V族材料、IV族元素材料および金属からなる群から選択される材料で構成されることを特徴とする請求項16に記載のナノチューブ。
【請求項23】
前記シース材料は、実質的に、GaN、Si、GaAs、CdSe、GaP、InP、Ge、InAs、4元系と3元系を含むII、III、IV、VおよびVI族材料、SiO、GaO、InOのような酸化物および他の絶縁材料、金属元素ならびに高分子からなる群から選択される材料で構成されることを特徴とする請求項22に記載のナノチューブ。
【請求項24】
前記シース材料として選定された材料は、前記ナノワイヤ材料として選定された材料と十分に近い結晶構造および格子定数を有し、前記シース材料は、前記ナノワイヤ材料上でエピタキシャル成長が可能であることを特徴とする請求項23に記載のナノチューブ。
【請求項25】
当該ナノチューブは、
酸化亜鉛(ZnO)の犠牲ナノワイヤ型を形成するステップと、
前記ナノワイヤ型上に、少なくとも一つの窒化ガリウム(GaN)のシースを形成するステップと、
前記ナノワイヤを除去するステップと、
で構成される方法によって形成され、
前記シースは、窒化ガリウム(GaN)のナノチューブ構造を有することを特徴とする請求項1、2、3または4に記載のナノチューブ。
【請求項26】
前記ナノワイヤは、単結晶酸化亜鉛(ZnO)で構成されることを特徴とする請求項25に記載のナノチューブ。
【請求項27】
前記窒化ガリウム(GaN)シースは、エピタキシャル成形法によって、前記ナノワイヤ上に設置されることを特徴とする請求項25に記載のナノチューブ。
【請求項28】
前記エピタキシャル成形法は、窒化ガリウム(GaN)の化学蒸着を含むことを特徴とする請求項27に記載のナノチューブ。
【請求項29】
前記化学蒸着用の前駆体としてトリメチルガリウムとアンモニアを、アルゴンまたは窒素のキャリアガスとともに供給し、
GaNの前記化学蒸着は、約600℃から700℃で行われることを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記窒化ガリウム(GaN)ナノチューブは、内径が約30nmから200nmの範囲にあり、
前記窒化ガリウム(GaN)ナノチューブは、壁厚が約5nmから50nmの範囲にあることを特徴とする請求項25に記載のナノチューブ。
【請求項31】
前記酸化亜鉛(ZnO)のナノワイヤは、水素ガスを含む雰囲気の高温での保持によって除去されることを特徴とする請求項25に記載のナノチューブ。
【請求項32】
前記高温は、約600℃であり、
前記雰囲気は、アルゴンガスに約10%の水素ガスを含む雰囲気であることを特徴とする請求項31に記載のナノチューブ。
【請求項33】
前記酸化亜鉛(ZnO)のナノワイヤは、化学エッチングによって除去されることを特徴とする請求項25に記載のナノチューブ。
【請求項34】
前記酸化亜鉛のナノワイヤを除去する前記化学エッチングは、高温でのアンモニアエッチングを含むことを特徴とする請求項33に記載のナノチューブ。
【請求項35】
当該ナノチューブは、
コア材料を形成するステップと、
前記コア材料を酸化させ、該コア材料の酸化物を含むシースを形成するステップと、
前記コア材料を除去するステップと、
で構成される方法によって形成されることを特徴とする請求項1、2、3または4に記載のナノチューブ。
【請求項36】
前記コア材料の端部の酸化物キャップが、前記コア材料を除去する前に除去されることを特徴とする請求項35に記載のナノチューブ。
【請求項37】
前記コア材料は、前記除去ステップ中に除去されることを特徴とする請求項35に記載のナノチューブ。
【請求項38】
前記コア材料は、当該ナノチューブ用の犠牲型を構成することを特徴とする請求項35に記載のナノチューブ。
【請求項39】
前記コア材料は、単結晶であることを特徴とする請求項35に記載のナノチューブ。
【請求項40】
前記シース材料は、単結晶であることを特徴とする請求項35に記載のナノチューブ。
【請求項41】
前記コア材料は、実質的に、酸化亜鉛(ZnO)、シリコン(Si)、窒化ガリウム(GaN)、ゲルマニウム(Ge)、銀(Ag)、金(Au)、II−VI族材料、III−V族材料、IV族元素材料および金属からなる群から選択される材料で構成されることを特徴とする請求項35に記載のナノチューブ。
【請求項42】
前記シース材料は、実質的に、GaN、Si、GaAs、CdSe、GaP、InP、Ge、InAs、4元系と3元系を含むII、III、IV、VおよびVI族材料、SiO、GaO、InOのような酸化物ならびに他の絶縁材料、金属元素および高分子からなる群から選択される材料で構成されることを特徴とする請求項41に記載のナノチューブ。
