説明

流動食品用の山形頂部パッケージおよびその寸法決め方法

シート状包装材料(2)を折り曲げてシールすることで製造され、頂部横方向シール(12)で互いに結合された前側および後側の傾斜頂壁(10,11)と、前記前側および後側の傾斜頂壁(10,11)のそれぞれ側縁(15,16)を連結する一対の側頂壁(18,19)とを含む山形頂部(4)を備えて構成され、前記側頂壁(18,19)のおのおのは、シート状包装材料(2)のそれぞれ部分(46,47)を多数のパネル(A,B,C,D,E,F,G)の境界を定める予め決められた折り線(31,33,42,44,50,51,54,55,56,65;31,33,43,45,52,53,57,58,59,66)に沿って折り曲げることで得られる流動食品用の山形頂部パッケージ(1,1’)であって、パネル(A,B,C,D,E,F,G)を剛体としてそれぞれの折り線(31,33,42,44,50,51,54,55,56,65;31,33,43,45,52,53,57,58,59,66)のまわりに回転させることで側頂壁(18,19)が成形されるように設計された複数の可能な折り線の中から前記折り線(31,33,42,44,50,5の1,54,55,56,65;31,33,43,45,52,53,57,58,59,66)が決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流動食品用の山形頂部パッケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
知られているように、フルーツ・ジュース、UHT(超高温処理)ミルク、ワイン、トマト・ソース等の多くの流動食品は殺菌済み包装材料で作られたパッケージにて販売されている。
【0003】
パッケージ材料は1層の繊維材料例えばペーパーの両面を熱シール性プラスチック材料例えばポリエチレンで覆った複層構造を有しており、UHTミルクのような長期保存製品用の無菌パッケージの場合には、パッケージ材料は例えば熱シール性プラスチック材料の層に重ねたアルミニウム被膜で定義される酸素遮断材料層も含み、この材料層はさらに、食品と接触するパッケージ内面を最終的に形成することになる別の熱シール性プラスチック材料によって覆われる。
【0004】
このようなパッケージの典型例は、テトラ・ブリック・アセプティック(登録商標)として知られている液体または流動食品用の平行六面体形状のパッケージ、および二つの傾いた壁すなわち傾斜壁を頂部横断シールにて結合することで形成された山形頂部を有するテトラ・レックス(登録商標)の商品名で一般に知られているいわゆる「山形頂部」パッケージである。
【0005】
上述したパッケージはウェブ状パッケージ材料を折り曲げて長手方向にシールすることで得られる連続チューブから形成できる。そのウェブ状パッケージ材料は包装機械において例えば過酸化水素溶液のような化学殺菌剤を付与されて殺菌され、その殺菌剤は殺菌後に加熱蒸発させてパッケージ材料表面から除去される。このように殺菌されたパッケージ材料ウェブは閉じた無菌環境内に保持され、折り曲げて長手方向にシールされて垂直チューブが形成される。
【0006】
このチューブに無菌または殺菌処理済み食品が充填され、シールされ、そして等間隔の横断部分にて切断されて枕形パックに形成され、この枕形パックが機械的に折り曲げられて完成されたパッケージに形成される。
【0007】
ウェブ給送式充填/成形機械の二つの基本形式が知られている。より一般的な第一の形式は、二対の往復作動するジョーを有する機械である。この形式の機械は、例えばルンツ(スウェーデン)、ロイジング・ゲートに在るテトラ・パック・カートン・アムビエントAB社、およびモデナ(イタリヤ)、ビア・デルフィーニ1に在るテトラ・パック・カートン・アンビエントS.p.A社の製造するTB/21、TBA/19およびTAB/21シリーズを含む。ウェブ給送式成形機械の第二の形式は無端チェーン形式であり、成形ユニットおよびシーリング・ユニットは往復作動するジョーに代えて対面する無端チェーンで担持される。この形式の機械の一例は、これもテトラ・パック・カートン・アンビエントS.p.A社の製造するTAB/22である。
【0008】
成形折り曲げおよび最終折り曲げの両方で包装材料の折り曲げを可能にするために、いわゆる「折り線パターン」を形成する折り線が製造ラインにおいて包装材料に形成される。
【0009】
