説明

液体吐出装置及び吐出検出方法

【課題】複雑な構造を用いずに、液体の吐出状態の検出精度を向上させることができる液体吐出装置及び吐出検出方法を提供すること。
【解決手段】一形態に係る液体吐出装置は、ヘッドと、信号発生部と、制御部とを具備する。前記ヘッドは、液滴を吐出することが可能である。前記信号発生部は、検出光を発生し、前記ヘッドから吐出される前記液滴が、前記検出光の光束を通ることにより、前記液滴の飛翔速度に対応する時間長を持つ電気信号を発生する。前記制御部は、前記検出光の光束内に一時に複数の液滴が通るように、前記ヘッドが前記複数の液滴を連続して吐出した時の、前記信号発生部により発生される前記電気信号のレベルに基づき、前記液滴の吐出の状態を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、ヘッドから液体を吐出する液体吐出装置及びその吐出状態を検出する吐出検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
インジェット方式によるプリンタでは、乾燥によりインクの粘度が増したり、ゴミ等がヘッドのノズル(吐出孔)に付着したりすることがある。これにより、インクの吐出速度が低下したり、その吐出方向が偏向したり、さらには吐出できなくなる等、吐出異常が生じる場合がある。このような吐出異常により、印画画質の劣化を招くことになる。
【0003】
このような吐出異常の問題を解決するために、特許文献1に記載のインクジェット記録装置は、発光素子及び受光素子を用いて、インク滴の吐出を検出している。具体的には、発光素子から出射された光を、インク滴が横切るように飛翔することでその光が遮られ、受光素子に届く光量が低下する。このように光量の変化が検出されることにより、ノズルごとにインクが吐出されたかどうかが検出される(例えば、特許文献1の明細書段落[0011]参照)。
【0004】
特許文献2に記載の印刷装置は、2組の発光素子及び受光素子を備えている。それぞれの発光素子及び受光素子間の光束は、インク滴の飛翔方向に沿って上流側及び下流側に設けられている。各受光素子間の距離、及び、各受光素子でそれぞれ検出されたインク滴の通過時刻の差から、光束間を通るインク滴の飛翔速度が測定される。そして、この装置は、測定された飛翔速度が閾値より低い場合には、インクの粘度が通常より高いと判断し、フラッシング(空打ち)処理を行うことにより、粘度の高いインクを排出する(例えば、特許文献2の明細書段落[0070]、[0087]、図8参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−269549号公報
【特許文献2】特開2000−272134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2の装置は、2組の発光素子及び受光素子を用いているため、液体の検出器の構造が複雑になる。
【0007】
これらのような液体吐出装置では、印画画質の劣化を防ぐため、液体の吐出状態の検出精度を向上させることが望まれる。
【0008】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、複雑な構造を用いずに、液体の吐出状態の検出精度を向上させることができる液体吐出装置及び吐出検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、一形態に係る液体吐出装置は、ヘッドと、信号発生部と、制御部とを具備する。
前記ヘッドは、液滴を吐出することが可能である。
前記信号発生部は、検出光を発生し、前記ヘッドから吐出される前記液滴が、前記検出光の光束を通ることにより、前記液滴の飛翔速度に対応する時間長を持つ電気信号を発生する。
前記制御部は、前記検出光の光束内に一時に複数の液滴が通るように、前記ヘッドが前記複数の液滴を連続して吐出した時の、前記信号発生部により発生される前記電気信号のレベルに基づき、前記液滴の吐出の状態を判定する。
【0010】
信号発生部は、液滴の飛翔速度に対応する時間長を持つ電気信号を発生する。この場合に、検出光の光束内に一時に複数の液滴が通るように、ヘッドから液滴が連続して吐出されると、飛翔速度が低いほど、信号発生部からの電気信号のレベルが高くなる。すなわち、信号発生部は、飛翔速度に応じたレベルを持つ電気信号を発生することができる。これにより、複雑な構造を用いずに、液体の吐出状態の検出精度を向上させることができる。
【0011】
前記制御部は、前記液滴が連続して吐出された時の前記信号発生部により発生される前記電気信号のレベルと、閾値とを比較することで、前記液滴の吐出の状態を判定してもよい。閾値判定により、液体の吐出状態の検出精度を向上させることができる。
【0012】
前記制御部は、第1の閾値及びこの第1の閾値より高い第2の閾値を、前記閾値として用い、前記発生される電気信号のレベルが、前記第1の閾値を超え、かつ、前記第2の閾値以下の場合、前記液滴は正常に吐出されていると判定してもよい。また、制御部は、前記発生される電気信号のレベルが、前記第1及び前記第2の閾値の両方を超える場合、吐出異常が発生していると判定する。閾値を少なくとも2つ設けることにより、液体の吐出状態を段階的に検出することができる。
