説明

消化槽付きトイレ

【課題】微生物棲息母材の含水率を的確に制御することを可能とし、より使いやすい消化槽付きトイレを提供する。
【解決手段】微生物棲息母材と排泄物とが収容される消化槽20と、前記消化槽の排気機構と、前記消化槽に収容された微生物棲息母材を排泄物とともに攪拌する攪拌機構40と、前記消化槽に収容された微生物棲息母材を加温する加温機構と、前記消化槽に収容された微生物棲息母材の水分を検知する水分センサとを備え、前記水分センサにより前記消化槽20内における前記微生物棲息母材の含水率を検知した結果に基づいて、前記消化槽の微生物棲息母材の含水率を維持する待機運転モードと、前記消化槽の微生物棲息母材から水分を除去し微生物棲息母材の含水率を下げる処理を行う除湿運転モードとに切り換えて、前記排気機構、攪拌機構及び加温機構を制御する制御部60とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は微生物を利用して排泄物を分解消化する消化槽付きトイレに関する。
【背景技術】
【0002】
微生物を利用して排泄物を分解消化する消化槽を備えたトイレとして、微生物棲息母材として杉等の木質チップを使用し、消化槽中で排泄物とともに微生物棲息母材を撹拌することにより、微生物の作用によって排泄物を分解消化する製品が提供されている。このトイレは、微生物の作用によって排泄物が炭酸ガスと水とに完全に分解されることから、定期的に微生物棲息母材を交換してメンテナンスするだけで維持することができ、仮設トイレや家庭用トイレとして利用されている。
【0003】
この微生物を利用するトイレにおいては、微生物による分解消化作用が有効に発揮されるようにするために、微生物棲息母材の含水率を適正に制御することが必要である。木質チップを微生物棲息母材にとする場合、微生物による分解消化作用が有効になされるのは含水率が30〜70%程度の範囲である。したがって、含水率がこの範囲から外れてくると、微生物による分解消化作用が有効に発揮されなくなるからである。
微生物棲息母材の含水率(水分量)を管理する方法として、従来は、微生物棲息母材の状態を目視して調節する方法、トイレの使用回数によって制御する方法、消化槽の重量を検知して制御する方法等がなされてきた。微生物棲息母材の含水率を調節するために、消化槽に加熱機構あるいは除湿機構を設けることも行われている。
【特許文献1】特開2005−152063号公報
【特許文献2】特開2004−33364号公報
【特許文献3】特開2003−174982号公報
【特許文献4】特開2001−231713号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、微生物の作用を利用して排泄物を分解消化する消化槽付きトイレを有効に活用するには、微生物棲息母材の含水率を適正に制御する必要がある。しかしながら、従来の微生物棲息母材を管理する方法では、微生物棲息母材の含水率が適正に管理されれているとは言い難く、微生物による排泄物の分解消化作用が好適になされているとは限らない。
微生物棲息母材の状態を目視する方法では個人差によってばらつきがあり、必ずしも的確な管理となり得ないし、トイレの使用回数や消化槽(微生物棲息母材)の重量を検知して制御する方法の場合も、微生物棲息母材に含まれる水分量を的確に管理することにならないからである。たとえば、使用者の排泄物がほとんど水分(尿)であるような場合には、トイレの使用回数を設定していても、微生物棲息母材の含水率が高くなり、微生物による分解消化作用が十分に機能しなくなる。
【0005】
本発明は、これらの課題を解決すべくなされたものであり、消化槽付きトイレに用いられる微生物棲息母材の含水率を的確に制御することを可能とし、微生物による排泄物の分解消化作用が有効になされるように制御することによって、より使いやすい消化槽付きトイレを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は次の構成を備える。
すなわち、本発明に係る消化槽付きトイレは、微生物棲息母材と排泄物とが収容される消化槽と、前記消化槽の排気機構と、前記消化槽に収容された微生物棲息母材を排泄物とともに攪拌する攪拌機構と、前記消化槽に収容された微生物棲息母材を加温する加温機構と、前記消化槽に収容された微生物棲息母材の水分を検知する水分センサとを備え、前記水分センサにより前記消化槽内における前記微生物棲息母材の含水率を検知した結果に基づいて、前記消化槽の微生物棲息母材の含水率を維持する待機運転モードと、前記消化槽の微生物棲息母材から水分を除去し微生物棲息母材の含水率を下げる処理を行う除湿運転モードとに切り換えて、前記排気機構、攪拌機構及び加温機構を制御する制御部とを備える。
なお、微生物棲息母材の含水率とは、微生物棲息母材に排泄物が混合された状態における含水率の意味である。
【0007】
前記消化槽付きトイレは、前記消化槽に給水する給水機構をさらに備え、前記制御部は、前記水分センサにより前記消化槽内における前記微生物棲息母材の水分を検知した結果に基づいて、前記待機運転モードと、前記除湿運転モードに加えて、前記給水機構を駆動し前記消化槽の前記微生物棲息母材の含水率を上げる処理を行う乾燥運転モードに切り換えて、前記排気機構、攪拌機構、加温機構及び給水機構を制御する構成とすることも可能である。
