説明

流体噴射装置

【課題】構造配置により部品間に発生する摩擦を減らすことにより、使用寿命を延ばして部品の交換頻度を減らす流体噴射装置を提供する。
【解決手段】流体噴射装置は、軸方向で回転可能な流体輸送管体2が内側に配置されている。流体輸送管体2は、互いに接続された輸送セクション21及びベンド出力セクション22を有する。輸送セクション21は、流体供給源に接続された流体入力管体と接続される。流体輸送管体2中には、輸送管体3が貫設される。流体輸送管体2は、流体収納機構と接続される。流体輸送管体2の輸送セクション21とベンド出力セクション22との間には、ベンド出力セクション22より小さな管径を有する径減少セクション23が設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレーガンに関し、特に、混合流体を噴射する流体噴射装置に関する。
【背景技術】
【0002】
各種スプレーガンは、物体表面の埃及び汚れを洗浄したり、水を噴射させたり、ペンキを吹き付けたり、その他様々な用途で用いる。スプレーガンは、高圧流体を噴射させて埃及び汚れを洗浄したり、水又はその他の液体が混合された高圧流体を噴射したりペンキを吹き付けたりするために用いる。
【0003】
図1を参照する。図1に示すように、従来のスプレーガンAには、制御ハンドルA1から高圧流体Gが導入される。高圧流体Gは流体輸送管体A2を介してスプレーガンAの前端に位置する流体チューブA3へ送られて噴射される。流体チューブA3中には管径が小さな輸送管体A4が貫設され、高圧流体Gが流体チューブA3から噴射されると、管口にベンチュリ効果が発生して貯水容器A5中の噴霧液Lが輸送管体A4から噴射される。
【0004】
従来の流体チューブA3は、均一に噴射させることができるように湾曲状かつ回転可能に製作されている。流体チューブA3中の輸送管体A4は可撓性材料からなり、流体チューブA3の回転に応じて湾曲して変形可能である。高圧流体Gと噴霧液Lとの混合流体は、流体チューブA3の回転に応じて各方向へ均一に噴射させることができる。しかし、長期間使用した場合、輸送管体A4が流体チューブA3と接触して磨耗したり、材料が疲労して断裂したりするため、使用寿命が短くなって部品を頻繁に交換する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のスプレーガンは使用寿命が短く、部品を頻繁に交換する必要があるため不便である。
本発明の目的は、部品間に発生する摩擦を減らすことにより、使用寿命を延ばして部品の交換頻度を減らす流体噴射装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によれば、軸方向で回転可能な流体輸送管体が内側に配置された流体噴射装置であって、前記流体輸送管体は、互いに接続された輸送セクション及びベンド出力セクションを有し、前記輸送セクションは、流体供給源に接続された流体入力管体と接続され、前記流体輸送管体中には、輸送管体が貫設され、前記流体輸送管体は、流体収納機構と接続され、前記流体輸送管体の前記輸送セクションと前記ベンド出力セクションとの間には、前記ベンド出力セクションより小さな管径を有する径減少セクションが設けられ、前記輸送管体の排出端は、前記流体輸送管体の前記輸送セクションから前記径減少セクションまで延伸されるか前記径減少セクションに隣接した箇所まで延伸され、前記流体供給源から前記流体輸送管体に供給された流体が前記流体輸送管体の前記径減少セクションまで輸送されると、前記流体収納機構中の収納流体が前記輸送管体の外側に噴射されることを特徴とする流体噴射装置が提供される。
【0007】
前記径減少セクションの管径は、前記輸送セクションから前記ベンド出力セクションにかけて徐々に大きくなることが好ましい。
【0008】
前記輸送管体は硬質材料からなることが好ましい。
【0009】
前記流体輸送管体の前記径減少セクションと前記流体輸送管体の前記輸送セクションとがそれぞれが独立した部材であり、前記径減少セクションは、前記輸送セクションと変位可能に接続されることが好ましい。
【0010】
前記径減少セクションと前記輸送セクションとの間に調節接続部が設けられることが好ましい。
【0011】
前記調節接続部はネジ接続部であることが好ましい。
【0012】
前記流体入力管体は、制御ハンドル中に配置されることが好ましい。
【0013】
