説明

流体処理装置および方法

【課題】1つまたはそれ以上の物質を流体から分離するなどのプロセスにおいて使用される流体処理装置ならびに処理方法の提供。
【解決手段】流体処理装置は螺旋状に巻き付けられた流体処理パック12を含み、流体処理パック12は流体処理媒体と供給側領域と透過側領域とからなり、供給側領域は流体処理媒体の供給側表面に沿って延び、透過側領域は流体処理媒体の透過側表面に沿って延び、流体処理パック12はコアアセンブリ11の周りに螺旋状に巻き付けられて、供給側領域の複数の螺旋巻層、流体処理媒体の複数の螺旋巻層および透過側領域の複数の螺旋巻層を形成する。

【発明の詳細な説明】
【発明の一般的開示】
【0001】
[0001]本発明は、螺旋状に巻き付けられた流体処理パックを含む流体処理装置および方法に関する。流体処理パックは、供給側表面および透過側表面を有する流体処理媒体を含む。流体処理パックはまた、供給側領域および透過側領域を含む。供給側領域は、流体処理媒体の供給側表面に沿って延び、透過側領域は、流体処理媒体の透過側表面に沿って延びる。流体処理装置は、長手方向軸を有するコアアセンブリをさらに含む。流体処理パックは、コアアセンブリの周りに螺旋状に巻き付けられて、複数の螺旋巻層、すなわち、供給側領域の複数の螺旋巻層、流体処理媒体の複数の螺旋巻層、および透過側領域の複数の螺旋巻層を形成する。流体処理媒体の各螺旋巻層は、供給側領域の螺旋巻層と透過側領域の螺旋巻層との間に配置される。螺旋状に巻き付けられた流体処理パックは、第1および第2の反対側の軸端部を共に有する。
【0002】
[0002]供給流体が、供給側領域に沿って螺旋状に巻き付けられた流体処理パックを通って導かれてもよい。例えば、供給側領域の螺旋巻層は、螺旋状に巻き付けられた流体処理パックの両軸端部で流体的に開口してもよく、透過側領域の螺旋巻層は、第1および第2の軸端部の各々から流体的に隔離されてもよく、例えば、シールされてもよい。そうすることで、供給流体は、一方の軸端部で供給側領域の螺旋巻層に流入し、流体処理媒体の供給側表面に沿って反対側の軸端部へ、供給側領域の螺旋巻層を通って軸方向に流れ、他方側の軸端部で供給側領域の螺旋巻層から流出してもよい。供給流体が供給側領域の螺旋巻層を通って軸方向に流れるとき、供給流体の一部分、すなわち、透過流体またはろ過流体が、流体処理媒体の螺旋巻層を通って透過側領域の螺旋巻層へほぼ放射方向に流れてもよい。流体が流体処理媒体に沿って、および/または、流体処理媒体を通って流れるとき、流体は、流体処理媒体によって処理されてもよく、透過流体は、透過側領域の螺旋巻層から収集されてもよい。
【0003】
[0003]本発明の流体処理装置及び方法は、1つまたは、それ以上の物性の流体を処理することを具現化し、適応できるもので、気体、液体、または気体、液体、および/または固体の混合物を含む物性の様々な流体について、幅広い分野での処理に使用されてもよい。多くの実施形態において、流体処理装置は、1つまたは、それ以上の物質を流体から分離する分離プロセスにおいて使用されてもよい。例えば、分離プロセスや、ろ過プロセスにおいても、流体を、直接的に流体処理媒体に沿って、および/または、流体処理媒体を通して流体が流れ、流体中の物質、例えば、あるサイズを超える固体や分子が、概して、流体処理媒体からの通過を阻止するろ過プロセスであってもよい。本発明の実施形態は、精密ろ過、限外ろ過、ナノろ過、および逆浸透プロセスを含む事実上すべてのろ過プロセスにおいて使用されてもよい。別の例として、分離プロセスや吸着プロセスにおいて、流体を直接的に流体処理媒体に沿って、および/または、流体処理媒体を通して流体を導き、流体中の物質、例えば、イオン、分子、タンパク質、核酸、または他の化学物質を、流体処理媒体に化学的および/または物理的に結合させる捕獲プロセスであってもよい。本発明の実施形態には、多くの特別なアプリケーションが含まれ、例えば、カゼイン濃縮や乳精タンパク質濃縮などの乳製品分野などでの処理プロセス、ろ過や清澄化などのビールやワインなどの飲料分野での処理プロセス、および細胞採取、細胞可溶化物濃縮、タンパク質分離などの生物工学操作などを含むものもある。
【発明の概要】
【0004】
[0004]本発明の1つの態様によれば、流体処理装置は、コアアセンブリと、流体処理パックと、1つまたは、それ以上の制御機構とを備えてもよい。コアアセンブリは、長手方向軸を有する。流体処理パックは、供給側表面および反対側の透過側表面を有する流体処理媒体を含む。流体処理パックは、さらに供給側領域および透過側領域を含む。供給側領域は、流体処理媒体の供給側表面に沿って延びる。透過側領域は、流体処理媒体の透過側表面に沿って延びる。流体処理パックは、コアアセンブリの周りに螺旋状に巻き付けられ、供給側領域の複数の螺旋巻層、透過側領域の複数の螺旋巻層、および流体処理媒体の複数の螺旋巻層を含む。流体処理媒体の各螺旋巻層は、供給側領域の螺旋巻層と、透過側領域の螺旋巻層との間に配置される。螺旋状に巻き付けられた流体処理パックは、軸方向に隣接する複数のセクションを有する。1つのセクションの供給側領域は、隣接するセクションの供給側領域と流体的に連通し、1つのセクションの透過側領域は、隣接するセクションの透過側領域から流体的に隔離される。螺旋状に巻き付けられた流体処理パックの各セクションは、供給側領域の複数の螺旋巻層、流体処理媒体の複数の螺旋巻層、および透過側領域の複数の螺旋巻層を通ってほぼ放射方向に延びる透過ポートを有する。各透過ポートは、透過側領域の螺旋巻層と流体的に連通すると共に、供給側領域の螺旋巻層から流体的に隔離される。制御機構は、螺旋状に複数巻き付けられ、連結された透過領域の流束をコントロールする因子として、少なくとも1つの制御項目について、例えば、膜間差圧や透過流束などの流動パラメータを制御するように、流体処理パックに流体的に結合される。
【0005】
[0005]本発明の別の態様によれば、流体処理方法であって、供給流体を、供給側領域の螺旋状の螺旋巻層を通して軸方向に、且つ、流体処理媒体の螺旋状の螺旋巻層に沿って流すステップを含み、これには、流体処理媒体の供給側表面に沿って直接供給流体を導くステップも含んでいる。この方法はまた、供給流体の一部分を、流体処理媒体を通して、且つ、透過側領域の螺旋状螺旋巻層に沿って流すステップを含み、流体処理媒体の透過側表面からの透過流体を、それぞれに流体的に隔離された透過側領域の隣接する軸方向セクション内に導く工程を含む、透過側領域の螺旋状螺旋巻層に沿って、流体処理媒体を通って供給流体の一部分を流すステップを備える。この方法は、各軸方向セクションの透過側領域の螺旋巻層からの透過流体を、軸方向セクションにおいて供給側領域の螺旋巻層、流体処理媒体の螺旋巻層、および透過側領域の螺旋巻層を通って延びる透過ポート内に流すステップをさらに備える。この方法は、さらに、透過ポートからの透過流体を透過ポートに流体的に結合された制御機構を通して流すステップであって、対応する軸方向セクションの透過側領域の流動パラメータを制御する工程を含むステップを備える。
【0006】
[0006]本発明の実施形態により、多くの利点が得られる。例えば、隣接するセクションを設け、螺旋状に巻き付けられた流体処理パックの各セクションに1つの透過ポートを設けることによって、流体処理媒体の透過側表面からの透過流体流束への抵抗が大幅に減少する。さらに、流体処理パックの1つまたは、それ以上のセクションの透過側領域の流動パラメータを制御することによって、膜間差圧や透過流体流束のより小さな変動が、セクションからセクションへ流体処理装置の軸方向の長さに沿って与えられてもよい。その結果、本発明の実施形態は、流体処理媒体の不均一な汚れの減少、高スループット化、および/または耐用寿命の延長につながる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】流体処理装置を含む流体処理アセンブリの断面斜視図である。