乾燥運転モードにより、消化槽の微生物棲息母材の含水率が、微生物による分解消化作用が十分に作用しなくなる低含水率になった際に、微生物棲息母材の含水率を上昇させ、トイレを待機運転モードに移行させることができる。
【0008】
前記消化槽付きトイレは、前記トイレの使用を禁止するロック機構をさらに備え、前記制御部は、前記水分センサにより前記消化槽内における前記微生物棲息母材の水分を検知した結果に基づいて、前記待機運転モード、前記除湿運転モードに加えて、前記ロック機構を駆動した状態において、前記消化槽の微生物棲息母材の含水率を下げる処理を行う警告運転モードに切り換えて、前記排気機構、攪拌機構、加温機構及びロック機構を制御する構成とすることもできる。
警告運転モードにより、前記消化槽の微生物棲息母材の含水率が過度に高くなった状態においては、トイレの使用を禁止して微生物棲息母材の含水率を下げる処理を行うことによって、より効率的に微生物棲息母材を使用可能状態に復帰させることができる。
【0009】
また、前記水分センサに加えて前記消化槽の温度を検知する温度センサを備え、前記制御部は、前記加温機構により前記消化槽を加温する温度を、前記除湿運転モードにおいては前記待機運転モードにおけるよりも高く設定して制御することによって、より効率的に微生物棲息母材から水分を除去することができる。
また、前記加温機構として、前記消化槽に外気を加温して送入する加温送風機構と、前記消化槽を加温するヒータとを備え、前記制御部は、前記待機運転モードにおいては、前記ヒータにより前記消化槽を加温し、前記除湿運転モードにおいては、前記ヒータにより前記消化槽を加温するとともに、前記加温送風機構を駆動することによって、除湿運転モードにおいて、さらに効率的に微生物棲息母材の含水率を下げることができる。
【0010】
また、前記水分センサは、前記消化槽に設けられた開口穴を塞ぐ配置に取り付けられた絶縁板と、該絶縁板の前記消化槽の外面となる面に取り付けられた、サーミスタ及び絶縁板を加熱するためのヒータとを備え、前記制御部は、前記ヒータにより前記絶縁板を加熱した際の前記サーミスタの抵抗値の経時変化から前記消化槽における微生物棲息母材の含水率を検知する検知手段を備えていることを特徴とする。この水分センサの構成によれば、微生物棲息母材によってセンサが侵されることがなく、またヒータにより絶縁板を介して微生物棲息母材を加熱し、そのときの絶縁板の温度変化をサーミスタによって検出することによって、微生物棲息母材の含水率を正確に検知することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る消化槽付きトイレは、水分センサを用いて消化槽に収容されている微生物棲息母材の含水率を検知し、その検知結果に基づいて待機運転モードと除湿運転モードに切り換えて制御する方法を採用したことによって、消化槽の微生物棲息母材を微生物が良好に分解消化作用をなす状態に維持することができ、効率的でかつ適正な使用を可能にする消化槽付きトイレとして提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態について、添付図面にしたがって詳細に説明する。
(消化槽付きトイレの全体構成)
図1は、本発明に係る消化槽付きトイレの一実施形態の構成を示す正面図、図2は内部構造を示す斜視図である。図2は、消化槽付きトイレから消化槽を引き出した状態を示している。
本実施形態の消化槽付きトイレ10は、図1に示すように、全体形状がボックス形に形成されたボックス本体12の下部に消化槽20が設けられ、消化槽20の上部にトイレ室が設けられている。トイレ室の前部にはトイレ室への出入り用のドア14が配置され、消化槽20の前側面にステップ16が取り付けられている。
【0013】
図2に示すように、消化槽20はボックス本体12から引き出してメンテナンスできるように、前後方向に移動可能に支持されている。消化槽20の側板21に固定されたステップ16は、消化槽20をボックス本体12から引き出したり、ボックス本体12に収納したりする際に操作部として用いられる。
消化槽20は箱状に形成され、上板24の中央部に排泄物を消化槽20に導入する導入口26が設けられている。導入口26は、消化槽20をボックス本体12に収容した状態で、便器30の排出口と平面位置が一致するように設けられている。
【0014】
導入口26の開口位置に合わせて、導入口26を開閉するシャッター28が設けられる。このシャッター28は、使用者がトイレ室内に入ったことを検知した際に開き、使用者がトイレ室から退室したことを検知して閉じるように制御される。すなわち、使用者がトイレを使用する際に、消化槽20の導入口26から排泄物が消化槽20に導入されるようにし、使用後には導入口26が閉止されるようになる。
【0015】
消化槽20の一方の側面には、消化槽20の内部に収容されている撹拌羽根を回転駆動させる攪拌モータ40と、消化槽20に収容されている微生物棲息母材を交換等する際に開閉させる排出扉41と、消化槽20に外気を送入するブロワモータと送気ファンを備える送風機50が設けられている。
【0016】
