流体抵抗改善のためのバッフル層を持つ顔用マスク
顔用マスク(10)が提供される。顔用マスク(10)は、呼吸の空気が本体部(12)を通して引き込まれるように、使用者(14)の口及び鼻の少なくとも一部分を覆って位置されるように形成される本体部(12)を含む。本体部(12)は、流体がマスクを透過する通り抜けを妨げるためにバッフル層(16)を含む。バッフル層(16)は、外側又は内側表面(18、20)から延びる複数の突起部(22)を備えた外側表面及び内側上面(18、20)を有する。バッフル層(16)は、マスクの本体部を透過する流体と関連するエネルギーの吸収を助ける。バッフル層(16)は、突起部(22)の間のチャネル内の衝撃点(24)から遠ざかる方向に流体を分布させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
顔用マスク及び人工呼吸装置は、ほこり及び他の有害な空気によって運ばれる汚染物質を、着用者が口又は鼻を通して吸入することを防止する点で、様々な製造環境、保護管理環境、及び家庭用途において有用である。同様に、顔用マスクの使用は、疾病の広がりを妨げるために健康ケア−企業において実施が推奨されている。健康ケア−担当者によって着用される顔用マスクは、着用者から吐き出された空気を濾過することにより患者への感染を減少させ、その結果、周囲環境に放出された多くの有害な有機体又は他の汚染物質を減少させることになる。
【0002】
このことは、傷部位が開状態のために、患者が極めて感染しやすくなっている手術中においては、特に重要である。同様に、呼吸器感染している患者は、顔用マスクを使用して、吐き出されたあらゆるばい菌を濾過及び収容することにより、疾病の拡大を防止することができる。更に、顔用マスクは、空気によって運ばれる汚染物質及び吸入した空気から微生物を濾過することにより、健康ケア−従事者を守る。
【0003】
肝炎及びエイズなどのような幾つかの疾病は、感染した血液又は他の身体流体が、他人の粘膜、すなわち目、鼻、口などに接触することにより拡大される。健康ケア−企業は、汚染された身体流体と接触する可能性を減少するための特定の行為を行うことを推奨している。これを実施する1つの方法は、身体流体の飛沫が通り抜けないように抵抗する顔用マスクの使用である。
【0004】
顔用マスクの鼻及び口を覆う部位は、典型的には、前パネル又は本体部として知られている。マスクの本体は、幾つかの材料の層で形成することができる。少なくとも1つの層は、ばい菌及び他の汚染物質の通過は妨げるが、使用者が心地良く呼吸できるように空気を通過させる濾過材料(濾過媒体層)で形成される。マスクの多孔性は、マスクを通してどのくらい空気を引き込みやすいかを意味する。孔が多いマスクは、呼吸しやすい。本体部は又、顔用マスクに付加的機能又は特性を付与するために複数の層を含むことができる。例えば、多くの顔用マスクは、濾過媒体層のいずれの側部にも材料の層を含む。着用者の顔に接触する層は、典型的には、内側層を意味する。顔から最も離れた層は、外側層を意味する。
【0005】
顔用マスクは又、マスクの周辺を着用者の顔に対してシールするように設計されてきた。このようなシール形態は、空気の入れ換えのすべてをマスク本体を通して行うように強制し、空気によって運ばれる病原体及び/又は伝染性流体が着用者に及び/又は着用者から移動することを妨げるように意図されている。
【0006】
本体部には、使用者の頭部に本体部を固定して保持するための装置が取り付けられる。例えば、使用者の頭部の周囲に延ばして、着用者の頭部の後ろで結ばれる、手でなされる結び紐は、典型的には手術中に着用されるマスクにおいて使用されている。健康ケア−のために使用される人工呼吸器は、典型的には、弾性バンドを使用し、頭部の周囲を囲んで緊密なシールを確保するために、本体部を顔にしっかりと保持する。着用者の耳に掛けられるループを使用するマスクは、典型的には、隔離病棟又は歯科衛生士などの手術ではない健康ケア−の場合に使用される。
【0007】
前述したように、顔用マスクは、流体飛沫が通り抜けるのに抵抗するように設計されているので、血液又は他の流体内に見られる病原体は、顔用マスクの使用者の鼻、口及び/又は皮膚に移動することはできない。顔用マスクの飛沫通り抜けに抵抗する能力を評価するために、American Society of Testing and Materialsは、F−1862テスト法「Standard Test Method of Resistance of Medical Face Masks to Penetration by Synthetic Blood(Horizontal Projection of Fixed Volume at a Known Velocity)」を開発した。顔用マスクの飛沫に対する抵抗は、典型的には、流体通り抜けを妨げる顔用マスクの層の能力、及び/又は流体飛沫エネルギーの次の層への移動を減少させる能力、及び/又は飛沫エネルギーの吸収力による機能である。流体抵抗を改善する典型的試みは、顔用マスクの形成において厚めの材料又は付加層を使用することである。しかしながら、これらの解決策は、顔用マスクの費用を増加させ更に顔用マスクの多孔性を減少するものとなる。
【0008】
顔用マスクの飛沫抵抗を改善する付加的試みは、多孔層、嵩高、繊維性材料を組み込むことである。この型の材料は、層が流体飛沫の衝撃エネルギーを吸収するという利点がある。しかしながら、流体がこの嵩高材料を飽和させ、その後の流体飛沫エネルギー吸収効率を減少させる場合が多い。更に、顔用マスクが圧縮された時、流体がこの嵩高材料から絞り出されて次の層を通して移動する可能性がある。
【0009】
顔用マスクに組み込まれる孔あきフィルムは、米国特許第4,920,960号に示されており(その全体はすべての目的についてここに組み入れられる)、これは、顔用マスクに流体バリア性を与えながら、フィルムの孔を通して使用者が呼吸することができるようにするために使用することができる。
【0010】
幾つかの顔用マスクにおいては、点接着ポリオレフィンの層、典型的にはポリプロピレンスパンボンドを、飛沫抵抗を改善するために濾過媒体層のいずれかの側部に配置することができる。
【0011】
本発明は、顔用マスクに飛沫抵抗を与えるための付加的試みを提供するものである。
【0012】
【特許文献1】米国特許第4,920,960号公報
【特許文献2】米国特許第4,374,888号公報
【特許文献3】米国特許第5,401,466号公報
【特許文献4】米国特許第6,484,722号公報
【特許文献5】米国特許第5,699,791号公報
【特許文献6】米国特許第4,802,473号公報
【特許文献7】米国特許第4,969,457号公報
【特許文献8】米国特許第5,322,061号公報
【特許文献9】米国特許第5,383,450号公報
【特許文献10】米国特許第5,553,608号公報
【特許文献11】米国特許第5,020,533号公報
【特許文献12】米国特許第5,813,398号公報
【特許文献13】米国特許第5,681,645号公報
【特許文献14】米国特許第5,493,753号公報
【特許文献15】米国特許第4,100,324号公報
【特許文献16】米国特許第5,540,976号公報
【特許文献17】米国特許第5,401,446号公報
【特許文献18】米国特許第4,215,682号公報
【特許文献19】米国特許第4,375,718号公報
【特許文献20】米国特許第4,592,815号公報
【特許文献21】米国特許第4,874,659号公報
【特許文献22】米国特許第3,953,566号公報
【特許文献23】米国特許第4,187,390号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の様々な特徴及び利点は、以下の説明において大部分が述べられ、或いはこの説明により明らかとなるであろう。
【0014】
本発明は、呼吸のための空気が、マスクの本体を通って引き込まれるようにした、使用者の口と鼻の少なくとも一部分とを覆って配置されるように形成された本体部を備えた顔用マスクを提供する。本体部は、飛沫の衝撃エネルギーを消散させ及び/又は流体飛沫を、衝撃部位から横方向に遠ざかるように流出しやすくさせるバッフル層を有する。バッフル層は、外側表面及び内側表面を有する。バッフル層は、外側表面又は内側表面の1つ又は両方から延びる複数の突起部又は突出部を含む。バッフル層は、三次元形状で、区分された点において前及び/又は後の層と接触するようにすることができる。バッフル層は、本体部を透過する流体に関連するエネルギーを吸収することの助けとなるように形成される。バッフル層は、本体部の単一層を構成することができ、或いは1つまたはそれより多い付加層と組み合わせて使用することができる。例えば、本体部は、バッフル層の突起部に接触する外側層、及びバッフル層の内側層に接触する第三層を有することができる。
【0015】
本発明の他の例示的実施形態は、上記したように、バッフル層の外側表面上の突起部が、本体部を透過する流体の流れを再配向させるために複数の相互接続チャネルを定める顔用マスクにある。これに関しては、流体は、流体がバッフル層に最初に接触する点から遠ざかるように、バッフル層の外側表面を横方向に向けられる。
【0016】
代替的には、バッフル層は、本体部とは別の層ではなく、代わりに本体部に存在する層に組み込むことができる。例えば、本体部は、使用者の皮膚に接触する内側層、外側層、及び、3次元ワッフル又は卵カートン形状に形成されて内側層と外側層の間に配置される濾過媒体層を持つことができる。バッフル媒体層から延びる複数の突起部は、内側層及び外側層の両方から延び、その結果3つの層間の接触を最小にする。
【0017】
バッフル層の突起は、他の例示的実施形態によると、円形枕、六角錘、円錐、又はプリーツなどの種々異なる形状とすることができる。更に、突起部を持つ層はフィルムとすることができ、各々の突起部はフィルムを通した穴を含むことができる。
【0018】
上記した顔用マスクの例示的実施形態は、顔用マスクが着用される時、本体部において使用者から大きく離れて位置決めされる付加層を含むことができ、これはバッフル層より剛性である。
【0019】
突起部は、使用者から遠い側のバッフル層の外側表面上に位置させることができる。各々の突起部は、層の内側表面上に内腔を定める。顔用マスクの本体部は、複数の層を持つことができ、突起部は、突起部を持つバッフル層の側部と隣接層の間に内部空間を定める。バッフル層の内側表面上の内腔は、層の内側表面と隣接層の間の接触を最小にし、更に流体が透過するのを妨げるために、顔用マスクの層間の接触を最小にするように機能する。
【0020】
バッフル層の突起部及び外側表面は、本体部を透過する流体の流れを再配向するために複数の相互接続チャネルを定める。したがって、流体は、該流体が最初に接触した部分より流体透過に対し不透過性である顔用マスクの部分に向けることができる。又、顔用マスク全体に流体を再分散させることにより、領域の流体濃度が減少し又はなくなるので、顔用マスクを通した流体の透過は大幅に少なくなる。チャネルは又、顔用マスクの隣接層の間に空間を形成する。この空間は、顔用マスクの近接した層の間の接触量を減少し、その結果として流体透過をなくし、或いは透過の量を減少する。
【0021】
(定義)