【図2】図1の流体処理アセンブリの一部分の断面図である。
【図3】別の流体処理アセンブリの断面斜視図である。
【図4】流体処理パックの複合体の斜視図である。
【図5】別の流体処理パックの複合体の斜視図である。
【図6】流体処理装置の膜間差圧のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0013]本発明の1つまたは、それ以上の態様を具現化する流体処理装置は、多くの方法で構成されてもよい。図1および図2に、流体処理装置構成10の一例が示されているが、本発明を具現化する流体処理装置は、図1および図2や他の如何なる図面に示す流体処理装置内構成10に限定されるものではない。
【0009】
[0014]流体処理装置構成10は、コアアセンブリ11と、コアアセンブリ11に螺旋状に巻き付けられた流体処理パック12とを含み、反対側の軸端部13、14を有するほぼ円筒状の構造体を形成してもよい。流体処理パック12は、供給側表面16および透過側表面17を有する流体処理媒体15を含んでもよい。流体処理パック12は、流体処理媒体15の供給側表面16に沿って延びる供給側領域20と、流体処理媒体15の透過側表面17に沿って延びる透過側領域21とをさらに含んでもよい。多くの実施形態において、流体処理パック12は、供給側表面16および透過側表面17を有する第2の流体処理媒体15’を含んでもよい。第2の流体処理媒体15’は、第2の流体処理媒体15’の供給側表面16に沿って延びる供給側領域20、および/または、第2の流体処理媒体15’の透過側表面17に沿って延びる透過側領域21を有する流体処理パック12に配置されてもよい。例えば、供給側領域20は、各流体処理媒体15、15’の供給側表面16に接触してもよく、接合されても、接合されなくてもよく、および/または、透過側領域21は、各流体処理媒体15、15’の透過側表面17に接触してもよく、接合されても、接合されなくてもよい。流体処理パックの多層複合体は、1つまたは、それ以上のさらなる層を含んでもよい。例えば、流体処理媒体と、供給側領域および/または透過側領域との間に、緩衝層、接着層、または排水層が延びてもよい。
【0010】
[0015]流体処理媒体15、15’は、例えば、天然または合成高分子、金属、またはガラスを含む任意の多数の材料から作られてもよい。流体処理媒体は、多孔性、透過性、半透過性、または選択透過性構造を含む任意の多種多様な透過性構造として形成されてもよい。例えば、流体処理媒体は、支持膜シートまたは不支持膜シートを含む透過性膜、織繊維シートまたは不織繊維シートを含む透過性繊維構造、透過性焼結繊維金属または粉末焼結金属シートを含む透過性金属シート、または透過性気泡シートを備えてもよい。流体処理媒体は、任意の多面的な処理特性を備えてもよく、またはそのような処理特性を備えるように修正されてもよい。例えば、流体処理媒体は、逆浸透分離やナノろ過、ナノろ過や限外ろ過の分子量分画、または限外ろ過や精密ろ過などの様々な領域の任意の多種多様な阻止特性を有してもよい。さらに、流体処理媒体は、陽性、陰性、または中性の電荷を有してもよく、例えば、疎水性または親水性や疎油性または親油性を含む疎液性または親液性であってもよく、または、流体の物質的に化学的に結合し得る配位子や任意の他の反応部分などの付着官能基を含んでもよい。多くの実施形態において、流体処理媒体は、透過性高分子膜を備えてもよい。
【0011】
[0016]供給側領域20および透過側領域21は、多種多様な方法で構造化されてもよく、互いに同様のものであっても、異なるものであってもよい。例えば、一方または両方の領域が、例えば、天然または合成高分子から形成され、かつ沿層方向の流れ抵抗などの沿層方向の流れ特性を有する多孔性シート材料を備えてもよく、この供給側または透過側の液の沿層方向の流れ特性とは、流体処理媒体の主に表面上での最適化された水平な流れを発生させ、流体処理媒体を良好な状態に保ち、さらに、流体処理媒体の供給側表面または透過側表面に沿って、沿層方向に供給流体や透過流体などの流体が流れることを促すものである。例えば、シート材料は、不織繊維シートを備えてもよく、または、例えば、リブまたはストランドの2つの二平面セットを有する少なくとも1セットのリブまたはストランドを有する織網、押し出し網、エクスパンド網、および/またはエンボス加工網を含むメッシュやスクリーンなどの網を備えてもよい。多くの実施形態において、多孔性シート材料は、NaltexやDelnetという商標名でDelStar Technologies,Inc.から市販されている高分子網を備えてもよい。一般に、供給側領域の多孔性シート材料は、透過側領域の多孔性シート材料よりも粗くてもよく、例えば、より大きな開口を有してもよい。
【0012】
[0017]他の形態において、供給側領域および透過側領域の一方または両方が、スペーサと、スペーサによって形成されるフロースペースとを備えてもよい。これらのフロースペースは、開いた通路を画成してもよく、この通路により、実質的に構造体がなく、流体処理媒体の供給側表面に沿って供給側領域を通って供給流体が流れ、または、流体処理媒体の透過側表面に沿って透過側領域を通って透過流体が流れることを容易にする。例えば、スペーサは、螺旋状に巻き付けられた流体処理パックの一方の軸端部から反対側の軸端部へ流体処理媒体の供給側表面に沿って軸方向に延びるロッドなどの間隔を空けて設けられた細長い構造体を備えてもよい。ロッド間にある細長いフロースペースは、実質的に構造体がなくてもよく、流体処理媒体の供給側表面に沿って軸方向に延びる開口チャネルを画成し、螺旋状に巻き付けられた流体処理パックの両方の軸端部と流体的に導通してもよい。スペーサが占める容積は、フロースペースの容積に比べてかなり小さいものであってもよい。
【0013】
[0018]供給側領域および/または透過側領域に、他の構造体が含まれてもよい。例えば、ホットメルト接着剤、ポリウレタン、またはエポキシを含む接着材料や、流体処理パックの他のコンポーネントより融点が低く、溶融し再び凝固してボンドを形成可能である熱可塑性高分子を含む非接着材料が、一方または両方の流体処理媒体の透過側表面に透過側領域を接合するように透過側領域に配置されてもよい。接着材料または非接着材料は、例えば、リブやドットを含む任意の種々の方法で透過側領域に塗布されてもよい。
【0014】
[0019]流体処理パック12は、供給側領域20からなる複数の螺旋巻層22と、流体処理媒体15、15’からなる複数の螺旋巻層23と、透過側領域21からなる複数の螺旋巻層24とを含む複数の螺旋巻層または複数巻部を形成するように、コア11の周りに螺旋状に巻き付けられる。流体処理媒体15、15’の各螺旋巻層23は、供給側領域20の螺旋巻層22と透過側領域21の螺旋巻層24との間に配置されてもよい。多くの実施形態において、供給側領域20の各螺旋巻層22は、流体処理媒体15、15’の供給側表面16に沿って流体処理媒体15、15’の螺旋巻層23と接触してもよく、および/または、透過側領域21の各螺旋巻層24は、流体処理媒体15、15’の透過側表面17に沿って流体処理媒体15、15’の螺旋巻層23と接触してもよい。
【0015】
