説明

液体塗布装置、記録装置

【課題】 従来技術における装置姿勢の傾き等による液漏れを確実に防止し得る液体塗布装置の提供を目的とする。
【解決手段】 用紙に液を塗布する為の塗布ローラと対向した位置にカウンタローラを配置し、塗布ローラとカウンタローラとで用紙を狭持し協動回転により用紙を搬送し用紙に液を塗布する手段を具備させた装置において、用紙巾領域の外側において転写されずに残った余剰液をカウンタローラ両端部の軸受けに回り込ませない為に、カウンタローラの両端部付近に溝もしくはフランジ部を形成し、余剰液が溝にたまる構成とした。また、前記溝の近傍にスポンジ等の吸収部材を配置することで、溝もしくはフランジの手前に溜まった液を吸収部材で吸収させ、液が軸受け部に回り軸受けと軸が固着することを防止し装置の信頼性を向上させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体塗布装置およびインクジェット記録装置に関し、詳しくは、顔料を色材とするインクで記録した際に顔料の凝集を早めるなど所定の目的で媒体に液体を塗布する液体塗布装置に関するものであり、また、同様に、インクジェット記録で用いられる記録媒体に対して、顔料を色材とするインクで記録した際に顔料の凝集を早めるなどの目的で液体を塗布する機構を備えたインクジェット記録装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インクジェット記録装置の分野において液体塗布機構を用いたものとして、塗布液としてのインクを塗布ローラに付与ないし供給する部分をシールする構成が、特許文献1に開示されている。同文献に記載の塗布機構は、グラビア印刷装置において印刷版のパターンが表面に形成された塗布ローラにインクを塗布する機構である。
【0003】
ここでは、塗布ローラの周面に沿った上下2ヶ所に対応した位置で、ローラの長手方向に延在するドクターブレードと、この2つのドクターブレードの両側部にそれぞれ設けられた弾性部材と、を有したインクチャンバーを用いたものである。このチャンバーを塗布ローラの周面に当接させることにより、塗布ローラとの間で液室を形成する。そして、塗布ローラが回転することにより、この液室の塗布液が塗布ローラに付与ないし供給されるものである。
【特許文献1】特開平08−58069号公報
【特許文献2】特表2002−517341号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されるシール構成は、そのシール性が不十分な場合がある。すなわち、シールするためにローラに対して当接する、それぞれドクターブレードとその両側部の弾性部材は別部材である。このため、例えば、ローラに当接する圧力がこれら部材間で大きく異なることがある。この場合、特に、ドクターブレードと弾性部材の継ぎ目の部分で当接する圧力に差を生じ、当接圧力の小さいほうの部分でシールが不十分となり、液漏れなどを生じることがあり、また、ドクターブレードおよび弾性部材を備えたインクチャンバーは、これとねじ溝が形成されたシャフトが係合しその軸の回転によって移動するものである。そして、ドクターブレードおよび弾性部材をローラに当接する際の当接圧は、チャンバーの位置を単に固定することによって生じさせる。このため、例えば、ローラの周面にわずかな凹凸があるような場合この凹凸に倣った当接が行われず、シール性が損なわれることがあり、装置の姿勢に傾きが生じた場合など液漏れを起こす可能性がある。
【0005】
また、参考文献2に開示されている液体塗布装置においては、塗布ローラと対向した位置にカウンターローラを設け、塗布ローラに対してばね等の弾性部材で付勢し塗布ローラと協動回転可能な構成とし、塗布ローラとカウンターローラとで記録媒体を狭持し協動回転により記録媒体を搬送すると同時に、塗布ローラ表面に塗布された塗布液を記録媒体に転写する方法が取られており、前記塗布ローラとカウンターローラはそれぞれその両端付近を軸受け部材で回転可能に記録装置本体に支持する構成が用いられている。
【0006】
しかしながら、前記従来例の構成においては、ドクターブレードで掻き落とされた余剰な塗布液が塗布ローラもしくはカウンターローラの端部付近に残留し、記録用紙が通過しない記録用紙の外側においては、塗布ローラに塗布された塗布液が前記転写動作により記録用紙に転写されない為、塗布ローラ表面またはカウンターローラ表面及び端部に余剰液として残留する可能性がある。
【0007】
これらの余剰液が記録動作が行われるに従い増加し、装置の傾き等により前記軸受け方向に流れだし、軸受けを浸食し機能に悪影響を及ぼすとともに、軸受けをすり抜けて装置の外側に流れ出す懸念が想定される。
【0008】
本発明は、上記従来技術における装置姿勢の傾き等による液漏れを確実に防止し得る液体塗布装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記各従来技術の課題を解決するため、本発明は、以下の構成を有するものとなっている。
【0010】