ここで用いられる「不織布又はウエブ」という用語は、個々の繊維又は糸が互いに組み合わされているが、編布の場合のように識別可能な繰り返される形ではない構造を持つウエブを意味する。不織布又はウエブは、例えばメルトブローン法、スパンボンディング法、及びボンデッドカーデッドウエブ法などの様々な方法により形成されてきた。不織布の基本重量は、通常平方ヤード当たりの材料のオンス(osy)又は平方メートル当たりのグラム(gsm)で表わされ、繊維直径は、通常ミクロンで表わされる。(osyからgsmに換算する時は、osyに33.91を掛けること。)
【0022】
ここで用いられる「複合体」という用語は、多成分材料又は多層材料であるような材料を意味する。これらの材料は、例えば、延伸接着積層体、ネック付与状態で接着した積層体、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0023】
ここで用いられる「超音波接着」という用語は、音響ホーン及びアンビルロールの間に材料を通過させることにより、材料(繊維、ウエブ、フィルムなど)が結合される方法を意味する。このような方法の例は、Bornslaeger他の米国特許第4,374,888号に記載されており、その内容は引用によりここに組み入れられる。
【0024】
ここで用いられる「熱点接着」という用語は、加熱されたカレンダーロールとアンビルロールの間に接着されるように材料(布、ウエブ、フィルムなど)を通過させることを意味する。カレンダーロールは通常、常にではないが、幾つかの方法でパターン化されているので、布全体は表面全体にわたっては接着されず、アンビルロールは通常平滑である。結果として、カレンダーロールの様々なパターンが、機能のためだけでなく美的理由からも開発されてきた。典型的には、接着面積率は、布積層体面積のおよそ10パーセントからおよそ30パーセントまで種々異なる。接着面積は、典型的には、別個の点又は形状であり、相互接続されていない。当業者によく知られているように、熱点接着は、積層体層を共に保持し、各々の層の中の接着フィラメント及び/又は繊維により個々の層に一体性を与え、その動きを制限する。
【0025】
ここで用いられる「熱パターン接着」という用語は、熱点接着の場合のように、加熱されたカレンダーロールとアンビルロールとの間に材料(繊維、ウエブ、フィルムなど)を通過させて接着することを意味する。違いは、接着された領域が、別個の非接着繊維領域を形成するように相互接続されていることである。様々なパターンのカレンダーロールが、機能だけでなく美的理由からも開発されてきた。典型的には、接着面積比は、布積層体面積のおよそ10パーセントからおよそ30パーセントの範囲で種々異なる。
【0026】
ここで用いられる「エレクトレット」又は「エレクトレット処理」は、ポリオレフィンのような誘電性材料を荷電する処理を意味する。電荷は、ポリマーの表面又は表面の近くにトラップされた正電荷又は負電荷、或いはポリマーの本体内に蓄えられた電荷クラウドの層を含む。電荷は又、分子の双極子の配列に拘束された分極電荷を含む。材料にエレクトレット処理を施す手段は,当業者によく知られている。これらの手段は、例えば熱性、液体接触、電子ビーム、及びコロナ放電法などを含む。材料にエレクトレット処理を施す1つの特定の技術は、米国特許第5,401,466号に記載されており、その全体は引用によりここに組み入れられる。この技術は、材料を1対の電場に曝すことを含み、この電場は正反対の両極性を持つ。
【0027】
ここでは、与えられた範囲のいずれも、含まれる範囲のいずれか、及びそれより小さいものをすべて含むという意味である。例えば、45−90の範囲は、50−90、45−80、46−89及び同様のものも含むことになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の実施形態について詳細が説明されており、1つ又はそれより多くの例が図面に描かれている。各々の実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明を制限する意味ではない。例えば、1つの実施形態の部分として描かれ、或いは説明される特徴は、別の実施形態において利用し、更に別の実施形態とすることができる。本発明は、これらの及び他の修正及び変更を含むことが意図されている。
【0029】
本発明は、ここで説明されている数値範囲及び限定に制限されるものではない。例えば、約100から約200の範囲は、約110から約190、約140から約160、及び31から45の範囲も含む。更に別の例として、約10より小さいという数値限定は、約7より小さい、約5より小さい、及び約3より小さいという数値限定を含む。
【0030】
本発明は、バッフル層を組み込む顔用マスクを提供するものである。バッフル層は、顔用マスクの別の層とするか、或いは顔用マスクのすでに存在する層に組み込まれたもののいずれかとすることができる。バッフル層は、流体飛沫の通り抜けに抵抗するために、材料の隣接層との接触を減少させ及び/又は顔用マスクへの流体衝撃により形成されるエネルギーを吸収し、及び/又は顔用マスクを透過する流体が接触点から遠ざかる方向に通されることができる機構を提供することにより、顔用マスクの能力を改善するものである。
【0031】
図1及び図2は、本発明の1つの例示的実施形態に使用することができる顔用マスクを示している。顔用マスク10は、使用者14の口及び鼻の少なくとも部分を覆って配置されるように形成された本体部12を含み、通常の呼吸を通して交換された空気が、顔用マスク10の本体部12を通過する。しかしながら、本体部12は、これらに制限されるものではないが、平らな半切マスク、プリーツ加工された顔用マスク、円錐状マスク、平らな折りたたまれた個人用呼吸装置、カモノハシ型マスク、台形型マスクなどのような種々異なる型及び形状とすることができることを理解すべきである。本体部12は、米国特許第6,484,722号に記載されるように形成することができ、この特許の全体はすべての目的について引用によりここに組み入れられる。したがって、顔用マスク10は、使用者12の口及び鼻を周囲環境から隔離する。顔用マスク10は、1対の結び紐54によって使用者14に取り付けられ、該結び紐は、使用者14の頭部(及び使用者が着用している場合はヘアーキャップ52)を囲んで互いに接続される。しかしながら,他の型の締結形態も、本発明の様々な例示的実施形態において使用できることが理解されるべきである。例えば、結び紐54の代わりに、顔用マスク10は、耳ループ、頭部を囲む弾性帯、フック・ループ型締結形態によって使用者14に取り付けられるか、弾性帯によって単一片として使用者14の頭部を囲むか、或いはヘアーキャップ52に直接取り付けられることができる。
【0032】
更に、顔用マスク10の形態は、様々な例示的実施形態によって異なるものとすることができる。これに関しては、顔用マスク10は、使用者の両目、髪、鼻、喉、及び口を覆うように形成することができる。このように、本発明は、使用者14の鼻及び口だけを覆う、顔用マスク10だけに制限されるものではない。
【0033】
本発明は、顔用マスク10の本体部12に組み込まれるバッフル層16を提供するものであり、1つの例示的実施形態が図3に示されている。ここでは、バッフル層16は、三次元形状を持ち、バッフル層16の外側表面18は、そこから延びる複数の突起部22を持つ。図3に示すように、突起部22は、すべてが実質的に均一であり、円形枕形状とする。この場合、バッフル層16は、嵩高な二成分スパンボンド材料とすることができる。円形枕形状の突起部22は、熱パターン接着されたバッフル層16により形成することができる。
【0034】
図7は、図1の7−7の線に沿って見た断面図であり、顔用マスク10に組み込まれた図3のバッフル層16を示している。この例示的実施形態においては、顔用マスク10の本体部12は、4つの層を含む。バッフル層16は、本体部12において分離した層であり、外側層30と濾過媒体層28の間に配置される。内側層32は、濾過媒体層28に近接して配置される。
【0035】
内側層32は、顔用マスク10の使用者14(図2)の皮膚に接触する。外側層30は、顔用マスク10が着用される時、使用者14(図2)から最も離れて位置される本体部12の部分である。濾過媒体層28は、本体部12を通る病原体の通過を妨げるが、使用者14(図2)に呼吸させるために、空気の通過を可能にするように形成される。想像できることではあるが、本体部12内の層16、28、30及び32の配列は、どのような組み合わせの順番も可能であるように変更することができる。例えば、濾過媒体層とすることができる第一層28は、本体部12の最も外側の層又は最も内側の層上に位置させることができる。
【0036】
図3及び図9を参照すると、突起部22は、バッフル層16の外側層20から延び、濾過媒体層28から遠ざかるように向けられることがわかる。これに関して、本体部12の外側層30を透過する流体は本体部12上に力を与え、外側層30を通して突起部22にまで移動する。
【0037】
突起部22は、これらの三次元構造が、本体部12の外側層30を透過する流体によって移動される力の少なくとも一部分を吸収するように形成される。流体透過により与えられたこれらの力の吸収は、流体が、本体部12の濾過媒体層28及び内側層32を通り抜けるのを妨げることができる。これに関して、流体が本体部12の1つ又はそれより多い層の間ですでにトラップされている場合もあり得る。本体部12を透過する流体により与えられた力は、これらのすでにトラップされた流体を本体部12を通して更に押し出すようにすることができる。本体部12上の流体透過により形成されるすべて或いは一部の力を吸収するバッフル層16を有することにより、バッフル層16は、これらのトラップされた流体が、本体部12の層を通して伝播し、顔用マスク10の使用者14(図2)に接触することを防止する。
【0038】
図7に見られるように、突起部22は、バッフル層16の外側表面20上に位置されたチャネル26を定める。図11により明らかに見られるように、突起部22は、バッフル層16と外側層30の間に内部空間50を定める。同様に、内腔48は、バッフル層16の内側層18と濾過媒体層28の間に空間を定める。内部空間50(図11)及び内腔48により形成された空間は、層30及び層28を分離させる。これは、層間の接触面積を減少させ、1つの層から次の層への流体吸い上げ能力を低下させるものである。このように、突起部22は、本体部12の層を分離させ、層間の接触表面面積を減少させることにより、流体が本体部12の層を通して容易に移動できないようにする。
【0039】
図8は、図3及び図7に使用されるバッフル層16の斜視図である。図8に見られるように、突起部22は、バッフル層16の外側表面18上に複数のチャネル26を定める。バッフル層16を直接透過するか、或いは本体部12の前の層を通してバッフル層16に移動する流体は、接触点24でバッフル層16に接触する。流体は、次に、バッフル層16の外側表面18上のチャネル26を通して移動させられることにより、接触点24から分散させられることができる。チャネル26を付与することにより、流体は、バッフル層16の外側表面18に移動し、より均一に分布されることができる。
【0040】
