説明

液晶制御装置

【課題】液晶表示装置において、安価な構成で階調表示を実現する。
【解決手段】フレームバッファRAM204の2値の表示データを順次取得し、表示データポート207(P2:ポート2)により、表示用RAM105の各ピクセルのNビットのいずれかに表示データを設定し2階調(白または黒)で送信すると共に、指定された表示エリアに対して、中間階調色の切替フラグである切替フラグポート208(P3:ポート3)を出力し、表示データポート207(P2:ポート2)とは異なる各ピクセルのNビットのいずれかにデータを入力することで、別の2階調(中間階調または白)を設定し、階調パレットテーブルの設定値に応じて3階調(白、黒、中間階調)の表示が可能となり、ROM、RAM容量を削減した安価な構成で階調表示を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家電機器、設備機器に搭載されるドットマトリクス液晶制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のドットマトリクス液晶を制御する液晶駆動装置として、特許文献1が示されている。
【0003】
特許文献1の液晶駆動装置は、ROMに1ドット1ビットの白黒の画像データを記憶し、画像データを読み出して、画面単位で画像データをDRAMに書き込み、ドットマトリクス液晶の液晶素子を駆動するLCDドライバへ信号出力するLCDコントローラを備えた液晶駆動装置を構成する。
【0004】
さらに、LCDコントローラにROMから取得した各ドット1ビットの画像データをNビットに拡張するN個のアンド回路で構成したデータ色拡張部と階調表示するためのパレットを備えることにより、ROMに格納した1ドット1ビットの白黒の画像データを、1ドット毎にNビット階調表示(または色数表示)に変換するN個のアンド回路の一方に入力する。
【0005】
同時にCPUよりもう1方に制御信号を入力し、1ドット1ビットから1ドットNビット(2のN乗階調)のデータに変換してDRAMに格納し、パレット設定に応じた階調表示を行うようにし、ROMに格納するデータ量を減らし、ROM容量を小型化、低コスト化を実現している。
【0006】
また、非特許文献1の液晶コントーラは、LCDドライバと一体化したICとなっており、LCDコントローラの階調パレットテーブルは、1ドット5ビットで形成され、32階調のグレースケール表示を可能としている。また各階調のグレー表示は、階調パレットテーブルの設定値によってLCDドライバの出力レベルを任意に設定させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−137466号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】NOVATEK社 NT7553E_V3.0 DataSheetP32−P34
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記従来の構成では、1ピクセル(1ドット)1ビットの画像データをROMに記憶し、NビットのAND回路で構成されたデータ拡張部により、2のN乗階調にデータ拡張することで、ROMに記憶するデータ容量を小型化し、ROM容量の低減を行い、コスト低減をすることが可能となる。
【0010】
しかしながら、Nビット幅に拡張した画像データを記憶するDRAMの容量は削減できないため、大きな容量のDRAMを設ける必要があり、コストが増加してしまう問題があった。
【0011】
また、非特許文献1のようなLCDコントローラを使用する場合、数KB〜数十KB程度のRAM内蔵の1チップ構成のマイクロコンピュータ(以下、マイコンと称す)において、1フレームの画像データを格納するフレームバッファRAMを設けると、必要なフレームバッファサイズは、フレームサイズ:(縦ドット×横ドット)×Nビット/8[Byte]となる。
【0012】
そのため、液晶制御に必要な階調表示が何階調であっても(2階調、4階調であっても)、液晶コントーラの表示用RAMの階調サイズ(この場合、1ピクセル5ビットの32階調サイズで固定)のフレームバッファRAMを用意する必要があり、1チップマイコンの内蔵RAMを大きくする必要があり、コストが高くなるという課題があった。
【0013】
本発明は、1チップマイコンの内蔵RAMにフレームバッファRAMを設ける場合において、液晶コントーラの表示用RAMの階調サイズに影響されずに、階調表示を実現すると共にROM容量とフレームバッファRAM容量を小型化し、低コストの液晶制御装置を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
ドットマトリクス液晶を駆動するLCDドライバと、LCDドライバへピクセル毎に表示データを出力し、前記ドットマトリクス液晶表示を制御するLCDコントローラと、前記LCDコントローラに備え、Nビット階調を出力するために備えたNビット/ピクセルで構成する表示用RAMと、表示用RAMに記憶されたピクセル毎の表示データを、前記LCDドライバを制御する出力レベルに変換する階調パレットテーブルと、前記LCDコントローラと1バイト単位のバス幅で構成された第1の出力ポートを介して接続され、前記ドットマトリクス液晶に表示する表示データを生成するCPUを備えたNビット/ピクセルと、前記Nビット/ピクセルに備え、黒又は白と中間階調又は白(黒)の1ピクセル1ビットで表す1フレームの表示データを格納するフレームバッファRAMと、前記フレームバッファRAMの表示データを順次取得し、1回のデータ送信で送られるピクセル数に対応する本数の第2の出力ポートと、上記いずれの1ビットの意味かを切り替えるフラグ出力である第3の出力ポートと、少なくとも3値の内のいずれかの2値表示の表示エリアを指定する表示エリア設定手段を備え、前記第2の出力ポートの各出力線は、前記表示用RAMの各ピクセルのNビットのいずれかに表示データが入力されるように、第1の出力ポートの中のNビット本以上の間隔を離した位置の出力線に対し各々ワイヤードOR配線して接続され、前記CPUが前記フレームバッファRAMから表示データを取得し、第2の出力ポートから連続したピクセルの表示データが出力されると、1ビット表示データがNビット幅に拡張されて液晶コントーラの表示用RAMに入力され、前記階調パレットテーブルは、前記第2の出力ポートまたは第3の出力ポートのデータに応じて、少なくとも3値のデータにデータ変換するように設定され、前記第2の出力ポート又は第3の出力ポートで設定されるビットを含むNビットデータに基づいてデータ変換すると共に前記表示エリア設定手段で設定された範囲を前記範囲以外で表示しない表示色を含む2値表示を行う液晶制御装置を構成したものである。
