説明

浄水器

【課題】本発明は、製造コストがかかって高価になることなく、使用者が次回交換時期を計算する必要が無く、安全でおいしい水を得ることができる浄水器を提供することにある。
【解決手段】有底筒状の本体容器11と、本体容器11の開口を覆うフタ13と、ろ材を収納するカートリッジ2とを備えたポット型浄水器であって、フタ13の裏面に表示部材15が取り付けられ、表示部材15の一方の面にカートリッジの使用開始時期を表す文字が、他方の面にカートリッジの交換時期を表す文字が印刷または刻印され、表示部材15の外周面に複数の位置決め凹部が設 けられ、フタ13には位置決め凸部が設けられ、位置決め凹部と位置決め凸部が嵌ったときに、フタ13の表示窓から交換時期を表す文字が視認可能であるポット型浄水器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に家庭で使用し、水道水をろ過する家庭用浄水器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、水道水を飲用する際、安全でおいしい水を得るために、水道水中のカルキ臭、カビ臭、トリハロメタンなどを浄水器でろ過する傾向が高まっている。浄水器としては、活性炭や中空糸膜などのろ材を充填したカートリッジを装着して使用するものが一般的であり、ろ材の能力が低下したときには、使用者がカートリッジを交換する。
【0003】
従来から、カートリッジのろ過能力低下時期をあらかじめ浄水器に表示して、使用者がカートリッジの交換を忘れず行える機能を有した浄水器が知られている(特許文献1)。しかしながら、液晶表示器を用いる表示方法は製造コストがかかり、浄水器が高価になってしまうという問題点があった。
液晶表示器を用いずに交換時期を表示する浄水器としては、ダイヤルやリングに1から12の月数字を羅列配置で表示し、矢印等の指示部によって次回カートリッジの交換を行う月を示すものがある(特許文献2)。しかしながら、次回交換月を使用者が設定するために、カートリッジのろ過能力が低下する期間を調べ、次回交換月を計算して求める必要があって面倒であるという問題点があった。また計算を間違えたために安全でおいしい水が得られなくなっているのに気が付かないという問題点もあった。また矢印が指示する交換月を見間違うという問題点もあった。
使用者が計算を間違い、次回交換月の表示を間違えることを防ぐために、カートリッジの使用開始時期を矢印に合わせると、もう一方の矢印が次回交換月を指し示す製品もあった。しかし、二つの矢印や月数字の羅列が全て見えるため、次回交換月が明確でなく分かりづらい欠点があった。
逆に、見間違いを防ぐために1から12の月数字を表示したダイヤルやリングの上に窓を設けたカバーをし、カートリッジの次回交換月のみが窓部から表示されるように改良した浄水器も知られている(特許文献3)。しかしながら、使用者がカートリッジのろ過能力が低下する期間を調べ、次回交換月を計算して求める必要があるのは同様であり、面倒であるという問題点は残されたままであった。さらに、該公知例は円盤状ダイヤルの側面に次回交換時期を示す文字が施され、円盤の平面上に凹凸を設けている。凹凸に相対する凸凹を有する部材の凸凹を撓ませることで、回動する円盤状ダイヤルの位置決めを実施している。しかし、本発明者らの知見によれば、この構造では文字を大きく見やすくするためには円盤状ダイヤルの厚みを大きくする必要がある。ポット型浄水器は冷蔵庫収納を想定したものが多く、外形を大きくすることが難しいため、ダイヤルをフタに設置することが主流のポット型浄水器に用いる場合、厚みの大きいダイヤルを取り付けると、ポット型浄水器の容量が小さくなるという欠点がある。また、円盤の平面上に凹凸を設ける構造はポット型浄水器に適用すると、円盤平面上の凹凸に嵌り合う凸凹部をフタに設ける必要がある。しかし、フタの凹凸を撓ませるためにフタの厚みを小さくするとフタの強度が小さくなる問題があり、フタの厚みを維持した状態でフタにスリットを設け撓ませると、外観の問題だけでなく浄水器内にホコリなどの異物が入るなどの問題が発生する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−319799号公報
【特許文献2】実公平6−14869号公報
【特許文献3】特開2008−212932号公報
【特許文献4】特開2002−331766号公報
【特許文献5】特開2008−253992号公報
【特許文献6】意匠登録第1249259号公報
【特許文献7】意匠登録第1322630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述のような問題点を鑑み、製造コストがかかって高価になることなく、使用者が次回交換時期を計算する必要が無く、安全でおいしい水を得ることができる浄水器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を達成するため、本発明の浄水器は下記の構成から成る。
【0007】
すなわち、本発明によれば、有底筒状の本体容器と、該本体容器の開口を覆うフタと、ろ材を収納するカートリッジとを備えたポット型浄水器であって、前記フタの裏面に表示部材が取り付けられ、前記表示部材の一方の面に前記カートリッジの使用開始時期を表す文字が、他方の面に前記カートリッジの交換時期を表す文字が印刷または刻印され、前記表示部材の外周面に複数の位置決め凹部が設けられ、前記フタには位置決め凸部が設けられ、前記位置決め凹部と前記位置決め凸部が嵌ったときに、前記フタの表示窓から前記交換時期を表す文字が視認可能であるポット型浄水器が提供される。