この流体の分布は、バッフル層16の外側表面18上の特定の位置に流体が溜って蓄積することを防止するものである。バッフル層16上の特定の位置に流体が大量に集中すると、同じ量の流体が、バッフル層16の外側表面18の広い部分に分布された場合とは対照的に、流体がバッフル層16を通して移動する傾向が多くなることが典型的に生じる。
【0041】
チャネル26は、相互接続チャネルとすることができ、すべてのチャネル26は、互いに連通状態にある。これは、いずれの接触点24においても、バッフル層16に接触する流体が、多くのチャネル26を通して分布されるようになる利点をもたらす。代替的には、チャネル26は、チャネル26の一部分だけが互いに連通状態になるように形成することができる。更に、本発明の他の例示的実施形態によると、どんな数のチャネル26を設けることもできる。
【0042】
チャネル26は、バッフル層16に接触する流体を、本体部12上又はその中の望ましい位置に再配向させることができる。例えば、接触点24においてバッフル層16に当たる流体が、バッフル層の外側表面18に沿って再指向され、例えば顔用マスク10の側部に沿った位置に本体部12を通して流れるように、チャネル26を形成することができる。この型の配列は、顔用マスク10の使用者の鼻及び/口に流体が接触することを妨げ、代わりに使用者の鼻及び/口から遠ざかる位置に流体を再指向させるという利点がある。
【0043】
図7に示されるように、バッフル層16は、顔用マスク10の本体部12を形成する4つの層のうちの1つの層とすることができる。しかしながら、本発明の様々な例示的実施形態においては、どのような数の層によって本体部12を形成してもよいことが理解されるべきである。例えば、本発明の1つの例示的実施形態においては、単一層のみが、これはバッフル層16となるものであるが、本体部12を形成するために使用される。代替的には、本体部12は、バッフル層16は、バッフル層16のいずれの側にも直接に隣接する層を持たないように形成することができる。これに関して、バッフル層16の内側表面20が、使用者の皮膚に直接接触する場合もある。代替的には、本体部12は、バッフル層16の外側表面18が、本体部12の最も外側の部分を定めるように形成し、バッフル層16の外側層18が本質的に顔用マスク10の外側表面を構成するようにすることができる。この実施形態においては、バッフル層16が1つの表面だけに突起部22を有するものであれば、バッフル層16の内側層20上に該突起部を有するようにすることにより、飛沫抵抗は理想的なものとなるであろう。これは、バッフル層16と隣接層との間の接触を最小にすることになる。このように、本発明は、バッフル層16のいずれの側にも層が存在しないような様々な例示的実施形態を含む場合がある。
【0044】
本発明の1つの例示的実施形態によると、本体部12は、バッフル層16が、バッフル層16の外側表面18と内側表面20の両方に隣接する層を有するように形成されている。更に、流体飛沫からの衝撃力をバッフル層16に移す層は、バッフル層16より剛性であるように形成することができる。例えば、図7を参照すると、流体は外側層30に接触する。外側層30を通り抜ける流体は、バッフル層16の突出部22の間のチャネル26内に集積される。流体透過に関しては、バッフル層16の前部にバッフル層16より剛性である1つ又はそれより多い層を形成することにより、流体透過の衝撃エネルギーは本体部12のより広い領域にわたって分布されるという利点があることを、本出願人は見出した。これに関しては、流体が、本体部12を通して移動されにくくなる。しかしながら、本発明は又、バッフル層が前の層より剛性であるか、又は前の層と同じくらい剛性である例示的実施形態も含む。
【0045】
図10は、バッフル層16が、本体部12の濾過媒体層28に組み込まれた例を示している。ここで見られるように、外側層とすることができる第一層は、バッフル層16の外側表面18に近接して配置され、内側層とすることができる第二層は、バッフル層16の内側表面20に近接して配置される。代替的には、バッフル層16は、本体部12の外側層30又は内側層32に組み込まれるように、顔用マスク10に組み込むことができる。
【0046】
本発明の付加的例示的実施形態においては、1つより多いバッフル層16が本体部12に組み込まれる。例えば、バッフル層16を、本体部12に組み込み、濾過媒体層28は、三次元バッフル層形状に形成することができる。本発明の更なる例示的実施形態では、バッフル層16が、突起部22が使用者に向かって延びるように配向される。図10を参照すると、バッフル層16は裏返され、突起部22が内側層32に向かって、更に結果として顔用マスク10の使用者14(図2)に向かって延びるようにされる。本発明の更なる例示的実施形態では、突起部22が、使用者に向かって、かつ使用者から離れる方向に延びる。これに関しては、突起部22は、突起部22が使用者に向かって延びる場合に、本体部12上のある位置で、流体透過の衝撃力に良好なクッション効果を与える。このように、本発明は、顔用マスク10が着用される時、使用者から遠ざかる方向に延びる突起部22を持つことに制限されるものではない。
【0047】
図9は、バッフル層16が、外側表面20から延びる複数の突起部22を持つ場合の代替的例示的実施形態を示している。しかしながら、前述した例示的実施形態とは違って、突起部22は、バッフル層16の内側表面18上に複数の内腔を定めない。これに関しては、バッフル層16の内側表面18は、本質的に内側表面18の表面全体に沿って、本体部12の濾過媒体層28と接触する。更に別の例示的実施形態においては、付加的突起部22が、バッフル層16の内側表面18から延び、更に濾過媒体層28と係合する。このような形態においては、1対の内側空間50(図11)が形成され、1つは、外側表面20と外側層30の間に定められ、もう一方は、内側表面18と濾過媒体層28の間に定められる。
【0048】
付加的例示的実施形態においては、突起部22が円形枕の形状ではない状態で存在する。例えば、図4は、バッフル層16が、エンボス加工されたボンデッドカーデッドウエブ材料である実施形態を示している。この場合には、突起部22は六角形状とする。バッフル層16は、軽量(0.5から1.9osy)ボンデッドカーデッドウエブ材料とすることができ、六角形状突起部22は、噛合いエンボスロールを使用してエンボス加工される。突起部22は、複数の相互接続チャネル26を定めるように配列することができる。凹み38は、六角形状突起部22の外側表面上に位置させることができる。凹み38の存在は、バッフル層16の構造的剛性を増加させ、流体透過の衝撃力に更にクッション効果を与える付加的空間を提供し、更に隣接層との接触を最小にし、流体通り抜けの機会を減少させることができる。
【0049】
バッフル層16の更なる例示的実施形態が図5に示されている。この場合には、バッフル層16は、不透過性フィルム40である材料から形成することができる。フィルム40は、流体がそこを通って移動することを妨げ、本体部12の流体透過を妨げる能力を助長するように形成することができる。フィルム40は、1つの例示的実施形態においては、Tredegar6607 Visporeフィルムとすることができる。孔あきフィルム40の例は、上記した米国特許第4,920,960号に見ることができる。
【0050】
図5に示されているバッフル層16は、内部に配置された孔42の形状で複数の小孔を持つことができる。孔42は、各々の突起部22上に配置される。孔42は、バッフル層16を通して空気を移動させ、これにより使用者が呼吸することが可能となる。しかしながら、孔42のサイズがあまり大きすぎると,バッフル層16上の特定の位置に蓄積された流体が、孔42を通して移動することになる。この場合においては、バッフル層16を通して空気は移動するが、流体の移動は妨げるような大きさが、孔42の最適なサイズになる。本発明の1つの例示的実施形態によると、孔42は、直径1ミリメートルとすることができる。代替的には、様々な例示的実施形態によると、孔42は、0.5ミリメートルから1.5ミリメートルの間とすることができる。
【0051】
図6は、突起部22が、バッフル層16の外側表面18に沿って配置された隆起部44の形状である代替的形態を示している。複数の隆起部44は、その間に複数の谷部46を定める。この結果、この例示的実施形態においては、バッフル層16の外側表面18は波形状を有する。バッフル層16に接触する流体は、谷部46に沿って移動させることができ、前述した例示的実施形態で述べたように、この谷部46はチャネル26として機能する。谷部46は、バッフル層16の様々な形態に関しては、互いが相互接続することができ、或いは、互いに独立したものとすることができる。更に、他の例示的実施形態に関して上記した突起部22が内腔48を形成するのと同様に、隆起部44は、バッフル層16の内側表面20上に対応する内腔を形成することができる。
【0052】
突起部22は、多くの型、形状、又はパターンの如何なる形ででも形成することができる。小さく、緊密なパターンの突起部は、本体部12の外側層にあまり剛性ではない支持を付与するために使用することができる。大きく、距離の離れたパターンの突起部22は、多量の流体を集積するために、バッフル層16に多くのチャネルを提供するために使用することができる。
【0053】
バッフル層16は、ポリオレフィン不織材料のような疎水性材料により形成することができる。バッフル層16を分離した層として顔用マスク10が形成される場合には、バッフル層16は、顔用マスク10の通気性への衝撃は最小とするのに十分に多孔であるが、流体透過によりもたらされる飛沫の通り抜けに抵抗するには十分に閉状態である材料で形成する。
【0054】
顔用マスクの本体部12は、非弾性材料により形成することができる。代替的には、本体部12を形成するために使用される材料は弾性材料から成るものとすることができ、本体部12は、使用者14(図2)の鼻、口及び/又は顔を覆うように延びるものとすることができる。
【0055】
図には示されていないが、顔用マスク10に異なる望ましい特徴を付与するために、構造的要素を本体部12に組み込むことができる。例えば、一連のステーを本体部12内に使用することができる。ステーは、本体部12に構造的剛性を付与することができ、本体部12の周辺をシールするように形成することができる。代替的には、ステーは、使用者の鼻の周囲に本体部12を順応させるように、本体部12内に使用することができる。
【0056】
更に、ステーは、使用者の頬の周辺に良好に適合する本体部を形成するために使用することができる。ステーは、本体部12が良好な適合性を持つようにさせ、更に使用者の口及び/又は鼻の辺りにくぼみを形成するようにさせる。しかしながら、本発明の他の例示的実施形態において、本体部12は幾つものステーを備えて形成され、或いはステーなしで形成することができる。顔用マスクに組み込まれた一連のステーは、米国特許第5,699,791号に記載され,その全体はすべての目的について引用によりここに組み入れられる。ステーは、金属ワイヤ又はアルミニウムバンドなどの細長い展性材料で形成されることができ、顔用マスク10の本体部12にこの形状を与えるために、剛性形状に形成されることができる。
【0057】
