説明

浴室建具

【課題】換気部をガラリで換気状態、非換気状態にできるようにし、そのガラリが障子の浴室側面から突出しないと共に、ガラリと障子の浴室側面がフラットに連続したように見える浴室建具とする。
【解決手段】障子2に換気部4を設け、この換気部4内にガラリ5を、換気部を非換気状態とする閉鎖姿勢と、換気部を換気状態とする開放姿勢に見込み方向に移動するように設け、前記ガラリ5が閉鎖姿勢のときに換気部4を構成する第1形材(中桟30)、第2形材(下框21)の浴室側部にそれぞれ当接してガラリ5が浴室寄りに位置し、そのガラリ5と障子2の浴室側面がほぼフラットに連続するようにし、ガラリ5が障子2の浴室側面から突出しないと共に、ガラリ5と障子2の浴室側面がフラットに連続したように見えるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室の出入口に設けられる浴室建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴室の出入口に設けられる浴室建具としては、枠体に障子を開閉自在に設けた、引戸、折戸、開き戸等が知られている。
一方、浴室内を換気等するために、障子に浴室側と脱衣室側を連通する換気部を設けた浴室建具が提案されているが、浴室使用時に湯水が換気部を通して脱衣室側に流れる恐れがあるので、その換気部にガラリを設け、このガラリで換気部を開放して換気状態、閉鎖して非換気状態に切り換えできるようにした浴室建具が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−31730号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来の浴室建具は、障子の換気部に設けたガラリが、換気部を開放する開放姿勢と閉鎖する閉鎖姿勢とに亘って面外方向に揺動し、そのガラリが閉鎖姿勢のときに、ガラリの上部が換気部を構成する下桟の浴室側に当接し、下部が換気部を構成する下框の脱衣室側に当接するので、ガラリを換気部内に完全に収容することは困難で、下桟、下框(障子)の浴室側面から浴室側に突出すると共に、閉鎖姿勢のガラリは、上部が浴室側で下部が脱衣室側となるように見込み方向に斜めであるから、ガラリが閉鎖姿勢で換気部が閉鎖された非換気状態のときに、浴室側から見ると換気部が凹んだように見え、意匠性が劣る。
しかも、ガラリを浴室側から清掃しづらい。
【0005】
本発明の目的は、障子の浴室側面からガラリが浴室側に突出することがないと共に、換気部が非換気状態のときに障子の浴室側面とガラリが略フラットに連続したように見え、意匠性が優れ、しかも、ガラリを浴室側から簡単に清掃できるようにした浴室建具とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、枠体に障子を開閉自在に設けた浴室建具であって、
前記障子に浴室側と脱衣室側とを連通する換気部を設け、
該換気部内にガラリを、当該換気部内の脱衣室側寄りに位置し換気部を開放して換気状態とする開放姿勢と、換気部内の浴室側寄りに位置し換気部を閉鎖して非換気状態とする閉鎖姿勢とに亘って見込み方向に移動するように設け、
前記ガラリが閉鎖姿勢のときに、当該ガラリの一方が換気部を構成する第1形材の浴室側に直接あるいは間接的に当接し、そのガラリの他方が換気部を構成する第2形材の浴室側に直接あるいは間接的に当接し、そのガラリの浴室側面と障子の浴室側面がほぼフラットに連続するようにしたことを特徴とする浴室建具である。
【0007】
本発明においては、前記第1形材は、本体と、その本体の浴室側部に下向きに設けた浴室側片を備え、
前記第2形材は、本体と、その本体の脱衣室側部に上向きに設けた脱衣室側片を備え、
前記浴室側片の下端部と第2形材の本体の上面との間に、前記第1形材と第2形材との間の空洞を浴室側に開口する浴室側開口を形成し、
前記脱衣室側片の上端部と第1形材の本体の下面との間に、前記空洞を脱衣室側に開口する脱衣室側開口を形成し、
前記空洞と浴室側開口と脱衣室側開口で換気部とし、
