説明

消色装置

【課題】対流、放射、熱伝導による熱損失を最小に抑えて低消費電力化に有効な消色装置を提供する。
【解決手段】消色装置の消色部40は、用紙搬送経路3の上流と下流に搬送ローラ・コロ体4aと4bを備え、用紙搬送経路3の上下に熱輻射ヒータ部31(31a、31b)と消色光源8(8a、8b)を備え、矢印a方向に搬送される消色性トナー像を形成されている用紙に対し熱輻射ヒータ部31から輻射熱が放射されると同時に消色光源8から消色光が照射される。熱輻射ヒータ部31は熱輻射面32(32a、32b)以外の部分を外部から熱的に密閉する第1の断熱部33を備え、消色領域34(34a、34b)の周囲のうち消色光源8の消色光が通過する周囲を除く周囲を囲う第2の断熱部35を備え、消色光が通過する周囲は光透過性と耐熱性の優れた石英ガラス板37(37a、37b)を備えて外部から熱的に遮蔽される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消色装置に係わり、更に詳しくは対流、放射、熱伝導による熱損失を最小に抑えて消費電力の削減すなわち低消費電力化に有効な消色装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地球環境保護の一環として紙資源の節減が叫ばれている。画像形成装置等の紙資源の節減と再利用では、片面印刷した用紙の裏面の有効活用などは既に社会一般になされている。また、使用済み用紙を回収し用紙の原料とし、再生紙として再度用いることも一般に行われている。
【0003】
しかし片面印刷の用紙の再利用では、再使用の回数が通常1回に限られてしまう。また、原料として再利用する再には回収自体にエネルギーとコストがかかり、原料として加工する際にもエネルギーが掛かってしまう。
【0004】
そこで、オフィス内において用紙を複数回使用できるようにする取組みが種々為されている。トナー像により一度画像が形成された用紙を紙資源として再利用するには、トナーにより形成された用紙上の画像を物理的に除去または光で消色して再利用可能な用紙とすることが考えられている。
【0005】
画像を物理的に除去して用紙を再利用するためには、用紙の画像形成面にトナーを除去する処理液を塗布し、加熱してトナーを溶解させて画像を除去する方法や、用紙の画像形成面を研摩してトナー画像を削り落とす方法などがあるが、これらの方法は、手数がかかると共に、再利用する用紙に損傷が発生し易いため問題がある。
【0006】
また、例えば、光を用いる消色方法としては、最初に用紙に画像を形成するに際し、近赤外線吸収色素および消色剤を含む消色性トナーによりOA用紙に画像を記録し、この画像を近赤外線等の特殊な光源による光照射によって消色して用紙の再利用を図るという着想は既に論文で公開されている。(例えば、非特許文献1参照。)
【0007】
この非特許文献1の方法において、近赤外線吸収色素は照射された近赤外線を吸収して励起し、消色剤と反応して無色化する。但し、色材がトナー化されていることもあって、トナー結着剤樹脂中の色素は近赤外線を吸収しても常温においてはほとんど消色反応が見られない。
【0008】
このため、熱を加えて反応を加速してから無色化するという消色作用に有効な一般的な方法が行われている。例えば、画像形成時の定着装置と消色時の消色装置を共通にし、トナー画像の消色には事前にトナー像を加熱しておいてから消色光を照射すると消色作用が有効に働くという一般に行われている技術に基づいて、画像形成時に用いる定着装置の熱ローラ対を、消色時の加熱器として兼用し定着装置内において熱ローラ対の下流側に消色光照射用の光源を配置した構成が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平07−049634号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】細田喜一著、「機能性色素のトナーへの応用」電子写真学会誌、第31号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、通常、消色装置として考えられるのは、消色性トナーの画像を印刷された用紙の印刷面を加熱する加熱装置と、その加熱された用紙の印刷面に近赤外線光を照射する近赤外線光発生装置とから構成される。
【0012】
このような構成としては、ハロゲンランプのように赤外線発生装置と加熱装置の両方を備えているものと、LEDランプとヒータ装置のように赤外線光発光装置と加熱装置とをそれぞれ分担する2つの装置からなるものとが考えられる。
【0013】
しかしながら、ハロゲンランプは消費電力が大きく且つ寿命が短という欠点がある。また、LEDランプと加熱装置の2つの装置を組み合わせたものでは、加熱装置の対流、放射、熱伝導による熱損失という消費電力に関る大きな問題がある。
【0014】