【0015】
この構成により、CPUがフレームバッファRAMの表示データを順次取得し、1回のデータ送信で送られるピクセル数に対応する本数の第2出力ポートのワイヤードOR配線により、表示用RAMの各ピクセルのNビットのいずれかにデータを入力するので、各ピクセルに0か1以上をセットすることができ、2階調(白または黒)表現で表示させることができる。
【0016】
さらに、表示エリア設定手段で指定された表示エリアにはいずれの1ビットの意味かを切り替えるフラグ出力である第3の出力ポートのワイヤードOR配線により、各ピクセル
のNビットのいずれかのビットにデータを入力することで、前記第2の出力ポートで入力された値とは異なる1以上の値に変更することができるようになる。
【0017】
その結果、入力するフラグビット数と階調パレットテーブルの設定値に応じて、少なくとも3値(3階調)のデータを表現できるようになる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、フレームバッファRAMやROMに格納する表示データを2値(0と1)で表現しても、3階調以上の表示ができるようになり、ROM,フレームバッファRAM容量を抑え、安価な構成で中間階調表示を実現するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1における液晶制御装置のシステム構成図
【図2】本発明の実施の形態1における液晶制御装置の回路ブロック構成図
【図3】本発明の実施の形態1における液晶制御装置の機能ブロック構成図
【図4】本発明の実施の形態1における中間階調の表示制御を示すフローチャート
【図5】本発明の実施の形態1における表示用RAMのアドレスマップを示す図
【図6】本発明の実施の形態1におけるポート2による白黒2値の表示データ出力を示す図
【図7】本発明の実施の形態1におけるLCDドライバコントローラICに送信される表示データ(設定値)を示す図
【図8】本発明の実施の形態1におけるポート3の切替フラグポートによる白・中間階調2値の表示データ出力を示す図
【図9】本発明の実施の形態1におけるLCDドライバコントローラICの階調パレットテーブルの設定値を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
第1の発明は、ドットマトリクス液晶を駆動するLCDドライバと、LCDドライバへピクセル毎に表示データを出力し、前記ドットマトリクス液晶の表示を制御する液晶コントローラと、前記液晶コントローラに備え、Nビット階調を出力するために備えたNビット/ピクセルで構成する表示用RAMと、表示用RAMに記憶されたピクセル毎の表示データを、前記LCDドライバを制御する出力レベルに変換する階調パレットテーブルと、前記液晶コントローラと1バイト単位のバス幅で構成された第1の出力ポートを介して接続され、前記ドットマトリクス液晶に表示する表示データを生成するCPUを備えたNビット/ピクセルと、前記Nビット/ピクセルに備え、黒又は白と中間階調又は白(黒)の1ピクセル1ビットで表す1フレームの表示データを格納するフレームバッファRAMと、前記フレームバッファRAMの表示データを順次取得し、1回のデータ送信で送られるピクセル数に対応する本数の第2の出力ポートと、上記いずれの1ビットの意味かを切り替えるフラグ出力である第3の出力ポートと、少なくとも3値の内のいずれかの2値表示の表示エリアを指定する表示エリア設定手段を備え、前記第2の出力ポートの各出力線は、前記表示用RAMの各ピクセルのNビットのいずれかに表示データが入力されるように、第1の出力ポートの中のNビット本以上の間隔を離した位置の出力線に対し各々ワイヤードOR配線して接続され、前記CPUが前記フレームバッファRAMから表示データを取得し、第2の出力ポートから連続したピクセルの表示データが出力されると、1ビット表示データがNビット幅に拡張されて液晶コントーラの表示用RAMに入力され、前記階調パレットテーブルは、前記第2の出力ポートまたは第3の出力ポートのデータに応じて、少なくとも3値のデータにデータ変換するように設定され、前記第2の出力ポート又は第3の出力ポートで設定されるビットを含むNビットデータに基づいてデータ変換すると共に前記表示エリア設定手段で設定された範囲を前記範囲以外で表示しない表示色を含む2値表示を行う液晶制御装置を構成したものである。
【0021】
本発明によれば、CPUがフレームバッファRAMの表示データを順次取得し、1回のデータ送信で送られるピクセル数に対応する本数の第2出力ポートのワイヤードOR配線により、表示用RAMの各ピクセルのNビットのいずれかにデータを入力するので、各ピクセルが0か1以上をセットすることができ、2階調(白または黒)表現で表示させる。
【0022】
さらに、表示エリア設定手段により指定された表示エリアでいずれの1ビットの意味かを切り替えるフラグ出力である第3の出力ポートのワイヤードOR配線により、各ピクセルのNビットのいずれかのビットにデータを入力することで、前記第2の出力ポートで入力された値とは異なる1以上の値に変更することができるようになる。
【0023】
その結果、階調パレットテーブルの設定値に対応させた、少なくとも3値(3階調)の色を表現できるようになる。また、ROMやフレームバッファRAMには、2値表示データを格納するので、データ容量を抑制でき、安価な構成で、3階調以上の液晶制御装置を実現できるようになる。
【0024】
第2の発明は、前記表示エリア設定手段で設定された範囲かどうかを判定する表示エリア判定手段を備え、前記CPUは前記フレームバッファRAMの表示データを前記第2の出力ポートより送信することで白と黒の2値で表現したデータを送信すると共に、設定された範囲であると判定すると、第3の出力ポートからフラグ出力を送信し、中間階調と白(または黒)の2値で表現したデータを送信することで、少なくとも3値の表示制御を行う請求項1に記載の液晶制御装置を構成したものである。
