消雪ブロック
【課題】本発明は、従来にない作用効果を発揮する画期的な消雪ブロックを提供することを目的とする。
【解決手段】地面下に埋設され、所定長にして内部に通水部1を有し、頂面部3aに散水部2が形成された消雪ブロック3であって、この消雪ブロック3は、少なくとも二つを連結して用いられるものであり、また、この消雪ブロック3は両端部に夫々凹所4が設けられ、両凹所4には通水管5が突設され、隣接する消雪ブロック3の前記通水管5同士は、連結体6を介して連結されるものであり、前記凹所4は前記消雪ブロック3の上方若しくは側方に開口する開口部4aを有し、この開口部4aは少なくとも作業者の手を導入し得る大きさである。
【解決手段】地面下に埋設され、所定長にして内部に通水部1を有し、頂面部3aに散水部2が形成された消雪ブロック3であって、この消雪ブロック3は、少なくとも二つを連結して用いられるものであり、また、この消雪ブロック3は両端部に夫々凹所4が設けられ、両凹所4には通水管5が突設され、隣接する消雪ブロック3の前記通水管5同士は、連結体6を介して連結されるものであり、前記凹所4は前記消雪ブロック3の上方若しくは側方に開口する開口部4aを有し、この開口部4aは少なくとも作業者の手を導入し得る大きさである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば降雪地における道路に敷設される消雪ブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、特公平7−91817号に開示される消雪ブロック33を提案している。
【0003】
この消雪ブロック33は、図13に図示したようにコンクリート製の本体内に通水管35を設けるとともに、該通水管35に連設する散水ノズル32を頂面部33aに設けたものであり、少なくとも二つが連結して用いられるものである。
【0004】
【特許文献1】特公平7−91817号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述した消雪ブロック33は、該消雪ブロック33の一端部には通水管35の一端部である雄管部35aが凸設されるとともに、該消雪ブロック33の他端部には通水管35の他端部である雌管部35bが凹設されており、よって、隣接する消雪ブロック33同士の連結は、一の消雪ブロック33の雄管部35aを他の消雪ブロック33の雌管部35bに嵌挿連結させることで行われる。
【0006】
しかしながら、この従来から提案される消雪ブロック33は、実際に消雪ブロック33同士を連結する場合、クレーン等の重機で吊り下げた一の消雪ブロック33を他の消雪ブロック33から少し離れた位置に配し、続いて、一の消雪ブロック33の雄管部35aを他の消雪ブロック33の雌管部35bへ嵌挿すべく一の消雪ブロック33を他の消雪ブロック33側へ水平移動させるという操作が必要となるが、このように重量の重い消雪ブロック33を移動させるのは厄介である。
【0007】
また、互いに連結されている複数の消雪ブロック33の中から破損した一つの消雪ブロック33を交換する作業においても問題点が指摘されている。
【0008】
具体的には、例えば図14に図示したように互いに連結される3つの消雪ブロック33A,33B,33Cの中から中央の消雪ブロック33Aを交換する作業を例に説明する。
【0009】
先ず、図15に図示したように中央の消雪ブロック33Aと左右の消雪ブロック33B,33Cとの境界から切断装置の刃を入れて、中央の消雪ブロック33Aの雄管部35a及び左側の消雪ブロック33Bの雄管部35aを切断し、中央の消雪ブロック33Aを吊り上げて撤去する。
【0010】
続いて、図16,17に図示したように左側の消雪ブロック33B及び右側の消雪ブロック33C夫々のコンクリート部分(図16中斜線部分)を削って通水管35の端部を露出させ、その後、図18に図示したようにこの露出した各通水管35の端部に周面にネジ溝37aが形成された延長管37を溶接する。この際、右側の消雪ブロック33Cに露出させる通水管35においては、雌管部35bを切断した後、延長管37を溶接している。
【0011】
