説明

流体取扱装置及び流体取扱システム

【課題】流路が形成されたチップ本体に、カーボンインクが印刷されたフィルムを接合するマイクロ流路チップにおいて、ラミネート不良に起因する液体の漏れを防止し、電気泳動装置(電極)の汚染や、電気泳動の精度の低下を防止すること。
【解決手段】マイクロ流路チップのチップ本体12の下面21にフィルム14を接合することにより、有底の第1領域23a’、23b’、第2領域24a’、24b’が形成される。第3領域25a’、25b’は、第1領域23a’、23b’と第2領域24a’、24b’との間であって、カーボンインク16a、16b上に位置するように形成される。第3領域25a’、25b’の幅は、カーボンインク16a、16bの幅より長くなるように形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体試料の分析や処理等に用いられる流体取扱装置及びこれを具備する流体取扱システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生化学や分析化学等の科学分野あるいは医学分野において、タンパクや核酸(例えば、DNA)などの微量な物質の検査分析を精度良く高速に行うために、マイクロ分析システムが使用されている。
【0003】
マイクロ分析システムの一例として、マイクロ流路チップに形成された流路を泳動液(緩衝液)で満たし、流路に繋がる注入口から試料を注入し、流路の両端に電圧をかけ、試料を電気泳動させて分析を行うシステムがある。
【0004】
マイクロ流路チップは、流路が形成されたチップ本体にフィルム(薄膜)または薄板を接合することにより作製される。流路の両端には、液体が注入されるリザーバが形成され、そのリザーバ内には電極が形成される。電極形成方法の例として、カーボンインクにてフィルムまたは薄板上に電極パターンを印刷する方法が知られている(特許文献1参照)。そのように形成される電極パターンの一端は、リザーバ内に位置するように形成され、他端はリザーバ外に位置するように形成されている。そして、電極パターンの他端に電気泳動装置の電極を接触させ、リザーバ内に注入される液体試料に触れることなく液体試料に電圧がかけられるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6939451号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の電極形成方法では、カーボンインクの厚みにより、フィルムまたは薄板のカーボンインクの周辺部分がチップ本体に未接着となり(ラミネート不良)、液体の漏れが発生するおそれがある。
【0007】
しかしながら、従来技術では、この液体の漏れについて対策が採られておらず、液体が漏れた場合に、電気泳動装置(電極)が汚染するおそれがある。
【0008】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、マイクロ流路チップ等の流体取扱装置から外部への液体の漏れを防止することができ、外部環境の汚染を防止することができる流体取扱装置及び流体取扱システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の流体取扱装置は、板状の基板部材と、薄膜または薄板であって、前記基板部材の一面に接合される蓋部材と、前記蓋部材に、前記基板部材との接合面の一部を覆うように層状に形成され、電気または熱を伝達する伝達機能部と、を有し、前記基板部材の前記一面の前記伝達機能部の一端に対応する部分には、凹みまたは貫通孔が形成され、前記基板部材と前記蓋部材とが接合された際に前記一面側の開口部が前記蓋部材によって閉塞されることにより第1領域が形成され、前記伝達機能部の他端に対応する部分には、前記基板部材と前記蓋部材とが接合された際に外部に連通する第2領域が形成され、前記伝達機能部は、前記第1領域と前記第2領域との間を電気的または熱的に接続し、前記基板部材の前記一面には、前記第1領域と前記第2領域の間に延びる前記伝達機能部の縁部に架かるように溝部が形成され、前記溝部の前記一面側の開口部が前記蓋部材によって閉塞されることにより第3領域が形成される、構成を採る。
【0010】
