説明

液体やばら荷用の輸送兼貯蔵容器の説明板

【課題】板のレッテル貼り面に貼り付けられたレッテルの最適保護に関して特に輸送並びに簡略化された組立ての際に外力作用から守る液体用輸送兼貯蔵容器のこの種の説明板の構造を再開発すること。
【解決手段】液体用輸送兼貯蔵容器の格子外套(14)の外面に固定するべき説明板(20)は、説明板(20)のレッテル貼り面(25)を越えて突出し、このレッテル貼り面を取り囲む上下枠輪郭(21、22)並びに二つの横枠輪郭(23、24)を有する。枠輪郭(21−24)によって説明板(20)のレッテル貼り面(25)が積込み面上に並んで立つ二つの貯蔵容器から引き離されるので、説明板のレッテル貼り面(25)上に貼られたレッテル(50)の損傷が回避される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、閉鎖可能な流入開口と取出し栓を備える流出開口を備える合成樹脂製の内部容器、内部容器を支持する板状台座並びに充填された内部容器を支持する金属製の水平と垂直な格子棒から成って台座に固定された格子外套を備えている液体やばら荷の輸送兼貯蔵容器の説明板に関し、格子棒が交差継目に互いに溶接されて、限定した曲げ弾性のあるブリキ製説明板が格子外套に固定されている。
【背景技術】
【0002】
パレット容器とも呼ばれている液体やばら荷用のこの種の輸送兼貯蔵容器は異なった実施態様で一般に知られている。これらパレット容器では、取出し栓が存在する前側には、格子外套に説明板が固定されていて、その説明板にはそれぞれの充填品、充填品製造者、パレット容器の製造者、許可番号や同様なデータを付けるために、適切な情報紙或いは複数のデータ紙が貼り付けられるか、或いは貼り付けられた透明ポケットに挿入される。
【0003】
ドイツ特許第19537490号明細書(特許文献1)は格子外套を備えるパレット容器用のこの種の説明板を記載し、格子外套が丸い管として形成された水平と垂直な金属製格子棒から成り、それら格子棒が格子棒の長手方向に延びている二重壁状の口状窪みを形成する交差継目には、交差継目に互いに溶接された格子棒がほぼ一平面にあるように嵌め込まれている。格子外套に固定された説明板は外方に面取りされた或いは折り曲げられた下支持縁を有し、下支持縁が下水平格子棒に当接してこの格子棒に下方係合する一方、爪縁として形成された上縁が説明板の組み立てられた状態では上水平格子棒に説明板の弾性応力の下で下方係合する。この公知の説明板の別の実施態様では、この説明板は外縁において上横に合成樹脂締付けピン用の特別な差込みスリーブを有し、この差込みスリーブが板の組み立てられた状態ではその頭部により上水平格子棒の口状窪みに係合し、この形式にて板を固定させる。独創性確保として開き矢印状ウエブフィルム蝶番ボルトを備える押しボタンが使用され、適切な窪み内でブリキ板の上縁に押圧される。
【0004】
化学産業、薬学産業、鉱物油産業や食料品産業のすべての種類の液状品を貯蔵兼輸送するために使用される公知のパレット容器は、トラックによる輸送の際に走行軌道表面における丘或いは起伏の通過の際に生じる積込み面の捩じれの際に且つ二つの並んで立つパレット容器の相対移動による輸送車両の走行振動の際にパレット容器の説明板に貼り付けられたレッテルが隣接したパレット容器の格子外套の格子棒によって捕えられて読み難くくなるという欠点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ドイツ特許第19537490号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明の課題は、板のレッテル貼り面に貼り付けられたレッテルの最適保護に関して特に輸送並びに簡略化された組立ての際に外力作用から守る液体用輸送兼貯蔵容器のこの種の説明板の構造を再開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、この発明によると、特許請求項1の特徴事項を備える説明板によって解決される。
【0008】
従属請求項はこの発明の好ましく且つ目的に適った再現を維持する。
【0009】
この発明による説明板は、提起された課題の簡単で目的に適った解決手段を具体化させる。
【0010】
この発明は、次に図面の図に基づいて説明される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】説明板を備える液体用輸送兼貯蔵容器の斜視表示を示す。
【図2】説明板の前面図を拡大表示で示す。
【図3】図2の線III−IIIによる拡大横断面表示を示す。