ところが、特許文献1における赤外線発生装置と加熱装置の両方を組み合わせた消色装置において、加熱装置の対流、放射、熱伝導による熱損失の問題については何ら考慮されていない。したがって、そのような熱損失に関る消費電力の低減化などの課題については何ら開示も示唆もない。
【0015】
本発明は、上記従来の課題を解決するものであって、対流、放射、熱伝導による熱損失を最小に抑えて消費電力の削減すなわち低消費電力化に有効な消色装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するために、本発明の消色装置は、用紙の両面に印字された消色性トナー像を消色すべく上記用紙の搬送経路の上下にそれぞれ配置された上記用紙の上記消色性トナー像の印字面を加熱する熱輻射ヒータと、上記用紙の搬送経路の上下にそれぞれ配置され、上記熱輻射ヒータにより加熱された上記用紙の上記消色性トナー像の上記印字面に消色光を照射する消色光源と、上記熱輻射ヒータの熱輻射面以外の部分を外部から熱的に密閉する第1の断熱部と、上記熱輻射ヒータの熱輻射と上記消色光源の消色光の照射とを受ける消色領域の周囲のうち上記消色光源の上記消色光の上記照射光が通過する周囲を除く周囲を囲う第2の断熱部と、上記消色光源の上記消色光の上記照射光が通過する上記周囲に設けられ、上記第2の断熱部と協働して上記消色領域を外部から熱的に遮蔽する耐熱透光性ガラス板と、を備えて構成される。
【0017】
この消色装置において、上記消色光源は、例えば、近赤外線を発光するLED(light emitting diode)から成るように構成される。また、上記耐熱透光性ガラス板は、例えば、石英ガラスから成るように構成してもよい。
【0018】
また、上記第1の断熱部は、例えば、無機繊維系断熱材から成り、上記熱源の上記熱放射面以外の部分の外面を塗り固めるように取り囲んで形成されるのが好ましい。また、上記第2の断熱部は、例えば、無機繊維系断熱材の板状部材から成るのが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、対流、放射、熱伝導による熱損失を最小に抑えて消費電力の削減すなわち低消費電力化に有効な消色装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例1に係る消色装置の基本的構成を示す断面図である。
【図2】実施例1に係る消色装置の用紙搬送経路において用紙の両側端部を挟持して搬送する両側端搬送装置を示す斜視図である。
【図3】実施例1に係る消色装置の用紙搬送経路の平面図である。
【図4】(a)は実施例1に係る消色装置の消色部の用紙搬送経路の上下に配置される消色ユニットの基本構成を拡大して示す図、(b)はその実験時における温度計測方法を具体的に示す図である。
【図5】実施例1に係る消色装置の消色部の消色ユニットの通電直後からヒータのみの電力を測定した場合の電力値推移の1例をヒータの温度と共に示すグラフである。
【図6】安定状態の電力を制御温度350℃、400℃、450℃における測定から求めて示したグラフである。
【図7】実施例1の改良型において消色部の安定状態のヒータのみの電力を制御温度350℃、400℃、450℃における測定から求めて参考のため改良前の場合と共に示したグラフである。
【図8】実施例1の改良型において金属フレーム(本体筐体)の3箇所の温度測定定点を示す図である。
【図9】(a)は実施例1の改良型における開口率10%の金属フレームにおいて400℃制御時における3箇所の温度測定定点の測定温度の推移を示すグラフ、(b)は参考のため改良前の金属フレームにおいて同様の測定温度の推移を示すグラフである。
【図10】実施例2に係る消色装置の消色部の構成を示す断面図である。
【図11】(a)は実施例2に係る消色装置の消色部において制御温度400℃における金属フレームの各部の温度の推移を示すグラフ、(b)は制御温度400℃でヒータのみに通電したときの実施例2の消色部の安定時のヒータ電力値を参考のため実施例1の消色部の電力値と共に示すグラフである。
【図12】実施例3に係る消色装置の消色部の構成を示す断面図である。
【図13】(a)は実施例3に係る消色装置の消色部において制御温度400℃における金属フレームの3箇所の温度測定定点各部の温度の推移を示すグラフ、(b)は同消色部のヒータ部のみ作動時と消色処理実行中の作動時における制御温度350℃、400℃、450℃のときの安定状態の電力を、実施例1及び実施例2のヒータ部のみの作動時の安定状態の電力と共に示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。尚、以下で説明する消色性トナーは、特には詳述しないが、近赤外線吸収色素および消色剤を樹脂に混練し、平均粒径が9μmになるように作成したものである。
【0022】
