説明

液晶付きシート部材及びその製造方法

【課題】 コレステリック液晶組成物が含有された液晶層における本来の特性の発現が損なわれるのを抑制し、識別性に優れ、偽造が困難であると共に、その製造コストも低減される液晶付きシート部材及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 液晶付きシート部材10は、基材シート11の表面側に接着剤層13を介して樹脂層14が設けられると共に、この樹脂層の表面側にコレステリック相からなる液晶組成物が含有された複数の液晶層15が分離して設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コレステリック液晶組成物が含有された液晶層が基材シートに形成された液晶付きシート部材及びその製造方法に係り、特に、上記の液晶層において本来の特性の発現が損なわれるのを抑制し、識別性に優れて偽造が困難になると共に、その製造も容易に行えて、製造コストも低減されるようにした点に特徴を有するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、カード、証書、金券類等の偽造防止用識別媒体として、ホログラムが用いられているが、最近においてはホログラムの制作が容易になり、特に目視用のホログラムについては、本物と区別がつかないほどの偽造品が製造されるようになっている。
【0003】
このため、近年においては、偽造防止用識別媒体として、基材シートにコレステリック液晶組成物が含有された液晶層を形成した液晶付きシート部材を用い、その反射光を目視又は光学機器により検出するようにしたものが数多く提案されている。
【0004】
そして、このような液晶付きシート部材としては、基材シートの片面にコレステリック液晶組成物が含有された液晶層を形成し、この液晶層の上に直接或いは背景層を介して接着剤や粘着剤の層を設け、この接着剤や粘着剤の層を対象物に接着させるようにしたものが提案されている。(例えば、特許文献1,2参照。)
【0005】
ここで、上記の液晶付きシート部材を上記のようにして対象物に接着させた場合、基材シートが表面側に位置するようになり、この基材シートに一般に使用されているポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂からなる材料を用いた場合には、円偏光フィルタを用いた識別が困難になる等、上記のコレステリック液晶組成物の含有された液晶層において本来の特性の発現が損なわれという問題があった。
【0006】
また、上記のような液晶付きシート部材として、基材シートの表面にコレステリック液晶組成物が含有された液晶層を直接形成するようにしたものや、基材シートの表面側に、感熱記録層を介してコレステリック液晶組成物が含有された液晶層を形成するようにしたものも提案されている。(例えば、特許文献3参照。)
【0007】
しかし、このように基材シートの表面に上記の液晶層を直接形成する場合や、上記の感熱記録層の上に上記の液晶層を直接形成するようにした場合、基材シートや基材シートの上に設けられた感熱記録層に対する液晶層の接着力が弱く、液晶層が簡単に剥がれてしまうという問題があった。
【0008】
また、上記のように感熱記録層の上に上記の液晶層を直接形成する場合や、また上記の液晶層の接着力を高めるために、基材シートや感熱記録層の上に接着剤層により上記の液晶層を直接接着して形成するようにした場合には、上記の感熱記録層や接着剤層における凹凸や、これらの層に用いる材料によって、液晶層に用いた上記のコレステリック液晶組成物の配向特性が低下し、色彩がまだらに現れたり、円偏光フィルタを用いた識別が困難になる等の問題があった。
【0009】
さらに、従来の液晶付きシート部材においては、一般に基材シートの全面に上記のような液晶層を形成し、このように形成した液晶層に対してエッチング加工やレーザ加工等によりパターニングを行うようにしており、液晶付きシート部材の製造が面倒であると共に、液晶層の無駄も多くなり、製造コストが高くつく等の問題もあった。
【特許文献1】特開2002−127647号公報
【特許文献2】国際公開WO2004/032099号公報
【特許文献3】特開2002−67502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、コレステリック液晶組成物が含有された液晶層が基材シートに形成された液晶付きシート部材における上記のような様々な問題を解決することを課題とするものであり、上記の液晶層において本来の特性の発現が損なわれるのを抑制し、識別性に優れて偽造が困難になると共に、その製造が容易に行えて、製造コストも低減される液晶付きシート部材及びその製造方法を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明における液晶付きシート部材においては、上記のような課題を解決するため、基材シートの表面側に接着剤層を介して樹脂層を設けると共に、この樹脂層の表面側にコレステリック液晶組成物が含有された複数の液晶層を分離して設けるようにしている。
