浄水装置
【課題】保管場所の自由度を向上させることのできる浄水装置を得る。
【解決手段】原水を貯留する原水室S1と、原水を浄水部90にて浄化することで得られた浄水を貯留する浄水室S2と、が形成された浄水器本体10を備え、当該浄水器本体10の底壁24を下にした状態で載置可能な浄水装置1であって、浄水器本体10の底壁24以外の部位に載置部22を設け、当該載置部22を下にした状態で浄水装置1を載置できるようにした。
【解決手段】原水を貯留する原水室S1と、原水を浄水部90にて浄化することで得られた浄水を貯留する浄水室S2と、が形成された浄水器本体10を備え、当該浄水器本体10の底壁24を下にした状態で載置可能な浄水装置1であって、浄水器本体10の底壁24以外の部位に載置部22を設け、当該載置部22を下にした状態で浄水装置1を載置できるようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浄水装置として、上側に位置する原水貯留部と、下側に位置する浄水貯留部と、原水貯留部と浄水貯留部との間に介在する浄水カートリッジと、を備えた、いわゆるポット型の浄水装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載の浄水装置では、原水貯留部側に貯留した原水が自重により浄水カートリッジを通過することで浄化され、原水を浄水カートリッジにて浄化することで得られた浄水が浄水貯留部に流下して当該浄水貯留部に貯留される。
【0004】
そして、このポット型の浄水装置は、浄水貯留部に浄水を貯留した状態で冷蔵庫等に保管できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−230335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、かかる従来の浄水装置は、容器の底壁を下にした状態で冷蔵庫のサイドポケットや野菜収納室等に収納する構造をしているため、冷蔵庫の種類によっては収納できない可能性がある。
【0007】
そこで、本発明は、保管場所の自由度を向上させることのできる浄水装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明にあっては、原水を貯留する原水室と、原水を浄水部にて浄化することで得られた浄水を貯留する浄水室と、が形成された浄水器本体を備え、当該浄水器本体の底壁を下にした状態で載置可能な浄水装置であって、前記浄水器本体の底壁以外の部位に載置部を設け、当該載置部を下にした状態で載置できるようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明にあっては、請求項1に記載の浄水装置において、前記載置部の載置面を平面状に形成したことを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明にあっては、請求項1または請求項2に記載の浄水装置において、前記浄水器本体には、原水を前記原水室に注入する給水口および前記浄水を外部に注出する注水口が形成されるとともに、前記浄水装置は、前記給水口および注水口を塞ぐ蓋を備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明にあっては、請求項3に記載の浄水装置において、前記浄水器本体は、前記原水室と前記浄水室とを区画する内壁を備え、前記蓋には、前記注水口と前記浄水室との連通を解除可能に封止する第1の封止部が設けられるとともに、前記内壁と前記蓋との間には、当該内壁と蓋との間の隙間を解除可能に封止する第2の封止部が設けられており、前記蓋が前記給水口および注水口を塞いだ時には、前記第1の封止部により前記注水口と前記浄水室との連通が封止されるとともに、前記第2の封止部により前記内壁と前記蓋との間の隙間が封止されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明にあっては、請求項4に記載の浄水装置において、前記蓋が前記浄水器本体に螺合されるとともに、当該蓋を開方向に回動させた際に、まず前記第1の封止部による封止が解除され、次に前記第2の封止部による封止が解除されるようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明にあっては、請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の浄水装置において、前記浄水器本体の前記原水室と前記浄水室とを区画する内壁に、前記原水室と前記浄水室とを連通する第1の連通穴が設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明にあっては、請求項6に記載の浄水装置において、前記第1の連通穴は、前記原水室に許容原水貯留容量の上限まで原水を貯留した状態で前記載置部を下にして前記浄水装置を載置した際に、原水室に形成される水面よりも上方に位置するように設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明にあっては、請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の浄水装置において、前記蓋に、前記原水室と外部とを連通する第2の連通穴が設けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明にあっては、請求項8に記載の浄水装置において、前記第2の連通穴は、前記原水室に許容原水貯留容量の上限まで原水を貯留した状態で前記載置部を下にして前記浄水装置を載置した際に、原水室に形成される水面よりも上方に位置するように設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項10の発明にあっては、請求項1〜9のうちいずれか1項に記載の浄水装置において、前記浄水部は、前記浄水室に浄水を吐出する吐出口を有し、前記吐出口が、前記原水室の許容原水貯留容量の上限と同量の浄水を前記浄水室に貯留した状態で前記載置部を下にして前記浄水装置を載置した際に、浄水室に形成される水面よりも上方に位置するように配置されていることを特徴とする。
【0018】
請求項11の発明にあっては、請求項1〜10のうちいずれか1項に記載の浄水装置において、前記浄水器本体は、前記浄水室が形成される外容器と、前記原水室が形成され、前記外容器に取り外し可能に取り付けられる内容器と、を備えていることを特徴とする。
【0019】
請求項12の発明にあっては、請求項11に記載の浄水装置において、前記外容器および内容器には、互いに係合して外容器に対する内容器の相対回動を規制する係合部がそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0020】
請求項13の発明にあっては、請求項4に記載の浄水装置において、前記浄水器本体には、前記第1の封止部により外部との連通が封止されるとともに、当該第1の封止部による前記注水口と前記浄水室の封止が解除された状態で、前記浄水室と外部とを連通する第3の連通穴が形成されていることを特徴とする。
【0021】
請求項14の発明にあっては、請求項5に記載の浄水装置において、前記蓋には、前記給水口および注水口を塞いだ際に平面視で前記浄水器本体の輪郭内に収まるとともに、当該蓋を開方向に回動させた際に平面視で前記輪郭からはみ出す延出部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の発明によれば、浄水器本体の底壁以外の部位に載置部を設け、当該載置部を下にした状態で浄水装置を載置できるようにしたため、冷蔵庫などへ収納する際の収納場所の選択性を広げることができる。すなわち、浄水装置の保管場所の自由度を向上させることができる。
【0023】
請求項2の発明によれば、載置部の載置面を平面状にすることで、載置部を下にした状態で浄水装置を載置した際に、浄水装置ががたついてしまうのを抑制することができる。
【0024】
請求項3の発明によれば、浄水装置が、原水を原水室に注入する給水口および浄水を外部に注出する注水口を塞ぐ蓋を有するため、載置部を下にした状態で浄水装置を載置した際に、浄水器本体内部の水が外部に洩れてしまうのを抑制することができる。
【0025】
請求項4の発明によれば、蓋が給水口および注水口を塞いだ時に、第1の封止部により注水口と浄水室との連通が封止されるとともに、第2の封止部により内壁と蓋との間の隙間が封止されるようにしたため、載置部を下にした状態で浄水装置を載置した際に、浄水器本体内部の原水と浄水とが混合してしまうのを抑制することができる。また、浄水後に蓋をすれば、原水室と浄水室の圧力をほぼ同圧とすることができるため、浄水が原水室内に逆流してしまうのを抑制することができるようになる。
【0026】
請求項5の発明によれば、蓋を浄水器本体に螺合させることで、蓋の浄水器本体からの抜け防止を図ることができる。また、蓋を開方向に回動させた際に、まず第1の封止部による封止が解除され、次に第2の封止部による封止が解除されるようにしたため、蓋を、第1の封止部による封止は解除されているが第2の封止部による封止は解除されていない状態にすれば、原水が浄水に混合するのを抑制しつつ、浄水を注水口から注出させることができる。すなわち、蓋を浄水器本体から外すことなく浄水を吐水させることが可能となる。
【0027】
請求項6の発明によれば、浄水器本体の原水室と浄水室とを区画する内壁に、原水室と浄水室とを連通する第1の連通穴を設けることで、原水を原水室に注入した際に、原水室と浄水室とを第1の連通穴によってほぼ同圧とすることができるため、蓋で給水口および注水口を塞いだ状態のときに、浄水流量が低下してしまうのを極力抑制することができる。その結果、蓋で給水口および注水口を塞いだ状態で浄水を行うことが可能となるため、後から蓋をする必要がなくなり作業効率を向上させることができる。さらに、大気中のごみ(浮遊物)が浄水器本体内に進入してしまうのを極力避けることが可能となって浄水部の長寿命化を図ることが可能となる。
【0028】
請求項7の発明によれば、第1の連通穴を、原水室に許容原水貯留容量の上限まで原水を貯留した状態で載置部を下にして浄水装置を載置した際に、原水室に形成される水面よりも上方に位置するように設けることで、浄水後に、載置部を下にした状態で浄水装置を載置した際に、原水室内の原水が第1の連通穴から浄水室内に流入してしまうのを抑制することができる。
【0029】
請求項8の発明によれば、蓋に、原水室と外部とを連通する第2の連通穴を設けることで、外部から原水室内に空気を取り込むことができるため、原水を原水室に注入した際に、浄水流量が低下してしまうのを極力抑制することができる。すなわち、蓋で給水口および注水口を塞いだ状態のときに、浄水流量が低下してしまうのを極力抑制することが可能となり、蓋で給水口および注水口を塞いだ状態で浄水を行うことができるようになる。また、後から蓋をする必要がなくなり作業効率を向上させることができる。さらに、大気中のごみ(浮遊物)が浄水器本体内に進入してしまうのを極力避けることが可能となって浄水部の長寿命化を図ることが可能となる。
【0030】
請求項9の発明によれば、第2の連通穴を、原水室に許容原水貯留容量の上限まで原水を貯留した状態で載置部を下にして浄水装置を載置した際に、原水室に形成される水面よりも上方に位置するように設けることで、浄水後に、載置部を下にした状態で浄水装置を載置した際に、原水室内の原水が第2の連通穴から外部に漏れ出てしまうのを抑制することができる。
【0031】
請求項10の発明によれば、浄化部の吐出口を、原水室の許容原水貯留容量の上限と同量の浄水を浄水室に貯留した状態で載置部を下にして浄水装置を載置した際に、浄水室に形成される水面よりも上方に位置するように配置したため、載置部を下にして浄水装置を載置した際に、原水と浄水とが浄化部を通じて混合されてしまうのを抑制することができる。
【0032】
請求項11の発明によれば、浄水器本体は、浄水室が形成される外容器と、原水室が形成され、外容器に取り外し可能に取り付けられる内容器と、を備えるため、浄水器本体をより容易に洗浄することができるようになる。
【0033】
請求項12の発明によれば、外容器および内容器に、互いに係合して外容器に対する内容器の相対回動を規制する係合部を設けることで、蓋を回動させて取り外す時に、内容器が蓋とともに回動してしまうのを抑制することができ、蓋の開け閉めを容易に行うことができる。
【0034】
請求項13の発明によれば、浄水器本体に、第1の封止部により外部との連通が封止されるとともに、当該第1の封止部による注水口と浄水室の封止が解除された状態で、浄水室と外部とを連通する第3の連通穴を形成したため、浄水注水時には、第3の連通穴によって外部より空気を吸引しやすくなり、安定した吐水状態を保つことが可能となる。
【0035】
請求項14の発明によれば、蓋に、給水口および注水口を塞いだ際に平面視で浄水器本体の輪郭内に収まるとともに、当該蓋を開方向に回動させた際に平面視で浄水器本体の輪郭からはみ出す延出部を設けることで、蓋で給水口および注水口を塞いでいない状態になっているときの位置関係を明確に把握することができ、蓋で給水口および注水口を塞いでいない状態で、載置部を下にして浄水装置を載置してしまうのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態にかかる浄水装置を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態にかかる浄水装置を載置部を下にして載置した状態を示す斜視図である。
【図3】図3は、本発明の第1実施形態にかかる浄水装置を底壁を下にして載置させた状態を示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の第1実施形態にかかる浄水装置を載置部を下にして載置させた状態を示す断面図である。
【図5】図5は、本発明の第1実施形態にかかる浄水装置の蓋を示す側面図である。