ただし、この消色性トナーにより印字した印字媒体(以下、用紙ともいう)に常温において近赤外線を照射してもほとんど消色反応が見られない。用紙を加熱し消色性トナーが溶融している状態に近赤外線を照射したとき、初めて消色反応が観察されるようになる。
【0023】
したがって、消色装置には用紙を加熱する要素と近赤外線を照射する要素の2つの要素を備えている必要がある。ところが、この近赤外線吸収色素を含む消色性トナーで用紙に画像を形成するプリンタ等は市販されていない。
【0024】
そこで、以下の実施例では、通常のプリンタのモノクロ画像形成ユニットに消色性トナーを充填して、通常の用紙に消色性トナーによる画像を印字(以下、印刷ともいう)し、その消色性トナー画像を印刷された用紙を用いて行った実験により確認した内容を説明する。
【0025】
尚、実験によれば、用紙を加熱する装置と近赤外線を照射する装置を検討した結果、熱源としてヒータの輻射熱を使って用紙を加熱すること、及び消色用近赤外線光源としてLED光を用いることが適しているという結論に至った。
【実施例1】
【0026】
図1は、実施例1に係る消色装置の基本的構成を示す断面図である。尚、この消色装置は、消色装置に組み込む消色ユニットの熱源の性能を調べるために試作された消色装置であり、この構成を基本構成とし、この基本構成の消色装置の熱源やその他の構成に順次変更を加えて実験したものについて以下説明を進めて行く。
【0027】
先ず、図1に示す実施例1に係る基本構成の消色装置1において、本体筐体2の内部には、消色部において消色すべき用紙を搬送する用紙搬送経路3が配設されている。用紙搬送経路3の上流側(図の左方)と下流側(図の右方)には、それぞれ搬送ローラ・コロ体4(4a、4b)が配置されている。
【0028】
そして、用紙搬送経路3の上流側と下流側、つまり搬送ローラ・コロ体4aよりも上流側と搬送ローラ・コロ体4bよりも下流側には、それぞれ給紙カセット5と用紙収容カセット6が配設されている。
【0029】
給紙カセット5は、不図示の押し上げバネで下から押し付勢されている底板11の上に、図には示していないが、片面又は両面に消色性トナーで画像を形成された少なくとも1枚の用紙が載置されている。
【0030】
また、消色装置1は、用紙搬送経路3の上下に、それぞれ熱輻射ヒータ部7(7a、7b)と消色光源8(8a、8b)から成る消色ユニット9(9a、9b)を備えている。これら用紙搬送経路3、熱輻射ヒータ部7及び消色光源8とで消色部10を構成している。
【0031】
給紙カセット5から、矢印aに示すように、不図示の給紙コロにより一枚ごと取り出されて消色部10の搬送ローラ・コロ体4aに給紙された用紙は、搬送ローラ・コロ体4aにより紙搬送経路3に給送される。
【0032】
用紙搬送経路3に給送された用紙は、詳しくは後述する両側端搬送装置により用紙搬送経路3に沿って上流側から下流側に搬送される。搬送される用紙の消色性トナーによる画像形成面に、熱輻射ヒータ部7から輻射熱が放射される。
【0033】
その熱輻射ヒータ部7からの輻射熱の放射により加熱された用紙の消色性トナー画像形成面に、消色光源8からの消色光が照射されて、用紙の消色性トナー画像が消色される。消色性トナー画像を消色された用紙は、搬送ローラ・コロ体4bに搬送を引き継がれて、矢印bに示すように、用紙収容カセット6に排出される。
【0034】
用紙収容カセット6も、不図示の押し上げバネで下から押し付勢されている底板12を備えている。用紙収容カセット6に排出された用紙は、不図示の押さえ爪によって、押し上げバネの押し付勢力に抗して上から押さえ込まれて底板12上に載置されている。
【0035】
この用紙収容カセット6に収容された消色性トナー画像が消色されている用紙は、必要に応じて、不図示の給紙コロにより一枚ごと取り出され、搬送ローラ対13により給紙路14に沿って矢印cで示すように機外に送出される。
【0036】
機外に送出された用紙は、機外に設置されている例えば、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置により、紙面に新たな画像を形成され、印刷物として再生される。
【0037】
図2は、上記の用紙搬送経路3において用紙の両側端部を挟持して搬送する両側端搬送装置を示す斜視図である。尚、同図には用紙搬送方向上流側の搬送ローラ・コロ体4aと下流側の搬送ローラ・コロ体4bの図示を省略している。
【0038】
図2に示すように、用紙搬送経路3の両側には、駆動ローラ15と従動ローラ16に掛け渡され、内部中央に押さえローラ17を有する無端状の細ベルト18が上下二段に配置された両側端搬送装置19が配置されている。
【0039】
この両側端搬送装置19は、用紙20の両側端部を挟持して、図2の矢印a方向に搬送する。これにより用紙20の両端部が熱により丸まったり、その先端部が下方に垂れ下がって用紙搬送経路3から外れるような不具合を防止することができる。
【0040】