【0008】
また、本発明の好ましい形態によれば、前記位置決め凸部が、該位置決め凸部の高さ方向に変位するポット型浄水器が提供される。
【0009】
また、本発明の好ましい形態によれば、前記位置決め凸部の近傍にスリットを設けるポット型浄水器が提供される。
【0010】
また、本発明の別の形態によれば、有底筒状の本体容器と、該本体容器の開口を覆うフタと、ろ材を収納するカートリッジとを備えたポット型浄水器であって、前記フタの裏面に表示部材が取り付けられ、前記表示部材の一方の面に前記カートリッジの使用開始時期を表す文字が、他方の面に前記カートリッジの交換時期を表す文字が印刷または刻印され、前記表示部材の外周面に複数の位置決め凸部が設けられ、前記フタには位置決め凹部が設けられ、前記位置決め凸部と前記位置決め凹部が嵌ったときに、前記フタの表示窓から前記交換時期を表す文字が視認可能であるポット型浄水器が提供される。
【0011】
また、本発明の好ましい形態によれば、前記位置決め凹部が、該位置決め凹部の高さ方向に変位するポット型浄水器が提供される。
【0012】
また、本発明の好ましい形態によれば、前記位置決め凹部の近傍にスリットを設けるポット型浄水器が提供される。
【0013】
また、本発明の好ましい形態によれば、前記フタに印を設け、前記表示部材に印刷または刻印された文字のうち、前記カートリッジの使用開始時期に当たる文字を前記フタの印に合わせると、前記フタの表示窓に前記カートリッジの交換時期を表す文字が表示されるポット型浄水器が提供される。
【0014】
また、本発明の好ましい形態によれば、前記位置決め凸部および前記位置決め凹部の形状が、円弧状または三角形状であるポット型浄水器が提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、製造コストがかかって高価になることなく、使用者が次回交換時期を計算する必要が無く、安全でおいしい水を得ることができる浄水器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係るポット型浄水器の概略図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るポット型浄水器用カートリッジの正面断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る本体容器の上面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る本体容器の正面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る本体容器の左側面図である。
【図6】図5におけるA部分拡大図
【図7】本発明の一実施形態に係る本体容器の右側面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るロートの上面図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るロートの正面図である。
【図10】本発明の一実施形態に係るロートの正面断面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係るロートの下面図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る本体容器とロート組み図の上面図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る本体容器とロート組み図の正面断面図である。
【図14】本発明の一実施形態に係るフタの上面図である。
【図15】本発明の一実施形態に係るフタの正面図である。
【図16】本発明の一実施形態に係るフタの右側面図である。
【図17】本発明の一実施形態に係るフタの正面断面図である。
【図18】図16におけるB部分拡大図
【図19】本発明の一実施形態に係るフタの下面図である。
【図20】図18におけるC部分拡大図
【図21】本発明の一実施形態に係る注ぎ口カバーの正面図である。
【図22】本発明の一実施形態に係る注ぎ口カバーの下面図である。
【図23】本発明の一実施形態に係る交換表示ダイヤルの上面図である。
【図24】本発明の一実施形態に係る交換表示ダイヤルの正面断面図および正面図である。
【図25】本発明の一実施形態に係る交換表示ダイヤルの下面図である。
【図26】本発明の一実施形態に係るフタと注ぎ口カバーと交換表示ダイヤルの組立図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の最良の実施形態の例をポット型浄水器に適用した場合を例にとって、図面を参照しながら説明する。なお本発明は以下に示す実施の形態に限定されるものではなく、上記本発明の目的を達成できるものであればよい。
【0018】
図1は本発明の一実施形態であるポット型浄水器の概略図を示したものである。ポット型浄水器は本体部1とカートリッジ2から構成され、本体部1は本体容器11、ロート12、フタ13、注ぎ口カバー14、交換表示ダイヤル(表示部材)15から構成される。本体容器11の上方にロート12が取り付けられており、下方は浄水貯水部31となっている。フタ13は本体容器11とロート12の上方に配置される。注ぎ口カバー14はフタ13の表側に設けた注ぎ口カバー接続部50に接続され、交換表示ダイヤル(表示部材)15はフタ13の裏側に配置される。カートリッジ2はロート12の底面に開口しているカートリッジ嵌合部32に挿入した状態で使用する。