本発明の流体取扱システムは、上記流体取扱装置を備える構成を採る。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、基板部材に溝部を形成し、層状の伝達機能部の厚みによって生じる基板部材と蓋部材との隙間を伝わって漏れてきた液体を、当該溝部で止める、あるいは、溜めることができるので、液体の外部への漏れを防止することができ、外部環境の汚染を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態に係るマイクロ流路チップの形状を示す図
【図2】図1のマイクロ流路チップのチップ本体の形状を示す図
【図3】図1のマイクロ流路チップのカーボンインク印刷後のフィルムの形状を示す図
【図4】図1(A)のE−E線拡大断面図
【図5】本発明の一実施の形態に係るマイクロ流路チップの形状を示す図(バリエーション1)
【図6】図5のマイクロ流路チップのチップ本体の形状を示す図
【図7】本発明の一実施の形態に係るマイクロ流路チップの形状を示す図(バリエーション2)
【図8】図7のマイクロ流路チップのチップ本体の形状の一部を示す図
【図9】本発明の一実施の形態に係るマイクロ流路チップの形状の一部を示す図(バリエーション3)
【図10】図9のマイクロ流路チップのチップ本体の形状の一部を示す図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、流体取扱装置の代表例として、マイクロ流路チップを用いて説明する。
【0014】
〔マイクロ流路チップの構成〕
図1は、本実施の形態に係る流体取扱装置としてのマイクロ流路チップの形状を示す図である。図1(A)は平面図、図1(B)はA−A線正面断面図、図1(C)は底面図、図1(D)はB−B線左側面断面図である。なお、図1(A)、図1(B)には、電極棒1a、1bをともに示す。
【0015】
図1に示すように、マイクロ流路チップ10は、透明な略矩形の平板のチップ本体(基板部材)12とフィルム(蓋部材となる薄膜)14と、カーボンインク(伝達機能部としての電極)16a、16bと、から構成される。
【0016】
チップ本体12の厚さは1mm程度であり、フィルム14の厚さは100μm程度であり、カーボンインク16a、16bの厚さは10μm程度である。
【0017】
チップ本体12およびフィルム14は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、塩化ビニール、ポリプロピレン、ポリエーテル、ポリエチレンなどの樹脂材料によって形成されている。なお、チップ本体12とフィルム14とで、互いに異なる材料を用いても良い。
【0018】
カーボンインク16a、16bは、フィルム14に印刷される。フィルム14は、有機接着剤による接着あるいは熱圧着等によりチップ本体12に接合される。
【0019】
図2は、チップ本体12の形状を示す図である。図2(A)は平面図、図2(B)はC−C線正面断面図、図2(C)は底面図、図2(D)はD−D線左側面断面図である。
【0020】
チップ本体12には、フィルム14に対向する面である下面21に、細長い微細溝22が形成される。微細溝22は、一辺の長さ(幅および深さ)が数十μm程度の略矩形の断面を有する。チップ本体12とフィルム14とが接合された状態において、微細溝22の開口部分がフィルム14によって閉塞されることにより流路22’が形成される。
【0021】
チップ本体12の微細溝22のそれぞれの両端には、外部に開口する、断面が略円形の貫通孔23a、23bが形成される。貫通孔23a、23bは、直径が数100μm〜数mmである。チップ本体12とフィルム14とが接合された状態において、貫通孔23a、23bの開口部分がフィルム14によって閉塞されることにより、泳動液、試料の注入口又は排出口としての機能を有する有底の第1領域23a’、23b’が形成される。
【0022】
チップ本体12には、断面が略円形の貫通孔24a、24bが形成される。貫通孔24a、24bは、直径が数100μm〜数mmである。チップ本体12とフィルム14とが接合された状態において、貫通孔24a、24bの開口部分がフィルム14によって閉塞されることにより、電極棒1a、1bの挿入口としての機能を有する有底の第2領域24a’、24b’が形成される。
【0023】