本発明に開示されたバッフル層16は、長方形型マスク、プリーツ加工されたマスク、カモノハシ型マスク、円錐状マスク、台形型マスクなどを含む、あらゆる顔用マスク形状又は形態に組み込まれることができる。本発明による顔用マスク10は、バイザー又はシールド、曇り止めテープ、シール用フィルム、顎鬚カバーなどの、知られた顔用マスク10の特徴のどんな組み合わせにも組み込むことができる。顔用マスクの例は、例えば、米国特許第4,802,473号、第4,969,457号、第5,322,061号、第5,383,450号、第5,553,608号、第5,020,533号及び第5,813,398号に記載されている。これらの特許は、その全体がすべての目的について引用によりここに組み入れられる。
【0058】
上述したように、顔用マスク10は、層16、28、30及び32で構成することができる。これらの層は、当業者に知られた様々な材料から形成することができる。例えば、本体部12の外側層30は、スパンボンド,メルトブローン、又はコフォーム不織ウエブ、ボンデッドカーデッドウエブ、又は湿潤堆積複合体のようなどんな不織ウエブとすることもできる。本体部12の内側層32及び外側層30は、ネック付与した不織ウエブ又は可逆的にネック付与した不織ウエブとすることができる。内側層32及び外側層30は、同じ材料又は異なった材料で形成されることができる。
【0059】
不織ウエブ製品には多くのポリオレフィンを使用することができ、例えば、Dow ChemialのASPUN(登録商標)6811A線状ポリエチレン、2553LLDPE及び25355、及び12350ポリエチレンなどのポリエチレンが適したポリマーを使用することができる。ポリプロピレンを形成する繊維は、例えば、Exxon Chemical Company’s Escorene(登録商標)PD3445ポリプロピレン及びChemical Co.のPF−304を含む。他の多数の適したポリオレフィンも商業的に入手可能である。
【0060】
顔用マスク10の形成に使用される様々な材料は、ネック付与した不織ウエブ、可逆的にネック付与した不織材料、ネック付与状態で接着した積層体、及び弾性コフォーム材料、弾性メルトブローン不織ウエブ、複数の弾性フィラメント、弾性フィルム又はこれらの組み合わせのような弾性材料とすることができる。このような弾性材料は、複合体に組み込まれており、例えば、Strack他の米国特許第5,681,645号、Levy他の米国特許第5,493,753号、Anderson他の米国特許第4,100,324号、Shawver他の米国特許第5,540,976号に記載されており、その全体はすべての目的について引用によりここに組み入れられる。弾性フィルムが本体部20に使用されている例示的実施形態において、フィルムは、使用者12が本体部20を通して呼吸できることを保証するために、十分に孔があいていなければならない。
【0061】
濾過媒体層(図7における層28)は、メルトブローン不織ウエブから形成することができ、幾つかの実施形態において、エレクトレットとすることができる。エレクトレット処理は、濾過媒体層に電荷を付与し、これは濾過されるべき粒子を電荷により濾過媒体層に対して吸引することにより濾過効率を更に増加する。エレクトレット処理は、多くの異なる技術によって実行することができる。1つの技術は、Tennessee Research Corporationに譲渡されたTsai他の米国特許第5,401,446号に記載されており、その全体はすべての目的について引用によりここに組み入れられる。当業者に知られた他のエレクトレット処理の手段は、Kubik他の米国特許第4,215,682号、Wadsworth他の米国特許第4,375,718号、Nakao他の米国特許第4,592,815号、及びAndo他の米国特許第4,874,659号に記載されており、その全体は引用によりここに組み入れられる。
【0062】
濾過媒体層(図7における層28)は、W.L.Gore&Associatesにより製造されるもののような、拡長されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜で形成することができる。このような材料の構成及び作用のより完全な説明は、Gore他の米国特許第3,953,566号及びGore他の米国特許第4,187,390号に示されており、その全体は引用によりここに組み入れられる。拡長されたポリテトラフルオロエチレン膜は、これらに制限されるものではないが、外側不織ウエブ層、伸長可能で収縮可能な層、及び不織ウエブを含む内側層を含む、多層複合体に組み入れることができる。
【0063】
顔用マスク10の多層は、接着剤接着、熱接着、又は超音波接着を含む様々な手段によって結合することができる。
【0064】
本発明は、ここで説明された顔用マスク10の例示的実施形態に加えることができる様々な修正であって、添付され特許請求の範囲及びその均等手段の範囲内に入る修正を含むものと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本体部を有する顔用マスクの斜視図である。
【図2】本体部を備えて、使用者の頭部に取り付けられた顔用マスクの斜視図である。
【図3】顔用マスクの、複数の突起部を有するバッフル層の斜視図である。本発明のこの例示的実施形態においては、突起部は円形枕である。
【図4】複数の突起部を有する、本体部のバッフル層の例示的実施形態の斜視図である。本発明の例示的実施形態においては、突起部は六角形状である。
【図5】顔用マスクの本体部のバッフル層の斜視図である。本発明のこの例示的実施形態においては、層はフィルムであり、かつ、複数の突起部を有し、突起部の各々は内部に孔を定める。
【図6】顔用マスクの本体部のバッフル層の斜視図である。本発明のこの例示的実施形態においては、層は、一連の隆起部である複数の突起部を有し、波形状を有するように層内に溝を定める。
【図7】図1の7−7の線から見た断面図である。
【図8】本発明の一例示的実施形態によるバッフル層の斜視図である。バッフル層を透過し、更にバッフル層上に定められた複数のチャネルを介して遠ざかる方向に再配向される流体を示している。
【図9】本発明による顔用マスクの例示的実施形態の部分的断面図である。ここでは、流体層が本体部内に存在し、バッフル層は本体部の第一層と第二層の間に位置されている。
【図10】本発明による顔用マスクの例示的実施形態の部分的断面図である。この例示的実施形態においては、濾過媒体層とすることができるバッフル層は、内側層と外側層の間に位置される。
【図11】本発明による顔用マスクの例示的実施形態の部分的斜視図である。ここでは、バッフル層の外側表面上の突起は、バッフル層の突起に接触するバッフル層の外側表面とバッフル層に近接した層の間に内部空間を定める。
【図12】本発明による顔用マスクの例示的実施形態の部分的断面図である。ここでは、バッフル層は本体部の外側層に位置されている。バッフル層の外側表面は平坦で、更に突出部が、濾過媒体層と接触するために、バッフル層の内側表面から延びる。
【符号の説明】
【0066】
10 顔用マスク
12 本体部
16 バッフル層
18 外側表面
22 突起部
26 チャネル
28 濾過媒体層
30 外側層
32 内側層
40 フィルム
44 隆起部
50 内部空間
【技術分野】
【0001】
顔用マスク及び人工呼吸装置は、ほこり及び他の有害な空気によって運ばれる汚染物質を、着用者が口又は鼻を通して吸入することを防止する点で、様々な製造環境、保護管理環境、及び家庭用途において有用である。同様に、顔用マスクの使用は、疾病の広がりを妨げるために健康ケア−企業において実施が推奨されている。健康ケア−担当者によって着用される顔用マスクは、着用者から吐き出された空気を濾過することにより患者への感染を減少させ、その結果、周囲環境に放出された多くの有害な有機体又は他の汚染物質を減少させることになる。
【0002】
このことは、傷部位が開状態のために、患者が極めて感染しやすくなっている手術中においては、特に重要である。同様に、呼吸器感染している患者は、顔用マスクを使用して、吐き出されたあらゆるばい菌を濾過及び収容することにより、疾病の拡大を防止することができる。更に、顔用マスクは、空気によって運ばれる汚染物質及び吸入した空気から微生物を濾過することにより、健康ケア−従事者を守る。
【0003】
肝炎及びエイズなどのような幾つかの疾病は、感染した血液又は他の身体流体が、他人の粘膜、すなわち目、鼻、口などに接触することにより拡大される。健康ケア−企業は、汚染された身体流体と接触する可能性を減少するための特定の行為を行うことを推奨している。これを実施する1つの方法は、身体流体の飛沫が通り抜けないように抵抗する顔用マスクの使用である。
【0004】
顔用マスクの鼻及び口を覆う部位は、典型的には、前パネル又は本体部として知られている。マスクの本体は、幾つかの材料の層で形成することができる。少なくとも1つの層は、ばい菌及び他の汚染物質の通過は妨げるが、使用者が心地良く呼吸できるように空気を通過させる濾過材料(濾過媒体層)で形成される。マスクの多孔性は、マスクを通してどのくらい空気を引き込みやすいかを意味する。孔が多いマスクは、呼吸しやすい。本体部は又、顔用マスクに付加的機能又は特性を付与するために複数の層を含むことができる。例えば、多くの顔用マスクは、濾過媒体層のいずれの側部にも材料の層を含む。着用者の顔に接触する層は、典型的には、内側層を意味する。顔から最も離れた層は、外側層を意味する。
【0005】
顔用マスクは又、マスクの周辺を着用者の顔に対してシールするように設計されてきた。このようなシール形態は、空気の入れ換えのすべてをマスク本体を通して行うように強制し、空気によって運ばれる病原体及び/又は伝染性流体が着用者に及び/又は着用者から移動することを妨げるように意図されている。
【0006】
本体部には、使用者の頭部に本体部を固定して保持するための装置が取り付けられる。例えば、使用者の頭部の周囲に延ばして、着用者の頭部の後ろで結ばれる、手でなされる結び紐は、典型的には手術中に着用されるマスクにおいて使用されている。健康ケア−のために使用される人工呼吸器は、典型的には、弾性バンドを使用し、頭部の周囲を囲んで緊密なシールを確保するために、本体部を顔にしっかりと保持する。着用者の耳に掛けられるループを使用するマスクは、典型的には、隔離病棟又は歯科衛生士などの手術ではない健康ケア−の場合に使用される。
【0007】
前述したように、顔用マスクは、流体飛沫が通り抜けるのに抵抗するように設計されているので、血液又は他の流体内に見られる病原体は、顔用マスクの使用者の鼻、口及び/又は皮膚に移動することはできない。顔用マスクの飛沫通り抜けに抵抗する能力を評価するために、American Society of Testing and Materialsは、F−1862テスト法「Standard Test Method of Resistance of Medical Face Masks to Penetration by Synthetic Blood(Horizontal Projection of Fixed Volume at a Known Velocity)」を開発した。顔用マスクの飛沫に対する抵抗は、典型的には、流体通り抜けを妨げる顔用マスクの層の能力、及び/又は流体飛沫エネルギーの次の層への移動を減少させる能力、及び/又は飛沫エネルギーの吸収力による機能である。流体抵抗を改善する典型的試みは、顔用マスクの形成において厚めの材料又は付加層を使用することである。しかしながら、これらの解決策は、顔用マスクの費用を増加させ更に顔用マスクの多孔性を減少するものとなる。
