説明

流路開閉装置

【課題】流路開閉装置の筒体にホースを挿入して係合する場合、係合部の外周にテープを巻き付けて固定しており、高所で、かつ狭い空間での作業となるため、危険で困難な作業となっていた。
【解決手段】流路開閉装置の筒体を流入口側筒体11と流路開閉翼を有する流出口側筒体16とに分割し、流入口側筒体は、外周に流路と平行となる凸状筋部14を有し、かつ凸状筋部の流入側末端に配設された外周帯部15を有し、一方、流出口側筒体は、内周壁の一部には流路と平行となる凹状筋部18を有し、かつ外周には連結爪部17を有し、お互いの筒体を挿入し、連結爪を係合して連結したことである。この連結構造によって、高所で困難であったテープ巻き付け作業をなくすものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流入口から流出口への流路において、流入口から流出口への空気流れに対して開となる一方、流出口から流入口方向への空気流れに対して閉となる流路開閉手段を有する流路開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の流路開閉装置としては、流入口筒体と流路開閉翼を有する流出口側筒体が一体となったものがあった。すなわち、図5に示すように、流路開閉翼を有する筒体1の流入口2は、ホース3に挿入して係合され、流路が略水平方向となる流路開閉装置となっていた(未公開自社出願特願2004−335650参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前記従来の構成では、特にホースの外周に螺旋状の補強線材を有するホース3に、流路開閉装置の筒体1を挿入して係合する場合、係合部の外周にテープを巻き付けて固定しており、高所で、かつ狭い空間での作業となるため、危険で困難な作業をともなうという課題を有していた。
【0004】
また、ホースを通して、室内で収集した塵埃を室外に排出した場合、少流量の排出風量においても、容易に流路開閉翼が揺動するように、重量部4のモーメントを釣り合うようにしていたため、揺動軸5の回転抵抗で、流路開閉翼6が流出口にもどりにくく、閉状態とならず、虫の侵入などを防げないという課題があった。
【0005】
また、流路開閉装置を室外に水平状態に配設するためには、別部品のL字状の固定具を係合させて、壁面にネジ固定するという、高所でわずらわしい作業をともなうという課題を有していた。
【0006】
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、流路開閉装置をホースに取り付け時に、困難であったテープ巻き付け作業を廃止し、また別部品の固定具を取り付けることなく、壁面への固定を可能として、作業性の向上を図り、流路開閉翼の揺動動作の安定性を図り、室内の塵埃を確実に室外に排出させる流路開閉装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の流路開閉装置は、筒体を流入口側筒体と流路開閉翼を有する流出口側筒体とに分割し、流入口側筒体は、外周に流路と平行となる凸状筋部を有し、かつ前記凸状筋部の流入側末端に配設された外周帯部を有し、一方、揺動する流路開閉翼を有する流出口側筒体は、内周壁の一部には流路と平行となる凹状筋部を有し、かつ外周には連結爪部を有し、お互いの筒体を挿入し、連結爪を係合して連結する構成としたことである。この連結構造によって、高所で困難であったテープ巻き付け作業をなくすものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の流路開閉装置は、筒体とホースとの係合部でのテープ巻き付け作業をなくし、作業性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1の発明は、流入口側筒体は、外周に流路と平行となる凸状筋部を有し、かつ前記凸
状筋部の流入側末端に配設された外周帯部を有し、一方、揺動する流路開閉翼を有する流出口側筒体は、内周壁の一部には流路と平行となる凹状筋部を有し、かつ外周には連結爪部を有し、前記流入口側筒体と側前記流出口筒体は、前記凸状筋部と前記凹状筋部が係合し、かつ前記外周帯部と前記連結爪部が係合して、連結されたことにより、筒体とホースとの係合部でのテープ巻き付け作業をなくし、作業性の向上を図ることができる。
【0010】
第2の発明は、流出口となる筒体の端面を流路方向に対して、傾斜して配設されたことにより、揺動軸の回転抵抗で、流路開閉翼が流出口にもどりにくくなった場合でも、閉状態となり、虫の侵入などを防ぐことができる。
【0011】
第3の発明は、流路開閉装置の外郭に突起部を設け、前記突起部で前記流路開閉装置と係合し、かつ前記流路開閉装置を覆う蓋板において、流路と平行となる両側壁の一部にネジ穴を有する張出し部を配設し、かつ張出し部の根元には、板厚を薄くした凹状筋部を有したことにより、壁側と反対側の張出し部を凹状筋部で切断し、壁側の張出し部を使い、壁にネジ固定することができ、作業性の向上を図ることができる。
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0013】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における流路開閉装置の連結後の側断面図を、また図2は連結前の斜視図を示すものである。図1および図2において、略水平方向の流路となる、外周に螺旋状の補強線材を有するホース11が室内から出され、流入口側筒体12が係合されている。前記流入口側筒体12の内周壁には、ホース11の螺旋状の補強線材に係合するように、ネジ形状部13が配設されている。また前記流入口側筒体12の外周には、流路と平行となる凸状筋部14を有し、かつ前記凸状筋部14の流入側末端に配設された外周帯部15を有している。一方、揺動する流路開閉翼を有する流出口側筒体16は、外周に2本の連結爪部17を有している。また前記流出口側筒体16は、内周壁の上下部には流路と平行となる凹状筋部18を有している。なお、図2では、この凸状溝部および凹状溝部を一例として、連続する三角山形状で図示している。そして前記流入口側筒体12と前記流出口側筒体16の連結時、前記凸状筋部14と前記凹状筋部18は形状が合わされて係合され、かつ前記流出口側筒体16の連結爪部17は、前記流入口側筒体12の外周帯部15に係合されている。
