説明

浸透性剤形のための低下された乾燥時間を提供する半透過性組成物

浸透性コアを提供し;酢酪酸セルロースを含むコーティング組成物により浸透性コアをコートし;コートされた浸透性コアを最大約36時間の間乾燥することを含む方法であって、ここで、コートされたコアが100万につき約1000部未満の平均残留溶媒含量まで乾燥される方法が開示される。また、コートされた浸透性コアおよび患者に対してコートされた浸透性コアを投与する方法が開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浸透性コアを用意し;酢酪酸セルロースを含むコーティング組成物により浸透性コアをコートし(coating);コートされた(coated)浸透性コアを最大約36時間の間乾燥することを含む方法であって、ここで、コートされたコアが約1000パーツ パー ミリオン未満の平均残留溶媒含量まで乾燥される方法に関する。さらに本発明は、コートされた浸透性コアおよび患者に対してコートされた浸透性コアを投与する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
浸透性剤形は、一般に、流体の自由拡散を許すが薬物または存在する場合浸透性作用剤(osmotic agent)を拡散させない半透過性膜によって、少なくとも一部分、形成されたコンパートメント中に流体を吸い込むための推進力を生成する浸透圧を利用する。浸透性システムの有意な利点は、作動が、pHに非依存的であり、したがって、剤形が胃腸管を通過し、そして有意に異なるpH値を有する異なる微小環境に遭遇するような場合でもなお長時間を通じて浸透的に決定される速度において継続することである。そのような剤形の総説は、引用によって本明細書に組み入れられている、非特許文献1において見出される。特許文献1;特許文献2;特許文献3;特許文献4;特許文献5;特許文献6;特許文献7;特許文献8;特許文献9;特許文献10および特許文献11は、活性作用剤の連続分配のための浸透性デバイスを開示している。
【0003】
薬物組成物が、膨張性層の作用によって小出口オリフィスからスラリー、懸濁液または溶液として送達される浸透性剤形は、特許文献12;特許文献13;特許文献14;特許文献15;特許文献16;特許文献17;特許文献18および特許文献19において開示されており、これらは引用によって本明細書に組み入れられている。典型的なデバイスは、半透過性膜によって囲まれた膨張性押出し層および薬物層を含む。ある例では、薬物層は、使用環境に対する薬物組成物の放出を遅延させるか、または半透過性膜と一緒にアニール(anneal)されたコーティングを形成するためにサブコートを提供される。
【0004】
浸透性剤形の製造における段階は、半透過性膜コーティング溶液によるコーティングからのコートされた浸透性コア中に残された残留溶媒を除去するために、コートされた浸透性コアを乾燥することである。典型的には、この段階は、特に先行技術の半透過性膜のためには、完全に必要とされるであろう。乾燥時間は、数日間継続し、そして高い温度と湿度乾燥容量をもつトレイ(tray)ドライヤーのようなさらなる単位操作を要求することもある。そのような条件は乾燥を早めることもできるが、剤形内の不安定な薬物化合物は、より激しい条件への曝露の結果として分解されるかもしれない。さらにまた、3〜10日が普通である長い乾燥時間は、全体の生産コストに付加され、そして究極的には、患者に対する生産物のコストを増大するであろう。
【0005】
したがって、前記先行技術における問題に取り組む様式では、コートされた浸透性コアのための乾燥要件を低下させる方法および組成物が必要とされる。
【特許文献1】米国特許第3,845,770号
【特許文献2】米国特許第3,916,899号
【特許文献3】米国特許第3,995,631号
【特許文献4】米国特許第4,008,719号
【特許文献5】米国特許第4,111,202号
【特許文献6】米国特許第4,160,020号
【特許文献7】米国特許第4,327,725号
【特許文献8】米国特許第4,578,075号
【特許文献9】米国特許第4,681,583号
【特許文献10】米国特許第5,019,397号
【特許文献11】米国特許第5,156,850号
【特許文献12】米国特許第5,633,011号
【特許文献13】米国特許第5,190,765号
【特許文献14】米国特許第5,252,338号
【特許文献15】米国特許第5,620,705号
【特許文献16】米国特許第4,931,285号
【特許文献17】米国特許第5,006,346号
【特許文献18】米国特許第5,024,842号
【特許文献19】米国特許第5,160,743号
【非特許文献1】Santus and Baker,“Osmotic drug delivery:a review of the patent literature,”Journal of Controlled Release 35(1995)1−21
【発明の開示】
【0006】
1つの態様では、本発明は、浸透性コアを用意し;酢酪酸セルロースを含むコーティング組成物により浸透性コアをコートし;コートされた浸透性コアを最大約36時間の間乾燥することを含む方法であって、ここで、コートされたコアが約1000パーツ パー ミリオン未満の平均残留溶媒含量まで乾燥される方法に関する。
【0007】
その他の態様では、浸透性コアを用意し;酢酪酸セルロースにより浸透性コアをコートし;コートされた浸透性コアを最大約24時間の間乾燥し;コートされた浸透性コアを患者に対して投与することを含む方法であって、ここで、コートされたコアが約1000パーツ パー ミリオン未満の平均残留溶媒含量まで乾燥される方法に関する。
【0008】
〈詳細な記述〉
序論
本発明者らは、予期せぬことに、先行技術における問題が、浸透性剤形の半透過性膜における酢酪酸セルロースの使用によって取り組めることを発見した。
【0009】
慣用の半透過性膜組成物に比較して本明細書においてさらに議論されるように、本発明の半透過性膜組成物は、より低コストと改善された処理量において、有意に低下された乾燥時間を提供する。本発明はまた、温度に不安定な薬物の熱による分解の低下により改善された生産物品質を提供することができる。
【0010】
さらに、CABに基づく膜の比透過率はCA膜のそれよりも低く、そして流動増進剤(flux enhancer)の量を変えることによって調節することができる。かくして、はるかに薄いCABに基づく膜が、CAに基づく膜に類似した透過性を達成することができる。これは、コーティングおよび乾燥工程における処理時間の低下というさらなる利点を提供する。
【0011】
本発明およびその実施態様は、ここに、より詳細に記述されるであろう。
【0012】
定義
本明細書に引用される全文書は、全目的のため、および本明細書で完全に再現される場合にはそれら全体で、引用によって本明細書に組み入れられている。
【0013】
本発明は、本明細書に与えられる次の定義、図面および代表的開示を引用することによってもっとも良く理解される。
【0014】
「浸透性コア」は、少なくとも1種の浸透的に活性な物質および少なくとも1種の経口的に送達可能な薬物(すなわち、活性作用剤)を含む形成された組成物を意味し、ここで、浸透性コアは浸透性剤形内での使用のために意図される。
【0015】
「コーティング」は物質を覆う薄膜を提供することを意味する。
【0016】
「コーティング組成物」は、半透過性膜を形成するために浸透性コア上にコートするために適当な組成物を意味する。
【0017】
「酢酪酸セルロース」は、精製セルロース、それらのコポリマーおよびそれらの等価物への、酢酸、酪酸およびそれらの無水物の混合物の作用によって作成されるセルロースのエステルを含むポリマーを意味する。
【0018】
「乾燥」は、乾燥固形物の生成を促進するために、固体、液体または組合せ固液混合物(例えば、懸濁液)からの蒸発される水または他の液体の除去を意味する。一般に、乾燥は3つの移動プロセスを含む。第1のプロセスは外部起源から材料中の水または有機溶媒への熱移動である。第2のプロセスは、液体または液体様状態から蒸気状態への水または有機溶媒の相変化を含む。第3のプロセスは、乾燥装置を介する生成される蒸気の製薬学的材料からの質量移動(mass transfer)である。乾燥は、材料の加熱、材料の周囲の外界圧力の低下、および他の慣用法を含む、種々の方法において達成することができる。
【0019】
「最大約24時間」は、約24時間を超えて継続しない単一連続期間を意味する。
【0020】
「約1000パーツ パー ミリオン未満の平均残留溶媒含量」は、経口剤形の製造において使用された特定の有機溶媒についてのコートされたコアの溶媒含量が、約1000パーツ パー ミリオン未満であるように、コートされたコアが乾燥されることを意味する。多数の有機溶媒が剤形に存在してもよく;これらの各々が約1000パーツ パー ミリオン未満の量で存在してもよい。残留溶媒は、いかなる治療上の利益をも与えず、そしてその臭気によりシステムの審美的性質に悪い影響を与えるであろう。かくして、システム中の残留溶媒は最小の適度なレベルまで低下されねばならない。好適な実施態様では、コートされた浸透性コアは、約500パーツ パー ミリオン未満の平均残留溶媒含量まで乾燥され、なおより好ましくは、コートされた浸透性コアは、約250パーツ パー ミリオン未満の平均残留溶媒含量まで乾燥される。
【0021】
1つの実施態様では、コートされた浸透性コア中の残留溶媒の量は、関心のある有機溶媒に特異的なガスクロマトグラフィー法(GC)を用いて決定される。1つの実施態様では、関心のある有機溶媒は、アセトン、メタノールおよび/またはエタノールを含む。サンプル混成溶液は、DB−WAX、Supelcowax−10、StabilwaxおよびHP−Innowaxから選ばれるカラムを用いて、水素炎イオン化検出器(FID)を備えたガスクロマトグラフィーシステムによって分析されてもよい。これらのカラムは結合相(bonded phase)としてポリエチレングリコールを有する。定量は、少なくとも5個の標準点を含有する標準曲線の直線回帰分析によって実施されてもよい。
【0022】
GC法の実施において有用な試薬および供給物は、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMA)および水(これらの溶媒は好まし
くは試薬級である);有機溶媒参考標準物(例えばアセトン、エタノール、メタノール);クラスAメスフラスコおよびメスピペット;GC液体オートサンプラー・バイアルおよびキャップ;撹拌バーおよび磁気撹拌プレート;5ccプラスチックシリンジ;25mmシリンジフィルター、0.45μm、GHP Acrodisc,Gelman or equivalent;5−プレース分析バランス(0.01mgまで読み取り)を含む。GCシステムは、好ましくは、Gas Chromatograph:EPC付きHewlett Packard 6890;または同等品;検出器:Flame Ionization Detector(FID);インジェクター:Hewlett Packard 6890 Series Injector;または同等品;カラム:先に列挙されたものから選ばれる;を含む。操作パラメーターは好ましくは;オーブン初発温度:40℃;初発時間:0.1分;速度1:5℃/min;最終温度1:70℃;最終時間1:0分;速度2:50℃/min;最終温度2:230℃;最終時間2:5分;インジェクター温度:230℃;キャリヤーガス:5ml/min(公称)におけるHe;スプリット比:20;インジェクション容量:1μl(5μlサンプルシリンジで2.0μl)→シリンジサイズは変えられるがインジェクション容量は変えられない;粘度遅延:5秒(公称)である。
【0023】
検出器温度:230℃;空気流動:450ml/min(公称);H2流動:40ml/min(公称);組み合わせ(combined)流動:25ml/min(メークアップ+カラム)(公称);メークアップガス:N2。
【0024】
保存標準液は次のように調製することができる(アセトンおよびメタノールが、アッセイされるべき例示溶媒として次に示す検討において使用される;当業者はこの方法を改変して他の溶媒に応用することができる);250mlメスフラスコ中に、抽出溶媒約100mlを添加;アセトン参考標準液2mlをフラスコ中にピペットで入れ;メタノール参考標準液1mlをフラスコ中にピペットで入れ;エタノール参考標準液2mlをフラスコ中にピペットで入れ;抽出溶媒により容量までもたらし:そして密栓し;十分混合する。
【0025】
ワーキング標準液は次のように調製することができる:希釈溶媒として抽出溶媒を用いて連続希釈液を作成することによって少なくとも5種のワーキング標準液を調製する。代表的な希釈スキームが以下に示される。次いで、校正曲線が作成される。
【0026】
【表1】

