説明

流量計

【課題】流路の断面形状を工夫することによって、整流手段を配置しなくても流速分布を容易に均等化、対称化でき、層流域から乱流域にわたって広範囲に高精度で流量を計測できる流量計を提供する。
【解決手段】方向転換部211は、ほぼ下向きに配置された入口側連結流路21bの出口側末端部に続いて、ガスの流れを約90°方向転換させるように、外周側と内周側とが湾曲形態に形成されている。方向転換部211は、流路の開口高さが流れ方向下手側に向かうにつれて減少する減少部211aを有している。調整部212は、方向転換部211の出口側末端部に続く形で接続形成され、ガスの流れ方向をほぼ水平方向に揃える。流路高さ拡大部213は、調整部212に続いて、外周側及び内周側にて流路の開口高さが各々高さ方向に階段状に増大変化する増大部213aを有するとともに、直線状中間流路21a(超音波計測区間21a1)に接続されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LPガス、都市ガス、空気、水などの流体の流量を計測する流量計に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、LPガス、都市ガス、空気、水などの流体の流量を計測する流量計測装置として、超音波を利用して流速を測定する超音波流量計が知られている。このような超音波流量計では、例えば、流体を通過させるための計測流路の壁部(取付壁面)に、流体の流れ方向上手側又は下手側に向けて超音波を発振した後、流れ方向上手側又は下手側から到来する超音波を受信する一対の送受信振動子(超音波センサ)が取り付けられている。そして、計測流路の入口側に、流速分布を非対称化して流速の最大値の発生位置を計測流路の中心から一方に偏らせるために、屈曲部、段差部、異形状部等からなる非対称流れ促進手段を設けることが開示されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特許第3436247号公報
【0004】
特許文献1によれば、非対称流れ促進手段を設けることによって、層流域と乱流域との補正係数の差を少なくし、流体の種別により粘性係数が変化しても補正係数の変化を小さくすることが可能となる。しかし、超音波流量計を始め多くの流量計では、配置スペース等の関係から、送受信振動子(計測部)は通常、計測用の測線が計測流路(計測用直線流路)における流量計測区間の上下方向高さ(高さ方向)の中央に位置するように配置されている。したがって、特許文献1のように非対称流れ促進手段を設けることによって、高さ方向の流速分布が非対称(不均等)になりやすい。そこで、計測部の前方側(流れ方向上手側)に、整流素子のように高さ方向の流速分布を対称化(均等化)するための整流手段を配置する等の対策を要する場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、導入側流路から計測用直線流路に至る流路の断面形状を工夫することによって、整流手段を配置しなくても流体の流れ方向に直交する方向での流速分布を容易に均等化したり対称化したりすることができ、また流体の種別や温度変化に伴って粘性が変化しても、層流域から乱流域にわたって広範囲に高精度で流量を計測できる流量計を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る流量計は、
流体を通過させるために所定の流路断面積を有する導入側流路と、その導入側流路に交差して直線状に連通形成され、流体の流量を測定するために流路の幅方向を長辺とし高さ方向を短辺とする矩形状に開口して前記導入側流路よりも小さい流路断面積を有する計測用直線流路と、を含む流量計であって、
前記導入側流路の出口側末端部に続いて、外周側と内周側とのうち少なくとも外周側が湾曲形態に形成されて流体の流れを方向転換させるとともに、幅方向中央での流れ方向に平行な断面において、流路の開口高さが流れ方向下手側に向かうにつれて減少する減少部を有する方向転換部と、
その方向転換部の出口側末端部に続く形で接続形成され、流体の流れ方向を揃える調整部と、
その調整部に続いて、前記外周側及び内周側にて流路の開口高さが各々高さ方向に階段状に増大変化する増大部を有し、前記計測用直線流路に接続可能な流路高さ拡大部とを含み、
前記方向転換部と調整部とは流路の開口高さが前記導入側流路よりも小さい流路高さ縮小部を構成し、
前記流路高さ縮小部における前記減少部及び調整部と、前記流路高さ拡大部における前記増大部とによって、前記計測用直線流路において流体の流れ方向に直交する方向での流速分布が均等化及び/又は対称化されることを特徴とする。
【0007】
例えば、上記課題を解決するために、本発明に係る流量計に超音波流量計を用いる場合、
流体を通過させるために所定の流路断面積を有する導入側流路と、その導入側流路に交差して直線状に連通形成され、流体の流量を測定するために流路の幅方向を長辺とし高さ方向を短辺とする矩形状に開口して前記導入側流路よりも小さい流路断面積を有し、その短辺壁部の取付壁面に流体の流れ方向上手側若しくは下手側に向けて超音波を発振し、及び/又は流れ方向上手側若しくは下手側から到来する超音波を受信する送受信振動子が取り付けられた計測用直線流路と、を含む流量計であって、
前記導入側流路の出口側末端部に続いて、外周側と内周側とのうち少なくとも外周側が湾曲形態に形成されて流体の流れを方向転換させるとともに、幅方向中央で前記取付壁面に平行な断面において、流路の開口高さが流れ方向下手側に向かうにつれて減少する減少部を有する方向転換部と、
その方向転換部の出口側末端部に続く形で接続形成され、流体の流れ方向を揃える調整部と、
その調整部に続いて、前記外周側及び内周側にて流路の開口高さが各々高さ方向に階段状に増大変化する増大部を有し、前記計測用直線流路に接続可能な流路高さ拡大部とを含み、
前記方向転換部と調整部とは流路の開口高さが前記導入側流路よりも小さい流路高さ縮小部を構成し、
前記流路高さ縮小部における前記減少部及び調整部と、前記流路高さ拡大部における前記増大部とによって、前記計測用直線流路において流体の流れ方向に直交する方向での流速分布が均等化及び/又は対称化されることを特徴とする。
【0008】
具体的には、これらの流量計において、
前記流路高さ縮小部では、前記方向転換部の外周側に沿って流体が流れる際の遠心力によって前記減少部の外周側と内周側とで流体の流れ方向及び最大流速が偏るのを、前記調整部により流れ方向を揃えるとともに、
前記流路高さ拡大部では、前記増大部での整流作用によって(整流素子等の整流部材を配置せずにすむので)圧力損失の上昇を抑制しつつ、流体の流れ方向に平行な断面での高さ方向の流速分布を平滑化し、
前記計測用直線流路(特に流量計測区間)において、流体の流れ方向に直交する断面での高さ方向の流速分布(流体の流れ方向に直交する方向での流速分布)が均等化及び/又は対称化される。
【0009】
