浄水システムおよび下流清浄方法
本発明は水設備に転化剤を含む組成物を接触することを含む水設備を処理する方法を提供する。本発明の方法は可溶水硬度を減少するおよび/または水設備におけるスケール形成を減少または抑制する。さらにまた本発明の方法は本発明の方法に従って処理される水を用いる下流清浄過程で必要とされる化学作用に影響を与える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は2008年5月2日にPCT国際特許出願としてエコラブ・インク(ECOLAB INC)、米国国定法人の名において提出され、米国を除くすべての国の指定についての出願人、リー・ジェイ・モンスルド(Lee J. MONSRUD)、米国国民、キース・イー・オルソン(Keith E. OLSON)、米国国民、キム・アール・スミス(Kim R. SMITH)、米国国民、クリステン・エー・ミルズ(Kristen A. MILLS)、米国国民、米国のみの指定についての出願人、2007年5月4日に提出された米国仮特許出願第60/927575号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は水を含んだ系、すなわち水源または水流を処理する方法に関する。特に異なった転化剤を使用して可溶水硬度を減少する方法が提供される。スケール形成を抑えるか減少する方法も提供される。本発明はまた処理水を例えば、洗浄プロセスに用いる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
水の硬度の水準は多くの系で有害作用を有することがある。例えば、硬水だけまたは洗浄組成物と共に表面に接触すれば硬水スケールを接触面にもたらすことができる。一般に硬水とは約100ppmのppm単位で示される炭酸カルシウムを超過するカルシウムおよびマグネシウムの全準位を有する水をいう。多くの場合硬水におけるカルシウムとマグネシウムのモル比は約2:1または約3:1である。大抵の場所は硬水を有するが水硬度は一つの場所から別の場所に変化する傾向がある。
【0004】
水硬度は多数の方法で扱われた。水を軟化するために現在使用される一つの方法はイオン交換によって、例えばナトリウムを水に加えて水中でカルシウムおよびマグネシウムイオンを水軟化単位装置の樹脂地層に会合されるナトリウムと交換することである。カルシウムおよびマグネシウムは軟化剤の樹脂に付着する。樹脂が飽和されてくれば水に溶解される大量の塩化ナトリウムを用いて再生することが必要である。ナトリウムはカルシウムおよびマグネシウムを置換し、塩水溶液で加えた塩化ナトリウムと一緒に洗い流される。水軟化剤は再生するときに有意量の塩素を含有する廃物流を生じ、負荷を飲用水使用及び農業のような多数の下流の水再利用用途を含む系、例えばそれらが処分される下水管系統にもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
硬水はまた洗剤の効力を減少することも知られている。これを妨げる一つの方法は硬度を取扱うために十分量で硬水と混合されることを予定される洗浄性組成物にキレート化剤または金属イオン封鎖剤を加えることを含む。しかしながら多くの場合、水硬度は組成物のキレート化能力を超える。結果として遊離カルシウムイオンは組成物の活性成分を攻撃するために使用可能であることがあり、腐蝕または沈殿をもたらすか、不良洗浄有効性または石灰スケール沈積のような他の有害作用をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かなりの側面で本発明は水源における可溶水硬度を減少する方法を提供する。方法は約6と約9の間のpHを有する水源に固体転化剤を含む組成物を接触させることを含む。転化剤はカルシウム硬度イオンを水源で与え、可溶水硬度が実質的に減少されるほど非方解石結晶形態で実質的に沈殿し、水源から除去されることを必要としない。
【0007】
いくらかの実施形態で転化剤は金属酸化物、金属水酸化物、およびそれらの組合せからなる群から選択される。他の実施形態で転化剤は酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、およびそれらの組合せからなる群から選択される。まださらに他の実施形態で転化剤は水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化チタン、およびそれらの組合せからなる群から選択される。他の実施形態で転化剤は酸化マグネシウムを含む。
【0008】
いくらかの実施形態で非方解石結晶形は霰石である。他の実施形態で組成物はさらに霰石を含む。多少の実施形態で組成物は約1 wt%〜約50 wt%の霰石を含む。まださらに他の実施形態で転化剤は水に不溶である。いくらかの実施形態で可溶水硬度は約15%以上で減少される。
【0009】
本発明の方法のいくらかの実施形態で水に転化剤を接触させる工程は水を転化剤の固体源の上に流すことを含む。
【0010】
他の実施形態で固体転化剤は分離管に含まれる。
【0011】
分離管は分離管を通した水の流れ、流動化、機械攪拌、高流動逆流、再循環、およびそれらの組合せによってからなる群から選択される方法で攪拌される。まださらに他の実施形態で水源の温度は転化剤との接触より前に約130°F〜約185°Fである。いくらかの実施形態で可溶カルシウムイオン水硬度は減少される。
【0012】
いくらかの側面で本発明は処理水を製品洗浄に使用する方法を提供する。方法は転化剤を含む組成物で水源を処理することを含み、転化剤はカルシウム硬度イオンを水源に与え、水の可溶硬度が実質的に減少されるように非方解石形態に実質的に沈殿し、水源から除去されることを必要としない。使用溶液は次に処理水と洗剤で形成される。製品は次に製品が洗浄されるほど使用溶液と接触される。
【0013】
いくらかの実施形態で方法はさらに洗われた後で製品をすすぐ工程を含む。いくらかの実施形態で製品は処理水を用いてすすがれる。他の実施形態で製品は未処理水を用いてすすがれる。
【0014】
いくらかの実施形態で方法はさらに洗われた後で物品にすすぎ補助剤を適用することを含む。まださらに他の実施形態で使用される洗剤は実質的にキレート剤または金属イオン封鎖剤がない。他の実施形態で洗剤は不溶性マグネシウム化合物、炭酸アルカリ金属、および水を含む。
【0015】
いくらかの側面で本発明は自動製品洗浄機で用いるために水源を処理する装置を提供する。装置は:水源を処理貯蔵器に供給する入口;転化剤を含む処理貯蔵器;貯蔵器から処理水を供給する出口;及び処理水を自動製品洗浄機に供給する処理水送出系統を含む。
【0016】
いくらかの実施形態で処理貯蔵器の転化剤は固体粒子である。他の実施形態で固体転化剤は金属酸化物、金属水酸化物、およびそれらの混合物からなる群から選択される。まださらに他の実施形態で金属酸化物は酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される。他の実施形態で金属水酸化物は水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化チタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0017】
まださらに他の実施形態で固体転化剤は処理貯蔵器において攪拌床である。いくらかの実施形態で転化剤床は分離管を通した水の流れ、流動化、機械攪拌、高流動逆流、再循環、およびそれらの組合せからなる群から選択される方法で攪拌される。
【0018】
いくらかの実施形態で処理貯蔵器は移動着脱可能薬筒を含む。ほかの実施形態で濾過器は出口と処理水送出系統の間にない。
【0019】
いくらかの側面で本発明は洗浄過程で用いる設備を提供する。設備は水源を処理する装置に水源を供給することを含む。装置は:水源を処理貯蔵器に供給する入口;転化剤を含む処理貯蔵器;貯蔵器から処理水を供給する出口;及び処理水を自動製品洗浄機に供給する処理水送出系統を含む。処理水は装置の処理水送出系統から自動製品洗浄機に供給される。処理水は洗浄性組成物と組み合わされて使用組成物を準備する。
【0020】
いくらかの実施形態で自動洗浄機は自動製品洗浄機、車両洗浄設備、器具洗浄器、洗浄定置設備、食品加工洗浄設備、洗壜機、及び自動洗濯室洗浄機からなる群から選択される。他の実施形態で洗浄性組成物は洗浄組成物、すすぎ剤組成物または乾燥剤組成物を含む。いくらかの実施形態で洗剤は実質的にキレート剤、増強剤、域剤、金属イオン封鎖剤またはそれらの組合せがない。
【0021】
いくらかの側面で本発明は水系でスケール形成を減少する方法を提供し、水系に固体転化剤を含む組成物と接触させることを含み、転化剤はカルシウム硬度イオンを水源に与えて水系におけるスケール形成が減少されるように非方解石結晶形態で実質的に沈殿し、水源から除去される必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の方法により水を処理するのに使用する装置の略図である。
【図2】本発明の方法により方解石に対する変動比のマグネシウムで処理されたガラスの写真である。
【図3】実施例1(c)で記述される処理または未処理水いずれかですすがれたガラスの写真である。
【図4】実施例1(d)で記述されるように無キレート剤洗剤処理水、及びすすぎ補助剤;または通常洗剤、未処理水、及びすすぎ補助剤いずれかで洗われたガラスの写真である。
【図5】実施例1(d)で記述されるように無キレート剤洗剤処理水、及びすすぎ補助剤;または通常洗剤、未処理水、及びすすぎ補助剤いずれかで洗われたガラスの写真である。
【図6】実施例1(d)で記述されるように無キレート剤洗剤ならびに処理水;または通常洗剤及び未処理水いずれかで処理された汚ガラスの写真である。
【図7】本発明の異なった転化剤の可溶水硬度についての効果の図描写である。
【図8】実施例3で記述されるようにキレート剤無洗剤ならびに処理水;または通常洗剤及び未処理水いずれかの異なった汚れおよび布地についてのパーセント汚れ除去の図描写である。
【図9】実施例3で記述される処理または未処理水いずれかで洗われた洗濯布に残るパーセント灰分の図描写である。
【図10】実施例3で記述される処理または未処理水で洗われた洗濯布に残るカルシウム量(ppm)の図描写である。
【図11】実施例4で記述される処理または未処理水と異なる温度で接触されたガラスの写真である。
【図12】車両洗浄施設において使用される未処理及び処理水の全溶解固体量(ppm)の図描写である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
これら及びほかの実施形態は当業者および他のものに以下の詳細な説明を考慮して明らかになるものである。しかしながらこの概要及び詳細な説明は多少の例を例解だけであり、請求される発明に限定するものと解釈されない。
【0024】
本発明は可溶水硬度が減少されるほど水を処理する方法に関する。いくらかの実施形態で水硬度の可溶カルシウム部分は沈殿されるか減少される。いくらかの側面で転化剤、例えば金属酸化物もしくは水酸化物または炭酸カルシウムの多形体は水を処理するために使用される。いくらかの実施形態で不溶性もしくは僅少可溶性転化剤の固体源は水を処理するために使用される。本発明の方法に従って処理される水はこれらに限定されないが、硬水が汚損をもたらしうる領域でスケール及び汚損の減少、装備、例えば工業装備をスケール沈積から保護すること、通常洗浄性組成物と使用されるときに増加される洗浄効力、及び、特定の化学作用、例えば下流洗浄過程で域剤、キレート化剤、または金属イオン封鎖剤、または燐を含有するものの必要を減少することを含む有益な効果を有する。
【0025】
発明がもっと容易に理解されることが可能であるようにかなりの術語は最初に定義される。
【0026】
ここで使用されるときは術語「キレート化剤」及び「金属イオン封鎖剤」とは錯体(可溶またはそうでない)を水硬度イオン(洗浄水、汚れおよび洗われる基質から)と特定のモル比で形成する化合物をいう。水溶性錯体を形成できるキレート化剤はトリポリ燐酸ナトリウム、EDTA、DTPA、NTA、シトレート、等を含む。水溶性錯体を形成できる金属イオン封鎖剤は三燐酸ナトリウム、ゼオライトA、等を含む。ここで使用されるときは術語「キレート化剤」と「金属イオン封鎖剤」は同義である。
【0027】
ここで使用されるときは術語「キレート化剤のない」または「実質的にキレート化剤のない」とはキレート化剤または金属イオン封鎖剤を含まない組成物、混合物、または成分か限定量のキレート化剤または金属イオン封鎖剤だけが加えられたものをいう。キレート化剤または金属イオン封鎖剤は存在すればキレート化剤または金属イオン封鎖剤の量は約7 wt%未満だろう。いくらかの実施形態でそのような量のキレート化剤または金属イオン封鎖剤はそのとき約0.5 wt-%ほどでない。まださらに他の実施形態でそのような量のキレート化剤または金属イオン封鎖剤は約0.1 wt-%未満である。
【0028】
ここで使用されるときは術語「有効量のキレート化剤を欠く」とはあまり少ししかキレート化剤または金属イオン封鎖剤を含まず、適度に水の硬度に影響を及ぼす組成物、混合物、または成分をいう。
【0029】
ここで使用されるときは術語「転化剤」とは水に可溶化されるカルシウムを溶液から熱力学的に好ましい結晶形態方解石としてよりもむしろ熱力学的に好ましくない結晶形態霰石と考えられる形態の炭酸カルシウムとして実質的に沈殿する組成物、混合物、または成分をいう。霰石は表面によく結合せず、硬水スケールを形成しない脆結晶であるところが一方で方解石は表面に固く結合して硬水スケールを形成し、霰石で見られないもっと確固とした結晶である。
【0030】
ここで使用されるときは術語「可溶水硬度」とはイオン形態で水系または水源に溶解された硬度鉱物質、すなわちCa++及びMg++をいう。可溶水硬度は沈殿状態でないとき、すなわちカルシウム及びマグネシウムの異なった化合物の溶解限度が越えられず、それらの化合物が、例えば水中の炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムのような異なった塩として沈殿するときに硬度イオンをいわない。
【0031】
ここで使用されるときは術語「水溶性」とは水に1 wt-%超過の濃度で溶解されることができる化合物をいう。
【0032】
ここで使用されるときは術語「僅かに可溶性」または「僅かに水溶性」とは水に0.1〜1.0 wt-%の濃度にだけ溶解されることができる化合物をいう。
【0033】
ここで使用されるときは「水不溶性」とは水に0.1 wt-%未満の濃度にだけ溶解されることができる化合物をいう。例えば、酸化マグネシウムは冷水で約0.00062の水への溶解度(wt%)及び温水で約0.00860を有するときに不溶性であると考慮される。本発明の方法で用いる他の不溶性化合物は、例えば:冷水で0.00090及び温水で0.00400の水への溶解度を有する水酸化マグネシウム;冷水で0.00153及び温水で0.00190の水への溶解度を有する霰石;及び冷水で0.00140及び温水で0.00180の水への溶解度を有する方解石を含む。
【0034】
ここで使用されるときは術語「閾剤」とは溶液から水硬度イオンの結晶化を阻害し、しかし水硬度イオンと特殊錯体を形成する必要がない化合物をいう。これは閾剤をキレート化剤または金属イオン封鎖剤から区別する。閾剤はポリアクリレート、ポリメタクリレート、オレフィン/マレイン酸コポリマー、等を含む。
【0035】
ここで使用されるときは術語「域剤のない」または「実質的に域剤のない」とは域剤を含有しない組成物、混合物、または成分か限定量の域剤だけが加えられたものをいう。閾剤は存在すれば閾剤の量は約7 wt%未満であろう。いくらかの実施形態でそのような量の閾剤は約2 wt-%未満である。他の実施形態でそのような量の閾剤は約0.5 wt-%未満である。まださらに他の実施形態でそのような量の閾剤は約0.1 wt-%未満である。
【0036】
ここで使用されるときは術語「再沈積防止剤」とは表土組成物を洗浄される対象物に再沈積するどころか水に懸濁して保つことを助長する化合物をいう。
【0037】
ここで使用されるときは術語「無燐酸塩」または「実質的無燐酸塩」とは燐酸塩または燐酸塩含有化合物を含まない組成物、混合物、または成分か燐酸または燐酸含有化合物が加えられていないものをいう。燐酸または燐酸含有化合物は無燐酸組成物、混合物、または成分の汚染によって存在すれば燐酸塩の量は約1.0 wt%未満であろう。いくらかの実施形態で燐酸塩の量は約0.5 wt%未満である。他の実施形態で燐酸塩の量は約0.1 wt%未満である。まださらに他の実施形態で燐酸塩の量は約0.01 wt%未満である。
【0038】
ここで使用されるときは術語「無燐」または「実質的に無燐」とは燐または燐含有化合物を含まない組成物、混合物、または成分か燐または燐含有化合物が加えられていないものをいう。燐または燐含有化合物が無燐組成物、混合物、または成分の汚染によって存在すれば燐の量は約1.0wt%未満であろう。いくらかの実施形態で燐の量は約0.5 wt%未満である。他の実施形態で燐の量は約0.1 wt%未満である。まださらに他の実施形態で燐の量は約0.01 wt%未満である。
【0039】
「洗浄」はよごれ除去、漂白、微生物集合減少、またはそれらの組合せを実行または援助することを意味する。
【0040】
ここで使用されるときは術語「製品」とは食事用ならびに調理具のような完成品及びシャワー、流し、洗面所、浴槽、カウンター甲板、窓、鏡、輸送車両、及び床のような他の硬質面をいう。ここで使用されるときは術語「製品洗浄」とは製品を洗濯、洗浄、またはすすぐことをいう。
【0041】
ここで使用されるときは術語「硬質面」はシャワー、流し、洗面所、浴槽、カウンター甲板、窓、鏡、輸送車両、床、等を含む。
【0042】