【0025】
本発明によれば、第2の出力ポートより、白また黒で表現される表示データを液晶コントローラ送信すると共に、表示エリア判定手段で、指定された表示エリアであることを判定すると、第3の出力ポートからフラグ出力を送信し、一部に中間階調と白(または黒)の2値(2階調)で表現された表示データを送信することで、3値(3階調)の表示ができるようになり、部分的に中間階調を表示する液晶制御装置を構成できる。
【0026】
第3の発明は、前記表示エリア設定手段で設定された範囲かどうかを判定する表示エリア判定手段を備え、前記CPUは前記フレームバッファRAMの表示データを前記第2の出力ポートより送信し、第3の出力ポートからフラグ出力を送信し、中間階調と白(または黒)の2値で表現したデータを送信すると共に、設定された範囲であると判定すると、第3の出力ポートからのフラグ出力の送信を停止し、白黒2値で表現したデータを送信することで、少なくとも3値の表示制御を行う請求項1に記載の液晶制御装置を構成したものである。
【0027】
本発明によれば、第2の出力ポートと第3の出力ポートより、中間階調と白(または黒)で表現される表示データを液晶コントローラに送信すると共に、表示エリア判定手段で、指定された表示エリアであると判定すると、第3の出力ポートからフラグ出力を停止し、1フレームの一部に黒または白の2値(2階調)で表現された表示データを送信する。
【0028】
その結果、3値(3階調)での表示ができるようになり、部分的に黒(または白)を表示する液晶制御装置を構成できる。
【0029】
第4の発明は、前記フレームバッファRAMに格納される表示データは、前記CPUによって取得され、前記フレームバッファRAMの最小アドレスの最上位ビットから順番にビットシフト処理を行い、順次第2の出力ポートに表示データ出力し、1フレーム分の表示データを送信する請求項1、2または3に記載の液晶制御装置を構成したものである。
【0030】
本発明によれば、左上のピクセルの表示データを、フレームバッファRAMの最小アドレスの最上位ビット側から順番に配置し、最小アドレスの最上位ビット側から表示データを送信するように構成することにより、前記フレームバッファRAMのアドレス位置を順番にインクリメントしながら表示データを取得し、1フレームデータを左上から右下のピクセルのデータ送信を、少ないビットシフト処理で送信が可能となり、液晶制御装置のデータ転送速度を向上すると共に利用性が向上する。
【0031】
第5の発明は、前記フレームバッファRAMに格納される表示データは、前記CPUによって取得され、前記フレームバッファRAMの最大アドレスの最下位ビットから順番にビットシフト処理を行い、順次第2の出力ポートに表示データ出力し、1フレーム分の表示データを送信する請求項1、2または3に記載の液晶制御装置を構成したものである。
【0032】
本発明によれば、左上のピクセルの表示データを、フレームバッファRAMの最小アドレスの最上位ビット側から順番に配置し、最大アドレスの最下位ビット側から順番に表示データを送信するように構成することにより、前記フレームバッファRAMのアドレス位置を順番にデクリメントしながら表示データを取得し、1フレームデータを右下から左上のピクセルのデータ送信を、少ないビットシフト処理で送信が可能となり、液晶制御装置のデータ転送速度を向上すると共に利用性が向上する。
【0033】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0034】
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態1における液晶制御装置のシステム構成図である。図2は液晶制御装置の回路ブロック構成図である。図3は液晶制御装置の機能ブロック構成図である。図1、図2、図3を用いて本実施の形態1の構成を説明する。
【0035】
図1において、液晶制御装置は、マイコン101、LCDドライバコントローラIC102、LCD103の3つの部品で構成される。
【0036】
マイコン101はROM、RAM、CPUを内蔵する1チップマイコンである。内蔵するRAMの一部に、表示データを一時的に格納するフレームバッファRAMを構成する。
【0037】
マイコン101は、LCDドライバコントローラIC102のLCDコントローラ104に対し制御信号、制御命令、表示データを送信し、送信された表示データは、LCD103に表示するデータを表示用RAM105に格納する。
【0038】
表示用RAM105は、LCD103のフレームサイズ(画面サイズ)×Nビット(2のN乗階調分)の容量を備える。LCDコントローラ104は表示用RAM105に格納された表示データに応じて、LCDドライバ106にデータを送り、LCDドライバ106は、LCD103のドットマトリクスで構成された液晶素子ひとつひとつに対して順次駆動する電圧を供給し、LCD103に所望の表示データを表示する。
【0039】
LCD103は、フレームサイズ(画面サイズ)分、例えば横240×縦128の場合、240×128=30720ピクセル(画素)の液晶素子で構成される。LCDドライバ106は、表示用RAM105の表示データに基づき継続的にLCD103に駆動電圧を供給することで、LCD103に表示データが表示される。
【0040】
LCDドライバコントローラIC102は、LCDコントローラ機能、LCDドライバ機能が1つのICで構成されたものであり、小型のドットマトリクス液晶を駆動するIC
として良く利用される。
【0041】
なお、本実施の形態では、機能が一体化したLCDドライバコントローラIC102を用いて説明するが、LCDコントローラとLCDドライバは別々に設けてもよい。
【0042】
次に、図2を用いて、本実施の形態1の液晶制御装置の内部構成を説明する。
【0043】
マイコン101には、CPU201、ROM202、RAM203、RAM203の一部にフレームバッファRAM204、I/Oコントローラ205を備え、これらを協働させマイコン101を機能させている。
【0044】
CPU201は中央演算処理装置である。後述のROM202やRAM203からプログラムの命令やデータを読み出し、LCD103に表示する表示データを加工、演算し、RAM203のフレームバッファRAM204に格納する。
【0045】