このような流量計においては、被測定流体(例えばLPガスや都市ガス)は計測用直線流路の流れ方向上手側に位置する方向転換部(減少部)を流れる間に、流れ方向が偏り、内周側に比して外周側で流速が相対的に速くなる傾向がある。しかし、外周側及び内周側にて流路の開口高さが各々高さ方向に階段状に増大変化する増大部(流路高さ拡大部)を通る間に、流体の流れ方向に直交する方向での流速分布の偏りの影響が緩和され、均等化及び/又は対称化される。すなわち、方向転換部(減少部)で発生する偏流(最大流速の向きと位置が外周側に偏った流れ)が、調整部を経由し、流路高さ拡大部(増大部)で開放されることによって、高さ方向の中央位置付近に流速分布のピーク(最大流速)を持つ流れに矯正される(高さ方向の流速分布が均等化及び/又は対称化される)。したがって、計測部(例えば一対の送受信振動子)の測線を高さ方向の流速分布の中間位置(例えば中央位置)に配置して、計測用直線流路(流量計測区間)を流れる被測定流体の最大流速を安定して計測することができるので、流体の種別や温度変化に伴って粘性(動粘性係数)が変化しても、層流域(小流量)から乱流域(大流量)にわたって常に流体の対称性が確保され、広範囲に高精度で流量を計測できる。
【0010】
そして、減少部(方向変換部)では流れ方向下手側ほど流路の開口高さが減少し、かつ整流素子のような整流手段を調整部等の流れ方向下手側の流路中に配置する必要がないため、圧力損失が抑制され、流量測定部での測定範囲の拡大を図ることも可能になる。また、整流手段を設けないため流量計のコスト低減を図ることもできる。
【0011】
このように、超音波流量計では、送受信振動子の測線が計測用直線流路(流量計測区間)の流速分布の中間位置(例えば中央位置)に配置される。同様に、計測部の測線が計測用直線流路の流速分布の中間位置(例えば中央位置)に配置されるタイプの流量計にも適用することができる。このようなタイプの流量計として、電磁流量計(計測部:測定管)、ピトー管式流量計(計測部:ピトー管)等を例示することができる。また、超音波検出方式の渦式流量計(計測部:渦発生体の下流側に設けた超音波振動子)に用いてもよい。
【0012】
また、上記課題を解決するために、本発明に係る流量計は、
流体を通過させるために所定の流路断面積を有する導入側流路と、その導入側流路に交差して直線状に連通形成され、流体の流量を測定するために流路の幅方向を長辺とし高さ方向を短辺とする矩形状に開口して前記導入側流路よりも小さい流路断面積を有する計測用直線流路と、を含む流量計であって、
前記導入側流路の出口側末端部に続いて、外周側と内周側とのうち少なくとも外周側が湾曲形態に形成され、流体の流れを方向転換させる方向転換部と、
その方向転換部の出口側末端部に続く形で接続形成され、流体の流れ方向を揃える調整部と、
その調整部に続いて、少なくとも前記外周側にて流路の開口高さが高さ方向に階段状に増大変化する増大部を有し、前記計測用直線流路に接続可能な流路高さ拡大部とを含み、
幅方向中央での流体の流れ方向に平行な断面において、前記方向転換部の流路の開口高さが流れ方向下手側に向かうにつれて減少する第一の減少部を有するとともに、流れ方向に直交する断面において、前記方向転換部と調整部とのうちの少なくとも一方の流路の開口高さが幅方向端部側に向かうにつれて減少する第二の減少部を有することによって、前記方向転換部と調整部とは流路の開口高さが前記導入側流路よりも小さい流路高さ縮小部を構成し、
前記流路高さ縮小部における前記第一の減少部、第二の減少部及び調整部と、前記流路高さ拡大部における前記増大部とによって、前記計測用直線流路において流体の流れ方向に直交する方向での流速分布が均等化及び/又は対称化されることを特徴とする。
【0013】
例えば、上記課題を解決するために、本発明に係る流量計に超音波流量計を用いる場合、
流体を通過させるために所定の流路断面積を有する導入側流路と、その導入側流路に交差して直線状に連通形成され、流体の流量を測定するために流路の幅方向を長辺とし高さ方向を短辺とする矩形状に開口して前記導入側流路よりも小さい流路断面積を有し、その短辺壁部の取付壁面に流体の流れ方向上手側若しくは下手側に向けて超音波を発振し、及び/又は流れ方向上手側若しくは下手側から到来する超音波を受信する送受信振動子が取り付けられた計測用直線流路と、を含む流量計であって、
前記導入側流路の出口側末端部に続いて、外周側と内周側とのうち少なくとも外周側が湾曲形態に形成され、流体の流れを方向転換させる方向転換部と、
その方向転換部の出口側末端部に続く形で接続形成され、流体の流れ方向を揃える調整部と、
その調整部に続いて、少なくとも前記外周側にて流路の開口高さが高さ方向に階段状に増大変化する増大部を有し、前記計測用直線流路に接続可能な流路高さ拡大部とを含み、
幅方向中央で前記取付壁面に平行な断面において、前記方向転換部の流路の開口高さが流体の流れ方向下手側に向かうにつれて減少する第一の減少部を有するとともに、流れ方向に直交する断面において、前記方向転換部と調整部とのうちの少なくとも一方の流路の開口高さが幅方向端部側に向かうにつれて減少する第二の減少部を有することによって、前記方向転換部と調整部とは流路の開口高さが前記導入側流路よりも小さい流路高さ縮小部を構成し、
前記流路高さ縮小部における前記第一の減少部、第二の減少部及び調整部と、前記流路高さ拡大部における前記増大部とによって、前記計測用直線流路において流体の流れ方向に直交する方向での流速分布が均等化及び/又は対称化されることを特徴とする。
【0014】
具体的には、これらの流量計において、
前記流路高さ縮小部では、前記方向転換部の外周側に沿って流体が流れる際の遠心力によって前記第一の減少部の外周側と内周側とで流体の流れ方向及び最大流速が偏るのを、前記調整部により流れ方向を揃え、かつ前記第一の減少部にて流体が幅方向端部側へ拡散移動しようとするのを、前記第二の減少部により阻止又は抑制するとともに、
前記流路高さ拡大部では、前記増大部での整流作用によって(整流素子等の整流部材を配置せずにすむので)圧力損失の上昇を抑制しつつ、流体の流れ方向に平行な断面での高さ方向の流速分布を平滑化し、
前記計測用直線流路(特に流量計測区間)において、流体の流れ方向に直交する断面での幅方向及び高さ方向の流速分布(流体の流れ方向に直交する方向での流速分布)が均等化及び/又は対称化される。
【0015】
このような流量計においても、被測定流体(例えばLPガスや都市ガス)は計測用直線流路の流れ方向上手側に位置する方向転換部(減少部)を流れる間に、流れ方向が偏り、内周側に比して外周側で流速が相対的に速くなる傾向がある。しかし、外周側及び内周側のうち少なくとも外周側にて流路の開口高さが高さ方向に階段状に増大変化する増大部(流路高さ拡大部)を通る間に、流体の流れ方向に直交する方向での流速分布が均等化及び/又は対称化される。すなわち、方向転換部(第一の減少部)で発生する偏流(最大流速の向きと位置が外周側に偏った流れ)が、調整部と第二の減少部と流路高さ拡大部(増大部)とで矯正される(幅方向及び高さ方向の流速分布が均等化及び/又は対称化される)。したがって、計測部(例えば一対の送受信振動子)の測線を高さ方向の流速分布の中間位置(例えば中央位置)に配置して、計測用直線流路(流量計測区間)を流れる被測定流体の最大流速を安定して計測することができるので、流体の種別や温度変化に伴って粘性(動粘性係数)が変化しても、層流域(小流量)から乱流域(大流量)にわたって広範囲に高精度で流量を計測できる。
【0016】
そして、上記流量計における流路高さ縮小部の第二の減少部は、流路の高さ方向の中間位置(例えば中央位置)から内周側又は外周側に向かうにつれて、その流路の開口幅が連続的に減少するように形成されていてもよい。
【0017】
