説明

流体排出装置

流体容器(30)から流体を排出するための装置(11)。この装置は流体出口(14)を含む出口壁(15)と流体入口(16)を含む入口壁(13)を持つチャンバー(12)を有する。ノズル(17)が入口から延びている。クレイドル(21)が流体容器を載置するために入口壁に固定されている。クレイドルは流体容器を選択位置に動かすように作動可能とされる。選択位置は流体容器を取り外すことのできる一又は複数の取り外し位置と流体容器がノズルと封止状態で係合して保持される保持位置を含む。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体容器から流体を排出させるための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体容器から微細スプレーを取り出すために多くの状況下において微小体積(ULV)装置が広く使用されている。例えば、このような装置は殺虫剤、殺生剤、駆虫剤或いは脱臭剤を排出するために家庭、工場、又は無菌環境(病院)において使用される。一旦、容器からの液体が使い尽くされると、取り出されて次いで交換或いは容器を再充填して再補充される。
【0003】
一つの通常のこの種のULV装置は液体容器からスプレーノズルを通して液体が供給されるディスペンシングチャンバーを備えている。液体容器はディスペンシングチャンバーの外壁に隣接して取り付けられる。この液体容器の開口ヘッド端部は、閉じた基底端部に接触している壁面に設けられる板バネによって、スプレーノズルの圧縮シールに係合作動するように押し付けられる。この装置は信頼性に欠けている。この板バネは液体容器のかなりの重さの下では破損しがちである。更に、バネにかかる液体容器の重量はシールの完全生を周期的に或いは全体として損失させることとなる。(このことは、次にスプレーの汚染やスプレーの不完全な分配をもたらす。更に、長く使用していると、バネの状態は悪くなり、或いは摩耗が生じやすくなり、シールが危うくなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、入口ノズルと密封係合して液体容器を保持するためにクレイドル(揺りかご)を使用することにより液体分配装置の信頼性を改善することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
従って、本発明の一つの態様は、
流体出口を含む出口壁と流体入口を含む入口壁を有する流体チャンバーと;
前記入口に接続され、又は入口から延びるノズルと;
前記入口壁に固定された前記流体容器を置くためのクレイドルを備え、前記クレイドルは前記流体容器を一又は複数の取り外し位置と一つの保持位置を含む選択された位置に移動するように操作でき、取り外し位置においては前記流体容器は取り外しが可能となり、保持位置においては前記流体容器は前記ノズルと封止状態で係合して固定される、流体容器から流体を分配する装置を提供する。
【0006】
クレイドルは堅固な保持手段として働き、これは流体容器が固定位置にあるとき、封止の完全性を維持するように有利に作用する。
【0007】
クレイドルは流体容器を選択された位置に移動するとき、実質的に直線的に、或いは曲線状(例えばアーチ状に)操作できるようにすることができる。流体容器は実質的に直線的(例えば、実質的に上方へ直線的に)移動するようにしてもよい。好ましい実施例においては、クレイドルを回転可能として流体容器を選択された位置に移動するようにしている。
【0008】
好ましくは、保持位置を含む複数の選択位置においては、流体容器はノズルと封止された状態で係合する。この目的のため、ノズルは弾性シール(例えば圧縮可能)を含み、保持位置を含む複数の選択位置において流体容器がその弾性シールに対して封止状態に係合する。
【0009】
好ましくは、一又は複数の取り外し位置はクレイドルが静止状態にあるときの流体容器の位置を含んでいる。例えば、単独の取り外し位置はクレイドルが静止状態にあるときの流体容器の位置とすることができる。
【0010】
好ましい実施例においては、クレイドルは流体容器をノズルと封止状態に係合させるように積極的に押し付けるように移動(例えば、回動)できるようにしている。
【0011】
好ましい実施例においては、流体容器が保持位置にあるときは、クレイドルは拘束可能とされる。例えば、流体容器が保持位置にあるとき、クレイドルはそれ自体で拘束されるようにするか、或いは、流体容器が保持位置にあるとき、拘束留め具により拘束するようにしてもよい。好ましくは、拘束留め具は拘束ノッチ(又はスロット或いは溝)と選択的に係止可能な拘束ラッチを有している。拘束ラッチはクレイドルに設け、拘束ノッチは入口壁上か或いはクレイドルの固定部分に設けることができる。
【0012】
使用に際しての好ましい実施例において、クレイドルは、流体容器がノズルと封止状態で係合する位置(保持位置以外の位置)になるように操作され、拘束ラッチが係止位置に配置されるように移動され、そして拘束ラッチが拘束ノッチに係止し、流体容器を保持位置に保持するようにクレイドルが解除される。
【0013】
保持位置にある流体容器は入口壁に対して並列(例えば、緊密に並列)して保持される。保持位置にある流体容器は実質的に入口容器と平行にすることができる。流体容器が保持位置にあるときは入口壁に対して並列(例えば、緊密に並列)状態とすることができる。
【0014】
流体容器は選択的に係合可能な雄位置と雌位置によってクレイドル上に載置されるように支援されるようにしてもよい。このことは流体容器とクレイドルの相対的な横方向の動きに対して耐えることを助け、そして、流体容器が作動中に取り外されるのを防止するのに役立つ。例えば、流体容器の外側基底部に、クレイドルの突出部を実質的に囲むことのできるカット-アウェイ部分(切徐部分)を設けることができる。この切徐部分は断面が実質的に三日月状の細長の凹部とすることができ、また、クレイドルの突出部は切除部分と係合可能な細長の実質的に円筒状のシャフトとすることができる。