【0019】
図2は本発明の一実施形態に係るポット型浄水器用カートリッジの縦断面図である。カートリッジ2はキャップ21、ろ過フィルタ22、外側ケース23で構成される。ろ過フィルタ22はキャップ21の下方中心位置に接続され、外側ケース23はろ過フィルタ22を覆う形でキャップ21の下方に接続される。
【0020】
ろ過フィルタ22は筒状の外メッシュ部材33と内メッシュ部材34を有し、内メッシュ部材34の内部空間が原水の集水部35となり、外メッシュ部材33と内メッシュ部材34の間がろ材充填部36となる。
【0021】
図1の状態において、フタ13を取り外しロート12に水道水を入れると、水道水が自重でカートリッジ2を通過し、遊離残留塩素などが取り除かれ、浄水として本体容器11下方の浄水貯水部31に溜まる。浄水が貯水された状態で本体容器11に取り付けたロート12にフタ13を取り付け、本体容器11を傾けると、浄水が注ぎ口カバー14を押し開け流出し、浄水を得ることが可能となる。
【0022】
また図2において、ロート12に入れた水道水は、キャップ21の上部開口部37から上開口部メッシュ部材38を通過し、同時に原水集水部35である内メッシュ部材34を通ってろ材充填部36に導かれる。ろ材充填部36中のろ材により浄化された浄水が、外メッシュ部材33と、外側ケース23の下端まで続く長さ方向に設けられた6本のスリットを介して浄水貯水部31に貯水される。
【0023】
本体容器11について図3〜7を用いて説明する。図3は本発明の一実施形態に係る本体容器の上面図、図4は本発明の一実施形態に係る本体容器の正面図、図5は本発明の一実施形態に係る本体容器の左側面図、図6は図5におけるA部分拡大図、図7は本発明の一実施形態に係る本体容器の右側面図をそれぞれ示したものである。
【0024】
本体容器11は底と側面から成る略四角柱状の液体保存容器で、一つの側面に使用者が持ち運びや注水時に保持する持ち手部41を、持ち手部41側上端に半円状の切り欠き77を、持ち手部41と向かい合う側面に浄水を注ぐための傾斜部である注ぎ口42を有し、ポリスチレンで形成される。ポット型浄水器はろ過状態や浄水量を確認しやすい透明容器が便利であり、透明度の高いポリスチレンやAS樹脂(アクリロニトリルスチレン樹脂)が好ましい。その他にもポリプロピレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレン、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)などの樹脂成形品であっても良い。
【0025】
従来においては、本体容器は、持ち運びやすさや注ぎやすさの利点より取っ手が設けられている形状が多い(特許文献6)。しかし、取っ手があることで本体容器全体が大きくなり、特に冷蔵庫など限られたスペースに収納する際、他のものが収納できなくなる問題が発生する。そこで取っ手のない本体容器が考案された(特許文献7)。この場合、本体容器の側面を窪ませることで、持ちやすい形状とすることが多い。射出成形でつくられる本体容器は上端に近づくにつれ大きくなるため、上方でも持ちやすいように上端の幅を狭く大きな窪みをつけることになるが、下端はさらに幅が狭く全体の容量が小さくなる問題がある。ポット型浄水器は上半分にロートが位置するので下半分にしか浄水が溜められず、浄水貯留部の容量確保が難しい。そこで、ロートに窪みを設けずに浅くても水道水貯留部の体積が大きくなる形状を採用し、浄水貯留部にのみ窪みを設け容量を確保するなど、窪みを上端から設けないものが増えている(特許文献7)。しかし、本体容器の上方に窪みがないため指をかけて握ることができず、使用者には使いづらいという問題がある。
【0026】
本実施形態においては、持ち手部41は冷水筒で一般的に採用されている取っ手形状でもよいが、図4のように本体容器11の側面を利用した形状とする。冷蔵庫へ収納する際、省スペースとなり、使いやすい。指をかけられるような水平断面凹部43を設けて持ち手部41としているため持ち運びやすい利点もある。本体容器の金型に抜き勾配を設けるため、上方に行くに従い持ち手部41の幅が広くなるが、水平断面凹部43に隣接する凸部76の一部を小さくし、水平断面凹部43を大きくした持ち手位置65を設け、持ち手部41の幅の一部を狭くしているので、持ち手部41の上方であっても持ちやすい形状となっている。持ち手部41の幅が狭く持ちやすい下方を持って持ち運びすると、浄水貯水部31とカートリッジ2に浄水が入った状態では、浄水器全体の重心が使用者の手の位置より上方に来て不安定になるが、水平方向の凹部65を持ち手部41の上半分側に設け、持ち手部41の幅の一部を狭く持ちやすくすることで使用者の手が浄水器全体の重心より上方に位置し、安定して持ち運ぶことができる効果が得られる。
【0027】
