説明

液位検出装置

【課題】接点誤差による測定精度の低下が少ない液位検出装置を提供する。
【解決手段】前記液位検出装置は、一端が燃料タンク10の底面に、他端が燃料タンク10の上面に保持されている液位検出センサ12と、燃料タンク10外部に配設され、液位検出センサ12が接続されているセンサ回路11と、を備え、液位検出センサ12は、燃料タンク10の底面から上面に向かって配設され、燃料タンク10内の液位を検出する液位検出部13と、液位検出部13の上端に液位検出部13と一体的に形成され、上端部において前記センサ回路11に接続されるとともに、燃料タンク10の上下方向に柔軟性を有する接続部14と、を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液位検出装置にかかり、特に、静電容量の変化からタンクの液位を検出する液位検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車等のタンクの液位を検出する液位検出装置には種々の形態があり、そのうちの1つに静電容量の変化を利用して液面検出を行うものがある。
【0003】
このような液位検出装置において、タンクの深さ方向の寸法に変動を生じた場合においても正確な液面レベルを測定できるようにしたものとして、静電容量によりタンク中の液体の液面レベルを検出するためのセンサ部と、該センサ部に発振器を介して接続した液位検出部とよりなる静電容量式液面レベル検出装置において、上記センサ部が、液面レベルを検出するための測定電極と、誘電率補正用の補正電極と、共通アース電極とを有するとともに、測定電極と補正電極とがその上端が同じ高さにあり、一方、補正電極の下端は測定電極の下端よりも高い位置にあり、かつ上記測定電極、補正電極、および共通アース電極の各電極面と上記発振器とがフラットワイヤのリード線により接続されているものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5−223624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記液面レベル検出装置においては、前記発振器と前記測定電極、前記補正電極、および前記共通アース電極とは、フラットワイヤのリード線で接続されているから、前記発振器と前記フラットワイヤのリード線とを接続するための接点の他、前記測定電極、前記補正電極、および前記共通アース電極と前記フラットワイヤのリード線とを接続する接点も存在する。したがって、これらの接点において接触不良が生じることによる接点誤差により、測定精度が低下するという問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、接点誤差による測定精度の低下が少ない液位検出装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明に係る液位検出装置は、タンクの底面から前記タンクの上面に向かって配設され、前記タンク内の液位を検出する液位検出部と、前記液位検出部の上方に前記液位検出部と一体的に形成され、前記タンクの上下方向に柔軟性を有する接続部と、を備える液位検出センサと、前記タンク外部に配設され、前記液位検出センサの接続部の上端が接続されているセンサ回路と、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の液位検出装置においては、前記接続部は前記液位検出部と一体的に形成されている故に、前記接続部と前記液位検出部との間には接点は存在しない。また、前記接続部はタンク上下方向に柔軟性を有するから、前記タンクが上下方向に変形すると、前記接続部も前記タンクの変形に追従して上下方向に伸縮する。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の液位検出装置において、前記接続部が、タンクの底面が上面に近接する方向にタンクが変形すると撓みを生じる撓み部であることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の液位検出装置においては、タンクが上下方向に変形すると、前記撓み部がタンクの変形に追従して撓む。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の液位検出装置において、前記液位検出センサがフィルム状であって、前記接続部が、前記液位検出センサにおける前記液位検出部よりも上方の部分を前記タンクの上下方向または前記上下方向に直交する方向を軸として巻回した巻物状構造を有する巻取部であることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の液位検出装置においては、前記巻取部はタンクの上下方向に沿って伸縮可能なので、タンクが上下方向に変形すると、前記巻取部もタンクの変形に追従して伸縮する。