具体的には、ROM202の画像データ、ビットマップフォントデータをCPU201で読み出し加工し、後述のフレームバッファRAM204の所望のアドレスにデータを書き込む。これを複数回繰り返し、フレームバッファRAM204上にフレームデータ(1画面データ)を作成する。
【0046】
ROM202は、プログラムの命令、データ及び表示データを格納する。ROM202は、1度しか書き込みが不可なROMでも書換え可能なFLASHROMのいずれであっても構わない。
【0047】
RAM203は、プログラムで使用する設定データや表示データなどを格納する。またRAM203には、1ピクセル1ビットで構成したフレームバッファRAM204を備える。例えば、240×128ドットの場合、3840バイトのフレームバッファRAM204を確保する。RAM203は、SRAMでもDRAMでも構わない。
【0048】
フレームバッファRAM204は、マイコン101がLCD103で表示するフレームデータを一時的に格納するためのバッファRAMである。
【0049】
CPU201は、ROMに格納された画像部品データを必要数取得し加工演算し、表示させたいフレームデータ(1画面データ)をフレームバッファRAM上に作成し格納する。CPU201は、LCD103に表示させるフレームデータ(1画面データ)を継続して作成し、LCD103へ表示させることでLCD103に絶えず表示データを表示させる。
【0050】
I/Oコントローラ205は、マイコン101のIOポートを制御する制御装置である。
【0051】
I/Oコントローラ205には、LCDドライバコントローラIC102を制御するA0:レジスタセレクト、CS:チップセレクト、WE:ライトイネーブル、RE:リードイネーブル、RST:リセットの5本の制御信号出力と、8本の制御バスである制御バスポート206(P1:ポート1、第1の出力ポートに相当)、表示データを出力する2本の表示データポート207(P2:ポート2、第2の出力ポートに相当)、切替フラグ出力である2本の切替フラグポート208(P3:ポート3、第3の出力ポートに相当)が接続されている。
【0052】
前記出力ポートの出力信号を協働させ、LCDドライバコントローラIC102を制御
し、LCD103へ表示データを表示させる。
【0053】
A0:レジスタセレクトは、送信データが、LCDドライバコントローラIC102への制御命令か制御データかを切り替える。CS:チップセレクトは、LCDドライバコントローラIC102へのチップ選択信号である。Lアクティブ場合、Lに設定し、LCDドライバコントローラIC102へ制御命令、制御データ送信を行う。
【0054】
WE:ライトイネーブルは、送信する制御命令または制御データをラッチするためのイネーブル信号である。立ち下がりまたは立ち上がりのエッジ信号により、送信する制御命令または制御データをLCDドライバコントローラIC102へ取り込む。
【0055】
RE:ライトイネーブルは、マイコン101に受信する制御データをラッチするためのイネーブル信号である。立ち下がりまたは立ち上がりのエッジ信号により、受信する制御データをLマイコン101へ取り込む。
【0056】
RST:リセットは、LCDドライバコントローラIC102へのリセット信号である。Lアクティブ場合、Lに設定し、LCDドライバコントローラIC102のレジスタ設定をクリアし、リセットを行う。
【0057】
制御バスポート206は、P1(ポート1:P10〜P17)で示される8本の出力ポートで構成され、LCDドライバコントローラIC102の入力ポートD7〜D0に8ビットの制御命令や制御データをセットし出力する。
【0058】
表示データポート207は、P2(ポート2:P26、P27)で示され、マイコン101の出力ポートの最上位ビット側から2本のポートを使用したもので、フレームバッファRAM204に格納するフレームデータ(1画面データ)を順次取得し、ビットシフト処理を行いながら、LCDドライバコントローラIC102へ出力し送信する。
【0059】
また、表示データポート207の各出力ポートは、制御バスポート206の所定位置にワイヤードOR配線される。
【0060】
表示データポート207の連続する2ピクセルを、制御バスポート206の各ピクセルの最上位ビット(ビット3)に接続している。本実施の形態の場合、4ビット幅のピクセルのため、4ビット幅を離して各ピクセルにデータが入力されるように接続している。
【0061】
すなわち、Nビット階調の場合、Nビット幅もしくはNビット以上の幅を離して接続する。このワイヤードOR配線により、ソフト処理によりビットシフト処理を削減できるため、マイコン101の処理速度が向上する。動作の詳細は後述する。
【0062】
なお、表示データポート207が出力するタイミングにおいては、CPU201により制御バスポート206のOR配線されている出力端子は、入力設定等に切替えることで出力値の衝突を回避する。また制御バスポートの接続ポート側から出力する場合は、その逆に切り替える。
【0063】
切替フラグポート208は、P3(ポート3:P30、P31)で示され、切替フラグポート208は2本のポートを使用したもので、それぞれピクセルごとに決定される制御バスポート206の所定位置にワイヤードOR配線される。
【0064】
切替フラグポート208は、中間階調色(グレー)を含む2値画像データを送信する場合に、フラグON(“1”入力)する。それ以外はフラグOFF(“0”入力)に設定す
る。また、LCDドライバコントローラIC102の各ピクセルのビット2に接続され、当該ビットに色指定切替のフラグ情報をセットする。
【0065】
このフラグ情報によりビット3にセットされる“1”の表示データが黒なのか中間階調色なのかを判定する。なお切替フラグポート208が出力するタイミングにおいては、CPU201により制御バスポート206のOR配線されている出力端子は、入力設定に切替える(Hi−Z:ハイインピーダンスに設定する)ことで出力値の衝突を回避する。
【0066】
LCDドライバコントローラIC102のI/Fバスコントローラ209は、マイコン101のから入力される制御信号や、制御バスポートの制御命令、制御データやフレームバッファRAM204から転送される表示データを取得する。各制御信号に応じて、表示データを順次取得し、表示用RAM105に順次格納する。
【0067】