[0020]コアアセンブリ11と同様に、螺旋状に巻き付けられた流体処理パック12は、図1に示すように、ほぼ円形の断面を有してもよく、または任意の所望の断面を有してもよい。供給側領域20と、透過側領域21と、流体処理媒体15、15’とを含む流体処理パック12は、例えば、最深部の螺旋巻層の端部および外縁部の螺旋巻層の端部で軸方向に延びる縁部に沿ってシールされてもよい。軸方向に延びる縁部は、軸方向に延びる縁部で流体処理パックとの間での流体の流出入を阻止するために、任意の種々の方法でシールされてもよい。例えば、軸方向に延びる縁部は、流体処理媒体15、15’の縁部および供給側領域20および透過側領域21にある任意の多孔性シート材料を溶融し再び凝固することによって融解シールされてもよい。他の形態において、軸方向に延びる縁部は、前述したように接着材料または非接着材料で縁部を接着してシールされてもよい。シールを形成するために、供給側領域または透過側領域の任意の多孔性シート材料内およびその周囲、および/または、流体処理媒体内およびその周囲を、接着材料または非接着材料で満たしてもよい。軸端部13、14で、透過側領域21の各螺旋巻層24、または流体処理媒体15、15’および透過側領域21の各螺旋巻層23、24の螺旋状に巻き付けられた縁部は、透過側領域21内へ、または透過側領域21から流体が直接流れないようにするために同様にシールされてもよい。供給側領域20の各螺旋巻層22の螺旋状に巻き付けられた縁部は、流体処理パック12の軸端部13、14で開いた状態のままであってもよい。そうすることで、供給側領域20の螺旋巻層22を介して、流体処理パック12の軸端部13、14との間で、流体が自由に流入または流出する。しかしながら、螺旋状に巻き付けられた流体処理パック12の軸端部13、14で、透過側領域21の螺旋巻層23、または流体処理媒体15、15’および透過側領域21の螺旋巻層23、24への流体の流出入は阻止される。
【0016】
[0021]流体処理パック12は、複数の軸方向に隣接するセクション25をさらに含み、各セクション25は、供給側領域20の複数の螺旋巻層22と、流体処理媒体15、15’の複数の螺旋巻層23と、透過側領域21の複数の螺旋巻層24とを備える。セクション25は、種々の方法で形成されてもよい。例えば、複数の障壁26が、セクション25を画成するための流体処理パック12内で延びてもよい。障壁26は、長さが等しい軸方向セクション25を画成するように軸方向に等間隔に設けられてもよく、または、長さが等しくない軸方向セクションを画成するために軸方向に不均等の間隔に設けられてもよい。セクションの軸方向の長さ、例えば、隣接する障壁間の間隔は、約1センチメートル以下から約100センチメートル以上の範囲のものであってもよい。いくつかの実施形態において、セクションの軸方向の長さは、約10センチメートルから約20センチメートルの範囲のものであってもよい。各障壁26は、例えば、流体処理パック12の軸に垂直方向に延びるほぼ放射方向の平面において、透過側領域21内、または透過側領域21および流体処理媒体15、15で延びてもよい。さらに、障壁26は、流体処理パック12の内側の軸縁部から外側の軸縁部へ、少なくとも透過側領域21の螺旋巻層24に沿って外向きに螺旋状になってもよい。
【0017】
[0022]各障壁26は、任意の多くの方法で作られてもよい。例えば、各障壁26は、透過側領域21内の接着材料または非接着材料の、バンドやストリップを含むほぼ螺旋状に延びるビードを備えてもよい。接着材料または非接着材料は、透過側領域の任意の多孔性シート材料内に満たされてもよく、またはビードを省くように、多孔性シート材料の形が整えられてもよい。ビードは、透過側領域21と対面する流体処理媒体15、15’に対して、またはこの流体処理媒体内で接触およびシールするものであってもよい。多くの実施形態において、障壁26を形成する接着材料または非接着材料のビードは、供給側領域20で延びなくてもよい。他の形態において、障壁は、透過側領域における任意の多孔性シート材料、または透過側領域および流体処理媒体における多孔性シート材料を溶融し再び凝固することによって形成されたビードを備えてもよい。また、多くの実施形態において、ビードは、供給側領域に任意の多孔性シート材料を含んでもよい。各障壁26は、隣接するセクション25の透過側領域21を流体的に隔離するが、隣接するセクション25の供給側領域20は、互いと流体的に導通してもよい。多くの実施形態において、供給側領域20は、軸方向セクション25のすべてを通って連続的に延びてもよい。
【0018】
[0023]流体処理パック12は、流体処理パック12を通ってほぼ放射方向に延びてもよい複数の透過ポート30をさらに含む。多くの実施形態において、流体処理パック12の軸方向セクション25のすべては、各セクション25を通ってほぼ放射方向に延びる少なくとも1つの透過ポート30を有する。各軸方向セクションは、軸方向セクションの周りに角度をつけて間隔を空けて、例えば、等角度の間隔を空けて設けられた2つ以上の透過ポートを有してもよい。各透過ポート30は、軸方向セクション25の中間付近に位置してもよく、または、軸方向セクション25を画成する2つの障壁26の一方または他方の付近にまたは近接して位置してもよい。各透過ポート30は、供給側領域20の螺旋巻層22、流体処理媒体15、15’、および流体処理パック12の透過側領域21の螺旋巻層24のほとんど、例えば、少なくとも約75%、または実質的にすべて、例えば、少なくとも約90%を通って延びてもよい。多くの実施形態において、各透過ポート30は、供給側領域20、流体処理媒体15、15’、および透過側領域21の最深部の螺旋巻層22、23、24から、供給側領域20、流体処理媒体15、15’、および透過側領域21の外縁部の螺旋巻層22、23、24のすべてを通って延びてもよい。
【0019】
[0024]透過ポート30は、透過側領域21の螺旋巻層24、または流体処理媒体15、15’および透過側領域21の螺旋巻層23、24と透過ポート30とを流体的に導通したまま、供給側領域20の螺旋巻層22、または供給側領域20および流体処理媒体15、15’の螺旋巻層22、23から各透過ポート30を隔離するための多種多様な方法で構成されてもよい。例えば、透過ポート30は、供給側領域20にある多孔性シート材料、流体処理媒体15、15’、および透過側領域21にある多孔性シート材料の連続螺旋巻層22、23、24にある一連のほぼ放射方向に整列した穴によって画成されてもよく、ほぼ放射方向に延びた孔31を形成する。孔31は、孔の長さに沿って一定の横寸法、例えば、直径を有してもよく、または、孔の長さに沿って可変の横寸法を有してもよい。あるいは、供給側領域および/または透過側領域は、非常に開放された、すなわち、一方の主要な表面からシート材料を通って他方へと流れる流体への抵抗が低い多孔性シート材料を備えてもよい。供給側領域および/または透過側領域の連続螺旋巻層の開いたシート材料には穴は形成されてなくてもよいが、流体処理媒体の連続螺旋巻層には穴が形成されてもよい。次いで、透過ポートは、供給側領域および/または透過側領域の連続螺旋巻層の開いたシート材料層と交互配置された流体処理媒体の連続螺旋巻層に、一連のほぼ放射方向に整列された穴を備えてもよい。
【0020】
[0025]透過側領域21の螺旋巻層24、または流体処理媒体15、15’および透過側領域21の螺旋巻層23、24は、種々の方法で各セクション25において各透過ポート30と流体的に導通してもよい。例えば、透過側領域21の多孔性シート材料の螺旋巻層24は、透過ポート30を通って延びてもよく、または、透過ポート30内で開口してもよく、または、多孔性シート材料の縁部がポート30内に開口した透過ポート30の周囲部、例えば、孔31まで延びてもよい。同様に、流体処理媒体15、15’の螺旋巻層23は、流体処理媒体15、15’の縁部が、ポート30へ開口し、またはポート30からシールされた透過ポート30の周囲部、例えば、孔31まで延びてもよい。
【0021】
