説明

浴室

【課題】 浴室内の温度を、浴室外からでも容易に視認することができると共に、浴室内の照明を任意に可変することができる浴室を提供する。
【解決手段】 扉又は壁部に投光部を有する浴室と、この浴室内を照明する照明装置と、該浴室内の温度を検出する温度検出センサーと、を備え、上記照明装置は、赤・青・緑の三原色を発光するLEDを組み合わせて構成され、これらLEDは、上記温度検出センサーで検出された浴室内温度に応じて浴室内照明光を合成・調色可能に浴室を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、浴室に係り、特に、浴室内の温度を、浴室外からでも容易に視認することができると共に、浴室内の照明を任意に可変することができる浴室に関する。
【背景技術】
【0002】
冬場の家の中は、居室は通常暖房で暖まっているが、浴室は冷えたままの状態となっており、このため居室と浴室の温度差長が大きいため、浴室に入る前の脱衣時などに、所謂ヒートショック現象(急激な温度変化が体に及ぼす影響)が発生し、健康を害する危険性があることから、従来では、特許文献1に示す浴室暖房装置を付設し、入浴の30分前位に浴室を暖房し、浴室が暖まった後に、入浴するという予防策がとられている。
【0003】
【特許文献1】特開平2003−106546号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の浴室暖房装置では、浴室が暖まっているかどうかを確認するには、実際に浴室内に入って体感し確認する他はなかった。また、体感するために浴室までゆくのが面倒である場合には、そろそろ暖まっているだろうという予測をして入浴に向かわなければならない、という不便さを有していた。
【0005】
しかし、同じ冬場であっても、日によって気温は様々であるため、暖房によって浴室が入浴に適した温度となる時間も様々であり、客観的に浴室内の温度を示す浴室の出現が強く要望されていた。
【0006】
この問題を解決する手段としては、例えば、浴室に隣接された洗面室の壁面などにリモコンを設け、浴室内の温度表示をするようにする手段も考えられるが、リモコンの温度表示部が比較的小さく、結局浴室まで出向き温度表示部を確認しなければならず、根本的な解決にはならない。
【0007】
この発明は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするところは、浴室内の温度を、浴室外からでも容易に視認することができると共に、浴室内の照明を任意に可変することができる浴室を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1記載の浴室にあっては、扉又は壁部に投光部を有する浴室と、この浴室内を照明する照明装置と、該浴室内の温度を検出する温度検出センサーと、を備え、上記照明装置は、赤・青・緑の三原色を発光するLEDを組み合わせて構成され、これらLEDは、上記温度検出センサーで検出された浴室内温度に応じて浴室内照明光を合成・調色可能に構成されていることを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明にあっては、請求項1に記載の浴室を技術的前提とし、前記照明装置には、調光コントローラを接続し、該調光コントローラは、前記各LEDの発光量を調整可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明にあっては、上記のように構成したため、浴室外から照明を照明色を視認することで、浴室内の温度を、発光色の違いにより、浴室まで出向くことなく判別することができるので、ヒートショックを起こす危険性がなくなり、健康を維持することができる。
【0011】
また、請求項2に記載の発明にあっては、入浴の時に、浴室内の間接照明、即ち、色調や明暗度を所望の状態に合成・調色設定できるので、リラックス効果を容易に演出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面に示す一実施形態例に基づいて、この発明を詳細に説明する。
【0013】
図1は、この発明の一実施形態例に係る浴室の概略的な構成を示す斜視説明図を、図2は同浴室の縦断面図を、図3は調光コントローラの一例を示す説明図である。
【0014】
図1に示すように、この実施形態例では、透明の開閉扉2を有する浴室1と、この浴室1内を照明する照明装置3と、該浴室1内の温度を検出する温度検出センサー4と、を備えて構成されている。尚、浴室1の基本的な構成は、従来公知の各種浴室と同様に構成されているので、その詳細な説明をここでは省略する。また、この発明にあっては、透明な開閉扉2に代えて半透明な開閉扉を採用し、或は、扉ではなく壁部に投光部、例えば、透明或は半透明な窓を採用することができる。
【0015】
上記照明装置3は、赤・青・緑の三原色を発光するLEDを組み合わせて構成され、これらLEDは、上記温度検出センサー4で検出された浴室内温度に応じて浴室1内の照明光を合成・調色可能に構成されている。尚、上記温度表示は、例えば、摂氏15度以下、15度から20度、20度から25度、25度から30度、30度から35度、35度以上の6段階とし、1段階毎に色分けするように構成することができる。例えば、15℃以下では青色から始まり、35℃以上では赤色となるように構成することができる。また、温度表示を色別表示し、パターン表示し、或は/及びコントローラに表示できるように構成してもよい。
【0016】
温度検出センサー4は、公知の温度検出センサーを用いることができる。尚、該照明装置3は、本実施形態例では、温度を表示し、かつ、通常の浴室1内を照明する装置として構成したが、この発明にあっては、浴室1内の温度を表示するだけの照明装置として構成し、浴室1内の通常の照明は、別途設けて必要な照明が得られるように構成してもよい。
【0017】
また、前記照明装置3には、図3に示す調光コントローラ5が接続されており、該調光コントローラ5は、前記各LEDの発光量を、調光コントローラボタン6の赤色ボタン・青色ボタン・緑色ボタンを所要段階・所要秒数押すことで、所望の浴室内環境、例えば、天井を夜空の雰囲気の間接照明で演出することができる。尚、図示の実施形態例では、調光コントローラ5を暖房・換気・乾燥コントローラに設けた場合を例にとり説明したが、この発明にあってはこれに限定されるものではなく、調光コントローラを単独で設け、より微調整ができるように構成することができ、また、図1では調光コントローラ5を浴室1の扉2付近の内壁に設置し、図2では浴槽7のそばの壁面に設置した場合を例にとり説明したが、設置場所は任意であり、または浴室に隣接する洗面室の壁面に設けてもよく、さらには、微弱無線方式であってもよい。また、これらの制御を行う制御器(図示せず)は天井上に設けるのが望ましい。
【0018】
更に、上記実施形態例では、暖房を作動させたときの入浴前の浴室温度の検出を例にとり説明したが、この発明にあってはこれに限定されるものではなく、浴室乾燥機を作動させたときの浴室内温度検出に基づいて制御してもよい。また、調光コントローラ5を暖房・換気・乾燥コントローラに設けて、照明装置3が暖房スイッチや乾燥スイッチと連動するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の一実施形態例に係る浴室の概略的な構成を示す斜視説明図である。
【図2】同同浴室の縦断面図である。
【図3】調光コントローラの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0020】
1 浴室
2 開閉扉
3 照明装置
4 温度検出センサー
5 調光コントローラ
6 調光コントローラボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉又は壁部に投光部を有する浴室と、この浴室内を照明する照明装置と、該浴室内の温度を検出する温度検出センサーと、を備え、上記照明装置は、赤・青・緑の三原色を発光するLEDを組み合わせて構成され、これらLEDは、上記温度検出センサーで検出された浴室内温度に応じて浴室内照明光を合成・調色可能に構成されていることを特徴とする浴室。
【請求項2】
前記照明装置には、調光コントローラを接続し、該調光コントローラは、前記各LEDの発光量を調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の浴室。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2008−108664(P2008−108664A)
【公開日】平成20年5月8日(2008.5.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−292324(P2006−292324)
【出願日】平成18年10月27日(2006.10.27)
【出願人】(000002222)サンウエーブ工業株式会社 (196)
【Fターム(参考)】