階調パレットテーブル210は、表示用RAM105に格納されたピクセル毎の表示データを、例えば1ピクセル4ビットの場合、0〜15(2の4乗:16階調)のインデックス値に対して、LCDドライバ106が液晶駆動する駆動電圧レベルに変換する。
【0068】
LCDドライバ106は、セグメントドライバ211とコモンドライバ212とで構成される。それぞれ、LCD103の240セグメントをセグメントドライバ211で駆動し、128コモンをコモンドライバ212で駆動し、ピクセル単位の液晶素子を駆動している。
【0069】
図3に液晶制御装置の機能ブロック構成図を示す。図3に示されるように、液晶制御装置の機能は、表示エリア設定手段301、記憶手段302、表示データ制御手段303、表示エリア判定手段304、アドレス演算手段305、ポート出力手段306、ポート出力手段307、LCDドライバコントローラIC102、LCD103で実現される。
【0070】
このうち、表示エリア設定手段301、記憶手段302、表示データ制御手段303、表示エリア判定手段304、アドレス演算手段305、ポート出力手段306、ポート出力手段307は、ソフトウェアによって図2で示される回路ブロックを動作させることによりマイコン101内で実現される。
【0071】
表示エリア設定手段301は、中間階調表示を行う表示エリアを記憶手段302に設定する。表示エリアは、後述するLCDドライバコントローラIC102に備える表示用RAMのアドレス範囲を指定する。
【0072】
記憶手段302は、表示エリア設定手段301で指定された中間階調色を表示するアドレス範囲を、開始垂直アドレス、開始水平アドレス、終了垂直アドレス、終了水平アドレスとして記憶する。またLCD103に表示させる表示データも記憶する。
【0073】
表示データ制御手段303は、記憶手段302より、前述の中間階調色を表示するアドレス範囲(開始垂直アドレス、開始水平アドレス、終了垂直アドレス、終了水平アドレス)と、表示データを取得する。
【0074】
表示データは、格納されている記憶手段302の先頭アドレスから、取得、送信、アドレスインクリメントを繰り返しながら、所定バイト数分(1フレーム分)の表示データをLCDドライバコントローラIC102へ送信する。表示データを送信する場合、表示データ出力のポート出力手段306、中間階調の切替フラグ出力のポート出力手段307に表示データをセットし送信する。
【0075】
表示エリア判定手段304は、表示データ制御手段303が送信する表示データの送信先の表示用RAM105のアドレスが、表示エリア設定手段301で指定されたアドレス範囲であるかを判定する。判定情報は表示データ制御手段303で取得され、指定範囲であった場合は、ポート出力手段307より中間階調のフラグ出力または停止を行う。
【0076】
アドレス演算手段305は、表示データを送信するLCDドライバコントローラIC102の表示用RAMアドレスを演算する。具体的には、表示データを所定バイト数送信する度にインクリメントし、送信先のRAMアドレスを演算する。演算された送信先のRAMアドレスは、表示データ制御手段303により取得され、中間階調色を表示するアドレス範囲と比較される。
【0077】
ポート出力手段306は、表示データ出力を行う。表示データ制御手段303により1回で送信する表示データを、ポート2にセットし、ポート出力手段306によりLCDドライバコントローラIC102へ送信する。
【0078】
ポート出力手段307は、中間階調の切替フラグ出力を行う。送信先のRAMアドレスが指定された中間階調色のアドレス範囲であった場合、表示データ制御手段303によりポート出力手段307を制御し切替フラグ出力させる。
【0079】
LCDドライバコントローラIC102は、LCDドライバコントローラICで構成される。LCD103を駆動する電源制御、表示データ制御を行う。表示データ制御手段303から送信される表示データを表示する。
【0080】
次に、本実施の形態1のフレームバッファRAM204に2値で格納した表示データを、4ビット階調の表示用RAM105に合わせて表示データを変換し、一部の表示データ範囲を中間階調(グレー)で送信し、階調パレットテーブル210により、3階調表示を行う動作、作用について図4を用いて説明する。
【0081】
図4は、本実施の形態1における中間階調の表示制御を示すフローチャートである。CPU201は、ROM202により画像データを取得し、データを加工してフレームバッファRAM204の所定位置(アドレス)を指定して画像データをセットする。前記処理を複数回行い、1フレーム分(1画面分)の表示データを作成する(S401)。
【0082】
なお、本実施の形態1では、安価なワンチップマイコンを想定しているため、フレームバッファRAM204はマイコン101のRAM203内に形成しているが、マイコン101の外部に設けてもよい。
【0083】
次に、CPU201は、中間階調表示行う表示用RAM105のアドレス範囲(開始垂直アドレス、開始水平アドレス、終了垂直アドレス、終了水平アドレス)をRAM203に設定する。また1フレーム分の表示データを送信する表示用RAM105の先頭アドレスをRAM203に設定する(S402)。
【0084】
CPU201は、RAM203より表示データの送信先の表示用RAM105の先頭アドレスを読み出す。またフレームバッファRAM204より、当該アドレスに送信する表示データを読み出し取得する(S403)。
【0085】
この時、1バイト単位で表示データを取得するため、1回の表示データ送信で2ピクセル分送信するので、ビットシフト処理と送信を所定回数行い、1バイト分(8ピクセル分)の表示データを送信する。なおシステムに応じて1バイト単位でなくてもよく、バイト幅単位で取得される。
【0086】
次に、送信先の表示用RAM105のアドレスが、表示エリア設定手段301で設定したアドレス範囲であるかを判定する(S404)。
【0087】
具体的には、CPU201において、RAM203より取得した送信先の表示用RAM105のアドレスが、中間階調表示行う表示用RAM105のアドレス範囲内であるかどうかを表示エリア判定手段304で比較、判定する。
【0088】
