説明

浴室ユニット

【課題】導光設備によって屋外から光が導入される浴室ユニットであって、機能部材のメンテナンス性が優れた浴室ユニットを提供する。
【解決手段】光ダクト102によって屋外から光が導入される浴室ユニット1において、浴室ユニット1の天井に点検口7が設けられており、この点検口7には点検口蓋8が着脱可能に設けられている。また、点検口蓋8には放光口11が形成されている。更に、点検口蓋8には、光ダクト102から出射した光を放光口11まで伝達する放光口部材14が取り付けられている。そして、放光口部材14は、光ダクト102から離隔している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室ユニットに関し、特に、導光設備によって屋外から光が導入される浴室ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、住宅等の建築物に光ダクトを設ける技術が開発されている。光ダクトとは、建築物の屋外から屋内まで連通し、その内面が光反射面となった筒状の部材であり、屋外の自然光を屋内に導入するものである。建築物にこのような光ダクトを設けることにより、日中の豊富な自然光を室内の照明に利用することができるため、照明コストを節約し、省エネルギー効果及び環境負荷軽減効果を得ることができる。また、室内に自然光を導入することにより、室内の居住性を向上させることができる。
【0003】
特許文献1には、浴室ユニットに連通された排気ダクトの内部に光ダクトを設けることにより、浴室ユニットに光ダクトを結合する技術が開示されている。しかしながら、この技術においては、排気ダクトの内部に光ダクトを収納するため、排気ダクトを特別に設計しなくてはならず、コストが増大する。また、排気ダクトに付随する設備、例えば、排気フィン等も特別に設計しなくてはならず、コストが増大する。更に、排気ダクトが大口径になってしまい、天井裏における取り回し、及び建築物の外壁における排気口の設置位置が制約される。
【0004】
一方、光ダクトを排気ダクトとは別に配設する場合は、浴室ユニットの天井に、排気口とは別に放光口を設けることになる。しかしながら、浴室ユニット上には排気フィン等の機能部材が多数配置されているため、浴室ユニットの天井に放光口を設けることにより、これらの機能部材のメンテナンス性が低下してしまう。
【0005】
【特許文献1】実開昭60−033240号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、導光設備によって屋外から光が導入される浴室ユニットであって、機能部材のメンテナンス性が優れた浴室ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、導光設備によって屋外から光が導入される浴室ユニットであって、前記浴室ユニットの天井に設けられた点検口と、前記点検口に対して着脱可能に設けられた点検口蓋と、前記点検口蓋に形成された放光口と、前記点検口蓋に取り付けられ、前記導光設備から出射した光を前記放光口まで伝達する放光口部材と、を備え、前記放光口部材は、前記導光設備から離隔していることを特徴とする浴室ユニットが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、導光設備によって屋外から光が導入され、且つ、機能部材のメンテナンス性が優れた浴室ユニットを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る浴室ユニットが設けられた建築物を例示する模式的断面図であり、
図2は、本実施形態に係る浴室ユニットを例示する斜視図であり、
図3は、この浴室ユニットにおける放光口部材付近を例示する断面図であり、
図4は、この浴室ユニットにおける点検口蓋とブラケットとの連結部付近を例示する断面図であり、
図5は、この浴室ユニットの点検口付近を例示する下面図である。
【0010】
図1に示すように、本実施形態に係る浴室ユニット1は、建築物、例えば住宅101に設置されている。住宅101においては、導光設備としての光ダクト102が配設されている。光ダクト102の一方の端部は、例えば住宅101の屋根に設けられた採光部103に結合されており、他方の端部は、浴室ユニット1に結合されている。採光部103は、透明板からなるドームによって覆われており、砂や埃は通過させないが光は透過させる。光ダクト102の内部は中空であり、その内面は光反射面とされている。これにより、光ダクト102は、住宅101の外部から採光部103を介して導入された外光Lを、その内面において反射しつつ導光して、浴室ユニット1の内部まで導入する。