【0012】
そして、本発明における液晶付きシート部材においては、上記の液晶層の光輝性等を向上させるために、上記の基材シートの表面側又は裏面側に背景層を形成することが好ましい。なお、この背景層の色彩が液晶層に反映されるようにするため、この背景層を基材シートの表面側に形成する場合には、上記の接着剤層及び樹脂層を透明又は半透明の透光性材料で構成するようにし、また上記の接着剤層及び樹脂層と共に上記の基材シートを透明又は半透明の透光性材料で構成すると、上記の背景層を基材シートの表面側又は裏面側の何れに設けるようにすることも可能になる。
【0013】
また、本発明における液晶付きシート部材においては、上記の樹脂層の表面側に設けられた液晶層を紫外線や熱等から保護するために、樹脂層の表面側に液晶層を覆うようにして透光性の表面保護層を設けることが好ましく、またこの表面保護層を耐熱性樹脂で構成すると共に、この表面保護層に紫外線吸収剤を添加させることが好ましい。
【0014】
また、本発明における液晶付きシート部材を対象物に貼着させるラベルとして使用する場合には、上記の基材シートの裏面側の最下層に粘着剤層を設けるようする。
【0015】
また、本発明における液晶付きシート部材の製造方法においては、上記のような液晶付きシート部材を製造するにあたり、剥離性シートにコレステリック液晶組成物が含有された複数の液晶層を分離して形成する工程と、上記の液晶層を被覆するようにしてこの剥離性シートの面に樹脂層を形成する工程と、基材シートの表面側に設けられた接着剤層に上記の剥離性シートに形成された樹脂層を接着させる工程と、上記の剥離性シートを上記の液晶層及び樹脂層から剥離させる工程とを行うようにする。
【発明の効果】
【0016】
本発明における液晶付きシート部材においては、基材シートの表面側に接着剤層を介して樹脂層を設けると共に、この樹脂層の表面側にコレステリック液晶組成物が含有された複数の液晶層を分離して設けるようにしたため、液晶層が基材シートの表面側に位置するようになり、上記の液晶層を基材シートの裏面側に設けた従来の液晶付きシート部材のように、基材シートによって液晶層における本来の特性の発現が損なわれるということがなく、円偏光フィルタを用いた識別等が適切に行えるようになる。
【0017】
また、この液晶付きシート部材においては、上記の液晶層が樹脂層を介して接着剤層により基材シートに十分に接着されるようになり、液晶層が簡単に剥がれるのも防止されるようになる。
【0018】
また、本発明においては、上記のような液晶付きシート部材を製造するにあたり、剥離性シートにコレステリック液晶組成物が含有された複数の液晶層を分離して形成する工程と、上記の液晶層を被覆するようにしてこの剥離性シートの面に樹脂層を形成する工程と、基材シートの表面側に設けられた接着剤層に上記の剥離性シートに形成された樹脂層を接着させる工程と、上記の剥離性シートを上記の液晶層及び樹脂層から剥離させる工程とを行うようにしたため、基材シート等の上に上記の液晶層を直接形成する従来技術の課題が解決されるようになる。すなわち、液晶層に凹凸が生じるのが抑制されると共に、液晶層に用いた上記のコレステリック液晶組成物の配向特性が低下するということもなく、色彩がまだらに現れたり、円偏光フィルタを用いた識別が困難になったりするのが防止される。
【0019】
また、本発明においては、上記のように剥離性シートにコレステリック液晶組成物が含有された複数の液晶層を分離して形成するようにしたため、基材シートの全面に液晶層を形成し、このように形成した液晶層に対してエッチング加工やレーザ加工等によりパターニングを行う従来の場合に比べて、その製造が容易に行えるようになると共に、液晶層の無駄も少なくなって、製造コストが低減される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、この発明の実施形態に係る液晶付きシート部材及びその製造方法を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、この発明に係る液晶付きシート部材及びその製造方法は、特に下記の実施形態に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
【0021】