続いて、図19,20に図示したように左右の消雪ブロック33B,33Cの間に別途用意した消雪ブロック33A,33B,33Cとは構造の異なる交換用の消雪ブロック33D(消雪ブロック33A,33B,33Cとは通水管35の端部構造が異なる。)を配設する。この交換用の消雪ブロック33Dは、両端部から通水管35の端部が突設され、この突設する部位の周面にはネジ溝35cが形成され、また、この突設する各部位には予め管状の連結体36(カップリング)が被嵌されている。
【0012】
続いて、図21に図示したように連結体36を前述した左右の消雪ブロック33B,33C夫々の延長管37に被嵌状態となるまで螺着させ、その後、図22に図示したように左右の消雪ブロック33B,33Cと中央の消雪ブロック33A夫々の間にコンクリート38を打設して完成する。
【0013】
以上のように、従来から提案される消雪ブロック33は、前述したようにコンクリート部分を削る作業、通水管35の不要な部分(雌管部35b)を切断する作業、切断した部位への延長管37の溶接作業が必要となるため厄介であり(現場で迅速に行うのは大変である。)、しかも、交換用の消雪ブロックを別途用意しなければならずコスト高となってしまうなどの問題点がある。
【0014】
本出願人は、上述の問題点に着目し、種々の実験・研究を繰り返し行った結果、従来にない作用効果を発揮する画期的な消雪ブロックを開発した。
【課題を解決するための手段】
【0015】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0016】
地面下に埋設され、所定長にして内部に通水部1を有し、頂面部3aに散水部2が形成された消雪ブロック3であって、この消雪ブロック3は、少なくとも二つを連結して用いられるものであり、また、この消雪ブロック3は両端部に夫々凹所4が設けられ、両凹所4には通水管5が突設され、隣接する消雪ブロック3の前記通水管5同士は、連結体6を介して連結されるものであり、前記凹所4は前記消雪ブロック3の上方若しくは側方に開口する開口部4aを有し、この開口部4aは少なくとも作業者の手を導入し得る大きさであることを特徴とする消雪ブロックに係るものである。
【0017】
また、請求項1記載の消雪ブロックにおいて、前記消雪ブロック3は、前記散水部2が設けられる頂面部3aと、この頂面部3aよりも巾広の底面部3bと、前記頂面部3a及び底面部3bを連設する下方に傾斜した側面部3cとからなる構成であり、この側面部3cに前記凹所4の開口部4aが形成されていることを特徴とする消雪ブロックに係るものである。
【0018】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の消雪ブロックにおいて、前記凹所4に突設される通水管5は、消雪ブロック3の端部から突出しない長さに設定されていることを特徴とする消雪ブロックに係るものである。
【0019】
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の消雪ブロックにおいて、隣接する消雪ブロック3の前記通水管5同士は、該通水管5同士間に筒状の連結体6を架設状態に設けることで通水可能に連結されていることを特徴とする消雪ブロックに係るものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明は上述のように構成したから、従来から提案されるものに比し、隣接する消雪ブロック同士の連結作業及び連結される消雪ブロックの交換作業が簡易且つ迅速に行えるなど従来にない作用効果を発揮する画期的な消雪ブロックとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0022】
隣接する消雪ブロック3同士を連結する場合、作業者は、隙間なく並設した消雪ブロック3の端部に設けられる凹所4に手を入れ、この凹所4に突設される通水管5同士を連結体6により連結する。この消雪ブロック3に設けられる凹所4は、該消雪ブロック3の上方若しくは側方に開口する開口部4aを有し、この開口部4aは作業者の手を導入し得る大きさである為、作業者は消雪ブロック3の上方位置に居ながら凹所4に手を入れて隣接する消雪ブロック3の通水管5同士の連結作業を行うことができる。
【0023】
