説明

流速測定装置

【課題】長期に渡り信頼性の高い流速測定を可能にした流速測定装置を提供する。
【解決手段】流速測定装置10は、気密室15を形成するハウジング16と、ハウジング16内に収容されたFBG17と、FBG17に応力を作用させる荷重伝達機構18とを備える。荷重伝達機構18は、上流側受圧板19と、一端部20aが上流側受圧板19側に固定された1本のシャフト20とを有し、その変位によりFBG17に応力を与えてFBG17を変位させる。荷重伝達機構18はシャフト20が貫通し上流側受圧板19に固定されたダイアフラムボス21と、内周部がダイアフラムボス21の外周に、外周部がハウジング16側にそれぞれ固定されたダイアフラム22とを有する。上流側受圧板19とシャフト20との間およびダイアフラムボス21とシャフト20との間にOリングがそれぞれ設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管路内に設置され、管路内を流れる流体の流速を測定する流速測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の流速測定装置として、光ファイバを使用して、例えば下水管の中を流れる流体の流速を測定する装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載された測定装置は、外部から負荷された応力を検知するFBG(フィバブラッググレーティング)と、応力の負荷に連動してFBGに応力を負荷する負荷機構と、応力が負荷される側にダイアフラムを備え、FBGおよび負荷機構を収容する気密室と、気密室外に配置されて、外部から負荷された応力を受けダイアフラムを介して負荷機構に外部からの応力を伝達する受圧部とを備える。
【特許文献1】特開2007―17337号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記特許文献1に記載された従来の測定装置では、受圧部(上流側受圧板)と、受圧部に作用する力をFBGに伝える負荷機構のシャフトとの間に、気密性を保つためのゴムカバーが用いられている。そのため、このゴムカバーが経時変化により変形或いは劣化すると、FBGの変位量の基準位置となる零点がドリフトする。その結果、長期に渡り信頼性の高い流速測定を実現するのが難しい。
【0004】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みて為されたもので、その目的は、長期に渡り信頼性の高い流速測定を可能にした流速測定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明に係る流速測定装置は、管路内に設置され、管路内を流れる流体の流速を測定する流速測定装置であって、気密室を形成するハウジングと、前記ハウジング内に収容され、光ファイバを介して外部の光源から送られる光が入射し、応力に応じて変位或いは回動し、その変位量或いは回動量に応じた波長の光を出射する光フィルタと、前記ハウジング外の上流側にあって、前記流体の流速に応じた力を受ける上流側受圧板と、一端部が前記上流側受圧板側に固定されたシャフトを有し、前記上流側受圧板に作用する力に応じて前記シャフトが変位し、その変位により前記光フィルタを変位或いは回動させる荷重伝達機構と、を備え、前記荷重伝達機構は、前記シャフトが貫通し前記上流側受圧板に固定されたボス部と、内周部が前記ボス部の外周に固定され、外周部が前記ハウジング側に固定されたダイアフラムとを有し、前記上流側受圧板と前記シャフトとの間および前記ボス部と前記シャフトとの間にOリングがそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、荷重伝達機構は、シャフトが貫通し上流側受圧板に固定されたボス部と、内周部がボス部の外周に固定され、外周部がハウジング側に固定されたダイアフラムとを有し、上流側受圧板とシャフトとの間およびボス部とシャフトとの間にOリングをそれぞれ設けて、気密性を保つようにしている。つまり、この構成では、上記従来技術のようなゴムカバーを使用せずに、上流側受圧板とシャフトとの間およびボス部とシャフトとの間での気密性を保つようにしている。従って、光フィルタの変位量或いは回動量の基準位置となる零点がドリフトするのが長期に渡り防止される。これにより、長期に渡り信頼性の高い流速測定が可能になる。