この実施形態における液晶付きシート部材10においては、図1に示すように、透光性の基材シート11の裏面側に背景層12を形成する一方、この基材シート11の表面側に透光性の接着剤層13を設け、表面側にコレステリック液晶組成物が含有された複数の液晶層15が分離して設けられた透光性の樹脂層14をこの接着剤層13の表面側に接着させ、この樹脂層14の表面に上記の液晶層15の表面を覆うようにして透光性の表面保護層16を設けている。
【0022】
そして、このような液晶付きシート部材10を製造するにあたっては、図2に示すように、上記の液晶層15に対する剥離性が高い剥離性シート21を用い、この剥離性シート21にコレステリック液晶組成物が含有された複数の液晶層15を分離して形成する。
【0023】
ここで、上記の液晶層15に用いるコレステリック液晶組成物としては、公知の螺旋構造のコレステリック相を示す材料、或いはネマチック相を示す化合物にキラル分子を添加して得られるコレステリック相と類似の螺旋構造を有するキラルネマチック相を示す材料を用いることができる(本願発明においては、キラルネマチック相も含めてコレステリック相という。)。
【0024】
そして、このようなコレステリック液晶組成物を用いて液晶層15を形成するにあたっては、コレステリック相を固定化させるように形成することが好ましく、例えば、両末端にアクリル基を導入させた液晶分子を含む液晶層形成用塗液を上記の剥離性シート21に塗工し、これを加熱させてコレステリック相を形成し、さらにこれに紫外線を照射させて架橋させ、このコレステリック相を固定させるようにすることができる。このようにすると、温度等の環境条件が変化しても、コレステリック相は安定して存在するようになる。
【0025】
また、上記の液晶分子と一般に使用されるバインダーとを含む液晶層形成用塗液を剥離性シート21に塗工し、これを加熱させてコレステリック相を形成した後、これを乾燥させて、バインダーによりコレステリック相を固定させるようにすることもできる。
【0026】
また、上記の液晶層形成用塗液は、溶剤系と非溶剤系の何れであってもよい。
【0027】
そして、溶剤系の液晶層形成用塗液においては、溶剤としてMEK,MIBK等のケトン類、トルエン、酢酸エチル等を用いることができ、また固形分濃度は、特に制限はないが、25〜67wt%の範囲であることが好ましい。これは、固形分濃度が25wt%を下回ると、液晶層15の端部を鮮明に形成することができなくなるおそれがあると共に、乾燥に要する時間が長くなる。一方、固形分濃度が67%を超えると、塗液を加熱しないと固体が析出するおそれがある。そして、特に好ましい固形分濃度の範囲は50〜65wt%である。
【0028】
また、非溶剤系の液晶層形成用塗液においては、コレステリック相を形成する最低温度以上、好ましくはコレステリック相を形成する温度領域の温度に加熱しながら塗工を行う。
【0029】
また、上記の溶剤系及び非溶剤系の何れの液晶層形成用塗液においても、コレステリック相の固定を行うため、コレステリック相を形成する温度範囲に保ったまま架橋等を行う。このようにすると、コレステリック相は、温度環境等が変わっても安定に維持される。
【0030】
そして、上記のようにして剥離性シート21にコレステリック液晶組成物が含有された複数の液晶層15を分離して形成した後は、図3に示すように、液晶層15を被覆するようにして、剥離性シート21の面に透光性の樹脂層14を形成する。
【0031】
ここで、上記の樹脂層14の材料としては、透明又は半透明であって、上記の液晶層15に対する接着性が強い一方、上記の剥離性シート21に対する接着性が弱い材料を用いるようにし、例えば、溶剤系やエマルジョン系のアクリル系樹脂や、紫外線硬化型のアクリル系樹脂等を用いることができる。
【0032】
そして、上記のように裏面側に背景層12が形成されると共に表面側に接着剤層13が設けられた基材シート11を用い、図4に示すように、上記の剥離性シート21に形成された樹脂層14を、基材シート11の表面側に設けられた接着剤層13に接着させた後、図5に示すように、上記の剥離性シート21を液晶層15及び樹脂層14から剥離させるようにする。
【0033】
ここで、上記の基材シート11としては、その裏面側に形成した背景層12の色彩が液晶層15に有効に反映されるようにするため、透明又は半透明の透光性を有する材料で構成されたものを用いるようにし、例えば、一般に使用されているポリエチレンテレフタレート等の透明又は半透明の合成樹脂等を用いるようにする。
【0034】
また、上記の接着剤層13の材料としては、透明又は半透明の透光性を有するものを用いるようにし、例えば、溶剤系やエマルジョン系のアクリル系接着剤、エステル系接着剤、エーテル系接着剤等を用いることができる。
【0035】