LCDドライバコントローラIC102の表示用RAMのアドレスマップを図5に示す。水平方向には、セグメントドライバが接続され、SEG1、SEG2、SEG3、SEG4、・・・の順番に並んでいる。また垂直方向には、コモンドライバが接続され、COM1、COM2、COM3、・・・、の順番に並んでいる。画面サイズが240×128ドットの場合、SEG1〜SEG240,COM1〜COM128となる。
【0089】
また、図5のセグメント内の設定値は、2値表現であり各4ビットで構成される。2つのセグメントで1バイト=8ビットで構成され、(COM1、SEG1+SEG2)はアドレス0x0000(垂直アドレス:0x00、水平アドレス:0x00)となる。
【0090】
表示エリア判定手段304の判定が“指定範囲外”であった場合、取得された1フレーム(1画面データ)の表示データの先頭1バイトの上位2ビットから表示データポート207(P2:ポート2)を用いて送信され、同時に中間階調色の切替出力のための切替フラグポート208(P3:ポート3)は、フラグOFF出力(L出力)される(S405)。
【0091】
具体的には、図6に示すように、表示データポート207(P2:ポート2)の上位ビット側から2ビット(P27、P26)で、2ピクセル分をセットし、ワイヤードOR配線601、602を介して、マイコン101からLCDドライバコントローラIC102へデータを送信する。
【0092】
この時、制御バスポート206(P1:ポート1)とOR配線されているP17、P13は、マイコン101の設定で入力設定に切り替えているため、Hi−Z(ハイインピーダンス状態)になっており、同一配線上に接続されている出力ポートの衝突を回避している。
【0093】
同時に制御バスポート206(P1:ポート1)のデータがセットされない出力端子は0(L出力)がセットされる。表示データポート207(P2:ポート2)の出力端子P25−P20は未接続端子である。
【0094】
そして、取得した1バイトの上位2ビット送信した後、2ビット左シフト処理を行い、次の2ビットを送信、2ビット左シフトを繰り返して、1バイト=8ビット分送信する。
【0095】
また、ワイヤードOR配線構成により、1ピクセル1ビットのデータが、1ピクセル4ビットの表示データに変換され、I/Fバスコントローラ209を介して、表示用RAM105にセットされる。本実施の形態では、各ピクセルの最上位ビット(ビット3)に、表示データをセットする。
【0096】
制御バスポート206(P1:ポート1)の送信により、白・黒2階調で表現した表示データがLCDコントローラドライバIC2に送信される。この時、ピクセル0、1において、それぞれ白表示の場合、図7の符号701で示される設定となる。同様に黒表示の場合、図7の符号702で示される設定となる。
【0097】
次に、表示エリア判定手段304の判定が“指定範囲内”であった場合、指定エリアに対して、中間階調(グレー)表示を行うため、取得された1フレーム(1画面データ)の表示データの先頭1バイトの上位2ビットから表示データポート207(P2:ポート2)を用いて送信され、同時に中間階調色の切替出力の切替フラグポート208(P3:ポート3)は、フラグON出力(H出力)される(S406)。
【0098】
通常、黒を指定する表示データを、中間階調(グレー)表示に変更するため、中間階調表示に切り替えるためのフラグ出力である切替フラグポート208(P3:ポート3)をH出力する(フラグON)。送信される表示色は、中間階調(グレー)と白となる。
【0099】
この時、図8のように、切替フラグポート208(P3:ポート3)をH出力(フラグON)にした状態で、表示データポート207(P2:ポート2)のワイヤードOR配線601、602により、画像データが送信される。この時ピクセル0、1において、それぞれ白表示の場合、図7の符号703で示される設定となる。
【0100】
切替フラグ情報がセットされるビット位置がH、すなわち1にセットされ、表示データポート207(P2:ポート2)のワイヤードOR配線601、602により、最上位ビットに0がセットされる。
【0101】
同様に、それぞれ中間階調(グレー)表示の場合、図7の符号704で示される設定となる。切替フラグ情報がセットされるビット位置がH(1)がセットされ、表示データポート207(P2:ポート2)のワイヤードOR配線601、602により、最上位ビットに1がセットされる。
【0102】
そして表示用RAM105に設定された表示データは、階調パレットテーブル210により、LCDドライバ106の出力レベルに変換される。階調パレットテーブル210の設定値を図9に示す。
【0103】
前述のとおり、表示用RAM105に設定した表示データの各ピクセルの値(インデックス値)を、LCDドライバ106の制御レベルに変換するため、階調パレットテーブル設定値901を使用する。各ピクセルの表示データのビット3は、表示データポート207(P2:ポート2)で設定される。ビット2は、中間階調用の切替フラグビットとして切替フラグポート208(P3:ポート3)で設定される。
【0104】
ピクセルのインデックス値0(図9中の符号902)と4(図9中の符号903)は、表示色白に設定され、LCDドライバの制御レベルをALL OFFレベル(0レベル/16階調)で駆動する。
【0105】
また、ピクセルのインデックス値8(図9中の符号904)は、表示色黒に設定され、LCDドライバの制御レベルをALL ONレベル(16レベル/16階調)で駆動する。そしてピクセルのインデックス値12(図9中の符号905)は、表示色グレー(中間階調)に設定され、LCDドライバの制御レベルの一例として、10レベル/16階調で駆動し、LCD103に表示データを3階調で表示する(S407、S408)。
【0106】
フレームバッファRAM204の先頭1バイト=8ビット=8ピクセル分の表示データをLCDドライバコントローラIC102へ送信すると、CPU201は、送信する表示データがまだあるかどうかを確認するため、フレームバッファRAM204のアドレス値がフレームバッファRAM204の最終アドレスと比較する(S409)。
【0107】
最終アドレスではない場合、CPU201は、次に取得する表示データの格納先であるフレームバッファRAM204のアドレス値を+1カウントアップし、RAM203に記憶する。同時に、送信先である表示用RAMアドレスのアドレス値も+1カウントアップする(S410)。
【0108】
