説明

浴室用リモコン

【課題】デザイン性を良好にしつつ、視力が弱いようなユーザにとっても操作スイッチの判別性を良好なものにすることが可能な浴室用リモコンを提供する。
【解決手段】複数の操作スイッチ1を有しており、かつ浴室において使用されるリモコンRであって、複数の操作スイッチ1のうち、1以上の操作スイッチと、この操作スイッチに対応して設けられた操作スイッチ用の識別表示部との少なくとも一方は、所定の温度以上になると、色彩の変化を可逆的に生じるように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給湯器用あるいは浴室テレビ用のリモコンなど、浴室において用いられるリモコンに関する。
【背景技術】
【0002】
視力が弱く、普段は眼鏡やコンタクトレンズを用いている者であっても、入浴時にはそれらを外し、裸眼となる場合が多い。また、浴室に湯気が充満したり、ミストシャワーを浴びているような場合には、入浴者の前方の視界が悪くなる場合もある。したがって、浴室で使用されるリモコンについては、操作スイッチを認識し易くする必要性は高い。
【0003】
操作スイッチを認識し易くするための一手段としては、たとえば特許文献1に記載されているように、複数の操作スイッチに様々な着色を施し、それらを色分けする手段がある。ところが、このような手段を採用したのでは、複数の操作スイッチがカラフルとなり、浴室の雰囲気にマッチしない場合がある。たとえば、浴室の壁面は、白色系とされる場合が多いが、このような白色系の壁面に取り付けられるリモコンの操作スイッチをカラフルにしたのでは、リモコン全体が落ち着き感のないものとなって、高級感にやや欠けるデザインになり易い。白色系の壁面に取り付けられるリモコンとしては、たとえば筐体部を白色系とすることに加え、操作スイッチについてもそれと同様な白色系として、落ち着きのある色彩に統一し、高級感などを醸しだすデザインにしたい場合がある。ところが、このような場合、特許文献1に記載されたような操作スイッチの色分け手段は適用できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−337649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであって、デザイン性を良好にしつつ、視力が弱いようなユーザにとっても操作スイッチの判別性を良好なものにすることが可能な浴室用リモコンを提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0007】
本発明により提供される浴室用リモコンは、複数の操作スイッチを有しており、かつ浴室において使用されるリモコンであって、前記複数の操作スイッチのうち、1以上の操作スイッチと、この操作スイッチに対応して設けられた操作スイッチ用の識別表示部との少なくとも一方は、所定の温度以上になると、色彩の変化を可逆的に生じるように構成されていることを特徴としている。
【0008】
このような構成によれば、浴室が所定の温度未満にある通常時においては、複数の操作スイッチをカラフルにすることなく、リモコン全体を落ち着き感あるいは高級感のあるデザインにしておくことができる。一方、視力の弱い入浴者などにとって各操作スイッチが認識し難くなった際には、たとえば浴槽やシャワーの湯を浴室用リモコンに掛けて所定の温度以上とすることにより、操作スイッチの色彩を変化させて、この操作スイッチを目立たせることができる。したがって、通常時におけるデザイン性を良好にしつつ、視力が弱いようなユーザにとっても操作スイッチの判別性ならびに使い勝手が良好なものとするこ
とができる。
【0009】
本発明において、好ましくは、前記色彩の変化は、感温印刷が施されていることにより生じるように構成されている。
【0010】
このような構成によれば、操作スイッチまたは操作スイッチ用の識別表示部の色彩を温度に対応させて可逆的に変化させることを、容易に実現することができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、前記色彩の変化を生じる操作スイッチまたは識別表示部として、複数の操作スイッチまたは複数の識別表示部を有しており、これらの色彩が変化するときには、これらが色分けされるように互いに異なる色彩に変化する構成とされている。
【0012】