図3は、上記の消色装置1の用紙搬送経路3の平面図である。搬送ローラ・コロ体4a、4b及び両側端搬送装置19によって矢印a方向に搬送される用紙20の上下には、それぞれ、図3に示す6本のヒータ接触防止ワイヤ21(21a、21b)が張設されている(図では上方のワイヤを実線、下方のワイヤを破線で示している)。
【0041】
これらのヒータ接触防止ワイヤ21(21a、21b)は、それぞれワイヤ保持部22(22a、22b)に保持されている。これらヒータ接触防止ワイヤ21とワイヤ保持部22は、ヒータ接触防止装置23として消色装置1内に固定して配置されている。
【0042】
このヒータ接触防止ワイヤ21(21a、21b)は、用紙20が熱輻射ヒータ部7に接触するのを防止するとともに、用紙20の丸まりを上下から押さえて、用紙20が両側端搬送装置19から脱落するのを防止している。
【0043】
このように、図1に示した消色装置1は、用紙20の丸まりや垂れ下がりを防止しながら搬送ローラ・コロ体4aから搬送ローラ・コロ体4bまで、斜めに張られたヒータ接触防止ワイヤ21によって用紙20を案内する。
【0044】
ヒータ接触防止ワイヤ21は、用紙20の搬送方向に対して斜めに張設されていると共に広い間隔で配置されているので、熱輻射ヒータからの消色用輻射加熱と、これも後述するLED光源からの消色用の照射光を遮ることは全く無いといって良い。
【0045】
尚、消色装置1が片面のみの消色構造であると、給紙カセット5に用紙20を収容する際、消色する画像面を上面向き又は下面向きのいずれか決められた向きに設定して収容しなければならないので使い勝手が悪くなる。本例では、両面を同時に消色することができるので使い勝手が良い。
【0046】
また、両面を消色する方法としては、両面印刷機構を備えた一般的なプリンタと同様に片面を消色し、用紙を反転させて、裏面を消色する方法が考えられるが、片面の消色性トナー画像に消色に必要な熱を一度加え後に、反対面の消色性トナー画像の消色を行うと、消色性能が低下することがある。
【0047】
すなわち、最初の片面を消色する時に裏面側の画像も加熱され、両面印刷機構で用紙20を反転させて搬送中に裏面側の画像が冷やされ、続けて裏面側を消色する時に消色性能が低下することが経験的に判明している。また、更には、表裏の消色処理を2度にわたって行うことになるので、消色時間が長くなるという不便がある。
【0048】
本例では、両面を同時に消色できるので、消色性能の低下も起こらず、良い消色性能が維持され、また、表裏の消色処理を2度にわたって行う場合よりも消色時間が1/2以下に短縮される。
【0049】
尚、片面の消色の場合でも、表裏両面から加熱すると、片面加熱の場合の用紙裏面からの熱漏洩によるエネルギー損失がなく効率よく加熱することが出来る。また、熱輻射ヒータの設定温度を下げることが出来るため消費電力を低減させる効果が期待できる。
【0050】
図4(a)は、消色部10の用紙搬送機構によって構成される用紙搬送経路3の上下に配置される本例の消色ユニットの図1に示した基本構成を拡大して示す図であり、同図(b)はその実験時における温度計測方法を具体的に示す図である。
【0051】
尚、図4(a),(b)には、図3に示した構成と同一の構成部分には図3と同一の番号を付与して示している。また、図4(a),(b)には、用紙両側端搬送装置19の図示を省略している。ヒータ接触防止機構23については、ヒータ接触防止ワイヤ21のみを示している。
【0052】
図4(a)に示す消色部10の消色ユニット9(9a、9b)が用紙搬送経路3と、この用紙搬送経路3を面対称の面として上下に配置された熱輻射ヒータ部7(7a、7b)と消色光源8(8a、8b)とで構成されていることは前述した。
【0053】
図4(a)に示すように、熱輻射ヒータ部7はヒータ28とヒータ保持金具部材29とで構成されている。消色光源8は光源ユニットフレーム25と、この光源ユニットフレーム25の奥部と前部にそれぞれ保持されたLED26とレンズ27とで構成されている。
【0054】
本来、消色光源の光源は、赤外線感熱色素の吸収波長域の光を発光する光源であれば種類は特に問わないが、好ましくは第1吸収帯である820nm付近の光を中心に照射できると、効率よい消色光となる。
【0055】
本例の光源には、省電力型の光源としてLED26を用いる。LED26としては、中心波長が850nm、半値幅50nm以上の波長分布の光を発光するアルワン電子製(OP6−8510HP2)LEDを用いる。
【0056】
このLED26を用紙の通過方向と直交する方向に15個並べ、これらのLED26の前に焦点距離30mmのレンズ27を並べて消色光源8を構成する。レンズ27はセルフォックレンズ(日本板ガラス商標)である。
【0057】