そして、上記の基材シート11の裏面側における背景層12は、基材シート11の裏面側に適当な色彩のインキ等を印刷や塗工により形成することができる。ここで、この背景層12は、上記の液晶層15の光輝性等を際立たせるためのものであり、液晶層15の光輝性等を際立たせる点からは、墨インキ等を用いて黒色の背景層12を形成することが好ましい。
【0036】
また、この背景層12の色彩によって、液晶層15の目視による色調が変化するため、背景層12を形成するインキの組成や色が重要である。例えば、背景層12の色が黒のときは、液晶層15がグリーンからブルーの光輝性を示し、背景層12が赤のときは、液晶層15がオレンジから紫の光輝性を示し、背景層12が白に近い着色のときには、液晶層15が乳白色やパール調の光輝性を示すようになる。そして、この背景層12を2色以上で区分けして形成すると、液晶層15の目視による色調が、背景層12の色彩の変化に対応した彩り鮮やかな色調になる。
【0037】
そして、上記のように剥離性シート21を液晶層15及び樹脂層14から剥離させた後、上記の樹脂層14の表面に、上記の液晶層15を覆うようにして透光性の表面保護層16を形成する。
【0038】
ここで、上記の表面保護層16の材料としては、上記の液晶層15の特性を損なうことがなく、またこの液晶層15を熱や衝撃等から保護するため、耐熱性や耐衝撃性に優れたものを用いることが好ましく、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、EVA系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、セルロース系樹脂、及びこれらの混合物などを用いることができる。
【0039】
また、上記の液晶層15を紫外線から保護するため、この表面保護層16に紫外線吸収剤を添加させることが好ましく、例えば、ベンゾフェノン系、サリチレート系、ベンゾトリアゾール系、アクリロニトリル系等の各種紫外線吸収剤及びこれらの混合物等を用いることができる。
【0040】
そして、この実施形態においては、液晶付きシート部材10を上記のようにして製造したため、上記の液晶層15に凹凸が生じるのが抑制されて、色彩がまだらに現れることがなく、優れた光輝性を有するようになると共に、液晶層15に用いた上記のコレステリック液晶組成物の配向特性が低下するということもなく、円偏光フィルタを用いた識別が適切に行えるようになる。
【0041】
なお、この実施形態の液晶付きシート部材10に形成する上記の液晶層15の平面形状は特に限定されず、文字、絵柄、模様等の様々な平面形状にすることができる。
【0042】
そして、この実施形態の液晶付きシート部材10において、上記の液晶層15におけるコレステリック液晶組成物に右円偏光を反射するものを用い、例えば図6に示すように、このような液晶組成物を用いた液晶層15を円形状に形成すると共に、上記の背景層12を黒色に塗りつぶした場合において、この液晶層15の部分を図7に示すような右円偏光フィルタ31と左円偏光フィルタ32とが設けられた円偏光フィルタ30を用いて観察した。
【0043】
この結果、図8に示すように、円偏光フィルタ30の右円偏光フィルタ31の部分においては、液晶層15に用いた上記のコレステリック液晶組成物により反射された右円偏光の光がこの右円偏光フィルタ31を通して導かれ液晶層15の平面形状が見える一方、左円偏光フィルタ32の部分においては、上記のコレステリック液晶組成物により反射された右円偏光の光がカットされて、液晶層15の平面形状が見えずに、背景層12の黒色のみが見えるようになる。
【0044】
なお、この実施形態の液晶付きシート部材10を対象物に接着させるラベルとして使用する場合には、例えば、図9に示すように、上記の背景層12が形成された基材シート11の裏面側に粘着剤層17を設け、この粘着剤層17に剥離紙22を剥離可能に貼着させるようにする。
【0045】
また、この実施形態の液晶付きシート部材10においては、上記の背景層12を基材シート11の裏面側に設けるようにしたが、図10に示すように、背景層12を基材シート11の表面側に設け、この背景層12の上に接着剤層13を設けるようにすることも可能である。なお、この場合には、上記の基材シート11を透明又は半透明の透光性を有する材料で構成する必要はない。
【0046】
また、この実施形態の液晶付きシート部材10においては、背景層12を特定の色彩に塗りつぶすようにして形成したが、図示していないが、この背景層12を様々な模様や文字にすることも可能であり、さらにこのような背景層12を設けないようにしたり、また上記の基材シート11として、その表面に各種の表面処理や表面加工を行ったものを用いるようにすることも可能である。