本発明は、記録媒体を所定の搬送経路に沿って搬送する搬送手段と、記録媒体に対して記録を行う記録手段と、前記搬送経路に沿って搬送される記録媒体に液体を塗布する液体塗布機構とを備え、前記液体塗布機構は、記録媒体に液体を塗布する塗布面を有する塗布部材と、前記塗布部材の塗布面に当接して前記液体を保持する液体保持空間を形成する液体保持部材を有し、塗布部材と液体保持部材とのシール性を高めるとともに、前記塗布部材と対向した位置にカウンターローラを設け、前記塗布部材に対してばね等の弾性部材で付勢し前記塗布部材と協動回転可能な構成とし、前記塗布部材とカウンターローラとで記録媒体を狭持し協動回転により記録媒体を搬送すると同時に、前記塗布部材の塗布面を回転移動させることによって前記塗布面に供給された液体を前記記録媒体に塗布する構成であり、前記塗布部材もしくはカウンターローラの両端部付近の軸部において、軸受け部の内側近傍に溝もしくはフランジ部を設け、前述した余剰塗布液を前記溝もしくはフランジ部に留めることで、余剰液が軸受け方向に到達しない構成とし、更には、前記溝もしくはフランジにスポンジ等の吸収部材を当接させ余剰液を積極的に吸収させる構成とすることで、余剰液が軸受けもしくは装置の外側に流出することを防止する構成としていることを特徴とする記録装置である。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本発明によれば、記録媒体に液体を塗布する塗布面を有する塗布部材と、前記塗布部材の塗布面に対して前記液体を保持する液体保持空間を形成する液体保持部材を当接させることで塗布部材と液体保持部材とのシール性を高めるとともに、塗布部材もしくはカウンターローラの両端部付近の軸部おいて、軸受けの内側近傍に溝もしくはフランジ部を設け、前述した余剰塗布液を前記溝もしくはフランジ部に留めることで、余剰液が軸受けに到達しない構成とし、更には、前記溝もしくはフランジにスポンジ等の吸収部材を当接させ余剰液を積極的に吸収させる構成とすることで、装置の移動、運搬などにおいて、装置全体傾けられた場合にも塗布液の軸受けもしくは装置外への漏出を防止することができ、装置の信頼性を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(実施例1)
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の液体塗布装置100に係る実施形態の全体構成を示す斜視図である。
【0014】
ここに示す液体塗布装置100は、概略、塗布媒体に対し所定の塗布液を塗布する液体塗布手段と、この液体塗布手段に塗布液を供給する液体供給手段を有して構成されている。
【0015】
液体塗布手段は、円筒状の塗布ローラ1001、この塗布ローラ1001に対向して配置された円筒状のカウンターローラ(媒体支持部材)1002、および塗布ローラ1001を駆動するローラ駆動機構1003などを有する。このローラ駆動機構1003は、ローラ駆動モータ1004と、このローラ駆動モータ1004の駆動力を塗布ローラ1001に伝達するギアトレインなどを有する動力伝達機構1005とによって構成されている。
【0016】
また、液体供給手段は、塗布ローラ1001の周面との間で塗布液を保持する液体保持部材2001、およびこの液体保持部材2001に液体を供給する後述の液体流路3000(図1では不図示)などを有して構成される。塗布ローラ1001およびカウンターローラ1002は、それぞれ、それらの両端が不図示のフレームに対して回動自在に取り付けられた、互いに平行な軸によって回動自在に支持されている。また、液体保持部材2001は、塗布ローラ1001の長手方向のほぼ全体にわたって延在するものであり、塗布ローラ1001の周面に対して接離動作を可能とする機構を介して上記のフレームに移動可能に取り付けられている。
【0017】
本実施形態の液体塗布装置は、さらに、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002とのニップ部に塗布媒体を搬送するための、ピックアップローラなどからなる塗布媒体供給機構1006を備える。また、この塗布媒体の搬送路において、塗布ローラ1001およびカウンターローラ1002の後流側には、塗布液が塗布された塗布媒体を排紙部(不図示)へ向けて搬送する、排紙ローラなどからなる排紙機構1007が設けられる。これらの給紙機構や排紙機構も、塗布ローラなどと同様、動力伝達機構1005を介して伝えられる駆動モータ1004の駆動力によって動作する。
【0018】
次に、以上概略を説明した液体塗布装置を構成する各部の要素についてより詳細に説明する。
【0019】
図2は、塗布ローラ1001、カウンターローラ1002および液体保持部材2001などの配置の一例を示す説明縦断側面図である。
【0020】
カウンターローラ1002は、不図示の付勢手段によって塗布ローラ1001の周面に向けて付勢されており、塗布ローラ1001を図中、時計方向に回転させることにより、両ローラの間に塗布液を塗布すべき塗布媒体Pを挟持し得ると共に、塗布媒体Pを図中の矢印方向に搬送し得るようになっている。
【0021】