チップ本体12の下面21には、貫通孔23aと貫通孔24aとの間の位置に溝部25aが形成される。また、貫通孔23bと貫通孔24bとの間の位置に溝部25bが形成される。そして、チップ本体12とフィルム14とが接合された状態において、溝部25a、25bの開口部がフィルム14によって閉塞されることにより、第3領域25a’、25b’が形成される。第3領域25a’、25b’は、カーボンインク16a、16b上に位置する。第3領域25a’、25b’の幅は、カーボンインク16a、16bの幅より長くなるように形成される(図4参照)。第3領域25a’、25b’は、カーボンインク16a、16bの厚みによって生じる未接着部分が予期しない流路となって第1領域23a’、23b’から漏れてきた液体を止める、あるいは、溜める機能を有する。第3領域25a’、25b’の機能についての詳細は後述する。
【0024】
図3は、カーボンインク16a、16b印刷後のフィルム14の形状を示す図である。図3(A)は平面図、図3(B)は正面図、図3(C)は左側面図である。
【0025】
カーボンインク16a、16bが印刷されたフィルム14は、少なくとも微細溝22、貫通孔23a、23b、24a、24b、溝部25a、25bを覆うように、チップ本体12の下面21に、透明な有機接着剤による接着あるいは熱圧着等により接合される。
【0026】
フィルム14をチップ本体12に接合した際には、カーボンインク16aの両端が第1領域23a’の中および第2領域24a’の中に位置し、カーボンインク16bの両端が第1領域23b’の中および第2領域24b’の中に位置する。カーボンインク16a、16bは、導電性があり、電極としての機能を有する。
【0027】
〔マイクロ流路チップによる電気泳動〕
まず、マイクロ流路チップ10において、第1領域(注入口)23a’に泳動液を注入し、流路22’内を充填する。次に分析用の試料を注入する。また、電極棒1a、1bを、第2領域24a’、24b’に挿入してカーボンインク16a、16bに接触させる。
【0028】
そして、電極棒1a、1bに通電することにより、流路22’の両端に電圧をかける。これにより、試料は、貫通孔(排出口)23bに向かって流路22’内を電気泳動する。
【0029】
流路22’内において、試料は、分子量毎の電気泳動速度の違いによって分離される。試験者は、蛍光強度を検出することにより、電気泳動の結果を得ることができる。
【0030】
〔本実施の形態の効果〕
図4は、図1(A)のE−E線拡大断面図である。図4に示すように、カーボンインクの16a(16b)の厚みに起因して、フィルム14のカーボンインクの16a(16b)の周辺部分がチップ本体12に未接着となり(ラミネート不良)、カーボンインクの16a(16b)の縁部において、チップ本体12とフィルム14との間に隙間31a、31bが生じる虞がある。
【0031】
隙間31a、31bは、予期しない流路となり第1領域23a’(23b’)に繋がっている。したがって、マイクロ流路チップ10の流路22’に注入した液体(泳動液、試料)が、毛細管現象により、第1領域23a’(23b’)から隙間31a、31bを伝わって漏れてくる。
【0032】
本実施の形態に係るマイクロ流路チップ10には、第3領域25a’(25b’)が形成される。第3領域25a’(25b’)の幅W1は、カーボンインク16a(16b)の幅W2より長くなるように形成される。このため、第3領域25a’(25b’)は隙間31a、31bと繋がる。
【0033】
したがって、隙間31a、31bを伝わって漏れてきた液体は、第3領域25a’(25b’)に止められ、あるいは、溜められるため、第2領域24a’(24b’)には行かない。
【0034】
この結果、本実施の形態によれば、液体の外部への漏れを防止することができ、電極や外部環境の汚染を防止することができる。
【0035】
[バリエーション]
以下、本実施の形態に係るマイクロ流路チップのバリエーションについて説明する。
【0036】
[バリエーション1]
図5は、本実施の形態に係るマイクロ流路チップのバリエーション1の形状を示す図である。バリエーション1のマイクロ流路チップは、試料をヒータで加熱するために用いられる。図5(A)は平面図、図5(B)はF−F線正面断面図、図5(C)は底面図である。なお、図5(A)、図5(B)には、電熱ヒータ1a−1をともに示す。なお、図5において、図1と共通する部分には、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0037】
