説明

流体作動弁および取付け工具

より大きな室と、肩部によって分離されたより小さな室とによって画定された内部流体ポートを有する弁ハウジングと、弁ハウジングに着座し、かつハウジングに着座可能なエンドプレートに隣接する弁本体の円周の周りに円周方向に均一に離間した複数のポートによって画定された弁本体と、ポートの間の複数の支持壁セクション(ムリオン)と、内部翼の補強を提供する対応するムリオンに沿って各々が延びる複数の内部翼9とを含む高速動作の直接流体(ガスまたは液体)作動弁アセンブリ。翼9は、傾斜されおよび/または曲げられ、また丸くされた面によって画定されて、滑らかな循環する内部流体流れを促進する。環状カラーで形成された弁キャップは、弁本体に取り付けられ、弁本体2およびキャップ/カラー7は、開位置と閉位置との間の弁ハウジング1に摺動可能に支承される。弁アセンブリを容易に取り付けまた取り外すために、ツールセットも開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2009年10月22日に出願された米国仮特許出願第61/279,552号からの優先性を導き出す。
【0002】
本発明は、弁、より詳細には、流体(液圧式または空気式)作動弁に関する。
【背景技術】
【0003】
ガス、空気または流体の流れを制御するために、直接操作または作動の流体弁が当分野で公知である。このような弁は、典型的に、弁本体を通して形成される流路を有する弁本体を含む。弁部材は、流路内に支持され、アクチュエータによって弁部材に加えられる操作力に直接応答して流体流れを調整するために、1つの位置から他の位置に可動である。弁アセンブリを加圧流体供給部ならびに弁が制御可能な様々な能動素子に接続するために、複数のポートが設けられる。アクチュエータは、典型的に、流路内の所定位置に弁部材を移動させるために通電される電磁または圧電ソレノイドである。弁部材を既知の非通電位置に付勢して戻すために、戻りばねが使用されることが多い。この種類の弁は、高い流量および高速応答時間が望まれる多種多様な製造環境で使用される。
【0004】
このような弁の一例は、米国特許第5,413,308号明細書(1995年)で具体化されたWilliam R.Hayesのフェイルオープンソレノイド作動弁である。Hayesの弁は、流体入口ポートと流体出口ポートとの間に配置された弁ポートを画定する弁座を有する弁本体を含むばね付勢の通常開のソレノイド作動弁である。スプールの制御下にあるロッド上の封止部材は、流体流れを制御するために弁ポートの中にまたは弁ポートから長手方向に可動である。ソレノイドに通電されないとき、弁スプールは圧縮ばねによって開放付勢される。ソレノイドが通電され、したがって弁を閉鎖するとき、封止部材は内側弁座に接触する。ソレノイドが意図的にまたは電気的故障のため非作動にされるとき、弁は開位置に対して不具合になる。
【0005】
このような弁は、産業システム向けのエンジンから空気工具に及ぶ多種多様な関連に使用される。このようなシステム用の作動パラメータは、設計者が当該システムをより高速、より廉価かつ軽量にしようと努めているので、ますます厳しくなっている。このことにより、このようなシステムに使用される弁に対する要求が高まる。今や、製造業者は、数ミリ秒以内の極めて高速の正のシャットオフ、およびターンオンを提供することができる制御弁を必要としている。この速度は、流体弁で達成することが非常に難しい。
【0006】