図3はボックス本体12と消化槽20を消化槽付きトイレ10の背面側から見た状態を示す。ボックス本体12内の背面側には送風機50に連通する送風用配管52と消化槽20に連通する排気用配管54とが設けられている。
消化槽20の側面に設けられた送風機50の送入管51aと、消化槽20の上部に設けられた排気口53は、消化槽20をボックス本体12に収容した状態において、送入管51aの上端と送風用配管52の下端とが連通し、排気口53と排気用配管54の下端とが連通する配置に設けられている。送風機50と消化槽20とは送出管51bによって連通する。
【0017】
送風用配管52の上端はボックス本体12の上部に延出し、ボックス本体12の上部に配置された加熱部56の配管の一端に接続する。加熱部56は配管内に空気加熱ヒータ55を設置して設けられている。加熱部56の他端には外気を導入する導入管57が接続し導入管57の端部がボックス本体12の外部に連通する。送風機50、送風用配管52、空気加熱ヒータ55が加温送風機構を構成する。
【0018】
排気用配管54は、排気口53に接続する基端からボックス本体12内を上方に延出し、ボックス本体12の天板部に設けられた排気部58に接続して外気に連通する。排気部58には排気ファン58aと排気ファンモータ58bが内蔵されている。排気用配管54、排気ファン58a、排気ファンモータ58bが消化槽20の排気機構を構成する。
【0019】
トイレ室には便器30が配置され、トイレ室の奥側の位置に給水タンク32が設置されている(図2)。この給水タンク32は微生物棲息母材の含水率が所定値よりも低くなった場合に消化槽20に水分を補給するためのものである。給水タンク32と消化槽20とは配管を介して接続されている。配管には給水タンク32から消化槽20への給水を制御する電磁弁が取り付けられている。
【0020】
消化槽20に収容されている微生物棲息母材の含水率を調節するための攪拌機構、加温機構及び排気機構の制御や、使用者を検知してトイレを使用状態に設定するといった制御を行う制御部60は、トイレ室の奥側に取り付けられている。この制御部60によって微生物棲息母材の含水率を制御する方法については後述する。
【0021】
ドア14の横の位置にはトイレの使用を禁止する警告用のランプ62が設けられている。また、トイレ室内の奥側の壁面には、給水タンク32に水を補給することを指示する水補給ランプ63と、制御モードを表示するモード表示ランプ64が取り付けられている。ドア14には、制御部60によって制御されるロック機構が付設されている。ロック機構はトイレの使用を停止させる際にドア14が開かないようにロックするためのものである。
【0022】
(消化槽の構成)
図4に消化槽20を上面側から見た斜視図、図5に消化槽20を底面側から見た斜視図を示す。
消化槽20の内部には、微生物棲息母材を攪拌する攪拌機構として、2つの攪拌羽根42、43が設けられている。攪拌羽根42は、支持軸42aを軸線方向に二分した一半部に取り付けられた第1の攪拌羽根421と、他半部に取り付けられた第2の攪拌羽根422とを備える。攪拌羽根43も、支持軸43aを軸線方向に二分した一半部に取り付けられた第1の攪拌羽根431と、他半部に取り付けられた第2の攪拌羽根432とを備える。
【0023】
各々の攪拌羽根42、43はスクリュー型に設けられており、羽根を取り付ける向きによって微生物棲息母材の送り方向(攪拌送り方向)が設定される。
本実施形態においては、一方の攪拌羽根42については、支持軸42aの中央部から支持軸42aの両端側に向けて微生物棲息母材が移動するように、第1の攪拌羽根421と第2の攪拌羽根422が取り付けられ、他方の攪拌羽根43については、支持軸43aの両端側から支持軸43aの中央部に向けて微生物棲息母材が移動するように、第1の攪拌羽根431と第2の攪拌羽根432を取り付けられている。
【0024】
このような攪拌羽根の取り付け方法としているのは、消化槽20内で微生物棲息母材が循環して移動する流れを生じさせることによって、消化槽20内において微生物棲息母材が偏在しないようにし、均一に微生物棲息母材が攪拌されるようにするためである。もちろん、攪拌羽根の取り付け方法は本実施形態の方法に限るものではない。
攪拌モータ40と支持軸42a、43aとは、攪拌モータ40の出力軸と、支持軸42a、43aに取り付けられたスプロケット及び中継軸401に取り付けられたスプロケットとの間に掛け渡されたチェーンによって連繋される。中継軸401は支持軸42a、43aの回転方向を逆向きにするために設けられている。
【0025】
本実施形態の消化槽20の底板23は、攪拌羽根42、43の先端の移動方向に合わせて円弧状の底面となるように形成されている。すなわち、図5に示すように、底板23は正面方向から見て波形形状となる。
この底板23の外面には、消化槽20を加温するためのヒータ44が取り付けられている。本実施形態においては、電熱線を備えたアルミニウム箔ヒータ(4枚)を底板23の曲面にならって貼着し、底板23を介して微生物棲息母材が加温されるように設定している。ヒータ44は、電源に接続され、制御部60によりヒータ44への通電が制御され消化槽20が加熱制御される。
ヒータ44及び前記送風機50、空気加熱ヒータ55を備えた加温送風機構によって消化槽20の微生物棲息母材を加温する加温機構が構成される。