ここで使用されるときは語句「ヘルスケア表面」とは器具、装置、カート、ケージ、家具、構造、建物、またはヘルスケア活動の一部として用いられる同様なものの表面をいう。ヘルスケア表面の例は医療または歯科用器具、医療または歯科用装置、高圧滅菌器ならびに滅菌装置、患者の健康を観測するために用いられる電子機器、およびヘルスケアが生ずる構造の床、壁、または装備品の表面を含む。ヘルスケア表面は病院、外科、出産、霊安室、及び臨床診断室に見られる。これらの表面は「硬質面」(壁、床、便器等のような)、または織物表面、例えば編物、織ならびに不織表面(外科用被服、ドラペリー、寝台リネン、包帯等のような)、または患者ケア装備(人工呼吸装置、診断装備、シャント、ボディースコープ、車椅子、寝台等のような)、または外科ならびに診断装備として典型的に表されるものであることができる。ヘルスケア表面は動物のヘルスケアに用いられる物品及び表面を含む。
【0043】
ここで使用されるときは術語「器具」とは本発明の方法により処理された水を使用する洗浄から利益を得ることができる異なった医療または歯科用器具または装置をいう。
【0044】
ここで使用されるときは語句「医療器具」、「歯科用器具」、「医療装置」、「歯科用装置」、「医療装備」、または「歯科用装備」とは医学及び歯科学で使用される器具、装置、道具、電気器具、機器、及び装備をいう。そのような器具、装置および装備は冷滅菌、浸漬または洗濯され、次に熱滅菌されるかさもなければ本発明により処理された水を使用する洗浄から利益を得ることができる。これらの異なった器具、装置および装備は限定されないが:診断装備、トレー、皿、ホルダー、架、鉗子、鋏、剪断機、鋸(例えば、骨鋸及びそれらの刃)、止血鉗子、ナイフ、チゼル、ロンジュア、やすり、ニッパー、ドリル、ドリルビット、石目やすり、バー、スプレダー、破砕機、エレベーター、クランプ、針ホルダー、運搬体、クリップ、フック、孔たがね、カレット、開創器、正立器、パンチ、抜出装置、スコップ、ケラトーム、スパチュラ、エキスプレッサー、トロカール、拡張器、保持器、ガラス器具、チューブ材料、カテーテル、プラグ、ステント、スコープ(例えば、内視鏡、聴診器、及び関節鏡)および関連装備等、またはそれらの組合せを含む。
【0045】
ここで使用されるときは「重量%(wt-%)」、「重量パーセント」、「wt%」、等は組成物の全重量で割って100をかけたその物質の重量として物質の濃度をいう同義語である。
【0046】
ここで使用されるときはこの発明の組成物で成分の量を修正するかこの発明の方法で用いられる術語「約」とは、例えば濃厚物または使用溶液を現実界で製造するために使用される典型的な測定及び液体取扱手順によって;これらの手順における偶然誤差によって;組成物を製造するか方法を実施するために用いられる成分の製造品、供給源、または純度の差異によって;発生しうる数量の変動をいう。術語約はまた特定の初期混合物から生ずる組成物の異平衡状態のために異なる量を包含する。術語「約」で修正されようがされまいが請求項は量の均等物を含む。
【0047】
組成物および使用方法
いくらかの側面で本発明は可溶水硬度を減少することを含む水処理方法を提供する。いくらかの実施形態で水硬度の可溶カルシウム部分は減少される。いくらかの実施形態で水は転化剤を含む組成物と接触される。他の側面で本発明は水設備に転化剤を含む組成物と接触させることを含む水系統におけるスケール形成を阻害または減少する方法を提供する。転化剤は任意の形態で、例えば本発明の方法で使用するために適当な固体、粒子、液体、粉末、ナノ粒子、スラリーであることが可能である。
【0048】
どの特定の理論によっても束縛されることを望まないで、本発明の方法で使用する転化剤は可溶カルシウム水硬度イオンを水中で発生し、界面反応を通して溶液から熱力学的に好ましい結晶形方解石よりもむしろ熱力学的に好ましくない結晶形霰石で炭酸カルシウムとして実質的に沈殿する。霰石は表面によく結合せず、硬水スケールを形成しない脆結晶であり、ところが一方で方解石は表面に固く結合して霰石では見られない硬水スケールを形成する。かくして水を本発明の転化剤と接触することは処理水の可溶水硬度を減少し、処理水と接触する表面でスケール形成の減少をもたらす。霰石結晶はまた転化剤に接触後に可溶カルシウムのさらなる減少のために種結晶として作用することができる。
【0049】
転化剤
本発明の方法で使用するために適当な転化剤はこれらに限定されないが金属酸化物、金属水酸化物、多形の炭酸カルシウム及びそれらの組合せならびに混合物を含む。いくらかの実施形態で転化剤は金属酸化物を含む。本発明の方法に使用するために適当な金属酸化物はこれらに限定されないが酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、及びそれらの組合せならびに混合物を含む。本発明の方法で使用するために適当な金属水酸化物はこれらに限定されないが水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化チタン、及びそれらの組合せならびに混合物を含む。本発明の方法で転化剤として使用するために適当な多形の炭酸カルシウムはこれらに限定されないが霰石を含む。いくらかの実施形態で酸化マグネシウムは転化剤として使用され、水を処理する。いくらかの実施形態で水酸化マグネシウムは転化剤として使用され、水を処理する。まださらに他の実施形態で酸化ならびに水酸化マグネシウムの組合せは転化剤として使用され、水を処理する。
【0050】
いくらかの実施形態で本発明の方法で使用するために選択される転化剤は水に僅かに可溶性である。いくらかの実施形態で本発明の方法で使用するために選択される転化剤は水に不溶性である。いくらかの実施形態で本発明の方法で使用するために選択される転化剤は水に約0.01g/100 mL未満の溶解度を有する。いくらかの実施形態で低溶解度は長い転化剤活性に好まれる。
【0051】
いくらかの実施形態で転化剤と接触された水はカルシウム沈殿を形成する。本発明の方法を用いて形成されるカルシウム沈殿は沈殿物が水源を通って無害に流れるほどである。すなわちいくらかの実施形態で通常水処理設備と違って沈殿物を処理水から濾過するか除去する必要がない。
【0052】
いくらかの実施形態で本発明の方法で使用される転化剤は固体形態である。転化剤組成物を記述するのに使用されるような術語「固体」により硬化組成物はかなり流れず、中応力または圧力を受けて、例えば型から取出されたら型形状、押出機から押出で形成されるような物品形状、等のような形状を大体保持するだろうと意味される。固体組成物の硬度は、例えばコンクリートのような比較的高密度で硬質である融解固体塊のものから展性でスポンジ状、コーキング材と同様であると特徴付けられる稠度までの範囲で変化することができる。
【0053】
転化剤を含む組成物はさらに追加の機能成分を含むことができる。本発明の方法で使用するために適当な追加の機能成分は有益な性質を転化剤、処理される水源、またはそれらの任意の組合せに分与するどの物質も含む。例えば、いくらかの実施形態で転化剤は粒子、例えば酸化マグネシウム粒子の固体媒体床を含む。媒体床の「接合」、換言すれば粒子の凝集の防止を水源と接触されるときに援助する追加の機能成分は加えられることが可能である。
【0054】
いくらかの実施形態で追加の機能成分は多形の炭酸カルシウムを含む。本発明の方法で使用するために適当な例示的多形の炭酸カルシウムはこれらに限定されないがアラゴナイト、カルシット、バテリットおよびそれらの混合物を含む。いくらかの実施形態で追加の機能成分は霰石を含む。他の実施形態で機能成分は方解石を含む。
【0055】
いくらかの実施形態で追加の機能成分はカルシウム及びマグネシウムイオンの混合カチオン化合物を含む。いくらかの実施形態で追加の機能物質は炭酸カルシウムマグネシウム、名称ドロマイトでも知られることがある多少の天然鉱物質を含む。
【0056】
いくらかの実施形態で転化剤を含む組成物はさらに約10 wt%〜約90 wt%の追加の機能成分を含む。他の実施形態で転化剤を含む組成物はさらに約25 wt%〜約75 wt%の追加の機能成分を含む。まださらに他の実施形態で転化剤を含む組成物はさらに約50 wt%の追加の機能成分を含む。いくらかの実施形態で転化剤を含む組成物はさらに約25 wt%の霰石を含む。いくらかの実施形態で転化剤を含む組成物はさらに約25 wt%の方解石を含む。これらの値および範囲の間の全数値および範囲は本発明の方法で包含されることが理解されるべきである。
【0057】
水源
いくらかの側面で本発明の方法は水の可溶硬度が減少されるほど水源を処理することを含む。術語「水源」はここで使用されるときに本発明の方法に従って処理により利益を得るだろう硬度を有する水のどの供給源もいう。本発明の方法を使用する処理に適当な例示的な水源はこれらに限定されないが自治都市水源、私営水系、例えば公衆水供給または井戸からの水を含む。水は水道用水、自治都市水系により供給される水、私営水系により供給される水、および/または設備または井戸から直接の水であることができる。いくらかの実施形態で水源は工業プロセス水、例えばビチューメン回収作業から生成される水ではない。他の実施形態で水源は排水流ではない。
【0058】
いくらかの実施形態で水源は本発明の方法を使用する処理より前に約6〜約9のpHを有する。いくらかの実施形態で水源は本発明の方法を使用する処理より前に約8と約12の間のpHを有する。いくらかの実施形態で水源は本発明の方法に従って処理後に高い、換言すればもっとアルカリ性pHを有することになる。
【0059】
いくらかの実施形態で転化剤と接触より前に水の温度は周囲、換言すれば室温、換言すれば約64°F〜約75°Fである。いくらかの実施形態で転化剤と接触より前に水の温度は周囲温度未満の温度である。ほかの実施形態で水源は転化剤と接触より前に加熱される。いくらかの実施形態で水源を転化剤と接触より前に加熱することは水源が加熱されないときよりも表面で形成されるスケール量の大きい減少及び可溶水硬度の大きい減少に結果としてなる。
【0060】
いくらかの実施形態で転化剤と接触より前に水の温度は約100°F、約120°F、または約150°Fを超過する。いくらかの実施形態で転化剤と接触より前に水温は約100°F〜約200°Fである。他の実施形態で水温は転化剤と接触より前に約120°F〜約140°F、約140°F〜約160°F、または約65°F〜約180°Fである。これらの値及び範囲の間の全数値及び範囲は本発明の方法で包含されることは理解されるべきである。
【0061】
いくらかの側面で本発明は水源に転化剤を含む組成物と接触することを含む可溶水硬度を減少する方法を提供する。接触工程はこれらに限定されないが水源を固体源、例えば転化剤を含む分離管、濾筒、または槽の上または通って流すことを含むことができる。接触時間は、例えば水源のpH、水源の硬度、及び水源の温度を含む種々の因子に依存している。いくらかの実施形態で水源は転化剤源と約30秒〜約6000秒の接触時間を有する。いくらかの実施形態で水源は転化剤源と約120秒〜約1800秒の接触時間を有する。まださらに他の実施形態で水源は転化剤源と約200秒〜約1200秒の接触時間を有する。これらの値及び範囲の間の全数値及び範囲は本発明の方法で包含されることは理解されるべきである。
【0062】
いくらかの実施形態で本発明の方法は実質的に水源の可溶硬度を減少する。達成される水硬度の減少はこれらに限定されないが水源の温度、及び初期水硬度を含む種々の因子に依存している。
【0063】
例えば、いくらかの実施形態で可溶水硬度は約25%まで減少される。いくらかの実施形態で可溶水硬度は約50%まで減少される。まださらに他の実施形態で可溶水硬度は約75%まで減少される。まださらに他の実施形態で可溶水硬度は約90%まで減少される。
【0064】
いくらかの側面で本発明は水設備においてスケール形成を減少または抑制する方法を提供する。いくらかの実施形態で水設備、換言すれば水源は転化剤、例えば金属酸化物または水酸化物と接触される。どの特定の理論によっても束縛されることを望まないで結果として生ずる処理水設備は減少された可溶硬度を有するものである。いくらかの実施形態で結果として生ずる処理水系統は減少された可溶カルシウム硬度を有するものである。この硬度の減少は水源により接触される表面に形成されたスケール量を減少するものである。かくして本発明の方法に従って処理される水源の使用は表面で形成される水スケールの量を抑制または減少するものである。
【0065】
例えば、いくらかの実施形態でスケール形成の量は約25%まで減少される。いくらかの実施形態でスケール形成の量は約50%まで減少される。まださらに他の実施形態でスケール形成の量は約80%まで減少される。まださらに他の実施形態でスケール形成の量は約100%まで減少される。
【0066】
本発明の方法はスケール形成(スケールはカルシウム塩、例えば燐酸カルシウム、蓚酸カルシウム、炭酸カルシウム、二炭酸カルシウムまたは珪酸カルシウムを含む。)を除去または防止することに格別に有効である。本発明の方法により防止または除去されることを予定されるスケールは前に言及されたイオンのどの組合せでも形成されることが可能である。例えば、スケールは炭酸カルシウム及び二炭酸カルシウムの組合せを含むことが可能である。スケールは典型的に少なくとも約90 wt%の無機物質、もっと典型的に少なくとも約95 wt%、及び最も典型的に約99 wt%の無機物質を含む。
【0067】
処理水源を下流洗浄過程で使用する方法
いくらかの側面で本発明は処理水源を使用して物品を洗浄する方法を提供する。処理水源の使用は未処理水源の使用に比較して下流洗浄プロセスにおける多くの利点を有する。例えば、本発明の方法に従って処理された水源の使用は通常洗剤の効力を増加する。処理水源の使用はまた特別の環境的に使いやすい洗浄性組成物、例えばキレート剤または金属イオン封鎖剤、または燐のないものの使用を許容する。
【0068】
いくらかの実施形態で本発明の方法は転化剤を含む組成物で水源を処理することを含み、転化剤は水源にカルシウム硬度イオンを発生し、水源から水の可溶硬度が実質的に減少されないほどに取り除かれる必要がない非方解石形態で大体沈殿する。使用溶液は次に処理水と洗浄性組成物で形成されることができる。洗浄される物品は次に製品が洗浄されるほど使用溶液と接触される。
【0069】
いくらかの実施形態で方法はさらに物品をすすぐことを含む。物品は処理水または未処理水ですすがれることができる。いくらかの実施形態で物品は処理水を用いてすすがれる。すすぎ助剤はまた物品に洗われた後に適用されることもできる。
【0070】
通常の洗浄性組成物どれも本発明の方法で使用されることができる。洗浄性組成物は洗浄組成物、すすぎ剤組成物、乾燥組成物またはそれらの任意の組合せを含むことができる。どの特定の理論によっても束縛されることを望まないで洗浄過程において処理水源の使用は水源における減少量の可溶硬度鉱物質のために洗浄性組成物の効力を増加すると考えられる。可溶硬度イオンは石鹸及び洗剤と化合してスケールまたは浮渣を形成する。さらにまた可溶硬度イオンは石鹸及び洗剤と形成される泡の量を制限する。これらの可溶硬度イオンの量を減少することはそれ故にこれらの有害副作用の量を減少することができる。
【0071】
本発明の方法で使用する洗浄性組成物はこれらに限定されないが洗剤組成物、すすぎ剤組成物、または乾燥剤組成物を含むことができる。例示的な洗剤組成物は製品洗浄洗剤組成物、洗濯洗剤組成物、CIP洗剤組成物、環境清浄組成物、硬質面清浄組成物(カウンターまたは床で使用するもののような)、自動車洗浄組成物、ガラス清浄組成物を含む。例示的なすすぎ剤はガラスのような表面で縞になるか薄膜を生ずることを減少するために使用される。例示的な乾燥剤組成物は脱水組成物を含む。車両洗浄工業で展剤または玉剤が車両外部に適用される脱水工程を含むことは大抵好ましい。
【0072】
処理される、換言すれば洗剤組成物と処理水を含む使用溶液で洗浄されることができる例示的な物品はこれらに限定されないが自動車外装、生地、食品接触製品、現場洗浄(CIP)装備、ヘルスケア表面および硬質面を含む。例示的な自動車外装は通例商用車両洗浄施設で洗われる乗用車、トラック、トレーラー、バス等を含む。例示的な生地はこれらに限定されないが術語「洗濯」内に一般的に考慮されるものを包含し、布、タオル、シーツ等を含む。加えて生地はカーテンを含む。例示的な食品接触製品はこれらに限定されないが皿、ガラス器、食事調理具、ボウル、調理製品、食品貯蔵製品等を含む。例示的なCIP装備はこれらに限定されないがパイプ、タンク、熱交換器、弁、配送回路、ポンプ等を含む。例示的なヘルスケア表面はこれらに限定されないが医療または歯科用装置または器具を含む。例示的な硬質面はこれらに限定されないが床、カウンター、ガラス、壁等を含む。硬質面はまた皿洗い機、及び洗濯機の内側を含むことができる。一般に硬質面は洗浄工業で環境表面と通例称されるそれら表面を含むことができる。
【0073】
いくらかの実施形態で本発明の方法で使用する洗剤組成物はキレート剤 金属イオン封鎖剤、および/または域剤、例えばアミノカルボン酸、縮合ホスフェート、ホスホネート、ポリアクリレート、等の実質的にない洗剤を含む。どの特定に理論により束縛されることを望まないで、本発明の方法は洗剤と使用されれば水源において可溶硬度イオンを実質的に減少するので硬度イオンを取扱うためにキレート化剤、金属イオン封鎖剤、または域剤を洗剤組成物に含む実質的に減少されるか排除される必要があると考えられる。
【0074】
いくらかの実施形態で本発明の方法で使用する洗剤は実質的にキレート化剤または金属イオン封鎖剤がなく、不溶マグネシウム化合物、炭酸アルカリ金属、及び水を含む。いくらかの実施形態で本発明の方法で使用する洗剤組成物は「マグネシウム化合物の固体洗浄組成物ならびにそれらを製造及び使用する方法」(“Solid Cleaning Compositions of Magnesium Compounds And Methods of Making and Using them”)と題される米国特許出願(代理人事件登録書第2454US01)に記述される洗剤組成物であり、ここで全内容は参照により組み込まれる。
【0075】
