説明

流体輸送用チューブ又はシール材

【課題】 優れたガスバリア性、機械的特性を持つだけでなく、着色や界面活性剤のブリードのないブチルゴム系熱可塑性エラストマーを用いた流体輸送用チューブ又はシール材を提供すること。
【解決手段】ブチルゴム系熱可塑性エラストマー100重量部と、無機フィラー0.5〜100重量部を、アニオン系界面活性剤1〜15重量部の存在下で乳化分散させたブチルゴム系熱可塑性エラストマーのアニオン性水性分散体を用いた流体輸送用チューブ又はシール材である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブチルゴム系熱可塑性エラストマーのアニオン性水性分散体を用いた流体輸送用チューブ又はシール材に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスバリア性に優れた材料は環境保全、品質保持等の観点より多くの産業分野において求められている。例えば、空調システムの冷媒輸送用チューブにおいては、環境問題の観点から、冷媒ガスの透過の抑制が重要である。その他、ガス輸送用、化学薬品用、医療用、飲料輸送用等に用いられる輸送用チューブは、安全性等の観点から、同様に高いガスバリア性が求められる。その他、耐湿性、耐ガス性、耐腐食性、耐薬品性が求められる上、これらの輸送用チューブは耐屈曲性等の柔軟性が要求され、振動吸収性や組み付け作業性にも優れた高性能のものが求められている。
また、例えば建築部材の接合箇所に、隙間充填材として用いられるシール材の分野においても、近年の建築物の高機能化に伴い、建築物の耐水性、気密性の向上が要求され、シール材としての高い性能、すなわち、ガスバリア性と、取扱性及び作業性に優れたシール材が求められている。
【0003】
ガスバリア性を向上する目的でゴムや熱可塑性樹脂にクレー等の無機フィラーを配合することは従来より検討されている。
ゴムや熱可塑性樹脂にクレー等の無機フィラーを配合する方法としては、例えば、(1)クレーを4級アンモニウム塩などの界面活性剤を用いて有機化処理した「有機化クレー」と、ゴムや熱可塑性樹脂を有機溶媒に一旦溶解したものとを、充分混合した後に有機溶媒を乾燥させてクレー配合物を得る「有機化クレー/有機溶媒法」が知られている。この方法には、クレーの有機化処理に多数の工程が必要であり、有機溶媒中に有機化クレーが良好に分散する場合としない場合があり、ばらつきがみられる。また、(2)「有機化クレー」とゴムや熱可塑性樹脂とを、二軸混練機などの高温高せん断型ミキサーを用いて混合することにより、クレー配合物を得る「有機クレー/高せん断ミキサー法」が知られている。この方法は、(1)の方法と同様にクレーの有機化処理に多数の工程が必要であり、さらに、クレーの分散状態は、二軸混練中のせん断力だけに依存するため、分散性にばらつきがあるだけでなく、クレーの有機化処理に使用される4級アンモニウム塩等が製品中に残存し、品質に悪影響を与える。さらに、(3)クレー水スラリーと、ゴム等の水性分散体とを混合することにより得られる水性分散体/クレー水スラリーを、乾燥させてクレー配合物を得る「水性分散体/クレー水スラリー法」も知られている。この方法では、有機溶剤は使用されず、クレー水スラリーと水性分散体との混合は容易であり、良好な分散状態のクレー配合物が得られるが、水性分散体に使用する乳化剤種や添加量によっては充分な性能が発現しない場合がある(特許文献1参照)。
【0004】
また、クレーを分散したゴムや熱可塑性樹脂の配合物を成形加工する場合にも種々の制限がある。例えば、ゴム系材料は、最終的に成形時に加硫工程が必要なため、使用できる用途が限定されたり、生産性が悪くなる等の問題がある。熱可塑性樹脂は、汎用性が高いものの、得られた成形品は伸びや弾性力が必要とされる用途には利用できない。
これらに対して熱可塑性エラストマーは、熱可塑性を有するため成形加工が容易であることに加え、得られた製品はゴム弾性を有するため、幅広い用途での使用が可能である。熱可塑性エラストマーとしては、SBS(ポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレンブロック共重合体)、SEBS(ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブタジエン)−ポリスチレンブロック共重合体)、SIBS(ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体)などの多くの種類があるが、これらの中でも特にSIBSは、ブロック部分として持つポリイソブチレンの構造に起因するガスバリア性に優れた材料として開発が進められている。これらのポリイソブチレンをブロック部分として有する熱可塑性エラストマーは、汎用のSBSのようなジエン系熱可塑性エラストマーと区別するため、ブチルゴム系熱可塑性エラストマーとして分類される場合がある。
このブチルゴム系熱可塑性エラストマーを含む熱可塑性エラストマーの改質についても、例えば前述の(2)の方法を用いて、機械的特性の改質が試みられているが、ガスバリア性の改質効果については検討されていない(特許文献2参照)。
