説明

液体式マッサージ装置

【課題】噴射ノズルを極力支持シートに接近させて効果的なマッサージを行えるようにしつつ、支持シートと噴射ノズルとの干渉を防止する。
【解決手段】本体ハウジング1の上方開口を覆う支持シート2によって、患者Mが支承される。本体ハウジング1内に配設された噴射ノズル12(12A〜12F)から支持シート2に向けて噴射される噴射用液体によって、患者Mに刺激が与えられる。支持シート2の下方への撓み量は、患者Mの尻部付近が特に大きくなることから、尻部付近の噴射ノズル12Dは低い位置に設定され、脚部付近の噴射ノズル12Fは高い位置に設定される。各噴射ノズル12よりも若干高い位置に、支持シート2が噴射ノズル12に接触するのを防止する規制部材10を設けることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴射用液体による刺激を利用してマッサージを行う液体式マッサージ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
人体に対するマッサージを行うマッサージ装置の中には、噴射ノズルから噴射される液体つまり噴射液体を利用したものがある。この種の液体式マッサージ装置としては、基本的に、細長とされた本体ハウジングの上方開口が支持シートによって施蓋されて、該本体ハウジング内に配設された噴射ノズルから噴射用液体を支持シートの下面に向けて噴射することにより、該支持シート上に横たわる使用者に対して刺激を与えるものとなっている。
【0003】
上記液体式マッサージ装置は、使用者の支持の仕方の相違に応じて2種類存在する。その第1の形式のものは、特許文献1に示すように、本体ハウジング内が噴射用液体で充満された形式、つまり本体ハウジング内の噴射用液体がまったく自由表面を有しない形式(支持シートの下方に空気層が形成されない形式)である。このものにあっては、支持シート上の使用者の重量を噴射用液体によって受け止めることがででき、また騒音低減の面で有利である。
【0004】
また、液体式マッサージ装置の第2の形式のものは、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5に示すように、本体ハウジング内の噴射用液体の液位が噴射ノズルよりも低い位置とされることにより、本体ハウジング内の噴射用液体が自由表面を有するもの、つまり、支持シートの下方に空気層が介在される形式のものである。このものにあっては、本体ハウジングの底部に貯溜された噴射用液体がポンプによって汲み上げられて噴射ノズルから噴射され、支持シートに下方から衝突した後に落下して、再び噴射ノズルに供給されることになる。この第2の形式のものでは、噴射用液体の噴射圧力が比較的小さくてすむという利点がある。
【特許文献1】特開平8−252293号公報
【特許文献2】特開2000−325420号公報
【特許文献3】特公昭39−15383号公報
【特許文献4】米国特許明細書第4,853,988号
【特許文献5】米国特許明細書第4,976,256号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述した液体式マッサージ装置においては、噴射用液体を循環させつつ噴射するために相当に大きなエネルギが必要となり、このため、噴射用液体を圧送するためのポンプとしてかなり大型なものが要求される。エネルギを低減しつつ噴射用液体による効果的なマッサージを行うために、噴射ノズル(の噴射口)を極力支持シートに接近させることが考えられる。しかしながら、この場合、支持シートが、患者の体重によってかなり大きく下方へ撓み変形されるために、支持シートと噴射ノズルとの干渉(接触)という問題を新たに生じることになる。
【0006】
より具体的には、支持シート上において例えば患者が仰向け姿勢となったとき、支持シートは、患者の尻部(臀部)付近においては患者の体重の相当の割合が作用するために大きく下方へ撓み変形される一方、その反作用を受けると共に軽い重量部分を支承する患者の脚部付近においては上方へ撓み変形することになる。このため、例えば、患者の尻部付近において最適なように噴射ノズルの高さ位置を設定したのでは、患者の脚部付近では噴射ノズル位置が低くなり過ぎて(噴射ノズルと支持シートとの上下方向間隔が大きくなり過ぎて)効果的なマッサージを行うことが難しいものとなる。逆に、患者の脚部付近において最適なように噴射ノズルの高さ位置を設定したのでは、患者の尻部付近では噴射ノズル位置が低くなり過ぎて、噴射ノズルに対して支持シートが干渉してしまうことになる。
【0007】
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、噴射ノズルを極力支持シートに接近させて効果的なマッサージを行えるようにしつつ、患者の体重を受ける支持シートが噴射ノズルと干渉しないようにした液体式マッサージ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、本発明にあっては、その第1の解決手法として次のようにしてある。すなわち、特許請求の範囲における請求項1に記載のように、
上方が開口されると共に細長に設定された本体ハウジングと、該本体ハウジングの上方開口を施蓋すると共に患者を支承する支持シートと、該本体ハウジング内に配設されて該本体ハウジング内の噴射用液体を該支持シートの下面に向けて噴射するための噴射ノズルとを備えた液体式マッサージ装置において、