また、連結される複数の消雪ブロック3の中から一部の消雪ブロック3を交換する場合、先ず、前述した従来と同様に消雪ブロック3同士の境界から例えば切断装置の刃を入れて連結体6を切断するか、若しくは、開口部4aから手を入れて連結体6における連結状態を解除し、続いて、交換する消雪ブロック3を上方に移動させるなどして撤去し、続いて、代わりの同構造の消雪ブロック3を他の消雪ブロック3と隣接状態となるように配し、続いて、前述した連結作業を行うことで隣接する消雪ブロック3同士を連結して消雪ブロック3の交換作業が完了する。本発明は、前述した従来から提案される消雪ブロック33と異なり、コンクリート部分を削る作業、通水管35の不要な部分(雌管部35b)を切断する作業、切断した部位への延長管37の溶接作業を行う必要はなく、しかも、異なる構造の交換用の消雪ブロックを別途用意する必要もない。
【0024】
以上のように、本発明は、従来から提案されるものに比し、隣接する消雪ブロック同士の連結作業及び連結される消雪ブロックの交換作業が簡易且つ迅速に行えることになる。
【実施例】
【0025】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0026】
本実施例は、地面下に埋設され、所定長にして内部に通水部1を有し、頂面部3aに散水部2が形成された消雪ブロック3であって、この消雪ブロック3は、少なくとも二つが連結して用いられるものである。
【0027】
具体的には、消雪ブロック3は、図1〜4に図示したようにコンクリート製の部材で形成した長尺のブロック体であり、断面形状が台形状に設定され、散水部2が設けられる頂面部3aの左右に、該頂面部3aよりも巾広の底面部3bへ向けて下方に傾斜する側面部3cが連設される構成である。
【0028】
また、消雪ブロック3は、図3に図示したように内部に通水部1を構成する通水管5が設けられ、この通水管5の所定位置には、消雪ブロック3の頂面部3aに散水孔2aが配される散水部2(散水ノズル)が連設されている。
【0029】
また、消雪ブロック3の左右両端部には、凹所4が設けられている。
【0030】
この凹所4は、図1,2,4に図示したように消雪ブロック3の端部下方部位を切欠状に形成して構成されており、その内部には通水管5の端部が突設されている。
【0031】
また、この凹所4に突設される通水管5は、消雪ブロック3の端部から突出しない長さに設定されている。
【0032】
また、凹所4は、消雪ブロック3の側面部3cに該消雪ブロック3の斜め上方に開口する開口部4aが形成されており、この開口部4aは少なくとも作業者の手を導入し得る大きさに設定されている。
【0033】
この凹所4から突設する通水管5は他の隣接する消雪ブロック3の通水管5と連結体6を介して連結される。
【0034】
連結体6は、図5に図示したようにゴム製の筒状パッキン6aと、該筒状パッキン6aに被嵌されるC字状の締付具6bとから成る筒状体であり、締付具6bの締付ボルト6b’を螺動させて締付具6bを縮径することで筒状パッキン6aを被嵌した部位(通水管5の周面)に押圧せしめることができる。
【0035】
従って、図6に図示したように消雪ブロック3の側面部3cに設けた開口部4aから凹所4内に手を入れて、一の消雪ブロック3の通水管5と他の消雪ブロック3の通水管5との間に連結体6を架設状態に被嵌して該通水管5同士を連結することができる。
【0036】
以上の構成からなる本実施例に係る消雪ブロック3を複数敷設して該消雪ブロック3同士を連結する連結作業について説明する。
【0037】
先ず、図7に図示したように複数の消雪ブロック3を隙間なく隣接状態となるように敷設する。
【0038】
続いて、作業者は、図6,8に図示したように消雪ブロック3の端部に設けられる開口部4aから凹所4に手を入れ、この凹所4に突設される通水管5同士を連結体6により連結する。
【0039】
その後、消雪ブロック3の凹所4などにコンクリートを打設して作業は完成する。
【0040】
次に、連結される複数の消雪ブロック3の中から一部の消雪ブロック3を交換する場合について説明する。尚、例えば図9に図示したように互いに連結される3つの消雪ブロック3A,3B,3Cの中から中央の消雪ブロック3Aを交換する作業を例に説明する。
【0041】
先ず、図10に図示したように中央の消雪ブロック3Aと左右の消雪ブロック3B,3Cとの境界から切断装置の刃を入れて、中央の消雪ブロック3Aの通水管5と左右の消雪ブロック3B,3Cの通水管5との間に架設される各連結体6を切断し、中央の消雪ブロック3Aを吊り上げて撤去する。
【0042】