前記ガラリが閉鎖姿勢のときに、当該ガラリの上部が前記浴室側片に直接あるいは間接的に当接し、そのガラリの下部が前記第2形材の本体の上面に直接あるいは間接的に当接して浴室側開口を閉じるようにできる。
このようにすれば、ガラリが開放姿勢で換気状態のときに、浴室側開口から空洞に流れ込んだ浴室の湯水は脱衣室側片に当り、本体の上面に沿って浴室側に戻るので、空洞に流れ込んだ浴室の湯水が脱衣室側開口から脱衣室側に流れ出ることが低減する。
【0008】
本発明においては、前記浴室側片に上水密材を脱衣室側に向けて装着し、
前記ガラリの下部に下水密材を下向きに装着し、
このガラリが閉鎖姿勢のときに、当該ガラリの上部が前記上水密材に圧着し、前記下水密材が前記第2形材の本体の上面に圧着するようにできる。
このようにすれば、ガラリが閉鎖姿勢のときの水密性が優れ、浴室の湯水が換気部を通って脱衣室側に流れることを確実に防止できる。
しかも、第2形材の本体の上面を簡単に清掃することができる。
【0009】
本発明においては、前記ガラリが開放姿勢のときに、そのガラリと第1形材の浴室側片との間に空気が流通し、ガラリと第2形材の脱衣室側片との間には空気が流通しないようにできる。
【0010】
本発明においては、前記ガラリが開放姿勢のときに、そのガラリと第1形材の浴室側片との間及び、ガラリと第2形材の脱衣室側片との間に、空気がそれぞれ流通するようにできる。
【0011】
本発明においては、前記ガラリの左右両側の上部と下部に上スライド部と下スライド部をそれぞれ設け、
前記換気部を構成する対向した2つの第3形材に、前記上スライド部を見込み方向に摺動自在に案内する上案内部と、前記下スライド部を見込み方向に摺動自在に案内する下案内部を設け、
前記上案内部は、見込み方向に向かう上ガイド溝と、この上ガイド溝の浴室側寄りと連続した上の浴室側凹部と、前記上ガイド溝の脱衣室側寄りと連続した上の脱衣室側凹部を有し、
前記下案内部は、見込み方向に向かう下ガイド溝と、この下ガイド溝の浴室側寄りと連続した下の浴室側凹部と、前記下ガイド溝の脱衣室側寄りと連続した下の脱衣室側凹部を有し、
前記ガラリの上スライド部、下スライド部を上下の浴室側凹部にそれぞれ嵌合することで、当該ガラリを閉鎖姿勢に保持し、
前記ガラリの上スライド部、下スライド部を上下の脱衣室側凹部にそれぞれ嵌合することで、当該ガラリを開閉姿勢に保持するようにできる。
このようにすれば、ガラリを閉鎖姿勢と開放姿勢とにスムーズに平行移動することができる。
しかも、ガラリを閉鎖姿勢、開放姿勢に確実に保持することができる。
【0012】
本発明においては、前記上ガイド溝を上の浴室側開口部で浴室側に開口し、
前記下ガイド溝を下の浴室側開口部で浴室側に開口することができる。
このようにすれば、ガラリの上スライド部を上の浴室側開口部から上ガイド溝に挿入したり、抜き出しできると共に、下スライド部を下の浴室側開口部から下ガイド溝に挿入したり、抜き出しできるので、ガラリを浴室側から換気部内に取り付けたり、取り外したりすることができる。
したがって、ガラリを換気部の外で簡単に清掃できるし、換気部内を簡単に清掃できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、障子の浴室側面からガラリが浴室側に突出することがないと共に、ガラリが開放姿勢で換気部が非換気状態のときに障子の浴室側面とガラリが略フラットに連続したように見え、意匠性に優れた浴室建具とすることができる。
しかも、ガラリを閉鎖姿勢とすることで、浴室側からガラリを簡単に清掃することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】浴室建具の正面図である。
【図2】図1の縦断面図である。
【図3】図1の横断面図である。
【図4】図2の換気部の拡大図である。
【図5】ガラリとガラリブロックの斜視図である。
【図6】換気部の非換気状態の斜視図である。
【図7】換気部の換気状態の斜視図である。
【図8】換気部の第2の実施の形態を示す断面図である。