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液位検出装置において、前記タンクの底面上に載置され、前記タンクの内容物を外部に取り出すためのポンプユニットが収容されたサブタンクを有し、前記液位検出センサが、前記サブタンクに取り付けられていることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の液位検出装置においては、前記液位検出センサは前記サブタンクに取り付けられているから、前記サブタンクをタンク内に装着することにより、前記液位検出センサも前記タンク内に装着できる。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、前記液位検出センサにおいて、前記接続部が前記液位検出部と一体的に形成され、前記接続部と前記液位検出部との間には接点は存在しない故に、前記接続部と前記液位検出部との間の接点に起因する接点誤差が発生することのない液位検出装置が提供される。
【0016】
請求項2に記載の発明によれば、前記接続部が撓み部とされているから、前期接続部の構成が簡略である液位検出装置が提供される。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、前記接続部は巻取部とされ、タンクの上下方向に伸縮可能であるから、前記接続部が撓み部とされている態様とは異なり、前記接続部が撓み部である態様とは異なり、接続部の伸縮が周囲の部材によって妨げられることが少ない液位検出装置が提供される。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、前記サブタンクをタンク内に装着することにより、前記液位検出センサも前記タンク内に装着できる故に、液位検出センサの装着が特に容易な液位検出装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、実施形態1に係る燃料タンクの全体的な構成を示す断面図である。
【図2】図2は、図1に示す燃料タンクが備えるサブタンクの構成を示す拡大図である。
【図3】図3は、図2に示すサブタンクを燃料タンクに装着した状態を示す拡大図である。
【図4】図4は、実施形態1に係る燃料タンクが備える液面検出センサの構成を示す展開図である。
【図5】図5は、実施形態1に係る燃料タンクにおいて実施形態2に係る液位検出センサを備える例について全体的な構成を示す断面図である。
【図6】図6は、図5に示す燃料タンクが備えるサブタンクの構成を示す拡大図である。
【図7】図7は、図6に示すサブタンクを燃料タンクに装着した状態を示す拡大図である。
【図8】図8(A)は、実施形態2に係る液面検出センサの展開図であり、図8(B)は、実施形態2に係る液面検出センサにおいて巻取部が収縮したところを、図8(C)は、実施形態2に係る液面検出センサにおいて巻取部が収縮したところを示す斜視図である。
【図9】図9は、図5に示す燃料タンクにおける蓋部の構成を示す拡大図である。
【図10】図10は、実施形態3に係る燃料タンクの全体的な構成を示す断面図である。
【図11】図11は、図10に示す燃料タンクが備えるサブタンクの構成を示す拡大図である。
【図12】図12は、図11に示すサブタンクを燃料タンクに装着した状態を示す拡大図である。
【図13】図13は、実施形態1に係る液面検出センサの構成を示す展開図および斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
1.実施形態1
以下、本発明の液位測定装置を備えるタンクの一例について図面を用いて説明する。図1以下において矢印UPは車体上方を示す。
【0021】
本発明のタンクの一例としての燃料タンク10は、図1に示すように略箱形形状とされた容器であり、設置される車体などの形状や部品配置によってその形状が決定される。また燃料タンク10は燃料(ガソリンなど)による腐食への耐性、機械的強度、耐衝撃性や衝突の際の安全性などを考慮して素材が選定される。
【0022】
燃料タンク10の車体上方の面である天井面30にはポンプモジュール等の取付口22が設けられており、取付口22を外側から閉塞する蓋部28で、内部の燃料が外へ漏れ出さないように密閉される。車両上方に筒状に突出した取付口22は蓋部28で密閉される。なお、蓋部28は、取付口22を密閉した状態において、天井面30とともに燃料タンク10の上面を構成する。
【0023】
このとき、取付口22が箱状の燃料タンク10から突出していると、車体に組み付ける際にスペース効率が低下する虞があるので、取付口22を燃料タンク10の内側に沈めるように設ける方が望ましい。この場合、取付口22および蓋部28をクリアできる空間を燃料タンク10の内部に設ける必要がある。
【0024】