[0026]供給側領域20の螺旋巻層22、または供給側領域20および流体処理媒体15、15’の螺旋巻層22、23は、種々の方法で各セクション25の各透過ポート30からシールされてもよい。例えば、透過ポート30の周囲部、例えば、孔31の周りに、各螺旋巻層22の供給側領域20の任意の多孔性シート材料、または各螺旋巻層22、23の供給側領域20および流体処理媒体15、15’の多孔性シート材料を融合シールすることによって、シール32、例えば、ほぼ環状のシールが形成されてもよい。他の形態において、シール32は、透過ポート30の周囲部、例えば、孔31の周りの各螺旋巻層22の供給側領域20に配置された接着剤または非接着剤によって形成されてもよい。接着剤または非接着剤は、流体処理媒体15、15’に対して、または流体処理媒体15、15’内で接触およびシールしてもよい。接着剤または非接着剤は、供給側領域20の任意の多孔性シート材料内に満たされてもよく、または接着剤または非接着剤を省けるように、多孔性シート材料の形が整えられてもよい。
【0022】
[0027]透過ポート30は、軸方向セクション25における透過側領域21の透過出口としての働きをしてもよく、透過ポート30の各々が、流体処理パック12の内周部および/または流体処理パック12の外周部に開口してもよい。例えば、図1の実施形態において、透過ポート30は、流体処理パック12の内周部に対して一端部で開口し、コアアセンブリ11と流体的に導通する。透過ポート30は、他端部で、キャップ33によって流体処理パックの外周部でキャップされて、透過ポート30を流体処理パック12の外部から隔離してもよい。あるいは、透過ポートは、流体処理パックの内周部でキャップされてもよく、流体処理パックの外周部では開口してもよく、または流体処理パックの内周部および外周部の両方に開口してもよい。
【0023】
[0028]流体処理装置構成10は、流体処理パック12の軸方向セクション25の少なくとも1つの透過側領域21に作動的に対応付けられ、この軸方向セクション25の1つまたは、それ以上の流動パラメータを制御するための1つまたは、それ以上の制御機構34をさらに含む。制御機構34が、1つのみのセクション25の透過側領域21に流体的に結合されて、そのセクション25の流動パラメータを制御してもよい。あるいは、2つ以上のセクション群にある透過側領域に制御機構が流体的に結合されて、そのセクション群の流動パラメータを制御してもよい。多くの実施形態において、流体処理装置構成10は、複数の制御機構34を含み、透過ポート30のほとんどまたはすべてが、制御機構34に流体的に結合されて、対応するセクション25の透過側領域21の流動パラメータを制御する。例えば、各制御機構34は、対応するセクション25の透過側領域21の流動パラメータを制御するために、唯一の透過ポート30に流体的に結合されてもよい。制御機器によって制御された流動パラメータは、例えば、流体処理媒体を通る透過流体流束、膜間差圧、および/または、透過側領域内の透過流体流に対する抵抗を含んでもよい。
【0024】
[0029]制御機構は、種々に構成されてもよい。例えば、制御機構は、固定または可変のオリフィスまたは毛管を含む制限された開口を備えてもよい。図1の実施形態において、各制御機構34は、固定された毛管を備えてもよい。制御機構はまた、調節可能弁または可変弁を含む弁を備えてもよい。制御機構は、互いに同一のものであっても、異なるものであってもよい。多くの実施形態において、制御機構は、1つの軸方向セクションまたはセクション群から別のセクションまたはセクション群への流動パラメータ間に所定の関係を与えるように構成されてもよい。例えば、制御機構は、セクションのすべてにおいて流体処理媒体を通る透過流体流束を、互いに実質的に同等であることを含む類似のものにするように構成されてもよい。
【0025】
[0030]制御機構は、種々の方法で軸方向セクションにある透過側領域に流体的に結合されてもよい。例えば、制御機構は、透過ポートの開いた内端部を介して透過側領域と流体的に導通してもよい。次いで、制御機構は、コアアセンブリと物理的に結合されてもよく、コアアセンブリは、制御機構を収容するように多数の異なる方法で構成されてもよい。
【0026】
[0031]例えば、図1に示すように、コアアセンブリ11は、長手方向の流れ通路35を含んでもよい。長手方向の流れ通路35は、一定または可変の直径を有するものであってもよく、一方の軸端部で閉じられ、他方の軸端部で開口されてもよく、さらに、透過ポート30に流体的に結合されたコアアセンブリ11の唯一の長手方向の流れ通路35であってもよい。透過ポート30の開口した内端部は、例えば、接着剤または非接着剤によって、コアアセンブリ11の壁36の外部に対してシールされてもよい。各制御機構34、例えば、固定された毛管は、コアアセンブリ11の壁36に取り付けられてもよい。例えば、制御機構34が、各透過ポート30の開口した内端部と唯一の長手方向の通路35とのあいだに流体的に結合されてもよい。次いで、制御機構34は、透過ポート30を介して流体処理パック12の1つのみの軸方向セクション25にある透過側領域21と流体的に導通し、制御機構34は、軸方向セクション25の透過側領域21の1つまたは、それ以上の流動パラメータを制御する。
【0027】
[0032]図3に、コアアセンブリ11に物理的に結合された複数の制御機構34の別の例を示す。コアアセンブリは、複数の流れ通路を含んでもよく、各流れ通路は、透過ポートに流体的に結合され、互いから流体的に隔離される。例えば、コアアセンブリ11は、複数の長手方向の流れ通路、例えば、5つの長手方向の流れ通路35a〜35eを含んでもよい。長手方向の流れ通路は、互いから流体的に隔離されてもよく、すべてがコアアセンブリ11の同一の軸端部で開口してもよい。コアアセンブリ11は、複数のほぼ放射方向の長手通路37a〜37eをさらに含んでもよい。各透過ポート30の開口した内端部は、コアアセンブリ11の外部に対してシールされてもよく、放射方向の通路37a〜37eが、透過ポート30の開口した内端部と長手方向の流れ通路35a〜35eの1つとの間でコアアセンブリ11を通って延びてもよい。制御機構34は、長手方向の流れ通路35a〜35eに配置されてもよい。例えば、制御機構34、例えば、固定された毛管が、各長手方向の流れ通路35a〜35eの端部で配置されてもよい。次いで、各制御機構34は、透過ポート30、放射方向の通路37a〜37e、および長手方向の流れ通路35a〜35eを介して、流体処理パック12の1つのみの軸方向セクション25の透過側領域21と流体的に導通することで、制御機構34は、軸方向セクション25の1つまたは、それ以上の流動パラメータを制御する。
【0028】
[0033]さらなる別の例は、図3の例に類似したものであってもよい。しかしながら、コアアセンブリが含んでもよい長手方向の流れ通路の数がより少ないこともある。長手方向の流れ通路の1つと、少なくとも2つの透過ポートの開口した内端部との間に、各々が異なる軸方向セクションにある少なくとも2つの放射方向の通路が流体的に結合されてもよい。次いで、単一の長手方向の流れ通路にある制御機構は、軸方向セクション群の各々にある透過側領域と流体的に導通し、各セクションの透過側領域の1つまたは、それ以上の流動パラメータを制御する。
【0029】