【0014】
以上なように構成された流路開閉装置において、ホースに流路開閉装置を取り付ける場合、まず流入口側筒体12をホースの螺旋状の補強線材に合わせてネジ込み固定する。次に流出口側筒体16を水平に保ち、流入口側筒体12に挿入して、連結爪17が外周帯部15に係合させる。このように、ホースは、工事業者が住宅に合わせて、任意の位置で切断されても、流入口側筒体をネジ込み固定して、さらに流出口側筒体を挿入して係合することにより、筒体の外れ防止と回転防止が図られ、ホースと筒体の係合部にテープを巻き付けることが不要となる。
【0015】
(実施の形態2)
図3は、本発明の第2の実施の形態における流路開閉装置の側断面図を示すものである。本実施の形態では、流路開閉翼21とその重量部22は、垂直な流出口の端面23に流路開閉翼21が当たり、閉となるように、揺動軸24に対して重量部22により生じるモーメント25aに比べて前記流路開閉翼21の重量により生じる慣性モーメント25bが若干大きく、かつ流路最大開時には、重量部22によるモーメントと流路開閉翼21の重量によるモーメントが釣り合うように構成されている。本発明では、流路方向に対して、垂直より傾斜した流出口の端面26が配設されている。
【0016】
以上のように構成された流路開閉装置において、換気排出動作を行わない場合には、流路開閉翼21は、モーメントが若干大きい釣り合いとなる垂直の流出口23より、さらにより釣り合いの前位置に傾斜した流出口25が配設しているため、流路開閉翼の戻り動作が悪い場合や流路開閉装置が取付け工事の都合によりやや水平より下向きとなった場合でも確実に当接しやすく、室外の異臭や虫類の侵入を防止できる。また、室内で収集した塵埃を排出する場合、ホース11を通った排気は、筒体16の流出口の端面26で、流路開閉翼21に当たり、揺動軸24を支点として、流路開閉翼を上方に揺動させるが、重量部22によるモーメントと流路開閉翼21の重量によるモーメントが釣り合うように形成されているため、容易に開状態となり、通風抵抗を増加させることなく、室内の塵埃を確実に室外に排出させることができる。
【0017】
(実施の形態3)
図4は、本発明の第3の実施の形態における流路開閉装置の斜視図を示すものである。図4において、本実施の形態では、流路開閉装置の外郭に3か所の突起部31が設けられている。流路開閉装置を覆う蓋板32は、突起部31が蓋板32の溝形状に係合して構成され、流路と平行となる両側壁の一部にネジ穴を有する張出し部33を配設し、かつ張出し部の根元には、板厚を薄くした凹状筋部34を有している。また流出口側には開口が設けられている。
以上のように構成された流路開閉装置において、流路開閉装置は、外部に蓋板32が取り付けられ、内部から確実に固定されるため、揺動する流路開閉手段は、外部からの障害物に接することなく、安定的に揺動動作が行われる。また、壁側と反対側の張出し部を凹状筋部で切断し、壁側の張出し部を使い、壁にネジ固定することができ、作業性の向上を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明の流路開閉装置は、ホースとのテープ巻き付け作業を廃止し、容易に取り付け可能となり、また壁へのネジ固定作業が容易に行うことができるため、空気調和機や換気扇等の用途にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1における流路開閉装置の側断面図
【図2】本発明の実施の形態1における流路開閉装置の斜視図
【図3】本発明の実施の形態2における流路開閉装置の側断面図
【図4】本発明の実施の形態3における流路開閉装置の斜視図
【図5】従来の流路開閉装置の側断面図
【符号の説明】
【0020】
11 ホース
12 流入口側筒体
13 ネジ形状部
14 凸状筋部
15 外周帯部
16 流出口側筒体
17 連結爪部
18 凹状筋部
21 流路開閉翼
22 重量部
23 垂直な流出口端面
24 揺動軸
25a 重量部に生じるモーメント
25b 流路開閉翼に生じるモーメント
26 傾斜した流出口端面
31 突起部
32 蓋板
33 張出し部
34 凹状筋部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流入口と、流出口と、前記流入口から前記流出口への空気流れに対して開となる一方、前記流出口から前記流入口方向への空気流れに対して閉となる流路開閉手段を有し、流路が略水平方向の流路開閉装置において、前記流入口の端部に流入口側筒体を有し、前記流入口側筒体は、外周に凸状筋部を有し、かつ前記凸状筋部の流入側端に外周帯部を有し、流路開閉翼を有する流出口側筒体は、内周壁の一部に凹状筋部を有し、かつ外周には連結爪部を有し、前記流入口側筒体と側前記流出口筒体は、前記凸状筋部と前記凹状筋部が係合し、かつ前記外周帯部と前記連結爪部が係合して、連結されていることを特徴とする流路開閉装置。
【請求項2】
流出口となる筒体の端面を流路方向に対して、傾斜して配設されたことを特徴とする請求項1に記載の流路開閉装置。
【請求項3】
流路開閉装置の外郭に突起部を設け、前記突起部で前記流路開閉装置と係合し且つ前記流路開閉装置を覆う蓋板を設け、前記蓋板に流路と平行となる両側壁にネジ穴を有する張出し部を配設し、張出し部の根元には、前記張出し部の板厚を薄くするための凹状筋部を有したことを特徴とする請求項1に記載の流路開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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