【図4】図2の線IV−IVによる拡大横断面表示を示す。
【図5】図2の線V−Vによる拡大横断面表示を示す。
【図6】図2の線VI−VIによる拡大横断面表示を示す。
【図7】二つの上枠輪郭により互いに衝突する説明板の部分横断面を拡大表示で示す。
【図8】図2の矢印方向VIII−VIIIにおける説明板の拡大側面図を示す。
【図9a】図2と図8による説明板をパレット容器の格子外套に組立てる四つの連続工程における最初工程を示す。
【図9b】図2と図8による説明板をパレット容器の格子外套に組立てる四つの連続工程における第二工程を示す。
【図9c】図2と図8による説明板をパレット容器の格子外套に組立てる四つの連続工程における第二工程を示す。
【図9d】図2と図8による説明板をパレット容器の格子外套に組立てる四つの連続工程における最終工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1による使い捨てや再使用容器として使用できる液体用輸送兼貯蔵容器はパレット容器として形成されて、主構成部材として交換可能な直方体状合成樹脂製内部容器2を有し、その内部容器が前壁3、後壁4と二つの側壁5、6、流出床として形成された下床7と上床8、これに形成されてキャップ10により閉鎖できる流入接続部9と彎曲部11にて内部容器2の前壁3の下部分に形成された取出し接続部12を備えていて、この取出し接続部が内部容器2と一緒に一部材で送風型枠によって製造されていて、取出し栓13を取付けるために、さらに、交差する水平と垂直の管状金属製格子棒15、16を備える格子外套14として形成された外部外套を備えて、交差継目17に互いに溶接されていて、内部容器2を支持するために通常の正しい長さと幅の寸法を備える内部容器2並びにパレット状台座18を収容させる。
【0013】
図2乃至図8に基づく輸送容器1の格子外套14の外面19に固定すべき、限定した曲げ弾性のあるブリキ製の説明板20は、上と下枠輪郭21、22並びに二つの横枠輪郭23、24を有し、これら枠輪郭が説明板20のレッテル貼り面25を越えて突出し、レッテル貼り面を取り囲む。この説明板20はさらに、上下の外方に向いたロールとして形成された縁輪郭28、29並びに上方に向いた上開口30、内方に向く中間開口31と下方に向いた下開口32を備える二つの内方に面取りされた、或いは折り曲げられた側面縁26、27を有し、両側面縁26、27の上縁輪郭28が上開口30を介して側面縁に上方に突出し、両側面縁26、27の下縁輪郭29が下開口32を介して側面縁に下方に突出す。
【0014】
説明板20の組み立てられた状態では、上下枠輪郭21、22自体が格子外套14の上下水平格子棒15b、15aに当接し、両側面縁26、27の上、中間と下の開口30、31、32を備える説明板20が弾性応力の下で上、中間と下の水平格子棒15b、15c、15aに当接し、説明板20の両側面縁26、27の上下縁輪郭28、29が上下水平格子棒15b、15aに下方係合して、上下縁輪郭28、29を備える説明板20の両側面縁26、27がそれぞれに格子外套14の垂直格子棒16に当接する。
【0015】
説明板20の上下枠輪郭21、22がブリキ材料の重なりによって補強される。
【0016】
説明板20の両横枠輪郭23、24が中間部分33自体で中断されている。
【0017】
矩形説明板20の四隅34−37は、上下枠輪郭21、22間の丸くなった移行部38−41並びに横枠輪郭23、24によって形成されている縁保護を装備している。
【0018】
両側面縁26、27の中間部分42には、水平中間格子棒15cに説明板20を固定させるそれぞれのクリップ43が形成されていて、クリップ43が説明板20の両側面縁26、27の中間開口31の周辺に形成されてスリットされて水平中間格子棒15cに載置する固定スリーブ44と固定スリーブ44に対向位置して形成された異なった長さを備える二つの締付け舌片45、46を有する。水平中間格子棒15cに説明板20を固定させるために、両クリップ43の長い締付け舌片45が格子棒15cの周りに短い締付け舌片46に対して曲げられて、これとクリンチされている。
【0019】
説明板20の上下枠輪郭21、22が補強するために間隔を置いた彫刻部47を有する。
【0020】
この説明板20は打ち抜かれたスリット48を備えて、そのスリットはレッテル貼り面25に貼り付けられたトランスポンダ49により覆う際に容器中味を確認するために記憶されたデータを備えてアンテナ倍増器として作用する。
【0021】