本発明者による流体制御弁の他の例は、2006年11月28日に交付された米国特許第7,140,332号明細書に記載された内燃機関用の空気作動弁、および2002年2月26日に交付された米国特許第6,349,691号明細書に記載された内燃機関用の自動圧力応答式吸気弁を含み、それらの各々は参考として本出願に組み込まれている。米国特許第6,349,691号明細書は、一般に固定弁座ハウジングおよび摺動弁部材を有する内燃機関用の自動作動の圧力応答式吸気弁を開示している。弁座ハウジングは、内燃機関の動作チャンバの頭部にねじ込まれる。摺動弁部材は、弁のいずれかの側の圧力差に反応してハウジングを通して往復運動する。摺動部材は、弁座ハウジングの側壁に開放する中空室を有し、これによって、弁構造から外側方向に空気の流れを送る。米国特許第7,140,332号明細書は、内燃機関の吸気弁および/または排気弁として使用するための空気作動弁アセンブリを開示している。アセンブリは、弁、弁ハウジング、および圧縮ガスの分配およびタイミング機構を含む。弁は、覆われた下端と開放された上端とを有する短い軽量の中空円筒状本体から成る。さらに、弁は、下端に隣接する複数のポートと、上端に隣接する本体を取り囲むカラーとによって画定される。弁ハウジングは、中空で管状であり、弁が上にスライドして閉鎖し、また下にスライドして開放するより大きな直径の上部セクションおよびより小さな直径の下部セクションを有する。さらに、ハウジングは、分配およびタイミング機構によって管理された圧縮ガスを、弁を開閉するためにそれぞれ一定間隔で弁カラーの上下の領域に向かって交互に送る中空の管路を含む。
【発明の概要】
【0007】
本発明の目的は、数ミリ秒内の極めて高速の正のシャットオフ、およびターンオンを提供することができる直接流体作動弁アセンブリである。弁アセンブリは、より大きな室と、肩部によって仕切られた隣接するより小さな室とによって画定された内部流体ポートを有する弁ハウジングと、弁ハウジングに着座し、弁本体の円周の周りに円周方向に均一に離間した複数のポートによって画定された弁本体と、ポートの間の前記支持壁セクション(ムリオン)と、内部翼の補強のための対応するムリオンに沿って各々が延びる複数の内部翼であって、弁本体内の循環する内部流体流れを促進するために傾斜されるおよび/または曲げられる複数の内部翼とを含む。環状カラーを有する弁キャップは、弁本体に取り付けられ、弁本体およびキャップ/カラーは、開位置と閉位置との間の弁ハウジングに摺動可能に支承される。
【0008】
弁アセンブリを容易に取り付けまた取り外すために、ツールセットも開示される。ツールセットは、カラーと噛合するように設計されかつ手で回すための細長いハンドルを有する弁レンチと、複数の相互ロック特徴部によって画定された開放した円形頭部とを含む。ツールセットはまた、一連のノッチによって画定されたディスクに至る延長ステムとして形成されたチャックを含み、ステムはキー付き断面を有し、ディスクは、翼を把持して、弁本体を安定化させるために前記弁本体の翼に合致するノッチを有する。チャックは、円形レンチ頭部を通して上に突出し、弁レンチが回転されてカラーを取り外す間に弁本体を安定化させるために、標準レンチまたは他の手段によって保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明による例示的な空気作動弁の構造特徴部の図面である。
【図2】図2は、弁本体2の拡大図である。
【図3】図3は、弁本体2の頂面図である。
【図4】図4は、閉位置の弁ハウジングに着座した、カラーが取り付けられた弁本体キャップを有する組み立てられた単動弁本体の断面斜視図である。
【図5】図5は、開位置の弁ハウジングに着座した、カラーが取り付けられた弁本体キャップを有する組み立てられた単動弁本体の断面斜視図である。
【図6】図6は、開位置の本発明による組み立てられた複動弁の断面図である。
【図7】図7は、閉位置の本発明による組み立てられた複動弁の断面図である。
【図8】図8は、取付けおよび/または取外しのための弁レンチおよびチャック工具を含む本発明による単動弁の分解図である。
【図9】図9は、図8のチャックの拡大側面図(A)および底部図(B)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、高速作動する流体作動弁アセンブリである。本発明は、強制空気または圧縮空気によって直接作動される空気作動弁に関連して示されているが、当業者は、他の加圧ガスまたは流体が本発明の弁を作動するために適切であり得ることを認識するであろう。図1を参照すると、本発明による例示的な空気作動弁の構造的な特徴が示されており、この空気作動弁は、一般に、弁ハウジング1と、弁ハウジング1に着座しかつ弁本体2に取り付けられた環状カラー8を有するキャップ7を有する弁本体2とを含む。様々な構成要素は、次のようにより詳細に記載される。
