説明

液体金属液面からの粒子巻き込みを制御する液体金属の電磁攪拌装置

【課題】液体金属の液面から粒子を効率よく巻き込んだり、あるいは逆に、液面からの粒子の巻き込みを防止しつつ液体金属内部に攪拌を印加することができる液体金属の電磁撹拌装置を提供する。
【解決手段】液体金属用容器3と、その外側に設けた垂直移動磁界発生用コイル2と、垂直移動磁界発生用コイル2のさらに外側に設けた回転移動磁界発生用コイル1とを有する。回転移動磁界攪拌および下方向垂直移動磁界攪拌を同時に加えることにより、液体金属4の液面を静穏かつ平坦に保ち、液体金属4液面の粒子を液体金属4内に巻き込むことなく攪拌可能である。上方向垂直移動磁界攪拌を単独で加えることにより、液体金属4液面の粒子を、効率よく液体金属4内に混入可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体金属の攪拌装置に関し、特に電磁攪拌装置を用いた攪拌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
金属精錬の分野において、液体金属液面より粒子を巻き込ませるためには、機械式攪拌(KR法など)が用いられている(例えば、非特許文献1参照)。これは攪拌羽根を液体金属中で回転させて、固体精練剤を液体金属内部に巻き込ませる手法であるが、高温液体金属による攪拌羽根の損傷が問題となっている。
【0003】
また、固体精練剤を効率よく巻き込ませるために、液体金属液面近傍に攪拌羽根を設置して、液面に浮上している固体精練剤を直接攪拌羽根で叩き込むようにしているが、そのために液体金属液面が過度に擾乱されて液滴の飛散(スプラッシュ)が発生し、これも大きな問題となっている。
【0004】
電磁力を用いた液体金属の電磁撹拌装置は、溶融金属と非接触で撹拌を行うことができるため、高温の溶融金属に多く用いられている(例えば、特許文献1乃至3、非特許文献2乃至4参照)。例えば、回転移動磁界攪拌によって巻き込ませる手法(例えば、非特許文献2参照)では、非常に高い回転速度を与える必要があり、液面の変形が大きくなってしまうという問題がある。また、液体金属の内部を撹拌することを主眼としたもの(例えば、特許文献1参照)もあり、液体金属液面の制御、特に液体金属液面の粒子の巻き込みに着目したものではない。
【0005】
一方、精錬反応が終了した後は、従来の手法では、液面からの粒子巻き込みを防止しつつ液体金属内部を効率よく攪拌することが著しく困難であり、攪拌そのものを停止、ないしは攪拌強度を弱くする必要があった。
【0006】
【非特許文献1】原田昭二,中村博己,小平悟史,片山治男,加藤久樹,西正明,「機械撹拌式脱硫装置(KR インペラー)用耐火物の延命化」,鉄と鋼,1987年,73,p.169
【特許文献1】特開昭54−163729号公報
【特許文献2】特開2003−220323号公報
【特許文献3】特開2007−144501号公報
【非特許文献2】Yu. Gelfgat, M. Skopis and J. Grabis, “Electromagnetic funnel for stirring up solid reagents into molten metals”, Proc. Joint 15th Riga and 6th PAMIR Int. Conf., Riga, 2005, 2, p.19
【非特許文献3】綾田研三,「移動磁界の利用技術」,第129-130回西山記念講座,1990年,p.130
【非特許文献4】谷口尚司,上野和之,嶋▲崎▼真一,大久保光治,安藤努,笠原奉文,「回転磁界と移動磁界の同時印加による液体金属の電磁攪拌」,鉄と鋼,2006年,92,p.8