【図6】図6は、本発明の第1実施形態にかかる浄水装置の注ぎ部、原水室、浄化室の封止状態を示す図であって、(a)は、蓋を閉じた状態を示す拡大断面図、(b)は、蓋を半開させた状態を示す拡大断面図である。
【図7】図7は、本発明の第1実施形態にかかる蓋を半開させた浄水装置の上部を示す断面図である。
【図8】図8は、図7のA−A断面図である。
【図9】図9は、本発明の第1実施形態にかかる蓋を閉じた浄水装置を示す平面図である。
【図10】図10は、本発明の第1実施形態にかかる蓋を半開させた浄水装置を示す平面図である。
【図11】図11は、本発明の第2実施形態にかかる浄水装置を底壁を下にして載置させた状態を示す断面図である。
【図12】図12は、本発明の第2実施形態にかかる浄水装置を載置部を下にして載置させた状態を示す断面図である。
【図13】図13は、本発明の第2実施形態にかかる蓋を閉じた浄水装置の注ぎ部を示す拡大断面図である。
【図14】図14は、本発明の第3実施形態にかかる浄水装置を底壁を下にして載置させた状態を示す断面図である。
【図15】図15は、本発明の第3実施形態にかかる浄水装置を載置部を下にして載置させた状態を示す断面図である。
【図16】図16は、本発明の第4実施形態にかかる蓋を閉じた浄水装置を示す平面図である。
【図17】図17は、本発明の第4実施形態にかかる蓋を半開させた浄水装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、浄水装置として浄水器を例示する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。また、以下の実施形態においては、浄水器本体の注水部が突設された方向を浄水器の前方として説明する。
【0038】
(第1実施形態)
本実施形態にかかる浄水器(浄水装置)1は、ポット型浄水器として構成されている。本実施形態では、この浄水器1は、図3に示すように、水道水等の原水を供給して一旦貯留させておく原水室S1と、原水を浄水カートリッジ(浄水部)90にて浄化することで得られた浄水を貯留する浄水室S2と、が形成された浄水器本体10を備えている。さらに、本実施形態では、浄水器1は、原水室S1と浄水室S2とを区画する内壁(本実施形態では、後述する内容器70)の底部に装着される浄水カートリッジ90と、原水を原水室S1に注入する給水口72aおよび浄水を外部に注出する注水口53aを塞ぐことが可能な蓋80と、を備えている。
【0039】
そして、浄水器1は、浄水器本体10の底壁(本実施形態では、外容器20の底壁24)を下にした状態で載置可能に構成されている。このように浄水器本体10の底壁を下にして浄水器1を載置した状態で、原水室S1内に原水を注入すると、当該原水室S1内に貯留される原水が自重により浄水カートリッジ90を通過して浄水室S2内に流下し、浄水が浄水室S2内に貯留されることになる。すなわち、本実施形態にかかる浄水器1では、浄水カートリッジ90内にて原水が浄化されるようになっている。
【0040】
また、本実施形態では、浄水器1を注水口53aが下方となるように傾倒させることで(図3では浄水器1を時計回り方向に傾倒させることで)、浄水室S2内に貯留された浄水を、通路13を経て注水口53aから排出させるようになっている。
【0041】
この通路13は、浄水室S2から上方に延設されるように形成され、浄水を注ぐ際の注ぎ路として機能している。
【0042】
浄水器本体10は、上端に開口52aが形成された有底筒型の外容器20と、外容器20の上方から開口52aに挿入されて外容器20内に取り外し可能に取り付けられ、上端に原水を注入する給水口72aが形成されるとともに、底壁(本実施形態では、下部縮径部73の奥壁73a)に開口73bが形成された略筒型の内容器70と、を備えている。
【0043】
外容器20は、図1に示すように、前方に向けて膨出した曲面状の前側壁部21と、略平坦面状の後側壁部22と、左右の側壁部23、23とで、側壁が構成されており、当該側壁と、底壁24と、天壁25とで略箱状に形成されている。
【0044】
さらに、本実施形態では、左右の両側壁部23、23には、当該両側壁部23、23を外容器20の内側に向けて凹設させた凹部23a、23aが形成されており、使用者が把持し易いようになっている。
【0045】
また、外容器20は、上端が開口した略有底筒状のロワーケース60と、上述の開口52aが形成され、下端が開口したアッパーケース30と、を備えており、ロワーケース60とアッパーケース30とを結合することで形成されている。
【0046】
具体的には、ロワーケース60の上端部外周にアッパーケース30の下端部内周を超音波溶着等により接合することで、ロワーケース60とアッパーケース30とを液密構造をもって固定している。
【0047】
アッパーケース30は、図3に示すように、天壁50と、ロワーケース60の上端に結合される側壁40と、を備えており、天壁50には、蓋80を取り付けるための取付部51が上方に突設されている。
【0048】
取付部51は、天壁50から上方に向けて略筒状に立設されており、当該取付部51の内周面51aには、図示せぬ雌ねじ部が形成されている。
【0049】
また、取付部51の下部内周側には、図3に示すように、略水平に延設された内側リブ52が形成されており、当該内側リブ52の内周側には、内容器70を挿入するための開口52aが形成されている。
【0050】
また、図8に示すように、内側リブ52の後部には、内容器70を位置決めする突起部(係合部)52bが形成されており、この突起部52bには、空気孔(第3の連通孔)52cが形成されている。
【0051】
さらに、内側リブ52の前部には、内容器70を取り付けた状態で通路13と注水口53aとが連通するように、切欠部52dが形成されている。
【0052】
また、天壁50の前部には、前方に向かうにつれて幅狭となる先細り状の注水部53が突設されており、この注水部53の上方開口が注水口53aとなっている。
【0053】
また、図1に示すように、天壁50の後部には、表示部取付用の凹部54が形成されており、この凹部54に表示部としてのカレンダ目盛54cが回動自在に設けられている。
【0054】
本実施形態では、カレンダ目盛54cは、図9および図10に示すように、略円筒状をしており、このカレンダ目盛54c表面には1から12までの数字(月を表している)が描かれている。
【0055】
そして、天壁50の後部表面には、浄水カートリッジ設置時期を示す矢印54aおよび浄水カートリッジ交換時期を示す矢印54bが形成されている。
【0056】
本実施形態では、浄水カートリッジの寿命が約4ヶ月のものを用いた場合を例示(図9および図10参照)しており、10月に新しい浄水カーリッジ90を装着した場合には、目盛54cを回動させて、図9に示すように、矢印54aがカレンダ目盛54cの10の表記を指し示すようにする。このようにカレンダ目盛54cをセットすると、矢印54bがカレンダ目盛54cの2の表記を指し示すこととなり、このカレンダ目盛54cを見ることで、今回装着した浄水カーリッジ90の交換時期が翌年の2月であることを容易に確認できるようになっている。
【0057】
内容器70は、上端が開口した略筒状をしており、この内容器の内部が原水室となるとともに、上端開口が原水を給水する給水口72aとなっている。この内容器70は、外容器20の約半分程度の深さで形成してあり、外容器20の上半部に対して通路13を除く部分でほぼ隙間なく嵌合することで、内容器70内に原水室S1を形成している。
【0058】
本実施形態では、この内容器70は、図3に示すように、周壁の上部に上側段部71aを形成するとともに、側壁部71の下部に下側段部71bを形成することで、側壁部71、上部拡径部72,下部縮径部73が形成されている。
【0059】
また、本実施形態では、この側壁部71、上部拡径部72,下部縮径部73は、それぞれ、下方に向かうにつれて縮径するテーパ状に形成されている。
【0060】
側壁部71の外周には内側に向けて凹設した凹部(係合部)71dが形成されており、この凹部71dは、側壁部71の軸方向(上下方向)に延在している。また、本実施形態では、この凹部71dは、図8に示すように、互いに対向する位置に2箇所設けられている。そして、内容器70を外容器20に取り付けた際に、この凹部71dに内側リブ52の突起部52bを係合させることで、突起部52b内容器70の外容器20に対する相対回動を規制している。
【0061】
すなわち、内容器70の凹部71dと外容器20の突起部52bとが互いに係合して外容器20に対する内容器70の相対回動を規制する係合部に相当する。
【0062】
また、図7に示すように、側壁部71の上部外周にはリブ71eが設けられており、このリブ71eを内側リブ52に上方から載置することで、内容器70が外容器20に取り付けられるようにしている。
【0063】
上部拡径部72の外周面72bには、略水平方向に延在する突条72cが2本突設されており、当該2本の突条72cの間に形成された溝72d内にOリング(第2の封止部)72eが嵌め込まれている。
【0064】
また、下部縮径部73は、下方に向けて凹設された略円筒状をしており、この下部縮径部73に、略円筒状の浄水カートリッジ90が、上方から奥まで差し込まれて嵌着されるようになっている(図3参照)。また、下部縮径部73の奥壁73aには、開口73bが形成されている。
【0065】
蓋80は、本実施形態では、ねじ式の蓋であり、この蓋80を取り外すと給水口72aが開口して、水道水などの原水を原水室S1内に注入できるようになっているとともに、外容器20と内容器70とで構成される通路13と、注水口53aと、が開口する構成をしている。
【0066】
この蓋80は、図5に示すように、給水口72aを塞ぐ蓋本体部81と、蓋本体81に設けられ、蓋80を把持するための取手82と、注水口53aを塞ぐ鍔部83と、を備えている。
【0067】
蓋本体部81には、下方に開口する略筒状の取付筒85が突設されており、この取付筒85の外周86には、上述の取付部51の内周面51aに形成された雌ねじ部と螺合する雄ねじ部86aが形成されている。
【0068】
さらに本実施形態では、雄ねじ部86aの間に形成されたねじ溝86bには、突起86cおよび2本の突条86dが形成されている(図5参照)。そして、蓋80と浄水器本体10の位置関係が図9に示す全閉位置や、図10に示す半開位置となるときに、突起86cを取付部51の雌ねじ部に形成された2本の突条間に収めるとともに、取付部51の雌ねじ部に形成された突起を2本の突条86d間に収めるように設計することで、蓋80の全閉状態や半開状態において蓋80が相対回動してしまうのを抑制できるようにしている。このとき、突起が突条を乗り越えるため、クリック感を生じさせることができ、蓋80の全閉状態や半開状態を容易に確認することができるようになっている。
【0069】
また、蓋本体部81の取付筒85の下端部には、図5に示すように、蓋80の全閉状態で内側リブ52に当接する封止部(第1の封止部)84が全周に亘って設けられている。そして、図6(a)に示すように、蓋80の全閉状態では、この封止部84によって通路13と注水口53aとの連通が封止されるようになっている。なお、この封止部84は、蓋80に設けられているため、蓋80を浄水器本体10に対して開方向(図9において時計回り方向)に回動させると、蓋80とともに上昇して内側リブ52との当接が解除されることとなる(図6(b)参照)。すなわち、封止部84は、通路13と注水口53aとの連通を封止することができるとともに当該封止を解除することができるように構成されている。
【0070】
また、本実施形態では、雄ねじ部86aを取付部51の雌ねじ部に螺合させながら蓋80を徐々に閉じていくと、上部拡径部72の外周面と取付筒85の内周面87との間の隙間が、Oリング72eによって封止されるようになっている。
【0071】
具体的には、図7に示すように、取付筒85の内径が上部拡径部72の突条72c部分の外径と略等しくなるように、取付筒85および上部拡径部72を形成するとともに、取付筒85の内周面87に、内周面87下部の内径が増加するように段差部87aを設けることで、蓋80を徐々に閉じる際の初期段階では、内周面87下部とOリング72eとの間に隙間が形成されるようにし、蓋80を徐々に閉じていくと、段部取付筒85の内周面87とOリング72eとが当接し、上部拡径部72の外周面と取付筒85の内周面87との間の隙間が封止されるようにしている。
【0072】
このように、本実施形態では、浄水器1は、蓋80が給水口72aおよび注水口53aを塞いだ時には、封止部84により注水口53aと浄水室S2との連通が封止されるとともに、Oリング72eにより内容器70と蓋80との間の隙間が封止されている状態となる(図6(a)参照)。
【0073】
そして、蓋80を開方向に回動させた際には、まず封止部84による封止が解除され(図6(b)参照)、次にOリング72eによる封止が解除されるようになっている。
【0074】
なお、段差部87aが形成される位置(取付筒85の内周面における上下方向の位置)を適宜変更することで、上部拡径部72の外周面と取付筒85の内周面87との間の隙間の封止時期(蓋80をどの程度閉めた状態で封止されるか)を変更することができる。
【0075】
また、本実施形態では、鍔部83が注水口53aを塞いだ際には、当該鍔部83は、平面視で浄水器本体10の輪郭内に収まるとともに、蓋80を開方向に回動させた際に平面視で浄水器本体10の輪郭からはみ出すようにしている(図9および図10参照)。こうすれば、鍔部83の状態を見るだけで、蓋80が全閉状態か否かを容易に確認することができる。
【0076】
浄水カートリッジ90は、図3に示すように、内部に充填してある吸着剤(図示せず)の吸着作用によって原水を浄化する上流側の吸着室S4と、内部に充填してある濾過体(図示せず)の濾過作用によって吸着室S4を通過した水をさらに浄化する下流側の濾過室S3と、を備えている。さらに、本実施形態では、この浄水カートリッジ90は、内部に充填してあるミネラル剤(図示せず)のミネラル成分を水に添加するミネラル添加室S5を備えている。
【0077】