【0011】
図2に見られるように、弁本体2は、上端と下端とを有する中空の円筒状本体である。下端は、弁本体2に対してフロアを画定する弁本体座部を形成するエンドプレート4によって覆われる。エンドプレート4は、約45度の傾斜でエンドプレートの周縁の上面の周りで傾斜しており、弁ハウジング1の協働斜面に対して着座する。エンドプレートは、0°〜25°の角度、好ましくは約10度の角度で、傾斜した周縁4の縁部から中心に向かって内側方向に上昇する。さらに、弁本体2は、エンドプレート4に隣接する弁本体の円周の周りの複数のポート3aによって画定される。好ましくは、均一な長方形の3つのポート3aが均一な角度間隔で設けられ、それらのすべては、弁本体2の中空内部に開放している。ポート3aは、弁本体2の壁部に形成された仕切りまたは「ムリオン」3によって隔離される。各々のムリオン3は、ポート3aの幅と比較して狭い。各々のムリオン3の水平延長部は、隣接する各々のポート3aの延長部の約15%であり、この結果、ムリオン3によって占められた円周の部分は、弁本体2の全周の15%である。これにより、ムリオン3による障害が最小にされ、ポート3aを通した空気/流体流れが最大にされる。
【0012】
通常状態下で、この大きさのムリオン3は、弁に加えられる作動応力の下でエンドプレート4を支持するには不十分であるかもしれない。しかし、ムリオン3は、弁本体2の内部に延びて、追加の支持を加える一体の翼9によってさらに画定される。各々の翼9は、弁本体2の上端に近接して始まり、エンドプレート4に終端し、対応するムリオン3の下に多少とも縦方向に延びる。頂部から底部まで、各々の翼9は、内側方向の浅い突起部として始まり、底部に向かって外側方向に徐々に傾斜し、ある実施形態では、翼部はこの底部で弁本体2の半径の約1/2以上を占める。さらに、弁本体2の壁部に近接したところから、翼9の最内側縁部まで、各々の翼9は、角度を僅かに調整して、弁本体2内の循環する空気/流体流れを生じさせる。さらに、各々の翼9は、垂直から僅かに角度オフセットして頂部から底部に延び、エンドプレート4との接合部において広い基部に膨らむ。翼9の最内側縁部は丸くされ、前述の特徴のすべてが適切な空気流に寄与する。翼9は、弁本体2に一体成形されることが好ましく、各々の翼9はムリオン3を補強し、潰れを防止する。弁本体2では、キャップ7を取り付けるために、弁本体2の上端の周りの外側にねじ山11が設けられることが好ましい。
【0013】
図3は、弁本体2内の循環する空気/流体流れを生じさせるためにある実施形態に設けられた各々の翼9の輪郭を示した弁本体2の頂面図である。このような実施形態の翼9の各々は、弁本体2の半径方向軸線Rから10〜15度の角度αにある軸線xに沿って(角度線で図示)半径方向内側に配向される。図4は、弁ハウジング1に着座した組み立てられた弁本体2の断面斜視図であり、弁本体キャップ7(および一体カラー8)は弁本体2に取り付けられている。翼9の各々は、弁本体2を通して垂直軸線Aから10〜15度オフセットして角度βを形成する軸線yに沿って下向きに配向される。xとβの角度オフセットの組み合わせは、翼9の最内側の丸い縁部およびエンドプレート4との翼9のより広い輪郭付き接合部と共に、空気/流体流れを下向きに横方向に偏向させて、弁本体2内の渦巻く循環する空気/流体流れを生じさせるように機能する。
【0014】
弁ハウジング1は、組み立てられた弁本体2を受け入れるための適切なポート付きで製造、機械加工またはさもなければ成形された任意の支持構造、例えば、エンジンブロックまたはシリンダヘッドでもよい。ポートは、より大きな上部直径が肩部13の狭くした下部直径に当接する2段の円筒状ポートとして機械加工され、上部直径は、弁本体キャップ7とカラー8(および弁本体2)とを面一に摺動させるための胴体を画定し、肩部13とカラー8との間の胴体空間は、第1の「制御容積」20Aを画定する。肩部13は、キャップ7/カラー8および本体2の下方運動を制限し、弁が開(下)位置にあるときに弁本体キャップ7およびカラー8を着座させる。