続いて、図11に図示したように左右の消雪ブロック3B,3Cの間に新品の消雪ブロック3A’を配設する。この新品の消雪ブロック3A’は、予めその両端部の凹所4から突設される通水管5に連結体6が被嵌されている。
【0043】
続いて、図12に図示したように連結体6を左右の消雪ブロック3B,3C夫々の通水管5に被嵌状態となるまでスライド移動させ、連結体6を締め付け固定する。
【0044】
その後、この交換作業によって生じた隙間や凹部にコンクリート38を打設して作業は完成する。
【0045】
本実施例は上述のように構成したから、従来から提案されるものに比し、隣接する消雪ブロック同士の連結作業及び連結される消雪ブロックの交換作業が簡易且つ迅速に行えることになる。
【0046】
また、本実施例は、凹所4に突設される通水管5は、消雪ブロック3の端部から突出しない長さに設定されているから、例えば消雪ブロック3同士の境界から切断装置の刃を入れて行う連結体6の切断を行なっても通水管5が破損することは確実に防止されることになる。
【0047】
また、本実施例は、隣接する消雪ブロック3の通水管5同士は該通水管5同士間に筒状の連結体6を架設状態に被嵌することで通水可能に連結されるから、この点においても通水管5同士の連結が簡易且つ迅速に行えることになる。
【0048】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本実施例の使用状態説明図である。
【図2】本実施例を示す平面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】本実施例を示す端面図である。
【図5】本実施例に係る要部の説明斜視図である。
【図6】本実施例に係る要部の動作説明図である。
【図7】本実施例に係る消雪ブロック3同士を連結する連結作業説明図である。
【図8】本実施例に係る消雪ブロック3同士を連結する連結作業説明図である。
【図9】本実施例に係る消雪ブロック3を交換する交換作業説明図である。
【図10】本実施例に係る消雪ブロック3を交換する交換作業説明図である。
【図11】本実施例に係る消雪ブロック3を交換する交換作業説明図である。
【図12】本実施例に係る消雪ブロック3を交換する交換作業説明図である。
【図13】従来例を示す正面図である。
【図14】従来例に係る消雪ブロック33を交換する交換作業説明図である。
【図15】従来例に係る消雪ブロック33を交換する交換作業説明図である。
【図16】従来例に係る消雪ブロック33を交換する交換作業説明図である。
【図17】従来例に係る消雪ブロック33を交換する交換作業説明図である。
【図18】従来例に係る消雪ブロック33を交換する交換作業説明図である。
【図19】従来例に係る消雪ブロック33を交換する交換作業説明図である。
【図20】従来例に係る消雪ブロック33を交換する交換作業説明図である。
【図21】従来例に係る消雪ブロック33を交換する交換作業説明図である。
【図22】従来例に係る消雪ブロック33を交換する交換作業説明図である。
【符号の説明】
【0050】
1 通水部
2 散水部
3 消雪ブロック
3a 頂面部
3b 底面部
3c 側面部
4 凹所
4a 開口部
5 通水管
6 連結体
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば降雪地における道路に敷設される消雪ブロックに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、特公平7−91817号に開示される消雪ブロック33を提案している。
【0003】
この消雪ブロック33は、図13に図示したようにコンクリート製の本体内に通水管35を設けるとともに、該通水管35に連設する散水ノズル32を頂面部33aに設けたものであり、少なくとも二つが連結して用いられるものである。
【0004】
【特許文献1】特公平7−91817号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述した消雪ブロック33は、該消雪ブロック33の一端部には通水管35の一端部である雄管部35aが凸設されるとともに、該消雪ブロック33の他端部には通水管35の他端部である雌管部35bが凹設されており、よって、隣接する消雪ブロック33同士の連結は、一の消雪ブロック33の雄管部35aを他の消雪ブロック33の雌管部35bに嵌挿連結させることで行われる。
