説明

液体包装容器用急冷却装置

【課題】液体包装容器用冷却装置を開示する。
【解決手段】前記冷却装置は、急速な冷却を実現して、液体包装容器に入っている水の冷却時間を短縮することができるように構成される。本発明が開示する冷却装置は、冷媒を高温高圧にする圧縮器、圧縮器から伝達される冷媒を液体状態にする凝縮器、凝縮器から伝達される冷媒の蒸発が容易に行われるように圧力を低くする膨張バルブ、前記膨張バルブから伝達される液体状態の冷媒を急速に蒸発させて、熱交換が急速に行われるようにする蒸発器を含み、前記蒸発器の上側に液体包装容器が直接接触して置かれて、前記蒸発器の熱交換が直接液体包装容器に伝達されるようにしている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体包装容器用急冷却装置に関し、より詳細には、液体包装容器に入っている水、飲み物、酒などを、容器に入ったままの状態で冷却することができるようにした、冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、冷水器や温水器、または冷温水器は、水道管と直接連結して水の供給を受けるタイプや、水を特定の容器に入れておいてその容器から水の供給を受けるタイプがある。
【0003】
このような装置は、いずれも、浄水手段を付加して、水に含まれている異物や細菌をろ過して飲めるようにしている。
【0004】
しかし、このような冷水供給装置及び温水供給装置は、いずれのタイプも水を保存槽に保存した状態で冷却したり加熱して、冷水や温水にしている。
【0005】
このように保存槽を使用する構造の装置は、容器に入っている水が清潔に浄水されたとしても、保存槽に入っている状態で大気に露出されるので、保存槽に細菌が繁殖したり、保存槽に細菌が侵入する場合、実質的に清潔でない水を使用者に供給するようになる。
【0006】
したがって、このような非衛生的な問題点を解決するための手段として、浄水された水が入っている容器から直接水の供給を受けて使用することができるようにしている。
【0007】
いわゆる液体包装容器(BagIn Box)は、繊維質ボックスの内側にビニールバックが入っていて、このビニールバックに浄水された水が入っている構造からなって、このビニールバックにコックが設置されて、水を外部に排出することができる構造からなっている。
【0008】
しかし、このような液体包装容器方式の水供給装置は、従来の保存槽を使用する水供給装置に比べて、水を衛生的に供給することができる利点はあるが、この液体包装容器に入っている水を冷却したり加熱するのが難しい。
【0009】
このような理由から、液体包装容器方式の水供給装置が衛生面では有利であるにもかかわらず、容器から水を保存槽に送って、この保存槽で水を冷却したり加熱する方式の水供給装置を利用している実情である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記従来の技術の問題点を解決するために発明されたもので、本発明の目的は、液体包装容器に入っている水、飲み物、酒などの液体を直接急冷却することができる液体包装容器用急冷却装置を提供することにある。
【0011】
本発明の他の目的は、前記液体包装容器をさらに急速に冷却することができる急冷却装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記本発明の目的を実現するための液体包装容器用急冷却装置は、冷媒を圧縮、膨張、及び蒸発させて熱交換を行う熱交換手段と、前記熱交換手段の熱交換によって冷却される冷却熱を保存する冷却板とを含み、前記冷却板は、液体包装容器と直接接触して、接触面積を増大させる形状からなる。
【0013】
前記冷却板は、半球形状に形成されて、その中央部が前記液体包装容器の内側に進入するように構成される。
【0014】
前記熱交換手段は、蒸発器及び圧縮器の間を連結する冷媒循環管路に急冷却手段が提供される。
【0015】
前記急冷却手段は、前記冷媒循環管路が切断されて、膨張バルブから供給される液体の冷媒が熱交換チャンバーの内側面に衝突して、気化作用が急速に行われるようにしている。
【0016】
前記液体包装容器が置かれる支持プレートは、この容器内の液体が残らず全て排出されるように、ケースの上方向に傾いて配置される。
【発明の効果】
【0017】
本発明による液体包装容器用急冷却装置は、ビニールバックに入っている液体を外部に送らずにバックに入っている状態で冷却することができるので、従来の冷却装置の非衛生的であった問題点を解決することができる。
【0018】
特に、本発明による冷却装置は、冷媒を冷却チャンバーの内側面に噴射して衝突させるので、冷媒の気化作用が急速に行われて、冷却チャンバーの内部の熱を迅速に奪うようになるので、冷却チャンバー全体を急速に冷却して、この冷却チャンバーを液体が入っているバックが囲むようにするので、バックの内部に入っている水、飲み物、酒などの液体を急速に冷却することができる長所がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の好ましい実施例を添付した図面を参照してより詳細に説明する。
