説明

流体包装容器

【課題】従来のバッグインボックス型パッケージは、長い使用期間にわたり上部空間の空気からの劣化を防ぐこと、製造コスト、廃棄問題などで欠陥を有しており、これらの少なくとも1つを改善することが本発明の目的である。
【解決手段】実質的に剛性または半剛性な構造の流体包装容器であって、飲料分配ステーションへ作動可能に接続可能であるように構成されている。該流体包装容器は、内部空間を画定し、かつ液体成分の第1容積部および気体の第2容積部を含む。使用中、該第1容積と該第2容積は、実質的に零の容積と実質的に内部空間に対応する容積との間で各々可変であり、かつ相互に相補的である。これにより、該第1および第2容積部は、一緒に内部空間を満たす。特に該流体包装容器は、さらに飲料分配ステーションと連絡するように配置された流体出口と該内部空間から引き出された液体に関係なく、使用中、第2容積部において所定の圧力を維持する均圧手段とを含んでいる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料関連成分の輸送および供給のための流体包装容器に関する。そのような流体包装容器は、該流体包装容器に対してホストとして振る舞う飲料調製と分配の装置において、交換可能な構成要素を形成する。
【背景技術】
【0002】
とりわけそのような流体包装容器は、本出願人の国際公開第00/79223号で知られている。そのような容器は、飲料調製と分配のシステムにおいて、コーヒー、チョコレート、乳製品、ミルクまたは紅茶の濃厚物の分配に役立つ。これら公知の容器はバッグインボックス(bag-in-box)型であり、可撓性バッグの容積は、濃縮された飲料成分がそこから引き出されると同時に減少させられる。これらパッケージは、その上部空間に対する何らかの制御を与えるけれども、長い使用期間にわたって上部空間の空気から飲料濃厚物のあらゆる劣化を取り除くことにおいては全体的には効果的でなかった。或る使用については、上部空間を様々な仕方で制御する必要性が残されている。従来技術であるバッグインボックス型容器の他の問題は、それらが金属層を備えられるときは、製造するのに高価であり、かつそれらの廃棄が環境問題としばしば関係することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、従来技術の欠陥の少なくとも1つを克服または改善することが本発明の目的である。組立および操作においてより扱いやすく、かつさらに比較的に安価に製作されうるところの代替的構成を提供することもまた本発明の目的である。あるいは少なくとも公衆に便利な選択を提供することも、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的のために本発明は、添付された請求項の任意の1つに規定されているような、および実質的に本明細書に以下で記載されているような、および図面で説明されているような流体包装容器を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】本発明に従う流体包装容器の第1の実施態様の概略図である。
【図2】本発明に従う流体包装容器の第2の実施態様の概略図である。
【図3】本発明に従う流体包装容器において協働する二方弁の第1の形態の第1長手方向の断面図である。
【図4】図3の二方弁の第1断面に垂直である第2長手方向の断面図である。
【図5】本発明に従う流体包装容器において協働する二方弁の第2の形態の第1長手方向の断面図である。
【図6】図5の二方弁の第1断面に垂直である第2長手方向の断面図である。
【図7】本発明に従う流体包装容器において協働する二方弁の回転対称である第3の形態の長手方向の断面図である。
【図8】貯蔵容器として使用するための別の代替的な二方弁の長手方向断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1を参照すると、一般に内部空間を画定する、剛性または半剛性の固定容積貯蔵チャンバー(3)を有する流体包装容器(1)が示されている。貯蔵チャンバー(3)の該内部空間は、液体飲料成分の第1容積部(5)および気体の上部容積部(7)を含むことが示されている。流体包装容器(1)は、さらに液体出口(9)を有しており、該液体出口(9)は参照番号11で一般に指示される弁を備えるであろう。番号11は、従来の設計、例えば、ほんの数例を挙げれば、能動的に操作されるポペット弁、または受動的に操作される逆止め弁(一方向弁)でありえる。