【0015】
好ましい実施例において、本装置は、更に、入口壁に堅固に固定されるフレーム;を有し、
クレイドルは、流体容器を載置するための偏心したクランクシャフトを含むクランクを有し、クランクは前記フレーム上に回動可能に設けられ、クランクシャフトが偏心状に回動して流体容器を選択位置に移動させるように回動できるようにされる。
【0016】
好ましくは、クレイドルは、更に、クランクハンドル(例えば細長のクランクハンドル)を有する。クランクハンドルは実質的に線状とすることができる。
【0017】
偏心クランクシャフトは好ましくは実質的にU字形をなすものである。実質的なU字形クランクシャフトは横方向に長くなっている。例えば、この実質的なU字形クランクシャフトは起立する脚部(例えば、実質的に細長ベースに直交する)を持つ細長のベース(例えば円筒状ベース)を含む。脚部はフレームに回動して係合する第1及び第2の横方向延長部内に延びている。第1延長部はクランクハンドル内に延びる(或いは一体化される)。
【0018】
好ましい実施例においては、クランク(例、クランクハンドル)は拘束ノッチと選択的に係合する拘束ラッチを有している。この拘束ラッチは横方向に延びる脚とすることができる。この脚はU字形とすることができる。拘束ノッチはフレーム上に設けることができる。この拘束ノッチはノズルに向けて(例、上方に)傾斜している。
【0019】
実質的にU字形のクランクシャフトは、好ましくは、クランクハンドルと非同一面とされる。特に好ましくは、クランクシャフトは、20°以上、特に好ましくは30°以上、さらに好ましくは35−65°の範囲(例、約45°)でクランクハンドルの面からずれている。
【0020】
好ましくは、クランクシャフトと入口壁との間の角度は、クランクハンドルと入口壁との間の角度より大きい。例えば、クランクシャフトと入口壁との間の角度はクランクハンドルと入口壁との間の角度より20°以上、好ましくは30°以上、さらに好ましくは35−65°(例、約45°)だけ大きい。
【0021】
好ましい実施例においては、流体容器が保持位置にあるとき、クランクハンドルは入口壁に対して並列(緊密に並列)している。クランクは入口壁から離れた位置に回動されている。クランクの静止位置は、実質的に入口壁に対して直交している。
【0022】
フレームは一対の実質的に平行で離れている細長のフレーム部分を有している。好ましくは、このフレーム部分は実質的にL字形をなしている。このことは、L字形フレーム部分が入口壁に対して流体容器をその間に拘束するのに十分な間隔を置いて固定されることができ、流体容器を保持位置に更に保持することができるという点で有利である。
【0023】
出口壁と入口壁は相対している。ノズルは下方に向けられている(例、入口壁に対して実質的に平行な方向に下方に向けられている。)。
【0024】
流体容器はボトルとすることができる。流体容器は液体を含むことができる。液体は殺虫剤、殺生剤、駆虫剤や脱臭剤であってもよい。本装置は家庭、工場又は無菌環境(例、病院)において用いることができる。
【0025】
本発明の装置は液体を噴霧の状態(例、微小体積スプレー)で排出するために用いることができる。この液体の排出(スプレー)はモーターで駆動することができる。
【0026】
好ましい実施例において、本装置は液体を微小体積スプレーの形態で排出するために作動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明は図面を参照して非限定的な意味で以下に説明される:
図1は、本発明の装置の一実施例のクランクを示す図であり;
図2は、本発明の装置の実施例を示す図である。
【0028】
図1に静止状態で示されるものは、図2に示される本発明の装置11の実施例のクランク1である。装置11は、全体として、クレイドル21に設けられ、流体出口14を含む出口壁15と流体入口16を含む出口壁15に対向する入口壁13を持つ流体チャンバー12を備えている。流体入口16には弾性シールを含む下方に向けられたノズル17が連結されている。
【0029】
本装置は、更に、第1L字形フレーム部分2と第2L字形フレーム部分3を有している。互いに平行で離間しているフレーム部分2とフレーム部分3は留め具5によって入口壁13に固定されている。フレーム部分3はその上端にノッチ31を有している。クランク1は細長の実質的にU字形のクランクシャフト7を有し、このクランクシャフト7は一方の端部で延長部8に横方向に延び、他方の端部で延長部9に延びている。クランクシャフト7のベース7aは円筒形である。延長部8及び9はフレーム部分2及び3の下部の穴4a、b内で回転可能に配置されている。延長部9はクランクハンドル6と一体にされている。クランクハンドル6の端部はU字形の脚の形態で拘束ラッチ10となっている。クランクハンドル6とクランクシャフト7は約45°の角度で面がずれている。
【0030】
使用に際しては、ボトル30がクランクシャフト7のベース7aの上に置かれる。この目的のため、ボトル30は一般的には底部にクランクシャフト7と係合する細長い三日月状の溝が設けられており、これにより、外れそうになることを防止している。図1に示された載置された状態からクランクシャフト7上に載っているボトルは取り外しが可能となっている。クランクハンドル6を上方に回動することにより、ユーザーはクランクシャフト7に偏心的回動動作を作用させ、それによりボトル30を図2に示される保持位置の方向に、そして更に上方に向けてノズル17内の弾性シールに対して押し付ける。最終位置において、拘束ラッチ10は係止位置に動かされ、そしてハンドル6は放される。弾性シールは緩み、そして拘束ラッチ10はノッチ31に係止し、ボトル30は図2に示された保持位置に保持される。この保持位置においては、ボトル30とクランクハンドル6は壁に対して並列の状態にあり、ボトル30はクランク1とフレーム部分2,3によって支持され、一方においてノズル17の弾性シールと能動的に係合した状態で保持される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の装置の一実施例のクランクを示す図である。