【0008】
顔用マスクの飛沫抵抗を改善する付加的試みは、多孔層、嵩高、繊維性材料を組み込むことである。この型の材料は、層が流体飛沫の衝撃エネルギーを吸収するという利点がある。しかしながら、流体がこの嵩高材料を飽和させ、その後の流体飛沫エネルギー吸収効率を減少させる場合が多い。更に、顔用マスクが圧縮された時、流体がこの嵩高材料から絞り出されて次の層を通して移動する可能性がある。
【0009】
顔用マスクに組み込まれる孔あきフィルムは、米国特許第4,920,960号に示されており(その全体はすべての目的についてここに組み入れられる)、これは、顔用マスクに流体バリア性を与えながら、フィルムの孔を通して使用者が呼吸することができるようにするために使用することができる。
【0010】
幾つかの顔用マスクにおいては、点接着ポリオレフィンの層、典型的にはポリプロピレンスパンボンドを、飛沫抵抗を改善するために濾過媒体層のいずれかの側部に配置することができる。
【0011】
本発明は、顔用マスクに飛沫抵抗を与えるための付加的試みを提供するものである。
【0012】
【特許文献1】米国特許第4,920,960号公報
【特許文献2】米国特許第4,374,888号公報
【特許文献3】米国特許第5,401,466号公報
【特許文献4】米国特許第6,484,722号公報
【特許文献5】米国特許第5,699,791号公報
【特許文献6】米国特許第4,802,473号公報
【特許文献7】米国特許第4,969,457号公報
【特許文献8】米国特許第5,322,061号公報
【特許文献9】米国特許第5,383,450号公報
【特許文献10】米国特許第5,553,608号公報
【特許文献11】米国特許第5,020,533号公報
【特許文献12】米国特許第5,813,398号公報
【特許文献13】米国特許第5,681,645号公報
【特許文献14】米国特許第5,493,753号公報
【特許文献15】米国特許第4,100,324号公報
【特許文献16】米国特許第5,540,976号公報
【特許文献17】米国特許第5,401,446号公報
【特許文献18】米国特許第4,215,682号公報
【特許文献19】米国特許第4,375,718号公報
【特許文献20】米国特許第4,592,815号公報
【特許文献21】米国特許第4,874,659号公報
【特許文献22】米国特許第3,953,566号公報
【特許文献23】米国特許第4,187,390号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の様々な特徴及び利点は、以下の説明において大部分が述べられ、或いはこの説明により明らかとなるであろう。
【0014】
本発明は、呼吸のための空気が、マスクの本体を通って引き込まれるようにした、使用者の口と鼻の少なくとも一部分とを覆って配置されるように形成された本体部を備えた顔用マスクを提供する。本体部は、飛沫の衝撃エネルギーを消散させ及び/又は流体飛沫を、衝撃部位から横方向に遠ざかるように流出しやすくさせるバッフル層を有する。バッフル層は、外側表面及び内側表面を有する。バッフル層は、外側表面又は内側表面の1つ又は両方から延びる複数の突起部又は突出部を含む。バッフル層は、三次元形状で、区分された点において前及び/又は後の層と接触するようにすることができる。バッフル層は、本体部を透過する流体に関連するエネルギーを吸収することの助けとなるように形成される。バッフル層は、本体部の単一層を構成することができ、或いは1つまたはそれより多い付加層と組み合わせて使用することができる。例えば、本体部は、バッフル層の突起部に接触する外側層、及びバッフル層の内側層に接触する第三層を有することができる。
【0015】
本発明の他の例示的実施形態は、上記したように、バッフル層の外側表面上の突起部が、本体部を透過する流体の流れを再配向させるために複数の相互接続チャネルを定める顔用マスクにある。これに関しては、流体は、流体がバッフル層に最初に接触する点から遠ざかるように、バッフル層の外側表面を横方向に向けられる。
【0016】
代替的には、バッフル層は、本体部とは別の層ではなく、代わりに本体部に存在する層に組み込むことができる。例えば、本体部は、使用者の皮膚に接触する内側層、外側層、及び、3次元ワッフル又は卵カートン形状に形成されて内側層と外側層の間に配置される濾過媒体層を持つことができる。バッフル媒体層から延びる複数の突起部は、内側層及び外側層の両方から延び、その結果3つの層間の接触を最小にする。
【0017】
バッフル層の突起は、他の例示的実施形態によると、円形枕、六角錘、円錐、又はプリーツなどの種々異なる形状とすることができる。更に、突起部を持つ層はフィルムとすることができ、各々の突起部はフィルムを通した穴を含むことができる。
【0018】
上記した顔用マスクの例示的実施形態は、顔用マスクが着用される時、本体部において使用者から大きく離れて位置決めされる付加層を含むことができ、これはバッフル層より剛性である。
【0019】
突起部は、使用者から遠い側のバッフル層の外側表面上に位置させることができる。各々の突起部は、層の内側表面上に内腔を定める。顔用マスクの本体部は、複数の層を持つことができ、突起部は、突起部を持つバッフル層の側部と隣接層の間に内部空間を定める。バッフル層の内側表面上の内腔は、層の内側表面と隣接層の間の接触を最小にし、更に流体が透過するのを妨げるために、顔用マスクの層間の接触を最小にするように機能する。
【0020】
バッフル層の突起部及び外側表面は、本体部を透過する流体の流れを再配向するために複数の相互接続チャネルを定める。したがって、流体は、該流体が最初に接触した部分より流体透過に対し不透過性である顔用マスクの部分に向けることができる。又、顔用マスク全体に流体を再分散させることにより、領域の流体濃度が減少し又はなくなるので、顔用マスクを通した流体の透過は大幅に少なくなる。チャネルは又、顔用マスクの隣接層の間に空間を形成する。この空間は、顔用マスクの近接した層の間の接触量を減少し、その結果として流体透過をなくし、或いは透過の量を減少する。
【0021】
(定義)
ここで用いられる「不織布又はウエブ」という用語は、個々の繊維又は糸が互いに組み合わされているが、編布の場合のように識別可能な繰り返される形ではない構造を持つウエブを意味する。不織布又はウエブは、例えばメルトブローン法、スパンボンディング法、及びボンデッドカーデッドウエブ法などの様々な方法により形成されてきた。不織布の基本重量は、通常平方ヤード当たりの材料のオンス(osy)又は平方メートル当たりのグラム(gsm)で表わされ、繊維直径は、通常ミクロンで表わされる。(osyからgsmに換算する時は、osyに33.91を掛けること。)
【0022】
ここで用いられる「複合体」という用語は、多成分材料又は多層材料であるような材料を意味する。これらの材料は、例えば、延伸接着積層体、ネック付与状態で接着した積層体、又はこれらの組み合わせを含むことができる。
【0023】
ここで用いられる「超音波接着」という用語は、音響ホーン及びアンビルロールの間に材料を通過させることにより、材料(繊維、ウエブ、フィルムなど)が結合される方法を意味する。このような方法の例は、Bornslaeger他の米国特許第4,374,888号に記載されており、その内容は引用によりここに組み入れられる。
【0024】
ここで用いられる「熱点接着」という用語は、加熱されたカレンダーロールとアンビルロールの間に接着されるように材料(布、ウエブ、フィルムなど)を通過させることを意味する。カレンダーロールは通常、常にではないが、幾つかの方法でパターン化されているので、布全体は表面全体にわたっては接着されず、アンビルロールは通常平滑である。結果として、カレンダーロールの様々なパターンが、機能のためだけでなく美的理由からも開発されてきた。典型的には、接着面積率は、布積層体面積のおよそ10パーセントからおよそ30パーセントまで種々異なる。接着面積は、典型的には、別個の点又は形状であり、相互接続されていない。当業者によく知られているように、熱点接着は、積層体層を共に保持し、各々の層の中の接着フィラメント及び/又は繊維により個々の層に一体性を与え、その動きを制限する。
【0025】
ここで用いられる「熱パターン接着」という用語は、熱点接着の場合のように、加熱されたカレンダーロールとアンビルロールとの間に材料(繊維、ウエブ、フィルムなど)を通過させて接着することを意味する。違いは、接着された領域が、別個の非接着繊維領域を形成するように相互接続されていることである。様々なパターンのカレンダーロールが、機能だけでなく美的理由からも開発されてきた。典型的には、接着面積比は、布積層体面積のおよそ10パーセントからおよそ30パーセントの範囲で種々異なる。
【0026】
ここで用いられる「エレクトレット」又は「エレクトレット処理」は、ポリオレフィンのような誘電性材料を荷電する処理を意味する。電荷は、ポリマーの表面又は表面の近くにトラップされた正電荷又は負電荷、或いはポリマーの本体内に蓄えられた電荷クラウドの層を含む。電荷は又、分子の双極子の配列に拘束された分極電荷を含む。材料にエレクトレット処理を施す手段は,当業者によく知られている。これらの手段は、例えば熱性、液体接触、電子ビーム、及びコロナ放電法などを含む。材料にエレクトレット処理を施す1つの特定の技術は、米国特許第5,401,466号に記載されており、その全体は引用によりここに組み入れられる。この技術は、材料を1対の電場に曝すことを含み、この電場は正反対の両極性を持つ。
【0027】
ここでは、与えられた範囲のいずれも、含まれる範囲のいずれか、及びそれより小さいものをすべて含むという意味である。例えば、45−90の範囲は、50−90、45−80、46−89及び同様のものも含むことになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明の実施形態について詳細が説明されており、1つ又はそれより多くの例が図面に描かれている。各々の実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明を制限する意味ではない。例えば、1つの実施形態の部分として描かれ、或いは説明される特徴は、別の実施形態において利用し、更に別の実施形態とすることができる。本発明は、これらの及び他の修正及び変更を含むことが意図されている。
【0029】
本発明は、ここで説明されている数値範囲及び限定に制限されるものではない。例えば、約100から約200の範囲は、約110から約190、約140から約160、及び31から45の範囲も含む。更に別の例として、約10より小さいという数値限定は、約7より小さい、約5より小さい、及び約3より小さいという数値限定を含む。
【0030】
本発明は、バッフル層を組み込む顔用マスクを提供するものである。バッフル層は、顔用マスクの別の層とするか、或いは顔用マスクのすでに存在する層に組み込まれたもののいずれかとすることができる。バッフル層は、流体飛沫の通り抜けに抵抗するために、材料の隣接層との接触を減少させ及び/又は顔用マスクへの流体衝撃により形成されるエネルギーを吸収し、及び/又は顔用マスクを透過する流体が接触点から遠ざかる方向に通されることができる機構を提供することにより、顔用マスクの能力を改善するものである。