【0007】
また図1には、流体包装容器(1)が、細孔膜(13)の形態での均圧手段を有することが示されている。細孔膜(13)は、液体が液体出口(9)を通して第1容積部(5)から抜かれたときに第2容積部(7)において所定の圧力を維持するために、供給気体、例えば外気と連絡するための入口(15)を画定する。
【0008】
使用中、流体包装容器(1)は、飲料調製および分配ホスティングステーションへ作動可能に接続されるであろう。そして第1および第2容積部(5、7)は、それによって各々、実質的にゼロの容積と、貯蔵チャンバー(3)により画定された全内部空間に実質的に対応する容積との間で、可変になるであろう。事実、第1および第2容積部(5、7)は、互いに相補的であり、これらが一緒に内部空間を満たす。それ故に、液体成分の一部分が、矢印(17)で示されるように出口(9)を介して貯蔵チャンバー(3)から排出され、そして、気体の適切な供給が、矢印(19)で示されるように入口(15)を介して貯蔵チャンバー(3)の第2容積部(7)に入ることを許される。例えば、貯蔵チャンバーから液体を排出する速度が気体または空気を入れる速度を上回るときに、第2容積部に入ることができた気体または空気は、或る遅延を伴って入ることがありうる。適切な範囲内では、流入フローと流出フロー間のそのような差異は操作上のいかなる困難も引き起こさない。
【0009】
拡大された詳細図として図1に追加的に示されている細孔膜(13)は、製品が分配されるとき、第2容積部(7)内の圧力を均等にする無菌性通気手段を提供している。第1容積部(5)の液体成分の劣化および汚染は、それによって防止されうる。適切な細孔物質は、商標「ゴアテックス(Gore-Tex)」の下に、W.L. Gore & Associates,Inc.社から入手し得る、広げられたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)物質である。この物質は、0.2μmのサイズの孔で利用可能であり、この孔は、エアロゾル粒子、細菌およびウイルスの99.9999%を阻止することができる。これ以外の可能性のある適切な物質は、商標「Tyvek」の下に、E.I. de Pont de Nemours, Inc.社から入手可能なポリエチレン繊維の気体透過シートでありうる。等価な物質は、DSMのような別の供給者からも入手可能である。そのような細孔膜の重要な性質は、液体、粒子および病原体を食い止めながら、これら膜が、気体および外気の無菌通気を可能にすることである。このような膜は、使用された物質が食品グレードに合致し、かつ衛生的な条件の下での製造および取扱が保証されうるとき、食品チェーン店の適合性承認に合致しうる。
【0010】
液体出口(9)は、飲料分配ホスティングステーション(図示されていないが、従来のもの)と連絡するように一般に配置されるであろうから、そのような分配ステーションはまた、均圧手段(13、15)を飲料分配ステーションと結び付けられた適切な気体供給装置へ接続するための設備を有することができる。
【0011】
図2に、本発明に従う流体包装容器の代替形態(101)が示されている。この流体包装容器(101)は、一般に四角形の(tetraedic)外部形状を有する剛性または半剛性の貯蔵チャンバー(103)を再び画定している。そのような四角形の外部形状は輸送において、しかしまた飲料調製および分配ホスティングステーションとの協働において利点がありうる。後者の場合、四角形の形状は、そのようなホスティングステーション上に流体包装容器(101)を正確に設置する際に助けになる。図2に示された流体包装容器(101)は、さらに液体出口(109)および駆動接続部(123)を収容するための陥没部(121)を有し、該駆動接続部(123)は、貯蔵チャンバー(103)内で、流体出口(109)の上流、および好ましくはまた液体出口(109)に連結した流体弁の上流に置かれうる配量ポンプに駆動力を提供するためである。該陥没部(121)内へのそのような付属品の搭載によって、輸送の間これらは保護され、また、流体包装容器(101)を飲料調製ホスティングステーションへ接続する際のその取り扱い中に、損傷を受けにくいであろう。
【0012】
