説明

液体現像装置、及び画像形成装置

【課題】 本発明は、塩基性処理顔料を酸塩基相互作用により植物油中に分散した液体現像剤を使用する液体現像装置であって、液体現像剤における含水率の上昇を防止できると共に画像流れが発生しない液体現像装置、及び画像形成装置の提供を課題とする。
【解決手段】 本発明の液体現像装置は、感光体に形成された静電潜像を、現像ローラに薄層で塗布された植物油中に塩基性処理顔料を酸塩基相互作用により分散させた液体現像剤により可視化する液体現像装置であって、該液体現像装置が現像ローラからなる現像部材と、前記現像ローラに液体現像剤を薄層で塗布する液体現像剤供給ローラと液体現像剤を収容した液体現像剤容器からなる液体現像剤供給装置からなり、該液体現像剤容器の少なくとも底面における液体現像剤接触部に吸水層を設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、ファクシミリ、プリンター等の液体現像装置、及び画像形成装置に係り、詳しくは液体現像剤ローラ上に高粘度で高濃度の液体現像剤の薄層を形成し、該現像剤ローラ上の液体現像剤層を感光体表面と接触させて、電子写真や静電記録、イオンフロー等で形成された感光体上の静電潜像を顕像化する液体現像装置、及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体現像剤を用いた画像形成方式は、粉体トナーを用いた画像形成方式では実現できない利点として、サブミクロンサイズでの微細なトナーを用いることができ、高精細な画質を実現できること、少量のトナーで充分な画像濃度が得られること等が挙げられる。
【0003】
液体現像剤としては、例えばジメチルポリシロキサン等の絶縁性液体中にトナーが高濃度に分散された高粘性の液体現像剤が知られており(特許文献1)、また、植物油を分散媒体とする液体現像剤が知られているが、植物油中に塩基性処理顔料を酸塩基相互作用を利用して分散した液体現像剤を採用すると、大気中の水分を吸収して含水率が増大して絶縁抵抗が下がり、画像流れが発生することが判明した。
【特許文献1】特開平10−326050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、塩基性処理顔料を酸塩基相互作用により植物油中に分散した液体現像剤を使用する液体現像装置であって、液体現像剤における含水率の上昇を防止できると共に画像流れが発生しない液体現像装置、及び画像形成装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の液体現像装置は、感光体に形成された静電潜像を現像ローラに薄層で塗布された植物油中に塩基性処理顔料を酸塩基相互作用により分散させた液体現像剤により可視化する液体現像装置であって、該液体現像装置が現像ローラからなる現像部材と、前記現像ローラに液体現像剤を薄層で塗布する液体現像剤供給ローラと液体現像剤を収容した液体現像剤容器からなる液体現像剤供給装置からなり、該液体現像剤容器の少なくとも底面における液体現像剤接触部に吸水層を設けたことを特徴とする。
【0006】
液体現像剤容器における液体現像剤の液面に、吸水層と蓋基材との積層体からなり吸水層側を液体現像剤側とした蓋状部材を浮かせて液体現像剤を大気から遮断することを特徴とする。
【0007】
吸水層が、高吸水性樹脂層からなることを特徴とする。
【0008】
蓋状部材が、大気中の水蒸気および酸素に対して不透過性であることを特徴とする。
【0009】
液体現像剤の電気抵抗値(25℃)が、1.0×1010Ω・cm〜5.0×1013Ω・cmであることを特徴とする。
【0010】
液体現像剤の粘度(25℃)が、長時間放置され、粘度が安定した状態で100mPas〜1,500mPasであることを特徴とする。
【0011】
本発明の画像形成装置は、静電潜像が形成された感光体と、該静電潜像を現像ローラに薄層で塗布された高濃度の液体現像剤により可視化する液体現像装置とからなる画像形成装置であって、該液体現像装置が現像ローラからなる現像部材と、前記現像ローラに液体現像剤を薄層で塗布する液体現像剤供給ローラと液体現像剤を収容した液体現像剤容器からなる液体現像剤供給装置からなり、該液体現像剤容器の少なくとも底面における液体現像剤接触部に吸水層を設けたことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明における液体現像剤は、植物油中に塩基性処理顔料を酸塩基相互作用により分散したものであり、例えば植物油中に塩基性処理顔料、酸性高分子分散剤等を分散させて正帯電性液体現像剤とするものである。
【0013】
キャリア液として使用可能な植物油としては、大豆油、サフラワー油、ヒマワリ油、とうもろこし油、綿実油、菜種油、紅花油、あまに油等を挙げることができる。油脂はグリセリン1分子と脂肪酸3分子とのエステルであるトリグリセライドであるが、これにアルコールまたは脂肪酸を反応させることによって原料である油脂の性質を変えたエステル交換油が得られることが知られているが、本発明の植物油にはこのようなエステル交換油も含まれる。
【0014】