【0027】
保存QC標準液は次のように調製することができる;250mlメスフラスコ中に、抽
出溶媒約100mlを添加;アセトン参考標準液2mlをフラスコ中にピペットで入れ;メタノール参考標準液1mlをフラスコ中にピペットで入れ;エタノール参考標準液2mlをフラスコ中にピペットで入れ;抽出溶媒により容量までもたらし:そして密栓し;十分混合する。ワーキングQC標準液は次のように調製することができる:希釈溶媒として抽出溶媒を用いて1希釈液を作成することができる。
【0028】
代表的な希釈スキームが以下に示される。
【0029】
【表2】

【0030】
1つの実施態様では、サンプルは次のように調製されてもよい:5個のコートされたコアを計量し、そして重量を記録する;コートされたコアを200mlメスフラスコ中に入れ;抽出溶媒100mlを200mlメスフラスコ中にピペットで入れ、フラスコ中に撹拌バーを入れ、栓をして少なくとも4時間撹拌し;0.45μmフィルターおよび使い捨て5mlシリンジを用いてサンプル溶液を濾過し;最初の2ml溶液を捨て;一定分量を分析のためにGCバイアル中に移す。コートされたコアのためのサンプル溶液は周囲温度で3日まで安定であろう。
【0031】
システムの適合性は次のように試験されてもよい:中間範囲の標準液を6回注入する。システムは、次の規準がすべての構成要素に合致する場合は分析のために適当である:Area Response:RSD≦10%;Retention Time Variation:RSD≦5%;Tailing Factor(T):0.5≦T≦3.5;Resolution:≧1.5(ピーク間)。標準液は次のようにして正確であることを確かめてもよい:標準液注入前に抽出溶媒ブランク注入して、各興味あるピークの保持時間の±5%内のすべての検出されるピークの合計が中間範囲/目標濃度レベルの≦2%(area%)であることを確認し;予期されるサンプル濃度範囲を一まとめにするために、少なくとも5種のワーキング標準液を注入することによって標準曲線を確立する。校正曲線は、相関係数(r2)が≧0.990の場合は許容される。計算して確かめられる標準液は、最低標準液について最初の濃度の±15%内;そして他の標準液については最初の濃度の±10%内でなければならない。
【0032】
サンプルは次のように分析されてもよい:いずれかのサンプルの分析前にQC標準液を注入する。QC標準液についての%回収率は±10%内でなければならない。QC標準液または中間範囲チェック標準液を周期的に注入する。
【0033】
分析の終了時にシステムの性能をチェックする。2種のQCまたは中間範囲チェック標準液のみであれば、2種の標準液間の%差異は±15%内でなければならない。2種以上
のQCまたは中間範囲チェック標準液であれば、%RSDは≦10%でなければならない。
【0034】
保存標準液濃度は、次のように決定されてもよい:保存標準溶液中の各溶媒(例えば、本代表的実施態様では、アセトン、メタノールおよびエタノール)の濃度を次のように決定する:
【0035】
【数1】

【0036】
式中:
メタノールの濃度=791,000μg/ml
エタノールの濃度=794,000μg/ml
アセトンの濃度 =791,000μg/ml
SV =各成分の溶媒容量、ml
TV =総容量、ml
純度 =参考標準液の純度
【0037】
サンプル中の残留溶媒の量は次のように決定されてもよい:標準応答対濃度の直線回帰分析からサンプル中の各残留溶媒の量を決定する。次いで、計算する;
【0038】
【数2】