【0026】
(センサの構成及び作用)
消化槽20には、消化槽20内における微生物棲息母材の含水率を検知するための水分センサが設けられている。図4、5に示すように、水分センサは、消化槽20の底板23の外側面にセンサユニット45として取り付けられる。本実施形態においては、消化槽20の底板23の側面部分にセンサユニット45を取り付けたが、センサユニット45は消化槽20に収容された微生物棲息母材が接する底板23あるいは側板あるいは天板部分に設置する。
【0027】
図6にセンサユニット45の取り付け構造を示す。図6(a)は、センサユニット45の取り付け部分を消化槽20の底板23の内面側から見た状態を示す。消化槽20の底板23には、センサユニット45の取り付け位置に合わせて開口穴23a、23bが設けられる。開口穴23aは水分センサの取り付け位置に合わせて開口して設けられ、開口穴23bは温度センサの取り付け位置に合わせて設けられている。
【0028】
図6(b)に、センサユニット45の取り付け位置における断面図を示す。センサユニット45は、開口穴23a、23bを封止するように底板23の外側面にならって取り付けられた絶縁板46と、センサを覆うように取り付けられるケース47とを備える。
図6(c)は、センサユニット45を背面側(図6(b)の右側面図)から見た状態を示し、図6(d)は、絶縁板46と絶縁板46に取り付けられた水分センサ48及び温度センサ49を示す。
【0029】
図6(d)に示すように、水分センサ48は絶縁板46の外面に密着するように取り付けられたサーミスタ48aとヒータ48bとを備える。
サーミスタ48aはヒータ48bによって絶縁板46を加熱した際の抵抗変化(電圧変化)を検知し、抵抗の経時的変化から絶縁板46の温度上昇率を検出し、その検出結果に基づいて消化槽20内の微生物棲息母材の含水率を検知するためのものである。
温度センサ49は消化槽20の温度を検知するためのものであり、同様に絶縁板46の外面にサーミスタを貼着させてセンサとしている。
絶縁板46の外面にサーミスタを接触させて取り付けることにより、絶縁板46を介して微生物棲息母材の温度(含水率)の変動を確実に検知することができる。
【0030】
本実施形態においては、開口穴23aを絶縁板46によって塞ぐ配置とし、ヒータ48bにより絶縁板46を加熱し、そのときの温度上昇率をサーミスタ48aによって検知して微生物棲息母材の含水率を検知する。
開口穴23aを絶縁板46によって塞ぐことにより、サーミスタ48a及びヒータ48bが排泄物を含む微生物棲息母材にじかに接触して腐食等の損傷を受けることを防止し、かつ絶縁板46は消化槽20に用いられる金属(ステンレス)にくらべて熱伝導度が低いことから、ヒータ48bによって絶縁板46を加熱した際に熱が散逸することを抑え、ヒータ48bによる加熱作用によってサーミスタ48aの温度上昇(温度変動)を的確に検知することができる。
【0031】
また、開口穴23aに絶縁板46を配置して消化槽20内の微生物棲息母材がじかに絶縁板46に接触させることによって、ヒータ48bによる加熱作用が直接的に微生物棲息母材に作用し、ヒータ加熱による微生物棲息母材の温度上昇率を的確に検知することができる。
温度センサ49についても、底板23に設けた開口穴23bの位置にサーミスタを取り付けることによって、底板23の外面に温度センサを取り付けた場合と比較して、微生物棲息母材が絶縁板46にじかに接触することによってより正確に微生物棲息母材の温度を検知することが可能になる。
本実施形態においては、消化槽20の底板23、側板には厚さ2mmのステンレス材を使用して、絶縁板46には厚さ1mmの樹脂板を使用している。
【0032】
制御部60は水分センサ48の検知結果に基づいて消化槽20の微生物棲息母材の含水率を検出する検知手段を備えている。微生物棲息母材の含水率によってサーミスタからの検出数値を制御部60のCPU72内の基準パラメータと比較して含水率を判定する。ヒータ48bより一定時間加熱すると、微生物棲息母材の水分量(含水率)によって温度上昇率に差が生じる。したがって、一定時間加熱した後のサーミスタ48aの温度を検出することによって微生物棲息母材の含水率を判定することができる。
【0033】
(消化槽付きトイレの制御方法)
本実施形態の消化槽付きトイレは、上述した水分センサ48及び温度センサ49による検知結果にしたがって、制御部60により攪拌機構や加温機構を制御して消化槽20に収容されている微生物棲息母材によって排泄物の良好な分解消去作用がなされるように制御する。
図7に示すように制御部60は制御用のCPU72を備え、水分センサ48及び温度センサ49の検出手段70の検出結果に基づき、乾燥運転モード73、待機運転モード74、除湿運転モード75、警告運転モード76、暖気運転モード77の各モードに切り替えて制御する。
【0034】
以下、図7〜図11に示した制御フロー図とともに、本実施形態の消化槽付きトイレの制御方法について説明する。
図8は、水分センサ48等の検出手段70による検出結果に基づいて乾燥運転モード73、待機運転モード74、除湿運転モード75、警告運転モード76に切り替えて制御するメインルーチンにおけるフロー図を示す。