[0034]流体処理装置構成10は、多くの異なる方法で作られてもよい。例えば、図4に示すように、流体処理パック12の複合体が、供給側領域20の多孔性シート材料と、1つまたは、それ以上の流体処理媒体15、15’と、透過側領域21の多孔性シート材料とを含んでもよい。透過側領域シート21、または透過側領域21および流体処理媒体15、15’の両側縁部に沿って、シールが適用されてもよい。さらに、障壁26を形成するほぼ線形のビードが、側面縁部に平行な場所に間隔を空けて透過側領域21に沿って適用されてもよい。障壁ビード間の間隔は、均一であっても、不均一であってもよく、軸方向セクションの軸方向の長さに対応する障壁間の距離は、さまざまな因子に従って確立されてもよい。これらの因子は、例えば、粘性や、任意の浮遊粒子のサイズ、形状、および/または量などの性質のような供給流体の特性、およびタンジェンシャルフローによる剪断応力や圧力降下などの所望の動作パラメータを含む。一般に、高いタンジェンシャルフローによる剪断応力が望ましい場合、軸方向セクションに沿った膜間差圧の変動を減らすために、障壁ビード間の距離を短くし、対応する軸方向セクションの軸方向の長さを短くすることもできる。一般に、障壁ビード間の距離および対応する軸方向セクションの軸方向の長さは、前述したように、約1センチメートル以下から約100センチメートル以上の範囲のものであってもよい。
【0030】
[0035]例えば、液体接着剤が、透過側領域21の側面縁部に沿って塗布されてもよく、流体処理媒体15、15’間に押圧されてもよい。同様に、液体接着剤障壁ビードが、透過側領域21の側面縁部間に平行線状に塗布されてもよく、流体処理媒体15、15’間に押圧されてもよい。液体接着剤は、透過側領域21の多孔性シート材料内に満たされてもよく、液体接着剤を省くために、多孔性シート材料の形が整えられてもよい。液体接着剤は、流体処理媒体15、15’の対面する透過側表面17間に延びおよび接触してもよい。多くの実施形態において、流体処理媒体15、15’内に液体接着剤が満たされてもよいが、液体接着剤は、供給側領域20内には延在しなくてもよい。液体接着剤は、例えば、複合体が螺旋状に巻き付けられた後に硬化されて、流体処理パック12の両軸端部13、14で透過側領域21の螺旋巻層24に沿って縁部シールを形成し、流体処理パック12の軸方向セクション25を画成する透過側領域21の螺旋巻層24内に障壁26を形成する。
【0031】
[0036]別の方法として、流体処理媒体や供給および透過側領域の多孔性シート材料より融点が低い熱可塑性高分子などの非接着材料が、透過側領域の側面縁部間に間隔を空けて平行線状に側面縁部に沿って配置されてもよい。非接着材料を省くために、透過側領域の多孔性シート材料の形が整えられても、整えられなくてもよい。非接着材料は、流体処理媒体間に押圧されてもよく、非接着材料は、流体処理媒体および透過側領域の多孔性シート材料とともに、例えば、熱風で加熱されて、非接着材料を溶融してもよい。透過側領域の多孔性シート材料の形が整えられなければ、溶融した非接着材料が、多孔性シート材料内に満たされてもよい。溶融した非接着材料は、流体処理媒体の対面する透過側表面間に延びおよび接触してもよく、流体処理媒体内に満たされてもよい。多くの実施形態において、溶融した非接着材料は、供給側領域内に延在しなくてもよい。溶融した非接着材料は、例えば、複合体が螺旋状に巻き付けられた後に、流体処理媒体に対面する透過側表面と接触して接合された流体処理媒体間で再び凝固するようにされて、流体処理パックの軸端部の両方で透過側領域の螺旋巻層に沿って縁部シールを形成し、流体処理パックの軸方向セクションを画成する透過側領域の螺旋巻層内に障壁を形成する。
【0032】
[0037]さらなる別の態様として、透過側領域における側面縁部シールおよび障壁ビードは、融合シールによって形成されてもよい。例えば、流体処理媒体および透過側領域の多孔性シート材料は、一緒に溶融し、側縁部において側縁部間で間隔を空けて平行線状に再び凝固されて、縁部シールおよび障壁を形成してもよい。
【0033】
[0038]供給側領域20、流体処理媒体15、15’、および透過側領域21の縁部を含む複合体の長手方向端部の縁部は、前述したように、例えば、接着剤、非接着剤、または融合シール材によってシールされてもよい。
【0034】
[0039]供給側領域20に、透過ポート30を画成するための一連のシールが形成されてもよい。例えば、液体接着剤の複数のエリア38、例えば、ほぼ円形のエリアまたはほぼ環状のエリアが、隣接する障壁ビード対間の供給側領域20内および流体処理パック12の各軸方向セクション25に適用されてもよい。各セクション25における液体接着剤のエリア38は、複合体に沿って長手方向に揃えられてもよく、複合体がコアアセンブリ11の周りに螺旋状に巻き付けられると、エリアがほぼ放射方向の積層体を形成するようになる距離だけ互いから長手方向に間隔を空けられてもよい。液体接着剤のエリア38は、セクション25からセクション25へと複合体に沿って、横方向に位置ずれしても揃えられてもよく、この場合、複合体の横方向または側縁部から側縁部への方向は、螺旋状に巻き付けられた流体処理パックの軸方向に対応する。各エリアは、あるいは、複数の横方向に揃えられた円の代わりに、供給側領域に塗布された液体接着剤の横方向に延びるストリップまたはバンドを備えてもよい。液体接着剤は、供給側領域20の多孔性シート材料を満たしてもよく、または、液体接着剤エリア38を省くために、多孔性シート材料の形が整えられてもよい。液体接着剤エリア38は、流体処理媒体15、15’の対面する供給側表面16間に液体接着剤を延びおよび接触させて、流体処理媒体15、15’間に押圧されてもよい。液体接着剤は、多くの実施形態において、流体処理媒体15、15’内に満たされてもよいが、液体接着剤は、透過側領域21内へ延在しなくてもよい。液体接着剤は、例えば、複合体が螺旋状に巻き付けられた後に硬化するようにされる。次いで、外側螺旋巻層22、23、24から、供給側領域20、流体処理媒体15、15’、および透過側領域21の内側螺旋巻層22、23、24へ、各セクション25の凝固した接着剤の放射方向に積層されたエリア38を貫通して、エリア38より小さい穴があけられて、流体処理パック12の各セクション25に透過ポート30を形成してもよい。あるいは、液体接着剤が供給側領域に塗布される前または後のいずれかで、流体処理媒体に穴が形成されてもよく、または、流体処理媒体および供給側領域および/または透過側領域の多孔性シート材料に穴が形成されてもよい。透過ポート30は、ポート30を囲む各螺旋巻層22にある滞留する凝固接着剤によって、供給側領域20からシールされる。
【0035】
[0040]別の方法として、透過ポートを画成するためのシールが、接着剤に関して記載したものと同様の場所にある供給側領域に非接着剤を配置することによって形成されてもよい。次いで、非接着剤は、溶融され、供給側領域20の任意の多孔性シート材料内に満たされ、再び凝固されてもよく、複合体は、非接着材料の放射方向に積層されたエリアを形成するように螺旋状に巻き付けられてもよい。穴は、前述したように、放射方向に積層されたエリアに形成されて、流体処理パックの各軸方向セクションに透過ポートを作り出してもよい。
【0036】
[0041]さらなる別の形態として、透過ポートを画成するシール材は、融合シールによって形成されてもよい。例えば、流体処理媒体および供給側領域の多孔性シート材料は、複合体が螺旋状に巻き付けられると、一緒に溶融され、放射方向に積層されたエリアやバンドを画成するように再び凝固されてもよい。次いで、穴は、前述したように形成されて、流体処理パックの各軸方向セクションに透過ポートを作り出してもよい。
【0037】