しかし、図1の包装容器(1)の丸い形からまたは図2の包装容器(101)の四角形若しくは平行パイプ型から離れ、他の形状が等しく可能であることは、当業者にとって明確であろう。ことによると、また包装容器は、丸い部分と四角形の部分との組合せでありうる。
【0013】
貯蔵チャンバー(103)の頂点部分に、均圧接続部(115)が備えられる。本発明の特別の実施態様においては、この均圧接続部(115)は、また容器内の超過圧力を先ず創り出すのに使用されうる。このことは、半剛性の容器が使われるときに、特に利点がありうる。なぜならば、それは輸送のために包装容器を強化し、そして積み上げる高さを増すことを可能にするからである。わずかの超過圧力は、また使用中に正確に配量するのに助けになりうる。
【0014】
飲料ホスティングシステムにおける包装容器(103)の使用中に超過圧力が維持されねばならないときは、均圧接続部(115)は、この飲料ホスティングステーションにかかっている圧力下での気体供給部へ気密な状態で接続可能である。
【0015】
均圧接続部(115)が、流体包装容器(101)を充填する間でだけ使われ、一方、第2容積部と連絡している気体供給部は、貯蔵チャンバー(103)の内部に収容されることは、しかしまた考えられることである。そのような気体の供給部は、気体吸収性または吸着性を備える多孔性物質でありうる。そのような多孔性物質の例は、粒状活性炭または炭素繊維複合体分子篩(CFCMS)のである。そのような代替の一例として、この技術をエアロゾル缶との関係で教えている米国特許第6708844号明細書が参照される。同様に、包装容器(101)内の気体の内部供給部は、エアロゾル容器としても知られているように、圧力容器と圧力制御弁アセンブリとの組合せによって形成されることがまた考えられうる。この後者の代替案の例は、米国特許第5011047号明細書および米国特許第5562235号明細書で記載されており、これらは引用されることによって本明細書に組み込まれる。
【0016】
気体、殺菌された気体若しくは無菌外気が包装容器内に入れられるとき、包装容器内の流体濃厚物の酸化または劣化を防止する手段を備えることは、本発明に関連してさらに有用でありうる。この目的のために、液体容積部と気体容積部との間の接触を減らしまたは除外するために、気密フロートが液体容積部の最上部に備えられうる。同様に、液体の上に浮かぶ、非溶解性食品グレードのオイルの形態の液体シールは、該2つの容積部の間のいかなる接触も除外しうる。事実、そのような液体シールは、第1と第2の容積部の容積が変化する間に、一定容積を維持する第3の容積部を形成する。そのような実施形態においては、第1、第2および第3の容積部は、使用中、包装容器の内部空間を連続的に満たし、一定容積の第3容積部が第1容積部と第2容積部を分離する。
【0017】
上に説明されたように、流体包装容器の上部容積部内に満たされた超過加圧された気体の使用は、特に半剛性容器、例えば積層ボール紙で実質的に形成されたものの使用を可能にする。そのような包装容器は、これまで使われてきたバッグインボックス(bag-in-box)型容器よりも、一般的に一層環境的に受け入れられやすい。ボール紙容器は、製作がより容易であり、資源を余り使わず、捨てるときコンパクトにすることが容易である。流体出口およびホスティングステーションのためのインタフェース接続のための適切な付属品が、米国特許第4483464号明細書および米国特許第5088643号明細書で説明されているように、ボール紙包装容器に接続されることができ、これらは引用されることによって本明細書に組み込まれる。
【0018】
別の代替的な実施態様においては、流体包装容器は、輸送中は大気圧よりも上に加圧された気体のみで充填された第2容積部を有している。図1を参照して記載された実施態様におけるように、流体包装容器は、細孔通気手段を有しうる。輸送中に加圧条件を維持し続けるために、通気膜は、ホスティングシステム上または内に容器を装填する前にユーザーによって除去される予定の開封明示(タンパーエビデント)シールによって封止されうる。開封明示シールの除去中の何らかの気体の漏れは、内容物が新鮮な状態に保たれたことをユーザーへ追加的に確認させるであろう。使用中、容器はその後、細孔膜によって無菌的に外気へ排気されうる。
【0019】