【0031】
図1及び図2は、本発明の1つの例示的実施形態に使用することができる顔用マスクを示している。顔用マスク10は、使用者14の口及び鼻の少なくとも部分を覆って配置されるように形成された本体部12を含み、通常の呼吸を通して交換された空気が、顔用マスク10の本体部12を通過する。しかしながら、本体部12は、これらに制限されるものではないが、平らな半切マスク、プリーツ加工された顔用マスク、円錐状マスク、平らな折りたたまれた個人用呼吸装置、カモノハシ型マスク、台形型マスクなどのような種々異なる型及び形状とすることができることを理解すべきである。本体部12は、米国特許第6,484,722号に記載されるように形成することができ、この特許の全体はすべての目的について引用によりここに組み入れられる。したがって、顔用マスク10は、使用者12の口及び鼻を周囲環境から隔離する。顔用マスク10は、1対の結び紐54によって使用者14に取り付けられ、該結び紐は、使用者14の頭部(及び使用者が着用している場合はヘアーキャップ52)を囲んで互いに接続される。しかしながら,他の型の締結形態も、本発明の様々な例示的実施形態において使用できることが理解されるべきである。例えば、結び紐54の代わりに、顔用マスク10は、耳ループ、頭部を囲む弾性帯、フック・ループ型締結形態によって使用者14に取り付けられるか、弾性帯によって単一片として使用者14の頭部を囲むか、或いはヘアーキャップ52に直接取り付けられることができる。
【0032】
更に、顔用マスク10の形態は、様々な例示的実施形態によって異なるものとすることができる。これに関しては、顔用マスク10は、使用者の両目、髪、鼻、喉、及び口を覆うように形成することができる。このように、本発明は、使用者14の鼻及び口だけを覆う、顔用マスク10だけに制限されるものではない。
【0033】
本発明は、顔用マスク10の本体部12に組み込まれるバッフル層16を提供するものであり、1つの例示的実施形態が図3に示されている。ここでは、バッフル層16は、三次元形状を持ち、バッフル層16の外側表面18は、そこから延びる複数の突起部22を持つ。図3に示すように、突起部22は、すべてが実質的に均一であり、円形枕形状とする。この場合、バッフル層16は、嵩高な二成分スパンボンド材料とすることができる。円形枕形状の突起部22は、熱パターン接着されたバッフル層16により形成することができる。
【0034】
図7は、図1の7−7の線に沿って見た断面図であり、顔用マスク10に組み込まれた図3のバッフル層16を示している。この例示的実施形態においては、顔用マスク10の本体部12は、4つの層を含む。バッフル層16は、本体部12において分離した層であり、外側層30と濾過媒体層28の間に配置される。内側層32は、濾過媒体層28に近接して配置される。
【0035】
内側層32は、顔用マスク10の使用者14(図2)の皮膚に接触する。外側層30は、顔用マスク10が着用される時、使用者14(図2)から最も離れて位置される本体部12の部分である。濾過媒体層28は、本体部12を通る病原体の通過を妨げるが、使用者14(図2)に呼吸させるために、空気の通過を可能にするように形成される。想像できることではあるが、本体部12内の層16、28、30及び32の配列は、どのような組み合わせの順番も可能であるように変更することができる。例えば、濾過媒体層とすることができる第一層28は、本体部12の最も外側の層又は最も内側の層上に位置させることができる。
【0036】
図3及び図9を参照すると、突起部22は、バッフル層16の外側層20から延び、濾過媒体層28から遠ざかるように向けられることがわかる。これに関して、本体部12の外側層30を透過する流体は本体部12上に力を与え、外側層30を通して突起部22にまで移動する。
【0037】
突起部22は、これらの三次元構造が、本体部12の外側層30を透過する流体によって移動される力の少なくとも一部分を吸収するように形成される。流体透過により与えられたこれらの力の吸収は、流体が、本体部12の濾過媒体層28及び内側層32を通り抜けるのを妨げることができる。これに関して、流体が本体部12の1つ又はそれより多い層の間ですでにトラップされている場合もあり得る。本体部12を透過する流体により与えられた力は、これらのすでにトラップされた流体を本体部12を通して更に押し出すようにすることができる。本体部12上の流体透過により形成されるすべて或いは一部の力を吸収するバッフル層16を有することにより、バッフル層16は、これらのトラップされた流体が、本体部12の層を通して伝播し、顔用マスク10の使用者14(図2)に接触することを防止する。
【0038】
図7に見られるように、突起部22は、バッフル層16の外側表面20上に位置されたチャネル26を定める。図11により明らかに見られるように、突起部22は、バッフル層16と外側層30の間に内部空間50を定める。同様に、内腔48は、バッフル層16の内側層18と濾過媒体層28の間に空間を定める。内部空間50(図11)及び内腔48により形成された空間は、層30及び層28を分離させる。これは、層間の接触面積を減少させ、1つの層から次の層への流体吸い上げ能力を低下させるものである。このように、突起部22は、本体部12の層を分離させ、層間の接触表面面積を減少させることにより、流体が本体部12の層を通して容易に移動できないようにする。
【0039】
図8は、図3及び図7に使用されるバッフル層16の斜視図である。図8に見られるように、突起部22は、バッフル層16の外側表面18上に複数のチャネル26を定める。バッフル層16を直接透過するか、或いは本体部12の前の層を通してバッフル層16に移動する流体は、接触点24でバッフル層16に接触する。流体は、次に、バッフル層16の外側表面18上のチャネル26を通して移動させられることにより、接触点24から分散させられることができる。チャネル26を付与することにより、流体は、バッフル層16の外側表面18に移動し、より均一に分布されることができる。
【0040】
この流体の分布は、バッフル層16の外側表面18上の特定の位置に流体が溜って蓄積することを防止するものである。バッフル層16上の特定の位置に流体が大量に集中すると、同じ量の流体が、バッフル層16の外側表面18の広い部分に分布された場合とは対照的に、流体がバッフル層16を通して移動する傾向が多くなることが典型的に生じる。
【0041】
チャネル26は、相互接続チャネルとすることができ、すべてのチャネル26は、互いに連通状態にある。これは、いずれの接触点24においても、バッフル層16に接触する流体が、多くのチャネル26を通して分布されるようになる利点をもたらす。代替的には、チャネル26は、チャネル26の一部分だけが互いに連通状態になるように形成することができる。更に、本発明の他の例示的実施形態によると、どんな数のチャネル26を設けることもできる。
【0042】
チャネル26は、バッフル層16に接触する流体を、本体部12上又はその中の望ましい位置に再配向させることができる。例えば、接触点24においてバッフル層16に当たる流体が、バッフル層の外側表面18に沿って再指向され、例えば顔用マスク10の側部に沿った位置に本体部12を通して流れるように、チャネル26を形成することができる。この型の配列は、顔用マスク10の使用者の鼻及び/口に流体が接触することを妨げ、代わりに使用者の鼻及び/口から遠ざかる位置に流体を再指向させるという利点がある。
【0043】
図7に示されるように、バッフル層16は、顔用マスク10の本体部12を形成する4つの層のうちの1つの層とすることができる。しかしながら、本発明の様々な例示的実施形態においては、どのような数の層によって本体部12を形成してもよいことが理解されるべきである。例えば、本発明の1つの例示的実施形態においては、単一層のみが、これはバッフル層16となるものであるが、本体部12を形成するために使用される。代替的には、本体部12は、バッフル層16は、バッフル層16のいずれの側にも直接に隣接する層を持たないように形成することができる。これに関して、バッフル層16の内側表面20が、使用者の皮膚に直接接触する場合もある。代替的には、本体部12は、バッフル層16の外側表面18が、本体部12の最も外側の部分を定めるように形成し、バッフル層16の外側層18が本質的に顔用マスク10の外側表面を構成するようにすることができる。この実施形態においては、バッフル層16が1つの表面だけに突起部22を有するものであれば、バッフル層16の内側層20上に該突起部を有するようにすることにより、飛沫抵抗は理想的なものとなるであろう。これは、バッフル層16と隣接層との間の接触を最小にすることになる。このように、本発明は、バッフル層16のいずれの側にも層が存在しないような様々な例示的実施形態を含む場合がある。
【0044】
本発明の1つの例示的実施形態によると、本体部12は、バッフル層16が、バッフル層16の外側表面18と内側表面20の両方に隣接する層を有するように形成されている。更に、流体飛沫からの衝撃力をバッフル層16に移す層は、バッフル層16より剛性であるように形成することができる。例えば、図7を参照すると、流体は外側層30に接触する。外側層30を通り抜ける流体は、バッフル層16の突出部22の間のチャネル26内に集積される。流体透過に関しては、バッフル層16の前部にバッフル層16より剛性である1つ又はそれより多い層を形成することにより、流体透過の衝撃エネルギーは本体部12のより広い領域にわたって分布されるという利点があることを、本出願人は見出した。これに関しては、流体が、本体部12を通して移動されにくくなる。しかしながら、本発明は又、バッフル層が前の層より剛性であるか、又は前の層と同じくらい剛性である例示的実施形態も含む。
【0045】
図10は、バッフル層16が、本体部12の濾過媒体層28に組み込まれた例を示している。ここで見られるように、外側層とすることができる第一層は、バッフル層16の外側表面18に近接して配置され、内側層とすることができる第二層は、バッフル層16の内側表面20に近接して配置される。代替的には、バッフル層16は、本体部12の外側層30又は内側層32に組み込まれるように、顔用マスク10に組み込むことができる。
【0046】
本発明の付加的例示的実施形態においては、1つより多いバッフル層16が本体部12に組み込まれる。例えば、バッフル層16を、本体部12に組み込み、濾過媒体層28は、三次元バッフル層形状に形成することができる。本発明の更なる例示的実施形態では、バッフル層16が、突起部22が使用者に向かって延びるように配向される。図10を参照すると、バッフル層16は裏返され、突起部22が内側層32に向かって、更に結果として顔用マスク10の使用者14(図2)に向かって延びるようにされる。本発明の更なる例示的実施形態では、突起部22が、使用者に向かって、かつ使用者から離れる方向に延びる。これに関しては、突起部22は、突起部22が使用者に向かって延びる場合に、本体部12上のある位置で、流体透過の衝撃力に良好なクッション効果を与える。このように、本発明は、顔用マスク10が着用される時、使用者から遠ざかる方向に延びる突起部22を持つことに制限されるものではない。
【0047】