[0042]スペーサおよびフロースペースを有する流体処理パックが、同様の方法で作られてもよい。例えば、図5に示すように、細長い構造40などのスペーサは、軸方向セクション25にわたって供給側領域20において複合体に沿って横方向に延びてもよく、供給側領域20に対面する少なくとも1つの流体処理媒体15、15’の供給側表面16に接合されてもよい。細長い構造40は、複合体の側縁部間に延びる一連のフロースペース41を画成するために、複合体に沿って長手方向に間隔を空けられてもよい。フロースペース41のほとんどは、実質的に構造がなくてもよい。フロースペース41のいくつかは、エリア38、例えば、軸方向セクション25にわたって横方向に延びる接着剤または非接着剤のバンドを含んでもよい。エリア38は、スペーサ40の高さに対応する高さを有してもよい。複合体が、コアアセンブリ11の周りに螺旋状に巻き付けられると、供給側領域20にある細長い構造40およびフロースペース41は、流体処理パック12の軸端部13、14間に延びてもよく、接着剤または非接着剤エリア38は、互いに放射方向に積層されてもよい。穴は、前述したように、放射方向に積層されたエリア38に形成されて、各軸セクション25に透過ポート30を作り出してもよい。
【0038】
[0043]コアアセンブリ11に、1つまたは、それ以上の制御機構34が取り付けられてもよい。例えば、毛管が、コアアセンブリ11の壁36に形成されてもよく、または隔離された長手方向の流れ通路35a〜35eの端部に形成されてもよい。コアアセンブリは、コアアセンブリの外部に沿って軸方向に延びる1つまたは、それ以上の放射方向の段を含んでもよい。放射方向の段は、複合体の厚みと同様の高さを有してもよく、複合体のシールされた長手方向の縁部、すなわち、流体処理パックの軸方向に延びる縁部は、種々の方法で段に対してコアアセンブリに固定されてもよい。あるいは、2つ以上の放射方向の段の各々は、供給側領域、流体処理媒体、または透過側領域の厚みと同様の高さを有してもよく、これらの各々が、異なる段に固定されてもよい。次いで、複合体は、第2の流体処理媒体15’を、コアアセンブリ11の外部およびコアアセンブリ11から見て外方に向いた供給側領域20に直接隣接させて、例えば、接触させて、コアアセンブリ11の周りに螺旋状に巻き付けられてもよい。あるいは、複合体は、供給側領域を、コアアセンブリに直接隣接させて、例えば、接触させて、コアアセンブリの周りに螺旋状に巻き付けられてもよい。コアアセンブリ11の外部における各制御機構34または通路37a〜37eとの境界面および透過ポート30の開口した内端部の複合体において、複合体は、制御機構34を供給流体から流体的に隔離するために、例えば、接着剤または非接着剤によって、コアアセンブリ11にシールされてもよい。コアアセンブリ11の外部の周りに複合体がシールされ巻き付けられると、複合体は、流体処理パック12の供給側領域20、流体処理媒体15、15’、および透過側領域21の複数の螺旋巻層22、23、24を形成するために、複合体そのものの上に螺旋状に巻き続けられてもよい。流体処理パック12は、約1インチ(約2.5センチメートル)まで、約3インチ(約7.5センチメートル)まで、約6インチ(約15センチメートル)まで、または約10インチ以上(約25センチメートル)までの半径を有してもよい。複合体がコアアセンブリ11の周りに完全に巻き付けられて、流体処理パック12を形成した後、前述したように、各セクション25に透過ポート30を形成するために穴があけられてもよく、各透過ポート30の外部は、不透過キャップ33でシールされてもよい。
【0039】
[0044]流体処理装置は、形成後、流体処理アセンブリを提供するための種々のハウジング内に収容されてもよい。流体処理アセンブリは、単一の流体処理装置のみを収容するハウジングを備えてもよい。あるいは、ハウジングは、ハウジング内に直列または並列に配設された複数の流体処理装置を収容してもよい。ハウジングは、流体処理装置を永久的に収容するものであってもよく、例えば、使い捨ての流体処理アセンブリを形成してもよく、または、ハウジングは、再利用可能なハウジングで、使用済みの流体処理装置を新しいものや清浄された流体処理装置と取り替えられるように、流体処理装置を取り外し可能に収容してもよい。
【0040】
[0045]ハウジングは、金属材料や高分子材料などの任意の不透過性材料から形成されてもよく、この材料は、処理されている流体の圧力、温度、および化学組成などのプロセスパラメータと適合性がある。図1に示すように、流体処理アセンブリ43のハウジング42は、3つ以上のポート、例えば、プロセスまたは供給流体入口ポート44、透過流体またはろ過流体出口ポート45、および環流流体または濃縮流体出口ポート46を有してもよい。ハウジングは、例えば、排水、通気、または洗浄に関連する1つまたは、それ以上のポートを含むさらなるポートを有してもよい。ポートは、直列構成を含む任意の多数の構成でハウジングに設置されてもよく、ポートは、任意の多種多様な取付具を備えてもよい。ハウジングは、ポート間に流体流路を画成してもよく、流体処理装置は、流体流路にあるハウジングに配置されてもよい。例えば、流体処理装置構成10は、ハウジング42に配置されてもよく、供給側領域20の螺旋巻層22を供給流体入口ポート44と環流流体出口ポート46との間の1つの流体流路に設け、供給側領域22の螺旋巻層22、流体処理媒体15、15’の螺旋巻層23、透過側領域21の螺旋巻層24、透過ポート30、制御機構34、およびコアアセンブリ11の通路35、37を供給流体入口ポート44と透過流体出口ポート45との間の別の流体流路に設ける。
【0041】
[0046]図1に、ハウジング42の多くの例の1つを示す。ハウジング42は、シェル50、例えば、ほぼ円筒状のシェルと、シェル50の一端部にシールされた入口部51と、シェル50の反対の端部にシールされた出口部52とを含んでもよい。入口部51は、供給流体入口ポート44を含んでもよく、出口部52は、透過流体出口ポート45と、環流流体出口ポート46とを含んでもよい。流体処理装置構成10は、シェル50内にしっかりと装着されてもよく、例えば、供給流体が流体処理装置構成10を迂回しないように、供給側領域20の外縁部の螺旋巻層22がシェル50の内部に対して押圧される。あるいは、流体処理装置は、接着剤または非接着剤によってシェルの内部に対してシールされてもよく、または流体処理装置は、流体処理装置の外部とシェルの内部との間に延びる不透過性ラップまたは多孔性ラップで被覆されてもよい。流体処理装置構成10は、例えば、シェルの一端部または両端部でスパイダーによって、シェル50内で長手方向に固定されてもよい。流体処理パック12の一方の軸端部13にある供給側領域20の螺旋巻層22は、ハウジング42にある供給流体入口ポート44と流体的に導通し、流体処理パック12の反対側の軸端部14にある供給側領域20の螺旋巻層22は、ハウジング42にある環流流体出口ポート46と流体的に導通する。流体処理装置構成10は、コアアセンブリ11の長手方向の通路35の開放端部をハウジング42の透過流体出口ポート45内でシールして、ハウジング42内に固定されてもよい。
【0042】
[0047]本発明を具現化する流体処理アセンブリおよび装置によって任意の多数の方法で、流体が処理されてもよい。1つの動作モードにおいて、流体処理パックの供給側領域の螺旋状の螺旋巻層内に、供給流体が導かれてもよい。例えば、供給流体は、供給流体入口ポート44を通って、ハウジング42の入口部51内に通過されてもよい。入口部51から、供給流体は、流体処理パック12の供給側端部13で、供給側領域20の螺旋状の螺旋巻層22に入ってもよい。供給流体は、透過側領域21の螺旋状の螺旋巻層24の縁部に沿ったシールによって、透過側領域21内への流入が阻止される。流体処理パック12の供給側端部13から、供給流体は、供給側領域20の螺旋巻層22を通って、流体処理媒体15、15’の螺旋巻層23に沿って、流体処理パック12の環流側流体端部14へ軸方向に流れてもよい。例えば、供給流体は、自由端部13から環流側流体端部14へ、供給側領域20の多孔性シート材料を通って沿層方向に、または実質的に構造のないフロースペースに沿って軸方向に流れてもよい。供給流体は、供給側領域20を通って軸方向に流れるにつれ、流体処理媒体15、15’の供給側表面16に沿って接線方向に流れ、供給側端部13から環流側流体端部14へ、軸方向セクション25のすべてに沿って、供給側表面16上に剪断力を発生してもよい。流体処理パック12の環流側流体端部14から、供給流体は、ハウジング42から出て環流流体出口ポート46を介して、ハウジング42の出口部52内に環流流体として通過する。