これに代えて、成形マンドレル上でパッケージに成形されるブランクは包装材料からカットされ、形成されたパッケージには食品を充填してシールすることができる。
【0010】
特に、成形マンドレル上にて形成されると、未完成パッケージは上方に向けて開口する平行六面体の形状を有する。山形の頂部は、未完成なパッケージ上部の反対両側の側壁を、他側の壁の上縁を整合させるように互いに圧縮されて形成され、その後横方向シールを形成するように互いにシールされる。
【0011】
このように形成されると、上述形式のパッケージは再閉可能な開口装置の取付けのような他の工程を行われる。
【0012】
山形頂部のパッケージは再閉可能な開口装置と組合わせることで非常に都合よく使用される。何故なら、斜めの頂部壁は平行六面体の対応する平面部分よりも幅が広く、そのために例えばねじ蓋等を備えたより大きい開口装置の取付けが可能になるからである。
【0013】
パッケージ製造工業では、特に、包装材料の適正な折り曲げを保証すると同時に山形頂部パッケージのさまざまな形状や寸法を可能にするために、絶えず改良する必要がある。この必要性は、パッケージの多様な美的外観に関する市場の要求から、またいずれの種類の食品についても「息継ぎ」として知られる現象を生じることなく注ぎ出せることを保証する必要性から求められる。この「息継ぎ」現象とは、パッケージからの食品の間歇的な流出であり、遮断された流れ相と、食品の飛散を伴うような荒い急激な流れ相とを特徴とする。
【0014】
後者については、異なる食品はさまざまに異なる粘性を有するので、適正な注ぎ出しを保証するためには山形頂部にさまざまな高さが要求されることに留意すべきである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、非常に簡単で安価な方法にて上述の必要性を満足させることのできる山形頂部形式のパッケージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的は、請求項1に記載された山形頂部パッケージによって達成される。
【0017】
本発明の他の目的は、包装材料の適正な折り曲げを保証すると同時にさまざまに異なる形状の山形頂部パッケージを寸法決めする装置および方法に関する。
【0018】
この目的は請求項5に記載された方法によって達成される。
【0019】
本発明の二つの好ましい非制限的な実施例が例として図面を参照して説明される。
【実施例1】
【0020】
図1を参照すれば、符号1は本発明による食品用の山形頂部パッケージを示す。
【0021】
パッケージ1はシート状包装材料2(図6)(以下に「材料2」と称する)から作られ、特に平行六面体の形状の主部3と山形頂部4とを含んでいる。
【0022】
特に、材料2は一つのパッケージ1を製造するために使用される包装材料の厳密な長さを定めており、また既に説明した形式の複層構造を有している。
【0023】
主部3は正方形であるのが好ましい基底壁5と、前壁6と、後壁7と、一対の側壁8,9とを有する。
【0024】
山形頂部4は開口装置24(図1)を備えた前側傾斜頂壁10と、パッケージ1の頂部横方向シール12で前側傾斜頂壁10と結合された後側傾斜頂壁11とを含む。
【0025】
山形頂部4は頂部横方向シール12の側方端部12a,12bにそれぞれ隣接する一対の頂部側方折り代13,14をさらに含み、頂部側方折り代13,14は食品が利用するパッケージの頂部空間の外側へ折り曲げられて側壁8,9の延長部に沿って延在するそれぞれの三角形の側頂壁18,19を形成する。
【0026】
各頂部側方折り代13,14は、前側傾斜頂壁10のそれぞれの側縁15により形成された一つの側面と、頂部横方向シール12のそれぞれの側方端部12a,12bにより形成されて後側傾斜頂壁11のそれぞれの側縁16上に折り曲げられた他の側面とを有する。
【0027】
側方折り代13,14は側壁8,9のそれぞれの三角形頂部20の上に折り曲げられる。頂部20は平坦で、以下に詳しく説明されるようにそれぞれの側壁8,9に対して実質的に共面状態であるか、わずかに内方へ傾けられる。
【0028】
パッケージ形状の理解を深めるために、図3〜図7が参照される。
【0029】
パッケージ1は包装材料の連続チューブ(図示せず)から形成され、その連続チューブは包装材料ウェブを折り曲げて長手方向にシールすることで形成され、材料2(図6)の長さ部分が繰返されて形成される。さらに正確には、材料2の縁部21は反対側の縁部22の上に重ねてシールされ、これにより完成パッケージ1の後壁7の垂直中心線に実質的に沿って延在する長手方向シール23が形成されるようになされる。