【0035】
まず、電源をONにすることにより制御部60による制御が開始される(ステップ80)。微生物棲息母材の管理は微生物棲息母材に含まれる含水率によって制御される。微生物棲息母材の含水率を検知する際には、事前に微生物棲息母材を攪拌する処理(なじませ攪拌)を行う(ステップ81)。このなじませ攪拌は、消化槽20に収納されている微生物棲息母材を攪拌し、微生物棲息母材の水分を均一にして微生物棲息母材の含水率が正確に検知できるようにするための操作である。
微生物棲息母材の含水率を検知する処理は一定時間間隔ごとになされる。なじませ攪拌(ステップ81)は水分センサ48によって含水率を検知する際には、常に事前になされる。なじませ攪拌は、制御部60により攪拌モータ40の駆動を制御し、攪拌羽根42、43を回転させ消化槽20内の微生物棲息母材を攪拌することによってなされる。
【0036】
次いで、水分センサ48により含水率を検出する(ステップ82)。水分センサ48によって微生物棲息母材の含水率を検知する操作は、水分センサ48のヒータ48bに通電開始し、時間経過とともにサーミスタ48aの電圧値がどのように変化するかを検知することによってなされる。ヒータ48bに通電開始してから一定時間にわたりサーミスタ48aの電圧を測定することにより、サーミスタ48aの電圧値の変化量から消化槽20内における微生物棲息母材の含水率を検出することができる。
【0037】
ステップ83は、水分センサ48によって検知された消化槽20内の微生物棲息母材の含水率が70%以上か否かを判断するステップである。
ステップ83において微生物棲息母材の含水率が70%以上と判断され、かつ含水率が90%を超えていないと判断された場合は、除湿運転モード75が選択される。
なお、微生物棲息母材の含水率を判断するステップにおいてモード切り替えする含水率の基準は、いろいろな条件によって、適宜設定可能である。ここでは、切り替え基準とする含水率の例として、含水率が70%、90%を設定している。
【0038】
ステップ83において微生物棲息母材の含水率が70%以上と判断され、かつステップ84において微生物棲息母材の含水率が90%以上と判断された場合は、警告運転モード76が選択される。
警告運転モード76に移行した際は、警告運転モード76から抜け出さない限り、トイレの使用を禁止するランプ62が点灯され(ステップ85)、ロック機構によってドア14がロックされ(ステップ86)、トイレの使用が不可となる。
【0039】
ステップ83において、微生物棲息母材の含水率が70%を超えていないと判断され、かつステップ87において微生物棲息母材の含水率が30%を超えていると判断された場合は、待機運転モード74が選択され、待機運転モード74に移行する。
ステップ83において、微生物棲息母材の含水率が70%を超えていないと判断され、かつステップ88において微生物棲息母材の含水率が30%以下と判断された場合は、乾燥運転モード73が選択される。乾燥運転モード73に移行すると、水補給ランプ63が点滅し(ステップ89)、給水タンク32から消化槽20に自動的に給水される(ステップ90)。
【0040】
本実施形態の消化槽付きトイレは、作動状態においては、制御部60により、上述した乾燥運転モード73、待機運転モード74、除湿運転モード75、警告運転モード76のいずれかのモードが選択されて管理される。
消化槽20の微生物棲息母材の水分検出(ステップ82)は、たとえば1時間ごと、2時間ごとといったように適宜間隔ごとに行う。この水分検出の結果に従って、何れかのモードが選択されて各モードにおける処理がなされることになる。
【0041】
(待機運転モード)
図9に待機運転モードにおける制御フロー図を示す。
ステップ82において消化槽20内の微生物棲息母材の水分を検出し、待機運転モードが選択される(ステップ74)と、制御部60により排気機構が駆動され排気ファンモータ58bがONとなる(ステップ91)。これによって、消化槽20から排泄物を分解消化したことによって生じた水分は二酸化炭素が排気部58から排出される。なお、排気機構については、いずれのモードにおいても連続的に駆動される。消化槽20からの排気は常時必要となるからである。
【0042】
排気ファンモータ58bが駆動された状態において、制御部60により攪拌モータ40が駆動され、攪拌羽根42、43が回転して消化槽20の微生物棲息母材が攪拌される(ステップ92)。なお、待機運転モードにおいては攪拌羽根42、43を頻繁に回転させる必要はない。
また、制御部60により排気機構と攪拌機構を駆動制御するとともに、温度センサ49によって検知された消化槽20の温度にしたがって消化槽20を加温する制御がなされる(ステップ93)。待機運転モード74においては、微生物棲息母材から水分を積極的に除去する処理を施す必要はない。したがって、ヒータ44への通電は、消化槽20の温度が微生物の処理が好適になされる温度となるように制御すればよい。
【0043】
前述したように、微生物棲息母材による排泄物の分解消化作用は、微生物棲息母材の含水率が30%〜70%程度である場合に好適な分解消化作用がなされる。また、消化槽20があまり低温であったり高温であったりしても微生物による処理が効果的になされない。待機運転モード74は、微生物棲息母材が好適な含水率に保持し、微生物棲息母材による排泄物の処理が効果的になされる状態を維持するモードである。