前記噴射ノズル付近でかつ該噴射ノズルからの噴射液体と干渉しない位置において、前記支持シートが患者の重みによって下方へ撓み変形されたときに、該支持シートが該噴射ノズルに対して接触するのを防止する規制部材が設けられている、
ようにしてある。
【0009】
上記解決手法によれば、規制部材によって支持シートが噴射ノズルと干渉するのを防止するようにしてあるので、噴射ノズルそのものは規制部材がない場合に比して、支持シートに対して十分に接近させて配設することができ、効果的なマッサージを行うことができる。そして、噴射ノズルを支持シートに接近させて配置できるということは、同じマッサージ効果を得るのであれば、噴射用液体の噴射圧力を低減すること、つまり噴射用液体の圧送用ポンプを小型化することが可能となって、マッサージのためのエネルギを低減する上でも好ましいものとなる。
【0010】
上記第1の解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2〜請求項10に記載のとおりである。すなわち、
前記噴射ノズルが上下方向に伸びる所定軸線回りに回転可能とされると共に、該噴射ノズルの噴射口が該所定軸線に対してオフセットされた位置に設定されて、該噴射ノズルの回転に応じて該噴射口が円弧状の軌跡を描くように設定され、
前記規制部材が、略水平に伸びる平板状とされて、前記所定軸線上において前記噴射ノズルよりも高い位置に配設されている、
ようにしてある(請求項2対応)。この場合、回転されることによって噴射口の位置が円弧状に移動されて、マッサージ位置を変更することができる。また、規制部材によって、回転される噴射ノズルが支持シートと干渉することが防止されるので、噴射ノズルの回転が阻害されることも防止されることになる。そして、規制部材を水平に伸びる平板状とすることにより、規制部材の占める上下方向スペースを極力小さいものとして、その分噴射ノズルをより一層支持シートに接近して配設する上で好ましいものとなる。さらに、規制部材が平板状とされていることにより、支持シートが規制部材に接触したときに支持シートが損傷されてしまう事態を防止する上で好ましいものとなり、また支持シートを介して患者が規制部材の存在に極力違和感を感じさせないようにする上でも好ましいものとなる。
【0011】
前記本体ハウジング内において、支軸が上下方向に伸ばして固定配置され、
前記噴射ノズルが、前記支軸に回転自在に保持された回転子を有して、前記噴射口が該回転子に形成されており、
前記噴射口は、該噴射口から噴射される液体の反力によって前記回転子が前記支軸の回りに回転駆動されるように傾斜設定され、
前記支軸の上端部に対して、前記回転子の上面よりも高い位置において前記規制部材が取付けられている、
ようにしてある(請求項4対応)。この場合、噴射口から噴射される噴射用液体の反力を利用して、噴射口を有する回転子を回転させることができ、別途回転駆動機構を設ける場合に比して、噴射ノズルの回転構造を簡単化することができる。また、モータによる回転駆動を行う場合に比して、噴射用液体の反力という比較的弱い駆動力であるがために、支持シートとの干渉を生じた場合に回転子の回転が阻害される可能性が極めて高いものとなるが、規制部材による干渉防止によって回転子の確実な回転を確保することができる。
【0012】
前記支軸および回転子がそれぞれ、噴射用液体が通過されるように中空構造とされて、前記支軸内に供給される噴射用液体が該回転子の内部を通って前記噴射口から噴射されるように設定されている、ようにしてある(請求項4対応)。この場合、噴射用液体の供給径路を、支軸および回転子を有効に利用して構成することができる。
【0013】
前記支軸の周囲に円筒状のスペーサが嵌合されており、
前記回転子が、前記スペーサよりも高い位置において前記支軸に嵌合されて、該スペーサによって下方への変位が規制されており、
前記規制部材が固定具によって前記支軸の上端面に取付けられて、該規制部材によって前記回転子の上方への変位が規制されている、
ようにしてある(請求項5対応)。この場合、スペーサと規制部材とを利用して、回転子の高さ位置を所望の高さに精度よく設定、維持することができる。
【0014】
前記噴射ノズルが、前記支持シートの長手方向に間隔をあけて複数固定配置され、
前記支持シート上に横たわる患者の尻部付近に位置される噴射ノズルの高さ位置が、患者の脚部付近に位置される噴射ノズルの高さ位置よりも低い位置となるように設定されている、
ようにしてある(請求項6対応)。この場合、支持シート上に患者が横たわったときの支持シートが受け止める重量配分の相違によって生じる支持シートの変形態様の相違を勘案して、各噴射ノズルの高さ位置が最適設定されて、各噴射ノズル毎に効果的なマッサージを行うことができる。
【0015】
前記噴射ノズルが、前記支持シートの長手方向に間隔をあけて複数固定配置され、
前記支持シート上に横たわる患者の尻部付近に位置される噴射ノズルに対応した前記規制部材の高さ位置が、患者の脚部付近に位置される噴射ノズルに対応した前記規制部材の高さ位置よりも低い位置となるように設定されている、
ようにしてある(請求項7対応)。この場合、請求項6に対応した効果と同様の効果を得ることができる。
【0016】