【0030】
その後、チューブは規則的な間隔を隔てて横方向にシールされ、その横方向シールに沿って切断されていわゆる枕形状パック(図示せず)が形成されるのであり、枕形状パックは複数の最終折り曲げ段階を経て完成パッケージ1に変形される。
【0031】
知られているように、枕形状パックは平行六面体の基本部分と、その基本部分からそれぞれの横方向シールへと逆方向に向かうテーパー端部とを有する。
【0032】
図3、図4および図5は符号26を付された中間的なパック26を示しており、これは一方のテーパー端部を平坦状態にすることで得られる。
【0033】
特に、中間的なパック26は、完成パッケージ1の主部3の壁5,6,7,8,9にそれぞれ対応する基底壁および四つの側壁で形成される平行六面体の基本部分28と、完成パッケージ1の山形頂部4を形成するように設計された基本部分28から頂部横方向シール12へ向かってテーパーを付された上側テーパー端部29とを含む。
【0034】
さらに詳しくは、上側テーパー端部29は、完成パッケージ1の前側および後側の傾斜頂壁10,11を形成しており、また、傾斜頂壁10,11の反対両側から突出して上述のよう側壁8,9のそれぞれの頂部20の上に折り曲げられる側方折り代13,14を備えている。
【0035】
これに代えて、中間的なパック26は材料2の長さにそれぞれ等しい包装材料のブランクから形成することができ、それらのブランクは成形マンドレル(図示せず)上でパックに形成され、形成されたパックは食品を充填されてシールされる。
【0036】
材料2(図6)は折り線パターン30、すなわち折り線形成ロールによって形成されて、成形段階および最終折り曲げ段階の間に材料がそれに沿って折り曲げられる折り曲げ線を形成する複数の弱化線を含む。
【0037】
折り線パターン30は、知られているように四つの横方向折り線31,32,33,34を含む。線31,32は材料2の横方向端部の近くに位置し、頂部および底部の横方向シール箇所31a,32aのそれぞれの境界を定める。線33,34は山形頂部4および基底壁5の水平コーナーを形成し、明瞭にするために図1、図3、図4および図5にも示されている。
【0038】
折り線パターン30はまた、知られているように、パッケージ1の側方コーナーを形成する、また横方向折り線33,34の間を延在する四本の長手方向の折り線35,36,37,38と、線34および底部横方向シール部分32aの間に含まれる複数の折り線40とを含み、折り線40は折り曲げて基底壁5を形成するように平坦化される中間的なパック26の底部側方折り代(知られているので示されていない)を形成するように設計されている。折り線40は周知の配置であり、詳細には示されない。
【0039】
長手方向の折り線35,36はそれぞれ側方縁部21,22の近くに位置し、長手方向の折り線37,38は線35,36の間に配置されている。
【0040】
明瞭にするために、パッケージ1の前壁6は線37,38で境界を定められ、後壁7は線35,36で境界を定められ、側壁8,9は線35,37で境界を定められ、側壁9は線36,38で境界を定められる。
【0041】
折り線パターン30(図5および図6)は横方向の折り線31,33の間に含まれる部分における複数の追加される折線をさらに含む。その追加される折線は、四本の実質的に長手方向の折り線42,43,44,45を含み、それらの折り線は前側傾斜頂壁10および後側傾斜頂壁11の側方コーナーを定めており、また、線33と長手方向の線35,36,37,38のそれぞれとの交点から延在されている。図示例では、線42,43,44,45は上方へ向かってテーパーを付された台形の壁10,11を形成するようにわずかに傾斜されているが、完全に長手方向とされる、すなわち線35,36,37,38の延長線を形成することができる。
【0042】
線42,44と、線42,44の間に含まれる頂部横方向シール部分31aと、交点35a,37aの間に含まれる線33の部分とは、側壁8の側方折り代13および頂部20を定める。同様に線43,45と、線43,45の間に含まれる頂部横方向シール部分31aと、交点36a,38aの間に含まれる線33の部分とは、側壁9の側方折り代14および頂部を定める。さらに、長手方向の折り線42,43,44,45と、横方向の線33と、頂部横方向シール部分31aとは他の二つの部分48,49の境界を定め、それらの部分はそれぞれ部分46,47の間に配置され、それぞれ前側および後側の傾斜頂壁10,11を定める。