いくらかの実施形態で洗剤組成物は漂白剤、硬化剤または溶解度改良剤、脱泡剤、再沈積防止剤、域剤、安定剤、分散剤、酵素、界面活性剤、審美増進剤(すなわち染料、香料)、等のような通常添加剤を含む他の添加剤を含むことが可能である。補助剤及びほかの添加成分は製造される組成物の種類により変動するものである。これらの添加剤は選択的であり、洗浄組成物に含まれる必要がないことは理解されるだろう。それらは含まれるならば特定種類の成分の有効性のために提供する量で含まれることができる。
【0076】
いくらかの側面で本発明は清浄または洗浄過程で使用される水源を処理する装置を提供する。装置は例えば、自動製品洗浄機、自動生地洗浄機、および/または自動車両洗浄機で使用するためであることができる。装置は商業設定でも、例えばレストラン、病院にも、住宅設定、例えば私邸または共同住宅建物でも使用可能である。
【0077】
図1を参照して本発明の装置の概略図は参照符号10で示される。装置は;水源を処理貯水槽14に供給する引入口12;転化剤16を含む処理貯水槽14;処理水を処理貯水槽から供給する引出口18;及び処理水を選択される洗浄装置に供給する処理水送出系統20を含む。いくらかの実施形態で引出口と処理水送出系統の間に濾過器はない。弁24のような流量調整装置22は処理水送出系統18に提供され、選択される最終使用装置、例えば製品洗浄機、洗濯室洗浄機へ処理水の流量を調整する。
【0078】
いくらかの実施形態で転化剤は装置の処理貯水槽に含有される。貯水槽は例えば、槽、濾筒、異なった物理形状または寸法の濾床、または分離管であることができる。いくらかの実施形態で転化剤を含む処理貯水槽は無樹脂質であり、換言すれば水源で二価カルシウム及びマグネシウムイオンと交換する一価水素、ナトリウムまたはカリウムイオンを含有する物質を含まない。いくらかの実施形態で貯水槽は加圧される。他の実施形態で加圧されない。一つまたは多数の貯水槽は本発明の方法で使用されることが可能である。例えば、水源は複数の貯水槽を同じか異なる転化剤を含む同一または別個の容器で通り越されることが可能である。貯水槽は直続してまたは並行に配置されることが可能である。
【0079】
いくらかの実施形態で転化剤は攪拌下地または分離管の形態である。下地または分離管は「接合」、換言すれば水源と一度接触された固体転化剤の凝集を避けるように攪拌されることが可能である。下地または分離管は、例えば分離管を通る水の流れにより、流動化、機械攪拌、高流量逆流、再循環、及びそれらの組合せを含むどの知られた方法でも攪拌されることができる。いくらかの実施形態で固体転化剤は流動床、例えば分離管または濾筒を処理貯水槽に含む。流動化は媒体の最小流動化速度を越えるほど下地を通過する流体、例えば水の速度の増加により得られる。
【0080】
いくらかの実施形態で全処理貯水槽は着脱可能であり交換可能である。他の実施形態で処理貯水槽は処理貯水槽内に含有される転化剤下地が着脱可能であり、交換可能であるように構成されることができる。いくらかの実施形態で処理貯水槽は転化剤、例えば酸化マグネシウムを含む着脱可能、移動可能、交換可能な濾筒を含む。
【0081】
いくらかの側面で本発明は洗浄作業で使用する設備を提供する。設備は水源を処理する装置に水源を供給することを含む。いくらかの実施形態で水源を処理する装置は:(i)水源を処理貯蔵器に供給する入口;(ii)転化剤を含む処理貯蔵器;(iii)処理貯蔵器から処理水を供給する出口;及び(iv)処理水を自動製品洗浄機に供給する処理水送出系統を含む。いくらかの実施形態で素子、例えばスクリーンは転化剤を流体がそれを通り越すか通過するときに処理貯水槽内に含有しておくために処理貯水槽に存在する。いくらかの実施形態で濾過器は出口と処理水送出系統の間にはない。一度水が処理されたら処理水は自動洗浄機、例えば自動製品洗浄機、車両洗浄設備、器具洗浄器、定置洗浄設備、食品加工処理洗浄設備、洗壜機、及び自動洗濯室洗浄機に装置の処理水送出系統から供給される。本発明の方法に従って処理された水の使用から利益を得るだろう自動洗浄機はどれも使用可能である。処理水は次に洗浄機で洗剤組成物と組み合わされ、使用組成物を提供する。どの洗剤組成物は、例えば洗浄組成物、すすぎ剤組成物または乾燥剤組成物を本発明の設備で使用可能である。洗浄される物品は次に自動洗浄機で洗浄されるほど使用溶液と接触される。
【0082】
本発明の水処理方法および設備は種々の工業的ならびに家庭用途で使用可能である。水処理方法および設備は住宅設定または商業設定で、例えばレストラン、ホテル、病院で採用されることができる。本発明の水処理方法、設備、または装置は:例えば食事および調理具ならびにシャワー、流し、洗面所、浴槽、カウンター甲板、窓、鏡、及び床のようなほかの硬質面を洗浄する製品洗浄用途;洗濯用途で、例えば自動生地洗浄機で前処理、洗浄、酸性、軟化、および/またはすすぎ工程において使用される水を処理すること;車両保護用途で、例えば車両を前すすぎ、例えばアルカリつけおきおよび/または低pHつけおき、洗浄、艶出し、及びすすぐために使用される水を処理すること;工業的用途、例えば冷却塔、ボイラー、熱交換器を有する工業装備;食品サービス用途で、例えば、コーヒー及び紅茶調合機、エスプレッソ機、製氷機、パスタ調理機、温水器、蒸し器および/または発酵器向け送水管を処理すること;例えば、外科用器具を浸漬、洗浄および/またはすすぎ、高圧釜滅菌装置へ給水を処理するヘルスケア器具保護用途;及び給湿器、温水浴槽、および水泳プールのような異なった用途の給水で使用可能である。
【0083】
いくらかの実施形態で本発明の水処理方法および設備は使用時点で適用されることができる。すなわち本発明の水処理方法、設備、または装置は水源の望まれる最終使用直前に水源に適用されることができる。例えば、本発明の装置は家庭用または飲食店電気器具、例えばコーヒーメーカー、エスプレッソ機、製氷機に接続される送水管に採用されうる。本発明の方法を用いる装置はまた水源を使用する電気器具の一部、例えばコーヒーメーカー、または製氷機に組み込まれる水処理設備として含まれる。
【0084】
追加として本発明の水処理方法を用いる装置は家庭または事業の給水本管に接続されることができる。装置は給湯装置前または給湯装置後の管路に用いられることができる。かくして本発明の装置は温、冷ならびに室温水源で可溶水硬度を減少するために使用可能である。
【実施例】
【0085】
実施例
本発明は、本発明の範囲内で多数の改良及び変形が当業者にはっきりわかるものであるので例解だけとして解釈される以下の実施例でもっと特別に記述される。さもなければ言及されない限り、以下の実施例で報告される全ての部分、百分率、及び比率は重量基準であり、実施例で使用される全試薬は下記載の化学薬品供給者から得られたか入手可能であり、または通常手法で合成されることが可能である。
【0086】
実施例1−低水溶性マグネシウム媒体を含む転化剤で水処理
次の実験は異なった転化剤の水硬度、及び製品洗浄用途で効果を評価するために実施された。
【0087】
(a)酸化マグネシウムの固体源を含む転化剤の可溶水硬度を減少する能力
不溶酸化マグネシウムの固体源を含む転化剤の水を処理する、例えば可溶水硬度を減少する能力は評価された。この実験について水は酸化マグネシウム粒子の媒体下地を通過された。粒子は約900μmの平均寸法を有した。媒体は槽に保持された。
【0088】
水中カルシウム及びマグネシウムイオンの量は転化剤を含む下地を通り越す前後に測定された。全溶解固体(TDS)、水硬度、及びpHはまた処理前後の両方で測定された。下記の表は結果を要約する。
【0089】
【表1】
【0090】
この表から見られることができるように処理水のpHは処理後に僅かに上昇した。どの特定の理論によっても束縛されることを望まないでこれは水で一度接触されるとMg++及びOH-に溶解する媒体下地の酸化マグネシウムのためである。また全可溶水硬度は約35%だけ、全可溶Ca++は約86%だけ低下されることが観測された。全部で水源の固体転化剤、すなわち酸化マグネシウム処理は有益な効果、例えば減少された可溶水硬度、及び全溶解固体の減少量を処理水源に提供することが観測された。
【0091】
(b)方解石の転化剤への添加
別試験は転化剤、すなわち酸化マグネシウムを含む媒体下地に方解石を加える効果を決定するために実施された。方解石は酸化マグネシウムが凝集して固体塊を形成すると知られているから時間を通した使用の間に酸化マグネシウムの「接合」を防止するであろうことが理論づけられた。処理水におけるマグネシウムイオンとカルシウムイオンの量は処理後に酸化マグネシウムならびにカルシウムの異なった濃度で測定された。下記の表は結果を要約する。
【0092】
【表2】
【0093】
飲料用ガラス器はまた前述MgO/方解石配合物で処理された水を用いて製品洗浄機で洗浄された。100作業周期後にガラス器は薄膜発生が試験においてガラス外観のもっと信頼できる指標であるけれども斑点発生及び皮膜発生を評価された。ひどく皮膜を生じたガラス器は重皮膜が斑点の出現を防止するので斑点をよく示さない。図2はこの実験で処理されたガラス器を示す。100%MgOを含み少しも方解石がない水で洗浄されたガラス器が斑点発生はまずないことが認められた。斑点発生及び皮膜発生量は使用されるMgOの量が低下され、方解石の量が増加されるにつれてガラス器について増加されることが認められた。
【0094】
(c)製品洗浄過程の間の転化剤の添加
飲料用ガラス器で別の製品洗浄試験が転化剤、すなわち酸化マグネシウムを含み、少しも方解石がない、を含む槽を用いて実施された。この試験としてはHobart AM-14自動製品洗浄機が使用された。処理より前に水は17グレンの硬度を有した。酸化マグネシウム処理水は機械の水だめ前に供給され、それによってまたすすぎ作業周期の間に効果があった。洗剤またはすすぎ助剤はガラス器に適用されなかった。対照標準としてガラスは100作業周期で未処理水で洗浄された。100作業周期後にガラス器は斑点発生及び皮膜発生を評価された。図3はこの実験の結果を示す。水と転化剤で処理されたガラス製品は相当の皮膜発生及び斑点発生があった対照ガラスとは違って皮膜発生またはスケーリングがないことが認められた。
【0095】
(d)キレート剤または金属イオン封鎖剤を有するかそれらがない洗剤組成物で製品洗浄過程の間の転化剤の添加
転化剤の固体源を含む水処理設備は自動製品洗浄設備に取り付けられた。この検討で使用される転化剤は酸化マグネシウムを含んだ。この試験としてはHobart AM-14機が使用された。処理より前に水は17グレンの硬度を有した。
【0096】
2つの洗剤配合物が試験された。最初のものは約35%キレート剤を有する商業的に入手可能な洗剤、Apex Power(登録商標)を約1000ppm含み、エコラブ(Ecolab Inc.)から入手可能である。すすぎ助剤はガラス器がこの洗剤で洗浄された後に適用された。
【0097】
第二の洗剤はキレート剤または金属イオン封鎖剤がなく、約32%NaOH、約35%RU珪酸塩(フィラデルフィア・クォーツ(Philadelphia Quarts)から入手可能な珪酸ナトリウム)、約0.6%ポリエステルシロキサン、約2%Plurionic N3(登録商標)(ビーエーエスエフ(BASF)から入手可能なコポリマー)、約1%のノニオン脱泡剤、約9.5%ソーダ灰、約12%硫酸ナトリウム、および約1%水を含んだ。約650ppmの無キレート剤洗剤が使用された。すすぎ助剤は無キレート剤で使用されなかった。ガラス器はいずれかの配合物で100作業周期に洗浄された。
【0098】
無キレート剤で洗浄されるガラス器は本発明の転化剤、すなわち酸化マグネシウムで処理された水を使用して洗われた。増進剤を含む商業的に入手可能な洗剤、すなわちApex Power(登録商標)で洗浄されるガラス器は未処理水を使用して洗われた。
【0099】
図4は100作業周期試験の完了後にガラス器を示す。この図から見られることができるように無キレート剤と処理水で洗浄されたガラス器はApex Power(登録商標)及びすすぎ助剤で、しかし未処理水で洗浄されたガラス器より皮膜発生及び斑点発生が実質的に少なかった。さらにまた100作業周期が完了された後に無キレート剤洗剤と使用された機械の内部はApex Power(登録商標)及び未処理水と使用された機械より視覚的によく見えることが認められた。
【0100】
この試験は繰り返された、しかしながらすすぎ助剤は作業周期につき加えられた。図5は各配合物で洗浄後のガラス器を示す。この図で見られることができるようにすすぎ助剤が加えられたら両方のガラス器は改良された外観を有した。しかしながら無キレート剤洗剤、及び処理水で処理されたガラス器は未処理水、及びApex Power(登録商標)で洗浄されたガラス器よりまだ斑点発生及び皮膜発生が実質的に少なかった。
【0101】
同試験が実行され、この時間は汚ガラス器を用いる。ガラス器は100%全乳と乾燥蛋白質/澱粉/脂肪を組み合わせた汚れで汚された。汚ガラス器は10作業周期で、前述されるようにApex Power(登録商標)か前述の無キレート剤洗剤組成物いずれかで洗浄された。ガラス器は各洗浄作業周期の間に追加の澱粉及び蛋白質汚れで再汚された。Apex(登録商標)で洗浄されるガラス器は未処理水で洗われ、無キレート剤洗剤で洗浄されるガラス器は転化剤、すなわち酸化マグネシウムで処理された水で洗われた。
【0102】
結果は図6に示される。この図から見られることができるように無キレート剤洗剤と処理水で洗浄されたガラス器はApex Power(登録商標)を用いて洗浄されたものより斑点発生及び皮膜発生が少なかった。またApex Power(登録商標)と未処理水で洗浄されたガラス器は僅かに青みがかった色を有し、処理水で洗われたものは目に見える青斑点発生がなかった。
【0103】
実施例2−硬水について異なった金属酸化物及び塩の効果
種々の試験は異なった金属酸化物及び塩が水硬度に及ぼす効果を定量するために実施された。
【0104】
(a)硬水について異なった金属錯体の効果
次の試験は水硬度について方解石または霰石があるかまたはそれらのない異なった金属錯体、すなわち酸化物、炭酸塩、及び水酸化物の効果を定量するために実施された。出発水は約23グレンの硬度を有した。異金属錯体は水に加えられ、水の硬度はその後に測定された。これらの実験としては約216gの処理剤は約500mLの硬水を含むビーカーに加えられた。内容物ビーカーを20分間攪拌した後に部分標本は除去され、どの懸濁微粒子も取り除くために0.2μmシリンジ濾過器を通じて濾過された。次に濾過試料は全水硬度(Ca++及びMg++)を水試験用具を使用して滴定された。下記の表は結果を要約する。
【0105】
【表3】
【0106】
これらの結果はまた図7に線図で描かれる。上述の表、及び図7から見られることができるように酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、または酸化チタンの添加は試験された他の金属酸化物以上に水硬度を減少した。例えば、酸化アルミニウムの添加は水硬度の約70%を越える減少になり、酸化チタンの添加は水硬度の約80%を越える減少になり、酸化マグネシウムの添加は水硬度の約60%を越える減少になった。
【0107】
また金属酸化物と霰石及び方解石の添加は酸化アルミニウム、酸化マグネシウムまたは酸化チタンが水に加えられるだけであるときほど水硬度の減少を増加しないことがわかった。しかしながら方解石または霰石と酸化アルミニウム、酸化チタンまたは酸化マグネシウムの使用は試験された他の金属酸化物、すなわち酸化鉄、及び酸化亜鉛以上に水硬度を減少した。
【0108】
(b)ぬれ効果による潜在的水軟化剤の評価
異なった金属酸化物、水酸化物、及び塩は硬水軟化剤として作用する能力を決定するために試験された。約1000ppmの異なった組成物の溶液は調製された。平滑製陶タイルは溶液でゆすがれ、拭われ乾燥した。タイルの表面で脱イオン水の接触角は測定された。タイルは次に17グレン水硬度の下でゆすがれ、乾燥され、接触角が再測定された。結果は下記表に示される。
【0109】
【表4】
【0110】
基材を硬水ゆすぎする前後の水接触角の低い比は表面湿潤で水硬度イオンの少ない影響を示すから硬水から基材の改良された保護と相互関係があることが理論づけられた。この表から見られる硬水ゆすぎ前/後の接触角の比は試験された酸化チタン、酸化アルミニウム、ならびに酸化および水酸化マグネシウム溶液としては約1以下であった。これらの結果に基づいてこれらの溶液はおそらく水を軟化するであろうことが理論づけられた。酸化珪素ナノ粒子及び水酸化ナトリウムは接触角の最大変化を有した。
【0111】
(c)カルシウム選択電極による潜在的水軟化剤の評価
異なった金属酸化物、水酸化物、及び塩は硬水軟化剤として作用する能力を決定するために試験された。異なった組成物の溶液は調製された。溶液を調製するために同容積の処理剤は約17グレン硬水と混合され、約400rpm水硬度であった。混合物は約10分間静置されることを許容された。部分標本は除去され、0.2μmシリンジ濾過器を通じてどの非可溶性物質も取り除くために濾過された。溶液に残存する溶解カルシウム量はカルシウム選択電極(例えば、サーモ・サイエンティフィック(ThermoScientific)からの形式9720BNWP)を使用して決定された。下記表はこの試験の結果を示す。
【0112】
【表5】
【0113】
この表から見られることができるように酸化および水酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、ならびに酸化チタンで処理された溶液は処理後に溶液に残存するカルシウムの量の最大減少を生じた。酸化鉄及び酸化珪素は試験された他の金属酸化物より低い水準で溶液に残存するカルシウムの量を低下した。
【0114】
実施例3−洗濯用途における転化剤の使用