第一の減少部にて流路の開口高さが減少することに応じて、方向変換部内の流体は幅方向端部側へ拡散移動しようとするが、その移動は内周側又は外周側ほど開口幅が減少する第二の減少部によって阻止又は抑制されている。このように、第二の減少部によって幅方向の流速分布を円滑に均等化(対称化)することができる。なお、第二の減少部における流路壁面を平面状又は曲面状に形成することができる。例えば、第二の減少部における流路壁面は、流れ方向に直交する断面にて、二等辺三角形状等の三角形状、台形状等の四角形状、円弧状、楕円状等に形成できる。
【0018】
その際さらに、第二の減少部において、流路の高さ方向の中間位置(例えば中央位置)から内周側に向かうにつれて、その流路の開口幅が連続的に減少するように形成することが望ましい。これによって、幅方向の流速分布の均等化(対称化)に要する第二の減少部ひいては流路高さ縮小部の区間長(流れ方向の長さ)を短縮することができる。
【0019】
あるいは、上記流量計における流路高さ縮小部の第二の減少部は、流路の高さ方向の中間位置(例えば中央位置)から内周側及び外周側に向かうにつれて、その流路の開口幅がそれぞれ連続的に減少するように形成されていてもよい。
【0020】
第一の減少部にて流路の開口高さが減少することに応じて、方向変換部内の流体は幅方向端部側へ拡散移動しようとするが、その移動は内周側でも外周側でも開口幅が減少する第二の減少部によって阻止又は抑制され(抑え込まれ)、流路の高さ方向の中間部分(中央部分)に集められている。このように、開口幅が内周側でも外周側でも減少する第二の減少部によって、幅方向の流速分布を短い区間長(流れ方向の長さ)で円滑に均等化(対称化)することができる。なお、この場合にも第二の減少部における流路壁面を平面状又は曲面状に形成することができる。例えば、第二の減少部における流路壁面は、流れ方向に直交する半断面にて、二等辺三角形状等の三角形状、台形状等の四角形状、円弧状、楕円状等に形成できる。
【0021】
その際さらに、内周側及び外周側で開口幅が減少する第二の減少部においては、流路の高さ方向の中間位置(例えば中央位置)から内周側に向かう開口幅の減少率が、外周側に向かう開口幅の減少率よりも大であることが望ましい。
【0022】
このように、第二の減少部における開口幅の減少率を内周側よりも外周側で小さくし、内外で非対称にすることにより、遠心力によって流体の偏りを生じやすい外周側において、流体の幅方向端部側への拡散移動容量を相対的に大きく確保することができる。これによって、流路高さ縮小部で発生する幅方向の流速分布の乱れ(不均等及び/又は非対称)を相対的に小さくすることができるので、幅方向の流速分布の均等化(対称化)に要する第二の減少部ひいては流路高さ縮小部の区間長(流れ方向の長さ)をさらに短縮することができる。なお、流路壁面が平面状であれば開口幅の減少率の大小は勾配の逆数の大小、曲面状であれば開口幅の減少率の大小は曲率の逆数(曲率半径)の大小に相当する。
【0023】
以上で述べた流量計においては、調整部の内周側及び外周側の流路壁面を計測用直線流路(流量計測区間)の長辺壁部の壁面とそれぞれ平行状に配置するとともに、流路高さ拡大部の流路の高さ方向の中央を、調整部の流路の高さ方向の中央よりも外周側又は内周側に偏って(オフセットして;齟齬して)配置することができる。
【0024】
流路高さ拡大部の高さ方向中央位置を調整部の高さ方向中央位置よりも外周側又は内周側に偏って配置することにより、流路高さ拡大部での高さ方向の流速分布の平滑化後に計測用直線流路(流量計測区間)にて計測すべき最大流速が、調整部の高さ方向中央位置の延長線上に出現しやすくなる。よって、高さ方向の流速分布の均等化(対称化)に要する流路高さ拡大部の区間長(流れ方向の長さ)を短縮することができる。なお、流路高さ拡大部の高さ方向中央位置を調整部の高さ方向中央位置に対して外周側又は内周側のいずれにオフセットさせるかは、調整部や流路高さ拡大部の形状(高さ等)に応じて定めればよい。その際、計測用直線流路(流量計測区間)における計測部(例えば一対の送受信振動子)の測線位置を調整部の高さ方向中央位置の延長線上に(一致させて)配置すれば、計測用直線流路(流量計測区間)を流れる被測定流体の最大流速を安定して計測できる。
【0025】
また、流路高さ拡大部の増大部は、外周側及び内周側にて流路の開口高さが各々高さ方向に階段状に増大変化し、
調整部は、少なくとも流路の高さ方向の内周側の後端部が、増大部において流れ方向下手側へ延出して延出部を形成することができる。
【0026】
このように、調整部の内周側の後端部が延出部を形成することによって、流体の流れ方向に平行な断面での高さ方向の流速分布の平滑化が、流路高さ拡大部にて短い区間長さ(流れ方向の長さ)で迅速に行われる。なお、その際同時に、増大部における流路の高さ方向の外周側の前端部が、調整部において流れ方向上手側へ突入して突入部を形成している場合には、上記した遠心力によって流体の偏りを生じやすい外周側において、調整部に形成される突入部に流体を部分的(かつ一時的)に滞留させて流速を遅らせることができ、上記した高さ方向の流速分布の平滑化を一層迅速に行うことができる。
【0027】
例えば、延出部の流路壁面を、流れ方向下手側に向かうにつれて増大部における内周側及び/又は外周側の壁面に徐々に接近した後接触する曲面状に形成することができる。
【0028】
これにより、増大部における内周側の壁部や外周側の壁部と延出部とが滑らかに接続され、調整部から流路高さ拡大部(増大部)への流体の流れを阻害しないので、上記した高さ方向の流速分布の平滑化を円滑に行うことができる。
【0029】
あるいは、延出部の流路壁面を、流れ方向下手側に向かうにつれて増大部における短辺側の壁面(短辺壁部)に徐々に接近した後接触する曲面状に形成することができる。
【0030】
これにより、増大部における短辺側の壁部(短辺壁部)と延出部とが滑らかに接続され、調整部から流路高さ拡大部(増大部)への流体の流れを阻害しないので、上記した高さ方向の流速分布の平滑化を円滑に行うことができる。
【0031】
さらに、流路高さ縮小部には、流路の開口高さを高さ方向に分割する1又は複数の仕切部が流れ方向に沿って配置されていてもよい。
【0032】
流路高さ縮小部の流路の開口高さを高さ方向に分割することによって、高さ方向の流速分布の乱れ(不均等及び/又は非対称)を相対的に小さくすることができるので、層流域(小流量)から乱流域(大流量)にわたって広範囲に高精度で流量を計測できる。
【0033】
そして、その仕切部は、表面が平滑な単一の板材により方向変換部と調整部とに跨って配置されるとともに、少なくとも調整部の高さ方向において外周側に偏って(オフセットして;齟齬して)位置することができる。
【0034】
仕切部が調整部で外周側に偏って位置することにより、上記した遠心力によって流体の偏りを生じやすい外周側において、高さ方向の流速分布の乱れ(不均等及び/又は非対称)をさらに小さくすることができる。例えば、仕切部は、方向変換部では高さ方向の中央近傍に位置する一方、調整部では外周側に偏って位置することができる。
【0035】
導入側流路と計測用直線流路(流量計測区間)とが直交状に配置され、計測用直線流路(流量計測区間)の開口高さ及び開口幅が流れ方向に対して一定に形成されていれば、流量計をコンパクトな箱型形状に形成できる。また、流路高さ拡大部で均等化(対称化)された流速分布が計測用直線流路(流量計測区間)でも安定して維持されるので、流量測定の精度が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