キャリア液の植物油としてはトリグリセライドを構成する脂肪酸中にリノール酸成分を60質量%以上含有する菜種油を含むもの、また、同じくリノール酸成分を50質量%以上含有するサフラワー油、ひまわり油、大豆油、とうもろこし油、綿実油を含むもの、同じくリノレイン酸成分を50質量%以上含有するアマニ油を含むものが好ましい。
【0015】
本発明における液体現像剤は、静電潜像の現像に際して、トナーとキャリアとが一体となって消費されるものであり、特に、オレイン酸、リノール酸、レノレイン酸等の不飽和結合の割合が多い脂肪酸組成であるトリグリセライドをキャリア液とすると、転写紙上で酸化重合を起こしトナー像を固化させることができるので、定着手段を簡素化することができるものである。
【0016】
塩基性処理顔料における顔料としては無機顔料、有機顔料がある。無機顔料としては、カーボンブラックであるファーネスブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック、市販品であるプリンテックスG、プリンテックスV、スペシャルブラック4、スペシャルブラック4−B(デグサ社製)、三菱#44、#30、MA−11、MA−100(三菱カーボン社製)、ラーベン30、ラーベン40、コンダクテックスSC(コロンビアカーボン社製)、リーガル400、660、800、ブラックパールL(キャボット社製)などが挙げられる。また、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ケイ素等の無機白色顔料を用いてもよい。
【0017】
有機顔料としては、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ローダミンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、メチルバイオレットレーキ、ピーコックブルーレーキ、ナフトールグリーンB、パーマネントレッド4R、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、チオインジゴレッド等が例示され、カラーインデックスNo.でいえば、シアン顔料としてPigment Blue 15:3、Pigment Blue15、マゼンタ顔料としてPigment Red 57:1、Pigment Red 185、イエロー顔料としてPigment Yellow 74、Pigment Yellow 17等が例示される。
【0018】
塩基性処理顔料は、上記の顔料をメチルエチルケトンと水の存在下で、下記のごとき樹脂と塩基性高分子分散剤とにより処理して得られるものである。顔料を処理するために使用される樹脂としてはポリエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、スチレン・アクリル樹脂、ロジン変性樹脂、ポリエチレン、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリドン、エチレン・メタクリル酸共重合体またはエチレン・アクリル酸エステル共重合体から選ばれる1種もしくは2種以上の樹脂が例示される。また、塩基性高分子分散剤としては味の素ファインテクノ(株)製、アジスパーPB−822、川研ファインケミカル(株)製、ヒノアクト7000、AVECIA(株)製SOLSPER32000等が例示される。
【0019】
塩基性処理顔料は顔料100質量部に対して樹脂を150〜1000質量部、塩基性高分子分散剤を5〜200質量部の割合で処理されて得られるものであり、液体現像剤中8質量%〜50質量%、好ましくは10質量%〜40質量%の割合で含有されるとよい。
【0020】
液体現像剤中に添加されるオレイン酸は、室温で唯一、液状の性状を有する高級不飽和脂肪酸である。オレイン酸は、液体現像剤の粘度調整や電荷制御を目的に添加されるとよく、液体現像剤中5質量%〜60質量%、好ましくは10質量%〜50質量%の割合で含有されるとよい。
【0021】
酸性高分子分散剤は、塩基性顔料の液体現像剤中での分散性をより高めることを目的とするものであり、味の素ファインテクノ(株)製、アジスパーPA111、川研ファインケミカル(株)製、KF−10000、アルファ化研(株)製、アルファレジンSA−300等が例示され、液体現像剤中0.1質量%〜1質量%、好ましくは0.2質量%〜0.5質量%の割合で含有されるとよい。
【0022】
本発明の正帯電性液体現像剤には、必要に応じて更に下記のごとき電荷制御剤を配合することができる。具体的にはテトラエチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−tert−ブチルチタネート、テトラ−2−エチルヘキシルチタネート、テトラオクチルチタネート、テトラメトキシチタン等や、チタニルアセチルアセテート等のチタンキレート等を挙げることができ、さらにその他の例としては、チタネートカップリング剤、例えばイソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシジルメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)、ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネートが挙げられる。また、本発明の液体現像剤には、他に酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤等を含有させてもよい。