【0006】
しかしながら、この従来から提案される消雪ブロック33は、実際に消雪ブロック33同士を連結する場合、クレーン等の重機で吊り下げた一の消雪ブロック33を他の消雪ブロック33から少し離れた位置に配し、続いて、一の消雪ブロック33の雄管部35aを他の消雪ブロック33の雌管部35bへ嵌挿すべく一の消雪ブロック33を他の消雪ブロック33側へ水平移動させるという操作が必要となるが、このように重量の重い消雪ブロック33を移動させるのは厄介である。
【0007】
また、互いに連結されている複数の消雪ブロック33の中から破損した一つの消雪ブロック33を交換する作業においても問題点が指摘されている。
【0008】
具体的には、例えば図14に図示したように互いに連結される3つの消雪ブロック33A,33B,33Cの中から中央の消雪ブロック33Aを交換する作業を例に説明する。
【0009】
先ず、図15に図示したように中央の消雪ブロック33Aと左右の消雪ブロック33B,33Cとの境界から切断装置の刃を入れて、中央の消雪ブロック33Aの雄管部35a及び左側の消雪ブロック33Bの雄管部35aを切断し、中央の消雪ブロック33Aを吊り上げて撤去する。
【0010】
続いて、図16,17に図示したように左側の消雪ブロック33B及び右側の消雪ブロック33C夫々のコンクリート部分(図16中斜線部分)を削って通水管35の端部を露出させ、その後、図18に図示したようにこの露出した各通水管35の端部に周面にネジ溝37aが形成された延長管37を溶接する。この際、右側の消雪ブロック33Cに露出させる通水管35においては、雌管部35bを切断した後、延長管37を溶接している。
【0011】
続いて、図19,20に図示したように左右の消雪ブロック33B,33Cの間に別途用意した消雪ブロック33A,33B,33Cとは構造の異なる交換用の消雪ブロック33D(消雪ブロック33A,33B,33Cとは通水管35の端部構造が異なる。)を配設する。この交換用の消雪ブロック33Dは、両端部から通水管35の端部が突設され、この突設する部位の周面にはネジ溝35cが形成され、また、この突設する各部位には予め管状の連結体36(カップリング)が被嵌されている。
【0012】
続いて、図21に図示したように連結体36を前述した左右の消雪ブロック33B,33C夫々の延長管37に被嵌状態となるまで螺着させ、その後、図22に図示したように左右の消雪ブロック33B,33Cと中央の消雪ブロック33A夫々の間にコンクリート38を打設して完成する。
【0013】
以上のように、従来から提案される消雪ブロック33は、前述したようにコンクリート部分を削る作業、通水管35の不要な部分(雌管部35b)を切断する作業、切断した部位への延長管37の溶接作業が必要となるため厄介であり(現場で迅速に行うのは大変である。)、しかも、交換用の消雪ブロックを別途用意しなければならずコスト高となってしまうなどの問題点がある。
【0014】
本出願人は、上述の問題点に着目し、種々の実験・研究を繰り返し行った結果、従来にない作用効果を発揮する画期的な消雪ブロックを開発した。
【課題を解決するための手段】
【0015】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0016】
地面下に埋設され、所定長にして内部に通水部1を有し、頂面部3aに散水部2が形成された消雪ブロック3であって、この消雪ブロック3は、少なくとも二つを連結して用いられるものであり、また、この消雪ブロック3は両端部に夫々凹所4が設けられ、両凹所4には通水管5が突設され、隣接する消雪ブロック3の前記通水管5同士は、連結体6を介して連結されるものであり、前記凹所4は前記消雪ブロック3の上方若しくは側方に開口する開口部4aを有し、この開口部4aは少なくとも作業者の手を導入し得る大きさであることを特徴とする消雪ブロックに係るものである。
【0017】
また、請求項1記載の消雪ブロックにおいて、前記消雪ブロック3は、前記散水部2が設けられる頂面部3aと、この頂面部3aよりも巾広の底面部3bと、前記頂面部3a及び底面部3bを連設する下方に傾斜した側面部3cとからなる構成であり、この側面部3cに前記凹所4の開口部4aが形成されていることを特徴とする消雪ブロックに係るものである。
【0018】