図6は、図5のマイクロ流路チップのチップ本体の形状を示す図である。図6(A)は平面図、図6(B)はG−G線正面断面図、図6(C)は底面図である。なお、図6において、図2と共通する部分には、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0038】
バリエーション1は、伝達機能部としての伝熱性に富む金属膜16a−1が一つのみの場合である。図5において、マイクロ流路チップ10−1は、チップ本体12−1、フィルム14−1の形状が図1のチップ本体12、フィルム14と異なる。
【0039】
また、図6において、チップ本体12−1には、貫通孔23a、貫通孔24aが一つずつ形成される。また、チップ本体12−1の下面21−1には、溝部25aが一つ形成される。なお、チップ本体12−1には、微細溝が形成されない。
【0040】
バリエーション1によっても、第1領域23a’から漏れてきた液体が、第3領域25a’に止められ、あるいは、溜められるため、第2領域24a’に到達するのを防ぐことができる。この結果、液体の漏れを防止することができ、外部環境の汚染を防止することができ、電熱ヒータ1a−1によって安全に第1領域23a’内に注入された試料を加熱することができる。
【0041】
[バリエーション2]
図7は、本実施の形態に係るマイクロ流路チップのバリエーション2の形状を示す図である。本バリエーション2では、本発明が実施されているマイクロ流路チップの一部を示して本発明の構成を説明する。図7(A)は平面図、図7(B)はH−H線正面断面図、図7(C)は底面図、図7(D)はJ−J線左側面断面図である。なお、図7(A)、図7(B)には、電極棒1a、1bをともに示す。なお、図7において、図1と共通する部分には、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0042】
図8は、図7のマイクロ流路チップのチップ本体の形状の一部を示す図である。図8(A)は平面図、図8(B)はK−K線正面断面図、図8(C)は底面図、図8(D)はL−L線左側面断面図である。なお、図8において、図2と共通する部分には、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0043】
バリエーション2は、貫通孔23aの代わりに凹み部26を形成した場合である。図7において、マイクロ流路チップ10−2は、チップ本体12−2の形状が図1のチップ本体12と異なる。
【0044】
また、図8において、チップ本体12−2には、貫通孔23aの代わりに凹み部26が形成される。凹み部26は、チップ本体12−2とフィルム14とが接合された状態において、フィルム14側の開口部が閉塞されて第1領域26’を形成する。バリエーション2では、第1領域23b’に注入された試料が、流路22’を伝って第1領域26’に蓄えられる。
【0045】
バリエーション2によっても、第1領域26’、23b’から漏れてきた液体が、第3領域25a’、25b’に止められ、あるいは、溜められるため、貫通孔24a、24bには行かない。この結果、液体の漏れを防止することができ、電極や外部環境の汚染を防止することができる。
【0046】
[バリエーション3]
図9は、本実施の形態に係るマイクロ流路チップのバリエーション3の形状を示す図である。図9(A)は平面図、図9(B)はM−M線正面断面図、図9(C)は底面図、図9(D)はN−N線左側面断面図である。なお、図9(A)、図9(B)には、電極棒1a、1bをともに示す。なお、図9において、図1と共通する部分には、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0047】
図10は、図9のマイクロ流路チップのチップ本体の形状を示す図である。図10(A)は平面図、図10(B)はP−P線正面断面図、図10(C)は底面図、図10(D)はQ−Q線左側面断面図である。なお、図10において、図2と共通する部分には、同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0048】
バリエーション3は、貫通孔24a、24bを形成せず、電極棒1a、1bと接するカーボンインク16a、16bの端部を露出するようにフィルム14よりも小さなチップ本体12−3を用いて第2領域27を形成した場合である。図9、図10において、マイクロ流路チップ10−3は、チップ本体12−3の形状が図1のチップ本体12と異なる。
【0049】