【0013】
前記液体吐出装置は、前記信号発生部により発生された前記電気信号が入力されるバンドパスフィルタをさらに具備してもよい。電気信号のリップル成分を抽出するようにバンドパスフィルタを設定することにより、液滴の吐出状態の判定が容易になる。
【0014】
前記液体吐出装置は、前記信号発生部により発生されたアナログの前記電気信号をデジタル信号に変換するAD変換器をさらに具備してもよい。
【0015】
前記ヘッドは、一方向に配列された複数のノズルを有してもよい。この場合、前記信号発生部は、前記検出光を発生する発光器及び検出光を受ける受光器を含む光センサを有する。また、前記液体吐出装置は、前記光センサを前記複数のノズルの配列方向へ、前記ヘッドに相対的に移動させる移動機構をさらに具備する。移動機構が光センサをヘッドに相対的に移動させることにより、複数のノズルからの液体の吐出の状態を検出することができる。
【0016】
一形態に係る吐出検出方法は、検出光を発生することを含む。
ヘッドから吐出される液滴が、前記検出光の光束を通ることにより、前記液滴の飛翔速度に対応する時間長を持つ電気信号が発生される。
前記検出光の光束内に一時に複数の液滴が通るように、前記ヘッドが前記複数の液滴を連続して吐出した時の、前記発生される電気信号のレベルに基づき、前記液滴の吐出の状態が判定される。
【発明の効果】
【0017】
以上、本技術によれば、複雑な構造を用いずに、液体の吐出状態の検出精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本技術の一実施形態に係る液体吐出装置の構成を示す概略的な側面図である。
【図2】図2は、液体吐出装置のうち、液体吐出ヘッド及びその周辺部の構成を概略的な正面図である。
【図3】図3は、液体吐出ヘッドのノズル(インクの吐出孔)が配置される側の一部を示す平面図である。
【図4】図4は、液体検出ユニットを示す斜視図である。
【図5】図5は、検出ブロックを示す斜視図である。
【図6】図6は、光センサ、開口板等の配置関係を示す斜視図である。
【図7】図7は、液体検出ユニットをライン型の液体吐出ヘッドの長手方向(X軸方向)に沿って移動させる移動機構を示す斜視図である。
【図8】図8は、液体吐出ヘッドから液体の吐出状態を検出する吐出検出システムの構成を示すブロック図である。
【図9】図9は、3つのノズル(No.1〜3)からそれぞれ吐出される液滴を、光センサにより検出した時の、光センサまたは増幅器により得られる電気信号の例を示す。
【図10】図10は、本実施形態による液体の吐出状態の検出例を示す。
【図11】図11A〜Dは、実施形態1に係る吐出検出システムにより生成される各種の電気信号を示す。
【図12】図12A及びBは、実験により増幅器で得られた電圧信号の波形をそれぞれ示す。
【図13】図13は、他の実施形態に係る吐出検出システムの構成を示すブロック図である。
【図14】図14A〜Dは、この吐出検出システムにより生成される各種の電気信号を示す。
【図15】図15は、さらに別の実施形態に係る吐出検出システムの構成を示すブロック図である。
【図16】図16A〜Cは、本技術との比較例1として、1滴の液滴を検出して、吐出状態を検出する例を示す。
【図17】図17A〜Dは、本技術との比較例2として例えば特許文献2に記載された構造により得られる各種信号の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しながら、本技術の実施形態を説明する。
【0020】
[液体吐出装置の構成]
図1は、本技術の一実施形態に係る液体吐出装置の構成を示す概略的な側面図である。図2は、液体吐出装置のうち、液体吐出ヘッド及びその周辺部の構成を概略的な正面図である。
【0021】
液体吐出装置1は、給紙ユニット100、液体吐出ユニット200、プラテン300、吸引ユニット400及び液体検出ユニット500(図2参照)を備える。
【0022】
給紙ユニット100は、記録シート1000として用いられたカット紙及びロール紙を供給する。給紙ユニット100は、記録シート1000のうちロール紙が装填される給紙トレイ11と、記録シート1000のうちカット紙が装填される手差しトレイ12とを有する。
【0023】
液体吐出ユニット200は、給紙されて搬送される記録シート1000に画像を記録する機能を有する。
【0024】
液体吐出ユニット200は、液体を吐出可能なヘッドとして、液体吐出ヘッド21を有する。この液体吐出ヘッド21は、X軸方向に沿って延びる長い形状を有しており、すなわちライン型ヘッドである。
【0025】
図3は、液体吐出ヘッド21のノズル(インクの吐出孔)が配置される側の一部を示す平面図である。
【0026】
液体吐出ヘッド21は、複数色の異なる液体(インク)をそれぞれ吐出するモジュールヘッド22、22、・・・を有する。1つのモジュールヘッド22は、X軸に沿って延びる長い形状を有している。これらモジュールヘッド22、22、・・・は、X及びY軸方向に沿って配列されている。