図2は、異なったフォーマットを備えて、レッテル貼り面25に貼り付けられてラベルと呼ばれて記載されたレッテル50を備える説明板20を示す。
【0022】
図7は、説明板20の枠輪郭21−24によって積込み面上に並んで立つ二つの輸送容器による説明板20の引き離しを具体的に説明し、この引き離しは説明板のレッテル貼り面25の接触とそれにより板のレッテル貼り面25上に貼り付けられたレッテル50の損傷とを排除する。
【0023】
輸送貯蔵容器1の格子外套14に説明板20の図9a−9dに基づいて具体的に説明された組立ての際に、図9aに一致して、まず最初に説明板20が両側面縁26、27における下開口32と僅かに傾斜状態で矢印方向aに下水平格子棒15a上に載置されていて、下台形状枠輪郭22が外部から格子棒15aに当接し、説明板20の両側面縁26、27の下転動縁輪郭29が下水平格子棒15aを下方係合し、格子外套14の格子区分に一致して間隔を置いた二つの垂直格子棒16に当接するように設置される。引き続いて、図9bにより説明板20の上半分51は矢印方向bに、説明板の上枠輪郭21が上水平格子棒15bに設置され且つ説明板20の両側面縁26、27の上開口30が一位置を上水平格子棒15bの下に採用する幅に、内方に曲げられる。その後に、図9cに一致して、説明板20が後面52により矢印方向cに中間水平格子棒15cに対して押圧される。説明板20の弾性応力の下で、説明板20の両側面縁26、27の上開口30が上水平格子棒15b上に係合し、上枠輪郭21がさらに上水平格子棒15上を移動され、両側面縁26、27の中間開口31並びに説明板20の両クリップ43のスリットされた固定スリーブ44が中間水平格子棒15cと係合される。最終的に図9dに一致して、説明板20の両クリップ43の長い締付け舌片45が矢印方向dに中間水平格子棒15cだけ短い締付け舌片46に対して曲げられて、両クリップ43の締付け舌片45、46が互いにクリンチされるので、輸送貯蔵容器1の格子外套14において説明板20の確実な固定が保証されている。
【符号の説明】
【0024】
1.....輸送兼貯蔵容器
2.....内部容器
3.....内部容器の前壁
4.....内部容器の後壁
5.....内部容器の側壁
6.....内部容器の側壁
7.....内部容器の下床
8.....内部容器の上床
9.....上床における充填接続部
10....充填接続部のキャップ
11....前壁の彎曲部
12....内部容器の取出し接続部
13....取出し栓
14....格子外套
15....水平格子棒
15a...下水平格子棒
15b...上水平格子棒
15c...中間水平格子棒
16....垂直格子棒
17....水平格子棒と垂直格子棒の交差継目
18....台座
19....格子外套の外面
20....説明板
21....説明板の上枠輪郭
22....説明板の下枠輪郭
23....説明板の横枠輪郭
24....説明板の横枠輪郭
25....説明板のレッテル貼り面
26....説明板の側面縁
27....説明板の側面縁
28....説明板の側面縁の上縁輪郭
29....説明板の側面縁の下縁輪郭
30....説明板の側面縁の上開口
31....説明板の側面縁の中間開口
32....説明板の側面縁の下開口
33....説明板の中間部分
34−37...説明板の四隅
38....説明板の上枠輪郭と横枠輪郭の間の移行部
39....説明板の上枠輪郭と横枠輪郭の間の移行部
40....説明板の下枠輪郭と横枠輪郭の間の移行部
41....説明板の下枠輪郭と横枠輪郭の間の移行部
42....説明板の側面縁の中間部分
43....クリップ
44....固定スリーブ
45....固定スリーブにおける締付け舌片
46....固定スリーブにおける締付け舌片
47....説明板の上枠輪郭と下枠輪郭の彫刻部
48....説明板のスリット
49....トランスポンダ
50....説明板のレッテル貼り面におけるレッテル
51....説明板の上半分
52....説明板の後面
a.....説明板から下水平格子棒への載置方向
b.....説明板の上半分の曲げ方向
c.....説明板から中間水平格子棒への押圧方向