【0039】
式中:
C=直線回帰分析による溶媒の濃度、μg/ml
V=サンプル調製液の容量、ml
(例えば、100mgシステムでは100mlまたは
25mgシステムでは50ml)
W=5システムの重量、g
「剤形」は、患者に対する製薬学的投与のために適当な材料を意味する。
【0040】
「投与すること」は、患者に対して材料、特に薬物を提供することを意味する。
【0041】
「患者」は、研究および/または医学的介入の対象である人間または動物を意味する。
【0042】
半透過性膜
本発明による浸透性剤形は、浸透性コアを取り囲む半透過性膜を含む。そのような構造物は、本明細書の他の場所でさらに議論される。
【0043】
半透過性膜を形成するために有用な材料は、本質的に非浸食性であり、そして剤形の寿
命の間生物学的流体中で実質的に不溶性である。半透過性膜を形成するための代表的なポリマーは、半透過性ホモポリマー、半透過性コポリマーおよび類似物を含む。
【0044】
1つの実施態様では、本発明による半透過性膜は酢酪酸セルロース(「CAB」)を含む。CABの好適な等級は、限定されるものではないが:CAB−551−0.2、CAB−531−1、CAB−500.5、CAB−553−0.4、CAB−381−0.1、CAB−381−0.5、CAB−381−2、CAB−381−20、CAB−321−0.1およびCAB−171−15PGを含む。酢酪酸セルロースは、Eastman Chemical Companyから粉末形態物で得ることもできる。製造者Eastman Chemical Companyによる酢酪酸セルロースの命名法は次のようである。最初の2つの数字はトリエステル段階におけるブチリル含量を示し、第3の数字は、4つのアンヒドログルコース単位当たりのヒドロキシル単位の数を示し、そして接尾数字はEastman Chemicalによって指示された溶媒系における粘度を示す。
【0045】
半透過性膜はまた、任意の流動調節剤(flux regulating agent)を含んでもよい。流動調節剤は、半透過性膜を通過する流体の透過性または流動の調節を助けるために添加される化合物である。流動調節剤は流動増進剤または流動低下剤であってもよい。この作用剤は、液体の流動を増進するかまたは低下させるために予め選択することができる。水のような流体に対する透過性の顕著な増進を生じさせる作用剤は、しばしば本質的に親水性であるが、水のような流体に対して顕著な低下を生じさせるものは本質的に疎水性である。半透過性膜に組み込まれる場合、膜中の調節剤の量は、一般に、コーティング組成物中の総固形物に対して、約0.01%〜約40重量%、好ましくは約10wt%〜約30wt%、より好ましくは約15wt%〜約25wt%である。
【0046】
流動を増進する1つの態様における流動調節剤は、例えば、多価アルコール、ポリアルキレングリコール、ポリアルキレンジオール、アルキレングリコールのポリエステルなどを含む。本発明の実施において有用な他のpegylated化合物は、McCutheon’s Detergents and Emulsifiers,International Edition,1979およびBASF Pluronic and teronic surfactants 1999などにおいて見出すことができる。典型的な流動増進剤は:ポリエチレングリコール300、400、600、1500、4000、6000、ポリ(エチレングリコール−コ(co)−プロピレングリコール)など;低分子量のグリコール、例えばポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールおよびポリアミレングリコール;ポリアルキレンジオール、例えばポリ(1,3−プロパンジオール)、ポリ(1,4−ブタンジオール)、ポリ(1,6−ヘキサンジオール)など;脂肪族ジオール、例えば1,3−ブチレングリコール、1,4−ペンタメチレングリコール、1,4−ヘキサメチレングリコールなど;アルキレントリオール、例えばグリセリン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ヘキサントリオール、1,3,6−ヘキサントリオールなど;エステル、例えばエチレングリコールジプロピオネート、エチレングリコールブチレート、ブチレングリコールジプロピオネート、グリセロールアセテートエステルなどを含む。
【0047】
代表的な流動低下剤は、例えば、アルキルもしくはアルコキシまたはアルキルとアルコキシ基の両方で置換されているフタレート、例えばジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、および[ジ(2−エチルヘキシル)フタレート]、アリールフタレート、例えばトリフェニルフタレート、およびブチルベンジルフタレート;不溶性塩、例えば硫酸カルシウム、硫酸バリウム、燐酸カルシウムなど;不溶性酸化物、例えば酸化チタン;粉末、顆粒などの形態のポリマー、例えばポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、およびポリスルホン;エステル、例えば長鎖アルキル基でエステル化されたクエン酸エステル;不活性で実質的に水を透過しない充填剤(fillers);セルロースに基づく壁形成材料と適合する樹脂などを含む。
【0048】
壁に対して柔軟性および伸長性を添え、壁を壊れにくくさせ、そして引き裂き強度を与えるための半透過性膜を形成するために使用できる他の材料は、例えば、フタレート可塑剤、例えばジベンジルフタレート、ジヘキシルフタレート、ブチルオクチルフタレート、6〜11個の炭素の長鎖フタレート、ジ−イソノニルフタレート、ジ−イソデシルフタレートなどを含む。可塑剤は、非フタレート、例えばトリアセチン、ジオクチルアゼレート、エポキシ化タレート(tallate),トリ−イソオクチルトリメリテート(trimellitate)、トリ−イソノニルトリメリテート、スクロースアセテートイソブチレート、エポキシ化大豆油などを含む。半透過性膜中の可塑剤の量は、そこに組み入れられる場合、約0.01%〜20%重量またはそれ以上である。他には、慣用的に既知の材料、例えば抗酸化剤、着色剤、安定剤などが半透過性膜に添加されてもよい。
【0049】
本発明の半透過性膜は、当該技術分野において既知であり、そして/または本明細書で他に開示されている技術を用いて適用されてもよい。本発明の半透過性膜の乾燥は、本明細書で他に開示されている。
【0050】
剤形
浸透性剤形および浸透性剤形を使用する処置の方法がここに開示される。以下に記述される浸透性剤形は単なる代表にすぎないことは理解されるであろう。
【0051】
当該技術分野で基本的な浸透性ポンプ剤形と呼ばれる、代表的な浸透性剤形が図1において示される。切り開かれた画面で示される剤形20はまた、基本的浸透性ポンプとも呼ばれ、そして内部のコンパートメント24を取り囲み、封入する半透過性壁22からなる。内部コンパートメントは、ここでは、選ばれた賦形剤との混合物としての薬物28を含んでなる、薬物層26と呼ばれる単一構成要素の層を含有する。賦形剤は、壁22を通して外部環境から流体を誘引し、そして流体の吸い込みにより送達可能な複合調合物を形成するための浸透活性勾配を与えるために適合される。賦形剤は、ここでは薬物担体30とも呼ばれる適当な懸濁化剤、結合剤32、滑沢剤34、およびオスマジェント(osmagent)36と呼ばれる浸透的に活性な作用剤を含んでもよい。これらの成分のために有用な代表的な材料は、本出願を通して開示されているのが見出される。
【0052】
浸透性剤形の半透過性膜22は、外部の流体、例えば水および生物学的流体の通過に対して透過性であるが、内部コンパートメント中の成分の通過には実質的に不透過性である。半透過性膜を形成するために有用な、CABポリマーを含む、材料は、他の場所で議論された。
【0053】
作動においては、浸透的に活性な作用剤の存在による半透過性膜22を横切る浸透勾配は、壁を通して胃液を吸収させて、薬物層を膨潤させ、そして内部のコンパートメント内に送達可能な薬物調合物(例えば、溶液、懸濁液、スラリーまたは他の流動性組成物)を形成させる。送達可能な薬物調合物は、流体が内部コンパートメントに継続して入るにつれて出口38を通して放出される。薬物調合物は剤形から放出され、流体が継続して内部コンパートメント中に引き込まれるので、なお、それによって継続された放出を推進する。このようにして、薬物は長時間にわたって持続かつ継続される方式で放出される。
【0054】
図2は、持続放出剤形のある種の本発明の実施態様を具体的に説明している。この種類の剤形は、米国特許第4,612,008号;同第5,082,668号および同第5,091,190号において詳細に記述されており、さらに以下に記述される。
【0055】
図2は、持続放出剤形、すなわち浸透性持続放出剤形の1つの種類の実施態様を示す。第1の薬物層30は、浸透的に活性な成分、および第2の薬物層40におけるよりも低い量の活性作用剤を含む。第1の構成要素・薬物層中の浸透的に活性な成分は、塩のようなオスマジェント(osmagent)および比較的低分子量を有する1種以上のオスモポリマー(osmopolymer)を含み、これらは、流体が吸い込まれるにつれて膨潤を現し、その結果、出口60を通してのこれらのオスモポリマーの放出が薬物層40の放出と同様に起きる。結合剤、滑沢剤、抗酸化剤および着色剤のようなさらなる賦形剤がまた、第1の薬物層30中に含まれてもよい。
【0056】
第2の薬物層40は、半透過性膜20を通して外部環境から流体を動かし、そして流体の吸い込みにより送達可能な薬物調合物を形成するための浸透活性勾配を提供するように適合された選ばれた賦形剤との混合物における活性作用剤を含む。賦形剤は、本明細書では薬物担体とも呼ばれる適当な懸濁化剤を含んでもよいが、浸透的に活性な作用剤、塩化ナトリウムのような塩の「オスマジェント」を含まない。本剤形において薬物全体の比較的高い部分を含有する第2の薬物層から塩を省略することが、第1の薬物層の塩と組み合わされて、より長期間上昇する割合を生じる改良された上昇する放出割合を提供することが見出された。
【0057】
薬物層40は、薬物層30よりも高い濃度の薬物を有する。第1の薬物層30中の薬物濃度対第2の薬物層40中の薬物濃度の比は、1未満、好ましくは約0.43未満またはそれに等しく維持されて、所望の実質的に上昇する放出割合を提供する。
【0058】
薬物層40はまた他の賦形剤、例えば滑沢剤、結合剤などを含んでもよい。
【0059】
薬物層30とともに、薬物層40は、親水性ポリマー担体をさらに含む。親水性ポリマーは、活性薬物の制御送達に貢献する薬物組成物における粒子を提供する。これらのポリマーの代表例は、ポリ(エチレンオキサイド)、ポリ(メチレンオキサイド)、ポリ(ブチレンオキサイド)およびポリ(ヘキシレンオキサイド)を含む、100,000〜750,000の数平均分子量のポリ(アルキレンオキサイド);ならびに、ポリ(アルカリカルボキシメチルセルロース)、ポリ(ナトリウムカルボキシメチルセルロース)、ポリ(カリウムカルボキシメチルセルロース)およびポリ(リチウムカルボキシメチルセルロース)によって代表される、40,000〜400,000の数平均分子量のポリ(カルボキシメチルセルロース)である。薬物層40は、さらに、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルブチルセルロースおよびヒドロキシプロピルペンチルセルロースによって代表されるような、剤形の送達特性を増進するために9,200〜125,000の数平均分子量のヒドロキシプロピルアルキルセルロース;ならびに、剤形の流動特性を増進するために7,000〜75,000の数平均分子量のポリ(ビニルピロリドン)を含んでもよい。これらのポリマー中で、100,000〜300,000の数平均分子量のポリ(エチレンオキサイド)が好適である。胃の環境中で浸食される担体、すなわち生体被浸食性担体は、特に好適である。
【0060】
薬物層40、および/または薬物層30中に組み込まれてもよい他の担体は、単独でまたは他のオスマジェント(osmoagent)とともに使用されて十分な浸透活性を発揮する炭水化物を含む。そのような炭水化物は、単糖類、二糖類および多糖類を含む。代表的な例は、マルトデキストリン(すなわち、トウモロコシ澱粉の加水分解によって製造されるグルコースポリマー)およびラクトース、グルコース、ラフィノース、スクロース、マンニトール、ソルビトールなどを含む糖類を含む。好適なマルトデキストリンは、20以下のデキストローズ当量(DE)、好ましくは約4〜約20、しばしば9〜20の範囲のDEを有するそれらである。9〜12のDEを有するマルトデキストリンが有用であることが見い出された。
【0061】
薬物層40および薬物層30は、典型的には、担体、薬物および他の賦形剤の圧縮によって1つの層として形成される実質的に乾燥した、重量で<1%水分の組成物であり得る。
【0062】