【0047】
また、この実施形態においては、上記の背景層12を基材シート11の表面側又は裏面側に直接形成するようにしたが、この背景層12を接着剤層等の他の層を介して形成することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】この発明の一実施形態に係る液晶付きシート部材を示した断面説明図である。
【図2】上記の実施形態に係る液晶付きシート部材の製造において、剥離性シートに複数の液晶層を分離して形成した状態を示した断面説明図である。
【図3】図2に示すようにして形成した液晶層を被覆するようにして、剥離性シートの面に透光性の樹脂層を形成した状態を示した断面説明図である。
【図4】図3に示すようにして剥離性シートに形成した樹脂層を基材シートの表面側に設けられた接着剤層に接着させた状態を示した断面説明図である。
【図5】図4に示すように樹脂層を基材シートの表面側に設けられた接着剤層に接着させた後、剥離性シートを液晶層及び樹脂層から剥離させた状態を示した断面説明図である。
【図6】上記の実施形態に係る液晶付きシート部材において、液晶層を円形状に形成すると共に、背景層を黒色に塗りつぶした状態を示した概略平面図である。
【図7】上記の実施形態に係る液晶付きシート部材の液晶層の部分を観察するのに用いた円偏光フィルタの平面図である。
【図8】上記の実施形態に係る液晶付きシート部材の液晶層の部分を円偏光フィルタで観察した状態を示した概略平面図である。
【図9】上記の実施形態に係る液晶付きシート部材を対象物に接着させるラベルとして使用する例を示した断面説明図である。
【図10】上記の実施形態に係る液晶付きシート部材の変更例において、背景層を基材シート表面側に設けた例を示した断面説明図である。
【符号の説明】
【0049】
10 液晶付きシート部材
11 基材シート
12 背景層
13 接着剤層
14 樹脂層
15 液晶層
16 表面保護層
17 粘着剤層
21 剥離性シート
22 剥離紙
30 円偏光フィルタ
31 右円偏光フィルタ
32 左円偏光フィルタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材シートの表面側に接着剤層を介して樹脂層が設けられると共に、この樹脂層の表面側にコレステリック液晶組成物が含有された複数の液晶層が分離して設けられていることを特徴とする液晶付きシート部材。
【請求項2】
請求項1に記載の液晶付きシート部材において、基材シートの表面側における上記の接着剤層と樹脂層とが透光性材料で構成されると共に、上記の基材シートの表面側に背景層が形成されていることを特徴とする液晶付きシート部材。
【請求項3】
請求項1に記載の液晶付きシート部材において、上記の基材シート及びその表面側における上記の接着剤層と樹脂層とが透光性材料で構成されると共に、基材シートの表面側又は裏面側に背景層が形成されていることを特徴とする液晶付きシート部材。
【請求項4】
請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の液晶付きシート部材において、上記の樹脂層の表面側に設けられた液晶層を覆うようにして透光性の表面保護層が形成されていることを特徴とする液晶付きシート部材。
【請求項5】
請求項4に記載の液晶付きシート部材において、上記の表面保護層が耐熱性樹脂で構成されると共に、この表面保護層に紫外線吸収剤が添加されていることを特徴とする液晶付きシート部材。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の液晶付きシート部材において、上記の基材シートの裏面側の最下層に粘着剤層が形成されていることを特徴とする液晶付きシート部材。
【請求項7】
剥離性シートにコレステリック液晶組成物が含有された複数の液晶層を分離して形成する工程と、上記の液晶層を被覆するようにしてこの剥離性シートの面に樹脂層を形成する工程と、基材シートの表面側に設けられた接着剤層に上記の剥離性シートに形成された樹脂層を接着させる工程と、上記の剥離性シートを上記の液晶層及び樹脂層から剥離させる工程とを有することを特徴とする液晶付きシート部材の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−93920(P2008−93920A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−277224(P2006−277224)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【出願人】(000205306)大阪シーリング印刷株式会社 (90)
【Fターム(参考)】