浴室用椅子
【課題】かがみ込んだりする必要なく楽な姿勢で解除操作具を操作することができ、ロック装置による座部の係合を外す操作を容易に行なうことができる浴室用椅子を提供する。
【解決手段】脚部1と、座部2と、背もたれ部3とを備えて形成され、座部2が、水平状態と上方へ回動して折り畳まれる状態との間で回動自在に脚部1に取り付けられた浴室用椅子に関する。水平に回動した座部2を脚部1に係合させて水平状態に保持するロック装置4を備える。またロック装置4によるこの係合を解除する操作を行なう解除操作具5を背もたれ部3に設ける。椅子の高い位置にある背もたれ部3に設けた解除操作具5は、かがみ込んだりするような必要なく、立った楽な姿勢のままで操作することができる。
【解決手段】脚部1と、座部2と、背もたれ部3とを備えて形成され、座部2が、水平状態と上方へ回動して折り畳まれる状態との間で回動自在に脚部1に取り付けられた浴室用椅子に関する。水平に回動した座部2を脚部1に係合させて水平状態に保持するロック装置4を備える。またロック装置4によるこの係合を解除する操作を行なう解除操作具5を背もたれ部3に設ける。椅子の高い位置にある背もたれ部3に設けた解除操作具5は、かがみ込んだりするような必要なく、立った楽な姿勢のままで操作することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室において使用される椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
病人、老人、身体障害者などは、入浴に際して、背もたれのある椅子に腰掛けて、体を洗うのが好都合である。そしてこのような椅子は、人が腰掛ける座部と、人がもたれる背もたれ部と、これらの座部と背もたれ部を支える脚部を備えて形成されているが、嵩張るので、狭い浴室で使用する際には、不使用時に折り畳んでコンパクトにできることが望ましい。
【0003】
このため、脚部を折り畳むことができるようにする他に、座部を上方へ回動自在にして、脚部を折り畳む際に座部を回動させて折り畳むことができるようにし、椅子をよりコンパクト化できるようにすることが行なわれている(例えば特許文献1等参照)。
【0004】
このように座部を折り畳み回動できるようにした浴室用椅子において、座部を水平に倒して腰掛けることができるようにした状態に保持し、安定して座部の上に座ることができるようにするために、座部をこの水平状態に保持するロック装置を備えたものが提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
特許文献2に係る椅子は、図13に示すように、脚部1を前脚8と後脚9とを回動自在に連結して形成すると共に、前脚8を延長して形成した背もたれ支柱11に背もたれ部3を設け、座部2を脚部1に上下回動自在に取り付けることによって形成してある。そして図13(a)に示すように、座部2の後端縁に凹所20を形成し、この凹所20内にロック装置21が設けてある。ロック装置21は、軸22で枢支されたハンドル23を備えて形成されるものであり、ハンドル23の下部に係合爪24を設けると共にハンドル23の後端部に解除操作具25を設け、バネ26によってハンドル23を下方へ回動付勢するようにしてある。
【0006】
脚部1にはロックバー27が設けてあり、座部2を回動して水平状態にしたときに、図13(a)のようにハンドル23の係合爪24がロックバー27に係合し、座部2がこの水平状態に保たれるようになっている。従って、座部2の前端部に腰かけるなどしても、不用意に座部2が上方へ回動するようなことなく、安定して座部2に座ることができるものである。
【0007】
そして椅子を折り畳む際には、ハンドル23の後端部の解除操作具25を上方へ引き上げることによって、バネ26に抗してハンドル23を上方へ回動させ、ロックバー27に対する係合爪24の係合を解除することができる。このようにロック装置21による係合を解除することによって、座部2を上方へ回動させることができ、図13(b)のように椅子を折り畳むことができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−037608号公報
【特許文献2】特開2008−259807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように特許文献2の椅子にあって、ロック装置21による係合を外すためにハンドル23を回動させる操作は、ハンドル23の解除操作具25を引き上げることによって行なわれる。この解除操作具25の操作は、背もたれ部3の下側において、座部2の後端部にまで手を差し入れて行なう必要がある(図13(a)の矢印参照)。
【0010】
しかし、座部2は椅子の低い位置にあり、しかも座部2の後端部にまで手を差し入れるためには、深くかがみ込んだ姿勢で動作を行なう必要があり、解除操作具25を操作してロック装置21による係合を外す操作を容易に行なうことができない、という問題があった。
【0011】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、かがみ込んだりする必要なく楽な姿勢で解除操作具を操作することができ、ロック装置による座部の係合を外す操作を容易に行なうことができる浴室用椅子を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る浴室用椅子は、脚部1と、座部2と、背もたれ部3とを備えて形成され、座部2が、水平状態と上方へ回動して折り畳まれる状態との間で回動自在に脚部1に取り付けられた浴室用椅子であって、水平に回動した座部2を脚部1に係合させて水平状態に保持するロック装置4を備え、ロック装置4によるこの係合を解除する操作を行なう解除操作具5を背もたれ部3に設けて成ることを特徴とするものである。
【0013】
この発明によれば、ロック装置4による座部2の係合を外す操作は、背もたれ部3に設けた解除操作具5によって行なうことができるものであり、椅子の高い位置にある背もたれ部3に設けた解除操作具5は、かがみ込んだりするような必要なく、立った楽な姿勢のままで操作することができるものであって、係合を外す操作が容易になるものである。
【0014】
また本発明は、座部2に設けたロック装置4と背もたれ部3に設けた解除操作具5の間に、解除操作具5の操作をロック装置4に遠隔伝達するレリースワイヤ6を備えて成ることを特徴とするものである。
【0015】
この発明によれば、座部2のロック装置4に対して背もたれ部3の解除操作具5が離れた位置にあっても、レリースワイヤ6を介して、解除操作具5でロック装置4を遠隔操作することができるものである。
【0016】
また本発明は、座部2を上方へ回動させる方向に回動付勢するバネ7を備えて成ることを特徴とするものである。
【0017】
この発明によれば、ロック装置4による座部2の係合を外すと、バネ7によって自動的に座部2は上方へ回動することになり、片手操作で座部2の折り畳みを行なうことが可能になるものである。
【0018】
また本発明は、脚部1を、前脚8と後脚9を回動連結して折り畳み開閉自在に形成し、前脚8と後脚9が折り畳まれる方向への回動と、座部2の上方への回動を連動させ、且つ前脚8と後脚9が開かれる方向への回動と、座部2の下方への回動を連動させる連結具10を、脚部1と座部2との間に備えてなることを特徴とするものである。
【0019】