薬物層40は、本発明の様式および方式にしたがって、薬物層の製作において使用される薬物のサイズおよび典型的には化合物を含有するコアとしての随伴するポリマーのサイズを創出する粉砕によって粒子から形成されてもよい。粒子を製造する方法は、意図されるミクロンの粒子サイズを生成するための造粒、噴霧乾燥、篩別、凍結乾燥、破砕、摩砕、ジェットミル粉砕、微粉化および切断を含む。この方法は、サイズ低下用装置、例えばミクロパルベライザー(micropulverizer)ミル、流体エネルギー摩砕機、摩砕ミル、ローラーミル、ハンマーミル、磨損ミル、チェイサーミル、ボールミル、震動ボールミル、衝撃パルベライザーミル、遠心パルベライザー、粗い破砕機(coarse crusher)および微粉砕機(fine crusher)によって実施できる。粒子のサイズは、グリズリースクリーン、フラットスクリーン、震動スクリーン、回転スクリーン、振動スクリーン、オシレーティングスクリーンおよび往復スクリーンを含む、篩別け(screening)によって確認できる。薬物および担体粒子を製造する方法および装置は、Pharmaceutical Sciences,Remington,17th Ed.,pp.1585−1594(1985);Chemical Engineers Handbook,Perry,6th ED.,pp.21−13〜21−19(1984);Journal of Pharmaceutical Sciences,Parrot,Vol.61,No.6,pp.813−829(1974);およびChemical Engineer、Hixon,pp.94−103(1990)に開示されている。
【0063】
第1の薬物層30は、半透過性膜20を通して外部環境から流体を動かし、そして流体の吸い込みにより送達可能な薬物調合物を形成するための浸透活性勾配を提供するように適合された選ばれた賦形剤との混合物における活性作用剤を含む。賦形剤は、本明細書では薬物担体とも呼ばれる適当な懸濁化剤、および浸透的に活性な作用剤、すなわち、塩のような「オスマジェント」を含んでもよい。他の賦形剤、例えば滑沢剤、結合剤などがまた含まれてもよい。
【0064】
第1の薬物層中の浸透的に活性な成分は、典型的には、オスマジェントおよび比較的低分子量を有する1種以上のオスモポリマーを含み、これらは、流体が吸い込まれるにつれて膨潤を現し、その結果、出口60を通してのこれらのオスモポリマーの放出が薬物層40の放出と同様に起きる。
【0065】
第1の薬物層と第2の薬物層との間の薬物濃度の比は放出割合プロフィルを変える。放出割合プロフィルは、最大放出割合と、開始後第1の時点において(例えば、6時間において)到達された放出割合との間の差異を、2つのデータポイント間の平均放出割合で割って算出される。
【0066】
薬物層30および薬物層40は、場合によっては、両薬物層中に界面活性剤および崩壊剤を含有してもよい。界面活性剤の例は、約10〜25のHLB値を有するもの、例えばポリエチレングリコール400モノステアレート、ポリオキシエチレン−4−ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン−20−ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン−20−ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレン−20−ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン−40−ステアレート、ナトリウムオレエートなどである。
【0067】
崩壊剤は、澱粉、粘土、セルロース、アルギン酸塩およびガム類および架橋された澱粉、セルロースおよびポリマーである。代表的な崩壊剤は、トウモロコシ澱粉、馬鈴薯澱粉、クロスカルメロース、クロスポビドン、グリコール酸ナトリウム澱粉、VeegumHV、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、グアガムなどを含む。
【0068】
半透過性膜20は、外部の流体、例えば水および生物学的流体の通過に対して透過性であり、そして活性作用剤、オスマジェント、オスモポリマーなどの通過に対しては実質的に不透過性であるように形成される。それ自体、それは半透過性である。半透過性膜20を形成するために使用される選択的半透過性CAB組成物は、本明細書の他の場所で議論された。
【0069】
押し出し層50は、図2に図示されるような第2の構成要素・薬物層40と接する層として配置される膨張性層を含む。押し出し層50は、水性または生物学的流体を吸い込み、膨潤して、デバイスの出口をとおして薬物組成物を押し出すポリマーを含む。
【0070】
1つの実施態様における膨張性層は、胃液に存在するような水の存在下で膨潤する水活性化(hydroacivated)組成物を含む。便利には、それは、使用環境に存在する外部流体に対して半透過性層をとおして浸透圧勾配を現す浸透性溶質を含んでなる浸透性組成物を含んでもよい。その他の実施態様では、水活性化層は、外側の半透過性壁をとおして層中に流体を吸い込み、そして/または吸収するヒドロゲルを含む。半透過性壁は非毒性である。それは、作動中にその物理的および化学的完全性を維持し、そして本質的に膨張性層と相互作用しない。
【0071】
1つの好適な実施態様における膨張性層は、オスモポリマーとしても知られる親水性ポリマーを含んでなる水活性化層を含む。オスモポリマーは流体吸収性を現す。オスモポリマーは膨潤可能な親水性ポリマーであり、このオスモポリマーは水および生物学的水性流体と相互作用し、そして平衡状態まで膨潤または膨張する。オスモポリマーは水および生物学的流体中で膨潤する能力を発揮し、そしてポリマー構造内に吸収された流体の有意な部分を保持する。オスモポリマーは非常に高い程度まで膨潤または膨張して、通常2〜50倍の体積増加を発揮する。オスモポリマーは架橋されてなくても、また架橋されていてもよい。膨潤可能な親水性ポリマーは、1つの実施態様では、膨潤後に共有もしくはイオン結合または残留結晶領域によって形成される架橋のように軽く架橋されている。オスモポリマーは、植物、動物または合成起源であってもよい。
【0072】
オスモポリマーは親水性ポリマーである。本発明の目的のために適当な親水性ポリマーは、分子量30,000〜5,000,000を有するポリ−(ヒドロキシ−アルキルメタクリレート);分子量10,000〜360,000を有するポリ(ビニルピロリドン);アニオン性およびカチオン性ヒドロゲル;高分子電解質複合体;グリオキサール、ホルムアルデヒドまたはグルタルアルデヒドで架橋され、重合度200〜30,000を有する低いアセテート残基を有するポリ(ビニルアルコール);メチルセルロース、架橋された寒天およびカルボキシメチルセルロースの混合物;ヒドロキシプロピルメチルセルロースとナトリウムカルボキシメチルセルロースの混合物;ヒドロキシプロピルエチルセルロースとナトリウムカルボキシメチルセルロースの混合物;ナトリウムカルボキシメチルセルロースとメチルセルロースの混合物;ナトリウムカルボキシメチルセルロース;カリウムカルボキシメチルセルロース;コポリマー当たり無水マレイン酸1モルに対して飽和架橋剤の0.001〜約0.5モルにより架橋された、微細な無水マレイン酸とスチレン、エチレン、プロピレン、ブチレンもしくはイソブチレンとのコポリマーの分散液から形成された水に不溶で水で膨潤可能なコポリマー;N−ビニルラクタムの水膨潤性ポリマー;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンゲル;カロブガム(carob gum);ポリアクリル系ゲル(polyacrylic gel);ポリエステルゲル;ポリ尿素ゲル;ポリエーテルゲル;ポリアミドゲル;ポリセルロース系ゲル;ポリガムゲル(polygum gel);ガラス性ヒドロゲルに浸透し、そのガラス温度を低下させる水を吸い込み、そして吸収する、最初は乾燥しているヒドロゲル;などを含む。
【0073】
代表的な他のオスモポリマーは、CarbopolTM、酸性カルボキシポリマー、カルボキシポリメチレンとしても既知のポリアリルスクロースにより架橋されたアクリル酸、および分子量250,000〜4,000,000を有するカルボキシビニルポリマーのポリマー;CyanamerTMポリアクリルアミド;架橋された水膨潤性インデン無水マレイン酸ポリマー;Good−riteTM、分子量80,000〜200,000を有するポリアクリル酸;PolyoxTM、分子量100,000〜5,000,000およびそれ以上を有するポリエチレンオキシドポリマー;澱粉グラフトコポリマー;Aqua−KeepsTM、縮合グルコース単位、例えばジエステルで架橋されたポリグルランから構成されているアクリレートポリマー多糖;などである。ヒドロゲルを形成する代表的ポリマーは、米国特許第3,865,108号;米国特許第4,002,173号;米国特許第4,207,893号;およびHandbook of Common Polymers、by Scott and Roff,published by the Chemical Rubber Co.,Cleveland,Ohioにおいて先行技術で既知である。水・活性化層を含んでなるオスモポリマーの量は約5%〜100%であってもよい。
【0074】
その他の製造における膨張性層は、外部流体に対して半透過性壁を横断して浸透圧勾配を現す、無機および有機化合物を含む浸透的に有効な作用剤(osmotically effective agent)を含んでもよい。オスモポリマーとともに、浸透的に有効な化合物は、浸透性システム中に流体を吸い込み、それによって内部壁、すなわち、ある実施態様では、剤形から活性作用剤を押し出すためのバリヤー層および/または軟質または硬質カプセルの壁、に対して流体を押し出すことを可能にする。浸透的に有効な化合物は、浸透的に有効な溶質として、そしてまたオスマジェントとして知られる。使用できる浸透的に有効な溶質は、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸リチウム、酸性燐酸カリウム、マンニトール、尿素、イノシトール、コハク酸マグネシウム、酒石酸、炭水化物、例えばラフィノース、スクロース、グルコース、ラクトース、ソルビトール、およびそれらの混合物を含む。オスマジェントの量は、層の重量の約5%〜100%であってもよい。膨張性層は、場合によっては、100%に等しいオスモポリマーおよびオスマジェントの総量でオスモポリマーおよびオスマジェントを含む。浸透的に有効な溶質は、米国特許第4,783,337号において開示されているように先行技術に既知である。
【0075】
内部の壁90は、さらに、第1の薬物層30、第2の薬物層40および押し出し層50の出口60に向かう運動を容易にする滑沢機能を提供する。内部壁90は親水性材料および賦形剤から形成されてもよい。半透過性膜20は半透過性であり、胃液がコンパートメントに入るのを許すが、コンパートメント中のコアを含む材料の通過を阻止する。送達可能な薬物調合物は、浸透性経口剤形の浸透的作動により出口60から放出される。
【0076】
内部壁90は、また、薬物層30および薬物層40の外面と半透過性膜20の内面との間の摩擦を低下させる。内部壁90は、特に、分配される薬物組成物のスラリー、懸濁液または溶液が、それが分配されている時間中、高度に粘性である場合に、コンパートメントからの薬物組成物の放出を促進し、そして送達期間の終了時にコンパートメント中に残っている残留薬物組成物の量を低下させる。疎水性作用剤を有し、内部壁をもたない剤形では、送達期間の終了後に薬物の有意な残留量がデバイス中に残ることが観察されていた。若干の例では、20%以上の量が、放出割合アッセイで試験された24時間後に剤形中に残ることがある。
【0077】
内部壁90は、流動促進剤、すなわち、半透過性膜20と薬物層40の外面との間の摩擦力を低下させる薬剤の内部コート(inner coat)として形成される。内部壁90は、半透過性膜20と、薬物層30および薬物層40の外面との間の摩擦力を低下させ、その結果、デバイスからの薬物の一層完全な送達を可能にすると思われる。特に、高いコストを有する活性化合物の場合には、要求される薬物の最少量が送達できることを保証するために過剰量の薬物を薬物層に負荷することは必要ではないので、そのような改良は実質的な経済的利益をもたらす。内部壁90は、圧縮されたコアの上に適用されるコーティングとして形成されてもよい。
【0078】
内部壁90は、典型的には、0.01〜5mmの厚さ、より典型的には0.5〜5mmの厚さであってもよく、そしてそれは、ヒドロゲル、ゼラチン、低分子量ポリエチレンオキサイド、例えば100,000MW未満、ヒドロキシアルキルセルロース、例えばヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシイソプロピルセルロース、ヒドロキシブチルセルロースおよびヒドロキシフェニルセルロース、およびヒドロキシアルキルアルキルセルロース、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびそれらの混合物から選ばれるメンバーを含む。ヒドロキシアルキルセルロースは、9,500〜1,250,000の数平均分子量を有するポリマーを含む。例えば、80,000〜850,000の数平均分子量を有するヒドロキプロピルセルロースが有用である。内部壁は、水性溶媒または不活性有機溶媒中、前記材料の慣用の溶液もしくは懸濁液から調製されてもよい。