また、請求項1,2いずれか1項に記載の消雪ブロックにおいて、前記凹所4に突設される通水管5は、消雪ブロック3の端部から突出しない長さに設定されていることを特徴とする消雪ブロックに係るものである。
【0019】
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の消雪ブロックにおいて、隣接する消雪ブロック3の前記通水管5同士は、該通水管5同士間に筒状の連結体6を架設状態に設けることで通水可能に連結されていることを特徴とする消雪ブロックに係るものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明は上述のように構成したから、従来から提案されるものに比し、隣接する消雪ブロック同士の連結作業及び連結される消雪ブロックの交換作業が簡易且つ迅速に行えるなど従来にない作用効果を発揮する画期的な消雪ブロックとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0022】
隣接する消雪ブロック3同士を連結する場合、作業者は、隙間なく並設した消雪ブロック3の端部に設けられる凹所4に手を入れ、この凹所4に突設される通水管5同士を連結体6により連結する。この消雪ブロック3に設けられる凹所4は、該消雪ブロック3の上方若しくは側方に開口する開口部4aを有し、この開口部4aは作業者の手を導入し得る大きさである為、作業者は消雪ブロック3の上方位置に居ながら凹所4に手を入れて隣接する消雪ブロック3の通水管5同士の連結作業を行うことができる。
【0023】
また、連結される複数の消雪ブロック3の中から一部の消雪ブロック3を交換する場合、先ず、前述した従来と同様に消雪ブロック3同士の境界から例えば切断装置の刃を入れて連結体6を切断するか、若しくは、開口部4aから手を入れて連結体6における連結状態を解除し、続いて、交換する消雪ブロック3を上方に移動させるなどして撤去し、続いて、代わりの同構造の消雪ブロック3を他の消雪ブロック3と隣接状態となるように配し、続いて、前述した連結作業を行うことで隣接する消雪ブロック3同士を連結して消雪ブロック3の交換作業が完了する。本発明は、前述した従来から提案される消雪ブロック33と異なり、コンクリート部分を削る作業、通水管35の不要な部分(雌管部35b)を切断する作業、切断した部位への延長管37の溶接作業を行う必要はなく、しかも、異なる構造の交換用の消雪ブロックを別途用意する必要もない。
【0024】
以上のように、本発明は、従来から提案されるものに比し、隣接する消雪ブロック同士の連結作業及び連結される消雪ブロックの交換作業が簡易且つ迅速に行えることになる。
【実施例】
【0025】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0026】
本実施例は、地面下に埋設され、所定長にして内部に通水部1を有し、頂面部3aに散水部2が形成された消雪ブロック3であって、この消雪ブロック3は、少なくとも二つが連結して用いられるものである。
【0027】
具体的には、消雪ブロック3は、図1〜4に図示したようにコンクリート製の部材で形成した長尺のブロック体であり、断面形状が台形状に設定され、散水部2が設けられる頂面部3aの左右に、該頂面部3aよりも巾広の底面部3bへ向けて下方に傾斜する側面部3cが連設される構成である。
【0028】
また、消雪ブロック3は、図3に図示したように内部に通水部1を構成する通水管5が設けられ、この通水管5の所定位置には、消雪ブロック3の頂面部3aに散水孔2aが配される散水部2(散水ノズル)が連設されている。
【0029】
また、消雪ブロック3の左右両端部には、凹所4が設けられている。
【0030】
この凹所4は、図1,2,4に図示したように消雪ブロック3の端部下方部位を切欠状に形成して構成されており、その内部には通水管5の端部が突設されている。
【0031】
また、この凹所4に突設される通水管5は、消雪ブロック3の端部から突出しない長さに設定されている。
【0032】
また、凹所4は、消雪ブロック3の側面部3cに該消雪ブロック3の斜め上方に開口する開口部4aが形成されており、この開口部4aは少なくとも作業者の手を導入し得る大きさに設定されている。
【0033】
この凹所4から突設する通水管5は他の隣接する消雪ブロック3の通水管5と連結体6を介して連結される。
【0034】