【0011】
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る浴室ユニット1においては、床の一方の側に浴槽2が設けられており、他方の側が洗い場3となっている。天井4における浴槽2側の部分には、排気口5が設けられており、排気口5の直上には排気フィン6が設けられており、排気フィン6は住宅101の排気管104に連通されている。これにより、排気口5は排気フィン6及び排気管104を介して住宅101の外部に連通されている。
【0012】
一方、天井4における洗い場3側の部分には、点検口7が設けられている。点検口7は、浴室ユニット1上に配置された排気フィン6などの機能部材を点検する際に利用するものである。点検口7のサイズは、点検作業者が上半身を乗り出せるサイズであればよく、例えば、横が450ミリメートル、縦が450ミリメートルの正方形である。更にまた、点検口7には点検口蓋8が、点検口7に対して着脱可能に設けられている。点検口蓋8は、通常使用時には点検口7に嵌合されて点検口7を塞ぎ、点検時には点検口7から外されて点検口7を開口させるパネル状の部材である。
【0013】
図3乃至図5に示すように、点検口蓋8の例えば中央領域には、放光口11として、例えば円形の開口部が形成されている。点検口蓋8の下面における放光口11の直下域には、ブラケット13が取り付けられている。ブラケット13は、光を拡散させながら透過させる透光材料、例えば乳白色の樹脂材料からなり、下方に凸になるように配置されたドーム状の部分を持つ部材である。また、点検口蓋8上には放光口部材14が設けられている。放光口部材14は点検口蓋8に取り付けられており、これによって、放光口11に対して固定されている。
【0014】
放光口部材14は遮光体からなるダクトであり、その内面は光反射面とされている。光反射面は、例えば、鏡面又は白色面であり、例えば、アルミニウム若しくはステンレスなどの金属面、又はこれらの金属面の表面に酸化アルミニウム若しくは樹脂などの被覆層が積層された面により構成されている。放光口部材14の軸直交断面の形状は例えば矩形である。放光口部材14は、放光口11から一旦、垂直方向上方に向かって延びた後、直角に屈曲し、その後水平方向に向かって延びて終端している。そして、終端部は開口しており、光入射口15となっている。
【0015】
換言すれば、放光口部材14は、放光口11から上方に向かって延びる例えば四角柱形状の垂直部分14aと、垂直部分14aの上端部から水平方向に延びる例えば四角柱形状の水平部分14bとが一体的に連通されて構成されており、水平部分14bにおける垂直部分14aに結合されていない側の端部が、光入射口15となっている。
なお、本明細書において、「垂直」、「水平」、「直角」という場合は、それぞれ、略垂直、略水平、略直角を含む。
【0016】
また、垂直部分14aと水平部分14bとの間の屈曲部分の側面14cは、水平部分14b内を伝達してきた光が垂直部分14aに向けて反射されるような角度に傾斜している。光入射口15には、透光板16が取り付けられている。透光板16は、例えば、透明樹脂により形成されており、光入射口15を気密的に塞いでいる。
【0017】
一方、光ダクト102の浴室ユニット1側の先端部は、下方に向かって延びた後、水平方向に屈曲しており、先端面が水平方向に向けて開口し、光出射口105となっている。すなわち、光出射口105は水平面に対して傾斜しており、例えば垂直面をなしている。光出射口105には、透光板106が取り付けられている。透光板106は、例えば、透明樹脂により形成されており、光出射口105を気密的に塞いでいる。また、光ダクト102の屈曲部分の側面は、光ダクト102内を上方から伝達してきた光が光出射口105に向けて反射されるような角度に傾斜している。
【0018】
そして、放光口部材14の光入射口15は、光ダクト102の光出射口105に対向している。すなわち、光入射口15に取り付けられた透光板16は、光出射口105に取り付けられた透光板106に対して略平行に配置されており、隙間cを隔てて離隔している。このため、放光口部材14は、光ダクト102には連結されていない。また、放光口部材14は、光出射口105の直下域から外れた領域に配置されている。隙間cの大きさは、例えば数センチメートルである。透光板16と透光板106との間の隙間cの大きさは特に限定されないが、点検口蓋8を放光口部材14と共に点検口7に対して着脱する際に、放光口部材14が光ダクト102に接触しない程度に大きく、また、光出射口105から光入射口15への光の伝達効率が大幅に低下しない程度に小さいことが好ましい。
【0019】