この発明によれば、座部2を上方へ回動させて折り畳む際に、これと連動して脚部1も折り畳むことができると共に、座部2を下方へ回動させて座ることができるようにする際に、これと連動して脚部1も開くことができるものであり、座部2と脚部1の開閉を一つの動作で同時に行なうことができるものである。特に、上記のようにバネ7で座部2を上方へ回動付勢しているときには、ロック装置4による座部2の係合を外してバネ7で自動的に座部2を上方へ回動させる際に同時に脚部1も折り畳まれるものであり、片手操作で椅子の折り畳みを行なうことが可能になるものである。
【0020】
また本発明は、前脚8の後脚9と回動自在に連結した枢支部12よりも上部を背方且つ上方へ延長して背もたれ支柱11として形成すると共に背もたれ支柱11に背もたれ部3を設け、背もたれ部3の上端に背面側へ張り出す張り出し部13を形成して成ることを特徴とするものである。
【0021】
この発明によれば、脚部1を折り畳んだ状態から開くにあたって、前脚8を床から浮かすと共に後脚9を床に接地させた状態で、背もたれ部3の上端の張り出し部13を下方へ押え付けると、背もたれ支柱11が枢支部12を支点として下方へ回動されると同時に前脚8が上方へ回動され、前脚8を後脚9から離れる方向に回動させて開くことができ、片手で張り出し部13を押え付けるだけの操作で、脚部1を容易に開くことができるものである。特に、上記のように脚部1の開閉と座部2の回動を連動させるようにしているときには、片手で張り出し部13を押え付けて脚部1を開く際に、同時に座部2を水平状態に回動させることができ、座部2に座れるように椅子を開く操作を、片手操作で行なうことが可能になるものである。
【0022】
また本発明は、上記解除操作具5を、上方へ回動させることによって係合を外すように形成し、上記張り出し部13と解除操作具5を片手で同時に掴める位置において、解除操作具5を背もたれ部3の背面に配置して成ることを特徴とするものである。
【0023】
この発明によれば、背もたれ部3の上端の張り出し部13と解除操作具5を片手で掴んで握ることによって、解除操作具5を引き上げ回動させて、ロック装置4による座部2の係合を外すことができるものであり、片手で背もたれ部3の上端部を支えながら、同時にこの片手で係合解除の操作を行なうことができるものである。
【0024】
また本発明は、解除操作具5に上下に開口する指入れ用の貫通孔14を設けて成ることを特徴とするものである。
【0025】
この発明によれば、貫通孔14に差し入れる指の長さを調整することによって、手のひらの大きさに関係なく、張り出し部13と解除操作具5を片手で容易に掴むことができるものである。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ロック装置4による座部2の係合を外す操作は、背もたれ部3に設けた解除操作具5によって行なうことができるものであり、椅子の高い位置にある背もたれ部3に設けた解除操作具5は、かがみ込んだりするような必要なく、立った楽な姿勢のままで操作することができるものであり、係合を外す操作が容易になるものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、図3(b)のイ−イ線断面図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【図4】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は図3(acのロ−ロ線断面図、(b)は図4(a)のハ部の拡大図、(b)は図4(a)のハ部の拡大斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、座部の斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は座部の底面図、(b)は座部の側面図である。
【図7】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、背もたれ部の斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は背もたれ部の背面図、(b)は背もたれ部の平面図、(c)は背もたれ部の側面図である。
【図9】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は座部の断面図、(b)は背もたれ部の断面図である。
【図10】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、折り畳んだ状態の正面図である。
【図11】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)乃至(c)はロック装置のロック具の係合・解除の動作を示す概略図である。
【図12】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、浴室用椅子を開く操作を示す正面図である。
【図13】従来例を示すものであり、(a),(b)はそれぞれ側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0029】
浴室用椅子の脚部1は、図1に示すように、前側の一対の前脚8と後側の一対の後脚9から構成されるものであり、これらの前脚8や後脚9はそれぞれ中空のパイプで形成してある。前脚8はその上部が後方へ向けて水平に延出された水平部30となっており、水平部30の後端部からさらに上方へ一体に延長して背もたれ支柱11が延設してある。そして一対の前脚8の各背もたれ支柱11の上端同士は背もたれ取付部31で一体に接続してある。従って一対の前脚8は一本のパイプを折り曲げ加工して形成して一体に作製することができるものである。また一対の各後脚9の上部は前方へ向けて延出された水平部32として形成してある。
【0030】
上記の各前脚8の水平部30には前ヒンジ33が取り付けてあり、各後脚9の水平部32には後ヒンジ34が取り付けてある。そして前脚8の各前ヒンジ33の下側に各後脚9の後ヒンジ34を配置し、前ヒンジ33と後ヒンジ34を軸ピンからなる枢支部12で上下回動自在に枢着することによって、前脚8と後脚9を回動自在に連結した脚部1を形成することができるものである。前脚8と後脚9は「ハ」の字形に開く状態と、前脚8と後脚9の下端部同士が近接する状態との間で、折り畳み開閉自在に回動することができるものである。
【0031】
ここで、各前脚8や各後脚9の下部の外周には、パイプ状の前伸縮脚部41や、後伸縮脚部42が上下にスライド自在に取り付けてあり、前脚8や後脚9の長さ調整(高さ調整)が行なえるようにしてある。すなわち、前伸縮脚部41や後伸縮脚部42には上下一定間隔で多数の位置決め孔43が穿設してあり、また前脚8や後脚9にはバネ46で付勢される位置決めピン44が設けてあり、位置決めピン44を任意の位置決め孔43に嵌合させることによって、前伸縮脚部41や後伸縮脚部42を任意の長さに伸縮させた状態で固定するようにしてある(図10参照)。また前伸縮脚部41や後伸縮脚部42の下端には浴室の床を傷つけたり、滑ったりすることを防ぐための脚ゴム45が装着してある。尚、前脚8と後脚9を枢着する上記の枢支部12は、前脚8と後脚9の下端の脚ゴム45を結ぶ線を底辺とする二等辺三角形の頂点に位置するように設定されている。
【0032】