このような構成によれば、複数の操作スイッチが色分けされることにより、各操作スイッチの判別がより容易となる。
【0013】
本発明において、好ましくは、前記複数の操作スイッチが設けられている筐体部の外面のうち、少なくとも前記複数の操作スイッチの周辺領域は白色系とされており、前記複数の操作スイッチは、前記所定の温度未満のときには白色系であり、かつ前記所定の温度以上となって色彩の変化を生じるときには有彩色に変化するように構成されている。
本明細書でいう「白色系」とは、白色に加え、アイボリー、クリーム色、および銀色なども含む概念である。
【0014】
このような構成によれば、浴室が所定温度以下の通常時には、筐体部および複数の操作スイッチを白色系の色彩に統一し、高級感や清潔感などを醸しだすことが可能である。一方、操作スイッチの色彩を変化させた際には、操作スイッチの有彩色が筐体部の白色系の色彩を背景とすることとなって目立ち易くなり、操作スイッチの視認性を高めるのにより好ましいものとなる。
【0015】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る浴室用リモコンの一例を示し、(a)は操作スイッチの色彩変化前の状態を示す正面図であり、(b)は操作スイッチの色彩変化後の状態を模式的に示す正面図である。
【図2】図1のII−II概略断面図である。
【図3】(a),(b)は、本発明の他の例を示す正面図である。
【図4】(a),(b)は、本発明の他の例を示す正面図である。
【図5】本発明の他の例を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0018】
図1および図2は、本発明に係る浴室用リモコンの一例を示している。本実施形態の浴室用リモコンR1は、給湯器用のリモコンであり、後述する複数の操作スイッチ1に関連する構成を除き、それ以外の全体の基本的な構成は従来既知のものと同様である。
【0019】
図2を参照して、浴室用リモコンR1の全体構成を簡略すると、この浴室用リモコンR1は、樹脂製の筐体部2内に、電装基板3が収容された構成を有している。この電装基板
3には、液晶ディスプレイなどの画像表示器4も搭載されており、その表示画面40は、筐体部2の正面から目視可能である。筐体部2の前面部には、押圧ボタン方式の複数の操作スイッチ1が設けられている。各操作スイッチ1は、たとえば筐体部2とは別体で樹脂成形された正面視円形状または矩形状などの小片状であり、各操作スイッチ1が押圧操作されると、電装基板3に搭載されているスイッチング機構部5において所定のスイッチング動作を生じる。電装基板3に電気・電子部品(図示略)を実装して構成された回路は、前記のスイッチング動作に対応したデータ処理を実行し、給湯器との間で所定のデータ通信などを実行可能である。浴室用リモコンR1は、浴室の壁面9に対し、ネジ止めまたはその他の手段を用いて取り付けられる。筐体部2の背面部から引き出された電気配線30は、壁面9に設けられた孔部90に通されて屋外に引き出される。筐体部2の各部は防水機能に優れた構造とされており、電気配線引き出し用の孔部20の周辺部についても、壁面9と筐体部2との間に挟まれるパッキン21を用いて適切にシールされる。この浴室用リモコンR1は、たとえば入浴者によって浴槽やシャワーの湯が多くかけられたとしても、これに原因して容易に故障しない構成である。
【0020】
図1(a)に示すように、複数の操作スイッチ1としては、給湯器の運転のオン・オフ切替え用の操作スイッチ1(1a)、給湯設定温度の操作権を複数のリモコン間で切り替えるための操作スイッチ1(1b)、風呂自動湯張り実行用の操作スイッチ1(1c)、および通話(緊急)呼出し用の操作スイッチ1(1d)がある。これら複数の操作スイッチ1は一例に過ぎず、これらに代えて、または加えて、他の操作スイッチを設けてもよい。
【0021】
各操作スイッチ1の前面部には、感温印刷が施されている。この感温印刷は、温度の変化に対応して可逆的に色彩が変化する材料(サーモクロミック材料)を含有する塗料を用いたものである。本実施形態においては、筐体部2の前面部や側面部の略全域がたとえば白色とされており、各操作スイッチ1の前面部は、筐体部2と略同一の白色とされている。ただし、各操作スイッチ1の色彩は、常温(20℃±15℃)よりも高温の所定の温度、たとえば38℃〜40℃程度以上の温度になると、有彩色に変化するようになっている。図1(b)は、そのような色彩の変化を模式的に示している(この点は、後述する図3(b),図4(a),(b)も同様)。