【0027】
モジュールヘッド22、22、・・・の下面は、それぞれプラテン300の上面に対向する液体吐出面22a、22a、・・・として形成されている。1つの液体吐出面22a(1つのモジュールヘッド22の下面)には、複数のヘッドチップ23、23、・・・がジグザグに配置されている。1つのヘッドチップ23にはインクを吐出する図示しないノズルが複数設けられている。1つのヘッドチップ23内のこれらのノズルは、X軸方向に沿って一直線状に配列されている。
【0028】
液体吐出ヘッド21には図示しない複数の電気熱変換素子が設けられている。画像情報に基づいて電気熱変換素子が選択的に駆動され、電気熱変換素子の発熱によりインク中に生じた膜沸騰の圧力によって、各ノズルの孔からインクが吐出される。
【0029】
液体吐出ヘッド21は枠状に形成されたヘッドフレーム24に外周側から覆われた状態でこれに保持されている。
【0030】
給紙ユニット100及び液体吐出ユニット200の間には、図1に示すように、給紙ユニット100側から、給紙ローラ13及びこれに対向する給紙ピンチローラ14、搬送ローラ16及びこれに対向するピンチローラ17が配置されている。給紙ピンチローラ14及びピンチローラ17の間には、エッジセンサ15が配置されている。給紙ローラ13及び搬送ローラ16は、図示しない駆動モータによってそれぞれ駆動される。
【0031】
搬送ローラ16には、図示しないエンコーダ及びエンコーダセンサが取り付けられている。エンコーダ及びエンコーダセンサによって記録シート1000の搬送速度が検出され、検出された搬送速度に基づいて、液体吐出ヘッド21から吐出されるインクの吐出タイミングが、その搬送速度に同期するように制御される。
【0032】
液体吐出ユニット200を挟んで搬送ローラ16及びピンチローラ17のセットの反対側には搬送ローラ18及びピンチローラ19のセットが配置されている。搬送ローラ18は、図示しない駆動モータによって駆動される。
【0033】
プラテン300は、液体吐出ユニット200の下方に対向して配置され、記録シート1000を保持する機能を有している。プラテン300の上面は、搬送される記録シート1000を保持する保持面31として形成されている(図2参照)。
【0034】
プラテン300は、図示しない駆動機構によって液体吐出ユニット200の液体吐出面22a、22a、・・・に接離する方向(Z軸方向)へ移動可能になっている。
【0035】
吸引ユニット400は、記録シート1000をプラテン300において吸着するための吸引力を発生する機能を有する。吸引ユニット400は、吸引ファン41及びエア吸引路42を有する。
【0036】
吸引ファン41が回転すると、エア吸引路42を介してプラテン300からエアが吸引され、記録シート1000がプラテン300において吸着されて保持面31により保持される。このとき、記録シート1000は、その搬送に支障がないような吸引力によってプラテン300の保持面31に吸着される。
【0037】
吸引ユニット400は、上記の図示しない駆動機構により、プラテン300と一体となってZ軸方向(上下方向)へ移動可能となっている。
【0038】
液体検出ユニット500は、液体吐出ユニット200のノズルから吐出される液体の吐出状態を検出する機能を主に有する。典型的には、液体検出ユニット500により飛翔する液滴が検出され、液体検出ユニット500に電気的に接続された後述する吐出検出システムにより、液体の吐出が正常であるか異常であるかが判定される。
【0039】
液体検出ユニット500は、図2に示すように、液体吐出ヘッド21の液体吐出面22a、22aに対向する位置に配置可能とされる。液体吐出装置1により記録シート1000に印画されているときは、液体検出ユニット500は液体吐出面22a、22a、・・・に対向しない位置である待機位置に待機している(図2参照)。
【0040】
図4は、液体検出ユニット500を示す斜視図である。液体検出ユニット500は、検出ブロック52と、クリーニングブロック56と、これらを一体的に支持する支持ベース51とを備える。図5は、検出ブロック52を示す斜視図である。
【0041】
支持ベース51は、本体51aと、この本体51aの、Y軸方向における一端部に設けられたスライド軸受51b、51bとを有する。これらスライド軸受51b、51bは、この液体検出ユニット500のスキャン方向であるX軸方向において互いに離れて設けられている。支持ベース51には、スライド軸受51bの下方であって外方に突出されたベルト取付部51cが取り付けられている。本体51aの、Y軸方向における他端部にはスライドローラ51dが回転可能に設けられている。スライドローラ51dの近傍の位置にエンコーダセンサ51eが配置されている。
【0042】
図5に示すように、検出ブロック52は、支持体52aを有する。支持体52aは、Y軸方向に沿って延びるベース部52bと、そのY軸方向における両端でこのベース部52bから上方に突出した突出部52c、52cとを有する。ベース部52bは、液体吐出ヘッド21から吐出される液体の受け皿として機能する。突出部52c、52cには、X軸方向で離れて2つずつの挿入貫通孔が設けられている。これらの挿入貫通孔に、2つの光センサ53、54が挿入されて配置されている。