【0079】
内部壁のための好適な材料は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポビドン[ポリ(ビニルピロリドン)]、ポリエチレングリコールおよびそれらの混合物を含む。
【0080】
有機溶媒、特に1〜8個の炭素原子を有する低級アルカノール、好ましくはエタノールのような有機極性溶媒中で調製されるヒドロキシプロピルセルロースとポビドンの混合物、水性溶液において調製されるヒドロキシエチルセルロースとヒドロキシプロピルメチルセルロースの混合物、および水性溶液において調製されるヒドロキシエチルセルロースとポリエチレングリコールの混合物が、もっとも好適である。もっとも好ましくは、内部壁は、エタノール中で調製されるヒドロキシプロピルセルロースとポビドンの混合物を含む。
【0081】
内部壁90が、約80,000の平均分子量を有するEFとして同定される約50%〜約90%のヒドロキシプロピルセルロースおよびK29−32として同定される約10%〜約50%のポリビニルピロリドンを含むことが好適である。
【0082】
便利には、圧縮されたコアに適用される内部壁の重量は、内部壁の厚さおよび本明細書に記述されるような放出割合アッセイにおいて剤形中に残っている残留薬物と相関するであろう。それ自体、製造操作の間に、内部壁の厚さは、コーティング操作中に取り込まれる内部壁の重量を制御することによって調節できる。
【0083】
内部壁90が、サブコート(subcoat)として、すなわち、第1の薬物層、第2の薬物層および押し出し層の1つまたは全部を含む打錠された構成物の上をコートすることによって、形成される場合、内部壁は打錠工程によってコア上に形成される表面の凹凸を埋めることができる。得られる平滑な外面は、薬物の分配に際して、コートされた構成物コアと半透過性膜との間の滑りを容易にして、投薬期間終了時のデバイス中に残る残留
薬物組成物の比較的低い量をもたらす。内部壁90がゲル形成材料から作成される場合、使用環境における水との接触は、半透過性膜20と、薬物層30および薬物層40との間の滑りを促進かつ増進できる粘度を有するゲルまたはゲル様内部コートの形成を容易にする。
【0084】
パンコーティング(pan coating)は、出口オリフィスを除く、完成した剤形を提供するために便利に使用できる。パンコーティングシステムでは、この場合のように、内部壁または外部壁のための壁形成組成物は、回転するパンにおいて転がしながら、薬物層、場合によってはバリヤー層および押し出し層を含んでなる圧縮された三層または多層のコア上に適当な壁組成物を連続的に噴霧することによって沈着される。パンコーター(coater)は、その商業規模の利用度のために使用される。他の技術が圧縮されたコアをコートするために使用されてもよい。コートされた後、壁は強制空気オーブン中で、または温度と湿度を制御したオーブン中で乾燥されて、剤形から製造において使用された溶媒が除去される。乾燥条件は、便宜的には、利用される装置、周囲条件、溶媒、コーティング、コーティングの厚さなどに基づいて選ばれる。
【0085】
他のコーティング技術もまた使用できる。例えば、剤形の壁はエア−サスペンション操作を用いる1つの技術において形成することができる。この操作は、空気および半透過性壁形成組成物の流れの中で、壁がコアに適用されるまで、圧縮されたコアを浮遊させ(suspending)、転がすことからなる。エア−サスペンション操作は、剤形の壁を独立して形成するために良く適合する。エア−サスペンション操作は、米国特許第2,799,241号;J.Am.Pharm.Assoc.,Vol.48,pp.451−459(1959);および同文献、Vol.49,pp.82−84(1960)において記述されている。また、剤形は、例えば、壁形成材料のための共溶媒(cosolvent)として塩化メチレン メタノールを用いて、Wurster(R)エア−サスペンションコーターによりコートされてもよい。Aeromatic(R)エア−サスペンションコーターが共溶媒を用いて使用されてもよい。
【0086】
1つの実施態様では、本発明の持続放出剤形は、図2に示されるような少なくとも1個の出口60を提供される。出口60は、剤形からの薬物の均一な放出のために圧縮されたコアと共に作用する。出口は、剤形の製造の間、または使用の流体環境における剤形による薬物送達の間に提供されてもよい。
【0087】
1個またはそれ以上の出口オリフィスが、剤形の薬物層の端に穴空けされ(drilled)、そして場合によっては、着色(例えば、Opadry着色コーティング)されていても、または透明(例えば。Opadry Clear)であってもよい水溶性オーバーコート(overcoat)が、剤形上にコートされて最終剤形が提供されてもよい。
【0088】
出口60は、外側の壁から浸食されるか、溶解するか、または洗い落とされて出口オリフィスを形成する物質もしくはポリマーから形成されるかまたは形成可能であるオリフィスを含む。その物質もしくはポリマーは、例えば、半透過性壁における被浸食性のポリ(グリコール酸)もしくはポリ(乳酸);ゼラチンの繊維;水を除去できるポリ(ビニルアルコール);洗い落とされる化合物、例えば無機および有機塩、酸化物および炭水化物からなる群から選ばれる流体で除去できる穴・形成物(pore−former)を含んでもよい。
【0089】
1個の出口もしくは複数の出口は、ソルビトール、ラクトース、フルクトース、グルコース、マンノース、ガラクトース、タロース、塩化ナトリウム、塩化カリウム、クエン酸ナトリウムおよびマンニトールからなる群から選ばれるメンバーを洗い落すことによって形成されて、均一な送達の寸法に合った穴−出口オリフィス(pore−exit orifice)を提供できる。
【0090】
出口は、剤形から薬物の均一な定量用量放出(metered dose release)のために、円形、三角形、四角形、長円形などのようないかなる形状を有してもよい。
【0091】
持続放出剤形は、持続放出剤形の空間的に離れた関係または1個以上の表面において1個以上の出口を含んで構築することができる。
【0092】
半透過性壁をとおして、機械的およびレーザー穴空け(drilling)を含む穴空けが使用されて、出口オリフィスを形成することができる。出口およびそのような出口を形成するための装置は、TheeuwesおよびHiguchiによる米国特許第3,916,899号およびTheeuwesらによる米国特許第4,088,864号において開示されている。等しい直径の2個の出口を利用することがここでは好適である。好適な実施態様では、出口60は、存在する場合はサブコート90をとおして薬物層30まで貫通する。
【0093】
その他の実施態様では、薬物および他の成分を含む治療学的組成物、またはそれらを含む出口に面する薬物層は、混合されるか、あるいはそれらは混合され、次いで固形層に圧縮される。薬物および他の成分は、溶媒により混合され、慣用の方法、例えばボールミル法、圧搾ローラー法、撹拌もしくはロールミル法によって固形もしくは半固形形態に形成され、次いで、選ばれた型に圧縮される。この層は、層が剤形において占める領域の内部寸法に対応する寸法を保持する。二層(bilayer)は剤形の内部口径に対応する寸法を保持する。次に、ヒドロゲル「押し出し層」が薬物層と接して置かれる。薬物層とヒドロゲル押し出し層の重層(layering)は、慣用の圧縮−重層技術(press−layering)によって作成できる。最後に、2層(two−layer)コンパートメント形成メンバーは、外部壁により囲まれ、コートされる。予め選ばれた薬物表面に通路を形成するためにレーザー装置によって光学的に自動的に方向づけされた剤形を用いて、通路が、薬物層に接するようにレーザーまたは機械的に壁をとおして穴空けされる。
【0094】
その他の実施態様では、剤形は湿式造粒技術によって製造される。湿式造粒技術では、薬物および成分を含む第1層は、造粒用流体として、有機もしくは無機溶媒、例えばイソプロピルエタノール−二塩化メチレン80:20(v/v)を用いて混合される。他の造粒用流体、例えば水、イソプロピルアルコールまたは変性アルコール100%がこの目的のために使用されてもよい。薬物層を形成する成分は、個々に、40メッシュ篩を通過され、次いで、ミキサー中で徹底的に混合される。次に、他の成分を含む薬物層が造粒用流体、例えば前記共溶媒の一部に溶解される。次いで、後者の調製された湿潤混合物がブレンダー中で連続混合されながら薬物混合物に徐々に添加される。造粒用流体は湿潤混合物全量が製造されるまで添加され、次いで、この湿った全量が、オーブントレー上に20メッシュ篩を通して押し出される。この混合物は25℃〜40℃で18〜24時間乾燥される。乾燥顆粒は次いで16メッシュ篩で篩別される。次に、滑沢剤が60メッシュ篩を通過され、乾燥した篩別顆粒混合物に添加される。造粒物(granulation)は製粉ジャー中に入れられ、2〜10分間、ジャーミルにおいて混合される。薬物層および押し出し層組成物は、例えば、Manesty(R)レアープレスにおいて重層錠剤に圧縮される。
【0095】
薬物およびヒドロゲル組成物を提供するために使用されてもよいその他の製造方法は、流動床造粒機においてそれらの粉状成分を混合することを含む。粉状成分が造粒機において乾式混合された後、造粒用流体、例えば、水等の溶媒中のポリ(ビニルピロリドン)が
それぞれの粉末の上に噴霧される。次いで、コートされた粉末は造粒機中で乾燥される。この方法は、造粒用流体を噴霧しながら、そこに存在する乾燥成分をコートする。顆粒が乾燥された後、滑沢剤、例えばステアリン酸もしくはステアリン酸マグネシウムが、上記のように混合されて混合物にされる。次いで、顆粒が前記様式で圧縮される。その他の実施態様では、流動床造粒法がヒドロゲル層を製造するために使用される場合は、ポリアルキレンオキサイド中に存在する抗酸化剤が処理段階において除去できる。抗酸化剤が望まれる場合は、それがヒドロゲル調合物に添加されてもよく;これは、前記流動床造粒の間に達成することができる。
【0096】
本発明による剤形は、その他の実施態様では、薬物を組成物形成成分と混合し、そして通路に接するコンパートメント空間の内部寸法に対応する寸法を保持する固形層に、組成物を圧縮することによって製造されてもよい。その他の実施態様では、薬物および他の薬物組成物形成成分および溶媒が、慣用の方法、例えばボールミル法、圧搾ローラー法、撹拌もしくはロールミル法によって混合されて固形もしくは半固形物にされ、次いで、予め選ばれた層形成型に圧縮される。
【0097】
その他の実施態様では、ヒドロゲル・オスモポリマーおよび場合によってはオスマジェントを含んでなる組成物または組成物の層が、薬物を含んでなる層と接して置かれ、そしてその層を含む2つの層が、半透過性膜により囲まれる。薬物組成物およびヒドロゲル押し出し層および場合によってはオスマジェント組成物の重層(layering)は、慣用の2層錠剤プレス技術を用いて達成できる。壁は、半透過性膜形成材料による圧縮形状物の成形、噴霧、または浸漬をとおして沈着させることができる。半透過性膜を適用するために使用できるその他の技術は、エアー・サスペンションコーティング操作である。この操作は、半透過性膜形成組成物が層を取り囲むまで、空気流中で二層を浮遊させ、かつ転がすことにおいてなる。あるいはまた、半透過性膜は、パンコーティング(pan coating)方法により形成されてもよく、ここでは、圧縮形状物は、半透過性膜形成組成物が該形状物上に噴霧されながら、パンにおいて転がされる。製造操作は、Modern Plastics Encyclopedia,Vol.46,pp.62−70(1969);およびPharmaceutincal Sciences,by Remington,14th Ed.,pp.1626−1648(1970),published by Mack Publishing Co.,Easton,Paにおいて記述されている。剤形は、次の米国特許第4,327,725号;同第4,612,008号;同第4,783,337号;同第4,863,456号;および同第4,902,514号における教示によって製造することができる。
【0098】
壁、組成物層および剤形を製造するために適当な代表的な溶媒は、材料、壁、層、組成物および薬物壁に有害な影響を与えない不活性な無機および有機溶媒を含む。壁組成物中のいかなる流動増進剤も、熱の助力があってもなくても撹拌下で最初に溶媒に溶解される。そのような溶媒は、水性の有機溶媒またはその混合液であってもよい。流動増進剤の完全な溶解終了後、例えば壁形成材料のセルロース成分、酢酪酸セルロースが添加され、そして両成分が溶液になるまで、撹拌が継続される。膜は、Wursterコーター,パンコーターまたはいかなる他のコーティング装置を用いてコア上に適用されてもよい。あるいはまた、コーティング材料の混合物が該コア上に直接圧縮されてもよい。半透過性膜の所望の厚さはほぼ4.6milである。