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、液体金属の液面から粒子を効率よく巻き込んだり、あるいは逆に、液面からの粒子の巻き込みを防止しつつ液体金属内部に攪拌を印加することができる液体金属の電磁撹拌装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る液体金属の電磁撹拌装置は、液体金属用の容器と、前記容器の外側に設けた垂直移動磁界発生用コイルと、前記垂直移動磁界発生用コイルのさらに外側に設けた回転移動磁界発生用コイルとを有し、前記垂直移動磁界発生用コイルと、前記回転移動磁界発生用コイルとは、その電流をそれぞれ独立に制御でき、垂直方向電磁力と回転方向電磁力とを単独もしくは同時に印加可能であり、前記垂直移動磁界発生用コイルの結線を変更することにより、垂直移動磁界の移動する方向を上向きまたは下向きに変更し、垂直方向の電磁力の向きを制御可能であり、回転移動磁界攪拌および下方向垂直移動磁界攪拌を同時に加えることにより、前記液体金属の液面を静穏かつ平坦に保ち、前記液体金属液面の粒子を前記液体金属内に巻き込むことなく攪拌を加えることができるよう構成されていることを、特徴とする。
【0009】
本発明に係る液体金属の電磁撹拌装置は、上方向垂直移動磁界攪拌を単独で加えることにより、前記液体金属液面の粒子を、効率よく前記液体金属内に混入させることができるよう構成されていることが好ましい。また、本発明に係る液体金属の電磁撹拌装置は、攪拌の途中において、前記回転移動磁界攪拌および前記下方向垂直移動磁界攪拌を同時に加えた状態と、前記上方向垂直移動磁界攪拌を単独で加えた状態を、随時変更可能であることが好ましい。本発明に係る液体金属の電磁撹拌装置で、前記液体金属用の容器内に保持されている前記液体金属液面の高さ方向の位置は、前記垂直移動磁界発生用コイルの上端部付近に設定されていることが好ましい。本発明に係る液体金属の電磁撹拌装置で、前記液体金属液面の粒子は、固体精練剤、スラグ滴、フラックス、金属酸化物、気泡、複合材用強化粒子などを含んでいてもよい。
【0010】
本発明では、回転移動磁界撹拌と垂直方向移動磁界撹拌とを組み合わせることによって、液体金属液面の制御、特に液体金属液面の粒子の巻き込みを制御することに成功した。
上方向垂直移動磁界攪拌を単独で印加することにより、液面において周囲から中心に巻き込むような流れを生じさせ、粒子を効率よく液体金属内部に巻き込ませることができる。さらに、攪拌方式を下方向垂直移動磁界攪拌および回転移動磁界攪拌の同時印加に変更することにより、粒子を巻き込むことなく、液体金属内部の攪拌を可能にする。
本発明では、液体金属と非接触の電磁攪拌を用いているため、攪拌羽根の損傷などの問題は存在しない。また、液体金属液面を極度に擾乱させることがないため、液体金属の液滴の飛散(スプラッシュ)もほとんど見られない。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、液体金属の液面から粒子を効率よく巻き込んだり、あるいは逆に、液面からの粒子の巻き込みを防止しつつ液体金属内部に攪拌を印加することが可能になる。これらの攪拌方法は、運転中であっても随時変更可能であり、粒子を含む液体金属の攪拌プロセスの様々な要求に対応することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態について説明する。
[電磁攪拌装置の構成]
図1に、本発明による電磁攪拌装置の構成例を示す。電磁攪拌装置は、回転移動磁界発生用コイル1および垂直移動磁界発生用コイル2からなっており、その内側に液体金属用容器3が設置される。液体金属4の液面の高さ方向の位置は、電磁撹拌装置の上端部付近に設定してある。
【0013】