【0043】
折り線37はさらに、折り代部分46,47において、それぞれ点35a,37aおよび36a,38aから延在してそれぞれ折り線31に沿う点31bおよび31cにて交わるそれぞれ二本の傾いた折り線50,51および52,53を含み、それぞれ部分35a,37aおよび部分36a,38aの間に含まれる線33の部分とともに二等辺三角形を形成する。
【0044】
それぞれ線50,51および52,53は側方折り代13,14の横方向に延在する限界を定める。
【0045】
さらに折り代部分46に関して符号54,55,56で示される三本の折り線と、折り代部分47に関して符号57,58,59で示される三本の折り線とがあり、それらはそれぞれ点35a,37a,31bおよび36a,38a,31cから、それぞれの二等辺三角形内に位置する折り代部分46に関しては符号60および折り代部分47に関しては符号61でそれぞれ示された中間点へ延在している。
【0046】
折り線54,55および折り線57,58はそれぞれ折り線56および折り線59に対して対称である。
【0047】
折り代部分46の線54,55は中間点60と、それぞれの点35a,37aとの間を延在し、側壁8の頂部20の上方へ向かう境界を定める。同様に、折り代部分47の線57,58は中間点61と、それぞれの点36a,38aとの間を延在し、側壁9の頂部20の上方へ向かう境界を定める。
【0048】
折り線パターン37さらに各折り代部分46,47に不連続折り線65,66、すなわち中断されてはいない不連続線を含み、それらの不連続線はそれぞれの折り線50,52と交差しており、それぞれの中間点60,61および横方向折り線31が長手方向折り線42,43と交差するそれぞれの点の間を延在する。特に、各不連続折り線65,66はそれぞれ折り線50,52によって180゜に近いが180゜ではない角度をなす二つの部分67,68に分けられる。部分67,68はそれぞれ折り線50,52から横方向シール部分31aおよびそれぞれの中間点60,61へ延在する。
【0049】
各折り代部分46,47の上述した折り線は、詳細に後述する所定の手順に従って折り曲げられる多数の三角形パネルA,B,C,D,E,F,Gの境界を定める。
【0050】
特に、折り代部分46を参照すれば、パネルAは折り線31,44,51で境界を定められ、パネルBは折り線51,55,56で境界を定められ、パネルCは折り線33,54,55で境界を定められて側壁8の頂部20を定めており、パネルDは折り線56,折り線65の部分68、および折り線65と31との間に含まれる折り線50の部分で境界を定められ、パネルEは折り線54,折り線65の部分68、および折り線65と点35aとの間に含まれる折り線50の部分で境界を定められ、パネルFは折り線31,折り線65の部分67、および折り線65と折り線31との間に含まれる折り線50の部分で境界を定められ、パネルGは折り線42,折り線65の部分67、および折り線65と点35aとの間に含まれる折り線50の部分で境界を定められている。
【0051】
パネルA,B,C,D,E,F,Gの同じ定義が補完的に同様にして折り代部分47に適用できるので、繰り返して説明しない。何故なら、折り代部分46,47は中間を延在して長手方向の折り線37,38に平行な軸線に対して対称だからである。
【0052】
各折り代部分46,47が形成される間、パネルE,BはパネルC上に折り曲げられ、パネルFがパネルG上に重ねられ、パネルAが折り代部分46,47の残りの全ての部分を覆ってそれぞれの側頂壁18,19を形成する。
【0053】
本発明の重要な概念によれば、材料2の各折り代部分46,47の折り線パターン30は、側頂壁18,19の形成はそれぞれのパネルA,B,C,D,E,F,Gがそれぞれの折り線(折り代部分46では50,51,54,55,56,65、および折り代部分47では52,53,57,58,59,66)の回りに剛体として回転することによって達成されるように設計される。
【0054】
本明細書および請求項において、「剛体としてのパネルの回転」という表現は、特にパネルの重ね合わせ時に生じる厚さが原因する包装材料のわずかな変形を排除するものではない。
【0055】
さらに詳しくは、パッケージ1の側頂壁18,19のそれぞれに沿って、頂部横方向シール12へ集中する反対両側の縁の間に形成される角度αの値を選び、