【0099】
本明細書で記述される実施態様にしたがう剤形は、標準技術によって製造されてもよい。例えば、剤形は湿式造粒技術によって製造されてもよい。湿式造粒技術では、薬物および担体が、造粒用流体として、有機溶媒、例えば変性無水エタノールを用いて混合される。残りの成分は、造粒用流体、例えば前記溶媒の一部に溶解されてもよく、そして後者が調製された湿潤混合物がブレンダー中で連続混合されながら薬物混合物に徐々に添加される。造粒用流体は湿潤混合物が製造されるまで添加され、次いで、この湿った一塊の混合物が、オーブントレー上に予め定められた篩を通して押し出される。この混合物は強制空気オーブンにおいて24℃〜35℃で18〜24時間乾燥される。乾燥顆粒は次いでサイズを揃えられる。次に、ステアリン酸マグネシウムまたはその他の適当な滑沢剤が薬物造粒物に添加され、そして製粉ジャー中に入れられ、10分間、ジャーミルにおいて混合される。この組成物が、例えば、Manesty(R)プレスまたはKorsch LCTプレスにおいて層に圧縮される。三重層コアでは、薬物層組成物および押し出し層組成物が、最初の2つの層の各々に適用される中間圧縮段階を伴って適当なサイズの鋳型に連続して入れられ、続いて、最後の層が鋳型に添加された後、最終圧縮段階によって三重層コアに形成される。中間圧縮は、典型的には、約50〜100ニュートンの力の下で行われる。最終段階の圧縮は、典型的には、3500ニュートン以上の力で、しばしば3500−5000ニュートンで、行われる。圧縮されたコアは、乾式コータープレス、例えばKilian(R)Dry Coaterプレスにフィードされ、続いて前記のような半透過性膜材料によりコートされる。
【0100】
その他の実施態様では、薬物および他の成分を含む薬物層が混合され、固形層に圧縮される。この層は、層が剤形において占有する領域の内部寸法に対応する寸法を保持し、そしてまた、それと接する配置を形成するために、含まれる場合は、押し出し層に対応する寸法を保持する。薬物および他の成分もまた、溶媒とともに混合され、慣用の方法、例えばボールミル法、圧搾ローラー法、撹拌もしくはロールミル法によって固形もしくは半固形形態に混合され、次いで、予め選ばれた型に圧縮される。次に、含まれる場合は、オスモポリマー組成物の層が同様の方式で薬物の層と接して置かれる。薬物調合物とオスモポリマー層の重層は、慣用の2層プレス技術によって作成できる。類似の操作が、三重層コアの製造のために続いて実施されてもよい。圧縮されたコアは、次いで、前記の内部の壁材料および半透過性膜材料によりコートされてもよい。
【0101】
使用できるその他の製造方法は、流動床造粒機において各層のための粉状成分を混合することを含む。粉状成分が造粒機において乾式混合された後、造粒用流体、例えば水中ポリ(ビニルピロリドン)が粉末の上に噴霧される。次いで、コートされた粉末は造粒機中で乾燥される。この方法は、造粒用流体を添加しながら、そこに存在するすべての成分を造粒する。顆粒が乾燥された後、滑沢剤、例えばステアリン酸もしくはステアリン酸マグネシウムが、ブレンダー、例えばV−ブレンダーまたはトウト(tote)ブレンダーを使用して造粒物中に混合される。次いで、顆粒が前記様式で圧縮される。
【0102】
剤形構成要素を製造するために適当な代表的な溶媒は、このシステムにおいて使用される材料に有害な影響を与えない水性もしくは不活性有機溶媒を含む。溶媒は、幅広く、水性溶媒、アルコール、ケトン、エステル、エーテル、脂肪族炭化水素、ハロゲン化溶媒、環状脂肪族化合物、芳香族化合物、複素環溶媒およびこれらの混合物からなる群から選択されるメンバーを含む。典型的な溶媒は、アセトン、ジアセトンアルコール、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、メチルイソブチルケトン、メチルプロピルケトン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルアセテート、二塩化メチレン、二塩化エチレン、二塩化プロピレン、四塩化炭素、ニトロエタン、ニトロプロパン、テトラクロロエタン、エチルエーテル、イソプロピルエーテル、シクロヘキサン、シクロオクタン、ベンゼン、トルエン、ナフサ、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジグライム、水、無機塩例えば塩化ナトリウム、塩化カルシウムなどを含有する水性溶媒、およびそれらの混合液、例えばアセトンと水、アセトンとメタノール、アセトンとエチルアルコール、二塩化メチレンとメタノールおよび二塩化エチレンとメタノールを含む。
【0103】
コーティング後、本発明のコートされた浸透性コアは乾燥される。1つの実施態様では、コートされた浸透性コアはパンコーターにおいて乾燥されるので、別の乾燥機にコートされた浸透性コアを移動させることに較べて単位操作を省く。その他の実施態様では、コートされた浸透性コアは別の乾燥機に移動され、そして乾燥される。特定のコートされた浸透性剤形のための所望の乾燥条件およびバッチサイズなどを得るためのパンコーターまたは乾燥機の設定を変えることは一般に既知である。
【0104】
本実施態様に適用されるように、本発明の特徴および利点が記述され、指摘されたけれども、当業者は、本明細書に記述される方法における種々の改変、変更、付加および省略が、本発明の精神を逸脱することなく作成できることを評価するであろう。
【実施例】
【0105】
次の実施例は、請求される本発明を具体的に説明するためであり、いかなる方法でも限定するものではない。
【0106】
例1:オキシブチニン(oxybutynin)浸透性組成物
本発明によって提供される治療学的オキシブチニン浸透性組成物は、次のように製造される:最初に、オキシブチニン塩酸塩103gが無水エタノール1200mlに溶解される。別に、分子量200,000のポリエチレンオキサイド2,280g、分子量9,200のヒドロキシプロピルメチルセルロース150gおよび塩化ナトリウム450gが、慣用のブレンダーにおいて10分間乾式混合されて均質な混合物を生成する。次に、オキシブチニンのエタノール溶液が、混合機の連続混合により徐々に添加され、そして全溶液が3成分の乾式混合物に添加された後、さらに8〜10分間混合を継続する。混合された湿潤組成物は16メッシュの篩を通過され、72度F(22.2℃)の室温で一夜乾燥される。次いで、乾燥顆粒が20メッシュ篩を通過され、そしてステアリン酸マグネシウム18gが添加され、そして全成分が再び5分間混合される。新鮮な顆粒は、治療学的オキシブチニン組成物への調合のために準備される。治療学的組成物は、オキシブチニン塩酸塩3.4wt%、分子量200,000のポリエチレンオキサイド76wt%、分子量9,200のヒドロキシプロピルメチルセルロース5wt%、塩化ナトリウム15wt%およびステアリン酸マグネシウム0.6wt%を含む。
【0107】
例2:押し出し層組成物
本発明によって提供されるオスモポリマーヒドロゲル組成物は、次のように製造される:最初に、分子量約7,500,000の製薬学的に許容できるポリエチレンオキサイド1274g、塩化ナトリウム600gおよび酸化第二鉄20gが、別々に40メッシュの篩を通過される。次いで、全篩別された成分は、分子量11,200のヒドロキシプロピルメチルセルロース100gと混合されて、均質な混合物を生成する。次に、変性無水アルコール300mlが、5分間連続混合されながら混合物に徐々に添加される。次いで、ブチル化ヒドロキシトルエン1.6gが添加され、続いて5分間混合されながら添加されるステアリン酸マグネシウム5gとさらに混合されて、均質な混合物を生成する。新しく製造された顆粒は20メッシュの篩を通過され、そして22.2℃で20時間乾燥させられる。最終組成物は、ポリエチレンオキサイド63.67wt%、塩化ナトリウム30wt%、酸化第二鉄1wt%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース5mg、ブチル化ヒドロキシトルエン0.08wt%およびステアリン酸マグネシウム0.25mgを含む。
【0108】
例3:オキシブチニンを含んでなる錠剤
例1の治療学的オキシブチニン組成物および例2のオスモポリマーヒドロゲル組成物が、次のように二層錠剤に作成される:最初に、オキシブチニン組成物147mgが、パンチ鋳型セットに添加され、次いで、ヒドロゲル組成物98mgが添加され、そして2つの層が、1.0トン(1000kg)の圧力ヘッド下で、11/32インチ(0.873cm)直径に圧縮されて、密接した二重層錠剤が形成される。
【0109】
例4:コートされた浸透性コア
例3の二重層錠剤は、次のように送達デバイスに製造される:最初に、重量で29.69%のアセチル含量と16.88%のブチリル含量を有する80wt%の酢酪酸セルロース171−15および20%のpoloxamer188を含んでなる半透過性膜形成組成物が、99.5:0.5wt:wt組成においてアセトンおよび水を含んでなる共溶媒中に成分を溶解することによって調製されて5%固形物溶液が作成された。壁形成組成物が二重層コアの上にかつ周囲に噴霧されて17.8mgの半透過性壁が提供される。コーティングは、最初に12”LDCSコーターを用いて達せられ、さらにコーティングの研究は24”Vector Hi−Coaterを用いて実施される。次に、半透過性壁を施された二重層錠剤は、半透過性壁をとおしてレーザー穴空けされて25mil(0.64mm)を与え、オキシブチニン層を送達デバイスの外部と接触させる。
【0110】
コートされたサンプルは、45℃、45%相対湿度で3〜7日間乾燥され、そしてガスクロマトグラフィーを使用して残留溶媒含量について試験される。
【0111】
この製造によって提供されるコートされた浸透性コアは、治療学的オキシブチニン組成物中にオキシブチニン塩酸塩3.4wt%、分子量200,000のポリエチレンオキサイド76wt%、分子量9,200のヒドロキシプロピルメチルセルロース5wt%、ステアリン酸マグネシウム0.6wt%、および塩化ナトリウム15wt%を提供する。オスモポリマー ヒドロゲル押し出し組成物は、分子量7,500,000のポリエチレンオキサイド63.67wt%、塩化ナトリウム30wt%、酸化第二鉄1wt%、分子量9,200のヒドロキシプロピルメチルセルロース5wt%、ブチル化ヒドロキシトルエン0.08wt%およびステアリン酸マグネシウム0.25wt%を含む。半透過性壁は、29.9%のアセチル含量を含んでなる酢酪酸セルロース80wt%、およびpoloxamer188の20wt%を含む。送達デバイスは、25mil(0.64mm)の出口を含み、そしてそれは、23.8時間0.260mg/hrの平均放出割合を有する。半透過性壁は、送達デバイス中のオキシブチニンの光分解からの実質的保護を与える。
【0112】
例5
コートされてない浸透性オキシブチニン二層生産物コア(DitropanXL(R))がコーティングの研究のために得られた。2種のコーティング調合物、CA398−10:PEG3350(99:1)およびCAB−171−15PG:Poloxamer188が選ばれた。
【0113】
コーティングはLDCS−HL20/30 Modelコーター(Vector Corp.)を使用して12”コーティングスケールにおいて実施された。組成物および結果は表1に示される。操作パラメーターは次のようであった:Load重量:〜.1kg;Gun to bed距離:2 3/4”;Inlet温度:40C;Exhaust温度:25C;Pan(rpm):28:Pump run(%):36;Solution噴霧速度:23g/min。結果は表1に示される。
【0114】
CAB−171−15PG:poloxamer188(80:20)組成物は、Vector Hi−Coater HCT60において24”コーティングスケールでさらに評価された。結果は表2および図3に示される。操作パラメーターは次のようであった:Load重量:〜10.1kg;Gun to bed距離:5.5”;Atomization air flow(SLPM):80;Gun air flow(SLPM):30;Inlet温度:45;Exhaust温度:必要により通常33C;Pan(rpm):11:Pan pressure(in of water):−2.0;Pump run(%):100;Solution噴霧速度:〜166g/min。
【0115】
表2および図3は2種の膜調合物間のシステムの比較を与える。
【0116】
放出割合(release rate)の研究は、コートされた浸透性コアを用いて実施された。放出割合はUPS typeVII装置を使用して決定された。使用された媒質は人工胃液(pH1.2)であり、続いてサンプルの評価のためにHPLC分析が行われた。表3および図4はこれらの研究の結果を示す。
【0117】
【表3】