この消色光源8は、上下の熱輻射ヒータ部7の間を通過する用紙20を、およそ150mmの距離から40mm程度の幅で照射できるように設置される。そして、熱輻射ヒータ部7による加熱中の紙面に効率的に消色光を照射するために、消色光を用紙搬送経路3に対しおよそ30度の角度の斜め位置から用紙に照射する。このとき用紙の搬送速度は15mm/secである。
【0058】
図4(b)に示すように、上記の熱輻射ヒータ部7において、ヒータ28の熱輻射面(用紙加熱面)31はほぼ平らに形成されている。消色部10に搬送された用紙20は、熱輻射ヒータ部7のヒータ28の熱輻射面31から熱輻射を受けて加熱される。
【0059】
そして、この加熱と同時に、消色光源8のLED26により近赤外光が斜め方向から照射される。これにより用紙20の面の形成されている消色性トナーの画像が効率よく消色される。
【0060】
ところで、消色性トナーに含まれる近赤外線吸収色素は、近赤外線を吸収して励起し消色剤と反応して無色化するために配合されているが、トナー結着剤樹脂中の色素は近赤外線を吸収しても常温ではほとんど消色反応が見られない。このため、加熱してから、好ましくは加熱と同時に、近赤外線を照射して無色化するのが有効であることは前述した。
【0061】
消色装置1の構成部材の中でもヒータ28は最も電力を消費するもののうちに入る部材である。したがって、ヒータ28の使用電力を極力抑えて用紙20を効率良く加熱することが重要な要件となる。
【0062】
尚、図示されてはいないが、金属フレームが消色装置1のベースとなっており、内部に熱が籠り高温にならないよう、およそ開口率40%〜50%に相当する開口部ができるようフレームの構造が設計されていて空気流通路が確保されている。
【0063】
ここで、ヒータ28に関係する部品、測定器について説明する。ヒータ28はインフラスタインBヒータ(NGK製セラミックヒータ)、定格=100V、200Wである。また、図4(a)に示す熱輻射ヒータ部7では、ヒータ28はヒータ保持金具部材29に3個配設されている。上下の熱輻射ヒータ部7を合わせると計6個配設されている。
【0064】
測定器については、温度センサにはK熱電対32(図4(b)はそのK熱電対32のヒータ28への接続を示している)を用いた。記録計にはGR3000((株)キーエンス製)を用いた。このデータ取り込み速度は0.01秒である。電力計はパワーハイテスタ3332(日置電機(株)製)、温調器はMTCD((株)ミスミ製)を用い、温度制御方法にはPID制御を用いた。
【0065】
PID制御とは、現在値と設定値の偏差に比例する出力を出す比例動作(P動作)と、その偏差の積分に比例する出力を出す積分動作(I動作)と、偏差の微分に比例した出力を出す微分動作(D動作)の和を出力し、目標値に向かって制御する制御方法である。
【0066】
以下、本例の消色装置1の消色部10に通電した場合の電力値を基に結果を説明する。尚、以下の説明の中で「安定状態における電力値」又は「安定時の電力」という言葉が多用されるが、この安定状態又は安定時がどのような状態を示しているのか説明する。
【0067】
図5は、通電直後からの電力値推移の1例を示すグラフである。尚、電力値はヒータのみの電力を測定しており、制御および駆動の消費電力は含まれていない。また、同図のグラフには、ヒータ28の温度も示している。
【0068】
また、電力値はPID制御を施しているため、頻繁にon/offを繰り返している。従って、式「平均電力値=ΣW*Δt/ΣΔt」(但し、ΣΔt=5分間、Δt=0.01秒)により平均電力を求めてグラフ化している。
【0069】
このグラフより判るように、動作時間600秒以降では電力値はほとんど変化しなくなってくる。つまり安定状態に入ったと考えられる。この安定状態の部分で、本実験における測定終了直前の平均値を採用している。
【0070】
図6は、安定状態の電力を、制御温度350℃、400℃、450℃における測定から求めて示したグラフである。また、同図のグラフには実線と破線の2つの線が記載されているが、これらは下記のデータを表示している。
【0071】
すなわち、実線は、用紙を通さず、ヒータのみ通電している状態で測定した電力値である。一方、破線は、用紙を通して、実際に消色作用を動作させて測定した電力値である。尚、用紙の搬送線速度は15mm/secである。
【0072】
現在、消色時のヒータ温度設定は400℃であるから、それを基に考察すると、用紙を通さずヒータのみの通電における電力は719W、消色動作時における電力は764Wの電力を必要とすることが分かる。
【0073】
本例の消色装置1は、一般事務所における使用を目的としており、消色性トナーで印字できるプリンタと一体に組み込めるようになっている。事務所においてはパソコン等いろいろな機器や電気設備が使用されている現状を考えれば、プリンタと消色装置全体の消費電力を1500W以下に抑える必要がある。
【0074】
消色動作には約1KWを必要とするから、プリンタを含めて全体で消費する電力が1.5KWを超えることは容易に予測できる。従って、電力の削減が必要である。