また、一対の前脚8の上端部間には係合杆37が取り付けてあり、この一対の前脚8の水平部30の間には枢支杆39が取り付けてある。さらに一対の後脚9の上端部間には連結杆38が取り付けてあり、各後脚9を連結杆38を介して一体化してある。これらの係合杆37、連結杆38、枢支杆39は脚部1を補強する機能を有している。
【0033】
座部2は図2に示すように、硬質合成樹脂製の座本体47の上面に軟質発泡樹脂製の座クッション48を取り付けて形成されるものであり、座本体47の下面の後部寄り位置に、枢支筒部49が突設してある。この枢支筒部49に左右に貫通して設けた孔49aに、上記の枢支杆39を挿通することによって、脚1に座部2を取り付けてある。座部2はこの枢支杆39を回動中心として上下に回動されるものであり、座部2の下面に幅方向に亘って設けた凸条部40が係合杆37の上に載置される水平位置と、座部2の前端部が上方を向いて立ち上がる位置の間で、回動されるようになっている。また座部2の後端部の両側には軸ピン50で連結具10の一端部が上下方向に回動自在に枢着してあり、この一対の各連結具10の他端部は上記の連結杆38に上下方向に回動自在に連結してある。このように座部2の後端部は脚部1の後脚9に連結具10で連結されているものである。
【0034】
背もたれ部3は図2に示すように、硬質合成樹脂製の背もたれ本体52の前面側に軟質発泡樹脂製の背もたれクッション53を取り付けて形成されるものである。そして脚部1の上部の背もたれ支柱11の背もたれ取付部31の前面側に背もたれ部3を配置し、背もたれ本体52に取付具54をビス止めして、背もたれ本体52と取付具54の間に背もたれ取付部31を挟着することによって、背もたれ支柱11の上端部に背もたれ部3を取り付けるようにしてある。84は、椅子を持ち運びする際に手を差し入れることができるように背もたれ部3に設けた把持孔である。
【0035】
本発明において上記の座部2の下面には図5及び図6に示すように、ロック装置4が取り付けてある。ロック装置4は図2及び図9(a)に示すように、ロック具57と、ロック具57を覆うケーシング58を備えて形成されるものである。ロック具57は前部の上端両側に枢支軸59を、後部の下端にワイヤ連結部60を、枢支軸59とワイヤ連結部60の間の位置において下面に係合用凹部61を設けて形成されるものであり、図9(a)のように枢支軸59を座部2の下面に突設した枢支受け部62の軸穴に枢着することによって、上下方向へ回動自在に取り付けてある。ケーシング58は上面と前面が開口する箱状に形成してあり、ケーシング58の前面開口からロック具57の係合用凹部61を露出させた状態で、ロック具57を下側から覆って座部2の下面にボルト止めで取り付けてある。ロック具57の上面にバネ63が取着してあって、ロック具57を下方へ回動させる方向にバネ63で付勢してあり、ロック具57の下面がケーシング58の上面に当接することによって、ロック具57はこれより下方へ回動しないようになっている。
【0036】
また本発明において上記の背もたれ部3の背面には図7及び図8に示すように、操作解除具5が取り付けてある。操作解除具5は図2及び図9(b)に示すように、軸穴64を設けた枢支部65にレバー片66を延設すると共にレバー片66の基部にストッパー片67を下方へ突設して形成されるものであり、レバー片66には上下に開口する貫通孔14が形成してある。この操作解除具5は、上記の取付具54に取着したピン68を軸穴64に差し込むことによって、取付具54を介して背もたれ部3の背面に取り付けられるものである。操作解除具5は、ストッパー片67が取付具54の外面に当接する図2の状態と、レバー片66が斜め上方へ引き上げられる状態の間で、上下回動自在になっている。
【0037】
そして上記のロック装置4のロック具57と、操作解除具5の間には、レリースワイヤ6が取り付けてある。レリースワイヤ6は可撓性のチューブ70内にワイヤ71を挿通して形成されるものである。すなわち、このレリースワイヤ6の一端において、チューブ70から突出するワイヤ71が図9(a)のようにロック具57のワイヤ連結部60に連結固定してある。レリースワイヤ6はケーシング58の後端部のレリース導出開口72を通してケーシング58から導出してあり、図5、図6のようにレリースワイヤ6の中途部を座部2の下面に固定し、さらに一方の前脚8のパイプ内にレリースワイヤ6を差し込んである。このレリースワイヤ6を背もたれ支柱11のパイプ内に通し、レリースワイヤ6の他端を導出して、図9(b)のようにチューブ70から突出するワイヤ71が操作解除具5に連結固定してある。
【0038】
また、脚部1の前脚8と後脚9の間にはバネ7が図4のように取り付けてある。バネ7は、両端の係止用線部7a,7bとその間のコイル部7cとから成るねじりコイルバネとして形成されるものであり、コイル部7cを前脚8と後脚9とを枢支連結する軸ピンからなる枢支部12の外周に嵌めると共に、一方の係止用線部7aを後脚9の後ヒンジ34に突設した後バネ受け部73に巻き付け係止し、他方の係止用線部7bを前脚の前ヒンジ33に張り出して設けた前バネ受け部74に引掛け係止してある。従って、バネ7の弾性力は、前後のヒンジ33,34を介して前脚8と後脚9に、枢支部12を中心にして前脚8と後脚9を閉じるように近接させる方向に回動させる力として作用するものである。
【0039】
さらに、背もたれ部3の両側において、各背もたれ支柱11に肘掛け76が取り付けてある。肘掛け76は基部を軸ピン77で回動自在に枢支してあり、水平状態と、上方へ跳ね上げた状態との間で上下に回動できるようにしてある。この肘掛け76は必ずしも必要なものではない。
【0040】
上記のように形成される本発明に係る浴室用椅子にあって、脚1を開くと共に座部2を水平に回動させた状態で、座部2の上に腰掛けて使用されるものである。このように座部2を水平状態にすると、座部2の下面に設けた凸条部40が前脚8間に架設した係合杆37の上に載置されるが、凸条部40の下面には座部2の幅方向で凹条79が凹設してあり、この凹条79に係合杆37が嵌って、脚部1に対して座部2が位置決めされるようになっている。そして、座部2をこのように水平状態へと下方へ回動させると、まず図11(a)のようにロック装置4のロック具57が係合杆37の上に乗る。ロック具57の下面にはガイド傾斜面80が形成してあり、座部2がさらに下方へ回動されて係合杆37に対してこのガイド傾斜面80が押圧されると、ロック具57はバネ63に抗して枢支軸59を中心に上方へa矢印のように回動し、次いでバネ63の弾撥力によってロック具57は逆に下方へb矢印のように回動して、図11(b)に示すように係合杆37にロック具57の係合用凹部61が係合される。
【0041】
このように、ロック装置4に設けたロック具57の係合用凹部61が脚部1に設けた係合杆37に係合されることによって、脚部1に対して座部2を係合することができるものであり、座部2を水平状態に固定することができるものである。従って、座部2が不用意に上方へ回動して転倒するなどの事故を未然に防ぐことができるものである。
【0042】
次に、浴室用椅子を折り畳むにあたっては、まず、係合杆37に対するロック装置4のロック具57の係合を解除する。この係合解除は背もたれ部3に設けた解除操作具5を操作することによって行なうことができる。すなわち、図9(b)のα矢印のように解除操作具5のレバー片66をピン68を中心にして上方へ回動させると、解除操作具5に接続したレリースワイヤ6のワイヤ71の一端が引っ張られる。このようにレリースワイヤ6のワイヤ71が引かれると、ワイヤ71の他端でロック具57が図11(c)のe矢印のように引かれ、図11(c)に示すように、ロック具57はc矢印のようにバネ63に抗して上方へ回動されることになり、係合杆37に対する係合凹部61の係合が解除される。