【0005】
一方、前述の(3)の方法を用いたガスバリア性の改質については、SBS等のジエン系熱可塑性エラストマーの水性分散体の製造方法についての検討がなされている程度で、ガスバリア性材料として適したブチルゴム系熱可塑性エラストマーの水性分散体については検討されておらず、早期の確立が求められている(特許文献3参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2003−292678号公報
【特許文献2】特開2003−89736号公報
【特許文献3】特開2003−253134号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、優れたガスバリア性、機械的特性を持つだけでなく、着色や界面活性剤のブリードのないブチルゴム系熱可塑性エラストマーを用いた流体輸送用チューブ又はシール材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定量のブチルゴム系熱可塑性エラストマー及び無機フィラーをアニオン系界面活性剤の存在下で乳化分散させたブチルゴム系熱可塑性エラストマーのアニオン性水性分散体を用いた流体輸送用チューブ又はシール材が、上記課題を解決し得ることを見出した。本発明はかかる知見に基づいて完成された発明である。
すなわち、本発明は、ブチルゴム系熱可塑性エラストマー100重量部と、無機フィラー0.5〜100重量部を、アニオン系界面活性剤1〜15重量部の存在下で乳化分散させたブチルゴム系熱可塑性エラストマーのアニオン性水性分散体を用いた流体輸送用チューブ又はシール材を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の流体輸送用チューブ又はシール材によれば、優れたガスバリア性、機械的特性を有し、かつ着色や界面活性剤のブリードのないブチルゴム系熱可塑性エラストマーを用いた流体輸送用チューブ又はシール材を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明に用いられるブチルゴム系熱可塑性エラストマーとしては、ポリイソブチレンをブロック部分として有する熱可塑性エラストマーであれば特に限定されるものではなく、例えば、(A)イソブチレンを主要なモノマー体として構成されるブロック部分、及び(B)芳香族ビニル化合物を主要なモノマー体として構成されるブロック部分からなる共重合体など、公知の各種のものを利用できる。ここで用いる芳香族ビニル化合物の具体例としては、例えば、スチレン、o−、m−又はp−メチルスチレン、α−メチルスチレン等を挙げることができる。これらは単独でも又は2種以上を併用してもよい。
また、イソブチレンを主要なモノマー体として構成されるブロック部分におけるイソブチレンモノマーの含有量、及び芳香族ビニル化合物を主要なモノマー体として構成されるブロック部分における芳香族ビニル化合物の含有量は、それぞれ60重量%以上が好ましく、80重量%以上がより好ましい。
【0011】
このようなブチルゴム系熱可塑性エラストマーの具体例としては、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体、ポリα−メチルスチレン−ポリイソブチレン−ポリα−メチルスチレンブロック共重合体、ポリp−メチルスチレン−ポリイソブチレン−ポリp−メチルスチレンブロック共重合体、ポリスチレン−ポリイソブチレンブロック共重合体、及びこれらのハロゲン化物等を挙げることができる。これらのうち、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体が、柔軟性及び耐バリア性の観点から、特に好ましく用いられる。また、これらのブチルゴム系熱可塑性エラストマーは、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上のものを混合して用いてもよい。
【0012】
上記ブチルゴム系熱可塑性エラストマーにおける(A)イソブチレンを主要なモノマー体として構成されるブロック部分の含有割合は、特に限定されるものではないが、40〜95重量%であるものが好ましく、50〜90重量%であるものがさらに好ましい。
また、ブチルゴム系熱可塑性エラストマーの重量平均分子量は、特に限定されないが、強度及び熱安定性の点から、10,000〜300,000であることが好ましく、50,000〜150,000の範囲であることがより好ましい。
【0013】
本発明で用いられる界面活性剤としては、アニオン系の界面活性剤であれば特に限定はなく、例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪族系ポリオキシアルキレンエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルジフェニルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ロジン酸塩、脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウム等の脂肪酸塩等を挙げることができる。これらは、適宜、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