洗濯用途においてインライン転化剤の効果は定量された。汚れ除去で転化剤の効果を定量するために汚布きれはテルグオートメーター(Terg-o-tometer)(連邦国家試験(United States Testing Co., Hoboken, N. J.))のような装置で洗浄された。テルグオートメーターは単一恒温水槽にある多重ポットからなり、時間及び温度調節の下で頭上攪拌器を有する実験室洗浄装置である。洗浄試験パラメーターは:洗浄温度、洗浄継続時間、pH、機械的攪拌、掃除組成物用量、水硬度、洗浄配合、及び布/液汁比を含む。この試験としては転化剤、すなわち酸化マグネシウムを含む一組の筒は温冷17グレン送水管の両方に洗濯輪の上流にインライン取付けされた。
【0115】
適正な暴露時間を完了した後に織物見本は除去された。洗剤化学作用は直ちに流水洗浄され、布きれは冷合成5グレン水で5作業周期の充填及びすすぎが完了するまですすがれた。布きれは次に平置され、分光光度計、例えばHunter ColorQuest XE(反射率)分光光度計を使用して反射率読みがとられる前に白ポリエステル-綿タオルで前夜乾燥された。
【0116】
%汚れ除去(SR)を決定するために織物見本の反射率は分光光度計で測定される。「L値」は分光光度計により供給される直接読みである。Lは一般的に100%の値が絶対白色であろう広い可視スペクトル反射率を示す。%汚れ除去は初期(洗浄前)明度(L)と最終L値(洗浄後)の間の差から算出される:
【0117】
【数1】
【0118】
2つの洗剤組成物はこの検討で使用された。最初のものはキレート剤/金属イオン封鎖剤、すなわちポリアクリレート重合体及びくえん酸ナトリウムの混合物を含み、第二のものは実質的にキレート剤/金属イオン封鎖剤どれもなかった。キレート剤または金属イオン封鎖剤の存在または不在を除いて2つの洗剤組成物は同等であり、約3〜75 wt%界面活性剤(存在すれば)、約5〜50 wt%金属イオン封鎖剤(存在すれば)、約0〜50 wt%アルカリ度源および約0〜30wt%の活性酵素組成物を含んだ。
【0119】
キレート剤または金属イオン封鎖剤のない洗剤組成物は処理水、すなわち転化剤と接触された水と使用され、キレート剤/金属イオン封鎖剤混合物を有する洗剤は未処理水と使用された。結果は図8に示される。この図で見られることができるように処理水/無キレート剤洗剤組成物は炭素綿血乳汚布きれに高いパーセント汚れ除去を有した。試験された他の布きれについて未処理水と使用されるキレート剤/金属イオン封鎖剤を含む洗剤は処理水/無キレート剤洗剤組成物より高いパーセント汚れ除去を有した。しかしながら試験された汚れの大部分について結果は同様に両方の試験群の間であった。
【0120】
別の試験は本発明の転化剤を使用するときに亜麻布の付着物を評価するために実施された。この試験としてはフェースクロスが20作業周期に洗濯輪で17グレン水を使用して洗浄された。単フェースクロスは分析のために0、5、15、及び20作業周期で除去された。二試験が実施された。両方の試験について前述される無キレート剤/金属イオン封鎖剤洗剤は使用された。第一の試験は転化剤を含むインライン筒を含めて、第二の試験は未処理水を使用した。洗濯布の全灰及びカルシウム分の量は誘導結合プラズマ(ICP)を用いて測定され、結果は下記表に示される。
【0121】
【表6】
【0122】
これらの結果はまた図9及び図10に線図で描かれる。これらの結果から見られることができるように処理水を使用して洗浄された洗濯布は各試験点で布に残存するもっと低量の灰を有した。例えば20洗浄後に処理水で洗われた布は未処理水で洗われたもののように約32%の灰量を有した。洗濯布に存在するカルシウムの量に関しては10作業周期試験点を除いて全試験点において処理水で洗浄された洗濯布で未処理水で洗浄されたものより少ないカルシウムがあった。
【0123】
洗濯布で他の金属の量はまた測定された。これらの結果は下記表に示される。
【0124】
【表7】
【0125】
この図表から見られることができるように未処理水よりも処理水で洗浄された試料において少ない銅が存在した。しかしながら未処理水よりも処理水で洗浄された試料において多いマグネシウムが存在した。これはこの検討に使用された転化剤はマグネシウムを含むから予想されるはずであり、部分的に時間を通して溶解したかもしれない。
【0126】
実施例4−転化剤の水温の効果
ガラス食器の皮膜発生または斑点発生について転化剤で接触される水の温度の効果は定量された。ガロン当たり17グレンの硬度の水は本発明の転化剤、すなわち酸化マグネシウムを含む槽に接続された。槽は次いで自動皿洗い機に接続された。ガラス製品架のガラス器は皿洗い機に据え付けられた。皿洗い機は自動的に100作業周期を背中合わせに実施するように設定された。作業周期は完全な洗浄、すすぎ、および15秒小休止である。100作業周期後に試験は停止され、ガラス器は観察された。洗剤はこの試験に使用されなかった。試験は温水、すなわち約140°F〜約150°F、及び冷水で繰り返された。未処理水の調節、すなわち転化剤との非接触はまた実施された。ガラス器は斑点発生及び皮膜発生を目視検査された。結果は図11に示される。
【0127】
図11で左方のガラス器は転化剤と温水で処理されたガラスであり、画中央のガラス器は転化剤と冷水で処理され、右方のガラス器は冷水対照実験であり、すなわち転化剤と接触されなかった。この図から見られることができるように転化剤と接触される温水で洗浄されたガラス器は実質的に斑点のないガラスを生じた。転化剤と接触される冷水で洗浄された対照ガラスより少ない皮膜発生を示した、しかし温水処理ガラスほど清浄または透明ではなかった。この結果はカルシウムが加熱されたら可溶性ほどでなくなり、すなわちもっと沈殿するから驚くべきである。
【0128】
実施例5−石鹸渣を防止する転化剤の使用
試験は石鹸渣の形成で処理水、すなわち転化剤と接触された水の効果を定量するために実施された。2つのシャワーに対する冷水流は転化剤、すなわち酸化マグネシウムの固体源を含む槽に取り付けられた。冷水は処理前に17グレン硬度を有した。温水はシャワー温度調節つまみで混合され、軟化水を含んだ。
【0129】
2ヶ月の実施後に処理剤があるかそれがないシャワーが検査された。傾斜シャワー壁は無処理シャワー室と比較して処理シャワー室でもっと清浄容易にされることが観測された。形成される白皮膜、すなわち石鹸渣はそれに流す処理水を有したシャワー室で拭くことでまして容易に除去された。未処理区画はねばねばして拭き取り難い粘着性石鹸渣を有した。また未処理区画のシャワーヘッドは処理シャワー室におけるものよりもっと多くの見てわかる存在する白い湯垢を有することが言及された。
【0130】
シャワー室はまた活発試験にかけられた。酸はシャワー壁に噴霧され、接触で発泡があるかどうかを調べるために観察された。発泡は炭酸カルシウムの存在を示す。処理シャワー室は酸を噴霧されたときに活発を示さなかった。しかしながら処理剤のないシャワー室は酸で接触されたときに明白な活発を示した。
【0131】
実施例6−車両保護向け水処理設備の使用
試験は車両洗浄施設で処理水を使用する効果を定量するために実施された。転化剤として酸化マグネシウムの固体源を含む2つの槽は自動車両洗浄施設に設置された。第一槽(槽1)は第一予浸アーチ形で設置された。第二槽(槽2)は第二予浸アーチ形で設置された。槽1から未処理温水、処理水、及び槽2から処理水のpH、TDS、及び温度は測定された。未処理及び処理水におけるSiO3の量も測定された。
【0132】
図12はこの試験の結果の図式描写である。この図で見られるように槽(槽1及び槽2)は22日に設置された。TDSはこの日に増加した。しかしながら32日まで処理水におけるTDSの水準は未処理水におけるTDSの水準未満であった。またこの図で見られるように槽が設置された後に水中SiO3量は処理水試料でかなり下がった。またつけおきの間に処理水で洗浄された車両は洗浄後に予浸段階の間に未処理水を使用して洗浄されたものよりもっと定量の湯垢付着があることが観測された。全体的にみて本発明の方法に従って処理された水を使用することは車両洗浄施設で使用されるときに有益な効果があった。
【0133】
他の実施形態
本発明はその詳細な説明と共に記述されたところが前述の記載は例解することを予定され、発明の範囲を限定するものではなく、添付の特許請求の範囲により画定されることが理解されるべきである。他の側面、利点、及び改良はあとに続く特許請求の範囲の範囲内である。
【0134】
加えて前に議論された全ての特許刊行物の内容は完全にこの参照により組み込まれる。
【0135】
値及び範囲はここで提供される場合はいつでもこれらの値及び範囲により包含される全ての値及び範囲は本発明の範囲内に包含されるものと意味される。さらにこれらの範囲以内に入る全ての値、加えて数値範囲の上限または下限はまた本出願で包含される。
【技術分野】
【0001】
この出願は2008年5月2日にPCT国際特許出願としてエコラブ・インク(ECOLAB INC)、米国国定法人の名において提出され、米国を除くすべての国の指定についての出願人、リー・ジェイ・モンスルド(Lee J. MONSRUD)、米国国民、キース・イー・オルソン(Keith E. OLSON)、米国国民、キム・アール・スミス(Kim R. SMITH)、米国国民、クリステン・エー・ミルズ(Kristen A. MILLS)、米国国民、米国のみの指定についての出願人、2007年5月4日に提出された米国仮特許出願第60/927575号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は水を含んだ系、すなわち水源または水流を処理する方法に関する。特に異なった転化剤を使用して可溶水硬度を減少する方法が提供される。スケール形成を抑えるか減少する方法も提供される。本発明はまた処理水を例えば、洗浄プロセスに用いる方法に関する。
【背景技術】
【0003】
水の硬度の水準は多くの系で有害作用を有することがある。例えば、硬水だけまたは洗浄組成物と共に表面に接触すれば硬水スケールを接触面にもたらすことができる。一般に硬水とは約100ppmのppm単位で示される炭酸カルシウムを超過するカルシウムおよびマグネシウムの全準位を有する水をいう。多くの場合硬水におけるカルシウムとマグネシウムのモル比は約2:1または約3:1である。大抵の場所は硬水を有するが水硬度は一つの場所から別の場所に変化する傾向がある。
【0004】
水硬度は多数の方法で扱われた。水を軟化するために現在使用される一つの方法はイオン交換によって、例えばナトリウムを水に加えて水中でカルシウムおよびマグネシウムイオンを水軟化単位装置の樹脂地層に会合されるナトリウムと交換することである。カルシウムおよびマグネシウムは軟化剤の樹脂に付着する。樹脂が飽和されてくれば水に溶解される大量の塩化ナトリウムを用いて再生することが必要である。ナトリウムはカルシウムおよびマグネシウムを置換し、塩水溶液で加えた塩化ナトリウムと一緒に洗い流される。水軟化剤は再生するときに有意量の塩素を含有する廃物流を生じ、負荷を飲用水使用及び農業のような多数の下流の水再利用用途を含む系、例えばそれらが処分される下水管系統にもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
硬水はまた洗剤の効力を減少することも知られている。これを妨げる一つの方法は硬度を取扱うために十分量で硬水と混合されることを予定される洗浄性組成物にキレート化剤または金属イオン封鎖剤を加えることを含む。しかしながら多くの場合、水硬度は組成物のキレート化能力を超える。結果として遊離カルシウムイオンは組成物の活性成分を攻撃するために使用可能であることがあり、腐蝕または沈殿をもたらすか、不良洗浄有効性または石灰スケール沈積のような他の有害作用をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かなりの側面で本発明は水源における可溶水硬度を減少する方法を提供する。方法は約6と約9の間のpHを有する水源に固体転化剤を含む組成物を接触させることを含む。転化剤はカルシウム硬度イオンを水源で与え、可溶水硬度が実質的に減少されるほど非方解石結晶形態で実質的に沈殿し、水源から除去されることを必要としない。
【0007】
いくらかの実施形態で転化剤は金属酸化物、金属水酸化物、およびそれらの組合せからなる群から選択される。他の実施形態で転化剤は酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、およびそれらの組合せからなる群から選択される。まださらに他の実施形態で転化剤は水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化チタン、およびそれらの組合せからなる群から選択される。他の実施形態で転化剤は酸化マグネシウムを含む。
【0008】
いくらかの実施形態で非方解石結晶形は霰石である。他の実施形態で組成物はさらに霰石を含む。多少の実施形態で組成物は約1 wt%〜約50 wt%の霰石を含む。まださらに他の実施形態で転化剤は水に不溶である。いくらかの実施形態で可溶水硬度は約15%以上で減少される。
【0009】
本発明の方法のいくらかの実施形態で水に転化剤を接触させる工程は水を転化剤の固体源の上に流すことを含む。
【0010】
他の実施形態で固体転化剤は分離管に含まれる。
【0011】
分離管は分離管を通した水の流れ、流動化、機械攪拌、高流動逆流、再循環、およびそれらの組合せによってからなる群から選択される方法で攪拌される。まださらに他の実施形態で水源の温度は転化剤との接触より前に約130°F〜約185°Fである。いくらかの実施形態で可溶カルシウムイオン水硬度は減少される。
【0012】
いくらかの側面で本発明は処理水を製品洗浄に使用する方法を提供する。方法は転化剤を含む組成物で水源を処理することを含み、転化剤はカルシウム硬度イオンを水源に与え、水の可溶硬度が実質的に減少されるように非方解石形態に実質的に沈殿し、水源から除去されることを必要としない。使用溶液は次に処理水と洗剤で形成される。製品は次に製品が洗浄されるほど使用溶液と接触される。
【0013】
いくらかの実施形態で方法はさらに洗われた後で製品をすすぐ工程を含む。いくらかの実施形態で製品は処理水を用いてすすがれる。他の実施形態で製品は未処理水を用いてすすがれる。
【0014】
いくらかの実施形態で方法はさらに洗われた後で物品にすすぎ補助剤を適用することを含む。まださらに他の実施形態で使用される洗剤は実質的にキレート剤または金属イオン封鎖剤がない。他の実施形態で洗剤は不溶性マグネシウム化合物、炭酸アルカリ金属、および水を含む。
【0015】
いくらかの側面で本発明は自動製品洗浄機で用いるために水源を処理する装置を提供する。装置は:水源を処理貯蔵器に供給する入口;転化剤を含む処理貯蔵器;貯蔵器から処理水を供給する出口;及び処理水を自動製品洗浄機に供給する処理水送出系統を含む。
【0016】
いくらかの実施形態で処理貯蔵器の転化剤は固体粒子である。他の実施形態で固体転化剤は金属酸化物、金属水酸化物、およびそれらの混合物からなる群から選択される。まださらに他の実施形態で金属酸化物は酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される。他の実施形態で金属水酸化物は水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化チタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0017】
まださらに他の実施形態で固体転化剤は処理貯蔵器において攪拌床である。いくらかの実施形態で転化剤床は分離管を通した水の流れ、流動化、機械攪拌、高流動逆流、再循環、およびそれらの組合せからなる群から選択される方法で攪拌される。
【0018】
いくらかの実施形態で処理貯蔵器は移動着脱可能薬筒を含む。ほかの実施形態で濾過器は出口と処理水送出系統の間にない。
【0019】
いくらかの側面で本発明は洗浄過程で用いる設備を提供する。設備は水源を処理する装置に水源を供給することを含む。装置は:水源を処理貯蔵器に供給する入口;転化剤を含む処理貯蔵器;貯蔵器から処理水を供給する出口;及び処理水を自動製品洗浄機に供給する処理水送出系統を含む。処理水は装置の処理水送出系統から自動製品洗浄機に供給される。処理水は洗浄性組成物と組み合わされて使用組成物を準備する。
【0020】
いくらかの実施形態で自動洗浄機は自動製品洗浄機、車両洗浄設備、器具洗浄器、洗浄定置設備、食品加工洗浄設備、洗壜機、及び自動洗濯室洗浄機からなる群から選択される。他の実施形態で洗浄性組成物は洗浄組成物、すすぎ剤組成物または乾燥剤組成物を含む。いくらかの実施形態で洗剤は実質的にキレート剤、増強剤、域剤、金属イオン封鎖剤またはそれらの組合せがない。
【0021】
いくらかの側面で本発明は水系でスケール形成を減少する方法を提供し、水系に固体転化剤を含む組成物と接触させることを含み、転化剤はカルシウム硬度イオンを水源に与えて水系におけるスケール形成が減少されるように非方解石結晶形態で実質的に沈殿し、水源から除去される必要がない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の方法により水を処理するのに使用する装置の略図である。
【図2】本発明の方法により方解石に対する変動比のマグネシウムで処理されたガラスの写真である。
【図3】実施例1(c)で記述される処理または未処理水いずれかですすがれたガラスの写真である。
【図4】実施例1(d)で記述されるように無キレート剤洗剤処理水、及びすすぎ補助剤;または通常洗剤、未処理水、及びすすぎ補助剤いずれかで洗われたガラスの写真である。
【図5】実施例1(d)で記述されるように無キレート剤洗剤処理水、及びすすぎ補助剤;または通常洗剤、未処理水、及びすすぎ補助剤いずれかで洗われたガラスの写真である。
【図6】実施例1(d)で記述されるように無キレート剤洗剤ならびに処理水;または通常洗剤及び未処理水いずれかで処理された汚ガラスの写真である。
【図7】本発明の異なった転化剤の可溶水硬度についての効果の図描写である。
【図8】実施例3で記述されるようにキレート剤無洗剤ならびに処理水;または通常洗剤及び未処理水いずれかの異なった汚れおよび布地についてのパーセント汚れ除去の図描写である。