【0007】
請求項2に記載の本発明に係る流速測定装置は、前記ハウジング外の下流側には、前記ハウジング外に突出した前記シャフトの他端部に固定され、前記上流側受圧板に作用する水圧を相殺する受圧面積を有する下流側受圧板が設けられていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、上流側受圧板に作用する水圧(静圧)と下流側受圧板に作用する水圧とが相殺されるので、流体の流速が零のとき、光フィルタは、その変位量或いは回動量が零である零点に常に維持することができる。
【0009】
請求項3に記載の本発明に係る流速測定装置は、前記光フィルタは、光ファイバブラッググレーティングであることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、流体の流速に応じた力を上流側受圧板が受けてシャフトが変位することで、その流速に応じた力が光ファイバブラッググレーティング(FBG)に作用してFBGに歪が生じる。これにより、FBGの回折格子の周期が変化してブラッグ波長がシフトし、シャフトの変位量、つまりFBGに作用する力に応じた波長の光がFBGから反射光として出射される。この出射光が光ファイバを介して外部へ送られ、光ファイバの途中に設けられた光サーキュレータを介して波長計へ送られる。この波長計で観測される波長から、流速を求め、求めた流速を流量に換算して、ポンプの制御に用いる。
【0011】
請求項4に記載の本発明に係る流速測定装置は、一端面が前記ハウジングの上流側壁部の外面にOリングを介して気密に固定された筒状のフランジと、該フランジの他端面にOリングを介して気密に固定され、中央部に前記ボス部が挿通する孔が形成された取り付け板とにより形成された第2の気密室を更に備え、前記荷重伝達機構のダイアフラムの外周部は前記取り付け板に固定されていることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、気密室を形成するハウジングの上流側に第2の気密室を設け、この第2の気密室を構成する取り付け板の中央部の孔に荷重伝達機構のボス部が挿通し、荷重伝達機構のダイアフラムの外周部を取り付け板に固定しているので、気密室の気密性がさらに向上する。このため、FBGなどの光フィルタの信頼性が長期に渡って確保されるので、長期に渡り信頼性の高い流速測定が可能になる。
【0013】
請求項5に記載の本発明に係る流速測定装置は、前記シャフトは1本のシャフトであり、該シャフトの一端部は前記上流側受圧板に、その他端部は前記下流側受圧板にそれぞれ固定されていることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、上記従来技術のように、シャフトが分割されている構造と比べて、組み立て性が向上する。
【0015】
請求項6に記載の本発明に係る流速測定装置は、前記荷重伝達機構は、前記シャフトの他端部が貫通し前記下流側受圧板に固定された第2のボス部と、内周部が前記第2のボス部の外周に固定され、外周部が前記気密室側に固定された第2のダイアフラムとを有し、前記下流側受圧板と前記シャフトとの間および前記第2のボス部と前記シャフトとの間にOリングがそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、下流側受圧板とシャフトとの間および第2のボス部とシャフトとの間にOリングをそれぞれ設けて気密性を保つようにしているので、上記従来技術のように、下流側受圧板とシャフトとの間の気密性を保つためのゴムカバーが経時変化により劣化して、光フィルタの変位或いは回動の零点がドリフトするのが防止される。これにより、長期に渡り信頼性の高い流速測定が可能になる。
【0017】