これにより燃料タンク10の車体上方面は外面が凹んだ凹部24が形成されており、天井面30における凹部24の内側の部分は燃料タンク10内部の車体下側に向けて突出した凸部26として形成されている。このため燃料タンク10の内部に燃料を充填していくと液面Fは凸部26の高さを超え、凸部26は燃料に浸漬する。
【0025】
燃料タンク10は一般的に樹脂で形成されるが、車両上下方向に変形可能であれば樹脂以外に鋼板で形成してもよい。燃料タンク10においては、図1に示すように車体上方面に凹凸を設けるなどの方法でベーパー層を確保している。すなわち、揮発性を備えた燃料は外気温やエンジンなどの熱により蒸発し、燃料タンク10内の空隙に揮発ガス(ベーパー)となって充満する。このとき燃料をタンク全体に満たしてしまった場合、発生した燃料の揮発ガスは逃げ場を失い、燃料タンク10内が加圧される。これを防ぐため、ある程度の空隙(ベーパー層)を燃料タンク10内の上部に設定することで、揮発ガスの圧力の逃げ場を確保している。
【0026】
また、上記のようにベーパー層を確保している燃料タンク10では、燃料温度の上下(気温、路面や排気管などからの熱の影響)と燃料消費により、加圧と減圧が絶えず繰り返され、機械的ストレスが印加され続ける。このため、燃料タンク10の上面を複雑な凹凸形状にする事は燃料タンク10自体の機械的強度を増し、内部圧力の変化に対する対策とする意味も備わっている。
【0027】
燃料タンク10の内部には、上面が開口した有底容器であるサブタンク31が設けられ、サブタンク31にはポンプユニット32が収容されている。燃料タンク10内部の燃料は、ポンプユニット32でくみ出され、燃料ホース(図示せず。)で外部へ送り出す構成とされている。
【0028】
図1および図2に示すように、蓋部28の下面から燃料タンク10の底面20に向かってガイド柱34が延在している。ガイド柱34は、サブタンク31に設けられた円筒状のガイド筒36に挿通されている。サブタンク31は、ガイド柱34とガイド筒36とによって燃料タンク10の上下方向、言い換えれば車両上下方向に沿って案内される。なお、サブタンク31は、ガイド柱34に挿通されたコイルばね38によって底面20に向かう方向、言い換えれば車両下方に向かって付勢され、これにより、サブタンク31の底面33は燃料タンク10の底面20に向かって押圧されている。なお、燃料タンク10の底面20およびサブタンク31の底面33は燃料タンク10の底面を構成する。
【0029】
以下、燃料タンク10の備える液位検出装置1の構成について説明する。図1および図2に示すように、液位検出装置1は、蓋部28の上面に固定されているとともに、燃料タンク10外部のコンピュータ(図示せず。)に接続されたセンサ回路11と、センサ回路11に接続されているとともに、蓋部28の下面からサブタンク31の底面33に向かって車両上下方向に延在する液位検出センサ12と、を備える。センサ回路11には、高周波発振回路およびインピーダンス測定回路が設けられている。
【0030】
図1〜図3に示すように、液位検出センサ12は、可撓性を有するフィルム状のセンサであって、燃料タンク10内の燃料の液位を検出する液位検出部13と、液位検出部13の上方に、液位検出部13と一体的に形成されているとともに、液位検出部13とセンサ回路11とを接続する撓み部14と液位検出部13の下端に形成されたセンサ土台部15と、を備える。センサ土台部15は、図1および図3に示すようにサブタンク31を燃料タンク10に装着したときに燃料タンク10の底面20に当接する部分である。また、撓み部14は、センサ土台部15が燃料タンク10の底面20に当接した場合に撓むように形成されている。一方、前記場合においても液位検出部13が撓まないように、液位検出部13にはセンサ基板13Bが設けられている。蓋部28の下面には、液位検出センサ12を車両上下方向に案内するためのセンサガイド21が設けられている。
【0031】
図4に示すように、液位検出センサ12における液位検出部13、撓み部14、センサ土台部15には、夫々液位検出電極13A、ベーパー層リファレンス電極14A、および燃料リファレンス電極15Aが形成されている。なお、ベーパー層リファレンス電極14Aは、撓み部14における常にベーパー層に露出される部分に形成される。
【0032】
液位検出電極13A、ベーパー層リファレンス電極14A、および燃料リファレンス電極15Aは、何れもベースフィルム110上に櫛型電極111Aと櫛型電極111Bとが交互に配設されて形成されている。ベースフィルム110は、車両上下方向に長い短冊状であって、ポリイミド樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエステル樹脂など、耐油性を有する樹脂から形成されている。液位検出電極13A、ベーパー層リファレンス電極14A、および燃料リファレンス電極15Aは、櫛型電極111Aにおいて共通リード線16に接続されている。そして、液位検出電極13A、ベーパー層リファレンス電極14A、および燃料リファレンス電極15Aの櫛型電極111Bは、夫々リード線17、18、および19に接続されている。共通リード線16、リード線17、18、および19は、夫々上端に設けられた端子16A、17A、18A、および19Aにおいてセンサ回路11に接続されている。