また、液体保持部材2001は、バネ部材(押圧手段)2006の付勢力によって塗布ローラ1001の周面に対して付勢されて当接するとき、塗布ローラ1001による液体塗布領域全体に亘って延在する長尺な液体保持空間Sを形成するようになっている。この液体保持空間S内には、後述の液体供給経路3000から液体保持部材2001を介して塗布液が供給されるが、液体保持部材2001が以下のように構成されているため、塗布ローラ1001の停止状態において、液体保持空間Sから外方へ不用意に塗布液が漏出するのを防止することができる。
【0022】
この液体保持部材2100の構成を、図3ないし図8に示す。
【0023】
図3に示すように、液体保持部材2001は、空間形成基材2002と、この空間形成基材2002の一方の面に設けられた環状の当接部材2009とを有して構成されている。空間形成基材2002には、その中央部分における長手方向に沿って、底部の断面形が円弧状をなす凹部2003が形成される。そして、当接部材2009は、その直線部分がこの凹部2003の上縁部に沿って固着され、また、円周部分が上記上縁部から底部を経て反対側の上縁部に至るように固着される。これにより、液体保持部材2001の当接部2009が塗布ローラ1001に当接したとき、塗布ローラの周面形状に沿った当接が可能となり、均一な圧力の当接を実現することができる。
【0024】
上記のようにこの実施形態における液体保持部材は、継ぎ目のない一体に形成された当接部材2009が、バネ部材2006の付勢力によって塗布ローラ1001の外周面に隙間なく連続した状態で当接する。その結果、液体保持空間Sは、この当接部材2009と、空間形成基材の一面と、塗布ローラ1001の外周面とによる実質的に閉塞した空間となり、この空間に塗布液が保持される。そして、塗布ローラ1001の回転が停止した状態では、当接部材2009と塗布ローラ1001の外周面とは液密状態を維持し、液体が外部へと漏出するのを確実に防止することができる。一方、塗布ローラ1001が回転するときは、後述されるように、塗布液は塗布ローラ1001の外周面と当接部材2009との間をすり抜けて、塗布ローラの外周面に層状に付着する。ここで、塗布ローラ100
1の停止状態において、その外周面と当接部材2009とが密接状態にあるとは、上記のとおり、上記液体保持空間Sの内と外との間で液体を通さないことである。この場合、当接部材2009の当接状態としては、それが塗布ローラ1001の外周面に対し、直に接する状態の他、毛管力によって形成される液体の膜を解して上記外周面に当接する状態を含むものである。
【0025】
また、当接部材2009の長手方向における左右両側部は、図3ないし図8に示すように、正面(図6)、平面(図3)および側面(図7、図8)のいずれの方向から見ても緩やかに湾曲する形状をなしている。このため、塗布ローラ1001に対し、比較的強い押圧力で当接部材2120を当接させても、当接部材2009の全体が略均一に弾性変形し、局所的に大きな歪みが生じることはない。このため、当接部材2009は図6ないし図8に示すように、隙間なく連続的に塗布ローラ1001の外周面に当接し、上記の実質的に閉塞した空間を形成することができる。
【0026】
一方、空間形成基材2002には、図3ないし図5に示すように、当接部材2009に囲繞された領域内に、それぞれ空間形成基材2002を貫通する孔を有して構成される液体供給口2004および液体回収口2005が設けられている。これらは空間形成基材の背面側に突設された円筒状の連結部20041,20051にそれぞれ連通している。また、この連結部20041,20051は、後述の液体供給流路3000に連結されている。なお、この実施形態では、液体供給口2004が当接部材2009に囲繞された領域の一端部(図3では左端部)近傍に形成され、液体回収口2005が同領域の他端部(図3では右端部)近傍に設けられる。この液体供給口2004は、液体流路3000から供給される塗布液を前述の液体保持空間Sに供給し、液体回収口2005は液体保持空間S内の液体を液体流路3000へと流出させるためのものである。この液体の供給、流出を行うことにより、液体保持空間S内において、塗布液は上記の左端部から右端部へと流動する。
【0027】
(塗布液流路)
図11は、前記塗布液供給手段の液体保持部材2001に連結される液体流路3000の概略構成を示す説明図である。
【0028】
この液体流路3000は、液体保持部材2001を構成する空間形成基材2002の液体供給口2004と塗布液を貯蔵する貯蔵タンク3003とを連結する第1流路(供給流路)3001と、空間形成基材2002の液体回収口2005と前記貯蔵タンク3003とを連結する第2流路(回収流路)3002とを有する。この貯蔵タンク3003には、大気連通口3004が設けらており、また、この大気連通口には、大気との連通、遮断を切換える大気連通弁3005が設けられている。また、第1流路3001内には切換弁3006が設けられており、この切換弁3006によって第1流路3001と大気との連通、遮断が切換え可能となっている。さらに第2流路3002内には、本液体流路3000内で塗布液および空気を所望の方向へと強制的に流動させるためのポンプ3007が連結