請求項7に記載の本発明に係る流速測定装置は、前記第2のボス部は、前記シャフトが貫通し外周部に前記第2のダイアフラムが固定された第2のダイアフラムボスと、該ダイアフラムボスと前記下流側受圧板とにそれぞれOリングを介して固定された第2の受圧板ボスとを有し、前記シャフトの他端部は、前記第2の受圧板ボスに固定されていることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、下流側受圧板とシャフトとの間および第2のダイアフラムボスとシャフトとの間を更に気密に保持することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、上記従来技術のようなゴムカバーを使用せずに、上流側受圧板とシャフトとの間およびボス部とシャフトとの間での気密性を保つようにしているので、光フィルタの変位量或いは回動量の基準位置となる零点がドリフトするのが長期に渡り防止される。例えば、光フィルタとしての光ファイバブラッググレーティング(FBG)の変位量或いは光フィルタとしての誘電体多層膜フィルタの回動量の基準となる零点がドリフトするのが長期に渡り防止される。従って、長期に渡り信頼性の高い流速測定を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を具体化した流速測定装置の一実施形態を図1乃至図6に基づいて説明する。
【0021】
図1は、一実施形態に係る流速測定装置10の概略構成を示す縦断面図である。図1では、その下流側端部を拡大して示してある。図2は図1に示すカバー11,12を取り外した状態での流速測定装置10の概略構成を示す縦断面図である。図3はカバー11,12が取り付けられた状態での流速測定装置10を示す斜視図であり、図4はカバー11,12を取り外した状態での流速測定装置10を示す斜視図である。図5(A),(B)は流速測定装置10が下水管内に設置された状態をそれぞれ示す断面図である。また、図6は流速測定装置10内のFBG(ファイバブラッググレーティング)と外部の光源等とが光ファイバで接続された光経路を示す模式図である。
【0022】
図1に示す流速測定装置10は、図5(A),(B)に示すように、管路としての下水管13内に設定され、管路内を流れる流体14の流速を測定する装置である。
【0023】
この流速測定装置10は、図1に示すように、気密室15を形成するハウジング16と、ハウジング16内に収容され、光ファイバを介して外部の光源から送られる光が入射し、応力に応じて変位し、その変位量に応じた波長の光を出射する光フィルタとしてのFBG17(FBG(1))と、FBG17に応力を作用させる荷重伝達機構18とを備えている。
【0024】
荷重伝達機構18は、ハウジング16外の上流側にあって、流体14の流速に応じた力を受ける上流側受圧板19と、一端部20aが上流側受圧板19側に固定された1本のシャフト20とを有し、上流側受圧板19に作用する力に応じてシャフト20が変位し、その変位によりFBG17に応力を与えてFBG17を変位させるように構成されている。
【0025】
また、荷重伝達機構18は、図1および図2に示すように、シャフト20が貫通し上流側受圧板19に固定されたボス部としてのダイアフラムボス21と、内周部がダイアフラムボス21の外周に固定され、外周部がハウジング16側に固定されたダイアフラム22とを有する。
【0026】
ダイアフラムボス21は、図2に示すように、受圧板ボス26を介して上流側受圧板19の下流側表面に固定されている。受圧板ボス26の一端面はOリング27,27を介して上流側受圧板19に固定され、受圧板ボス26の他端面はOリング28,28を介してダイアフラムボス21の端面に固定されている。このようにして、上流側受圧板19とシャフト20との間およびダイアフラムボス21とシャフト20との間にOリング27およびOリング28がそれぞれ設けられている。
【0027】
また、流速測定装置10の荷重伝達機構18には、図1および図2に示すように、ハウジング16外の下流側に、ハウジング16から下流側に突出したシャフト20の他端部20bに固定され、上流側受圧板19に作用する水圧(静圧)を相殺する受圧面積を有する下流側受圧板23が設けられている。上流側受圧板19に作用する水圧と下流側受圧板23に作用する水圧とが相殺されることで、流体14の流速が零のとき、FBG17を、その変位量が零である零点に常に維持できるようになっている。
【0028】
次に、流速測定装置10のより具体的な構成を説明する。
流速測定装置10は、図1および図2に示すように、第2の気密室24を更に備えている。この第2の気密室24は、一端面(右端面)がハウジング16の上流側壁部16aの外面にOリング31を介して気密に固定された筒状のフランジ30と、フランジ30の他端面(左端面)にOリング32を介して気密に固定され、中央部にダイアフラムボス21が挿通する孔33aが形成された取り付け板33とにより形成されている。