本実施形態では、濾過室S3および吸着室S4は、上下端が開口した略円筒状の濾過容器92内に中空糸膜等の濾過体を充填し、上端が開口した略有底筒状の吸着容器91の底壁91bから下方に延設された奥壁91c内に濾過容器92の下端部92aを嵌合させ、さらに、内側の濾過容器92の周壁と外側の吸着容器91の周壁との間に活性炭等の吸着剤を充填させることで形成されている。
【0078】
なお、奥壁91cの底壁中央には、奥壁91cに嵌合される濾過容器92の下端開口に対して上下に所定空間を介して対向する吐出口91eが形成されている。
【0079】
また、奥壁91cの外周面にはOリング95が嵌め込まれており、このOリング95を介して奥壁73aと奥壁91cとを密着させている。なお、濾過容器92の下端部92aの外周面にはOリング96が嵌め込まれており、このOリング96を介して濾過容器92の下端部92aと奥壁91cとを密着させている。
【0080】
また、濾過容器92の周壁には、濾過室S3とこれを囲む外周側の吸着室S4とを連通させる連通孔92bが複数設けられている。
【0081】
ミネラル添加室S5は、上端が開口した有底筒状を成すとともにその外底壁中央に上方に凹んだ凹段部93aが設けられたミネラル容器93の当該凹段部93a内に濾過容器92の上端部を嵌合係止させ、ミネラル容器93内にカルシウム剤等である粒状のミネラル剤を充填させ、このミネラル容器93の上方から、下端が開口したキャップ状の上カバー94を被せ、上カバー94のフランジ94cを吸着容器91のフランジ91dと係合させることで形成される。そして、このフランジ94cを下側段部71bに形成された環状溝71cに嵌め込むことで、浄水カートリッジ90が下部縮径部73の奥壁73aに装着される。
【0082】
上カバー94の周壁であってミネラル容器93の側方に位置する部分には、小径の導水口94aを全周に亘って多数開口しており、これら導水口94aを通じて浄水カートリッジ90内に原水が導入される構造をしている。
【0083】
また、上カバー94の頂部であって濾過容器92の真上に位置する部分には、排気口94bが上下方向に貫通形成されている。そして、ミネラル容器93の上方に凹んだ凹段部93aの底壁中央部からは、上方に伸びる細長パイプ状の空気抜き路93bが延設されており、空気抜き路93bの上端開口を上カバー94の排気口94bに連通させている。
【0084】
また、ミネラル容器93の外周壁には、スリット状のミネラル溶出孔93cが多数穿設されており、このミネラル溶出孔93cは、ミネラル容器93内の空間であるミネラル添加室S5と吸着室S4内とを連通させるものである。
【0085】
なお、上カバー94の頂部であって排気口94bを囲む部分には、複数の排気口(図示せず)を排気口94bとは別に穿設しており、この排気口(図示せず)を介して、ミネラル添加室S5内に生じた気泡を外部に排出させるようにしている。
【0086】
ここで、本実施形態では、浄水器本体10の底壁24以外の部位に載置部を設け、当該載置部を下にした状態で浄水器1を載置できるようにしている(図2および図4参照)。
【0087】
具体的には、浄水器本体10の後側壁22に平面状の載置面22aを設けることで、当該後側壁22の載置面22aを下にした状態で浄水器1を載置できるようにしている。
【0088】
すなわち、本実施形態では、後側壁22が載置部に相当するものである。
【0089】
さらに、本実施形態では、浄水器1は、図4に示すように、吐出口91eが、原水室S1の許容原水貯留容量の上限(本実施形態では、図3に示す水面Aw1まで注入した際の原水の容量)と同量の浄水を浄水室S2に貯留した状態で後側壁22の載置面22aを下にして載置した際に、浄水室S2に形成される水面Aw2よりも上方に配置されるように設計されている。
【0090】
そして、空気孔52cが、封止部84により外部との連通が封止されるとともに、当該封止部84による注水口53aと浄水室S2の封止が解除された状態で、浄水室S2と外部とを連通するようにしている。
【0091】
具体的には、封止部84が空気孔52cよりも外周側で内側リブ52に当接するように封止部84を取付筒85に設けることで、蓋80の全閉状態では、空気孔52c封止部84により外部との連通が封止されるようにしている。
【0092】
そして、図7に示すように、蓋80の半開状態(当該封止部84による注水口53aと浄水室S2の封止が解除された状態)で、雄ねじ部86aと雌ねじ部との螺合部分に外部に連通する隙間が形成されるようにすることで、浄水室S2と外部とが空気孔52cを介して連通するようにしている。
【0093】
次に、かかる構成の浄水器1を用いて浄水を得る手順を説明する。
【0094】
まず、蓋80を開方向に回動させて、浄水器本体10から取り外す。そして、給水口72aから水道水等の原水を原水室S1内に供給する。
【0095】
供給された原水は原水室S1内に一旦貯留されるとともに、上カバー94の多数の導水口94aを通じて浄水カートリッジ90内に導入され、吸着室S4およびこれに連通する濾過室S3やミネラル添加室S5内に原水が充填される。
【0096】
そして、浄水カートリッジ90内に導入された原水は自重により浄水カートリッジ90内を通って浄化され、浄水が吐出口91eから浄水室S2内に流下する。このとき、本実施形態では、吸着作用及び濾過作用による浄水が行われるとともに、ミネラル添加室S5に流入した水にミネラル剤のミネラル成分が添加される。
【0097】
その後、浄水カートリッジ90による原水の浄化が終了して浄水室S2内に浄水が貯留されたら、給水口72aおよび注水口53aを蓋80で栓をした状態(図9参照)で浄水器1を冷蔵庫等にて保管する。このとき、底壁を下にした状態で浄水器1を載置させてもよいし、後側壁22aを下にした状態で浄水器1を載置してもよい。
【0098】
なお、給水口72aおよび注水口53aを蓋80で栓をすると、浄水器本体10の内部と外部とが封止され、原水室S1と浄水室S2との圧力バランスが同一となるため、後側壁22aを下にした状態で浄水器1を載置した際に、逆流が生じるのを抑制することができる。
【0099】
そして、飲用等のために、浄水器1から浄水を取り出す際には、蓋80を開方向に回動させて半開状態にする(図10参照)。すると、封止部84による通路13と注水口53aとの封止が解除され、通路13と注水口53aとが連通される。そして、かかる状態で浄水器1を注水口53aが下方となるように傾倒させると、浄水室S2内に貯留された浄水が通路13を経て注水口53aから排出される。なお、蓋80の半開状態では、図6(b)に示すように、Oリング72eによる上部拡径部72の外周面と取付筒85の内周面87との間の隙間の封止は解除されていない状態であって、かつ、空気孔52cによって浄水室S2と外気とが連通された状態となっている。そのため、原水室S1内の原水が浄水に混合してしまうのを抑制しつつ、空気孔52cによって外部の空気を吸引させて、安定した吐水状態を保つことが可能となる。
【0100】
なお、本実施形態では、空気孔52cを注水口53aよりも後方に設けているため、浄水注水時に浄水が注水口53aに浸入して水膜が張られてしまうのを抑制することができ、より確実に安定した吐水状態を保つことが可能となる(図8参照)。
【0101】
以上の本実施形態によれば、浄水器本体10の後側壁(底壁24以外の部位)22に載置部を設け、当該後側壁22を下にした状態で浄水器(浄水装置)1を載置できるようにしたため、冷蔵庫などへ収納する際の収納場所の選択性を広げることができる。すなわち、浄水器の保管場所の自由度を向上させることができる。
【0102】
また、底壁24以外の部位を下にして浄水器1を載置できるようにすることで、浄水器1の重心の位置を低くすることができるため、浄水器1の転倒を抑制することが可能となり、より安定して載置することができるようになる。
【0103】
また、載置部の面積を底壁24の面積よりも大きくすれば、より一層安定して載置することができるようになる。
【0104】
また、本実施形態によれば、後側壁(載置部)22の載置面22aを平面状にすることで、後側壁(載置部)22を下にした状態で浄水器1を載置した際に、浄水器1ががたついてしまうのを抑制することができる。
【0105】
また、本実施形態によれば、浄水器1が、原水を原水室S1に注入する給水口72aおよび浄水を外部に注出する注水口53aを塞ぐ蓋80を有するため、後側壁(載置部)22を下にした状態で浄水器1を載置した際に、浄水器1内部の水が外部に洩れてしまうのを抑制することができる。
【0106】
また、蓋80によって浄水器本体10の内部と外部とが封止されるため、容器を大型化することなく、後側壁(載置部)22を下にした状態で浄水器1を載置した際に、漏れを防止することのできる浄水の最大容量を増加させることができる(本実施形態では、浄水器本体10の内部と外部とを封止しない場合には、浄水の最大容量は、図4に示す水面Aw3のときの浄水容量であるが、封止することで水面Aw2まで増加させることができる)。なお、原水と浄水との混合を考慮しなければ、水面Aw2以上の浄水を貯留した状態で漏れを防止することができる。
【0107】
このように、蓋80によって浄水器本体10の内部と外部とを封止することで、漏れを防止できる浄水の最大貯留容量を確保しつつ容器の小型化を図ることができるため、冷蔵庫などへ収納する際の収納場所の選択性をより一層広げることができる。
【0108】
また、本実施形態によれば、蓋80が給水口72aおよび注水口53aを塞いだ時に、封止部(第1の封止部)84により注水口53aと浄水室S2との連通が封止されるとともに、Oリング(第2の封止部)72eにより内容器(内壁)70と蓋80との間の隙間が封止されるようにしたため、後側壁(載置部)22を下にした状態で浄水器1を載置した際に、浄水器1内部の原水と浄水とが混合してしまうのを抑制することができる。また、浄水後に蓋80をすれば、原水室S1と浄水室S2の圧力をほぼ同圧とすることができるため、浄水が原水室S1内に逆流してしまうのを抑制することができるようになる。
【0109】
また、本実施形態によれば、蓋80を浄水器本体10に螺合させることで、蓋80の浄水器本体10からの抜け防止を図ることができる。また、蓋80を開方向に回動させた際に、まず封止部(第1の封止部)84による封止が解除され、次にOリング(第2の封止部)72eによる封止が解除されるようにしたため、蓋80の状態を、封止部(第1の封止部)84による封止は解除されているがOリング(第2の封止部)72eによる封止は解除されていない状態(本実施形態では、半開状態)にすれば、原水が浄水に混合するのを抑制しつつ、浄水を注水口53aから注出させることができる。すなわち、蓋80を浄水器本体10から外すことなく浄水を吐水させることが可能となる。
【0110】
また、蓋80を浄水器本体10に螺合させることで、蓋80を開方向に回動させるだけで、封止部(第1の封止部)84やOリング(第2の封止部)72eによる封止を解除することができるようになるため、構成の簡素化を図ることができるようになる。
【0111】
また、本実施形態によれば、浄水カートリッジ(浄化部)90の吐出口91eを、原水室S2の許容原水貯留容量の上限(図3に示す水面Aw1まで注入した際の原水の容量)と同量の浄水を浄水室S2に貯留した状態で後側壁(載置部)22を下にして浄水器1を載置した際に、浄水室S2に形成される水面Aw2よりも上方に位置するように配置したため、後側壁(載置部)22を下にして浄水器1を載置した際に、原水と浄水とが浄水カートリッジ(浄化部)90を通じて混合されてしまうのを抑制することができる。
【0112】
また、吐出口91eが縁切りされることで、長期保管の際に浄水が腐食した場合にあっても、腐食した浄水が浄水カートリッジ90内に浸入してしまうのを抑制することができ、浄水カートリッジ90の細菌繁殖による2次汚染を防止できるという利点もある。なお、奥壁73aを、後側壁(載置部)22を下にして浄水器1を載置した状態においてより上方に位置するように偏芯させれば、浄水室S2内の許容浄水容量を増加(水面Aw1の高さを高く)させることができる。
【0113】
また、本実施形態によれば、浄水器本体10は、浄水室S2が形成される外容器20と、原水室S1が形成され、外容器20に取り外し可能に取り付けられる内容器70と、を備えるため、浄水器本体10をより容易に洗浄することができる。その結果、浄水器本体10をより清潔に保つことができ、細菌繁殖による汚染をより一層抑制することが可能となる。
【0114】
また、本実施形態によれば、外容器20および内容器70に、互いに係合して外容器20に対する内容器70の相対回動を規制する係合部(凹部71dと突起部52b)を設けることで、蓋80を回動させて取り外す時に、内容器70が蓋80とともに回動してしまうのを抑制することができ、蓋80の開け閉めを容易に行うことができる。
【0115】
特に、本実施形態では、取付筒85の内周面87とOリング27eとが摺接した状態で蓋80を回動させる構造としているため、特に有効である。また、蓋80を開口しようとした際に、蓋80と内容器70との同時回動を抑制することができるため、蓋80を浄水器本体10から取り外した際に内容器70も同時に外容器20から取り外されてしまうのを抑制することができる。その結果、内容器70のセットし直しや、蓋80から内容器70が外れて落下し、内容器70が破損してしまうのを抑制することができる。
【0116】
また、本実施形態によれば、浄水器本体10に、封止部(第1の封止部)84により外部との連通が封止されるとともに、当該封止部(第1の封止部)84による注水口53aと浄水室S2の封止が解除された状態で、浄水室S2と外部とを連通する空気孔(第3の連通孔)52cを形成したため、浄水注水時には、空気孔(第3の連通孔)52cによって外部より空気を吸引しやすくなり、安定した吐水状態を保つことが可能となる。
【0117】
(第2実施形態)
本実施形態にかかる浄水器(浄水装置)1Aも、上記第1実施形態の浄水器(浄水装置)1と同様に、浄水器本体10の底壁24以外の部位に載置部を設け、当該載置部を下にした状態で浄水器1Aを載置できるようにしている。
【0118】