【0043】
支持体52aにおける突出部52c、52cの互いに対向する側面には、開口板52d、52dが取り付けられている。開口板52dの、挿入貫通孔に対向する位置に、透過孔52e、52eがそれぞれ形成されている。
【0044】
図6は、光センサ53、54、開口板52d、52d等の配置関係を示す斜視図である。開口板52d、52dの互いに対向する側面には、汚れ防止板52f、52fがそれぞれ取り付けられている。汚れ防止板52f、52fは、赤外光を透過する材料によって形成されている。汚れ防止板52f、52fが設けられることにより、液体吐出ヘッド21から吐出される液体が滴下されたときに発生する可能性のあるインク液滴のミスト等が、開口板52d、52dに付着して汚れることが防止される。
【0045】
光センサ53、54は透過型のセンサである。光センサ53は、発光器531と、受光器532とを有する。光センサ54は、発光器541と、受光器542とを有する。一方の突出部52cに、光センサ53の発光器531と、光センサ54の受光器542とが取り付けられている。そして、もう一方の突出部52cに、光センサ54の発光器541と、光センサ53の受光器532とが取り付けられている。つまり、発光器531及び541が発する検出光の進む向きが互いに逆となっている。これにより、受光器532が、発光器541からの光を受光することを防止でき、また、受光器542が、発光器531からの光を受光することを防止できる。
【0046】
発光器531、541、受光器532、542として、例えばLED(Light Emitting Diode)が用いられる。LEDに代えてLD(Laser Diode)でもよい。光センサ53、54の検出光として赤外光が用いられるが、可視光などでもよい。
【0047】
液体吐出ヘッド21から吐出される液滴が、発光器531、541から発せられる検出光の光束を通ることで、液体吐出ヘッド21からの液滴が飛翔していることが検出される。
【0048】
X軸方向、すなわち液体検出ユニット500が移動する(スキャンする)方向で、2つの光センサ53、54が設けられることにより、液滴の飛翔の検出処理速度を向上させることができる。
【0049】
検出ブロック52のY軸方向の幅は、液体吐出ヘッド21のY軸方向の幅と実質的に同じか、それより大きく設定されている。
【0050】
図4及び5に示すように、支持体52aのベース部52bには吸収体52gが挿入されて保持されている。吸収体52gは液体吐出ヘッド21から吐出されるインクが滴下されたときに、インクがミストになる前にこのインクを吸収する。吸収体52gが設けられることにより、ミストの存在による検出ブロック52における誤検出の発生が防止され、また、ミストによる液体吐出装置1の内部構造の汚染を防止できる。
【0051】
図4に示すように、クリーニングブロック56は、クリーナ56cと、これを回転可能に保持するクリーナホルダ56bとを有する。クリーナ56cは、液体吐出ヘッド21の液体吐出面22a、22a、・・・に接触し、液体吐出面22a、22a、・・・に付着した塵埃等を除去する機能を有する。液体吐出ユニット200及びプラテン300の間で、後述するように、液体検出ユニット500が移動するときに、クリーナ56cが液体吐出面22a、22a、・・・へ接触する。
【0052】
図7は、この液体検出ユニット500をライン型の液体吐出ヘッド21の長手方向(X軸方向)に沿って移動させる移動機構を示す斜視図である。
【0053】
移動機構57は、モータを含む駆動部57aを有する、駆動部57aには、無端ベルト57bが接続されている。無端ベルト57bには、上記したベルト取付部51cを介して液体検出ユニット500が接続されている。液体検出ユニット500のスライド軸受51b、51bには、ガイド軸57cが挿通されている。また、液体検出ユニット500は、ガイドレール57dにスライド可能に接続されている。駆動部57aが無端ベルト57bを駆動することにより、液体検出ユニット500は、ガイド軸57c及びガイドレール57dに沿って移動可能となっている。
【0054】
移動機構は、このようなベルト駆動機構に限られず、ボールネジ駆動機構、あるいはリニアモータ駆動機構、ラックアンドピニオン駆動機構等であってもよい。
【0055】
支持ベース51(図4参照)の下部には、X軸方向に沿って延びる図示しないスケールが設けられている。エンコーダセンサ51eがこのスケールを読み取ることにより、移動機構57を制御するシステムは、液体検出ユニット500のX軸方向での任意の位置を認識する。移動機構57は、液体吐出ヘッド21のX軸方向の幅と実質的に同じか、あるいはそれより長い距離分、液体検出ユニット500を移動させるように構成されている。したがって、後述する吐出検出システムは、液体吐出ヘッド21のすべてのノズルからの液滴の吐出状態を認識することが可能となっている。
【0056】
[吐出検出システムの実施形態1]
図8は、液体吐出装置1が備える、液体吐出ヘッド21から液体の吐出状態を検出する吐出検出システムの構成を示すブロック図である。