【請求項43】
前記シース材料として選定された材料は、前記コア材料として選定された材料と十分に近い結晶構造および格子定数を有し、前記シース材料は、前記コア材料上でエピタキシャル成長が可能であることを特徴とする請求項42に記載のナノチューブ。
【請求項44】
当該ナノチューブは、
第1の材料の犠牲ナノワイヤ型を形成するステップと、
前記ナノワイヤ上に、前記第1の材料を変質させたシースを形成するステップと、
前記ナノワイヤを除去するステップと、
で構成される方法で形成され、
前記シースは、ナノチューブ構造であることを特徴とする請求項1、2、3または4に記載のナノチューブ。
【請求項45】
前記ナノワイヤは、単結晶材料を含むことを特徴とする請求項44に記載のナノチューブ。
【請求項46】
前記シースは、熱酸化によって前記ナノワイヤ上に形成されることを特徴とする請求項44に記載のナノチューブ。
【請求項47】
前記ナノワイヤは、エッチング処理によって除去されることを特徴とする請求項44に記載のナノチューブ。
【請求項48】
前記第1の材料は、シリコン(Si)を含み、
前記変質された第1の材料は、二酸化珪素(SiO)で構成されることを特徴とする請求項44に記載のナノチューブ。
【請求項49】
前記シースは、熱酸化処理によって前記ナノワイヤ上に形成され、前記シースの厚さは、処理温度によって定まることを特徴とする請求項48に記載のナノチューブ。
【請求項50】
前記熱酸化の温度は、約800℃から約1000℃の範囲であることを特徴とする請求項49に記載のナノチューブ。
【請求項51】
前記ナノワイヤは、
前記シースとナノワイヤの全体を、耐エッチング材料で被覆するステップと、
当該ナノチューブの被覆された壁を前記耐エッチング材料で保護した状態で、前記被覆されたナノワイヤの上端を除去するステップと、
前記二酸化珪素(SiO)ナノチューブ内から、シリコン(Si)ナノワイヤ材料を除去するステップと、
前記耐エッチング材料を除去するステップと、
を含むエッチング処理によって除去されることを特徴とする請求項49に記載のナノチューブ。
【請求項52】
前記耐エッチング材料は、二量体または高分子で構成されることを特徴とする請求項51に記載のナノチューブ。
【請求項53】
前記耐エッチング材料は、ペリレンで構成されることを特徴とする請求項52に記載のナノチューブ。
【請求項54】
前記被覆されたナノワイヤの上端を除去する前記ステップは、
酸素プラズマでのエッチングによって、前記耐エッチング材料を所定の深さまで除去し、前記被覆されたナノワイヤを露出させるステップと、
フッ酸エッチングによって、前記ナノワイヤの金属キャップを除去するステップと、
で構成されることを特徴とする請求項53に記載のナノチューブ。
【請求項55】
前記シリコン(Si)ナノワイヤを除去する前記ステップは、フッ化キセノン(XeF)でエッチングするステップを含むことを特徴とする請求項54に記載のナノチューブ。
【請求項56】
前記耐エッチング材料を除去するステップは、酸素プラズマエッチング処理を含むことを特徴とする請求項51に記載のナノチューブ。
【請求項57】
少なくとも一つの半導体ナノチューブと、
該ナノチューブの各端部に連通するように結合されたリザーバと、
前記ナノチューブの第1の端部に設置されたソース電極と、
前記ナノチューブの第2の端部に設置されたドレイン電極と、
を有する管状電界効果トランジスタ(TFET)であって、
前記ナノチューブへの分子種の通過によって、ソースからドレインへの電流が変化することを特徴とする管状電界効果トランジスタ。
【請求項58】
さらに、前記ナノチューブ内に保持され、選択分子種を捕獲あるいは減速させる捕獲分子を有することを特徴とする請求項57に記載のトランジスタ。
【請求項59】
さらに、前記ナノチューブの中央部に設置された、前記ナノチューブを通るイオンの移動を制御するゲート電極を有することを特徴とする請求項57に記載のトランジスタ。
【請求項60】
前記管状電界効果トランジスタは、実質的に、ナノキャピラリ装置、電界効果トランジスタ、ナノ電気泳動装置、検出器、DNA配列検出器、免疫センサ、管状電界効果トランジスタ、センサ、熱電装置、フォトニック装置、ナノ電気機械アクチュエータ、ナノ電気機械センサ、ナノスケール流体生物分離器および結像装置からなる装置群から選定される装置の機能部品であることを特徴とする請求項57に記載のトランジスタ。
【請求項61】
少なくとも一つの半導体ナノチューブと、
該ナノチューブの各端部に連通するように結合されたリザーバと、
前記ナノチューブの第1の端部に近接して結合されたソース電極と、
前記ナノチューブの第2の端部に近接して結合されたドレイン電極と、