もし当初の超過加圧された気体の充填が、殺菌空気充填、不活性気体の充填またはコーヒー、チョコレート若しくは紅茶の香気を含むそのような気体充填の一つであるとすると、別の利点がありうる。そのようなケースでは、無菌の通気手段として細孔膜を使うよりも、無菌弁を使うことが考えられる。
【0020】
また、液体出口(9、109)に連結した弁は、好ましくは或る無菌型の弁である。このタイプの適切な弁の1例は、ここに引用することにより本明細書に組み込まれる米国特許第5033647号明細書に開示されている。
【0021】
図3から8を参照して、二方弁の概念の実施形態が、本発明に従う少なくとも幾つかの実施態様において使用に特に適することが説明されるであろう。特に、無菌通気手段または均圧手段が封止条件にされた後に、これら二方弁は、第2容積部によって代表される上部空間が超過加圧された気体を供給されることを可能にするであろう。
【0022】
流体包装内の超過加圧された上部空間の使用は、剛性または半剛性の容器に限定されず、むしろバッグインボックス型容器を利することがありうることが強調されるべきである。バッグインボックス型容器におけるそのような超過圧力は、充填されたバッグをその外側ボックス内に入れることをより容易にするであろうし、不活性気体の使用は、飲料成分がバッグインボックス型容器内にあるときに、同様に飲料成分を利する。バッグインボックス型容器内の超過圧力は、さらにまた、配量精度を改善し、かつ、さもなくば潰れるバッグのしわを減らすことによってそれを空にすることを一般的に改善しうる。
【0023】
それ故に、二方弁の概念の次の記載は、剛性または半剛性容器に限定される意図はなく、バッグインボックス型容器または固定容積の貯蔵チャンバーよりも可撓性の袋を利用するところの任意の別の容器にまた妥当する。
【0024】
先ず図3および4を参照すると、液体出口弁(図1において参照番号11で示されたような)の位置で使われるうる二方弁の第1の態様が示されている。図3は、第1断面に対して垂直な平面における上記の弁の第1長手方向断面を示している。該二方弁(251)は、容器への接続のための入口端部(255)および飲料ホスティングシステムと連絡するための出口端部(257)を有する剛性の内部体(253)を備えている。入口端部(255)および出口端部(257)は、内部障壁(259)と、好ましくは内部弁体(253)の周りの予め張力を懸けられた(pretensioned)締まりばめを有する弾性外側スリーブ(261)とによって分離されている。
【0025】
入口側で、該弁体(253)は、入口端部(255)と連絡している向かい合った横方向開口の第1の対(263、265)を有している。出口側で、該弁体(253)は、出口端部(257)と連絡している向かい合った横方向開口の第2の対(267、269)を有している。圧力をかけないで、または入口端部(255)若しくは出口端部(257)に印加される所定のレベルまでの圧力で、可撓性の外側スリーブ(251)は、流体媒体の通過を確実にかつ好ましくは無菌的に防止するであろう。
【0026】
入口端部(255)は、フランジ面(271)を有し、それによって上記で引用したタイプの液体容器へ簡便に取り付けられる。出口端部(257)は、無菌条件の下で気体の供給部への接続のために適応されうる。
【0027】
使用中、液体飲料成分、例えばコーヒー濃厚物は、矢印(273)によって示されたように、入口端部(255)へポンプ供給されうる。所定の圧力を超えることによって、次に液体内容物は、弾力性の外側スリーブ(261)を弁体(253)から半径方向に持ち上げ、そして剛性弁体(253)の周辺を介して横方向開口の第1の対(263、265)から排出され、そして弾力性スリーブ(261)の半径方向に持ち上げられた部分間で、流体は、横方向開口の第2の対(267、269)を介して出口端部(257)に入るであろう。
【0028】
二方弁(251)を装着された容器を充填すると、残る上部空間は、矢印(275)によって示されたように出口端部(257)を使うことによって、圧力下にある適切な気体の量で満たされうる。この目的のために、適切なアダプターが、無菌条件の下に出口端部(257)へ結合されうる。そして不活性気体、例えば窒素(N)が、半径方向に持ち挙げられた弾性カバー(261)と剛性弁体(253)との間に創り出された通路によって、横方向開口の第2の対(263、265)から弾性カバー(261)を持ち上げることを可能にする。
【0029】