【0022】
操作スイッチ1a〜1dの色彩が変化した場合、これらはたとえば黄、青、緑、赤といったように互いに相違した色彩に変化し、色分けされるようになっている。感温印刷は、たとえば各操作スイッチ1の前面部の略全域に、ベタ塗りまたはそれに近い状態で施されている。ただし、好ましくは、緊急呼出し用の操作スイッチ1dについては、縞模様に印刷されるなど、他の操作スイッチ1a〜1cとは異なる態様とされており、色彩に加えて、模様によっても他の操作スイッチ1a〜1cとは区別可能である。
【0023】
操作スイッチ1a〜1dの前面部には、「運転」,「優先」,「ふろ自動」,「呼出」といったふうに、各操作スイッチ1の種類を識別するための文字が表示されている。これらの文字は、たとえば通常の塗料(非感温塗料)を利用し、前記した感温印刷の印刷層上にさらに印刷を重ねることにより表示されている。ただし、これに代えて、前記した文字を樹脂成形による文字(刻印文字のように窪みによって表現された文字)とすることができる。さらに、前記した文字を感温印刷によって表示させることもできる。前記した文字を感温印刷によって表示させた場合、前記した文字と各操作スイッチ1の前面部(前記した文字の背景領域)との双方の色彩が変化した際に、前記した文字が背景領域の色彩との関係において目立つ色彩となるようにすることが望ましい。好ましくは、前記した感温印刷の塗装膜上には、この塗装膜よりも硬質の透明コーティング膜がさらに設けられて、前記塗装膜の保護が図られている。
【0024】
次に、前記した浴室用リモコンR1の作用について説明する。
【0025】
まず、浴室が常温である場合、複数の操作スイッチ1は白色であり、筐体部2の色彩と略同一色である。このため、浴室用リモコンR1の全体を白色系に統一したデザインとして、浴室用リモコンR1を落ち着き感あるいは高級感のある見栄えの良好なものとすることができる。
【0026】
一方、視力が弱い人が眼鏡やコンタクトレンズを外した状態で入浴したような場合、この入浴者にとって各操作スイッチ1が見づらい場合がある。湯気が充満していたり、あるいはミスト発生装置を利用してミストシャワーを浴びているような場合には、各操作スイッチ1がより見づらくなる。このような場合、入浴者は浴槽の湯またはシャワーの湯を浴室用リモコンR1に掛ければよい。浴室用リモコンR1に湯が掛けられて、各操作スイッチ1の温度が所定の温度以上になると、各操作スイッチ1は、所定の有彩色に変化する。すると、白色の筐体部2に対し、各操作スイッチ1が見え易くなる。また、操作スイッチ1a〜1dのそれぞれの色彩は異なるために、これらの色彩に基づいて操作スイッチ1a〜1dの種類などを容易に判別することも可能となる。したがって、入浴者は操作スイッチ1を容易かつ的確に操作することが可能となる。とくに、緊急時において操作する必要のある操作スイッチ1dは、他の操作スイッチ1a〜1cとは模様も異なるために、入浴者はこの緊急用の操作スイッチ1を容易に識別することが可能であり、入浴者に安心感を与えることもできる。
【0027】
その後、各操作スイッチ1の温度が所定温度未満に下降すると、各操作スイッチ1は元の白色に復帰する。このため、浴室用リモコンR1を落ち着き感あるいは高級感のある見栄えの良好なものに維持することができる。
【0028】
前記したように、この浴室用リモコンR1においては、通常時においては、筐体部2や複数の操作スイッチ1を白色系に統一したデザインとすることができる。その一方、入浴時において必要があるときには、浴室用リモコンR1に湯を掛けて各操作スイッチ1を変色させることにより、各操作スイッチ1についての視認性を高め、使い勝手が良いものとすることができる。
【0029】
図3〜図5は、本発明の他の実施形態を示している。これらの図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付している。
【0030】
図3(a)に示す浴室用リモコンR2においては、各操作スイッチ1に感温印刷が施されておらず、筐体部2のうち、各操作スイッチ1の周辺領域が、操作スイッチ用の識別表示部6(6a〜6d)とされて、感温印刷が施されている。この感温印刷は、所定温度(たとえば38〜40℃)未満の際には、識別表示部6a〜6dを筐体部2と略同一の白色系とし、かつ前記所定温度以上になると、同図(b)に模式的に示すように有彩色となる印刷である。なお、本実施形態では、「運転」や「優先」などの操作スイッチ1の種類を示す文字は、各操作スイッチ1の下側に表示されているが、この文字については、図1に示した実施形態の「運転」や「優先」などの文字と同様に、非感温印刷による表示、樹脂成形による表示、あるいは感温印刷による表示のいずれであってもよい。