前記制御ハンドル中には、前記流体入力管体から供給された流体を調節する調節機構が配置されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の流体噴射装置は、輸送管体と流体輸送管体とが直接接触されないため、輸送管体と流体輸送管体との間に摩擦が生じることを防いで輸送管体の使用寿命を延ばすことができる。輸送管体は流体輸送管体の回転に伴って湾曲・変形させる必要が無いため、損耗したり材料の疲労による断裂が発生したりすることを防ぎ、使用寿命を延ばして交換頻度を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は従来のスプレーガンを示す部分断面図である。
【図2】図2は本発明の一実施形態による流体噴射装置を示す斜視図である。
【図3】図3は本発明の一実施形態による流体噴射装置を示す部分断面図である。
【図4】図4は本発明の一実施形態による流体噴射装置を示す部分拡大図である。
【図5】図5は本発明の他の実施形態による流体噴射装置を示す部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0017】
図2〜図5を参照する。図2〜図5に示すように、本発明の一実施形態による流体噴射装置100は本体1を含む。本体1は、一端に噴霧ヘッド11が設けられ、他端に制御ハンドル12が設けられ、下方に流体収納機構13が結合されている。
【0018】
流体噴射装置100の本体1中には流体輸送管体2が配置されている。流体輸送管体2は、軸受20により本体1に結合され、流体噴射装置100中で軸方向で回転可能である。流体輸送管体2を回転させる構造には多種類ある。例えば、流体輸送管体2にモータ、ファン又はその他の機構を結合させてもよいが、本発明の態様はこれらだけに限定されるわけではなく、流体輸送管体2を回転させることができる全ての構造を含む。
【0019】
流体輸送管体2は、輸送セクション21、ベンド出力セクション(bend output section)22及び径減少セクション(decresing section)23を有する。
【0020】
輸送セクション21は、制御ハンドル12中に設置された流体入力管体121と接続されている。流体入力管体121は、流体供給源(図示せず)に接続され、流体供給源からの流体F1が、流体入力管体121を介して流体輸送管体2中に流入する。制御ハンドル12には、調節機構122が配置されている。調節機構122は、流体入力管体121から流入した流体F1の流量を調整したり、流体輸送管体2中に流体F1が流入することを止めたりするために用いるバルブのような機能を有する。
【0021】
ベンド出力セクション22は、輸送セクション21に接続され、本体1の噴霧ヘッド11中に配置されて湾曲構造を有するため、流体輸送管体2が回転するとベンド出力セクション22の回転角度に対応して流体輸送管体2中の流体F1が様々な方向に噴射される。
【0022】
径減少セクション23は、輸送セクション21とベンド出力セクション22との間に接続され、ベンド出力セクション22より小さな管径を有する。本実施形態の流体輸送管体径減少セクション23の管径は、輸送セクション21から外側のベンド出力セクション22にかけて徐々に大きくなっている。しかし、本発明はこの態様だけに限定されるわけではなく、輸送セクション21の管径が径減少セクション23の管径より大きくてもよい。
【0023】
流体輸送管体2中には輸送管体3が貫設されている。流体輸送管体2は、一端が流体収納機構13に接続され、流体収納機構13中に収容した収納流体F2を輸送するために用い、流体輸送管体2の輸送セクション21から径減少セクション23に隣接した箇所まで延伸されたり(図4参照)、径減少セクション23中まで延伸されたりした(図5参照)排出端31が他端に設けられている。
【0024】
流体輸送管体2中に入力された流体F1が流体輸送管体2の径減少セクション23に流入すると、輸送管体3の排出端31にベンチュリ効果が発生し、このベンチュリ効果により、流体収納機構13中に収納された収納流体F2が吸着力により輸送管体3に吸入されて輸送管体3の排出端31から排出され、輸送管体3の排出端31から排出された収納流体F2が流体F1と混合し、ベンド出力セクション22から外部に噴射される。
【0025】
輸送管体3の排出端31の位置はベンチュリ効果の発生に影響を与える。即ち、輸送管体3の排出端31から排出される収納流体F2の流量比に影響を与える。本実施形態では、収納流体F2の流量比を調節するために、流体輸送管体2の径減少セクション23と、流体輸送管体2の輸送セクション21とがそれぞれが独立した部材であり、径減少セクション23は、輸送セクション21と変位可能に接続されている。具体的には、径減少セクション23と輸送セクション21との間に調節接続部24が設けられている。本実施形態の調節接続部24はネジ接続部である。この構成により径減少セクション23の位置を調整し、輸送管体3の排出端31と流体輸送管体2の径減少セクション23との相対位置を変えることができる。