(全体構成)
次に、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。図1は、一般住宅用ガスメータ等として用いられる超音波流量計の一実施例の全体斜視図を示す。この超音波流量計100(流量計)は、本体ユニット10と中間流路形成ユニット20と遮断弁30とから構成され、本体ユニット10は本体部11と蓋部17とからなる。
【0037】
図2は超音波流量計100の正面断面図を示し、図2のA−A断面図が図3に表わされている。図2に示すように、本体部11は全体として直方体形状を有し、その上面には、上流側のガス配管に接続される流入口12及び下流側のガス配管に接続される流出口13がそれぞれ開口している。また、その内部には、流入口12と流出口13との間にガス(流体)を通過させるための本体流路14が形成されている。本体部11の下部には、図2の背面側から手前側(嵌合方向)に向けて本体流路切除部15が形成され、この本体流路切除部15は、パッキン17a(シール材)を介し蓋部17によって外部から覆われている(図3参照)。本体部11の嵌合方向前方側(図2の手前側)の外面には、本体流路切除部15と連通する一対の窓孔16,16(図1参照)が開口している。
【0038】
図3に示すように、中間流路形成ユニット20の内部には、本体部11の本体流路切除部15にガスの流れ方向と直交する方向(嵌合方向)から嵌合したときに本体流路14と接続される中間流路21が貫通形成されている。この中間流路21は、本体流路14と滑らかに連続する上下方向の入口側連結流路21b(導入側流路),出口側連結流路21c(導出側流路)と、両端で両連結流路21b,21cと連なるとともに、本体流路14とほぼ直交する形態で本体部11の下面に沿って配設される水平方向の直線状中間流路21a(計測用直線流路)とから構成されている(図2参照)。また、中間流路形成ユニット20には、本体部11に開口する一対の窓孔16,16に対応して嵌合方向の前方側に一対の突出部22,22がそれぞれ一体形成されている。
【0039】
さらに、中間流路形成ユニット20の一対の突出部22,22には、直線状中間流路21aにおける超音波計測区間21a1(流量計測区間)を通過するガスの流量を測定するために、超音波センサ23の一対の送受信振動子23a,23bがそれぞれ着脱可能に取り付けられている。直線状中間流路21aの軸直交断面積(流路断面積)を本体流路14や入口側連結流路21bの軸直交断面積(流路断面積)よりも小とし(絞り)、流れ方向に対して一定の大きさに形成する。これによって、直線状中間流路21aを流れるガスの流速を速くして一定に保持し、超音波センサ23による流量(流速)の測定精度が高くなるようにしている。なお、流入口12と中間流路21との間の本体流路14には、本体流路14のガスの流れを遮断する遮断弁30が設けられている(図2参照)。
【0040】
したがって、図3において、中間流路21が本体流路14と連通するように中間流路形成ユニット20を本体部11の本体流路切除部15に嵌合すると、各突出部22,22が本体部11の各窓孔16,16からそれぞれ外部に突出する。そして、各突出部22,22はパッキン16a(シール材)を介し各窓孔16,16をそれぞれ密閉する。さらに、超音波センサ23の各送受信振動子23a,23bは、各突出部22,22の収容孔22a,22bにそれぞれ外部から挿入され、取付ねじ(取付部材;図示せず)や押圧板(押圧部材;図示せず)によって着脱可能に固定されている。
【0041】
図3に示すように、直線状中間流路21a(超音波計測区間21a1)は、流路の幅方向(本体流路切除部15への嵌合方向;奥行方向)を長辺L、流路の高さ方向(上下方向)を短辺S(図2参照)とする矩形状に形成されている。そして、超音波センサ23は次のような反射型V字配列に構成されている。すなわち、超音波計測区間21a1(直線状中間流路21a)の流れ方向直交断面において、嵌合方向前方側の短辺Sを形成する短辺壁部21dの取付壁面に、送受信振動子23a,23bが流れ方向に所定距離Wを隔てて取り付けられ、嵌合方向後方側の短辺Sを形成する短辺壁部の壁面を反射面21eとする。
【0042】
図1に戻り、超音波センサ23の送受信振動子23a,23b(センサ素子)で得られた出力信号は、リード線25,25を介して流量演算処理回路24に送信されてガス流量が算出され、流量表示部(図示せず)等を用いて報知される。これらの送受信振動子23a,23b、流量演算処理回路24、リード線25,25、流量表示部等は流量測定部Mを構成している。リード線25,25は、窓孔16,16から外部に突出して設けられる超音波センサ23(送受信振動子23a,23b)から引き出されるので、その芯線部を通じて測定ガスが外部に漏れ出して、気密性が不十分となったり、測定精度が低下したりすることがない。このように、本体部11・蓋部17・中間流路形成ユニット20の三者の気密性が確保され、リード線25,25が流路外に位置するので、漏れ出したガスに電気部品の火花が引火して火災が発生することもない。なお、入口側連結流路21bと直線状中間流路21aとの間には、流路内での測定ガス流の乱れを抑え速度分布を均一化するための整流素子(整流部材)は設けられていない(図2,図3参照)。
【0043】
(超音波センサの配置変形例)
以上の全体構成においては、超音波センサ(送受信部)の配置と超音波ビームの通る径路(測線という)として反射型V字配列を採用した場合について説明した。反射型V字配列では、一対の送受信部を流れ方向に沿って同じ側に集中配置できるので、送受信部の着脱を同じ方向から行える利点がある。超音波流量計における超音波センサ(送受信部)の測線方式には、反射型V字配列の他にも多くの種類が知られている。他の測線方式に対する本発明の適用例について以下に説明する。
【0044】
(1)透過型Z配列(図4(a))
一方の送受信部123aから発せられた超音波を流れ方向に沿って所定距離離間して配置された他方の送受信部123bで受信する方式である。この方式では、一方の送受信部123aと他方の送受信部123bとは流れ方向の両側に分離して配置される。
【0045】
(2)透過型V字配列(図4(b))
1個の送信部223aから発せられた超音波を流れ方向に沿って所定距離離間して配置された一対の受信部223b,223bで受信する方式である。この方式では、送信部223aと受信部223b,223bとは流れ方向の両側に分離して配置される。
【0046】
(3)交差型X配列(図4(c))
流れ方向に沿って所定距離離間して配置された一対の送信部323a,323aから発せられた超音波を流れ方向に沿って所定距離離間して配置された一対の受信部323b,323bで受信する方式である。この方式は上記した図4(b)の方式において、送信部を1個から一対に増設したものに相当する。
【0047】
本発明の流量計では、いずれの超音波センサの配置方式(測線方式)を採用しても等価であるから、以下の実施例においては、透過型Z配列を用いて説明する。
【0048】
なお、以上の全体構成及び超音波センサの配置変形例においては、本体ユニット10が、本体流路14を内部に有する本体部11と、本体部11を外部から覆う蓋部17とから構成される場合についてのみ説明したが、本体ユニット10は次のような構成であってもよい。すなわち、本体ユニットは半割り状の本体流路を各々有する第一本体部と第二本体部とを合掌構成してもよい。ただし、この場合には窓孔は第一本体部と第二本体部とのうち少なくともいずれか一方に設けられ、蓋部は設けても設けなくてもよい。