【0043】
このように、係合杆37に対するロック装置4の係合を解除して、脚部1に対する座部2の係合固定を解除するにあたっては、上記のように背もたれ部3に設けた解除操作具5を操作することによって行なうことができるものである。そして解除操作具5はこのように背もたれ部3という椅子の最高所に位置するので、かがみ込んだりするような必要なく、立った楽な姿勢のまま操作解除具5を操作することができるものであり、ロック装置4の係合解除の操作を容易に行なうことができるものである。しかも解除操作具5のレバー片66を引き上げて上方へ回動させることによって操作を行なうことができるので、立った姿勢のまま腕を下げて指にレバー片66を引掛けることによって、解除操作具5を回動させる操作を容易に行なうことができるものである。
【0044】
ここで、解除操作具5の操作を容易に行なうことができるように解除操作具5を背もたれ部3に設けるようにした結果、座部2の下面のロック装置4と解除操作具5の間の距離が大きくなるが、レリースワイヤ6がロック装置4と解除操作具5の間に設けてあるので、レリースワイヤ6という簡便な機構で、ロック装置4を解除操作具5によって遠隔操作することができるものである。
【0045】
また、背もたれ部3の上端の中央部には後方へ張り出した上面が平坦な張り出し部13が設けてあり、図9(b)に示すように解除操作具5はこの張り出し部13の直下の位置に配置してある。また張り出し部13と解除操作具5を片手で同時に掴めるように、張り出し部13に近い位置に解除操作具5を配置してある。例えば、張り出し部13の上面と解除操作具5のレバー片66の下面の間の距離が6〜9cm程度になるように設定するのが好ましい。従って、例えば片手の親指を張り出し部13の上に宛がった状態で、同じ片手の人差し指や中指などを解除操作具5のレバー片66の下側に引掛け、この片手を握るようにすることによって、解除操作具5を引き上げる操作をすることができるものであり、強い力で、且つ片手だけの操作で、ロック装置4の係合解除を行なうことができるものである。
【0046】
ここで、レバー片66には上記のように上下に開口する貫通孔14が形成してあるので、人差し指や中指などの指先をこの貫通孔14に下側から差し入れることによって、解除操作具5のレバー片66を引き上げる操作がより容易になるものである。また貫通孔14に差し入れる指の長さを調整することによって、手のひらの大きさに関係なく、張り出し部13と解除操作具5を片手で容易に掴むことができるものである。
【0047】
上記のように解除操作具5を操作してロック装置4の係合を解除し、脚1に対する座部2の係合固定状態を解除すると、前脚8と後脚9を閉じる方向に回動付勢するバネ7が上記のように脚部1に設けてあるので、バネ7の力で前脚8と後脚9は枢支部12を中心にして閉じる方向に自動的に回動する。そしてこのように前脚8と後脚9が閉じる方向へ回動すると、つまり前脚8に対して後脚9が接近する方向に回動すると(図4(a)のa矢印)、後脚9に連結具10によって連結されている座部2の後端部が下方へ引かれて下方へ回動し((図4(a)のb矢印)、座部2の前端部が立ち上がるように上方へ回動されることになり、図10に示すように、脚部1を折り畳むことができると共に座部2を立ち上げて折り畳むことができ、浴室用椅子の折り畳みを行なうことができるものである。
【0048】
ここで、上記のようにロック装置4の係合を解除する解除操作具5の操作は片手で行なうことができるものであり、そしてロック装置4の係合を解除するとバネ7の作用で脚部1の折り畳み回動と、座部2の折り畳み回動が自動的に行なわれるので、浴室用椅子の折り畳みを片手だけで行なうことが可能になるものである。
【0049】
このように浴室用椅子の折り畳みを行なうにあたって、既述のように、前脚8と後脚9を枢着する枢支部12が、前脚8と後脚9の下端を底辺とする二等辺三角形の頂点に位置するように設定されているので、図10に示すように、前脚8と後脚9を折り畳んで狭めた状態でも、自立させることができるものであり、壁にもたれ掛けさせたりする必要なく収納することができるものである。
【0050】
次に、このように折り畳んだ浴室用椅子を使用するために開くにあたっては、図12に示すように、後脚9の下端の脚ゴム45を浴室の洗い場など床面82に接地させた状態で、背方へ若干傾けて前脚8の下端を床面82から浮かし、この状態で、背もたれ部3の上端の張り出し部13を下方へ押えることによって行なうことができる。すなわち張り出し部13の上面をa矢印のように下方へ押えると、枢支部12を回動中心として背もたれ支柱11が下方へ回動されると共に、b矢印のように前脚8が上方へ回動され、前脚8は後脚9から離れる方向に回動して、脚1が開く。そして座部2は連結具10を介して後脚9に連結されているので、このように前脚8と後脚9が開くように回動すると、これに連動して座部2がc矢印方向へと水平に倒れるように回動し、脚部1と座部2を開いて、浴室用椅子を使用状態に開くことができるものである。
【0051】
このとき、背もたれ部3の張り出し部13を片手で掴んで、図12のように後脚9の下端を床面82に接地させると共に前脚8の下端を床面82から浮かせた状態にし、このまま片手で張り出し部13を下方へ押えることによって、上記のように浴室用椅子を開くことができるものであり、片手だけで、浴室用椅子を開く操作を容易に行なうことができるものである。
【符号の説明】
【0052】
1 脚部
2 座部
3 背もたれ部
4 ロック装置
5 解除操作具
6 レリースワイヤ
7 バネ
8 前脚
9 後脚
10 連結具
11 背もたれ支柱
12 枢支部
13 張り出し部
14 貫通孔
【技術分野】
【0001】
本発明は、浴室において使用される椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
病人、老人、身体障害者などは、入浴に際して、背もたれのある椅子に腰掛けて、体を洗うのが好都合である。そしてこのような椅子は、人が腰掛ける座部と、人がもたれる背もたれ部と、これらの座部と背もたれ部を支える脚部を備えて形成されているが、嵩張るので、狭い浴室で使用する際には、不使用時に折り畳んでコンパクトにできることが望ましい。
【0003】
このため、脚部を折り畳むことができるようにする他に、座部を上方へ回動自在にして、脚部を折り畳む際に座部を回動させて折り畳むことができるようにし、椅子をよりコンパクト化できるようにすることが行なわれている(例えば特許文献1等参照)。
【0004】
このように座部を折り畳み回動できるようにした浴室用椅子において、座部を水平に倒して腰掛けることができるようにした状態に保持し、安定して座部の上に座ることができるようにするために、座部をこの水平状態に保持するロック装置を備えたものが提案されている(特許文献2参照)。
【0005】
特許文献2に係る椅子は、図13に示すように、脚部1を前脚8と後脚9とを回動自在に連結して形成すると共に、前脚8を延長して形成した背もたれ支柱11に背もたれ部3を設け、座部2を脚部1に上下回動自在に取り付けることによって形成してある。そして図13(a)に示すように、座部2の後端縁に凹所20を形成し、この凹所20内にロック装置21が設けてある。ロック装置21は、軸22で枢支されたハンドル23を備えて形成されるものであり、ハンドル23の下部に係合爪24を設けると共にハンドル23の後端部に解除操作具25を設け、バネ26によってハンドル23を下方へ回動付勢するようにしてある。