【0015】
図5は、組み立てられた弁本体2および弁本体キャップ7を示しており、カラー8は図4のように弁ハウジング1に、ここでは開位置に着座する。弁本体キャップ7は、カラー8が弁ハウジング1の肩部13に当接するまで、カラー8(および弁本体2)と共に下方に摺動し、最小の制御容積20Aが得られる。これにより、弁本体1の下のエンドプレート4が延長され、流体流れ(空気、ガスまたは液体)用のポート3aを開放する。
【0016】
弁が開位置に示されているので、図5の第1の制御容積20Aはゼロに近いが、弁が閉鎖するにつれ第1の制御容積20Aは増加することを指摘する。上述のように、弁ハウジング1のポートの下部リム5は、図4に見られるように、弁が閉位置にあるときに弁ハウジング1に対して弁本体2を面一に着座させるために、エンドプレート4の斜面と整合する斜面で形成される。弁の全長は、一般に長くて薄い本体を特徴づける従来の直接弁と比較して比較的短く幅広い。本発明の弁の幅広い円筒状弁本体2により、弁は、従来の弁と比較して摩耗および破損の影響をあまり受けない。
【0017】
本発明の二重または二方向に作用する実施形態では、弁を開閉するために、圧縮空気または他のガスのような強制流体が使用される。この場合、2つの作動領域、カラー8の上に1つおよびその下に1つの作動領域がある。弁は、強制空気をカラー8の下に送ることによって閉鎖され、これによって、圧力をカラー8の下側に及ぼし、弁を上方に移動させ、閉鎖する。このため、図1〜図5に示した実施形態は、以下に説明するように、後退を防止するために弁ハウジング1に固定して取り付けられたハウジングキャップ19を追加使用することが可能である。
【0018】
図6は、開位置の本発明による組み立てられた二方向弁の断面図であり、一方、図7は閉位置の弁を示している。この場合のハウジングキャップ19は、弁ハウジング1に取り付けられかつそれを覆う中実壁であるが、開放ポートを覆わないように開放した開口によって画定される。弁本体キャップ7の内側円筒状壁は、ハウジングキャップ19を通過する高さで延長される。したがって、ハウジングキャップ19は、弁本体キャップ7用の案内ブッシュとして機能する。延長した弁本体キャップ7の高さは、それがハウジングキャップ19の下面の下に決して落ちない程度に十分な高さであるべきである。このようにして、ハウジングキャップ19は、弁ハウジング1に取り付けられるので、弁本体2は引き抜かれることができない。使用時、弁ハウジング1のポートは、強制流体(空気、ガスまたは液体)源に接続される。弁が閉鎖しているとき(図7)、ポート内に送られた強制空気は端部プレート4および弁本体2に下向きに圧力を及ぼし、開放する。
【0019】
上述のように、弁本体キャップ7は、カラー8が弁ハウジング1のポートの肩部13に当接するまで、カラー8(および弁本体2)と共に下方に摺動する。これにより、弁本体1の下のエンドプレート4が延長され、流体流れ(空気、ガスまたは液体)用のポート3aを開放する。再び、肩部とカラー8との間の胴体空間は、第1の「制御容積」20Aを画定する。肩部13は、キャップ7/カラー8および本体2の下方運動を制限し、弁が開(下)位置にあるときに弁本体キャップ7およびカラー8を着座させる。弁が開位置に示されているので、図6の第1の制御容積20Aはゼロに近いが、弁が閉鎖するにつれ第1の制御容積20Aは増加する(図7)。二方向弁では、弁本体2の第2の制御容積20Bは、カラー8の上面とハウジングキャップ19の下面とによって胴体内に画定される。弁が開位置に示されているので、図6の第2の制御容積20Bは最大に近いが、弁が閉鎖するにつれ第2の制御容積20Bは増加する(図7)。好ましい実施形態では、弁本体2の制御容積20A、20Bの最大の垂直範囲は、弁本体2の長さのほぼ2分の1に等しい。