そのような二方弁は、その2つの操作方向の各々において無菌でありうる。横方向開口の第1の対(263、265)と、最も近い横方向開口の第2の対(267、269)との間の間隙は、隣接する開口間の中間部にわたる弾性スリーブ(261)の自動蠕動性挙動によって無菌性を保証するのに十分でなければならない。
【0030】
ここで図5および6を参照しつつ、図3および4を参照して説明された二方弁のわずかに変更された態様が記載される。明瞭のために、図5および6においては、類似する要素は、図3および4で使われた番号から100番だけ異なる参照番号によって参照される。
【0031】
それ故に、図5および6の二方弁(351)は、入口端部(355)および出口端部(357)を備える剛性の弁体(353)を有することが認識されうるところの類似の断面で示されていることが分かるであろう。入口端部(355)および出口端部(357)は、内部の障壁(359)および外側スリーブ(361)によって相互に分離されている。
【0032】
図3および4の弾性外側スリーブ(261)と対照的な弾性外側スリーブ(361)は、種々の半径方向厚みを有している。弁体(353)の内部の障壁(359)の領域で、可撓性の外側スリーブ(361)は、横方向開口の第1の対および第2の対(363、365、367、369)に平行な平面内で向き合うより厚い部分(361A、361B)を有しており、これらの開口の周りで可撓性スリーブのしっかりとした支持を得ることになる。外側スリーブ(261、361)の可撓性の挙動の別の態様は、図3および4の実施態様によって実際に示されたように、軸方向長さに沿って剛性弁体の直径を変えることによって得ることができることは明確であるに違いない。
【0033】
図5および6の二方弁の使用および操作は、図3および4を参照して説明したことと本質的に類似しているので、図5および6の類似の参照要素の繰り返しの記載は不要と思われる。
【0034】
二方弁の別の態様が図7に示される。この二方弁(451)は上記に記載した二方弁とは剛性外体(452)および弾性内体(454)を有している点において異なっている。
【0035】
使用中、可撓性の内側スリーブすなわち内体(454)は、矢印(473)に従って入口端部(455)へ入るか、または矢印(475)に従って出口端部(457)へ入る流体流によって偏向させられるであろう。圧力プロファイルの低下は、この二方弁の軸方向に沿って内体および外体(452、454)間の干渉の低下を通して達成される。中間部分の近位の直径は、対向している両遠位の直径よりも小さく、そして干渉は入口および出口端部の方向へ消えていく。それ故にそれは両軸方向の流れを可能にする。
【0036】
二方弁のもう一つの代替的態様(551)が図8に示されている。二方弁(551)は、固定容積貯蔵容器の液体分配出口、例えば夫々図1または2の容器の出口(9、109)と共に使用するようにも構成されている。二方弁(551)は、剛性の内側構成要素(553)および可撓性の外側管(561)で構成され、これらは一緒になって入口端部(555)および出口端部(557)を画定する。剛性の内側構成要素(553)は、入口端部(555)の流体と出口端部(557)の流体との間の清浄かつ無菌な分離のために、可撓性の外側管(561)と干渉する周囲封止面(556)を提供する。図8において、矢印(572、574)によって概略的に説明されているように、二方弁(551)の入口端部(555)に増大せられた圧力がありうる。一度この増大せられた圧力が所定の値を超えると、該弁は、可撓性管(561)によって形成された弾力性の外側カバーが、矢印(577、579)の方向に、構成要素の内側剛性体(553)の周囲面(556)から半径方向に持ち上げられことにおいて、開きうる。すると、容器からの流体は、出口端部(557)を、矢印(275)の方向に去りうる。図8に、外側管(561)は、外側管の中央部内に内側剛性構成要素(553)を保持するために、拡大された直径の中央部(561A)および軸方向に隔てられた2つの内側環状リッジ(561B、561C)を有することがさらに示されている。
【0037】