【図9】換気部の第3の実施の形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1に示すように、枠体1に障子2を開閉自在に設けて浴室建具としている。この枠体1を浴室の出入口に取り付ける。
前記枠体1は、上枠10と下枠11と左右の縦枠12で方形状である。
前記障子2は、上框20と下框21と左右の縦框22で方形状の框組体23に樹脂プレート、ガラス等のパネル24を装着したもので、その框組体23の下部分に換気部用枠3が設けられ、この換気部用枠3の内部を換気部4としている。
この換気部用枠3は、上下方向に対向した第1形材(例えば、中桟30)、第2形材(例えば、下框21)と、左右方向に対向した2つの第3形材(例えば、縦框22)とで矩形状で、換気部4は換気部用枠3の浴室側面と脱衣室側面とに開口し、浴室側と脱衣室側を連通する。
前記換気部4内にガラリ5が設けられ、このガラリ5で換気部4を開放、閉鎖して換気状態、非換気状態とする。
前記障子2は、一方の縦框22の上下部が上枠10と下枠11に面外方向に回動自在に連結され、浴室建具は開き戸である。
これに限ることはなく、障子2を面内方向に移動自在とした引戸、2つの障子を折曲自在とした折戸等でも良い。
【0016】
図2と図3に示すように、前記パネル24は框組体23の浴室側寄りに設けられ、パネル24の浴室側面24aと框組体23の浴室側面23aは略フラットに連続し、障子2の浴室側面2aはほぼフラットな面である。
例えば、上框20、縦框22、中桟30の浴室側寄りにパネル取付用の凹溝20a,22a,30aを有し、その凹溝20a,22a,30aにパネル24の周縁部が嵌め込んで取り付けてある。
【0017】
前記ガラリ5は図2に実線で示すように、換気部4内の浴室側寄りに位置した閉鎖姿勢と仮想線で示すように、換気部4内の脱衣室側寄りに位置した開放姿勢とに亘って見込み方向に平行移動し、そのガラリ5は換気部用枠3の浴室側面3a(障子2の浴室側面2a)、脱衣室側面3b(障子2の脱衣室側面2b)から浴室側及び脱衣室側に突出しないようにしてある。
【0018】
前記ガラリ5が閉鎖姿勢のときには、そのガラリ5の一方、例えば上部が換気部用枠3の上部浴室側部分(中桟30の浴室側部分)に当接し、ガラリ5の他方、例えば下部が換気部用枠3の下部浴室側部分(下框21の浴室側部分)に当接して換気部4の浴室側を閉鎖し、換気部4を非換気状態とする。このときガラリ5は換気部4内の浴室側寄りに位置し、障子2の浴室側面2a(換気部用枠3の浴室側面3a)とガラリ5の浴室側面5aがほぼフラットに連続するようにしてある。
このようであるから、換気部4が閉鎖された非換気状態のときに、障子2の浴室側面2a(換気部用枠3の浴室側面3a)とガラリ5が略フラットに連続したように見える。
しかも、浴室側からガラリ5を簡単に清掃できる。
【0019】
前記ガラリ5が仮想線で示す開放姿勢のときには、ガラリ5の上部が換気用枠3の上部(中桟30)と離れ、換気部4の浴室側が開放され、換気状態となる。
このとき、ガラリ5は換気部4内の脱衣室側寄りに位置する。
【0020】
次に前記換気部4の詳細を図4〜図7に基づいて説明する。
前記換気部4を構成する中桟30(第1形材)は、本体31と、この本体31の浴室側部に下向きに設けられた浴室側片32を備え、その本体31が縦框22に連結されると共に、本体31の浴室側部に前記凹溝30aが上向きに有し、浴室側片32の下部に上水密材33が脱衣室側に向けて装着してある。
これによって、パネル24の浴室側面24aと、本体31の浴室側面31a、浴室側片32の浴室側面32aがほぼフラットに連続する。
【0021】
前記換気部4を構成する下框21(第2形材)は、本体35と、この本体35の脱衣室側部に上向きに設けた脱衣室側片36を備え、その本体35が縦框22に連結される。
前記脱衣室側片36の上部には係止片37が浴室側に向けて設けてある。
この係止片37は下向き鉤形で、脱衣室側片36の浴室側面に沿って上向きに流れた湯水が係止片37で下向きの流れとなるから、係止片37は水返しの役目を有する。