頂部横方向シール12に対して交差する方向へ測定して前側傾斜頂壁10の長さを選び、
各折り代部分46,47のそれぞれの折り線50,51,52,53,54,55,56,57,58,59,65,66の回りにそれぞれのパネルA,B,C,D,E,F,Gを剛体として回転させてパネルの側頂壁18,19のそれぞれを形成するように、前記折り線の位置および範囲を決めることによって、材料2の各折り代部分46,47の折り線パターン30が形成される。
【0056】
各側頂壁18,19はそれぞれの折り代部分46,47のパネルAによって定められることから、角度αもまた各線44,45とそれぞれの折り代部分46,47に位置するそれぞれの折り線31の部分とによって形成される。
【0057】
出願人は、上述した段階が以下に説明するように簡単な幾何学公式を用いることで折り代部分46,47に別の折り線パターンを定めて別の山形頂部4を得られることを見出した。
【0058】
簡単にするために、以下の説明は折り代部分47ならびに図2および図7のみを参照するが、同じ考えが折り代部分46に等しく適用できるので、繰り返して説明しない。
【0059】
特に、折り線52,53の位置および範囲は、その線52,53と、点36aおよび点38aの間に含まれる折り線33の部分とが形成する角度βを決めることで得ることができる。
【0060】
角度βは次式によって長さlの関数として計算できる。
[数1]
β = tan−1( 1 /(c/2) )
ここで、cはパッケージ1の幅であって、与えられたデータで、折り線36と38または35と37との間の距離に等しい。
【0061】
角度βはそれぞれ点36a,38aから延びて二等辺三角形の等辺を定める線52,53の形成を可能にし、その第三の辺は点36a,38aの間に含まれる折り線33の部分で示される。
【0062】
折り線57,58,59の位置および範囲、および中間点61の位置は、線57,58とそれぞれ折り線52,53とで形成される角度βを決めることで得ることができる。
【0063】
角度βは次式によって計算できる。
[数2]
β = {β −(θ− θ)}/2
ここで、山形頂部4の折り曲げが完了し、パネルAがパネルC上に重ねられた後の状態で、θは各折り線43,45とそれぞれ折り線52,53との間に形成される角度を表すのに対して、θは各折り線43,45と、点36a,38aの間に含まれる折り線33の部分とで形成される角度を表す。
【0064】
さらに詳しくは、θおよびθは次式のように計算できる。
[数3]
θ = 180゜ − α −β
αも各折り線43,45と折り代部分47の外側に位置してそれぞれ点36a,38aから延びている折り線33のそれぞれの部分とによって形成される角度であることを考慮して、
[数4]
θ = cos−1((c/2)/l
ここで、l は折り線43,45長さを表し、次式により長さlおよび頂部角度αの関数として計算できる。
[数5]
= 1/cos(90 − α)
【0065】
θの計算式は、山形頂部4の折り曲げ後に折り線45が直角三角形の斜辺を定め、直角を挟む二辺(catheti)は側頂壁9の頂点から点36a,38aの間に含まれる折り線33の部分の中間点へ延在するセグメントにより、また斜辺に隣接する折り線33の該部分の半分により認識されることを考慮することで導き出される。
【0066】
角度βは折り線57,58,59の形成およびそれらの交点61の決定を可能にする。
【0067】
角度β、θ、θを知ることで、折り線57,58と点36a,38aの間に含まれる折り線33の部分とで形成される角度βを計算可能になる。
[数6]
β = β+(θ − θ)
【0068】
角度αおよびθは折り線43,45の設計を可能にする。
【0069】
折り線52,66の交点は、線66の部分67と折り線43,59の間に含まれる折り線31の部分とが形成する角度γを計算することで定まる。
【0070】
特に、山形頂部4の折り曲げが終わってパネルAが他のパネルの全ての上に重ねられた後の折り線45と折り線43とが形成する角度γは角度θの関数である。
【0071】
角度γは次式で計算できる。
[数7]
γ = { α−( θ − α )}/ 2

ここで角度θは次式で得ることができる。
[数8]
θ = 2sin−1((c/2)/l
【0072】
したがって、角度γを計算するために次式が得られる。
【数9】

【0073】