前記ナノチューブ内に保持され、選択分子種を捕獲あるいは減速させる捕獲分子と、
を有する管状電界効果トランジスタ(TFET)であって、
前記ナノチューブを分子種が通過することによって、ソースからドレインへの電流が変化することを特徴とする管状電界効果トランジスタ。
【請求項62】
さらに、前記半導体ナノチューブの中央部で結合され、前記ナノチューブに流れるイオンの移動を制御するゲート電極を有することを特徴とする請求項61に記載のトランジスタ。
【請求項63】
前記管状電界効果トランジスタは、実質的に、ナノキャピラリ装置、電界効果トランジスタ、検出器、DNA配列検出器、免疫センサ、管状電界効果トランジスタ、センサ、熱電装置、フォトニック装置、ナノ電気機械アクチュエータ、ナノ電気機械センサ、ナノスケール流体生物分離器および結像装置からなる装置群から選定される装置の機能部品であることを特徴とする請求項61に記載のトランジスタ。
【請求項64】
少なくとも一つの半導体ナノチューブと、
該ナノチューブの各端部に連通するように結合されたリザーバと、
前記ナノチューブの第1の端部に近接して結合されたソース電極と、
前記ナノチューブの第2の端部に近接して結合されたドレイン電極と、
前記ナノチューブの中央に向かって結合され、前記ナノチューブに流れるイオンの移動を制御するゲート電極と、
を有する管状電界効果トランジスタ(TFET)であって、
前記ナノチューブを通る分子種の移動によって、ソースからドレインへの電流が変化することを特徴とする管状電界効果トランジスタ。
【請求項65】
さらに、前記ナノチューブ内に保持され、選定分子種を捕獲あるいは減速させる捕獲分子を有することを特徴とする請求項64に記載のトランジスタ。
【請求項66】
前記管状電界効果トランジスタは、実質的に、ナノキャピラリ装置、電界効果トランジスタ、検出器、DNA配列検出器、免疫センサ、管状電界効果トランジスタ、センサ、熱電装置、フォトニック装置、ナノ電気機械アクチュエータ、ナノ電気機械センサ、ナノスケール流体生物分離器および結像装置からなる装置群から選定される装置の機能部品であることを特徴とする請求項64に記載のトランジスタ。
【請求項67】
少なくとも一つの半導体ナノチューブと、
該ナノチューブの各端部に連通するように結合されたリザーバと、
前記ナノチューブの第1の端部に近接して結合されたソース電極と、
前記ナノチューブの第2の端部に近接して結合されたドレイン電極と、
前記ナノチューブの中央に向かって結合された、前記ナノチューブに流れるイオンの移動を制御するゲート電極と、
前記ナノチューブ内に保持され、選定分子種を捕獲あるいは減速させる捕獲分子と、
を有する管状電界効果トランジスタ(TFET)であって、
前記ナノチューブを通る分子種の移動によって、ソースからドレインへの電流が変化することを特徴とする管状電界効果トランジスタ。
【請求項68】
前記管状電界効果トランジスタは、実質的に、ナノキャピラリ装置、電界効果トランジスタ、検出器、DNA配列検出器、免疫センサ、管状電界効果トランジスタ、センサ、熱電装置、フォトニック装置、ナノ電気機械アクチュエータ、ナノ電気機械センサ、ナノスケール流体生物分離器および結像装置からなる装置群から選定される装置の機能部品であることを特徴とする請求項67に記載のトランジスタ。
【請求項69】
少なくとも一つの親水性ナノチューブと、
該ナノチューブ内に保持され、選択分子種を捕獲あるいは減速させる複数の捕獲分子と、
前記ナノチューブの各端部に連通するように結合されたリザーバと、
前記ナノチューブの第1の端部に近接して結合されたソース電極と、
前記ナノチューブの第2の端部に近接して結合されたドレイン電極と、
を有するナノキャピラリ電気泳動装置であって、
前記ナノチューブを通る分子種の移動によって、イオン電流の流れが変化することを特徴とするナノキャピラリ電気泳動装置。
【請求項70】
さらに、前記ナノチューブ内の分子の通過に応答して、光検出信号を発生するように構成された光学式単一分子検出および同定システムと、
前記イオン電流と前記光検出信号の同時発生に応じて、一致分子検出信号を発生するように構成された同時回路と、
を有し、同時検出の利用によって、偽陽性判定が抑制されることを特徴とする請求項69に記載の装置。
【請求項71】
前記電気泳動装置は、実質的に、ナノキャピラリ装置、ナノ電気泳動装置、検出器、DNA配列検出器、免疫センサ、センサ、熱電装置、フォトニック装置、ナノ電気機械アクチュエータ、ナノ電気機械センサ、ナノスケール流体生物分離器および結像装置からなる装置群から選定される装置の機能部品であることを特徴とする請求項69に記載の装置。