これらのアニオン系界面活性剤の中でも、耐ブリード性、耐薬品性、及び耐水性の観点から、ジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪族系ポリオキシアルキレンエーテル硫酸塩、脂肪酸塩及びアルキルベンゼンスルホン酸塩よりなる群から選ばれた少なくとも1つが好ましく用いられる。
【0014】
ジアルキルスルホコハク酸塩は、下記の一般式(I)で表される化合物である。
YO3SCH(CH2COOR1)COOR2 ・・・(I)
(式中、Yはナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩又はアンモニウム塩を表し、R1及びR2は同一又は異なってもよく、炭素数5〜12のアルキル基又はフェニル基を示す。)
ジアルキルスルホコハク酸塩の具体例としては、例えば、ジオクチルスルホコハク酸塩、ジエチルヘキシルスルホコハク酸塩、ジアルキルフェニルスルホコハク酸塩、ジドデシルスルホコハク酸塩等を挙げることができる。これらの中でも特に、ジオクチルスルホコハク酸塩を使用した場合に好ましい結果が得られる。
【0015】
次に、脂肪族系ポリオキシアルキレンエーテル硫酸塩は、下記の一般式(II)で表される化合物である。
3(AO)nSO3Y ・・・(II)
(式中、Yはナトリウム塩、カリウム塩、アミン塩又はアンモニウム塩を表し、R3は炭素数5〜24のアルキル基又は炭素数5〜24のアルケニル基を表し、nは付加モル数を示し、2〜50の整数である。また、AOは−(C24O)n1−(C36O)n2−(n1=0〜50、n2=0〜50、但し、n1+n2=2〜50であり、n1及びn2のいずれもが0でない場合には、(C24O)と(C36O)の順番は問わず、ブロックでもランダムでもよい)を表す。)
脂肪族系ポリオキシアルキレンエーテル硫酸塩の具体例としては、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンオレイルエーテル硫酸塩等を挙げることができ、より具体的には、ナトリウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。中でもポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸塩、特にポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムが効果の点から好ましい。
【0016】
脂肪酸塩は、下記の一般式(III)で表される化合物である。
4COOM ・・・(III)
(式中、R4は炭素数5〜24のアルキル基又は炭素数5〜24のアルケニル基、Mはナトリウム、カリウム、アンモニウム、又はアミンを表す。)
脂肪酸塩の具体例としては、例えば、オレイン酸塩、ステアリン酸塩、ラウリン酸塩、ミリスチン酸塩、パルミチン酸塩等を挙げることができる。これらの中で、特にオレイン酸塩を使用した場合に好ましい結果が得られる。
【0017】
アルキルベンゼンスルホン酸塩は、下記の一般式(IV)で表される化合物である。
564SO3M ・・・(IV)
(式中、R5は炭素数5〜24のアルキル基、Mはナトリウム、カリウム、アンモニウム、又はアミンを表す。)
アルキルベンゼンスルホン酸塩の具体例としては、例えば、直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸塩等を挙げることができ、なかでもアルキル基の炭素数が1〜14である直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましく、特にドデシルベンゼンスルホン酸塩、とりわけドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが効果の点から好ましい。
【0018】
アニオン系界面活性剤の添加量は、通常、ブチルゴム系熱可塑性エラストマー100重量部に対する割合が1〜15重量部になるように配合するのが好ましく、さらには1〜10重量部になるように配合するのが好ましい。アニオン系界面活性剤の割合が1重量部未満では、安定な水性分散体が得られない場合があり、一方、15重量部を超えると、得られるブチルゴム系熱可塑性エラストマーのアニオン性水性分散体の各種物性が損なわれる場合があり、また経済的にも不利である。
【0019】
なお、アニオン系界面活性剤に加え、ノニオン系界面活性剤又はアニオン系やノニオン系の高分子分散安定剤等を併せて用いることができる。
ここで使用し得るノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキレート、オキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合体及びポリグリセリンエステル等を挙げることができる。