【0044】
(乾燥運転モード)
図10は、乾燥運転モード73における制御フロー図を示す。
消化槽トイレの使用頻度が極端に少ないような場合には、微生物棲息母材の含水率が下がり、微生物棲息母材が乾燥して微生物による排泄物の分解消化作用が十分に機能しなくなる。本実施形態においては、微生物棲息母材の含水率が30%以下となったことが検知されると、乾燥運転モード73が選択され、微生物棲息母材に給水して微生物棲息母材の含水率が30%以上となるように制御される。
【0045】
微生物棲息母材の水分検出(ステップ82)により、微生物棲息母材の含水率が30%以下となり、乾燥運転モード73が選択されると、制御部60により、排気ファンモータ58bの駆動(ステップ91)、攪拌モータ40の駆動(ステップ92)、ヒータ44による消化槽20の加温(ステップ94)と、消化槽20への給水(ステップ90)処理がなされる。
ステップ91の排気ファンモータ58bの駆動と、ステップ92の攪拌モータ40の駆動は、待機運転モード74における制御と同一の処理である。
【0046】
一方、ステップ94におけるヒータ44による消化槽20の加温は、待機運転モード74におけるヒータ44による消化槽20の加温(ステップ93)とくらべて、より低温に消化槽20を加温するように制御される。これは、乾燥運転モード73においては微生物棲息母材に給水して微生物棲息母材の含水率を上昇させるから、消化槽20の温度を低く設定する方が微生物棲息母材からの水分の散逸を抑制して効率的に微生物棲息母材の含水率を上げることができるからである。
【0047】
乾燥運転モードにおいては、制御部60により水補給ランプ63を点滅させ(ステップ89)、給水タンク32から消化槽20に給水する(ステップ90)。この給水操作は、制御部60により給水タンク32に取り付けられている電磁弁を制御し、給水タンク32から一定量の水を消化槽20に送入することによってなされる。
【0048】
前述したように、水分センサ48による微生物棲息母材の水分検出(ステップ82)は2時間ごとに行われる。なじませ攪拌(ステップ81)により微生物棲息母材を均一に攪拌し、水分検出(ステップ82)によって微生物棲息母材の含水率が30%以下であった場合は、再度、乾燥運転モード73が選択され、上述した制御がなされる。
ステップ82により検出された微生物棲息母材の含水率が30%を超えると、乾燥運転モード73から待機運転モード74に移行し、水補給ランプ63が消灯する(ステップ95)。
【0049】
(除湿、警告運転モード)
図11は、除湿運転モード75と警告運転モード76についての制御フロー図を示す。 消化槽付きトイレが頻繁に使用されて微生物棲息母材の含水率が70%程度以上になると、微生物棲息母材による排泄物の分解消化作用が大きく劣化する。このため、本実施形態においては、微生物棲息母材の含水率が70%以上になったことが検知された場合には、微生物棲息母材を除湿運転モードに移行させ、微生物棲息母材の含水率を下げるように制御される。
【0050】
水分検出(ステップ82)により微生物棲息母材の含水率が70%以上であることが検出されると、除湿運転モード75か警告運転モード76が選択される。警告運転モード76はステップ84によって微生物棲息母材の含水率が90%以上になったときに選択されるモードである。警告運転モード76が選択されると、制御部60により、トイレの使用を禁止するランプ62が点灯され(ステップ85)、ドアロック機構が作動されてドア14がロックされる(ステップ86)。
【0051】
除湿運転モード75と警告運転モード76においても、排気ファンモータ58bの駆動(ステップ91)、攪拌モータ40の駆動(ステップ96)、ヒータ44による消化槽の加温(ステップ97)の処理がなされる。
なお、除湿運転モード75と警告運転モード76においては、ステップ91の攪拌モータ40を駆動する制御において、他のモードとくらべ頻繁に攪拌モータ40を駆動する。
【0052】
また、ステップ97のヒータ44によって消化槽20を加温する処理においては、他のモードと比べて消化槽20を加温する温度を高く設定する。消化槽20を加温する温度を他のモードと比較して高くすることにより、微生物棲息母材から水分を散逸させやすくし、微生物棲息母材の含水率を短時間のうちに下げることができる。
【0053】
また、除湿運転モード75と警告運転モード76においては、微生物棲息母材を加温する機構としてヒータ44に加えて、空気加熱ヒータ55をONとし(ステップ98)、送風機50のブロワモータを駆動して(ステップ99)加温送風機構による加温作用を利用して消化槽20の微生物棲息母材を加温する。
消化槽20がヒータ44によって加温されるとともに、加温送風機構によって消化槽20に温風が送入されることにより微生物棲息母材が加温されるとともに、攪拌モータ40によって微生物棲息母材が攪拌されることにより、微生物棲息母材から強制的に水分が除去される。微生物棲息母材から発生した水分は排気ファンモータ58bにより外部に排出される。
【0054】