【請求項72】
親水性ナノチューブと、
該ナノチューブ内に保持され、選択分子種を捕獲あるいは減速させる複数の捕獲分子と、
前記ナノチューブの各端部に連通するように結合されたリザーバと、
前記ナノチューブの第1の端部に近接して結合されたソース電極と、
前記ナノチューブの第2の端部に近接して結合されたドレイン電極と、
を有するナノキャピラリ電気泳動配列式(NEAT)装置であって、
前記ナノチューブを通る分子種の移動によってイオン電流の流れが変化し、構造部は、
電気泳動セルと、
該電気泳動セルの配列と、
前記電気泳動セルの各々からの電流を検出する手段と、
を有することを特徴とするナノキャピラリ電気泳動配列式(NEAT)装置。
【請求項73】
前記電気泳動装置は、実質的に、ナノキャピラリ装置、ナノ電気泳動装置、検出器、DNA配列検出器、免疫センサ、センサ、熱電装置、フォトニック装置、ナノ電気機械アクチュエータ、ナノ電気機械センサ、ナノスケール流体生物分離器および結像装置からなる装置群から選定される装置の機能部品であることを特徴とする請求項71に記載の装置。
【請求項74】
前記検出手段は、
前記配列内の1または2以上の電気泳動セルを選択するように配置された複数のスイッチ素子と、
前記電気泳動セルの各々から受信された信号を調整する回路と、
を有することを特徴とする請求項71に記載の装置。
【請求項75】
前記複数のスイッチ素子は、前記電気泳動セルの2次元配列内でセルを指定する行列配列を有することを特徴とする請求項74に記載の装置。
【請求項76】
前記スイッチ素子は、Vds≒2.2Vの場合、オフ状態で、1μmのゲート長さあたり、約5pA以下のリーク電流を示すことを特徴とする請求項74に記載の装置。
【請求項77】
前記スイッチ素子の各々は、オフ状態では空気ギャップによって分離され、オン状態では空気ギャップを架橋して接続が可能になるスイッチ接続部を用いた、微小電気機械システム(MEMs)スイッチを有することを特徴とする請求項76に記載の装置。
【請求項78】
前記MEMsスイッチの素子は、
複数の信号接続部と、
活性接続部と、
活性電位に応じて、前記活性接続部の方向に変形するように配置された、柔軟性のある導電性梁と、
を有し、前記変形の間、前記柔軟性のある導電性梁は、前記複数の信号接続部と接触し、複数の信号接続部間に導電経路が構築されることを特徴とする請求項77に記載の装置。
【請求項79】
さらに、前記活性接続部と前記柔軟性のある導電性梁の間に、絶縁体が設置され、前記柔軟性のある導電性梁の変形に応じて、前記活性接続部と前記柔軟性のある導電性梁の間で、導電性経路が遮断されることを特徴とする請求項78に記載の装置。
【請求項80】
交互にドープされた半導体材料の複数のシースで構成されたナノチューブと、
前記交互にドープされたシースに結合された複数の電極接続部と、
を有する半導体装置であって、
前記電極接続部は、当該半導体装置との電気接続を構成することを特徴とする半導体装置。
【請求項81】
当該半導体装置は、実質的に、ダイオード、光エミッタ、光検出器、電子伝達装置、バイポーラトランジスタ、FET、絶縁ゲートFETおよびこれらの組み合わせからなる半導体装置群から選定されることを特徴とする請求項80に記載の半導体装置。
【請求項82】
前記交互にドープされたシースは、異なるドーピング種および/または異なるドーピング量でドープされることを特徴とする請求項80に記載の半導体装置。
【請求項83】
前記シースの少なくとも2つは、p−nまたはn−p接合を構成することを特徴とする請求項80に記載の半導体装置。
【請求項84】
前記シースは、p−n−pまたはn−p−n接合を構成することを特徴とする請求項80に記載の半導体装置。
【請求項85】
さらに、少なくとも2つの交互にドープされた半導体材料の前記シースの間に、絶縁シースを有することを特徴とする請求項80に記載の半導体装置。
【請求項86】
前記シースの少なくとも2つは、p−i、i−p、 n−iまたはi−n接合を構成することを特徴とする請求項85に記載の半導体装置。
【請求項87】
前記シースは、p−i−n、n−i−p、n−i−nまたはp−i−p接合を構成することを特徴とする請求項85に記載の半導体装置。
【請求項88】
前記半導体材料のシースは、後に除去されるナノワイヤコアの周囲に形成されることを特徴とする請求項80に記載の半導体装置。
【請求項89】
少なくとも一つの前記電気接続部は、前記シースのコアの内部にあることを特徴とする請求項80に記載の半導体装置。
【請求項90】
交互にドープされた半導体材料からなる、複数の長手方向のセグメントで形成されるナノチューブと、