【0023】
本発明における液体現像剤は、植物油からなるキャリア液中に塩基性処理顔料、酸性高分子分散剤等を混合してトナー濃度を5質量%〜40質量%とし、アトライター、サンドミル、ボールミル、振動ミル等で分散し、トナー粒子(着色微粒子)の一次粒子径(個数平均粒径)が1μm以下となるように調製される。
【0024】
また、本発明における液体現像剤は、液体現像剤としての機能の観点から電気抵抗値(25℃)が1.0×1010Ω・cm〜5×1013Ω・cm、好ましくは5×1010Ω・cm〜1.0×1012Ω・cm、最も好ましくは7×1010Ω・cm〜8×1012Ω・cmてある。例えば作製した直後では0.1%程度の含水率で、電気抵抗値が6.0×1012Ω・cm程度の液体現像剤であっても、液体現像装置に収容され24時間程度攪拌されると大気雰囲気中の水分を吸収して含水率が0.7%程度に上昇し、電気抵抗値は3×1010Ω・cm程度にまで低下することが判明した。液体現像剤の電気抵抗値が低下していくと、感光体に形成された静電潜像の帯電電荷の一部が液体現像剤に流れ、特に高解像度のドット形成では画像がなまる等の画像流れの現象となって現れる。したがって、印字が乱れ品質の低下に結びつくこととなる。また、長時間運転を休止するような場合には、本発明における液体現像剤は、大気中の酸素により酸化重合作用を受けやすく、粘度の上昇や硬化現象が生じ、液体現像剤としての機能が低下することも判明した。
【0025】
また、本発明における液体現像剤は、植物油からなるキャリア液中に塩基性処理顔料、酸性高分子分散剤等を混合してなり、酸塩基相互作用により顔料を分散させるものであり、その詳細な理由は不明であるが、剪断力依存型の粘度特性を有するものである。そのため、液体現像剤が長時間(8時間程度)放置され、粘度が安定化した状態での粘度(25℃)としては、100mPas〜1,500mPas、好ましくは200mPas〜1000mPasの範囲内であり、また、攪拌速度100mm/s〜600mm/sの剪断力の付与により100mPas〜900mPasとなるように調整されるとよい。
【0026】
次に、このような液体現像剤を使用した本発明の液体現像装置、及び画像形成装置について説明する。図1、図2は、液体現像装置20を含む画像形成装置1の概要を説明するための図である。
【0027】
図1、図2において、画像形成部10には像担持体の一例としての感光体ドラム11の外周の回転方向に沿って帯電装置12、露光装置13、現像装置20、中間転写ユニット40、像担持体クリーニング装置の一例としての感光体ドラムクリーニングブレード14が配置されている。
【0028】
感光体ドラム11は、現像ローラ21の幅より広く、外周面に感光層が形成された円筒状の部材からなり、図示しない駆動手段により時計回りの方向に回転する。該感光体ドラム11の表面の感光層は、アモルファスシリコン(a−Si)または有機感光体(OPC)により構成される。
【0029】
帯電装置12は、感光体ドラム11と現像ローラ21とのニップ部より感光体ドラム11の回転方向の上流側に配置され、感光体ドラム11をコロナ放電によって暗中にて約600Vに一様に帯電させる。なお、帯電装置12としては、コロナ放電によるものの他に、感光体ドラム11に接触せしめた帯電ローラ等に所定の帯電バイアスを印可する方式のものを用いてもよい。
【0030】
感光体ドラムクリーニングブレード14は、一次転写部を通過した後の感光体ドラム11の主にキャリア液である残留現像剤を該感光体ドラム11の表面に当接することで、掻き取り除去するものである。この除去により、感光体ドラム11の表面を初期化する。
【0031】
また、弗素含有紫外線硬化型樹脂膜を感光体ドラムにおける光導電層表面に画像形成に支障とならない膜厚で設け、感光体ドラム表面における植物油に対する接触角が40〜80°となるように撥油性を調整しておくことにより、液体現像剤の付着しないものとできる。また、このような感光体とすることにより非画像部に液体現像剤の付着の少ないものとでき、クリーニング量の少ないものとできる。
【0032】
本発明における現像装置20について説明する。現像装置20は、現像部材の一例としての現像ローラ21の外周に、現像部材クリーニング装置の一例としての現像ローラクリーニングブレード22、現像剤供給装置30が配置されている。現像剤供給装置30は、少なくとも底面における液体現像剤接触部に吸水層7を設けた液体現像剤容器31、撹拌装置の一例としての撹拌スクリュー32、現像剤供給部材の一例としてのアニロクスローラ33、規制部材の一例としての規制ブレード34を有し、液体現像剤容器31の中に液体現像剤、攪拌スクリュー32、アニロクスローラ33、規制ブレード34、汲み上げローラ36が収容され、また、液体現像剤の液面は蓋状部材8、8′により被覆されている。
【0033】