具体的には、図11および図12に示すように、浄水器本体10の後側壁22に平面状の載置面22aを設けることで、当該後側壁22の載置面22aを下にした状態で浄水器1Aを載置できるようにしている。
【0119】
ここで、本実施形態が上記第1実施形態と主に異なる点は、浄水器本体10の原水室S1と浄水室S2とを区画する内壁(内容器70)に、原水室S1と浄水室S2とを連通する連通穴(第1の連通穴)72fを設けたことにある(図13参照)。
【0120】
このように、連通穴(第1の連通穴)72fを設けることで、蓋80で給水口72aおよび注水口53aを塞いだ状態で原水を浄水した場合であっても、原水室S1内の圧力が浄化室S2内の圧力よりも低くなってしまうのが抑制され、浄水流量が低下してしまうのを抑制することができる。
【0121】
さらに、本実施形態では、連通穴(第1の連通穴)72fは、原水室S1に許容原水貯留容量の上限(図11に示す水面Aw1まで注入した際の原水の容量)まで原水を貯留した状態で後側壁22を下にして浄水器1Aを載置した際に、原水室S1に形成される水面Aw4よりも上方に位置するように設けられている。
【0122】
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0123】
また、本実施形態によれば、浄水器本体10の原水室S1と浄水室S2とを区画する内容器(内壁)70に、原水室S1と浄水室S2とを連通する連通穴(第1の連通穴)72fを設けることで、原水を原水室S1に注入した際に、原水室S1と浄水室S2とを連通穴(第1の連通穴)72fによってほぼ同圧とすることができるため、蓋80で給水口72aおよび注水口53aを塞いだ状態のときに、浄水流量が低下してしまうのを極力抑制することができる。その結果、蓋80で給水口72aおよび注水口53aを塞いだ状態で浄水を行うことが可能となるため、後から蓋80をする必要がなくなり作業効率を向上させることができる。さらに、大気中のごみ(浮遊物)が浄水器1A内に進入してしまうのを極力避けることが可能となって浄水カートリッジ(浄水部)90の長寿命化を図ることが可能となる。
【0124】
また、本実施形態によれば、連通穴(第1の連通穴)72fを、原水室S1に許容原水貯留容量の上限(図11に示す水面Aw1まで注入した際の原水の容量)まで原水を貯留した状態で後側壁(載置部)22を下にして浄水器1Aを載置した際に、原水室S1に形成される水面Aw4よりも上方に位置するように設けることで、浄水後に、後側壁(載置部)22を下にした状態で浄水器1Aを載置した際に、原水室S1内の原水が連通穴(第1の連通穴)72fから浄水室S2内に流入してしまうのを抑制することができる。
【0125】
(第3実施形態)
本実施形態にかかる浄水器(浄水装置)1Bも、上記第1実施形態の浄水器(浄水装置)1と同様に、浄水器本体10の底壁24以外の部位に載置部を設け、当該載置部を下にした状態で浄水器1Bを載置できるようにしている。
【0126】
具体的には、浄水器本体10の後側壁22に平面状の載置面22aを設けることで、当該後側壁22の載置面22aを下にした状態で浄水器1Bを載置できるようにしている。
【0127】
ここで、本実施形態が上記第1実施形態と主に異なる点は、蓋80に、原水室S1と外部とを連通する連通穴(第2の連通穴)81aを設けたことにある(図14および図15参照)。
【0128】
このように、連通穴(第2の連通穴)81aを設けることで、蓋80で給水口72aおよび注水口53aを塞いだ状態で原水を浄水した場合であっても、原水室S1内の圧力が負圧になってしまうのが抑制され、浄水流量が低下してしまうのを抑制することができる。
【0129】
さらに、本実施形態では、連通穴(第2の連通穴)81aは、原水室S1に許容原水貯留容量の上限(図14に示す水面Aw1まで注入した際の原水の容量)まで原水を貯留した状態で後側壁(載置部)22を下にして浄水器1Bを載置した際に、原水室S1に形成される水面Aw4よりも上方に位置するように設けられている。
【0130】
また、本実施形態では、連通穴(第2の連通穴)81aを取手82の下方に設けることで、連通穴(第2の連通穴)81aから原水室S1内に大気中のごみ(浮遊物)が進入してしまうのを極力避けるようにしている。
【0131】
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0132】
また、本実施形態によれば、蓋80に、原水室S1と外部とを連通する連通穴(第2の連通穴)81aを設けることで、外部から原水室S1内に空気を取り込むことができるため、原水を原水室S1に注入した際に、浄水流量が低下してしまうのを極力抑制することができる。すなわち、蓋80で給水口72aおよび注水口53aを塞いだ状態のときに、浄水流量が低下してしまうのを極力抑制することが可能となり、蓋80で給水口72aおよび注水口53aを塞いだ状態で浄水を行うことができるようになる。また、後から蓋80をする必要がなくなり作業効率を向上させることができる。さらに、大気中のごみ(浮遊物)が浄水器1B内に進入してしまうのを極力避けることが可能となって浄水カートリッジ(浄水部)90の長寿命化を図ることが可能となる。
【0133】
また、本実施形態によれば、連通穴(第2の連通穴)81aを、原水室S1に許容原水貯留容量の上限(図14に示す水面Aw1まで注入した際の原水の容量)まで原水を貯留した状態で後側壁(載置部)22を下にして浄水器1Bを載置した際に、原水室S1に形成される水面Aw4よりも上方に位置するように設けることで、浄水後に、後側壁(載置部)22を下にした状態で浄水器1Bを載置した際に、原水室S1内の原水が連通穴(第2の連通穴)81aから外部に漏れ出てしまうのを抑制することができる。
【0134】
(第4実施形態)
本実施形態にかかる浄水器(浄水装置)1Cも、上記第1実施形態の浄水器(浄水装置)1と同様に、浄水器本体10の底壁24以外の部位に載置部を設け、当該載置部を下にした状態で浄水器1Cを載置できるようにしている。
【0135】
具体的には、浄水器本体10の後側壁22に平面状の載置面22aを設けることで、当該後側壁22の載置面22aを下にした状態で浄水器1Cを載置できるようにしている。
【0136】
ここで、本実施形態が上記第1実施形態と主に異なる点は、蓋80に、給水口72aおよび注水口53aを塞いだ際に平面視で浄水器本体10の輪郭内に収まるとともに、当該蓋80を開方向に回動させた際(例えば、蓋80が半開状態のとき)に平面視で浄水器本体10の輪郭からはみ出す延出部83aを設けたことにある(図16および図17参照)。
【0137】
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0138】
また、本実施形態によれば、蓋80に、給水口72aおよび注水口53aを塞いだ際に平面視で浄水器本体10の輪郭内に収まるとともに、当該蓋80を開方向に回動させた際に平面視で浄水器本体10の輪郭からはみ出す延出部83aを設けることで、蓋80で給水口72aおよび注水口53aを塞いでいない状態になっているときの位置関係を明確に把握することができ、蓋80で給水口72aおよび注水口53aを塞いでいない状態で、後側壁(載置部)22を下にして浄水器1Cを載置してしまうのを抑制することができる。
【0139】
すなわち、蓋80の状態を見るだけで、蓋80が全閉状態か否かを容易に確認することができる。
【0140】
なお、例えば蓋80が半開状態のときに、延出部83aが後側壁(載置部)22に突出するように蓋80を設ければ、蓋80が半開状態のとき(蓋80が全閉状態でないとき)には、延出部83aに邪魔されて後側壁(載置部)22を下にして浄水器1Cを載置できないようにすることも可能である。
【0141】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
【0142】
例えば、上記各実施形態では、載置部として後側壁を例示したが、これに限らず、左右の側壁等その他の部位を載置部とすることも可能である。また、載置部を複数箇所に設けるようにしてもよい。この場合、連通穴や空気穴の位置、浄水カートリッジ(浄水部)の吐出口の位置を適宜設定することで、浄水と原水との混合が生じないようにすればよい。
【0143】
また、上記各実施形態では、載置部として平面状のものを例示し、平面全体を冷蔵庫内の床面等に当接させる構造を例示したが、これに限らず、例えば、側面の4隅に脚部を設けて当該脚部を載置部とすることも可能である。この場合、4隅の脚部のみが冷蔵庫内の床面等に当接し、側面部分を当接させないようにすることができる。その結果、冷蔵庫内の床面等のごみが側面部分に付着してしまうのを抑制することができ、浄水器をより清潔に保つことができる。また、側面部分を冷蔵庫内の冷気にさらすことができるため、浄水の冷却効率を高めることができる。なお、このように4隅に脚部を設けた場合、側面部分を外側に膨出させた形状とするのが好ましい。こうすれば、側面部分が平面状のものと比べて浄水室の容量を大きくすることができる。
【0144】
また、浄水カートリッジ(浄水部)や浄水器本体、原水室、浄水室、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
【符号の説明】
【0145】
1、1A、1B、1C 浄水器(浄水装置)
10 浄水器本体
20 外容器
22 後側面(載置部)
22a 載置面
24 底壁
52b 突起部(係合部)
52c 空気孔(第3の連通孔)
53a 注水口
70 内容器(内壁)
71d 凹部(係合部)
72a 給水口
72e Oリング(第2の封止部)
72f 連通穴(第1の連通穴)
80 蓋
81a 連通穴(第2の連通穴)
83a 延出部
84 封止部(第1の封止部)
90 浄水カートリッジ(浄水部)
91e 吐出口
S1 原水室
S2 浄化室
【技術分野】
【0001】
本発明は、浄水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浄水装置として、上側に位置する原水貯留部と、下側に位置する浄水貯留部と、原水貯留部と浄水貯留部との間に介在する浄水カートリッジと、を備えた、いわゆるポット型の浄水装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1に記載の浄水装置では、原水貯留部側に貯留した原水が自重により浄水カートリッジを通過することで浄化され、原水を浄水カートリッジにて浄化することで得られた浄水が浄水貯留部に流下して当該浄水貯留部に貯留される。
【0004】
そして、このポット型の浄水装置は、浄水貯留部に浄水を貯留した状態で冷蔵庫等に保管できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−230335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、かかる従来の浄水装置は、容器の底壁を下にした状態で冷蔵庫のサイドポケットや野菜収納室等に収納する構造をしているため、冷蔵庫の種類によっては収納できない可能性がある。
【0007】
そこで、本発明は、保管場所の自由度を向上させることのできる浄水装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明にあっては、原水を貯留する原水室と、原水を浄水部にて浄化することで得られた浄水を貯留する浄水室と、が形成された浄水器本体を備え、当該浄水器本体の底壁を下にした状態で載置可能な浄水装置であって、前記浄水器本体の底壁以外の部位に載置部を設け、当該載置部を下にした状態で載置できるようにしたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明にあっては、請求項1に記載の浄水装置において、前記載置部の載置面を平面状に形成したことを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明にあっては、請求項1または請求項2に記載の浄水装置において、前記浄水器本体には、原水を前記原水室に注入する給水口および前記浄水を外部に注出する注水口が形成されるとともに、前記浄水装置は、前記給水口および注水口を塞ぐ蓋を備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明にあっては、請求項3に記載の浄水装置において、前記浄水器本体は、前記原水室と前記浄水室とを区画する内壁を備え、前記蓋には、前記注水口と前記浄水室との連通を解除可能に封止する第1の封止部が設けられるとともに、前記内壁と前記蓋との間には、当該内壁と蓋との間の隙間を解除可能に封止する第2の封止部が設けられており、前記蓋が前記給水口および注水口を塞いだ時には、前記第1の封止部により前記注水口と前記浄水室との連通が封止されるとともに、前記第2の封止部により前記内壁と前記蓋との間の隙間が封止されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明にあっては、請求項4に記載の浄水装置において、前記蓋が前記浄水器本体に螺合されるとともに、当該蓋を開方向に回動させた際に、まず前記第1の封止部による封止が解除され、次に前記第2の封止部による封止が解除されるようにしたことを特徴とする。
【0013】
請求項6の発明にあっては、請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の浄水装置において、前記浄水器本体の前記原水室と前記浄水室とを区画する内壁に、前記原水室と前記浄水室とを連通する第1の連通穴が設けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項7の発明にあっては、請求項6に記載の浄水装置において、前記第1の連通穴は、前記原水室に許容原水貯留容量の上限まで原水を貯留した状態で前記載置部を下にして前記浄水装置を載置した際に、原水室に形成される水面よりも上方に位置するように設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項8の発明にあっては、請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の浄水装置において、前記蓋に、前記原水室と外部とを連通する第2の連通穴が設けられていることを特徴とする。