一方、点検口7の端縁においては、その下面側部分が上面側部分よりも点検口7の内部に向けて突出しており、従って、点検口7の端縁には、下面側が凸となった段差7aが形成されている。一方、点検口蓋8の上面側部分は下面側部分よりもやや大きく、点検口蓋8の表面に垂直な方向から見て、上面側部分の外縁は下面側部分の外縁よりも外側にあり、従って、点検口蓋8の側面には、上面側が凸となった段差8aが形成されている。そして、点検口蓋8を点検口7に装着したときに、点検口蓋8の段差8aが点検口7の段差7aに係合し、点検口蓋8が点検口7の内部に保持されるようになっている。また、段差7aにおける段差8aと接触する部分には、環状のパッキン9が嵌め込まれている。
【0020】
また、図4に示すように、ブラケット13においては、略半球状のドーム状部分13aと、ドーム状部分13aの外縁部から中心に向かって延出した円環板状部分13bと、円環板状部分13bの内縁部からドーム状部分13aに対して離隔する方向に起立した円筒状部分13cと、が一体的に成形されている。ドーム状部分13aは、天井4から下方に突出している。また、円筒状部分13cの外面には、ネジ溝13dが形成されている。一方、点検口蓋8における放光口11の内面の下部には、ネジ溝13dに螺合するようなネジ溝8dが形成されている。また、ブラケット13の上端部には、環状のパッキン10が設けられている。ブラケット13は、ネジ溝13dが点検口蓋8のネジ溝8dに螺合することにより、パッキン10と共に点検口蓋8に固定される。
【0021】
次に、本実施形態に係る浴室ユニットの動作について説明する。
先ず、浴室ユニット1の通常使用時の動作について説明する。
図1に示すように、浴室ユニット1の通常使用時においては、点検口蓋8は点検口7に装着されている。このとき、放光口部材14の光入射口15は、光ダクト102の光出射口105に対して近い位置に配置されており、対向しているが、接触はしていない。このため、放光口部材14は、光ダクト102に対して、光学的には結合されているが、機械的には連結されていない。
【0022】
この状態で、図1に示すように、住宅101の外部から外光L、例えば太陽光が、採光部103を介して光ダクト102の内部に導入される。この外光Lは、光ダクト102の内面によって繰り返し反射されながら光ダクト102内を伝達し、透光板106を透過して、最先端部の光出射口105から出射する。光出射口105から出射した外光Lは、隙間cを通過し、放光口部材14の光入射口15に到達する。そして、透光板16を透過することにより、光入射口15から放光口部材14の内部に導入される。その後、外光Lは、放光口部材14の内面で適宜反射を繰り返すことにより、放光口11へと導かれる。放光口11に到達した外光Lは、ブラケット13のドーム状部分13aを透過することにより拡散され、浴室ユニット1内に放射状に散光される。一方、排気フィン6が駆動することにより、排気口5及び排気管104を介して、浴室ユニット1内の空気が建築物の外部に排気される。
【0023】
次に、浴室ユニット1の点検時の動作について説明する。
図3に示すように、浴室ユニット1の天井4上に配設された機能部材、例えば排気フィン6などを点検する際には、例えばブラケット13を点検口蓋8から外した後、点検口蓋8を一旦上方に持ち上げることにより、放光口部材14と共に点検口7から取り外し、その後、水平方向に搬送し、天井4上における点検口7以外の領域に仮置きする。これにより、点検口7を開口し、この点検口7を介して、作業者(図示せず)が点検作業を行うことができる。また、点検作業が終了した後は、点検口蓋8を放光口部材14と共に点検口7に装着し、ブラケット13を取り付ける。
【0024】
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態においては、放光口11を点検口7の点検口蓋8に設けているため、浴室ユニット1の天井4に、点検口7とは別に放光口を設ける必要がない。このため、放光口11を設けても、天井4上のスペースが圧迫されず、機能部材の配置自由度を低下させることがないと共に、機能部材のメンテナンス性が低下することがない。また、浴室ユニット1内から見た天井4の外観がすっきりする。
【0025】
また、放光口部材14は光ダクト102に連結されていないため、点検口蓋8を点検口7に対して着脱する際に、放光口部材14と光ダクト102との間の着脱作業が不要である。このため、単に点検口蓋8を持ち上げるだけで点検口蓋8を点検口7から取り外すことができる。従って、本実施形態に係る浴室ユニット1は、機能部材のメンテナンス性が優れている。また、光出射口105が水平面に対して傾斜しており、放光口部材14は、光ダクト102の光出射口105の直下域から外れた領域に配置されているため、放光口部材14の上方への移動が規制されることがない。特に、本実施形態においては、光出射口105は垂直面を形成しているため、放光口部材14を光出射口105の直下域から外れた領域に配置しつつ、隙間cの大きさを可及的に小さくすることができる。