液体現像剤容器31には、液体現像剤が貯留されている。攪拌スクリュー32は、タンク内の液体現像剤中に浸るように配設され、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられる。現像装置20が現像動作に入ると、撹拌スクリュー32が回転し、現像剤容器31内の液体現像剤が攪拌せしめられる。攪拌手段としては、攪拌ローラ等を使用してもよい。この攪拌により、液体現像剤はそのトナー濃度や粘度が均一化し、また、安定化する。攪拌にあたっては100mm/s〜600mm/s、好ましくは300mm/s〜600mm/sの攪拌速度として、液体現像剤に剪断力を付与するとよい。
【0034】
アニロクスローラ33は、円筒状の部材であり、図1における時計回りの方向に回転し、汲み上げローラ36から供給される現像剤を表面に担持し易いように表面に微細且つ一様に螺旋状の溝による凹凸面が形成されている。溝の寸法は、溝ピッチが130μm程度であり、70μm〜150μmの範囲で、また、溝深さが30μm程度で15μm〜60μmの範囲で変動させることができる。このアニロクスローラ33により現像剤容器31から現像ローラ21へと液体現像剤が供給される。
【0035】
アニロクスローラにおける溝深さを、各色の液体現像剤の剪断力付与下での粘度に応じて、各色毎に調整しておくことにより、アニロクスローラにより付与される現像ローラ上での各色の膜厚を、例えば同一膜厚に調整することができ、カラーバランスを調整することができる。なお、各色の剪断力付与下での粘度が同程度のものに調整されれば、アニロクスローラでの溝深さを各色毎に調整する必要がないことは勿論である。
【0036】
規制ブレード34は、りん青銅等のばね材の先端にゴム片を貼り付けたものやステンレス等の金属で形成され、回転するアニロクスローラ33に当接することで、アニロクスローラ33上の液体現像剤を掻き取る。この掻き取りにより、アニロクスローラ33上の液体現像剤の量が複数の凹部の容量に応じた値に正確に計量され、現像ローラ21に供給する液体現像剤の量を調整する。なお、アニロクスローラ33の回転方向は図1に示す矢印方向ではなくその逆の方向であっても良く、その際の規制ブレード34は、回転方向に対応した配置を要する。
【0037】
現像ローラ21は、円筒状の部材であり、回転軸を中心に図に示すように反時計回りに回転する。該現像ローラ21は外周部に、ウレタンゴム等からなる導電性弾性層を設け、アニロクスローラ33から供給された現像剤により感光体ドラム11上の静電潜像を現像するものである。現像ローラクリーニングブレード22は、現像ローラ21の表面に当接する金属やゴム等で弾性的に構成され、現像ローラ21が感光体ドラム11と当接する現像ニップ部より現像ローラ21の回転方向の下流側に配置されて、現像ローラ21に残存する液体現像剤を掻き落として除去するものである。除去された現像剤は帰還部を経由して現像剤容器31に貯留される。なお、本実施形態では現像部材クリーニング装置として現像ローラクリーニングブレード22を適用したが、これに限らず、ローラ等を使用してもよい。
【0038】
液体現像剤容器31の少なくとも底面における液体現像剤接触部には、吸水層7が設けられる。吸水層7は液体現像剤中の水分を吸収するためのもので、高吸水性樹脂や酸化カルシウムや酸化マジネシウム等の吸水性無機材料により形成されるとよい。好ましくは高吸水性樹脂であり、例えばアクリル酸重合体の部分ナトリウム塩架橋物である日本触媒(株)製「アクアリックRCA」、また、三菱化学(株)製「アクアパール」、ノニオン型ポリアルキレンオキサイド系吸水性樹脂で熱可塑性を有する住友精化(株)製「アクアキープ」、「アクアコーク」、また、東洋紡(株)製「ランシールF」等が例示される。吸水性樹脂が、吸水膜として成膜化されているものは容器内面に接着されて吸水層とされるとよく、また、顆粒状のものは有機溶剤を使用して溶液化し、容器内面に塗布・乾燥されて吸水層とされるとよい。吸水層としての厚みは0.2mm〜2.0mm程度である。
【0039】
本発明においては、液体現像剤容器内面に吸水層を設けるだけでも液体現像剤中の水分を低下させるのに効果があるが、長時間運転したり、または運転を休止したりする場合には、好ましくは蓋状部材8、8′を液体現像剤の液面に浮かせ、大気中の水蒸気や酸素から液体現像剤を遮断すると共に液体現像剤表面からも液体現像剤中における水分を吸収するとよい。蓋状部材は吸水層と蓋基材との積層体からなり、吸水層側を液体現像剤側として液体現像剤液に浮かした状態で配置される。そして、蓋状部材8、8′は、液体現像剤が攪拌スクリュー32により攪拌された状態でも各部材と接触して現像動作を妨害しないように、容器壁面に適宜係止されて配設されるとよく、また、液体現像剤の表面に浮かせた状態で配置されるとよい。
【0040】
蓋状部材における蓋基材としては、液体現像剤より比重が小さく、厚みが0.2mm〜1.0mmのプラスチック板、合成繊維板等とするとよく、液体現像剤に対して耐油性を有すると共に非吸油性のものとするのが好ましい。また、吸水層としては上述したと同様の高吸水性樹脂や吸水性無機材料、好ましくは高吸水性樹脂により同様に形成されるとよい。
【0041】