【0016】
請求項9の発明にあっては、請求項8に記載の浄水装置において、前記第2の連通穴は、前記原水室に許容原水貯留容量の上限まで原水を貯留した状態で前記載置部を下にして前記浄水装置を載置した際に、原水室に形成される水面よりも上方に位置するように設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項10の発明にあっては、請求項1〜9のうちいずれか1項に記載の浄水装置において、前記浄水部は、前記浄水室に浄水を吐出する吐出口を有し、前記吐出口が、前記原水室の許容原水貯留容量の上限と同量の浄水を前記浄水室に貯留した状態で前記載置部を下にして前記浄水装置を載置した際に、浄水室に形成される水面よりも上方に位置するように配置されていることを特徴とする。
【0018】
請求項11の発明にあっては、請求項1〜10のうちいずれか1項に記載の浄水装置において、前記浄水器本体は、前記浄水室が形成される外容器と、前記原水室が形成され、前記外容器に取り外し可能に取り付けられる内容器と、を備えていることを特徴とする。
【0019】
請求項12の発明にあっては、請求項11に記載の浄水装置において、前記外容器および内容器には、互いに係合して外容器に対する内容器の相対回動を規制する係合部がそれぞれ設けられていることを特徴とする。
【0020】
請求項13の発明にあっては、請求項4に記載の浄水装置において、前記浄水器本体には、前記第1の封止部により外部との連通が封止されるとともに、当該第1の封止部による前記注水口と前記浄水室の封止が解除された状態で、前記浄水室と外部とを連通する第3の連通穴が形成されていることを特徴とする。
【0021】
請求項14の発明にあっては、請求項5に記載の浄水装置において、前記蓋には、前記給水口および注水口を塞いだ際に平面視で前記浄水器本体の輪郭内に収まるとともに、当該蓋を開方向に回動させた際に平面視で前記輪郭からはみ出す延出部が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の発明によれば、浄水器本体の底壁以外の部位に載置部を設け、当該載置部を下にした状態で浄水装置を載置できるようにしたため、冷蔵庫などへ収納する際の収納場所の選択性を広げることができる。すなわち、浄水装置の保管場所の自由度を向上させることができる。
【0023】
請求項2の発明によれば、載置部の載置面を平面状にすることで、載置部を下にした状態で浄水装置を載置した際に、浄水装置ががたついてしまうのを抑制することができる。
【0024】
請求項3の発明によれば、浄水装置が、原水を原水室に注入する給水口および浄水を外部に注出する注水口を塞ぐ蓋を有するため、載置部を下にした状態で浄水装置を載置した際に、浄水器本体内部の水が外部に洩れてしまうのを抑制することができる。
【0025】
請求項4の発明によれば、蓋が給水口および注水口を塞いだ時に、第1の封止部により注水口と浄水室との連通が封止されるとともに、第2の封止部により内壁と蓋との間の隙間が封止されるようにしたため、載置部を下にした状態で浄水装置を載置した際に、浄水器本体内部の原水と浄水とが混合してしまうのを抑制することができる。また、浄水後に蓋をすれば、原水室と浄水室の圧力をほぼ同圧とすることができるため、浄水が原水室内に逆流してしまうのを抑制することができるようになる。
【0026】
請求項5の発明によれば、蓋を浄水器本体に螺合させることで、蓋の浄水器本体からの抜け防止を図ることができる。また、蓋を開方向に回動させた際に、まず第1の封止部による封止が解除され、次に第2の封止部による封止が解除されるようにしたため、蓋を、第1の封止部による封止は解除されているが第2の封止部による封止は解除されていない状態にすれば、原水が浄水に混合するのを抑制しつつ、浄水を注水口から注出させることができる。すなわち、蓋を浄水器本体から外すことなく浄水を吐水させることが可能となる。
【0027】
請求項6の発明によれば、浄水器本体の原水室と浄水室とを区画する内壁に、原水室と浄水室とを連通する第1の連通穴を設けることで、原水を原水室に注入した際に、原水室と浄水室とを第1の連通穴によってほぼ同圧とすることができるため、蓋で給水口および注水口を塞いだ状態のときに、浄水流量が低下してしまうのを極力抑制することができる。その結果、蓋で給水口および注水口を塞いだ状態で浄水を行うことが可能となるため、後から蓋をする必要がなくなり作業効率を向上させることができる。さらに、大気中のごみ(浮遊物)が浄水器本体内に進入してしまうのを極力避けることが可能となって浄水部の長寿命化を図ることが可能となる。
【0028】
請求項7の発明によれば、第1の連通穴を、原水室に許容原水貯留容量の上限まで原水を貯留した状態で載置部を下にして浄水装置を載置した際に、原水室に形成される水面よりも上方に位置するように設けることで、浄水後に、載置部を下にした状態で浄水装置を載置した際に、原水室内の原水が第1の連通穴から浄水室内に流入してしまうのを抑制することができる。
【0029】
請求項8の発明によれば、蓋に、原水室と外部とを連通する第2の連通穴を設けることで、外部から原水室内に空気を取り込むことができるため、原水を原水室に注入した際に、浄水流量が低下してしまうのを極力抑制することができる。すなわち、蓋で給水口および注水口を塞いだ状態のときに、浄水流量が低下してしまうのを極力抑制することが可能となり、蓋で給水口および注水口を塞いだ状態で浄水を行うことができるようになる。また、後から蓋をする必要がなくなり作業効率を向上させることができる。さらに、大気中のごみ(浮遊物)が浄水器本体内に進入してしまうのを極力避けることが可能となって浄水部の長寿命化を図ることが可能となる。
【0030】
請求項9の発明によれば、第2の連通穴を、原水室に許容原水貯留容量の上限まで原水を貯留した状態で載置部を下にして浄水装置を載置した際に、原水室に形成される水面よりも上方に位置するように設けることで、浄水後に、載置部を下にした状態で浄水装置を載置した際に、原水室内の原水が第2の連通穴から外部に漏れ出てしまうのを抑制することができる。
【0031】
請求項10の発明によれば、浄化部の吐出口を、原水室の許容原水貯留容量の上限と同量の浄水を浄水室に貯留した状態で載置部を下にして浄水装置を載置した際に、浄水室に形成される水面よりも上方に位置するように配置したため、載置部を下にして浄水装置を載置した際に、原水と浄水とが浄化部を通じて混合されてしまうのを抑制することができる。
【0032】
請求項11の発明によれば、浄水器本体は、浄水室が形成される外容器と、原水室が形成され、外容器に取り外し可能に取り付けられる内容器と、を備えるため、浄水器本体をより容易に洗浄することができるようになる。
【0033】
請求項12の発明によれば、外容器および内容器に、互いに係合して外容器に対する内容器の相対回動を規制する係合部を設けることで、蓋を回動させて取り外す時に、内容器が蓋とともに回動してしまうのを抑制することができ、蓋の開け閉めを容易に行うことができる。
【0034】
請求項13の発明によれば、浄水器本体に、第1の封止部により外部との連通が封止されるとともに、当該第1の封止部による注水口と浄水室の封止が解除された状態で、浄水室と外部とを連通する第3の連通穴を形成したため、浄水注水時には、第3の連通穴によって外部より空気を吸引しやすくなり、安定した吐水状態を保つことが可能となる。
【0035】
請求項14の発明によれば、蓋に、給水口および注水口を塞いだ際に平面視で浄水器本体の輪郭内に収まるとともに、当該蓋を開方向に回動させた際に平面視で浄水器本体の輪郭からはみ出す延出部を設けることで、蓋で給水口および注水口を塞いでいない状態になっているときの位置関係を明確に把握することができ、蓋で給水口および注水口を塞いでいない状態で、載置部を下にして浄水装置を載置してしまうのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態にかかる浄水装置を示す斜視図である。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態にかかる浄水装置を載置部を下にして載置した状態を示す斜視図である。
【図3】図3は、本発明の第1実施形態にかかる浄水装置を底壁を下にして載置させた状態を示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の第1実施形態にかかる浄水装置を載置部を下にして載置させた状態を示す断面図である。
【図5】図5は、本発明の第1実施形態にかかる浄水装置の蓋を示す側面図である。
【図6】図6は、本発明の第1実施形態にかかる浄水装置の注ぎ部、原水室、浄化室の封止状態を示す図であって、(a)は、蓋を閉じた状態を示す拡大断面図、(b)は、蓋を半開させた状態を示す拡大断面図である。
【図7】図7は、本発明の第1実施形態にかかる蓋を半開させた浄水装置の上部を示す断面図である。
【図8】図8は、図7のA−A断面図である。
【図9】図9は、本発明の第1実施形態にかかる蓋を閉じた浄水装置を示す平面図である。
【図10】図10は、本発明の第1実施形態にかかる蓋を半開させた浄水装置を示す平面図である。
【図11】図11は、本発明の第2実施形態にかかる浄水装置を底壁を下にして載置させた状態を示す断面図である。
【図12】図12は、本発明の第2実施形態にかかる浄水装置を載置部を下にして載置させた状態を示す断面図である。
【図13】図13は、本発明の第2実施形態にかかる蓋を閉じた浄水装置の注ぎ部を示す拡大断面図である。
【図14】図14は、本発明の第3実施形態にかかる浄水装置を底壁を下にして載置させた状態を示す断面図である。
【図15】図15は、本発明の第3実施形態にかかる浄水装置を載置部を下にして載置させた状態を示す断面図である。
【図16】図16は、本発明の第4実施形態にかかる蓋を閉じた浄水装置を示す平面図である。
【図17】図17は、本発明の第4実施形態にかかる蓋を半開させた浄水装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、浄水装置として浄水器を例示する。なお、以下の複数の実施形態には、同様の構成要素が含まれている。よって、以下では、それら同様の構成要素には共通の符号を付与するとともに、重複する説明を省略する。また、以下の実施形態においては、浄水器本体の注水部が突設された方向を浄水器の前方として説明する。
【0038】
(第1実施形態)
本実施形態にかかる浄水器(浄水装置)1は、ポット型浄水器として構成されている。本実施形態では、この浄水器1は、図3に示すように、水道水等の原水を供給して一旦貯留させておく原水室S1と、原水を浄水カートリッジ(浄水部)90にて浄化することで得られた浄水を貯留する浄水室S2と、が形成された浄水器本体10を備えている。さらに、本実施形態では、浄水器1は、原水室S1と浄水室S2とを区画する内壁(本実施形態では、後述する内容器70)の底部に装着される浄水カートリッジ90と、原水を原水室S1に注入する給水口72aおよび浄水を外部に注出する注水口53aを塞ぐことが可能な蓋80と、を備えている。
【0039】
そして、浄水器1は、浄水器本体10の底壁(本実施形態では、外容器20の底壁24)を下にした状態で載置可能に構成されている。このように浄水器本体10の底壁を下にして浄水器1を載置した状態で、原水室S1内に原水を注入すると、当該原水室S1内に貯留される原水が自重により浄水カートリッジ90を通過して浄水室S2内に流下し、浄水が浄水室S2内に貯留されることになる。すなわち、本実施形態にかかる浄水器1では、浄水カートリッジ90内にて原水が浄化されるようになっている。
【0040】
また、本実施形態では、浄水器1を注水口53aが下方となるように傾倒させることで(図3では浄水器1を時計回り方向に傾倒させることで)、浄水室S2内に貯留された浄水を、通路13を経て注水口53aから排出させるようになっている。
【0041】
この通路13は、浄水室S2から上方に延設されるように形成され、浄水を注ぐ際の注ぎ路として機能している。
【0042】
浄水器本体10は、上端に開口52aが形成された有底筒型の外容器20と、外容器20の上方から開口52aに挿入されて外容器20内に取り外し可能に取り付けられ、上端に原水を注入する給水口72aが形成されるとともに、底壁(本実施形態では、下部縮径部73の奥壁73a)に開口73bが形成された略筒型の内容器70と、を備えている。
【0043】
外容器20は、図1に示すように、前方に向けて膨出した曲面状の前側壁部21と、略平坦面状の後側壁部22と、左右の側壁部23、23とで、側壁が構成されており、当該側壁と、底壁24と、天壁25とで略箱状に形成されている。
【0044】
さらに、本実施形態では、左右の両側壁部23、23には、当該両側壁部23、23を外容器20の内側に向けて凹設させた凹部23a、23aが形成されており、使用者が把持し易いようになっている。
【0045】
また、外容器20は、上端が開口した略有底筒状のロワーケース60と、上述の開口52aが形成され、下端が開口したアッパーケース30と、を備えており、ロワーケース60とアッパーケース30とを結合することで形成されている。
【0046】
具体的には、ロワーケース60の上端部外周にアッパーケース30の下端部内周を超音波溶着等により接合することで、ロワーケース60とアッパーケース30とを液密構造をもって固定している。
【0047】
アッパーケース30は、図3に示すように、天壁50と、ロワーケース60の上端に結合される側壁40と、を備えており、天壁50には、蓋80を取り付けるための取付部51が上方に突設されている。
【0048】
取付部51は、天壁50から上方に向けて略筒状に立設されており、当該取付部51の内周面51aには、図示せぬ雌ねじ部が形成されている。
【0049】