図2および図3に、垂直移動磁界発生用コイル2に印加する三相電流の構成例と、移動磁界の動きを示す。図2のように電流を印加した場合は、移動磁界の移動方向5は上向きとなり、液体金属用容器3の側壁面近傍の液体金属4が、上方向に駆動させられる(図2中の液体金属の運動方向6参照)。一方、図3のように電流を印加した場合は、移動磁界の移動方向5は下向きとなり、液体金属用容器3の側壁面近傍の液体金属4が、下方向に駆動させられる(図3中の液体金属の運動方向6参照)。
【0014】
図2の上方向垂直移動磁界攪拌と、図3の下方向垂直移動磁界攪拌は、三相電流7のU相とW相を入れ替えることによって、お互いに変更することが可能である。そのため、これらの攪拌方法を運転中に容易に変更することができる。
【0015】
本発明の実施の形態の電磁攪拌装置の攪拌方法としては、(イ)回転移動磁界攪拌の単独印加、(ロ)上方向垂直移動磁界攪拌の単独印加、(ハ)下方向垂直移動磁界攪拌の単独印加、(ニ)回転移動磁界攪拌および上方向垂直移動磁界攪拌の同時印加、(ホ)回転移動磁界攪拌および下方向垂直移動磁界攪拌の同時印加の5種類の組み合わせが存在し、かつ、これらの攪拌方法を運転中に容易に変更することができる。
【0016】
[電磁力の数値計算]
本発明による電磁攪拌装置によって発生する電磁力を把握するために、数値計算による電磁場解析を行った。図4〜6に、電磁場解析の結果の一例を示す。
図4は、液体金属の水平断面内における電磁力の分布である。(イ)回転移動磁界攪拌の単独印加においては、液体金属内部に回転方向の電磁力が印加されていることが分かる。
図5および図6は、液体金属の垂直断面内における電磁力分布である。図5に示すように、(ロ)上方向垂直移動磁界攪拌の単独印加では、液体金属内部に上方向の電磁力が、図6に示すように、(ハ)下方向垂直移動磁界攪拌の単独印加においては、液体金属内部に下方向の電磁力が印加されていることが分かる。
【0017】
液体金属は、これらの電磁力によって非接触で駆動されている。そのため、本電磁攪拌装置は、高温の液体金属に適用しても装置の熱損傷などの問題がなく、さらに金属の凝固過程であっても適用可能である。
【0018】
この電磁場解析の妥当性を検証するため、磁束密度についてガウスメータによる実測値と比較検討を行った。その結果の一例を、図7および図8に示す。
図7は、回転移動磁界攪拌の単独印加によって発生する磁束密度の半径方向成分(実効値)である。回転移動磁界の場合、磁界が液体金属を貫通しているため、液体金属内部においてほぼ均一な磁束密度となっていることが分かる。
図8は、垂直移動磁界攪拌の単独印加によって発生する磁束密度の半径方向成分(実効値)である。垂直移動磁界は、中心軸上(r=0mm)でほぼゼロとなっており、コイルの近傍において磁束密度が大きくなっている。
図7および図8ともに、計算値と実測値とはよく一致しており、数値計算によって電磁攪拌装置により発生する電磁力を精度よく予測することが可能であることが分かる。
【0019】
[流れ場の数値計算]
数値計算で得られた電磁力を用いて、液体金属の流れ場および圧力場の数値計算を行った。その結果を、図9〜13に示す。
図9に示すように、(イ)回転移動磁界攪拌の単独印加においては、垂直断面内には流れはほとんど発生しておらず回転流れが主体であり、全体として剛体回転に近い流れとなっている。回転による遠心力のために、圧力は外側の方が高くなっている。
図10に示すように、(ロ)上方向垂直移動磁界攪拌の単独印加においては、液体金属は容器の側壁面に沿って液面まで上昇し、液面において周囲から中心へと流れ込むような流れとなっている。圧力は液面近傍で最も高くなっている。
【0020】
図11に示すように、(ハ)下方向垂直移動磁界攪拌の単独印加においては、液体金属は容器の側壁面に沿って容器の底部まで下降し、液面においては中心から周囲へと湧き出すような流れとなっている。圧力は容器底部で最も高くなっている。