連結体6は、図5に図示したようにゴム製の筒状パッキン6aと、該筒状パッキン6aに被嵌されるC字状の締付具6bとから成る筒状体であり、締付具6bの締付ボルト6b’を螺動させて締付具6bを縮径することで筒状パッキン6aを被嵌した部位(通水管5の周面)に押圧せしめることができる。
【0035】
従って、図6に図示したように消雪ブロック3の側面部3cに設けた開口部4aから凹所4内に手を入れて、一の消雪ブロック3の通水管5と他の消雪ブロック3の通水管5との間に連結体6を架設状態に被嵌して該通水管5同士を連結することができる。
【0036】
以上の構成からなる本実施例に係る消雪ブロック3を複数敷設して該消雪ブロック3同士を連結する連結作業について説明する。
【0037】
先ず、図7に図示したように複数の消雪ブロック3を隙間なく隣接状態となるように敷設する。
【0038】
続いて、作業者は、図6,8に図示したように消雪ブロック3の端部に設けられる開口部4aから凹所4に手を入れ、この凹所4に突設される通水管5同士を連結体6により連結する。
【0039】
その後、消雪ブロック3の凹所4などにコンクリートを打設して作業は完成する。
【0040】
次に、連結される複数の消雪ブロック3の中から一部の消雪ブロック3を交換する場合について説明する。尚、例えば図9に図示したように互いに連結される3つの消雪ブロック3A,3B,3Cの中から中央の消雪ブロック3Aを交換する作業を例に説明する。
【0041】
先ず、図10に図示したように中央の消雪ブロック3Aと左右の消雪ブロック3B,3Cとの境界から切断装置の刃を入れて、中央の消雪ブロック3Aの通水管5と左右の消雪ブロック3B,3Cの通水管5との間に架設される各連結体6を切断し、中央の消雪ブロック3Aを吊り上げて撤去する。
【0042】
続いて、図11に図示したように左右の消雪ブロック3B,3Cの間に新品の消雪ブロック3A’を配設する。この新品の消雪ブロック3A’は、予めその両端部の凹所4から突設される通水管5に連結体6が被嵌されている。
【0043】
続いて、図12に図示したように連結体6を左右の消雪ブロック3B,3C夫々の通水管5に被嵌状態となるまでスライド移動させ、連結体6を締め付け固定する。
【0044】
その後、この交換作業によって生じた隙間や凹部にコンクリート38を打設して作業は完成する。
【0045】
本実施例は上述のように構成したから、従来から提案されるものに比し、隣接する消雪ブロック同士の連結作業及び連結される消雪ブロックの交換作業が簡易且つ迅速に行えることになる。
【0046】
また、本実施例は、凹所4に突設される通水管5は、消雪ブロック3の端部から突出しない長さに設定されているから、例えば消雪ブロック3同士の境界から切断装置の刃を入れて行う連結体6の切断を行なっても通水管5が破損することは確実に防止されることになる。
【0047】
また、本実施例は、隣接する消雪ブロック3の通水管5同士は該通水管5同士間に筒状の連結体6を架設状態に被嵌することで通水可能に連結されるから、この点においても通水管5同士の連結が簡易且つ迅速に行えることになる。
【0048】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本実施例の使用状態説明図である。
【図2】本実施例を示す平面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】本実施例を示す端面図である。
【図5】本実施例に係る要部の説明斜視図である。
【図6】本実施例に係る要部の動作説明図である。
【図7】本実施例に係る消雪ブロック3同士を連結する連結作業説明図である。
【図8】本実施例に係る消雪ブロック3同士を連結する連結作業説明図である。
【図9】本実施例に係る消雪ブロック3を交換する交換作業説明図である。
【図10】本実施例に係る消雪ブロック3を交換する交換作業説明図である。
【図11】本実施例に係る消雪ブロック3を交換する交換作業説明図である。
【図12】本実施例に係る消雪ブロック3を交換する交換作業説明図である。
【図13】従来例を示す正面図である。
【図14】従来例に係る消雪ブロック33を交換する交換作業説明図である。
【図15】従来例に係る消雪ブロック33を交換する交換作業説明図である。
【図16】従来例に係る消雪ブロック33を交換する交換作業説明図である。