そして、フレームバッファRAM204の先頭アドレスから2バイト目の表示データを取得し、前述動作と同様に、2バイト目の表示データをLCDドライバコントローラIC102へ送信する。これを、フレームバッファRAM204の最終アドレスまで繰り返し処理し、1フレームの表示データを送信し、LCD103に所望の表示画像を表示させる。
【0109】
このように、本実施の形態によれば、CPU201がフレームバッファRAM204の表示データを順次取得し、1回のデータ送信で送られるピクセル数に対応する本数の表示データポート207(P2:ポート2)のワイヤードOR配線により、表示用RAM105の各ピクセルの4ビットのいずれかにデータを入力するので、各ピクセルが0か1以上をセットすることができ、2階調(白または黒)表現で表示すると共に、表示エリア設定手段で指定されたエリアに対して、いずれの1ビットの意味かを切り替えるフラグ出力である切替フラグポート208(P3:ポート3)の出力ポートのワイヤードOR配線により、各ピクセルのNビットのいずれかのビットにデータを入力することで、表示データポート207(P2:ポート2)で入力された値とは異なる1以上の値に変更することができるようになり、階調パレットテーブルの設定値に対応させた、少なくとも3値(3階調)の色を表現が可能となる。
【0110】
また、ROM202やフレームバッファRAM204には、2値表示データを格納しているためデータ容量を抑制するので、8ビットマイコンなどのROM、RAMの少ない1チップマイコンを利用した安価な構成で、3階調以上の液晶制御装置を実現可能になる。
【0111】
また、表示エリア判定手段304で、表示エリア設定手段301で指定されたアドレス範囲であると判定すると、表示データポート207(P2:ポート2)による表示データ出力に加えて、切替フラグポート208(P3:ポート3)からフラグ出力を送信し、中間階調と白(または黒)の2値で表現したデータを送信することで、フレームバッファRAM204の表示データが2値であっても、3値表現ができるようになり、エリア的に中間階調を表示することができる。
【0112】
逆に、表示エリア判定手段304で、表示エリア設定手段301で指定されたアドレス範囲であると判定すると、表示データポート207(P2:ポート2)による表示データ出力に加えて、切替フラグポート208(P3:ポート3)からフラグ出力を送信している状態から、切替フラグポート208(P3:ポート3)からのフラグ出力を停止する。
【0113】
これにより、中間階調と白(または黒)の2値で表現したデータの一部分を、白と黒の2値表現のデータを送信できるため、フレームバッファRAM204の表示データが2値であっても3値表現ができるようになり、中間階調表示上に部分的に2値白黒表示を行うことができるようになる。
【0114】
また、左上のピクセルの表示データを、フレームバッファRAM204の最小アドレスの最上位ビット側から順番に配置し、最小アドレスの最上位ビット側から表示データを送信するように構成すると、前記フレームバッファRAM204のアドレス位置を順番にインクリメントしながら表示データを取得し、1フレームデータを左上から右下のピクセルのデータ送信を、少ないビットシフト処理で送信が可能となる。
【0115】
その結果、液晶制御装置のデータ転送速度を向上すると共に利用性が向上する。
【0116】
また、左上のピクセルの表示データを、フレームバッファRAM204の最小アドレスの最上位ビット側から順番に配置し、最大アドレスの最下位ビット側から順番に表示データを送信するように構成すると、前記フレームバッファRAM204のアドレス位置を順番にデクリメントしながら表示データを取得し、1フレームデータを右下から左上のピクセルのデータ送信を、少ないビットシフト処理で送信が可能となる。
【0117】
その結果、液晶制御装置のデータ転送速度を向上すると共に利用性が向上する。
【0118】
なお、中間階調色の制御レベルは限定されるものではなく、LCDドライバ106で設定可能な最小レベルと最大レベルの中間レベルであればどの設定値でも構わない。そして表示用RAM105に設定された表示データ値より、階調パレットテーブル210で変換された制御レベルに応じて、LCD103の各ピクセルの液晶素子を駆動することにより、白、黒、グレー(中間階調)の3色(3階調)の階調表示制御を行う。
【0119】
なお、本実施の形態では、4ビット階調の表示用RAM105を備えるLCDコントローラドライバIC2で説明したがこれに限定されるものではなく、5ビット階調などであってもよい。
【0120】
また、8ビット(1バイト)2ピクセルの表示用RAM105構成を用いて説明したが、ピクセルの割り当て方に限定されるものではなく、16ビット3ピクセル5ビット(32階調)などであってもよく、表示データポート207(P2:ポート2)のワイヤードOR配線を接続する間隔を、Nビット幅(この場合、“5”)以上離して接続することで同様に構成できる。また1アドレスのデータ幅も8ビットでなくてもよく、16ビットでも32ビットでも構わない。
【0121】
また、制御バスポート206(P1:ポート1)のバス構成として8ビットバスで説明したが、16ビットバスでも同様に構成可能である。16ビット3ピクセル5ビットの場合、P2(ポート2)207は3本になり、各々5ビット幅離してワイヤードOR配線される。
【0122】
また、切替フラグポート208(P3:ポート3)は2本で構成して説明したが、1回で転送される各ピクセル(本実施の形態の場合は、2ピクセル)に各々データをセットする構成であればよい。またLSB側の2本のポートを用いたように説明したがビット位置には依存しない。
【0123】
また、フレームバッファRAM204のフレームデータ(1画面データ)の1画面分の表示データの左上のピクセルデータから右下のピクセルデータまで順番に送信するように説明したが、右下から左上に順番に送信してもよい。
【0124】
また、フレームバッファRAM204のアドレスの最小アドレスも最上位ビットから送信するようにしてもよいし、最大アドレスの最下位ビットから送信してもよい。
【0125】
また、本実施の形態では、中間階調色として1色のみを制御するように、切替フラグポート208(P3:ポート3)のワイヤードOR配線の一本を制御したが、複数本で構成することもでき、階調パレットテーブル210の設定により中間階調色を増やすことが可能である。
【0126】