図12に示すように、(ニ)回転移動磁界攪拌および上方向垂直移動磁界攪拌の同時印加では、液体金属は容器の側壁面に沿って上昇しながら、強い回転流れとなっていることが分かる。圧力は液体金属上部の容器側壁面近傍で最も高くなっている。
図13に示すように、(ホ)回転移動磁界攪拌および下方向垂直移動磁界攪拌の同時印加の場合は、液体金属は容器の側壁面に沿って下降しながら、弱い回転流れとなっていることが分かる。圧力は液体金属下部の容器側壁面近傍で最も高くなっている。
【0021】
[ガラスビーズ巻き込みの観察実験]
流れ場の数値計算と同じ実験条件のもとで、粒子の巻き込み実験を行った。実験に用いた装置を、図14に示す。実験は、液体金属4の液体ガリウム(密度6090kg/m3)の液面に、直径5.1mmのガラスビーズ8(密度2480kg/m3、液体ガリウム中での終末浮上速度300mm/s)を浮かべ、5種類の方法で攪拌を行った。
図15〜図19に、実験中の液体金属液面の様子を示す。
【0022】
図15に示すように、(イ)回転移動磁界攪拌の単独印加の場合は、液体金属の液面は全体として剛体回転をしているのみで、液面に浮上している粒子が内部に巻き込まれる様子はほとんど見られなかった。
図16に示すように、(ロ)上方向垂直移動磁界攪拌の単独印加では、液体金属の液面において周囲から中心へと巻き込むような流れが生じている。液面に浮上している粒子はこの流れにのって液体金属内部に巻き込まれており、液面にはほとんど粒子は見られない。
図17に示すように、(ハ)下方向垂直移動磁界攪拌の単独印加の場合、液体金属の液面において中央から湧き出すような流れとなっている。この流れに乗って、液面に浮上している粒子の一部が、液体金属内部に巻き込まれている。
【0023】
図18に示すように、(ニ)回転移動磁界攪拌および上方向垂直移動磁界攪拌の同時印加では、回転移動磁界攪拌による液面中央の凹みが、上方向垂直移動磁界攪拌の流れによってさらに大きくなり、全体として強い回転流れになっている。粒子は液面で回転しているため、遠心力により液体中央部に集まって、そこから上方向垂直移動磁界攪拌の流れによって液体内部に巻き込まれている。
図19に示すように、(ホ)回転移動磁界攪拌および下方向垂直移動磁界攪拌の同時印加の場合、回転移動磁界攪拌による液面中央の凹みが、下方向垂直移動磁界攪拌による液面中央における湧き出しによって矯正され、液面は平坦かつ静穏に保たれている。そのため、液面に浮上している粒子はあまり動かず、液体金属内部にはほとんど巻き込まれていない。
【0024】
図15〜図19の実験から観察された液面の流動状態は、図9〜13の数値計算の結果と一致しており、電磁攪拌装置による流れ場を数値計算によって再現することが可能であることが分かる。
【0025】
[ガラスビーズ巻き込みの定量評価]
以上の粒子巻き込みの観察結果を、より定量的に評価するため、直径1.2mmのガラスビーズ8(密度2200kg/m3、液体ガリウム中での終末浮上速度130mm/s)を浮かべ、液体金属4の液体ガリウム内部に巻き込まれたガラスビーズ8の個数を計測した。ガラスビーズ8の採取は、ガラスビーズ採取器(サンプラー)9により、液体金属用容器3の中心線上で、液体金属用容器3の底から液高さの約1/3の場所で行っている。ガラスビーズ8の採取の様子を、図20に示す。
【0026】
図21は、得られた結果をまとめたものである。図21より、(イ)回転移動磁界攪拌の単独印加、および(ホ)回転移動磁界攪拌および下方向垂直移動磁界攪拌の同時印加の場合は、ガラスビーズはほとんど液体ガリウム内部に巻き込まれていないことがわかる。一方で、もっとも効率よくガラスビーズを巻き込んでいるのは、(ロ)上方向垂直移動磁界攪拌の単独印加の場合であり、次いで(ニ)回転移動磁界攪拌および上方向垂直移動磁界攪拌の同時印加、(ハ)下方向垂直移動磁界攪拌の単独印加の順である。