バリエーション3によっても、第1領域23a’、23b’から漏れてきた液体が、第3領域25a’、25b’に止められ、あるいは、溜められるため、第2領域27には行かない。この結果、液体の漏れを防止することができ、電極や外部環境の汚染を防止することができる。
【0050】
なお、上記実施の形態では、導電部材としてカーボンインク16a、16b、伝熱部材として金属膜16a−1を用いる場合について説明したが、本発明はこれに限られず、他の導電部材や伝熱部材を用いても同様の効果を得ることができる。
【0051】
また、上記実施の形態では、カーボンインク16a、16bを印刷する場合について説明したが、本発明はこれに限られず、導電部材や伝熱部材を貼り付ける、あるいは蒸着する等、他の方法を用いても同様の効果を得ることができる。
【0052】
また、上記実施の形態では、フィルム14をチップ本体12に接合する場合について説明したが、本発明はこれに限られず、特許文献1の図1のように、薄板をチップ本体に接合する場合にも同様の効果を得ることができる。
【0053】
また、上記実施の形態では、電極棒1a、1b、電熱ヒータ1a−1を挿入するための貫通孔24a、24bを形成する場合について説明したが、本発明はこれに限られず、特許文献1の図1のような、導電部材(伝熱部材)の一端がチップ本体の外に露出する形態のマイクロ流路チップに対しても同様の効果を得ることができる。
【0054】
本発明は、上記実施の形態に示す通り、液体が導入される空間(第1領域)と、これに電気的または熱的に伝達機能部によって接続されている空間(第2領域)との間に、伝達機能部の縁部に生じ得る隙間(予期しない流路)に連通する空間(第3領域)を形成することによって、第1領域の空間に導入される液体が第2領域の空間に漏れ出るのを防ぐものである。この効果が得られるものであれば、第1領域および第2領域を形成するための基板部材の形状は上記実施の形態において示した形状に限られない。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明に係る流体取扱装置及び流体取扱システムは、生化学や分析化学等の科学分野あるいは医学分野において、微量な物質の検査分析を精度良く高速に行う装置に使用することができる。
【符号の説明】
【0056】
10、10−1、10−2、10−3 マイクロ流路チップ
12、12−1、12−2、12−3 チップ本体
14、14−1 フィルム
16a、16b カーボンインク
16a−1 金属膜
22 微細溝
22’ 流路
23a、23b、24a、24b 貫通孔
23a’、23b’、26’ 第1領域
24a’、24b’、27 第2領域
25a、25b 溝部
25a’、25b’ 第3領域
26 凹み部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の基板部材と、
薄膜または薄板であって、前記基板部材の一面に接合される蓋部材と、
前記蓋部材に、前記基板部材との接合面の一部を覆うように層状に形成され、電気または熱を伝達する伝達機能部と、を有し、
前記基板部材の前記一面の前記伝達機能部の一端に対応する部分には、凹みまたは貫通孔が形成され、前記基板部材と前記蓋部材とが接合された際に前記一面側の開口部が前記蓋部材によって閉塞されることにより第1領域が形成され、
前記伝達機能部の他端に対応する部分には、前記基板部材と前記蓋部材とが接合された際に外部に連通する第2領域が形成され、
前記伝達機能部は、前記第1領域と前記第2領域との間を電気的または熱的に接続し、
前記基板部材の前記一面には、前記第1領域と前記第2領域の間に延びる前記伝達機能部の縁部に架かるように溝部が形成され、
前記溝部の前記一面側の開口部が前記蓋部材によって閉塞されることにより第3領域が形成される、
流体取扱装置。
【請求項2】
請求項1に記載の流体取扱装置を具備する流体取扱システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−220204(P2012−220204A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82819(P2011−82819)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000208765)株式会社エンプラス (403)