従来においては、本体容器を傾け注ぐと、浄水の流れ出る力で注ぎ口上のカバーが勝手に開くように、注ぎ口を覆う部品をフタと別パーツで設けてフタに取り付ける構造が多い(特許文献1)。しかし、本発明者らの知見によると、注ぎ口上のカバーを浄水の流れ出る力だけで開閉させる場合、注ぎ口上のカバーが大きいもしくは重いと、スムーズな開閉ができない問題がある。特に注ぎ始めは注ぎ口上のカバーが十分に開いていないため、注ぎ口上のカバーの大きさに近い幅広い状態で浄水が流れ出し、注ぎにくい問題がある。さらに、注ぎ口の上端が濡れている場合、水の表面張力により本体容器と注ぎ口上のカバーが張り付いており、注ぎ口上のカバーが開くまでに時間がかかる。浄水が注ぎ口上のカバーに溜まった後、注ぎ口カバーが突然開いて一気に浄水が出るため注ぎづらい。本体容器の注ぎ口を大きく突き出して形成すると浄水が勢いよく流れ出し注ぎ口カバーを押し開く力が増すため、注ぎ口カバーが浄水の流出を阻害せず注ぎやすい浄水形状が得られる。しかし、収納スペースを取る形状となり不便である。また、注ぎ口上のカバーを別パーツとせず、フタの一部で注ぎ口上を覆うと、使用の度にフタの開閉を行う必要があり不便である。また、使用時に使用者がフタの開閉を行う必要がないよう、本体容器の注ぎ口が大きく切り欠かれ、本体容器を傾けるとその切り欠きから浄水が流れ出る形状になっているものもある。しかし、この形状は切り欠きが大きいために、保存状態においても浄水にホコリや異物が入りやすい問題がある。
【0028】
本実施形態においては、浄水を注ぐための傾斜部である注ぎ口42は浄水貯水部31から突き出して形成され、上端先端に切り欠き44を設けている。切り欠き44を設けることで注ぎ口42と注ぎ口カバー14との接触面積が小さくなる。
【0029】
注ぎ口上端が濡れている場合も、本体容器と注ぎ口上のカバーの張り付き力が小さくなるため、浄水を注ぐ際に、注ぎ口カバー14の開閉がスムーズになる。また注ぎ口カバー14が十分に開いていない注ぎ始めも、切り欠き44を通して浄水が流れ出るため、切り欠き44がない場合よりも浄水が勢いよく流れ出し、その勢いで注ぎ口カバー14が開きやすくなる効果がある。浄水が注ぎ口上のカバーに溜まった後、注ぎ口カバー14が突然開いて一気に浄水が出る問題も解消でき、本体容器11の注ぎ口42を大きく突き出して形成する必要がなくなるため省スペースの設計が可能となる。切り欠き44は特に、注ぎ口42と注ぎ口カバー14の接触面積の低減と、注ぎ始めの浄水流路確保が目的であるため、フタの一部で注ぎ口上を覆う形状ほど大きく切り欠く必要がなく、特に切り欠き44の最大幅Dと最大高さHが0.1<H/D<10であると、上記目的と、保存時の異物混入防止のどちらも満たすことができ、望ましい。さらに切り欠き44は本体容器11を注ぎ口42側から見て略三角形もしくは略半円であると、浄水の流れ出る勢いが高まるためより望ましい。
【0030】
図8〜13を用いてロート12について説明する。図8は本発明の一実施形態に係るロートの上面図、図9は本発明の一実施形態に係るロートの正面図、図10は本発明の一実施形態に係るロートの正面断面図、図11本発明の一実施形態に係るロートの下面図である。
【0031】
ロート12は底面と側面で構成され、底面にカートリッジを挿入するためのカートリッジ嵌合部32を有するプラスチック容器であり、上部外側で本体容器11と、上部内側でフタ13と嵌合する。材料は透明性に優れるポリスチレンを使用しているため、水道水のろ過状態が確認しやすい。ポリプロピレンやAS樹脂、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレン、ABS樹脂などであっても良い。
【0032】
ロート12は本体容器11と本体容器嵌合部45で嵌合する。本体容器嵌合部45には外側に突き出す凸で本体容器嵌合リブ46がある。本体容器嵌合リブ46の厚みを調整して本体容器11との嵌合強度を高めているので、フタ13を外す際にロート12と本体容器11の固定が維持され使いやすい。本体容器嵌合リブ46を持ち手部41側に設けているので注ぎ口側の本体容器11とロート12がしっかり嵌合しており、隙間から漏れ出ることなく、浄水を安定して注ぐことができる。本体容器嵌合リブ46の変わりに、ロートに凸部を、本体容器に凹部を設けて、かみ合わせるようにすればさらに嵌合強度が高まる。
【0033】
ロート12とフタ13は、ロートのフタ嵌合部47およびフタのロート嵌合部49の全周を利用して嵌合させている。ロート12の一部に寸法管理用直線部48を設けておくと、ノギスなど接触機器で寸法が容易かつ精度良く測定することができ好ましい。
【0034】
ロート12の上端外形は、図12のように上面から見て本体容器11の注ぎ口42を略円形に開放する形状になっている。略円形の空間とすることで、流出する浄水のまとまりを良くし、注ぎ口カバー14の大きさや形状に関係なく注ぎやすい浄水形状を得ることができる。例えば、注ぎ口カバー14が幅広い形状であった場合、ロート12の外形が略円形の空間を設けることができない形状であると、浄水は注ぎ口カバー14と同じ幅広い形状で流出する。ロート12により図11のように略円形の空間を設けると、浄水が略円形の断面を有して流出するため、注ぎ口カバー14の幅に影響されることなく注ぎやすいまとまりのある浄水を得ることが可能となる。
【0035】
ロート12の下方外形は、図11のように本体容器11の注ぎ口42側にあたる側面が、水平方向に窪んでいる。下方を窪ませることで、図13のように注ぎ口42との空間が大きくなり、浄水を一気に注ぐ場合もスムーズに流出できる効果がある。
【0036】
次にフタ13について図14〜20を用いて説明する。図14は本発明の一実施形態に係るフタの上面図、図15は本発明の一実施形態に係るフタの正面図、図16は本発明の一実施形態に係るフタの右側面図、図17は本発明の一実施形態に係るフタの正面断面図、図18は図17におけるB部分拡大図、図19は本発明の一実施形態に係るフタの下面図、図20は図19におけるC部分拡大図を示したものである。