【0027】
すなわち、液体金属の液面から粒子を効率よく巻き込むためには、(ロ)上方向垂直移動磁界攪拌の単独印加が最も優れている。
一方で、液体金属の液面にある粒子を巻き込まずに攪拌を行うためには、(ホ)回転移動磁界攪拌および下方向垂直移動磁界攪拌の同時印加が優れていることが分かる。この攪拌法は、液面を平坦かつ静穏に保ち、粒子巻き込みを防止しつつ、攪拌を印加することが可能である。
【0028】
[まとめ]
本発明による液体金属の液面からの粒子巻き込みは、従来のKR法などによる機械式攪拌などとは異なり、液体金属と非接触で行うことができるため、攪拌羽根の損傷の問題は存在しない。また液体金属液面を過度に擾乱させることがないため、液体金属の液滴の飛散(スプラッシュ)もほとんど見られない。さらに、凝固時にも適用できるため、半溶融凝固体(スラリー)の製造時における金属酸化物の液面からの巻き込み防止にも応用可能であるという利点を有している。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態の液体金属の電磁攪拌装置を示す斜視図および断面図である。
【図2】図1に示す液体金属の電磁攪拌装置の垂直移動磁界発生用コイルの、上方向垂直移動磁界攪拌時の結線および移動磁界の動きを示す断面図である。
【図3】図1に示す液体金属の電磁攪拌装置の垂直移動磁界発生用コイルの、下方向垂直移動磁界攪拌時の結線および移動磁界の動きを示す断面図である。
【図4】図1に示す液体金属の電磁攪拌装置の、回転移動磁界攪拌によって液体金属内部に発生する電磁力(ローレンツ力密度)の数値計算結果(電流条件:40Hz、17.6A、液体金属:溶融ガリウム)を示す横断面図である。
【図5】図1に示す液体金属の電磁攪拌装置の、上方向垂直移動磁界攪拌によって液体金属内部に発生する電磁力(ローレンツ力密度)の数値計算結果(電流条件:65Hz、25.8A、液体金属:溶融ガリウム)を示す縦断面図である。
【図6】図1に示す液体金属の電磁攪拌装置の、下方向垂直移動磁界攪拌によって液体金属内部に発生する電磁力(ローレンツ力密度)の数値計算結果(電流条件:65Hz、25.8A、液体金属:溶融ガリウム)を示す縦断面図である。
【図7】図1に示す液体金属の電磁攪拌装置の、回転移動磁界発生用コイルによって発生する磁束密度の数値計算結果と実測値との比較(電流条件:60Hz、10A)を示すグラフである。
【図8】図1に示す液体金属の電磁攪拌装置の、下方向垂直移動磁界発生用コイルによって発生する磁束密度の数値計算結果と実測値の比較(電流条件:60Hz、20A)を示すグラフである。
【図9】図1に示す液体金属の電磁攪拌装置の、回転移動磁界攪拌の単独印加によって液体金属内部に発生する流れ場および圧力場の数値計算結果を示す縦断面図である。
【図10】図1に示す液体金属の電磁攪拌装置の、上方向垂直移動磁界攪拌の単独印加によって液体金属内部に発生する流れ場および圧力場の数値計算結果を示す縦断面図である。
【図11】図1に示す液体金属の電磁攪拌装置の、下方向垂直移動磁界攪拌の単独印加によって液体金属内部に発生する流れ場および圧力場の数値計算結果を示す縦断面図である。
【図12】図1に示す液体金属の電磁攪拌装置の、回転移動磁界攪拌および上方向垂直移動磁界攪拌の同時印加によって発生する流れ場および圧力場の数値計算結果を示す縦断面図である。
【図13】図1に示す液体金属の電磁攪拌装置の、回転移動磁界攪拌および下方向垂直移動磁界攪拌の同時印加によって発生する流れ場および圧力場の数値計算結果を示す縦断面図である。
【図14】図1に示す液体金属の電磁攪拌装置の、粒子の巻き込み実験での使用状態を示す断面図である。