【0075】
次に、図4に示した基本構成の消色部10の使用電力を、より削減できる改良型の構成について説明する。ところで、消色装置1のベースとなっている金属フレームが、およそ開口率40%〜50%に相当する開口部ができるように設計されていることは前述した。
【0076】
そこで発明者は、先ず、最初に、金属フレームの開口率を下げれば空気対流による熱損失をかなり抑えることができ、これにより電力を削減できるのではないか考えて、金属フレームの開口率を10%に下げる設計変更を行った。
【0077】
図7は、開口率10%の金属フレームを用いた場合のヒータ28の安定状態の消費電力を、制御温度350℃、400℃、450℃における測定から求めて示したグラフである。また、同図のグラフには、参考のため改良前の開口率40%〜50の金属フレームを用いた場合の測定結果も示している。
【0078】
すなわち、図7に示すグラフにおいて、一点鎖線のグラフは開口率10%の金属フレームのときのヒータの消費電力を示すグラフであり、破線のグラフは開口率40%〜50の金属フレームのときのヒータの消費電力を示すグラフである。
【0079】
図7をみると、開口率40%〜50の金属フレームのときのヒータ消費電力にくらべて、開口率10%の金属フレームのときのヒータ消費電力が約75〜100W近く低下しているのが分かる。ここで発明者は、400℃制御時における金属フレームの各部の温度の推移を見ることにした。
【0080】
図8は、金属フレーム(図1に示した本体筐体2)の3箇所の温度測定定点を示す図である。d点は金属フレーム2の天板中央、e点は金属フレーム2のサイドフレーム上方、f点は金属フレーム2のサイドフレーム中央である。
【0081】
図9(a)は開口率10%の金属フレームにおいて400℃制御時における3箇所の温度測定定点の測定温度の推移を示すグラフであり、同図(b)は参考のため開口率40%〜50%の金属フレームにおいて同様の測定温度の推移を示すグラフである。
【0082】
以上のグラフを総合すると、図7に示したように、温度制御400℃に対して、開口率40%〜50%の金属フレームのときのヒータ消費電力719Wに比較して、開口率10%の金属フレームでは、ヒータ消費電力は約80W弱低下して638.3Wであった。
【0083】
しかし、図9(a),(b)のグラフが示すヒータ消費電力を比較すると判るように、開口率40%〜50%の金属フレームのときの3箇所の温度測定定点の測定温度に比較して、開口率10%の金属フレームでは、熱が内部に充満し、金属フレーム本体の温度が約20℃〜30℃上昇しており新たな問題点が発生した。
【実施例2】
【0084】
そこで、発明者は、消色装置1の用紙搬送経路3において実際に消色が行われている領域に働く熱以外は無駄な熱であると考えた。そして、この無駄な熱の削減を図るため次のことを行った。これを以下、実施例2として説明する。
【0085】
図10は、実施例2に係る消色装置の消色部の構成を示す断面図である。尚、消色装置全体の構成は、図1の基本構成において消色部10の熱輻射ヒータ部7の構成を除いて他の構成は同一である。また、図10には、図4(a)と同一の構成部分には図4(a)と同一の番号を付与して示している。
【0086】
図10に示すように、本例の消色装置の消色部30は、熱輻射ヒータ部に大きな変更が加えられている。すなわち、本例の消色部30の熱輻射ヒータ部31(31a、31b)は、先ず、図4(a)に示した熱輻射ヒータ部7(7a、7b)の熱輻射面32(32a、32b)以外の部分を外部から熱的に密閉する第1の断熱部33を備えている。
【0087】
この第1の断熱部33は、例えば、無機繊維系の断熱材から成る。具体的には、例えばイソウール(イソウール工業(株))を用いる。イソウールは、耐熱温度1260℃、熱伝導度0.08W/m・Kである。使用位置によりバルクのイソウールと厚み6mmのシートタイプのイソウールを使い分ける。
【0088】
結果として、第1の断熱部33は、熱輻射ヒータ部7の熱放射面(熱輻射面32)以外の部分の外面を、イソウールで、あたかも塗り固めるように取り囲んで形成されている。
【0089】
この第1の断熱部33は、ヒータ28の用紙対向面(熱輻射面32)以外の部分のヒータ28の表面から、熱が放射されること及び空気が温められて対流することで、熱損失が発生することを防ぐため、ヒータ28の熱輻射面32以外の部分が外部に露出しないように断熱材で覆って、熱の放射や空気の対流を最小限に抑えることを目的としている。
【0090】
ところで、ヒータ保持金具29は金属、つまり良熱伝導体であり、ヒータ28を直接保持しているため高温になる。したがって、このヒータ保持金具29からも空気の対流が起こる。したがって、ヒータ保持金具29も第1の断熱材33で表面を覆っている。
【0091】