【0026】
更に、本実施形態に係る浴室ユニット1は、既存の浴室ユニットに対して、放光口部材14を設けると共に、点検口蓋8の設計を変えれば実現することができ、放光口部材14及び点検口蓋8以外の部分については、既存の部品をそのまま使うことができる。このため、放光口を設けることによるコストの増加を抑えることができる。
【0027】
更にまた、本実施形態においては、浴室ユニット1の点検時には、点検口蓋8を放光口部材14と共に天井4上の任意の場所に仮置きすることができる。すなわち、点検作業の内容に応じて、その都度、点検口蓋8及び放光口部材14を点検作業の邪魔にならない場所に置けばよいため、点検口蓋8及び放光口部材14の存在により作業が妨げられることがほとんどなく、メンテナンス性が高い。これに対して、放光口を天井4に固定的に設けた場合には、この放光口に結合される放光口部材の位置も固定されてしまうため、点検作業の内容によっては、この放光口部材が作業の妨げになる。
【0028】
更にまた、放光口部材14の光入射口15には透光板16が設けられているため、放光口部材14の内部を気密的に封止することができる。これにより、放光口部材14の内部に埃及び昆虫などが侵入し、光の利用効率を低減させることを防止できる。また、ブラケット13にはパッキン10が設けられているため、浴室ユニット1内の蒸気が放光口部材14内に侵入して、放光口部材14の内面を曇らせたり、腐食させたりすることを防止できる。
【0029】
一方、光ダクト102の光出射口105には透光板106が設けられているため、光ダクト102の内部に埃、昆虫及び水蒸気などが侵入することがなく、光ダクト102における光の利用効率が低下することがない。また、点検口7における点検口蓋8に接触する面にはパッキン9が設けられているため、点検口7と点検口蓋8との間の気密性が高く、浴室ユニット1内の水蒸気が天井4上に漏洩することがない。このため、浴室ユニット1から漏洩した水蒸気によって透光板16及び106が曇り、光の透過効率が低下することがない。
【0030】
なお、本実施形態においては、放光口部材の軸直交断面における形状が矩形である例を示したが、本発明はこれに限定されず、この断面の形状は例えば円形であってもよい。すなわち、放光口部材は、円筒形のダクトが組み合わされて形成されていてもよい。
【0031】
また、点検口蓋8及びブラケット13は、不透光性材料及び透光性材料の2種類の樹脂材料を使用して、一体的に成形されていてもよい。この場合は、この一体成形物は2色成形体となり、不透光性材料により点検口蓋8に相当する部分が形成され、透光性材料によりブラケット13に相当する部分が形成される。そして、点検時には、この一体成形物を点検口7から一旦上方に持ち上げ、その後水平方向に搬送し、天井4上における点検口7以外の領域に仮置きする。このようにすれば、点検口蓋8及びブラケット13の構成が簡単になり、パッキン10が不要になる。なお、この一体成形物の下面は平坦にしてもよい。これにより、仮置きが容易になる。また、点検口蓋8全体を透光性材料により形成してもよい。これにより、ブラケット13に相当する部分を省略することができる。
【0032】
以下、上述の実施形態の変形例について説明する。以下の変形例は、放光口部材及び光ダクトの形状及び位置関係についてのバリエーションである。
先ず、第1の変形例について説明する。
図6は、本変形例に係る浴室ユニットの放光口部材付近を例示する断面図であり、
図7は、この浴室ユニットの結合部材を例示する断面図である。
図6に示すように、本変形例は、前述の実施形態と比較して、放光口部材24に水平部分が設けられておらず、放光口部材24と光ダクト102との間に結合部材25が設けられている点が異なっている。
【0033】
すなわち、本変形例の放光口部材24の形状は、上面が傾斜した四角柱形状である。そして、放光口部材24の上端部の側面に光入射口15が形成されており、この光入射口15には透光板16が取り付けられている。また、透光板16には、結合部材25が連結されている。結合部材25は、両端が開口された円筒形のダクトであり、中心軸が水平方向に延びており、内面が光反射面とされている。結合部材25の一端は透光板16に連結されており、放光口部材24の光入射口15に対して光学的に結合されている。
【0034】