【0031】
本実施形態においては、浴室が常温であるときには、各操作スイッチ1と筐体部2とは白色系に統一され、浴室用リモコン2を落ち着き感または高級感のあるデザインとすることができる。一方、浴室用リモコンR2に湯を掛けて温度を上昇させると、操作スイッチ用の識別表示部6a〜6dが有彩色となって目立ち、このことに基づいて各操作スイッチ1が認識し易くなる。したがって、視力の弱い入浴者などにとっても、使い勝手がよいものとなる。
【0032】
前記した実施形態から理解されるように、本発明においては、操作スイッチ自体の色彩を変化させることに代えて、操作スイッチ用の識別表示部の色彩を変化させることにより、操作スイッチの位置などを明確に認識させる構成とすることもできる。もちろん、本発明では、操作スイッチと、操作スイッチ用の識別表示部との双方の色彩を変化させるようにすることもできる。
【0033】
図4(a)に示す浴室用リモコンR3においては、操作スイッチ1a〜1dと筐体部2の外表面とのそれぞれに、感温印刷が施されている。筐体部2に施された感温印刷は、所定温度未満の際にはたとえばアイボリーあるいはクリーム色などの非白色であり、かつ所定温度以上の際には透明となるものである。筐体部2の地色は、たとえば白色であり、前記感温印刷が透明になると、筐体部2は白色に見えることとなる。一方、複数の操作スイッチ1に施されている感温印刷は、所定温度未満の際には、筐体部2と略同一のアイボリーあるいはクリーム色などの非白色であり、所定温度以上の際にはそれらとは異なる有彩色に変色するものである。
【0034】
本実施形態においては、浴室が所定温度未満の際には、筐体部2および各操作スイッチ1の色彩をクリーム色またはベージュなどの非白色の色彩に統一し、やはり落ち着き感などを生じるデザインとすることができる。一方、浴室用リモコンR3が湯を掛けられて所定温度以上になると、各操作スイッチ1が所定の有彩色に変化するとともに、筐体部2は白色に見えることとなる。このように筐体部2を白色にすれば、有彩色に変化した各操作スイッチ1をより認識し易くすることができる。本実施形態から理解されるように、本発明においては、操作スイッチや操作スイッチ用の識別表示部に加えて、筐体部についても温度に応じて色彩が変化する構成とすることができる。
【0035】
図5に示す実施形態の浴室用リモコンR4は、浴室の壁面に取り付けられる浴室テレビ8用である。浴室用リモコンR4は、樹脂製の筐体部2の表面部に複数の操作スイッチ1が設けられたものであり、やはり各操作スイッチ1の表面部、あるいは各操作スイッチ用の識別表示部(図示略)には、浴槽の湯が掛けられるなどして所定温度以上になると、色彩の変化を生じる感温印刷が施されている。本実施形態においても、前記した他の浴室用リモコンR1〜R3について述べたのと同様な効果が得られる。本実施形態から理解されるように、本発明は、給湯器用のリモコンに限らず、浴室で使用される様々なリモコンに適用することが可能である。
【0036】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る浴室用リモコンの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0037】
操作スイッチの色彩を温度に対応させて変化させる場合、この色彩の変化は、操作スイッチの前面の広い範囲とすることが好ましいものの、本発明はこれに限定されない。たとえば、図1(a)に示されているように、操作スイッチの表面に操作スイッチの種類を示す文字が表示されている場合、この文字の色彩のみが温度に対応して変化し、それ以外の領域の色彩には変化を生じない構成とすることもできる。この場合、前記の文字を比較的大きくしておけば、前記の文字の色彩の変化に基づき、操作スイッチを認識し易くすることが可能である。
【0038】