【0118】
【表4】

【0119】
【表5】

【0120】
例6:WG−1造粒物(granulation)
トピラメート(Topiramate)6g、ポリエチレンオキサイドN−10 5.04g、Povidone(PVP K29−32)0.6gおよびPoloxamer407 7.80gが、ビーカー中に正確に秤量される。混合物は、造粒用流体としてエチルアルコールを添加することによってエアロミキサーを使用して造粒される。造粒物は室温で一夜乾燥され、そして16メッシュ篩をとおして篩別される。篩別された造粒物は秤量され、そしてガラスジャーに移される。ステアリン酸(40メッシュ篩をとおして予め篩別された)2%w/wおよびBHT(40メッシュ篩をとおして予め篩別された)0.05%w/wが添加され、そして10分間ローラーミルのジャーに入れることによって混合される。ステアリン酸マグネシウム(40メッシュ篩をとおして予め篩別された)0.75%w/wをジャー中に添加し、そして30秒間混合される。
【0121】
例7:WG−2造粒物
トピラメート8g、ポリエチレンオキサイドN−10 0.43g、Povidone(PVP K29−32)0.6g、酸化第二鉄(黒色)0.02gおよびPoloxamer407 10.40gが、ビーカー中に正確に秤量される。混合物は、造粒用流体としてエチルアルコールを添加することによってエアロミキサーを使用して造粒される。造粒物は室温で一夜乾燥され、そして16メッシュ篩をとおして篩別される。篩別された造粒物は秤量され、そしてガラスジャーに移される。ステアリン酸(40メッシュ篩をとおして予め篩別された)2%w/wおよびBHT(40メッシュ篩をとおして予め篩別された)0.02%w/wが添加され、そして10分間ローラーミルのジャーに入れることによって混合される。ステアリン酸マグネシウム(40メッシュ篩をとおして予め篩別さ
れた)0.75%w/wをジャー中に添加し、そして30秒間混合される。
【0122】
例8:押し出し層造粒物
本発明によって提供されるオスモポリマーヒドロゲル組成物は、次のように製造される:最初に、分子量約7,500,000を含む製薬学的に許容できるポリエチレンオキサイド1274g、塩化ナトリウム600gおよび酸化第二鉄20gが、別々に40メッシュの篩をとおして篩別される。次いで、全篩別された成分は、分子量11,200のヒドロキシプロピルメチルセルロース100gと混合されて、均質な混合物を生成する。次に、変性無水アルコール300mlが、5分間連続混合されながら混合物に徐々に添加される。次いで、ブチル化ヒドロキシトルエン1.6gが添加され、続いて5分間混合されながら添加されるステアリン酸マグネシウム5gとさらに混合されて、均質な混合物を生成する。新しく製造された造粒物は20メッシュの篩を通過され、そして22.2℃で20時間乾燥させられる。最終組成物は、ポリエチレンオキサイド63.67wt%、塩化ナトリウム30wt%、酸化第二鉄1wt%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース5mg、ブチル化ヒドロキシトルエン0.08wt%およびステアリン酸マグネシウム0.25mgを含む。
【0123】
例9:コートされた浸透性コア
例8からの押し出し層造粒物93mgとともに、例6からのWG−1造粒物53mg、例7からのWG−2造粒物73mgからなる三層コアが、0.25トンの圧力で作動する3/16”LCTを使用するCarverプレスによって手動で圧縮される。これらの三層コアは、Vector Hi−Coaterを用いてエタノール中(70:30)[HPC:PVP(K29−32)]により21.59mgの目的としたサブコートにサブコートされる。サブコートされたコアは、さらに、Vector Hi−Coaterを使用して20.2mgの膜重量まで、99.5:0.5アセトン:水中CAB−171−15:poloxamer188(80:20)(5%固形物)により膜コートされる。膜コートされた錠剤は、40milオリフィスで穴空けされ、そしてVWRオーブン中で40℃/周囲湿度において2日間乾燥される。
【0124】
例10:トピラメートのゼロ次(zero order)コア
薬物層造粒物:薬物層造粒物は、Glatt GPCG−30流動床造粒機において中規模で製造されたが、押し出し層造粒物は、Large流動床造粒機において120kg規模で製造された。薬物および押し出し層の正確な組成は表4に例示される。
【0125】
薬物層造粒物:薬物造粒物は2つのサブロットとして製造された。サブロットAは、Glatt GPCG−30流動床造粒機中に、トピラメート2.88kgおよびポリエチレンオキサイド、N−80,200K 958gおよび微粉化Poloxamer407
4.982kgを負荷することによって製造された。poloxamer407の10%(w/w)および純水からなる結合剤溶液は、水中にpoloxamerを溶解することによって調製された。Povidone結合剤溶液の15%(w/w)溶液は、純水中にPovidoneを溶解することによって調製された。入口温度は30〜32℃に制御され、そして空気流はGlattにおいて流動化を維持するように調節され、そしてpoloxamer結合剤溶液3.785kgが噴霧され、続いてPovidone結合剤溶液3.33kgが噴霧された。造粒物は、0.5%の目標水分含量まで乾燥された。サブロットBは類似の方式で製造された。次いで、両サブロットは、7メッシュ篩を固定されたgranumillで造粒物を通過させてサイズを整えられた。次いで、サブロットは10分間回転ミキサーにおいて混合された。BHTおよびステアリン酸が40メッシュ篩を通過された。篩別されたBHTは、5分間トート(tote)タンブラーを用いてトートを回転することによって造粒物中に混合された。次いで、ステアリン酸が、5分間トートタンブラーを回転することによって造粒物中に混合された。次いで、ステアリン酸マグネシウムが添加され、そして30秒間混合された。
【0126】
押し出し層造粒物:酸化第二鉄および塩化ナトリウムが、別々に、21メッシュの篩を固定されたQuadro comillを使用して粉砕され、そして別々のドラムに回収された。ポリエチレンオキサイド303 80.4kg、サイズの整った塩化ナトリウム37.5kgおよび酸化第二鉄0.5kgがトートに容れられ、そしてGlatt流動床造粒機中に負荷された。純水中povidoneの13%(w/w)からなる結合剤溶液は、結合作用剤として使用された。入口温度は43〜47℃に制御され、そして空気流はGlattにおいて流動化を維持するように調節され、そして結合剤溶液6.25kgが噴霧された。結合剤溶液が噴霧された後、造粒物は、<1%の目標水分含量まで乾燥された。次いで、この造粒物は、7メッシュ篩を固定されたgranumillを使用して粉砕された。BHTおよびステアリン酸が40メッシュ篩を通過された。篩別されたBHTは、10分間トート・タンブラーを用いてトートを回転することによって造粒物中に混合された。次いで、ステアリン酸が、1分間トートタンブラーを回転することによって造粒物中に混合された。
【0127】
コアの圧縮:コアはKorsch Multilayer Pressにおいて15/64”の深い凹型型押し機の33ステーションを使用して圧縮された。全工程中の試験結果は許容限界内に十分入る。薬物のための目標の第1層重量および押し出し層は表1に列挙される。
【0128】
膜のコーティング:このシステムは、24”Vector Hi−Coaterを使用して、標準CA:PEG膜または新規のCAB:PL407膜のいずれかでコートされた。
【0129】
穴空け:コーティング後、錠剤は、Servoドリルを使用してシステムの薬物層ドームに1.15mm(45mil)オリフィスにより穴空けされた。
【0130】
穴空けされたコアは、40℃、周囲湿度でHotpackオーブン中で乾燥された。乾燥システムは、残留溶媒試験のためにサンプリングされ、そして放出割合について試験された。システムの詳細は表4に列挙され、一方、システム性能は表6、7、8に与えられ、図5において示される。
【0131】
【表6】