一方、結合部材25の他端は光ダクト102の光出射口105に対向しており、光出射口105に対して光学的に結合されている。但し、この結合部材25の他端は光ダクト102には接しておらず、光ダクト102に取り付けられた透光板106との間は、隙間cとなっている。このため、結合部材25は、光ダクト102に対して機械的には連結されていない。なお、図7に示すように、結合部材25の端面の形状は円環状であり、光出射口105の形状は矩形であり、両形状は相互に異なっている。また、結合部材25の端面の内縁は光出射口105の外縁の内側に配置されている。
【0035】
本変形例においては、光ダクト102の光出射口105から出射した光は、隙間cを通過して結合部材25内に導入され、結合部材25内を伝達した後、光入射口15を介して放光口部材24内に進入し、放光口部材24内を伝達して放光口11に到達する。
【0036】
次に、本変形例の効果について説明する。
実際に建築物に浴室ユニット1を設置する場合には、光ダクト102の先端部が引き出されている位置が建築物によって異なることがあり、浴室ユニット1の点検口蓋8に設けられた放光口11と、光ダクト102の光出射口105との間の位置関係が一定でない可能性がある。前述の実施形態においては、このような場合には、放光口11と光出射口105との間の位置関係に応じて、放光口部材を個別に設計する必要が生じる。これに対して、本変形例によれば、放光口11と光出射口105との間の位置関係に応じて、結合部材25の形状のみを変更すれば、放光口部材を変更する必要はなく、同じ規格の放光口部材を使用することができる。これにより、浴室ユニットの設置コストを低減することができる。本変形例における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の実施形態と同様である。
【0037】
次に、第2の変形例について説明する。
図8は、本変形例に係る浴室ユニットの放光口部材付近を例示する断面図である。
図8に示すように、本変形例においては、前述の第1の変形例と比較して、結合部材25(図6参照)が省略されており、放光口部材24が光ダクト102に対して、直接光学的に結合されている。なお、放光口部材24は光ダクト102に対して機械的には連結されていない。本変形例における上記以外の構成は、前述の第1の変形例と同様である。
【0038】
本変形例に示すように、光ダクト102を放光口11の直上域の近くまで引き出すことができる場合には、結合部材を省略することができる。これにより、前述の第1の変形例と比較して、点検作業効率はやや低下するものの、コストを低減すると共に、光の利用効率を向上させることができる。本変形例における上記以外の動作及び効果は、前述の実施形態と同様である。
【0039】
次に、第3の変形例について説明する。
図9は、本変形例に係る浴室ユニットの放光口部材付近を例示する断面図である。
図9に示すように、本変形例においては、光ダクト102が水平方向に延びるように配設されており、先端部が屈曲しておらず、光出射口105は水平方向に向けて開口している。この場合にも、前述の第2の変形例と同様な効果を得ることができる。
【0040】
次に、第4の変形例について説明する。
図10は、本変形例に係る浴室ユニットの放光口部材付近を例示する断面図である。
図10に示すように、本変形例においては、放光口部材34の形状が、連続的に湾曲した曲管状となっている。すなわち、放光口部材34は、点検口蓋8の放光口11から上方に向かって引き出されつつ連続的に湾曲し、光ダクト102の光出射口105に向かっている。そして、放光口部材34の端部に形成された光入射口15は、光出射口105に対して、隙間cを隔てて対向している。本変形例における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の実施形態と同様である。
【0041】
次に、第5の変形例について説明する。
図11は、本変形例に係る浴室ユニットの放光口部材付近を例示する断面図である。
図11に示すように、本変形例においては、光ダクト102の先端部が垂直方向に延び、光出射口105が下方に向けて開口している。一方、放光口部材44は屈曲しておらず、放光口部材44の光入射口15は、光ダクト102の光出射口105の直下域に配置されており、上方に向けて開口している。そして、光出射口105と光入射口15との間の距離hは、点検口蓋8を点検口7に対して着脱することができ、点検作業者が点検口7から上半身を乗り出すことができる程度に大きく、例えば、数十センチメートルとされている。
【0042】