【図9】実施例3で記述される処理または未処理水いずれかで洗われた洗濯布に残るパーセント灰分の図描写である。
【図10】実施例3で記述される処理または未処理水で洗われた洗濯布に残るカルシウム量(ppm)の図描写である。
【図11】実施例4で記述される処理または未処理水と異なる温度で接触されたガラスの写真である。
【図12】車両洗浄施設において使用される未処理及び処理水の全溶解固体量(ppm)の図描写である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
これら及びほかの実施形態は当業者および他のものに以下の詳細な説明を考慮して明らかになるものである。しかしながらこの概要及び詳細な説明は多少の例を例解だけであり、請求される発明に限定するものと解釈されない。
【0024】
本発明は可溶水硬度が減少されるほど水を処理する方法に関する。いくらかの実施形態で水硬度の可溶カルシウム部分は沈殿されるか減少される。いくらかの側面で転化剤、例えば金属酸化物もしくは水酸化物または炭酸カルシウムの多形体は水を処理するために使用される。いくらかの実施形態で不溶性もしくは僅少可溶性転化剤の固体源は水を処理するために使用される。本発明の方法に従って処理される水はこれらに限定されないが、硬水が汚損をもたらしうる領域でスケール及び汚損の減少、装備、例えば工業装備をスケール沈積から保護すること、通常洗浄性組成物と使用されるときに増加される洗浄効力、及び、特定の化学作用、例えば下流洗浄過程で域剤、キレート化剤、または金属イオン封鎖剤、または燐を含有するものの必要を減少することを含む有益な効果を有する。
【0025】
発明がもっと容易に理解されることが可能であるようにかなりの術語は最初に定義される。
【0026】
ここで使用されるときは術語「キレート化剤」及び「金属イオン封鎖剤」とは錯体(可溶またはそうでない)を水硬度イオン(洗浄水、汚れおよび洗われる基質から)と特定のモル比で形成する化合物をいう。水溶性錯体を形成できるキレート化剤はトリポリ燐酸ナトリウム、EDTA、DTPA、NTA、シトレート、等を含む。水溶性錯体を形成できる金属イオン封鎖剤は三燐酸ナトリウム、ゼオライトA、等を含む。ここで使用されるときは術語「キレート化剤」と「金属イオン封鎖剤」は同義である。
【0027】
ここで使用されるときは術語「キレート化剤のない」または「実質的にキレート化剤のない」とはキレート化剤または金属イオン封鎖剤を含まない組成物、混合物、または成分か限定量のキレート化剤または金属イオン封鎖剤だけが加えられたものをいう。キレート化剤または金属イオン封鎖剤は存在すればキレート化剤または金属イオン封鎖剤の量は約7 wt%未満だろう。いくらかの実施形態でそのような量のキレート化剤または金属イオン封鎖剤はそのとき約0.5 wt-%ほどでない。まださらに他の実施形態でそのような量のキレート化剤または金属イオン封鎖剤は約0.1 wt-%未満である。
【0028】
ここで使用されるときは術語「有効量のキレート化剤を欠く」とはあまり少ししかキレート化剤または金属イオン封鎖剤を含まず、適度に水の硬度に影響を及ぼす組成物、混合物、または成分をいう。
【0029】
ここで使用されるときは術語「転化剤」とは水に可溶化されるカルシウムを溶液から熱力学的に好ましい結晶形態方解石としてよりもむしろ熱力学的に好ましくない結晶形態霰石と考えられる形態の炭酸カルシウムとして実質的に沈殿する組成物、混合物、または成分をいう。霰石は表面によく結合せず、硬水スケールを形成しない脆結晶であるところが一方で方解石は表面に固く結合して硬水スケールを形成し、霰石で見られないもっと確固とした結晶である。
【0030】
ここで使用されるときは術語「可溶水硬度」とはイオン形態で水系または水源に溶解された硬度鉱物質、すなわちCa++及びMg++をいう。可溶水硬度は沈殿状態でないとき、すなわちカルシウム及びマグネシウムの異なった化合物の溶解限度が越えられず、それらの化合物が、例えば水中の炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムのような異なった塩として沈殿するときに硬度イオンをいわない。
【0031】
ここで使用されるときは術語「水溶性」とは水に1 wt-%超過の濃度で溶解されることができる化合物をいう。
【0032】
ここで使用されるときは術語「僅かに可溶性」または「僅かに水溶性」とは水に0.1〜1.0 wt-%の濃度にだけ溶解されることができる化合物をいう。
【0033】
ここで使用されるときは「水不溶性」とは水に0.1 wt-%未満の濃度にだけ溶解されることができる化合物をいう。例えば、酸化マグネシウムは冷水で約0.00062の水への溶解度(wt%)及び温水で約0.00860を有するときに不溶性であると考慮される。本発明の方法で用いる他の不溶性化合物は、例えば:冷水で0.00090及び温水で0.00400の水への溶解度を有する水酸化マグネシウム;冷水で0.00153及び温水で0.00190の水への溶解度を有する霰石;及び冷水で0.00140及び温水で0.00180の水への溶解度を有する方解石を含む。
【0034】
ここで使用されるときは術語「閾剤」とは溶液から水硬度イオンの結晶化を阻害し、しかし水硬度イオンと特殊錯体を形成する必要がない化合物をいう。これは閾剤をキレート化剤または金属イオン封鎖剤から区別する。閾剤はポリアクリレート、ポリメタクリレート、オレフィン/マレイン酸コポリマー、等を含む。
【0035】
ここで使用されるときは術語「域剤のない」または「実質的に域剤のない」とは域剤を含有しない組成物、混合物、または成分か限定量の域剤だけが加えられたものをいう。閾剤は存在すれば閾剤の量は約7 wt%未満であろう。いくらかの実施形態でそのような量の閾剤は約2 wt-%未満である。他の実施形態でそのような量の閾剤は約0.5 wt-%未満である。まださらに他の実施形態でそのような量の閾剤は約0.1 wt-%未満である。
【0036】
ここで使用されるときは術語「再沈積防止剤」とは表土組成物を洗浄される対象物に再沈積するどころか水に懸濁して保つことを助長する化合物をいう。
【0037】
ここで使用されるときは術語「無燐酸塩」または「実質的無燐酸塩」とは燐酸塩または燐酸塩含有化合物を含まない組成物、混合物、または成分か燐酸または燐酸含有化合物が加えられていないものをいう。燐酸または燐酸含有化合物は無燐酸組成物、混合物、または成分の汚染によって存在すれば燐酸塩の量は約1.0 wt%未満であろう。いくらかの実施形態で燐酸塩の量は約0.5 wt%未満である。他の実施形態で燐酸塩の量は約0.1 wt%未満である。まださらに他の実施形態で燐酸塩の量は約0.01 wt%未満である。
【0038】
ここで使用されるときは術語「無燐」または「実質的に無燐」とは燐または燐含有化合物を含まない組成物、混合物、または成分か燐または燐含有化合物が加えられていないものをいう。燐または燐含有化合物が無燐組成物、混合物、または成分の汚染によって存在すれば燐の量は約1.0wt%未満であろう。いくらかの実施形態で燐の量は約0.5 wt%未満である。他の実施形態で燐の量は約0.1 wt%未満である。まださらに他の実施形態で燐の量は約0.01 wt%未満である。
【0039】
「洗浄」はよごれ除去、漂白、微生物集合減少、またはそれらの組合せを実行または援助することを意味する。
【0040】
ここで使用されるときは術語「製品」とは食事用ならびに調理具のような完成品及びシャワー、流し、洗面所、浴槽、カウンター甲板、窓、鏡、輸送車両、及び床のような他の硬質面をいう。ここで使用されるときは術語「製品洗浄」とは製品を洗濯、洗浄、またはすすぐことをいう。
【0041】
ここで使用されるときは術語「硬質面」はシャワー、流し、洗面所、浴槽、カウンター甲板、窓、鏡、輸送車両、床、等を含む。
【0042】
ここで使用されるときは語句「ヘルスケア表面」とは器具、装置、カート、ケージ、家具、構造、建物、またはヘルスケア活動の一部として用いられる同様なものの表面をいう。ヘルスケア表面の例は医療または歯科用器具、医療または歯科用装置、高圧滅菌器ならびに滅菌装置、患者の健康を観測するために用いられる電子機器、およびヘルスケアが生ずる構造の床、壁、または装備品の表面を含む。ヘルスケア表面は病院、外科、出産、霊安室、及び臨床診断室に見られる。これらの表面は「硬質面」(壁、床、便器等のような)、または織物表面、例えば編物、織ならびに不織表面(外科用被服、ドラペリー、寝台リネン、包帯等のような)、または患者ケア装備(人工呼吸装置、診断装備、シャント、ボディースコープ、車椅子、寝台等のような)、または外科ならびに診断装備として典型的に表されるものであることができる。ヘルスケア表面は動物のヘルスケアに用いられる物品及び表面を含む。
【0043】
ここで使用されるときは術語「器具」とは本発明の方法により処理された水を使用する洗浄から利益を得ることができる異なった医療または歯科用器具または装置をいう。
【0044】
ここで使用されるときは語句「医療器具」、「歯科用器具」、「医療装置」、「歯科用装置」、「医療装備」、または「歯科用装備」とは医学及び歯科学で使用される器具、装置、道具、電気器具、機器、及び装備をいう。そのような器具、装置および装備は冷滅菌、浸漬または洗濯され、次に熱滅菌されるかさもなければ本発明により処理された水を使用する洗浄から利益を得ることができる。これらの異なった器具、装置および装備は限定されないが:診断装備、トレー、皿、ホルダー、架、鉗子、鋏、剪断機、鋸(例えば、骨鋸及びそれらの刃)、止血鉗子、ナイフ、チゼル、ロンジュア、やすり、ニッパー、ドリル、ドリルビット、石目やすり、バー、スプレダー、破砕機、エレベーター、クランプ、針ホルダー、運搬体、クリップ、フック、孔たがね、カレット、開創器、正立器、パンチ、抜出装置、スコップ、ケラトーム、スパチュラ、エキスプレッサー、トロカール、拡張器、保持器、ガラス器具、チューブ材料、カテーテル、プラグ、ステント、スコープ(例えば、内視鏡、聴診器、及び関節鏡)および関連装備等、またはそれらの組合せを含む。
【0045】
ここで使用されるときは「重量%(wt-%)」、「重量パーセント」、「wt%」、等は組成物の全重量で割って100をかけたその物質の重量として物質の濃度をいう同義語である。
【0046】
ここで使用されるときはこの発明の組成物で成分の量を修正するかこの発明の方法で用いられる術語「約」とは、例えば濃厚物または使用溶液を現実界で製造するために使用される典型的な測定及び液体取扱手順によって;これらの手順における偶然誤差によって;組成物を製造するか方法を実施するために用いられる成分の製造品、供給源、または純度の差異によって;発生しうる数量の変動をいう。術語約はまた特定の初期混合物から生ずる組成物の異平衡状態のために異なる量を包含する。術語「約」で修正されようがされまいが請求項は量の均等物を含む。
【0047】
組成物および使用方法
いくらかの側面で本発明は可溶水硬度を減少することを含む水処理方法を提供する。いくらかの実施形態で水硬度の可溶カルシウム部分は減少される。いくらかの実施形態で水は転化剤を含む組成物と接触される。他の側面で本発明は水設備に転化剤を含む組成物と接触させることを含む水系統におけるスケール形成を阻害または減少する方法を提供する。転化剤は任意の形態で、例えば本発明の方法で使用するために適当な固体、粒子、液体、粉末、ナノ粒子、スラリーであることが可能である。
【0048】
どの特定の理論によっても束縛されることを望まないで、本発明の方法で使用する転化剤は可溶カルシウム水硬度イオンを水中で発生し、界面反応を通して溶液から熱力学的に好ましい結晶形方解石よりもむしろ熱力学的に好ましくない結晶形霰石で炭酸カルシウムとして実質的に沈殿する。霰石は表面によく結合せず、硬水スケールを形成しない脆結晶であり、ところが一方で方解石は表面に固く結合して霰石では見られない硬水スケールを形成する。かくして水を本発明の転化剤と接触することは処理水の可溶水硬度を減少し、処理水と接触する表面でスケール形成の減少をもたらす。霰石結晶はまた転化剤に接触後に可溶カルシウムのさらなる減少のために種結晶として作用することができる。
【0049】
転化剤
本発明の方法で使用するために適当な転化剤はこれらに限定されないが金属酸化物、金属水酸化物、多形の炭酸カルシウム及びそれらの組合せならびに混合物を含む。いくらかの実施形態で転化剤は金属酸化物を含む。本発明の方法に使用するために適当な金属酸化物はこれらに限定されないが酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、及びそれらの組合せならびに混合物を含む。本発明の方法で使用するために適当な金属水酸化物はこれらに限定されないが水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化チタン、及びそれらの組合せならびに混合物を含む。本発明の方法で転化剤として使用するために適当な多形の炭酸カルシウムはこれらに限定されないが霰石を含む。いくらかの実施形態で酸化マグネシウムは転化剤として使用され、水を処理する。いくらかの実施形態で水酸化マグネシウムは転化剤として使用され、水を処理する。まださらに他の実施形態で酸化ならびに水酸化マグネシウムの組合せは転化剤として使用され、水を処理する。
【0050】
いくらかの実施形態で本発明の方法で使用するために選択される転化剤は水に僅かに可溶性である。いくらかの実施形態で本発明の方法で使用するために選択される転化剤は水に不溶性である。いくらかの実施形態で本発明の方法で使用するために選択される転化剤は水に約0.01g/100 mL未満の溶解度を有する。いくらかの実施形態で低溶解度は長い転化剤活性に好まれる。
【0051】
いくらかの実施形態で転化剤と接触された水はカルシウム沈殿を形成する。本発明の方法を用いて形成されるカルシウム沈殿は沈殿物が水源を通って無害に流れるほどである。すなわちいくらかの実施形態で通常水処理設備と違って沈殿物を処理水から濾過するか除去する必要がない。
【0052】
いくらかの実施形態で本発明の方法で使用される転化剤は固体形態である。転化剤組成物を記述するのに使用されるような術語「固体」により硬化組成物はかなり流れず、中応力または圧力を受けて、例えば型から取出されたら型形状、押出機から押出で形成されるような物品形状、等のような形状を大体保持するだろうと意味される。固体組成物の硬度は、例えばコンクリートのような比較的高密度で硬質である融解固体塊のものから展性でスポンジ状、コーキング材と同様であると特徴付けられる稠度までの範囲で変化することができる。
【0053】
転化剤を含む組成物はさらに追加の機能成分を含むことができる。本発明の方法で使用するために適当な追加の機能成分は有益な性質を転化剤、処理される水源、またはそれらの任意の組合せに分与するどの物質も含む。例えば、いくらかの実施形態で転化剤は粒子、例えば酸化マグネシウム粒子の固体媒体床を含む。媒体床の「接合」、換言すれば粒子の凝集の防止を水源と接触されるときに援助する追加の機能成分は加えられることが可能である。
【0054】
いくらかの実施形態で追加の機能成分は多形の炭酸カルシウムを含む。本発明の方法で使用するために適当な例示的多形の炭酸カルシウムはこれらに限定されないがアラゴナイト、カルシット、バテリットおよびそれらの混合物を含む。いくらかの実施形態で追加の機能成分は霰石を含む。他の実施形態で機能成分は方解石を含む。
【0055】
いくらかの実施形態で追加の機能成分はカルシウム及びマグネシウムイオンの混合カチオン化合物を含む。いくらかの実施形態で追加の機能物質は炭酸カルシウムマグネシウム、名称ドロマイトでも知られることがある多少の天然鉱物質を含む。
【0056】
いくらかの実施形態で転化剤を含む組成物はさらに約10 wt%〜約90 wt%の追加の機能成分を含む。他の実施形態で転化剤を含む組成物はさらに約25 wt%〜約75 wt%の追加の機能成分を含む。まださらに他の実施形態で転化剤を含む組成物はさらに約50 wt%の追加の機能成分を含む。いくらかの実施形態で転化剤を含む組成物はさらに約25 wt%の霰石を含む。いくらかの実施形態で転化剤を含む組成物はさらに約25 wt%の方解石を含む。これらの値および範囲の間の全数値および範囲は本発明の方法で包含されることが理解されるべきである。
【0057】
水源
いくらかの側面で本発明の方法は水の可溶硬度が減少されるほど水源を処理することを含む。術語「水源」はここで使用されるときに本発明の方法に従って処理により利益を得るだろう硬度を有する水のどの供給源もいう。本発明の方法を使用する処理に適当な例示的な水源はこれらに限定されないが自治都市水源、私営水系、例えば公衆水供給または井戸からの水を含む。水は水道用水、自治都市水系により供給される水、私営水系により供給される水、および/または設備または井戸から直接の水であることができる。いくらかの実施形態で水源は工業プロセス水、例えばビチューメン回収作業から生成される水ではない。他の実施形態で水源は排水流ではない。
【0058】
いくらかの実施形態で水源は本発明の方法を使用する処理より前に約6〜約9のpHを有する。いくらかの実施形態で水源は本発明の方法を使用する処理より前に約8と約12の間のpHを有する。いくらかの実施形態で水源は本発明の方法に従って処理後に高い、換言すればもっとアルカリ性pHを有することになる。
【0059】
いくらかの実施形態で転化剤と接触より前に水の温度は周囲、換言すれば室温、換言すれば約64°F〜約75°Fである。いくらかの実施形態で転化剤と接触より前に水の温度は周囲温度未満の温度である。ほかの実施形態で水源は転化剤と接触より前に加熱される。いくらかの実施形態で水源を転化剤と接触より前に加熱することは水源が加熱されないときよりも表面で形成されるスケール量の大きい減少及び可溶水硬度の大きい減少に結果としてなる。
【0060】