【0037】
フタ13は注ぎ口カバー14および交換表示ダイヤル15を取り付けるプラスチック部材であり、材料にはハイインパクトポリスチレンを用いている。取り付ける部材が多く着脱を繰り返すため、成形精度が高く、かつ、割れたり欠けたりしない樹脂で形成させることが好ましく、ハイインパクトポリスチレンやABS樹脂が望ましい。その他にもポリプロピレンやAS樹脂、ポリスチレン、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエチレンなど使用可能である。
【0038】
フタ13は本体容器11の外周と略同一の外周を有する楕円状の平部材である。フタ13の天面一端には注ぎ口カバー接続部50があり、注ぎ口カバー14のフタ接続部66をフタ13の上から取り付けられるようになっている。注ぎ口カバー接続部50側に指をかけるための大きな天面凹部63があり、天面凹部63の注ぎ口カバー接続部50寄り底面には、交換表示ダイヤル(表示部材)15に設けたカートリッジ交換時期を見えるようにする表示窓52が楕円状に設けてある。裏面にはロート12と嵌合するロート嵌合部49が、薄いリブ状でフタ13を一周している。注ぎ口カバー接続部50と反対側には、ロート嵌合部49より外周に薄いリブ状の指掛部64を設けており、天面の天面凹部63と指掛部64でフタ13をつかめる形状になっている。裏面中央より注ぎ口カバー接続部50寄りには交換表示ダイヤル接続部51が軸で形成されている。軸は先端の径が軸中央部の径より大きく、放射状に4分割した形状で、軸中心方向にたわむことが可能であるため交換表示ダイヤル15の脱着を可能としている。交換表示ダイヤル15を取り付けた際、交換表示ダイヤル15を収納する交換表示ダイヤル収納部53を、リブ状の交換表示ダイヤル収納側面54で交換表示ダイヤル15全周を取り囲むことで構成しており、指掛部64側の交換表示ダイヤル収納側面54に交換表示ダイヤル15を取り外すための切り欠き55がある。
【0039】
フタ13はリブ状のロート嵌合部49全周でロート12と嵌合する。ロート嵌合部49の、フタ13の長手方向内側に寸法管理用直線部48を設けているため、ノギスなど接触機器で寸法が容易かつ精度良く測定することができる。
【0040】
フタ13は天面に大きな天面凹部63を有し、リブ状のロート嵌合部49より外側に指掛部64を有する。天面凹部63は深さが10mm程度で、指がかけられる。指掛部64は、外周面が本体容器11の外周面と略同一となるよう、本体容器11の持ち手部41側上端に設けられた半円状の切り欠き77に重なる位置に、フタ13の裏面から略鉛直下向きに半円状で形成される。指掛部64は本体容器11の外周より外側に位置しても良いが、切り欠き77に嵌り、外周面が本体容器11の外周面と同一となる形状としているためコンパクトであり収納しやすい本体が得られる。また、指掛部64は切り欠き77の上方のみに存在する形状でも良いが、切り欠き77とほぼ同じ大きさと形状を用いているため、指掛部64の面積が広くなり、フタを安定して支えることができる。
【0041】
フタ13の天面には指をかけるための大きな天面凹部63がある。フタ13が本体容器11の外形と略同一であり外周の段差が小さくフタ13に指をかけにくい形状の場合も、天面凹部63に指をかけることでフタ13の着脱が容易にできる。特に外周の段差が5mm以下の場合に効果がある。天面凹部63の側面を水平方向に窪ませることでより指をかけやすくする形状が考えられるが、フタ13を作る際必要な金型コストが高くなる問題がある。天面凹部63と指掛部64を有する形状にすることで、天面凹部63と指掛部64に指をかけフタ13を挟んで着脱できるため、天面凹部63の側面を水平方向に窪ませる必要がなくなる。金型コストを維持したままフタ13を容易に着脱できる形状を実現することが可能となる。指掛部64は指を当て添えフタ13を支持する部分であるため、最大幅10mm以上かつ最大高さ3mm以上であることが好ましい。幅はフタ13の天面に対し平行方向、高さはフタ13の天面に対し垂直方向とした。指掛部64の先端に向かうにつれ薄くなると金型からの離型性が向上するため生産性が良い利点がある。天面凹部63を指掛部64と同時に設ける場合、天面凹部63は幅10mm以上かつ深さ3mm以上あれば指をかけることができる。また、天面凹部63は凸形状でも同様の効果を得ることができる。凸形状の場合も幅10mm以上かつ高さ3mm以上あれば指をかけることができ、指掛部64と同時に設けることで凸形状の高さが小さくてもフタ13をつまむことができ、容量の確保も実現できる。
【0042】
注ぎ口カバー接続部50は、浄水が注ぎ口カバー14を押し開きやすいよう、軸と軸受けで接続する構造にしている。本実施形態では注ぎ口カバー14のフタ接続部66に軸受けを設けているが、フタ13の注ぎ口カバー接続部50に軸受けを設け、注ぎ口カバー14のフタ接続部66に軸を設けてもよい。
【0043】
交換表示ダイヤル接続部51は、交換表示ダイヤル(表示部材)15を取り付ける軸を有している。交換表示ダイヤル15はビスやキーなどの留め具を利用して取り付けてもよいが、嵌め合いで取り付ける方が材料費や組立費が少なく安価で好ましい。
【0044】
フタ13に表示窓52を設け、カートリッジの交換時期だけを表示する構造としているので交換時期が分かりやすく、スッキリした外観が得られている。表示窓52は穴を設けてもよいし、透明樹脂で窓を設けてもよい。