前記噴射ノズルが、走行レールに沿って前記支持シートの長手方向に移動されるように設定され、
前記走行レールの高さが前記支持シートの長手方向において変化されて、前記移動される噴射ノズルの高さ位置が、前記支持シート上に横たわる患者の尻部付近に位置されたときは患者の脚部付近に位置されたときに比して低くなるように設定されている、
ようにしてある(請求項8対応)。この場合、噴射ノズルが固定式でなく移動式である場合に、請求項6に対応した効果を得ることができる。また、走行レールの高さ位置設定という簡単な手法によって、噴射ノズルの高さ位置を最適な位置とすることができる。
【0017】
前記噴射ノズルおよび前記規制部材が一体となって、前記本体ハウジング内に配設された走行レールに沿って前記支持シートの長手方向に移動されるように設定され、
前記走行レールの高さが前記支持シートの長手方向において変化されて、前記移動される前記規制部材の高さ位置が、前記支持シート上に横たわる患者の尻部付近に位置されたときは患者の脚部付近に位置されたときに比して低くなるように設定されている、
ようにしてある(請求項9対応)。この場合、請求項8に対応した効果と同様の効果を得ることができる。
【0018】
前記本体ハウジング内は、噴射用液体で充満されて前記支持シートの下方に空気層が形成されないように設定されている、ようにしてある(請求項10対応)。この場合、支持シートに加わる患者の体重を本体ハウジング内の噴射用液体でしっかりと受け止めることができ、また騒音低減の上で好ましいものとなる。
【0019】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような第2の解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項11に記載のように、
上方が開口されると共に細長に設定された本体ハウジングと、該本体ハウジングの上方開口を施蓋すると共に患者を支承する支持シートと、該本体ハウジング内に配設されて該本体ハウジング内の噴射用液体を該支持シートの下面に向けて噴射するための噴射ノズルとを備えた液体式マッサージ装置において、
前記噴射ノズルが、前記支持シートの長手方向に間隔をあけて複数固定配置され、
前記支持シート上に横たわる患者の尻部付近に位置される噴射ノズルの高さ位置が、患者の脚部付近に位置される噴射ノズルの高さ位置よりも低い位置となるように設定されている、
ようにしてある。
【0020】
上記第2の解決手法によれば、支持シート上に患者が横たわったときに、支持シートへの患者の体重配分に応じた支持シートの長手方向での変形態様の相違を考慮して、各噴射ノズルが支持シートに対してそれぞれ近くなり過ぎたりあるいは遠くなり過ぎたりすることがなく、それぞれ最適な高さ位置に設定されて、噴射ノズルと支持シートとの干渉を防止しつつ、噴射ノズルと支持シートとの上下方向間隔を極力小さいものとして効果的なマッサージ効果を得ることができる。
【0021】
上記第2の解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項12に記載のとおりである。すなわち、
前記各噴射ノズルについて、該噴射ノズル付近でかつ該噴射ノズルからの噴射液体と干渉しない位置において、前記支持シートが患者の重みによって下方へ撓み変形されたときに、該支持シートが該噴射ノズルに対して接触するのを防止する略水平に伸びる平板状の規制部材が配設され、
前記支持シート上に横たわる患者の尻部付近に位置される前記規制部材の高さ位置が、患者の脚部付近に位置される前記規制部材の高さ位置よりも低い位置となるように設定されている、
ようにしてある(請求項12対応)。この場合、規制部材によって各噴射ノズルと支持シートとの干渉を確実に防止することができる。また、規制部材を水平に伸びる平板状とすることにより、規制部材の占める上下方向スペースを極力小さいものとして、その分噴射ノズルをより一層支持シートに接近して配設する上で好ましいものとなる。さらに、規制部材が平板状とされていることにより、支持シートが規制部材に接触したときに支持シートが損傷されてしまう事態を防止する上で好ましいものとなり、また支持シートを介して患者が規制部材の存在に極力違和感を感じさせないようにする上でも好ましいものとなる。
【0022】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような第3の解決手法を採択してある。すなわち、特許請求の範囲における請求項13に記載のように、
上方が開口されると共に細長に設定された本体ハウジングと、該本体ハウジングの上方開口を施蓋すると共に患者を支承する支持シートと、該本体ハウジング内に配設されて該本体ハウジング内の噴射用液体を該支持シートの下面に向けて噴射するための噴射ノズルとを備えた液体式マッサージ装置において、
前記噴射ノズルが、走行レールに沿って前記支持シートの長手方向に移動されるように設定され、
前記走行レールの高さが前記支持シートの長手方向において変化されて、前記移動される噴射ノズルの高さ位置が、前記支持シート上に横たわる患者の尻部付近に位置されたときは患者の脚部付近に位置されたときに比して低い位置となるように設定されている、
ようにしてある。
【0023】