【0029】
荷重伝達機構18のダイアフラム22の外周部は、図2に示すように、取り付け板32に溶接などにより固定されている。ダイアフラム22の内周部は、ダイアフラムボス21の外周に溶接などにより固定されている。この構成により、ダイアフラム22により第2の気密室24の内外を気密に封止した状態で、ダイアフラムボス21が図2で水平方向に変位可能になっている。
【0030】
図1および図2に示すように、シャフト20は1本のシャフトであり、シャフト20の一端部は上流側受圧板19側に、その他端部は下流側受圧板23側にそれぞれ固定されている。
【0031】
また、荷重伝達機構18は、シャフト20の他端部が貫通し下流側受圧板23に固定された第2のボス部としての第2のダイアフラムボス34と、内周部がダイアフラムボス34の外周に固定され、外周部が気密室15側に固定された第2のダイアフラム35とを有する。
【0032】
第2のダイアフラムボス34は、図2に示すように、第2の受圧板ボス36を介して下流側受圧板23の上流側表面に固定されている。第2の受圧板ボス36の一端面はOリング37,37を介して下流側受圧板23に固定され、受圧板ボス36の他端面はOリング38,38を介して第2のダイアフラムボス34の端面に固定されている。このようにして、下流側受圧板23とシャフト20との間および第2のダイアフラムボス34とシャフト20との間にOリング37およびOリング38がそれぞれ設けられている。そして、シャフト20の他端部は、第2の受圧板ボス36に固定されている。
【0033】
また、流速測定装置10は、図1および図2に示すように、第3の気密室25を更に備えている。この第3の気密室25は、一端面(左端面)がハウジング16の下流側壁部16bの外面にOリング39を介して気密に固定された筒状のフランジ40と、フランジ40の他端面(右端面)にOリング41を介して気密に固定され、中央部にダイアフラムボス34が挿通する孔42aが形成された取り付け板42とにより形成されている。
【0034】
荷重伝達機構18のダイアフラム22の外周部は、図2に示すように、取り付け板32に溶接などにより固定されている。ダイアフラム22の内周部は、ダイアフラムボス21の外周に溶接などにより固定されている。この構成により、ダイアフラム22により第2の気密室24の内外を気密に封止した状態で、ダイアフラムボス21が図2で水平方向に変位可能になっている。
【0035】
流速測定装置10は、図3および図4に示すように、ハウジング16の上流側に配置するカバー11と、その下流側に配置するカバー12とを備えている。また、流速測定装置10は、図1に示すように、シャフト20に取り付けられたバランスウエイト60を備えている。このバランスウエイト60は、平行リンク61を介してシャフト20に取り付けられている。流速測定装置10の設置箇所が傾いているために、流速測定装置10全体が例えば右下がりに傾くと、バランスウエイト60が自重で右方へ移動することで、シャフト20を左方へ移動させるようにする。また、流速測定装置10全体が例えば右下がりに傾くと、バランスウエイト60が自重で右方へ移動することで、シャフト20を左方へ移動させるようにする。流速測定装置10全体が例えば左下がりに傾くと、バランスウエイト60が自重で左方へ移動することで、シャフト20を右方へ移動させるようにする。これにより、FBG17の変位量が零である零点を常に維持できるようになっている。
【0036】
このような構成を有する流速測定装置10の気密室24内には、FBG17(FBG(1))の他に、温度補償用のFBG(FBG(2))50が設けられている。これら2つのFBG17,50は、図6に示すように、事務所内に設けた光源51、波長計52およびデータ処理装置53と、光サーキュレータ54を介して光ファイバで接続されている。光サーキュレータ54とFBG17は光ファイバ55で接続され、FBG17,50間は光ファイバ56で接続されている。そして、FBG50に接続された光ファイバ57の端部58は無反射端になっている。なお、図1に示す板59上には、光ファイバ55の余った部分が収容されている。
【0037】
以上のように構成された第1実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