されている。
【0029】
この実施形態において、第1流路3001および第2の流路3002は円管状のチューブによって形成されており、各チューブの端部に形成される開口部は、貯蔵タンク3003の底部もしくは底部に近い位置に配置され、貯蔵タンク3003内の塗布液を完全に消費し得るようになっている。
【0030】
また、この実施形態における切換弁3006は、第1流路3001と大気との連通、遮断を切換え得るものであれば、種々のものが適用可能であるが、ここでは図11に示すような三方弁を使用している。この三方弁3006は、互いに連通する3つのポートを有し、このポートのうち2つのポートを、第1流路3001における貯蔵タンク側チューブ3011と、液体保持部材側チューブ3012と、大気連通口3013の中のいずれか二つに選択的に連通させ得るものとなっている。そして、この三方弁3006の切換えにより、チューブ3011とチューブ3012とを連通させる連結状態と、チューブ3012と大気連通口3013とを連通させる連結状態とが選択的に切り換えられ、これにより、液体保持部材2001と塗布ローラ1001とによって形成される空間Sに対し、貯蔵タン
ク3003内の塗布液あるいは大気連通口3013から取り込まれる空気の何れかを選択して供給することが可能となる。なお、三方弁3006の切換えは、後述の制御部4000からの制御信号によって行われ、塗布液の充填、供給などが行われる。
【0031】
(制御系)
図12は、本実施形態の液体塗布装置における制御系の概略構成を示すブロック図である。
【0032】
図において、4000は液体塗布装置全体を制御する制御手段としての制御部である。
【0033】
この制御部4000は、種々の演算、制御、判別などの処理動作を実行するCPU4001と、このCPU4001によって実行される、図13にて後述される処理などの制御プログラムなどを格納するROM4002と、CPU4001の処理動作中のデータや入力データなどを一時的に格納するRAM4003などを有する。
【0034】
この制御部4000には、所定の指令あるいはデータなどを入力するキーボードあるいは各種スイッチなどを含む入力操作部4004、液体塗布装置の入力・設定状態などをはじめとする種々の表示を行う表示部4005、塗布媒体の位置や各部の動作状態などを検出するセンサなどを含む検出部4006、前記ローラ駆動モータ1004、ポンプ駆動モータ4009、大気連通弁3005および切換弁3006などがそれぞれ駆動回路4007,4008,4010,4011を介して接続されている。
【0035】
(液体塗布動作シーケンス)
図13は、本実施形態の液体塗布装置の液体塗布に係わる処理手順を示すフローチャートである。以下、このフローチャートを参照して、液体塗布にかかる各工程を説明する。
【0036】
すなわち、液体塗布装置に電源が投入されると、制御部4000は、図13に示すフローチャートに従って以下の塗布動作シーケンスを実行する。
【0037】
充填工程
ステップS1では、前記塗布空間Sに対する塗布液の充填工程を実行する。この充填工程では、まず、貯蔵タンク3003の大気連通弁3005を大気に開放させると共に、ポンプ3007を一定時間駆動する。これにより、液体塗布空間Sおよび各流路3001,3002内に塗布液が充填されていない場合には、ポンプによって内部の空気が貯留部へと送られて大気へと排出されると共に各部に塗布液が充填される。また、既に各部に塗布液が充填されている場合には、各部の塗布液が流動して適正な濃度および粘度の塗布液が供給される。この初期動作によって、塗布ローラ1001に対し塗布液が供給された状態となり、塗布媒体への塗布が可能となる。
【0038】
塗布工程
ここで、塗布開始指令が入力されると(ステップS2)、再びポンプ3007が作動を開始すると共に(ステップS3)、塗布ローラ1001が図1の矢印に示すように、時計周りに回転を開始する(ステップS4)。この塗布ローラ1001の回転により、液体保持空間Sに充填された塗布液Lは、塗布ローラ1001に対する液体保持部材2001の当接部材2009の押圧力に抗して、塗布ローラ1001と当接部材2009の下縁部2011との間を摺り抜け、塗布ローラ1001の外周に層状態となって付着する。塗布ローラ1001に付着した塗布液Lは、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002との当接部に送られる。
【0039】
次いで、塗布媒体送給機構1006によって塗布ローラ1001とカウンターローラ1002との間に塗布媒体が搬送され、これらのローラの間に塗布媒体が挿入されるとともに、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002の回転に伴い排紙部へ向けて搬送される(ステップS5)。この搬送の間に、塗布ローラ1001の外周面に塗布された塗布液が、図9に示すように塗布ローラ1001から塗布媒体Pに転写される。なお、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002との間に塗布媒体を供給する手段としては、上記の送給機構に限られないことは勿論であり、例えば、所定のガイド部材を補助的に用いる手差しによる手段を併せて用いてもよく、また、手差し手段を単独で用いる構成など、どのような手段を用いてもよい。