上記第3の解決手法によれば、支持シート上に患者が横たわったときの支持シートが受け止める重量配分の相違によって生じる支持シートの変形態様の相違を勘案して、噴射ノズルの高さ位置が最適設定されて、噴射ノズルの移動位置にかかわらず、噴射ノズルと支持シートとの干渉を防止しつつ効果的なマッサージを行うことができる。また、走行レールの高さ位置設定という簡単な手法によって、噴射ノズルの高さ位置を最適な位置とすることができる。
【0024】
上記第3の解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項14に記載のとおりである。すなわち、
前記噴射ノズルと一体に移動するように、略水平に伸びる平板状の規制部材が設けられ、
前記規制部材は、前記噴射ノズルからの噴射液体と干渉しない位置でかつ該噴射ノズルよりも高い位置に配設されて、前記支持シートが患者の重みによって下方へ撓み変形されたときに、該支持シートが該噴射ノズルに対して接触するのを防止する、ようにしてある(請求項14対応)。この場合、規制部材によって噴射ノズルの移動位置にかかわらず支持シートとの干渉を確実に防止することができる。また、規制部材を水平に伸びる平板状とすることにより、規制部材の占める上下方向スペースを極力小さいものとして、その分噴射ノズルをより一層支持シートに接近して配設する上で好ましいものとなる。さらに、規制部材が平板状とされていることにより、支持シートが規制部材に接触したときに支持シートが損傷されてしまう事態を防止する上で好ましいものとなり、また支持シートを介して患者が規制部材の存在に極力違和感を感じさせないようにする上でも好ましいものとなる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、患者の体重を受ける支持シートが噴射ノズルと干渉してしまう事態を防止しつつ、噴射ノズルを極力支持シートに接近させて効果的なマッサージを行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1、図2において、フレームF上に本体ハウジング1が固定、設置され、この本体ハウジング1は、例えば繊維強化プラスチックによって、上方が開口された細長い槽状に形成されている。この本体ハウジング1は、略水平に配設されて、その上方開口1aは支持シート2によって施蓋されている。支持シート2上には、マッサージを受ける患者(使用者)Mが、例えばあお向け等の倒伏姿勢(横たわり姿勢)でもって保持(支持)される。本体ハウジング1内には、マッサージ液体としての噴射用液体(通常は湯水が用いられる)が充満されており、支持シート2の下方には空気層が存在しないようにされている。
【0027】
支持シート2は、実施形態では、図3に示すように、第1部材2Aと第2部材2Bとの2層構造として構成されている。すなわち、第1部材2Aは、多数の目を有する網目状(格子状)とされて、使用者Mの重量を支承するのに十分な強度(引張強度)を有している。また、第2部材2Bは、ゴム(実施形態ではシリコンゴム)等の薄い弾性部材によって形成されて、第1部材2A上に載置された状態とされる。この第2部材2Bは、もっぱら本体ハウジング1の上方開口1aからの噴射用液体の洩れを防止するシール作用を有する程度の厚さ(強度)でよいので、十分に柔らかいものとすることができる。これにより、第2部材2Bに対して、使用者Mが大きな面積でもって密着されると共に、下方からの噴射用液体の物理的な力が効果的に使用者Mに伝達されるようになっている。このような2つの部材2Aと2Bとはそれぞれその周縁部が、本体ハウジング1(の上方開口1a)の周縁部に固定されている。なお、支持シート2は、実施形態のものに限定されるものではなく、例えば、全体としてゴム等の薄い弾性部材のみによって形成するようにしてもよく、あるいは強度確保のためにその内部に強化繊維を含むものとしてもよい。
【0028】
本体ハウジング1内には、複数の噴射ノズル12A〜12Fが配設されており、各噴射ノズル12A〜12Fを区別する必要のないときは噴射ノズルを単に符合「12」で示すこととする。各噴射ノズル12は固定式とされて、それぞれ次のような位置に配設されている。すなわち、支持シート2上に横たわる平均的な体格の患者Mに対して、噴射ノズル12Aは患者Mの首部付近に位置され、左右一対の噴射ノズル12Bは患者Mの左右の肩部付近に位置され、噴射ノズル12Cは患者Mの腰部付近に位置され、左右一対の噴射ノズル12Dは患者Mの尻部付近に位置され、左右一対の噴射ノズル12Eは患者Mの太もも部付近に位置され、左右一対の噴射ノズル12Fは患者Mの脚部付近に位置される。そして、各噴射ノズル12には、図3に示すように、規制部材10が設けられている。この規制部材10は、後述するように、支持シート2と噴射ノズル12との干渉(接触)を防止するためのものであって、略水平に伸びる平板状とされて、噴射ノズル12よりもわずかに高い位置に配設されている。
【0029】