このように、本発明の動作および構成は、これまでの記載から明確であることが信じられる。本発明は、ここで記載された実施態様および当業者の視野内に限定されず、すなわち、添付された請求項の範囲内で考えられるべきであるところの変更が可能である。同様に全ての運動学的な反転は、本質的に開示され、かつ本発明の範囲内に入ると考えられる。本明細書または添付された請求項で使用された用語「含む」は、排他的または網羅的意味で解釈されるべきではなく、むしろ包含的意味に解釈されるべきである。表現、例えば「〜ための手段」は、「〜ため設計された構成要素」または「〜ために構成された部材」と読まれるべきであり、かつ開示された構成と同等なものを包含すると解釈されるべきである。例えば「重要な」「好ましい」「特に好ましい」等の表現の使用は、発明を限定する意図はない。特別にまたは明示的に記載または請求項で請求されなかった特徴は、本発明の範囲から逸脱せずに本発明に従う構成に追加的に含まれうる。
【符号の説明】
【0038】
1 流体包装容器
3 貯蔵チャンバー(剛性または半剛性固定容量の)
5 第1容積部
7 第2容積部
9 液体出口
11 弁
13 細孔膜
15 入口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料分配ステーションへ作動可能に接続可能であるように構成された実質的に剛性または半剛性な構造の流体包装容器であって、該流体包装容器は、内部空間を画定し、かつ液体成分の第1容積部および気体の第2容積部を含み、該第1容積と該第2容積は、使用中、各々可変であり、該流体包装容器は、さらに飲料分配ステーションと連絡するように配置された流体出口と、該内部空間から引き出された液体に関係なく、使用中、第2容積部において所定の圧力を維持する均圧手段とを含み、該流体包装容器は該流体出口に連結した流体弁を含んでいる、
前記流体包装容器。
【請求項2】
該均圧手段は、無菌障壁を提供する無菌通気手段を含む、請求項1に記載の流体包装容器。
【請求項3】
該無菌通気手段は、該第2容積部へ制御されたアクセスを与える、請求項2に記載の流体包装容器。
【請求項4】
該無菌通気手段は細孔膜を含んでいる、請求項2または3に記載の流体包装容器。
【請求項5】
該細孔膜は、広げられたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)である、請求項4に記載の流体包装容器。
【請求項6】
該細孔膜は、ポリエチレン繊維の気体透過性シートである、請求項4に記載の流体包装容器。
【請求項7】
さらに、開封明示シールを備え、該細孔膜を曝すための開封明示シールの除去の前にのみ、該第2容積部は大気圧を超える圧力をかけられている、請求項4に記載の流体包装容器。
【請求項8】
該通気手段は、飲料分配ステーションに連結した加圧気体の源に接続されるように適合される、請求項2〜6のいずれか1項に記載の流体包装容器。
【請求項9】
該無菌通気手段は、無菌弁を含んでいる、請求項2に記載の流体包装容器。
【請求項10】
該均圧手段は、該第2容積部における所定の圧力を維持するための気体供給部を含んでいる、請求項1に記載の流体包装容器。
【請求項11】
該気体供給部は、内部空間内で気体膨張すると該第2容積部内で所定の圧力を回復するのに、または内部空間で使い尽くした気体を補給するのにも効果的である、請求項10に記載の流体包装容器。
【請求項12】
該気体供給部は、該第2容積部と連絡している、請求項10または11に記載の流体包装容器。
【請求項13】
該気体供給部は、該内部空間内に収容されている、請求項10〜12のいずれか1項に記載の流体包装容器。
【請求項14】
該気体供給部は、相対的に高い圧力の下で気体の或る量を蓄えることができかつ相対的に低い圧力で該気体の該量の一部分を放出することができる貯蔵体を含んでいる、請求項13に記載の流体包装容器。
【請求項15】
該貯蔵体は、多孔物質を備えている、請求項14に記載の流体包装容器。
【請求項16】
該貯蔵体は、気体吸収物質を含んでいる、請求項14または15に記載の流体包装容器。
【請求項17】
該気体吸収物質は、粒状活性化炭および炭素繊維複合体分子篩(CFCMS)を含む群から選択される、請求項16に記載の流体包装容器。
【請求項18】
該貯蔵体は、圧力容器と圧力制御された弁アセンブリとの組合せである、請求項14に記載の流体包装容器。
【請求項19】
さらに開封明示シールを備えている、請求項1〜18のいずれか1項に記載の流体包装容器。
【請求項20】
該液体包装容器は、平行パイプまたは四角形の(tetraedic)外部形状を有する貯蔵チャンバーを有する、請求項1〜19のいずれか1項に記載の流体包装容器。
【請求項21】