角度γが分かると、折り線66の部分67を設計して、折り線52,66の間の交点を得ることができる。折り線66の部分68は上述の交点と中間点61とを結ぶことで得られる。
【0074】
図8は全体を符号1で示された、頂部角度αと傾斜頂壁10の長さlの値を変えて上述の方法で得ることのできる山形頂部パッケージの他の例を示している。
【0075】
本発明によるパッケージ1および1’の利点を以下の説明で明らかにする。
【0076】
特に、パッケージ1および1’の側頂壁18,19上の形成は、シート包装材料2のパネルA,B,C,D,E,F,Gをそれぞれの折り線の回りに剛体として回転させることで達成されるということを単純に条件化することで、包装材料の適当な折り曲げとパッケージの適切な閉蓋とを保証する一方で山形頂部4の寸法および形状の多様化を可能にする。
【0077】
さらに、包装材料2のさまざまな部分(パネルA,B,C,D,E,F,G)の折り曲げが回転によって達成され、従って関連する変形やそれによる応力を生じないという事実により、包装材料の他の層よりも確実に可撓性の小さいアルミニウムの無傷性が形成段階において犯されることはない。
【0078】
従属請求項の範囲から逸脱せずに本明細書で説明および図示したようなパッケージ1,1’に変化を与えることができることは明らかである。
【0079】
特に、縁部21および折り線31,33の間に含まれるパッケージ1,1’の主部3はどのような設計形状を有することもできることが理解されるであろう。
【0080】
さらに、各折り代部分46,47において、折り線65,66の部分68は、それぞれ中間点60,61へ向かう一つの線に集中するそれぞれ短部を有する二本の平行線によって少なくとも一部が定められる。このようにして、折り線65,66の部分68の範囲で、重ねられるパネルの厚さによる包装材料の変形は軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明による山形頂部のパッケージの斜視図である。
【図2】図1のパッケージの上部の拡大斜視図である。
【図3】図1のパッケージを製造する中間製品を構成する枕形パックの斜視図である。
【図4】図1のパッケージを製造する中間製品を構成する枕形パックの異なる斜視図である。
【図5】折り曲げ時の図3および図4の枕系パックの上部の拡大斜視図である。
【図6】図1のパッケージを製造するための折り線を備えたシート状包装材料である。
【図7】図6のシート状包装材料の一部分の拡大図である。
【図8】穂派による山形頂部パッケージの他の実施例の斜視図である。
【符号の説明】
【0082】
1 パッケージ
2 包装材料
3 主部
4 山形頂部
5 基底壁
6 前壁
7 後壁
8,9 側壁
10 前側傾斜頂壁
11 後側傾斜頂壁
12 頂部横方向シール
13,14 頂部側方折り代
15 側縁
18,19 側頂壁
20 頂部
21 縁部
22 縁部
23 長手方向シール
26 中間的なパック
28 基本部分
29 上側テーパー端部
30 折り線パターン
31,33,35,36,37,38 折り線
40,42,43,44,45 折り線
46,47 折り代部分
48,49 部分
50,52,53,54,55,56,57,58,59 折り線
60,61 中間点
65,66 断続折り線
67,68 部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状包装材料(2)を折り曲げてシールすることで製造され、頂部横方向シール(12)で互いに結合された前側および後側の傾斜頂壁(10,11)と、前記前側および後側の傾斜頂壁(10,11)のそれぞれ側縁(15,16)を連結する一対の側頂壁(18,19)とを含む山形頂部(4)を有して構成され、前記側頂壁(18,19)のおのおのは、シート状包装材料(2)のそれぞれの部分(46,47)を多数のパネル(A,B,C,D,E,F,G)の境界を定める予め決められた折り線(31,33,42,44,50,51,54,55,56,65;31,33,43,45,52,53,57,58,59,66)に沿って折り曲げることで達成される流動食品用の山形頂部パッケージ(1,1’)であって、前記パネル(A,B,C,D,E,F,G)を剛体としてそれぞれの折り線(31,33,42,44,50,51,54,55,56,65;31,33,43,45,52,53,57,58,59,66)のまわりに回転させることで側頂壁(18,19)が成形されるように設計された複数の可能な折り線の中から前記折り線(31,33,42,44,50,5の1,54,55,56,65;31,33,43,45,52,53,57,58,59,66)が決定されることを特徴とする山形頂部パッケージ。