【0020】
一方向弁または二方向弁の動作では、弁部材を開位置または閉位置に付勢して戻すために、戻りばねを弁本体2内に、おそらくは、しかし必須ではなく、カラー8の一方または他方の側面に装入可能であり、さらに反応時間を改善する。
【0021】
一般に、開示した弁を制御するために、電子ソレノイド弁または圧電弁を有する強制空気分配システムが使用される。例えば、背圧による損失を防止するために、圧縮空気が一方向弁を通して入力される。必要に応じて、プログラム可能な電子制御モジュールにより、強制空気の流れの分布およびタイミングが管理される。空気はマニホールドを通して送られ、これによって、本発明によれば複数の弁までゲート制御される。ゲートは、プログラム可能な電子制御モジュールの制御下のソレノイド弁または圧電弁であり得る。当業者は、様々な従来の電子式、電気機械式、電磁式および圧電式の空気分配スキームが存在し、流体作動弁システム用の標準装置であると考えられることを認識するであろう。
【0022】
上述の弁は、当該弁の設計が取付けおよび取外しを大幅に容易にする点で他の利点を提供する。図1〜図5に示した実施形態の関連で、図8は、弁本体キャップ7のカラー8と噛合するように設計された特異な弁レンチ18、およびチャック6によるこの根拠を示している。このため、カラー8の上方に面する表面は、開口(図示)、ノッチまたは突起部のような一連の相互ロック特徴部によって画定される。弁レンチ18は、手動による回転のための細長いハンドル、および支柱(図示)のような協働する一連の相互ロック特徴部で同様に修飾された開放円形頭部によって画定されて、弁本体キャップ7のカラー8の開口、またはノッチあるいは他の突起部等に嵌合する。
【0023】
図9は、チャック6の拡大側面図(A)および底部図(B)である。チャック6は、一連のノッチによって画定されたディスクに至る延長ステムを含む。ステムは、図示したようにキー付き断面によって画定される。チャック6は、弁本体キャップ7およびカラー8が取り外される間に弁本体2を静止維持するように意図され、チャック6は弁本体2に下向きに挿入される。チャック6のノッチは内部翼9に合致し、チャックを静止維持することにより弁本体2が静止保持されるように、翼9を把持する。弁レンチ18はチャック6の上方に挿入され、チャック6は開放した弁レンチ18を通して上方に突出する。協働する一連の相互ロック特徴部(支柱等)は、カラー8の開口に嵌合し、回転梃子作用を提供する。チャック6が開放した弁レンチ18を通して上方に突出するので、弁レンチ18が回転されて、弁本体2から弁本体キャップ7およびカラーを回して外す間に、チャック6を静止維持するために標準レンチを使用することが可能である。この設計により、取付けおよび取外しが大幅に容易になる。
【0024】
本発明の上述の実施形態は、流体作動弁それ自体を含み、取付け/取外しレンチおよびチャックを加えて、従来の直接弁に関連する問題を解決し、不利な点を排除する。本発明の上述の実施形態は、単純かつ簡単であり、使用する性質として適切な、強力で耐久性のある弾性材料で製作されるアセンブリを提供し、経済的に製造され、販売され得る。
【0025】
好ましい実施形態、および本発明の基礎をなす概念のある修正を今や十分に述べてきたが、他の様々な実施形態ならびに本明細書に示しかつ記載した実施形態の様々な他の変形および修正が、前記基礎をなす概念を理解することにより当業者に明らかに想起されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲で詳しく説明しているのとは別の方法で、本発明が実施可能であることを理解すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0026】