○荷重伝達機構18は、シャフト20が貫通し上流側受圧板19に固定されたダイアフラムボス21と、内周部がダイアフラムボス21の外周に固定され、外周部がハウジング16側に固定されたダイアフラム22とを有する。そして、上流側受圧板19とシャフト20との間およびダイアフラムボス21とシャフト20との間にOリングをそれぞれ設けて、気密性を保つようにしている。つまり、この構成では、上記従来技術のようなゴムカバーを使用せずに、上流側受圧板19とシャフト20との間およびダイアフラムボス21とシャフト20との間での気密性を保つようにしている。このため、FBG17の変位量の基準位置となる零点がドリフトするのが長期に渡り防止される。これにより、長期に渡り信頼性の高い流速測定が可能になる。
【0038】
○上流側受圧板19に作用する水圧(静圧)と下流側受圧板23に作用する水圧とが相殺されるので、流体の流速が零のとき、FBG17の変位量が零である零点に常に維持することができる。
【0039】
○流体の流速に応じた力を上流側受圧板19が受けてシャフト20が変位することで、その流速に応じた力がFBG17に作用してFBG17に歪が生じる。これにより、FBG17の回折格子の周期が変化してブラッグ波長がシフトし、シャフト20の変位量、つまりFBG17に作用する力に応じた波長の光がFBG17から反射光として出射される。この出射光が光ファイバ55および光サーキュレータ54を介して波長計52へ送られる。この波長計52で観測される波長のデータがデータ処理装置53へ送られる。データ処理装置53は、波長計52から送られるデータに基づき流速を求め、求めた流速を流量に換算して、ポンプの制御に用いる。
【0040】
○気密室を15形成するハウジング16の上流側に第2の気密室24を設け、この第2の気密室24の一部を構成する取り付け板33の中央部の孔33aに荷重伝達機構18のダイアフラムボス21が挿通し、荷重伝達機構18のダイアフラム22の外周部を取り付け板33に固定しているので、気密室15の気密性がさらに向上する。このため、FBG17の信頼性が長期に渡って確保されるので、長期に渡り信頼性の高い流速測定が可能になる。
【0041】
○シャフト20は1本のシャフトであるため、上記従来技術のように、シャフトが分割されている構造と比べて、組み立て性が向上する。
【0042】
○下流側受圧板23とシャフト20との間および第2のダイアフラムボス34とシャフト20との間にもOリング37およびOリング38をそれぞれ設けて気密性を保つようにしている。このため、上記従来技術のように、下流側受圧板とシャフトとの間の気密性を保つためのゴムカバーが経時変化により劣化して、FBGの変位の零点がドリフトするのが防止される。これにより、長期に渡り信頼性の高い流速測定が可能になる。
○シャフト20の他端部は、第2の受圧板ボス36に固定されているので、下流側受圧板23とシャフト20との間および第2のダイアフラムボス34とシャフト20との間を更に気密に保持することができる。
【0043】
なお、上記一実施形態で説明した流速測定装置10のように、第2の気密室24、第3の気密室25をそれぞれ形成するための筒状のフランジ30、40が無い構成の流速測定装置にも本発明は適用可能である。すなわち、筒状のフランジ30、40が無い流速測定装置では、気密室15を形成するハウジング16の上流側壁部にダイアフラムボスが挿通し、このダイアフラムボスの外周にダイアフラムの内周部が固定され、その外周部がハウジング16の上流側壁部に固定される。
【0044】
また、上記一実施形態で説明した流速測定装置10では、FBG17を用いているが、FBG17に代えて、応力に応じて回動し、その回動量に応じた波長の光を透過する波長選択性を有する誘電体多層膜フィルタを用いた構成の流速測定装置にも本発明は適用可能である。
さらに、上記一実施形態で説明した流速測定装置10において、ダイアフラムボス21と受圧板ボス26が一体に形成された構成の流速測定装置にも本発明は適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】一実施形態に係る流速測定装置の概略構成を示す縦断面図。
【図2】カバーを取り外した状態での流速測定装置の概略構成を示す縦断面図。
【図3】カバーが取り付けられた状態での流速測定装置を示す斜視図。