【0033】
以下、液位検出装置1において燃料タンク10の液位を求める手順について説明する。 センサ回路11の高周波発振回路で発生した高周波電流は、共通リード線16およびリード線17、18、および19を通して液位検出電極13A、ベーパー層リファレンス電極14A、および燃料リファレンス電極15Aに入力され、センサ回路11のインピーダンス測定回路において液位検出電極13A、ベーパー層リファレンス電極14A、および燃料リファレンス電極15Aにおけるインピーダンスが測定される。測定されたインピーダンスはセンサ回路11から前記コンピュータに入力され、液位検出電極13A、ベーパー層リファレンス電極14A、および燃料リファレンス電極15Aにおける静電容量が求められる。
【0034】
ここで、燃料タンク10の燃料が消費されると、櫛型電極111Aと櫛型電極111Bとの間の空間は、それまで燃料によって占められていたものが空気によって占められるようになるため、静電容量は減少する。従って、静電容量の減少を検出することにより、燃料の液位を検出できる。このとき、常に液中に存在する燃料リファレンス電極15Aで検出された静電容量、および常に燃料の液面よりも上方に位置するベーパー層リファレンス電極14Aで検出された静電容量を基準として、測定値を比較することでさらに正確な検出を行うことができる。
【0035】
コンピュータは、液位検出電極13Aの静電容量に基づいて燃料タンク10の液位を計算する。そして、コンピュータは前記液位のデータを用いて燃料タンク10内の燃料残量を求める。
【0036】
実施形態1の液位検出装置1においては、図1に示すように燃料タンク10が上下方向に変形すると、撓み部14がタンクの変形に追従して撓む。また、液位検出センサ12の液位検出部13、撓み部14、およびセンサ土台部15は一体的に形成され、液位検出電極13A、ベーパー層リファレンス電極14A、および燃料リファレンス電極15Aと共通リード線16とは端子を介さずに直接に接続されている。同様に、液位検出電極13Aとリード殿17、ベーパー層リファレンス電極14Aとリード線18、および燃料リファレンス電極15Aとリード線19も直接接続されている。したがって、液位検出部13と撓み部14との間には端子などの接点は存在しないから、液位検出装置1においては、液位検出部13と撓み部14との間の接点に起因する接点誤差が発生することがない。
【0037】
2.実施形態2
以下、実施形態1の燃料タンクが備える液位検出装置に使用される液位検出センサの別の例について図面を用いて説明する。図1〜図4と同一の符号は特に説明がない限り、これらの符号が図1〜図4において示すのと同一の構成要素を示す。
【0038】
実施形態2に係る液位検出センサ112は、図5〜図7に示すように、蓋部28の下面に燃料タンク10の底面に向かって設けられ、車両下方側からセンサ土台部115、液位検出部113、および巻取部114とされている。また、図5〜図7および図9に示すように、巻取部114を倒れないように保持するための巻取部ガイド23が蓋部28から車両下方に向かって延在している。
【0039】
センサ土台部115は、図5および図7に示すようにサブタンク31を燃料タンク10に装着したときに燃料タンク10の底面20に当接する部分である。
【0040】
液位検出センサ112は、展開した状態においては、図8(A)に示すように、センサ土台部115および液位検出部113は、燃料タンク10の上下方向、言い換えれば車両上下方向が長手方向となるように形成されている。液位検出部113の上端には、被巻取部114Aが車両横方向、即ち車両上下方向に直交する方向に延在するように形成される。
【0041】
巻取部114は、図8(B)に示すように、液位検出部113の上端部の被巻取部114Aを、液位検出部113の長手方向、即ち車両上下方向を軸として巻回した巻物状構造を有する。したがって、巻取部114は、図8(B)および図8(C)に示すように車両上下方向に伸縮可能である。
【0042】
液位検出部113、巻取部114、およびセンサ土台部115には、夫々液位検出電極13A、ベーパー層リファレンス電極14A、および燃料リファレンス電極15Aが形成されている。液位検出電極13A、ベーパー層リファレンス電極14A、および燃料リファレンス電極15Aの構成については実施形態1のところで述べたとおりである。
【0043】