【0049】
(実施例1)
次に、図5は図2における中間流路の流路構成の第1実施例を示す斜視図及び正面図、図6は図5(b)の要部を拡大して小流量時及び大流量時の流速分布を示す説明図である。図5に示す中間流路21において、ほぼ直交状に配置される入口側連結流路21b(本体流路14)と直線状中間流路21aとの間には、流路高さ縮小部210及び流路高さ拡大部213が流れ方向上手側から下手側に向ってこの順に接続形成されている。流路高さ縮小部210は、流れ方向上手側から方向転換部211と調整部212とを含み、流路の開口高さが入口側連結流路21bよりも小さく接続形成されている。
【0050】
方向転換部211は、ほぼ下向きに配置された入口側連結流路21bの出口側末端部に続いて、ガスの流れを約90°方向転換させるように、外周側と内周側とが湾曲形態に形成されている。この方向転換部211は、流路の開口高さが流れ方向下手側に向かうにつれて減少する減少部211aを有し、流路の外周側及び内周側が直線状中間流路21a(超音波計測区間21a1)の長辺壁部21fに連なっている。また、調整部212は、方向転換部211の出口側末端部に続く形で接続形成され、ガスの流れ方向をほぼ水平方向に揃える。さらに、流路高さ拡大部213は、調整部212に続いて、外周側及び内周側にて流路の開口高さが各々高さ方向に階段状に増大変化する増大部213aを有するとともに、直線状中間流路21a(超音波計測区間21a1)に接続されている。なお、流路高さ拡大部213の流路の高さ方向の中央位置O1は、調整部212の流路の高さ方向の中央位置O2と一致している。また、流路高さ拡大部213の中央位置O1は、超音波センサ23の送受信振動子123a,123bの測線位置、及び超音波計測区間21a1(直線状中間流路21a)の高さ方向の中央位置とも一致している。さらに、調整部212の内周側及び外周側の流路壁面は、直線状中間流路21a(超音波計測区間21a1)の長辺壁部21fの壁面とそれぞれ平行状に配置されている。
【0051】
そして、流路高さ縮小部210における減少部211a及び調整部212と、流路高さ拡大部213における増大部213aとによって、超音波計測区間21a1(直線状中間流路21a)において高さ方向での流速分布が均等化及び対称化される。
【0052】
具体的には、流路高さ縮小部210では、方向転換部211の外周側に沿ってガスが流れる際に作用する遠心力によって減少部211aの外周側と内周側とでガスの流れ方向及び最大流速が偏るのを、調整部212により流れ方向がほぼ水平方向に揃えられる。また、流路高さ拡大部213では、増大部213aでの整流作用によって(整流素子等の整流部材を配置せずにすむので)圧力損失の上昇を抑制しつつ高さ方向の流速分布が平滑化される。その結果、超音波計測区間21a1(直線状中間流路21a)において、高さ方向の流速分布が均等化及び対称化される。
【0053】
以上のように流路構成されているので、この流路内のガスの流れは図6のようになる。
【0054】
方向転換部211へ流入したガスは、下向き(上下方向)の入口側連結流路21bから横向き(水平方向)の直線状中間流路21aへ方向転換する途上にあるため、斜め下向き(中間方向)の速度成分が大きい。このような速度成分を有するガスは、方向転換部211(減少部211a)の外周側に沿って流れ方向下流側へ移動していくため、その流れ方向は方向転換部211の末端位置に達しても依然として不揃いで不安定な状態にある。また、方向転換部211の末端位置において高さ方向の流速分布は、外周側ほど流速が大きくなり、不均等(非対称)な状態にある。このように、方向転換部211(減少部211a)では流れ方向が不安定で流速が不均等(非対称)な流れ(偏流)が発生している。
【0055】
例えば、小流量時(低速時;層流域)には、方向転換部211の外周側に沿ってガスが流れる際の遠心力は比較的小さい。したがって、小流量時の流速分布は、図6(a)に示すように、調整部212においては高さ方向の中央位置O1付近で突出する擬似二等辺三角形状を呈するが、流路高さ拡大部213では比較的早くに高さ方向に均等化及び対称化した扇状(又は弧状あるいは放物線状)となる。一方、大流量時(高速時;乱流域)には、方向転換部211の外周側に沿ってガスが流れる際の遠心力は比較的大きい。したがって、大流量時の流速分布は、図6(b)に示すように、調整部212においては高さ方向の中央位置O1よりも下方で突出する擬似直角三角形状を呈するので、流路高さ拡大部213ではやや遅れて高さ方向に均等化及び対称化したバスタブ状(又はコの字状)となる。
【0056】
このように、外周側及び内周側にて流路の開口高さが各々高さ方向に階段状に増大変化する増大部213a(流路高さ拡大部213)を通る間に、高さ方向での流速分布の偏りの影響が緩和され、均等化及び対称化される。すなわち、方向転換部211(減少部211a)で発生する偏流が、調整部212を経由し、流路高さ拡大部213(増大部213a)で開放されることによって、高さ方向の中央位置付近に流速分布のピーク(最大流速)を持つ流れに矯正される。したがって、一対の送受信振動子123a,123bの測線を流路高さ拡大部213での高さ方向の流速分布の中央位置O1に配置し、超音波計測区間21a1(直線状中間流路21a)を流れるガスの最大流速を安定して計測することができる。よって、ガスの種別や温度変化に伴って粘性(動粘性係数)が変化しても、層流域(小流量)から乱流域(大流量)にわたって常にガスの対称性が確保され、広範囲に高精度で流量を計測できる。
【0057】
そして、減少部211a(方向変換部211)では流れ方向下手側ほど流路の開口高さが減少し、かつ整流素子のような整流手段を調整部212等の流れ方向下手側の流路中に配置する必要がないため、圧力損失が抑制され、乱流域での測定範囲の一層の拡大を図ることができる。また、整流手段を設けないため超音波流量計100のコスト低減を図ることもできる。
【0058】
(実施例2)
図7は中間流路の流路構成の第2実施例を示す斜視図及び正面図である。図7に示す中間流路21において、方向転換部211は外周側が湾曲形態に形成され、流路の開口高さが流れ方向下手側に向かうにつれて減少する第一の減少部211aを有している。また、調整部212は、流路の開口高さHが幅方向端部側に向かうにつれて減少する第二の減少部212aを有している。
【0059】
具体的には、第二の減少部212aは、調整部212の流路の高さ方向の中央位置O2(流路高さ拡大部213の流路の高さ方向の中央位置O1と一致する)から内周側に向かうにつれて、流路の開口幅Wが連続的に減少するように形成されている。そして、図7に示す第二の減少部212aでは、その流路壁面は流れ方向に直交する断面にて、調整部212の中央位置O2から内周側に向かうにつれて流路の開口幅Wが連続的に減少する台形状に形成されている。
【0060】
そして、流路高さ縮小部210における第一の減少部211a、第二の減少部212a及び調整部212と、流路高さ拡大部213における増大部213aとによって、直線状中間流路21aにおいて流体の流れ方向に直交する方向での流速分布が均等化及び対称化される。
【0061】