また、表示用RAM105、液晶画面サイズとして240×128ドットで説明したが
これに限定されない。
【0127】
マイコン101は主として8ビットマイコンや16ビットマイコンなどの処理能力が低いマイコンを想定するが、32ビット以上の高処理能力のマイコンであっても同様に構成できる。
【0128】
階調パレットテーブル設定値901のインデックス値として、使用する値(0、4、8、12)のみ設定したものを説明したがこれに限定されない。インデックス値1つに対して、1つの表示色となるように表示データポート207(P2:ポート2)、切替フラグポート208(P3:ポート3)の入力を構成すればよい。
【0129】
また、表示データポート207(P2:ポート2)、切替フラグポート208(P3:ポート3)とLCDドライバコントローラIC102を接続するビット位置は、それぞれ各ピクセルのビット3、ビット2に接続した構成で説明したが、各ピクセルに表示データまたは切替フラグ出力が入力できる構成であればよく、接続するビット位置には依存しない。
【産業上の利用可能性】
【0130】
本発明にかかる液晶制御装置は、家庭用、業務用など家電機器、設備機器など、処理能力の低いマイコンを利用したドットマトリクス液晶を使用する液晶制御装置に適用できる。
【符号の説明】
【0131】
101 マイコン
102 ドライバコントローラIC
103 LCD
104 LCDコントローラ
105 表示用RAM
106 LCDドライバ
201 CPU
204 フレームバッファRAM
206 制御バスポート
207 表示データポート
208 切替フラグポート
210 階調パレットテーブル
901 階調パレットテーブル設定値
301 表示エリア設定手段
302 記憶手段
303 表示データ制御手段
304 表示エリア判定手段
305 アドレス演算手段
306、307 ポート出力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドットマトリクス液晶を駆動するLCDドライバと、LCDドライバへピクセル毎に表示データを出力し、前記ドットマトリクス液晶の表示を制御する液晶コントローラと、前記液晶コントローラに備え、Nビット階調を出力する為に備えたNビット/ピクセルで構成する表示用RAMと、表示用RAMに記憶されたピクセル毎の表示データを、前記LCDドライバを制御する出力レベルに変換する階調パレットテーブルと、前記液晶コントローラと1バイト単位のバス幅で構成された第1の出力ポートを介して接続され、前記ドットマトリクス液晶に表示する表示データを生成するCPUを備えたNビット/ピクセルと、前記Nビット/ピクセルに備え、黒又は白と中間階調又は白(黒)の1ピクセル1ビットで表す1フレームの表示データを格納するフレームバッファRAMと、前記フレームバッファRAMの表示データを順次取得し、1回のデータ送信で送られるピクセル数に対応する本数の第2の出力ポートと、上記いずれの1ビットの意味かを切り替えるフラグ出力である第3の出力ポートと、少なくとも3値の内のいずれかの2値表示の表示エリアを指定する表示エリア設定手段を備え、前記第2の出力ポートの各出力線は、前記表示用RAMの各ピクセルのNビットのいずれかに表示データが入力されるように、第1の出力ポートの中のNビット本以上の間隔を離した位置の出力線に対し各々ワイヤードOR配線して接続され、前記CPUが前記フレームバッファRAMから表示データを取得し、第2の出力ポートから連続したピクセルの表示データが出力されると、1ビット表示データがNビット幅に拡張されて液晶コントーラの表示用RAMに入力され、前記階調パレットテーブルは、前記第2の出力ポートまたは第3の出力ポートのデータに応じて、少なくとも3値のデータにデータ変換するように設定され、前記第2の出力ポート又は第3の出力ポートで設定されるビットを含むNビットデータに基づいてデータ変換すると共に前記表示エリア設定手段で設定された範囲を前記範囲以外で表示しない表示色を含む2値表示を行う液晶制御装置。
【請求項2】
前記表示エリア設定手段で設定された範囲かどうかを判定する表示エリア判定手段を備え、前記CPUは前記フレームバッファRAMの表示データを前記第2の出力ポートより送信することで白と黒の2値で表現したデータを送信すると共に、設定された範囲であると判定すると、第3の出力ポートからフラグ出力を送信し、中間階調と白(または黒)の2値で表現したデータを送信することで、少なくとも3値の表示制御を行う請求項1に記載の液晶制御装置。
【請求項3】
前記表示エリア設定手段で設定された範囲かどうかを判定する表示エリア判定手段を備え、前記CPUは前記フレームバッファRAMの表示データを前記第2の出力ポートより送信し、第3の出力ポートからフラグ出力を送信し、中間階調と白(または黒)の2値で表現したデータを送信すると共に、設定された範囲であると判定すると、第3の出力ポートからのフラグ出力の送信を停止し、白黒2値で表現したデータを送信することで、少なくとも3値の表示制御を行う請求項1に記載の液晶制御装置。
【請求項4】
前記フレームバッファRAMに格納される表示データは、前記CPUによって取得され、前記フレームバッファRAMの最小アドレスの最上位ビットから順番にビットシフト処理を行い、順次第2の出力ポートに表示データ出力し、1フレーム分の表示データを送信する請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶制御装置。
【請求項5】
前記フレームバッファRAMに格納される表示データは、前記CPUによって取得され、前記フレームバッファRAMの最大アドレスの最下位ビットから順番にビットシフト処理を行い、順次第2の出力ポートに表示データ出力し、1フレーム分の表示データを送信する請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【図6】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−255853(P2012−255853A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127882(P2011−127882)
【出願日】平成23年6月8日(2011.6.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】