また、取付部51の下部内周側には、図3に示すように、略水平に延設された内側リブ52が形成されており、当該内側リブ52の内周側には、内容器70を挿入するための開口52aが形成されている。
【0050】
また、図8に示すように、内側リブ52の後部には、内容器70を位置決めする突起部(係合部)52bが形成されており、この突起部52bには、空気孔(第3の連通孔)52cが形成されている。
【0051】
さらに、内側リブ52の前部には、内容器70を取り付けた状態で通路13と注水口53aとが連通するように、切欠部52dが形成されている。
【0052】
また、天壁50の前部には、前方に向かうにつれて幅狭となる先細り状の注水部53が突設されており、この注水部53の上方開口が注水口53aとなっている。
【0053】
また、図1に示すように、天壁50の後部には、表示部取付用の凹部54が形成されており、この凹部54に表示部としてのカレンダ目盛54cが回動自在に設けられている。
【0054】
本実施形態では、カレンダ目盛54cは、図9および図10に示すように、略円筒状をしており、このカレンダ目盛54c表面には1から12までの数字(月を表している)が描かれている。
【0055】
そして、天壁50の後部表面には、浄水カートリッジ設置時期を示す矢印54aおよび浄水カートリッジ交換時期を示す矢印54bが形成されている。
【0056】
本実施形態では、浄水カートリッジの寿命が約4ヶ月のものを用いた場合を例示(図9および図10参照)しており、10月に新しい浄水カーリッジ90を装着した場合には、目盛54cを回動させて、図9に示すように、矢印54aがカレンダ目盛54cの10の表記を指し示すようにする。このようにカレンダ目盛54cをセットすると、矢印54bがカレンダ目盛54cの2の表記を指し示すこととなり、このカレンダ目盛54cを見ることで、今回装着した浄水カーリッジ90の交換時期が翌年の2月であることを容易に確認できるようになっている。
【0057】
内容器70は、上端が開口した略筒状をしており、この内容器の内部が原水室となるとともに、上端開口が原水を給水する給水口72aとなっている。この内容器70は、外容器20の約半分程度の深さで形成してあり、外容器20の上半部に対して通路13を除く部分でほぼ隙間なく嵌合することで、内容器70内に原水室S1を形成している。
【0058】
本実施形態では、この内容器70は、図3に示すように、周壁の上部に上側段部71aを形成するとともに、側壁部71の下部に下側段部71bを形成することで、側壁部71、上部拡径部72,下部縮径部73が形成されている。
【0059】
また、本実施形態では、この側壁部71、上部拡径部72,下部縮径部73は、それぞれ、下方に向かうにつれて縮径するテーパ状に形成されている。
【0060】
側壁部71の外周には内側に向けて凹設した凹部(係合部)71dが形成されており、この凹部71dは、側壁部71の軸方向(上下方向)に延在している。また、本実施形態では、この凹部71dは、図8に示すように、互いに対向する位置に2箇所設けられている。そして、内容器70を外容器20に取り付けた際に、この凹部71dに内側リブ52の突起部52bを係合させることで、突起部52b内容器70の外容器20に対する相対回動を規制している。
【0061】
すなわち、内容器70の凹部71dと外容器20の突起部52bとが互いに係合して外容器20に対する内容器70の相対回動を規制する係合部に相当する。
【0062】
また、図7に示すように、側壁部71の上部外周にはリブ71eが設けられており、このリブ71eを内側リブ52に上方から載置することで、内容器70が外容器20に取り付けられるようにしている。
【0063】
上部拡径部72の外周面72bには、略水平方向に延在する突条72cが2本突設されており、当該2本の突条72cの間に形成された溝72d内にOリング(第2の封止部)72eが嵌め込まれている。
【0064】
また、下部縮径部73は、下方に向けて凹設された略円筒状をしており、この下部縮径部73に、略円筒状の浄水カートリッジ90が、上方から奥まで差し込まれて嵌着されるようになっている(図3参照)。また、下部縮径部73の奥壁73aには、開口73bが形成されている。
【0065】
蓋80は、本実施形態では、ねじ式の蓋であり、この蓋80を取り外すと給水口72aが開口して、水道水などの原水を原水室S1内に注入できるようになっているとともに、外容器20と内容器70とで構成される通路13と、注水口53aと、が開口する構成をしている。
【0066】
この蓋80は、図5に示すように、給水口72aを塞ぐ蓋本体部81と、蓋本体81に設けられ、蓋80を把持するための取手82と、注水口53aを塞ぐ鍔部83と、を備えている。
【0067】
蓋本体部81には、下方に開口する略筒状の取付筒85が突設されており、この取付筒85の外周86には、上述の取付部51の内周面51aに形成された雌ねじ部と螺合する雄ねじ部86aが形成されている。
【0068】
さらに本実施形態では、雄ねじ部86aの間に形成されたねじ溝86bには、突起86cおよび2本の突条86dが形成されている(図5参照)。そして、蓋80と浄水器本体10の位置関係が図9に示す全閉位置や、図10に示す半開位置となるときに、突起86cを取付部51の雌ねじ部に形成された2本の突条間に収めるとともに、取付部51の雌ねじ部に形成された突起を2本の突条86d間に収めるように設計することで、蓋80の全閉状態や半開状態において蓋80が相対回動してしまうのを抑制できるようにしている。このとき、突起が突条を乗り越えるため、クリック感を生じさせることができ、蓋80の全閉状態や半開状態を容易に確認することができるようになっている。
【0069】
また、蓋本体部81の取付筒85の下端部には、図5に示すように、蓋80の全閉状態で内側リブ52に当接する封止部(第1の封止部)84が全周に亘って設けられている。そして、図6(a)に示すように、蓋80の全閉状態では、この封止部84によって通路13と注水口53aとの連通が封止されるようになっている。なお、この封止部84は、蓋80に設けられているため、蓋80を浄水器本体10に対して開方向(図9において時計回り方向)に回動させると、蓋80とともに上昇して内側リブ52との当接が解除されることとなる(図6(b)参照)。すなわち、封止部84は、通路13と注水口53aとの連通を封止することができるとともに当該封止を解除することができるように構成されている。
【0070】
また、本実施形態では、雄ねじ部86aを取付部51の雌ねじ部に螺合させながら蓋80を徐々に閉じていくと、上部拡径部72の外周面と取付筒85の内周面87との間の隙間が、Oリング72eによって封止されるようになっている。
【0071】
具体的には、図7に示すように、取付筒85の内径が上部拡径部72の突条72c部分の外径と略等しくなるように、取付筒85および上部拡径部72を形成するとともに、取付筒85の内周面87に、内周面87下部の内径が増加するように段差部87aを設けることで、蓋80を徐々に閉じる際の初期段階では、内周面87下部とOリング72eとの間に隙間が形成されるようにし、蓋80を徐々に閉じていくと、段部取付筒85の内周面87とOリング72eとが当接し、上部拡径部72の外周面と取付筒85の内周面87との間の隙間が封止されるようにしている。
【0072】
このように、本実施形態では、浄水器1は、蓋80が給水口72aおよび注水口53aを塞いだ時には、封止部84により注水口53aと浄水室S2との連通が封止されるとともに、Oリング72eにより内容器70と蓋80との間の隙間が封止されている状態となる(図6(a)参照)。
【0073】
そして、蓋80を開方向に回動させた際には、まず封止部84による封止が解除され(図6(b)参照)、次にOリング72eによる封止が解除されるようになっている。
【0074】
なお、段差部87aが形成される位置(取付筒85の内周面における上下方向の位置)を適宜変更することで、上部拡径部72の外周面と取付筒85の内周面87との間の隙間の封止時期(蓋80をどの程度閉めた状態で封止されるか)を変更することができる。
【0075】
また、本実施形態では、鍔部83が注水口53aを塞いだ際には、当該鍔部83は、平面視で浄水器本体10の輪郭内に収まるとともに、蓋80を開方向に回動させた際に平面視で浄水器本体10の輪郭からはみ出すようにしている(図9および図10参照)。こうすれば、鍔部83の状態を見るだけで、蓋80が全閉状態か否かを容易に確認することができる。
【0076】
浄水カートリッジ90は、図3に示すように、内部に充填してある吸着剤(図示せず)の吸着作用によって原水を浄化する上流側の吸着室S4と、内部に充填してある濾過体(図示せず)の濾過作用によって吸着室S4を通過した水をさらに浄化する下流側の濾過室S3と、を備えている。さらに、本実施形態では、この浄水カートリッジ90は、内部に充填してあるミネラル剤(図示せず)のミネラル成分を水に添加するミネラル添加室S5を備えている。
【0077】
本実施形態では、濾過室S3および吸着室S4は、上下端が開口した略円筒状の濾過容器92内に中空糸膜等の濾過体を充填し、上端が開口した略有底筒状の吸着容器91の底壁91bから下方に延設された奥壁91c内に濾過容器92の下端部92aを嵌合させ、さらに、内側の濾過容器92の周壁と外側の吸着容器91の周壁との間に活性炭等の吸着剤を充填させることで形成されている。
【0078】
なお、奥壁91cの底壁中央には、奥壁91cに嵌合される濾過容器92の下端開口に対して上下に所定空間を介して対向する吐出口91eが形成されている。
【0079】
また、奥壁91cの外周面にはOリング95が嵌め込まれており、このOリング95を介して奥壁73aと奥壁91cとを密着させている。なお、濾過容器92の下端部92aの外周面にはOリング96が嵌め込まれており、このOリング96を介して濾過容器92の下端部92aと奥壁91cとを密着させている。
【0080】
また、濾過容器92の周壁には、濾過室S3とこれを囲む外周側の吸着室S4とを連通させる連通孔92bが複数設けられている。
【0081】
ミネラル添加室S5は、上端が開口した有底筒状を成すとともにその外底壁中央に上方に凹んだ凹段部93aが設けられたミネラル容器93の当該凹段部93a内に濾過容器92の上端部を嵌合係止させ、ミネラル容器93内にカルシウム剤等である粒状のミネラル剤を充填させ、このミネラル容器93の上方から、下端が開口したキャップ状の上カバー94を被せ、上カバー94のフランジ94cを吸着容器91のフランジ91dと係合させることで形成される。そして、このフランジ94cを下側段部71bに形成された環状溝71cに嵌め込むことで、浄水カートリッジ90が下部縮径部73の奥壁73aに装着される。
【0082】
上カバー94の周壁であってミネラル容器93の側方に位置する部分には、小径の導水口94aを全周に亘って多数開口しており、これら導水口94aを通じて浄水カートリッジ90内に原水が導入される構造をしている。
【0083】
また、上カバー94の頂部であって濾過容器92の真上に位置する部分には、排気口94bが上下方向に貫通形成されている。そして、ミネラル容器93の上方に凹んだ凹段部93aの底壁中央部からは、上方に伸びる細長パイプ状の空気抜き路93bが延設されており、空気抜き路93bの上端開口を上カバー94の排気口94bに連通させている。
【0084】
また、ミネラル容器93の外周壁には、スリット状のミネラル溶出孔93cが多数穿設されており、このミネラル溶出孔93cは、ミネラル容器93内の空間であるミネラル添加室S5と吸着室S4内とを連通させるものである。
【0085】
なお、上カバー94の頂部であって排気口94bを囲む部分には、複数の排気口(図示せず)を排気口94bとは別に穿設しており、この排気口(図示せず)を介して、ミネラル添加室S5内に生じた気泡を外部に排出させるようにしている。
【0086】
ここで、本実施形態では、浄水器本体10の底壁24以外の部位に載置部を設け、当該載置部を下にした状態で浄水器1を載置できるようにしている(図2および図4参照)。
【0087】
具体的には、浄水器本体10の後側壁22に平面状の載置面22aを設けることで、当該後側壁22の載置面22aを下にした状態で浄水器1を載置できるようにしている。
【0088】
すなわち、本実施形態では、後側壁22が載置部に相当するものである。
【0089】
さらに、本実施形態では、浄水器1は、図4に示すように、吐出口91eが、原水室S1の許容原水貯留容量の上限(本実施形態では、図3に示す水面Aw1まで注入した際の原水の容量)と同量の浄水を浄水室S2に貯留した状態で後側壁22の載置面22aを下にして載置した際に、浄水室S2に形成される水面Aw2よりも上方に配置されるように設計されている。
【0090】
そして、空気孔52cが、封止部84により外部との連通が封止されるとともに、当該封止部84による注水口53aと浄水室S2の封止が解除された状態で、浄水室S2と外部とを連通するようにしている。
【0091】
具体的には、封止部84が空気孔52cよりも外周側で内側リブ52に当接するように封止部84を取付筒85に設けることで、蓋80の全閉状態では、空気孔52c封止部84により外部との連通が封止されるようにしている。
【0092】
そして、図7に示すように、蓋80の半開状態(当該封止部84による注水口53aと浄水室S2の封止が解除された状態)で、雄ねじ部86aと雌ねじ部との螺合部分に外部に連通する隙間が形成されるようにすることで、浄水室S2と外部とが空気孔52cを介して連通するようにしている。
【0093】
次に、かかる構成の浄水器1を用いて浄水を得る手順を説明する。
【0094】
まず、蓋80を開方向に回動させて、浄水器本体10から取り外す。そして、給水口72aから水道水等の原水を原水室S1内に供給する。
【0095】
供給された原水は原水室S1内に一旦貯留されるとともに、上カバー94の多数の導水口94aを通じて浄水カートリッジ90内に導入され、吸着室S4およびこれに連通する濾過室S3やミネラル添加室S5内に原水が充填される。
【0096】