【0057】
吐出検出システムは、ヘッド駆動回路25、LEDドライバ26、電流/電圧変換器27、増幅器28、電圧比較器65、66、CPU30等を有する。
【0058】
ヘッド駆動回路25は、液体吐出ヘッド21による図示しない吐出機構(上述の電気熱変換素子等)を駆動する。
【0059】
LEDドライバ26は、発光器531、541を駆動して、これらに検出光を発生させる。
【0060】
CPU30は、これらヘッド駆動回路25、LEDドライバ26、上記した移動機構57の駆動部57a、あるいは、液体吐出装置1内のその他のシステムに制御信号を出力する。
【0061】
電流/電圧変換器27は、受光器532、542で検知された電流を電圧に変換する。増幅器28は、この電圧の信号を増幅する。
【0062】
電圧比較器65は、増幅器28により得られた電圧信号を、閾値(第1の閾値)と比較し、比較により得られる信号を出力する。電圧比較器66は、増幅器28により得られた電圧信号を、閾値(第2の閾値)と比較し、比較により得られる信号を出力する。
【0063】
CPU30には、電圧比較器65、66により得られた信号が入力される。CPU30は、その信号に基づいて、例えばヘッド駆動回路25を制御する。
【0064】
次に、このように構成された吐出検出システムの動作を説明する。
【0065】
液体検出ユニット500がX軸方向にスキャンしながら、液体の吐出状態を検出する方法としては、様々な方法がある。例えば、図2を参照して、Y軸方向に沿って配列される、つまり、1つの光センサ53(または54)の検出光の光軸に沿って配列されるノズルの1つ1つの吐出タイミングをずらして、吐出状態を検出する方法がある。この場合、Y軸方向の1列のノズルの組ごとに、液体検出ユニット500がステップ送りでX軸方向に移動すればよい。
【0066】
あるいは、X軸方向に長い1つのモジュールヘッド22ごとに、かつ、そのうち1つのノズルごとにX軸方向に順に吐出状態を検出することも可能である。この場合、液体検出ユニット500は、モジュールヘッド22のY軸方向での数分、すなわち図3では5回、X軸方向で移動することになる。この場合、液体検出ユニット500は、X軸方向に、ステップ送りでスキャンしてもよいし、連続的に(滑らかに)移動してスキャンしてもよい。
【0067】
図9は、3つのノズル(No.1〜3)からそれぞれ吐出される液滴を、光センサ53または54により検出した時の、光センサ53(または54)により得られる電気信号(光量に対応する信号)の例を示す。これは、1つのノズルから1滴の液滴が吐出された場合を示している。本実施形態に係る光センサ53、54は、透過型の光センサであるので、液滴が光束を通ると、電圧レベルが下がる。
【0068】
以下の説明では、光センサ53及び54のうちいずれか一方による電圧値について説明する。また、ノズルについてNo.1〜3とは、XまたはY軸方向で連続する3つノズルを意味する。しかし、液体吐出ヘッド21が有する任意の3つのノズルを意味すると解してもよい。要するに、これらのNo.1〜3のノズルが時間順に検出されることが本技術と関連しているわけではなく、単に3つのノズルの吐出状態を比較して説明する上で、理解しやすいように示したものである。後述の図10等も同様である。
【0069】
1滴の液滴の、光軸方向で見た断面積と、検出光の光束の、光軸方向で見た断面積との比率は、概ね1:104程度に設定される。しかし、この比率に限られず、検出原理上、それは1:1でもよい。
【0070】
図9では、No.1、2及び3のノズルから吐出された液滴の飛翔速度は、順に、「標準」、「遅い」、「標準」である。液滴の飛翔速度が遅いほど、検出光の光束内に存在する液滴の時間が長くなる。したがって、図のような電圧レベルの変化が得られる。
【0071】
吐出異常が発生していると、液体の飛翔速度は遅くなる。吐出異常が起こる場合とは、例えば、ノズル内に塵埃が詰まっていたり、ノズルの孔の周囲に塵埃が付着していたり、液体の粘度が所定の正常な粘度より高くなっていたりする場合である。
【0072】
本技術は、このように、1滴の液滴の飛翔速度に対応する時間長を持つ電気信号を利用する。この場合、光センサ53、54及び増幅器28等は、信号発生部として機能する。
【0073】
図10は、本実施形態による液体の吐出状態の検出例を示す。本実施形態では、検出光の光束内に一時に(つまり同時に)複数の液滴が通るように、1つのノズルが連続して複数の液滴を吐出する。
【0074】
この場合、上記断面積の比率については、光センサ53、54の光束の断面積が、液滴の断面積より大きく設定される。
【0075】
このように、一時に複数の液滴が光束内に通ると、図10に示すように1滴分の液滴の電圧レベルが合成された波形が得られる。なお、この波形は、図9に示した1滴分の液滴に対応する波形の合成波形であり、その合成波形はリップル(高周波成分)を含んでいる。
【0076】
図10において、No.2のノズルに着目すると、その波形のレベル(の絶対値)は大きくなる。つまりこのような方法により、吐出が正常である波形(No.1及び3のノズル)のレベルと、異常である波形(No.2のノズル)のレベルとの差が大きく現れる。これにより、両者の区別が明確になり、検出誤差の発生を抑制することができる。