直接操作されるかまたは作動される流体弁は、高い流量および高速応答時間が望まれる多種多様な製造環境で使用される。このような弁は、産業システム向けのエンジンから空気工具に及ぶ多種多様な関連に使用される。このようなシステム用の作動パラメータは、設計者が当該システムをより高速、より廉価かつ軽量にしようと努めているので、ますます厳しくなっている。このことにより、このようなシステムに使用される弁に対する要求が高まる。今や、製造業者は、数ミリ秒以内の極めて高速の正のシャットオフ、およびターンオンを提供することができる制御弁を必要としている。この速度は、流体弁で達成することが非常に難しい。したがって、数ミリ秒以内の極めて高速の正のシャットオフ、およびターンオンを提供することができる直接流体作動弁アセンブリに対する重要な産業上の利用可能性があるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体作動弁アセンブリにおいて、
より大きな上部室と、上方に面する肩部によって分離されたより小さな下部室とによって画定された円筒状流体ポートを有する弁ハウジングと、
前記弁ハウジングに着座した弁本体であって、
上端によって境界付けられた一体の中空の円筒状部材と、
エンドプレートによって閉鎖された下端と、
前記エンドプレートに隣接して円周方向に均一に離間した複数の開放ポートによって画定された円筒状側壁と、
前記ポートの間の対応する複数のムリオンと、
を備える弁本体と、
複数の翼であって、前記複数の翼の各々が前記複数のムリオンの1つから内側方向に前記弁本体内に延び、前記翼の各々が傾けられて、循環する内部流体流れを促進する複数の翼と、
前記弁本体の前記上端に取り付けられた環状カラーを備える弁キャップとを備え、
前記弁本体およびキャップが、前記弁ハウジング内で、前記弁キャップが前記弁ハウジング肩部に当接する開位置と、前記弁本体エンドプレートが前記弁ハウジングポートを閉鎖する閉位置との間で摺動可能であることを特徴とする、
流体作動弁アセンブリ。
【請求項2】
請求項1に記載の流体作動弁アセンブリにおいて、前記弁ハウジングのより小さな下部室が、傾斜リムの前記弁ハウジングから外側方向に開放し、前記弁本体エンドプレートが、前記弁ハウジングの前記傾斜リムに対して着座するために傾斜周縁で形成されることを特徴とする流体作動弁アセンブリ。
【請求項3】
請求項2に記載の流体作動弁アセンブリにおいて、前記弁本体エンドプレートが45度の斜面で形成されることを特徴とする流体作動弁アセンブリ。
【請求項4】
請求項2に記載の流体作動弁アセンブリにおいて、前記弁本体エンドプレートが、前記傾斜周縁から前記弁本体エンドプレートの中心まで延びる傾斜で形成されることを特徴とする流体作動弁アセンブリ。
【請求項5】
請求項4に記載の流体作動弁アセンブリにおいて、前記傾斜が0〜25度であることを特徴とする流体作動弁アセンブリ。
【請求項6】
請求項1に記載の流体作動弁アセンブリにおいて、前記複数の開放ポートが、前記弁本体の前記中空内部に開放する3つの均一な長方形ポートから構成され、前記複数のムリオンが、前記ポートの間の前記弁本体の前記円筒状壁に形成された3つのムリオンから構成されることを特徴とする流体作動弁アセンブリ。
【請求項7】
請求項6に記載の流体作動弁アセンブリにおいて、前記ムリオンの各々の水平の範囲が各々のポートの範囲の約15%であることを特徴とする流体作動弁アセンブリ。
【請求項8】
請求項6に記載の流体作動弁アセンブリにおいて、前記複数の翼が3つの翼を備え、前記3つの翼の各々が対応するムリオンと一体形成され、前記3つの翼の各々が内側方向から前記弁本体内に延びることを特徴とする流体作動弁アセンブリ。
【請求項9】
請求項8に記載の流体作動弁アセンブリにおいて、前記翼の各々が、前記弁本体の上端に近接して始まり、支持用の対応するムリオンの下に縦に延びる前記エンドプレートに終端することを特徴とする流体作動弁アセンブリ。
【請求項10】
請求項9に記載の流体作動弁アセンブリにおいて、前記翼の各々が均一に傾斜されて、循環する内部流体流れを促進することを特徴とする流体作動弁アセンブリ。
【請求項11】
請求項9に記載の流体作動弁アセンブリにおいて、前記翼の各々が垂直のy軸線に沿って均一に傾斜されることを特徴とする流体作動弁アセンブリ。