また、高分子分散安定剤としては、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸エステルの塩、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン等を挙げることができる。
【0020】
本発明に係るブチルゴム系熱可塑性エラストマーのアニオン性水性分散体は、ブチルゴム系熱可塑性エラストマーを、アニオン系界面活性剤を用いて、乳化分散して得られるブチルゴム系熱可塑性エラストマーのアニオン性水分散液と、無機フィラーとを混合することにより製造することができる。
その製造方法としては、例えば、(1)ブチルゴム系熱可塑性エラストマーを有機溶剤に溶解した有機相と、アニオン系界面活性剤を水に溶解した水相とを混合して乳化を行い、その後有機溶剤を留去する方法、(2)ブチルゴム系熱可塑性エラストマーを水媒体中でアニオン系界面活性剤の存在下、加熱・攪拌して乳化分散し、冷却する方法等が挙げられる。
これらのうち、ブチルゴム系熱可塑性エラストマーが有機溶剤に溶解しやすい点から、上記(1)の方法が好ましい。
【0021】
上記(1)の製造方法において、ブチルゴム系熱可塑性エラストマーを含む有機相を調製する際に用いられる有機溶剤は、特に限定されるものではないが、通常は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の鎖状脂肪族炭化水素系有機溶剤、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素系有機溶剤、又はベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系有機溶剤等である。これらの有機溶剤は、それぞれ単独で用いられてもよいし、2種以上のものが併用されてもよい。さらに、溶解助剤として、メタノール、エタノール、イソプロパノール、t−ブタノール等の低級アルコール類を併用してもよい。
有機相を調製する際に、ブチルゴム系熱可塑性エラストマーの溶解割合は、特に限定されるものではないが、有機相中における固形分濃度が5〜50重量%になるように設定するのが好ましい。また、溶解させる際の温度は、特に限定されるものでなく、通常100℃までの温度にて溶解される。
【0022】
また、アニオン系界面活性剤を溶解した水相を調製するには、通常、水中に界面活性剤を添加して溶解させる。この際、界面活性剤の添加量は、特に限定されるものではないが、水相における濃度が0.1〜50重量%になるように設定するのが好ましい。
【0023】
次に、ブチルゴム系熱可塑性エラストマーを含む有機相と界面活性剤を含む水相とを混合して乳化させる工程において、有機相と水相との混合割合は、通常、有機相100重量部に対する水相の割合が20〜500重量部の範囲とすることが好ましく、25〜200重量部の範囲とすることがさらに好ましい。水相の割合が20重量部以上であると、乳化が可能であり、かつ、粘度が適当な範囲となる。一方、500重量部以下であると、生産性が高く実用的である。
有機相と水相とを混合して乳化させるための方法は、特に限定されるものではなく、例えば、適当なせん断力を有する乳化機、例えばホモジナイザーやコロイドミル等を用いて攪拌混合する方法や、超音波分散機等を用いて分散・混合する方法を採用することができるが、攪拌混合する方法がより好ましい。また、乳化時の温度は、特に限定されるものではないが、5〜70℃の範囲であることが好ましい。
【0024】
本発明に係るブチルゴム系熱可塑性エラストマーのアニオン性水分散液は、上述の乳化工程により得られた乳化液から、有機溶剤を留去することで得られる。有機溶剤の留去は、一般に、減圧下で乳化液を加熱する通常の留去方法に従って実施することができる。このようにして得られたブチルゴム系熱可塑性エラストマーのアニオン性水分散液は、必要に応じて加熱濃縮、遠心分離または湿式分離等の操作により、所望の固形分濃度になるまで濃縮することができる。
【0025】
本発明に係るブチルゴム系熱可塑性エラストマー粒子の平均粒子径は、0.1〜3μmが好ましい。平均粒子径が0.1μm以上であると、粘度が適当であるために取り扱いが容易であり、一方、3μm以下であると水性分散液の静置安定性が良好である。なお、該平均粒子径の制御は、乳化工程における攪拌混合操作を適宜調整することにより達成することができる。
【0026】
本発明に係るブチルゴム系熱可塑性エラストマーのアニオン性水分散液は、水系の分散媒中に、ブチルゴム系熱可塑性エラストマー粒子が乳化分散しているものであり、上述のジアルキルスルホコハク酸塩、脂肪族系ポリオキシアルキレンエーテル硫酸塩、脂肪酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩に代表されるアニオン系界面活性剤を含んでいるために、アニオン性が付与されている。
【0027】