本実施形態においては一定時間ごとになされている微生物棲息母材の水分検出(ステップ82)によって、微生物棲息母材の含水率が90%を超えない状態に低下すると、警告運転モード76が解除され(ステップ100)除湿運転モード75に移行する。除湿運転モード75に移行すると除湿モードランプが点灯し(ステップ101)、警告運転モード76が解除されることによって、使用禁止ランプが消灯し、ドアロックが解除される。
除湿運転モード75では、上述したステップ91における排気ファンモータ58bの駆動、ステップ96における攪拌モータ40の駆動、ステップ97におけるヒータ44による消化槽20の加温がなされ、微生物棲息母材から水分を除去する処理がなされる。
【0055】
微生物棲息母材の水分検出(ステップ82)により微生物棲息母材の含水率が依然として70%以上である場合は、除湿運転モード75が選択され、さらに微生物棲息母材から水分を除去する処理が続けられる(ステップ91、96、97)。
一方、微生物棲息母材の水分検出(ステップ82)によって微生物棲息母材の含水率が70%を超えていない状態になると、除湿運転モード75にかえて待機運転モード74が選択され、制御部60による制御は待機運転モード74に移行する。
【0056】
なお、除湿運転モード75には、微生物棲息母材を交換する際に、微生物棲息母材を乾燥させる処理も設けられている。微生物棲息母材は一定期間使用すると分解消化作用が劣化するから、随時、新しい微生物棲息母材に交換する必要がある。使用後の微生物棲息母材を排出させる作業の際には、スイッチ操作により、一定時間、除湿運転モード75によって運転し、微生物棲息母材を乾燥させて消化槽20の排出扉41から排出させやすくし、微生物棲息母材を取り扱いやすくする。微生物棲息母材を乾燥させる際にはヒータ44と空気加熱ヒータ55をONとし、加温送風機構を利用して微生物棲息母材を乾燥させる。
【0057】
また、本実施形態の消化槽付きトイレでは、図7に示すように、暖気運転モード77を選択することができる。暖気運転モード77は消化槽20の温度が0℃以下の場合に、まず微生物棲息母材を暖めて微生物棲息母材を攪拌できる状態とし、微生物による分解消化がなされるようにするためのものである。暖気運転モード77では、ヒータ44と空気加熱ヒータ55をONとし、加温送風機構を利用して消化槽20内の微生物棲息母材を暖める。消化槽20内の温度が7℃程度となったら、暖気運転モード77から、前述した各モードでの運転操作に移行する。寒冷地においては外気温が0℃以下になることはしばしばある。暖気運転モード77は、このような地域に設置する場合に有効である。
【0058】
以上説明したように、本実施形態の消化槽付きトイレは、消化槽20に収容されている微生物棲息母材の含水率を一定時間ごとに検出し、その含水率の検出結果に基づいて微生物棲息母材を攪拌したり加温したりする処理を施すことによって、微生物棲息母材が常に良好な分解消化作用をなすように制御される。したがって、消化槽付きトイレの使用状態のばらつき(頻繁にトイレが使用される、あるいは稀にしかトイレが使用されない)や、使用場所が温暖地あるいは寒冷地であるといった外部環境が相異するような場合であっても、微生物棲息母材を微生物による良好な分解消化作用が生じる状態となるように管理することができる。これによって、確実に排泄物の分解処理を行うことができる消化槽付きトイレとして提供することができる。
【0059】
なお、上記実施形態において、微生物棲息母材の含水率を検知して待機運転モード等に切り換えるための設定条件は、制御方法の一例を示したものであり、除湿運転モードに切り換える含水率を70%とせず、たとえば80%以上となった場合に除湿運転モードに切り換えるといった制御とすることも可能である。また、攪拌羽根を間欠的に駆動する際の時間間隔、消化槽の加温温度等も適宜選択して設定することができる。また、微生物棲息母材の含水率を検出する時間間隔についても適宜設定可能である。
【0060】
また、上記実施形態においては、乾燥運転モード、待機運転モード、除湿運転モード、警告運転モードに切り換えて制御しているが、より簡便な制御とする場合には、これらのモードのうち待機運転モードと除湿運転モードの2つのモードに切り換えて制御することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】消化槽付きトイレの正面図である。
【図2】消化槽付きトイレの内部構造を示す斜視図である。
【図3】消化槽付きトイレの内部構造の背面図である。
【図4】消化槽を上面方向から見た斜視図である。
【図5】消化槽を底面方向から見た斜視図である。
【図6】水分センサを取り付ける消化槽に設けた開口穴の正面図(a)、水分センサを取り付けた状態の断面図(b)、水分センサの右側面図、(c)、絶縁板上における水分センサと温度センサの配置を示す正面図(d)である。
【図7】制御部の構成と、制御部によって制御されるモードを示す説明図である。
【図8】消化槽付きトイレの制御方法を示すフロー図である。
【図9】消化槽付きトイレの制御方法(待機運転モード)を示すフロー図である。
【図10】消化槽付きトイレの制御方法(乾燥運転モード)を示すフロー図である。
【図11】消化槽付きトイレの制御方法(除湿運転モード、警告運転モード)を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0062】