該貯蔵チャンバーは、平行パイプまたは四角形の段ボール体である、請求項20に記載の流体包装容器。
【請求項22】
該流体弁は、無菌弁である、請求項1〜21のいずれか1項に記載の流体包装容器。
【請求項23】
該第2容積部内の圧力は大気圧を超えている、請求項1〜22のいずれか1項に記載の流体包装容器。
【請求項24】
該第2容積部内の該気体は殺菌された空気である、請求項1〜23のいずれか1項に記載の流体包装容器。
【請求項25】
該第2容積部内の該気体は、不活性気体である、請求項1〜23のいずれか1項に記載の流体包装容器。
【請求項26】
該液体は、コーヒー、乳製品、チョコレートおよび紅茶の濃厚物の1つを含んでいる、請求項1〜23のいずれか1項に記載の流体包装容器。
【請求項27】
該液体は、コーヒーの濃厚物であり、該第2容積部内の気体はコーヒーの香気を含んでいる、請求項1〜25のいずれか1項に記載の流体包装容器。
【請求項28】
該包装容器は配量ポンプを含んでいる、請求項1〜27のいずれか1項に記載の流体包装容器。
【請求項29】
該配量ポンプは該流体出口の上流に配置されている、請求項28に記載の流体包装容器。
【請求項30】
該流体弁は、気体の第2容積部を満たすための二方弁であり、かつまた無菌条件の下で流体が内部空間から排出されることを可能にする流体弁として機能する、請求項22に記載の流体包装容器。
【請求項31】
該二方弁は、図3〜8を参照して説明されたような1以上の構造的特徴に従って構成されている、請求項30に記載の流体包装容器。
【請求項32】
該第1および第2容積部は、使用中、実質的に零の容積と実質的に内部空間に対応する容積との間で各々可変であり、かつ相互に相補的であり、該第1および第2容積部は一緒に該内部空間を満たしている、請求項1〜31のいずれか1項に記載の流体包装容器。
【請求項33】
さらに、該第1容積部と該第2容積部との間に液体障壁および気体障壁を含んでいる、請求項1〜32のいずれか1項に記載の流体包装容器。
【請求項34】
該液体障壁および該気体障壁は、該内部空間に含まれた不溶性の第3容積部によって提供される、請求項33に記載の流体包装容器。
【請求項35】
該第3容積部は、液体の第1容積部の上に浮かぶ食品グレードのオイルを含む、請求項34に記載の流体包装容器。
【請求項36】
該第3容積部は、液体の第1容積部の上に浮かぶ実質的に中実の、気体および流体の漏れのない浮きを備えている、請求項34に記載の流体包装容器。
【請求項37】
飲料分配ステーションへ作動可能に接続可能であるように構成された実質的に剛性または半剛性の構造の流体包装容器であって、該流体包装容器は、内部空間を画定し、かつ液体成分の第1容積部および気体の第2容積部を含み、該第1容積と該第2容積は、使用中、各々可変であり、該流体包装容器は、さらに飲料分配ステーションと連絡するように配置された流体出口を含み、該第2容積部は、少なくとも使用前は、該第2容積部内に所定の圧力を有している、
前記流体包装容器。
【請求項38】
該所定の圧力は大気圧を超えている、請求項37に記載の流体包装容器。
【請求項39】
飲料分配ステーションへ作動可能に接続可能であるように構成された実質的に剛性または半剛性の構造の流体包装容器であって、該流体包装容器は、内部空間を画定し、かつ液体成分の第1容積部および気体の第2容積部を含み、該第1容積と該第2容積は、使用中、各々可変であり、該流体包装容器は、さらに飲料分配ステーションと連絡するように配置された流体出口を含み、該包装容器は該流体出口に連結する無菌流体弁を含んでいる、
前記流体包装容器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−508232(P2013−508232A)
【公表日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535150(P2012−535150)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【国際出願番号】PCT/NL2010/050697
【国際公開番号】WO2011/049446
【国際公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【出願人】(512164779)コーニンクラケ ダウ エグバート ビー.ブイ. (28)
【Fターム(参考)】