【0022】
前記下框21と中桟30は見付け方向(上下方向)に離隔して空洞40を形成している。
前記下框21の本体35の上面35aにおける浴室側部と前記中桟30の浴室側片32の下端部32bは見付け方向(上下方向)に離隔し、前記空洞40を浴室側に開口する浴室側開口41を形成している。
前記中桟30の本体31の下面31bの脱衣室側部と前記下框21の脱衣室側片36の上端部36aとが見付け方向(上下方向)に離隔し、前記空洞40を脱衣室側に開口する脱衣室側開口42と形成している。
【0023】
前記空洞40、浴室側開口41、脱衣室側開口42で換気部4を構成し、その浴室側開口41よりも脱衣室側開口42が上方に位置し、その浴室側開口41と対向して脱衣室側片36が位置していると共に、脱衣室側開口42と対向して浴室側片32が位置しているので、ガラリ5が開放姿勢で換気状態のときに、前記浴室側開口41から流入した浴室の湯水は脱衣室側片36に当って戻り、脱衣室側開口42から流出し難く、その湯水が脱衣室側に流れ込むことが低減する。
【0024】
前記ガラリ5は板状で、その上下寸法は前記浴室側開口41の上下寸法よりも若干大きく、左右寸法は左右の縦框22間の寸法よりも若干小さい。
前記ガラリ5の左右両側には上スライド部50と下スライド部51がそれぞれ設けてある。
例えば、ガラリ5は、板状の本体52と、この本体52の左右両側部に嵌め込んで取り付けたガラリキャップ53を備え、そのガラリキャップ53の上下に上ピン54と下ピン55を有し、その上ピン54が上スライド部50で、下ピン55が下スライド部51である。
前記本体52の下部に下水密材56が下向きに装着されていると共に、本体52の浴室側面の上下中間に把手57が設けてある。
【0025】
前記ガラリ5が閉鎖姿勢で非換気状態のときには、図4実線、図6に示すように、ガラリ5の上部が上水密材33に圧着すると共に、下水密材56が下框21の本体35の上面35aに圧着し、ガラリ5と中桟30、下框21との間をそれぞれ水密する。
これによって、浴室使用時に湯水が換気部4を通って脱衣室側に流れることを確実に防止できる。
しかも、ガラリ5の下部に下水密材56を設けたので、下框21の本体25の上面35aを平坦な面とすることが可能で、その上面35aを簡単に清掃できる。
【0026】
前記左右の縦框22の面内方向に相対向した部分(つまり、第3形材の内側面)に、上案内部60と下案内部70がそれぞれ設けてある。
この上下案内部60,70は、見込み方向に向かうと共に、水平に対して脱衣室側が高く浴室側が低くなるように斜めとなった上ガイド溝61、下ガイド溝71と、この上下ガイド溝61,71の浴室側寄りと連続して下方に向かう上下の浴室側凹部62,72と、上下ガイド溝61,71の脱衣室側寄りと連続して下方に向かう上下の脱衣室側凹部63,73を有する。
【0027】
前記上ガイド溝61に前述の上ピン54が摺動自在に嵌合し、下ガイド溝71に前述の下ピン55が摺動自在に嵌合し、その上下ピン54,55を上下ガイド溝61,71に沿って見込み方向に摺動することでガラリ5は閉鎖姿勢と開放姿勢に平行移動する。
【0028】
そして、上ピン54を上の浴室側凹部62、下ピン55を下の浴室側凹部72にそれぞれ嵌め込むことで、ガラリ5が閉鎖姿勢に保持され、上ピン54を上の脱衣室側凹部63、下ピン55を下の脱衣室側凹部73にそれぞれ嵌め込むことで、ガラリ5が開放姿勢に保持される。
【0029】
前記上下ガイド溝61,71は上下の浴室側開口部64,74で浴室側にそれぞれ開口し、上下ピン54,55を浴室側から上下ガイド溝61,71に挿入したり、抜き出したりできるようにしてある。
このようであるから、ガラリ5を浴室側から換気部4内に取り付けたり、取り外したりすることができる。
したがって、ガラリ5を換気部4の外で清掃できるから、そのガラリ5を簡単に清掃できるし、換気部4内をガラリ5が無い状態で清掃できるから、換気部4内を簡単に清掃できる。
【0030】