【0077】
特に、本実施形態では、図11Aに示すように、2つの閾値を用いてその吐出状態が判定される。2つの閾値は、電圧比較器65で用いられる第1の閾値と、電圧比較器66で用いられる、それよりレベルの高い第2の閾値である。
【0078】
図11Bは、第1の閾値により生成されたパルス信号を示し、図11Cは、第2の閾値により生成されたパルス信号を示している。
【0079】
図11Cに示すように、第2の閾値により検出された波形を作るNo.2のノズルについては、CPU30は、吐出異常が起こっていると判定する。一方、第1の閾値により検出され、第2の閾値により検出されない波形を作るNo.1及び3のノズルについては、CPU30は、吐出が正常に行われたと判定する。ここでは、CPU30、電圧比較器65、66等は、制御部として機能する。
【0080】
なお、ノズルから実質的に液滴が吐出されない場合、光量の変化は得られないので、第1の閾値によっても波形が検出されない。
【0081】
図11Dは、吐出が正常に行われたノズル(No.1及び3のノズル)について、パルス信号を発生した例を示す。
【0082】
図12A、Bは、実験により増幅器28で得られた電圧信号の波形をそれぞれ示す。図12A、Bのうち、波形a1、a2が、その電圧信号の波形である。飛翔速度が遅い場合の波形a2のレベルが、波形a1のレベルより高くなっている。
【0083】
この実験の各種条件は、以下の通りである。
【0084】
液滴の吐出速度(飛翔速度):標準で10m/s程度
1つのノズルからの連続した複数の液滴の吐出時間間隔(吐出周波数):1〜30kHz
透過孔52e、52eの面積(光束の断面積):1mm2程度
液滴の直径:10〜20μm
【0085】
なお、波形b1、b2は、波形a1、a2の信号にバンドパスフィルタをかけたものである。これについては別の実施形態として後で説明する。
【0086】
CPU30は、例えば吐出異常が発生したノズルについて、フラッシング処理を行ったり、そのノズルの以降の作動を停止したりする。あるいは、クリーナ56cにより、少なくともその異常が発生したノズルの位置を含む周辺の領域に対応する液体吐出面22aに、クリーニングが行われ、塵埃等が除去される。
【0087】
[比較例1]
図16A〜Cは、本技術との比較例1として、図9に示したように1滴の液滴を検出して、吐出状態を検出する例を示している。ここでは、1つの閾値を設け、その閾値により検出された信号が持つ時間長により、吐出が正常か異常かが判定される。つまり、時間長が所定時間長より長い場合、吐出が異常と判定される(図16B、C参照)。
【0088】
しかしながら、この方法では、受光器自体の出力レベルに変動が起こると、それに伴って検出されるパルス幅に変動が起こるため、検出誤差が発生しやすいという欠点がある。このため、飛翔速度が低下した液滴を正確に検出することができない。
【0089】
[比較例2]
図17A〜Dは、本技術との比較例2として例えば上記特許文献2に記載された構造により得られる各種信号の例を示す。特許文献2では、液滴の飛翔方向、ここでは重力方向に2つの光センサ(ここでは第1及び第2の光センサとする。)を配列させている(図17A、B参照)。
【0090】
上述したように、ノズルから吐出された液滴が第1の光センサの光束から第2の光センサの光束を通過するまでの時間長を測定することで、液滴の飛翔速度が測定される(図17C参照)。2つの光センサの検出タイミングの時間差に基づき飛翔速度が測定されるので、上述の比較例1のような問題は起こらない。測定された飛翔速度が閾値より低い場合には、インクの粘度が通常より高いと判定される。つまり、異常と判定される(図17D参照)。
【0091】
しかし、上述したように、1つのノズルからの1つの液滴の飛翔速度を検出するために用いられるセンサとして、2つの光センサが設けられるので、構造が複雑になるという問題がある。
【0092】
これらの比較例1、2に対し、本技術の上記の実施形態によれば、検出光の光束内に一時に複数の液滴が通るように、液体吐出ヘッド21から液滴が連続して吐出され、これにより、飛翔速度に応じたレベルを持つ電気信号を発生することができる。これにより、複雑な構造を用いずにコンパクトな構成を実現することができ、液体の吐出状態の検出精度を向上させることができる。
【0093】
液体検出ユニット500は、吐出された液滴の飛翔速度が正確に測定できるので、従来の検出方式では不可能であった、液体の霧吹き状態も検出可能となる。液体の霧吹き状態とは、吐出された液体が液滴状にならないで、霧状に広がってしまう状態をいう。霧状に広がった液体の場合の液滴は、飛翔速度が非常に遅くなるので、液体検出ユニット500はこの吐出状態を異常と判定できる。
【0094】
本実施形態では、1回の吐出状態の検出ごとに、複数回の液滴が吐出される。したがって、液体の乾きによる液体の粘度の増加によって吐出状態の検出時に液体が吐出されなくなる、といった事態を抑制することができる。これにより、吐出状態の検出時におけるノズルの状態を印画時と実質的に同じ条件に近づけることができる。