そして、浄水カートリッジ90内に導入された原水は自重により浄水カートリッジ90内を通って浄化され、浄水が吐出口91eから浄水室S2内に流下する。このとき、本実施形態では、吸着作用及び濾過作用による浄水が行われるとともに、ミネラル添加室S5に流入した水にミネラル剤のミネラル成分が添加される。
【0097】
その後、浄水カートリッジ90による原水の浄化が終了して浄水室S2内に浄水が貯留されたら、給水口72aおよび注水口53aを蓋80で栓をした状態(図9参照)で浄水器1を冷蔵庫等にて保管する。このとき、底壁を下にした状態で浄水器1を載置させてもよいし、後側壁22aを下にした状態で浄水器1を載置してもよい。
【0098】
なお、給水口72aおよび注水口53aを蓋80で栓をすると、浄水器本体10の内部と外部とが封止され、原水室S1と浄水室S2との圧力バランスが同一となるため、後側壁22aを下にした状態で浄水器1を載置した際に、逆流が生じるのを抑制することができる。
【0099】
そして、飲用等のために、浄水器1から浄水を取り出す際には、蓋80を開方向に回動させて半開状態にする(図10参照)。すると、封止部84による通路13と注水口53aとの封止が解除され、通路13と注水口53aとが連通される。そして、かかる状態で浄水器1を注水口53aが下方となるように傾倒させると、浄水室S2内に貯留された浄水が通路13を経て注水口53aから排出される。なお、蓋80の半開状態では、図6(b)に示すように、Oリング72eによる上部拡径部72の外周面と取付筒85の内周面87との間の隙間の封止は解除されていない状態であって、かつ、空気孔52cによって浄水室S2と外気とが連通された状態となっている。そのため、原水室S1内の原水が浄水に混合してしまうのを抑制しつつ、空気孔52cによって外部の空気を吸引させて、安定した吐水状態を保つことが可能となる。
【0100】
なお、本実施形態では、空気孔52cを注水口53aよりも後方に設けているため、浄水注水時に浄水が注水口53aに浸入して水膜が張られてしまうのを抑制することができ、より確実に安定した吐水状態を保つことが可能となる(図8参照)。
【0101】
以上の本実施形態によれば、浄水器本体10の後側壁(底壁24以外の部位)22に載置部を設け、当該後側壁22を下にした状態で浄水器(浄水装置)1を載置できるようにしたため、冷蔵庫などへ収納する際の収納場所の選択性を広げることができる。すなわち、浄水器の保管場所の自由度を向上させることができる。
【0102】
また、底壁24以外の部位を下にして浄水器1を載置できるようにすることで、浄水器1の重心の位置を低くすることができるため、浄水器1の転倒を抑制することが可能となり、より安定して載置することができるようになる。
【0103】
また、載置部の面積を底壁24の面積よりも大きくすれば、より一層安定して載置することができるようになる。
【0104】
また、本実施形態によれば、後側壁(載置部)22の載置面22aを平面状にすることで、後側壁(載置部)22を下にした状態で浄水器1を載置した際に、浄水器1ががたついてしまうのを抑制することができる。
【0105】
また、本実施形態によれば、浄水器1が、原水を原水室S1に注入する給水口72aおよび浄水を外部に注出する注水口53aを塞ぐ蓋80を有するため、後側壁(載置部)22を下にした状態で浄水器1を載置した際に、浄水器1内部の水が外部に洩れてしまうのを抑制することができる。
【0106】
また、蓋80によって浄水器本体10の内部と外部とが封止されるため、容器を大型化することなく、後側壁(載置部)22を下にした状態で浄水器1を載置した際に、漏れを防止することのできる浄水の最大容量を増加させることができる(本実施形態では、浄水器本体10の内部と外部とを封止しない場合には、浄水の最大容量は、図4に示す水面Aw3のときの浄水容量であるが、封止することで水面Aw2まで増加させることができる)。なお、原水と浄水との混合を考慮しなければ、水面Aw2以上の浄水を貯留した状態で漏れを防止することができる。
【0107】
このように、蓋80によって浄水器本体10の内部と外部とを封止することで、漏れを防止できる浄水の最大貯留容量を確保しつつ容器の小型化を図ることができるため、冷蔵庫などへ収納する際の収納場所の選択性をより一層広げることができる。
【0108】
また、本実施形態によれば、蓋80が給水口72aおよび注水口53aを塞いだ時に、封止部(第1の封止部)84により注水口53aと浄水室S2との連通が封止されるとともに、Oリング(第2の封止部)72eにより内容器(内壁)70と蓋80との間の隙間が封止されるようにしたため、後側壁(載置部)22を下にした状態で浄水器1を載置した際に、浄水器1内部の原水と浄水とが混合してしまうのを抑制することができる。また、浄水後に蓋80をすれば、原水室S1と浄水室S2の圧力をほぼ同圧とすることができるため、浄水が原水室S1内に逆流してしまうのを抑制することができるようになる。
【0109】
また、本実施形態によれば、蓋80を浄水器本体10に螺合させることで、蓋80の浄水器本体10からの抜け防止を図ることができる。また、蓋80を開方向に回動させた際に、まず封止部(第1の封止部)84による封止が解除され、次にOリング(第2の封止部)72eによる封止が解除されるようにしたため、蓋80の状態を、封止部(第1の封止部)84による封止は解除されているがOリング(第2の封止部)72eによる封止は解除されていない状態(本実施形態では、半開状態)にすれば、原水が浄水に混合するのを抑制しつつ、浄水を注水口53aから注出させることができる。すなわち、蓋80を浄水器本体10から外すことなく浄水を吐水させることが可能となる。
【0110】
また、蓋80を浄水器本体10に螺合させることで、蓋80を開方向に回動させるだけで、封止部(第1の封止部)84やOリング(第2の封止部)72eによる封止を解除することができるようになるため、構成の簡素化を図ることができるようになる。
【0111】
また、本実施形態によれば、浄水カートリッジ(浄化部)90の吐出口91eを、原水室S2の許容原水貯留容量の上限(図3に示す水面Aw1まで注入した際の原水の容量)と同量の浄水を浄水室S2に貯留した状態で後側壁(載置部)22を下にして浄水器1を載置した際に、浄水室S2に形成される水面Aw2よりも上方に位置するように配置したため、後側壁(載置部)22を下にして浄水器1を載置した際に、原水と浄水とが浄水カートリッジ(浄化部)90を通じて混合されてしまうのを抑制することができる。
【0112】
また、吐出口91eが縁切りされることで、長期保管の際に浄水が腐食した場合にあっても、腐食した浄水が浄水カートリッジ90内に浸入してしまうのを抑制することができ、浄水カートリッジ90の細菌繁殖による2次汚染を防止できるという利点もある。なお、奥壁73aを、後側壁(載置部)22を下にして浄水器1を載置した状態においてより上方に位置するように偏芯させれば、浄水室S2内の許容浄水容量を増加(水面Aw1の高さを高く)させることができる。
【0113】
また、本実施形態によれば、浄水器本体10は、浄水室S2が形成される外容器20と、原水室S1が形成され、外容器20に取り外し可能に取り付けられる内容器70と、を備えるため、浄水器本体10をより容易に洗浄することができる。その結果、浄水器本体10をより清潔に保つことができ、細菌繁殖による汚染をより一層抑制することが可能となる。
【0114】
また、本実施形態によれば、外容器20および内容器70に、互いに係合して外容器20に対する内容器70の相対回動を規制する係合部(凹部71dと突起部52b)を設けることで、蓋80を回動させて取り外す時に、内容器70が蓋80とともに回動してしまうのを抑制することができ、蓋80の開け閉めを容易に行うことができる。
【0115】
特に、本実施形態では、取付筒85の内周面87とOリング27eとが摺接した状態で蓋80を回動させる構造としているため、特に有効である。また、蓋80を開口しようとした際に、蓋80と内容器70との同時回動を抑制することができるため、蓋80を浄水器本体10から取り外した際に内容器70も同時に外容器20から取り外されてしまうのを抑制することができる。その結果、内容器70のセットし直しや、蓋80から内容器70が外れて落下し、内容器70が破損してしまうのを抑制することができる。
【0116】
また、本実施形態によれば、浄水器本体10に、封止部(第1の封止部)84により外部との連通が封止されるとともに、当該封止部(第1の封止部)84による注水口53aと浄水室S2の封止が解除された状態で、浄水室S2と外部とを連通する空気孔(第3の連通孔)52cを形成したため、浄水注水時には、空気孔(第3の連通孔)52cによって外部より空気を吸引しやすくなり、安定した吐水状態を保つことが可能となる。
【0117】
(第2実施形態)
本実施形態にかかる浄水器(浄水装置)1Aも、上記第1実施形態の浄水器(浄水装置)1と同様に、浄水器本体10の底壁24以外の部位に載置部を設け、当該載置部を下にした状態で浄水器1Aを載置できるようにしている。
【0118】
具体的には、図11および図12に示すように、浄水器本体10の後側壁22に平面状の載置面22aを設けることで、当該後側壁22の載置面22aを下にした状態で浄水器1Aを載置できるようにしている。
【0119】
ここで、本実施形態が上記第1実施形態と主に異なる点は、浄水器本体10の原水室S1と浄水室S2とを区画する内壁(内容器70)に、原水室S1と浄水室S2とを連通する連通穴(第1の連通穴)72fを設けたことにある(図13参照)。
【0120】
このように、連通穴(第1の連通穴)72fを設けることで、蓋80で給水口72aおよび注水口53aを塞いだ状態で原水を浄水した場合であっても、原水室S1内の圧力が浄化室S2内の圧力よりも低くなってしまうのが抑制され、浄水流量が低下してしまうのを抑制することができる。
【0121】
さらに、本実施形態では、連通穴(第1の連通穴)72fは、原水室S1に許容原水貯留容量の上限(図11に示す水面Aw1まで注入した際の原水の容量)まで原水を貯留した状態で後側壁22を下にして浄水器1Aを載置した際に、原水室S1に形成される水面Aw4よりも上方に位置するように設けられている。
【0122】
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0123】
また、本実施形態によれば、浄水器本体10の原水室S1と浄水室S2とを区画する内容器(内壁)70に、原水室S1と浄水室S2とを連通する連通穴(第1の連通穴)72fを設けることで、原水を原水室S1に注入した際に、原水室S1と浄水室S2とを連通穴(第1の連通穴)72fによってほぼ同圧とすることができるため、蓋80で給水口72aおよび注水口53aを塞いだ状態のときに、浄水流量が低下してしまうのを極力抑制することができる。その結果、蓋80で給水口72aおよび注水口53aを塞いだ状態で浄水を行うことが可能となるため、後から蓋80をする必要がなくなり作業効率を向上させることができる。さらに、大気中のごみ(浮遊物)が浄水器1A内に進入してしまうのを極力避けることが可能となって浄水カートリッジ(浄水部)90の長寿命化を図ることが可能となる。
【0124】
また、本実施形態によれば、連通穴(第1の連通穴)72fを、原水室S1に許容原水貯留容量の上限(図11に示す水面Aw1まで注入した際の原水の容量)まで原水を貯留した状態で後側壁(載置部)22を下にして浄水器1Aを載置した際に、原水室S1に形成される水面Aw4よりも上方に位置するように設けることで、浄水後に、後側壁(載置部)22を下にした状態で浄水器1Aを載置した際に、原水室S1内の原水が連通穴(第1の連通穴)72fから浄水室S2内に流入してしまうのを抑制することができる。
【0125】
(第3実施形態)
本実施形態にかかる浄水器(浄水装置)1Bも、上記第1実施形態の浄水器(浄水装置)1と同様に、浄水器本体10の底壁24以外の部位に載置部を設け、当該載置部を下にした状態で浄水器1Bを載置できるようにしている。
【0126】
具体的には、浄水器本体10の後側壁22に平面状の載置面22aを設けることで、当該後側壁22の載置面22aを下にした状態で浄水器1Bを載置できるようにしている。
【0127】
ここで、本実施形態が上記第1実施形態と主に異なる点は、蓋80に、原水室S1と外部とを連通する連通穴(第2の連通穴)81aを設けたことにある(図14および図15参照)。
【0128】
このように、連通穴(第2の連通穴)81aを設けることで、蓋80で給水口72aおよび注水口53aを塞いだ状態で原水を浄水した場合であっても、原水室S1内の圧力が負圧になってしまうのが抑制され、浄水流量が低下してしまうのを抑制することができる。
【0129】
さらに、本実施形態では、連通穴(第2の連通穴)81aは、原水室S1に許容原水貯留容量の上限(図14に示す水面Aw1まで注入した際の原水の容量)まで原水を貯留した状態で後側壁(載置部)22を下にして浄水器1Bを載置した際に、原水室S1に形成される水面Aw4よりも上方に位置するように設けられている。
【0130】
また、本実施形態では、連通穴(第2の連通穴)81aを取手82の下方に設けることで、連通穴(第2の連通穴)81aから原水室S1内に大気中のごみ(浮遊物)が進入してしまうのを極力避けるようにしている。
【0131】
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0132】
また、本実施形態によれば、蓋80に、原水室S1と外部とを連通する連通穴(第2の連通穴)81aを設けることで、外部から原水室S1内に空気を取り込むことができるため、原水を原水室S1に注入した際に、浄水流量が低下してしまうのを極力抑制することができる。すなわち、蓋80で給水口72aおよび注水口53aを塞いだ状態のときに、浄水流量が低下してしまうのを極力抑制することが可能となり、蓋80で給水口72aおよび注水口53aを塞いだ状態で浄水を行うことができるようになる。また、後から蓋80をする必要がなくなり作業効率を向上させることができる。さらに、大気中のごみ(浮遊物)が浄水器1B内に進入してしまうのを極力避けることが可能となって浄水カートリッジ(浄水部)90の長寿命化を図ることが可能となる。
【0133】