いくらかの実施形態で転化剤と接触より前に水の温度は約100°F、約120°F、または約150°Fを超過する。いくらかの実施形態で転化剤と接触より前に水温は約100°F〜約200°Fである。他の実施形態で水温は転化剤と接触より前に約120°F〜約140°F、約140°F〜約160°F、または約65°F〜約180°Fである。これらの値及び範囲の間の全数値及び範囲は本発明の方法で包含されることは理解されるべきである。
【0061】
いくらかの側面で本発明は水源に転化剤を含む組成物と接触することを含む可溶水硬度を減少する方法を提供する。接触工程はこれらに限定されないが水源を固体源、例えば転化剤を含む分離管、濾筒、または槽の上または通って流すことを含むことができる。接触時間は、例えば水源のpH、水源の硬度、及び水源の温度を含む種々の因子に依存している。いくらかの実施形態で水源は転化剤源と約30秒〜約6000秒の接触時間を有する。いくらかの実施形態で水源は転化剤源と約120秒〜約1800秒の接触時間を有する。まださらに他の実施形態で水源は転化剤源と約200秒〜約1200秒の接触時間を有する。これらの値及び範囲の間の全数値及び範囲は本発明の方法で包含されることは理解されるべきである。
【0062】
いくらかの実施形態で本発明の方法は実質的に水源の可溶硬度を減少する。達成される水硬度の減少はこれらに限定されないが水源の温度、及び初期水硬度を含む種々の因子に依存している。
【0063】
例えば、いくらかの実施形態で可溶水硬度は約25%まで減少される。いくらかの実施形態で可溶水硬度は約50%まで減少される。まださらに他の実施形態で可溶水硬度は約75%まで減少される。まださらに他の実施形態で可溶水硬度は約90%まで減少される。
【0064】
いくらかの側面で本発明は水設備においてスケール形成を減少または抑制する方法を提供する。いくらかの実施形態で水設備、換言すれば水源は転化剤、例えば金属酸化物または水酸化物と接触される。どの特定の理論によっても束縛されることを望まないで結果として生ずる処理水設備は減少された可溶硬度を有するものである。いくらかの実施形態で結果として生ずる処理水系統は減少された可溶カルシウム硬度を有するものである。この硬度の減少は水源により接触される表面に形成されたスケール量を減少するものである。かくして本発明の方法に従って処理される水源の使用は表面で形成される水スケールの量を抑制または減少するものである。
【0065】
例えば、いくらかの実施形態でスケール形成の量は約25%まで減少される。いくらかの実施形態でスケール形成の量は約50%まで減少される。まださらに他の実施形態でスケール形成の量は約80%まで減少される。まださらに他の実施形態でスケール形成の量は約100%まで減少される。
【0066】
本発明の方法はスケール形成(スケールはカルシウム塩、例えば燐酸カルシウム、蓚酸カルシウム、炭酸カルシウム、二炭酸カルシウムまたは珪酸カルシウムを含む。)を除去または防止することに格別に有効である。本発明の方法により防止または除去されることを予定されるスケールは前に言及されたイオンのどの組合せでも形成されることが可能である。例えば、スケールは炭酸カルシウム及び二炭酸カルシウムの組合せを含むことが可能である。スケールは典型的に少なくとも約90 wt%の無機物質、もっと典型的に少なくとも約95 wt%、及び最も典型的に約99 wt%の無機物質を含む。
【0067】
処理水源を下流洗浄過程で使用する方法
いくらかの側面で本発明は処理水源を使用して物品を洗浄する方法を提供する。処理水源の使用は未処理水源の使用に比較して下流洗浄プロセスにおける多くの利点を有する。例えば、本発明の方法に従って処理された水源の使用は通常洗剤の効力を増加する。処理水源の使用はまた特別の環境的に使いやすい洗浄性組成物、例えばキレート剤または金属イオン封鎖剤、または燐のないものの使用を許容する。
【0068】
いくらかの実施形態で本発明の方法は転化剤を含む組成物で水源を処理することを含み、転化剤は水源にカルシウム硬度イオンを発生し、水源から水の可溶硬度が実質的に減少されないほどに取り除かれる必要がない非方解石形態で大体沈殿する。使用溶液は次に処理水と洗浄性組成物で形成されることができる。洗浄される物品は次に製品が洗浄されるほど使用溶液と接触される。
【0069】
いくらかの実施形態で方法はさらに物品をすすぐことを含む。物品は処理水または未処理水ですすがれることができる。いくらかの実施形態で物品は処理水を用いてすすがれる。すすぎ助剤はまた物品に洗われた後に適用されることもできる。
【0070】
通常の洗浄性組成物どれも本発明の方法で使用されることができる。洗浄性組成物は洗浄組成物、すすぎ剤組成物、乾燥組成物またはそれらの任意の組合せを含むことができる。どの特定の理論によっても束縛されることを望まないで洗浄過程において処理水源の使用は水源における減少量の可溶硬度鉱物質のために洗浄性組成物の効力を増加すると考えられる。可溶硬度イオンは石鹸及び洗剤と化合してスケールまたは浮渣を形成する。さらにまた可溶硬度イオンは石鹸及び洗剤と形成される泡の量を制限する。これらの可溶硬度イオンの量を減少することはそれ故にこれらの有害副作用の量を減少することができる。
【0071】
本発明の方法で使用する洗浄性組成物はこれらに限定されないが洗剤組成物、すすぎ剤組成物、または乾燥剤組成物を含むことができる。例示的な洗剤組成物は製品洗浄洗剤組成物、洗濯洗剤組成物、CIP洗剤組成物、環境清浄組成物、硬質面清浄組成物(カウンターまたは床で使用するもののような)、自動車洗浄組成物、ガラス清浄組成物を含む。例示的なすすぎ剤はガラスのような表面で縞になるか薄膜を生ずることを減少するために使用される。例示的な乾燥剤組成物は脱水組成物を含む。車両洗浄工業で展剤または玉剤が車両外部に適用される脱水工程を含むことは大抵好ましい。
【0072】
処理される、換言すれば洗剤組成物と処理水を含む使用溶液で洗浄されることができる例示的な物品はこれらに限定されないが自動車外装、生地、食品接触製品、現場洗浄(CIP)装備、ヘルスケア表面および硬質面を含む。例示的な自動車外装は通例商用車両洗浄施設で洗われる乗用車、トラック、トレーラー、バス等を含む。例示的な生地はこれらに限定されないが術語「洗濯」内に一般的に考慮されるものを包含し、布、タオル、シーツ等を含む。加えて生地はカーテンを含む。例示的な食品接触製品はこれらに限定されないが皿、ガラス器、食事調理具、ボウル、調理製品、食品貯蔵製品等を含む。例示的なCIP装備はこれらに限定されないがパイプ、タンク、熱交換器、弁、配送回路、ポンプ等を含む。例示的なヘルスケア表面はこれらに限定されないが医療または歯科用装置または器具を含む。例示的な硬質面はこれらに限定されないが床、カウンター、ガラス、壁等を含む。硬質面はまた皿洗い機、及び洗濯機の内側を含むことができる。一般に硬質面は洗浄工業で環境表面と通例称されるそれら表面を含むことができる。
【0073】
いくらかの実施形態で本発明の方法で使用する洗剤組成物はキレート剤 金属イオン封鎖剤、および/または域剤、例えばアミノカルボン酸、縮合ホスフェート、ホスホネート、ポリアクリレート、等の実質的にない洗剤を含む。どの特定に理論により束縛されることを望まないで、本発明の方法は洗剤と使用されれば水源において可溶硬度イオンを実質的に減少するので硬度イオンを取扱うためにキレート化剤、金属イオン封鎖剤、または域剤を洗剤組成物に含む実質的に減少されるか排除される必要があると考えられる。
【0074】
いくらかの実施形態で本発明の方法で使用する洗剤は実質的にキレート化剤または金属イオン封鎖剤がなく、不溶マグネシウム化合物、炭酸アルカリ金属、及び水を含む。いくらかの実施形態で本発明の方法で使用する洗剤組成物は「マグネシウム化合物の固体洗浄組成物ならびにそれらを製造及び使用する方法」(“Solid Cleaning Compositions of Magnesium Compounds And Methods of Making and Using them”)と題される米国特許出願(代理人事件登録書第2454US01)に記述される洗剤組成物であり、ここで全内容は参照により組み込まれる。
【0075】
いくらかの実施形態で洗剤組成物は漂白剤、硬化剤または溶解度改良剤、脱泡剤、再沈積防止剤、域剤、安定剤、分散剤、酵素、界面活性剤、審美増進剤(すなわち染料、香料)、等のような通常添加剤を含む他の添加剤を含むことが可能である。補助剤及びほかの添加成分は製造される組成物の種類により変動するものである。これらの添加剤は選択的であり、洗浄組成物に含まれる必要がないことは理解されるだろう。それらは含まれるならば特定種類の成分の有効性のために提供する量で含まれることができる。
【0076】
いくらかの側面で本発明は清浄または洗浄過程で使用される水源を処理する装置を提供する。装置は例えば、自動製品洗浄機、自動生地洗浄機、および/または自動車両洗浄機で使用するためであることができる。装置は商業設定でも、例えばレストラン、病院にも、住宅設定、例えば私邸または共同住宅建物でも使用可能である。
【0077】
図1を参照して本発明の装置の概略図は参照符号10で示される。装置は;水源を処理貯水槽14に供給する引入口12;転化剤16を含む処理貯水槽14;処理水を処理貯水槽から供給する引出口18;及び処理水を選択される洗浄装置に供給する処理水送出系統20を含む。いくらかの実施形態で引出口と処理水送出系統の間に濾過器はない。弁24のような流量調整装置22は処理水送出系統18に提供され、選択される最終使用装置、例えば製品洗浄機、洗濯室洗浄機へ処理水の流量を調整する。
【0078】
いくらかの実施形態で転化剤は装置の処理貯水槽に含有される。貯水槽は例えば、槽、濾筒、異なった物理形状または寸法の濾床、または分離管であることができる。いくらかの実施形態で転化剤を含む処理貯水槽は無樹脂質であり、換言すれば水源で二価カルシウム及びマグネシウムイオンと交換する一価水素、ナトリウムまたはカリウムイオンを含有する物質を含まない。いくらかの実施形態で貯水槽は加圧される。他の実施形態で加圧されない。一つまたは多数の貯水槽は本発明の方法で使用されることが可能である。例えば、水源は複数の貯水槽を同じか異なる転化剤を含む同一または別個の容器で通り越されることが可能である。貯水槽は直続してまたは並行に配置されることが可能である。
【0079】
いくらかの実施形態で転化剤は攪拌下地または分離管の形態である。下地または分離管は「接合」、換言すれば水源と一度接触された固体転化剤の凝集を避けるように攪拌されることが可能である。下地または分離管は、例えば分離管を通る水の流れにより、流動化、機械攪拌、高流量逆流、再循環、及びそれらの組合せを含むどの知られた方法でも攪拌されることができる。いくらかの実施形態で固体転化剤は流動床、例えば分離管または濾筒を処理貯水槽に含む。流動化は媒体の最小流動化速度を越えるほど下地を通過する流体、例えば水の速度の増加により得られる。
【0080】
いくらかの実施形態で全処理貯水槽は着脱可能であり交換可能である。他の実施形態で処理貯水槽は処理貯水槽内に含有される転化剤下地が着脱可能であり、交換可能であるように構成されることができる。いくらかの実施形態で処理貯水槽は転化剤、例えば酸化マグネシウムを含む着脱可能、移動可能、交換可能な濾筒を含む。
【0081】
いくらかの側面で本発明は洗浄作業で使用する設備を提供する。設備は水源を処理する装置に水源を供給することを含む。いくらかの実施形態で水源を処理する装置は:(i)水源を処理貯蔵器に供給する入口;(ii)転化剤を含む処理貯蔵器;(iii)処理貯蔵器から処理水を供給する出口;及び(iv)処理水を自動製品洗浄機に供給する処理水送出系統を含む。いくらかの実施形態で素子、例えばスクリーンは転化剤を流体がそれを通り越すか通過するときに処理貯水槽内に含有しておくために処理貯水槽に存在する。いくらかの実施形態で濾過器は出口と処理水送出系統の間にはない。一度水が処理されたら処理水は自動洗浄機、例えば自動製品洗浄機、車両洗浄設備、器具洗浄器、定置洗浄設備、食品加工処理洗浄設備、洗壜機、及び自動洗濯室洗浄機に装置の処理水送出系統から供給される。本発明の方法に従って処理された水の使用から利益を得るだろう自動洗浄機はどれも使用可能である。処理水は次に洗浄機で洗剤組成物と組み合わされ、使用組成物を提供する。どの洗剤組成物は、例えば洗浄組成物、すすぎ剤組成物または乾燥剤組成物を本発明の設備で使用可能である。洗浄される物品は次に自動洗浄機で洗浄されるほど使用溶液と接触される。
【0082】
本発明の水処理方法および設備は種々の工業的ならびに家庭用途で使用可能である。水処理方法および設備は住宅設定または商業設定で、例えばレストラン、ホテル、病院で採用されることができる。本発明の水処理方法、設備、または装置は:例えば食事および調理具ならびにシャワー、流し、洗面所、浴槽、カウンター甲板、窓、鏡、及び床のようなほかの硬質面を洗浄する製品洗浄用途;洗濯用途で、例えば自動生地洗浄機で前処理、洗浄、酸性、軟化、および/またはすすぎ工程において使用される水を処理すること;車両保護用途で、例えば車両を前すすぎ、例えばアルカリつけおきおよび/または低pHつけおき、洗浄、艶出し、及びすすぐために使用される水を処理すること;工業的用途、例えば冷却塔、ボイラー、熱交換器を有する工業装備;食品サービス用途で、例えば、コーヒー及び紅茶調合機、エスプレッソ機、製氷機、パスタ調理機、温水器、蒸し器および/または発酵器向け送水管を処理すること;例えば、外科用器具を浸漬、洗浄および/またはすすぎ、高圧釜滅菌装置へ給水を処理するヘルスケア器具保護用途;及び給湿器、温水浴槽、および水泳プールのような異なった用途の給水で使用可能である。
【0083】
いくらかの実施形態で本発明の水処理方法および設備は使用時点で適用されることができる。すなわち本発明の水処理方法、設備、または装置は水源の望まれる最終使用直前に水源に適用されることができる。例えば、本発明の装置は家庭用または飲食店電気器具、例えばコーヒーメーカー、エスプレッソ機、製氷機に接続される送水管に採用されうる。本発明の方法を用いる装置はまた水源を使用する電気器具の一部、例えばコーヒーメーカー、または製氷機に組み込まれる水処理設備として含まれる。
【0084】
追加として本発明の水処理方法を用いる装置は家庭または事業の給水本管に接続されることができる。装置は給湯装置前または給湯装置後の管路に用いられることができる。かくして本発明の装置は温、冷ならびに室温水源で可溶水硬度を減少するために使用可能である。
【実施例】
【0085】
実施例
本発明は、本発明の範囲内で多数の改良及び変形が当業者にはっきりわかるものであるので例解だけとして解釈される以下の実施例でもっと特別に記述される。さもなければ言及されない限り、以下の実施例で報告される全ての部分、百分率、及び比率は重量基準であり、実施例で使用される全試薬は下記載の化学薬品供給者から得られたか入手可能であり、または通常手法で合成されることが可能である。
【0086】
実施例1−低水溶性マグネシウム媒体を含む転化剤で水処理
次の実験は異なった転化剤の水硬度、及び製品洗浄用途で効果を評価するために実施された。
【0087】
(a)酸化マグネシウムの固体源を含む転化剤の可溶水硬度を減少する能力
不溶酸化マグネシウムの固体源を含む転化剤の水を処理する、例えば可溶水硬度を減少する能力は評価された。この実験について水は酸化マグネシウム粒子の媒体下地を通過された。粒子は約900μmの平均寸法を有した。媒体は槽に保持された。
【0088】
水中カルシウム及びマグネシウムイオンの量は転化剤を含む下地を通り越す前後に測定された。全溶解固体(TDS)、水硬度、及びpHはまた処理前後の両方で測定された。下記の表は結果を要約する。
【0089】
【表1】
【0090】
この表から見られることができるように処理水のpHは処理後に僅かに上昇した。どの特定の理論によっても束縛されることを望まないでこれは水で一度接触されるとMg++及びOH-に溶解する媒体下地の酸化マグネシウムのためである。また全可溶水硬度は約35%だけ、全可溶Ca++は約86%だけ低下されることが観測された。全部で水源の固体転化剤、すなわち酸化マグネシウム処理は有益な効果、例えば減少された可溶水硬度、及び全溶解固体の減少量を処理水源に提供することが観測された。
【0091】
(b)方解石の転化剤への添加
別試験は転化剤、すなわち酸化マグネシウムを含む媒体下地に方解石を加える効果を決定するために実施された。方解石は酸化マグネシウムが凝集して固体塊を形成すると知られているから時間を通した使用の間に酸化マグネシウムの「接合」を防止するであろうことが理論づけられた。処理水におけるマグネシウムイオンとカルシウムイオンの量は処理後に酸化マグネシウムならびにカルシウムの異なった濃度で測定された。下記の表は結果を要約する。
【0092】
【表2】
【0093】
飲料用ガラス器はまた前述MgO/方解石配合物で処理された水を用いて製品洗浄機で洗浄された。100作業周期後にガラス器は薄膜発生が試験においてガラス外観のもっと信頼できる指標であるけれども斑点発生及び皮膜発生を評価された。ひどく皮膜を生じたガラス器は重皮膜が斑点の出現を防止するので斑点をよく示さない。図2はこの実験で処理されたガラス器を示す。100%MgOを含み少しも方解石がない水で洗浄されたガラス器が斑点発生はまずないことが認められた。斑点発生及び皮膜発生量は使用されるMgOの量が低下され、方解石の量が増加されるにつれてガラス器について増加されることが認められた。
【0094】
(c)製品洗浄過程の間の転化剤の添加
飲料用ガラス器で別の製品洗浄試験が転化剤、すなわち酸化マグネシウムを含み、少しも方解石がない、を含む槽を用いて実施された。この試験としてはHobart AM-14自動製品洗浄機が使用された。処理より前に水は17グレンの硬度を有した。酸化マグネシウム処理水は機械の水だめ前に供給され、それによってまたすすぎ作業周期の間に効果があった。洗剤またはすすぎ助剤はガラス器に適用されなかった。対照標準としてガラスは100作業周期で未処理水で洗浄された。100作業周期後にガラス器は斑点発生及び皮膜発生を評価された。図3はこの実験の結果を示す。水と転化剤で処理されたガラス製品は相当の皮膜発生及び斑点発生があった対照ガラスとは違って皮膜発生またはスケーリングがないことが認められた。