【0020】
図1は本発明による液体包装容器用急冷却装置の斜視図であり、図2は本発明の液体包装容器用急冷却装置に液体包装容器が置かれた状態を示した図面であり、図3は本発明の液体包装容器が冷却される過程を説明するための図面である。
【0021】
図1及び図2で、ケーシング2は、ほぼ四角形の筒形状であり、前方には水を受けるためのカップなどを置いておく支持台4が形成されている。
【0022】
前記ケーシング2の上側板6は前方に傾いて設置されていて、この上側板6の前方には、固定溝8が形成された固定板10が突出している。
【0023】
前記上側板6には、冷却板12が円形状に突出して、図2に示したように、液体包装容器(P)が上側板6に置かれると、この冷却板12が液体包装容器によって囲まれるように構成されている。
【0024】
本実施例による冷却装置に使用される液体包装容器(P)は、図4に示したように、紙材質の外側包装(P1)、この外側包装の内側に位置して、実質的に液体が入っている合成樹脂材質の内側包装(P2)からなり、前記外側包装の一側面に開口14が形成され、この開口を通じて前記内側包装が露出するように構成されている。このような液体包装容器には、水、飲み物、酒などが入っている。
【0025】
また、前記内側包装(P2)には、一般に冷温水器に使用されているコック16が設置されている。
【0026】
図2に示したように、液体包装容器(P)が上側板6に置かれると、図3に示したように、冷却板12は、前記液体包装容器の開口14側に進入して内側包装(P2)を押し上げるようになるので、実質的に内側包装が冷却板12を囲む形態になる。
【0027】
前記冷却板12は、上側板6に固定されて大気に露出され、ほぼ球形状に形成されていて、合成樹脂材質の前記内側包装(P2)と面接触が容易に行われるように構成されている。
【0028】
前記冷却板12は、本発明の熱交換手段によって急速に冷却されることができる。本実施例による前記熱交換手段は、前記ケーシング2の内側に形成され、冷媒を高温高圧に圧縮する圧縮器20、前記圧縮器20で圧縮された気体状態の冷媒の伝達を受けて、液体状態の冷媒にする凝縮器22、そして凝縮された冷媒の蒸発が容易に行われるように、この冷媒の圧力を低くする膨張バルブ24、そしてこの膨張バルブから冷媒の伝達を受けて、冷却板の内側面に噴射して衝突させて、急速な蒸発作用が行われるようにする蒸発器26、及びこの蒸発器26及び前記圧縮器20を連結して、冷媒が純化されるようにする冷媒帰還管路28を含む。
【0029】
図5は本発明による熱交換手段の蒸発器26の構造をより詳細に説明するための図面であって、この蒸発器には、前記冷却板12の急冷却を実現するための技術的手段が提供されている。
【0030】
このために、前記冷却板12は、前記上側板6から上方向に半球形状で突出して、冷却チャンバー13を構成している。
【0031】
そして、前記膨張バルブ24及び蒸発器26を連結している冷媒循環管路30を前記冷却チャンバー13の内側に進入させて、この冷媒循環管路の端部が前記冷却チャンバー13内に露出するようにしている。
【0032】
本実施例では、前記冷媒循環管路30の端部が前記冷却板12のふくらんだ部分の中央部に向かって冷媒を衝突させることができるように、この冷媒循環管路が冷却板の中央部の下方に近く隣接して配置されている。
【0033】
そして、前記冷媒帰還管路28の端部を前記冷媒チャンバー13に位置させて、前記冷媒循環管路30で蒸発して気化する冷媒を再び圧縮器20に送ることができるように構成されている。
【0034】
図面符号Sは、冷却チャンバー13内の温度を感知して、図示していない制御部にその信号を送るための温度感知センサーである。
【0035】
このように構成される本発明の液体包装容器用急冷却装置は、制御部が圧縮器20を駆動させるようになると、冷媒が高温高圧に圧縮されて、凝縮器22及び膨張バルブ24を経由して冷媒循環管路30に沿って流れて前記蒸発器26の冷却チャンバー13に供給される。
【0036】
前記冷却チャンバー13の内側に進入している冷媒循環管路30の端部がこの冷却チャンバーの内側に露出されているので、この管路に沿って流れた冷媒は、この冷媒循環管路30の端部を通過して、冷却チャンバー13の内側面に衝突するようになり、この過程で冷媒の細粒化によって冷媒の気化作用が急速に行われるようになる。
【0037】
つまり、冷媒が急速に蒸発し、この過程で蒸発する冷媒は、前記冷媒チャンバー13内にある熱を奪って熱交換が行われるようになるので、この冷却チャンバーは急速に冷却される。
【0038】
しかし、本発明による前記冷媒循環管路30は、特に前記冷却板12の中央部の下方からふくらんだ部分に向かって冷媒を噴射するようになるので、この冷媒は、図5に示したように、冷却板12の中央部に衝突して、この冷却板の内側面に沿って流れて下方に拡散する。この過程で冷媒はさらに細粒化されて、気化作用が促進される。