d.....固定スリーブにおける締付け舌片の曲げ方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉鎖可能な流入開口と取出し栓を備える流出開口を備える合成樹脂製の内部容器、内部容器を支持する板状台座並びに充填された内部容器を支持する金属製の水平と垂直な格子棒から成って台座に固定された格子外套を備えていて、格子棒が交差ロッドに互いに溶接されて、限定した曲げ弾性のあるブリキ製説明板が格子外套に固定されていて、液体やばら荷用の輸送兼貯蔵容器の説明板において、説明板(20)のレッテル貼り面(25)を介して外方に突出し、このレッテル貼り面(25)を取り囲む上下枠輪郭(21、22)並びに二つの横枠輪郭(23、24)、外方に向いた上下縁輪郭(28、29)を備える二つの面取りされた或いは折り曲げられた側面縁(26、27)並びに上方に向いた上開口(30)、内方に向いた中間開口(31)と下方に向いた下開口(32)を備えていて、両側面縁(26、27)の上縁輪郭(28)が上開口(30)を介して側面縁において上方に突出し、両側面縁(26、27)の下縁輪郭(29)が下開口(32)を介して側面縁において下方に突出し、説明板(20)の組み立てられた状態では、上下枠輪郭(21、22)自体がそれぞれに格子外套(14)の上下水平格子棒(15b、15a)に当接し、両側面縁(26、27)の上開口、中間開口と下開口(30、31、32)を備える説明板(20)が説明板(20)の弾性応力の下で上、中間と下水平格子棒(15b、15c、15a)に当接し、説明板(20)の両側面縁(26、27)の上下縁輪郭(28、29)が上下水平格子棒(15b、15a)に下方係合し、説明板(20)の両側面縁(26、27)が上下縁輪郭(28、29)によりそれぞれに格子外套(14)の垂直格子棒(16)に当接することを特徴とする説明板。
【請求項2】
上下枠輪郭(21、22)がブリキ材料の重ねにより製造されていることを特徴とする請求項1に記載の説明板。
【請求項3】
両横枠輪郭(23、24)が説明板(20)の中間部分(33)において中断されていることを特徴とする請求項1或いは2に記載の説明板。
【請求項4】
説明板(20)の側面縁(26、27)の上下縁輪郭(28、29)がロールとして形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の説明板。
【請求項5】
上下枠輪郭(21、22)並びに横枠輪郭(23、24)の間の丸くなった移行部(38−41)によって矩形或いは直方形説明板(20)の四隅(34−37)を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の説明板。
【請求項6】
水平中間格子棒(15c)に説明板(20)を固定するために両側面縁(26、27)の中間部分(42)に配置されたそれぞれ一つのクリップ(43)を備えて、クリップ(43)が水平中間格子棒(15c)に載置するために説明板(20)の両側面縁(26、27)の中間開口(31)の周辺に側面縁に形成された、或いは溶接されたスリットされた固定スリーブ(44)とこの固定スリーブ(44)に対向位置して形成されて異なった長さを備える二つの締付け舌片(45、46)とを有し、水平中間格子棒(15c)に説明板(20)を固定させるために、長い締付け舌片(45)が格子棒(15c)の周りに短い締付け舌片(46)に対して曲げられてこの締付け舌片と連結されて、特にクリンチされていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の説明板。
【請求項7】
上下枠輪郭(21、22)が補強するために間隔を置いた彫刻部(47)を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の説明板。
【請求項8】
説明板(20)から打ち抜かれた少なくとも一つのスリット(48)を備えていて、そのスリットが説明板のレッテル貼り面(25)上に貼り付けられたトランスポンダ(49)によって覆う際に容器中味を確認するために記憶されたデータを備えてアンテナ倍増器として作用することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の説明板。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9a】
image rotate

【図9b】
image rotate

【図9c】
image rotate

【図9d】
image rotate


【公開番号】特開2010−58842(P2010−58842A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−162819(P2009−162819)
【出願日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(504119273)プロテヒナ・ソシエテ・アノニム (13)
【Fターム(参考)】