前記交互にドープされた長手方向のセグメントに結合された複数の電気接続部と、
を有する半導体装置であって、
前記電気接続部は、当該装置との電気接続を構成することを特徴とする半導体装置。
【請求項91】
当該半導体装置は、実質的に、ダイオード、光エミッタ、光検出器、電子伝達装置、バイポーラトランジスタ、FET、絶縁ゲートFETおよびこれらの組み合わせからなる半導体装置群から選定されることを特徴とする請求項90に記載の半導体装置。
【請求項92】
前記交互にドープされた長手方向のセグメントは、異なるドーピング種および/または異なるドーピング量でドープされることを特徴とする請求項80に記載の半導体装置。
【請求項93】
前記長手方向のセグメントの少なくとも2つは、p−nまたはn−p接合を構成することを特徴とする請求項90に記載の半導体装置。
【請求項94】
前記長手方向のセグメントは、p−n−pまたはn−p−n接合を構成することを特徴とする請求項90に記載の半導体装置。
【請求項95】
さらに、少なくとも2つの交互にドープされた半導体材料の前記長手方向のセグメントの間に、絶縁性セグメントを有することを特徴とする請求項90に記載の半導体装置。
【請求項96】
少なくとも2つの前記長手方向のセグメントは、p−i、i−p、n−iまたはi−n接合を構成することを特徴とする請求項95に記載の半導体装置。
【請求項97】
前記長手方向のセグメントは、p−i−n、n−i−p、n−i−nまたはp−i−p接合を構成することを特徴とする請求項95に記載の半導体装置。
【請求項98】
半導体材料からなる前記長手方向のセグメントは、後に除去されるナノワイヤコアの周囲に形成されることを特徴とする請求項90に記載の半導体装置。
【請求項99】
少なくとも一つの前記電気接続部は、前記長手方向のセグメントのコアの内部にあることを特徴とする請求項90に記載の半導体装置。
【請求項100】
交互にドープされた半導体材料からなる、複数の長手方向のセグメントおよびシースで形成されるナノチューブと、
前記交互にドープされた長手方向のセグメントおよび/またはシースに結合された複数の電気接続部と、
を有する半導体装置であって、
前記電気接続部は、当該装置との電気接続を構成することを特徴とする半導体装置。
【請求項101】
当該半導体装置は、実質的に、ダイオード、光エミッタ、光検出器、電子伝達装置、バイポーラトランジスタ、FET、絶縁ゲートFETおよびこれらの組み合わせからなる半導体装置群から選定されることを特徴とする請求項100に記載の半導体装置。
【請求項102】
前記交互にドープされた長手方向のセグメントとシースは、異なるドーピング種および/または異なるドーピング量でドープされることを特徴とする請求項100に記載の半導体装置。
【請求項103】
少なくとも2つの前記長手方向のセグメントおよび/またはシースは、p−nまたはn−p接合を構成することを特徴とする請求項100に記載の半導体装置。
【請求項104】
前記交互にドープされた前記長手方向のセグメントおよび/またはシースは、p−n−pまたはn−p−n接合を構成することを特徴とする請求項100に記載の半導体装置。
【請求項105】
さらに、少なくとも2つの交互にドープされた半導体材料の前記長手方向のセグメントおよび/またはシースの間に、絶縁性セグメントまたはシースを有することを特徴とする請求項100に記載の半導体装置。
【請求項106】
少なくとも2つの交互にドープされた前記長手方向のセグメントおよび/またはシースは、p−i、i−p、n−iまたはi−n接合を構成することを特徴とする請求項105に記載の半導体装置。
【請求項107】
交互にドープされた前記長手方向のセグメントおよび/またはシースは、p−i−n、n−i−p、n−i−nまたはp−i−p接合を構成することを特徴とする請求項105に記載の半導体装置。
【請求項108】
半導体材料からなる前記長手方向のセグメントおよびシースは、後に除去されるナノワイヤコアの周囲に形成されることを特徴とする請求項100に記載の半導体装置。
【請求項109】
少なくとも一つの前記電気接続部は、前記長手方向のセグメントのコアの内部にあることを特徴とする請求項100に記載の半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図18E】
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【図18F】
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【図18G】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図19D】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40A】
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【図40B】
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【図40C】
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【図40D】
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【図40E】
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【図41A】
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【図41B】
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【図41C】
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【図41D】
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【図41E】
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【図41F】
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【図41G】
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【図41H】
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【図42A】
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【図42B】
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【図43A】
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【図43B】
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【図43C】
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【図43D】
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【図43E】
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【図44】
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【図45A】
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【図45B】
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【図45C】
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【図45D】
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【図45E】
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【図45F】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【公表番号】特表2007−515299(P2007−515299A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−532388(P2006−532388)
【出願日】平成16年4月8日(2004.4.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/010854
【国際公開番号】WO2005/004197
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(501325945)ザ リージェンツ オブ ザ ユニヴァーシティ オブ カリフォルニア (10)
【氏名又は名称原語表記】THE REGENTS OF THE UNIVERSITY OF CALIFORNIA
【Fターム(参考)】