上記ブチルゴム系熱可塑性エラストマーのアニオン性水分散液に無機フィラーを混合することで、本発明のブチルゴム系熱可塑性エラストマーのアニオン性水性分散体が得られる。
本発明で使用される無機フィラーとしては、クレー、マイカ、カオリンクレー、タルク、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ、チタニア等を挙げることができる。これらのうち、形状が扁平であるクレー、マイカ、カオリンクレー及びタルクが好ましく、特にクレーが好ましい。無機フィラーの平均粒径は2μm以下が好ましく、0.01〜1μmの範囲がより好ましい。上記無機フィラーは、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0028】
無機フィラーとして好ましい態様であるクレーは、一般に、1種あるいは2種以上の粘土鉱物からなる平均粒径2μm以下、好ましくは0.01〜1μmの微細な粒子である。ここで、粘土鉱物とは、平均粒径2μm以下の微細な層状ケイ酸塩であり、Si4+イオンが酸化物イオン(O2-)に対して4配位をとる4面体が構成する層と、Al3+、Fe2+、Fe3+、Mg2+等のイオンがO2-及び水酸化物イオン(OH-)に対して、6配位をとる8面体層とが1:1あるいは2:1で結合し、さらにそれらが積み重なって層状構造を構成するものが一般的である。
粘土鉱物としては、例えば、スメクタイト、カオリナイト、ハロイサイト、モンモリロナイト、セライト、バーミキュライト等を挙げることができる。
【0029】
上記クレーとして、有機クレーを使用してもよい。有機クレーとは、クレーに有機オニウムイオンを結合させたものである。有機オニウムイオンは、炭素数6以上であることが好ましい。炭素数が6以上であると、有機オニウムイオンの親水性が抑えられ、変性ポリマーとの相溶性が確保される。
上記有機オニウムイオンとしては、例えば、ヘキシルアンモニウムイオン、オクチルアンモニウムイオン、2-エチルヘキシルアンモニウムイオン、ドデシルアンモニウムイオン、ラウリルアンモニウムイオン、オクタデシルアンモニウムイオン、ステアリルアンモニウムイオン、ジオクチルジメチルアンモニウムイオン、トリオクチルアンモニウムイオン、ジステアリルジメチルアンモニウムイオン、又はラウリン酸アンモニウムイオン等を用いることができる。
【0030】
無機フィラーの添加量は、ブチルゴム系熱可塑性エラストマー100重量部に対して、0.5〜100重量部の範囲であり、さらには1〜60重量部が好ましく、特には1〜20重量部が好ましい。無機フィラーの添加量が0.5重量部未満であると、ガスバリア性の効果が充分に得られない場合がある。また、100重量部を超えると機械的特性が悪くなる場合がある。
無機フィラーの混合方法としては特に限定はなく、例えば、(1)ブチルゴム系熱可塑性エラストマーのアニオン性水分散液に直接無機フィラーを混合し、分散する方法、(2)ブチルゴム系熱可塑性エラストマーのアニオン性水分散液と、あらかじめ調製した無機フィラーの水分散液とを混合し、分散する方法等を挙げることができる。無機フィラーの水分散液を得る方法としては特に限定はなく、例えば、無機フィラーを水に浸漬し、分散する方法が挙げられる。この場合の水の量は、無機フィラーが水に分散し、分散が容易になる量であればよく、例えば、クレーの場合は、通常1gのクレーに対して、水が20〜400g、好ましくは25〜100gの範囲である。
【0031】
無機フィラーの分散助剤としては、前述したアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤又はアニオン系やノニオン系の高分子安定剤等を併用することも可能である。
無機フィラーの分散には、スターラーミキサーなどの汎用の混合機を用いることができる。攪拌時間は、無機フィラーが水に充分浸漬する時間であればよく、無機フィラーの量にもよるが、通常0.5〜36時間である。また、必要に応じて、ホモジナイザー、高圧分散機、ガラスビースなどを媒体とする湿式分散機等を用いて無機フィラーの分散状態を改良することも可能である。
なお、本発明に係るブチルゴム系熱可塑性エラストマーのアニオン性水性分散体には、その性能を低下させない範囲で、各種樹脂の水分散体、粘接着助剤、カップリング剤、増粘剤、着色剤、消泡剤等を添加してもよい。
【0032】
本発明に係るブチルゴム系熱可塑性エラストマーのアニオン性水性分散体は、上述のようなアニオン系界面活性剤を用いて製造されているために、分散しているブチルゴム系熱可塑性エラストマー粒子の粒子径が小さく、しかも無機フィラーが分散安定剤としての効果もあるため、保存安定性、特に静置安定性に優れている。
【0033】
本発明の流体輸送用チューブ又はシール材は、上記ブチルゴム系熱可塑性エラストマーのアニオン性水性分散体を乾燥して、成形することで得ることができる。