前記上案内部60と下案内部70は図5に示すように縦框22と別体のガラリブロック80に形成され、そのガラリブロック80を縦框22の面内方向に相対向した部分に設けることで、上案内部60、下案内部70を換気部4内に位置させる。
このガラリブロック80の脱衣室側部の上半分には突条81が設けてあり、この突条81にガラリ5が接して開放姿勢のストッパの役目をする。
前記ガラリブロック80の上下中間には係止受溝82が形成され、この係止受溝82は脱衣室側端面80aに開口した下向き鉤形で、前記下框21の脱衣室側片36に設けた係止片37が嵌合する。
前記ガラリブロック80の浴室側端面80bに上下の浴室側開口部64,74が開口している。
ガラリブロック80の浴室側の上下には上下突起83,84が設けられ、上下中間に溝部85が形成され、上下突起83,84が図4に示すように中桟30の本体31、下框21の本体35に嵌合し、溝部85に浴室側片32の水密材装着部32cが嵌合している。
【0031】
このように、縦框22とは別のガラリブロック80に上下案内部60,70を形成したことにより、縦框22は通常の障子に用いる縦框とすることができる。
しかも、このガラリブロック80を前述の第3形材とし、ガラリブロック80と中桟30(第1形材)と下框21(第2形材)で換気部用枠3とすることが可能である。
【0032】
前述のようにしたことで、図4仮想線、図7に示すように、ガラリ5を開放姿勢としたときに、換気部4の浴室側開口41が開放すると共に、脱衣室側開口42の上半分が開放し、ガラリ5と浴室側片32との間にのみ空気が流通するようになるので、換気部4を通して浴室を換気することができる。
【0033】
前述の実施の形態では、中桟30とガラリ5の浴室側面5aとの間にのみ空気が流通するようにしたが、これに限ることはなく、中桟30とガラリ5の浴室側面5aとの間及び下框21とガラリ5の脱衣室側面5bとの間を空気が流通するようにしても良い。
例えば、図8に示すように、上下ガイド溝61,71の面外方向中間部と連続して上下の脱衣室側凹部63,73を形成し、この上下の脱衣室側凹部63,73に上下ピン54,55を嵌め込むことで、ガラリ5を空洞40の面外方向中間部において開放姿勢として保持する。ガラリ5が開放姿勢のときに上部が下部よりも脱衣室側寄りとなるように倒れた状態としても良い。
この場合には、ガラリ5は縦方向(第1・第2形材に向かう)に向かう姿勢を維持して移動する。
【0034】
このようにすれば、ガラリ5の浴室側面5aと中桟30との間に空気が流れると共に、ガラリ5の脱衣室側面5bと下框21との間に空気が流れるので、浴室内を効率良く換気できる。
【0035】
前述の各実施の形態では、中桟30の浴室側片32と下框21の脱衣室側片36を見付け方向(上下方向)に離隔し、その浴室側片32、脱衣室側片36を脱衣室側、浴室側からそれぞれ清掃し易くしたが、これに限ることはなく、前述の浴室側片32と脱衣室側片36を見付け方向(上下方向)に重なりあうようにしても良い。
【0036】
例えば、図9に示すように、浴室側片32の下端部32bを脱衣室側片36の上端部36aよりも下方に位置させ、見付け方向に重なり合うようにする。
このようにすれば、浴室側から換気部4を通して脱衣室側に湯水が流れにくくなる。
【0037】
図9に示す実施の形態では、下框21の本体35の上面35aを浴室側に段部35bを有する形状とし、その段部35bの浴室側に向かう縦面35cに下水密材56が圧着するようにしてある。
なお、図9には上下案内部60,70は前述のものと同一であるから、その上下案内部60,70の図示が省略してある。
【0038】
前述の各実施の形態では第1形材(中桟30)と第2形材(下框21)を上下に対向したが、第1形材と第2形材を左右に対向させ、2つの第3形材を上下に対向するようにしても良い。
【符号の説明】
【0039】