具体的には、流路高さ縮小部210では、方向転換部211の外周側に沿ってガスが流れる際の遠心力によって第一の減少部211aの外周側と内周側とでガスの流れ方向及び最大流速が偏るのを、調整部212により流れ方向がほぼ水平方向に揃えられる。そして、第一の減少部211aにてガスが幅方向端部側へ拡散移動し、流れ方向に直交する断面での幅方向及び高さ方向の流速分布が中央でくびれた楕円形(例えば繭型形状)になろうとするのを、第二の減少部212aにより阻止(抑制)してくびれのない楕円形が維持される(図7(a)の拡大断面図参照)。また、流路高さ拡大部213では、増大部213aにより圧力損失を抑制しつつ高さ方向の流速分布が平滑化される。その結果、超音波計測区間21a1(直線状中間流路21a)において、高さ方向の流速分布が均等化及び対称化される(図6参照)。
【0062】
このように、第一の減少部211aにて流路の開口高さが減少することに応じて、方向変換部211内のガスは幅方向端部側へ拡散移動しようとするが、その移動は第二の減少部212aによって阻止(抑制)されるので、幅方向の流速分布を円滑に均等化(対称化)することができる。また、外周側及び内周側にて流路の開口高さが各々高さ方向に階段状に増大変化する増大部213a(流路高さ拡大部213)を通る間に、高さ方向での流速分布の偏りの影響が緩和され、均等化及び対称化される。すなわち、方向転換部211(第一の減少部211a)で発生する偏流が、第二の減少部212a及び調整部212を経由し、流路高さ拡大部213(増大部213a)で開放されることによって、高さ方向の中央位置付近に流速分布のピーク(最大流速)を持つ流れに矯正される。したがって、一対の送受信振動子123a,123bの測線を流路高さ拡大部213での高さ方向の流速分布の中央位置O1に配置し、超音波計測区間21a1(直線状中間流路21a)を流れるガスの最大流速を安定して計測することができる。よって、ガスの種別や温度変化に伴って粘性(動粘性係数)が変化しても、層流域(小流量)から乱流域(大流量)にわたって常にガスの対称性が確保され、広範囲に高精度で流量を計測できる。
【0063】
さらに、第二の減少部212aは、調整部212の流路の高さ方向の中央位置O2から内周側に向かうにつれて、流路の開口幅Wが連続的に減少するように形成されているので、幅方向の流速分布の均等化(対称化)に要する第二の減少部212aひいては流路高さ縮小部210の区間長さ(流れ方向の長さ)が短縮される。
【0064】
(実施例3)
図8は中間流路の流路構成の第3実施例を示す斜視図及び正面図である。図8に示す第二の減少部212aでは、その流路壁面は流れ方向に直交する断面にて、調整部212の中央位置O2から内周側に向かうにつれて流路の開口幅W(図7参照)が連続的に減少する円弧状(又は楕円状)に形成されている。
【0065】
(実施例4)
図9は中間流路の流路構成の第4実施例を示す斜視図及び正面図である。図9に示す第二の減少部212aでは、その流路壁面は流れ方向に直交する断面にて、調整部212の中央位置O2から内周側に向かうにつれて流路の開口幅W(図7参照)が連続的に減少する二等辺三角形状に形成されている。
【0066】
(実施例5)
図10は中間流路の流路構成の第5実施例を示す斜視図及び要部拡大図である。図10に示す第二の減少部212aは、調整部212の流路の高さ方向の中央位置O2(図5参照)から内周側及び外周側に向かうにつれて、流路の開口幅Wがそれぞれ連続的に減少するように形成されている。その際、第二の減少部212aは、上記中央位置O2から内周側に向かう開口幅の減少率が、外周側に向かう開口幅の減少率よりも大になるように非対称形状に形成されている。
【0067】
具体的には、第二の減少部212aの内周側には、調整部212の中央位置O2から内周側に向かうにつれて流路の開口幅Wが連続的に減少する円弧状(又は楕円状)の内周側減少部212a1が形成されている。一方、第二の減少部212aの外周側にも、調整部212の中央位置O2から外周側に向かうにつれて流路の開口幅Wが連続的に減少する円弧状(又は楕円状)の外周側減少部212a2が形成されている。そして、内周側減少部212a1の開口幅Wの減少率(曲率の逆数すなわち曲率半径)は、外周側減少部212a2の開口幅Wの減少率よりも大である。
【0068】
このように、内周側減少部212a1の開口幅Wの減少率よりも外周側減少部212a2の開口幅Wの減少率を小さくし、内外で非対称にすることにより、遠心力によってガスの偏りを生じやすい外周側において、ガスの幅方向端部側への拡散移動容量を相対的に大きく確保することができる。これによって、流路高さ縮小部210で発生する幅方向の流速分布の乱れ(不均等及び非対称)を相対的に小さくすることができるので、幅方向の流速分布の均等化(対称化)に要する第二の減少部212aひいては流路高さ縮小部210の区間長さ(流れ方向の長さ)をさらに短縮することができる。
【0069】
(実施例6)
図11は中間流路の流路構成の第6実施例を示す斜視図及び要部拡大図である。図11に示す内周側減少部212a1は、調整部212の中央位置O2(図5参照)から内周側に向かうにつれて流路の開口幅Wが連続的に減少する台形状に形成されている。一方、外周側減少部212a2は、調整部212の中央位置O2から外周側に向かうにつれて流路の開口幅Wが連続的に減少する円弧状(又は楕円状)に形成されている。そして、内周側減少部212a1の開口幅Wの減少率(勾配の逆数)は、外周側減少部212a2の開口幅Wの減少率(曲率の逆数すなわち曲率半径)よりも大である。
【0070】
(実施例7)
図12は中間流路の流路構成の第7実施例を示す斜視図及び要部拡大図である。図12に示す内周側減少部212a1は、調整部212の中央位置O2(図5参照)から内周側に向かうにつれて流路の開口幅Wが連続的に減少する円弧状(又は楕円状)に形成されている。一方、外周側減少部212a2は、調整部212の中央位置O2から外周側に向かうにつれて流路の開口幅Wが連続的に減少する台形状に形成されている。そして、内周側減少部212a1の開口幅Wの減少率(曲率の逆数すなわち曲率半径)は、外周側減少部212a2の開口幅Wの減少率(勾配の逆数)よりも大である。
【0071】
(実施例8)
図13は中間流路の流路構成の第8実施例を示す正面断面図である。図13に示す流路高さ拡大部213の流路の高さ方向の中央位置O1は、調整部212の流路の高さ方向の中央位置O2よりも外周側に偏って(オフセットして;齟齬して)配置されている。
【0072】
このように、流路高さ拡大部213の高さ方向中央位置O1を調整部212の高さ方向中央位置O2よりも外周側に偏って配置することにより、流路高さ拡大部213での高さ方向の流速分布の平滑化後に直線状中間流路21aにて計測すべき最大流速が、調整部212の高さ方向中央位置O2の延長線上に出現しやすくなる。よって、高さ方向の流速分布の均等化(対称化)に要する流路高さ拡大部213の区間長さ(流れ方向の長さ)を短縮することができる。しかも、超音波計測区間21a1(直線状中間流路21a)における一対の送受信振動子123a,123bの測線位置が、調整部212の高さ方向中央位置O2の延長線上に(一致させて)配置されているので、超音波計測区間21a1を流れるガスの最大流速を安定して計測できる。
【0073】
(実施例9)
図14は中間流路の流路構成の第9実施例を示す正面断面図である。図14に示す調整部212は、流路の高さ方向の内周側の後端部が、増大部213aにおいて流れ方向下手側へ延出して延出部212bを形成している。一方、増大部213aは、流路の高さ方向の外周側の前端部が、調整部212において流れ方向上手側へ突入して突入部213bを形成している。