【図2】本発明の装置の実施例を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体容器から流体を排出するための装置であって:
流体出口を含む出口壁と流体入口を含む入口壁と;
前記流体入口から延びる、又は流体入口と連結されたノズルと;
前記入口壁に固定された前記流体容器を載置するためのクレイドルであって、前記流体容器を、流体容器を取り外すことが可能な一又は複数の取り外し位置と前記流体容器を前記ノズルと係合させて保持する保持位置を含む選択された位置に移動させるように操作されるクレイドルを
備える装置。
【請求項2】
前記クレイドルは前記流体容器を選択された位置に移動するように回動可能である請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記クレイドルは前記流体容器を前記ノズルと封止状態で係合するように能動的に押し付けるように操作される請求項1又は請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記クレイドルは前記流体容器が保持位置にあるとき拘束可能である請求項1,2又は3に記載の装置。
【請求項5】
前記クレイドルは前記流体容器が保持位置にあるとき拘束留め具により拘束される請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記拘束留め具は拘束ノッチと選択的に係止可能な拘束ラッチを有する請求項5に記載の装置。
【請求項7】
保持位置にある前記流体容器は前記入口壁に並列状態で保持される請求項1乃至6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記流体容器は選択的に係合可能な雄部と雌部により前記クレイドル上に載置されるようにされた請求項1乃至7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記入口壁に堅固に固定されたフレームを有し:
前記クレイドルは、更に:
前記流体容器を載置するための偏心クランクシャフトを含むクランクであって、前記クランクは前記フレームに回動可能に取り付けられ、前記クランクシャフトが偏心的に回動して前記流体容器を選択位置に移動させるように回動可能であるクランクを備える、
請求項1乃至8に記載の装置。
【請求項10】
前記クランクはクランクハンドルを更に有する請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記偏心クランクシャフトは実質的にU字形である請求項9又は10に記載の装置。
【請求項12】
前記クランクハンドルは拘束ノッチと選択的に係合可能な拘束ラッチを有する請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記実質的にU字形のクランクシャフトは好ましくは前記クランクハンドルと非−同一面上にある請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記クランクシャフトは前記クランクハンドルと35°から65°の角度の範囲で面がずれている請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記流体容器が保持位置にあるとき前記クランクハンドルは前記入口壁と並列状態にある請求項10乃至14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記フレームは実質的に平行で互いに離間している一対の細長のフレーム部分を有する請求項9乃至15のいずれかに記載の装置。
【請求項17】
前記フレームは実質的にL字形である請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記ノズルは下方に向いている請求項1乃至17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記流体容器はボトルである請求項1乃至18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
前記流体容器は液体を含む請求項1乃至19のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
前記液体は殺虫剤、殺生剤、駆虫剤又は脱臭剤である請求項21に記載の装置。
【請求項22】
前記装置は微小体積スプレーの形態で液体を排出するように作動する請求項20又は21に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−514743(P2009−514743A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−538389(P2008−538389)
【出願日】平成18年10月25日(2006.10.25)
【国際出願番号】PCT/GB2006/003964
【国際公開番号】WO2007/051973
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(506309803)キルジャーム グループ リミテッド (2)
【Fターム(参考)】