本発明でいう操作スイッチ用の識別表示部とは、操作スイッチに対応した配置に設けられて、操作スイッチを識別するための表示部であり、たとえば、単に操作スイッチを囲んだだけの領域、あるいは操作スイッチの上側や下側などに付された文字表示領域も該当する。このような領域が所定温度以上となって色彩が変化することにより、操作スイッチの位置などが判別し易くなる効果が得られるために、やはりこのような構成も、本発明の技術的範囲に包摂される。また、本発明でいう操作スイッチは、押しボタン方式のものに限
らず、たとえば静電方式などの非接触方式の操作スイッチであっても、本発明を適用することができる。
【0039】
本発明においては、浴室用リモコンに設けられている複数の操作スイッチの全て、または操作スイッチ用の識別表示部の全てが、温度に対応して色彩が変化するように構成されていなくてもよく、1つの操作スイッチのみ(たとえば、呼出し用スイッチのみ)、または1つの操作スイッチ用の識別表示部のみが温度に対応して色彩が変化するように構成されただけであってもよい。温度に対応して色彩を変化させるための手段としては、感温印刷を用いることが簡易であって好ましいが、これに限らない。たとえば、印刷とは異なる練り込みによってサーモクロミック材料を含有させた材料を用いて、色彩が変化するように構成することも可能である。
【0040】
操作スイッチあるいは操作スイッチ用の識別表示部の色彩が変化する温度は、好ましくは、常温よりも高い温度であるが、その具体的な値は限定されない。また、たとえば複数の操作スイッチの色彩を変化させる場合、これらの色彩の変化は必ずしも同時に行なわれなくてもよい。すなわち、色彩が変化するための温度として、第1の温度と、これよりも高温の第2の温度を設定し、第1の温度以上になると、たとえば呼出し用の操作スイッチの色彩が変化し、その後に第2の温度以上になると、他の操作スイッチの色彩が変化するといったふうに構成することもできる。
【0041】
操作スイッチまたは操作スイッチ用の識別表示部の色彩が変化する前および後の具体的な色彩、ならびに筐体部の色彩などは、種々の色彩とすることが可能である。なお、複数の操作スイッチが所定温度以上となって色彩が変化した場合には、各操作スイッチが他の操作スイッチや筐体部の色彩との関係において、カラーユニバーサルデザインが推奨する組み合わせにすることが好ましく、このことにより色覚異常または色覚障害のある人にとって、操作スイッチの判別がより容易化される。
【符号の説明】
【0042】
R1〜R4 浴室用リモコン
1(1a〜1d) 操作スイッチ
2 筐体部
6(6a〜6d) 操作スイッチ用の識別表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の操作スイッチを有しており、かつ浴室において使用されるリモコンであって、
前記複数の操作スイッチのうち、1以上の操作スイッチと、この操作スイッチに対応して設けられた操作スイッチ用の識別表示部との少なくとも一方は、所定の温度以上になると、色彩の変化を可逆的に生じるように構成されていることを特徴とする、浴室用リモコン。
【請求項2】
請求項1に記載の浴室用リモコンであって、
前記色彩の変化は、感温印刷が施されていることにより生じるように構成されている、浴室用リモコン。
【請求項3】
請求項1または2に記載の浴室用リモコンであって、
前記色彩の変化を生じる操作スイッチまたは識別表示部として、複数の操作スイッチまたは複数の識別表示部を有しており、これらの色彩が変化するときには、これらが色分けされるように互いに異なる色彩に変化する構成とされている、浴室用リモコン。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の浴室用リモコンであって、
前記複数の操作スイッチが設けられている筐体部の外面のうち、少なくとも前記複数の操作スイッチの周辺領域は白色系とされており、
前記複数の操作スイッチは、前記所定の温度未満のときには白色系であり、かつ前記所定の温度以上となって色彩の変化を生じるときには有彩色に変化するように構成されている、浴室用リモコン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−137222(P2012−137222A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−289040(P2010−289040)
【出願日】平成22年12月26日(2010.12.26)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】