【0074】
このように、調整部212の内周側の後端部が延出部212bを形成することによって、高さ方向の流速分布の平滑化を、流路高さ拡大部213にて短い区間長さ(流れ方向の長さ)で迅速に行える。なお、その際同時に、増大部213aの外周側の前端部が、調整部212において流れ方向上手側へ突入して突入部213bを形成しているので、上記した遠心力によってガスの偏りを生じやすい外周側において、調整部212に形成される突入部213bにガスを部分的(かつ一時的)に滞留させて流速を遅らせることができ、上記した高さ方向の流速分布の平滑化を一層迅速に行うことができる。
【0075】
(実施例10)
図15は中間流路の流路構成の第10実施例を示す正面断面図である。図15に示す延出部212bは、調整部212の内周側及び外周側にそれぞれ形成され、各延出部212bの流路壁面は、流れ方向下手側に向かうにつれて増大部213aにおける内周側(又は外周側)の長辺壁部21fの壁面に徐々に接近した後接触する曲面状に形成されている。
【0076】
延出部212bは、増大部213aの長辺壁部21fと滑らかに接続され、調整部212から流路高さ拡大部213(増大部213a)へのガスの流れを阻害しないので、上記した高さ方向の流速分布の平滑化を円滑に行うことができる。
【0077】
(実施例11)
図16は中間流路の流路構成の第11実施例を示す斜視図及び正面断面図である。図16に示す延出部212bは、調整部212の内周側及び外周側にそれぞれ形成され、各延出部212bの流路壁面は、流れ方向下手側に向かうにつれて増大部213aにおける内周側(又は外周側)の短辺壁部21dの壁面に徐々に接近した後接触する曲面状に形成されている。
【0078】
延出部212bは、増大部213aの短辺壁部21dと滑らかに接続され、調整部212から流路高さ拡大部213(増大部213a)へのガスの流れを阻害しないので、上記した高さ方向の流速分布の平滑化を円滑に行うことができる。
【0079】
(実施例12)
図17は中間流路の流路構成の第12実施例を示す斜視断面図及び正面断面図である。図17に示す流路高さ縮小部210には、方向変換部211と調整部212とに跨って、流路の開口高さを高さ方向に2等分する仕切板214(仕切部)が流れ方向に沿って配置されている。
【0080】
流路高さ縮小部210の流路の開口高さを高さ方向に2等分することによって、高さ方向の流速分布の乱れ(不均等及び非対称)を相対的に小さくすることができるので、層流域(小流量)から乱流域(大流量)にわたって広範囲に高精度で流量を計測できる。
【0081】
(実施例13)
図18は中間流路の流路構成の第13実施例を示す斜視断面図及び正面断面図である。図18に示す仕切板214(仕切部)は、表面が平滑な単一の板材により方向変換部211と調整部212とに跨って、流路の開口高さを高さ方向に2分割する形態で配置されている。具体的には、方向変換部211では高さ方向の中央(2等分位置)近傍に位置する一方、調整部212では外周側に偏って(オフセットして;齟齬して)配置されている。
【0082】
仕切板214が調整部212で外周側に偏って位置することにより、上記した遠心力によってガスの偏りを生じやすい外周側において、高さ方向の流速分布の乱れ(不均等及び非対称)をさらに小さくすることができる。
【0083】
実施例8(図13)〜実施例13(図18)に記載した各々の構成は、実施例2(図7)〜実施例7(図12)に記載した各々の構成とそれぞれ組み合わせて実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明に係る超音波流量計の一実施例の全体斜視図。
【図2】図1の正面断面図。
【図3】図2のA−A断面図。
【図4】超音波センサの配置変形例を示す説明図。
【図5】図2における中間流路の流路構成の第1実施例を示す斜視図及び正面図。
【図6】図5(b)の要部を拡大して、小流量時及び大流量時の流速分布を示す説明図。
【図7】中間流路の流路構成の第2実施例を示す斜視図及び正面図。
【図8】中間流路の流路構成の第3実施例を示す斜視図及び正面図。
【図9】中間流路の流路構成の第4実施例を示す斜視図及び正面図。
【図10】中間流路の流路構成の第5実施例を示す斜視図及び要部拡大図。
【図11】中間流路の流路構成の第6実施例を示す斜視図及び要部拡大図。
【図12】中間流路の流路構成の第7実施例を示す斜視図及び要部拡大図。
【図13】中間流路の流路構成の第8実施例を示す正面断面図。
【図14】中間流路の流路構成の第9実施例を示す正面断面図。
【図15】中間流路の流路構成の第10実施例を示す正面断面図。
【図16】中間流路の流路構成の第11実施例を示す斜視図及び正面断面図。
【図17】中間流路の流路構成の第12実施例を示す斜視断面図及び正面断面図。
【図18】中間流路の流路構成の第13実施例を示す斜視断面図及び正面断面図。
【符号の説明】
【0085】
21 中間流路
21a 直線状中間流路(計測用直線流路)
21a1 超音波計測区間(流量計測区間)
21b 入口側連結流路(導入側流路)
21c 出口側連結流路(導出側流路)
21d 短辺壁部
21f 長辺壁部
210 流路高さ縮小部
211 方向転換部
211a 第一の減少部(減少部)
212 調整部
212a 第二の減少部
212a1 内周側減少部
212a2 外周側減少部
212b 延出部
213 流路高さ拡大部
213a 増大部
213b 突入部
214 仕切板(仕切部)
23 超音波センサ
23a,23b 送受信振動子(センサ素子)
100 超音波流量計(流量計)
L 長辺
S 短辺
H 開口高さ
W 開口幅
O1 流路高さ拡大部での高さ方向の中央位置
O2 調整部での高さ方向の中央位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体を通過させるために所定の流路断面積を有する導入側流路と、その導入側流路に交差して直線状に連通形成され、流体の流量を測定するために流路の幅方向を長辺とし高さ方向を短辺とする矩形状に開口して前記導入側流路よりも小さい流路断面積を有する計測用直線流路と、を含む流量計であって、
前記導入側流路の出口側末端部に続いて、外周側と内周側とのうち少なくとも外周側が湾曲形態に形成されて流体の流れを方向転換させるとともに、幅方向中央での流れ方向に平行な断面において、流路の開口高さが流れ方向下手側に向かうにつれて減少する減少部を有する方向転換部と、
その方向転換部の出口側末端部に続く形で接続形成され、流体の流れ方向を揃える調整部と、
その調整部に続いて、前記外周側及び内周側にて流路の開口高さが各々高さ方向に階段状に増大変化する増大部を有し、前記計測用直線流路に接続可能な流路高さ拡大部とを含み、
前記方向転換部と調整部とは流路の開口高さが前記導入側流路よりも小さい流路高さ縮小部を構成し、
前記流路高さ縮小部における前記減少部及び調整部と、前記流路高さ拡大部における前記増大部とによって、前記計測用直線流路において流体の流れ方向に直交する方向での流速分布が均等化及び/又は対称化されることを特徴とする流量計。
【請求項2】