また、蓋状部材は、水蒸気透過度としてJIS K7129B法に準拠し、40℃×90%RHの条件下で測定した値が10g/m2 /day以下、また、酸素透過度としてJIS K7126B法に準拠し、30℃×70%RHの条件下で測定した値が30ml/m2 /day/MPa以下とするとよい。これにより、大気中の水蒸気や酸素の吸収を低下させることができ、液体現像剤中の水分の上昇を防止できる。また、液体現像剤が空気中の酸素との接触により生じる液体現像剤の硬化を抑制することができ、液体現像剤の寿命を長くすることができる。液体現像剤中における水分の含有量を低減することにより、液体現像剤の電気抵抗値の低下を防止して画像流れのない高品質の画像を得ることができる。
【0042】
そして、印字動作(現像動作)を終了した段階で、液体現像剤における光透過濃度を検出したり、粘度計を設置してコンクトナー、またはキャリア液(植物油)を補充して各色濃度に調整しておくとよい。また、液体現像剤を貯留した液体現像剤容器31における液体現像剤の液面を一定とすることによって濃度管理を行ってもよい。これにより、次の現像動作のスタート時における調整時間を短縮することができる。
【0043】
また、中間転写部40の感光体ドラム11と対向する位置には、中間転写体の一例としての中間転写ベルト41を介して一次転写部50の一次転写ローラ51が配置されている。一次転写部50は、一次転写ローラ51と感光体ドラム11とを中間転写体41を挟んで対向配置し、感光体ドラム11との当接位置を転写位置として、現像された感光体ドラム11上のトナー像を中間転写ベルト41上に転写し、トナー像を形成する。
【0044】
次に、図2は、図1の画像形成装置を適用したタンデムプリンタで、本発明の画像形成装置の一例を説明するための図である。
【0045】
本発明の画像形成装置は、図1に示した画像形成部10及び現像装置20を4つ並べ、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる各色の液体現像剤により画像形成される。
【0046】
画像形成部10Y,10M,10C,10Kにおいては、帯電装置12Y,12M,12C,12Kにより、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kを一様に帯電させ、半導体レーザ、ポリゴンミラー、F−θレンズ等の光学系を有する露光装置13Y,13M,13C,13Kからの露光Lにより、入力された画像信号に基づいて、変調されたレーザ光を照射して、帯電された感光体ドラム11Y,11M,11C,11K上に静電潜像を形成する。
【0047】
現像装置20Y,20M,20C,20Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)からなる各色の液体現像剤により感光体ドラム11Y,11M,11C,11K上に形成された静電潜像を現像する。
【0048】
まず、現像装置20Y,20M,20C,20Kが現像動作に入ると、攪拌スクリュー32Y、32M、32C、32Kが回転し、現像剤容器31Y,31M,31C,31K内の液体現像剤が攪拌せしめられる。この攪拌により、液体現像剤はそのトナー濃度や粘度が均一化し、また、安定化する。
【0049】
次に、汲み上げローラ36Y、36M、36C、36Kを図示しない駆動手段によって回転駆動させることで液体現像剤をくみ上げて、図示しない駆動手段によって回転駆動させられたアニロクスローラ33Y,33M,33C,33Kに液体現像剤を塗布する。規制ブレード34Y,34M,34C,34Kは、回転するアニロクスローラ33Y,33M,33C,33Kに当接することで、アニロクスローラ33Y,33M,33C,33K上の液体現像剤を掻き取る。この掻き取りにより、アニロクスローラ33Y,33M,33C,33K上の液体現像剤の量が複数の凹部の容量に応じた値に正確に計量される。上述したように、アニロクスローラ表面における凹部の容量により、現像ローラ表面上の液体現像剤の塗布膜厚を制御することができるが、各色における剪断下での粘度が同程度であればその必要はない。
【0050】
規制ブレード34Y,34M,34C,34Kにより掻き取られた液体現像剤は、重力によって現像剤容器31Y,31M,31C,31Kに落下し戻され、規制ブレード34Y,34M,34C,34Kにより掻き取られなかった液体現像剤は、アニロクスローラ33Y,33M,33C,33Kの表面の凹凸の溝内に収容され、現像ローラ21Y,21M,21C,21Kに圧接することで、現像ローラ21Y,21M,21C,21Kの表面に塗布される。
【0051】
現像ローラ21Y,21M,21C,21Kは感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kと等速に回転しながらこれに接触して現像ニップを形成している。この現像ニップには、図示しない電源からトナーの帯電極性と同極性の現像バイアスが印加される現像ローラ21Y,21M,21C,21Kと感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kとの電位差によって現像電界が形成される。
【0052】
具体的には、現像ニップでは、現像ローラ21Y,21M,21C,21K、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの非画像部及び静電潜像がそれぞれトナーと同極性の電位を帯び、その値が感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの非画像部、現像ローラ21Y,21M,21C,21K、静電潜像の順に低くなっている。