【0040】
図9において、交差する斜線で表現した部分が塗布液Lを示している。なお、ここでは、塗布ローラ1001および塗布媒体Pにおける塗布液の層の厚みは、塗布時における塗布液Lの様子を明確に図示する上で、実際の厚みよりもかなり過大に表している。
【0041】
上記のようにして、塗布媒体Pの塗布された部分は塗布ローラ2001の搬送力により矢印方向に搬送されると共に、塗布媒体Pと塗布ローラ2001の接触部に塗布媒体Pの未塗布部分が搬送され、この動作を連続もしくは間欠的に行うことで塗布媒体全体に塗布液を塗布して行く。
【0042】
ところで、図10においては、当接部材2009から摺り抜けて塗布ローラ2001に付着した塗布液Lの全てが塗布媒体Pに転写された理想的な塗布状態を示しているが、実際には、塗布ローラ1001に付着した塗布液Lの全てが塗布媒体Pに転写されるとは限らない。つまり、搬送される塗布媒体Pが塗布ローラ1001から離間する際、塗布液Lは、塗布ローラ1001にも付着し、塗布ローラ1001に塗布液Lが残留することが多い。この塗布ローラ1001における塗布液Lの残留量は、塗布媒体Pの材質及び表面の微小な凹凸の状態によっても異なるが、塗布媒体Pが普通紙の場合、塗布動作後も塗布ローラ1001の周面には塗布液Lが残留する。
【0043】
終了工程
上記のようにして、塗布媒体への塗布動作が実行されると、次に塗布工程を終了して良いか否かの判断を行い(ステップS6)、塗布工程を終了しない場合は、ステップS5に戻り、塗布媒体の塗布が必要な部分全体に塗布工程を終了するまで塗布動作を繰り返す。
【0044】
塗布工程を終了すると、塗布ローラ1001を停止させ(ステップS7)、さらに、ポンプ3007の駆動を停止させる(ステップS8)。この後、ステップS2へ移行し、塗布開始指令が入力されていれば、前述のステップS2〜S8の動作を繰り返し、塗布開始指令が入力されていなければ、塗布空間Sおよび液体流路内の塗布液を回収する回収動作などの後処理を行い(ステップ9)、塗布にかかる処理を終了する。
【0045】
なお、上記回収動作は、前記大気連通弁3005および切換弁3006を開放し、ポンプ3007を駆動することによって塗布液を塗布液保持空間Sおよび第2流路3002内の塗布液を液体貯留タンク3003へと流入させることによって行う。この回収動作を行うことにより、液体保持空間Sからの塗布液の蒸発を完全に防止することができる。また、回収動作後は大気連通弁3005を閉じ、切換弁3006を切換えて第1流路3001および大気連通口3013との連通を遮断することにより、貯蔵タンク3003を大気から遮断する。これにより、液体貯蔵タンク3003からの塗布液の蒸発を防止することができると共に、移動、運搬などにおいて装置の姿勢が傾いた場合にも塗布液が外部へ流出するのを完全に防止することができる。
【0046】
以上のように、この実施形態における液体塗布装置では、液体保持空間Sに充填された塗布液が、塗布ローラ1001の回転によって、塗布ローラ1001に対する当接部材2009の下縁部2011の押圧力に抗して、液体保持空間Sの外側へとすり抜け、塗布ローラ1001の周面に層状に供給される。この塗布液の層の厚さ、すなわち塗布ローラ1001への塗布液の供給量は、塗布液の粘度、塗布ローラ1001の外周面と塗布媒体との相対速度、および塗布ローラ1001の外周面に対する当接部材2009の押圧力などに依存する。
【0047】
次に図18乃至図20を用いて塗布ローラ及びカウンターローラの構成について更に説明する。
【0048】
塗布ローラ1001は軸部1001aとゴム部1001bで構成され、前記軸部の外周にゴム部が圧入もしくは焼き付けで固定されており、前記軸部とゴム部は一体に回転し、前記軸部1001aの両端部付近において塗布ローラ軸受け部材1007が挿入され、前記塗布ローラを回転可能に支持しフレーム(不図示)に固定されている。
【0049】
また、塗布ローラ1001の端部にはローラギア1009が圧入固定されており、塗布ローラとローラギアは一体に回転し、駆動手段からギア列により伝達された動力を塗布ローラに伝達する。
【0050】
カウンターローラ1002は本実施例においては金属軸(ステンレス)で構成され、付勢手段により塗布ローラ1001の周面に向けて付勢されており、カウンターローラ1002の両端部にはカウンターローラ軸受け1008が挿入され、カウンターローラを回転可能に支持しフレーム(不図示)に固定されている。
【0051】
塗布ローラ1001がギア列から伝達された駆動により回転することにより塗布ローラ1001とカウンターローラ1002の間に塗布液を塗布すべき塗布媒体を狭持し、塗布媒体に対して塗布液を塗布しながら塗布媒体を下流方向に搬送する。
【0052】