【請求項12】
請求項11に記載の流体作動弁アセンブリにおいて、前記翼の各々が水平のx軸線に沿って均一に傾斜されることを特徴とする流体作動弁アセンブリ。
【請求項13】
請求項9に記載の流体作動弁アセンブリにおいて、前記翼の各々が、前記エンドプレートの接合部に向かって外側方向にフレア状に拡がることを特徴とする流体作動弁アセンブリ。
【請求項14】
請求項13に記載の流体作動弁アセンブリにおいて、前記翼の各々が、前記エンドプレートの接合部に向かって湾曲に沿って外側方向にフレア状に拡がることを特徴とする流体作動弁アセンブリ。
【請求項15】
請求項10に記載の流体作動弁アセンブリにおいて、前記翼の各々が、丸い最外側の縁部によって画定されることを特徴とする流体作動弁アセンブリ。
【請求項16】
請求項1に記載の流体作動弁アセンブリにおいて、前記弁キャップが、前記弁ハウジング肩部に対して第1の制御容積を規定することを特徴とする流体作動弁アセンブリ。
【請求項17】
請求項16に記載の流体作動弁アセンブリにおいて、前記弁ハウジングに取り付けられ、かつ前記弁キャップに対して第2の制御容積を画定するハウジングキャップをさらに備えることを特徴とする流体作動弁アセンブリ。
【請求項18】
流体作動弁アセンブリを取り付けおよび取り外すためのツールセットにおいて、前記弁アセンブリが、円筒状流体ポートを有する弁ハウジングと、前記弁ハウジングの前記ポートに着座し、かつ前記弁本体の中空内部に延びる複数の翼によって画定された中空の円筒状弁本体と、前記弁本体に取り付けられた環状カラーとして画定された弁キャップとを備え、前記ツールセットが、手動で回転するための細長いハンドルを有する弁レンチと、前記弁キャップと噛合するための複数の相互ロックキーによって画定された開放した円形頭部と、前記翼を把持して、前記弁本体を安定化させるために前記弁本体の翼に合致する一連のノッチによって画定されたディスクに至る延長ステムとして形成されたチャックと、を備えることを特徴とするツールセット。
【請求項19】
流体作動弁アセンブリにおいて、
より大きな上部室と、上方に面する肩部によって分離されたより小さな下部室とによって画定された円筒状流体ポートを有する弁ハウジングと、
前記弁ハウジングに着座した弁本体であって、
上端によって境界付けられた中空の円筒状部材と、
エンドプレートによって閉鎖された下端と、
前記エンドプレートに近接した前記円筒状側壁の周りに円周方向に均一に離間しかつ前記円筒状部材の中空に開放する3つの長方形ポートによって画定された円筒状側壁と、
前記長方形ポートの間の対応する複数のムリオンであって、前記弁本体の中空内部に延びる複数の翼を含み、前記翼の各々が垂直にまた水平に傾斜されて、前記弁本体の中空内の循環する内部流体流れを促進するムリオンと、
を備える弁本体と、
前記弁本体の前記上端に取り付けられた環状カラーを備える弁キャップであって、前記弁本体および弁キャップの両方が、前記弁ハウジング内で、前記弁キャップが前記弁ハウジング肩部に当接する開位置と、前記弁本体エンドプレートが前記弁ハウジングポートを閉鎖する閉位置との間で摺動可能である弁キャップと、
を備えることを特徴とする流体作動弁アセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【公表番号】特表2013−508648(P2013−508648A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535401(P2012−535401)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/053684
【国際公開番号】WO2011/050241
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(512102162)リム テクノロジー,エルエルシー (1)
【氏名又は名称原語表記】LIM TECHNOLOGY,LLC
【Fターム(参考)】