【0026】
本実施形態の構造は、輸送管体3と流体輸送管体2とが直接接触されないため、輸送管体3と流体輸送管体2との間に摩擦が生じることを防いで輸送管体3の使用寿命を延ばすことができる。輸送管体3は、流体輸送管体2の回転に伴って湾曲・変形させる必要が無いため、構造強度を高めるために硬質材料で製作してもよい。
【0027】
当該分野の技術を熟知するものが理解できるように、本発明の好適な実施形態を前述の通り開示したが、これらは決して本発明を限定するものではない。本発明の主旨と領域を逸脱しない範囲内で各種の変更や修正を加えることができる。従って、本発明の特許請求の範囲は、このような変更や修正を含めて広く解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0028】
1 本体
2 流体輸送管体
3 輸送管体
11 噴霧ヘッド
12 制御ハンドル
13 流体収納機構
20 軸受
21 輸送セクション
22 ベンド出力セクション
23 径減少セクション
24 調節接続部
31 排出端
100 流体噴射装置
121 流体入力管体
122 調節機構
F1 流体
F2 収納流体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向で回転可能な流体輸送管体が内側に配置された流体噴射装置であって、
前記流体輸送管体は、互いに接続された輸送セクション及びベンド出力セクションを有し、
前記輸送セクションは、流体供給源に接続された流体入力管体と接続され、
前記流体輸送管体中には、輸送管体が貫設され、
前記流体輸送管体は、流体収納機構と接続され、
前記流体輸送管体の前記輸送セクションと前記ベンド出力セクションとの間には、前記ベンド出力セクションより小さな管径を有する径減少セクションが設けられ、
前記輸送管体の排出端は、前記流体輸送管体の前記輸送セクションから前記径減少セクションまで延伸されるか前記径減少セクションに隣接した箇所まで延伸され、前記流体供給源から前記流体輸送管体に供給された流体が前記流体輸送管体の前記径減少セクションまで輸送されると、前記流体収納機構中の収納流体が前記輸送管体の外側に噴射されることを特徴とする流体噴射装置。
【請求項2】
前記径減少セクションの管径は、前記輸送セクションから前記ベンド出力セクションにかけて徐々に大きくなることを特徴とする請求項1に記載の流体噴射装置。
【請求項3】
前記輸送管体は硬質材料からなることを特徴とする請求項1に記載の流体噴射装置。
【請求項4】
前記流体輸送管体の前記径減少セクションと前記流体輸送管体の前記輸送セクションとがそれぞれが独立した部材であり、
前記径減少セクションは、前記輸送セクションと変位可能に接続されることを特徴とする請求項1に記載の流体噴射装置。
【請求項5】
前記径減少セクションと前記輸送セクションとの間に調節接続部が設けられることを特徴とする請求項4に記載の流体噴射装置。
【請求項6】
前記調節接続部はネジ接続部であることを特徴とする請求項5に記載の流体噴射装置。
【請求項7】
前記流体入力管体は、制御ハンドル中に配置されることを特徴とする請求項1に記載の流体噴射装置。
【請求項8】
前記制御ハンドル中には、前記流体入力管体から供給された流体を調節する調節機構が配置されていることを特徴とする請求項7に記載の流体噴射装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−237309(P2012−237309A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−212075(P2011−212075)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(511233692)錮徳工業有限公司 (2)
【氏名又は名称原語表記】STRONG FORTRESS TOOL CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】12F.−6, No.75, Sec. 1, Xintai 5th Rd., Xizhi Dist., New Taipei City, Taiwan
【Fターム(参考)】