支持シート2上の患者Mが横たわり姿勢のとき、図2に示す基準位置にある支持シート2は、患者Mの体重によって、上半身部分特に尻部付近が大きく下方へ撓み変形され、その反力と体重の配分割合が小さい太もも部や脚部付近では、下方へ殆ど撓み変形しないか逆に上方へ若干撓み変形される。このような支持シートの長手方向におけるたわみ変形の態様が相違するのに対応して、患者Mの尻部から上部に位置される噴射ノズル12A〜12Dの高さ位置が相対的に低い位置となるように設定される一方、尻部よりも下方にある噴射ノズル12E、12Fの高さ位置が相対的に高い位置となるように設定されている。すなわち、図2において、患者Mを支承していない支持シート2が水平線となる基準線LHにあるとしたとき(基準線LHは、支持シート2の長手方向端部同士を水平方向に伸びる直線で結んだ仮想線と考えることもできる)、噴射ノズル12A〜12Dと支持シート2との上下方向間隔が図2において符合L1で示され、噴射ノズル12E、12Fと支持シート2との上下方向間隔が符合L2で示され、L1>L2となるように設定されている。
【0030】
上記L1とL2の大きさは、例えば次のような観点から設定されている。まず、本体ハウジング1内への噴射用液体の充填量を、支持シート2の長手方向略中間部が長手方向各端部とほぼ同一の高さ位置となるように設定した状態(この状態から噴射用液体の充填量が増えるほど支持シート2の長手方向略中間部が盛り上がる傾向となり、充填量が少なくなるほど支持シート2の長手方向略中間部が下方へ垂れ下がる傾向となる)において、比較的大きな体重(例えば100kg)の患者Mが支持シート2上に横たわったときに、患者Mの尻部付近に位置する噴射ノズル12D(およびその規制部材10)が支持シート2に接触しない程度に近接するように上記L1の大きさが設定され(例えばL1=4〜6cm)、またL1とL2との差は、例えば4〜6cm程度の範囲となるようにされている。なお、L1、L2の上記のような設定関係は、規制部材10と支持シート2との間の上下方向間隔についても同様である(規制部材10が噴射ノズル12よりも若干上方に位置されていることから、L1、L2の値そのものは規制部材10が噴射ノズル12よりも若干上方に位置している寸法差分だけ相違される)。
【0031】
次に、図3を参照しつつ、噴射ノズル12の詳細について説明するが、各噴射ノズル12A〜12Fは、その直径や高さは一部相違があるものの、実質的に同様の構造とされている。まず、本体ハウジング1の底壁部1bには、上下方向に伸びる支軸11が固定されている。すなわち、支軸11は、底壁部1bに形成された取付孔1cを貫通した状態で、例えば支軸11に溶接されたフランジ部11aを底壁部1bの上面に着座させた状態で、ボルト13,ナット14によって固定されている。取付孔1cは、フランジ部11aと底壁部1bとの間に介在されたパッキン15によってシールされている。
【0032】
支軸11に対しては、そのフランジ部11aの上部において、円筒状のスペーサ16が嵌合されている。そして、スペーサ16の上方において、支軸11には、軸受17、18を介して、回転子20が回転可能に保持されている。そして、支軸11の上開口端部を施蓋するように支軸11に一体化された栓体11bに対して、規制部材10がボルト19によって固定されている。これにより、回転子20は、スペーサ16によって下方への移動が規制され、規制部材10によって上方への移動が規制された状態の所定高さ位置でもって、支持11回りを回転可能とされている。なお、回転子20は、上部材20Aと下部材20Bとをボルト21、ナット22によって締結することによって、全体として中空構造の円盤状とされている。
【0033】
支軸11は、その下端部が、噴射用液体の供給ホース25に接続される。支軸11は、その上部において、複数の連通孔11cが形成されており、この連通孔11cを介して、支軸11内の通路11dと回転子20内の中空部20aが常時連通されている。回転子20の上面には、噴射口30が形成されている。この噴射口30は、回転子20の外周縁部寄りに形成されて、支軸11の軸線に対して径方向外方側にオフセットされた位置に形成されている。また、規制部材10は、実施形態では円板状とされて、その外周縁部が噴射口30には達しない径に設定されている。このような回転子20の上面は、上方に突出する突部を有しない平坦面状とされて、規制部材10との上下方向間隔が極力小さくできるように設定されている。
【0034】
噴射口30は、回転子20内の中空部20aに常時連通されていて、支軸11に対して傾斜設定されている。すなわち、噴射口30は、中空部20aに連通する下端位置に対して、回転子20の上面に開口する上端位置が回転子20の周方向においてずれた位置とされている。これにより、噴射口20から上方に向けて噴射用液体が噴射されたとき、その反力によって、回転子20が回転されるようになっている。そして、回転子20の回転数は、回転子20の下端部に固定した抵抗板23によって過度に大きくならないように調整される(本体ハウジング1内の噴射用液体による抵抗)。なお、各噴射ノズル12A〜12Fにおける回転子20の回転方向は、図1に示す矢印で示すようになっている(左右一対の関係にある2つの噴射ノズルの回転子20同士は、互いに反対方向に回転されるように設定)。
【0035】
次に、各噴射ノズル12A〜12Fに対する噴射用液体の供給径路について、図2を参照しつつ説明する。まず、本体ハウジング1内の噴射用液体が、ポンプ40によって、クーラ41を経由する経路とクーラ41をバイパスする径路とを経て分配タンク42に圧送される。分配タンク42に対して、各噴射ノズル12A〜12Fが個々独立して、前述の供給ホース25を介して接続される。各噴射ノズル12A〜12Fと分配タンク42との間には、流量調整のための電磁式の調整弁43A〜43Fが介在されている。なお、図示を略すが、クーラ41用のファンが噴射用液体の温度に応じて適宜作動されて、噴射用液体が高温になり過ぎるのが防止される。