【0095】
(d)キレート剤または金属イオン封鎖剤を有するかそれらがない洗剤組成物で製品洗浄過程の間の転化剤の添加
転化剤の固体源を含む水処理設備は自動製品洗浄設備に取り付けられた。この検討で使用される転化剤は酸化マグネシウムを含んだ。この試験としてはHobart AM-14機が使用された。処理より前に水は17グレンの硬度を有した。
【0096】
2つの洗剤配合物が試験された。最初のものは約35%キレート剤を有する商業的に入手可能な洗剤、Apex Power(登録商標)を約1000ppm含み、エコラブ(Ecolab Inc.)から入手可能である。すすぎ助剤はガラス器がこの洗剤で洗浄された後に適用された。
【0097】
第二の洗剤はキレート剤または金属イオン封鎖剤がなく、約32%NaOH、約35%RU珪酸塩(フィラデルフィア・クォーツ(Philadelphia Quarts)から入手可能な珪酸ナトリウム)、約0.6%ポリエステルシロキサン、約2%Plurionic N3(登録商標)(ビーエーエスエフ(BASF)から入手可能なコポリマー)、約1%のノニオン脱泡剤、約9.5%ソーダ灰、約12%硫酸ナトリウム、および約1%水を含んだ。約650ppmの無キレート剤洗剤が使用された。すすぎ助剤は無キレート剤で使用されなかった。ガラス器はいずれかの配合物で100作業周期に洗浄された。
【0098】
無キレート剤で洗浄されるガラス器は本発明の転化剤、すなわち酸化マグネシウムで処理された水を使用して洗われた。増進剤を含む商業的に入手可能な洗剤、すなわちApex Power(登録商標)で洗浄されるガラス器は未処理水を使用して洗われた。
【0099】
図4は100作業周期試験の完了後にガラス器を示す。この図から見られることができるように無キレート剤と処理水で洗浄されたガラス器はApex Power(登録商標)及びすすぎ助剤で、しかし未処理水で洗浄されたガラス器より皮膜発生及び斑点発生が実質的に少なかった。さらにまた100作業周期が完了された後に無キレート剤洗剤と使用された機械の内部はApex Power(登録商標)及び未処理水と使用された機械より視覚的によく見えることが認められた。
【0100】
この試験は繰り返された、しかしながらすすぎ助剤は作業周期につき加えられた。図5は各配合物で洗浄後のガラス器を示す。この図で見られることができるようにすすぎ助剤が加えられたら両方のガラス器は改良された外観を有した。しかしながら無キレート剤洗剤、及び処理水で処理されたガラス器は未処理水、及びApex Power(登録商標)で洗浄されたガラス器よりまだ斑点発生及び皮膜発生が実質的に少なかった。
【0101】
同試験が実行され、この時間は汚ガラス器を用いる。ガラス器は100%全乳と乾燥蛋白質/澱粉/脂肪を組み合わせた汚れで汚された。汚ガラス器は10作業周期で、前述されるようにApex Power(登録商標)か前述の無キレート剤洗剤組成物いずれかで洗浄された。ガラス器は各洗浄作業周期の間に追加の澱粉及び蛋白質汚れで再汚された。Apex(登録商標)で洗浄されるガラス器は未処理水で洗われ、無キレート剤洗剤で洗浄されるガラス器は転化剤、すなわち酸化マグネシウムで処理された水で洗われた。
【0102】
結果は図6に示される。この図から見られることができるように無キレート剤洗剤と処理水で洗浄されたガラス器はApex Power(登録商標)を用いて洗浄されたものより斑点発生及び皮膜発生が少なかった。またApex Power(登録商標)と未処理水で洗浄されたガラス器は僅かに青みがかった色を有し、処理水で洗われたものは目に見える青斑点発生がなかった。
【0103】
実施例2−硬水について異なった金属酸化物及び塩の効果
種々の試験は異なった金属酸化物及び塩が水硬度に及ぼす効果を定量するために実施された。
【0104】
(a)硬水について異なった金属錯体の効果
次の試験は水硬度について方解石または霰石があるかまたはそれらのない異なった金属錯体、すなわち酸化物、炭酸塩、及び水酸化物の効果を定量するために実施された。出発水は約23グレンの硬度を有した。異金属錯体は水に加えられ、水の硬度はその後に測定された。これらの実験としては約216gの処理剤は約500mLの硬水を含むビーカーに加えられた。内容物ビーカーを20分間攪拌した後に部分標本は除去され、どの懸濁微粒子も取り除くために0.2μmシリンジ濾過器を通じて濾過された。次に濾過試料は全水硬度(Ca++及びMg++)を水試験用具を使用して滴定された。下記の表は結果を要約する。
【0105】
【表3】
【0106】
これらの結果はまた図7に線図で描かれる。上述の表、及び図7から見られることができるように酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、または酸化チタンの添加は試験された他の金属酸化物以上に水硬度を減少した。例えば、酸化アルミニウムの添加は水硬度の約70%を越える減少になり、酸化チタンの添加は水硬度の約80%を越える減少になり、酸化マグネシウムの添加は水硬度の約60%を越える減少になった。
【0107】
また金属酸化物と霰石及び方解石の添加は酸化アルミニウム、酸化マグネシウムまたは酸化チタンが水に加えられるだけであるときほど水硬度の減少を増加しないことがわかった。しかしながら方解石または霰石と酸化アルミニウム、酸化チタンまたは酸化マグネシウムの使用は試験された他の金属酸化物、すなわち酸化鉄、及び酸化亜鉛以上に水硬度を減少した。
【0108】
(b)ぬれ効果による潜在的水軟化剤の評価
異なった金属酸化物、水酸化物、及び塩は硬水軟化剤として作用する能力を決定するために試験された。約1000ppmの異なった組成物の溶液は調製された。平滑製陶タイルは溶液でゆすがれ、拭われ乾燥した。タイルの表面で脱イオン水の接触角は測定された。タイルは次に17グレン水硬度の下でゆすがれ、乾燥され、接触角が再測定された。結果は下記表に示される。
【0109】
【表4】
【0110】
基材を硬水ゆすぎする前後の水接触角の低い比は表面湿潤で水硬度イオンの少ない影響を示すから硬水から基材の改良された保護と相互関係があることが理論づけられた。この表から見られる硬水ゆすぎ前/後の接触角の比は試験された酸化チタン、酸化アルミニウム、ならびに酸化および水酸化マグネシウム溶液としては約1以下であった。これらの結果に基づいてこれらの溶液はおそらく水を軟化するであろうことが理論づけられた。酸化珪素ナノ粒子及び水酸化ナトリウムは接触角の最大変化を有した。
【0111】
(c)カルシウム選択電極による潜在的水軟化剤の評価
異なった金属酸化物、水酸化物、及び塩は硬水軟化剤として作用する能力を決定するために試験された。異なった組成物の溶液は調製された。溶液を調製するために同容積の処理剤は約17グレン硬水と混合され、約400rpm水硬度であった。混合物は約10分間静置されることを許容された。部分標本は除去され、0.2μmシリンジ濾過器を通じてどの非可溶性物質も取り除くために濾過された。溶液に残存する溶解カルシウム量はカルシウム選択電極(例えば、サーモ・サイエンティフィック(ThermoScientific)からの形式9720BNWP)を使用して決定された。下記表はこの試験の結果を示す。
【0112】
【表5】
【0113】
この表から見られることができるように酸化および水酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、ならびに酸化チタンで処理された溶液は処理後に溶液に残存するカルシウムの量の最大減少を生じた。酸化鉄及び酸化珪素は試験された他の金属酸化物より低い水準で溶液に残存するカルシウムの量を低下した。
【0114】
実施例3−洗濯用途における転化剤の使用
洗濯用途においてインライン転化剤の効果は定量された。汚れ除去で転化剤の効果を定量するために汚布きれはテルグオートメーター(Terg-o-tometer)(連邦国家試験(United States Testing Co., Hoboken, N. J.))のような装置で洗浄された。テルグオートメーターは単一恒温水槽にある多重ポットからなり、時間及び温度調節の下で頭上攪拌器を有する実験室洗浄装置である。洗浄試験パラメーターは:洗浄温度、洗浄継続時間、pH、機械的攪拌、掃除組成物用量、水硬度、洗浄配合、及び布/液汁比を含む。この試験としては転化剤、すなわち酸化マグネシウムを含む一組の筒は温冷17グレン送水管の両方に洗濯輪の上流にインライン取付けされた。
【0115】
適正な暴露時間を完了した後に織物見本は除去された。洗剤化学作用は直ちに流水洗浄され、布きれは冷合成5グレン水で5作業周期の充填及びすすぎが完了するまですすがれた。布きれは次に平置され、分光光度計、例えばHunter ColorQuest XE(反射率)分光光度計を使用して反射率読みがとられる前に白ポリエステル-綿タオルで前夜乾燥された。
【0116】
%汚れ除去(SR)を決定するために織物見本の反射率は分光光度計で測定される。「L値」は分光光度計により供給される直接読みである。Lは一般的に100%の値が絶対白色であろう広い可視スペクトル反射率を示す。%汚れ除去は初期(洗浄前)明度(L)と最終L値(洗浄後)の間の差から算出される:
【0117】
【数1】
【0118】
2つの洗剤組成物はこの検討で使用された。最初のものはキレート剤/金属イオン封鎖剤、すなわちポリアクリレート重合体及びくえん酸ナトリウムの混合物を含み、第二のものは実質的にキレート剤/金属イオン封鎖剤どれもなかった。キレート剤または金属イオン封鎖剤の存在または不在を除いて2つの洗剤組成物は同等であり、約3〜75 wt%界面活性剤(存在すれば)、約5〜50 wt%金属イオン封鎖剤(存在すれば)、約0〜50 wt%アルカリ度源および約0〜30wt%の活性酵素組成物を含んだ。
【0119】
キレート剤または金属イオン封鎖剤のない洗剤組成物は処理水、すなわち転化剤と接触された水と使用され、キレート剤/金属イオン封鎖剤混合物を有する洗剤は未処理水と使用された。結果は図8に示される。この図で見られることができるように処理水/無キレート剤洗剤組成物は炭素綿血乳汚布きれに高いパーセント汚れ除去を有した。試験された他の布きれについて未処理水と使用されるキレート剤/金属イオン封鎖剤を含む洗剤は処理水/無キレート剤洗剤組成物より高いパーセント汚れ除去を有した。しかしながら試験された汚れの大部分について結果は同様に両方の試験群の間であった。
【0120】
別の試験は本発明の転化剤を使用するときに亜麻布の付着物を評価するために実施された。この試験としてはフェースクロスが20作業周期に洗濯輪で17グレン水を使用して洗浄された。単フェースクロスは分析のために0、5、15、及び20作業周期で除去された。二試験が実施された。両方の試験について前述される無キレート剤/金属イオン封鎖剤洗剤は使用された。第一の試験は転化剤を含むインライン筒を含めて、第二の試験は未処理水を使用した。洗濯布の全灰及びカルシウム分の量は誘導結合プラズマ(ICP)を用いて測定され、結果は下記表に示される。
【0121】
【表6】
【0122】
これらの結果はまた図9及び図10に線図で描かれる。これらの結果から見られることができるように処理水を使用して洗浄された洗濯布は各試験点で布に残存するもっと低量の灰を有した。例えば20洗浄後に処理水で洗われた布は未処理水で洗われたもののように約32%の灰量を有した。洗濯布に存在するカルシウムの量に関しては10作業周期試験点を除いて全試験点において処理水で洗浄された洗濯布で未処理水で洗浄されたものより少ないカルシウムがあった。
【0123】
洗濯布で他の金属の量はまた測定された。これらの結果は下記表に示される。
【0124】
【表7】
【0125】
この図表から見られることができるように未処理水よりも処理水で洗浄された試料において少ない銅が存在した。しかしながら未処理水よりも処理水で洗浄された試料において多いマグネシウムが存在した。これはこの検討に使用された転化剤はマグネシウムを含むから予想されるはずであり、部分的に時間を通して溶解したかもしれない。
【0126】
実施例4−転化剤の水温の効果
ガラス食器の皮膜発生または斑点発生について転化剤で接触される水の温度の効果は定量された。ガロン当たり17グレンの硬度の水は本発明の転化剤、すなわち酸化マグネシウムを含む槽に接続された。槽は次いで自動皿洗い機に接続された。ガラス製品架のガラス器は皿洗い機に据え付けられた。皿洗い機は自動的に100作業周期を背中合わせに実施するように設定された。作業周期は完全な洗浄、すすぎ、および15秒小休止である。100作業周期後に試験は停止され、ガラス器は観察された。洗剤はこの試験に使用されなかった。試験は温水、すなわち約140°F〜約150°F、及び冷水で繰り返された。未処理水の調節、すなわち転化剤との非接触はまた実施された。ガラス器は斑点発生及び皮膜発生を目視検査された。結果は図11に示される。
【0127】
図11で左方のガラス器は転化剤と温水で処理されたガラスであり、画中央のガラス器は転化剤と冷水で処理され、右方のガラス器は冷水対照実験であり、すなわち転化剤と接触されなかった。この図から見られることができるように転化剤と接触される温水で洗浄されたガラス器は実質的に斑点のないガラスを生じた。転化剤と接触される冷水で洗浄された対照ガラスより少ない皮膜発生を示した、しかし温水処理ガラスほど清浄または透明ではなかった。この結果はカルシウムが加熱されたら可溶性ほどでなくなり、すなわちもっと沈殿するから驚くべきである。
【0128】
実施例5−石鹸渣を防止する転化剤の使用
試験は石鹸渣の形成で処理水、すなわち転化剤と接触された水の効果を定量するために実施された。2つのシャワーに対する冷水流は転化剤、すなわち酸化マグネシウムの固体源を含む槽に取り付けられた。冷水は処理前に17グレン硬度を有した。温水はシャワー温度調節つまみで混合され、軟化水を含んだ。
【0129】
2ヶ月の実施後に処理剤があるかそれがないシャワーが検査された。傾斜シャワー壁は無処理シャワー室と比較して処理シャワー室でもっと清浄容易にされることが観測された。形成される白皮膜、すなわち石鹸渣はそれに流す処理水を有したシャワー室で拭くことでまして容易に除去された。未処理区画はねばねばして拭き取り難い粘着性石鹸渣を有した。また未処理区画のシャワーヘッドは処理シャワー室におけるものよりもっと多くの見てわかる存在する白い湯垢を有することが言及された。
【0130】
シャワー室はまた活発試験にかけられた。酸はシャワー壁に噴霧され、接触で発泡があるかどうかを調べるために観察された。発泡は炭酸カルシウムの存在を示す。処理シャワー室は酸を噴霧されたときに活発を示さなかった。しかしながら処理剤のないシャワー室は酸で接触されたときに明白な活発を示した。
【0131】
実施例6−車両保護向け水処理設備の使用
試験は車両洗浄施設で処理水を使用する効果を定量するために実施された。転化剤として酸化マグネシウムの固体源を含む2つの槽は自動車両洗浄施設に設置された。第一槽(槽1)は第一予浸アーチ形で設置された。第二槽(槽2)は第二予浸アーチ形で設置された。槽1から未処理温水、処理水、及び槽2から処理水のpH、TDS、及び温度は測定された。未処理及び処理水におけるSiO3の量も測定された。
【0132】
図12はこの試験の結果の図式描写である。この図で見られるように槽(槽1及び槽2)は22日に設置された。TDSはこの日に増加した。しかしながら32日まで処理水におけるTDSの水準は未処理水におけるTDSの水準未満であった。またこの図で見られるように槽が設置された後に水中SiO3量は処理水試料でかなり下がった。またつけおきの間に処理水で洗浄された車両は洗浄後に予浸段階の間に未処理水を使用して洗浄されたものよりもっと定量の湯垢付着があることが観測された。全体的にみて本発明の方法に従って処理された水を使用することは車両洗浄施設で使用されるときに有益な効果があった。
【0133】
他の実施形態
本発明はその詳細な説明と共に記述されたところが前述の記載は例解することを予定され、発明の範囲を限定するものではなく、添付の特許請求の範囲により画定されることが理解されるべきである。他の側面、利点、及び改良はあとに続く特許請求の範囲の範囲内である。
【0134】
加えて前に議論された全ての特許刊行物の内容は完全にこの参照により組み込まれる。
【0135】
値及び範囲はここで提供される場合はいつでもこれらの値及び範囲により包含される全ての値及び範囲は本発明の範囲内に包含されるものと意味される。さらにこれらの範囲以内に入る全ての値、加えて数値範囲の上限または下限はまた本出願で包含される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水源の可溶水硬度を減少する方法であって、前記方法は、
(a)約6〜約9のpHを有する水源に固体転化剤を含む組成物を接触させること、ただし、該転化剤は、該水源でカルシウム硬度イオンを発生して可溶水硬度が実質的に減少されるように非方解石結晶形態で実質的に沈殿し、該水源から除去されることを要しない、方法。
【請求項2】
該転化剤は金属酸化物、金属水酸化物、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該転化剤は酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
該転化剤は水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化チタン、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
該非方解石結晶形態は霰石である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
該組成物はさらに霰石を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
該組成物は約1 wt%〜約50 wt%の霰石を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