【0006】
脚部1にはロックバー27が設けてあり、座部2を回動して水平状態にしたときに、図13(a)のようにハンドル23の係合爪24がロックバー27に係合し、座部2がこの水平状態に保たれるようになっている。従って、座部2の前端部に腰かけるなどしても、不用意に座部2が上方へ回動するようなことなく、安定して座部2に座ることができるものである。
【0007】
そして椅子を折り畳む際には、ハンドル23の後端部の解除操作具25を上方へ引き上げることによって、バネ26に抗してハンドル23を上方へ回動させ、ロックバー27に対する係合爪24の係合を解除することができる。このようにロック装置21による係合を解除することによって、座部2を上方へ回動させることができ、図13(b)のように椅子を折り畳むことができるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−037608号公報
【特許文献2】特開2008−259807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記のように特許文献2の椅子にあって、ロック装置21による係合を外すためにハンドル23を回動させる操作は、ハンドル23の解除操作具25を引き上げることによって行なわれる。この解除操作具25の操作は、背もたれ部3の下側において、座部2の後端部にまで手を差し入れて行なう必要がある(図13(a)の矢印参照)。
【0010】
しかし、座部2は椅子の低い位置にあり、しかも座部2の後端部にまで手を差し入れるためには、深くかがみ込んだ姿勢で動作を行なう必要があり、解除操作具25を操作してロック装置21による係合を外す操作を容易に行なうことができない、という問題があった。
【0011】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、かがみ込んだりする必要なく楽な姿勢で解除操作具を操作することができ、ロック装置による座部の係合を外す操作を容易に行なうことができる浴室用椅子を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る浴室用椅子は、脚部1と、座部2と、背もたれ部3とを備えて形成され、座部2が、水平状態と上方へ回動して折り畳まれる状態との間で回動自在に脚部1に取り付けられた浴室用椅子であって、水平に回動した座部2を脚部1に係合させて水平状態に保持するロック装置4を備え、ロック装置4によるこの係合を解除する操作を行なう解除操作具5を背もたれ部3に設けて成ることを特徴とするものである。
【0013】
この発明によれば、ロック装置4による座部2の係合を外す操作は、背もたれ部3に設けた解除操作具5によって行なうことができるものであり、椅子の高い位置にある背もたれ部3に設けた解除操作具5は、かがみ込んだりするような必要なく、立った楽な姿勢のままで操作することができるものであって、係合を外す操作が容易になるものである。
【0014】
また本発明は、座部2に設けたロック装置4と背もたれ部3に設けた解除操作具5の間に、解除操作具5の操作をロック装置4に遠隔伝達するレリースワイヤ6を備えて成ることを特徴とするものである。
【0015】
この発明によれば、座部2のロック装置4に対して背もたれ部3の解除操作具5が離れた位置にあっても、レリースワイヤ6を介して、解除操作具5でロック装置4を遠隔操作することができるものである。
【0016】
また本発明は、座部2を上方へ回動させる方向に回動付勢するバネ7を備えて成ることを特徴とするものである。
【0017】
この発明によれば、ロック装置4による座部2の係合を外すと、バネ7によって自動的に座部2は上方へ回動することになり、片手操作で座部2の折り畳みを行なうことが可能になるものである。
【0018】
また本発明は、脚部1を、前脚8と後脚9を回動連結して折り畳み開閉自在に形成し、前脚8と後脚9が折り畳まれる方向への回動と、座部2の上方への回動を連動させ、且つ前脚8と後脚9が開かれる方向への回動と、座部2の下方への回動を連動させる連結具10を、脚部1と座部2との間に備えてなることを特徴とするものである。
【0019】
この発明によれば、座部2を上方へ回動させて折り畳む際に、これと連動して脚部1も折り畳むことができると共に、座部2を下方へ回動させて座ることができるようにする際に、これと連動して脚部1も開くことができるものであり、座部2と脚部1の開閉を一つの動作で同時に行なうことができるものである。特に、上記のようにバネ7で座部2を上方へ回動付勢しているときには、ロック装置4による座部2の係合を外してバネ7で自動的に座部2を上方へ回動させる際に同時に脚部1も折り畳まれるものであり、片手操作で椅子の折り畳みを行なうことが可能になるものである。
【0020】
また本発明は、前脚8の後脚9と回動自在に連結した枢支部12よりも上部を背方且つ上方へ延長して背もたれ支柱11として形成すると共に背もたれ支柱11に背もたれ部3を設け、背もたれ部3の上端に背面側へ張り出す張り出し部13を形成して成ることを特徴とするものである。
【0021】
この発明によれば、脚部1を折り畳んだ状態から開くにあたって、前脚8を床から浮かすと共に後脚9を床に接地させた状態で、背もたれ部3の上端の張り出し部13を下方へ押え付けると、背もたれ支柱11が枢支部12を支点として下方へ回動されると同時に前脚8が上方へ回動され、前脚8を後脚9から離れる方向に回動させて開くことができ、片手で張り出し部13を押え付けるだけの操作で、脚部1を容易に開くことができるものである。特に、上記のように脚部1の開閉と座部2の回動を連動させるようにしているときには、片手で張り出し部13を押え付けて脚部1を開く際に、同時に座部2を水平状態に回動させることができ、座部2に座れるように椅子を開く操作を、片手操作で行なうことが可能になるものである。
【0022】
また本発明は、上記解除操作具5を、上方へ回動させることによって係合を外すように形成し、上記張り出し部13と解除操作具5を片手で同時に掴める位置において、解除操作具5を背もたれ部3の背面に配置して成ることを特徴とするものである。
【0023】
この発明によれば、背もたれ部3の上端の張り出し部13と解除操作具5を片手で掴んで握ることによって、解除操作具5を引き上げ回動させて、ロック装置4による座部2の係合を外すことができるものであり、片手で背もたれ部3の上端部を支えながら、同時にこの片手で係合解除の操作を行なうことができるものである。
【0024】
また本発明は、解除操作具5に上下に開口する指入れ用の貫通孔14を設けて成ることを特徴とするものである。
【0025】