【0036】
ポンプ40を運転することにより、本体ハウジング1内の噴射用液体が、クーラ41で冷却された後、分配タンク42に圧送される。そして、噴射用液体は、分配タンク42から調整弁43A〜43F、支軸11内の通路11d、回転子20内の中空部20aを経て、噴射口30より支持シート2へ向けて噴射される。噴射口30から支持シート2へ向けて噴射された噴射用液体の刺激によって、支持シート2上の患者Mに対してマッサージが行われる。支持シート2に衝突した噴射用液体は、再びポンプ40によって噴射口30からの噴射用として用いられることになる(噴射用液体の循環)。噴射口30から噴射用液体が噴射されるとき、その反力によって回転子20が回転されて、噴射口30の位置が支軸11を中心とする円弧状の軌跡上で移動されて、患者Mに対する刺激位置が変化されることになる。
【0037】
ここで、患者Mが例えば図1に示すように支持シート2上に横たわったとき、支持シート2のうち、患者Mの尻部付近はかなり大きく下方へ撓み変形され、その反力と患者Mの脚部付近の体重配分割合が小さいことから、脚部や太もも部付近では逆に上方へ撓み変形されることになる。基準線LHに対して、尻部付近およびこれよりも上半身部分に位置される噴射ノズル12A〜12Dの上下方向間隔L1は大きく設定される一方、脚部や太もも部付近の噴射ノズル12E、12Fの上下方向間隔L2が小さく設定されていることから、上述した支持シートのたわみ変形後の状態では、各噴射ノズル12A〜12Fの支持シート2に対する上下方向間隔がほぼ等しくされた状態となり、しかも支持シート2に十分接近した状態となる。これにより、ポンプ40を小型のものを用いても(噴射用液体の圧送力を小さくしても)、各噴射口30から噴射される噴射用液体は十分に大きな圧力を有したまま支持シート2に衝突して、患者Mに対して十分なマッサージ効果を与えることができる。そして、規制部材10を設けてあることから、想定しているよりも大きく支持シート2が下方へ撓み変形しても、支持シート2は規制部材10の当接して噴射ノズル12(特に回転子20)に接触するような事態が防止され、回転子20の円滑な回転が常に確保されることになる。また、規制部材10が平板状とされていることから、下方へ撓み変形された支持シート2が規制部材10に接触しても支持シート2が損傷されるような事態も防止され、しかも支持シート2を通して患者Mが規制部材10の存在に極力違和感を感じさせないようにする上でも好ましいものとなる。
【0038】
なお、図1において、支持シート2の他端側手方向一端部の近くには、操作盤60が配設されて、ポンプ40による運転能力の調整操作(噴射口30からの噴射用液体の噴射圧力の調整操作)、噴射ノズル12A〜12Fのうち運転すべき噴射ノズルの選択操作と、各噴射ノズルからの噴射用液体の噴射圧力の個々の調整の操作と、マッサージを行う時間の設定操作等が行われ、この選択された操作状態が操作盤60の表示部に表示される。
【0039】
図4は、本発明の第2の実施形態を示すもので、前記実施形態と同一構成要素には同一符合を付してその重複した説明は省略する。本実施形態では、噴射ノズル12としては、全体として1つのみあるいは左右一対設けて、本体ハウジング1の長手方向に沿って移動させることにより、マッサージを行う部位を順次変更するようにしてある。すなわち、本体ハウジング1内には、本体ハウジング1の長手方向に伸びる走行レール50が配設されて、この走行レール50上を、台車51が走行されるようになっている。台車51には、噴射ノズル12が保持されて、台車51を図示を略す駆動機構によって走行レール50に沿って駆動(移動)することによって、噴射ノズル12の位置が変更される。
【0040】
なお、走行台車50つまり噴射ノズル12の駆動は、例えばチェーン、ねじ棒とこれに螺合されたナットを利用する方式等、適宜の方式を採択できる。また、噴射ノズル12およびこれに対応して設けた規制部材10は、前記実施形態の場合と実質的に同じように構成されている(噴射ノズル12が移動される関係上、噴射ノズル12は、長い可撓性ホースを介してポンプ40側に接続されることになる。
【0041】
走行レール50は、次のように、本体ハウジング1の長手方向において、その高さ位置が変化するように設定されている。すなわち、走行レール50は、患者Mの尻部付近がもっとも低くなる第1部分50aと、第1部分50aの脚部側の端部から脚部に向けて徐々に高くなる第2部分50bと、第1部分50aの首部側の端部から首部に向けて徐々に高くなる第3部分50cとを有するように設定されている。各部分50a、50b、50cの設定によって、走行レール50は、患者Mが横たわったときの支持シート2の撓み変形した状態の形状に近似した高さ位置の変化とされる。これにより、前記実施形態の場合と同様に、噴射ノズル12がどの位置に移動しても、患者Mが横たわっている支持シート2に対して、ほぼ同じ程度に近接した状態となり、効果的なマッサージが行われることになる。また、噴射ノズル12よりもわずかに高い位置にある規制部材10によって、支持シート2が不用意に噴射ノズル12に接触してしまう事態も防止されることになる。なお、上記各部分50a〜50c(の上面)はそれぞれ直線状に形成してあるが、支持シート2の撓み変形に合わせて曲線的に形成することもできる(この場合、噴射ノズル12の移動に応じた噴射ノズル12と撓み変形されている支持シート2との上下方向間隔をより一定値に近づけることができる)。