図9は、バッフル層16が、外側表面20から延びる複数の突起部22を持つ場合の代替的例示的実施形態を示している。しかしながら、前述した例示的実施形態とは違って、突起部22は、バッフル層16の内側表面18上に複数の内腔を定めない。これに関しては、バッフル層16の内側表面18は、本質的に内側表面18の表面全体に沿って、本体部12の濾過媒体層28と接触する。更に別の例示的実施形態においては、付加的突起部22が、バッフル層16の内側表面18から延び、更に濾過媒体層28と係合する。このような形態においては、1対の内側空間50(図11)が形成され、1つは、外側表面20と外側層30の間に定められ、もう一方は、内側表面18と濾過媒体層28の間に定められる。
【0048】
付加的例示的実施形態においては、突起部22が円形枕の形状ではない状態で存在する。例えば、図4は、バッフル層16が、エンボス加工されたボンデッドカーデッドウエブ材料である実施形態を示している。この場合には、突起部22は六角形状とする。バッフル層16は、軽量(0.5から1.9osy)ボンデッドカーデッドウエブ材料とすることができ、六角形状突起部22は、噛合いエンボスロールを使用してエンボス加工される。突起部22は、複数の相互接続チャネル26を定めるように配列することができる。凹み38は、六角形状突起部22の外側表面上に位置させることができる。凹み38の存在は、バッフル層16の構造的剛性を増加させ、流体透過の衝撃力に更にクッション効果を与える付加的空間を提供し、更に隣接層との接触を最小にし、流体通り抜けの機会を減少させることができる。
【0049】
バッフル層16の更なる例示的実施形態が図5に示されている。この場合には、バッフル層16は、不透過性フィルム40である材料から形成することができる。フィルム40は、流体がそこを通って移動することを妨げ、本体部12の流体透過を妨げる能力を助長するように形成することができる。フィルム40は、1つの例示的実施形態においては、Tredegar6607 Visporeフィルムとすることができる。孔あきフィルム40の例は、上記した米国特許第4,920,960号に見ることができる。
【0050】
図5に示されているバッフル層16は、内部に配置された孔42の形状で複数の小孔を持つことができる。孔42は、各々の突起部22上に配置される。孔42は、バッフル層16を通して空気を移動させ、これにより使用者が呼吸することが可能となる。しかしながら、孔42のサイズがあまり大きすぎると,バッフル層16上の特定の位置に蓄積された流体が、孔42を通して移動することになる。この場合においては、バッフル層16を通して空気は移動するが、流体の移動は妨げるような大きさが、孔42の最適なサイズになる。本発明の1つの例示的実施形態によると、孔42は、直径1ミリメートルとすることができる。代替的には、様々な例示的実施形態によると、孔42は、0.5ミリメートルから1.5ミリメートルの間とすることができる。
【0051】
図6は、突起部22が、バッフル層16の外側表面18に沿って配置された隆起部44の形状である代替的形態を示している。複数の隆起部44は、その間に複数の谷部46を定める。この結果、この例示的実施形態においては、バッフル層16の外側表面18は波形状を有する。バッフル層16に接触する流体は、谷部46に沿って移動させることができ、前述した例示的実施形態で述べたように、この谷部46はチャネル26として機能する。谷部46は、バッフル層16の様々な形態に関しては、互いが相互接続することができ、或いは、互いに独立したものとすることができる。更に、他の例示的実施形態に関して上記した突起部22が内腔48を形成するのと同様に、隆起部44は、バッフル層16の内側表面20上に対応する内腔を形成することができる。
【0052】
突起部22は、多くの型、形状、又はパターンの如何なる形ででも形成することができる。小さく、緊密なパターンの突起部は、本体部12の外側層にあまり剛性ではない支持を付与するために使用することができる。大きく、距離の離れたパターンの突起部22は、多量の流体を集積するために、バッフル層16に多くのチャネルを提供するために使用することができる。
【0053】
バッフル層16は、ポリオレフィン不織材料のような疎水性材料により形成することができる。バッフル層16を分離した層として顔用マスク10が形成される場合には、バッフル層16は、顔用マスク10の通気性への衝撃は最小とするのに十分に多孔であるが、流体透過によりもたらされる飛沫の通り抜けに抵抗するには十分に閉状態である材料で形成する。
【0054】
顔用マスクの本体部12は、非弾性材料により形成することができる。代替的には、本体部12を形成するために使用される材料は弾性材料から成るものとすることができ、本体部12は、使用者14(図2)の鼻、口及び/又は顔を覆うように延びるものとすることができる。
【0055】
図には示されていないが、顔用マスク10に異なる望ましい特徴を付与するために、構造的要素を本体部12に組み込むことができる。例えば、一連のステーを本体部12内に使用することができる。ステーは、本体部12に構造的剛性を付与することができ、本体部12の周辺をシールするように形成することができる。代替的には、ステーは、使用者の鼻の周囲に本体部12を順応させるように、本体部12内に使用することができる。
【0056】
更に、ステーは、使用者の頬の周辺に良好に適合する本体部を形成するために使用することができる。ステーは、本体部12が良好な適合性を持つようにさせ、更に使用者の口及び/又は鼻の辺りにくぼみを形成するようにさせる。しかしながら、本発明の他の例示的実施形態において、本体部12は幾つものステーを備えて形成され、或いはステーなしで形成することができる。顔用マスクに組み込まれた一連のステーは、米国特許第5,699,791号に記載され,その全体はすべての目的について引用によりここに組み入れられる。ステーは、金属ワイヤ又はアルミニウムバンドなどの細長い展性材料で形成されることができ、顔用マスク10の本体部12にこの形状を与えるために、剛性形状に形成されることができる。
【0057】
本発明に開示されたバッフル層16は、長方形型マスク、プリーツ加工されたマスク、カモノハシ型マスク、円錐状マスク、台形型マスクなどを含む、あらゆる顔用マスク形状又は形態に組み込まれることができる。本発明による顔用マスク10は、バイザー又はシールド、曇り止めテープ、シール用フィルム、顎鬚カバーなどの、知られた顔用マスク10の特徴のどんな組み合わせにも組み込むことができる。顔用マスクの例は、例えば、米国特許第4,802,473号、第4,969,457号、第5,322,061号、第5,383,450号、第5,553,608号、第5,020,533号及び第5,813,398号に記載されている。これらの特許は、その全体がすべての目的について引用によりここに組み入れられる。
【0058】
上述したように、顔用マスク10は、層16、28、30及び32で構成することができる。これらの層は、当業者に知られた様々な材料から形成することができる。例えば、本体部12の外側層30は、スパンボンド,メルトブローン、又はコフォーム不織ウエブ、ボンデッドカーデッドウエブ、又は湿潤堆積複合体のようなどんな不織ウエブとすることもできる。本体部12の内側層32及び外側層30は、ネック付与した不織ウエブ又は可逆的にネック付与した不織ウエブとすることができる。内側層32及び外側層30は、同じ材料又は異なった材料で形成されることができる。
【0059】
不織ウエブ製品には多くのポリオレフィンを使用することができ、例えば、Dow ChemialのASPUN(登録商標)6811A線状ポリエチレン、2553LLDPE及び25355、及び12350ポリエチレンなどのポリエチレンが適したポリマーを使用することができる。ポリプロピレンを形成する繊維は、例えば、Exxon Chemical Company’s Escorene(登録商標)PD3445ポリプロピレン及びChemical Co.のPF−304を含む。他の多数の適したポリオレフィンも商業的に入手可能である。
【0060】
顔用マスク10の形成に使用される様々な材料は、ネック付与した不織ウエブ、可逆的にネック付与した不織材料、ネック付与状態で接着した積層体、及び弾性コフォーム材料、弾性メルトブローン不織ウエブ、複数の弾性フィラメント、弾性フィルム又はこれらの組み合わせのような弾性材料とすることができる。このような弾性材料は、複合体に組み込まれており、例えば、Strack他の米国特許第5,681,645号、Levy他の米国特許第5,493,753号、Anderson他の米国特許第4,100,324号、Shawver他の米国特許第5,540,976号に記載されており、その全体はすべての目的について引用によりここに組み入れられる。弾性フィルムが本体部20に使用されている例示的実施形態において、フィルムは、使用者12が本体部20を通して呼吸できることを保証するために、十分に孔があいていなければならない。
【0061】
濾過媒体層(図7における層28)は、メルトブローン不織ウエブから形成することができ、幾つかの実施形態において、エレクトレットとすることができる。エレクトレット処理は、濾過媒体層に電荷を付与し、これは濾過されるべき粒子を電荷により濾過媒体層に対して吸引することにより濾過効率を更に増加する。エレクトレット処理は、多くの異なる技術によって実行することができる。1つの技術は、Tennessee Research Corporationに譲渡されたTsai他の米国特許第5,401,446号に記載されており、その全体はすべての目的について引用によりここに組み入れられる。当業者に知られた他のエレクトレット処理の手段は、Kubik他の米国特許第4,215,682号、Wadsworth他の米国特許第4,375,718号、Nakao他の米国特許第4,592,815号、及びAndo他の米国特許第4,874,659号に記載されており、その全体は引用によりここに組み入れられる。
【0062】
濾過媒体層(図7における層28)は、W.L.Gore&Associatesにより製造されるもののような、拡長されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜で形成することができる。このような材料の構成及び作用のより完全な説明は、Gore他の米国特許第3,953,566号及びGore他の米国特許第4,187,390号に示されており、その全体は引用によりここに組み入れられる。拡長されたポリテトラフルオロエチレン膜は、これらに制限されるものではないが、外側不織ウエブ層、伸長可能で収縮可能な層、及び不織ウエブを含む内側層を含む、多層複合体に組み入れることができる。
【0063】
顔用マスク10の多層は、接着剤接着、熱接着、又は超音波接着を含む様々な手段によって結合することができる。
【0064】
本発明は、ここで説明された顔用マスク10の例示的実施形態に加えることができる様々な修正であって、添付され特許請求の範囲及びその均等手段の範囲内に入る修正を含むものと理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本体部を有する顔用マスクの斜視図である。
【図2】本体部を備えて、使用者の頭部に取り付けられた顔用マスクの斜視図である。