乾燥方法は特に限定はなく、水性分散体から固形物を取り出すことができればよく、例えば、水性分散体を直接乾燥機にかける乾燥方法や、水性分散体に凝固剤を添加し、一旦固形物を取り出した後で乾燥することもできる。具体的な乾燥方法としては、熱風乾燥、真空乾燥、伝熱乾燥、高周波乾燥、マイクロ波乾燥、加熱蒸気乾燥、押出機を利用した乾燥等がある。これらの中では、ドラムドライヤーを用いた伝熱乾燥が、効果の優れた組成物を得ることができ、また生産効率が高い点から好ましい。伝熱乾燥によって効果の優れた組成物が得られる理由については、明らかとはなっていないが、ドラムドライヤーを用いて乾燥した場合には、薄膜状で乾燥が進むために、薄いシートとして組成物が得られ、このシート内で、無機フィラーが層状に配列しやすく、無機フィラーの添加効果が向上すると推測される。
【0034】
流体輸送用チューブ又はシール材の成形は、乾燥された固形物に、必要に応じ、各種の改質剤、安定剤、着色剤等を混合し、バンバリーミキサー、ロール、押出し成形機、射出成形機、インフレーション等の通常の成形装置により行う。また、流体輸送用チューブ又はシール材を他の材料で成形しておき、これに本発明に係るブチルゴム系熱可塑性エラストマーのアニオン性水性分散体を塗布し、乾燥する、あるいは水性分散体を乾燥させた固形物をシート化し、基材と張り合わせることでコーティング被膜を有する流体輸送用チューブ又はシール材も本発明に包含されるものである。塗布あるいは張り合わせる基材は、あらかじめコロナ放電処理等の表面処理を施しておくことがこれらを実施する上で有効である。さらに、各種樹脂と混練して流動性等の物性を改良させた配合を作ったり、固形物をマスターバッチにして基材に練り込むといったことも可能である。
【0035】
本発明の流体輸送用チューブ又はシール材は、アニオン系界面活性剤が熱安定性に優れているため着色がなく、またアニオン系界面活性剤とブチルゴム系熱可塑性エラストマーの相溶性が優れているため、該流体輸送用チューブ又はシール材からのアニオン系界面活性剤のブリードがほとんどない。さらに無機フィラーがブチルゴム系熱可塑性エラストマー中に均一に分散されているため、ガスバリア性や機械的特性に優れる。
【実施例】
【0036】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1
内容積が500mlのセパラブルフラスコに、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体(ポリイソブチレン含有量77重量%)30gとシクロヘキサン153gとイソプロピルアルコール17gを入れ、50℃で4時間攪拌して溶解した。得られた有機溶液(以下「有機溶液A」という)に、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム1.5gを100gの水に溶解した溶液を添加し、これをホモミキサー(特殊機化工業(株)、商品名「TKホモミキサーM型」)を用いて、2分間攪拌、混合して乳化液を得た。なお、攪拌・混合時の回転数及び温度は、それぞれ12,000rpm及び40℃に設定した。得られた乳化液を40〜90kPaの減圧下で、40〜70℃に加熱し、シクロヘキサン及びイソプロピルアルコールを留去した。この結果、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体のアニオン性水分散液75gが得られた。
別途、内容積が500mlのセパラブルフラスコに、スメクタイトF(クニミネ工業)3gと水97gを入れ、スターラーミキサーを用い、200rpmで2時間攪拌・分散したものに、上記のポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体の水分散液を混合し、続いて200rpmで10分間攪拌・混合し、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体のアニオン性水性分散体175gを得た。
【0037】
実施例2
実施例1で得られた有機溶液Aに、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム0.6gと、スメクタイトF(クニミネ工業)0.3gを100gの水に溶解した水溶液を添加したこと以外は実施例1と同様にして、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体のアニオン性水分散液75gを得た。
別途、内容積が500mlのセパラブルフラスコに、スメクタイトF(クニミネ工業)0.9gと水29.1gを入れ、スターラーミキサーを用い、200rpmで2時間攪拌・分散したものに、上記のポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体の水分散液を混合し、続いて200rpmで10分間攪拌・混合し、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体のアニオン性水性分散体105gを得た。
【0038】
実施例3