更に、熱輻射ヒータ部31は、ヒータ28の熱輻射と消色光源8の消色光の照射を受ける消色領域34(34a、34b)の周囲のうち、消色光源8の消色光の照射光が通過する周囲を除く周囲を囲う第2の断熱部35を備えている。尚、図10では断面図のため、紙面奥行き方向手前側にある第2の断熱部35は見えない。
【0092】
この第2の断熱部35は、例えば、無機繊維系の断熱材を板形状にした板状部材から成っている。具体的には、例えば、HIPHA((株)ミスミ)が用いられる。HIPHAとしては、耐熱温度500℃、熱伝導度1.21W/m・K、板厚=3mmのものを用いる。
【0093】
この第2の断熱部35は、消色領域34の空気が温められて対流し、熱損失が発生することを防ぐため、消色領域34を外部から出来るだけ遮蔽して空気の対流を最小限に抑えることを目的としている。
【0094】
また、ヒータ保持金具29と不図示の本体フレームとの連結部においても熱伝導による熱損失が起きる。この熱伝導を防止するため、断熱ボードから成る断熱性支持部材36をヒータ保持金具29と本体フレームとの間に介装して、ヒータ保持金具29を本体フレームに固定している。
【0095】
図11(a)は、上記構成の消色部30において、制御温度400℃における金属フレームの各部の温度の推移を示すグラフであり、同図(b)は制御温度400℃でヒータのみに通電したときの消色部30の安定時のヒータ電力値を、参考のため消色部10の電力値と共に示すグラフである。
【0096】
消色部30においては、図11(a)で分かるように、3箇所の温度測定定点の温度はいずれも、およそ36℃〜42℃の比較的低温の範囲に収まっている。サイドフレームの温度も、開口率40%〜50%の場合のサイドフレームの温度とほぼ同程度に抑えることが出来ている。
【0097】
また、消色部30においては、図11(b)で分かるように、ヒータ電力値は611Wである。これは、消色部10の開口率40%〜50%の場合に比べて電力が約100W以上も減少している。
【実施例3】
【0098】
ところで、上述した消色部30の構成では、消色領域34の外部からの遮蔽度を考えると、消色光源8の消色光の照射光が通過する周囲の部分が遮蔽できないために、消色領域34が外部への開口部を有している点で、遮蔽度が不完全であった。
【0099】
もし、LED26の近赤外線を透過し且つ熱に強い部材があれば、そのような部材を開口部に配置して、消色領域34全体の遮蔽度をあげることができると考えられる。そこで、調査したところ石英ガラスという適材が存在することが判明した。
【0100】
石英ガラスは、本例のLED26の発光波長である850nmの波長を含む近赤外線の透過率は95%である。つまり近赤外線の透過率を5%の損失に抑えることが出来る。また、石英ガラスの耐熱温度は1200℃である。消色装置では如何なる部分でもこのような高温は発生しない。
【0101】
光透過性と耐熱性の両面から、石英ガラスは、消色部の開口部を遮蔽するために十分に使用に耐え得る材料であるといえる。従って、石英ガラスを用いて消色部の開口部を遮蔽することにした。
【0102】
図12は、実施例3に係る消色装置の消色部の構成を示す断面図である。尚、同図に示す消色部40は、石英ガラス板37(37a、37b)及び石英ガラス保持構造38(38a、38b)以外の部分は実施例2と同一である。また、図12は断熱性支持部材36の縁部を破線で示している。
【0103】
図12に示すように、本例の消色部40は、消色領域34の開口部39(39a、39b)が、石英ガラス保持構造38(38a、38b)によって保持された石英ガラス板37(37a、37b)によって外部から遮蔽されている。
【0104】
上記の石英ガラス板37としては、具体的には、板厚が2mmの天然石英ガラス製板(信越ガラス(株))が用いられる。但し、石英ガラスはこれに限らず、パイレックス(登録商標)(ショット社)、テンパックス(コーニング社)等、上記光透過性と耐熱性の条件を満足する材料ならばすべて代替可能である。
【0105】
図13(a)は、図12に示す消色部40の構成において、制御温度400℃における金属フレームの3箇所の温度測定定点各部の温度の推移を示すグラフである。各部共に40℃以下であり、消色部10(開口率40%〜50%)や消色部30よりも多少ではあるが低温度になっており、温度の点で良好な結果となっている。
【0106】
また、図13(b)は、消色部40のヒータ部のみの駆動時と消色処理を実行中の駆動時において、消色部40の安定状態の電力を、制御温度350℃、400℃、450℃における測定から求め、消色部10及び消色部30のヒータ部のみの駆動時の安定状態の電力と共に示すグラフである。
【0107】
図13(b)に示すグラフにおいて、制御温度400℃におけるヒータのみ駆動時のヒータ消費電力値の実験値は、消色部40では483.4W、消色部30では611.0W、消色部10(開口率40%〜50%)では719Wであった。
【0108】