1…枠体、2…障子、3…換気部用枠、4…換気部、5…ガラリ、11…下框(第2形材)、12…縦框(第3形材)、24…パネル、30…中桟(第1形材)、31…本体、32…浴室側片、33…上水密材、35…本体、36…脱衣室側片、40…空洞、41…浴室側開口、42…脱衣室側開口、50…上スライド部、51…下スライド部、56…下水密材、60…上案内部、61…上ガイド溝、62…上の浴室側凹部、63…上の脱衣室側凹部、64…上の浴室側開口部、70…下案内部、71…下ガイド溝、72…下の浴室側凹部、73…下の脱衣室側凹部、74…下の浴室側開口部、80…ガラリブロック。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体に障子を開閉自在に設けた浴室建具であって、
前記障子に浴室側と脱衣室側とを連通する換気部を設け、
該換気部内にガラリを、当該換気部内の脱衣室側寄りに位置し換気部を開放して換気状態とする開放姿勢と、換気部内の浴室側寄りに位置し換気部を閉鎖して非換気状態とする閉鎖姿勢とに亘って見込み方向に移動するように設け、
前記ガラリが閉鎖姿勢のときに、当該ガラリの一方が換気部を構成する第1形材の浴室側に直接あるいは間接的に当接し、そのガラリの他方が換気部を構成する第2形材の浴室側に直接あるいは間接的に当接し、そのガラリの浴室側面と障子の浴室側面がほぼフラットに連続するようにしたことを特徴とする浴室建具。
【請求項2】
前記第1形材は、本体と、その本体の浴室側部に下向きに設けた浴室側片を備え、
前記第2形材は、本体と、その本体の脱衣室側部に上向きに設けた脱衣室側片を備え、
前記浴室側片の下端部と第2形材の本体の上面との間に、前記第1形材と第2形材との間の空洞を浴室側に開口する浴室側開口を形成し、
前記脱衣室側片の上端部と第1形材の本体の下面との間に、前記空洞を脱衣室側に開口する脱衣室側開口を形成し、
前記空洞と浴室側開口と脱衣室側開口で換気部とし、
前記ガラリが閉鎖姿勢のときに、当該ガラリの上部が前記浴室側片に直接あるいは間接的に当接し、そのガラリの下部が前記第2形材の本体の上面に直接あるいは間接的に当接して浴室側開口を閉じるようにした請求項1記載の浴室建具。
【請求項3】
前記浴室側片に上水密材を脱衣室側に向けて装着し、
前記ガラリの下部に下水密材を下向きに装着し、
このガラリが閉鎖姿勢のときに、当該ガラリの上部が前記上水密材に圧着し、前記下水密材が前記第2形材の本体の上面に圧着するようにした請求項2記載の浴室建具。
【請求項4】
前記ガラリが開放姿勢のときに、そのガラリと第1形材の浴室側片との間に空気が流通し、ガラリと第2形材の脱衣室側片との間には空気が流通しないようにした請求項2又は3記載の浴室建具。
【請求項5】
前記ガラリが開放姿勢のときに、そのガラリと第1形材の浴室側片との間及び、ガラリと第2形材の脱衣室側片との間に、空気がそれぞれ流通するようにした請求項2又は3記載の浴室建具。
【請求項6】
前記ガラリの左右両側の上部と下部に上スライド部と下スライド部をそれぞれ設け、
前記換気部を構成する対向した2つの第3形材に、前記上スライド部を見込み方向に摺動自在に案内する上案内部と、前記下スライド部を見込み方向に摺動自在に案内する下案内部を設け、
前記上案内部は、見込み方向に向かう上ガイド溝と、この上ガイド溝の浴室側寄りと連続した上の浴室側凹部と、前記上ガイド溝の脱衣室側寄りと連続した上の脱衣室側凹部を有し、
前記下案内部は、見込み方向に向かう下ガイド溝と、この下ガイド溝の浴室側寄りと連続した下の浴室側凹部と、前記下ガイド溝の脱衣室側寄りと連続した下の脱衣室側凹部を有し、
前記ガラリの上スライド部、下スライド部を上下の浴室側凹部にそれぞれ嵌合することで、当該ガラリを閉鎖姿勢に保持し、
前記ガラリの上スライド部、下スライド部を上下の脱衣室側凹部にそれぞれ嵌合することで、当該ガラリを開閉姿勢に保持するようにした請求項1〜5いずれか1項記載の浴室建具。
【請求項7】
前記上ガイド溝を上の浴室側開口部で浴室側に開口し、
前記下ガイド溝を下の浴室側開口部で浴室側に開口した請求項6記載の浴室建具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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