また、カウンターローラ1002の両端部付近で軸受け1008の内側において、フランジ部1002bを設けられており、前記塗布ローラと当接する円筒部1002aと前記フランジ部1002bにより溝部1002cが形成されている。
【0053】
前述したように、塗布ローラ1001とカウンターローラ1002の間に塗布液を塗布すべき塗布媒体を狭持し、塗布媒体に対して塗布液を塗布しながら塗布媒体を下流方向に搬送する場合、記録用紙が通過しないカウンターローラの端部付近には、塗布ローラから転写されたカウンターローラ塗布液が前記転写動作により記録用紙に転写されない為、カウンターローラ表面及び端部に余剰液として残留し、余剰液が残留している状態で塗布動作を継続すること、もしくは装置を傾けられたことより、前記余剰液が塗布ローラと当接する円筒部1002aからローラの外側方向に流れ出した場合、前述したカウンターローラの溝部1002cに余剰液が流れ込むが、前述したフランジ部1002bにより余剰液の移動がせき止められ、それ以上軸受け方向に流れ出すことを防止することが可能となる。(図20)
(実施例2)
次に図21を用いて本考案における第2実施例を説明する。
【0054】
第1実施例においては、カウンターローラの端部付近にフランジ部を設けた例を示したが、これを、塗布ローラと当接する円筒部と軸受けが挿入される回転軸との外径を同一とし、前記当接部と軸受けの間に溝1002cを設けた形状にすることによっても本考案の効果には何ら影響を与えない。
【0055】
(実施例3)
次に図22を用いて本考案における第3実施例を説明する。
【0056】
第1乃至第2実施例においては、前述した構成に加えて、余剰液吸収体1010を前述したカウンターローラのフランジ部1002bもしくは溝部1002cと接触もしくは近傍に設けることで、前記フランジ部でせき止められ溝部にたまった余剰液を積極的に吸収体に吸収させる例を示している。
【0057】
また、本実施例においてはカウンターローラの両端部付近に対してフランジ部を設けるとともに、塗布ローラの軸両端部においてもフランジ部1001cを構成し、余剰液吸収体1010を前述したカウンターローラと同様に塗布ローラのフランジ部1001cに接触もしくは近傍に設けることで、塗布ローラにおいても前記フランジ部でせき止められ溝部にたまった余剰液を積極的に吸収させ更に装置の信頼性を向上させた例を示している。
【0058】
また、本実施例においては塗布ローラの両端部にフランジを設けた例を示したが、これを溝に置き換えても本考案における効果には変わらない。
【0059】
(インクジェット記録装置の実施形態)
図14は、上述の液体塗布装置とほぼ同様の構成を有した塗布機構を備えたインクジェット記録装置1の概略構成を示す図である。
【0060】
このインクジェット記録装置1には、複数枚の記録媒体Pを積載する給送トレイ2が設けられており、半月形状の分離ローラ3が、給送トレイに積載された記録媒体Pを1枚づつ分離して搬送経路に給送する。搬送経路中には、上記液体塗布機構の液体塗布手段を構成する塗布ローラ1001およびカウンターローラ1002が配置されており、給送トレイ2から給送された記録媒体Pは、両ローラ1001,1002の間に送られる。塗布ローラ1001はローラ駆動モータの回転によって図14において時計周り方向に回転し、記録媒体Pを搬送しながら塗布液を記録媒体Pの記録面に塗布する。塗布液が塗布された記録媒体Pは、搬送ローラ4とピンチローラ5との間に送られ、搬送ローラ4が、図中、反時計周り方向へと回転することによって、記録媒体Pはプラテン6の上を搬送され、記
録手段を構成する記録ヘッド7に対向する位置へと移動する。記録ヘッド7は所定数のインク吐出用のノズルを配設したインクジェット記録ヘッドであり、この記録ヘッド7が図の紙面と垂直方向に走査する間に、記録データに従ってノズルから記録媒体Pの記録面に対してインク滴を吐出して記録を行う。この記録動作と搬送ローラ4による所定量の搬送動作とを交互に繰り返しながら、記録媒体に画像を形成して行く。この画像形成動作とともに、記録媒体の搬送路において記録ヘッドの走査領域の後流側に設けられた、排紙ローラ8と排紙拍車9によって記録媒体Pが挟持され、排紙ローラ8の回転によって排紙トレイ10上に排紙される。
【0061】
なお、このインクジェット記録装置としては、インクを吐出するノズルを記録媒体の最大幅に亘って配設した長尺な記録ヘッドを用いて記録動作を行ういわゆるフルライン型のインクジェット記録装置を構成することも可能である。
【0062】
また、この実施形態で用いる塗布液は、顔料を色材とするインクで記録した際に顔料の凝集を早める処理液である。この実施形態では、塗布液として処理液を用いることにより、この処理液とこの処理液が塗布された記録媒体に吐出されるインクの色材である顔料を反応させて顔料の凝集を早めさせる。そして、この不溶化により、記録濃度の向上を図ることができる。さらに、ブリーディングの軽減または防止が可能となる。なお、インクジェット記録装置において用いる塗布液としては、上述の例に限られないことは勿論である。
【0063】