10 消化槽付きトイレ
12 ボックス本体
14 ドア
16 ステップ
20 消化槽
23 底板
23a、23b 開口穴
32 給水タンク
40 攪拌モータ
42、43 攪拌羽根
44 ヒータ
45 センサユニット
46 絶縁板
47 ケース
48 水分センサ
48a サーミスタ
48b ヒータ
49 温度センサ
50 送風機
52 送風用配管
54 排気用配管
55 空気加熱ヒータ
58 排気部
58a 排気ファン
58b 排気ファンモータ
60 制御部
62 使用禁止ランプ
63 水補給ランプ
73 乾燥運転モード
74 待機運転モード
75 除湿運転モード
76 警告運転モード
77 暖気運転モード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微生物棲息母材と排泄物とが収容される消化槽と、
前記消化槽の排気機構と、
前記消化槽に収容された微生物棲息母材を排泄物とともに攪拌する攪拌機構と、
前記消化槽に収容された微生物棲息母材を加温する加温機構と、
前記消化槽に収容された微生物棲息母材の水分を検知する水分センサとを備え、
前記水分センサにより前記消化槽内における前記微生物棲息母材の含水率を検知した結果に基づいて、
前記消化槽の微生物棲息母材の含水率を維持する待機運転モードと、
前記消化槽の微生物棲息母材から水分を除去し微生物棲息母材の含水率を下げる処理を行う除湿運転モードとに切り換えて、前記排気機構、攪拌機構及び加温機構を制御する制御部とを備えることを特徴とする消化槽付きトイレ。
【請求項2】
前記制御部は、
前記除湿運転モードにおいて前記攪拌機構を駆動する時間間隔が、前記待機運転モードにおけるよりも短くなるように前記攪拌機構を制御し、
前記除湿運転モードにおいて前記消化槽を加温する温度を、前記待機運転モードにおけるおりも高温となるように前記加温機構を制御することを特徴とする請求項1記載の消化槽付きトイレ。
【請求項3】
前記消化槽に給水する給水機構をさらに備え、
前記制御部は、
前記水分センサにより前記消化槽内における前記微生物棲息母材の含水率を検知した結果に基づいて、前記待機運転モードと、前記除湿運転モードに加えて、前記給水機構を駆動し前記消化槽の前記微生物棲息母材の含水率を上げる処理を行う乾燥運転モードに切り換えて、前記排気機構、攪拌機構、加温機構及び給水機構を制御することを特徴とする請求項1または2記載の消化槽付きトイレ。
【請求項4】
前記制御部は、
前記乾燥運転モードにおいて前記消化槽を加温する温度を、前記待機運転モードにおけるよりも低温となるように前記加温機構を制御することを特徴とする請求項3記載の消化槽付きトイレ。
【請求項5】
前記トイレの使用を禁止するロック機構をさらに備え、
前記制御部は、
前記水分センサにより前記消化槽内における前記微生物棲息母材の含水率を検知した結果に基づいて、前記待機運転モード、前記除湿運転モードに加えて、前記ロック機構を駆動した状態において、前記消化槽の微生物棲息母材の含水率を下げる処理を行う警告運転モードに切り換えて、前記排気機構、攪拌機構、加温機構及びロック機構を制御することを特徴とする請求項1記載の消化槽付きトイレ。
【請求項6】
前記ロック機構は、トイレの使用を禁止する警告用のランプを備えることを特徴とする請求項5記載の消化槽付きトイレ。
【請求項7】
前記水分センサに加えて前記消化槽の温度を検知する温度センサを備え、
前記制御部は、
前記加温機構により前記消化槽を加温する温度を、前記除湿運転モードにおいては前記待機運転モードにおけるよりも高く設定して制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の消化槽付きトイレ。
【請求項8】
前記加温機構として、前記消化槽に外気を加温して送入する加温送風機構と、前記消化槽を加温するヒータとを備え、
前記制御部は、
前記待機運転モードにおいては、前記ヒータにより前記消化槽を加温し、
前記除湿運転モードにおいては、前記ヒータにより前記消化槽を加温するとともに、前記加温送風機構を駆動することを特徴とする請求項7記載の消化槽付きトイレ。
【請求項9】
前記水分センサは、
前記消化槽に設けられた開口穴を塞ぐ配置に取り付けられた絶縁板と、
該絶縁板の前記消化槽の外面となる面に取り付けられた、サーミスタ及び絶縁板を加熱するためのヒータとを備え、
前記制御部は、前記ヒータにより前記絶縁板を加熱した際の前記サーミスタの抵抗値の経時変化から前記消化槽における微生物棲息母材の含水率を検知する検知手段を備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項記載の消化槽付きトイレ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−57537(P2010−57537A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−223227(P2008−223227)
【出願日】平成20年9月1日(2008.9.1)
【出願人】(391049150)コトヒラ工業株式会社 (8)
【Fターム(参考)】