【0043】
[0048]供給流体が、流体処理媒体15、15’の供給側表面16に沿って通過するにつれ、供給流体の一部分が、流体処理媒体15、15’を通って透過流体として通過し、ここで、流体が、任意の多種多様な方法で処理されてもよい。透過流体は、流体処理媒体15、15’の透過側表面17から、流体処理パック12の各軸方向セクション25にある透過側領域21の螺旋状の螺旋巻層24内に螺旋状の螺旋巻層24に沿って通過してもよい。透過流体は、障壁26によって隣接する軸方向セクション25間の透過側領域21に沿って通過しないようにされ、隣接するセクション25にある透過側領域21を互いに流体的に隔離する。透過流体は、軸方向セクション25の透過ポート30へ、各セクション25において、透過側領域21の螺旋巻層24に沿って軸方向および/または円周方向に、例えば、透過側領域21の多孔性シート材料に沿って沿層方向に通過してもよい。
【0044】
[0049]流体処理パックの少なくとも1つの透過ポートから、透過流体は、対応する軸方向セクションの透過側領域の流動パラメータを制御するために、透過ポートに流体的に結合された制御機構を通って通過してもよい。多くの実施形態において、透過流体は、対応する軸方向セクションの透過側領域の流動パラメータを制御するために、透過ポートに流体的に結合された制御機構を通って各透過ポートから通過してもよい。例えば、透過流体は、図1に示すように、透過ポート30の開口した内端部を通して、透過ポート30に流体的に結合されたコアアセンブリ11の壁36にある制御機構34を通して、コアアセンブリ11の長手方向の通路35内に、各軸方向セクション25の各透過ポート30に沿って内向きに通過してもよい。コアアセンブリ11の長手方向通路35から、透過流体は、ハウジング42の出口部52にある透過出口ポート45を介してハウジング42から流出してもよい。あるいは、図3に示すように、透過流体は、コアアセンブリ11の放射方向の流れ通路37a〜37eおよび長手方向流れ通路35a〜35e内に、透過ポート30の開口した内端部を通って、および長手方向流れ通路35a〜35eの端部にある透過ポート30に流体的に結合された制御機構34を通って、各軸方向セクション25にある各透過ポート30に沿って内向きに通過してもよい。制御機構34から、透過ポート30のすべてからの透過流体は、ハウジング42の出口部52にある透過流体出口ポート45を介して、ハウジング32から流出してもよい。
【0045】
[0050]制御機構は、種々の方法で1つまたは、それ以上の軸方向セクションの流動パラメータを制御してもよい。多くの実施形態において、制御機構は、流体処理装置内の1つの軸方向セクションから別の軸方向セクションへの流動パラメータの所定の関係を与えるように構成されてもよい。例えば、図6に示すように、供給流体は、第1の圧力で流体処理パック12の自由端部13で供給側領域20の螺旋巻層22に流入してもよく、より低い第2の圧力により環流側流体端部14で供給側領域20の螺旋巻層22から流出してもよい。供給側領域20の螺旋巻層22内の供給流体の圧力は、供給側端部13から環流側流体端部14へ、次第に、例えば、線形的に低下してもよい。制御機構34は、例えば、供給圧力がセクション25毎に次第に低下しても、軸方向セクション25に同様の透過流体流束を与えるように構成されてもよい。例えば、制御機構34は、流体処理パックの各セクション25の透過流体流束が、このセクションのすべての透過流体流束の平均の約5倍程度、約2倍程度、または約1.5倍程度であるように構成されてもよい。透過流体流束は、流体処理パック12の各軸方向セクション25においてほぼ同じであってもよい。いくつかの実施形態において、制御機構は、互いに徐々に異なるものであってもよく、例えば、図6に示すように、流体処理パック12の供給側端部13から環流側流体端部14に向かって隣接するセクション25において縮小する毛管を通って、透過流体流量を連続的に制限するように、毛管の長さおよび/または直径が徐々に異なる毛管であってもよい。そうすることで、各セクション内の結果的に得られる膜間差圧および対応する透過流体流束は、流体処理パック12内のセクション25毎に、同様のままであることができ、実質的に同一のものであることができる。制御機構は、第1および第2の圧力間の差を含む多数の要因、すなわち、タンジェンシャルフローによる圧力降下、循環側タンジェンシャルフローによる剪断応力、供給流体および/または透過流体の粘性および速度、および流体処理媒体の汚れ量に応じて、所定の関係をもたらすように構成されてもよく、例えば、毛管のサイズが決められてもよい。
【0046】
[0051]本発明の1つまたは、それ以上の態様を具現化する流体処理アセンブリ、装置、および方法には、多くの利点が伴う。例えば、隣接する軸方向セクション25を設け、螺旋状に巻き付けられた流体処理パック12の各セクション25に少なくとも1つの透過ポート30を設けることによって、流体処理媒体15、15’の透過側表面17からの透過流体流束への抵抗が大幅に減少する。透過流体は、透過側領域21の螺旋巻層24のすべてに沿って、内向きに、または外向きに螺旋状になる必要はないが、単に透過ポート30へ1つの螺旋巻層24に沿って軸方向および/または円周方向に通ればよい。さらに、流体処理パック12の軸方向セクション25の流動パラメータを制御することによって、セクション毎の膜間差圧や透過流体流束のより小さな変動を含む流動パラメータのさまざまな有益な所定の関係が、流体処理装置によって与えられてもよい。これらの変動を低減させると、流体処理媒体の不均一な汚れの減少、高スループット化、および/または耐用寿命の延長につながる。
【0047】
[0052]いくつかの実施形態において、本発明のさまざまな態様を前述および/または説明してきたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明の1つまたは、それ以上の特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく削除または修正されてもよい。例えば、制御機構は、流体処理アセンブリの外部の透過ポートに流体的に結合されてもよい。いくつかの実施形態において、コアアセンブリの隔離された流れ通路は、透過流体出口ポートの端部まで延びてもよく、コアアセンブリおよび/またはハウジングから下流の制御機構に流体的に結合されてもよい。別の例として、透過ポートの内端部は、透過流体流れ通路を有さないコアアセンブリによって閉じられてもよい。次いで、各透過ポートの外端部のキャップが省略されてもよく、透過ポートは、ハウジングにある1つまたは、それ以上の透過通路および/またはハウジングに物理的に結合された、例えば、ハウジングのシェルにある制御機構と流体的に導通してもよい。あるいは、制御機構は、例えば、ハウジングシェルを通って透過ポートの外端部に流体的に結合された個々の透過パイプによって、ハウジングの外部にある透過ポートに流体的に結合されてもよい。このように、本発明は、本明細書に記載および/または説明する特定の実施形態に制限されるものではなく、特許請求の範囲内にあり得るすべての実施形態および変形例を含む。