【0042】
以上実施形態について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば次のような場合をも含むものである。図1〜図3の実施形態において、噴射ノズル12の数やその配設位置は任意に設定できる。噴射ノズル12を回転させる場合に、別途モータ等の駆動手段を利用して回転駆動するようにしてもよく、あるいは噴射ノズル12を回転させないようにすることもできる。支持シート2の下方に空気層が形成される形式の液体式マッサージ装置であってもよく、この場合は、噴射ノズル12の噴射口30を噴射用液体の液面よりも上方(つまり空気層)に開口させてよく、あるいは噴射用液体の液面下に開口させるようにしてもよい。規制部材10は、多数の小孔を有する構造としたり、円板状以外の形状に設定することもでき、さらには実質的に平板状ではあるがその上面を支持シート2の撓み変形形状にほぼ沿うような湾曲形状とすることもできる。
【0043】
図1〜図3の実施形態において、多数の噴射ノズル12A〜12F(の上面およびこれに対応した規制部材10の上面)の高さ位置を、3段階以上に相違させて設定するようにしてもよい。すなわち、患者Mが横たわって撓み変形された状態での支持シート2に対して、各噴射ノズル12A〜12Fの上下方向間隔がほぼ同じとなるように設定するのが理想的であることから、例えば、脚部付近の噴射ノズル12Fをもっとも高い位置とし、首部付近の噴射ノズル12Aおよび太もも部付近の噴射ノズル12Eを2番目に高い位置に設定し、肩部付近の噴射ノズル12Bを3番目に高い位置に設定し、腰部付近の噴射ノズル12Cを4C番目に高い位置に設定し、尻部付近の噴射ノズル12Dをもっとも低い位置に設定することができる。本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施形態を示す平面図。
【図2】本発明の一実施形態を示す側面断面図。
【図3】噴射ノズル部分の詳細断面図。
【図4】本発明の第2の実施形態を示す簡略側面断面図。
【符号の説明】
【0045】
M:患者
L1:上下方向間隔
L2:上下方向間隔
1:本体ハウジング
1a:上方開口
1b:底壁部
1c:取付孔
2:支持シート
10:規制部材
11:支軸
11a:フランジ部
11c:連通孔
11d:中空部
12A〜12F:噴射ノズル
20:回転子
20c:中空部
30:噴射口
40:ポンプ(噴射用液体圧送用)
42:分配タンク
43A〜43F:調整弁(噴射量調整用)
50:走行レール
51:台車



【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方が開口されると共に細長に設定された本体ハウジングと、該本体ハウジングの上方開口を施蓋すると共に患者を支承する支持シートと、該本体ハウジング内に配設されて該本体ハウジング内の噴射用液体を該支持シートの下面に向けて噴射するための噴射ノズルとを備えた液体式マッサージ装置において、
前記噴射ノズル付近でかつ該噴射ノズルからの噴射液体と干渉しない位置において、前記支持シートが患者の重みによって下方へ撓み変形されたときに、該支持シートが該噴射ノズルに対して接触するのを防止する規制部材が設けられている、
ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記噴射ノズルが上下方向に伸びる所定軸線回りに回転可能とされると共に、該噴射ノズルの噴射口が該所定軸線に対してオフセットされた位置に設定されて、該噴射ノズルの回転に応じて該噴射口が円弧状の軌跡を描くように設定され、
前記規制部材が、略水平に伸びる平板状とされて、前記所定軸線上において前記噴射ノズルよりも高い位置に配設されている、
ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記本体ハウジング内において、支軸が上下方向に伸ばして固定配置され、
前記噴射ノズルが、前記支軸に回転自在に保持された回転子を有して、前記噴射口が該回転子に形成されており、
前記噴射口は、該噴射口から噴射される液体の反力によって前記回転子が前記支軸の回りに回転駆動されるように傾斜設定され、
前記支軸の上端部に対して、前記回転子の上面よりも高い位置において前記規制部材が取付けられている、
ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記支軸および回転子がそれぞれ、噴射用液体が通過されるように中空構造とされて、前記支軸内に供給される噴射用液体が該回転子の内部を通って前記噴射口から噴射されるように設定されている、
ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項5】
請求項3または請求項4において、
前記支軸の周囲に円筒状のスペーサが嵌合されており、
前記回転子が、前記スペーサよりも高い位置において前記支軸に嵌合されて、該スペーサによって下方への変位が規制されており、
前記規制部材が固定具によって前記支軸の上端面に取付けられて、該規制部材によって前記回転子の上方への変位が規制されている、
ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項6】
請求項2ないし請求項5のいずれか1項において、
前記噴射ノズルが、前記支持シートの長手方向に間隔をあけて複数固定配置され、
前記支持シート上に横たわる患者の尻部付近に位置される噴射ノズルの高さ位置が、患者の脚部付近に位置される噴射ノズルの高さ位置よりも低い位置となるように設定されている、
ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項7】
請求項2ないし請求項6のいずれか1項において、
前記噴射ノズルが、前記支持シートの長手方向に間隔をあけて複数固定配置され、
前記支持シート上に横たわる患者の尻部付近に位置される噴射ノズルに対応した前記規制部材の高さ位置が、患者の脚部付近に位置される噴射ノズルに対応した前記規制部材の高さ位置よりも低い位置となるように設定されている、
ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項8】
請求項2ないし請求項5のいずれか1項において、
前記噴射ノズルが、走行レールに沿って前記支持シートの長手方向に移動されるように設定され、
前記走行レールの高さが前記支持シートの長手方向において変化されて、前記移動される噴射ノズルの高さ位置が、前記支持シート上に横たわる患者の尻部付近に位置されたときは患者の脚部付近に位置されたときに比して低くなるように設定されている、
ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項9】
請求項2ないし請求項5または請求項8のいずれか1項において、
前記噴射ノズルおよび前記規制部材が一体となって、前記本体ハウジング内に配設された走行レールに沿って前記支持シートの長手方向に移動されるように設定され、
前記走行レールの高さが前記支持シートの長手方向において変化されて、前記移動される前記規制部材の高さ位置が、前記支持シート上に横たわる患者の尻部付近に位置されたときは患者の脚部付近に位置されたときに比して低くなるように設定されている、
ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項10】
請求項1ないし請求項9のいずれか1項において、
前記本体ハウジング内は、噴射用液体で充満されて前記支持シートの下方に空気層が形成されないように設定されている、ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項11】
上方が開口されると共に細長に設定された本体ハウジングと、該本体ハウジングの上方開口を施蓋すると共に患者を支承する支持シートと、該本体ハウジング内に配設されて該本体ハウジング内の噴射用液体を該支持シートの下面に向けて噴射するための噴射ノズルとを備えた液体式マッサージ装置において、
前記噴射ノズルが、前記支持シートの長手方向に間隔をあけて複数固定配置され、
前記支持シート上に横たわる患者の尻部付近に位置される噴射ノズルの高さ位置が、患者の脚部付近に位置される噴射ノズルの高さ位置よりも低い位置となるように設定されている、
ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項12】
請求項11において、
前記各噴射ノズルについて、該噴射ノズル付近でかつ該噴射ノズルからの噴射液体と干渉しない位置において、前記支持シートが患者の重みによって下方へ撓み変形されたときに、該支持シートが該噴射ノズルに対して接触するのを防止する略水平に伸びる平板状の規制部材が配設され、
前記支持シート上に横たわる患者の尻部付近に位置される前記規制部材の高さ位置が、患者の脚部付近に位置される前記規制部材の高さ位置よりも低い位置となるように設定されている、
ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項13】
上方が開口されると共に細長に設定された本体ハウジングと、該本体ハウジングの上方開口を施蓋すると共に患者を支承する支持シートと、該本体ハウジング内に配設されて該本体ハウジング内の噴射用液体を該支持シートの下面に向けて噴射するための噴射ノズルとを備えた液体式マッサージ装置において、
前記噴射ノズルが、走行レールに沿って前記支持シートの長手方向に移動されるように設定され、
前記走行レールの高さが前記支持シートの長手方向において変化されて、前記移動される噴射ノズルの高さ位置が、前記支持シート上に横たわる患者の尻部付近に位置されたときは患者の脚部付近に位置されたときに比して低い位置となるように設定されている、
ことを特徴とする液体式マッサージ装置。
【請求項14】
請求項13において、
前記噴射ノズルと一体に移動するように、略水平に伸びる平板状の規制部材が設けられ、
前記規制部材は、前記噴射ノズルからの噴射液体と干渉しない位置でかつ該噴射ノズルよりも高い位置に配設されて、前記支持シートが患者の重みによって下方へ撓み変形されたときに、該支持シートが該噴射ノズルに対して接触するのを防止する、
ことを特徴とする液体式マッサージ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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