シクロヘキサン153g及びイソプロピルアルコール17gに代えて、トルエン170gを用いたこと以外は実施例1と同様にして有機溶液を得た。次いで、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムに代えて、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体のアニオン性水性分散体175gを得た。
【0039】
実施例4
シクロヘキサンに代えて、ヘプタンを用いたこと以外は実施例1と同様にして有機溶液を得た。次いで、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムに代えて、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体のアニオン性水性分散体175gを得た。
【0040】
実施例5
ポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムに代えて、オレイン酸カリウムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体のアニオン性水分散液75gを得た。
別途、内容積が500mlのセパラブルフラスコに、スメクタイトF(クニミネ工業)3gと水97gを入れ、スターラーミキサーを用い、200rpmで30分間攪拌・分散したものを高圧分散機(ゴーリン式高圧分散機)を用いて分散処理を実施した。この分散液に、上記のポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体の水分散液を混合し、スターラーミキサーを用い、200rpmで10分間攪拌・混合し、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体のアニオン性水性分散体175gを得た。
【0041】
実施例6
実施例1において作成したポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体のアニオン性水性分散体を、コロナ放電処理したポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体を主とした配合品シート表面に塗布し、これを乾燥させた多層シートを作成した。
【0042】
実施例7
実施例1において作成したポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体のアニオン性水性分散体を、乾燥の後、混練機により混練し、これを主としたポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体配合品を得た。
【0043】
比較例1
実施例1において、スメクタイトFを添加しないこと以外は実施例1と同様に操作し、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体のアニオン性水性分散体を得た。
【0044】
比較例2
実施例1において、スメクタイトFの添加量を36gとしたこと以外は実施例1と同様に操作し、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体のアニオン性水性分散体を得た。
【0045】
比較例3
実施例1において、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムの代わりに、ポリオキシエチレンラウリルエーテルを用いたこと以外は実施例1と同様に操作し、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体のアニオン性水性分散体を得た。
【0046】
比較例4
実施例1において、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムの代わりに、オクタデシルアミン酢酸塩を用いたこと以外は実施例1と同様に操作し、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体のアニオン性水性分散体を得た。
【0047】
評価方法
各実施例及び比較例で得られた水性分散体について、平均粒子径、保存安定性を評価した。また、各実施例及び比較例で得られた水性分散体から得られたシートについて、着色性、界面活性剤のブリード性、及びガスバリア性について評価した。
(1)平均粒子径
レーザー回折式粒度分布測定装置((株)島津製作所、商品名「SALD-2000J」)を用いて測定した。
(2)保存安定性
水性分散体40gを50mlの容器に入れて密封し、25℃の温度環境下で放置した。4ヶ月後に水性分散体の状態を目視により評価した。評価の基準は下記のとおりである。
○ 送分離なし
× 送分離あり
(3)着色性
各実施例及び比較例で得られた水性分散体から得られたシートについて、着色の程度を目視で評価した。
○ 着色なし
× 着色あり
(4)界面活性剤のブリード性
各実施例及び比較例で得られた水性分散体から得られたシートについて、界面活性剤のブリードがあるか否かを目視で評価した。
○ 界面活性剤がブリードしていない
× 着色あり
(5)ガスバリア性