【図3】顔用マスクの、複数の突起部を有するバッフル層の斜視図である。本発明のこの例示的実施形態においては、突起部は円形枕である。
【図4】複数の突起部を有する、本体部のバッフル層の例示的実施形態の斜視図である。本発明の例示的実施形態においては、突起部は六角形状である。
【図5】顔用マスクの本体部のバッフル層の斜視図である。本発明のこの例示的実施形態においては、層はフィルムであり、かつ、複数の突起部を有し、突起部の各々は内部に孔を定める。
【図6】顔用マスクの本体部のバッフル層の斜視図である。本発明のこの例示的実施形態においては、層は、一連の隆起部である複数の突起部を有し、波形状を有するように層内に溝を定める。
【図7】図1の7−7の線から見た断面図である。
【図8】本発明の一例示的実施形態によるバッフル層の斜視図である。バッフル層を透過し、更にバッフル層上に定められた複数のチャネルを介して遠ざかる方向に再配向される流体を示している。
【図9】本発明による顔用マスクの例示的実施形態の部分的断面図である。ここでは、流体層が本体部内に存在し、バッフル層は本体部の第一層と第二層の間に位置されている。
【図10】本発明による顔用マスクの例示的実施形態の部分的断面図である。この例示的実施形態においては、濾過媒体層とすることができるバッフル層は、内側層と外側層の間に位置される。
【図11】本発明による顔用マスクの例示的実施形態の部分的斜視図である。ここでは、バッフル層の外側表面上の突起は、バッフル層の突起に接触するバッフル層の外側表面とバッフル層に近接した層の間に内部空間を定める。
【図12】本発明による顔用マスクの例示的実施形態の部分的断面図である。ここでは、バッフル層は本体部の外側層に位置されている。バッフル層の外側表面は平坦で、更に突出部が、濾過媒体層と接触するために、バッフル層の内側表面から延びる。
【符号の説明】
【0066】
10 顔用マスク
12 本体部
16 バッフル層
18 外側表面
22 突起部
26 チャネル
28 濾過媒体層
30 外側層
32 内側層
40 フィルム
44 隆起部
50 内部空間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部を備え、該本体部は、使用者の口と鼻の少なくとも一部とを覆うように置かれて使用者の口と鼻の少なくとも一部とを周囲環境から隔離し、呼吸のための空気が該本体部を通して吸引されるようにする形状であり、前記本体部は外側表面及び内側表面を持つバッフル層を有し、該バッフル層は、その外側表面又は内側表面の少なくとも1つから延びる複数の突起部を備え、前記バッフル層は、前記本体部に当たる流体に関連するエネルギーを吸収するのを助け、流体が通り抜けるのを阻止することを特徴とする顔用マスク。
【請求項2】
前記本体部は、前記バッフル層の前記突起部に接触する第一層及び前記バッフル層の前記内側表面に接触する第三層を有することを特徴とする請求項1に記載の顔用マスク。
【請求項3】
前記本体部は、着用時に使用者の皮膚に接触する内側層と、外側層とを有し、前記バッフル層は、前記内側層と前記外側層との間に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の顔用マスク。
【請求項4】
前記第一層又は前記外側層は、前記バッフル層より剛性があることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の顔用マスク。
【請求項5】
前記本体部は複数の層を有し、前記突起部は、前記バッフル層と隣接層との間に内部空間を定めることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の顔用マスク。
【請求項6】
前記突起部は前記バッフル層の前記外側表面上に配置され、前記突起部の各々は、前記バッフル層の前記内側表面上に内腔を定め、前記本体部は複数の層を有し、前記突起部は、前記バッフル層と外側の隣接層との間に内部空間を定め、前記バッフル層の前記内側表面上の前記内腔は、前記バッフル層の前記内側表面と内側の隣接層との間の接触を最小にすることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の顔用マスク。
【請求項7】
前記突起部は前記バッフル層の前記外側表面上にあり、前記バッフル層の前記突起部及び前記外側表面は、前記本体部を透過する流体の流れを再配向する複数の相互接続チャネルを定め、前記チャネルは、前記流体を前記流体が当たる点から前記チャネルを通して、横方向に遠ざかるように反らせる配向を持つことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の顔用マスク。
【請求項8】
前記バッフル層は、前記本体部を形成する1つだけの層であることを特徴とする請求項1に記載の顔用マスク。
【請求項9】
前記複数の突起部の各々は、前記バッフル層の前記内側表面上に内腔を定めることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の顔用マスク。
【請求項10】
前記複数の突起部は、前記バッフル層の前記外側表面から延びることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の顔用マスク。
【請求項11】
前記バッフル層は、三次元形状に形成されたウエブから形成されることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の顔用マスク。
【請求項12】
前記突起部は、円形枕形状、又は六角形状であることを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の顔用マスク。
【請求項13】
前記バッフル層はフィルムであって、前記突起部の各々は、その内部に孔を定めることを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の顔用マスク。
【請求項14】
前記突起部は複数の谷部を定める隆起部であり、前記バッフル層の前記外側表面は波形状を有することを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の顔用マスク。
【請求項1】
本体部を備え、該本体部は、使用者の口と鼻の少なくとも一部とを覆うように置かれて使用者の口と鼻の少なくとも一部とを周囲環境から隔離し、呼吸のための空気が該本体部を通して吸引されるようにする形状であり、前記本体部は外側表面及び内側表面を持つバッフル層を有し、該バッフル層は、その外側表面又は内側表面の少なくとも1つから延びる複数の突起部を備え、前記バッフル層は、前記本体部に当たる流体に関連するエネルギーを吸収するのを助け、流体が通り抜けるのを阻止することを特徴とする顔用マスク。
【請求項2】
前記本体部は、前記バッフル層の前記突起部に接触する第一層及び前記バッフル層の前記内側表面に接触する第三層を有することを特徴とする請求項1に記載の顔用マスク。
【請求項3】
前記本体部は、着用時に使用者の皮膚に接触する内側層と、外側層とを有し、前記バッフル層は、前記内側層と前記外側層との間に配置されたことを特徴とする請求項1に記載の顔用マスク。
【請求項4】
前記第一層又は前記外側層は、前記バッフル層より剛性があることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の顔用マスク。
【請求項5】
前記本体部は複数の層を有し、前記突起部は、前記バッフル層と隣接層との間に内部空間を定めることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の顔用マスク。
【請求項6】
前記突起部は前記バッフル層の前記外側表面上に配置され、前記突起部の各々は、前記バッフル層の前記内側表面上に内腔を定め、前記本体部は複数の層を有し、前記突起部は、前記バッフル層と外側の隣接層との間に内部空間を定め、前記バッフル層の前記内側表面上の前記内腔は、前記バッフル層の前記内側表面と内側の隣接層との間の接触を最小にすることを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の顔用マスク。
【請求項7】
前記突起部は前記バッフル層の前記外側表面上にあり、前記バッフル層の前記突起部及び前記外側表面は、前記本体部を透過する流体の流れを再配向する複数の相互接続チャネルを定め、前記チャネルは、前記流体を前記流体が当たる点から前記チャネルを通して、横方向に遠ざかるように反らせる配向を持つことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の顔用マスク。
【請求項8】
前記バッフル層は、前記本体部を形成する1つだけの層であることを特徴とする請求項1に記載の顔用マスク。
【請求項9】
前記複数の突起部の各々は、前記バッフル層の前記内側表面上に内腔を定めることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の顔用マスク。
【請求項10】
前記複数の突起部は、前記バッフル層の前記外側表面から延びることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の顔用マスク。
【請求項11】
前記バッフル層は、三次元形状に形成されたウエブから形成されることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の顔用マスク。
【請求項12】
前記突起部は、円形枕形状、又は六角形状であることを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の顔用マスク。
【請求項13】
前記バッフル層はフィルムであって、前記突起部の各々は、その内部に孔を定めることを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の顔用マスク。
【請求項14】
前記突起部は複数の谷部を定める隆起部であり、前記バッフル層の前記外側表面は波形状を有することを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の顔用マスク。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2007−515248(P2007−515248A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546951(P2006−546951)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/020695
【国際公開番号】WO2005/067746
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/020695
【国際公開番号】WO2005/067746
【国際公開日】平成17年7月28日(2005.7.28)
【出願人】(504460441)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (396)
【Fターム(参考)】
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