【請求項2】
側頂壁(18,19)を形成するために望まれる折り腺(31,33,42,44,50,51,54,55,56,65;31,33,43,45,52,53,57,58,59,66)が、少なくともそれぞれの側頂壁(18,19)に沿って前記頂部横方向シール(12)に集中する反対両側の縁の間に形成される頂角(α)の値と、前記頂部横方向シール(12)に交差する方向に沿う前記前側および後側の傾斜頂壁(10,11)の一方の長さ(l)の値とを選ぶことで得られることを特徴とする請求項1に記載されたパッケージ。
【請求項3】
角柱形の本体部分(28)と、前期頂部横方向シール(12)によって境界を定められた少なくとも一つのテーパー形端部(29)とを有しており、前記前側および後側の傾斜頂壁(10,11)を定め、前記側頂壁(18,19)を得るために食品用に利用できるパッケージ頂部空間の外側に折り曲げられるように設計された反対方向へ突出する頂部側方折り代(13,14)を備えた中間的なパック(26)から得られることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたパッケージ。
【請求項4】
それぞれの前記頂部側方折り代(13,14)が前記前側および後側の傾斜頂壁(10,11)の一方(10)に隣接する一つの側面と、前記頂部横方向シール(12)のそれぞれの側方端部(12a,12b)で形成され、前記前側および後側の傾斜頂壁(10,11)の他方(11)に隣接して位置する他の側面とを有することを特徴とする請求項3に記載されたパッケージ。
【請求項5】
シート状包装材料(2)を折り曲げてシールすることで製造され、頂部横方向シール(12)で互いに結合された前側および後側の傾斜頂壁(10,11)と、前記前側および後側の傾斜頂壁(10,11)のそれぞれの側縁(15,16)を連結する一対の側頂壁(18,19)とを含む山形頂部(4)を有し、前記側頂壁(18,19)がシート状包装材料(2)のそれぞれの部分(46,47)を多数のパネル(A,B,C,D,E,F,G)の境界を定める予め決められた折り線(31,33,42,44,50,51,54,55,56,65;31,33,43,45,52,53,57,58,59,66)に沿って折り曲げることで得られる流動食品用の山形頂部パッケージ(1,1’)の寸法を決める方法であって、前記パネル(A,B,C,D,E,F,G)を剛体としてそれぞれの折り線(31,33,42,44,50,51,54,55,56,65;31,33,43,45,52,53,57,58,59,66)のまわりに回転させることで側頂壁(18,19)が成形されるように、前記折り線(31,33,42,44,50,5の1,54,55,56,65;31,33,43,45,52,53,57,58,59,66)の位置および範囲を決める段階を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
前記折り線(31,33,42,44,50,5の1,54,55,56,65;31,33,43,45,52,53,57,58,59,66)の位置および範囲を決める前記段階が、それぞれの側頂壁(18,19)に沿って前記頂部横方向シール(12)に集中する反対両側の縁の間に形成される頂角(α)の望ましい値と、前記頂部横方向シール(12)と交差する方向に沿う前記前側および後側の傾斜頂壁(10,11)の一方の長さ(l)の値とを選ぶ段階に基づいて行われることを特徴とする請求項5に記載された方法。
【請求項7】
前記折り線(31,33,42,44,50,5の1,54,55,56,65;31,33,43,45,52,53,57,58,59,66)の位置および範囲を決める前記段階が、パッケージ(1,1’)の山形頂部4を形成するための前記シート状包装材料(2)の部分に、
前記頂部横方向シール(12)の境界を定める第一の横方向折り線(31)と、
前記山形頂部(4)の水平方向コーナーを形成するための、前記選ばれた長さ(l)に等しい前記第一の横方向折り線(31)からの距離に位置される第二の横方向折り線(33)と、