各実施例及び比較例で得られた水性分散体から得られたシートを、GTRテック(株)製ガス透過試験機(GTR30A、ガスとして空気を使用)を用い、40℃、ガス供給側圧力1.0MPaの差圧法により、気体透過測定を行った。数字は原料樹脂(ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体(イソブチレン含有量;77重量%))に対するサンプルの空気透過度の比として表した。
(6)機械的特性
シートの機械的特性を評価するために、シートをJIS K 7113(プラスチックの引張試験方法)に従い破断強度及び伸びについて評価を実施した。
【0048】
【表1】

【0049】
実施例8
実施例1において作成したポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体のアニオン性水性分散体を、コロナ放電処理したポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体を主としたチューブの表面に塗布し、これを乾燥させ、多層チューブを作成した。
【0050】
実施例9
実施例1において作成したポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体のアニオン性水性分散体を乾燥させた。これと、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体を主とした配合品による多層押出成形を行い、表層がポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体のアニオン性水性分散体である多層チューブを作成した。
【0051】
実施例10
実施例1において作成したポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体のアニオン性水性分散体を乾燥させた後、押出成形にてチューブ成形体を作成した。
【0052】
実施例11
実施例1において作成したポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体のアニオン性水性分散体を乾燥させた後、混練機により混練し、これを主体としたポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体配合品を作成し、これを押出成形にてチューブ成形体を作成した。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の流体輸送用チューブ又はシール材は、優れたガスバリア性、機械的特性を持つだけでなく、着色や界面活性剤のブリードがない。また、耐湿性、耐ガス性、耐腐食性、耐薬品性、及び耐屈曲性にも優れ、冷媒輸送用、ガス輸送用、化学薬品用、医療用、飲料輸送用等に用いられる輸送用チューブとして好適である。また、建築物の耐水性、気密性の向上が要求されるシール材として好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブチルゴム系熱可塑性エラストマー100重量部と、無機フィラー0.5〜100重量部を、アニオン系界面活性剤1〜15重量部の存在下で乳化分散させたブチルゴム系熱可塑性エラストマーのアニオン性水性分散体を用いた流体輸送用チューブ又はシール材。
【請求項2】
ブチルゴム系熱可塑性エラストマーが、(A)イソブチレンを主要なモノマーとして構成されるブロック及び(B)芳香族ビニル化合物を主要なモノマーとして構成されるブロックからなる共重合体である請求項1に記載の流体輸送用チューブ又はシール材。
【請求項3】
ブチルゴム系熱可塑性エラストマーが、ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンブロック共重合体である請求項2に記載の流体輸送用チューブ又はシール材。
【請求項4】
アニオン系界面活性剤が、ジアルキルスルホコハク酸、脂肪族系ポリオキシアルキレンエーテル硫酸塩、脂肪酸塩及びアルキルベンゼンスルホン酸塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の流体輸送用チューブ又はシール材。
【請求項5】
無機フィラーがクレーである請求項1〜4のいずれかに記載の流体輸送用チューブ又はシール材。
【請求項6】
前記ブチルゴム系熱可塑性エラストマーのアニオン性水性分散体が、ブチルゴム系熱可塑性エラストマーをアニオン系界面活性剤の存在下で乳化分散させ、これと無機フィラーを混合してなる請求項1〜5のいずれかに記載の流体輸送用チューブ又はシール材。

【公開番号】特開2006−290924(P2006−290924A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−109368(P2005−109368)
【出願日】平成17年4月6日(2005.4.6)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】