【0045】
交換表示ダイヤル収納部53を設け、交換表示ダイヤル収納部側面54で交換表示ダイヤル15を囲う構造としているので、フタ13の裏面についた水滴が交換表示ダイヤル15の上面にかかりにくく溜まらないため衛生的である。また外観がスッキリする効果も得られている。交換表示ダイヤル収納部側面54の一部に交換表示ダイヤル取り外し用切り欠き55を設けているので、交換表示ダイヤル収納部側面54で交換表示ダイヤル15を全周囲っても交換表示ダイヤル15の取り外しが容易に行える。交換表示ダイヤル収納部53内側に交換表示ダイヤル支持リブ78を2本設けているので、交換表示ダイヤル15の傾きを防止することができる。交換表示ダイヤル支持リブ78は複数本設けると、交換表示ダイヤル15の傾き防止効果がより高まる。
【0046】
フタ13と交換表示ダイヤル(表示部材)15を交換表示カレンダー58以外の位置で当接させることを目的とした交換表示ダイヤル保護リブ59を設けている。
【0047】
従来においては、交換月など日付を表すものには成形で文字を形成するものや印刷を施すものがある。しかし、成形で文字を形成すると、文字と土台を同じ樹脂で成形することになり、色が同じであるため文字が読みづらく、交換時期に気づかない問題がある。交換時期を明確にするため、二色成形で実施する場合も正確に文字だけを着色することは難しく生産性が低い問題が発生する。そこで、成形品に印刷を施す方法が一般的に用いられるようになった。しかし、ダイヤルの回動など部材を移動させる際、印刷した文字が磨耗により削り取られ読めなくなる問題が発生し、印刷を保護するためコーティングを実施する方法(特許文献4)が一般的となっている。しかし、コーティングを施すとコストが高くなり、液晶表示器をダイヤルに変更した利点が相殺される問題がある。
【0048】
本実施形態においては、交換表示ダイヤル15の回動操作による当接部の摩擦で交換表示カレンダー58が摩耗することを防ぐ効果がある。また、交換表示ダイヤル保護リブ59の断面形状を半円状にしているため、交換表示ダイヤル15と当接する部分が小さくなり、回動操作がスムーズにできる。
【0049】
次に図21と図22により注ぎ口カバー14について説明する。図21は本発明の一実施形態に係る注ぎ口カバーの正面図、図22は本発明の一実施形態に係る注ぎ口カバーの下面図を示したものである。
【0050】
注ぎ口カバー14は略三角形状の平らなプラスチック部材であり、略三角形状の一辺でフタ13に接続されている。フタ接続部66はフタ13の注ぎ口が取り付けられる接続部50の軸に対する軸受け形状であり、材料はハイインパクトポリスチレンを用いている。ポリプロピレンやABS樹脂などであっても良い。特にハイインパクトポリスチレンやABS樹脂は成形精度に優れるため軸や軸受けを精度良く製作することができる。また、ポリプロピレンは比重が軽いため浄水が注ぎ口カバー14を押し開けやすく、さらに粘性が高いため軸や軸受けが欠けにくく使用者が着脱しやすい効果がある。
【0051】
交換表示ダイヤル15について図23と図24と図25により説明する。図23は本発明の一実施形態に係る交換表示ダイヤルの上面図、図24は本発明の一実施形態に係る交換表示ダイヤルの正面断面図および正面図、図25は本発明の一実施形態に係る交換表示ダイヤルの下面図を示したものである。
【0052】
交換表示ダイヤル15は中央にくぼみがある円盤状の部材である。中央のくぼみは雫型で裏側から交換表示ダイヤル15を回動させるためのつまみ73になっている。フタ13の交換表示ダイヤル接続部51の軸を挿入し取り付けるためのフタ接続部70を、くぼみの中心に円筒形状で設けている。側面には複数の位置決め凹部71があり、くぼみの底面に、交換表示ダイヤル15内に入った水を抜くための水抜き穴72を設けている。円盤部の表面は交換時期表示面74とし交換時期カレンダー58がパッド印刷で施されている。裏面は使用開始時期表示面75として使用開始時期カレンダー61を0.3mm高さの刻印で表している。材料は成形精度が良いABS樹脂を使用しているが、その他、ポリプロピレンやハイインパクトポリスチレンなどであっても良い。
【0053】
交換表示ダイヤル15裏側につまみ73を設けているため、使用者が動かしやすい形状となっている。交換時期カレンダー58と使用開始時期カレンダー61はそれぞれ刻印を設けても印刷を施してもよい。交換時期カレンダー58に印刷を施すと使用者が見やすく使いやすい効果がある。一方で、使用開始時期カレンダー61は刻印で設けると、安価に製造できて良い。使用開始時期カレンダー61を0.3mm高さで設けているので、交換表示カレンダー58の印刷面に成形による凹凸の発生を予防しながら、読みとりやすい文字を実現することができる。
【0054】
交換時期は交換月、交換週、交換日などの表記方法があるが、交換時期を細分化して表記すると使用者に分かりやすい。使用開始時期も同様の理由により細分化することが好ましい。本実施形態の交換表示ダイヤルを大きな円盤にし、上面に交換時期を、裏側に使用開始時期をそれぞれ表すことで、交換時期および使用開始時期をより細分化して表示することができ、使用者に明確な時期を伝えられる効果がある。
交換表示ダイヤル15が位置するフタ13裏面の交換表示ダイヤル収納部側面54の内側に、交換表示ダイヤル15の側面に設けた複数の位置決め凹部71に嵌り、交換表示ダイヤル15の位置決めを行う位置決め凸部56を設け、位置決め凸部56の両サイドにスリット57を入れ、位置決め凸部56が交換表示ダイヤル15の回転に伴いたわむことが可能な形状としている。使用者は交換表示ダイヤル15を楽に回動させることができる。