【0132】
例11:トピラメートの上昇(ascending)コア
薬物層1造粒物:
薬物層造粒物1は、Glatt GPCG−30流動床造粒機中に、トピラメート3.0kgおよびポリエチレンオキサイド、N−80,200K 2.520kgおよび微粉化Poloxamer407 3.630kgを負荷することによって製造された。poloxamer407の10%(w/w)および純水からなる結合剤溶液は、水中にpoloxamerを溶解することによって調製された。povidone結合剤溶液の15%(w/w)溶液は、純水中にPovidoneを溶解することによって調製された。入口温度は28〜32℃に制御され、そして空気流はGlattにおいて流動化を維持するように調節され、そしてpoloxamer結合剤溶液2.7kgが噴霧され、続いてPovidone結合剤溶液2.0kgが噴霧された。造粒物は、0.5%の目標水分含量まで乾燥された。この造粒物は、7メッシュ篩を固定されたgranumillで造粒物を通過させてサイズを整えられた。BHTおよびステアリン酸が40メッシュ篩を通過された。篩別されたBHTは、5分間トートタンブラーを用いてトートを回転することによって造粒物中に混合された。次いで、ステアリン酸が、5分間トートタンブラーを回転することによって造粒物中に混合された。次いで、ステアリン酸マグネシウムが添加され、そして30秒間混合された。
【0133】
薬物層2造粒物:
薬物層造粒物2は、Glatt GPCG−30流動床造粒機中に、トピラメート4.0kgおよびポリエチレンオキサイド、N−80,200K 213g、微粉化Poloxamer407 4.840kgおよび黒色酸化鉄(10メッシュ篩をとおして篩別された)10gを負荷することによって製造された。poloxamer407の10%(w/w)および純水からなる結合剤溶液は、水中にpoloxamerを溶解することによって調製された。povidone結合剤溶液の15%(w/w)溶液は、純水中にpovidoneを溶解することによって調製された。入口温度は28〜32℃に制御され、そして空気流はGlattにおいて流動化を維持するように調節され、そしてpoloxamer結合剤溶液3.6kgが噴霧され、続いてPovidone結合剤溶液2.0kgが噴霧された。造粒物は、0.5%の目標水分含量まで乾燥された。この造粒物は、7メッシュ篩を固定されたgranumillで造粒物を通過させてサイズを整えられた。BHTおよびステアリン酸が40メッシュ篩を通過された。篩別されたBHTは、5分間トートタンブラーを用いてトートを回転することによって造粒物中に混合された。次いで、ステアリン酸が、5分間トートタンブラーを回転することによって造粒物中に混合された。次いで、ステアリン酸マグネシウムが添加され、そして30秒間混合された。
【0134】
2種の薬物層造粒物は、別々に、Glatt GPCG−30流動床造粒機の45Lボウルにおいて製造された。真空およびフィルターバッグは、工程損失および説明義務を決定するために造粒の前後に秤量された。2種の結合剤溶液が調製されたが、その1つは純水中Poloxamer407からなり、他方は純水中PVPからなった。トピラメート、ポリエチレンオキサイドおよびPoloxamer407(および薬物層2では黒色酸化鉄の付加)の残りの量がボウルドライ(bowl dry)に負荷された。造粒中に、結合剤溶液の必要量が造粒機中に定量添加された。調合物におけるPoloxamer407の1/14が造粒床上に噴霧され、続いて、調合物における必要なPVPの全部が噴霧された。工程の空気容量は、適当な流動化を維持するように進行中に必要に基づいて調節された。結合剤溶液が適用された後、造粒物は、0.5%の目標水分含量まで乾燥されたが、許容範囲は0.2〜0.8%である。
【0135】
乾燥後、この造粒物は、Fluid Air Granumillを使用して7.2メッシュ篩をとおしてサイズを整えられた。次いで、篩別されたブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)およびサイズを整えられたステアリン酸およびステアリン酸マグネシウムが、Gemco Slant Coneブレンダーを用いて造粒物中に混合された。
【0136】
押し出し造粒物
酸化第二鉄および塩化ナトリウムが、別々に、21メッシュの篩を固定されたQuadro comillを使用して粉砕され、そして別々のドラムに回収された。ポリエチレンオキサイド303 80.4kg、サイズの整った塩化ナトリウム37.5kgおよび酸化第二鉄0.5kgがトートに容れられ、そしてGlatt流動床造粒機中に負荷された。純水中povidoneの13%(w/w)からなる結合剤溶液は、結合作用剤として使用された。入口温度は43〜47℃に制御され、そして空気流はGlattにおいて流動化を維持するように調節され、そして結合剤溶液6.25kgが噴霧された。結合剤溶液が噴霧された後、造粒物は<1%の目標水分含量まで乾燥された。次いで、この造粒物は、7メッシュ篩を固定されたgranumillを使用して粉砕され、そしてトート中に回収された。BHTおよびステアリン酸が40メッシュ篩を通過された。篩別されたBHTは、10分間トート・タンブラーを用いてトートを回転することによって造粒物中に混合された。次いで、ステアリン酸が、1分間トートタンブラーを回転することによって造粒物中に混合された。
【0137】
コアの圧縮
コアは、Korsch Multi−layerプレスにおいて1/4”の深い凹型型押し機において1.4の薬物対押し出し比により圧縮された。プレスは33ステーションに設定され、そして13rpmの速度で進められた。両薬物層への100Nの標的突き固め(tamping)力および3000Nの最終圧縮力が三層コアを圧縮するために適用された。
【0138】
膜のコーティング:このシステムは、24”Vector Hi−Coaterを使用して、標準のCA:PEG膜または新規のCAB:PL407膜のいずれかでコートされた。調合物は表1に列挙される。
【0139】
穴空け:コーティング後、錠剤は、Servoドリルを使用してシステムの薬物層ドームに1.0mm(40mil)オリフィスにより穴空けされた。
【0140】
乾燥
穴空けされたコアは、40℃、周囲湿度でHotpackオーブン中で乾燥された。乾燥システムは、残留溶媒試験のためにサンプリングされ、そして放出割合について試験された。システムの詳細は表3および表4に列挙され、そして放出が図6において示される。
【0141】
【表7】

【0142】
【表8】

【0143】
【表9】

【0144】
【表10】

【0145】
【表11】

【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】図1は、本発明による浸透性剤形を示す。
【図2】図2は、本発明によるその他の浸透性剤形を示す。
【図3】図3は、本発明による剤形の乾燥曲線を示す。
【図4】図4は、本発明による剤形の累積放出割合(rate)プロットを示す。
【図5】図5は、本発明による剤形の累積放出割合プロットを示す。
【図6】図6は、本発明による剤形の累積放出割合プロットを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浸透性コアを用意し;
酢酪酸セルロースを含むコーティング組成物により浸透性コアをコートし;
コートされた浸透性コアを最大約36時間の間乾燥すること;
を含んでなる方法であって、
ここで、コートされたコアが約1000パーツ パー ミリオン未満の平均残留溶媒含量まで乾燥されている上記方法。
【請求項2】
コーティング組成物が、さらに、コーティング組成物中の総固形物に対して、約0.01重量%から約40重量%以上の流動調節剤(flux regulator)を含む、請求項1の方法。
【請求項3】
コーティング組成物が、さらに、コーティング組成物中の総固形物に対して、約10〜約30重量%の流動調節剤を含む、請求項2の方法。
【請求項4】
コートされた浸透性コアが最大約24時間の間乾燥される、請求項1の方法。
【請求項5】
コートされたコアが約500パーツ パー ミリオン未満の平均残留溶媒含量まで乾燥される、請求項1の方法。
【請求項6】
浸透性コアが三層浸透性コアを含む、請求項1の方法。
【請求項7】
請求項1のコートされた浸透性コアを含んでなる剤形。
【請求項8】
浸透性コアを用意し;
酢酪酸セルロースにより浸透性コアをコートし;
コートされた浸透性コアを最大約24時間の間乾燥し;
コートされた浸透性コアを患者に対して投与すること;
を含んでなる方法であって、
ここで、コートされたコアが約1000パーツ パー ミリオン未満の平均残留溶媒含量まで乾燥される方法。
【請求項9】
コーティング組成物が、さらに、コーティング組成物中の総固形物に対して、約0.01重量%から約40重量%以上の流動調節剤を含む、請求項8の方法。
【請求項10】
コーティング組成物が、さらに、コーティング組成物中の総固形物に対して、約10〜約30重量%の流動調節剤を含む、請求項9の方法。
【請求項11】
コートされた浸透性コアが最大約24時間の間乾燥される、請求項8の方法。
【請求項12】
コートされたコアが約500パーツ パー ミリオン未満の平均残留溶媒含量まで乾燥される、請求項8の方法。
【請求項13】
浸透性コアが三層浸透性コアを含む、請求項8の方法。
【請求項14】
浸透性コアがオスマジェント(osmagent)を含む、請求項8の方法。
【請求項15】
コートされた浸透性コアが患者に対して経口的に投与される、請求項8の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−500339(P2009−500339A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519587(P2008−519587)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/025473
【国際公開番号】WO2007/002872
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(503073787)アルザ・コーポレーシヨン (113)
【Fターム(参考)】