【0053】
このため、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの非画像部と現像ローラ21Y,21M,21C,21Kとの間では、トナーを電位のより低い現像ローラ21Y,21M,21C,21Kに向けて静電的に移動させるような電界が形成される。また、現像ローラ21Y,21M,21C,21Kと感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの静電潜像との間では、トナーを電位のより低い感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの静電潜像に向けて移動させるような電界が形成される。
【0054】
このような現像電界が形成される現像ニップでは、上記現像剤薄層中のトナーが、現像ローラ21Y,21M,21C,21Kと感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの非画像部との間で現像ローラ21Y,21M,21C,21Kの表面に向けて電気泳動して集結するとともに、現像ローラ21Y,21M,21C,21Kと感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの静電潜像との間で感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの静電潜像に向けて電気泳動して付着する。この付着により、感光体ドラム11Y,11M,11C,11Kの静電潜像が現像されてトナー像となる。なお、現像ローラと感光体ドラムとの間における現像電圧を各色で制御することによって、現像濃度を調整してもよい。
【0055】
現像ニップを通過した後の現像ローラ21Y,21M,21C,21Kの残留現像剤は、現像ローラクリーニングブレード22Y,22M,22C,22Kが現像ローラ21Y,21M,21C,21Kの表面に当接することで、掻き取り除去される。この除去により、現像ローラ21Y,21M,21C,21Kの表面は初期化せしめられる。除去された残留現像剤は帰還部を経由して現像剤容器31Y,31M,31C,31Kに戻る。
【0056】
次に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kと一次転写ローラ51Y、51M、51C、51Kとが中間転写ベルト41を挟んで対向配置される一次転写部50Y,50M,50C,50Kにおいて、感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kが、中間転写体の一例としての中間転写ベルト41を挟んで一次転写ローラ51Y,51M,51C,51Kとのニップ部を通過し、感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kと一次転写ローラ51Y、51M、51C、51Kとの当接位置を転写位置として、一次転写ローラ51Y,51M,51C,51Kにトナー粒子の帯電特性と逆極性が印加されることにより、トナーは、感光体ドラム11Y、11M、11C、11K上から中間転写ベルト41に一次転写され、各色の顕像トナー像の中間転写ベルト41への一次転写が順次重ねて行われ、フルカラーのトナー像を形成する。
【0057】
そして、感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kに液体現像剤が付着し、残ったとしても、一次転写部50Y,50M,50C,50Kより感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kの回転方向の下流側において、一次転写後の、感光体ドラム11Y、11M、11C、11K上の液体現像剤は、感光体ドラムクリーニングブレード14Y,14M,14C,14Kにより掻き取られる。
【0058】
一次転写部50Y,50M,50C,50Kで中間転写ベルト41上に一次転写されたトナー画像は、二次転写ユニット60へと進み、中間転写ベルト41を介した駆動ローラ42と二次転写ローラ61とのニップ部に進入する。二次転写ユニット60において、二次転写ローラ61と駆動ローラ42とは、逆極性に印加されており、これにより中間転写ベルト41上に形成された単色のトナー像やフルカラーのトナー像を記録媒体搬送部70にて搬送される用紙、フィルム、布等の転写材としての記録媒体Pに転写する。
【0059】
二次転写ユニット60では、中間転写ベルト41上に色重ねしたトナー画像が二次転写部位に到達するタイミングに合せて記録媒体Pを供給し、該トナー画像を記録媒体Pに二次転写するが、ジャムなどの記録媒体Pの供給トラブルが発生した場合には、記録媒体Pが介在しない状態でトナー画像が二次転写ローラ61に接して転写され記録媒体Pの裏面汚れ等を引き起こす。
【0060】