【図15】図14に示す液体金属の電磁攪拌装置の、回転移動磁界攪拌の単独印加の場合の液体金属への粒子巻き込み状態を示す斜視図である。
【図16】図14に示す液体金属の電磁攪拌装置の、上方向垂直移動磁界攪拌の単独印加の場合の液体金属への粒子巻き込み状態を示す斜視図である。
【図17】図14に示す液体金属の電磁攪拌装置の、下方向垂直移動磁界攪拌の単独印加の場合の液体金属への粒子巻き込み状態を示す斜視図である。
【図18】図14に示す液体金属の電磁攪拌装置の、回転移動磁界攪拌および上方向垂直移動磁界攪拌の同時印加の場合の液体金属への粒子巻き込み状態を示す斜視図である。
【図19】図14に示す液体金属の電磁攪拌装置の、回転移動磁界攪拌および下方向垂直移動磁界攪拌の同時印加の場合の液体金属への粒子巻き込み状態を示す斜視図である。
【図20】図14に示す液体金属の電磁攪拌装置の、粒子のサンプリング状態を示す断面図である。
【図21】図20に示す液体金属の電磁攪拌装置の、各種の攪拌方法による粒子巻き込み量をまとめたテーブルである。
【符号の説明】
【0030】
1 回転移動磁界発生用コイル
2 垂直移動磁界発生用コイル
3 液体金属用容器
4 液体金属
5 移動磁界の移動方向
6 液体金属の運動方向
7 三相電流
8 ガラスビーズ
9 ガラスビーズ採取器



【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体金属用の容器と、前記容器の外側に設けた垂直移動磁界発生用コイルと、前記垂直移動磁界発生用コイルのさらに外側に設けた回転移動磁界発生用コイルとを有し、
前記垂直移動磁界発生用コイルと、前記回転移動磁界発生用コイルとは、その電流をそれぞれ独立に制御でき、垂直方向電磁力と回転方向電磁力とを単独もしくは同時に印加可能であり、
前記垂直移動磁界発生用コイルの結線を変更することにより、垂直移動磁界の移動する方向を上向きまたは下向きに変更し、垂直方向の電磁力の向きを制御可能であり、
回転移動磁界攪拌および下方向垂直移動磁界攪拌を同時に加えることにより、前記液体金属の液面を静穏かつ平坦に保ち、前記液体金属液面の粒子を前記液体金属内に巻き込むことなく攪拌を加えることができるよう構成されていることを、
特徴とする液体金属の電磁撹拌装置。
【請求項2】
上方向垂直移動磁界攪拌を単独で加えることにより、前記液体金属液面の粒子を、効率よく前記液体金属内に混入させることができるよう構成されていることを、特徴とする請求項1記載の液体金属の電磁攪拌装置。
【請求項3】
攪拌の途中において、前記回転移動磁界攪拌および前記下方向垂直移動磁界攪拌を同時に加えた状態と、前記上方向垂直移動磁界攪拌を単独で加えた状態を、随時変更可能であることを、特徴とする請求項2記載の液体金属の電磁攪拌装置。
【請求項4】
前記液体金属用の容器内に保持されている前記液体金属液面の高さ方向の位置は、前記垂直移動磁界発生用コイルの上端部付近に設定されていることを、特徴とする請求項1、2または3記載の液体金属の電磁攪拌装置。
【請求項5】
前記液体金属液面の粒子は、固体精練剤、スラグ滴、フラックス、金属酸化物、気泡、複合材用強化粒子を含むことを、特徴とする請求項1、2、3または4記載の液体金属の電磁攪拌装置。


【図21】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−74103(P2009−74103A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−241150(P2007−241150)
【出願日】平成19年9月18日(2007.9.18)
【出願人】(504157024)国立大学法人東北大学 (2,297)
【Fターム(参考)】