【0039】
したがって、前記冷却板12は、急速に冷却されて、前記冷却チャンバー13の内部も急速に温度が低くなる。
【0040】
そして、この時に気化した冷媒は、前記冷却チャンバー13の内側に端部が位置している冷媒帰還管路28を通じて圧縮器20に戻って圧縮されて、前記過程を繰り返すようになる。
【0041】
このように、本発明による熱交換手段は、閉サイクルを構成して、循環する通常の冷凍サイクルとは異なって、冷媒循環管路を通じて流れた冷媒が冷却チャンバーの内部の冷却面に衝突して急速に拡散及び蒸発されるようにしているので、この時に冷媒の気化作用が迅速に行われて周囲の熱を奪って、冷媒チャンバーの内部の温度を急速に低くすることができる。
【0042】
したがって、前記冷却チャンバー13を構成している冷却板12に図3に示したように液体包装容器(P)を置いておくと、液体包装容器の内側包装(P2)がこの冷却板12を囲む状態になって実質的に接触面積が広くなるので、前記内側包装に入っている液体と熱交換が迅速に行われるようになる。
【0043】
このような熱交換作用で液体包装容器内の液体を冷却させることができる。
【0044】
そして、本実施例による冷却装置は、前記上側板6がコック16のある方向に傾いているので、前記上側板に置かれている液体包装容器に入っている液体は、全てコックを通じて排出される。
【0045】
そして、前記上側板の前方に固定溝8を形成して、液体包装容器(P)のコック部分を固定することができるようにしているので、特別な固定手段を使用せずに単純に包装容器を上側板に置いておくだけでも、安定して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明による急冷却装置の斜視図である。
【図2】本発明による急冷却装置に液体包装容器が置かれた状態を示した斜視図である。
【図3】本発明による冷却装置の冷却作用を説明するための図面である。
【図4】本発明に適用される液体包装容器の断面図である。
【図5】本発明による熱交換手段の主要部の拡大断面図である。
【符号の説明】
【0047】
2 ケーシング
6 上側板
8 固定溝
10 固定板
12 冷却板
13 冷却チャンバー
14 開口
16 コック
20 圧縮器
22 凝縮器
24 膨張バルブ
26 蒸発器
28 冷却帰還管路
30 冷却循環管路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングの上側に位置する冷却板と、
冷媒を液体状態及び気体状態に変化させて循環させて、前記冷却板を冷却する熱交換手段とを含む装置であって、
前記熱交換手段は、冷媒を高温高圧に圧縮する圧縮器と、
前記圧縮器で圧縮された冷媒を液体状態にする凝縮器と、
前記凝縮器から伝達される冷媒の圧力を低くして、蒸発を容易にする膨張バルブと、
前記膨張バルブから伝達される冷媒が内側面に噴射されて衝突して、気化作用が促進されて急速な熱交換が行われるようにする冷却チャンバーとを備えたことを特徴とする、液体包装容器用急冷却装置。
【請求項2】
前記冷却板は球形状で突出することを特徴とする、請求項1に記載の液体包装容器用急冷却装置。
【請求項3】
前記ケーシングは、上部に上側板が位置して、前記上側板が前方に傾いて液体包装容器内の液体が一方向に移動することができることを特徴とする、請求項1に記載の液体包装容器用急冷却装置。
【請求項4】
前記冷却チャンバーの内側に冷媒循環管路の端部が位置して、前記冷却チャンバーの内部に冷媒を蒸発させることを特徴とする、請求項1に記載の液体包装容器用急冷却装置。
【請求項5】
前記冷却板の中央部に冷媒循環管路の端部が位置して、蒸発した冷媒が前記冷却板の内側面に沿って流れることを特徴とする、請求項1に記載の液体包装容器用急冷却装置。
【請求項6】
前記冷却チャンバー及び前記圧縮器は、前記冷媒チャンバーに端部が露出している冷媒帰還管路に連結されることを特徴とする、請求項1に記載の液体包装容器用急冷却装置。
【請求項7】
前記液体包装容器は、外側包装及内側包装からなって、前記外側包装の一側面に開口が形成されて、内側包装の一部分が露出して前記冷却板と接触することを特徴とする、請求項3に記載の液体包装容器用急冷却装置。
【請求項8】
前記熱交換手段には、前記冷却チャンバーの内部の温度を測定するための温度感知センサーが設置されることを特徴とする、請求項1に記載の液体包装容器用急冷却装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−128630(P2008−128630A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−265546(P2007−265546)
【出願日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(505002107)ウィニクス インク (2)
【Fターム(参考)】