この発明によれば、貫通孔14に差し入れる指の長さを調整することによって、手のひらの大きさに関係なく、張り出し部13と解除操作具5を片手で容易に掴むことができるものである。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、ロック装置4による座部2の係合を外す操作は、背もたれ部3に設けた解除操作具5によって行なうことができるものであり、椅子の高い位置にある背もたれ部3に設けた解除操作具5は、かがみ込んだりするような必要なく、立った楽な姿勢のままで操作することができるものであり、係合を外す操作が容易になるものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、図3(b)のイ−イ線断面図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【図4】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は図3(acのロ−ロ線断面図、(b)は図4(a)のハ部の拡大図、(b)は図4(a)のハ部の拡大斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、座部の斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は座部の底面図、(b)は座部の側面図である。
【図7】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、背もたれ部の斜視図である。
【図8】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は背もたれ部の背面図、(b)は背もたれ部の平面図、(c)は背もたれ部の側面図である。
【図9】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)は座部の断面図、(b)は背もたれ部の断面図である。
【図10】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、折り畳んだ状態の正面図である。
【図11】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、(a)乃至(c)はロック装置のロック具の係合・解除の動作を示す概略図である。
【図12】本発明の実施の形態の一例を示すものであり、浴室用椅子を開く操作を示す正面図である。
【図13】従来例を示すものであり、(a),(b)はそれぞれ側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0029】
浴室用椅子の脚部1は、図1に示すように、前側の一対の前脚8と後側の一対の後脚9から構成されるものであり、これらの前脚8や後脚9はそれぞれ中空のパイプで形成してある。前脚8はその上部が後方へ向けて水平に延出された水平部30となっており、水平部30の後端部からさらに上方へ一体に延長して背もたれ支柱11が延設してある。そして一対の前脚8の各背もたれ支柱11の上端同士は背もたれ取付部31で一体に接続してある。従って一対の前脚8は一本のパイプを折り曲げ加工して形成して一体に作製することができるものである。また一対の各後脚9の上部は前方へ向けて延出された水平部32として形成してある。
【0030】
上記の各前脚8の水平部30には前ヒンジ33が取り付けてあり、各後脚9の水平部32には後ヒンジ34が取り付けてある。そして前脚8の各前ヒンジ33の下側に各後脚9の後ヒンジ34を配置し、前ヒンジ33と後ヒンジ34を軸ピンからなる枢支部12で上下回動自在に枢着することによって、前脚8と後脚9を回動自在に連結した脚部1を形成することができるものである。前脚8と後脚9は「ハ」の字形に開く状態と、前脚8と後脚9の下端部同士が近接する状態との間で、折り畳み開閉自在に回動することができるものである。
【0031】
ここで、各前脚8や各後脚9の下部の外周には、パイプ状の前伸縮脚部41や、後伸縮脚部42が上下にスライド自在に取り付けてあり、前脚8や後脚9の長さ調整(高さ調整)が行なえるようにしてある。すなわち、前伸縮脚部41や後伸縮脚部42には上下一定間隔で多数の位置決め孔43が穿設してあり、また前脚8や後脚9にはバネ46で付勢される位置決めピン44が設けてあり、位置決めピン44を任意の位置決め孔43に嵌合させることによって、前伸縮脚部41や後伸縮脚部42を任意の長さに伸縮させた状態で固定するようにしてある(図10参照)。また前伸縮脚部41や後伸縮脚部42の下端には浴室の床を傷つけたり、滑ったりすることを防ぐための脚ゴム45が装着してある。尚、前脚8と後脚9を枢着する上記の枢支部12は、前脚8と後脚9の下端の脚ゴム45を結ぶ線を底辺とする二等辺三角形の頂点に位置するように設定されている。
【0032】
また、一対の前脚8の上端部間には係合杆37が取り付けてあり、この一対の前脚8の水平部30の間には枢支杆39が取り付けてある。さらに一対の後脚9の上端部間には連結杆38が取り付けてあり、各後脚9を連結杆38を介して一体化してある。これらの係合杆37、連結杆38、枢支杆39は脚部1を補強する機能を有している。
【0033】
座部2は図2に示すように、硬質合成樹脂製の座本体47の上面に軟質発泡樹脂製の座クッション48を取り付けて形成されるものであり、座本体47の下面の後部寄り位置に、枢支筒部49が突設してある。この枢支筒部49に左右に貫通して設けた孔49aに、上記の枢支杆39を挿通することによって、脚1に座部2を取り付けてある。座部2はこの枢支杆39を回動中心として上下に回動されるものであり、座部2の下面に幅方向に亘って設けた凸条部40が係合杆37の上に載置される水平位置と、座部2の前端部が上方を向いて立ち上がる位置の間で、回動されるようになっている。また座部2の後端部の両側には軸ピン50で連結具10の一端部が上下方向に回動自在に枢着してあり、この一対の各連結具10の他端部は上記の連結杆38に上下方向に回動自在に連結してある。このように座部2の後端部は脚部1の後脚9に連結具10で連結されているものである。
【0034】
背もたれ部3は図2に示すように、硬質合成樹脂製の背もたれ本体52の前面側に軟質発泡樹脂製の背もたれクッション53を取り付けて形成されるものである。そして脚部1の上部の背もたれ支柱11の背もたれ取付部31の前面側に背もたれ部3を配置し、背もたれ本体52に取付具54をビス止めして、背もたれ本体52と取付具54の間に背もたれ取付部31を挟着することによって、背もたれ支柱11の上端部に背もたれ部3を取り付けるようにしてある。84は、椅子を持ち運びする際に手を差し入れることができるように背もたれ部3に設けた把持孔である。
【0035】
本発明において上記の座部2の下面には図5及び図6に示すように、ロック装置4が取り付けてある。ロック装置4は図2及び図9(a)に示すように、ロック具57と、ロック具57を覆うケーシング58を備えて形成されるものである。ロック具57は前部の上端両側に枢支軸59を、後部の下端にワイヤ連結部60を、枢支軸59とワイヤ連結部60の間の位置において下面に係合用凹部61を設けて形成されるものであり、図9(a)のように枢支軸59を座部2の下面に突設した枢支受け部62の軸穴に枢着することによって、上下方向へ回動自在に取り付けてある。ケーシング58は上面と前面が開口する箱状に形成してあり、ケーシング58の前面開口からロック具57の係合用凹部61を露出させた状態で、ロック具57を下側から覆って座部2の下面にボルト止めで取り付けてある。ロック具57の上面にバネ63が取着してあって、ロック具57を下方へ回動させる方向にバネ63で付勢してあり、ロック具57の下面がケーシング58の上面に当接することによって、ロック具57はこれより下方へ回動しないようになっている。
【0036】