【0055】
また位置決め凸部56と位置決め凹部71を半円状にしているため、交換表示ダイヤル15をさらに容易に回動させることができる。
位置決め凸部56と位置決め凹部71がかみ合い、交換表示ダイヤル15の位置決めを行う際、カートリッジの交換時期を示す各文字が表示窓52の位置で止まるよう配置している。使用者が交換表示ダイヤル15を回動させる際、カートリッジの交換時期を表示窓52から見える位置に容易に止められ、交換時期がずれることもなく使いやすい。
【0056】
さらに、交換表示ダイヤル収納部側面54の外側にスタート印62を設け、交換表示ダイヤル15の使用開始時期カレンダー61の使用開始日を示す文字をスタート印62に合わせると、図26のように表示窓52から搭載するカートリッジの寿命に対応したカートリッジの次回交換日が表示される構造になっている。使用者がカートリッジの寿命から次回交換日を算出する必要がなく、交換日を間違える心配がない。
【0057】
交換表示ダイヤル接続部51を先端の外径が軸中央部の外径より大きい軸形状としている。交換表示ダイヤル15のフタ接続部70はフタ13の交換表示ダイヤル接続部51に挿入可能な円筒形状で、先端の内径が円筒中央部の内径より小さい形状としているので、交換表示ダイヤル接続部51中央部の細径がフタ接続部70先端の小さい内径に嵌り、両部材がかみ合うので、交換表示ダイヤル15を回動させても外れる心配がない。また、フタ13の交換表示ダイヤル接続部51を放射状に4分割しているので、軸中心方向にたわむことが可能となり交換表示ダイヤル15の脱着が行える。
【0058】
水抜き穴72を設けているため交換表示ダイヤル15内に水道水が溜まることを防止でき、衛生的に保つ効果がある。また、フタ接続部70を分割し、分割スリットをくぼみの底面まで伸ばした形状にすることでも水抜き効果を得ることができる。
【0059】
カートリッジ2については、外メッシュ部材33、内メッシュ部材34、上開口メッシュ部材38に関しては、ろ材の粒径よりも細かいメッシュサイズのものを用いているので、ろ材充填部33への異物の流入、またろ材充填部33からのろ材の流出を防止できる。流量維持と衛生面から、メッシュクロスの材質はポリプロピレン、ポリエステルなどを原料とした撥水性の高い合成繊維からなる素材を用いる。
【0060】
キャップ21やろ過フィルタ22中の外メッシュ部材33、および内メッシュ部材34の樹脂部分、外側ケース23には、細菌の付着しにくい撥水性の高いポリプロピレンを用いる。抗菌剤を練りこんでいるので、樹脂への細菌付着が起こりにくく、細菌繁殖の可能性を低減できる。
【0061】
ろ材充填部33に充填する吸着材として、活性炭、ゼオライトなどの金属ケイ酸塩、ヒドロキシアパタイトなどのリン酸カルシウム、酸化チタン、イオン交換樹脂を含むイオン交換体、キレート樹脂のいずれかまたはそれらの組合せを使用する。長期間保管しておくと細菌の繁殖する恐れがあるため、抗菌剤である銀イオンを担持した銀添着活性炭、および/または銀イオンを担持するイオン交換体を含み、通水時に銀イオンを溶出させることがより好ましい。銀添着活性炭の形状は、球状、粉末状、粒状、繊維状、顆粒状、破砕状等のいずれでもよいが、中でも粉末状や粒状は単位体積あたりの吸着面積が大きいため好ましい。
【0062】
その他、形態は次のように変形させることもできる。
【0063】
本体容器11の持ち手部41にローレット目やシボなどの滑り止め加工を施しても良い。滑り止め加工を施しておくと、濡れた手での持ち運びや結露した状態での持ち運びにより、手を滑らせ本体を落下させてしまう可能性が低くなる。
【0064】
使用開始時期を示す文字をフタ13に印刷または刻印で表し、交換表示ダイヤル15には使用開始を示す印を設け、交換表示ダイヤル15の印をフタ13の使用開始時期を示す文字に合わせる構造であっても良い。
【0065】
交換表示ダイヤル保護リブ59は交換表示ダイヤル15に設けても良い。
【0066】
交換表示ダイヤル15の軸を分割し、フタ13の交換表示ダイヤル接続部51は分割しない形状であっても良い。
【0067】
交換表示ダイヤル支持リブ78は周形状で設けても良い。また、リブ形状に限らず、交換表示ダイヤル収納部側面54に段差で設けても良い。
【0068】
本体容器11とロート12の各嵌合面の一部に凸部を設け、ロート12の凸部が本体容器11の凸部より下に位置する形状とすると、本体容器11とロート12が使用中容易に外れることを防ぐことができる。
【0069】
ロート12とフタ13の各嵌合面の一部に凸部を設け、フタ13の凸部がロート12の凸部より下に位置する形状とすると、ロート12とフタ13が使用中容易に外れることを防ぐことができる。
【0070】
表示部材の移動と位置決めは、表示部材もしくはフタ13の一方をたわませることで実現可能となる。したがって、表示部材に位置決め凸部56を設けフタ13に位置決め凹部71を設けても良い。
【0071】
表示部材とフタ13に設ける位置決め凸部と位置決め凹部の形状も、半円状に限らず三角や棒状であるなど、様々な形状を用いることが可能であり、クリック感や位置決め精度を調整することができる。クリック感を高めるために、バネと球状部材を用い、バネをたわませることで交換表示ダイヤル15の回動と位置決めを行ってもよい。
【0072】