【0095】
本実施形態では、飛翔速度の違いが電気信号のレベルの違いとなってはっきりと現れるので、2つの閾値を設けることができ、液体の吐出状態を段階的に検出することができる。
【0096】
しかし、2つの閾値によって吐出状態が検出される形態に限られず、1つの閾値によって吐出状態が検出されてもよい。この場合、第2の閾値に相当するレベルの閾値により、吐出が正常か異常かを判定可能である。
【0097】
つまり、通常の印画時には正常に液体を吐出しているノズルでも、吐出状態の検出時における1回だけの吐出動作では、そのノズルは所期の吐出動作を行うことができない場合があり、この場合には、吐出状態の検出時に異常と判定されてしまうおそれがある。しかし、本実施形態のように複数回の吐出により、そのような問題を解決できる。
【0098】
[吐出検出システムの実施形態2]
図13は、他の実施形態に係る吐出検出システムの構成を示すブロック図である。これ以降の説明では、図8等に示した実施形態に係る吐出検出システムが含むブロック等について同様のものは説明を簡略化または省略し、異なる点を中心に説明する。
【0099】
この吐出検出システムは、増幅器28で得られた信号が入力されるバンドパスフィルタ67と、バンドパスフィルタ67から出力された信号を検出する検波回路68とを備える。
【0100】
図14A〜Dは、この吐出検出システムにより生成される各種の電気信号を示す。
【0101】
バンドパスフィルタ67は、入力された信号の低周波成分を遮断し、リップル成分を通過させる(図14B参照)。検波回路68は、バンドパスフィルタ67からの出力信号のpeak to peakの波形を形成する。これにより、実質的にリップル成分を抽出して、そのレベルに対応するパルス信号を生成する(図14C参照)。
【0102】
得られたパルス信号は、電圧比較器によって閾値判定が行われることにより、CPU30によりNo.2のノズルによる液滴の吐出が異常と判定される(図14D参照)。
【0103】
なお、図14Aに示すように、リップル成分を含む信号を形成するためには、液滴の飛翔速度、液滴の吐出周波数、光束の断面積、液滴の断面積等を適宜設定すればよい。このことは、上記実施形態においても同様である(図10参照)。
【0104】
このように、電気信号のリップル成分を抽出するようにバンドパスフィルタ67を設定することにより、液滴の吐出状態の判定が容易になる。
【0105】
[吐出検出システムの実施形態3]
図15は、さらに別の実施形態に係る吐出検出システムの構成を示すブロック図である。
【0106】
この吐出検出システムは、増幅器28で得られたアナログ信号をデジタル信号に変換するAD(Analog to Digital)変換器70を有する。この吐出検出システムは、上記実施形態1及び2に係る吐出検出システムによるアナログの処理をデジタルで処理するものである。
【0107】
なお、AD変換器70によるサンプリング周波数は、少なくとも、吐出周波数の2倍以上、例えばその10〜100倍程度に設定される。
【0108】
[その他の実施形態]
本技術は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態が実現される。
【0109】
上記実施形態では、2つの光センサ53、54が用いられたが、1つの光センサ、あるいは3つ以上の光センサが用いられてもよい。
【0110】
上記実施形態では、液体吐出ヘッド21として、ライン型ヘッドが用いられたが、X軸方向に沿って移動する小型ヘッドが用いられてもよい。
【0111】
上記実施形態では、印画時においては、液体吐出ヘッド21は静止し、これに対して記録シート1000が搬送される形態であった。しかし、その逆で、記録シート1000が静止し、液体吐出ヘッド21が移動する形態であってもよい。
【0112】
上記実施形態では、光センサとして、透過型の光センサが用いられた。しかし、反射型の光センサが設けられてもよい。この場合、図9、10、11等で示した、光量(電圧レベル)の信号の極性が逆になる。つまり、液滴が検出光を通ると、検出光がその液滴に反射して、その反射光や散乱光を受光器が検出する。また、この場合、発光器や受光器の配置は上記実施形態とは異なり、適切な配置が設定され得る。
【0113】
上記実施形態では、液滴の検出に光センサが用いられた。しかし、これに代えて、振動素子で液滴の音波を検出するようにしてもよい。この場合、振動素子の振動数及び振幅のうち少なくとも一方で、吐出状態(飛翔速度)が正常か異常かを検出することができる。
【0114】
なお、本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)液滴を吐出することが可能なヘッドと、
検出光を発生し、前記ヘッドから吐出される前記液滴が、前記検出光の光束を通ることにより、前記液滴の飛翔速度に対応する時間長を持つ電気信号を発生する信号発生部と、
前記検出光の光束内に一時に複数の液滴が通るように、前記ヘッドが前記複数の液滴を連続して吐出した時の、前記信号発生部により発生される前記電気信号のレベルに基づき、前記液滴の吐出の状態を判定する制御部と