また本発明において上記の背もたれ部3の背面には図7及び図8に示すように、操作解除具5が取り付けてある。操作解除具5は図2及び図9(b)に示すように、軸穴64を設けた枢支部65にレバー片66を延設すると共にレバー片66の基部にストッパー片67を下方へ突設して形成されるものであり、レバー片66には上下に開口する貫通孔14が形成してある。この操作解除具5は、上記の取付具54に取着したピン68を軸穴64に差し込むことによって、取付具54を介して背もたれ部3の背面に取り付けられるものである。操作解除具5は、ストッパー片67が取付具54の外面に当接する図2の状態と、レバー片66が斜め上方へ引き上げられる状態の間で、上下回動自在になっている。
【0037】
そして上記のロック装置4のロック具57と、操作解除具5の間には、レリースワイヤ6が取り付けてある。レリースワイヤ6は可撓性のチューブ70内にワイヤ71を挿通して形成されるものである。すなわち、このレリースワイヤ6の一端において、チューブ70から突出するワイヤ71が図9(a)のようにロック具57のワイヤ連結部60に連結固定してある。レリースワイヤ6はケーシング58の後端部のレリース導出開口72を通してケーシング58から導出してあり、図5、図6のようにレリースワイヤ6の中途部を座部2の下面に固定し、さらに一方の前脚8のパイプ内にレリースワイヤ6を差し込んである。このレリースワイヤ6を背もたれ支柱11のパイプ内に通し、レリースワイヤ6の他端を導出して、図9(b)のようにチューブ70から突出するワイヤ71が操作解除具5に連結固定してある。
【0038】
また、脚部1の前脚8と後脚9の間にはバネ7が図4のように取り付けてある。バネ7は、両端の係止用線部7a,7bとその間のコイル部7cとから成るねじりコイルバネとして形成されるものであり、コイル部7cを前脚8と後脚9とを枢支連結する軸ピンからなる枢支部12の外周に嵌めると共に、一方の係止用線部7aを後脚9の後ヒンジ34に突設した後バネ受け部73に巻き付け係止し、他方の係止用線部7bを前脚の前ヒンジ33に張り出して設けた前バネ受け部74に引掛け係止してある。従って、バネ7の弾性力は、前後のヒンジ33,34を介して前脚8と後脚9に、枢支部12を中心にして前脚8と後脚9を閉じるように近接させる方向に回動させる力として作用するものである。
【0039】
さらに、背もたれ部3の両側において、各背もたれ支柱11に肘掛け76が取り付けてある。肘掛け76は基部を軸ピン77で回動自在に枢支してあり、水平状態と、上方へ跳ね上げた状態との間で上下に回動できるようにしてある。この肘掛け76は必ずしも必要なものではない。
【0040】
上記のように形成される本発明に係る浴室用椅子にあって、脚1を開くと共に座部2を水平に回動させた状態で、座部2の上に腰掛けて使用されるものである。このように座部2を水平状態にすると、座部2の下面に設けた凸条部40が前脚8間に架設した係合杆37の上に載置されるが、凸条部40の下面には座部2の幅方向で凹条79が凹設してあり、この凹条79に係合杆37が嵌って、脚部1に対して座部2が位置決めされるようになっている。そして、座部2をこのように水平状態へと下方へ回動させると、まず図11(a)のようにロック装置4のロック具57が係合杆37の上に乗る。ロック具57の下面にはガイド傾斜面80が形成してあり、座部2がさらに下方へ回動されて係合杆37に対してこのガイド傾斜面80が押圧されると、ロック具57はバネ63に抗して枢支軸59を中心に上方へa矢印のように回動し、次いでバネ63の弾撥力によってロック具57は逆に下方へb矢印のように回動して、図11(b)に示すように係合杆37にロック具57の係合用凹部61が係合される。
【0041】
このように、ロック装置4に設けたロック具57の係合用凹部61が脚部1に設けた係合杆37に係合されることによって、脚部1に対して座部2を係合することができるものであり、座部2を水平状態に固定することができるものである。従って、座部2が不用意に上方へ回動して転倒するなどの事故を未然に防ぐことができるものである。
【0042】
次に、浴室用椅子を折り畳むにあたっては、まず、係合杆37に対するロック装置4のロック具57の係合を解除する。この係合解除は背もたれ部3に設けた解除操作具5を操作することによって行なうことができる。すなわち、図9(b)のα矢印のように解除操作具5のレバー片66をピン68を中心にして上方へ回動させると、解除操作具5に接続したレリースワイヤ6のワイヤ71の一端が引っ張られる。このようにレリースワイヤ6のワイヤ71が引かれると、ワイヤ71の他端でロック具57が図11(c)のe矢印のように引かれ、図11(c)に示すように、ロック具57はc矢印のようにバネ63に抗して上方へ回動されることになり、係合杆37に対する係合凹部61の係合が解除される。
【0043】
このように、係合杆37に対するロック装置4の係合を解除して、脚部1に対する座部2の係合固定を解除するにあたっては、上記のように背もたれ部3に設けた解除操作具5を操作することによって行なうことができるものである。そして解除操作具5はこのように背もたれ部3という椅子の最高所に位置するので、かがみ込んだりするような必要なく、立った楽な姿勢のまま操作解除具5を操作することができるものであり、ロック装置4の係合解除の操作を容易に行なうことができるものである。しかも解除操作具5のレバー片66を引き上げて上方へ回動させることによって操作を行なうことができるので、立った姿勢のまま腕を下げて指にレバー片66を引掛けることによって、解除操作具5を回動させる操作を容易に行なうことができるものである。
【0044】
ここで、解除操作具5の操作を容易に行なうことができるように解除操作具5を背もたれ部3に設けるようにした結果、座部2の下面のロック装置4と解除操作具5の間の距離が大きくなるが、レリースワイヤ6がロック装置4と解除操作具5の間に設けてあるので、レリースワイヤ6という簡便な機構で、ロック装置4を解除操作具5によって遠隔操作することができるものである。
【0045】
また、背もたれ部3の上端の中央部には後方へ張り出した上面が平坦な張り出し部13が設けてあり、図9(b)に示すように解除操作具5はこの張り出し部13の直下の位置に配置してある。また張り出し部13と解除操作具5を片手で同時に掴めるように、張り出し部13に近い位置に解除操作具5を配置してある。例えば、張り出し部13の上面と解除操作具5のレバー片66の下面の間の距離が6〜9cm程度になるように設定するのが好ましい。従って、例えば片手の親指を張り出し部13の上に宛がった状態で、同じ片手の人差し指や中指などを解除操作具5のレバー片66の下側に引掛け、この片手を握るようにすることによって、解除操作具5を引き上げる操作をすることができるものであり、強い力で、且つ片手だけの操作で、ロック装置4の係合解除を行なうことができるものである。
【0046】
ここで、レバー片66には上記のように上下に開口する貫通孔14が形成してあるので、人差し指や中指などの指先をこの貫通孔14に下側から差し入れることによって、解除操作具5のレバー片66を引き上げる操作がより容易になるものである。また貫通孔14に差し入れる指の長さを調整することによって、手のひらの大きさに関係なく、張り出し部13と解除操作具5を片手で容易に掴むことができるものである。
【0047】
上記のように解除操作具5を操作してロック装置4の係合を解除し、脚1に対する座部2の係合固定状態を解除すると、前脚8と後脚9を閉じる方向に回動付勢するバネ7が上記のように脚部1に設けてあるので、バネ7の力で前脚8と後脚9は枢支部12を中心にして閉じる方向に自動的に回動する。そしてこのように前脚8と後脚9が閉じる方向へ回動すると、つまり前脚8に対して後脚9が接近する方向に回動すると(図4(a)のa矢印)、後脚9に連結具10によって連結されている座部2の後端部が下方へ引かれて下方へ回動し((図4(a)のb矢印)、座部2の前端部が立ち上がるように上方へ回動されることになり、図10に示すように、脚部1を折り畳むことができると共に座部2を立ち上げて折り畳むことができ、浴室用椅子の折り畳みを行なうことができるものである。