二次転写ローラ61は、表面が繊維質などによって平滑でない記録媒体Pであっても、この非平滑な記録媒体P表面に倣って二次転写特性を向上させる手段として、複数の感光体ドラム11に形成したトナー像を順次一次転写して重ね合わせて担持し、一括して記録媒体Pに二次転写する中間転写ベルト41に採用した弾性ベルトと同様の目的で表面に弾性体を被覆した弾性ローラで構成している。二次転写ローラクリーニングブレード62は、二次転写ローラ61に転写された液体現像剤を除去する手段として備え、二次転写ローラ61から現像剤を回収する。尚、このプールした現像剤は混色状態のものであり、紙粉等の異物も含んでいる場合がある。
【0061】
二次転写ユニット60を通過後、中間転写ベルト41は、従動ローラ43へと進む。ジャムなどの記録媒体Pの供給トラブルが発生した場合には、全てのトナー画像が二次転写ローラ61に転写されて回収されるものではなく、一部は中間転写ベルト41上に残る。また、通常の二次転写行程においても中間転写ベルト41上のトナー像は100%二次転写されて記録媒体Pに移行するものではなく、数パーセントの二次転写残りが発生する。この二種の不要トナー像は次の画像形成のために中間転写ベルト41に当接するように配置された中間転写体クリーニング装置の一例としての中間転写ベルトクリーニングブレード44によりクリーニングがされる。その後、中間転写ベルト41は、再び、一次転写部50Y,50M,50C,50Kへと向かう。
【0062】
なお、中間転写ユニット40は、中間転写ベルト41、駆動ローラ42、従動ローラ43及び中間転写ベルトクリーニングブレード44からなり、二次転写ユニット60は、二次転写ローラ61及び二次転写ローラクリーニングブレード62からなる。
【0063】
記録媒体搬送部70は、給紙カセット71内に積層された紙等の記録媒体Pが給紙ローラ72で一枚分離され、記録媒体Pの斜行と給送タイミングを補正するゲ−トローラ73等を経て二次転写ユニット60に給送される。二次転写ユニット60では記録媒体Pはフルカラー画像を二次転写される。二次転写された記録媒体Pは、内部から加熱するヒートローラ81と外部にゴム等の弾性部材を備えた加圧ローラ82で構成された定着装置80を通過し、フルカラー画像中の熱可塑性樹脂が溶融しながら記録媒体Pへ加圧定着され、所望の画像を得て、排紙ローラ74によりプリンタ本体2から排紙される。
【0064】
以下、実施例により具体的に説明する。
【実施例】
【0065】
(塩基性処理顔料の調製)
シアン顔料(フタロシニン系顔料、Pigment Blue 15:3)を、ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、プラスディックDL−90)と塩基性高分子分散剤(味の素ファインテクノ(株)製、アジスパーPB−822)との8対2(重量比)混合物により、シアン顔料:混合物(重量比)=35:65の割合となるように処理したものであり、メチルエチルケトン中でビーズミル分散混合した後、水系で析出させ、脱溶剤・乾燥・微粉化し、塩基性処理顔料とした。
【0066】
(シアン液体現像剤の調製)
容量500mlのステンレス容器に
・ MOヒマワリ油(日清オイリオ(株)製、トリグリセライドのオレイン酸成分量60.5%) ・・・ 150g ・オレイン酸(関東化学(株)製) ・・・ 50g
・酸性分散剤(味の素ファインテクノ(株)製、アジスパーPA111)
・・・ 0.11g
・上記で調製した塩基性処理顔料 ・・・ 35g
の組成と共に、直径5ミリのジルコニアボールを450g投入して、攪拌機(トルネードSM型プロペラ攪拌羽根)を用い、回転数504ppmで24時間分散混合し、着色剤分散液であるシアン液体現像剤を作製した。
【0067】
得られたシアン液体現像剤は、トナー濃度が14.9質量%、水分含有率は0.1%、粘度(25℃)は990mPa・s、電気抵抗は、25℃で3.5×1012Ω・cm、着色微粒子の一次粒子径(個数平均粒径)は1.1μmであった。なお、水分量の測定はカールフィシャー法に基づき測定した。
【0068】
(液体現像剤容器に対する吸水処理)
液体現像剤容器の内底面に、膜厚2mmの日本触媒(株)製「アクアリックRCA」を貼り付けて吸水層を形成した。
【0069】
(蓋状部材の作製)
厚さ0.8mmのポリエチレン板の片面に、膜厚2mmの日本触媒(株)製「アクアリックRCA」を貼り付けて吸水層を形成し、蓋状部材とした。
【0070】
上記で得たシアン液体現像剤を、上記て作製した吸水層が形成されると共に蓋状部材を配置した図1に示す現像装置に入れ、攪拌速度を220mm/sとして24時間、運転した後、その水分含有率を測定したところ、0.1%と作製当初と変わらなかった。
【0071】
また、得られたシアン液体現像剤を、図1における現像装置において、蓋状部材8、8′を取り除いた現像装置として、同じく攪拌速度を220mm/sとして24時間、運転した後、その水分含有率を測定したところ0.2%と、依然、低含水率であった。
【0072】
また、得られたシアン液体現像剤を、図1における現像装置を、吸水層7を設けず、また、蓋状部材8、8′を取り除いた現像装置として、同じく攪拌速度を220mm/sとして24時間、運転した後、その水分含有率を測定したところ、0.7%と増大し、また、電気抵抗は25℃で3×1010Ω・cmと低下した。
【0073】
次に、図2に示す液体現像方式のタンデムプリンタの現像容器に、上記で作製した液体現像剤をセットして、5%の色画像を含む印字パターンを用い、1000枚の連続印字を行った。