【図4】カバーを取り外した状態での流速測定装置を示す斜視図。
【図5】(A),(B)は流速測定装置が下水管内に設置された状態をそれぞれ示す断面図。
【図6】流速測定装置内のFBGと外部の光源等とが光ファイバで接続された光経路を示す模式図。
【符号の説明】
【0046】
10:流速測定装置
13:下水管
14:流体
15:気密室
16:ハウジング
16a:上流側壁部
17:FBG
18:荷重伝達機構
19:上流側受圧板
20:シャフト
21:ダイアフラムボス
22:ダイアフラム
23:下流側受圧板
24:第2の気密室
25:第3の気密室
26:受圧板ボス
27,28,31,32,37,38:Oリング
30,40:フランジ
33:取り付け板
33a:孔
34:第2のダイアフラムボス
36:第2の受圧板ボス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管路内に設置され、管路内を流れる流体の流速を測定する流速測定装置であって、
気密室を形成するハウジングと、
前記ハウジング内に収容され、光ファイバを介して外部の光源から送られる光が入射し、応力に応じて変位或いは回動し、その変位量或いは回動量に応じた波長の光を出射する光フィルタと、
前記ハウジング外の上流側にあって、前記流体の流速に応じた力を受ける上流側受圧板と、
一端部が前記上流側受圧板側に固定されたシャフトを有し、前記上流側受圧板に作用する力に応じて前記シャフトが変位し、その変位により前記光フィルタを変位或いは回動させる荷重伝達機構と、を備え、
前記荷重伝達機構は、前記シャフトが貫通し前記上流側受圧板に固定されたボス部と、内周部が前記ボス部の外周に固定され、外周部が前記ハウジング側に固定されたダイアフラムとを有し、
前記上流側受圧板と前記シャフトとの間および前記ボス部と前記シャフトとの間にOリングがそれぞれ設けられていることを特徴とする流速測定装置。
【請求項2】
前記ハウジング外の下流側には、前記ハウジング外に突出した前記シャフトの他端部に固定され、前記上流側受圧板に作用する水圧を相殺する受圧面積を有する下流側受圧板が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の流速測定装置。
【請求項3】
前記光フィルタは、光ファイバブラッググレーティングであることを特徴とする請求項1又は2に記載の流速測定装置。
【請求項4】
一端面が前記ハウジングの上流側壁部の外面にOリングを介して気密に固定された筒状のフランジと、該フランジの他端面にOリングを介して気密に固定され、中央部に前記ボス部が挿通する孔が形成された取り付け板とにより形成された第2の気密室を更に備え、
前記荷重伝達機構のダイアフラムの外周部は前記取り付け板に固定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の流速測定装置。
【請求項5】
前記シャフトは1本のシャフトであり、該シャフトの一端部は前記上流側受圧板に、その他端部は前記下流側受圧板にそれぞれ固定されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一つに記載の流速測定装置。
【請求項6】
前記荷重伝達機構は、前記シャフトの他端部が貫通し前記下流側受圧板に固定された第2のボス部と、内周部が前記第2のボス部の外周に固定され、外周部が前記気密室側に固定された第2のダイアフラムとを有し、
前記下流側受圧板と前記シャフトとの間および前記第2のボス部と前記シャフトとの間にOリングがそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項5に記載の流速測定装置。
【請求項7】
前記第2のボス部は、前記シャフトが貫通し外周部に前記第2のダイアフラムが固定された第2のダイアフラムボスと、該ダイアフラムボスと前記下流側受圧板とにそれぞれOリングを介して固定された第2の受圧板ボスとを有し、
前記シャフトの他端部は、前記第2の受圧板ボスに固定されていることを特徴とする請求項6に記載の流速測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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