【0048】
ここで、上記のようにロック装置4の係合を解除する解除操作具5の操作は片手で行なうことができるものであり、そしてロック装置4の係合を解除するとバネ7の作用で脚部1の折り畳み回動と、座部2の折り畳み回動が自動的に行なわれるので、浴室用椅子の折り畳みを片手だけで行なうことが可能になるものである。
【0049】
このように浴室用椅子の折り畳みを行なうにあたって、既述のように、前脚8と後脚9を枢着する枢支部12が、前脚8と後脚9の下端を底辺とする二等辺三角形の頂点に位置するように設定されているので、図10に示すように、前脚8と後脚9を折り畳んで狭めた状態でも、自立させることができるものであり、壁にもたれ掛けさせたりする必要なく収納することができるものである。
【0050】
次に、このように折り畳んだ浴室用椅子を使用するために開くにあたっては、図12に示すように、後脚9の下端の脚ゴム45を浴室の洗い場など床面82に接地させた状態で、背方へ若干傾けて前脚8の下端を床面82から浮かし、この状態で、背もたれ部3の上端の張り出し部13を下方へ押えることによって行なうことができる。すなわち張り出し部13の上面をa矢印のように下方へ押えると、枢支部12を回動中心として背もたれ支柱11が下方へ回動されると共に、b矢印のように前脚8が上方へ回動され、前脚8は後脚9から離れる方向に回動して、脚1が開く。そして座部2は連結具10を介して後脚9に連結されているので、このように前脚8と後脚9が開くように回動すると、これに連動して座部2がc矢印方向へと水平に倒れるように回動し、脚部1と座部2を開いて、浴室用椅子を使用状態に開くことができるものである。
【0051】
このとき、背もたれ部3の張り出し部13を片手で掴んで、図12のように後脚9の下端を床面82に接地させると共に前脚8の下端を床面82から浮かせた状態にし、このまま片手で張り出し部13を下方へ押えることによって、上記のように浴室用椅子を開くことができるものであり、片手だけで、浴室用椅子を開く操作を容易に行なうことができるものである。
【符号の説明】
【0052】
1 脚部
2 座部
3 背もたれ部
4 ロック装置
5 解除操作具
6 レリースワイヤ
7 バネ
8 前脚
9 後脚
10 連結具
11 背もたれ支柱
12 枢支部
13 張り出し部
14 貫通孔
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚部と、座部と、背もたれ部とを備えて形成され、座部が、水平状態と上方へ回動して折り畳まれる状態との間で回動自在に脚部に取り付けられた浴室用椅子であって、水平に回動した座部を脚部に係合させて水平状態に保持するロック装置を備え、ロック装置によるこの係合を解除する操作を行なう解除操作具を背もたれ部に設けて成ることを特徴とする浴室用椅子。
【請求項2】
座部に設けたロック装置と背もたれ部に設けた解除操作具の間に、解除操作具の操作をロック装置に遠隔伝達するレリースワイヤを備えて成ることを特徴とする請求項1に記載の浴室用椅子。
【請求項3】
座部を上方へ回動させる方向に回動付勢するバネを備えて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の浴室用椅子。
【請求項4】
脚部を、前脚と後脚を回動連結して折り畳み開閉自在に形成し、前脚と後脚が折り畳まれる方向への回動と、座部の上方への回動を連動させ、且つ前脚と後脚が開かれる方向への回動と、座部の下方への回動を連動させる連結具を、脚部と座部との間に備えてなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の浴室用椅子。
【請求項5】
前脚の後脚と回動自在に連結した枢支部よりも上部を背方且つ上方へ延長して背もたれ支柱として形成すると共に背もたれ支柱に背もたれ部を設け、背もたれ部の上端に背面側へ張り出す張り出し部を形成して成ることを特徴とする請求項4に記載の浴室用椅子。
【請求項6】
上記解除操作具を、上方へ回動させることによって係合を外すように形成し、上記張り出し部と解除操作具を片手で同時に掴める位置において、解除操作具を背もたれ部の背面に配置して成ることを特徴とする請求項5に記載の浴室用椅子。
【請求項7】
解除操作具に上下に開口する指入れ用の貫通孔を設けて成ることを特徴とする請求項6に記載の浴室用椅子。
【請求項1】
脚部と、座部と、背もたれ部とを備えて形成され、座部が、水平状態と上方へ回動して折り畳まれる状態との間で回動自在に脚部に取り付けられた浴室用椅子であって、水平に回動した座部を脚部に係合させて水平状態に保持するロック装置を備え、ロック装置によるこの係合を解除する操作を行なう解除操作具を背もたれ部に設けて成ることを特徴とする浴室用椅子。
【請求項2】
座部に設けたロック装置と背もたれ部に設けた解除操作具の間に、解除操作具の操作をロック装置に遠隔伝達するレリースワイヤを備えて成ることを特徴とする請求項1に記載の浴室用椅子。
【請求項3】
座部を上方へ回動させる方向に回動付勢するバネを備えて成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の浴室用椅子。
【請求項4】
脚部を、前脚と後脚を回動連結して折り畳み開閉自在に形成し、前脚と後脚が折り畳まれる方向への回動と、座部の上方への回動を連動させ、且つ前脚と後脚が開かれる方向への回動と、座部の下方への回動を連動させる連結具を、脚部と座部との間に備えてなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の浴室用椅子。
【請求項5】
前脚の後脚と回動自在に連結した枢支部よりも上部を背方且つ上方へ延長して背もたれ支柱として形成すると共に背もたれ支柱に背もたれ部を設け、背もたれ部の上端に背面側へ張り出す張り出し部を形成して成ることを特徴とする請求項4に記載の浴室用椅子。
【請求項6】
上記解除操作具を、上方へ回動させることによって係合を外すように形成し、上記張り出し部と解除操作具を片手で同時に掴める位置において、解除操作具を背もたれ部の背面に配置して成ることを特徴とする請求項5に記載の浴室用椅子。
【請求項7】
解除操作具に上下に開口する指入れ用の貫通孔を設けて成ることを特徴とする請求項6に記載の浴室用椅子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−67448(P2011−67448A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−221512(P2009−221512)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(506218756)パナソニック電工ライフテック株式会社 (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(506218756)パナソニック電工ライフテック株式会社 (12)
【Fターム(参考)】
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