【0074】
作像条件は、感光体に800Vの一様帯電すると共に、プロセス速度206m/min.、帯電電圧5kV、現像バイアス350V、現像ローラ上のトナー層厚10μmに規制し、一次転写電圧300V、二次転写電圧1.5kVで、液体現像用紙転写紙(三菱製紙(株)製「EP−L微塗工81.4gsm)に転写して定着(定着ローラ温度120℃)を行ったところ、転写紙上に品質に優れるカラー画像が得られた。
【0075】
また、図2の画像形成装置における現像装置において、吸水層7を設けず、蓋状部材8、8′を取り除いた現像装置として、上記で作製した液体現像剤をセットして、5%の色画像を含む印字パターンを用い、1000枚の連続印字を同様に行ったところ、転写紙上に得られた画像には画像流れが発生していた。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】図1は、液体現像装置を含む画像形成装置の概要を説明するための図である。
【図2】図2は、図1の液体現像装置を適用したタンデムプリンタで、本発明の画像形成装置を説明するための図である。
【符号の説明】
【0077】
1…画像形成装置、2…プリンタ、7…吸水層、8、8′…蓋状部材、10,10Y,10M,10C,10K…画像形成部、11,11Y,11M,11C,11K…感光体ドラム(像担持体)、12,12Y,12M,12C,12K…帯電装置、13…露光装置、14,14Y,14M,14C,14K…感光体ドラムクリーニングブレード(像担持体クリーニング装置)、20,20Y,20M,20C,20K…現像装置、21,21Y,21M,21C,21K…現像ローラ(現像部材)、22,22Y,22M,22C,22K…現像ローラクリーニングブレード(現像部材クリーニング装置)、30,30Y,30M,30C,30K…現像剤供給装置、31,31Y,31M,31C,31K…液体現像剤容器、32,32Y,32M,32C,32K…撹拌スクリュー(撹拌装置)、33,33Y,33M,33C,33K…アニロクスローラ(現像剤供給部材)、34,34Y,34M,34C,34K…規制ブレード(規制部材)、36,36Y,36M,36C,36K…汲上ローラ(現像剤汲上部材)、40…中間転写ユニット、41…中間転写ベルト(中間転写体)、42…駆動ローラ、43…従動ローラ、44…中間転写ベルトクリーニングブレード(中間転写体クリーニング装置)、50,50Y,50M,50C,50K…一次転写部、51,51Y,51M,51C,51K…一次転写ローラ、60…二次転写ユニット(二次転写装置)、61…二次転写ローラ、62…二次転写ローラクリーニングブレード、70…記録媒体搬送部、71…給紙カセット、72…給紙ローラ、73…ゲートローラ、74…排紙ローラ、80…定着装置、81…ヒートローラ、82…加圧ローラ、L…露光、P…記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体に形成された静電潜像を、現像ローラに薄層で塗布された植物油中に塩基性処理顔料を酸塩基相互作用により分散させた液体現像剤により可視化する液体現像装置であって、該液体現像装置が現像ローラからなる現像部材と、前記現像ローラに液体現像剤を薄層で塗布する液体現像剤供給ローラと液体現像剤を収容した液体現像剤容器からなる液体現像剤供給装置からなり、該液体現像剤容器の少なくとも底面における液体現像剤接触部に吸水層を設けたことを特徴とする液体現像装置。
【請求項2】
液体現像剤容器における液体現像剤の液面に、吸水層と蓋基材との積層体からなり吸水層側を液体現像剤側とした蓋状部材を浮かせて液体現像剤を大気から遮断することを特徴とする請求項1記載の液体現像装置。
【請求項3】
吸水層が、高吸水性樹脂層からなることを特徴とする請求項1、または請求項2記載の液体現像装置。
【請求項4】
蓋状部材が、大気中の水蒸気および酸素に対して不透過性であることを特徴とする請求項2記載の液体現像装置。
【請求項5】
液体現像剤の電気抵抗値(25℃)が、1.0×1010Ω・cm〜5.0×1013Ω・cmであることを特徴とする請求項1記載の液体現像装置。
【請求項6】
液体現像剤の粘度(25℃)が、長時間放置され、粘度が安定した状態で100mPas〜1,500mPasであることを特徴とする請求項1記載の液体現像装置。
【請求項7】
静電潜像が形成された感光体と、該静電潜像を現像ローラに薄層で塗布された植物油中に塩基性処理顔料を酸塩基相互作用により分散させた液体現像剤により可視化する液体現像装置であって、該液体現像装置が現像ローラからなる現像部材と、前記現像ローラに液体現像剤を薄層で塗布する液体現像剤供給ローラと液体現像剤を収容した液体現像剤容器からなる液体現像剤供給装置からなり、該液体現像剤容器の少なくとも底面における液体現像剤接触部に吸水層を設けたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2008−165121(P2008−165121A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−295(P2007−295)
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】