前記第一および第二の横方向折り線(31,32)とともに、前記側頂壁(18,19)を定める一対の第一の部分(46;47)および前記前側および後側の傾斜頂壁(10,11)を定める一対の第二の部分(48,49)の境界を定める多数の長手方向の折り線(42,43,44,45)であって、前記第一の部分(46;47)の外側の前記第二の横方向折り線(33)のそれぞれの部分とともに前記選ばれた頂角(α)に等しいそれぞれの角度を形成する長手方向の折り線(42,43,44,45)とを設計する段階を含むことを特徴とする請求項6に記載された方法。
【請求項8】
前記内側の折り線が、前記第一の部分(46;47)に関して、前記第一の横方向折り線(31)に位置で互いに結ばれて前記第二の横方向折り線(33)と二等辺三角形の境界を定める一対の第一の傾斜した折り線(50,51;52,53)を含む前記方法であって、前記第一の部分(46;47)の前記内側の折り線を設計する前記段階が、各第一の傾斜した折り線(50,51;52,53)と前記二等辺三角形の一つの側辺を定める前記第二の横方向折り線の部分との形成する角度(β)を、次式、すなわち
【数1】


cは形成されるパッケージの幅を示す
により計算する段階を含むことを特徴とする請求項7に記載された方法。
【請求項9】
前記内側の折り線が、前記第一の部分(46;47)に関して、前記二等辺三角形内に位置する中間的(60;61)からそれぞれの頂点へ延在する三本の傾斜した折り線(54,55,56;57,58,59)を含む前記方法であって、前記内側の折り線を設計する段階が、前記第二の傾斜した折り線(54,55,56;57,58,59)とそれぞれの前記第一の傾斜した折り線(50,51;52,53)との形成する角度(β)を、次式、すなわち
【数2】


により計算する段階を含むことを特徴とし、
θはそれぞれの長手方向の折り線(42,43,44,45)と、それに隣接する第一の傾斜した折り線(50,51;52,53)との間の形成するに形成される角度を示し、θは山形頂部(4)の折り曲げが完了した後にそれぞれの長手方向の折り線(42,43,44,45)と、前記二等辺三角形の一つの側辺を定める前記第二の横方向折り線(33)の部分との形成する角度を示している請求項8に記載された方法。
【請求項10】
前記内側の折り線が、前記第一の部分(46;47)に関して、前記中間的(60;61)から前記第一の横方向折り線(31)へ延在し、前記第一の傾斜した折り線(50,51;52,53)と交差し、また前記第一の傾斜した折り線(50;52)の前記一方によって互いの間に180゜以外の角度を形成するそれぞれ前記二等辺三角形の外側および内側に位置された第一および第二の部分(67,68)に分けられる第三の傾斜した折り線(65;66)を含む前記方法であって、前記内側の折り線を設計する段階が、前記第三の傾斜した折り線(65;66)の前記第一の部分(67)と、前記第一の部分(46;47)のそれぞれの内側に位置する前記第一の横方向折り線(31)の部分の形成する角度(γ)を、次式、すなわち
【数3】


により計算する段階を含むことを特徴とし、
は長手方向折り線(42,43,44,45)の長さを示している請求項9に記載された方法。
【請求項11】
流動食品用の山形頂部パッケージ(1,1’)を製造するために所定の折り線(31,33,42,44,50,5の1,54,55,56,65;31,33,43,45,52,53,57,58,59,66)に沿って折り曲げられてシールされるようになされるシート状包装材料(2)であって、前記折り線(31,33,42,44,50,5の1,54,55,56,65;31,33,43,45,52,53,57,58,59,66)が請求項5から請求項10までのいずれか一項に記載された方法によって寸法を決められることを特徴とするシート状包装材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−532414(P2007−532414A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−506784(P2007−506784)
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【国際出願番号】PCT/EP2005/051560
【国際公開番号】WO2005/097605
【国際公開日】平成17年10月20日(2005.10.20)
【出願人】(591007424)テトラ ラバル ホールデイングス エ フイナンス ソシエテ アノニム (190)
【Fターム(参考)】