【符号の説明】
【0048】
10…流体処理装置、11…コアアセンブリ、12…流体処理パック、13,14…軸端部、15,15’…流体処理媒体、16…供給側表面、17…透過側表面、20…供給側領域、21…透過側領域、22…供給側領域の螺旋巻層、23…流体処理媒体の螺旋巻層、24…透過側領域の螺旋巻層、25…軸方向セクション、26…障壁、30…透過ポート、31…孔、32…シール、33…キャップ、34…制御機構、42…ハウジング、43…流体処理アセンブリ、44…供給流体入口ポート、45…透過流体出口ポート、46…環流流体出口ポート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向軸を有するコアアセンブリと、
流体処理パックが、供給側表面および反対側の透過側表面を有する流体処理媒体と、前記流体処理媒体の供給側表面に沿って延びる供給側領域と、前記流体処理媒体の透過側表面に沿って延びる透過側領域とを含み、前記流体処理パックが、前記コアアセンブリの周りに螺旋状に巻き付けられ、前記供給側領域の複数の螺旋巻層、前記透過側領域の複数の螺旋巻層、および前記流体処理媒体の複数の螺旋巻層を含み、前記流体処理媒体の各螺旋巻層が、前記供給側領域の螺旋巻層と、前記透過側領域の螺旋巻層との間に配置され、前記螺旋状に巻き付けられた流体処理パックが複数の軸方向に隣接するセクションを有し、1つのセクションの前記供給側領域が隣接するセクションの前記供給側領域と流体的に導通し、前記1つのセクションの前記透過側領域が前記隣接するセクションの前記透過側領域から流体的に隔離され、前記螺旋状に巻き付けられた流体処理パックの各セクションが、前記供給側領域の前記複数の螺旋巻層、前記流体処理媒体の前記複数の螺旋巻層、および前記透過側領域の前記複数の螺旋巻層を通ってほぼ放射方向に延びる透過ポートを有し、各透過ポートが、前記透過側領域の螺旋巻層と流体的に導通すると共に、前記供給側領域の螺旋巻層から流体的に隔離される、流体処理パックと、
前記螺旋状に巻き付けられた流体処理パックの少なくとも1つのセクションの前記透過側領域に流体的に結合されて、そのセクションの透過側領域の流動パラメータを制御する、1つまたは、それ以上の制御機構と、
を備える流体処理装置。
【請求項2】
1つまたは、それ以上の制御機構が複数の制御機構を含み、各制御機構が、あるセクションの透過側領域に流体的に結合されて、前記セクションの透過側領域の流動パラメータを制御する、請求項1に記載の流体処理装置。
【請求項3】
前記供給側領域が、スペーサと、前記スペーサによって画成されて実質的に構造を有さないフロースペースと、を含む、請求項1または2に記載の流体処理装置。
【請求項4】
前記供給側領域側の、前記流体処理媒体に前記供給側表面に沿って延びる多孔性シート材料を備える、請求項1または2に記載の流体処理装置。
【請求項5】
前記透過側領域側の、前記流体処理媒体に前記透過側表面に沿って延びる多孔性シート材料を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項6】
前記螺旋状に巻き付けられた流体処理パックの前記透過ポートが、前記コアアセンブリの1つまたは、それ以上の通路と流体的に導通する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項7】
各制御機構が、前記コアアセンブリに物理的に結合されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項8】
複数の制御機構が、前記螺旋状に巻き付けられた流体処理パックの各セクションの透過流体流速を与え、当該透過流体流束が、前記螺旋状に巻き付けられた流体処理パックのセクションのすべての透過流体流束の平均の約5倍程度である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の流体処理装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の流体処理装置とハウジングとを備える流体処理アセンブリであって、前記流体処理装置が前記ハウジングに配置され、前記ハウジングが、前記供給側領域の前記複数の螺旋巻層に供給流体を供給するために前記流体処理装置の前記供給側領域に流体的に結合された供給流体入口と、前記供給側領域の前記複数の螺旋巻層から滞留流体を放出するために前記流体処理装置の前記供給側領域に流体的に結合された環流流体出口とを含む、流体処理アセンブリ。
【請求項10】
流体処理方法であって、
供給流体を、供給側領域の螺旋状の螺旋巻層を通して軸方向に、且つ、前記流体処理媒体の螺旋状の螺旋巻層に沿って流すステップであって、供給流体を流体処理媒体の供給側表面に沿って導く工程を含むステップと、
前記供給流体の一部分を、前記流体処理媒体を通して、且つ、前記透過側領域の螺旋状の螺旋巻層に沿って流すステップであって、前記流体処理媒体の透過側表面からの透過流体を、互いに流体的に隔離された透過側領域の隣接する軸方向セクション内に導く工程を含むステップと、
各軸方向セクションの前記透過側領域の螺旋巻層からの透過流体を、前記軸方向セクションにおいて前記供給側領域の螺旋巻層、前記流体処理媒体の螺旋巻層、および前記透過側領域の螺旋巻層を通って延びる透過ポート内に流すステップと、
透過ポートからの透過流体を、前記透過ポートに流体的に結合された制御機構を通して流すステップであって、対応する前記軸方向セクションの前記透過側領域の流動パラメータを制御する工程を含むステップとを
備える方法。
【請求項11】
透過ポートからの透過流体を流すステップが、各透過ポートからの透過流体を、前記透過ポートに流体的に結合された制御機構を通して流し、対応するセクションの前記透過側領域の流動パラメータを制御する工程を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
各透過ポートからの透過流体を、前記透過ポートに結合された制御機構を通して流すステップが、セクション間の流動パラメータの所定の関係を確立することを含む、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
供給流体を供給側領域の螺旋状の螺旋巻層を通して軸方向に流すステップが、供給流体ついて、多孔性シート素材を通して透過領域端面方向に流す工程を含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
供給流体を供給側領域の螺旋状の螺旋巻層を通して軸方向に流すステップについて、供給流体が実質的に構造体を有さないフロースペースを通して流す工程を含む、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
供給流体の一部分を透過側領域の螺旋状の螺旋巻層に沿って軸方向に流すステップについて、透過流体について多孔性シート素材を通して透過領域端面方向に導く工程を含む、請求項10〜14のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−262133(P2009−262133A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−70359(P2009−70359)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(596064112)ポール・コーポレーション (70)
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
【Fターム(参考)】