すなわち、基本構成の消色部10のヒータ消費電力値719Wに比較して、本例の消色部40では483.4Wであり、約235W減少している。また、消色処理を実行中の駆動時も528.7Wとなっており、かなり低い電力値となっている。
【0109】
尚、本実験中において、制御温度400℃設定における消色実行時において、熱による用紙の黄変が観察された。更に、実験したところ、350℃では用紙に黄変が起きず且つ消色性も低下しないことが確認された。つまり消色部40の構成にすると用紙加熱効率も上昇していることが判明した。
【0110】
これにより、消色時のヒータ温度設定を基本構成の400℃から350℃に下げることが出来るので、更なる電力の低減を図ることが出来ることが判明した。尚、実測では、350℃でのヒータ消費電力は、ヒータのみ作動時で378.7W、消色時で428.1Wである。
【0111】
以上述べたように、実施例3によれば、ヒータの消費電力を600W以下に下げることが出来るので、本例の消色装置をプリンタと一体化した装置としても、その消費電力を事務所等で使用可能な消費電力以下に抑えることができる。更には、ヒータの装置内部への温度高温化の影響を下げることが出来る。
【0112】
このように、対流、放射、熱伝導による熱損失を最小に抑えて消費電力を削減して低消費電力化できるので、事務所内に設置することが可能な、消色装置を内蔵したプリンタ等の画像形成装置を提供することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明は、対流、放射、熱伝導による熱損失を最小に抑えて消費電力の削減すなわち低消費電力化に有効な消色装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0114】
1 消色装置
2 本体筐体
3 用紙搬送経路
4(4a、4b) 搬送ローラ・コロ体
5 給紙カセット
6 用紙収容カセット
7(7a、7b) 熱輻射ヒータ部
8(8a、8b) 消色光源
9(9a、9b) 消色ユニット
10 消色部
11、12 底板
13 搬送ローラ対
14 給紙路
15 駆動ローラ
16 従動ローラ
17 押さえローラ
18 細ベルト
19 用紙両側端搬送装置
20 用紙
21(21a、21b) ヒータ接触防止ワイヤ
22(22a、22b) ワイヤ保持部
23 ヒータ接触防止機構
25 光源ユニットフレーム
26 LED
27 レンズ
28 ヒータ
29 ヒータ保持金具部材
30 消色部
31(31a、31b) 熱輻射ヒータ部
32(32a、32b) 熱輻射面
33 第1の断熱部
34(34a、34b) 消色領域
35 第2の断熱部
36 断熱性支持部材
37(37a、37b) 石英ガラス板
38(38a、38b) 石英ガラス保持構造
39(39a、39b) 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙の両面に印字された消色性トナー像を消色すべく前記用紙の搬送経路の上下にそれぞれ配置された前記用紙の前記消色性トナー像の印字面を加熱する熱輻射ヒータと、
前記用紙の搬送経路の上下にそれぞれ配置され、前記熱輻射ヒータにより加熱された前記用紙の前記消色性トナー像の前記印字面に消色光を照射する消色光源と、
前記熱輻射ヒータの熱輻射面以外の部分を外部から熱的に密閉する第1の断熱部と、
前記熱輻射ヒータの熱輻射と前記消色光源の消色光の照射とを受ける消色領域の周囲のうち前記消色光源の前記消色光の前記照射光が通過する周囲を除く周囲を囲う第2の断熱部と、
前記消色光源の前記消色光の前記照射光が通過する前記周囲に設けられ、前記第2の断熱部と協働して前記消色領域を外部から熱的に遮蔽する耐熱透光性ガラス板と、
を備えたことを特徴とする消色装置。
【請求項2】
前記消色光源は、近赤外線を発光するLED(light emitting diode)から成る、ことを特徴とする請求項1記載の消色装置。
【請求項3】
前記耐熱透光性ガラス板は、石英ガラスから成る、ことを特徴とする請求項1記載の消色装置。
【請求項4】
前記第1の断熱部は、無機繊維系断熱材から成り、前記熱源の前記熱放射面以外の部分の外面を塗り固めるように取り囲んで形成される、ことを特徴とする請求項1記載の消色装置。
【請求項5】
前記第2の断熱部は、無機繊維系断熱材の板状部材から成る、ことを特徴とする請求項1記載の消色装置。

【図2】
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【図3】
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【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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