位置決めを行った表示部材がしっかり固定されるように、ストッパー機構を追加しても良い。
【0073】
表示部材について、円盤状部材の回動に限る必要はなく、交換時期カレンダー58と使用開始時期カレンダー61が一列に並んだ長方形形状であり、文字列と同方向に直線的に移動するなど、往復運動する構造形態などであっても良い。
【0074】
表示部材上の交換時期カレンダー58を印刷と点字で表すと、健常者だけでなく視覚障害者にもカートリッジの交換時期が分かりやすい利点がある。
【0075】
指掛部64は指を当て添えることが可能な面を有せば良く、長方形や略三角形など形状であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明は、ポット型浄水器に限らず、蛇口直結型や据え置き型の浄水器などにも応用することができるが、その応用範囲が、これらに限られるものではない。
【符号の説明】
【0077】
1 本体部
2 カートリッジ
11 本体容器
12 ロート
13 フタ
14 注ぎ口カバー
15 交換表示ダイヤル(表示部材)
21 キャップ
22 ろ過フィルタ
23 外側ケース
31 浄水貯水部
32 カートリッジ嵌合部
33 外メッシュ部材
34 内メッシュ部材
35 原水集水部
36 ろ材充填部
37 上部開口部
38 上開口部メッシュ部材
41 持ち手部
42 注ぎ口
43 水平断面凹部
44 切り欠き部
45 本体容器嵌合部
46 本体容器嵌合リブ
47 フタ嵌合部
48 寸法管理用直線
49 ロート嵌合部
50 注ぎ口カバー接続部
51 交換表示ダイヤル接続部
52 表示窓
53 交換表示ダイヤル収納部
54 交換表示ダイヤル収納部側面
55 交換表示ダイヤル取り外し用切り欠き
56 位置決め凸部
57 スリット
58 交換時期カレンダー
59 交換表示ダイヤル用保護リブ
61 使用開始時期カレンダー
62 スタート印
63 フタ天面凹部
64 指掛部
65 持ち手位置
66 フタ接続部
67 注水部
68 注水部先端
69 切り欠き
70 フタ接続部
71 位置決め凹部
72 水抜き穴
73 つまみ
74 交換時期表示面
75 使用開始時期表示面
76 水平断面凹部に隣接する凸部
77 持ち手部上端の切り欠き
78 交換表示ダイヤル支持リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状の本体容器と、該本体容器の開口を覆うフタと、ろ材を収納するカートリッジとを備えたポット型浄水器であって、前記フタの裏面に表示部材が取り付けられ、前記表示部材の一方の面に前記カートリッジの使用開始時期を表す文字が、他方の面に前記カートリッジの交換時期を表す文字が印刷または刻印され、前記表示部材の外周面に複数の位置決め凹部が設けられ、前記フタには位置決め凸部が設けられ、前記位置決め凹部と前記位置決め凸部が嵌ったときに、前記フタの表示窓から前記交換時期を表す文字が視認可能であることを特徴とするポット型浄水器。
【請求項2】
前記位置決め凸部が、該位置決め凸部の高さ方向に変位することを特徴とする請求項1に記載のポット型浄水器。
【請求項3】
前記位置決め凸部の近傍にスリットを設けることを特徴とする請求項1または2に記載のポット型浄水器。
【請求項4】
有底筒状の本体容器と、該本体容器の開口を覆うフタと、ろ材を収納するカートリッジとを備えたポット型浄水器であって、前記フタの裏面に表示部材が取り付けられ、前記表示部材の一方の面に前記カートリッジの使用開始時期を表す文字が、他方の面に前記カートリッジの交換時期を表す文字が印刷または刻印され、前記表示部材の外周面に複数の位置決め凸部が設けられ、前記フタには位置決め凹部が設けられ、前記位置決め凸部と前記位置決め凹部が嵌ったときに、前記フタの表示窓から前記交換時期を表す文字が視認可能であることを特徴とするポット型浄水器。
【請求項5】
前記位置決め凹部が、該位置決め凹部の高さ方向に変位することを特徴とする請求項3に記載のポット型浄水器。
【請求項6】
前記位置決め凹部の近傍にスリットを設けることを特徴とする請求項4または5に記載のポット型浄水器。
【請求項7】
前記フタに印を設け、前記表示部材に印刷または刻印された文字のうち、前記カートリッジの使用開始時期に当たる文字を前記フタの印に合わせると、前記フタの表示窓に前記カートリッジの交換時期を表す文字が表示されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のポット型浄水器。
【請求項8】
前記位置決め凸部および前記位置決め凹部の形状が、円弧状または三角形状であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のポット型浄水器。
【請求項9】
前記表示部材が前記フタに対して回動することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のポット型浄水器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2010−162512(P2010−162512A)
【公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−8573(P2009−8573)
【出願日】平成21年1月19日(2009.1.19)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】