浴室ユニットの天井と住宅101の天井との間に十分な距離があり、光出射口105から光入射口15までの光の伝達効率が多少低くても構わない場合は、本変形例のような構成を採用することが可能である。本変形例によれば、放光口部材44の構成を簡略化することができるため、コストを低減できると共に、放光口部材を軽量化して、点検口蓋8の着脱作業を容易にすることができる。本変形例における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の実施形態と同様である。
【0043】
以上、本発明の実施形態及びその変形例を参照しつつ、本発明の特徴を説明した。しかし、本発明はこれらの実施形態及び変形例に限定されるものではない。すなわち、上述の実施形態又は変形例に係る浴室ユニットを構成するいずれかの要素について当業者が適宜追加、省略又は設計変更を加えたものであっても、本発明の要旨を備えたものであれば、本発明の範囲に包含される。例えば、前述の実施形態及び各変形例においては、屋外から浴室ユニット内に外光を導入する導光設備が光ダクトである例を示したが、本発明はこれに限定されず、導光設備は例えば光ファイバであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施形態に係る浴室ユニットが設けられた建築物を例示する模式的断面図である。
【図2】本実施形態に係る浴室ユニットを例示する斜視図である。
【図3】本実施形態に係る浴室ユニットにおける放光口部材付近を例示する断面図である。
【図4】本実施形態に係る浴室ユニットにおける点検口蓋とブラケットとの連結部付近を例示する断面図である。
【図5】本実施形態に係る浴室ユニットの点検口付近を例示する下面図である。
【図6】第1の変形例に係る浴室ユニットの放光口部材付近を例示する断面図である。
【図7】第1の変形例に係る浴室ユニットの結合部材を例示する断面図である。
【図8】第2の変形例に係る浴室ユニットの放光口部材付近を例示する断面図である。
【図9】第3の変形例に係る浴室ユニットの放光口部材付近を例示する断面図である。
【図10】第4の変形例に係る浴室ユニットの放光口部材付近を例示する断面図である。
【図11】第5の変形例に係る浴室ユニットの放光口部材付近を例示する断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1 浴室ユニット、2 浴槽、3 洗い場、4 天井、5 排気口、6 排気フィン、7 点検口、7a 段差、8 点検口蓋、8a 段差、8d ネジ溝、9、10 パッキン、11 放光口、13 ブラケット、13a ドーム状部分、13b 円環板状部分、13c 円筒状部分、13d ネジ溝、14、24、34、44 放光口部材、14a 垂直部分、14b 水平部分、14c 側面、15 光入射口、16 透光板、25 結合部材、101 住宅、102 光ダクト、103 採光部、104 排気管、105 光出射口、106 透光板、c 隙間、h 距離、L 外光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光設備によって屋外から光が導入される浴室ユニットであって、
前記浴室ユニットの天井に設けられた点検口と、
前記点検口に対して着脱可能に設けられた点検口蓋と、
前記点検口蓋に形成された放光口と、
前記点検口蓋に取り付けられ、前記導光設備から出射した光を前記放光口まで伝達する放光口部材と、
を備え、
前記放光口部材は、前記導光設備から離隔していることを特徴とする浴室ユニット。
【請求項2】
前記導光設備の光出射口は水平面に対して傾斜しており、
前記放光口部材は、前記光出射口の直下域から外れた領域に配置されていることを特徴とする請求項1記載の浴室ユニット。
【請求項3】
前記放光口部材は、
前記放光口から上方に向かって延びる垂直部分と、
前記垂直部分の上端部から水平方向に延びる水平部分と、
を有し、
前記水平部分の先端部に光入射口が形成されていることを特徴とする請求項2記載の浴室ユニット。
【請求項4】
前記放光口部材は、前記放光口から上方に向かって延びると共に前記光出射口に向けて屈曲したダクトであることを特徴とする請求項2記載の浴室ユニット。
【請求項5】
前記放光口部材の光入射口には、透光板が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の浴室ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−84750(P2008−84750A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−264987(P2006−264987)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】