該転化剤は水に不溶である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
該可溶水硬度は約15%以上で減少される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
水に該転化剤を接触させる工程は該水を該転化剤の固体源の上を流すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
該固体転化剤は分離管に含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
該分離管は該分離管を通した水の流れ、流動化、機械攪拌、高流動逆流、再循環、およびそれらの組合せによってからなる群から選択される方法で攪拌される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
該水源の温度は該転化剤との接触より前に約130°F〜約185°Fである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
可溶カルシウムイオン水硬度が減少される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
処理水源を使用して製品を洗浄する方法であって、前記方法は、
(a)転化剤を含む組成物で水源を処理し(該転化剤は、該水源でカルシウム硬度イオンを発生して水の可溶硬度が減少されるように非方解石結晶形態で実質的に沈殿し、該水源から除去されることを要しない)、
(b)使用溶液を処理水と洗剤で形成し、及び
(c)該製品に該製品が洗浄されるように該使用溶液と接触させることを含む、方法。
【請求項16】
該転化剤は金属酸化物、金属水酸化物およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
金属酸化物は酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
金属水酸化物は水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化チタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
該組成物はさらに霰石を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
該水源は処理より前に中性pHを有する、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
水硬度は処理後に約15%以上だけ低下する、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
該方法はさらに該製品を洗浄された後にすすぐ工程を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
該製品は処理水を使用してすすがれる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
該製品は未処理水を使用してすすがれる、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
該処理水源におけるカルシウム硬度イオンの量は該処理工程より前の該水源におけるカルシウム硬度イオンの量より低い、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
該方法はさらにすすぎ補助剤を該製品に洗浄された後に加える、請求項15に記載の方法。
【請求項27】
洗剤は実質的にキレート剤または金属イオン封鎖剤がない、請求項15に記載の方法。
【請求項28】
該洗剤は不溶性マグネシウム化合物、炭酸アルカリ金属、および水を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項29】
自動製品洗浄機に使用する水源を処理する装置であって、該装置は、
(a)該水源を処理貯蔵器に供給する入口;
(b)転化剤を含む処理貯蔵器;
(c)該貯蔵器から処理水を供給する出口;及び
(d)該処理水を自動製品洗浄機に供給する処理水送出系統を含む装置。
【請求項30】
該処理貯蔵器の該転化剤は固体粒子である、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
該固体転化剤は金属酸化物、金属水酸化物、およびそれらの混合物の群から選択される、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
金属酸化物は酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
金属水酸化物は水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化チタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項31に記載の装置。
【請求項34】
該固体転化剤は該処理貯蔵器における攪拌床である、請求項30に記載の装置。
【請求項35】
転化剤床は分離管を通した水の流れ、流動化、機械攪拌、高流動逆流、再循環、およびそれらの組合せからなる群から選択される方法で攪拌される、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
該処理貯蔵器は移動および着脱可能薬筒を含む、請求項29に記載の装置。
【請求項37】
該出口と該処理水送出系統の間に濾過器はない、請求項29に記載の装置。
【請求項38】
洗浄過程で使用する設備であって、前記設備は、
(a)該水源を処理する装置に水源を供給し、前記装置は:
(i)該水源を処理貯蔵器に供給する入口;
(ii)転化剤を含む処理貯蔵器;
(iii)処理水を貯蔵器から供給する出口;および
(iv)処理水を自動洗浄機に供給する処理水送出系統を含み、および
(b)処理水を該装置の処理水送出系統から自動洗浄機に供給し、および
(c)該処理水を洗浄性組成物と組み合わせて使用組成物を供給することを含む、設備。
【請求項39】
該自動洗浄機は自動製品洗浄機、車両洗浄設備、器具洗浄器、定置洗浄設備、食品加工洗浄設備、洗壜機、及び自動洗濯室洗浄機からなる群から選択される、請求項38に記載の設備。
【請求項40】
該洗浄性組成物は洗浄組成物、すすぎ剤組成物または乾燥剤組成物を含む、請求項38に記載の設備。
【請求項41】
該洗浄剤は実質的にキレート剤、増強剤、域剤、金属イオン封鎖剤またはそれらの組合せがない、請求項38に記載の設備。
【請求項42】
該出口と該処理水送出系統の間に濾過器はない、請求項38に記載の設備。
【請求項43】
水系でスケール形成を減少する方法であって、該水系に殆ど固体転化剤からなる組成物と接触させることを含み、該転化剤は、水源でカルシウム硬度イオンを発生して該水系におけるスケール形成が減少されるように非方解石結晶形態で実質的に沈殿し、該水源から除去されることを要しない、方法。
【請求項44】
該転化剤は金属酸化物、金属水酸化物およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
金属酸化物は酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
金属水酸化物は水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化チタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
該組成物はさらに霰石を含む、請求項44に記載の方法。
【請求項1】
水源の可溶水硬度を減少する方法であって、前記方法は、
(a)約6〜約9のpHを有する水源に固体転化剤を含む組成物を接触させること、ただし、該転化剤は、該水源でカルシウム硬度イオンを発生して可溶水硬度が実質的に減少されるように非方解石結晶形態で実質的に沈殿し、該水源から除去されることを要しない、方法。
【請求項2】
該転化剤は金属酸化物、金属水酸化物、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該転化剤は酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
該転化剤は水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化チタン、およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
該非方解石結晶形態は霰石である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
該組成物はさらに霰石を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
該組成物は約1 wt%〜約50 wt%の霰石を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
該転化剤は水に不溶である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
該可溶水硬度は約15%以上で減少される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
水に該転化剤を接触させる工程は該水を該転化剤の固体源の上を流すことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
該固体転化剤は分離管に含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
該分離管は該分離管を通した水の流れ、流動化、機械攪拌、高流動逆流、再循環、およびそれらの組合せによってからなる群から選択される方法で攪拌される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
該水源の温度は該転化剤との接触より前に約130°F〜約185°Fである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
可溶カルシウムイオン水硬度が減少される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
処理水源を使用して製品を洗浄する方法であって、前記方法は、
(a)転化剤を含む組成物で水源を処理し(該転化剤は、該水源でカルシウム硬度イオンを発生して水の可溶硬度が減少されるように非方解石結晶形態で実質的に沈殿し、該水源から除去されることを要しない)、
(b)使用溶液を処理水と洗剤で形成し、及び
(c)該製品に該製品が洗浄されるように該使用溶液と接触させることを含む、方法。
【請求項16】
該転化剤は金属酸化物、金属水酸化物およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
金属酸化物は酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
金属水酸化物は水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化チタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
該組成物はさらに霰石を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
該水源は処理より前に中性pHを有する、請求項15に記載の方法。
【請求項21】
水硬度は処理後に約15%以上だけ低下する、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
該方法はさらに該製品を洗浄された後にすすぐ工程を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項23】
該製品は処理水を使用してすすがれる、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
該製品は未処理水を使用してすすがれる、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
該処理水源におけるカルシウム硬度イオンの量は該処理工程より前の該水源におけるカルシウム硬度イオンの量より低い、請求項15に記載の方法。
【請求項26】
該方法はさらにすすぎ補助剤を該製品に洗浄された後に加える、請求項15に記載の方法。
【請求項27】
洗剤は実質的にキレート剤または金属イオン封鎖剤がない、請求項15に記載の方法。
【請求項28】
該洗剤は不溶性マグネシウム化合物、炭酸アルカリ金属、および水を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項29】
自動製品洗浄機に使用する水源を処理する装置であって、該装置は、
(a)該水源を処理貯蔵器に供給する入口;
(b)転化剤を含む処理貯蔵器;
(c)該貯蔵器から処理水を供給する出口;及び
(d)該処理水を自動製品洗浄機に供給する処理水送出系統を含む装置。
【請求項30】
該処理貯蔵器の該転化剤は固体粒子である、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
該固体転化剤は金属酸化物、金属水酸化物、およびそれらの混合物の群から選択される、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
金属酸化物は酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
金属水酸化物は水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化チタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項31に記載の装置。
【請求項34】
該固体転化剤は該処理貯蔵器における攪拌床である、請求項30に記載の装置。
【請求項35】
転化剤床は分離管を通した水の流れ、流動化、機械攪拌、高流動逆流、再循環、およびそれらの組合せからなる群から選択される方法で攪拌される、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
該処理貯蔵器は移動および着脱可能薬筒を含む、請求項29に記載の装置。
【請求項37】
該出口と該処理水送出系統の間に濾過器はない、請求項29に記載の装置。
【請求項38】
洗浄過程で使用する設備であって、前記設備は、
(a)該水源を処理する装置に水源を供給し、前記装置は:
(i)該水源を処理貯蔵器に供給する入口;
(ii)転化剤を含む処理貯蔵器;
(iii)処理水を貯蔵器から供給する出口;および
(iv)処理水を自動洗浄機に供給する処理水送出系統を含み、および
(b)処理水を該装置の処理水送出系統から自動洗浄機に供給し、および
(c)該処理水を洗浄性組成物と組み合わせて使用組成物を供給することを含む、設備。
【請求項39】
該自動洗浄機は自動製品洗浄機、車両洗浄設備、器具洗浄器、定置洗浄設備、食品加工洗浄設備、洗壜機、及び自動洗濯室洗浄機からなる群から選択される、請求項38に記載の設備。
【請求項40】
該洗浄性組成物は洗浄組成物、すすぎ剤組成物または乾燥剤組成物を含む、請求項38に記載の設備。
【請求項41】
該洗浄剤は実質的にキレート剤、増強剤、域剤、金属イオン封鎖剤またはそれらの組合せがない、請求項38に記載の設備。
【請求項42】
該出口と該処理水送出系統の間に濾過器はない、請求項38に記載の設備。
【請求項43】
水系でスケール形成を減少する方法であって、該水系に殆ど固体転化剤からなる組成物と接触させることを含み、該転化剤は、水源でカルシウム硬度イオンを発生して該水系におけるスケール形成が減少されるように非方解石結晶形態で実質的に沈殿し、該水源から除去されることを要しない、方法。
【請求項44】
該転化剤は金属酸化物、金属水酸化物およびそれらの組合せからなる群から選択される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
金属酸化物は酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
金属水酸化物は水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化チタン、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項44に記載の方法。
【請求項47】
該組成物はさらに霰石を含む、請求項44に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2010−525944(P2010−525944A)
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506694(P2010−506694)
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/062558
【国際公開番号】WO2008/137785
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月2日(2008.5.2)
【国際出願番号】PCT/US2008/062558
【国際公開番号】WO2008/137785
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【出願人】(500320453)イーコラブ インコーポレイティド (120)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]