また、本実施形態によれば、連通穴(第2の連通穴)81aを、原水室S1に許容原水貯留容量の上限(図14に示す水面Aw1まで注入した際の原水の容量)まで原水を貯留した状態で後側壁(載置部)22を下にして浄水器1Bを載置した際に、原水室S1に形成される水面Aw4よりも上方に位置するように設けることで、浄水後に、後側壁(載置部)22を下にした状態で浄水器1Bを載置した際に、原水室S1内の原水が連通穴(第2の連通穴)81aから外部に漏れ出てしまうのを抑制することができる。
【0134】
(第4実施形態)
本実施形態にかかる浄水器(浄水装置)1Cも、上記第1実施形態の浄水器(浄水装置)1と同様に、浄水器本体10の底壁24以外の部位に載置部を設け、当該載置部を下にした状態で浄水器1Cを載置できるようにしている。
【0135】
具体的には、浄水器本体10の後側壁22に平面状の載置面22aを設けることで、当該後側壁22の載置面22aを下にした状態で浄水器1Cを載置できるようにしている。
【0136】
ここで、本実施形態が上記第1実施形態と主に異なる点は、蓋80に、給水口72aおよび注水口53aを塞いだ際に平面視で浄水器本体10の輪郭内に収まるとともに、当該蓋80を開方向に回動させた際(例えば、蓋80が半開状態のとき)に平面視で浄水器本体10の輪郭からはみ出す延出部83aを設けたことにある(図16および図17参照)。
【0137】
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0138】
また、本実施形態によれば、蓋80に、給水口72aおよび注水口53aを塞いだ際に平面視で浄水器本体10の輪郭内に収まるとともに、当該蓋80を開方向に回動させた際に平面視で浄水器本体10の輪郭からはみ出す延出部83aを設けることで、蓋80で給水口72aおよび注水口53aを塞いでいない状態になっているときの位置関係を明確に把握することができ、蓋80で給水口72aおよび注水口53aを塞いでいない状態で、後側壁(載置部)22を下にして浄水器1Cを載置してしまうのを抑制することができる。
【0139】
すなわち、蓋80の状態を見るだけで、蓋80が全閉状態か否かを容易に確認することができる。
【0140】
なお、例えば蓋80が半開状態のときに、延出部83aが後側壁(載置部)22に突出するように蓋80を設ければ、蓋80が半開状態のとき(蓋80が全閉状態でないとき)には、延出部83aに邪魔されて後側壁(載置部)22を下にして浄水器1Cを載置できないようにすることも可能である。
【0141】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
【0142】
例えば、上記各実施形態では、載置部として後側壁を例示したが、これに限らず、左右の側壁等その他の部位を載置部とすることも可能である。また、載置部を複数箇所に設けるようにしてもよい。この場合、連通穴や空気穴の位置、浄水カートリッジ(浄水部)の吐出口の位置を適宜設定することで、浄水と原水との混合が生じないようにすればよい。
【0143】
また、上記各実施形態では、載置部として平面状のものを例示し、平面全体を冷蔵庫内の床面等に当接させる構造を例示したが、これに限らず、例えば、側面の4隅に脚部を設けて当該脚部を載置部とすることも可能である。この場合、4隅の脚部のみが冷蔵庫内の床面等に当接し、側面部分を当接させないようにすることができる。その結果、冷蔵庫内の床面等のごみが側面部分に付着してしまうのを抑制することができ、浄水器をより清潔に保つことができる。また、側面部分を冷蔵庫内の冷気にさらすことができるため、浄水の冷却効率を高めることができる。なお、このように4隅に脚部を設けた場合、側面部分を外側に膨出させた形状とするのが好ましい。こうすれば、側面部分が平面状のものと比べて浄水室の容量を大きくすることができる。
【0144】
また、浄水カートリッジ(浄水部)や浄水器本体、原水室、浄水室、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
【符号の説明】
【0145】
1、1A、1B、1C 浄水器(浄水装置)
10 浄水器本体
20 外容器
22 後側面(載置部)
22a 載置面
24 底壁
52b 突起部(係合部)
52c 空気孔(第3の連通孔)
53a 注水口
70 内容器(内壁)
71d 凹部(係合部)
72a 給水口
72e Oリング(第2の封止部)
72f 連通穴(第1の連通穴)
80 蓋
81a 連通穴(第2の連通穴)
83a 延出部
84 封止部(第1の封止部)
90 浄水カートリッジ(浄水部)
91e 吐出口
S1 原水室
S2 浄化室
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水を貯留する原水室と、原水を浄水部にて浄化することで得られた浄水を貯留する浄水室と、が形成された浄水器本体を備え、当該浄水器本体の底壁を下にした状態で載置可能な浄水装置であって、
前記浄水器本体の底壁以外の部位に載置部を設け、当該載置部を下にした状態で載置できるようにしたことを特徴とする浄水装置。
【請求項2】
前記載置部の載置面を平面状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の浄水装置。
【請求項3】
前記浄水器本体には、原水を前記原水室に注入する給水口および前記浄水を外部に注出する注水口が形成されるとともに、前記浄水装置は、前記給水口および注水口を塞ぐ蓋を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の浄水装置。
【請求項4】
前記浄水器本体は、前記原水室と前記浄水室とを区画する内壁を備え、
前記蓋には、前記注水口と前記浄水室との連通を解除可能に封止する第1の封止部が設けられるとともに、前記内壁と前記蓋との間には、当該内壁と蓋との間の隙間を解除可能に封止する第2の封止部が設けられており、
前記蓋が前記給水口および注水口を塞いだ時には、前記第1の封止部により前記注水口と前記浄水室との連通が封止されるとともに、前記第2の封止部により前記内壁と前記蓋との間の隙間が封止されていることを特徴とする請求項3に記載の浄水装置。
【請求項5】
前記蓋が前記浄水器本体に螺合されるとともに、当該蓋を開方向に回動させた際に、まず前記第1の封止部による封止が解除され、次に前記第2の封止部による封止が解除されるようにしたことを特徴とする請求項4に記載の浄水装置。
【請求項6】
前記浄水器本体の前記原水室と前記浄水室とを区画する内壁に、前記原水室と前記浄水室とを連通する第1の連通穴が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の浄水装置。
【請求項7】
前記第1の連通穴は、前記原水室に許容原水貯留容量の上限まで原水を貯留した状態で前記載置部を下にして前記浄水装置を載置した際に、原水室に形成される水面よりも上方に位置するように設けられていることを特徴とする請求項6に記載の浄水装置。
【請求項8】
前記蓋に、前記原水室と外部とを連通する第2の連通穴が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の浄水装置。
【請求項9】
前記第2の連通穴は、前記原水室に許容原水貯留容量の上限まで原水を貯留した状態で前記載置部を下にして前記浄水装置を載置した際に、原水室に形成される水面よりも上方に位置するように設けられていることを特徴とする請求項8に記載の浄水装置。
【請求項10】
前記浄水部は、前記浄水室に浄水を吐出する吐出口を有し、
前記吐出口が、前記原水室の許容原水貯留容量の上限と同量の浄水を前記浄水室に貯留した状態で前記載置部を下にして前記浄水装置を載置した際に、浄水室に形成される水面よりも上方に配置されていることを特徴とする請求項1〜9のうちいずれか1項に記載の浄水装置。
【請求項11】
前記浄水器本体は、前記浄水室が形成される外容器と、前記原水室が形成され、前記外容器に取り外し可能に取り付けられる内容器と、を備えていることを特徴とする請求項1〜10のうちいずれか1項に記載の浄水装置。
【請求項12】
前記外容器および内容器には、互いに係合して外容器に対する内容器の相対回動を規制する係合部がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項11に記載の浄水装置。
【請求項13】
前記浄水器本体には、前記第1の封止部により外部との連通が封止されるとともに、当該第1の封止部による前記注水口と前記浄水室の封止が解除された状態で、前記浄水室と外部とを連通する第3の連通穴が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の浄水装置。
【請求項14】
前記蓋には、前記給水口および注水口を塞いだ際に平面視で前記浄水器本体の輪郭内に収まるとともに、当該蓋を開方向に回動させた際に平面視で前記輪郭からはみ出す延出部が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の浄水装置。
【請求項1】
原水を貯留する原水室と、原水を浄水部にて浄化することで得られた浄水を貯留する浄水室と、が形成された浄水器本体を備え、当該浄水器本体の底壁を下にした状態で載置可能な浄水装置であって、
前記浄水器本体の底壁以外の部位に載置部を設け、当該載置部を下にした状態で載置できるようにしたことを特徴とする浄水装置。
【請求項2】
前記載置部の載置面を平面状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の浄水装置。
【請求項3】
前記浄水器本体には、原水を前記原水室に注入する給水口および前記浄水を外部に注出する注水口が形成されるとともに、前記浄水装置は、前記給水口および注水口を塞ぐ蓋を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の浄水装置。
【請求項4】
前記浄水器本体は、前記原水室と前記浄水室とを区画する内壁を備え、
前記蓋には、前記注水口と前記浄水室との連通を解除可能に封止する第1の封止部が設けられるとともに、前記内壁と前記蓋との間には、当該内壁と蓋との間の隙間を解除可能に封止する第2の封止部が設けられており、
前記蓋が前記給水口および注水口を塞いだ時には、前記第1の封止部により前記注水口と前記浄水室との連通が封止されるとともに、前記第2の封止部により前記内壁と前記蓋との間の隙間が封止されていることを特徴とする請求項3に記載の浄水装置。
【請求項5】
前記蓋が前記浄水器本体に螺合されるとともに、当該蓋を開方向に回動させた際に、まず前記第1の封止部による封止が解除され、次に前記第2の封止部による封止が解除されるようにしたことを特徴とする請求項4に記載の浄水装置。
【請求項6】
前記浄水器本体の前記原水室と前記浄水室とを区画する内壁に、前記原水室と前記浄水室とを連通する第1の連通穴が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の浄水装置。
【請求項7】
前記第1の連通穴は、前記原水室に許容原水貯留容量の上限まで原水を貯留した状態で前記載置部を下にして前記浄水装置を載置した際に、原水室に形成される水面よりも上方に位置するように設けられていることを特徴とする請求項6に記載の浄水装置。
【請求項8】
前記蓋に、前記原水室と外部とを連通する第2の連通穴が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の浄水装置。
【請求項9】
前記第2の連通穴は、前記原水室に許容原水貯留容量の上限まで原水を貯留した状態で前記載置部を下にして前記浄水装置を載置した際に、原水室に形成される水面よりも上方に位置するように設けられていることを特徴とする請求項8に記載の浄水装置。
【請求項10】
前記浄水部は、前記浄水室に浄水を吐出する吐出口を有し、
前記吐出口が、前記原水室の許容原水貯留容量の上限と同量の浄水を前記浄水室に貯留した状態で前記載置部を下にして前記浄水装置を載置した際に、浄水室に形成される水面よりも上方に配置されていることを特徴とする請求項1〜9のうちいずれか1項に記載の浄水装置。
【請求項11】
前記浄水器本体は、前記浄水室が形成される外容器と、前記原水室が形成され、前記外容器に取り外し可能に取り付けられる内容器と、を備えていることを特徴とする請求項1〜10のうちいずれか1項に記載の浄水装置。
【請求項12】
前記外容器および内容器には、互いに係合して外容器に対する内容器の相対回動を規制する係合部がそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項11に記載の浄水装置。
【請求項13】
前記浄水器本体には、前記第1の封止部により外部との連通が封止されるとともに、当該第1の封止部による前記注水口と前記浄水室の封止が解除された状態で、前記浄水室と外部とを連通する第3の連通穴が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の浄水装置。
【請求項14】
前記蓋には、前記給水口および注水口を塞いだ際に平面視で前記浄水器本体の輪郭内に収まるとともに、当該蓋を開方向に回動させた際に平面視で前記輪郭からはみ出す延出部が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の浄水装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2011−83680(P2011−83680A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−237217(P2009−237217)
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月14日(2009.10.14)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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