図15は、上述したインクジェット記録装置の要部を示す斜視図である。同図に示すように、給送トレイ2の一端の上方に塗布機構100が設けられ、この塗布機構より上部で、給送トレイ2の中央部上方に記録ヘッド7などを備えた記録機構が設けられる。
【0064】
図16は、上述したインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。同図において、液体塗布機構の要素であるローラ駆動機構1004、ポンプ駆動モータ4009、および大気連通弁のアクチュエータ3005は、前述した液体塗布装置とで説明したものと同様の要素である。
【0065】
CPU5001は、図17にて後述する処理手順のプログラムに従い、塗布機構の各要素の駆動を制御するとともに、記録機構にかかるLFモータ5013、CRモータ5015、および記録ヘッド7の駆動を、それぞれの駆動回路5012、5014、5016を介して制御する。すなわち、LFモータ5013の駆動によって搬送ローラ4などを回転させ、また、CRモータの駆動によって記録ヘッド7を搭載したキャリッジを移動させる。さらに、記録ヘッドのノズルからインクを吐出させる制御を行う。
【0066】
図17は、本実施形態のインクジェット記録装置における液体塗布およびそれに伴う記録動作の手順を示すフローチャートである。
【0067】
同図において、ステップS101、S103〜S105の処理、およびステップS108〜S110の処理は、図13に示した、それぞれ、ステップS1、S3〜S5、S7〜S9の処理と同様である。
【0068】
図17に示すように、本実施形態では、記録開始の指令があると(ステップS102)、ポンプ作動などの一連の液体塗布動作を行う(ステップS103〜S105)。そして、記録媒体の液体塗布が必要な部分に液体を塗布する。
【0069】
この塗布工程の後、必要な部分に塗布液が塗布された記録媒体に対して、記録動作を行う(ステップS106)。すなわち、搬送ローラ4によって所定量ずつ搬送される記録媒体Pに対して記録ヘッド7を走査させ、この走査の間に記録データに応じてノズルからインクを吐出することにより記録媒体にインクを付着させてドットを形成する。この付着するインクは塗布液と反応するため、濃度向上や滲みの防止が可能となる。以上の記録媒体の搬送と記録ヘッドの走査を繰り返すことにより、記録媒体Pに対して記録がなされ、記録を終了した記録媒体は排紙トレイ10上に排紙される。ステップS107で記録が終了したと判断すると、ステップS108以降の処理を行い、本処理を終了する。
【0070】
なお、本実施形態では、記録媒体に対する液体塗布に伴い、その塗布が終了した部分に対して順次記録を行うものである。すなわち、塗布ローラから記録ヘッドへ至る搬送路の長さが記録媒体の長さよりも短く、記録媒体上の液体の塗布がなされた部分が記録ヘッドによる走査領域に至るときに、記録媒体の他の部分に塗布機構によって塗布が行われる形態であり、記録媒体の所定量の搬送ごとに、記録媒体の異なる部分で、順次、液体塗布と記録がなされていく。しかし、本発明の適用する上で、別の形態として、1つの記録媒体に対する塗布が完了してから記録を行うものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の液体塗布装置に係る実施形態の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示した塗布ローラ、カウンターローラおよび液体保持部材などの配置の一例を示す縦断側面図である。
【図3】図1および図2に示した液体保持部材の正面図である。
【図4】図3に示した液体保持部材をA−A線にて切断した端面を示す端面図である。
【図5】図3に示した液体保持部材をB−B線にて切断した端面を示す端面図である。
【図6】図3に示した液体保持部材の平面図である。
【図7】図3に示した液体塗布部材の当接部を液体塗布ローラに当接させた状態を示す左側面図である。
【図8】図3に示した液体塗布部材の当接部を液体塗布ローラに当接させた状態を示す右側面図である。
【図9】本発明の実施形態において、液体保持部材と塗布ローラとによって形成される液体保持空間に塗布液が充填され、塗布ローラの回転により塗布媒体に液体が塗布されている状態を示す縦断断面図である。
【図10】本発明の実施形態において、液体保持部材と塗布ローラとによって形成される液体保持空間に塗布液が充填され、塗布媒体が存在しない状態で塗布ローラを回転させた状態を示す縦断断面図である。
【図11】本発明の実施形態における液体塗布装置の液体流路の概略構成を示す図である。
【図12】本発明の実施形態における制御系の概略構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施形態における液体塗布動作シーケンスを示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施形態におけるインクジェット記録装置の概略構成を示す縦断側面図である。
【図15】図20に示したインクジェット記録装置の要部を示す斜視図である。