【図17】従来例に係る消雪ブロック33を交換する交換作業説明図である。
【図18】従来例に係る消雪ブロック33を交換する交換作業説明図である。
【図19】従来例に係る消雪ブロック33を交換する交換作業説明図である。
【図20】従来例に係る消雪ブロック33を交換する交換作業説明図である。
【図21】従来例に係る消雪ブロック33を交換する交換作業説明図である。
【図22】従来例に係る消雪ブロック33を交換する交換作業説明図である。
【符号の説明】
【0050】
1 通水部
2 散水部
3 消雪ブロック
3a 頂面部
3b 底面部
3c 側面部
4 凹所
4a 開口部
5 通水管
6 連結体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面下に埋設され、所定長にして内部に通水部を有し、頂面部に散水部が形成された消雪ブロックであって、この消雪ブロックは、少なくとも二つを連結して用いられるものであり、また、この消雪ブロックは両端部に夫々凹所が設けられ、両凹所には通水管が突設され、隣接する消雪ブロックの前記通水管同士は、連結体を介して連結されるものであり、前記凹所は前記消雪ブロックの上方若しくは側方に開口する開口部を有し、この開口部は少なくとも作業者の手を導入し得る大きさであることを特徴とする消雪ブロック。
【請求項2】
請求項1記載の消雪ブロックにおいて、前記消雪ブロックは、前記散水部が設けられる頂面部と、この頂面部よりも巾広の底面部と、前記頂面部及び底面部を連設する下方に傾斜した側面部とからなる構成であり、この側面部に前記凹所の開口部が形成されていることを特徴とする消雪ブロック。
【請求項3】
請求項1,2いずれか1項に記載の消雪ブロックにおいて、前記凹所に突設される通水管は、消雪ブロックの端部から突出しない長さに設定されていることを特徴とする消雪ブロック。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか1項に記載の消雪ブロックにおいて、隣接する消雪ブロックの前記通水管同士は、該通水管同士間に筒状の連結体を架設状態に設けることで通水可能に連結されていることを特徴とする消雪ブロック。
【請求項1】
地面下に埋設され、所定長にして内部に通水部を有し、頂面部に散水部が形成された消雪ブロックであって、この消雪ブロックは、少なくとも二つを連結して用いられるものであり、また、この消雪ブロックは両端部に夫々凹所が設けられ、両凹所には通水管が突設され、隣接する消雪ブロックの前記通水管同士は、連結体を介して連結されるものであり、前記凹所は前記消雪ブロックの上方若しくは側方に開口する開口部を有し、この開口部は少なくとも作業者の手を導入し得る大きさであることを特徴とする消雪ブロック。
【請求項2】
請求項1記載の消雪ブロックにおいて、前記消雪ブロックは、前記散水部が設けられる頂面部と、この頂面部よりも巾広の底面部と、前記頂面部及び底面部を連設する下方に傾斜した側面部とからなる構成であり、この側面部に前記凹所の開口部が形成されていることを特徴とする消雪ブロック。
【請求項3】
請求項1,2いずれか1項に記載の消雪ブロックにおいて、前記凹所に突設される通水管は、消雪ブロックの端部から突出しない長さに設定されていることを特徴とする消雪ブロック。
【請求項4】
請求項1〜3いずれか1項に記載の消雪ブロックにおいて、隣接する消雪ブロックの前記通水管同士は、該通水管同士間に筒状の連結体を架設状態に設けることで通水可能に連結されていることを特徴とする消雪ブロック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2008−115537(P2008−115537A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−297080(P2006−297080)
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(391007747)株式会社興和 (17)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月31日(2006.10.31)
【出願人】(391007747)株式会社興和 (17)
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