を具備する液体吐出装置。
(2)(1)に記載の液体吐出装置であって、
前記制御部は、前記液滴が連続して吐出された時の前記信号発生部により発生される前記電気信号のレベルと、閾値とを比較することで、前記液滴の吐出の状態を判定する
液体吐出装置。
(3)(2)に記載の液体吐出装置であって、
前記制御部は、第1の閾値及びこの第1の閾値より高い第2の閾値を、前記閾値として用い、前記発生される電気信号のレベルが、前記第1の閾値を超え、かつ、前記第2の閾値以下の場合、前記液滴は正常に吐出されていると判定し、前記発生される電気信号のレベルが、前記第1及び前記第2の閾値の両方を超える場合、吐出異常が発生していると判定する
液体吐出装置。
(4)(1)または(2)に記載の液体吐出装置であって、
前記信号発生部により発生された前記電気信号が入力されるバンドパスフィルタ67をさらに具備する液体吐出装置。
(5)(1)から(4)のうちいずれか1つに記載の液体吐出装置であって、
前記信号発生部により発生されたアナログの前記電気信号をデジタル信号に変換するAD(Analog to Digital)変換器をさらに具備する液体吐出装置。
(6)(1)から(5)のうちいずれか1つに記載の液体吐出装置であって、
前記ヘッドは、一方向に配列された複数のノズルを有し、
前記信号発生部は、前記検出光を発生する発光器及び検出光を受ける受光器を含む光センサを有し、
前記液体吐出装置は、前記光センサを前記複数のノズルの配列方向へ、前記ヘッドに相対的に移動させる移動機構をさらに具備する液体吐出装置。
(7)検出光を発生し、
ヘッドから吐出される液滴が、前記検出光の光束を通ることにより、前記液滴の飛翔速度に対応する時間長を持つ電気信号を発生し、
前記検出光の光束内に一時に複数の液滴が通るように、前記ヘッドが前記複数の液滴を連続して吐出した時の、前記発生される電気信号のレベルに基づき、前記液滴の吐出の状態を判定する
吐出検出方法。
【符号の説明】
【0115】
1…液体吐出装置
21…液体吐出ヘッド
30…CPU
53、54…光センサ
57…移動機構
65、66…電圧比較器
67…バンドパスフィルタ
70…AD変換器
500…液体検出ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液滴を吐出することが可能なヘッドと、
検出光を発生し、前記ヘッドから吐出される前記液滴が、前記検出光の光束を通ることにより、前記液滴の飛翔速度に対応する時間長を持つ電気信号を発生する信号発生部と、
前記検出光の光束内に一時に複数の液滴が通るように、前記ヘッドが前記液滴を連続して吐出した時の、前記信号発生部により発生される前記電気信号のレベルに基づき、前記液滴の吐出の状態を判定する制御部と
を具備する液体吐出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の液体吐出装置であって、
前記制御部は、前記液滴が連続して吐出された時の前記信号発生部により発生される前記電気信号のレベルと、閾値とを比較することで、前記液滴の吐出の状態を判定する
液体吐出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の液体吐出装置であって、
前記制御部は、第1の閾値及びこの第1の閾値より高い第2の閾値を、前記閾値として用い、前記発生される電気信号のレベルが、前記第1の閾値を超え、かつ、前記第2の閾値以下の場合、前記液滴は正常に吐出されていると判定し、前記発生される電気信号のレベルが、前記第1及び前記第2の閾値の両方を超える場合、吐出異常が発生していると判定する
液体吐出装置。
【請求項4】
請求項1に記載の液体吐出装置であって、
前記信号発生部により発生された前記電気信号が入力されるバンドパスフィルタをさらに具備する液体吐出装置。
【請求項5】
請求項1に記載の液体吐出装置であって、
前記信号発生部により発生されたアナログの前記電気信号をデジタル信号に変換するAD(Analog to Digital)変換器をさらに具備する液体吐出装置。
【請求項6】
請求項1に記載の液体吐出装置であって、
前記ヘッドは、一方向に配列された複数のノズルを有し、
前記信号発生部は、前記検出光を発生する発光器及び検出光を受ける受光器を含む光センサを有し、
前記液体吐出装置は、前記光センサを前記複数のノズルの配列方向へ、前記ヘッドに相対的に移動させる移動機構をさらに具備する液体吐出装置。
【請求項7】
検出光を発生し、
ヘッドから吐出される液滴が、前記検出光の光束を通ることにより、前記液滴の飛翔速度に対応する時間長を持つ電気信号を発生し、
前記検出光の光束内に一時に複数の液滴が通るように、前記ヘッドが前記液滴を連続して吐出した時の、前記発生される電気信号のレベルに基づき、前記液滴の吐出の状態を判定する
吐出検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図12】
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