【図16】図20に示したインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。
【図17】図20に示すインクジェット記録装置において実行される液体塗布動作および記録動作のシーケンスを示すフローチャートである。
【図18】本発明の第1実施形態の要部を示す説明図である。
【図19】本発明の第1実施形態の要部を示す説明図である。
【図20】本発明の第1実施形態の要部を示す説明図である。
【図21】本発明の第2実施形態の要部を示す説明図である。
【図22】本発明の第3実施形態の要部を示す説明図である。
【符号の説明】
【0072】
1 インクジェット記録装置
2 給紙トレイ
3 分離ローラ
4 搬送ローラ
5 ピンチローラ
6 プラテン
7 記録部
8 排紙ローラ
9 排紙拍車
10 排紙トレイ
100 液体塗布装置
1001 塗布ローラ
1002 カウンターローラ
1003 ローラ駆動機構
1004 ローラ駆動モータ
1005 動力伝達機構
1007 塗布部材軸受け
1008 カウンターローラ軸受け
2001 液体保持部材
2002 空間形成部材
2003 凹部
2004 液体供給口
2005 液体回収口
2009 当接部材
2010 上縁部
2011 下縁部
2012 左側縁部
2013 右側縁部
3000 液体流路
3001 第1流路
3002 第2流路
3003 貯蔵タンク
3004 大気連通口
3005 大気連通弁
3006 切換弁
3007 ポンプ
4000 制御部
4001 CPU
4002 ROM
4003 RAM
4004 入力操作部
4005 表示部
4006 検出部
4007 ローラ駆動モータの駆動回路
4008 ポンプ駆動モータの駆動回路
4009 ポンプ駆動モータ
4010 大気連通弁の駆動回路
4011 切換弁の駆動回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に液体を塗布する塗布面を有する塗布部材と、前記塗布部材の塗布面に当接して前記液体を前記塗布部材に供給する供給手段と、前記塗布部材と記録媒体を狭持し協動回転により記録媒体を搬送するカウンターローラと、前記塗布部材及びカウンターローラの回転軸を回転可能に支持する保持部材を有し、
前記塗布部材の塗布面を回転移動させることによって前記塗布面に供給された液体を前記媒体に塗布する液体塗布装置であって、
前記カウンターローラにおいて、前記塗布部材と当接する当接部と、ローラを回転可能に支持する保持部材との間の回転軸上にフランジもしくは溝を形成したことを特徴とする液体塗布装置。
【請求項2】
前記カウンターローラの回転軸上に設けられた前記フランジもしくは溝に対して、吸収体を当接または近傍に配置させたこと特徴とする請求項1記載の液体塗布装置。
【請求項3】
媒体に液体を塗布する塗布面を有する塗布部材と、前記塗布部材の塗布面に当接して前記液体を前記塗布部材に供給する供給手段と、前記塗布部材と記録媒体を狭持し協動回転により記録媒体を搬送するカウンターローラを有し、前記塗布部材及びカウンターローラを回転可能に保持する保持部材を有し、
前記塗布部材の塗布面を回転移動させることによって前記塗布面に供給された液体を前記媒体に塗布する液体塗布装置であって、
前記塗布部材において、前記塗布面と前記塗布部材を回転可能に保持する保持部材との間の回転軸上にフランジもしくは溝を形成したことを特徴とする液体塗布装置。
【請求項4】
前記塗布部材の回転軸上に設けられた前記フランジもしくは溝に吸収体を当接または近傍に配置させたこと特徴とする請求項3記載の液体塗布装置。
【請求項5】
媒体に液体を塗布する塗布面を有する塗布部材と、前記塗布部材の塗布面に当接して前記液体を前記塗布部材に供給する供給手段と、前記塗布部材と記録媒体を狭持し協動回転により記録媒体を搬送するカウンターローラと、前記塗布部材及びカウンターローラの回転軸を回転可能に支持する保持部材を有し、
前記塗布部材の塗布面を回転移動させることによって前記塗布面に供給された液体を前記媒体に塗布する液体塗布装置であって、
前記カウンターローラにおいて、前記塗布部材と当接する当接部と、ローラを回転可能に支持する保持部材との間の回転軸上にフランジもしくは溝を形成し、かつ、
前記塗布部材において、前記塗布面と前記塗布部材を回転可能に保持する保持部材との間の回転軸上にフランジもしくは溝を形成したことを特徴とする液体塗布装置。
【請求項6】
前記カウンターローラ及び前記塗布部材の回転軸上に設けられた前記フランジもしくは溝に吸収体を当接または近傍に配置させたこと特徴とする請求項5記載の液体塗布装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate


【公開番号】特開2007−117807(P2007−117807A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−310144(P2005−310144)
【出願日】平成17年10月25日(2005.10.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】