流体を通過させるために所定の流路断面積を有する導入側流路と、その導入側流路に交差して直線状に連通形成され、流体の流量を測定するために流路の幅方向を長辺とし高さ方向を短辺とする矩形状に開口して前記導入側流路よりも小さい流路断面積を有し、その短辺壁部の取付壁面に流体の流れ方向上手側若しくは下手側に向けて超音波を発振し、及び/又は流れ方向上手側若しくは下手側から到来する超音波を受信する送受信振動子が取り付けられた計測用直線流路と、を含む流量計であって、
前記導入側流路の出口側末端部に続いて、外周側と内周側とのうち少なくとも外周側が湾曲形態に形成されて流体の流れを方向転換させるとともに、幅方向中央で前記取付壁面に平行な断面において、流路の開口高さが流れ方向下手側に向かうにつれて減少する減少部を有する方向転換部と、
その方向転換部の出口側末端部に続く形で接続形成され、流体の流れ方向を揃える調整部と、
その調整部に続いて、前記外周側及び内周側にて流路の開口高さが各々高さ方向に階段状に増大変化する増大部を有し、前記計測用直線流路に接続可能な流路高さ拡大部とを含み、
前記方向転換部と調整部とは流路の開口高さが前記導入側流路よりも小さい流路高さ縮小部を構成し、
前記流路高さ縮小部における前記減少部及び調整部と、前記流路高さ拡大部における前記増大部とによって、前記計測用直線流路において流体の流れ方向に直交する方向での流速分布が均等化及び/又は対称化されることを特徴とする流量計。
【請求項3】
流体を通過させるために所定の流路断面積を有する導入側流路と、その導入側流路に交差して直線状に連通形成され、流体の流量を測定するために流路の幅方向を長辺とし高さ方向を短辺とする矩形状に開口して前記導入側流路よりも小さい流路断面積を有する計測用直線流路と、を含む流量計であって、
前記導入側流路の出口側末端部に続いて、外周側と内周側とのうち少なくとも外周側が湾曲形態に形成され、流体の流れを方向転換させる方向転換部と、
その方向転換部の出口側末端部に続く形で接続形成され、流体の流れ方向を揃える調整部と、
その調整部に続いて、少なくとも前記外周側にて流路の開口高さが高さ方向に階段状に増大変化する増大部を有し、前記計測用直線流路に接続可能な流路高さ拡大部とを含み、
幅方向中央での流体の流れ方向に平行な断面において、前記方向転換部の流路の開口高さが流れ方向下手側に向かうにつれて減少する第一の減少部を有するとともに、流れ方向に直交する断面において、前記方向転換部と調整部とのうちの少なくとも一方の流路の開口高さが幅方向端部側に向かうにつれて減少する第二の減少部を有することによって、前記方向転換部と調整部とは流路の開口高さが前記導入側流路よりも小さい流路高さ縮小部を構成し、
前記流路高さ縮小部における前記第一の減少部、第二の減少部及び調整部と、前記流路高さ拡大部における前記増大部とによって、前記計測用直線流路において流体の流れ方向に直交する方向での流速分布が均等化及び/又は対称化されることを特徴とする流量計。
【請求項4】
流体を通過させるために所定の流路断面積を有する導入側流路と、その導入側流路に交差して直線状に連通形成され、流体の流量を測定するために流路の幅方向を長辺とし高さ方向を短辺とする矩形状に開口して前記導入側流路よりも小さい流路断面積を有し、その短辺壁部の取付壁面に流体の流れ方向上手側若しくは下手側に向けて超音波を発振し、及び/又は流れ方向上手側若しくは下手側から到来する超音波を受信する送受信振動子が取り付けられた計測用直線流路と、を含む流量計であって、
前記導入側流路の出口側末端部に続いて、外周側と内周側とのうち少なくとも外周側が湾曲形態に形成され、流体の流れを方向転換させる方向転換部と、
その方向転換部の出口側末端部に続く形で接続形成され、流体の流れ方向を揃える調整部と、
その調整部に続いて、少なくとも前記外周側にて流路の開口高さが高さ方向に階段状に増大変化する増大部を有し、前記計測用直線流路に接続可能な流路高さ拡大部とを含み、
幅方向中央で前記取付壁面に平行な断面において、前記方向転換部の流路の開口高さが流体の流れ方向下手側に向かうにつれて減少する第一の減少部を有するとともに、流れ方向に直交する断面において、前記方向転換部と調整部とのうちの少なくとも一方の流路の開口高さが幅方向端部側に向かうにつれて減少する第二の減少部を有することによって、前記方向転換部と調整部とは流路の開口高さが前記導入側流路よりも小さい流路高さ縮小部を構成し、
前記流路高さ縮小部における前記第一の減少部、第二の減少部及び調整部と、前記流路高さ拡大部における前記増大部とによって、前記計測用直線流路において流体の流れ方向に直交する方向での流速分布が均等化及び/又は対称化されることを特徴とする流量計。
【請求項5】
前記流路高さ縮小部の第二の減少部は、流路の高さ方向の中間位置から前記内周側又は外周側に向かうにつれて、その流路の開口幅が連続的に減少するように形成されている請求項3又は4に記載の流量計。
【請求項6】
前記流路高さ縮小部の第二の減少部は、流路の高さ方向の中間位置から前記内周側及び外周側に向かうにつれて、その流路の開口幅がそれぞれ連続的に減少するように形成されている請求項3又は4に記載の流量計。
【請求項7】
前記第二の減少部において、流路の高さ方向の中間位置から前記内周側に向かう開口幅の減少率が、前記外周側に向かう開口幅の減少率よりも大である請求項6に記載の流量計。
【請求項8】
前記調整部の内周側及び外周側の流路壁面は前記計測用直線流路の長辺壁部の壁面とそれぞれ平行状に配置されるとともに、
前記流路高さ拡大部の流路の高さ方向の中央は、前記調整部の流路の高さ方向の中央よりも前記外周側又は内周側に偏って配置されている請求項1ないし7のいずれか1項に記載の流量計。
【請求項9】
前記流路高さ拡大部の増大部は、前記外周側及び内周側にて流路の開口高さが各々高さ方向に階段状に増大変化し、
前記調整部は、少なくとも流路の高さ方向の前記内周側の後端部が、前記増大部において流れ方向下手側へ延出して延出部を形成している請求項1ないし8のいずれか1項に記載の流量計。
【請求項10】
前記延出部の流路壁面は、流れ方向下手側に向かうにつれて前記増大部における前記内周側及び/又は外周側の壁面に徐々に接近した後接触する曲面状に形成されている請求項9に記載の流量計。
【請求項11】
前記延出部の流路壁面は、流れ方向下手側に向かうにつれて前記増大部における前記短辺側の壁面に徐々に接近した後接触する曲面状に形成されている請求項9又は10に記載の流量計。
【請求項12】
前記流路高さ縮小部には、流路の開口高さを高さ方向に分割する1又は複数の仕切部が流れ方向に沿って配置されている請求項1ないし11のいずれか1項に記載の流量計。
【請求項13】
前記仕切部は、表面が平滑な単一の板材により前記方向変換部と調整部とに跨って配置されるとともに、少なくとも前記調整部の高さ方向において前記外周側に偏って位置している請求項12に記載の流量計。
【請求項14】
前記導入側流路と計測用直線流路とが直交状に配置され、
前記計測用直線流路の開口高さ及び開口幅が流れ方向に対して一定に形成されている請求項1ないし13のいずれか1項に記載の流量計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−264906(P2009−264906A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−114311(P2008−114311)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(000006932)リコーエレメックス株式会社 (708)
【Fターム(参考)】