実施形態2の液位検出センサ112においては、巻取部114は、巻取部ガイド23によって燃料タンク10の上下方向に沿って案内され、燃料タンク10の上下方向の変形に追従して伸縮する。したがって、燃料タンク10において巻取部114の近傍に存在する部材、たとえば凸部26およびサブタンク31によって巻取部114の伸縮が妨げられることが少ない。
【0044】
3.実施形態3
以下、実施形態1の燃料タンクが備える液位検出装置に使用される液位検出センサの更に別の例について図面を用いて説明する。図1〜図4と同一の符号は特に説明がない限り、これらの符号が図1〜図4において示すのと同一の構成要素を示す。
【0045】
実施形態3に係る液位検出センサ212は、図10〜図12に示すように、蓋部28の下面に燃料タンク10の底面に向かって設けられ、車両下方側からセンサ土台部215、液位検出部213、および巻取部214とされている。
【0046】
センサ土台部215は、図10および図12に示すようにサブタンク31を燃料タンク10に装着したときに燃料タンク10の底面20に当接する部分である。
【0047】
液位検出センサ212は、展開した状態においては、図13(A)に示すように、センサ土台部215、液位検出部213、および巻取部214は、燃料タンク10の上下方向、言い換えれば車両上下方向が長手方向となるように形成され、巻取部214の上端部214Aが、車両横方向、即ち車両上下方向に直交する方向に延在するように形成される。
【0048】
巻取部214は、図13(B)に示すように、巻取部214の上端部214Aを芯として長手方向、即ち車両上下方向に直交する方向を軸として巻回した巻物状構造を有する。したがって、巻取部214が上端部214Aの周りに巻き締められ、または緩むことにより、液位検出部213は上下する。
【0049】
液位検出部213、巻取部214、およびセンサ土台部215には、夫々液位検出電極13A、ベーパー層リファレンス電極14A、および燃料リファレンス電極15Aが形成されている。液位検出電極13A、ベーパー層リファレンス電極14A、および燃料リファレンス電極15Aの構成については実施形態1のところで述べたとおりである。
【0050】
燃料タンク10が上下方向に変形すると、実施形態3の液位検出センサ212においては、巻取部214が巻取部214が上端部214Aの周りに巻き締められ、または緩むことにより、液位検出部213が燃料タンク10の上下方向の変形に追従して上下する。したがって、実施形態2の液位検出センサ112とは異なり、巻取部214を上下にガイドするためのガイドを別途も受ける必要がない。
【0051】
以上、本発明の液位検出装置を車両用の燃料タンクに適用した例について説明したが、本発明の液位検出装置が適用されるタンクは車両用の燃料タンクには限定されず、例えば、水タンクや石油タンク、薬品タンクなどの各種タンクや、発酵槽や鍍金槽など液面を検出する必要のある各種槽類にも適用可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 液位検出装置
10 燃料タンク
11 センサ回路
12 液位検出センサ
13 液位検出部
14 撓み部
112 液位検出センサ
113 液位検出部
114 巻取部
115 センサ土台部
212 液位検出センサ
213 液位検出部
214 巻取部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンクの底面から前記タンクの上面に向かって配設され、前記タンク内の液位を検出する液位検出部と、
前記液位検出部の上方に前記液位検出部と一体的に形成され、前記タンクの上下方向に柔軟性を有する接続部と、
を備える液位検出センサと、
前記タンク外部に配設され、前記液位検出センサの接続部の上端が接続されているセンサ回路と、
を有する液位検出装置。
【請求項2】
前記接続部は、タンクの底面が上面に近接する方向にタンクが変形すると撓みを生じる撓み部である請求項1に記載の液位検出装置。
【請求項3】
前記液位検出センサはフィルム状であって、前記接続部は、前記液位検出センサにおける前記液位検出部よりも上方の部分を前記タンクの上下方向または前記上下方向に直交する方向を軸として巻回した巻物状構造を有する巻取部である請求項1に記載の液位検出装置。
【請求項4】
前記タンクの底面上に載置され、前記タンクの内容物を外部に取り出すためのポンプユニットが収容されたサブタンクを有し、
前記液位検出センサは、前記サブタンクに取り付けられている請求項1〜3のいずれか1項に液位検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−225790(P2012−225790A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93981(P2011−93981)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】